以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る内視鏡を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る内視鏡11を備えた内視鏡システム13の外観例を示す斜視図である。
内視鏡システム13は、内視鏡11と、ビデオプロセッサ15と、モニタ17とを含む構成である。内視鏡11は、例えば、医療用の軟性鏡である。ビデオプロセッサ15は、内視鏡11が観察対象(例えば、患者等である人体、あるいは、その人体内部の患部)を撮像することで得られた撮像画像(例えば、静止画および動画を含む)に対して画像処理する。ビデオプロセッサ15は、画像処理により得られた画像信号を表示用の画像信号としてモニタ17に送る。モニタ17は、ビデオプロセッサ15から出力される表示用の画像信号に従って、ビデオプロセッサ15により画像処理された、内視鏡11の撮像画像を表示する。画像処理は、例えば、色補正、階調補正、ゲイン調整を含む。
内視鏡11は、患者等である人体の観察対象(被写体の一例)に挿入され、その観察対象を撮像する。内視鏡11は、観察対象の内部に挿入されるスコープ19と、スコープ19の後端部が接続されるプラグ部21とを備える。また、スコープ19は、比較的長い可撓性を有する軟性部23と、軟性部23の先端に設けられた剛性を有する硬性部25とを含む構成である。
以下の説明において、説明に用いる方向については、図1中の方向の記載に従う。ここで、左右は、図1に示す上下方向において、内視鏡11の挿入方向先端から前方を向き、右手側が右に対応し、左手側が左に対応する。
ビデオプロセッサ15は、筐体27を有し、内視鏡11により撮像された撮像画像に対して画像処理を施し、画像処理後の画像信号を表示用の画像信号として出力する。筐体27の前面には、プラグ部21の基端部29が挿入されるソケット部31が配置される。プラグ部21がソケット部31に挿入され、内視鏡11とビデオプロセッサ15とが電気的に接続されることで、内視鏡11とビデオプロセッサ15との間で電力および各種信号(例えば映像信号、制御信号)の送受信が可能となる。これらの電力および各種信号は、スコープ19の内部に挿通された伝送ケーブル33(図3参照)を介して、プラグ部21から軟性部23に導かれる。また、硬性部25の内側に設けられたイメージセンサ35(図4参照)から出力される画像信号は、伝送ケーブル33を介して、プラグ部21からビデオプロセッサ15に伝送される。
また、筐体27には、可視光(白色光)を照射するための可視光源(図示略)と励起光(例えば、IR帯の励起光)を照射するためのIR励起光源(図示略)とが内蔵されている。
可視光源は、医師等(医師等の補助をする者を含む)により操作されると、可視光(白色光)を発光(照射)する。この可視光(白色光)は、光ファイバ47(ライトガイドの一例)を介して内視鏡11の挿入方向先端に導光されて観察対象に向けて照明される。
同様に、IR励起光源は、医師等(医師等の補助をする者を含む)により操作されると、IR帯の励起光を発光(照射)する。この励起光は、光ファイバ47(ライトガイドの一例)を介して内視鏡11の挿入方向先端に導光されて観察対象に向けて照明される。
ビデオプロセッサ15は、伝送ケーブル33を介して内視鏡11から伝送された画像信号に対し、画像処理を施し、画像処理後の画像信号を表示用の画像信号に変換して、モニタ17に出力する。
モニタ17は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、あるいは有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを有する。モニタ17は、内視鏡11によって撮像された観察対象の撮像画像を表示する。具体的には、モニタ17は、可視光により取得した可視光画像と、励起光により発生した蛍光画像とを表示する。
図2は、図1に示した内視鏡11の硬性部25を被写体側から見た正面図である。
