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JP7376971B2 - 造形物 - Google Patents

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Description

本発明は、造形物に関する。
熱交換機用のチューブ等においては、アルミニウムチューブと銅管とを組み合わせたものが知られているが、市場ではその用途において、アルミニウムから銅へと連続的に切り替わる構造のチューブが求められている。そして、この用途に特許文献1や特許文献2に記載の造形物を適用することも想定される。
特許文献1の造形物は、第1の層では第1方向を長手方向とする材料を所定間隔で積層させる一方で、その上の第2の層では、第1方向とは交差する第2方向を長手方向とする材料を所定間隔で積層させたいわゆる井桁構造を有する。特許文献2の造形物は、第1の層では材料が直線状に延びるよう配列される一方、その上の第2の層では、材料が、第1の層における材料とは交差する方向で且つ第2の層の輪郭に対応した曲率を有するように配列された井桁構造を有する。
特許第5909309号公報 国際公開第2018/207242号
しかしながら、上記特許文献1及び2に開示された従来の造形物によりチューブを構成すると、チューブに求められる内圧に対する耐力は等方であるという要求は満たされないという問題が生じる。すなわち、特許文献1の造形物では、第1の層及び第2の層の直交する直線状の材料でチューブを構成するため、角度によっては耐力が異なってしまうことが問題となる。また、特許文献2の造形物では、第1の層及び第2の層の放射状に配置された直線状の材料と周方向に沿って延びる曲線状の材料でチューブを構成するため、層毎に耐力が異なってしまうことが問題となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、長さ方向に対して一様な強度の内圧を持たせることができる井桁構造の管状体に成形された造形物を提供することを目的とする。
本発明に係る造形物は、第1材料からなる第1環状体及び第2材料からなる第2環状体を、少なくとも一部が径方向に交互に配置されるように、径方向に同軸的に配置して形成された環状の第1の層と、前記第1材料からなる第3環状体及び前記第2材料からなる第4環状体を、少なくとも一部が径方向に交互に配置されるように、径方向に同軸的に配置して形成された環状の第2の層とを備え、前記第1の層及び前記第2の層は、非円形であり、中心軸から外形までの距離が最も大きい部位の位置を周方向に異ならせて積層され、前記第1環状体と前記第3環状体とが交差する部分、及び前記第2環状体と前記第4環状体とが交差する部分で前記第1材料同士及び前記第2材料同士が結合されていることを特徴とする。
また、本発明に係る造形物は、第1材料からなる第1環状体及び第2材料からなる第2環状体を、少なくとも一部が径方向に交互に配置されるように、径方向に同軸的に配置して形成された環状の第1の層と、前記第1材料からなる第3環状体及び前記第2材料からなる第4環状体を、少なくとも一部が径方向に交互に配置されるように、径方向に同軸的に配置して形成された環状の第2の層とを備え、前記第1の層及び前記第2の層は、中心軸を異ならせて積層され、前記第1環状体と前記第3環状体とが交差する部分、及び前記第2環状体と前記第4環状体とが交差する部分で前記第1材料同士及び前記第2材料同士が結合されていることを特徴とする。
本発明の一実施形態において、前記第1の層の前記第1環状体及び前記第2環状体は、楕円形、多角形又は渦巻形に形成され、前記第2の層の前記第3環状体及び前記第4環状体は、楕円形、多角形又は渦巻形に形成されている。
本発明の他の実施形態において、前記第1の層の前記第1環状体及び前記第2環状体は、円形、楕円形、多角形又は渦巻形に形成され、前記第2の層の前記第3環状体及び前記第4環状体は、円形、楕円形、多角形又は渦巻形に形成されている。
本発明の更に他の実施形態において、前記第1環状体、前記第2環状体、前記第3環状体及び前記第4環状体の少なくとも一つは、閉じた図形に形成されている。
本発明の更に他の実施形態において、前記第1の層及び前記第2の層は、螺旋状に連続して配置されている。
本発明の更に他の実施形態において、前記第1の層の前記第1環状体及び前記第2環状体は、断面視で波線又は折線により形成されている。
本発明の更に他の実施形態において、前記第2の層の前記第3環状体及び前記第4環状体は、断面視で波線又は折線により形成されている。
本発明の更に他の実施形態において、前記第1の層及び前記第2の層を含む複数の環状の層が軸方向に配設され、前記第1材料及び前記第2材料の各層における割合が軸方向及び/又は径方向に順次変化している。
本発明によれば、長さ方向に対して一様な強度の内圧を持たせることができる井桁構造の管状体に成形された造形物を提供することができる。
第1の実施形態に係る造形物を成形可能な三次元造形装置の概略構成を示す斜視図である。 同三次元造形装置の概略構成を示す正面図である。 同三次元造形装置のXYステージの構成を示す斜視図である。 同三次元造形装置のドライバの構造の詳細を説明するためのブロック図である。 同三次元造形装置のコンピュータ(制御装置)の構成を示す機能ブロック図である。 第1の実施形態の造形物の構造を示す概略図である。 第1の実施形態の造形物の構造を概略的に示す説明図である。 同造形物の構造を概略的に示す説明図である。 同造形物の各層の接合に関する交差位置を説明するための図である。 同造形物の異種材料の濃度制御による複合材の井桁構造を説明するための図である。 同造形物の異種材料の濃度制御による複合材の井桁構造を説明するための図である。 同造形物の変形例1を概略的に示す説明図である。 同造形物の変形例2を概略的に示す説明図である。 同造形物の変形例3を概略的に示す説明図である。 同造形物の変形例4を概略的に示す説明図である。 同造形物の変形例5を概略的に示す説明図である。 同造形物の変形例6を概略的に示す説明図である。 同造形物の変形例7を概略的に示す説明図である。 同造形物の変形例8を概略的に示す説明図である。 同造形物の変形例9を概略的に示す説明図である。 同造形物の変形例10を概略的に示す説明図である。 第2の実施形態の造形物の構造を概略的に示す説明図である。 第3の実施形態の造形物の構造を概略的に示す説明図である。 同造形物の構造を概略的に示す説明図である。 第4の実施形態の造形物の構造を概略的に示す説明図である。 第5の実施形態の造形物の構造を概略的に示す説明図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係る造形物を詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[第1の実施形態]
