本発明は老化又は死滅の問題なしに継続的に継代培養することができるナチュラルキラー細胞株を提供する。
本発明の第2の目的は、継代培養後、少なくとも3ヶ月CD16+受容体の安定発現ができるナチュラルキラー細胞を提供することである。
本発明のもう一つの目的は非トランスジェニックCD16+ナチュラルキラー細胞株を提供することである。
本発明のもう一つの目的は免疫力が低下したマウスに対して腫瘍形成性がないCD16+ナチュラルキラー細胞株を提供することである。
本発明のもう一つの目的はγ線を照射した後に同種異系の人間被験者に対して発癌性がないCD16+ナチュラルキラー細胞株を提供することである。
本発明のもう一つの目的はCD16+ナチュラルキラー細胞を大量増殖させる為の培養方法を提供することである。
本発明のもう一つの目的はCD16+ナチュラルキラーが増殖した後にCD16受容体の安定発現ができる培養方法を提供することである。
本発明のもう一つの目的はヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が実質的に濃縮された組成物を提供することである。この組成物におけるヒトCD16+ナチュラルキラー細胞数は少なくとも5×105であり、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は組成物における細胞の総数を100%として、数で5%以上の量である。ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は次の特徴を有する:細胞は、継代培養後、少なくとも3ヶ月間増殖能力を保持することである。
本発明は以下の特徴を有するヒトナチュラルキラー細胞を提供する:(i) CD16受容体を発現すること、(ii) 継代培養後、少なくとも3か月増殖能力を保持することと、(iii) CD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチド配列を含有することであり、このCD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチド配列は合成されておらず、遺伝子改変されておらず、および/又は意図的に細胞に導入されていないことである。
好ましくは、ヒトナチュラルキラー細胞は、継代培養後、少なくとも1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、又は11ヶ月間増殖することができる。
好ましくは、ヒトナチュラルキラー細胞は、継代培養後、少なくとも1年、2年、又は3年増殖することができる。
好ましくは、ヒトナチュラルキラー細胞が免疫力が低下したマウスにおいて非腫瘍形成性である。
好ましくは、免疫力が低下したマウスがSCID/beige、 NOD/SCID, NSG,又はヌードマウスである。
本発明は更にヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が実質的に濃縮された組成物を提供する。この組成物におけるヒトCD16+ナチュラルキラー細胞数は少なくとも5×105であり、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は組成物における細胞の総数を100%として、数として5%以上の量である。ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は以下の特徴を有する: (i) CD16受容体を発現すること、(ii) 継代培養後、少なくとも3ヶ月間増殖能力を保持することと、(iii) CD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチド配列を含有することであり、このCD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチド配列は合成されておらず、遺伝子改変されておらず、および/又は意図的に細胞に導入されていないことである。
好ましくは、組成物におけるヒトCD16+ナチュラルキラー細胞数が5×105~5×109である。
好ましくは、組成物におけるヒトCD16+ナチュラルキラー細胞数が1×106、1.1×106、5×106、5.1×106、1×107、1.1×107、5×107、5.1×107、1×108、1.1×108、5×108、5.1×108、1×109 、1.1×109、又は5×109である。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の総量が、組成物における細胞の総数を100%として、5%~100%である。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が、組成物における細胞の総数を100%として、数で5%、7%、9%、10%、12%、15%、19%、20%、22%、25%、29%、30%、32%、35%、39%、40%、42%、45%、49%、50%、52%、55%、59%、60%、62%、65%、69%、70%、72%、75%、79%、80%、82%、85%、89%、又は95%以上の量である。
好ましくは、CD16受容体がCD16a受容体又はCD16b受容体である。
好ましくは、CD16a受容体又はCD16b受容体をコードする発現されたポリヌクレオチド配列が合成されておらず、遺伝子改変されておらず、および/又は意図的に細胞に導入されていない。
ヒトCD16+チュラルキラー細胞が実質的に濃縮された組成物を得る方法であり以下の方法を含有する: (a) 寄託番号ATCC CRL-2407を有するヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団を取得し、 (b) ヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団をCD16受容体に特異的な抗体と接触させ、および(c) 抗体によって特異的に結合される細胞を分離する。それによって、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が実質的に濃縮された組成物を得る。
このヒトCD16+ナチュラルキラー細胞はCD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチドを含有し、CD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチド配列は合成されておらず、遺伝子改変されておらず、および/又は意図的に細胞に導入されていない。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は、継代培養後、少なくとも3か月増殖能力を保持する。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は、継代培養後、少なくとも1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、又は11か月増殖能力を保持することができる。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は、継代培養後、少なくとも1年、2年、又は3年増殖能力を保持することができる。
好ましくは、CD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチド配列が合成されておらず、遺伝子改変されておらず、および/又は意図的に細胞に導入されていない。
好ましくは、組成物におけるヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が、組成物における細胞の総数を100%として、数で80%以上の量である。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が、組成物における細胞の総数を100%として、数で5%以上の量である。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が、組成物における細胞の総数を100%として、数で50%以上の量である。
好ましくは、培養培地における溶解グルコースの濃度が1500mg/Lよりも高い。
好ましくは、培地が完全に通気され、培地における溶解酸素の濃度も安定範囲に維持され、又は培地における溶解グルコースの濃度が1500~5000 mg/Lである。
好ましくは、培養培地における溶解グルコースの濃度が2500、2501、3500、3501、4000、又は4500mg/Lである。
好ましくは、組成物中のヒトCD16+ナチュラルキラー細胞数が少なくとも5×105であり、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が組成物における細胞の総数を100%として、数で5%以上の量である。
好ましくは、組成物中のヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の数は5×105~5×109である。
好ましくは、組成物中のヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の数は 1×106、 1.1×106、 5×106、 1×107、 1.1×107、5×107、5.1×107、 1×108、1.1×108、5×108、5.1×108、1×109、1.1×109、5×109、 1×1010、1.1×1010、 5×1010、 1×1011、 1.1×1011、5×1011、 5.1×1011、 1×1012、 1.1×1012、5×1012、 5.1×1012、 1×1013、 1.1×1014、 5×1014、 1×1015、 1.1×1015、 5×1015、1×1016、 1.1×1016、 5×1016、5.1×1016、1×1017、 1.1×1017、 5×1017、5.1×1017、 1×1018、 1.1×1018、5×1018、 1×1019、1.1×1019, 5×1019、 1×1020、 1.1×1020、 5×1020、 5.1×1020、 1×1021、 1.1×1021、5×1021、5.1×1021、 1×1022、 1.1×1022、 5× 1022、1×1023、 1.1×1023、 5×1023、 1×1024、 1.1×1024、 5×1024、 5.1×1024、 1×1025、 1.1×1025、 5×1025、5.1×1025、 1×1026、 1.1×1026、 5×1026、 1×1027、 1.1×1027、 5×1027、 1×1028、1.1×1028、 5×1028、 5.1 ×1028、 1×1029、1.1×1029、 5×1029、5.1×1029、1×1030、1.1×1030、 5×1030、 1×1031、 1.1×1031、 5×1031、 1 ×1032、1.1×1032、5×1032、5.1×1032、1×1033、 1.1×1033、 5×1033、5.1×1033、 1×1034、 1.1×1034、5×1034、 1×1035、 1.1×1035、 5×1035、1×1036、 1.1×1036、 5×1036、5.1×1036、1×1037、 1.1×1037、 5×1037、 5.1×1037、1×1038、 1.1×1038、 5×1038、 1×1039、 1.1×1039、 5×1039、 5.1×1039、 1×1040、 1.1×1040、 5×1040である。
好ましくは、組成物中のヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の数は1×106 - 1×1041である。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の総数は、組成物における細胞の総数を100%として、5%~100%である。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が、組成物における細胞の総数を100%として、5%、7%、9%、10%、12%、15%、19%、20%、22%、25%、29%、30%、32%、35%、39%、40%、42%、45%、49%、50%、52%、55%、59%、60%、62%、65%、69%、70%、72%、75%、79%、80%、82%、85%、89%、又は95%以上の量である。
本発明は更にヒトCD16+ナチュラルキラー細胞を培養および増殖させる方法を提供する。方法は以下を含有する:(x) 容器内でヒトCD16+ナチュラルキラー細胞をヒト血小板溶解物およびIL-2を含有する培地と接触させ、および(y) 細胞を複数日間培養し、ここでヒトCD16+ナチュラルキラー細胞はCD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチドを含有し、CD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチド配列は合成されておらず、遺伝子改変されておらず、および/又は細胞に意図的に導入されていない。
好ましくは、培養培地における溶解グルコースの濃度が1500mg/Lよりも高い。
好ましくは、ステップ(y)がサブステップを含有する:(y1) 細胞を少なくとも1日間培養し、(y2) 細胞を少なくとも3ヶ月継代培養する。
好ましくは、ステップ(y2)では、細胞を少なくとも1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月 、9ヶ月、10ヶ月、又は11ヶ月継代培養する。
好ましくは、ステップ(y2)では、細胞を少なくとも1年、2年、又は3年継代培養する。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が少なくとも3ヶ月継代培養した後に増殖能力を保持することができる。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が少なくとも1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、又は11ヶ月継代培養した後に増殖能力を保持することができる。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が少なくとも1年、2年、又は3年継代培養した後に増殖能力を保持することができる。
好ましくは、CD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチド配列は合成されておらず、遺伝子改変されておらず、および/又は細胞内に意図的に導入されていない。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞がCD2分子(CD2+)を発現する。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞がNKp44、NKp46、NKG2D、又はCD107aを発現する。
本発明は以下の特徴を有するヒトナチュラルキラー細胞を提供する:(i)CD16受容体を発現する、(ii)少なくとも3ヶ月間継代培養した後に増殖能力を保持する、および(iii)CD16受容体をコードする発現されたCD16A遺伝子を含有し、発現されたCD16A遺伝子は染色体1のqアームにある。
好ましくは、発現されたCD16A遺伝子が染色体1のqアームの位置1q23.3にある。
本発明は以下の特徴を有するヒトナチュラルキラー細胞を提供する:(i)CD16受容体を発現する、(ii)少なくとも3ヶ月間継代培養した後に増殖能力を保持する、および(iii)CD16受容体をコードする発現されたCD16A遺伝子を含有し、発現されたCD16A遺伝子ポリヌクレオチド配列は合成されておらず、遺伝子改変されておらず、および/又は細胞内に意図的に導入されていない。
好ましくは、発現されたCD16A遺伝子ポリヌクレオチド配列は合成されておらず、遺伝子改変されておらず、および/又は細胞内に意図的に導入されていない。
本発明は(A)寄託番号NITE BP-03017を有するNPMDに寄託されたヒトナチュラルキラー細胞を提供し、又は(B)以下の特徴を有する:
i)CD16受容体を発現する、
ii)少なくとも3ヶ月間継代培養した後に増殖能力を保持している、および
iii)x)合成、遺伝子改変、および/又は意図的に導入された、CD16受容体をコードするポリヌクレオチドを含まない、又はy)ddPCRシステムを使用して細胞のゲノムDNAを分析することにより、CD16 F176Fプローブで検出可能なDNA分子とCD16 F176Vプローブで検出可能なDNA分子の比率は1以上であり、CD16 F176Fプローブの配列は配列番号:11であり、CD16 F176Vプローブは配列番号:12である。
好ましくは、CD16受容体がCD16a受容体又はCD16b受容体である。
好ましくは、CD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチドが染色体1のqアームの位置1q23.3にある。
好ましくは、細胞が免疫力が低下したマウスにおいて非腫瘍形成性である。
好ましくは、細胞がγ線を照射した後に同種異系の人間被験者において非腫瘍形成性である。
好ましくは、CD16受容体をコードするポリヌクレオチドが配列番号:1、配列番号:2、 又は配列番号:19のヌクレオチド配列を含有する。
好ましくは、CD16受容体が配列番号:3、配列番号:4、 又は配列番号:20のアミノ酸配列を含有する。
好ましくは、細胞は不活性な腫瘍抑制遺伝子又は変異し高度発現された癌遺伝子を更に含有する。
好ましくは、細胞が抗体依存性細胞傷害(ADCC)応答を媒介することができ、そして、細胞が雄細胞である。
好ましくは、細胞が細胞と複合体を形成した少なくとも一つの外因性標的化ユニットを更に含有し、この外因性標的化ユニットが以下の特徴を有する標的化部分を含有する:(a)標的細胞上に生物学的マーカーへの特異的結合を示す、(b)核酸ではない、および(c)細胞によって生成されない。
好ましくは、外因性標的化ユニットが標的化部分に接合した第1のリンカーと細胞に接合した第2のリンカーとの間の相互作用を介して細胞と複合体を形成する。
好ましくは、第1のリンカーが第1のポリヌクレオチドであり、又は第2のリンカーが第2のポリヌクレオチドである。
好ましくは、標的化部分が抗原結合ユニットを含有する。
好ましくは、第1のポリヌクレオチドが一本鎖領域を含有する。
好ましくは、第1のリンカーが第1のポリヌクレオチドであり、第2のリンカーが第2のポリヌクレオチドである。
好ましくは、第1のリンカーおよび第2のリンカーは、以下からなる群から選択される:DNA結合ドメインと標的DNA、ロイシンジッパーと標的DNA、ビオチンとアビジン、ビオチンとストレプトアビジン、カルモジュリン結合タンパク質とカルモジュリン、ホルモンとホルモン受容体、レクチンと炭水化物、細胞膜受容体と受容体リガンド、酵素と基質、抗原と抗体、アゴニストとアンタゴニスト、ポリヌクレオチドハイブリダイズ配列、アプタマーとターゲット、およびジンクフィンガーと標的DNA。
好ましくは、第1のリンカーは第1の反応性基を含有し、第2のリンカーは第2の反応性基を含有し、細胞は、第2の反応性基と第1の反応性基との間の反応によって形成される共有結合を介して、標的化部分と複合体を形成する。
好ましくは、標的化部分が抗原結合ユニットを含有する。
好ましくは、第2のリンカーがPEG領域を含有する。
好ましくは、標的化部分と細胞が1nmから400nmの長さで分離され、又は標的化部分と細胞が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、60、70、80、90、100、130、170、200、230、270、300、330、又は370nmの長さで分離される。
好ましくは、外因性標的化ユニットが抗原結合ユニットを含有し、抗原結合ユニットが癌抗原、糖脂質、糖タンパク質、造血系統の細胞に存在する分化抗原のクラスター、ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ、接着タンパク質、ホルモン、成長因子、サイトカイン、リガンド受容体、イオンチャネル、免疫グロブリンμ.鎖の膜結合型、アルファ-フェトプロテイン、C反応性タンパク質、クロモグラニンA、上皮ムチン抗原、ヒト上皮特異的抗原、ルイス(a)抗原、多剤耐性関連タンパク質、Neu癌遺伝子タンパク質、ニューロン特異的エノラーゼ、P糖タンパク質、多剤耐性関連抗原、p170、多剤耐性関連抗原、前立腺特異抗原、NCAM、ガングリオシド分子、MART-1、熱ショックタンパク質、シアリルTn、チロシナーゼ、MUC-1、HER-2/neu、KSA、PSMA、p53、RAS、EGF-R、VEGF、又はMAGEに結合する。
好ましくは、抗原結合ユニットがHER2/neu(ERBB2)、HER3(ERBB3)、EGFR、VEGF、VEGFR2、GD2、CTLA4、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33(Siglec-3)、CD52(CAMPATH-1抗原)、CD326(EpCAM)、CA-125(MUC16)、MMP9、DLL3、CD274(PD-L1)、CEA、MSLN(メソテリン)、CA19-9、CD73、CD205(DEC205)、CD51、c-MET、TRAIL-R2、IGF-1R、CD3、MIF、葉酸受容体アルファ(FOLR1)、CSF1、OX-40、CD137、TfR、MUC1、CD25(IL-2R)、CD115(CSF1R)、IL1B、CD105(エンドグリン)、KIR、CD47、CEA、IL-17A、DLL4、CD51、アンジオポエチン2、ニューロピリン-1、CD37、CD223(LAG-3)、CD40、LIV-1(SLC39A6)、CD27(TNFRSF7)、CD276(B7-H3)、Trop2、クローディン1(CLDN1)、PSMA、TIM-1(HAVcr-1)、CEACAM5、CD70、LY6E、BCMA、CD135(FLT3)、APRIL、TF(F3)、ネクチン-4、FAP、GPC3、FGFR3、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリンタンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、活性化NK細胞受容体およびそれらの組み合わせから選ばれる癌抗原に対する抗体である。