図2に示されるように、硬性部25の先端面は、円形で管状(つまり、チューブ状)のシース37により包囲される。つまり、シース37は、内視鏡11の軸線に直交する断面が円形で形成される。シース37は、可撓性を有する樹脂材からなる。シース37は、例えば、強度を付与する目的で、内周側に単線、複数線、編組の抗張力線を備えることができる。抗張力線としては、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド繊維等のアラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維等のポリエステル系繊維、ナイロン繊維、タングステンの細線またはステンレス鋼の細線等を一例として挙げることができる。内視鏡11は、このシース37の外径が最大外径Dmax(図3参照)となる。最大外径Dmaxは、例えば、1.0mm未満である。また、硬性部25の長さLは、例えば、5mm程度である。
なお、シース37の内周と、ホルダ39の外周との間には、金属により形成される円筒状の筐体40が同心円で設けられてもよい。筐体40は、接着材によりシース37に固定される。筐体40は、ホルダ39と電気的に接続されてホルダ39を保持する。金属製の筐体40を硬性部25に設けることは、組立作業性、プッシャビリティ、静電気対策等に有利となる。一方で、筐体40を設ければ、内視鏡11を小径化する上では若干不利となるため、筐体40およびホルダ39は、内視鏡11に要求される仕様に応じ、いずれか一方あるいは双方が省略されてもよい。
シース37の内周には、円筒状のホルダ39が接着材により固定される。ホルダ39は、金属材料(例えば、ステンレス(SUS))により形成される。金属により形成されることで導電性を有したホルダ39は、先端が硬性部25の先端面に同一平面で表出する。
硬性部25の先端面には、撮像窓41が配置される。撮像窓41は、光学ガラスあるいは光学プラスチック等の光学材料を含んで形成され、被写体からの光(言い換えると、撮像光)を入射する。実施の形態1に係る硬性部25では、撮像窓41が対物カバーガラス43となる。対物カバーガラス43は、正方形に形成され、ホルダ39の中心と同一中心で配置される。対物カバーガラス43は、ホルダ39の内方に充填される接着材によりホルダ39と一体に固定される。
硬性部25の先端面には、対物カバーガラス43を挟む両側に、円弧とこの円弧の弦とに囲まれる一対の照射窓45が設けられる。一対の照射窓45のそれぞれには、複数の光ファイバ47の光出射端面が弦に沿う方向で直線状に並んで配置される。光ファイバ47は、IR励起光源(上述参照)から導光されたIR帯の励起光、あるいは、可視光源(上述参照)から導光された可視光(白色光)を伝送(すなわち、導光)する。
実施の形態1に係る内視鏡11は、例えば、蛍光観察用の励起光を被写体の被観察領域に照射した場合、励起光の照射に基づいて、被観察領域に注射等によって予め投与された蛍光薬剤から発せられるIR帯の蛍光を撮像し、蛍光画像を撮像できる。また、内視鏡11は、例えば、可視光(白色光)を被写体の被観察領域に照射した場合、可視光の撮像によって、観察対象を広範に観察可能な可視画像を得ることができる。蛍光観察の際、例えば、波長405nm以下の光(つまり、紫外線~近紫外線)、あるいは、波長690nm~820nmの波長を有する励起光がそれぞれ医療用途に応じて用いられる。
図3は、図2の硬性部25を被写体側から見た平断面図である。
内視鏡11の硬性部25には、イメージセンサ35が設けられる。撮像ユニット49は、ホルダ39を有する。ホルダ39の内方には、被写体側から対物カバーガラス43、絞り51、レンズ53、接着用樹脂55、イメージセンサ35の順に配置される。レンズ53は、出射面57(図4参照)とセンサカバーガラス59との間に、屈折率1の空気(つまり、空隙61)を有する。撮像ユニット49は、ホルダ39の内方に充填用接着材63(図2参照)が充填されて、これら対物カバーガラス43、絞り51、レンズ53、接着用樹脂55およびイメージセンサ35がホルダ39と一体的に固定される。
対物カバーガラス43は、挿入方向先端に設けられ、撮像光を取り込む(言い換えると、撮像光が入射される)。絞り51は、対物カバーガラス43からの撮像光を制限してレンズ53へ通過させる。レンズ53は、絞り51から入射した撮像光を撮像面に結像する。なお、レンズ53は、単一レンズで構成されてもよいし、複数枚のレンズにより構成されてもよい。接着用樹脂55は、レンズ53とセンサカバーガラス59を接着固定する。また、接着用樹脂55は、センサカバーガラス59とイメージセンサ35とを接着固定する。