(三次元造形装置の全体構成)
まず、第1の実施形態に係る造形物を説明する前に、造形物を成形し得る三次元造形装置の一般的な構造について説明する。図1は、第1の実施形態に係る造形物を成形可能な三次元造形装置として、いわゆる熱溶解積層型(FDM)の3Dプリンタ100の概略構成を示す斜視図であり、図2は3Dプリンタ100の概略構成を示す正面図である。
なお、この3Dプリンタ100は、以下に説明する造形物を造形可能な3Dプリンタの一態様であるので、同様の造形物を製造可能な他の方式の3Dプリンタを採用可能であることは言うまでもない。また、第1の実施形態の造形物は、3Dプリンタにより成形されることには限定されるものではなく、例えば薄板状の金属材料を打ち抜き成形加工した層材を、各層毎に積層すること等によっても成形され得る。
図1に示すように、FDM型の3Dプリンタ100は、フレーム11と、XYステージ12と、造形ステージ13と、昇降テーブル14と、ガイドシャフト15とを備えている。また、3Dプリンタ100には、3Dプリンタ100を制御する制御装置として、例えばコンピュータ200が、3Dプリンタ100内の各種機構を駆動するためのドライバ300を介して接続されている。
(フレーム)
フレーム11は、例えば直方体の外形を有し、アルミニウム等の金属材料の枠組を備えている。フレーム11の4つの角部には、例えば4本のガイドシャフト15が、矢印Zで示す上下方向(Z方向)、すなわち造形ステージ13の平面に対し垂直な方向に延びるように形成されている。
ガイドシャフト15は、後述するように昇降テーブル14を上下方向に移動させるための方向を規定する直線状の棒状部材である。なお、ガイドシャフト15の本数は、図示のように4本には限られず、昇降テーブル14を安定的に維持し移動させることができる本数であれば、様々な数に設定され得る。
(造形ステージ)
造形ステージ13は、造形物Sが載置される台座であり、後述する造形ヘッド25から吐出される材料としての熱可塑性樹脂が堆積される台として機能する。
(昇降テーブル)
図1及び図2に示すように、昇降テーブル14は、自身の4つの角部においてガイドシャフト15を貫通させており、ガイドシャフト15の長手方向(Z方向)に沿って移動可能に構成されている。昇降テーブル14は、ガイドシャフト15と接触するローラ34,35を備えている。ローラ34,35は、昇降テーブル14の2つの角部に形成されたアーム部33において回動可能に設置されている。各ローラ34,35がガイドシャフト15上を接触しつつ回動することで、昇降テーブル14はZ方向にスムーズに移動することが可能となっている。
また、昇降テーブル14は、モータMzの駆動力をタイミングベルト、ワイヤ、プーリ等からなる動力伝達機構(図示せず)により伝達することにより、上下方向に所定間隔(例えば0.1mmピッチ)で移動する。モータMzは、例えばサーボモータ、ステッピングモータ等で構成することができる。なお、実際の昇降テーブル14の上下方向(高さ方向)の位置を連続的又は間欠的にリアルタイムで、位置センサ(図示せず)を用いて測定した上で適宜補正をかけることによって、昇降テーブル14の位置精度を高めるように構成しても良い。後述する造形ヘッド25(25A,25B)についても同様である。
(XYステージ)
図3は、3Dプリンタ100のXYステージ12の構成を示す斜視図である。
XYステージ12は、例えば昇降テーブル14の上面に載置されている。XYステージ12は、枠体21と、Xガイドレール22と、Yガイドレール23と、リール24A,24Bと、造形ヘッド25(25A,25B)と、造形ヘッドホルダHとを備えている。
Xガイドレール22は、その両端がYガイドレール23に嵌め込まれて、Y方向に摺動自在に保持されている。リール24A,24Bは、造形ヘッドホルダHに固定されており、造形ヘッドホルダHによって保持された造形ヘッド25A,25Bの動きに追従してXY方向を移動する。
造形物Sの材料となる熱可塑性樹脂は、例えば径が1.75mm~3.0mm程度の紐状の樹脂(フィラメント38(38A,38B))であり、通常はリール24A,24Bに巻かれた状態で保持されている。このフィラメント38A,38Bは、造形時には後述する造形ヘッド25A,25Bに設けられたモータ(エクストルーダ)によって造形ヘッド25A,25B内に送り込まれる。
なお、リール24A,24Bは、造形ヘッドホルダHに固定せずに枠体21等に固定して、造形ヘッド25の動きに追従させない構成とすることもできる。また、フィラメント38A,38Bは露出された状態で造形ヘッド25内に送り込まれる構成としたが、図示しないガイド(例えばチューブやリングガイド等)を介在させて露出しない状態で造形ヘッド25A,25B内に送り込むように構成しても良い。
また、例えば単一材料のみで造形物Sを造形する場合には、フィラメント38A,38Bのいずれか一方のみを使用して造形を行ったり、両フィラメント38A,38Bを同一材料で構成して造形速度や造形効率を速めたりすることもできる。また、一方で、後述するように、異なるフィラメント38A及び38Bの両方を、一つの造形物において組み合わせて使用するようにして造形を行うこともできる。
すなわち、この場合、フィラメント38A,38Bはそれぞれ異なる材料により構成される。例えば、一方がABS樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、及びポリカーボネート(PC)樹脂のうちのいずれか一つである場合は、他方は、その一方の樹脂以外の樹脂で構成することができる。また、同じ材料の樹脂であっても、その内部に含まれるフィラーの材料の種類や割合が異なるようにして、フィラメント38A,38Bを異なる材料とすることもできる。このように、フィラメント38A,38Bは、それぞれ異なる性状を有し、その組み合わせにより造形される造形物の特性(強度等)を向上させることができるように異なる材料で構成され得る。
なお、図1~図3に示すものでは、造形ヘッド25Aがフィラメント38Aを溶融して吐出するように構成され、造形ヘッド25Bがフィラメント38Bを溶融して吐出するように、造形ヘッド25が異なるフィラメントのために独立した造形ヘッド25A,25Bを有する構成とされているが、3Dプリンタ100はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば単一の造形ヘッドのみを用意し、この単一の造形ヘッドにより複数種類のフィラメント(樹脂材料)を選択的に溶融させて吐出させるように構成することもできる。
