以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の符号を付して、重複する説明は省略する。また、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。本明細書において数値範囲を示す「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
<生体センサ>
本実施形態に係る生体センサについて説明する。生体とは、人体(人)、及び牛、馬、豚、鶏、犬、猫等の動物等をいう。本実施形態に係る生体センサは、生体用、中でも人体用として好適に用いることができる。本実施形態に係る生体センサは、生体の一部である皮膚に貼付して生体情報の測定を行う貼付型生体センサである。本実施形態では、一例として、生体が人である場合について説明する。
図1は、本実施形態に係る生体センサの構成を示す斜視図であり、図2は、図1の分解斜視図であり、図3は、図1のI-I断面図である。図1に示すように、生体センサ1は、平面視において略楕円状に形成された板状(シート状)部材である。図2及び図3に示すように、生体センサ1は、筐体(カバー部材)10、発泡シート20、電極30、支持用粘着シート40及びセンサ部50を有し、筐体10側から支持用粘着シート40側に向かって、筐体10、発泡シート20、電極30及び支持用粘着シート40の順に積層することで形成される。生体センサ1は、発泡シート20、電極30及び支持用粘着シート40を生体である皮膚2に貼付して、電極30を介して皮膚2から生体信号を取得する。なお、生体センサ1は、未使用時には、発泡シート20、電極30及び支持用粘着シート40の生体との貼付面側に剥離紙60を有してもよく、使用時に剥離紙60を剥がして、皮膚2の表面に貼り付けて使用できる。
筐体10、発泡シート20及び支持用粘着シート40は、平面視において略同一の外形形状を有している。センサ部50は、支持用粘着シート40の上に設置され、筐体10及び発泡シート20により形成される収納空間S内に収容されている。
本明細書では、3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の3次元直交座標系を用い、生体センサの短軸方向をX軸方向、長軸方向をY軸方向とし、高さ方向(厚さ方向)をZ軸方向とする。生体センサが生体(被験者)に貼り付けられる側(貼付側)の反対方向を+Z軸方向とし、生体(被験者)に貼り付けられる側(貼付側)を-Z軸方向とする。以下の説明において、説明の便宜上、+Z軸方向側を上側又は上、-Z軸方向側を下側又は下と称すが、普遍的な上下関係を表すものではない。
本願発明者は、発泡シート20と電極30とを備える生体センサを検討するに当たり、発泡シート20が備える発泡基材211の破断伸び率と、電極30の静止摩擦係数μとが、生体センサ1の心電図に発生するノイズの抑制に関連すること、さらに生体センサ1の耐久性の向上と、肌の被れ等の皮膚2への負担の抑制とに関連することに着目した。そして、本願発明者は、発泡基材211の破断伸び率が30%~500%であり、かつ電極30の静止摩擦係数μが3.0~7.0である時には、生体センサ1は皮膚2の貼付面で位置ズレが生じることを抑制できることを発見した。そのため、生体センサ1は、被験者が歩行や動作等の運動を行っている場合でも心電図に発生するノイズを抑えることができ、心電図の波形(心電図波形)を安定して取得できることを見出した。また同時に、本願発明者は、発泡基材211の破断伸び率及び電極30の静止摩擦係数μをそれぞれ上記範囲内にすることで、生体センサ1の耐久性を高めると共に、生体センサ1が皮膚2に与える負担を低減できることを見出した。
[筐体]
図1~図3に示すように、筐体10は、生体センサ1の最も外側(+Z軸方向)に位置しており、発泡シート20の上面に接着されている。筐体10は、長手方向(Y軸方向)の中央部分に、図1の高さ方向(+Z軸方向)に向けて略ドーム上に突出した突出部11を有し、突出部11の内側(貼付側)には生体側に凹状に形成された窪み11aが形成されている。また、筐体10の下面(貼付側の面)は、平坦に形成されている。突出部11の内側(貼付側)には、突出部11の内面の窪み11aと、発泡基材211の孔部211aとにより、センサ部50を収納する収納空間Sが形成される。
筐体10を形成する材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の柔軟性を有する材料を用いて形成できる。また、筐体10は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のベース樹脂を支持体として支持体の表面に上記の柔軟性を有する材料を積層することにより形成できる。筐体10を上記の柔軟性を有する材料等を用いて形成することで、筐体10の収納空間Sに配置されるセンサ部50を保護すると共に、生体センサ1に上面側から加えられる衝撃を吸収してセンサ部50に加わる衝撃を和らげることができる。
筐体10の突出部11の上面及び側壁の厚さは、筐体10の長手方向(Y軸方向)の両端側に設けられる平坦部12a及び12bの厚さに比べて厚い。これにより、突出部11の柔軟性を平坦部12a及び12bの柔軟性に比べて低くすることができ、生体センサ1に加わる外力からセンサ部50を保護できる。
突出部11の上面及び側壁の厚さは、1.5mm~3mmであり、平坦部12a及び12bの厚さは、0.5mm~1mmであることが好ましい。
厚みが薄い平坦部12a及び12bは、突出部11に比べて柔軟性が高いため、生体センサ1を皮膚2に貼り付けた場合に、伸張、屈曲及び捻れ等の体動による皮膚2の表面の変形に追従して変形し易くすることができる。これにより、皮膚2の表面が変形した場合に平坦部12a及び12bに掛かる応力を緩和することができ、生体センサ1が皮膚2から剥がれ難くすることができる。
平坦部12a及び12bの外周部は、端に向けて厚さが徐々に小さくなる形状を有する。これにより、平坦部12a及び12bの外周部の柔軟性をさらに高くすることができ、平坦部12a及び12bの外周部の厚さを薄くしない場合に比べて、生体センサ1が皮膚2に貼り付けられた場合の装着感を向上させることができる。
筐体10は、その硬度(強度)が40~70であることが好ましく、50~60であることがより好ましい。筐体10の硬度が上記の好ましい範囲内であれば、体動により皮膚2が伸長した際に、筐体10の影響を受けることなく、発泡シート20が皮膚2の動きに合わせて変形できる。なお、硬度(硬さ)は、ショアA硬度をいう。
[発泡シート]
図3に示すように、発泡シート20は、筐体10の下面に接着して設けられている。発泡シート20は、筐体10の突出部11に対向する位置に貫通孔20aを有する。貫通孔20aにより、センサ部50のセンサ本体52は、発泡シート20に遮られることなく、筐体10の内面の窪み11aと貫通孔20aとにより形成される収納空間Sに収納される。
発泡シート20は、発泡貼付層21と、筐体10側(+Z軸方向)の面に設けられる筐体用粘着層22とを有している。
(発泡貼付層)
図3に示すように、発泡貼付層21は、発泡基材(発泡体ともいう)211と、発泡基材211の生体側(-Z軸方向)の面に設けられた基材用粘着層212とを有している。
((発泡基材))
発泡基材211は、多孔質構造を有しており、可撓性、防水性及び透湿性を有する多孔質体を用いて形成できる。多孔質体として、例えば、連続気泡、独立気泡、半独立気泡等の発泡素材を用いることができる。これにより、生体センサ1が貼り付けられた皮膚2から発生する汗等による水蒸気を、発泡基材211を介して生体センサ1の外部に放出することができる。
発泡基材211の破断伸び率は、30%~500%であり、40%~400%が好ましく、50%~300%がより好ましい。発泡基材211の破断伸び率が30%未満であると、生体センサが皮膚2の動きに追従できず、心電図波形に発生するノイズが大きくなると共に、被験者に不快感を与え易い。発泡基材211の破断伸び率が500%を超えると、発泡基材211の内部に形成される空隙の体積が大きく、発泡基材211が柔らかくなり過ぎるため、発泡基材211の形状が不安定になる。また、発泡基材211内の空隙、及び発泡基材211と基材用粘着層212又は筐体用粘着層22との隙間に水、汗等の液体が浸入し易くなるため、発泡基材211の耐久性が低下し易い。発泡基材211の破断伸び率が30%~500%であれば、生体センサ1は皮膚2に接触した状態で延び易くなり、皮膚2に接触した状態を維持できるため、心電図波形に発生するノイズを小さくできると共に、被験者に与える不快感を軽減できる。また、発泡基材211内の空隙、及び発泡基材211と基材用粘着層212又は筐体用粘着層22との隙間への液体の侵入を抑制できるため、発泡基材211は耐久性を維持できる。