好ましくは、標的部分がカップリング基を使用して第1のポリヌクレオチドに接合され、このカップリング基がNHSエステル、他の活性化エステル、ハロゲン化アルキル又はハロゲン化アシル、二官能性架橋剤、又はマレイミド基である。
好ましくは、第1のポリヌクレオチド又は第2のポリヌクレオチドが、20量体のポリCA、20量体のポリGGTT、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:36、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40、 23量体の配列番号:7,および配列番号:10から選択される配列を含有する。
好ましくは、生物学的マーカーに対する標的化部分の結合親和性が250nM未満であり、又は生物学的マーカーに対する標的化部分の結合親和性が5nM、10nM、40nM、90nM、130nM、又は170nMである。
好ましくは、第1のポリヌクレオチドの長さ又は第2のポリヌクレオチドの長さは4ntから500ntである。好ましくは、第1のポリヌクレオチドの長さ又は第2のポリヌクレオチドの長さは4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 11、 12、 13、 14、15、 16、 17、 18、 19、 20、 21、 22、 23、 24、 25、 26、 27、 28、 29、30、 32、 34、 36、 38、 40、 42、 44、 46、 48、 50、 55、 60、 65、 70、 75、 80、 85、 90、 95、 100、 120、 160、 220、 300、 400、 又は480 ntである。
好ましくは、第1のリンカーと第2のリンカーとの間の結合親和性が250nM未満である。好ましくは、第1のリンカーと第2のリンカーとの間の結合親和性が5nM、10nM、40nM、90nM、130nM、又は170nMである。
好ましくは、第1のリンカー又は第2のリンカーが標的化ユニットの天然官能基又は細胞の表面に接合され、この天然官能基はアミノ酸、糖、又はアミンである。
好ましくは、標的化部分がペプチド、タンパク質、又はアプタマーである。
本発明はヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が実質的に濃縮された組成物を提供し、この組成物におけるヒトCD16+ナチュラルキラー細胞数が少なくとも5×105であり、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が組成物における細胞の総数を100%として、数として5%以上の量である。ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は(A)NPMDに寄託され、寄託番号NITE BP-03017を有する、又は(B)以下の特徴を有する:
i)CD16受容体を発現していること、
ii) 少なくとも3ヶ月間継代培養した後に増殖能力を保持していること、および
iii)x)合成、遺伝子改変、および/又は意図的に導入されたCD16受容体をコードするポリヌクレオチドを含まない、又はy)ddPCR システムを使用して細胞のゲノムDNAを分析することにより、CD16 F176Fプローブで検出可能なDNA分子とCD16 F176Vプローブで検出可能なDNA分子の比率は1以上であり、CD16 F176Fプローブの配列は配列番号:11であり、CD16 F176Vプローブは配列番号:12である。
好ましくは、CD16受容体がCD16a受容体又はCD16b受容体である。
好ましくは、CD16受容体をコードするポリヌクレオチドが染色体1のqアームの位置1q23.3にある。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が免疫力が低下したマウスにおいて非腫瘍形成性である。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞がγ線を照射した後に同種異系の人間被験者において非腫瘍形成性がある。
好ましくは、CD16受容体をコードするポリヌクレオチドが配列番号:1、配列番号:2、 又は配列番号:19のヌクレオチド配列を含有する。
好ましくは、CD16受容体が配列番号:3、配列番号:4、又は配列番号:20のアミノ酸配列を含有する。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は不活性な腫瘍抑制遺伝子又は変異し高度発現された癌遺伝子を更に含有する。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が抗体依存性細胞傷害(ADCC)応答を媒介することができ、そして、細胞が雄細胞である。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞がヒトCD16+ナチュラルキラー細胞と複合体を形成した少なくとも一つの外因性標的化ユニットを更に含有し、この外因性標的化ユニットが以下の特徴を有する標的化部分を含有する:(a)標的細胞上に生物学的マーカーへの特異的結合を示す、(b)核酸ではない、および(c)ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞によって生成されない。
好ましくは、外因性標的化ユニットが標的化部分に接合した第1のリンカーとヒトCD16+ナチュラルキラー細胞に接合した第2のリンカーとの間の相互作用を介してヒトCD16+ナチュラルキラー細胞と複合体を形成する。
好ましくは、第1のリンカーが第1のポリヌクレオチド、又は第2のリンカーが第2のポリヌクレオチドである。
好ましくは、標的化部分が抗原結合ユニットを含有する。
好ましくは、第1のポリヌクレオチドは一本鎖領域を含有する。
好ましくは、第1のリンカーが第1のポリヌクレオチドであり、第2のリンカーが第2のポリヌクレオチドである。
好ましくは、第1のリンカーおよび第2のリンカーは、以下からなる群から選択される:DNA結合ドメインと標的DNA、ロイシンジッパーと標的DNA、ビオチンとアビジン、ビオチンとストレプトアビジン、カルモジュリン結合タンパク質とカルモジュリン、ホルモンとホルモン受容体、レクチンと炭水化物、細胞膜受容体と受容体リガンド、酵素と基質、抗原と抗体、アゴニストとアンタゴニスト、ポリヌクレオチドハイブリダイズ配列、アプタマーとターゲット、およびジンクフィンガーと標的DNA。
好ましくは、第1のリンカーは第1の反応性基を含有し、第2のリンカーは第2の反応性基を含有し、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は、第2の反応性基と第1の反応性基との間の反応によって形成される共有結合を介して、標的化部分と複合体を形成する。
好ましくは、標的化部分が抗原結合ユニットを含有する。
好ましくは、第2のリンカーがPEG領域を含有する。
好ましくは、標的化部分とヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が1nmから400nmの長さで分離される。
好ましくは、外因性標的化ユニットが抗原結合ユニットを含有し、抗原結合ユニットが癌抗原、糖脂質、糖タンパク質、造血系統の細胞に存在する分化抗原のクラスター、ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ、接着タンパク質、ホルモン、成長因子、サイトカイン、リガンド受容体、イオンチャネル、免疫グロブリンμ.鎖の膜結合型、アルファ-フェトプロテイン、C反応性タンパク質、クロモグラニンA、上皮ムチン抗原、ヒト上皮特異的抗原、ルイス(a)抗原、多剤耐性関連タンパク質、Neu癌遺伝子タンパク質、ニューロン特異的エノラーゼ、P糖タンパク質、多剤耐性関連抗原、p170、多剤耐性関連抗原、前立腺特異抗原、NCAM、ガングリオシド分子、MART-1、熱ショックタンパク質、シアリルTn、チロシナーゼ、MUC-1、HER-2/neu、KSA、PSMA、p53、RAS、EGF-R、VEGF、又はMAGEに結合する。
好ましくは、抗原結合ユニットがHER2/neu(ERBB2)、HER3(ERBB3)、EGFR、VEGF、VEGFR2、GD2、CTLA4、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33(Siglec-3)、CD52(CAMPATH-1抗原)、CD326(EpCAM)、CA-125(MUC16)、MMP9、DLL3、CD274(PD-L1)、CEA、MSLN(メソテリン)、CA19-9、CD73、CD205(DEC205)、CD51、c-MET、TRAIL-R2、IGF-1R、CD3、MIF、葉酸受容体アルファ(FOLR1)、CSF1、OX-40、CD137、TfR、MUC1、CD25(IL-2R)、CD115(CSF1R)、IL1B、CD105(エンドグリン)、KIR、CD47、CEA、IL-17A、DLL4、CD51、アンジオポエチン2、ニューロピリン-1、CD37、CD223(LAG-3)、CD40、LIV-1(SLC39A6)、CD27(TNFRSF7)、CD276(B7-H3)、Trop2、クローディン1(CLDN1)、PSMA、TIM-1(HAVcr-1)、CEACAM5、CD70、LY6E、BCMA、CD135(FLT3)、APRIL、TF(F3)、ネクチン-4、FAP、GPC3、FGFR3、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリンタンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、活性化NK細胞受容体およびそれらの組み合わせから選ばれる癌抗原に対する抗体である。
好ましくは、標的化部分がカップリング基を使用して第1のポリヌクレオチドに接合され、ここでこのカップリング基はNHSエステル、他の活性化エステル、ハロゲン化アルキル又はハロゲン化アシル、二官能性架橋剤、又はマレイミド基である。
好ましくは、第1のポリヌクレオチド又は第2のポリヌクレオチドが、20量体のポリCA、20量体のポリGGTT、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:36、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40、23量体の配列番号:7,および配列番号:10から選択された配列を含有する。
好ましくは、生物学的マーカーに対する標的化部分の結合親和性は、250nM未満である。
好ましくは、第1のポリヌクレオチドの長さ又は第2のポリヌクレオチドの長さが4ntから500ntである。
好ましくは、第1のリンカーと第2のリンカーとの間の結合親和性が250nM未満である。
好ましくは、第1のリンカー又は第2のリンカーが標的化ユニットの天然官能基又はヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の表面に接合され、この天然官能基はアミノ酸、糖、又はアミンである。
好ましくは、標的化部分がペプチド、タンパク質、又はアプタマーである。
本発明はヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が実質的に濃縮された組成物を得る方法を提供し、以下の方法を含有する:(a) 寄託番号ATCC CRL-2407を有するヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団を取得し、(b) ヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団をCD16受容体に特異的な抗体と接触させ、および(c) 抗体によって特異的に結合される細胞を分離し、それによってヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が実質的に濃縮された組成物を得、ここで、このヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は(A)NPMDに寄託され、寄託番号NITE BP-03017を有する、又は(B)以下の特徴を有する:
i)CD16受容体を発現していること、
ii)x)合成、遺伝子改変、および/又は意図的に導入されたポリヌクレオチドを含まない、又はy)ddPCR システムを使用して細胞のゲノムDNAを分析することにより、CD16 F176Fプローブで検出可能なDNA分子とCD16 F176Vプローブで検出可能なDNA分子の比率は1以上であり、CD16 F176Fプローブの配列は配列番号:11であり、CD16 F176Vプローブは配列番号:12である。
好ましくは、抗体がCD16a受容体とCD16b受容体の少なくとも一つに特異的である。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が少なくとも1週間継代培養した後に増殖能力を保持することができる。
好ましくは、CD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチドが染色体1のqアームの位置1q23.3にある。
好ましくは、ヒトCD16+ヒトナチュラルキラー細胞が、免疫力が低下したマウスにおいて非腫瘍形成性である。
好ましくは、ヒトCD16+ヒトナチュラルキラー細胞がγ線を照射した後に同種異系の人間被験者において非腫瘍形成性である。
好ましくは、CD16受容体をコードするポリヌクレオチドが配列番号:1、配列番号:2、 又は配列番号:19のヌクレオチド配列を含有する。
好ましくは、CD16受容体が配列番号:3、配列番号:4、 又は配列番号:20のアミノ酸配列を含有する。
好ましくは、ヒトCD16+ヒトナチュラルキラー細胞は不活性な腫瘍抑制遺伝子又は変異し高度発現された癌遺伝子を更に含有する。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が組成物における細胞の総数を100%として、数として5%以上の量である。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が抗体依存性細胞傷害(ADCC)応答を媒介することができ、そして、細胞が雄細胞である。
好ましくは、ステップ(c)がサブステップを含有する:(c1)抗体によって特異的に結合される細胞を分離し、(c2)容器内で抗体が特異的に結合している細胞をヒト血小板溶解物およびIL-2を含有する培地と接触させ、そして(c3)細胞を数日間培養することにより、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が実質的に濃縮された組成物が得られる。
好ましくは、容器がG-Rex培養装置である。
好ましくは、容器が細胞を播種するための底部を含有し、この底部が空気透過性および水不透過性である。
好ましくは、培地中の溶解グルコースの濃度が1500~5000mg/Lである。
好ましくは、組成物におけるヒトCD16+ナチュラルキラー細胞数が少なくとも5×105であり、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が組成物における細胞の総数を100%として、数として5%以上の量である。
本発明はヒトCD16+ナチュラルキラー細胞を培養および増殖させる方法を提供し、以下の方法を含有する:(x) 容器内でヒトCD16+ナチュラルキラー細胞を0.5-10 vol%ヒト血小板溶解物および100-3000 IU/mL IL-2を含有する培地と接触させ、そして(y) 細胞を数日間培養する。好ましくは、培地が1 vol%、 2 vol%、 3 vol%、 4 vol%、 5 vol%、 6 vol%、 7 vol%、 8 vol%、 9 vol%、 10 vol%、11 vol%、 12 vol%、 13 vol%、 14 vol%、 又は15 vol%のヒト血小板溶解物を含有する。好ましくは、培地が0.5~20 vol%のヒト血小板溶解物を含有することは好ましい。培地が100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、又は3000 IU/mL IL-2を含有する。
好ましくは、容器がG-Rex培養装置である。
好ましくは、容器が細胞を播種するための底部を含有し、この底部が空気透過性および水不透過性である。
好ましくは、培地中の溶解グルコースの濃度が1500~5000mg/Lである。
好ましくは、ステップ(y)がサブステップを含有する:(y1)細胞を少なくとも1日間培養し、および(y2)細胞を少なくとも1ヶ月継代培養する。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が少なくとも3ヶ月継代培養した後に増殖能力を保持することができる。
好ましくは、このヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が(A)NPMDに寄託され、寄託番号NITE BP-03017を有する、又は(B)以下の特徴を有する:
i)CD16受容体を発現していること、
ii)x)合成、遺伝子改変、および/又は意図的に導入されたCD16受容体をコードするポリヌクレオチドを含まない、又はy)ddPCRシステムを使用して細胞のゲノムDNAを分析することにより、CD16 F176Fプローブで検出可能なDNA分子とCD16 F176Vプローブで検出可能なDNA分子の比率は1以上であり、CD16 F176Fプローブの配列は配列番号:11であり、CD16 F176Vプローブの配列は配列番号:12である。
好ましくは、ヒトCD16+ヒトナチュラルキラー細胞が、免疫力が低下したマウスにおいて非腫瘍形成性である。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞がγ線を照射した後に同種異系の人間被験者において非腫瘍形成性である。
好ましくは、CD16受容体をコードするポリヌクレオチドが配列番号:1、配列番号:2、 又は配列番号:19のヌクレオチド配列を含有する。
好ましくは、CD16受容体が配列番号:3、配列番号:4、 又は配列番号:20のアミノ酸配列を含有する。
好ましくは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は不活性な腫瘍抑制遺伝子又は変異し高度発現された癌遺伝子を更に含有する。
本発明は癌、自己免疫疾患、神経疾患、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、造血細胞関連疾患、メタボリックシンドローム、病原性疾患、ウイルス感染、又は細菌感染を治療する為に、それを必要とする対象に対する有効量のヒトナチュラルキラー細胞を含有する組成物の投与を含有する方法を提供する。ヒトナチュラルキラー細胞は(A)NPMDに寄託され、寄託番号NITE BP-03017を有する、又は(B)以下の特徴を有する:
i)CD16受容体を発現していること、
ii)少なくとも3ヶ月間継代培養した後に増殖能力を保持していること、および
iii)x)合成、遺伝子改変、および/又は意図的に導入されたCD16受容体をコードするポリヌクレオチドを含まない、又はy)ddPCR システムを使用して細胞のゲノムDNAを分析することにより、CD16 F176Fプローブで検出可能なDNA分子とCD16 F176Vプローブで検出可能なDNA分子の比率は1以上であり、CD16 F176Fプローブの配列は配列番号:11であり、CD16 F176Vプローブの配列は配列番号:12である。
好ましくは、ヒトナチュラルキラー細胞がヒトナチュラルキラー細胞と複合体を形成した少なくとも一つの外因性標的化ユニットを更に含有し、この外因性標的化ユニットが以下の特徴を有する標的化部分を含有する:(a)標的細胞上に生物学的マーカーへの特異的結合を示し、(b)核酸ではない、および(c)ヒトナチュラルキラー細胞によって生成されない。
好ましくは、外因性標的化ユニットが標的部分に接合した第1のリンカーとヒトナチュラルキラー細胞に接合した第2のリンカーとの間の相互作用を介してヒトナチュラルキラー細胞と複合体を形成する。
好ましくは、第1のリンカーが第1のポリヌクレオチド、又は第2のリンカーが第2のポリヌクレオチドである。
好ましくは、標的化部分が抗原結合ユニットを含有する。
好ましくは、第1のポリヌクレオチドは一本鎖領域を含有する。
好ましくは、第1のリンカーが第1のポリヌクレオチドであり、第2のリンカーが第2のポリヌクレオチドである。
好ましくは、第1のリンカーおよび第2のリンカーは、以下からなる群から選択される:DNA結合ドメインと標的DNA、ロイシンジッパーと標的DNA、ビオチンとアビジン、ビオチンとストレプトアビジン、カルモジュリン結合タンパク質とカルモジュリン、ホルモンとホルモン受容体、レクチンと炭水化物、細胞膜受容体と受容体リガンド、酵素と基質、抗原と抗体、アゴニストとアンタゴニスト、ポリヌクレオチドハイブリダイズ配列、アプタマーとターゲット、およびジンクフィンガーと標的DNA。
好ましくは、第1のリンカーは第1の反応性基を含有し、第2のリンカーは第2の反応性基を含有し、ヒトナチュラルキラー細胞は、第2の反応性基と第1の反応性基との間の反応によって形成される共有結合を介して、標的化部分と複合体を形成する。
好ましくは、標的化部分が抗原結合ユニットを含有する。
好ましくは、第2のリンカーがPEG領域を含有する。
好ましくは、標的化部分とヒトナチュラルキラー細胞が1nmから400nmの長さで分離される。