このように構成されたフィラメント38A,38Bは、リール24A,24BからチューブTbを介して造形ヘッド25A,25B内に送り込まれる。造形ヘッド25A,25Bは、上述したように造形ヘッドホルダHにより保持され、リール24A,24Bと共にXガイドレール22及びYガイドレール23に沿って移動可能に構成される。また、図示は省略するが、造形ヘッド25A,25B内には、フィラメント38A,38BをZ方向の下方へ送り込むためのエクストルーダモータが配置される。なお、造形ヘッド25A,25Bは、XY平面内においては互いに一定の位置関係を保って造形ヘッドホルダHと共に移動可能とされていれば良いが、XY平面内において、互いの位置関係が変更可能なように構成されていても良い。
また、造形ヘッド25A,25BをXYステージ12に対しX方向及びY方向に移動させるためのモータMx,My(図4A参照)も、このXYステージ12上に設けられている。モータMx,Myは、モータMzと同様にサーボモータ、ステッピングモータ等で構成することができる。
(ドライバ)
次に、ドライバ300の詳細について説明する。
図4Aは、3Dプリンタ100のドライバ300の構造の詳細を説明するためのブロック図である。図4Aに示すように、ドライバ300は、例えばCPU301、フィラメント送り装置302、ヘッド制御装置303、電流スイッチ304、及びモータドライバ306を含んでいる。
CPU301は、コンピュータ200から入出力インタフェース307を介して各種信号を受信して、ドライバ300の全体の制御を行う。フィラメント送り装置302は、CPU301からの制御信号に従って、造形ヘッド25A,25B内のエクストルーダモータに対して、フィラメント38A,38Bの造形ヘッド25A,25Bに対する送り量(押込量又は退避量)を指令し制御する。
電流スイッチ304は、ヒータ26に流れる電流量を切り換えるためのスイッチ回路である。電流スイッチ304のスイッチング状態が切り替わることにより、ヒータ26に流れる電流が増加又は減少し、これにより造形ヘッド25A,25Bの温度が制御される。モータドライバ306は、CPU301からの制御信号に従って、モータMx,My,Mzを制御するための駆動信号を発生させる。
図4Bは、3Dプリンタ100のコンピュータ(制御装置)200の構成を示す機能ブロック図である。図4Bに示すように、コンピュータ200は、空間フィルタ処理部201、スライサ202、造形スケジューラ203、造形指示部204、及び造形ベクトル生成部205を備えている。これらの構成は、例えばコンピュータ200の内部において実行されるコンピュータプログラムにより実現することができる。
空間フィルタ処理部201は、造形しようとする造形物の三次元形状を示すマスタ3Dデータを外部から取得し、このマスタ3Dデータに基づいて造形物が形成される造形空間に対し各種データ処理を施す。空間フィルタ処理部201は、具体的には、後述するように造形空間を必要に応じて複数の造形ユニット(x,y,z)に分割すると共に、マスタ3Dデータに基づいてこれら複数の造形ユニットの各々に、各造形ユニットに与えるべき特性を示すプロパティデータを付与する機能を有する。
造形ユニットへの分割の要否、及び個々の造形ユニットのサイズは、形成される造形物Sのサイズ、形状によって決定される。なお、例えば、以下に説明するような造形物Sを形成(成形)するような場合には、造形空間の造形ユニットへの分割は不要であると判断される。
造形指示部204は、造形の内容に関する指示データを、空間フィルタ処理部201及びスライサ202に提供する。なお、造形指示部204は、キーボードやマウス等の入力デバイスを介して指示データの入力を受け付けるものであっても、造形内容を記憶した記憶装置等から指示データの提供を受けるものであっても良い。
スライサ202は、造形ユニットの各々を、複数のスライスデータに変換する機能を有する。スライスデータは、後段の造形スケジューラ203に送られる。造形スケジューラ203は、上述したプロパティデータに従って、スライスデータにおける造形手順や造形方向等を決定する役割を有する。
造形ベクトル生成部205は、造形スケジューラ203において決定された造形手順及び造形方向等に応じて造形ベクトルを生成する。生成された造形ベクトルのデータは、ドライバ300に送信される。そして、ドライバ300は、受信された造形ベクトルのデータに応じて3Dプリンタ100を制御する。
(造形物の概要)
図5は、第1の実施形態の造形物S1の構造を示す概略図である。なお、図5及びそれ以降の図面においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
図5に示すように、例えば3Dプリンタ100により成形される造形物S1は、非円形の一例としての楕円形である第1の層L1及び第2の層L2を交互に、複数層Lに亘り繰り返し積層して構成され得る。第1の層L1及び第2の層L2は、例えばそれぞれ上述したスライスデータに基づいて形成される。この造形物S1は、第1の層L1と第2の層L2とを繰り返し積層することで管状体(チューブ)に成形されている。
第1の層L1は、図示は省略するが、例えばフィラメント38Aの第1材料R1からなる第1環状体と、フィラメント38Bの第2材料R2からなる第2環状体とを径方向に交互に同軸的に配置して形成されている。また、第2の層L2は、フィラメント38Aの第1材料R1からなる第3環状体と、フィラメント38Bの第2材料R2からなる第4環状体とを径方向に交互に同軸的に配置して形成されている。
そして、第1の層L1及び第2の層L2は、中心軸Cから外形までの距離が最も大きい部位の位置を周方向に異ならせて積層(配置)されている。これにより、第1の層L1及び第2の層L2は、第1環状体と前記第3環状体とが交差する部分、及び第2環状体と第4環状体とが交差する部分で第1材料R1同士及び第2材料R2同士が結合された状態で積層される。
なお、図示は省略するが、例えば第1材料R1と第2材料R2との間に隙間を設けたり、更に別の材料Rを配置することも可能である。このように、ある材料が、第1の層L1とその上の第2の層L2とでそれぞれ異なる方向に交差するような状態で配置されることによって、積層(上下)方向で接合することが繰り返される構造を、本明細書では「井桁構造」と称する。