なお、発泡基材211の破断伸び率とは、下記式(1)の通り、発泡基材211の破断時における長軸方向又は短軸方向の長さの、発泡基材211の引っ張り前の長軸方向又は短軸方向の長さに対する比をいう。
発泡基材211の破断伸び率=発泡基材211の破断時における長軸方向又は短軸方向の長さ/発泡基材211の引っ張り前の長軸方向又は短軸方向の長さ ・・・(1)
発泡基材211の破断伸び率は、引張試験機(AGS-J、株式会社島津製作所製)を用いて測定できる。このときの引張試験条件は、適宜設定可能であり、例えば、発泡基材211の幅(発泡基材211の短軸方向の最大幅)10mm、発泡基材211の両端部を掴む一対の治具同士の最初の距離を50mmとし、引張強度300mm/分として行うことができる。発泡基材211の破断伸び率は、発泡基材211の長軸方向及び短軸方向のいずれの破断伸び率でもよいが、測定のし易さの点から、発泡基材211の長軸方向の破断伸び率が好ましい。発泡基材211の破断伸び率の測定には、発泡基材211を所定の大きさ(例えば、短辺10mm×長辺70mm×厚さ0.5mm)を有する矩形状のシートを用いてよい。矩形状のシートを引っ張る際には、矩形状のシートの短辺側の両端部を引張試験治具で掴んで固定し、一対の治具の一方又は両方を引張強度が300mm/分となるように移動させて、矩形状のシートを引っ張るようにしてよい。矩形状のシートの短辺側の両端部は、矩形状のシートの大きさ等によるが、短辺側の面から所定の範囲(例えば15mm以下)の領域をいう。
発泡基材211の破断伸び率は、複数(例えば、3つ)の発泡基材211のそれぞれの測定値の平均値としてもよい。
本実施形態では、発泡基材211の外形が楕円形状であり、皮膚2に貼り付ける際には、発泡基材211の長軸方向が最も伸縮し易いため、発泡基材211の破断伸び率は、発泡基材211の長軸方向における破断伸び率であることが好ましい。なお、発泡基材211の外形が矩形である場合も、発泡基材211の破断伸び率は、発泡基材211の長辺方向における破断伸び率であることが好ましい。発泡基材211の外形が正方形である場合、発泡基材211の破断伸び率は、発泡基材211の一方の辺方向における破断伸び率でよい。発泡基材211の外形が円形である場合、発泡基材211の破断伸び率は、発泡基材211の直径の破断伸び率でよい。
発泡基材211を形成する材料としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
発泡基材211の厚さは、適宜設定可能であり、例えば、0.5mm~1.5mmにできる。
発泡基材211は、筐体10の突出部11に対向する位置に孔部211aを有する。発泡基材211の孔部211a以外の表面に基材用粘着層212及び筐体用粘着層22が形成されることで、貫通孔20aを形成できる。
なお、発泡貼付層21は、発泡基材211を用いているが、これに限定されず、多孔質構造を有しない基材を用いてもよい。基材は、破断伸び率が30%~500%であり、可撓性、防水性及び透湿性を有していればよい。基材は、破断伸び率が30%~500%であり、可撓性、防水性及び透湿性を有すれば、皮膚2に接触した状態で延び易く、皮膚2に接触した状態を維持できると共に、発泡基材211と基材用粘着層212又は筐体用粘着層22との隙間への液体の侵入を抑制でき、耐久性を維持できる。これにより、生体センサ1が貼り付けられた皮膚2から発生する汗等による水蒸気は、基材を介して生体センサ1の外部に放出できる。
基材の材料としては、発泡基材211と同様、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
((基材用粘着層))
図3に示すように、基材用粘着層212は、発泡基材211の下面に貼り付けられて設けられており、発泡基材211と基材41を接着すると共に発泡基材211と電極30とを接着する機能を有する。
基材用粘着層212は、透湿性を有することが好ましい。生体センサ1が貼り付けられた皮膚2から発生する水蒸気等を基材用粘着層212を介して発泡基材211に逃がすことができる。さらに、発泡基材211は、上述の通り、気泡構造を有するため、筐体用粘着層22を介して水蒸気を生体センサ1の外部に放出できる。これにより、生体センサ1を装着した皮膚2と貼付用粘着層42との界面に、汗又は水蒸気が溜まることを抑止できる。この結果、皮膚2と基材用粘着層212との界面に溜まった水分により基材用粘着層212の粘着力が弱まり、生体センサ1が皮膚2から剥がれることを抑止できる。
基材用粘着層212の透湿度は、1(g/m2・day)以上であることが好ましく、10(g/m2・day)以上であることがより好ましい。また、基材用粘着層212の透湿度は、10000(g/m2・day)以下である。基材用粘着層212の透湿度が10(g/m2・day)以上であれば、貼付用粘着層42を皮膚2に貼着した際、支持用粘着シート40から伝わってくる汗等を外部に向けて透過させることができるので、皮膚2の負荷を抑制できる。
基材用粘着層212を形成する材料としては、感圧接着性を有する材料であることが好ましく、貼付用粘着層42と同様の材料を用いることができ、アクリル系感圧接着剤を用いることが好ましい。
基材用粘着層212は、上記材料で形成した両面粘着性テープを用いることができる。基材用粘着層212の上に筐体10を積層して生体センサ1を形成する際、生体センサ1の防水性を向上させると共に、筐体10との接合強度を向上させることができる。
基材用粘着層212は、その表面に、粘着剤が存在する粘着剤形成部分と、粘着剤のない被粘着部分とが交互に形成された、波形状の模様(ウェブ模様)が形成されていてもよい。基材用粘着層212としては、例えば、その表面にウェブ模様が形成された両面粘着性テープを用いることができる。基材用粘着層212は、その表面にウェブ模様を有することで、表面の凸部とその周辺に粘着剤が付き、表面の凹部とその周辺には粘着剤が付かないようにすることができる。そのため、基材用粘着層212の表面に粘着剤が存在する部分と粘着剤が存在しない部分との両方が存在することになるため、基材用粘着層212の表面に粘着剤を点在させることができる。基材用粘着層212の透湿性は、粘着剤が薄い程高くなり易い。そのため、基材用粘着層212は、その表面にウェブ模様が形成して、粘着剤が部分的に薄い部分を有することで、ウェブ模様が形成されていない場合に比べて、粘着力を維持しながら、透湿性を向上させることができる。
粘着剤形成部分及び被粘着部分との幅は、適宜設計可能であり、粘着剤形成部分の幅は、例えば、500μm~1000μmであることが好ましく、被粘着部分の幅は1500μm~5000μmであることが好ましい。粘着剤形成部分及び被粘着部分の幅が、それぞれ、上記の好ましい範囲内であれば、基材用粘着層212は、粘着力を維持しつつ優れた透湿性を発揮できる。
基材用粘着層212の厚さは、適宜任意に設定可能であり、10μm~300μmであることが好ましく、50μm~200μmであることがより好ましく、70μm~110μmであることがさらに好ましい。基材用粘着層212の厚さが10μm~300μmであれば、生体センサ1の薄型化が図れる。
(筐体用粘着層)
図3に示すように、筐体用粘着層22は、発泡基材211の上面に貼り付けられた状態で設けられている。筐体用粘着層22は、発泡基材211の上面のうち、筐体10の貼付側(-Y軸方向)の平坦面に対応する位置に貼り付けられており、発泡基材211と筐体10とを接着する機能を有する。
筐体用粘着層22を形成する材料としては、シリコン系粘着剤シリコンテープ等を用いることができる。
筐体用粘着層22の厚さは、適宜設定可能であり、例えば、10μm~300μmにできる。
(電極)
図3に示すように、電極30は、基材用粘着層212の貼付側(-Z軸方向)である下面に、電極30のセンサ本体52側の一部が配線53a及び53bに接続されつつ、基材用粘着層212とセンサ用粘着層43とに挟み込まされた状態で貼り付けられている。電極30は、基材用粘着層212とセンサ用粘着層43とに挟み込まされていない部分が生体と接触する。生体センサ1が皮膚2に貼付される際に、電極30が皮膚2に接触することで、生体信号を検出できる。生体信号は、例えば、心電図波形、脳波、脈拍等を表す電気信号である。なお、電極30は、基材41に皮膚2と接触可能に露出した状態で埋没させてもよい。
電極30は、導電性高分子及びバインダー樹脂を含み、導電性高分子はバインダー樹脂中に分散した状態で含まれている。
電極30は、導電性高分子とバインダー樹脂を含む導電性組成物の硬化物、金属、合金等をシート状に形成された電極シートを用いて形成することができる。