好ましくは、外因性標的化ユニットが抗原結合ユニットを含有し、抗原結合ユニットが癌抗原、糖脂質、糖タンパク質、造血系統の細胞に存在する分化抗原のクラスター、ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ、接着タンパク質、ホルモン、成長因子、サイトカイン、リガンド受容体、イオンチャネル、免疫グロブリンμ.鎖の膜結合型、アルファ-フェトプロテイン、C反応性タンパク質、クロモグラニンA、上皮ムチン抗原、ヒト上皮特異的抗原、ルイス(a)抗原、多剤耐性関連タンパク質、Neu癌遺伝子タンパク質、ニューロン特異的エノラーゼ、P糖タンパク質、多剤耐性関連抗原、p170、多剤耐性関連抗原、前立腺特異抗原、NCAM、ガングリオシド分子、MART-1、熱ショックタンパク質、シアリルTn、チロシナーゼ、MUC-1、HER-2/neu、KSA、PSMA、p53、RAS、EGF-R、VEGF、又はMAGEに結合する。
好ましくは、抗原結合ユニットがHER2/neu(ERBB2)、HER3(ERBB3)、EGFR、VEGF、VEGFR2、GD2、CTLA4、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33(Siglec-3)、CD52(CAMPATH-1抗原)、CD326(EpCAM)、CA-125(MUC16)、MMP9、DLL3、CD274(PD-L1)、CEA、MSLN(メソテリン)、CA19-9、CD73、CD205(DEC205)、CD51、c-MET、TRAIL-R2、IGF-1R、CD3、MIF、葉酸受容体アルファ(FOLR1)、CSF1、OX-40、CD137、TfR、MUC1、CD25(IL-2R)、CD115(CSF1R)、IL1B、CD105(エンドグリン)、KIR、CD47、CEA、IL-17A、DLL4、CD51、アンジオポエチン2、ニューロピリン-1、CD37、CD223(LAG-3)、CD40、LIV-1(SLC39A6)、CD27(TNFRSF7)、CD276(B7-H3)、Trop2、クローディン1(CLDN1)、PSMA、TIM-1(HAVcr-1)、CEACAM5、CD70、LY6E、BCMA、CD135(FLT3)、APRIL、TF(F3)、ネクチン-4、FAP、GPC3、FGFR3、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリンタンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、活性化NK細胞受容体およびそれらの組み合わせからから選ばれる癌抗原に対する抗体である。
好ましくは、標的化部分がカップリング基を使用して第1のポリヌクレオチドに接合され、このカップリング基がNHSエステル、他の活性化エステル、ハロゲン化アルキル又はハロゲン化アシル、二官能性架橋剤、又はマレイミド基である。好ましくは、第1のポリヌクレオチド又は第2のポリヌクレオチドが、20量体のポリCA、20量体のポリGGTT、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:36、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40、 23量体の配列番号:7, および配列番号:10から選択された配列を含有する。
好ましくは、生物学的マーカーに対する標的化部分の結合親和性が250nM未満であり、又は生物学的マーカーに対する標的化部分の結合親和性が5nM、10nM、40nM、90nM、130nM、又は170nMである。
好ましくは、第1のポリヌクレオチドの長さ又は第2のポリヌクレオチドの長さは4ntから500ntである。好ましくは、第1のポリヌクレオチドの長さ又は第2のポリヌクレオチドの長さは4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、120、160、220、300、400、又は480ntである。
好ましくは、第1のリンカーと第2のリンカーとの間の結合親和性が250nM未満である。好ましくは、第1のリンカーと第2のリンカーとの間の結合親和性が2、10、25、50、62、70、85、100、102、110、125、150、162、170、185、200、202、210、225、又は250nMである。
好ましくは、第1のリンカー又は第2のリンカーが標的化ユニットの天然官能基又は細胞の表面に接合され、ここで、この天然官能基はアミノ酸、糖、又はアミンである。
好ましくは、標的化部分がペプチド、タンパク質、又はアプタマーである。
好ましくは、CD16受容体がCD16a受容体又はCD16b受容体である。
好ましくは、CD16受容体をコードする発現されたポリヌクレオチドが染色体1のqアームの位置1q23.3にある。
好ましくは、細胞が、免疫力が低下したマウスにおいて非腫瘍形成性である。
好ましくは、細胞がγ線を照射した後に同種異系の人間被験者において非腫瘍形成性である。
好ましくは、CD16受容体をコードするポリヌクレオチドが配列番号:1、配列番号:2、 又は配列番号:19のヌクレオチド配列を含有する。
好ましくは、CD16受容体が配列番号:3、配列番号:4、又は配列番号:20のアミノ酸配列を含有する。
好ましくは、ヒトナチュラルキラー細胞は不活性な腫瘍抑制遺伝子又は変異し高度発現された癌遺伝子を更に含有する。
好ましくは、ヒトナチュラルキラー細胞が抗体依存性細胞傷害(ADCC)応答を媒介することができ、そして、細胞が雄細胞である。
好ましくは、組成物におけるヒトナチュラルキラー細胞数が少なくとも5×105であり、ヒトナチュラルキラー細胞が組成物における細胞の総数を100%として、5%以上の量である。
好ましくは、被験者がヒトである。
好ましくは、アカントーマ、腺房細胞癌、音響神経腫、末端黒子型黒色腫、アクロスピロマ、急性好酸球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、成熟を伴う急性骨髄芽球性白血病、急性骨髄性樹状細胞白血病、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、アダマンチノーマ、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺様歯原性腫瘍、副腎皮質癌、成人T細胞白血病、アグレッシブNK細胞白血病、エイズ関連がん、エイズ関連リンパ腫、胞巣状軟部肉腫、骨髄芽球性線維腫、肛門がん、未分化大細胞リンパ腫、未分化甲状腺がん、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、虫垂がん、星状細胞腫、異型奇形腫瘍、基底細胞癌、基底様癌、B細胞白血病、B細胞リンパ腫、ベリーニ管癌、胆道癌、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、骨腫瘍、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳がん、ブレンナー腫瘍、気管支腫瘍、気管支肺胞がん、褐色腫瘍、バーキットリンパ腫、原発部位不明のがん、カルチノイド腫瘍、がん、上皮内がん、陰茎癌腫、原発部位不明のがん、癌肉腫、キャッスルマン病、中枢神経系胚性腫瘍、小脳星状細胞腫、脳星状細胞腫、子宮頸癌、胆管癌、軟骨肉腫、軟骨肉腫、脊索腫、絨毛癌、脈絡叢乳頭腫、慢性リンパ性白血病、慢性単球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、慢性好中球性白血病、明細胞腫瘍、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、デゴス病、隆起性皮膚線維肉腫、類皮嚢胞、線維形成性小円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、胚性癌、子宮内膜洞腫瘍、子宮内膜癌、子宮内膜子宮癌、子宮内膜腫瘍、腸管症関連T細胞リンパ腫、上衣腫、上衣腫、類上皮肉腫、赤白血病、食道癌、食道神経芽細胞腫、ユーイング腫瘍ファミリー、ユーイングファミリー肉腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、乳房外パジェット病、ファロピウス管癌、胎児の胎児、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性甲状腺癌、胆嚢癌、胆嚢癌、神経節膠腫、神経節神経腫、胃癌、胃リンパ腫、胃腸癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、消化管間質腫瘍、生殖細胞腫瘍、胚細胞腫、妊娠性絨毛癌、妊娠性絨毛腫瘍、骨の巨大細胞腫瘍、多形性膠芽腫、神経膠腫、大脳神経膠腫症、グロムス腫瘍、グルカゴノーマ、性腺芽細胞腫、顆粒膜細胞腫瘍、有毛細胞白血病、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、血管芽腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、血液悪性腫瘍、肝細胞癌、肝脾T細胞リンパ腫、遺伝性乳房卵巣癌症候群、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、視床下部神経膠腫、炎症性乳がん、眼内黒色腫、膵島細胞がん、膵島細胞腫瘍、若年性骨髄単球性白血病、カポジ肉腫、カポジ肉腫、腎臓がん、クラトスキン腫瘍、クルーケンベルク腫瘍、喉頭がん、悪性黒子黒色腫、白血病、白血病、唇および口腔がん、脂肪肉腫、肺がん、黄体腫、リンパ管腫、リンパ管肉腫、リンパ上皮腫、リンパ性白血病、リンパ腫、マクログロブリン血症、悪性線維性組織球腫、骨の悪性線維性組織球腫、悪性神経膠腫、悪性中皮腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性ラブドイド腫瘍、悪性トリトン腫瘍、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肥満細胞白血病、縦隔胚細胞腫瘍、縦隔腫瘍、甲状腺髄様がん、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、潜在性原発性扁平上皮癌、転移性尿路上皮癌、混合ミュラー腫瘍、単球性白血病、口癌、粘液性腫瘍、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、骨髄性肉腫、骨髄増殖性疾患、粘液腫、鼻腔がん、鼻咽頭がん、上咽頭がん、新生物、神経鞘腫、神経芽細胞腫、神経線維腫、神経腫瘍、結節性黒色腫、非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚がん、非小細胞肺がん、眼腫瘍学、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、オンコサイトーマ、視神経鞘髄膜腫、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性腫瘍、乳房のパジェット病、パンコースト腫瘍、膵臓癌、甲状腺乳頭癌、乳頭腫症、傍神経節腫、鼻傍洞癌、副甲状腺がん、陰茎がん、血管周囲類上皮細胞腫瘍、咽頭がん、褐色細胞腫、中間型松果体実質腫瘍、松果体芽細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞新生物、胸膜肺芽腫、多胚腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、原発性肝細胞癌、原発性肝癌、原発性腹膜癌、原始神経外胚葉性腫瘍、前立腺癌、腹膜偽粘液腫、直腸癌、腎細胞癌、染色体15におけるNUT遺伝子が関与する気道癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、横紋筋肉腫、リヒター形質転換、仙尾骨奇形腫、唾液腺癌、肉腫、シュワン腫症、脂腺癌、続発性新生物、セミノーマ、漿液性腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫瘍、性索間質腫瘍、セザリー症候群、印環細胞癌、皮膚がん、小青色円形細胞腫瘍、小細胞がん、小細胞肺がん、小細胞リンパ腫、小腸がん、軟部肉腫、ソマトスタチノーマ、煤疣贅、脊髄腫瘍、脊椎腫瘍、脾辺縁帯リンパ腫、扁平上皮がん、胃がん、表在拡大型黒色腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、表面上皮間質腫瘍、滑膜肉腫、T細胞急性リンパ芽球性白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、T細胞白血病、T細胞リンパ腫、T細胞前リンパ球性白血病、奇形腫、末期リンパ腫、精巣癌、莢膜細胞癌、胸腺癌、胸腺癌、胸腺腫、甲状腺癌、腎盂および尿路上皮の移行上皮癌、移行上皮癌、尿膜管癌、尿道がん、尿生殖器腫瘍、子宮肉腫、ブドウ膜黒色腫、膣がん、バーナーモリソン症候群、疣贅がん、視覚経路神経膠腫、外陰がん、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ワーシン腫瘍、ウィルムス腫瘍、他の癌、およびそれらの組み合わせから選ばれる癌を治療する方法である。
好ましくは、生物学的マーカーが炭水化物、糖脂質、糖タンパク質、CD2、CD4、CD8、CD21等の造血系統の細胞に存在するCD(分化クラスター)抗原、ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ; 接着タンパク質(例:ICAM-1、ICAM-2、ELAM-1、VCAM-1); ホルモン、成長因子、サイトカイン、および他のリガンド受容体、イオンチャネル; と免疫グロブリンμ.鎖の膜結合型から選らばれる。
好ましくは、造血系統の細胞に存在するCD(分化のクラスター)抗原がCD2、CD4、CD8、CD21、又は他のCD(分化のクラスター)抗原である。
好ましくは、接着タンパク質は、ICAM-1、ICAM-2、ELAM-1、VCAM-1、又は他の接着タンパク質である。
好ましくは、細胞が、CD2、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ガンマ、CD4、CD7、CD8a、CD8、CD1 1a(ITGAL)、CD1 1b(ITGAM)、CD1 1c(ITGAX)、CD1 1d(ITGAD)、CD 18(ITGB2)、CD 19(B4)、CD27(TNFRSF7)、CD28、CD29(ITGB1)、CD30(TNFRSF8)、CD40(TNFRSF5)、CD48(SLAMF2)、CD49a(ITGA1)、CD49d(ITGA4)、CD49f(ITGA6)、CD66a(CEACAM1)、CD66b(CEACAM8)、CD66c(CEACAM6)、CD66d(CEACAM3)、CD66e(CEACAM5)、CD69(CLEC2)、CD79A(B細胞抗原受容体複合体関連アルファ鎖)、CD79B(B細胞抗原受容体複合体関連ベータ鎖)、CD84(SLAMF5)、CD96(触覚)、CD100(SEMA4D)、CD103(ITGAE)、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD158A(KIR2DL1)、CD158B1(KIR2DL2)、CD158B2(KIR2DL3)、CD158C(KIR3DP1)、CD158D(KIRDL4)、CD158F1(KIR2DL5A)、CD158F2(KIR2DL5B)、CD158K(KIR3DL2)、CD160(BY55)、CD162(SELPLG)、CD226(DNAM1)、CD229(SLAMF3)、CD244(SLAMF4)、CD247(CD3-ゼータ)、CD258(LIGHT)、CD268(BAFFR)、CD270(TNFSF14)、CD272(BTLA)、CD276(B7-H3)、CD279(PD-1)、CD314(NKG2D)、CD319(SLAMF7)、CD335(NK-p46)、CD336(NK-p44)、CD337( NK-p30)、CD352(SLAMF6)、CD353(SLAMF8)、CD355(CRTAM)、CD357(TNFRSF18)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、LFA-1(CD11a/CD18)、NKG2C、DAP-10、ICAM-1、NKp80(KLRF1)、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、LFA-1、SLAMF9、LAT、GADS(GrpL)、SLP-76(LCP2)、PAG1/CBP、CD83リガンド、Fcガンマ受容体、MHCクラス1分子、MHCクラス2分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリンタンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、活性化NK細胞受容体、Toll様受容体、HER2、BCMA、PD-L1およびそれらの組み合わせから選ばれる抗原に対する標的結合一本鎖可変フラグメント(scFv)を含有したキメラ抗原受容体(CAR)をコードする合成、遺伝子改変および/又は意図的に導入されたポリヌクレオチドを更に含有する。
好ましくは、細胞が抗体依存性細胞傷害(ADCC)応答を媒介することができる。
本発明は癌、自己免疫疾患、神経疾患、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、造血細胞関連疾患、メタボリックシンドローム、病原性疾患、ウイルス感染、又は細菌感染を治療する方法で、それを必要とする対象に対する有効量のヒトナチュラルキラー細胞を含有する組成物の投与を含有する方法を提供する。ヒトナチュラルキラー細胞が、CD2、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ガンマ、CD4、CD7、CD8a、CD8、CD1 1a(ITGAL)、CD1 1b(ITGAM)、CD1 1c(ITGAX)、CD1 1d(ITGAD)、CD 18(ITGB2)、CD 19(B4)、CD27(TNFRSF7)、CD28、CD29(ITGB1)、CD30(TNFRSF8)、CD40(TNFRSF5)、CD48(SLAMF2)、CD49a(ITGA1)、CD49d(ITGA4)、CD49f(ITGA6)、CD66a(CEACAM1)、CD66b(CEACAM8)、CD66c(CEACAM6)、CD66d(CEACAM3)、CD66e(CEACAM5)、CD69(CLEC2)、CD79A(B細胞抗原受容体複合体関連アルファ鎖)、CD79B(B細胞抗原受容体複合体関連ベータ鎖)、CD84(SLAMF5)、CD96(触覚)、CD100(SEMA4D)、CD103(ITGAE)、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD158A(KIR2DL1)、CD158B1(KIR2DL2)、CD158B2(KIR2DL3)、CD158C(KIR3DP1)、CD158D(KIRDL4)、CD158F1(KIR2DL5A)、CD158F2(KIR2DL5B)、CD158K(KIR3DL2)、CD160(BY55)、CD162(SELPLG)、CD226(DNAM1)、CD229(SLAMF3)、CD244(SLAMF4)、CD247(CD3-ゼータ)、CD258(LIGHT)、CD268(BAFFR)、CD270(TNFSF14)、CD272(BTLA)、CD276(B7-H3)、CD279(PD-1)、CD314(NKG2D)、CD319(SLAMF7)、CD335(NK-p46)、CD336(NK-p44)、CD337( NK-p30)、CD352(SLAMF6)、CD353(SLAMF8)、CD355(CRTAM)、CD357(TNFRSF18)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、LFA-1(CD11a/CD18)、NKG2C、DAP-10、ICAM-1、NKp80(KLRF1)、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、LFA-1、SLAMF9、LAT、GADS(GrpL)、SLP-76(LCP2)、PAG1/CBP、CD83リガンド、Fcガンマ受容体、MHCクラス1分子、MHCクラス2分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリンタンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、活性化NK細胞受容体、Toll様受容体、HER2、BCMA、PD-L1およびそれらの組み合わせから選ばれる抗原に対する標的結合一本鎖可変フラグメント(scFv)を含有したキメラ抗原受容体(CAR)をコードする合成、遺伝子改変および/又は意図的に導入されたポリヌクレオチドを更に含有し、ヒトナチュラルキラー細胞は(A)NPMDに寄託され、寄託番号NITE BP-03017を有する、又は(B)以下の特徴を有する:
i)CD16受容体を発現していること、
ii)少なくとも3ヶ月間継代培養した後に増殖能力を保持していること、および
iii)x)合成、遺伝子改変、および/又は意図的に導入されたCD16受容体をコードするポリヌクレオチドを含まない、又はy)ddPCR システムを使用して細胞のゲノムDNAを分析することにより、CD16 F176Fプローブで検出可能なDNA分子とCD16 F176Vプローブで検出可能なDNA分子の比率は1以上であり、CD16 F176Fプローブの配列は配列番号:11であり、CD16 F176Vプローブの配列は配列番号:12である。
好ましくは、組成物におけるヒトナチュラルキラー細胞数が少なくとも5×105であり、ヒトナチュラルキラー細胞が組成物における細胞の総数を100%として、5%以上の量である。
好ましくは、被験者がヒトである。