そして、第1材料R1と第2材料R2の複合材によるこのような井桁構造を有する造形物S1は、第1材料R1の第1の層L1の第1環状体と、第2の層L2の第3環状体とが交互に接触するように積層されると共に、第2材料R2の第1の層L1の第2環状体と、第2の層L2の第4環状体とが交互に接触するように積層されて、その上下面で接合し、第1材料R1同士及び第2材料R2同士が結合するために非常に強固な造形物とすることができる。また、例えば第1材料R1と第2材料R2との間に別の材料Rを配置する場合には、その別の材料Rによる井桁構造も別途作られる。
従って、第1の実施形態の造形物S1によれば、例えば第1材料R1と第2材料R2とが接着(接合)できない組成や性状を有していたり、各層L1,L2における第1材料R1と第2材料R2とが接合していなくても、それぞれが井桁構造になって入り組んでいるため、造形物S1は強固に構成され得る。これと共に、例えば第1材料R1と第2材料R2の中間的な性質を有する造形物を構成することも可能となる。なお、第1材料R1及び第2材料R2は、それぞれの特性や製造工程等を考慮して、適切な材料を選択することが可能である。
なお、造形物S1は、方向や角度によって加圧に対する物理的強度(耐力)に差が生じてしまうことや、層毎によって加圧に対する耐力に差が生じてしまうことをなくし、「内圧耐力が等方」であることが必要なチューブとして成形される。この造形物S1は、以下のような構造で構成されることにより、「長さ方向に対して一様な強度の内圧」を持たせることが可能となる。
(造形物の構造)
図6及び図7は、第1の実施形態の造形物S1の構造を概略的に示す説明図である。なお、図6は各層L1,L2の向きを表現するために間に配置された層が傾いて見えるが、実際には傾いているわけではない。
図6及び図7に示すように、図5に示した第1の実施形態の造形物S1においては、第1の層L1には、曲線状の第1材料R1rからなる第1環状体41と、曲線状の第2材料R2rからなる第2環状体42とが交互に配置されている。また、第2の層L2には、曲線状の第1材料R1rからなる第3環状体43と、曲線状の第2材料R2rからなる第4環状体44とが交互に配置されている。各層L1,L2に配置される第1材料R1r及び第2材料R2rは、例えば造形物(チューブ)S1の中心軸Cからの距離が周方向に一定ではなく、閉じた図形(閉ループ状)に描かれた楕円形を形成している。
この図6に示す例では、第1材料R1rは、例えば第1の層L1の中心Cから、一の方向(例えばX方向)における輪郭(外形)までの距離が一の方向と交差する他の方向(例えばY方向)における外形までの距離よりも長い(或いは短い)楕円を構成し、所定ピッチで同心状(年輪状)に複数配置されている。なお、これは一例であり、後述するように、第1材料R1rは例えば非円形を描くように配置されれば良いので、楕円形に配置されるものに限定されない。また、各層L1,L2における全ての第1材料R1rが楕円形である必要はなく、主たる部位(例えば、造形物S1の内周側、外周側又はこれらの中間側の部位等)が楕円形に形成されていればよい。
そして、同じく第2材料R2rも、第1材料R1rと同様に閉ループ状に描かれた楕円形を形成している。その上で、第1の層L1及び第2の層L2は、例えば中心軸Cを積層方向に同じくする同心状に積層される。また、この積層の際に、中心軸Cから外形までの距離が最も大きい部位の位置を、第1の層L1と第2の層L2とで周方向に異ならせて配置(この配置のことを、「位相をずらす」と称することもある。)される。これにより、第1環状体41と第3環状体43とが交差する部分、及び第2環状体42と第4環状体44とが交差する部分で第1材料R1r同士及び第2材料R2r同士が結合される。なお、周方向に異ならせるとは、例えば第1の層L1と第2の層L2とを中心軸Cを中心に時計回り又は反時計回りに任意の角度ずつずれるように回転させる態様が含まれる。
このように、第1の実施形態の造形物S1は、楕円形で少なくとも一部が径方向に交互となるように同軸的に配置された第1材料R1rからなる第1環状体41及び第2材料R2rからなる第2環状体42を第1の層L1に形成すると共に、これと位相をずらした楕円形で少なくとも一部が径方向に交互となるように同軸的に配置された第1材料R1rからなる第3環状体43及び第2材料R2rからなる第4環状体44を第2の層L2に形成して各層L1,L2を同心状に積層する。このように積層されることで、第1環状体41と第3環状体43とが交差する部分と、第2環状体42と第4環状体44とが交差する部分とにおいて、第1材料R1r同士及び第2材料R2r同士がそれぞれ上下面で交差し接合される。これにより、造形物S1は複合材の井桁構造の管状体とすることが可能となる。
なお、例えば断面視で管状体として表すことができる造形物S1の管状壁の肉厚(外周壁と内周壁間の距離)は、例えば楕円を構成する第1の層L1及び第2の層L2の内接円と外接円の差により設定することができる。このように、造形物S1中の場所によらず耐力をほぼ均一とすることができるので、造形物S1の物理的強度を強くして長さ方向に対して一様な強度の内圧を持たせることが可能となる。
なお、造形物S1において、例えば第1材料R1r及び第2材料R2rは互いに異なる材料からなるので、例えば一方がABS樹脂、PP樹脂、PA樹脂、及びPC樹脂のうちのいずれか一つである場合は、他方は、その一方の樹脂以外の樹脂とすることも可能である。
また、造形物S1を3Dプリンタ100以外の方法により、例えば打ち抜き加工や出来合いの既成部品の積層加工及び熱圧着等で形成する場合は、例えば、第1材料R1r,第2材料R2rの一方をアルミニウム(Al)とし、他方を銅(Cu)としたりすることもできる。打ち抜き加工では、例えば複数列の楕円に打ち抜いた第1材料R1rと第2材料R2rとの奇数列と偶数列とを抜き出して、それぞれ残ったものを組み合わせて第1の層L1にすると共に抜き出したものを組み合わせて第2の層L2にしたりと、任意の積層を行うことができる。また、例えば樹脂の第1材料R1rのみで楕円形の第1環状体41~第4環状体44を配置、積層した井桁構造を構成し、この井桁構造にセラミックの第2材料R2rを含浸させて焼成すれば、セラミックからなる井桁構造を有する造形物を取り出すことができる。この造形物に例えば鋳造用の金属材料を第1材料R1rとして充填すれば、金属とセラミックの異種材料R1r,R2rからなる複合材の井桁構造を有する造形物S1を形成することができる。このように、単一の材料で井桁構造を構成した後に含浸により他の材料を組み込んで造形物を形成することも可能となる。
なお、第1材料R1r,第2材料R2rは、中心軸Cから例えば放射方向の外周側に向かって、例えば一つずつ交互に配列されても良いし、数本ずつ又は任意に設定された比率毎、或いは放射方向(径方向)に沿って材料濃度の変調をきたすように、必要に応じて配列数を変更して配置されても良い。このように異種材料である第1材料R1r,第2材料R2rを配列すれば、例えば第1の層L1及び第2の層L2のそれぞれにおける第1材料R1r,第2材料R2rの濃度(割合)を自在に制御した複合材の井桁構造の配置を実現する造形物S1を成形することができる。