導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリピロール系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子及びこれらの誘導体、並びにこれらの複合体等を用いることができる。これらは、一種単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-エチルチオフェン)、ポリ(3-プロピルチオフェン)、ポリ(3-ブチルチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルチオフェン)、ポリ(3-オクチルチオフェン)、ポリ(3-デシルチオフェン)、ポリ(3-ドデシルチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルチオフェン)、ポリ(3-ブロモチオフェン)、ポリ(3-クロロチオフェン)、ポリ(3-ヨードチオフェン)、ポリ(3-シアノチオフェン)、ポリ(3-フェニルチオフェン)、ポリ(3,4-ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4-ジブチルチオフェン)、ポリ(3-ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3-メトキシチオフェン)、ポリ(3-エトキシチオフェン)、ポリ(3-ブトキシチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3-デシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOTともいう)、ポリ(3,4-プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-メトキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-エトキシチオフェン)、ポリ(3-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルチオフェン)等が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリスチレンスルホン酸(PSSともいう)、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4-スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を有する高分子が挙げられる。これらは、1種を単独で重合した単独重合体で用いてもよいし、2種以上の共重合体で用いてもよい。これらポリアニオンの中でも、導電性をより高くできることから、スルホン酸基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルピロール)、ポリ(3-エチルピロール)、ポリ(3-n-プロピルピロール)、ポリ(3-ブチルピロール)、ポリ(3-オクチルピロール)、ポリ(3-デシルピロール)、ポリ(3-ドデシルピロール)、ポリ(3,4-ジメチルピロール)、ポリ(3,4-ジブチルピロール)、ポリ(3-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルピロール)、ポリ(3-ヒドロキシピロール)、ポリ(3-メトキシピロール)、ポリ(3-エトキシピロール)、ポリ(3-ブトキシピロール)、ポリ(3-ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-ヘキシルオキシピロール)等が挙げられる。
ポリアセチレン系導電性高分子としては、フェニルアセチレンのパラ位にエステルを有するポリフェニルアセチレンモノエステルやフェニルアセチレンのパラ位にアミドを有するポリフェニルアセチレンモノアミド等の極性基を有するポリアセチレン等が挙げられる。
ポリフェニレン系導電性高分子としては、ポリフェニレンビニレン等が挙げられる。
これらの複合体として、ポリチオフェンにドーパントとしてポリアニリンをドープした複合体等が挙げられる。ポリチオフェンとポリアニリンとの複合体として、PEDOTにPSSをドープしたPEDOT/PSS等を用いることができる。
導電性高分子として、上記の中でも、ポリチオフェンにドーパントとしてポリアニリンをドープした複合体が好ましい。ポリチオフェンとポリアニリンとの複合体の中でも、生体との接触インピーダンスがより低く、高い導電性を有する点から、PEDOTにPSSをドープしたPEDOT/PSSがより好ましい。
また、電極30は、皮膚2との接触面に複数の貫通孔31を有するのが好ましい。これにより、電極30は、基材用粘着層212に貼り付けられた状態で、貫通孔31から基材用粘着層212を貼付側に露出させることができるため、電極30と皮膚2との密着性を高められる。
電極30の静止摩擦係数μは、3.0~7.0であり、好ましくは3.5~6.5であり、より好ましくは4.0~6.0である。電極30の静止摩擦係数μが3.0未満である場合、電極30のタックは小さくなるため、電極30は皮膚2からズレ易くなる。そのため、生体センサ1で測定される心電図波形に発生するノイズが大きくなり易い。電極30の静止摩擦係数μが7.0を超えると、電極30の皮膚2ヘの張り付きが強過ぎるため、生体センサ1を皮膚2に長時間(例えば、24時間)貼り付けた時、皮膚2に肌荒れ等の皮膚2に加わる負担が大きくなり易い。電極30の静止摩擦係数μが、上記の好ましい範囲内であれば、電極30は適度なタックを有することができるため、皮膚2ヘの粘着性を維持できる。そのため、電極30は、皮膚2からズレ難くすることができる。また、電極30は、皮膚2に対して適度は貼着力で張り付くことができるため、皮膚2に加わる負担を軽減できる。
なお、静止摩擦係数μとは、2つの物体が接触しながら静止しているとき、接触面に働く最大摩擦力と接触面に垂直な抗力の大きさの比である。
本実施形態において、電極30の静止摩擦係数μは、静摩擦係数測定機(新東科学社製、トライボギア TYPE:10)を用いて測定できる。電極30の疑似皮膚に対する静止摩擦係数μは、以下のように測定できる。疑似皮膚には、ウレタンエラストマー膜の表面を加工して乾燥した人の皮膚に近い親疎水性と表面のしわを再現したバイオスキンプレート(株式会社ビューラック社製、品番 P001-001、縦195mm×横120mm×厚み5mm)等を用いてよい。そして、水平状態にある上昇板にバイオスキンプレートを固定し、所定の大きさ(例えば、縦75mm×横35mm)を有する平面圧子に電極30を取り付けて、荷重1.47Nの条件下で30秒静置した後、上昇速度平均10度/6秒で傾斜し、平面圧子が滑り始めた時の摩擦角θdを読み取る。この読み取った摩擦角θdを下記式(I)に当てはめることで、静止摩擦係数μが求められる。
静止摩擦係数μ=tan(θd×π/180) ・・・(I)
[支持用粘着シート]
図3に示すように、支持用粘着シート40は、基材41と、貼付用粘着層42と、センサ用粘着層43とを有している。
(第2基材)
図3に示すように、基材41は、貼付用粘着層42の幅方向(X軸方向)の両側の外形形状は、筐体10及び発泡シート20の幅方向(X軸方向)の両側の外形形状と略同一である。基材41の長さ(Y軸方向)は、筐体10及び発泡シート20の長さ(Y軸方向)よりも短く形成されている。支持用粘着シート40の長手方向の両端は、センサ部50の配線53a及び53bを支持用粘着シート40と発泡シート20との間に挟み込む位置であって、電極30の一部と重なる位置にある。そして、基材41の上面にセンサ用粘着層43が設けられ、発泡シート20の貼付面には基材用粘着層212が設けられる。支持用粘着シート40のセンサ用粘着層43と、支持用粘着シート40の長手方向の両端からはみ出した発泡シート20の基材用粘着層212とにより、皮膚2への貼付面が形成されている。これにより、貼付面の位置に応じて、防水性及び透湿性が相違し、粘着性が相違することになるが、生体センサ1の全体では、発泡シート20に対応する貼付面における粘着性が皮膚2への貼付性能に大きく影響を与えることになる。