好ましくは、アカントーマ、腺房細胞癌、音響神経腫、末端黒子型黒色腫、アクロスピロマ、急性好酸球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、成熟を伴う急性骨髄芽球性白血病、急性骨髄性樹状細胞白血病、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、アダマンチノーマ、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺様歯原性腫瘍、副腎皮質癌、成人T細胞白血病、アグレッシブNK細胞白血病、エイズ関連がん、エイズ関連リンパ腫、胞巣状軟部肉腫、骨髄芽球性線維腫、肛門がん、未分化大細胞リンパ腫、未分化甲状腺がん、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、虫垂がん、星状細胞腫、異型奇形腫瘍、基底細胞癌、基底様癌、B細胞白血病、B細胞リンパ腫、ベリーニ管癌、胆道癌、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、骨腫瘍、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳がん、ブレンナー腫瘍、気管支腫瘍、気管支肺胞がん、褐色腫瘍、バーキットリンパ腫、原発部位不明のがん、カルチノイド腫瘍、がん、上皮内がん、陰茎癌腫、原発部位不明のがん、癌肉腫、キャッスルマン病、中枢神経系胚性腫瘍、小脳星状細胞腫、脳星状細胞腫、子宮頸癌、胆管癌、軟骨肉腫、脊索腫、絨毛癌、脈絡叢乳頭腫、慢性リンパ性白血病、慢性単球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、慢性好中球性白血病、明細胞腫瘍、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、デゴス病、隆起性皮膚線維肉腫、類皮嚢胞、線維形成性小円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、胚性癌、子宮内膜洞腫瘍、子宮内膜癌、子宮内膜子宮癌、子宮内膜腫瘍、腸管症関連T細胞リンパ腫、上衣芽細胞腫、上衣腫、類上皮肉腫、赤白血病、食道癌、食道神経芽細胞腫、ユーイング腫瘍ファミリー、ユーイングファミリー肉腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、乳房外パジェット病、ファロピウス管癌、胎児の胎児、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性甲状腺癌、胆嚢癌、胆嚢癌、神経節膠腫、神経節神経腫、胃癌、胃リンパ腫、胃腸癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、消化管間質腫瘍、生殖細胞腫瘍、胚細胞腫、妊娠性絨毛癌、妊娠性絨毛腫瘍、骨の巨大細胞腫瘍、多形性膠芽腫、神経膠腫、大脳神経膠腫症、グロムス腫瘍、グルカゴノーマ、性腺芽細胞腫、顆粒膜細胞腫瘍、有毛細胞白血病、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、血管芽腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、血液悪性腫瘍、肝細胞癌、肝脾T細胞リンパ腫、遺伝性乳房卵巣癌症候群、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、視床下部神経膠腫、炎症性乳がん、眼内黒色腫、膵島細胞がん、膵島細胞腫瘍、若年性骨髄単球性白血病、カポジ肉腫、カポジ肉腫、腎臓がん、クラトスキン腫瘍、クルーケンベルク腫瘍、喉頭がん、悪性黒子黒色腫、白血病、唇および口腔がん、脂肪肉腫、肺がん、黄体腫、リンパ管腫、リンパ管肉腫、リンパ上皮腫、リンパ性白血病、リンパ腫、マクログロブリン血症、悪性線維性組織球腫、骨の悪性線維性組織球腫、悪性神経膠腫、悪性中皮腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性ラブドイド腫瘍、悪性トリトン腫瘍、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肥満細胞白血病、縦隔胚細胞腫瘍、縦隔腫瘍、甲状腺髄様がん、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、潜在性原発性扁平上皮癌、転移性尿路上皮癌、混合ミュラー腫瘍、単球性白血病、口癌、粘液性腫瘍、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、骨髄性肉腫、骨髄増殖性疾患、粘液腫、鼻腔がん、鼻咽頭がん、上咽頭がん、新生物、神経鞘腫、神経芽細胞腫、神経線維腫、神経腫瘍、結節性黒色腫、非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚がん、非小細胞肺がん、眼腫瘍学、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、オンコサイトーマ、視神経鞘髄膜腫、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性腫瘍、乳房のパジェット病、パンコースト腫瘍、膵臓癌、甲状腺乳頭癌、乳頭腫症、傍神経節腫、鼻傍洞癌、副甲状腺がん、陰茎がん、血管周囲類上皮細胞腫瘍、咽頭がん、褐色細胞腫、中間型松果体実質腫瘍、松果体芽細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞新生物、胸膜肺芽腫、多胚腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、原発性肝細胞癌、原発性肝癌、原発性腹膜癌、原始神経外胚葉性腫瘍、前立腺癌、腹膜偽粘液腫、直腸癌、腎細胞癌、染色体15におけるNUT遺伝子が関与する気道癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、横紋筋肉腫、リヒター形質転換、仙尾骨奇形腫、唾液腺癌、肉腫、シュワン腫症、脂腺癌、続発性新生物、セミノーマ、漿液性腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫瘍、性索間質腫瘍、セザリー症候群、印環細胞癌、皮膚がん、小青色円形細胞腫瘍、小細胞がん、小細胞肺がん、小細胞リンパ腫、小腸がん、軟部肉腫、ソマトスタチノーマ、煤疣贅、脊髄腫瘍、脊椎腫瘍、脾辺縁帯リンパ腫、扁平上皮がん、胃がん、表在拡大型黒色腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、表面上皮間質腫瘍、滑膜肉腫、T細胞急性リンパ芽球性白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、T細胞白血病、T細胞リンパ腫、T細胞前リンパ球性白血病、奇形腫、末期リンパ腫、精巣癌、莢膜細胞癌、咽喉癌、胸腺癌、胸腺腫、甲状腺癌、腎盂および尿路上皮の移行上皮癌、移行上皮癌、尿膜管癌、尿道がん、尿生殖器腫瘍、子宮肉腫、ブドウ膜黒色腫、膣がん、バーナーモリソン症候群、疣贅がん、視覚経路神経膠腫、外陰がん、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ワーシン腫瘍、ウィルムス腫瘍、他の癌およびそれらの組み合わせから選ばれる癌を治療する方法である。
“oNK”という用語は、(a)寄託番号ATCC CRL-2407を有するヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団に由来した、単離された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を示し、(b)実施形態2.1に開示された培養方法で(a)の細胞を複数日間培養することによって得られた非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を示し、(c)寄託番号NITE BP-03017を有するNPMDに寄託された細胞を示し、又は(d)以下の特徴を有するヒトナチュラルキラー細胞を示す:
i)CD16受容体を発現していること、
ii)少なくとも3ヶ月間継代培養した後に増殖能力を保持していること、および
iii)x)合成、遺伝子改変、および/又は意図的に導入されたCD16受容体をコードするポリヌクレオチドを含まれない、又はy)ddPCR システムを使用して細胞のゲノムDNAを分析することにより、CD16 F176Fプローブで検出可能なDNA分子とCD16 F176Vプローブで検出可能なDNA分子の比率は1以上であり、CD16 F176Fプローブの配列は配列番号:11であり、CD16 F176Vプローブの配列は配列番号:12である。
以下は本発明の実施形態、ならびに本発明の技術、および特徴を使用する詳細な説明である。しかしながら、これらの実施形態は本発明を限定することを意図するものではなく、この技術に精通する人によって本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われる変更および修正は、本発明の範囲に含まれることを意図する。
実施形態1:非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の取得。
図1を参照すると、図1は非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を取得するためのフローチャートである。本発明において、非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を取得するための方法が少なくとも以下のステップを含有する:
ステップS11:寄託番号ATCCCRL-2407を有する細胞集団に由来するヒト末梢血ナチュラルキラー細胞集団の取得。ステップS12:ヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団をCD16受容体に特異的な抗体と接触させる。ステップS13:抗体が特異的に結合している細胞を分離し、それによって非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を取得する。
好ましくは、ステップS12において、CD16受容体がCD16a受容体である。
好ましくは、フローサイトメトリー、ビーズ、又は抗体で修飾された表面を有する任意の材料を使用して、ステップS13で抗体によって特異的に結合される細胞を分離する。
好ましくは、「非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株」という用語は、非遺伝子改変されたヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株および/又は合成又は外因性ポリヌクレオチド配列を持たないヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を指す。
好ましい実施形態の詳細な説明を以下に詳述する。
実施形態1.1:非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の標識と選別。
この実施形態は実験群および対照群から成る。寄託番号ATCCCRL-2407を有するヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団を100~1000xgの速度で3~5分間遠心分離した。上清を除去し、ヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団をバッファーで再懸濁した。ヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団は、対照群と実験群の細胞培養皿に均等に分配された。実験群のヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団を前記細胞培養皿で培養し、次にCD16蛍光標識抗体(CD16-PE-Cy7、CD16a受容体およびCD16b受容体に対する抗体)と混合して、ヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団におけるCD16受容体を発現する細胞を標識した。一方、対照群のヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団は、等量のバッファーと混合された。実験群と対照群の細胞を別々に遠心分離し、上清を除去し、そして、ソーティングバッファーを加えて細胞濃度を1mLあたり1×107細胞に調整した。最後に、実験と対照群の細胞集団はセルソーターを使用して分析された。
バッファーは、プレソートバッファー、フローサイトメトリーサンプル調製バッファー、又はダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)であった。ソーティングバッファーは、プレソートバッファー、フローサイトメトリーサンプル調製バッファー、又はウシ胎児血清(FBS)を添加したダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)であった。セルソーターは、例えば、Becton Dickinson-FACSAriallluモデルのフローサイトメーターであった。
好ましくは、ソーティングバッファーは、0.1から10%(体積パーセント、vol%、v/v)のウシ胎児血清(ウシ胎児血清、FBS)を含有する。
ソート時間は1時間であり、ソート速度は50~7000イベント/秒である。
セルソーターの前方散乱(FSC)と側方散乱(SSC)を使用して、対照群と実験群のそれぞれ10,000個の粒子を分析した後、対照群の10,000個の粒子のうち6771個の粒子は細胞であり(粒子数が100%の場合、細胞数は67.7%であった)、そして、実験群の10,000個の粒子のうち6944個の粒子は細胞であった(粒子数が100%の場合、細胞数は69.4%であった)。
対照群細胞の蛍光分析の結果を図2Aに示す。図2Aは、CD16蛍光標識抗体で標識されないヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団を表す2次元ドットプロットであり、このヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団は寄託番号ATCCCRL-2407を有する細胞集団に由来する。実験群細胞の蛍光分析の結果を図2Bに示す。図2Bは、CD16蛍光標識抗体で標識されたヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団を表す2次元ドットプロットであり、このヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団は寄託番号ATCCCRL-2407を有する細胞集団に由来する。
図2Aおよび図2Bでは、横軸はPE-Cy7蛍光強度の相対値であり(本実験で使用したCD16蛍光標識抗体はPE-Cy7蛍光を発する)、縦軸は前方散乱(FSC)強度の相対値である。
図2Aに示す結果は対照群で分析された6771細胞のすべてがPE-Cy7蛍光を発しなかった(長方形領域に0細胞がある)。従って、CD16-PE-cy7蛍光標識抗体標識がない場合、対照群細胞の実験結果を妨げるPE-Cy7蛍光色素と同様な波長を持つ他の放射光はなかった。
図2Bに示す結果は、実験群で分析された6944個の細胞のほとんどがPE-Cy7蛍光を持たず、PE-Cy7蛍光を発した細胞はごくわずかであった(長方形の領域には174個の細胞しかない)。従って、実験群の10,000個の粒子のうち6944個は、174個の細胞がCD16受容体を発現する細胞であることがわかった。即ち、粒子の1.7%のみがCD16受容体を発現する細胞であり(174÷10000=1.7%)、細胞の2.5%~2.6%のみがCD16受容体を発現する細胞である(174÷6944≒2.6%)ことを意味する。実験群では、細胞濃度の条件に基づいて、1mLあたり1×107個細胞であり、実験群の細胞溶液の各mLは、CD16受容体を発現するおよそ2.6×105個の細胞を含んだ。
高純度のCD16+細胞を得るために、CD16受容体を発現する細胞を実験群の細胞から選別した(以下、”精製CD16+細胞集団”、”単離されたoNK”、又は”単離された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株”と呼ぶ)。
図2Cを参照すると、図2CはCD16蛍光標識抗体の標識によってヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団から単離されたCD16受容体発現する細胞を示す2次元ドットプロットである。図2Cに示す結果は精製CD16+細胞集団のほとんどの細胞がPE-Cy蛍光を発し、CD16受容体を発現する細胞の純度は99%にも達す。
精製CD16+細胞集団におけるCD16受容体を発現する前述の細胞は非トランスジェニック細胞である。精製CD16+細胞集団におけるCD16受容体を発現する前述の細胞はすべて、分析後にCD3-CD56 +の特徴を持ち、それらは継続的に継代培養することができ、非腫瘍形成性である。従って、精製CD16+細胞集団におけるCD16受容体を発現する前述の細胞は、新規の非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株である。
実施形態2:ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の培養。
図3を参照すると、図3はヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の培養フローチャートである。ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞を培養する方法は少なくとも以下のステップを含有する:
ステップS21’:ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞を取得し、
ステップS22’:容器内で、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞をヒト血小板溶解物とIL-2を含有する培地と接触させ、そして、
ステップS23:ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞を複数日間培養して、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞を増殖させる。
以下は本発明による非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を培養する特定の実施形態を記載するが、本発明の適用はそれに限定されないことを意味し、本発明が他のヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の培養にも使用できることを意味する。例えば、自己血又は同種異系血液から単離された初代CD16+ナチュラルキラー細胞、CD16トランスジェニックNK-92細胞株、又はその他のヒトCD16+ナチュラルキラー細胞である。
実施形態2.1:非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の培養。
ステップS21’:実施形態1によって分類された精製CD16+細胞集団(CD16受容体を発現する細胞の割合は99%くらい高かった)を遠心分離し、そして上清を除去した。
ステップS22’:1 mLの細胞培養培地で細胞を再懸濁した後、細胞懸濁液を最初の容器に入れ、40mLの細胞培養培地に6.54×105の非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を含むようにした。細胞培養培地は以下を含有する: 0.5%-30% (体積パーセント、vol%、v/v)ヒト血小板溶解物、 100~3000 IU/mLインターロイキン2 (IL-2)、およびDMEM培地(ダルベッコ改変イーグル培地)、イーグル最小必須培地のアルファ改変、又はXVIVO10培地。
ステップS23’:複数日間の培養後、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が実質的に濃縮された組成物が取得られた。ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が実質的に濃縮された組成物において、非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の数は少なくとも5×105である。複数日と言うのは、例えば、1日から3年である。
好ましくは、複数日が1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、2年、又は3年である。
好ましくは、細胞培養培地が0.5%、1%、1.5%、1.6%、2%、2.5%、2.6%、3%、3.5%、3.6%、4%、4.5%、4.6%、5.0%、5.1%、5.5%、5.6%、6%、6.1%、6.5%、6.6%、7%、7.1%、7.5%、7.6%、8%、8.1%、8.5%、8.6%、9%、9.1%、9.5%、9.6%、又は10%(体積パーセント、vol%、v/v)のヒト血小板溶解物を含有する。
好ましくは、細胞培養培地が100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、又は3000 IU/mL IL-2を含有する。
好ましくは、ステップS23は更にサブステップを含有する:
ステップS231:複数日間の培養後、細胞培養液中の細胞数は最初の細胞数に達し、最初の細胞数は1.25×106~5×106であった。
ステップS232:細胞懸濁液を第2の容器に入れて、第2の容器内の細胞の数を第1の細胞数にする。複数日間の培養後、細胞数は第2の細胞数に達し、第2の細胞数は5×107~1×109であった。そして、
ステップS233:細胞懸濁液を第3の容器に入れて、第3の容器内の細胞の数を第2の細胞数にする。複数日間の培養後、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞が実質的に濃縮された組成物を取得するために、細胞数は第3の細胞数に達した。第3の細胞数は、例えば、5×109又は1×1040であった。
