JP7373129B2 - 形成方法、及び耐火性を有する一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物 - Google Patents
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Description
本発明に係る形成方法は、耐火性を有する一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物と、建築部材、電気・電子部材等の部材とを用いて構成される耐火構造体を形成する方法である。具体的には、不燃性又は難燃性の部材と、耐火性を有する一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物とを用いて耐火構造体を形成する耐火構造体の形成方法である。
耐火構造体として、小型携帯電子機器の不定型ガスケット(Cured In Place Gasket(CIPG))に耐火性を有する部材を用いた構造体が挙げられる。例えば、小型携帯電子機器が、難燃性の一のハウジング部材と、難燃性の他のハウジング部材とを互いに接合させて構成されるとする。この場合、耐火構造体は、耐火性を有する一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物を準備する工程と、この一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物を未硬化の状態で小型携帯電子機器の一のハウジング部材のシールすべき箇所に塗布する工程と、他のハウジング部材の一のハウジング部材と接合される箇所を一のハウジング部材のシールすべき箇所に対向させ、圧着させる工程と、未硬化の一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物を硬化させる工程とを経て製造される。
耐火構造体として、耐火性を有する部材でコーンスピーカーのリード線を被覆した構造体が挙げられる。一例として、コーンスピーカーは、コイルボビン、ボイスコイル、リード線、錦糸線、コーン、及びエッジ部を備えて構成される。コイルボビンは円筒形状を有し、その外壁にボイスコイルが巻回されている。ボイスコイルは、所定の間隙をもってリング状のマグネットと対向している。コーンは振動板として機能し、コーンのエッジ部を介して端部がフレームに固定される。また、コーンには錦糸線が取り付けられる。錦糸線の一端はコーン上でリード線と接続されると共に、錦糸線の他端は外部端子に接続される。外部端子にはアンプ等からスピーカケーブルを介して電気信号が供給される。この場合において、コーン上のリード線及び/又は錦糸線を、耐火性を有する一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物を用いて被覆し、硬化させることによって耐火構造体としてのコーンスピーカーが製造される。これにより、ボイスコイルの発熱によりガスが発生し、当該ガスが発火したとしても、リード線等に延焼することが抑制される。
本発明の一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物は、被着体に塗布後、素早く硬化し、硬化後は耐熱性を発揮すると共に耐火性能(つまり、形状維持性能)を発揮する組成物である。すなわち、耐火性を有する一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物は、湿気硬化して耐熱性を発揮する(A)湿気硬化性基を有する有機重合体と、加熱硬化して高耐熱樹脂になり、耐火性を発揮する(B)高温熱硬化型難燃性樹脂と、燃焼により熱膨張する(C)熱膨張剤と、(D)難燃剤とを含有する。より具体的に、耐火性を有する一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物は、(A)湿気硬化性基を有する固体状の有機重合体と、(B)熱硬化温度が180℃以上の高温熱硬化型難燃性樹脂と、(C)熱膨張温度が180℃以上の熱膨張剤と、(D)難燃化反応が発生する温度が180℃以上の難燃剤とを含有する。耐火性を有する一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物は、接着性を付与する(E)アミノシランを更に含むこともできる。なお、「熱膨張温度」とは、熱膨張剤が膨張する時の温度である。
(A)湿気硬化性基を有する有機重合体(以下、「(A)成分」と称する場合がある。)は、湿気硬化性基を有し、常温で固体状の有機重合体である。湿気硬化性基としてはイソシアネート基、及び架橋性ケイ素基等が挙げられる。
(A)成分としての架橋性ケイ素基を有し、ガラス転移温度が-20℃以上50℃以下であるアクリル酸エステル重合体(以下、「架橋性ケイ素基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体」と称する場合がある。)における架橋性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基や加水分解性基を有し、シラノール縮合反応により架橋することができる基である。架橋性ケイ素基としては、式(1)で表される架橋性ケイ素基が挙げられる。
(1)架橋性ケイ素基を有する不飽和化合物を共重合する。
(2)架橋性ケイ素基を有する開始剤や連鎖移動剤を用いて重合する。
(3)水酸基等の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体にエポキシシラン等のその官能基と反応し得る他の官能基と架橋性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