イメージセンサ35は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)もしくはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いて構成される固体撮像素子である。イメージセンサ35は、撮像面を有し、その撮像面に、保護用のセンサカバーガラス59が一体に貼着されたものとして構成される。イメージセンサ35の撮像面には、例えば、バンドカットフィルタが蒸着されたフィルタ蒸着ガラスが固定されてもよい。イメージセンサ35は、ホルダ39の内周に同軸で配置されることにより、センサ中心が撮像ユニット49の中心に位置決めされる。
遮蔽部65は、イメージセンサ35の背部に設けられる。遮蔽部65は、イメージセンサ35の少なくともレンズ53と反対側の裏面を覆う。イメージセンサ35の裏面には、基板67(図4参照)が配置される。遮蔽部65は、この基板67の裏面を覆う。イメージセンサ35は、絶縁性を有し、かつ可視光および赤外光に対する遮光性を有する。
遮蔽部65は、遮光性(絶縁性も含む)を有する粒子(例えば、チタンブラック、低次酸化チタン、酸窒化チタン、窒化鉄、酸化鉄等)を含む樹脂を、センサ後方の裏面の平面部だけでなく、センサ後方の伝送ケーブル33も覆うように、立体形状で塗布して形成される。
遮蔽部65は、遮光性粉体69(図4参照)を、樹脂媒体71(例えば、ビヒクル樹脂)に分散した塗料で形成される。遮光性粉体69には、絶縁体である後述の金属酸窒化物(例えば、チタンブラック、低次酸化チタン、酸窒化チタン、窒化鉄、酸化鉄等)の粒子が用いられる。
実施の形態1において、遮蔽部65は、例えば、略円錐形状または略角錐形状に形成される。遮蔽部65は、イメージセンサ35の裏面に設けられたパッド73(図4参照)に導通接続される伝送ケーブル33の被覆電線75に頂部77が接着し、裏面に底面79が接着する。これにより、遮蔽部65は、例えば、略円錐形状または略角錐形状に形成される。
図4は、図3に示される硬性部25の平断面の要部断面図である。
イメージセンサ35は、基板67の裏面に電子回路が形成される。電子回路には、電子回路の電源や信号回路に接続される複数のパッド73が形成される。このパッド73には、伝送ケーブル33の被覆電線75が半田付け等により接続される。被覆電線75は、先端の被覆が除去された線状導体81がパッド73に接続される。略円錐形状または略角錐形状に形成された遮蔽部65は、これらパッド73と線状導体81とを埋入しながら、基板67の裏面と被覆電線75とに渡って塗布されて固化されている。
次に、実施の形態1に係る内視鏡11の作用を説明する。
実施の形態1に係る内視鏡11は、挿入方向先端に設けられ、撮像光を取り込む(つまり、撮像光が入射される)レンズ53と、レンズ53の背部に設けられ、撮像光が撮像面に結像されるイメージセンサ35と、イメージセンサ35の背部に設けられ、イメージセンサ35の少なくともレンズ53と反対側の裏面を覆い、絶縁性を有しかつ遮光性を有する遮蔽部65と、を備える。
実施の形態1に係る内視鏡11では、イメージセンサ35のレンズ53と反対側の裏面が、遮蔽部65により覆われる。例えば、外径1mm未満の血管に挿入可能な内視鏡11に搭載されるイメージセンサ35は、一辺の長さが0.5mm以下の正方形で極薄となる。この場合、イメージセンサ35は、医師等の操作性(つまり、ハンドリングのし易さ)を良好とするため、一辺の長さが0.5mm、厚みが0.5mm程のセンサカバーガラス59に撮像面を貼り付けて構成される。センサカバーガラス59は、レンズ53から入射した撮像光をイメージセンサ35の撮像面に照射する。この際、撮像光の一部分は、センサカバーガラス59の側面から洩れ、回折などの作用により薄厚となったイメージセンサ35の裏面から入射する可能性がある。
また、内視鏡11は、挿入方向に延在して光出射端を挿入方向先端に配置した照明用の光ファイバ47が、レンズ53、イメージセンサ35を挟んで平行に配置される。これら光ファイバ47を伝播する照明光の一部は、散乱などによりクラッドの外へ洩れ出る場合がある。内視鏡11は、これらの洩れ光がイメージセンサ35の裏面から入射し(吸収され)、光電変換されて迷光となることが、遮蔽部65により抑制される。即ち、遮蔽部65は、迷光となる撮像光の遮光手段となる。