最初の容器は、例えば、T25細胞培養フラスコ(T25フラスコ)、又はG-Rex6ウェル細胞培養プレートであった。第2と第3の容器はガス透過性であるが水不透過性の膜を含有し、又は、第2と第3の容器は、溶存酸素の濃度を完全に通気するか、培地中の溶存グルコースの濃度を1500~5000 mg/Lに維持することができる。好ましくは、第2の容器は、例えば、G-Rex 100Mボトル(製品番号81100、WILSON WOLF、USA)であり、第3の容器は、例えば、G-Rex-500M(製品番号85500S、WILSON WOLF、USA)であった。G-Rex 6M 6ウェル細胞培養プレート、G-Rex 100Mボトル、G-Rex-500Mの使用方法については、これらの容器の製品マニュアルを参照する。
ステップS23 およびS231~S233では、細胞を培養するため、0.5%~30%(体積パーセント、vol%、v/v)のヒト血小板溶解物および100~3000 IU/mLのインターロイキン2(IL-2)を培地に添加した。又、培地は、例えば、DMEM培地(ダルベッコ改変イーグル培地)、イーグル最小必須培地のアルファ改変、XVIVO 10培地、又はX-VIVO10無血清造血細胞培地である。
ステップS23’およびS231’~S233’では、細胞を37℃と5%二酸化炭素の条件下で培養した。
実施形態2.2: 実施形態2.1から取得された培養細胞の細胞生存率の検出。
実施形態2.1に開示された培養方法で異なる日数培養することによって取得された細胞懸濁液の各サンプルを、等量のトリパンブルーと混合し、細胞数および細胞生存率を観察した。
実験結果は7、16、21、28、37、42、49、65、92、97、103、134、166、184、および202日間の培養後、細胞数がそれぞれ1.61×106、 1.01×109、2.53×109、5.06×109、1.01×1010、1.62×1010、3.24×1010、1.13×1011、1.81×1015、3.25×1016、6.50×1017、1.35×1022、3.24×1027、1.30×1033、および1.04×1039に達することを示した。図4を参照すると、図4は、非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を7、16、21、28、37、42、49、65、92、97、103、134、166、184、および202日間培養した後、細胞生存率が84~97%に維持されたことを示す。従って、非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を本発明の培養方法で培養することにより、増殖後の細胞生存率を効果的に維持しながら、細胞数を少なくとも1.59×1033倍〔(1.04×1039)÷(6.54×105)≒1.59×1033〕に拡大させることができる。
実施形態3: 細胞の状態と細胞表面マーカーの検出
実施形態3.1: 本発明の培養法による非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の長期培養
この実施形態には2つの実験的試行がある。精製CD16+細胞集団の最初のバッチと精製CD16+細胞集団の2番目のバッチ(両方のバッチでCD16受容体を発現する細胞の割合は99%くらい高かった)は、実施形態1.1の方法で分類された。次に、精製CD16+細胞集団の第1のバッチおよび精製CD16+細胞集団の第2のバッチを、実験2.1の培養方法によってそれぞれ培養して、第1の実験試行の細胞懸濁液および第2の実験試行の細胞懸濁液を取得した。精製CD16+細胞集団の最初のバッチは合計35日間培養され、精製CD16+細胞集団の2番目のバッチは少くとも202日目まで長期間培養された。
実施形態3.2: 培養細胞の状態の検出
実施形態3.1において異なる時点で取得された細胞懸濁液の各サンプルを遠心分離した。上清を除去し、細胞をバッファーに再懸濁する。次に、1μLのヨウ化プロピジウム(PI)と混合する。セルソーター又はフローサイトメーターを使用して、細胞がヨウ化プロピジウムで染色されているかどうかを検出し、アポトーシスを起こしている、又は死んだ細胞の割合を決定した。
実施形態3.3: 培養細胞のCD56、CD3、およびCD2表面マーカーの検出
実施形態3.1において異なる時点で取得された細胞懸濁液の各サンプルを遠心分離した。上清を除去し、細胞をバッファーに再懸濁する。次に、1μLのCD56蛍光標識抗体 (Cat. No. 318304, Biolegend, USA)、1μLのCD3蛍光標識抗体 (Cat. No. 300410, Biolegend, USA)、および1μLのCD2蛍光標識抗体(Cat. No. 300222, Biolegend, USA)と混合して、CD56分子、CD3分子、および/又はCD2分子を発現する細胞を同時に標識する。最後に、セルソーター又はフローサイトメーターを使用して、細胞がCD56分子、CD3分子、および/又はCD2分子を示すかどうかを分析し、さまざまな細胞表面メーカーを持つ細胞の割合を計算した。
実施形態3.4: 培養細胞のCD16表面マーカーの検出。
実施形態3.1において異なる時点で取得された細胞懸濁液の各サンプルを遠心分離した。上清を除去し、細胞をバッファーに再懸濁する。次に、1μLのCD16蛍光標識抗体(Cat. No. 302016, Biolegend, USA)と混合して、CD16受容体を発現する細胞を標識する。最後に、セルソーターを使用して、細胞がCD16受容体を表すかどうかを分析し、CD16受容体を持つ細胞の割合を計算した。
実施形態3.5: 培養細胞の細胞毒性機能の検出。
xCELLigenceリアルタイム細胞分析システム(xCELLigence RTCA system, ACEA Biosciences Inc., USA)をこの実施形態で使用して、標的細胞に対する培養細胞の細胞毒性能力を検出した。この実施形態は細胞毒性試験を実施するための96ウェルxCELLigence E-プレートを一枚含有し、xCELLigence E-プレートのウェルは、コントロールウェル、実験ウェル、および標的細胞の最大溶解コントロールウェルに分けられた。この実施形態で使用されたエフェクター細胞は実施形態3.1において異なる時点で培養することによって取得された細胞懸濁液であり、標的細胞は、付着性卵巣癌細胞株であるSK-OV-3細胞株(HTB-77、ATCCから購入)であった。SK-OV-3細胞をコントロールウェル、実験ウェル、および標的細胞の最大溶解コントロールウェルに播種し、各ウェルに20000 SK-OV-3細胞が含まれるようにしてから、30分間静置した。
実施形態3.1で取得された細胞懸濁液のサンプルを実験ウェルに加え、SK-OV-3細胞(標的細胞)の数に対するエフェクター細胞数の比は2、5、および10であり、細胞懸濁液のサンプルに対する10分の1の等量溶解バッファーを標的細胞の最大溶解コントロールウェルに加えた。サンプル又は溶解バッファーをコントロールウェルに添加しなかった。xCELLigence E-プレートをxCELLigenceリアルタイムセル分析システムに配置し、37℃および5%二酸化炭素の条件下でセルインデックス(CI)のリアルタイム変化を検出した。
xCELLigence E-プレートの底部に付着している標的細胞数が多いほど、xCELLigenceリアルタイム細胞分析システムによって検出される細胞指数が高くなる。従って、細胞指数を使用して、実験ウェルで溶解された標的細胞の割合に換算することができる。細胞指数を実験ウェルで溶解された標的細胞の割合に換算するために使用される式は次のとおりである:
溶解された標的細胞の割合(%)=1-[(実験ウェルの細胞指数-標的細胞の最大溶解コントロールウェルの細胞指数)÷(対照ウェルの細胞指数-標的細胞の最大溶解コントロールウェルの細胞指数)]×100 %
表1および表2を参照すると、表1は最初の実験的試行で取得された細胞懸濁液の結果を示し、表2は2番目の実験的試行で取得された細胞懸濁液の結果を示す。
表1の最初の列「日数」は、培養日数を示す。2番目の列「PI+」は、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、アポトーシスを起こしている、又は死んだ細胞の割合を示す。ナチュラルキラー細胞、CD4+T細胞、およびCD8+T細胞はすべてCD56+(Pernick, N, 2018)を発現するため、3番目の列「CD56+」は、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞、CD4+T細胞、およびCD8+T細胞の総数の割合を示す。T細胞はすべてCD3+を発現するため(Pernick, N, 2018)、4番目の列「CD3-」は、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、T細胞ではない細胞の割合を示す。ナチュラルキラー細胞、末梢血T細胞、およびほとんどの胸腺細胞はすべてCD2+(Pernick, N, 2018)を発現し、実験3で最適化される細胞は末梢血に由来するため、5番目の列「CD2+」は、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞とT細胞の総数の割合を示す。6番目の列「CD56+CD3-」は、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞の割合を示す。7番目の列「CD56+CD2+」は、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞とT細胞の総数の割合を示す。ナチュラルキラー細胞とマクロファージはCD16+(Pernick, N, 2018)を発現し、CD16は抗体依存性細胞傷害性細胞傷害(ADCC)に関与するため、8番目の列「CD16+」は、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ADCC機能を備えたナチュラルキラー細胞とマクロファージの総数の割合を示す。9番目の列「CD56+CD16+」は、ナチュラルキラー細胞(CD56+CD3-細胞)の総数を100%として、ADCC機能を備えたナチュラルキラー細胞の割合を示す。
表2の1列目から8列目の表示は表1と同じである。9列目の「キリングテスト」に「レ」の記号が付いている場合は、特定の時点での細胞懸濁液中における細胞の細胞毒性機能が同時に試験され、細胞が細胞毒性機能を有することを確認したことを示す。
表1は、(1)精製CD16+細胞集団の最初のバッチ(ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の割合は99%くらい高かった)を7~35日間培養した後に取得された細胞懸濁液において、アポトーシスを起こしている、又は死んだ細胞の割合が5.65%~7.34%であることを示す。従って、培養中の細胞生存率が92.66%~94.35%である。(2)精製CD16+細胞集団の最初のバッチを7~35日間培養した後に取得された細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞、CD4+T細胞、およびCD8+T細胞の総数の割合は99.08~99.56%である。(3)精製CD16+細胞集団の最初のバッチを7~35日間培養した後に取得された細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、T細胞ではない細胞の割合は99.88~100%である。(4)精製CD16+細胞集団の最初のバッチを7~35日間培養した後に取得された細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞とT細胞の総数の割合は98.08~99.22%である。(5)精製CD16+細胞集団の最初のバッチを7~35日間培養した後に取得された細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞の割合は98.21~98.76%である。(6)精製CD16+細胞集団の最初のバッチを7~35日間培養した後に取得された細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞とT細胞の総数の割合は98.78~99.33%である。(7)精製CD16+細胞集団の最初のバッチを7~35日間培養した後に取得された細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ADCC機能を持ちナチュラルキラー細胞とマクロファージの総数の割合は90.17~92.36%である。(8)精製CD16+細胞集団の最初のバッチを7~35日間培養した後に得られた細胞懸濁液では、ナチュラルキラー細胞(すなわち、CD56 + CD3-細胞)の総数を100%として、ADCC機能を有するナチュラルキラー細胞の割合は88.79~92.11%である。
表2は、(1)精製CD16+細胞集団の2番目のバッチ(ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の割合は99%くらい高かった)を7~202日間培養した後に取得された細胞懸濁液において、アポトーシスを起こしている、又は死んだ細胞の割合が2.7%-10.5%である。従って、培養中の細胞生存率は89.5%~97.3%である。(2)精製CD16+細胞集団の2番目のバッチを7~202日間培養した後に得られた細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞、CD4+T細胞、およびCD8+T細胞の総数の割合は98.85%~99.65%である。(3)精製CD16+細胞集団の2番目のバッチを7~202日間培養した後に取得された細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、T細胞ではない細胞の割合は99.82%~100%である。(4)精製CD16+細胞集団の2番目のバッチを7~202日間培養した後に取得された細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞とT細胞の総数の割合は94.5%~99.68%である。(5)精製CD16+細胞集団の2番目のバッチを7~202日間培養した後に取得された細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞の割合97.65%~99.05%である。(6)精製CD16+細胞集団の2番目のバッチを7~202日間培養した後に取得された細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ナチュラルキラー細胞とT細胞の総数の割合は97.83%~99.61%である。(7)精製CD16+細胞集団の2番目のバッチを7~202日間培養した後に取得された細胞懸濁液では、細胞懸濁液中における細胞の総数を100%として、ADCC機能を持つナチュラルキラー細胞とマクロファージの総数の割合は83.88%~94.04%である。(8)精製CD16+細胞集団の2回目のバッチを7~202日間培養した後に取得された細胞懸濁液中の細胞は、細胞毒性機能を有することが確認された。
実施形態2.1に開示されている培養方法で28日間培養して得られた細胞懸濁液を、NPMDに寄託番号NITE BP-03017で寄託した。本発明に開示された結果は、oNK細胞株が少なくとも3ヶ月継代培養後に増殖する能力を保持できることを示し、従って、細胞増殖制御に関与する調節解除した遺伝子を含有する可能性がある(例えば、oNK細胞株は不活性な腫瘍抑制遺伝子、又は変異して高度発現された癌遺伝子を含有する)。
実施形態4:非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の非腫瘍形成性。
この実施形態では、6~8週齢の雌のBALB/cヌードマウス(The Jackson Lboratory 又はBioLasco、Taiwanから購入)を使用した。30匹のマウスをランダムにSK-OV-3群、ラジ群、ダウディ群、oNK群、γ線照射ACE-oNK群、DPBS群である6群に割り当てた。
ヒト卵巣癌細胞株「SK-OV-3」(ATCCから購入;寄託番号はATCC HTB-77)、ヒトBリンパ芽球様細胞株「ラジ」(ATCCから購入、寄託番号はATCCCCL-86)、および「ダウディ」(ATCCから購入、寄託番号はATCC CCL-213)、実施形態2.1に開示されている培養方法で88日間培養して得られた細胞懸濁液(本発明の88日培養oNK懸濁液、88日培養oNK懸濁液と呼ばれる)とγ線照射ACE-oNK細胞懸濁液がこの実施形態において使用された。γ線照射ACE-oNK細胞懸濁液の調製方法を以下に説明した。
γ線照射ACE-oNK細胞懸濁液: 実施形態2.1に開示された培養方法で84日間培養することによって取得された細胞懸濁液(本発明の84日培養oNK懸濁液、84日培養oNK懸濁液と呼ばれる)に10Gyの線量でγ線を照射した。相補的な細胞リンカーとトラスツズマブリンカーを使用して、γ線照射84日培養oNK懸濁液中の細胞にトラスツズマブを結合させた後、γ線照射ACE-oNK細胞懸濁液が得られた。
トラスツズマブを細胞(例えば、ナチュラルキラー細胞、60日培養oNK懸濁液中の細胞、γ線照射60日培養oNK懸濁液中の細胞)に結合する手順は次のとおりであった:(A)細胞リンカーを調製し、細胞-ssDNA接合を調製するために細胞リンカーを細胞に結合するステップ(B)トラスツズマブ-ssDNA接合を調製するために、トラスツズマブリンカーを調製し、トラスツズマブリンカーをトラスツズマブに結合するステップ(C)トラスツズマブ接合細胞を調製するために、細胞リンカーおよびトラスツズマブリンカー上の相補配列を介し、細胞-ssDNA接合およびトラスツズマブ-ssDNA接合を混合して細胞-ssDNA接合とトラスツズマブ-ssDNA接合を組み合わせる。
細胞リンカーを調製し、細胞リンカーを細胞に結合するステップ(A)は、以下のステップ(a1) ~ (a4) を含有する:
ステップ(a1) 第1の一本鎖DNAが得られ、第1の一本鎖DNAの配列は配列番号:5、配列番号:6、又は配列番号:7であった。
ステップ(a2) 最初の一本鎖DNAの5’末端は5’末端チオール修飾された最初の一本鎖DNAとして修飾され、細胞リンカーストックを得た。細胞リンカーストックもIntegrated DNA Technologiesから市販されている。実際の修正方法は、当業者に知られているか、又は明らかである(Zimmermann、J、2010)。
ステップ(a3) 10~500μLの細胞リンカーストックと0.1~10μLのNHS-マレイミド(Fisher Scientificから市販されている)を混合し、1~60分間培養した。
ステップ(a4) ステップ(a3)で取得された混合物を1×106~1×108細胞と混合し、1~60分間培養して細胞-ssDNA接合を得た。
トラスツズマブリンカーを調製し、トラスツズマブリンカーをトラスツズマブに結合するステップ(B)は以下のステップ(b1)~(b4)を含有する:
ステップ(b1)第2の一本鎖DNAが得られ、第2の一本鎖DNAの配列は配列番号:8、配列番号:9、又は配列番号:10であり、第2の一本鎖DNAの配列は第1の一本鎖DNAの相補鎖である。
ステップ(b2)第2の一本鎖DNAの5 ’末端を5’末端チオール修飾された第2の一本鎖DNAとして修飾され、トラスツズマブリンカーストックを得た。トラスツズマブリンカーストックはIntegrated DNA Technologiesからも市販されている。実際の修正方法は、当業者に知られているか、又は明らかである(Zimmermann、J、2010)。
ステップ(b3)10~500μLのトラスツズマブリンカーストックと0.1~10μLのNHS-マレイミド(Fisher Scientificから市販されている)を混合し、1~60分間培養した。
ステップ(b4)ステップ(b3)で取得された混合物を、10~100μLのトラスツズマブストック(Rocheから市販されている)と混合し、10分から3時間培養してトラスツズマブ-ssDNA接合を得た。
細胞-ssDNA接合とトラスツズマブ-ssDNA接合を混合して、γ線照射ACE-oNK細胞懸濁液中の細胞などのトラスツズマブ接合細胞を得た。
1×107SK-OV-3細胞、1×107ラジ細胞、1×107ダウディ細胞、60日培養oNK懸濁液中の1×107細胞、およびγ線照射ACE-oNK細胞懸濁液中の1×107細胞を異なる細胞懸濁液を得るために、それぞれ100μLのダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)に懸濁した。細胞懸濁液と100μLのDPBSをSK-OV-3群、ラジ群、ダウディ群、oNK群、γ線照射ACE-oNK群、DPBS群の雌BALB/cヌードマウスにそれぞれ0日目に皮下移植した。各マウスの腫瘍増殖は14日目、21日目、24日目、42日目、および59日目に観察され、マウスは59日目に安楽死させられた。
表3を参照すると、表3はさまざまな細胞株を異種移植したヌードマウスにおける腫瘍形成の結果を示す。
表3は、研究期間を通じてDPBS群(陰性対照群)のマウスに腫瘍形成がなかったこと(0 / 5、0%)を示しているが、SK-OV-3群(陽性対照群)の5匹のマウスすべてに腫瘍が発生した(5 / 5,100%)。リンパ腫細胞株ダウディを異種移植したマウスでは、ダウディ群の5匹中4匹のマウスが腫瘍を発症し(4 / 5、80%)、研究の終わり(59日目)まで続いた。リンパ腫細胞株ラジを異種移植したマウスでは5匹中1匹(1/5)のマウスが42日目までに検出可能な腫瘍を持っていたが、その後、研究の終わりまでに測定不可能なサイズに戻った。