基材41は、適度な伸縮性、可撓性及び靱性を有する可撓性樹脂を用いて形成することができる。基材41を形成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレ-ト、ポリエチレンナフタレ-ト、ポリブチレンナフタレ-ト等のポリエステル系樹脂;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、イミド変性ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、イミド変性ABS樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合(SAN)樹脂、アクリロニトリル・エチレン-プロピレン-ジエン・スチレン(AES)樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリウレタン系樹脂;シリコーン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂等のポリ塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂及びPETが好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、防水性を有する(水分透過性が低く)。そのため、基材41は、これらの熱可塑性樹脂を用いて形成されることで、生体センサ1が生体の皮膚2に貼り付けられた状態で、皮膚2から発生する汗又は水蒸気が基材41を通って、センサ部50のフレキシブル基板51側に侵入することを抑止することができる。
基材41は、その上面にセンサ部50が設置されるため、平板状に形成されていることが好ましい。
基材41の厚さは、適宜任意に選択可能であり、例えば、1μm~300μmであることが好ましく、5μm~100μmであることがより好ましく、10μm~50μmであることがさらに好ましい。
(貼付用粘着層)
図3に示すように、貼付用粘着層42は、基材41の貼付側(-Z軸方向)の下面に設けられており、生体と接触する層である。
貼付用粘着層42は、感圧接着性を有することが好ましい。貼付用粘着層42は、感圧接着性を有することで、生体センサ1を生体の皮膚2に押し付けることで皮膚2に容易に貼り付けることができる。
貼付用粘着層42の材料としては、感圧接着性を有する材料であれば特に限定されず、生体適合性を有する材料等が挙げられる。貼付用粘着層42を形成する材料としては、アクリル系感圧接着剤、シリコーン系感圧接着剤等が挙げられる。好ましくは、アクリル系感圧接着剤が挙げられる。
アクリル系感圧接着剤は、アクリルポリマーを主成分として含有することが好ましい。アクリルポリマーは、感圧接着成分として機能することができる。アクリルポリマーとしては、アクリル酸イソノニル、アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステルを主成分として含み、アクリル酸等の(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なモノマーを任意成分として含むモノマー成分を重合したポリマーを用いることができる。
アクリル系感圧接着剤は、カルボン酸エステルをさらに含有することが好ましい。カルボン酸エステルは、アクリルポリマーの感圧接着力を低減して、貼付用粘着層42の感圧接着力を調整する感圧接着力調整剤として機能する。カルボン酸エステルは、アクリルポリマーと相溶可能なカルボン酸エステルを用いることができる。カルボン酸エステルとしては、トリ脂肪酸グリセリル等を用いることができる。
アクリル系感圧接着剤は、必要により、架橋剤を含有してもよい。架橋剤は、アクリルポリマーを架橋する架橋成分である。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物(多官能イソシアネート化合物)、エポキシ化合物、メラミン化合物、過酸化化合物、尿素化合物、金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物、金属塩化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、アミン化合物等が挙げられる。これらの中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。これらの架橋剤は、単独で使用してもよいし、併用してもよい。
貼付用粘着層42は、優れた生体適合性を有することが好ましい。例えば、貼付用粘着層42を角質剥離試験した時に、角質剥離面積率は、0%~50%であることが好ましく、1%~15%であることがより好ましい。角質剥離面積率が0%~50%の範囲内であれば、貼付用粘着層42を皮膚2に貼着しても、皮膚2の負荷を抑制することができる。
貼付用粘着層42は、透湿性を有することが好ましい。生体センサ1が貼り付けられた皮膚2から発生する水蒸気等を貼付用粘着層42を介して発泡シート20側に逃がすことができる。さらに、発泡シート20は、後述する通り、気泡構造を有するため、貼付用粘着層42を介して水蒸気を生体センサ1の外部に放出することができる。これにより、生体センサ1を装着した皮膚2と貼付用粘着層42との界面に、汗又は水蒸気が溜まることを抑止することができる。この結果、皮膚2と貼付用粘着層42との界面に溜まった水分により貼付用粘着層42の粘着力が弱まり、生体センサ1が皮膚から剥がれることを抑制できる。
貼付用粘着層42の透湿度は、300(g/m2・day)以上であることが好ましく、600(g/m2・day)以上であることがより好ましく、1000(g/m2・day)以上であることがさらに好ましい。また、貼付用粘着層42の透湿度は、10000(g/m2・day)以下である。貼付用粘着層42の透湿度が300(g/m2・day)以上であれば、貼付用粘着層42を皮膚2に貼着しても、皮膚2から発生した汗等を適度に基材41から外部に向けて透過させることができるので、皮膚2の負担を低減することができる。
貼付用粘着層42の厚さは、適宜任意に選択可能であり、10μm~300μmであることが好ましい。貼付用粘着層42の厚さが10μm~300μmであれば、生体センサ1の薄型化が図れる。
(センサ用粘着層)
図4に示すように、センサ用粘着層43は、基材41の筐体10側(+Z軸方向)の上面に設けられており、センサ部50が接着される層である。センサ用粘着層43は、貼付用粘着層42と同様の材料を用いることができるため、詳細は省略する。なお、センサ用粘着層43は、必ずしも設ける必要はなく、センサ用粘着層43に代えて接着剤を基材41の一部又は全部に設けてもよい。
(センサ部)
図4は、センサ部50の構成を示す平面図であり、図5は、センサ部50の一部の分解斜視図である。なお、図4中の破線は、筐体10の外径を示す。図4及び図5に示すように、センサ部50は、生体情報を取得する各種部品が搭載されたフレキシブル基板51と、センサ本体52と、その長手方向にセンサ本体52とそれぞれ接続される配線53a及び53bと、バッテリ54と、正電極パターン55と、負電極パターン56と、導電性粘着テープ57とを有する。センサ部50のパッド部522aとパッド部522bとの間には、正電極パターン55、導電性粘着テープ57、バッテリ54、導電性粘着テープ57及び負電極パターン56が、この順にパッド部522a側からパッド部522b側にかけて積層されている。なお、本実施形態では、バッテリ54の正極端子を-Z軸方向とし、負極端子を+Z軸方向としているが、逆でもよく、正極端子を+Z軸方向とし、負極端子を-Z軸方向としてもよい。
フレキシブル基板51は、樹脂基板であり、フレキシブル基板51には、センサ本体52と、配線53a及び53bとが一体形成されている。
配線53a及び53bの一端は、図3に示すように、それぞれ、電極30に連結されている。図4に示すように、配線53aの他端は、センサ本体52の外周に沿って部品搭載部521に搭載されるスイッチ等に接続されている。配線53bの他端も、配線53aと同様に、部品搭載部521に搭載されるスイッチ等に接続されている。なお、配線53a及び53bは、フレキシブル基板51の表面側及び裏面側の配線層のどちらに形成してもよい。
図4に示すように、センサ本体52は、制御部である部品搭載部521と、バッテリ装着部522とを有している。
部品搭載部521は、生体から取得した生体信号を処理して生体信号データを生成するCPU及び集積回路、生体センサ1を起動するスイッチ、生体信号を記憶するフラッシュメモリ、発光素子等、フレキシブル基板51に搭載される各種部品を有する。なお、各種部品による回路例は省略する。部品搭載部521は、バッテリ装着部522に装着されるバッテリ54から供給される電力により動作する。
部品搭載部521は、初期動作を確認する動作確認機器、生体センサ1からの生体情報の読み取る読み取り機器等の外部装置に有線又は無線で送信する。
バッテリ装着部522は、部品搭載部521に搭載される集積回路等に電力を供給するものである。バッテリ装着部522には、図2に示すように、バッテリ54が装着される。
図5に示すように、バッテリ装着部522は、配線53aと部品搭載部521との間に配置され、パッド部522a及び522bと、くびれ部522cとを有している。