架橋性ケイ素基を有する不飽和化合物としては架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルやビニルシランが好ましい。そのような化合物の例としては、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ-(メタ)アクリロキシプロピルアルコキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルアルコキシシラン等が挙げられる。これらの中では架橋性ケイ素基を有するアルキル基の炭素数10以下、好ましくは3以下の置換アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。架橋性ケイ素基を有する不飽和化合物の使用量は(A)成分の重合体一分子あたりの架橋性ケイ素基が平均して1.1~5個、好ましくは1.1~3個含まれる量にすることがよい。
架橋性ケイ素基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体は-20℃以上50℃以下のガラス転移温度(以下、「Tg」ともいう)を有する。-10℃以上40℃以下のガラス転移温度が好ましく、-10℃以上30℃以下のガラス転移温度が更に好ましい。ガラス転移温度が-20℃未満であると接着直後の接着強度が劣る傾向にある。また、ガラス転移温度が50℃を超えると溶融粘度が高くなり、一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物の被着体への塗布が困難になる傾向にある。ガラス転移温度は単量体成分の種類や量からFox式を用いて容易に推定できる。
重合法としてはラジカル重合方法を用いることができる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の熱重合開始剤を用いる通常の溶液重合方法や塊状重合方法を用いることができる。また、光重合開始剤を用い、光又は放射線を照射して重合する方法も用いることができる。ラジカル共重合においては、分子量を調節するために、例えば、ラウリルメルカプタンや3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の連鎖移動剤を用いてもよい。熱重合開始剤を用いる通常のラジカル重合方法を用いることができ、そのような方法で容易に本発明に係る(A)成分の重合体を得ることができる。なお、特開2000-086998公報に記載されているリビングラジカル重合法等、他の重合方法を用いることもできる。
上記した(A)成分の重合体に用いる好ましい単量体は、(A)成分の重合体中に50質量%以上、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、更には95質量%以上になるように用いることが望ましい。特に、メチルメタクリレートとブチルアクリレートとのようなアルキル基の炭素数2~30の置換基を有しないアクリル酸アルキルエステルを上記のような量で用いることが望ましい。また、(A)成分の重合体に用いる単量体としてマクロモノマーを用いることもできるが、用いる場合はマクロモノマーの量が(A)成分の重合体中に10質量%以下、更には5質量%以下、特には3質量%以下になるように用いることが好ましい。
耐火性を有する反応性ホットメルトに(B)高温熱硬化型難燃性樹脂(以下、「(B)成分」と称する場合がある。)を配合することにより、硬化物が炎に曝された時、180℃以上で熱硬化して、硬化物が溶融し、ドリップすることや流出することを防止すると共に、優れた耐火性を有する炭化層を形成する。(メタ)アクリル酸エステル重合体は180℃等の高温条件下で耐火層を形成する前に溶融ドリップするので、一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物に本発明に係る(B)成分を含有させることが要求される。これにより、延焼時のような高温条件下においても耐溶融ドリップ性、及び炭化被覆層形成により耐火構造体の気密性を保持することができる。なお、熱硬化温度とは硬化開始時の温度をいう。
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する樹脂は約210℃で開環重合するので、ドリップ温度(240℃~265℃)に達する前に被覆層を形成させ、焼結させることができる。
フェノール樹脂としては、ノボラック樹脂を用いることができる。ノボラック樹脂としてはフェノールノボラック樹脂やビスフェノールノボラック樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂等が挙げられる。フェノール樹脂は(C)熱膨張剤と反応し、耐久構造の硬化物になる成分である、なお、レゾール樹脂は単独でも硬化可能であり、ポットライフ(120℃)を短くするので好ましくない。