本発明のoNK細胞又はγ線照射ACE-oNK細胞を異種移植したマウスでは、調査期間中にoNK群およびγ線照射ACE-oNK群のマウスに(0 / 5、0%)腫瘍形成は見られなかった。これらの研究結果は、非照射oNK細胞およびトラスツズマブ接合照射ACE-oNK細胞が非腫瘍形成性であり、将来の臨床応用および疾患治療に安全であるという証拠を提供する。
実施形態5:培養された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株とNK-92細胞株との間の細胞毒性活性の比較。
この実施形態の実験方法は、以下の点を除いて、実施形態3.5の実験方法とほぼ同じである: (1) 本実施形態で使用するエフェクター細胞は、<i>実施形態2.1に開示する培養方法で33日間培養して取得された細胞懸濁液(本発明の33日培養oNK懸濁液が、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の割合が91.74%である33日培養oNK懸濁液と呼ばれる)であり、又は<ii>寄託番号ATCCCRL-2407を有するヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団(図2Bに示されるように、NK-92細胞株の割合が少なくとも98%であり、NK-92細胞株がCD16-ナチュラルキラー細胞株であるNK-92懸濁液と呼ばれる)である。そして、(2)SK-OV-3細胞(標的細胞)の数に対するエフェクター細胞(33日培養されたoNK懸濁液の総細胞又はNK-92懸濁液の総細胞)の数の比率は2:1(ET2)である。
図5を参照すると、図5は培養された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株とNK-92細胞株の癌細胞を殺す細胞毒性機能を比較するグラフである。図5は、NK-92細胞株(CD16-ナチュラルキラー細胞株であるため、ADCCプロセスによって癌細胞を破壊できない)が癌細胞の2.40±5.52%しか殺すことができず、一方、oNK細胞(腫瘍関連抗原を標的とするIgG抗体にリンク又は共培養されておらず、ADCC反応を誘導するために活性化されていない非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞)は49.68±1.19%のがん細胞を殺したことを示す。
従って、結果は次のことを示している:NK-92細胞と比較すると(NK-92はCD16-ナチュラルキラー細胞株であるため、ADCCプロセスによって癌細胞を破壊することはできない)、ADCC反応を誘発するために活性化されなかったoNK細胞は細胞毒性の約21倍の増加を引き起こす可能性がある(49.68÷2.4 = 21)。これは予想外の結果である。
更に、この結果に基づいて、出願人は33日培養oNK懸濁液(培養oNK)からヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を単離し、NK-92懸濁液からのCD16-ナチュラルキラー細胞株(NK-92)を単離した後に同様の予想外の結果が観察される可能性があると考えている。
実施形態6:異なる量の非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株間の細胞毒性活性の比較。
この実施形態の実験方法は、以下の点を除いて、実施形態3.5の実験方法とほぼ同じである:(1) 本実施形態で使用するエフェクター細胞は、<i>実施形態2.1に開示する培養方法でX日間培養して取得された細胞懸濁液(本発明のX日培養oNK懸濁液が、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の割合が8.91%で、少数oNK懸濁液と呼ばれる)であり、<ii>実施形態2.1に開示する培養方法でY日間培養して取得された細胞懸濁液(本発明のY日培養oNK懸濁液が、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の割合が64.15%で、中数oNK懸濁液と呼ばれる)であり、<iii>実施形態2.1に開示する培養方法でZ日間培養して取得された細胞懸濁液(本発明のZ日培養oNK懸濁液が、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の割合が91.74%で、多数oNK懸濁液と呼ばれる)であり、<iv>寄託番号ATCCCRL-2407を有するヒト末梢血ナチュラルキラー細胞の集団(図2Bに示されるように、NK-92細胞株の割合が少なくとも98%であり、NK-92細胞株がCD16-ナチュラルキラー細胞株であるNK-92懸濁液と呼ばれる)であり、<v>少数ACE-oNK-HER2細胞懸濁液であり、<vi>中数ACE-oNK-HER2細胞懸濁液であり、又は<vii>多数ACE-oNK-HER2細胞懸濁液である。そして、(2)SK-OV-3細胞(標的細胞)の数に対するエフェクター細胞(少数oNK細胞懸濁液、中数oNK細胞懸濁液、多数oNK細胞懸濁液、NK-92懸濁液、少数ACE-oNK-HER2懸濁液、中数ACE-oNK-HER2懸濁液、又は多数ACE-oNK-HER2細胞懸濁液における総細胞数)の数の比率は2:1(ET2)である。
少数ACE-oNK-HER2 細胞懸濁液、中数ACE-oNK-HER2 細胞懸濁液、および多数ACE-oNK-HER2 細胞懸濁液の調製方法を以下に記載した。
少数ACE-oNK-HER2 細胞懸濁液: 「少数oNK細胞懸濁液」の総細胞は、相補的な細胞リンカーとトラスツズマブリンカーを使用してトラスツズマブと連結され、従って、ACE-oNK-HER2細胞の割合が約8.91%である少数ACE-oNK-HER2細胞懸濁液が取得された。
中数ACE-oNK-HER2 細胞懸濁液: 「中数oNK細胞懸濁液」の総細胞は、相補的な細胞リンカーとトラスツズマブリンカーを使用してトラスツズマブと連結され、従って、ACE-oNK-HER2細胞の割合が約64.15%である中数ACE-oNK-HER2細胞懸濁液が取得された。
多数ACE-oNK-HER2 細胞懸濁液: 「多数oNK細胞懸濁液」の総細胞は、相補的な細胞リンカーとトラスツズマブリンカーを使用してトラスツズマブと連結され、従って、ACE-oNK-HER2細胞の割合が約91.74%である多数ACE-oNK-HER2細胞懸濁液が取得された。
トラスツズマブを細胞(少数oNK細胞懸濁液、中数oNK細胞懸濁液、又は多数oNK細胞懸濁液における細胞)に結合させる手順は、実施形態4の手順と同じである。
図6Aおよび図6Bを参照すると、図6Aは癌細胞を殺すための異なる数の非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株間の細胞毒性活性の比較を示す棒グラフである。図6BはADCCプロセスを通じて癌細胞を殺すための異なる数の抗HER2抗体接合非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株間の細胞毒性活性の比較を示す棒グラフである。
図6Aは、NK-92細胞株(CD16-ナチュラルキラー細胞株であり、ゆえにADCCプロセスによって癌細胞を破壊することができない)が癌細胞の2.40±5.52%しか殺すことができず、少数oNK細胞(腫瘍関連抗原を標的とするIgG抗体にリンク又は共培養されておらず、ADCC反応を誘導するために活性化されていない非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞)が癌細胞の25.00±3.60%を殺し、中数oNK細胞(腫瘍関連抗原を標的とするIgG抗体にリンク又は共培養されておらず、ADCC反応を誘導するために活性化されていない非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞)が癌細胞の47.60±6.80%を殺し、多数oNK細胞(腫瘍関連抗原を標的とするIgG抗体にリンク又は共培養されておらず、ADCC反応を誘導するために活性化されていない非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞)が癌細胞の49.68±1.19%を殺したことを示す。
従って、結果は次のことを示している: NK-92細胞(NK-92はCD16-ナチュラルキラー細胞株であるため、ADCCプロセスを通じて癌細胞を破壊することはできない)と比較して、少数oNK細胞(ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の割合は8.91%である)懸濁液は細胞毒性の約10倍(25 ÷ 2.4 = 10)の増加を引き起こすのに十分である。これは予想外の結果である。従って、癌細胞を殺すには、組成物中における細胞の総数を100%として、5%以上の量のヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株で十分であることが示された。この結果に基づいて、出願人は、同様の予想外の結果が臨床試験で観察される可能性があると考えている。
この結果は、中数oNK細胞又は多数oNK細胞(ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の割合が64.15%又は91.74%)懸濁液が細胞傷害性の約20~21倍(47.60÷2.4 = 20; 49.68÷2.4 = 21)の増加を引き起こす可能性があることも示している。従って、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株は多いほど癌細胞が死滅し、組成物中における細胞の総数を100%として、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株として約60%~65%の量でプラトーに達することを示してる。この結果に基づいて、出願人は同様の結果が臨床試験で観察される可能性があると考えている。
図6Bは少数oNK細胞が癌細胞の25.00±3.60%を殺し、中数oNK細胞が癌細胞の47.60±6.80%を殺し、多数oNK細胞が癌細胞の49.68±1.19%を殺し、少数ACE-oNK-HER2細胞が63.70±5.00%の癌細胞を殺し、中数ACE-oNK-HER2細胞が癌細胞の62.00±4.00%を殺し、多数ACE-oNK-HER2細胞が癌細胞の73.9±11.80%を殺したことを示している。
従って、結果は次のことを示している: 本発明の培養によって取得された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株が腫瘍関連抗原(トラスツズマブなど)を標的とする抗体と結合した場合、相補的である細胞リンカーと抗体ライナー(トラスツズマブリンカーなど)を使用することによって活性化されてADCC反応を誘発する可能性があり、細胞毒性効果は14.4%~38.7%(62.00%-47.60%= 14.4%; 63.70%-25.00%= 38.7%)有意に増加した。
この結果は又、5%以上の量の外因性標的化ユニット複合oNK細胞(抗HER2抗体接合oNK細胞など)がADCCプロセスを介して癌細胞を殺すのに十分であることを示している。外因性標的化ユニット複合oNK細胞が多いほど、ADCCプロセスによって多くの癌細胞が殺され、組成物中における細胞の総数を100%として、外因性標的化ユニット複合oN細胞として約5%-10%に等しい量でプラトーに達することも示してる。この結果に基づいて、出願人は同様の結果が臨床試験で観察される可能性があると考えている。
実施形態7:抗HER2抗体接合非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株と抗HER2抗体共培養非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の細胞毒性活性の比較
この実施形態の実験方法は、以下の点を除いて、実施形態3.5の実験方法とほぼ同じである:(1) 本実施形態で使用するエフェクター細胞は、<i>実施形態2.1に開示する培養方法で55日間培養して取得された細胞懸濁液(55日培養oNK懸濁液と呼ばれる)であり、又は、<ii>ACE-oNK-HER2細胞を用いた細胞懸濁液(「55日培養oNK懸濁液」の総細胞を、実施形態4に記載のように相補的な細胞リンカーおよびトラスツズマブリンカーを使用してトラスツズマブと連結させた)である。そして、(2)SK-OV-3細胞(標的細胞)の数に対するエフェクター細胞(55日培養oNK懸濁液又はACE-oNK-HER2細胞懸濁液における総細胞)の数の比率は1:1 (ET1), 2:1 (ET2), 又は5:1 (ET5)であり、(3)55日間培養oNK懸濁液の実験用ウェルにおいて、E:T比が1(0.55 ng)、2(1.10 ng)、および5(2.75 ng)のACE-oNK-HER2細胞懸濁液中の細胞に結合したトラスツズマブの総量と同等のトラスツズマブが添加された。詳細な手順は以下のとおりである。
xCELLigence E-プレートのウェルは、コントロールウェル、ACE-oNK-HER2 ET1実験ウェル、ACE-oNK-HER2 ET2実験ウェル、ACE-oNK-HER2 ET5実験ウェル、oNKとハーセプチンET1実験ウェル、oNKとハーセプチンET2実験ウェル、oNKとハーセプチンET5実験ウェル、および標的細胞の最大溶解コントロールウェルに分けられた。SK-OV-3細胞をコントロールウェル、ACE-oNK-HER2 ET1実験ウェル、ACE-oNK-HER2 ET2実験ウェル、ACE-oNK-HER2 ET5実験ウェル、oNKとハーセプチンET1実験ウェル、oNKとハーセプチンET2実験ウェル、oNKとハーセプチンET5実験ウェル、および標的細胞の最大溶解コントロールウェルに播種し、各ウェルには20000 SK-OV-3細胞が含まれて、そして、30分間置いた。
ACE-oNK-HER2細胞懸濁液中の20000、40000、又は100000細胞をACE-oNK-HER2 ET1実験ウェル、ACE-oNK-HER2 ET2実験ウェル、およびACE-oNK-HER2ET5実験ウェルにそれぞれ添加した。従って、SKOV-3細胞(標的細胞)の数に対するエフェクター細胞(ACE-oNK-HER2細胞懸濁液中の総細胞)の数の比率は、1、2、および5であった。
55日培養oNK懸濁液中の20000、40000、又は100000細胞と0.55、1.10、又は2.75 ngのトラスツズマブ(製品名がハーセプチンであるHER2タンパク質に対する抗体はRoche、Swissから購入した)の両方を「oNKとハーセプチンET1実験ウェル」、「oNKとハーセプチンET2実験ウェル」、「oNKとハーセプチンET5実験的ウェル」にそれぞれ添加した。 従って、SK-OV-3細胞(標的細胞)の数に対するエフェクター細胞(55日培養oNK懸濁液中の総細胞)の数の比率は1、2、および5であった。「oNKとハーセプチンET1実験ウェル」、「oNKとハーセプチンET2実験ウェル」、又は「oNKとハーセプチンET5実験ウェル」におけるトラスツズマブの量は、ACE-oNK-HER2ET1実験ウェル、ACE-oNK-HER2 ET2実験ウェル、およびACE-oNK-HER2ET5実験ウェルの細胞に結合したトラスツズマブの総量とそれぞれ同じであった。
図7を参照すると、図7は、ADCCプロセスを介して癌細胞を殺すために抗HER2抗体結合非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株と抗HER2抗体共培養された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株との間の細胞毒性機能の比較を示す棒グラフである。図7は、腫瘍関連抗原を標的とするIgG抗体と共培養した(従って、ADCC反応を誘発するように活性化された)oNK細胞がE:T比1、2又は5でそれぞれ癌細胞の0.00±2.10%、7.30±1.40%、又は71.8±2.10%しか殺すことができず、一方、腫瘍関連抗原を標的とするIgG抗体と結合(接合)した(従って、ADCC反応を誘導するために活性化された)ACE-oNK-HER2細胞がE:T比1、2、又は5でそれぞれ癌細胞の31.40±1.10%、65.60±1.00%、又は99.10±1.30%を殺したことを示す。
従って、結果は次のことを示している:腫瘍関連抗原を標的とするIgG抗体と共培養されたoNK細胞と比較すると、腫瘍関連抗原を標的とするIgG抗体と結合(接合)したACE-oNK-HER2細胞は低用量で細胞毒性の9~∞倍(ET1と0.55 ngトラスツズマブ、又はET2と1.10ngトラスツズマブ、 65.60÷7.30 = 9、31.40÷0.00 =∞、∞は無限大の数を表す記号である)の増加を引き起こすことができる。つまり、「CD16+ナチュラルキラー細胞を抗腫瘍抗原抗体とリンクさせる」(たとえば、培養されたoNKをトラスツズマブとリンクさせる)と予想外の結果が生じ、CD16+ナチュラルキラー細胞を抗腫瘍抗原抗体とリンクさせることで、低用量治療に基づく効果的かつ安全な治療を実現できる。
更に、この結果に基づいて、出願人は55日間の培養oNK懸濁液(培養oNK)からヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を単離し、ACE-oNK-HER2細胞懸濁液からトラスツズマブ結合CD16+ナチュラルキラー細胞(ACE-oNK-HER2細胞)を分離すると、同様の予想外の結果が観察される可能性があると考えている。
実施形態8:非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株のゲノムDNAの検出
実施形態8.1 液滴デジタルPCR(ddPCR)によるCD16受容体をコードするDNA配列の検出。
この実施形態では、液滴デジタルPCR(ddPCR)を使用して、本発明の培養された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株(oNK)、又はCD16トランスジェニックNK-92細胞株(yNK)のCD16受容体をコードするDNA配列を検出した。
この実施形態では、実施形態2.1に開示された培養方法でM日間培養することによって取得された細胞懸濁液(M日培養oNK懸濁液と呼ばれる)、およびCD16トランスジェニックNK-92細胞株(ATCCから購入、寄託番号がATCCPTA-6967。yNKと呼ばれる)が使用された。M日培養oNK懸濁液中におけるyNKと細胞のゲノムDNAは、Blood&Cell Culture DNA Mini Kit(Qiagenから購入)によって分離された。
yNKサンプル又はoNKサンプル:yNK又はM日培養oNK懸濁液から単離された50ngのゲノムDNAを、10μLのddPCRTMSupermix for Probes(2X)(カタログ番号#1863026; Bio-Radから購入)、1μLのBstXI制限酵素(製品名BstXI;カタログ番号R0113S; BioLabsから購入)、および1μLのCD16 F176F加水分解プローブとCD16 F176V加水分解プローブの混合物(アッセイID:C_25815666_10; ThermoFisherから購入、コンテキストシーケンス[VIC/FAM]:
TCTGAAGACACATTTTTACTCCCAA[C/A]AAGCCCCCTGCAGAAGTAGGAGCCG(配列番号:41)、https://www.thermofisher.com/order/genome-database/details/genotyping/C_25815666_10?CID=&ICID=&subtype=)と混合し、最終容量は20μLである。
テンプレートなしのコントロールサンプル:水、10μLのddPCRTMSupermix for Probes(2X)、1μLのBstXI制限酵素、および1μLのCD16 F176F加水分解プローブとCD16 F176V加水分解プローブの混合物を混合し、最終容量は20μLである。
ddPCRの実験は、QX100/QX200ドロップレットデジタルPCR(ddPCR)システム(Bio-Radから購入)を使用して実施した。先ず、サンプルをQX100又はQX200ドロップレットジェネレーター(QX100/QX200ドロップレットデジタルPCRシステムのマシン)に入れて、各サンプルを15000~20000の液滴(ナノリットルサイズの液滴)に分割する。
次に、96ウェルプレート(製品名:DG8カートリッジ、Bio-Radから購入)のウェルをテンプレートなしのコントロールウェル、yNKウェル、oNKウェルに分け、これらのウェルはそれぞれテンプレートなしのコントロール群(NTC群)、yNK群、およびoNK群用である。ナノ化されたテンプレートなしのコントロールサンプル、yNKサンプル、およびoNKサンプルは、それぞれテンプレートなしのコントロールウェル、yNKウェル、およびoNKウェルに移された。
次に、PCR増幅プロセスの場合、サーモサイクリング条件は、95°Cで10分間、95°Cで15秒間を45サイクル、60°Cで1分間、続いて98°Cで10分間、その後4°Cで保持した。各ステップのランプ速度は2°C/sに設定された。
CD16 F176F加水分解プローブは、FAMレポーターフルオロフォアで標識されたプローブであり、CD16 F176V加水分解プローブは、VICレポーターフルオロフォアで標識されたプローブである。PCR増幅プロセスの主なステップは、変性、アニーリング、および伸長である。アニーリング中に加水分解プローブ(CD16 F176F加水分解プローブやCD16 F176V加水分解プローブなど)はターゲット配列に結合する。次に、伸長中にプローブの5’末端にラベルが付けられたレポーターが切断され、遊離のレポーターが蛍光を発する。CD16 F176F加水分解プローブの配列は配列番号:11であり、従って、染色体1のqアームの位置1q23.3にあるCD16受容体をコードするDNA配列を検出できることが期待された。CD16 F176V加水分解プローブの配列は配列番号:12であり、yNKの合成DNA配列を検出できると期待されている。