図5に示すように、パッド部522aは、配線53aと部品搭載部521との間に設けられ、バッテリ54の正極端子側に位置し、正極端子が接続される正電極パターン55を有している。
図5に示すように、パッド部522bは、パッド部522aに対して長手方向の直交方向(図3の上側方向)に、パッド部522aから所定間隔離れて設けられる。パッド部522bは、バッテリ54の負極端子(第2端子)側に位置し、負極端子が接続される負電極パターン56を有している。
図5に示すように、くびれ部522cは、パッド部522a及び522bの間に配置され、パッド部522a及び522bを互いに連結する。
図5に示すように、バッテリ54は、正電極パターン55と負電極パターン56との間に配置されている。バッテリ54は、正極端子及び負極端子を有し、公知の電池を用いることができる。バッテリ54としては、例えば、CR2025等のコイン型電池を使用することができる。
図5に示すように、正電極パターン55は、バッテリ54の正極端子側に位置し、正極端子に接続されている。正電極パターン55は、角部が面取りされた矩形状を有している。
図5に示すように、負電極パターン56は、バッテリ54の負極端子側に位置し、負極端子に接続されている。負電極パターン56は、バッテリ54の負極端子の円形形状の大きさに略対応する形状を有している。負電極パターン56の直径は、例えば、バッテリ54の直径と等しく、正電極パターン55の対角線の長さと略等しい大きさを有している。
導電性粘着テープ57は、導電性を有する粘着剤であり、バッテリ54と正電極パターン55との間と、バッテリ54と負電極パターン56との間に、それぞれ配置されている。なお、導電性粘着テープは、一般に、導電性粘着シート、導電性粘着フィルム等ともいう場合がある。
生体センサ1にバッテリ54を装着する場合、正電極パターン55及び負電極パターン56の全体に、導電性粘着テープ57A及び導電性粘着テープ57Bがそれぞれ取り付けられる。そして、バッテリ54の正極端子及び負極端子を、導電性粘着テープ57A及び導電性粘着テープ57Bを介して正電極パターン55及び負電極パターン56にそれぞれ貼り付けることで、バッテリ54がバッテリ装着部522に装着される。なお、図4に示したセンサ本体52は、くびれ部522cを撓めて、バッテリ54を、正電極パターン55と負電極パターン56との間に挟んだ状態でバッテリ装着部522に装着した状態を示している。
図3に示すように、生体センサ1は、貼付面側(-Z軸方向)に、基材41及び電極30を保護するため、生体センサ1を皮膚2に貼り付けるまで、剥離紙60を貼り付けておくことが好ましい。使用時に、剥離紙60を基材41及び電極30から剥がすことで、基材41の粘着力を維持することができる。
図6は、図1の生体センサ1を生体Pの胸部に貼り付けた状態を示す説明図である。例えば、生体センサ1は、長手方向(Y軸方向)を被検者Pの胸骨に揃え、一方の電極30を上側、他方の電極30を下側にして被検者Pの皮膚に貼り付けられる。生体センサ1は、図2の貼付用粘着層42による被検者Pの皮膚への貼り付けにより、被検者Pの皮膚に電極30が圧着された状態で、被検者Pから電極30により心電図信号等の生体信号を取得する。生体センサ1は、取得した生体信号データを部品搭載部521に搭載されるフラッシュメモリ等の不揮発メモリに記憶する。
生体センサ1の製造方法は、特に限定されず、適宜任意の方法を用いて製造できる。生体センサ1の製造方法の一例について説明する。
図1に示す筐体10、発泡シート20、電極30、支持用粘着シート40及びセンサ部50を準備する。筐体10、発泡シート20及び支持用粘着シート40は、それぞれ、これらを製造できる方法であれば特に限定されず、適宜任意の製造方法を用いて製造できる。
電極30も、筐体10、発泡シート20及び支持用粘着シート40と同様、電極30を製造できる方法であれば特に限定されず、適宜任意の製造方法を用いて製造できる。例えば、電極30は、導電性組成物を用いて製造できる。
導電性組成物について説明する。導電性組成物は、導電性高分子及びバインダー樹脂を含み、導電性高分子はバインダー樹脂中に分散した状態で含まれている。
導電性高分子は、上記と同様であるため、詳細は省略する。
導電性高分子の含有量は、導電性組成物100質量部に対して、0.20質量部~20質量部であることが好ましく、2.5質量部~15質量部であることがより好ましく、3.0質量部~12質量部であることがさらに好ましい。前記含有量が、導電性組成物に対して、上記の好ましい範囲内であれば、導電性組成物は、優れた導電性、強靱性及び柔軟性を有することができる。
導電性高分子は、ペレット状に成形した固形物でもよい。なお、この場合、導電性高分子の固形物のうちの一部は、導電性組成物に対する各成分の含有量に大きな変動を生じない範囲で溶媒に溶解してもよい。
導電性高分子は、溶媒に溶解した水溶液として用いてもよい。この場合、溶媒としては、有機溶媒及び水系溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。水系溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコールが挙げられる。これらの中でも、水系溶媒を用いることが好ましい。
バインダー樹脂は、水溶性高分子又は水不溶性高分子等を用いることができる。バインダー樹脂は、導電性組成物に含まれる他の成分との相溶性の観点から、水溶性高分子を用いることが好ましい。なお、水溶性高分子は、水には完全に溶けず、親水性を有する高分子(親水性高分子)を含むことができる。
水溶性高分子としては、ヒドロキシル基含有高分子等を用いることができる。ヒドロキシル基含有高分子としては、アガロース等の糖類、ポリビニルアルコール(PVA)、変性ポリビニルアルコール、ポリピロール、アクリル酸とアクリル酸ナトリウムとの共重合体等を用いることができる。これらは、一種単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。これらの中でも、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールが好ましく、変性ポリビニルアルコールがより好ましい。
変性ポリビニルアルコールとしては、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。なお、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開2016-166436号公報に記載されているジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール系樹脂(DA化PVA系樹脂)を用いることができる。
ポリピロールとしては、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。
バインダー樹脂の含有量は、導電性組成物100質量部に対して、5質量部~140質量部であることが好ましく、10質量部~100質量部であることがより好ましく、20質量部~70質量部であることがさらに好ましい。前記含有量が、導電性組成物に対して、上記の好ましい範囲内であれば、導電性組成物を用いて得られる硬化物は、優れた導電性、強靱性及び柔軟性を有することができる。
バインダー樹脂は、溶媒に溶解した水溶液として用いてもよい。溶媒は、上記の導電性高分子の場合と同様の溶媒を用いることができる。
導電性組成物は、さらに架橋剤及び可塑剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。架橋剤及び可塑剤は、導電性組成物を用いて得られる硬化物に強靱性及び柔軟性を付与する機能を有する。
なお、強靱性は、優れた強度及び伸度を両立する性質である。強靱性は、強度及び伸度のうち、一方が顕著に優れるが、他方が顕著に低い性質を含まず、強度及び伸度の両方のバランスに優れた性質を含む。
柔軟性は、導電性組成物を含む硬化物を屈曲した後、屈曲部分に破断等の損傷の発生を抑制できる性質である。
架橋剤は、バインダー樹脂を架橋させる機能を有する。架橋剤がバインダー樹脂に含まれることで、導電性組成物を用いて得られる硬化物の強靱性を向上させることができる。架橋剤は、ヒドロキシル基との反応性を有することが好ましい。架橋剤がヒドロキシル基との反応性を有すれば、バインダー樹脂がヒドロキシル基含有ポリマーである場合、架橋剤はヒドロキシル基含有ポリマーのヒドロキシル基と反応できる。