以上のように、造形物S1は、図8Aに示すように、第1の層L1と第2の層L2とにおける第1環状体41と第3環状体43とが交差する部分、及び第2環状体42と第4環状体44とが交差する部分(交差位置CR)において、同一の材料である第1材料R1r同士及び第2材料R2r同士が上下方向で接合する複合材の井桁構造を有することができる。
ここで、このような複合材の井桁構造の任意の積層、すなわち濃度制御による積層について説明する。
図8Bは、造形物S1の第1材料R1r及び第2材料R2rの濃度制御による複合材の井桁構造を説明するための図であり、第1の層L1及び第2の層L2は中心軸Cに沿って積層されている。ここで、第1材料R1rをアルミニウムとし、第2材料R2rを銅として、第1環状体41~第4環状体44の各層L1,L2における配置を制御すれば、図8Bに示すように、例えば第1の層L1及び第2の層L2の径方向の外側領域45をアルミニウムの第1材料R1rで形成し、内側領域46を銅の第2材料R2rで形成すると共に、外側領域45と内側領域46との間の中間領域47をアルミニウムの第1材料R1r及び銅の第2材料R2rの濃度比が徐々に変化する複合領域(例えば、同心状の図形で第1材料R1rと第2材料R2rの径方向の幅を変化させて、第1材料幅と第2材料幅の比率(第1材料幅;第2材料幅)を4:1、3:2、2:3、1:4のように変化させて濃度比を変える方法や、同一線幅の材料の径方向に配置する本数を変化させて濃度比を変える方法で形成される領域)で形成するというような、第1材料R1r及び第2材料R2rの濃度(割合)を制御した複合材の井桁構造を実現することができる。このような井桁構造によれば、アルミニウムの第1材料R1rとセラミックの第2材料R2rの複合材による管状体の造形物も実現することができる。また、このような井桁構造による造形物S1は、物理的強度が高いだけではなく、異種材料である外側領域45の第1材料R1rと内側領域46の第2材料R2rとを境界面を設けることなく接着せずに一つの造形物の材料として利用することが可能となる。
また、第1材料R1r及び第2材料R2rの濃度(割合)を制御して積層すれば、図8Cに示すように、第1材料R1rのみからなる造形物48と、第2材料R2rのみからなる造形物49とを、中心軸Cに沿って第1材料R1r及び第2材料R2rからなる中間領域47の濃度が徐々に変わるように段階的に変化(グラデーション)させた複合材の井桁構造で接手として接合することもできる。このようにすれば、例えば溶接では繋げられない異種材料同士を繋いで造形物として利用したり、全く異なる性状を有する異種材料同士を繋いで造形物として利用したりすることも可能となる。なお、図8Cにおいては、複合領域を軸方向に対して斜めとなるように図示しているが、複合領域の形成態様はこれに限定されるものではない。
以上のような構造により、造形物S1は、たとえ異種材料である第1材料R1r,第2材料R2rの間の各層L1,L2における(横方向の)接合力が無かったり弱かったりしても、上述のような複合材の井桁構造における同一材料間の(積層方向の)接合力を強くすることができるので、造形物S1の強度を十分に高いものとすることができ、併せて長さ方向に対して一様な強度の内圧を持たせることが可能となる。
[第1の実施形態の変形例1]
次に、第1の実施形態に係る造形物S1の変形例1について説明する。なお、各環状体41~44については特に明記しない限り説明を省略する。
上述した造形物S1は、第1の層L1及び第2の層L2にそれぞれ非円形である楕円形に配列された第1材料R1r及び第2材料R2rを配置して形成したが、図9に材料の配置例を示すように、非円形である多角形として、例えば角丸三角形に第1材料R1s,第2材料R2sを配列するようにしても良い。
すなわち、図9に示すように、造形物S1aにおいては、第1の層L1及び第2の層L2は、それぞれ異種材料である第1材料R1s,第2材料R2sが角丸三角形を描くように配列され配置されている点が、第1の実施形態の造形物S1とは相違している。この造形物S1aにおいても、第1の層L1及び第2の層L2は、同心状に積層されると共に互いに位相をずらして積層されるので、同一の材料の第1材料R1s同士が上下方向で接合すると共に同一の材料の第2材料R2s同士が上下方向で接合する複合材の井桁構造を構成する。なお、上下方向で接合する交点は、多角形の角部(頂点)の数をnとした場合、2倍(n×2)の数で増やすことが可能となる。例えば、三角形である場合は、角部が3つであるので交点を6箇所とすることができる。
従って、このように構成しても、十分な接合箇所を確保して造形物S1aの強度を高め長さ方向に対して一様な強度の内圧を持たせるという上記作用効果を奏することができる。なお、角丸三角形ではなく角が鋭角な三角形や、その他の多角形に第1材料R1s,第2材料R2sを配列するようにしても良いことは言うまでもない。
[第1の実施形態の変形例2]
次に、第1の実施形態に係る造形物S1の変形例2について説明する。
変形例2の造形物S1bは、例えば第1の層L1に、異種材料である第1材料R1s,第2材料R2sが角丸三角形を描くように配列された上で、第1の層L1及び第2の層L2における管状壁の外周壁Sout及び内周壁Sin間の同一層における空隙部分を埋めるべく、例えば図10(a)に示すように、直線状の異種材料R1ss,R2ssを第1材料R1s,第2材料R2sの配列領域の内側及び外側の空隙部分に配列した点、又は図10(b)に示すように、閉ループ状に幾何学模様で描かれた異種材料R1st,R2stを第1材料R1s,第2材料R2sの内側及び外側の空隙部分に配列した点が、変形例1の造形物S1aとは相違している。このように構成することで、上記作用効果を奏することができると共に、チューブの外側形状(外形)及び内側形状(内形)の長さ方向に亘るガタつきを抑えた管状体を成形することができる。
[第1の実施形態の変形例3]
次に、第1の実施形態に係る造形物S1の変形例3について説明する。
図11に示すように、変形例3の造形物S1cは、第1の層L1及び第2の層L2に楕円形を描くように、波線状の第1材料R1rw,第2材料R2rwを配列させて配置した点が、変形例1の造形物S1とは相違している。
この変形例3の造形物S1cによれば、変形例1の造形物S1と比べて、井桁構造を構成する第1材料R1rw同士及び第2材料R2rw同士が上下方向で接合する交点の数を著しく増やすことができるので、上記作用効果を奏することができると共に、造形物S1cの強度を更に高めることが可能となる。なお、第1材料R1rw,第2材料R2rwは折線状であっても良い。