また、イメージセンサ35の裏面には、電子回路が形成される。電子回路には、例えば複数のパッド73が設けられる。これらパッド73には、伝送ケーブル33で束ねられた複数本の被覆電線75のそれぞれが接続される。被覆電線75は、被覆が除去されて線状導体81となった状態で、半田等により各パッド73に接合される。仮に、高い遮光率のカーボンブラックフィラを高濃度で分散した樹脂では、裏面に塗布した場合、これら電子回路や線状導体81を短絡させる恐れがある。内視鏡11は、遮蔽部65が遮光性を備えつつ、絶縁性を有するので、これら電子回路や線状導体81に短絡を生じさせることなく、イメージセンサ35の裏面からの洩れ光の入射を確実に抑制することができる。
従って、内視鏡11によれば、イメージセンサ35の裏面から入射する洩れ光の遮蔽と、裏面に設けられる電子回路の絶縁とを両立して同時に実現できる。
また、内視鏡11において、遮蔽部65は、イメージセンサ35の裏面に設けられたパッド73に導通接続される伝送ケーブル33の被覆電線75に頂部77が接着し、裏面に底面79が接着する略円錐形状または略角錐形状に形成される。
この内視鏡11では、遮蔽部65が、例えば、略円錐形状または略角錐形状の立体形状で形成される。立体形状の遮蔽部65は、底面79でイメージセンサ35の裏面を覆い、頂部77で伝送ケーブル33の被覆電線75に接着される。イメージセンサ35は、撮像面にセンサカバーガラス59が貼着される。センサカバーガラス59は、バンドカットフィルタ等を介してさらにレンズ53、対物カバーガラス43に貼着される。これら対物カバーガラス43、レンズ53、バンドカットフィルタ、センサカバーガラス59およびイメージセンサ35は、撮像ユニット49を構成する。
イメージセンサ35は、センサカバーガラス59と一体となることにより強度が確保される。撮像ユニット49は、ホルダ内に充填される接着材により、ホルダ39と一体に固定される。ここで、撮像ユニット49の一部分となったイメージセンサ35は、裏面に伝送ケーブル33が導通接続される。伝送ケーブル33は、被覆電線75の被覆が除去された線状導体81が、裏面のパッド73に半田等により接続される。
このような接続構造において、遮蔽部65は、立体形状に形成されることにより、イメージセンサ35の裏面と伝送ケーブル33の被覆電線束との接続部を一体に覆って補強することができる。即ち、立体形状の遮蔽部65は、軸線方向に距離を有した略円錐形状または略角錐形状に形成されることにより、微小な撮像ユニット49と伝送ケーブル33とを、遮光および絶縁性を確保しながら、高強度に固定することができる。
なお、略円錐形状または略角錐形状は、円錐、角錐の幾何学的な要件を全て満足する必要はない。略円錐形状または略角錐形状の遮蔽部65は、遮光性粉体69が樹脂媒体71に分散された塗料を、イメージセンサ35の裏面と被覆電線75とに渡って塗布量を変化させることで形成される。このため、遮蔽部65は、その塗布工程により得られる略円錐形状または略角錐形状の立体形状となればよい。
また、遮蔽部65は、撮像光としての可視光および非可視光のそれぞれに対する遮光性を有する。
これにより、遮蔽部65は、撮像光として入射した可視光、赤外励起光、赤外蛍光のそれぞれを効果的に遮蔽できる。
(実施の形態1の変形例)
次に、実施の形態1の変形例に係る内視鏡について説明する。
図5A,図5B,図5Cのそれぞれは、遮蔽部65の変形例を表す要部断面図である。実施の形態1の変形例に係る内視鏡と実施の形態1に係る内視鏡11とにおいて共通する構成については同一の符号を付与して説明を簡略化または省略し、異なる内容について説明する。また、図5Bおよび図5Cの説明において、図5Aの構成と同一の構成については同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図5Aに示されるように、内視鏡11において、遮蔽部83は、イメージセンサ35内部に設けられても良い。例えば、イメージセンサ35は、一般的に、入射光を受光する受光層35aと、受光層35aに電気的に接続される配線層と、この配線層を支えるための補強基板である基板層35bと、を有する。そして、この基板層35bによって遮蔽部83が実現されてもよい(図5A参照)。
また、図5Bに示されるように、内視鏡11において、遮蔽部83は、イメージセンサ35をパッケージングするパッケージ85によって構成されてもよい。
また、図5Cに示されるように、内視鏡11において、遮蔽部83は、イメージセンサ35をパッケージングするパッケージ85と、そのパッケージ85に接続された基板67との一方または両方によって構成されてもよい。