架橋剤としては、ジルコニウム塩等のジルコニウム化合物;チタン塩等のチタン化合物;ホウ酸等のホウ素化合物;ブロックイソシアネート等のイソシアネート化合物;グリオキシル酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド等のアルデヒド化合物;アルコキシル基含有化合物、メチロール基含有化合物等が挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。中でも、バインダー樹脂がポルビニルアルコールであるとき、ポルビニルアルコールと反応して架橋構造を形成し易く、導電性組成物を用いて得られる硬化物の性能の保持のし易さの点から、グリオキシル酸ナトリウムが好ましい。
架橋剤は任意成分であるため、導電性組成物に必ずしも含まれる必要はなく、架橋剤の含有量は0質量部でよい。架橋剤を含む場合、架橋剤の含有量は、導電性組成物100質量部に対して、0.01質量部~1.5質量部であることが好ましく、0.2質量部~1.2質量部であることがより好ましく、0.4質量部~1.0質量部であることがより好ましい。含有量が、上記の好ましい範囲内であれば、導電性組成物を用いて得られる硬化物は、優れた強靱性及び柔軟性を有することができる。
架橋剤は、溶媒に溶解した水溶液として用いてもよい。溶媒は、上記の導電性高分子の場合と同様の溶媒を用いることができる。
可塑剤は、導電性組成物を用いて得られる硬化物の導電性を向上させると共に、引張伸度及び柔軟性を向上させる機能を有する。可塑剤としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、これらの重合体等のポリオール化合物N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアルデヒド(DMF)、N-N'-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性化合物等が挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。これらの中でも、他の成分との相溶性の観点から、グリセリンが好ましい。
可塑剤の含有量は、導電性組成物100質量部に対して、0.2質量部~150質量部であることが好ましく、1.0質量部~90質量部であることがより好ましく、10質量部~70質量部であることがさらに好ましい。含有量が、上記の好ましい範囲内であれば、導電性組成物を用いて得られる硬化物は、優れた強靱性及び柔軟性を有することができる。
導電性組成物は、架橋剤及び可塑剤の少なくとも一方を含むことで、導電性組成物を用いて得られる硬化物は、強靱性及び柔軟性を向上させることができる。
導電性組成物は、架橋剤を含むが可塑剤を含まない場合、導電性組成物を用いて得られる硬化物は、強靱性、すなわち引張強度及び引張伸度の両方を向上させることができると共に、柔軟性を向上させることができる。
導電性組成物は、可塑剤を含むが架橋剤を含まない場合、導電性組成物を用いて得られる硬化物の引張伸度を向上させることができるため、全体として導電性組成物を用いて得られる硬化物は強靱性を向上させることができる。また、導電性組成物を用いて得られる硬化物の柔軟性を向上させることができる。
導電性組成物は、架橋剤及び可塑剤の両方を含むことが好ましい。導電性組成物が架橋剤及び可塑剤の両方を含むことで、導電性組成物を用いて得られる硬化物はより一層優れた強靱性を有することができる。
導電性組成物は、上記成分の他に、必要に応じて、界面活性剤、軟化剤、安定剤、レベリング剤、酸化防止剤、加水分解防止剤、膨張剤、増粘剤、着色剤、充填剤等の公知の各種添加剤を適宜任意の割合で含んでもよい。界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
導電性組成物は、上記した各成分を上記割合で混合することにより調製される。
導電性組成物は、必要に応じて、溶媒を適宜任意の割合で含むことができる。これにより、導電性組成物の水溶液(導電性組成物水溶液)が調製される。
溶媒としては、有機溶媒又は水系溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。水系溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコールが挙げられる。これらの中でも、水系溶媒を用いることが好ましい。
導電性組成物を用いて得られる硬化物は、pHが1~10であることが好ましく、1~8であることがより好ましく、1~6であることがさらに好ましい。なお、硬化物のpHの測定は、適宜任意の方法を用いることができ、例えば、リトマス試験紙を硬化物に接触させる方法でもよいし、導電性組成物を溶媒に溶解させた溶液をリトマス試験紙と接触させる方法等を用いることができる。
導電性組成物を用いて電極30を製造する方法の一例について説明する。
導電性高分子及びバインダー樹脂を上記割合で混合することにより、導電性高分子及びバインダー樹脂を含む導電性組成物を作製する。導電性組成物は、さらに架橋剤及び可塑剤の少なくとも一方を、それぞれ上記割合で含んでもよい。導電性組成物を作製する際、導電性高分子、バインダー樹脂及び架橋剤は、溶媒に溶解した水溶液として用いてもよい。
導電性組成物は、必要に応じて、導電性高分子、バインダー樹脂及び架橋剤を含む溶媒の他に、さらに溶媒を適宜任意の割合で含み、導電性組成物の水溶液(導電性組成物水溶液)を用いてもよい。溶媒としては、上記の溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
導電性組成物を剥離基材の表面に塗布した後、導電性組成物を加熱することによって、導電性組成物に含まれるバインダー樹脂の架橋反応を進行させ、バインダー樹脂を硬化させる。これにより、導電性組成物の硬化物が得られる。得られた硬化物は、必要に応じて、硬化物の表面をプレス機等を用いて打ち抜き(プレス)等を行うことで、硬化物の表面に1つ以上の貫通孔を形成すると共に、硬化物の外形を所定の形状に成形する。これにより、表面に1つ以上の貫通孔を有すると共に所定形状の外形を有する成形体である生体電極、即ち電極30が得られる。なお、プレス機に代えてレーザー加工機により成形してもよい。また、得られた硬化物は、その表面に1つ以上の貫通孔のみを形成してもよいし、外形のみを所定の形状に成形してもよい。さらに、硬化物をそのまま生体電極として用いることができる場合には、硬化物は、成形等を行わずに生体電極として用いてもよい。
なお、電極30に含まれる、導電性高分子、バインダー樹脂、架橋剤及び可塑剤の各成分は、導電性組成物の作製時の添加量と同等の含有量を有する。
剥離基材としては、セパレータ、又はコア材等を用いることができる。セパレータとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリアミド(PA)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、又はフッ素樹脂フィルム等の樹脂フィルムを用いることができる。コア材としては、PETフィルムやPIフィルム等の樹脂フィルム;セラミックスシート;アルミウム箔等の金属フィルム;ガラス繊維やプラスチック製不織繊維等で強化された樹脂基板;シリコーン基板又はガラス基板等を用いることができる。
導電性組成物の剥離基材上への塗布方法としては、ロールコート、スクリーンコート、グラビアコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ディッピング、ディスペンシング等による方法、少量の導電性組成物を基材上に垂らしてドクターブレードで伸ばす方法等を用いることができる。これらの塗布方法により、導電性組成物は剥離基材上に均一に塗布される。
導電性組成物の加熱方法としては、乾燥オーブン、真空オーブン、空気循環型オーブン、熱風乾燥機、遠赤外線乾燥機、マイクロ波減圧乾燥機、高周波乾燥機等の公知の乾燥機を用いることができる。
加熱条件としては、導電性組成物に含まれる架橋剤が反応できる条件であればよい。
導電性組成物の加熱温度は、導電性組成物に含まれるバインダー樹脂の硬化を進行させることができる温度とする。加熱温度としては、100℃~200℃が好ましい。導電性組成物に架橋剤が含まれる場合、加熱温度が100℃~200℃の範囲内であれば、架橋剤の反応が進行し易くなり、バインダー樹脂の硬化を促進できる。
導電性組成物の加熱時間は、0.5分~300分であることが好ましく、5分~120分であることがより好ましい。加熱時間が0.5分~300分の範囲内であれば、バインダー樹脂の硬化を十分行うことができる。