[第1の実施形態の変形例4]
次に、第1の実施形態に係る造形物S1の変形例4について説明する。
図12に示すように、変形例4の造形物S1dは、第1の層L1及び第2の層L2に、例えば中心軸Cからの距離が周方向に実質的に一定である円形を描くように、波線状の第1材料R1rw,第2材料R2rwを配列させて配置した点が、変形例3の造形物S1cとは相違している。すなわち、厳密には、波線状の第1材料R1rw,第2材料R2rwは波線で構成されるため中心からの(径方向の)距離が周方向に一定で描くことはできないが、第1材料R1rw,第2材料R2rwの最外側又は最内側の点をそれぞれ曲線で結んだ場合の繋がり具合が実質的に円形を描くように配置されている。
この変形例4の造形物S1dによれば、上記変形例3の造形物S1cと同様に第1材料R1rw同士及び第2材料R2rw同士が上下方向で接合する交点の数を著しく増やすことができる。従って、上記作用効果を奏することができると共に、造形物S1dの強度を更に高めることが可能となる。
[第1の実施形態の変形例5]
次に、第1の実施形態に係る造形物S1の変形例5について説明する。
図13に示すように、変形例5の造形物S1eは、第1の層L1及び第2の層L2に角丸三角形を描くように、波線状の第1材料R1sw,第2材料R2swを配列させて配置した点が、変形例1の造形物S1aとは相違している。
この変形例5の造形物S1eによれば、上記変形例3の造形物S1cと同様に、変形例1の造形物S1aと比べて、第1材料R1sw同士及び第2材料R2sw同士が上下方向で接合する交点の数を著しく増やすことができる。従って、上記作用効果を奏することができると共に、造形物S1eの強度を更に高めることが可能となる。
[第1の実施形態の変形例6]
次に、第1の実施形態に係る造形物S1の変形例6について説明する。
図14に示すように、変形例6の造形物S1fは、例えば第1の実施形態の造形物S1の楕円形からなる第1の層L1と、変形例1の造形物S1aの角丸三角形からなる第2の層L2とを、同心状且つ位相をずらして積層させた点が、第1の実施形態及び変形例1の造形物S1,S1aとは相違している。
この変形例6の造形物S1fによれば、上記作用効果を奏することができると共に、第1の実施形態及び変形例1の造形物S1,S1aの両方の利点(メリット)を併せ持つことが可能となる。なお、造形物S1fは、上述したものとは逆に、第1の層L1を角丸三角形とし、第2の層L2を楕円形としたものを、上記のように位相をずらして積層したものであっても良いことは言うまでもない。
[第1の実施形態の変形例7]
次に、第1の実施形態に係る造形物S1の変形例7について説明する。
図15に示すように、変形例7の造形物S1gは、例えば変形例3の造形物S1cの波線状の楕円形からなる第1の層L1と、変形例5の造形物S1eの波線状の角丸三角形からなる第2の層L2とを、同心状且つ位相をずらして積層させた点が、変形例3及び変形例5の造形物S1c,S1eとは相違している。
この変形例7の造形物S1gによれば、上記作用効果を奏することができると共に、変形例3及び変形例5の造形物S1c,S1fの両方のメリットを併せ持つことが可能となる。なお、造形物S1gは、上述したものとは逆に、第1の層L1を角丸三角形とし、第2の層L2を楕円形としたものを、上記のように位相をずらして積層したものであっても良いことは言うまでもない。
[第1の実施形態の変形例8]
次に、第1の実施形態に係る造形物S1の変形例8について説明する。
まず、変形例8の造形物S1hの比較例として、図16(a)に示すように、上述した変形例1の造形物S1a(図9参照)においては、第1の層L1及び第2の層L2において角丸三角形に配列された第1材料R1s,第2材料R2sは、それぞれ角部(頂点)間に直線状に配列された部分を含んで構成されていた。上述したように、外周壁Soutと内周壁Sinとの間の距離dは角丸三角形の第1材料R1s,第2材料R2sで構成される各層L1,L2の内接円と外接円の差により設定されるので、第1材料R1s,第2材料R2sが直線状の部分を含む造形物S1aはある程度の肉厚を有するものとなる。
これに対し、図16(b)に示すように、変形例8の造形物S1hは、第1の層L1及び第2の層L2において角丸三角形に配列された第1材料R1s,第2材料R2sについて、それぞれ角部間も第1材料R1s,第2材料R2sが曲線状に配列されるように構成した。これにより、上記作用効果を奏することができると共に、第1材料R1s,第2材料R2sで構成される各層L1,L2の内接円と外接円の差をより小さくすることができるので、外周壁Soutと内周壁Sinとの間の距離dを短くする、すなわち変形例1の造形物S1aよりも変形例8の造形物S1hの肉厚をより薄くすることが可能となる。
[第1の実施形態の変形例9]
次に、第1の実施形態に係る造形物S1の変形例9について説明する。
図17に示すように、変形例9の造形物S1iは、第1の層L1及び第2の層L2において角部(頂点)間も曲線状となるような角丸四角形に第1材料R1s,第2材料R2sが配列されるように構成した点が、角丸三角形に配列された変形例8の造形物S1hとは相違している。
この変形例9の造形物S1iによれば、上記作用効果を奏することができると共に、外周壁Soutと内周壁Sinとの間の距離dを変形例8の造形物S1hのものよりも短くして肉厚をより薄くすることができる。
[第1の実施形態の変形例10]
次に、第1の実施形態に係る造形物S1の変形例10について説明する。
図18に示すように、変形例10の造形物S1jは、第1の層L1及び第2の層L2において角部(頂点)間も曲線状となるような角丸六角形に第1材料R1s,第2材料R2sが配列されるように構成した点が、角丸四角形に配列された変形例9の造形物S1iとは相違している。
この変形例10の造形物S1jによれば、上記作用効果を奏することができると共に、外周壁Soutと内周壁Sinとの間の距離dを変形例9の造形物S1iのものよりも更に短くして肉厚をより薄くすることができる。このように、多角形の角部(頂点)が多くなればなる程、また直線よりも曲線で構成する程、管状体に成形される造形物の肉厚を薄く構成することが可能である。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る造形物S2について説明する。なお、第2の実施形態以降の説明においては、第1の実施形態及びその変形例と同一の構成要素に関しては同一の符号を付しているので、以下では重複する説明は省略する。