なお、パッケージ85は、図5Bのようにイメージセンサ35の背面側のみに構成されてもよいし、図5Cのようにイメージセンサ35の背面側および側面側の両方に構成されてもよい。また、パッケージ85は、イメージセンサ35およびセンサカバーガラス59を一体にパッケージングしてもよい。以上より、遮蔽部83は、イメージセンサ35の内部に設けられた基板層35b、イメージセンサ35の電子回路が設けられた基板67またはイメージセンサ35のパッケージ85などのうち、少なくとも1つまたは複数の組合せによって構成することができる。
また、内視鏡11は、遮蔽部83が、イメージセンサ35の内部、イメージセンサ35の電子回路が設けられた基板67、およびイメージセンサ35のパッケージ85のうち1つまたは複数に設けられる。
このように、実施の形態1に係る変形例のように、内視鏡11は、イメージセンサ35内部、イメージセンサ35の基板67およびイメージセンサ35のパッケージ85のうち1つまたは複数に、遮光性かつ絶縁性を有する遮蔽部83を有してもよい。これらのイメージセンサ35の内部、基板67、パッケージ85は、上記の金属酸窒化物粒子を樹脂媒体71に分散した構成、或いはカーボンブラック87を分散した遮光性粒子分散硬化膜を絶縁性硬化膜で挟んだ構成とすることができる。また、基板67とパッケージ85は、併用してもよい。イメージセンサ35は、基板67の中央部に撮像面を形成し、撮像面の周囲に枠状の非撮像面を囲んで構成してもよい。この場合、センサカバーガラス59の側面を包囲した枠状のパッケージ85を、非撮像面に接着することができる。これにより、裏面およびセンサカバーガラス59の側面からの洩れ光の入射を確実に遮蔽することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る内視鏡について説明する。
図6は、実施の形態2に係る要部断面図である。ここでいう要部とは、例えば、内視鏡11の撮像ユニットを構成するイメージセンサ35の背面、側面あるいはその両方を取り囲む範囲を示し、以降の実施の形態においても同様である。なお、実施の形態2に係る内視鏡と実施の形態1に係る内視鏡11とにおいて共通する構成については同一の符号を付与して説明を簡略化または省略し、異なる内容について説明する。
実施の形態2に係る撮像ユニット89では、ホルダ39の内方に、被写体側から対物カバーガラス43、絞り51、第1レンズ91、スペーサ93、第2レンズ95、第3レンズ97、第4レンズ99、バンドカットフィルタの蒸着されたフィルタ蒸着ガラス101、センサカバーガラス59、イメージセンサ35、遮蔽部103の順にそれぞれの部位が一体的に固定して配置される。
実施の形態2に係る遮蔽部103は、平面状に形成される。なお、撮像ユニット89は、対物カバーガラス43からセンサカバーガラス59までの光学系が、実施の形態1と同一構成であってもよい。また、遮蔽部103の材料は、実施の形態の遮蔽部65と同一材料である。
遮蔽部103は、樹脂媒体71の中に、遮光性を有する遮光性粉体69(金属酸窒化物粒子の一例)を含んで形成される。
金属酸窒化物粒子としては、例えば、三菱マテリアル株式会社製のチタンブラック「13M-C」、「13M-T」を用いることができる。
「13M-C」は、遮光性を有する。「13M-C」は、例えば、粒子径(nm)が75、粉末抵抗値(Ω・cm)が2.0、L値(黒色度)が10.9となる。
「13M-T」は、高遮光性を有する。「13M-T」は、例えば、粒子径(nm)が67、粉末抵抗値(Ω・cm)が1.0、L値(黒色度)が9.5となる。
なお、粉末抵抗値は、プレス機により、粉末に2.0MPa加圧した時の比抵抗値である。また、L値は、黒色度の指標(明度)であり、値が低い程、黒色度が高い。
チタンブラックは、粒径20~75pm粒子において、lμm厚塗膜(90wt%)で、1*1013(Ω/□)となる。*(アスタリスク)は乗算の演算子である。
一方、カーボンブラック87は、1μm厚塗膜(58.8wt%)で、1*107(Ω/□)となる。チタンブラックは、カーボンブラック87に対して7桁以上の表面低効率の差がある。このことから、チタンブラックは、絶縁性のフィラーを充填した遮光膜として有効となる。
このように、例えば、三菱マテリアル株式会社のチタンブラック(「13M-C」、「13M-T」)を用いることにより、カーボンブラック87に比べて、絶縁性が高く、さらに遮光性もほぼ同等(ただし、IR帯においてはカーボンブラック87より遮光性が高い)の遮蔽部103が得られる。