そして、図1に示す生体センサ1を構成する、筐体10、発泡シート20、電極30、支持用粘着シート40及びセンサ部50を準備した後、センサ部50を支持用粘着シート40の上に設置する。その後、筐体10側から支持用粘着シート40側に向かって、筐体10、発泡シート20、電極30及び支持用粘着シート40の順に積層する。発泡シート20及び支持用粘着シート40の生体との貼付面側に剥離紙60を貼り付けてよい。
これにより、図1に示す生体センサ1が得られる。
このように、生体センサ1は、筐体10、発泡基材211及び電極30を備える。発泡基材211は、30%~500%の破断伸び率を有することで、発泡貼付層21は全体が適度な柔軟性を有し、皮膚2との接触面に対して柔軟に変形できる。そのため、生体センサ1を皮膚2に貼り付けて使用する際、生体の体動等により皮膚2が動いても、発泡シート20は皮膚2の動きに追従して変形し易く、皮膚2との接触状態を維持し易いため、心電図に発生するノイズの増大を抑えることができる。また、電極30は、3.0~7.0の静止摩擦係数μを有することで、皮膚2に対して粘着性を維持できる。そのため、電極30は、皮膚2との貼付面からズレ難くなり、皮膚2から剥離するのを抑制できるため、心電図に発生するノイズの増大を抑えることができる。よって、生体センサ1は、被験者が運動して動いている場合でも、心電図波形を安定して取得することができる。
特に、上記のような構成を有する生体センサ1では、電極30が発泡基材211の貼付側の面の一部に基材用粘着層212を介して設けられ、発泡基材211がその略中央部に孔部211aを有している。そのため、発泡基材211が皮膚2の動きに対して追従して変形し易く、生体センサ1が柔軟でありつつ、皮膚2との接触を維持して電極30が電気信号を安定して検出できることが重要である。生体センサ1では、発泡基材211の破断伸び率を30%~500%として、発泡貼付層21を伸縮させ易くすることができる。そのため、生体センサ1は、皮膚2が動いても、発泡基材211に貼り付けられる基材用粘着層212の貼付面が皮膚2に安定して張り付いた状態を維持できる。そして、生体センサ1は、電極30の静止摩擦係数μを3.0~7.0として、電極30の貼付位置がズレることを抑えることができる。よって、生体センサ1は、その使用時に、被験者が運動等で動いても、心電図に発生するノイズの大きさを抑えることができるので、皮膚2から生体情報を安定して高精度に測定できる。
また、生体センサ1は、発泡基材211が30%~500%の破断伸び率を有することで、発泡基材211の内部に生じる空隙の体積を抑えることができるため、外部からの水分の浸入を抑制できる。そのため、生体センサ1は、耐久性を向上させることができる。
さらに、生体センサ1は、電極30が3.0~7.0の静止摩擦係数μを有することで、電極30が肌に与える負担を抑え、肌荒れ、肌の被れ等の肌への影響を抑制することができる。そのため、生体センサ1は、被験者に長時間取り付けても安全に使用できる。
生体センサ1は、発泡基材211を含む発泡貼付層21の上面である筐体10側の面に筐体用粘着層22を備えることができる。これにより、被験者が運動して皮膚2が伸長しても、発泡貼付層21は、筐体10との接着を維持し、発泡貼付層21と筐体10との間に隙間等が生じることを抑制できるため、発泡貼付層21の内部に水分が侵入することを抑制できる。よって、生体センサ1は、発泡貼付層21の劣化を抑制できるため、耐久性を維持することができる。
生体センサ1は、基材用粘着層212、基材41及びセンサ本体52を備え、筐体10は皮膚2側に凹状に形成された窪み11aを有すると共に、発泡基材211は窪み11aに対応する位置に孔部211aを有し、窪み11aと孔部211aとにより収容空間Sを形成できる。これにより、生体センサ1は、センサ本体52を内部に備えても、基材用粘着層212が皮膚2から剥離することを抑制し、皮膚2に貼付いた状態を維持することができる。
生体センサ1は、貼付用粘着層42を備え、基材用粘着層212と貼付用粘着層42とにより生体への貼付面を形成することができる。これにより、生体センサ1は、電極30が貼付用粘着層42に貼り付けられていても、皮膚2に貼り付けられる面積を十分確保することができるため、貼付用粘着層42が皮膚2から剥離するのを抑制することができ、電極30を皮膚2に安定して貼付いた状態を維持することができる。よって、生体センサ1は、被験者の皮膚2に長時間取り付けても、使用中、皮膚2から生体情報を確実に検出できる。
生体センサ1は、電極30に貫通孔31を設けることができる。貫通孔31から基材用粘着層212を貼付側に露出させることで、電極30と皮膚2との密着性を高めることができる。そのため、生体センサ1は、電極30が基材用粘着層212に貼り付けられていても、基材用粘着層212が皮膚2から剥離することを抑制することができ、皮膚2に対して安定して貼付いた状態を維持することができる。
生体センサ1は、発泡基材211を基材として用いることができる。発泡基材211は、多孔構造を有するため、生体センサ1が皮膚2の動きに追従し易くなり、心電図波形に発生するノイズの増大を抑えることできると共に、被験者に不快感を与えることを軽減できる。また、皮膚2から発生する汗等による水蒸気を、発泡基材211を介して生体センサ1の外部により確実に放出できるため、生体センサ1は発泡基材211の耐久性をより確実に維持し易くすることができる。
このように、生体センサ1は、生体の皮膚2等に貼り付け使用される貼付型の生体センサとして有効に用いることができる。生体センサ1は、上記の通り、使用中、皮膚2との貼付面の位置ズレを生じ難くすることができる上、さらに耐久性が高く、皮膚2への負担を低減できることから、例えば、生体の皮膚等に貼付され、心電図に発生するノイズの抑制効果が高く、皮膚に対する安全性が要求されるヘルスケア用ウェアラブルデバイスに好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示して実施形態を更に具体的に説明するが、実施形態はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。
<電極Aの作製及び評価>
[導電性組成物の作製]
導電性高分子としてPEDOT/PSSのペレット(「Orgacon DRY」、日本アグフアマテリアルズ社製)0.38質量部と、バインダー樹脂として変性ポリビニルアルコール(変性PVA)を含む水溶液(変性ポリビニルアルコール濃度:10%、「ゴーセネックスZ-410」、日本合成化学社製)10.00質量部と、可塑剤としてグリセリン(和光純薬社製)2.00質量部と、溶媒として2-プロパンペール1.60質量部及び水6.50質量部を超音波浴に添加した。そして、これらの成分を含む水溶液を超音波浴で30分間混合し、均一な導電性組成物水溶液Aを調整した。
変性PVAを含む水溶液中の変性PVAの濃度は約10%であるため、導電性組成物水溶液A中の変性PVAの含有量は1.00質量部となる。なお、残部は、導電性組成物水溶液A中の溶媒である。
導電性組成物100.0質量部に対する、導電性高分子、バインダー樹脂及び可塑剤の含有量は、それぞれ、11.2質量部、29.6質量部及び59.2質量部であった。
[電極シートの作製]
調整した導電性組成物水溶液Aをポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケータを用いて塗工した。その後、導電性組成物水溶液Aが塗布されたPETフィルムを乾燥オーブン(SPHH-201、ESPEC社製)に搬送して、導電性組成物水溶液Aを135℃、3分間加熱乾燥することで、導電性組成物の硬化物を作製した。硬化物を所望の形状に打ち抜き成形(プレス)してシート状に成形し、電極シート(生体電極)である電極Aを作製した。
電極Aに含まれる、導電性高分子、バインダー樹脂及び可塑剤の含有量は、導電性組成物と同様であり、それぞれ、11.2質量部、29.6質量部及び59.2質量部であった。
[電極Aの評価]
得られた電極Aの静止摩擦係数μを測定した。
(静止摩擦係数μの測定)
電極Aを35mm×70mm×20μmの大きさに切断し、電極シートサンプルを準備した。次に、静摩擦係数測定機(新東科学社製、トライボギア TYPE:10)を用いて電極Aの疑似皮膚に対する静止摩擦係数μを以下のように測定した。評価に用いた疑似皮膚には、ウレタンエラストマー膜の表面を加工して人の皮膚に近い親疎水性と表面のしわを再現したバイオスキンプレート(株式会社ビューラック社製、品番 P001-001、縦195mm×横120mm×厚み5mm)を用いた。そして、水平状態にある上昇板にバイオスキンプレートを固定し、縦75mm×横35mmの平面圧子に電極シートサンプルを取り付けて、荷重1.47Nの条件下で30秒静置した後、上昇速度平均10度/6秒で傾斜し、平面圧子が滑り始めた時の摩擦角θdを読み取り、静止摩擦係数μを下記式(I)に基づいて算出した。