染色体1のqアームの位置1q23.3にあるCD16受容体をコードするDNA配列はCD16 F176F mRNAに転写され、次にCD16 F176Fタンパク質に翻訳され、oNKにおける染色体1のqアームの位置1q23.3にあるCD16受容体をコードするDNAの配列は配列番号:1、配列番号:2、又は配列番号:19を含有することに注意する。CD16 F176F mRNAの配列は配列番号:13を含有し、 CD16 F176Fタンパク質の配列は配列番号:3、配列番号:4、配列番号:14、又は配列番号:20を含有する。yNKにおけるCD16受容体をコードする合成DNA配列はCD16 F176V mRNAに転写され、次にCD16 F176Vタンパク質に翻訳され、CD16 F176V mRNAの配列は配列番号:15である。 CD16 F176VFタンパク質の配列は配列番号:16である。
次に、液滴読み取りプロセスでは、QX100/QX200液滴リーダー(QX100/QX200液滴デジタルPCRシステムのマシン)を使用して液滴を読み取り、蛍光を読み取るために液滴を個別に配置し、従って、各液滴を2色検出システム(FAMおよびVICを検出するように設定した)を使用して個別に分析した。ターゲットDNA分子(CD16 F176F加水分解プローブで検出されたDNA分子又はCD16 F176V加水分解プローブで検出された分子など)のコピーを少なくとも1つ
含む陽性液滴は陰性液滴と比較して蛍光の増加を示す。
図8を参照すると、図8は非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株とCD16トランスジェニックNK-92細胞株の遺伝子型の比較を示す棒グラフである。
NTC群では、収集された合計14568個液滴(イベント)の中にCD16 F176F加水分解プローブで検出可能なDNA分子を含む陽性液滴が1個とCD16 F176V加水分解プローブで検出可能なDNA分子を含む陽性液滴が4個しかない。yNK群では、収集された合計14230個液滴(イベント)の中にCD16 F176F加水分解プローブで検出可能なDNA分子を含む陽性液滴が6737個とCD16 F176V加水分解プローブで検出可能なDNA分子を含む陽性液滴が8152個ある。oNK群では、収集された合計14230個液滴(イベント)の中にCD16 F176F加水分解プローブで検出可能なDNA分子を含む陽性液滴が7637個と、CD16 F176V加水分解プローブで検出可能なDNA分子を含む陽性液滴が5333個ある。
従って、結果は、ddPCRシステムを使用してyNK細胞のゲノムDNAを分析した場合、CD16 F176F加水分解プローブ検出可能DNA分子とCD16 F176V加水分解プローブ検出可能DNA分子の比率は0.83 (6737 ÷ 8152 = 0.83) であったことを示す。一方で、ddPCRシステムを使用してoNK細胞のゲノムDNAを分析したところ、CD16 F176F加水分解プローブで検出可能なDNA分子とCD16 F176V加水分解プローブで検出可能なDNA分子の比率は1.43(7637 ÷ 5333 = 1.43)であった。
すなわち、本発明においてヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株 (oNK) のゲノムDNAを分析するためにddPCRシステムを使用することにより、CD16 F176F加水分解プローブで検出可能なDNA分子とCD16 F176V加水分解プローブで検出可能なDNA分子の比率は1以上(CD16 F176F プローブで検出可能なDNA分子の数÷CD16 F176V プローブで検出可能なDNA分子の数≧1)であった。
又、この結果に基づいて、出願人は、M日培養oNK懸濁液(培養oNK)からヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を単離した後、同様の結果が観察される可能性があると考えている。
出願人の経験に基づいて、配列番号:17又は配列番号:18の配列を持つ別の加水分解プローブは、他のCD16トランスジェニックNK細胞のCD16受容体をコードするDNA配列を検出することができる。
実施形態8.2 蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)によるCD16受容体をコードするDNA配列の検出。
この実施形態では、2色蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を使用して、ヒトナチュラルキラー細胞のCD16a受容体をコードするトランスジェニック、合成、遺伝子改変、又は意図的に導入されたDNA配列を検出する。
本発明における培養された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株(oNK)が例として使用され、CD 16受容体をコードするトランスジェニック、合成、遺伝子改変、又は意図的に導入されたDNA配列を持たないヒト細胞の結果を示している。一方で、CD16トランスジェニックNK-92細胞株(yNK)が例として使用され、CD 16受容体をコードするトランスジェニック、合成、遺伝子改変、又は意図的に導入されたDNA配列を持つヒト細胞の結果を示している。
詳細については、実施形態2.1に開示された培養方法でN日間培養することによって取得された細胞懸濁液(N日間培養oNK懸濁液と呼ばれる)から単離されたCD16+ NK細胞(oNK 細胞)およびCD16トランスジェニックNK-92細胞株(ATCCから購入、寄託番号はATCC PTA-6967。yNKと呼ばれる)がこの実施形態で使用された。
Kallioniemiは1996年に2色蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)法の詳細を開示し、簡単な抜粋を以下に示す。
先ず、N日培養oNK懸濁液から単離された1×107 yNK細胞又はoNK細胞(CD16+ NK細胞)からの核を、DNAフローサイトメトリーで使用されるプロトコル(Kallioniemi et al., 1996; Vindelov et al., 1983)に従って調製する。 詳細については、細胞ペレットを低張界面活性剤溶液に培養し、短時間のトリプシンで消化する。
次に、核を顕微鏡のスライドに落とし、風乾し、メタノール酢酸で固定する。
次に、ハイブリダイゼーションの前に、標的細胞をプロテイナーゼK又は他のタンパク質分解酵素で処理し、プローブの浸透を改善する。
次に、標的細胞の変性は通常、スライドを変性溶液(70%ホルムアミド、2×SSC)に70℃で2~4分間浸漬し、続いてエタノールで固定および脱水することによって達成される。変性の時間と温度は標的細胞の特性に応じて最適化する必要がある。
次に、ハイブリダイゼーションの前に、20~60 ngの最初の蛍光色素標識FCGR3AFISHプローブ(CD16a受容体をコードするすべてのヒトDNA配列を検出できるテストプローブ、Empire Genomicsから購入)、20~60 ngの2番目の蛍光色素標識染色体1コントロールプローブ(参照プローブ、Empire Genomicsから購入)、およびブロッキングDNA(非標識Cot-1又は胎盤DNA)をホルムアミドベースのハイブリダイゼーションバッファーに添加する。プローブにゲノム内の複数の場所にハイブリダイズする反復配列が含まれている場合はブロッキングDNAを使用する必要がある。ハイブリダイゼーション混合物を70℃で5分間加熱してプローブフラグメントを変性させ、ターゲットスライドにアプライし、カバースリップが適用され、ゴムセメントで密封される。ハイブリダイゼーションは湿ったチャンバー内で、37℃で一晩行う。
次に、結合していないプローブが洗浄される。
次に、標的核はDNA染色、通常はヨウ化プロピジウムとDAPIで対比染色される。
ハイブリダイゼーションは通常の高品質落射蛍光顕微鏡で調べらる。主要メーカー(Zeiss、 Leitz、Olympus、およびNikon)からの最近のほぼすべての顕微鏡モデルは遺伝子特異的なFISH分析に適している。テストおよび参照プローブシグナルの数は、スライド全体でランダムに選択された最低100個の核から調べられる。形態学的に無傷で重複しない核のみがカウントされる。核は3次元であるため、正しい信号数を取得するには、核の深さ全体に焦点を移動する必要がある。
遺伝子特異的FISHの結果を報告するために、通常いくつかの形式が使用され、例えば:(1)細胞当たりのテストプローブ信号数、(2)テストプローブからの細胞当たりの信号数を参照プローブからの信号数で割ったもの、又は(3)テストプローブの信号数が参照プローブよりも高い又は低いコピー数で存在する細胞の割合である。
図9A~9Eを参照すると、図9A~9Eは、ヒトナチュラルキラー細胞においてCD16a受容体をコードするトランスジェニック、合成、遺伝子改変、又は意図的に導入されたDNA配列を検出するために、一つの色で標識されたCD16a受容体遺伝子特異的テストプローブと別の色で標識された参照プローブを使用した2色FISH分析の原理を適用できることを示している。
出願人の経験に基づくと、oNK細胞当たりのFCGR3A FISHプローブ(CD16a受容体をコードするすべてのヒトDNA配列を検出できるテストプローブ)信号数は2(細胞当たりの実際遺伝子コピー数)であり、oNKの2色のFISHパターンは図9A(CD16a受容体をコードするトランスジェニック、合成、遺伝子改変、又は意図的に導入されたDNA配列を持たないヒト細胞の結果を示す通常のパターン)のようになる。yNK細胞当たりの染色体1コントロールプローブ(参照プローブ; Empire Genomicsから購入)信号数は2より大きい場合があり、yNKの2色FISHパターンは図9B~9E(CD16a受容体をコードするトランスジェニック、合成、遺伝子改変、又は意図的に導入されたDNA配列を持つヒト細胞の結果を示すCD16トランスジェニックパターン)のようになる。
実施形態9:非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の生存率に対する凍結および解凍の効果。
精製CD16+細胞集団(CD16受容体を発現する細胞の割合は99%くらい高かった)は実施形態1.1の方法によって分類され、次に、精製CD16+細胞集団は実施形態2.1の培養方法によって21日間培養された(精製CDCD16+細胞集団は8回継代培養された)。細胞溶液のサンプルを等量のトリパンブルーと混合し、細胞数を数えると、細胞の生存率が95%であることがわかった。2×107個の生細胞を含む十分な量の細胞溶液を取り、以下の凍結融解手順を実行する。
凍結手順:2×107個の生細胞を含む細胞溶液を遠心分離し、上清を除去してから、1mLの凍結培地(CryoStor (登録商標) CS10 FreezeMedia、10 vol%DMSOを含む、BioLife Solutions、USA)を使用して細胞を再懸濁した。細胞懸濁液をクライオチューブに入れ、クライオチューブをCoolCell 細胞凍結容器(Corning、USA)に入れた。次に、CoolCell Cell冷凍容器を-80°Cの冷蔵庫に一晩保管した(1分あたり1°C低下した)。クライオチューブを移し、液体窒素で17日間保存した。
解凍手順:クライオチューブを37℃の水浴に入れて細胞懸濁液を迅速に解凍し、1mLの細胞懸濁液を9mLの実施形態2.1における細胞培養培地と混合する。細胞混合物のサンプルを等量のトリパンブルーと混合した後、細胞数と細胞生存率を観察した。
実験結果は、1.95×107個の細胞が解凍後に生存し、回収率が97.5%[(1.95×107) ÷ (2×107)×100% = 97.5%]と高く、細胞の生存率が凍結前の生存率(95%)と有意差がない96%であることを示した。
実施形態10:非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の細胞毒性活性
この実施形態の実験方法は、以下の点を除いて、実施形態3.5の実験方法とほぼ同じである:(1)この実施形態で使用されるエフェクター細胞はCtrl oNK細胞、Ctrl yNK細胞、ACE-oNK細胞、又はACE-yNK細胞であり、(2)SK-OV-3細胞(標的細胞)の数に対するエフェクター細胞の数の比率は2:1(ET2),又は5:1(ET5)である。
Ctrl oNK細胞: Ctrl oNK細胞は精製CD16+細胞集団(非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の割合が99%くらい高かった)が実施形態2.1の方法を使用して26日間培養された後の培養細胞集団である。
Ctrl yNK 細胞: Ctrl yNK細胞はCD16トランスジェニックNK-92細胞株(ATCCから購入、寄託番号はATCC PTA-6967)である。
ACE-oNK 細胞: ACE-oNK細胞は、相補的な細胞リンカーとトラスツズマブリンカーを使用してトラスツズマブをCtrl oNK細胞に結合することによって取得される細胞である。
ACE-yNK 細胞: ACE-yNK細胞は、相補的な細胞リンカーとトラスツズマブリンカーを使用してトラスツズマブ(HER2タンパク質に対する抗体、製品名はHerceptin、Roche、Swissから購入)をCtrly NK細胞に結合することによって取得される細胞である。
トラスツズマブをナチュラルキラー細胞(例えば、Ctrl oNK細胞又はCtrl yNK細胞)に結合させる手順は次のとおりである。(A)NK-ssDNA接合を調製するために、細胞リンカーを調製し、細胞リンカーをナチュラルキラー細胞に結合させるステップであり、(B)トラスツズマブ-ssDNA接合を調製するために、トラスツズマブリンカーを調製し、トラスツズマブリンカーをトラスツズマブに結合するステップであり、(C)トラスツズマブ接合ナチュラルキラー細胞(例えば、ACE-oNK細胞又はACE-yNK細胞)を調製するために、NK-ssDNA接合とトラスツズマブ-ssDNA接合を混合して、細胞リンカーとトラスツズマブリンカーの相補配列を介してNK-ssDNA接合とトラスツズマブ-ssDNA接合を結合させる。
細胞リンカーを調製し、細胞リンカーをナチュラルキラー細胞に結合するステップ(A)は、以下のステップ(a1)~(a4)を含有する:
ステップ(a1)第1の一本鎖DNAが取得され、第1の一本鎖DNAの配列は、配列番号:5、配列番号:6、又は配列番号:7であった。
ステップ(a2)第1の一本鎖DNAの5’末端は5’末端チオール修飾された第1の一本鎖DNAとして修飾され、細胞リンカーストックを得た。細胞リンカーストックもIntegrated DNA Technologiesから市販されている。実際の修飾方法は、当業者に知られているか、又は明らかである(Zimmermann、J、2010)。
ステップ(a3)10~500μLの細胞リンカーストックと0.1~10μLのNHS-マレイミド(Fisher Scientificから市販されている)を混合し、1~60分間培養した。
ステップ(a4)ステップ(a3)で取得された混合物を1×106~1×108ナチュラルキラー細胞と混合し、1~60分間培養してNK-ssDNA接合を得た。
トラスツズマブリンカーを調製し、トラスツズマブリンカーをトラスツズマブに結合するステップ(B)は以下のステップ(b1)~(b4)を含有する:
ステップ(b1)第2の一本鎖DNAが得られ、第2の一本鎖DNAの配列は配列番号:8、配列番号:9、又は配列番号:10であり、第2の一本鎖DNAの配列は第1の一本鎖DNAの相補鎖である。
ステップ(b2)第2の一本鎖DNAの5’末端は5’末端チオール修飾された第2の一本鎖DNAとして修飾され、トラスツズマブリンカーストックを得る。トラスツズマブリンカーストックもIntegrated DNA Technologiesからも市販されている。実際の修飾方法は、当業者に知られているか、又は明らかである(Zimmermann、J、2010)。
ステップ(b3)10~500μLのトラスツズマブリンカーストックと0.1~10μLのNHS-マレイミド(Fisher Scientificから市販されている)を混合し、1~60分間培養した。
ステップ(b4)ステップ(b3)で取得された混合物を、10~100μLのトラスツズマブストック(Rocheから市販されている)と混合し、10分から3時間培養してトラスツズマブ-ssDNA接合を得た。
図10を参照すると、図10は、ADCCプロセスを介して癌細胞を殺すための非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の細胞毒性機能を示す棒グラフである。図10は、エフェクター細胞の数とSKOV-3細胞(標的細胞)の数の比率が2:1(ET2)又は5:1(ET5)であることに関係なく、トラスツズマブによって活性化されなかった非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株(Ctrl oNK 細胞)は癌細胞の60%~65%を殺したが、トラスツズマブ活性化非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株(ACE-oNK 細胞)が癌細胞の95%~100%を殺したことを示している。従って、本発明の培養によって取得された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株は実際に癌細胞を殺す細胞毒性機能を有する。そして、本発明の培養によって取得された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株が活性化されてADCC反応を誘導した場合、細胞毒性効果は少なくとも30%(95%-65%=30%; p<0.05)有意に増加した。
図11Aおよび11Bを参照すると、図11Aは異なるエフェトール(E)対標的(T)比率で癌細胞を殺すための、非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株とCD16+トランスジェニックNK-92細胞株との間の細胞毒性機能の比較を示す棒グラフである。図11Bは異なるエフェトール(E)対標的(T)比率でADCCプロセスを介して癌細胞を殺すための非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株とCD16+トランスジェニックNK-92細胞株との間の細胞毒性機能の比較を示す棒グラフである。
図11Aの結果は、エフェクター細胞の数とSK-OV-3細胞(標的細胞)の数の比率が5:1 (ET5) およびトラスツズマブによって活性化されていない場合、非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株(Ctrl oNK 細胞)は癌細胞の70%を殺したが、CD16トランスジェニックNK-92細胞株(Ctrl yNK)は癌細胞の72%を殺したことを示し、2つの群間に有意差はなかった(p> 0.05)。従って、エフェクター細胞の数とSK-OV-3細胞(標的細胞)の数の比率が5:1(ET5)の場合、本発明の培養方法によって取得された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の細胞毒性機能は、CD16トランスジェニックNK-92細胞株より劣っていなかった。即ち、CD16トランスジェニックNK-92細胞株と比較して、本発明の方法によって取得された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株は安全であるだけでなく、同じ細胞毒性効果も有する。
図11Bの結果は、エフェクター細胞の数とSKOV-3細胞(標的細胞)の数の比率が2:1(ET2)又は5:1(ET5)であることに関係なく、トラスツズマブ活性化非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株(ACE-oNK細胞)は癌細胞の95%を殺したが、トラスツズマブ活性化CD16トランスジェニックNK-92細胞株(ACE-yNK)も癌細胞の95%を殺したことを示し、 2つの群間に有意差はなかった(p> 0.05)。従って、本発明の培養法によって取得された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株のADCCプロセスによる細胞毒性機能は、CD16トランスジェニックNK-92細胞株より劣っていなかった。即ち、CD16トランスジェニックNK-92細胞株と比較して、本発明の方法によって取得された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株は安全であるだけでなく、ADCCプロセスを介して癌細胞を殺すのに同じ細胞毒性効果を有していた。
実施形態11:異なる濃度のヒト血小板溶解物を用いた非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の培養
この実施形態の実験方法は、以下の点を除いて、実施形態2.1の実験方法とほぼ同じである:(1)ステップS22’において、実施形態2.1に開示された培養方法で9日間培養(9日間培養oNK懸濁液と呼ばれる)することによって取得された細胞懸濁液中のすべての細胞がこの実施形態において培養され、ステップS22’の最初容器の細胞数は5×106であった。そして、(2)細胞培地は、500 IU/mLのIL-2と<i>2.5%のヒト血小板溶解物、<ii>5.0%ヒト血小板溶解物、<iii>10.0%ヒト血小板溶解物、又は<iv>5.0%ヒト血清(ヒト血小板溶解物を含有しない)を含有する。
本実施形態における培養細胞の細胞数、細胞生存率、およびCD16表面マーカーを検出する実験方法は、実施形態2.2および3.4の方法と同じである。
図12A~12Cを参照すると、図12A~12Cは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を培養した異なる日後のそれぞれ総細胞数、細胞生存率、又はCD16の発現の維持に対するヒト血小板溶解物の効果を示す線グラフである。