また、遮蔽部103は、樹脂媒体71の中に遮光性粒子を分散してイメージセンサ35の側面を覆う側面遮蔽部105を有する。側面遮蔽部105は、樹脂媒体71の屈折率が、イメージセンサ35の撮像面に設けられるセンサカバーガラス59の屈折率よりも大きく設定される。
次に、実施の形態2に係る内視鏡11の作用を説明する。
内視鏡11では、遮蔽部103は、遮光性を有する金属酸窒化物粒子を含む樹脂媒体71により形成される。
この内視鏡11では、遮蔽部103が、遮光性粉体69(金属酸窒化物粒子の一例)を、樹脂媒体71(例えば、ビヒクル樹脂)に分散した塗料で形成される。遮光性粉体69には、絶縁体である金属酸窒化物(例えば、チタンブラック、低次酸化チタン、酸窒化チタン、窒化鉄、酸化鉄等)の粒子が用いられる。ビヒクル樹脂には、例えば、エポキシ・アクリル・シリコーン樹脂が用いられる。金属酸窒化物粒子は、酸窒化チタン系黒色ナノ粒子となる。金属酸窒化物粒子は、高い黒色度と着色力を有し、高遮光膜の設計が容易となる。金属酸窒化物粒子は、樹脂媒体71に添加の際、絶縁および高抵抗性を保持(ただし、粒子自体は半導電性)する。これにより、導通を嫌う樹脂媒体71への黒着色、遮光性を付与できる。
また、遮蔽部103は、樹脂媒体71の中に遮光性粒子を分散してイメージセンサ35の側面を覆う側面遮蔽部105を有し、側面遮蔽部105における樹脂媒体71の屈折率が、イメージセンサ35の撮像面に設けられるセンサカバーガラス59の屈折率よりも大きい。
この内視鏡11では、遮蔽部103が、イメージセンサ35の側面を覆う側面遮蔽部105を有する。側面遮蔽部105は、イメージセンサ35の基板67に貼着されたセンサカバーガラス59の側面を覆う。また、側面遮蔽部105は、センサカバーガラス59の前面に、バンドカットフィルタがさらに貼着される場合には、このバンドカットフィルタの側面も覆う。
内視鏡11は、イメージセンサ35の直前に添付されるセンサカバーガラス59の側面からも、迷光が入射する可能性がある。また、内視鏡11では、対物カバーガラス43、レンズ53、バンドカットフィルタ等の各光学面で反射した迷光が、センサカバーガラス59の側面で全反射して、迷光となって撮像面に入る可能性があった。
そこで、実施の形態2に係る内視鏡11では、センサカバーガラス59よりも屈折率の高いビヒクル樹脂を用いた側面遮蔽部105で、センサカバーガラス59の側面を覆うことにより、遮蔽効果によりセンサカバーガラス59の側面から入射する迷光を抑制できる。また、内視鏡は、各光学面で反射した迷光がセンサカバーガラス59の側面で全反射することを抑制できる。即ち、側面遮蔽部105は、各光学面で反射した少なくとも一部の迷光を、センサカバーガラス59の側面で吸収できる。これにより、内視鏡は、側面から入射した迷光、もしくは側面で全反射した迷光が撮像面に入ることにより生じる撮像画像のゴーストを低減できる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る内視鏡について説明する。
図7は、実施の形態3に係る要部断面図である。実施の形態3に係る内視鏡と実施の形態1に係る内視鏡11とにおいて共通する構成については同一の符号を付与して説明を簡略化または省略し、異なる内容について説明する。
実施の形態3に係る撮像ユニット107では、イメージセンサ35の裏面が遮蔽部109で覆われる。遮蔽部109は、イメージセンサ35側から、絶縁性硬化膜111、遮光性粒子分散硬化膜113を順に積層して形成される。遮蔽部109は、絶縁性樹脂で、裏面に下塗りを施した後に、遮光性はあるが絶縁性に劣る粒子(カーボンブラック87等)を分散した樹脂で、上記と同様に、センサ後方の伝送ケーブル33を覆うように、立体形状で塗布して形成することができる。
イメージセンサ35とカーボン分散層の間は、絶縁層を有する。絶縁層には、フィラーレスもしくは、非導電性フィラーが分散される。カーボンブラック87は、添加量に比例して遮光性は高まる。カーボンブラック87は、1wt%添加時に95%の遮光性能を得るためには45μmの膜厚が必要となる。カーボンブラック87は、添加量1wt%では絶縁性能が劣化しない。これに対し、カーボンブラック87は、5wt%では無添加の状態と比べ1/1000程度に絶縁性能が低下する。1wt%では無添加の状態とほぼ同等の性能を有する。このことから、カーボンブラック87は、絶縁性能の観点から1wt%での添加とすることが望ましい。