静止摩擦係数μ=tan(θd×π/180) ・・・(I)
導電性組成物水溶液Aに含まれる各成分の含有量と、乾燥温度を表1に示し、電極Aに含まれる各成分の含有量と静電摩擦係数を表2に示す。
[電極B~電極fの作製及び評価]
上記の<電極Aの作製及び評価>において、導電性組成物水溶液B~fを用いて乾燥温度を表1に示す値に変更して電極B~電極fを作製したこと以外は、<電極Aの作製及び評価>と同様にして行った。
各導電性組成物水溶液B~fに含まれる各成分の含有量と、乾燥温度を表1に示し、各電極B~fに含まれる各成分の含有量と静電摩擦係数を表2に示す。
<発泡体Aの作製及び評価>
[発泡体Aの作製]
矩形状に形成されたポリオレフィン発泡シート(「Folec(登録商標)」、株式会社イノアックコーポレーション社製、厚さ:0.5mm)を3倍に発泡させ、シート状の発泡基材である発泡体Aを得た。ポリオレフィン発泡シートの材質及び発泡倍率を表3に示す。
[発泡体Aの長軸方向の破断伸び率の測定]
発泡体Aの長軸方向の破断伸び率を引張試験機(AGS-J、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。発泡体Aのサンプルは、サイズが短辺10mm×長辺70mm×厚さ0.5mmの矩形状のシートを用い、発泡体Aのサンプルの短辺側の両端部を引張試験治具で掴んで固定した。引張試験条件は、下記の通りとした。発泡体Aは3つ準備して、それぞれの測定値の平均値を、発泡体Aの長軸方向の破断伸び率とした。発泡体Aの長軸方向の破断伸び率を表3に示す。
(引張試験条件)
・発泡体Aの幅(発泡体Aの短軸の最大幅):10mm
・発泡体Aを設置する治具同士の距離:50mm
・引張強度:300mm/分
<発泡体B~fの作製及び評価>
上記の<発泡体Aの作製及び評価>において、ポリオレフィン発泡シートの発泡倍率を表3に示す値に変更して発泡体B~fの作製して、各発泡体の長軸方向の破断伸び率を測定したこと以外は、<発泡体Aの作製及び評価>と同様にして行った。なお、各発泡体のサンプルの厚さは、適宜任意の大きさとした。
各発泡体B~fの製造に用いた各ポリオレフィン発泡シートの材質及び発泡倍率と、各発泡体B~fの長軸方向の破断伸び率を表3に示す。
<実施例1>
[生体センサの作製]
(筐体の作製)
ベース樹脂としてPETを用いて形成した支持体にシリコーンゴムで形成されたショア硬度A40のコート層を形成して、所定の形状に成形することで、筐体を作製した。
(発泡シートの作製)
矩形状に形成された発泡基材1(ポリオレフィン発泡シート(「Folec(登録商標)」、株式会社イノアックコーポレーション社製、厚さ:0.5mm)の下面に基材用粘着層(長期貼付用テープ1(日東電工社製、厚さ:70μm))を形成し、発泡貼付層を形成した。なお、長期貼付用テープ1は、その表面に、粘着剤のない粘着剤形成部分の幅が約500μm、粘着剤のない被粘着部分の幅が約1500μmとなるように形成された、波状の模様(ウェブ模様)が形成された両面粘着テープである。その後、貼付層の上面に筐体用粘着層(シリコーン用テープ1(「ST503(HC)60」、日東電工社製、厚さ:60μm)を形成して、発泡シートを作製した。
(支持用粘着シートの作製)
矩形状に形成された基材1(PET(「PET-50-SCA1(白)」、三井物産プラスチック社製)、厚さ:38μm)の両面に貼付用粘着層及びセンサ用粘着層として粘着剤1(「パーミロール」、日東電工社製)、透湿度:21(g/m2・day))を張り付けた肌用テープである支持用粘着シートを作製した。
(生体センサの作製)
支持用粘着シートの上面の中央部分にバッテリ及び制御部を備えたセンサ部を設置した。その後、発泡シートの基材用粘着層と支持用粘着シートとの間に挟み込んだ状態で基材用粘着層の貼付面側に一対の電極を貼り付け、電極とセンサ部の配線とを接続した。その後、センサ部が発泡シート及び筐体で形成される収容空間内に配置されるように、発泡シートの上に筐体を積層して、生体センサを作製した。
[生体センサの特性評価]
得られた生体センサの特性として、生体センサのノイズ、肌への影響及び耐久性を評価した。
(ノイズの評価)
得られた生体センサを被験者の肌に24時間貼付して心電図を測定し、心電図波形を得た。心電図波形は、ノイズがない場合、図7に示すように、P波、QRS波及びT波で構成される。図8に示すように、得られた心電図波形から、QRS波のうちR波とS波とからなるRS波の振幅の大きさをシグナル(S)とし、隣接するR波同士の間の波形の振幅であるノイズの振幅の大きさをノイズ(N)として求めた。そして、シグナル(S)のノイズ(N)に対する比であるSN比を求めた。SN比は、任意の3つの波形を抽出して平均化した値を用いた。
得られたSN比を下記評価基準に基づいて評価し、生体センサのノイズを評価した。なお、SN比が8以上である場合、歩行時にノイズが殆ど無いと評価し(表4では、Aと表記)、SN比が5以上8未満である場合、歩行時に軽微なノイズがあると評価し(表4では、Bと表記)、SN比が1よりも高く5未満である場合、歩行時に大きなノイズあるがR波を検知できると評価し(表4では、Cと表記)、SN比が1以下である場合、歩行時に大きなノイズあり、R波を検知できないと評価した(表4では、Dと表記)。
評価基準
A:SN比が8以上である
B:SN比が5以上8未満である
C:SN比が1よりも高く5未満である
D:SN比が1以下である
(肌への影響の評価)
上記の(ノイズの測定)において、生体センサを被験者の肌に24時間貼り付けた後、生体センサを肌から剥離し、生体センサが貼り付けられていた箇所の皮膚の状態を目視で観察し、肌への影響を下記評価基準に基づいて評価した。肌の貼付部に赤みは見られず、問題無かった場合は、優良(表4では、Aと表記)と判断し、肌の貼付部に少し赤みがあったが問題なかった場合は、良好(表4では、Bと表記)と判断し、肌の貼付部に赤みが強く見られた場合と、肌の貼付部に、再度、生体センサを貼り付けられない程の肌荒れが見られた場合は、不良(表4では、C又はDと表記)と判断した。
評価基準
A:肌の貼付部に赤みは見られず、問題無い
B:肌の貼付部に少し赤みがあったが問題無い
C:肌の貼付部に赤みが強く見られる
D:肌の貼付部に、再度、生体センサを貼り付けられない程の肌荒れが見られる
(耐久性の評価)
上記の(ノイズの測定)において、生体センサを被験者の肌に24時間貼付した。また、生体センサを被験者の肌に貼付している間、「防水規格:JIS C 0920-1993 (IPX4)」に基づいて水に接触させた。生体センサを被験者の肌に24時間貼付した後、生体センサを肌から剥離して、生体センサの状態を観察し、下記評価基準に基づいて、耐久性を評価した。生体センサに水の吸収や破れが見られず、問題なかった場合は、優良(表4では、Aと表記)と判断し、使用範囲内で問題なく、やや水の吸収や破れが見られるが測定への影響は限定的であった場合は、良好(表4では、Bと表記)と判断し、水の吸収や破れにより途中で剥がれ等が生じたが24時間測定できた場合は、良(表4では、Cと表記)と判断し、水の吸収や破れにより途中で剥がれ等が生じて24時間測定できなかった場合は、不良(表4では、Dと表記)と判断した。
評価基準
A:水の吸収や破れが見られず、問題ない
B:使用範囲内で問題なく、やや水の吸収や破れが見られるが測定への影響は限定的である
C:水の吸収や破れにより剥がれ等が生じたが24時間測定できる
D:水の吸収や破れにより剥がれ等が生じて24時間測定できない
<実施例2~6及び比較例1~6>
実施例1において、用いた電極及び発泡体の種類を変更したこと以外は、実施例1と同様にして行った。
各実施例及び比較例において、用いた電極及び発泡体の種類と、生体センサの特性の結果を表3に示す。
表4より、実施例1~6では、生体センサのノイズ、肌への影響及び耐久性をいずれも使用上の条件を満たしていたことが確認された。これに対して、比較例1~6では、生体センサは、ノイズ、肌への影響及び耐久性の少なくとも1つ以上が使用上の条件を満たさず、実用上問題を有することが確認された。
よって、実施例1~6の生体センサは、比較例1~6の生体センサと異なり、破断伸び率が30%~500%である発泡基材と、静止摩擦係数μが3.0~7.0である電極とを備えることで、被験者が運動を行っている場合でも、心電図に発生するノイズを抑制して心電図波形を安定して取得できると共に、耐久性を高めつつ肌への負担を低減できた。よって、本実施形態に係る導生体電極を被験者の肌に長時間(例えば、24時間)貼り付けても、長時間継続して被験者に負担をかけることなく、心電図を安定して測定するのに有効に用いることができるといえる。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。