図19は、第2の実施形態の造形物S2の構造を概略的に示す説明図である。
図19に示すように、第2の実施形態に係る造形物S2は、第1の層L1及び第2の層L2に配列される第1材料R1r,第2材料R2rがそれぞれ閉ループ状の楕円形を各列毎に描くように配置される点、及び第1の層L1及び第2の層L2が積層方向に互いに位相をずらして積層される点は、第1の実施形態の造形物S1と同様であるが、第1の層L1及び第2の層L2が、中心軸Cが積層方向に重ならない、すなわち、第1の層L1の中心C1と第2の層L2の中心C2が中心軸Cと重ならない(積層方向に間隔をおいて配置されたある層においては中心軸Cと重なっても良い)非同心状となるように配列されて積層されている点が、第1の実施形態の造形物S1と相違している。
これにより、造形物S2は、第1の層L1と第2の層L2とにおける第1材料R1rの交差位置及び第2材料R2rの交差位置による上下方向の接合箇所を、それぞれ造形物S1と比べてより広い範囲において細かく分散させることができるので、上下方向に接合する交点の分布領域が広い複合材の井桁構造を有する。このような構造により、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。なお、造形物S2は、第1の層L1及び第2の層L2が、それぞれの中心軸Cが積層方向に重ならない非同心状に積層されていれば、互いに位相をずらさなくても複合材の井桁構造を実現することができる。また、上述したように、第1の層L1及び第2の層L2を楕円形に配置された波線状又は折線状の第1材料R1r及び第2材料R2rで構成するようにしても良い。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態に係る造形物3について説明する。
図20及び図21は、第3の実施形態の造形物S3の構造を概略的に示す説明図である。
図20及び図21に示すように、第3の実施形態に係る造形物S3においては、第1の層L1及び第2の層L2に配列される第1材料R1r,第2材料R2rは、それぞれの層L1,L2の中心C1,C2からの距離が周方向に一定である閉ループ状の円形を各列毎に描くように配置される。また、第2の層L2は、第1の層L1とは非同心状となるように、例えば少なくとも第2の層L2の中心C2が、造形物S3の中心軸Cとずれる(積層方向に間隔をおいて配置されたある層においては他の層や中心軸Cと中心C2が重なっても良い)ように配置される。なお、図20に示す例では第1の層L1の中心C1も造形物S3の中心軸Cとずれて配置されている。このような状態で第1の層L1及び第2の層L2を重ね合わせて積層することで、造形物S3が構成されている。
このように、第3の実施形態の造形物S3は、円形に配置された第1材料R1r,第2材料R2rを第1の層L1に形成すると共に、同じく円形に配置された第1材料R1r,第2材料R2rを第2の層L2に形成して、各層L1,L2の中心C1,C2を非同心状となるように、例えば造形物S3の中心軸Cとそれぞれずらした状態で積層する。このように積層された第1材料R1rが上下面で交差し接合されると共に、第2材料R2rが上下面で交差し接合されることにより、造形物S3は複合材の井桁構造の管状体とすることができ、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態に係る造形物S4について説明する。
図22は、第4の実施形態の造形物S4の構造を概略的に示す説明図である。
図22に示すように、第4の実施形態に係る造形物S4においては、第1の層L1に配列される第1材料R1sp,第2材料R2spは、造形物S4の中心軸Cからの距離が周方向に沿って徐々に変化する渦巻形を描くように配置される。また、第2の層L2に配列される第1材料R1sp,第2材料R2spも、同様に渦巻形を描くように配置される。その上で、第1の層L1及び第2の層L2は、各中心C1,C2を中心軸Cと積層方向に同じくする同心状に積層されると共に、互いに位相をずらして重ね合わせて積層されている。
このように、第4の実施形態の造形物S4は、渦巻形に配置された第1材料R1sp,第2材料R2spを第1の層L1に形成すると共に、これと位相をずらした状態の渦巻形に配置された第1材料R1sp,第2材料R2spを第2の層L2に形成して各層L1,L2を同心状に積層するので、上述した各造形物S1~S3と同様に、第1材料R1spが上下面で交差し接合されると共に第2材料R2spも上下面で交差し接合されることで、複合材の井桁構造の管状体とすることができる。これにより、第1の実施形態~第3の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。なお、上述したように、第1の層L1及び第2の層L2を渦巻形に配置された波線状又は折線状の第1材料R1sp,第2材料R2spで構成するようにしても良い。
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態に係る造形物S5について説明する。
図23は、第5の実施形態の造形物S5の構造を概略的に示す説明図である。
図23に示すように、第5の実施形態に係る造形物S5は、第1の層L1及び第2の層L2に配列される第1材料R1sp,第2材料R2spが渦巻形を描くように配置される点は、第4の実施形態の造形物S4と同様であるが、第1の層L1の中心C1と第2の層L2の中心C2とが、積層方向に重ならない(積層方向に間隔をおいて配置されたある層においては他の層と中心が重なっても良い)非同心状となるように配置されて積層されている点が、第4の実施形態の造形物S4と相違している。このように構成しても、第1の実施形態~第4の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、第1の層L1及び第2の層L2が非同心状に積層される場合、互いに位相をずらさずに積層されても良い。また、第4の実施形態や第5の実施形態の造形物S4,S5のように、渦巻形を描くように第1材料R1sp,第2材料R2spが配置されている構成によれば、造形物S4,S5に内圧が掛った場合、その応力を管状壁の渦巻形が解ける方向に逃がす構造を実現することができる。
[その他の実施形態]
その他、図示は省略するが、本発明に係る造形物としては、例えば第1の層L1を円形を描くようにそれぞれ配列された第1材料及び第2材料で構成し、第2の層L2を非円形(楕円形、多角形、渦巻形等)を描くように且つ第1の層L1と同心状となるようにそれぞれ配列された第1材料及び第2材料で構成して、第1の層L1と位相をずらして配置することによって、各層L1,L2の第1材料同士及び第2材料同士が積層方向で接合されるものが挙げられる。