次に、実施の形態3に係る内視鏡11の作用を説明する。
内視鏡11では、遮蔽部109は、イメージセンサ35側から、絶縁性硬化膜111、遮光性粒子分散硬化膜113が順に積層されて形成される。
この内視鏡11では、遮光性粉体69に、カーボンブラック87(導電性)が用いられる。カーボンブラック87は、樹脂媒体71に分散されて遮光性粒子分散硬化膜113を形成する。カーボンブラック87は、樹脂媒体71に対する体積比率が74.05%未満である。遮蔽部65は、イメージセンサ35の裏面と遮光性粒子分散硬化膜113との間に、絶縁性硬化膜111を有する。さらに、遮蔽部109は、遮光性粒子分散硬化膜113を挟み絶縁性硬化膜111の反対側にも絶縁性硬化膜111を有する。つまり、遮蔽部109は、遮光性粒子分散硬化膜113の表裏が絶縁性硬化膜111に挟まれて構成される。なお、遮蔽部109は、遮光性粒子分散硬化膜113の背部の絶縁性硬化膜111が省略されてもよい。絶縁性硬化膜111は、フィラーレスであっても、非導電性フィラーが分散されていてもよい。この遮蔽部109によれば、入手の容易なカーボンブラック87を用いて安価に形成できる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4に係る内視鏡11について説明する。
図8は、実施の形態4に係る要部断面図である。なお、図8には、撮像ユニット115の要部断面図とともに、遮光層123をイメージセンサ35側から見た要部正面図をともに示す。実施の形態3に係る内視鏡と実施の形態1に係る内視鏡11とにおいて共通する構成については同一の符号を付与して説明を簡略化または省略し、異なる内容について説明する。
実施の形態4に係る撮像ユニット115は、イメージセンサ35の裏面が遮蔽部109で覆われる。内視鏡11は、遮蔽部117が、多層構造の可撓基板119の中に、イメージセンサ35の裏面から、絶縁層121、金属箔からなる遮光層123、封止用絶縁層125を順に積層して形成される。
また、遮光層123は、ホールパターン127を有する絶縁層121を貫通して、可撓基板119上に配置される接地端子(つまり、グランド端子)との間で電気的に導通する。
ここで、多層構造の可撓基板119において、金属箔からなる遮光層123は、一般的に金属ベタ塗り層として形成できる。ところが、単なるベタ塗り層は、箔折れ(つまり、クラック)が発生しやすい。一方、クラックを抑制できるメッシュ層は、光漏れが生じやすい。そこで、可撓基板119では、図8あるいは図9に示すように、遮光層123が、メッシュ層126と、リジッドな(つまり、ベタ塗りされた)金属層128との複合構造を有する。リジッドな金属層128は、四角形に形成されたメッシュ層126の中央部で、イメージセンサ35の受光面(言い換えると、撮像面)の投影領域にほぼ一致させ、メッシュ上に上塗りされて形成される。これにより、遮光層123は、遮光性および導電性を備えつつ、クラックが生じにくい靱性を備えて形成される。
次に、実施の形態4に係る内視鏡11の作用を説明する。
内視鏡11では、遮蔽部117は、イメージセンサ35の受光面の反対側(例えば、イメージセンサ35の裏面)から、絶縁層121、金属箔からなる遮光層123、封止用絶縁層125が順に積層された多層構造の可撓基板119により形成される。
この内視鏡11では、遮蔽部117が、多層構造の可撓基板119により形成される。可撓基板119は、可撓性を有する。可撓基板119は、イメージセンサ35の略投影面積範囲内に配置される。可撓基板119としては、FPC(フレキシブル・プリント・配線板)等を用いることができる。FPCは、一般的にポリエチレンテレフタレート(PET)からなる絶縁フィルム(絶縁層121)の上に、箔状の導電材を印刷等して配線パターンを形成し、さらに回路保護部材としてカバーレイ(封止用絶縁層125)をその上に積層して製造される。遮蔽部117として用いるFPCは、配線パターンを形成する領域の全面を、金属箔からなる遮光層123で形成する。このように構成した多層構造の可撓基板119は、絶縁層121を絶縁樹脂接着層により裏面に接着する。従って、イメージセンサ35の裏面は、絶縁樹脂接着層、遮光用の金属箔、封止用絶縁層125を積層した遮蔽部117で覆われる。