図12Aは、14日間培養した後、ヒト血小板溶解物を含有しない(但し、5.0%のヒト血清を含有する)、2.5%ヒト血小板溶解物、5.0%ヒト血小板溶解物、および10.0%ヒト血小板溶解物を含有する細胞培地で培養された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の数はそれぞれ4.7×108、6.49×108、1.01×109、および1.74×109であったことを示した。従って、結果は、ヒト血小板溶解物を含有しない(但し、5.0%のヒト血清を含有する)細胞培養培地と比較して、ヒト血小板溶解物は3.7倍の増加を引き起こす可能性がある(17.4÷4.7 = 3.7)ことを示す。つまり、ヒト血小板溶解物は予想外な結果をもたらし、ヒト血小板溶解物は非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞を大幅に増殖させる。更に、これらの結果はフォーミュラ3(10.0%のヒト血小板溶解物を含有する)がヒトCD16+ナチュラルキラー細胞増殖の残りのフォーミュラよりも優れていることを示唆した。
図12Bは、7日間培養した後、ヒト血小板溶解物を含有しない(但し、5.0%のヒト血清を含有する)、2.5%ヒト血小板溶解物、5.0%ヒト血小板溶解物、および10.0%ヒト血小板溶解物を含有する細胞培地で培養された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の細胞生存率はそれぞれ92%、88%、92%、および92%に維持された。14日間培養した後、ヒト血小板溶解物を含有しない(但し、5.0%のヒト血清を含有する)、2.5%ヒト血小板溶解物、5.0%ヒト血小板溶解物、および10.0%ヒト血小板溶解物を含有する細胞培地で培養された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の細胞生存率はそれぞれ94%、90%、92%、および93%に維持された。従って、結果は次のことを示す。ヒト血小板溶解物で処理されなかったヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は、2.5%~10.0%のヒト血小板溶解物で処理されたヒトCD16+ナチュラルキラー細胞と同様の生存率である。
図12Cは、ヒト血小板溶解物を含有しない(但し、5.0%のヒト血清を含有する)、2.5%ヒト血小板溶解物、5.0%ヒト血小板溶解物、又は10.0%ヒト血小板溶解物を含有する細胞培養培地で7日間培養した後、CD16+細胞の割合がそれぞれ83.55%、84.15%、82.81%、83.95%に維持されたことを示した。ヒト血小板溶解物を含有しない(但し、5.0%のヒト血清を含有する)、2.5%ヒト血小板溶解物、5.0%ヒト血小板溶解物、又は10.0%ヒト血小板溶解物を含有する細胞培養培地で14日間培養した後、CD16+細胞の割合がそれぞれ80.72%、80.74%、78.07%、80.76%に維持されたことを示した。従って、結果は次のことを示す。2.5%-10%ヒト血小板溶解物はヒト血小板溶解物なし(5.0%ヒト血清を含有する)と同様のCD16+集団を維持する。
更に、この結果に基づいて、出願人は9日間の培養oNK懸濁液(培養oNK)からヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を単離した後、同様の結果が観察されると考えている。
実施形態12:異なる濃度のIL-2を用いた非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の培養。
この実施形態の実験方法は、以下の点を除いて、実施形態2.1の実験方法とほぼ同じである:(1)ステップS22’において、実施形態2.1に開示された培養方法で9日間培養することによって取得された細胞懸濁液(9日間培養oNK懸濁液と呼ばれる)中のすべての細胞がこの実施形態において培養され、ステップS22’の最初の容器の細胞数は5×106であった。そして、(2)細胞培地は、5.0%のヒト血小板溶解物と<i>100IU/ mL IL-2、<ii>200IU/ mL IL-2、<iii>500IU/ mL IL-2、<iv>750IU/ mL IL-2、又は<v>1000IU/ mL IL-2を含有する。
ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の増殖にはIL-2とヒト血小板溶解物の両方が必要であることに注意が必要である。この実施形態では、1.8×107 IU/mL IL-2は1.1mg/mL IL-2に等しかった。従って、100 IU/mL IL-2は0.0612μg/ mL IL-2に相当し、200 IU/mL IL-2は0.1224μg/ mL IL-2に相当し、500 IU/mL IL-2は0.306μg/ mL IL-2に相当し、750 IU/mL IL-2は0.459μg/ mL IL-2に相当し、そして、1000 IU/mL IL-2は0.612μg/ mL IL-2に相当する。
本実施形態における培養細胞の細胞数、細胞生存率、およびCD16表面マーカーを検出する実験方法は、実施形態2.2および3.4の方法と同じである。
図13A~13Fを参照すると、図13A~13Fは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を培養した異なる日後の、総細胞数、細胞生存率、又はCD16の発現の維持に対するIL-2の効果をそれぞれ示す線グラフである。
図13A~13BはIL-2レベルが非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の増殖に影響を及ぼさなかったことを示した。細胞は7日目に再播種され、その後11日目まで増やし続けし、増殖プロセスは11日ごとに繰り返されたことに注意が必要である。
図13C~13Dは、IL-2レベルが非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の細胞生存率に影響を与えなかったことを示している。
図13E-13Fは、100~200 IU/mLのIL-2を含有する細胞培養培地で40日間培養した後、CD16+細胞の割合が20%未満に低下したことを示している。一方で、500~1000 IU/mLのIL-2を含有する細胞培養培地で40日間培養した後、CD16+細胞の割合は80%に増加した。つまり、500~1000 IU/mLのIL-2は予想外な結果をもたらし、500~1000 IU/mLのIL-2はCD16+集団を大幅に維持する。
更に、この結果に基づいて、出願人は9日間の培養oNK懸濁液(培養oNK)からヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を単離した後、同様の結果が観察されると考えている。
実施形態13:異なる容器での非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の培養。
この実施形態の実験方法は、以下の点を除いて、実施形態2.1の実験方法とほぼ同じである:(1)ステップS22’において、実施形態2.1に開示された培養方法で9日間培養することによって取得された細胞懸濁液(9日間培養oNK懸濁液と呼ばれる)中のすべての細胞がこの実施形態において培養され、ステップS22’の最初容器の細胞数は5×106であり、(2)細胞培養培地は、500 IU/mLのIL-2と5.0%のヒト血小板溶解物を含有する。そして、(3)この実施形態で使用される容器は、<i>G-Rex6ウェル培養プレートなどの通気性容器であり、又は<ii>T25細胞培養フラスコなどの非通気性容器である。
本実施形態における培養細胞の細胞数、細胞生存率、およびCD16表面マーカーを検出する実験方法は、実施形態2.2および3.4の方法と同じである。
図14A~14Cを参照すると、図14A~14Cは、ヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を培養した異なる日後の、それぞれ、総細胞数、細胞生存率、又はCD16の発現の維持に対する通気性容器の効果を示す線グラフである。
図14Aは、14日間培養した後、非通気性容器および通気性容器で培養された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の数がそれぞれ3.1×108および1.01×109であることを示した。従って、結果は次のことを示す。非通気性の容器で培養された細胞と比較して、通気性の容器は3.26倍(10.1 ÷ 3.1 = 3.26)の増加を引き起こす可能性がある。つまり、通気性のある容器は予想外な結果をもたらし、通気性のある容器は非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞を大幅に増殖させる。
図14Bは、7日間培養した後、非通気性容器および空気透過性容器で培養された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の細胞生存率がそれぞれ87%および92%に維持されたことを示した。14日間培養した後、非通気性容器および空気透過性容器で培養された非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞の細胞生存率がそれぞれ88%および92%に維持されたことを示した。従って、結果は次のことを示す。通気性のある容器で培養されたヒトCD16+ナチュラルキラー細胞は、非通気性の容器で培養されたヒトCD16+ナチュラルキラー細胞よりも生存率が高い。
図14Cは、非通気性容器と通気性容器で7日間培養した後、CD16+細胞の割合がそれぞれ82.63%と82.81%に維持されたことを示している。非通気性容器と通気性容器で14日間培養した後、CD16+細胞の割合がそれぞれ83.79%と88.07%に維持されたことを示している。従って、結果は次のことを示す。通気性容器は非通気性容器と同様のCD16+集団を維持する。
更に、この結果に基づいて、出願人は9日間の培養oNK懸濁液(培養oNK)からヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株を単離した後、同様の結果が観察されると考えている。
実施形態14:外因性標的化ユニット複合oNK細胞を調製する
この実施形態では、出願者は少なくとも外因性標的化ユニットが複合体を形成した外因性標的化ユニット複合oNK細胞を調製する。外因性標的化ユニットは標的細胞上の生物学的マーカーへの特異的結合を発現する標的化部分を含有する。そして、標的化部分は、癌抗原、糖脂質、糖タンパク質、造血系統の細胞に存在する分化抗原のクラスター、ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ、接着タンパク質、ホルモン、成長因子、サイトカイン、リガンド受容体、イオンチャネル、免疫グロブリンμ.鎖の膜結合型、アルファ-フェトプロテイン、C反応性タンパク質、クロモグラニンA、上皮ムチン抗原、ヒト上皮特異的抗原、ルイス(a)抗原、多剤耐性関連タンパク質、Neu癌遺伝子タンパク質、ニューロン特異的エノラーゼ、P糖タンパク質、多剤耐性関連抗原、p170、多剤耐性関連抗原、前立腺特異抗原、NCAM、ガングリオシド分子、MART-1、熱ショックタンパク質、シアリルTn、チロシナーゼ、MUC-1、HER-2/neu、KSA、PSMA、p53、RAS、EGF-R、VEGF、又はMAGEから選択された生物学的マーカーに結合する可能性がある。標的化部分は核酸ではなく、外因性標的化ユニット複合oNK細胞によって生成されない。
標的化部分(HER2タンパク質に対抗するトラスツズマブなど)をoNK細胞に結合させる手順は次のとおりである。(A)NK-ssDNA接合を調製するために、細胞リンカーを調製し、細胞リンカーをナチュラルキラー細胞に結合させるステップであり、(B)標的化部分-ssDNA接合を調製するために、標的化部分リンカー(トラスツズマブリンカーなど)を調製し、標的化部分リンカーを標的化部分に結合させるステップであり、C)外因性標的化ユニット複合接合ナチュラルキラー細胞(例えば、ACE-oNK細胞又はACE-yNK細胞)を調製するために、NK-ssDNA接合と標的化部分-ssDNA接合を混合して、細胞リンカーと標的化部分リンカー上のその相補配列を介してNK-ssDNA接合と標的化部分-ssDNA接合を結合させる。
細胞リンカーを調製し、細胞リンカーをナチュラルキラー細胞に結合するステップ(A)は、以下のステップ(a1)~(a4)を含有する:
ステップ(a1)第1の一本鎖DNAが取得され、第1の一本鎖DNAの配列は、配列番号:5、配列番号:6、又は配列番号:7であった。
ステップ(a2)第1の一本鎖DNAの5 ’末端は5’末端チオール修飾された第1の一本鎖DNAとして修飾され、細胞リンカーストックを得た。細胞リンカーストックもIntegrated DNA Technologiesから市販されている。実際の修飾方法は、当業者に知られているか、又は明らかである(Zimmermann、J、2010)。
ステップ(a3)10~500μLの細胞リンカーストックと0.1~10μLのNHS-マレイミド(Fisher Scientificから市販されている)を混合し、1~60分間培養した。
ステップ(a4)ステップ(a3)で取得された混合物を1×106~1×108ナチュラルキラー細胞と混合し、1~60分間培養してNK-ssDNA接合を得た。
標的化部分リンカーを調製し、標的化部分リンカーを標的化部分に結合するステップ(B)は以下のステップ(b1)~(b4)を含有する:
ステップ(b1)第2の一本鎖DNAが得られ、第2の一本鎖DNAの配列は配列番号:8、配列番号:9、又は配列番号:10であり、第2の一本鎖DNAの配列は第1の一本鎖DNAの相補鎖である。
ステップ(b2)第2の一本鎖DNAの5’末端は5’末端チオール修飾された第2の一本鎖DNAとして修飾され、標的化部分リンカーストックを得た。標的化部分リンカーストックもIntegrated DNA Technologiesから市販されている。実際の修飾方法は、当業者に知られているか、又は明らかである(Zimmermann、J、2010)。
ステップ(b3)10~500μLの標的化部分リンカーストックと0.1~10μLのNHS-マレイミド(Fisher Scientificから市販されている)を混合し、1~60分間培養した。ステップ(b4)ステップ(b3)で取得された混合物を、10~100μLの標的化部分リンカーストック(Rocheから市販されている)と混合し、10分から3時間培養して標的化部分-ssDNA接合を得た。
標的化部分がペプチド、タンパク質、又はアプタマーであり得、タンパク質がHER2/neu(ERBB2)、HER3(ERBB3)、EGFR、VEGF、VEGFR2、GD2、CTLA4、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33(Siglec-3)、CD52(CAMPATH-1抗原)、CD326(EpCAM)、CA-125(MUC16)、MMP9、DLL3、CD274(PD-L1)、CEA、MSLN(メソテリン)、CA19-9、CD73、CD205(DEC205)、CD51、c-MET、TRAIL-R2、IGF-1R、CD3、MIF、葉酸受容体アルファ(FOLR1)、CSF1、OX-40、CD137、TfR、MUC1、CD25(IL-2R)、CD115(CSF1R)、IL1B、CD105(エンドグリン)、KIR、CD47、CEA、IL-17A、DLL4、CD51、アンジオポエチン2、ニューロピリン-1、CD37、CD223(LAG-3)、CD40、LIV-1(SLC39A6)、CD27(TNFRSF7)、CD276(B7-H3)、Trop2、クローディン1(CLDN1)、PSMA、TIM-1(HAVcr-1)、CEACAM5、CD70、LY6E、BCMA、CD135(FLT3)、APRIL、TF(F3)、ネクチン-4、FAP、GPC3、FGFR3、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリンタンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、活性化NK細胞受容体、およびその組み合わせから選択された癌抗原に対する抗体の可能性がある。
実施形態15:キメラ抗原受容体(CAR)発現oNK細胞を調製する
標的抗原に対する標的結合一本鎖可変フラグメント(scFv)を含有するキメラ抗原受容体(CAR)をコードする合成、遺伝子改変および/又は意図的に導入されたポリヌクレオチドを含有するoNK細胞を調製するための方法がこの実施形態において開示され、キメラ抗原受容体は、CD2、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ガンマ、CD4、CD7、CD8a、CD8、CD1 1a(ITGAL)、CD1 1b(ITGAM)、CD1 1c(ITGAX)、CD1 1d(ITGAD)、CD 18(ITGB2)、CD 19(B4)、CD27(TNFRSF7)、CD28、CD29(ITGB1)、CD30(TNFRSF8)、CD40(TNFRSF5)、CD48(SLAMF2)、CD49a(ITGA1)、CD49d(ITGA4)、CD49f(ITGA6)、CD66a(CEACAM1)、CD66b(CEACAM8)、CD66c(CEACAM6)、CD66d(CEACAM3)、CD66e(CEACAM5)、CD69(CLEC2)、CD79A(B細胞抗原受容体複合体関連アルファ鎖)、CD79B(B細胞抗原受容体複合体関連ベータ鎖)、CD84(SLAMF5)、CD96(触覚)、CD100(SEMA4D)、CD103(ITGAE)、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD158A(KIR2DL1)、CD158B1(KIR2DL2)、CD158B2(KIR2DL3)、CD158C(KIR3DP1)、CD158D(KIRDL4)、CD158F1(KIR2DL5A)、CD158F2(KIR2DL5B)、CD158K(KIR3DL2)、CD160(BY55)、CD162(SELPLG)、CD226(DNAM1)、CD229(SLAMF3)、CD244(SLAMF4)、CD247(CD3-ゼータ)、CD258(LIGHT)、CD268(BAFFR)、CD270(TNFSF14)、CD272(BTLA)、CD276(B7-H3)、CD279(PD-1)、CD314(NKG2D)、CD319(SLAMF7)、CD335(NK-p46)、CD336(NK-p44)、CD337( NK-p30)、CD352(SLAMF6)、CD353(SLAMF8)、CD355(CRTAM)、CD357(TNFRSF18)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、LFA-1(CD1 1a/CD18)、NKG2C、DAP-10、ICAM-1、NKp80(KLRF1)、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、LFA-1、SLAMF9、LAT、GADS(GrpL)、SLP-76(LCP2)、PAG1/CBP、CD83リガンド、Fcガンマ受容体、MHCクラス1分子、MHCクラス2分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリンタンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、活性化NK細胞受容体、Toll様受容体、HER2、BCMA、PD-L1、およびその組み合わせからから選ばれる。
例えばCD19を取り上げ、以下のようにCD19に対する標的結合一本鎖可変フラグメント(scFv)を含有するキメラ抗原受容体(CAR)をコードする合成、遺伝子改変、および/又は意図的に導入されたポリヌクレオチドを含有するoNKの調製方法を説明する。oNK細胞を回収し、6 μMの5Z-7 オキソゼアエノール(TAK1阻害剤)で30分間処理した。5Z-7-オキソゼアエノールで処理した細胞がTrasdux(形質導入エンハンサー)で処理され、CD810A-1ベクターの抗CD19 scFvCAR発現コンストラクトによって生成されたレンチウイルス粒子を 9のm.o.iで感染させた。細胞を1000xgで70分間遠心分離し、37℃で4時間培養した。細胞を更に200xgで5分間遠心分離し、上清を除去した。感染した細胞を新鮮な増殖培地に再懸濁し、G-Rexプレートで、37℃で培養した。
CARを発現する集団を濃縮するために、細胞を400 xgで5分間遠心分離し、MACSバッファーで洗浄した。細胞を更に抗Myc Ab-APCおよびDAPIで染色した。DPBSで洗浄した後、APC+ DAPI-細胞をセルソーターで選別し、G-Rexで新鮮な増殖培地で増殖させた。
本発明の実施形態から、本発明の方法によって取得されたすべての非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株、本発明の外因性標的化ユニット複合ナチュラルキラー細胞、および本発明のキメラ抗原受容体(CAR)発現oNK細胞はADCC様プロセスを介して実際に標的細胞(例えば、癌細胞)を殺すことができることを示す。従って、本発明の培養法によって得られる非トランスジェニックヒトCD16+ナチュラルキラー細胞株の適用可能な分野には、これらに限定されないが、癌治療、自己免疫疾患治療、神経疾患治療、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)根絶 、造血細胞関連疾患、代謝症候群治療、病原性疾患治療、ウイルス感染症の治療、および細菌感染症の治療が含まれる。
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前述の説明は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の特許出願の範囲を限定することを意図するものではない。従って、本明細書に開示された精神から逸脱しない変更又は修正は本発明の特許出願の範囲内に含まれるべきである。