また、本発明に係る造形物としては、例えば第1の層L1を円形を描くようにそれぞれ配列された第1材料及び第2材料で構成し、第2の層L2を非円形を描くように且つ第1の層L1と非同心状となるようにそれぞれ配列された第1材料及び第2材料で構成し積層することによって、各層L1,L2の第1材料同士及び第2材料同士が積層方向で接合されるものが挙げられる。
更に、本発明に係る造形物としては、例えば第1の層L1及び第2の層L2を、管状体の中心軸Cに近い側においてはその中心軸Cからの距離が周方向に沿って徐々に変化する渦巻形を描くようにそれぞれ配列された第1材料及び第2材料で構成すると共に、この渦巻形に配列された部分よりも中心軸Cから遠い側においてはその中心軸Cからの距離が周方向に一定である円形又は中心軸Cからの距離が周方向に一定ではない非円形を描くようにそれぞれ配列された第1材料及び第2材料で構成し、且つ互いに位相をずらして配置された構成とすることによって、各層L1,L2の第1材料同士及び第2材料同士が積層方向で接合されるものが挙げられる。
なお、上述した実施形態の造形物は、例えば第1の層L1と第2の層L2が螺旋状に連続して配置されるような構成であっても良い。このような構成を含む複合材の井桁構造を有する造形物によれば、例えば造形物にかかる内圧の応力を渦巻形が解ける方向に逃がすことができる。そして、例えば中心軸Cに近い側を渦巻形とし、これよりも遠い側を波線状又は折線状の円形又は非円形とし、内側に渦巻形の巻きが解ける方向に撓る柔軟性を持たせ、外側に波線又は折線の幅が広がるように撓る柔軟性を持たせて造形物を形成すれば、例えば人体の血管のような動きを再現することができる造形物を成形することも可能である。
その他、本発明に係る造形物としては、例えば第1の層L1の第1材料R1r及び第2材料R2rの配列における任意の列に隙間を空けて第1空隙流路を形成し、第2の層L2の第1材料R1r及び第2材料R2rの配列における任意の列に隙間を空けて第2空隙流路を形成した上で、上述したように積層することで各層L1,L2の第1材料R1r同士及び第2材料R2r同士を積層方向で接合するものが挙げられる。
この構造によれば、造形物の長さ方向に沿って第1空隙流路及び第2空隙流路を、それぞれ例えば螺旋状に形成することや、第1及び第2空隙流路を選択的に合流させたり分流させたりして形成すること等ができる。また、選択的に形成する第1及び第2空隙流路を、一部が少なくとも内側の管状壁(内周壁)に露出するように形成することにより、例えば複数の液体を所定の順序で混合させ得る反応場として造形物を機能させることも可能となる。このような機能は、上述した各実施形態の造形物においても持たせることが可能である。
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100・・・セル構造体
200・・・コンピュータ
300・・・ドライバ
S,S1~S5・・・造形物
R1,R2・・・材料

Claims (9)

  1. 第1材料からなる第1環状体及び前記第1環状体の内周又は外周に沿った形状を有する第2材料からなる第2環状体を、同一層に同軸的に配置して形成された環状の第1の層と、
    前記第1材料からなる第3環状体及び前記第3環状体の内周又は外周に沿った形状を有する前記第2材料からなる第4環状体を、同一層に同軸的に配置して形成された環状の第2の層とを備え、
    前記第1の層及び前記第2の層は、非円形であり、中心軸から外形までの距離が最も大きい部位の位置を周方向に異ならせて積層され、前記第1環状体と前記第3環状体とが交差する部分、及び前記第2環状体と前記第4環状体とが交差する部分で前記第1材料同士及び前記第2材料同士が結合されている
    ことを特徴とする造形物。
  2. 第1材料からなる第1環状体及び前記第1環状体の内周又は外周に沿った形状を有する第2材料からなる第2環状体を、同一層に同軸的に配置して形成された環状の第1の層と、
    前記第1材料からなる第3環状体及び前記第3環状体の内周又は外周に沿った形状を有する前記第2材料からなる第4環状体を、同一層に同軸的に配置して形成された環状の第2の層とを備え、
    前記第1の層及び前記第2の層は、中心軸を異ならせて積層され、前記第1環状体と前記第3環状体とが交差する部分、及び前記第2環状体と前記第4環状体とが交差する部分で前記第1材料同士及び前記第2材料同士が結合されている
    ことを特徴とする造形物。
  3. 前記第1の層の前記第1環状体及び前記第2環状体は、楕円形、多角形又は渦巻形に形成され、
    前記第2の層の前記第3環状体及び前記第4環状体は、楕円形、多角形又は渦巻形に形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の造形物。
  4. 前記第1の層の前記第1環状体及び前記第2環状体は、円形、楕円形、多角形又は渦巻形に形成され、
    前記第2の層の前記第3環状体及び前記第4環状体は、円形、楕円形、多角形又は渦巻形に形成されている
    ことを特徴とする請求項2記載の造形物。
  5. 前記第1環状体、前記第2環状体、前記第3環状体及び前記第4環状体の少なくとも一つは、閉じた図形に形成されている
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項記載の造形物。
  6. 前記第1の層及び前記第2の層は、螺旋状に連続して配置されている
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項記載の造形物。
  7. 前記第1の層の前記第1環状体及び前記第2環状体は、断面視で波線又は折線により形成されている
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載の造形物。
  8. 前記第2の層の前記第3環状体及び前記第4環状体は、断面視で波線又は折線により形成されている
    ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項記載の造形物。
  9. 前記第1の層及び前記第2の層を含む複数の環状の層が軸方向に配設され、前記第1材料及び前記第2材料の各層における割合が軸方向及び/又は径方向に順次変化している
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項記載の造形物。
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