この可撓基板119により遮蔽部117を形成する構造では、可撓基板119を別工程で形成することができる。これにより、イメージセンサ35の裏面に、可撓基板119を貼着するのみの容易な製造工程で遮蔽部117を形成できる。
また、内視鏡11では、遮光層123は、ホールパターン127を有する絶縁層121を貫通して、可撓基板119上に配置される接地端子(つまり、グランド端子)との間で電気的に導通する。
この内視鏡11では、遮蔽部117が、金属箔を有する可撓基板119である場合、絶縁層121にホールパターン127が形成される。ホールパターン127は、絶縁層121を貫通して金属箔を、可撓基板119上の接地端子に導通する。つまり、可撓基板119は、金属箔が接地される。これにより、表裏が絶縁された中立電位の金属箔が帯電することを防止できる。
また、金属箔は、接地されることにより、イメージセンサ35を静電気から遮蔽することもできる。挿入先端にイメージセンサ35を設けた内視鏡は、先端を小型化しつつ、イメージセンサ35が静電気で破壊されないようにする静電気対策が必要となる。内視鏡11は、静電気対策として、イメージセンサ35が、円筒状に形成した金属製のホルダ39の内方に収容されて覆われる。ホルダ39は、先端開口にレンズ53が配置され、後端開口にイメージセンサ35の裏面が配置される。イメージセンサ35の裏面には、伝送ケーブル33が接続され、この伝送ケーブル33は、ホルダ39の後端開口から後方へ導出される。つまり、イメージセンサ35を覆うホルダ39は、後端開口が静電気の飛来から無防備となる。このような構成において、金属箔を備える遮蔽部117は、ホルダ39の後端開口に配置したイメージセンサ35の基板67を、金属箔にて覆うことができる。即ち、遮蔽部117である可撓基板119の金属箔は、遮光および絶縁性を確保しながら、ホルダ39の後端開口からイメージセンサ35の基板67へ飛来する静電気も遮蔽することができるようになる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5に係る内視鏡11について説明する。
図9は、実施の形態5に係る要部断面図である。なお、図9には、撮像ユニット129の要部断面図とともに、遮光層123をイメージセンサ35側から見た要部正面図をともに示す。実施の形態5に係る内視鏡と実施の形態1に係る内視鏡11とにおいて共通する構成については同一の符号を付与して説明を簡略化または省略し、異なる内容について説明する。
実施の形態5に係る撮像ユニット129は、イメージセンサ35の裏面が遮蔽部131で覆われる。内視鏡11は、遮蔽部131の遮光層123が、レンズ53およびイメージセンサ35を内方に収容して覆う金属材料からなる筒状のホルダ39に導通して接地する。また、遮光層123は、ホルダ39が金属製の筐体40に電気的に接続されて保持される構造では、ホルダ39を介して筐体40に導通して接地される。
次に、実施の形態5に係る内視鏡11の作用を説明する。
内視鏡11では、遮光層123は、レンズ53およびイメージセンサ35を内方に収容して覆う金属材料からなる筒状のホルダ39に、もしくは筒状のホルダを保持する筐体40に導通して接地する。
この内視鏡11では、イメージセンサ35が、静電気対策として、円筒状に形成した金属製のホルダ39の内方に収容されて覆われる。ホルダ39の後端開口には、イメージセンサ35の裏面が配置される。上記のように、金属箔を備える遮蔽部131は、ホルダ39の後端開口に配置したイメージセンサ35の基板67を、金属箔にて覆うことができる。この金属箔は、ホルダ39に、もしくは筒状のホルダを保持する筐体40に導通して接地される。
内視鏡は、最大外径1.0mm程度で、1.5m程度の挿入長を有する。細径の内視鏡は、挿入時に途中で座屈しないための押し込み性(プッシャビリティ)が必要となる。このため内視鏡には、剛性により押込み性を向上させるための金属ワイヤ(図示略)が、ホルダ39に接続される。金属ワイヤは、伝送ケーブル33に沿って通されて外部の接地回路に接続される。従って、遮蔽部131の金属箔は、ホルダ39、金属ワイヤを介して外部の接地回路に接続される。この内視鏡11では、例えば、0.5mm角の基板67にホールパターン127を形成する必要がなく、金属箔を容易に接地することができる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。