本発明の(C)熱膨張剤は、使用時の温度(50℃以上、若しくは80℃以上150℃以下)では発泡せず、一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物の硬化物が炎に曝された時において、180℃以上の温度で発泡し、耐火断熱層を形成する化合物である。(C)熱膨張剤には、固体状の化合物、及び液体状の化合物が存在する。使用温度が高温である一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物においては、使用時の温度(50℃以上、若しくは80℃以上150℃以下)での蒸気圧が低く、有害な気体の発生が少ない常温(23℃)で固体状の化合物を(C)熱膨張剤として用いることが好ましい。(C)熱膨張剤(以下、「(C)成分」と称する場合がある。)としては、本発明の一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物を膨張させ得る粒子であれば特に制限なく用いることができる。(C)成分としては、例えば、熱膨張性黒鉛、亜リン酸アルミニウム、未膨張バルーン、未膨張バーミキュライト、未膨張パーライト等が挙げられる。熱膨張性黒鉛、亜リン酸アルミニウム、未膨張バルーンが好ましく、熱膨張性黒鉛、亜リン酸アルミニウムが更に好ましい。(C)成分は、一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物の燃焼により隙間が生じた場合、熱膨張して当該隙間を充填することで形状維持する機能(耐火機能)を発揮する。
熱膨張性黒鉛は加熱時に膨張する従来公知の物質であり、200℃~220℃に加熱することで膨張を開始する。その膨張倍率は特に制限はないが、10倍~600倍が好ましく、50倍~500倍であることがより好ましく、100倍~300倍であることが更に好ましい。膨張倍率が10倍以上の膨張黒鉛を用いることにより、得られる組成物の耐火性が向上する。また、膨張倍率が600倍以下の膨張黒鉛を用いることにより、硬化物が炎に曝された時に壊れにくい発砲断熱層が形成される。
未膨張バルーンは、加熱時に膨張する従来公知の物質であり、180℃~300℃に加熱することで膨張を開始する。未発泡状態を100%とした場合の発泡率は好ましくは150~2000%であり、より好ましくは300~1500%であり、更に好ましくは700~800%である。前記発泡率が150%以上の未膨張バルーンを用いることにより、得られる組成物の耐火性が向上する。また、2000%以下の未膨張バルーンを用いることにより、硬化物が炎に曝された時に壊れにくい発砲断熱層が形成される。
亜リン酸アルミニウムは、リン、アルミニウムからなる難水溶性の結晶性白色微粉末である。亜リン酸アルミニウムは、380℃~480℃で分解、発泡する。加熱するとメタリン酸アルミニウム[Al(PO3)3]と、オルソリン酸アルミニウム[AlPO4]に変化し、体積が加熱前の約30~40倍である発泡性多孔体を形成する。
本発明の難燃剤は、使用時の温度(50℃以上、若しくは80℃以上150℃以下)では難燃化反応が起こり難く、難燃化反応による悪影響が少ない難燃剤である。また、本発明の難燃剤は、ポットライフを実用的には短くせず、一液常温湿気硬化型反応性ホットメルトの硬化物が炎に曝された時に難燃化反応機構により難燃化する難燃剤である。
ここで、(D)成分による難燃化反応の機構(難燃化機構)を説明する。難燃剤の難燃化機構は難燃剤の種類により、その難燃化の機構が異なる。代表的な難燃剤の種類による難燃化反応の機構を下記に示す。
(1)ハロゲン化合物、及びハロゲン化合物と三酸化アンチモンによる難燃化反応の機構
ハロゲン元素を含有する化合物が燃焼すると、燃焼時にガス化し、下記(a)のように活性なOHラジカルをトラップする。これにより、活性なOHラジカルのトラップ効果による活性OHラジカルの安定化が進行する。また、脱水素により炭化し(脱水素炭化効果)、生成するハロゲン化水素が不燃性であることから酸素遮断効果も発揮されることで、難燃化が進行する。
・X+RH→HX+R・ (R:アルキル基)
5SbOX→Sb4O5X2+SbX3
4Sb4O5X2→5Sb3O4X+SbX3
3Sb3O4X→4Sb2O3+SbX3
下記(c)のように、リン酸によるラジカルトラップ効果により活性なOHラジカルの安定化が進行することで、難燃化が進行する。
H+PO→HPO
H+HPO→H2+PO
・OH+PO→HPO+O
水和金属化物を燃焼させると、燃焼時に脱水の吸熱反応による冷却効果と、生成した水による気相中の燃焼ガスの希釈効果と、生成した酸化物と生成したカーボンチャーとの断熱効果とが発揮される。これらの効果により、難燃化が進行する。以下には例として、水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの反応式を示す。
Mg(OH)2→MgO+H2O (約340℃)
固相においては、カーボンチャー(炭化層)及びカーボンチャーと無機断熱層の生成促進効果と安定化効果とにより難燃化が進行する。ここで、有機化合物が熱分解する場合、酸素が十分に存在していれば、有機化合物中の炭素はCOやCO2になる。しかしながら、酸素が不足する場合は炭化した固体が生成され、これが断熱層としての炭化層を構成することになる。
上記気相における難燃化反応の機構と固相における難燃化反応の機構とを併用することで、相乗効果が得られる。例えば、リンとハロゲンとの相乗効果が挙げられる。すなわち、気相で効果のあるハロゲンと固相で効果のあるリンとを併用することで、優れた難燃化の効果が発揮される。すなわち、ハロゲン化リンとオキシハライドとが生成することで、ラジカルトラップ効果が発揮され、難燃化が進行する。
金属水酸化物の添加量は、(A)成分及び(B)成分の合計100重量部に対して、硬化物性及び使用時の塗布性能と炎に曝された時の難燃性のバランスを取る観点から、100重量部未満が好ましく、80重量部未満が更に好ましく、60重量部未満が最も好ましい。良好な難燃性を発揮する観点から10重量部以上が好ましく、20重量部以上が更に好ましく、30重量部以上が最も好ましい。
ホスファゼン系難燃剤は、リン酸エステル系難燃剤と比較して難燃剤の添加による樹脂組成物の耐熱性の低下を抑制できることから、効果的なリン系難燃剤として用いられる。ホスファゼン系難燃剤は、分子中に-P=N-結合を有する有機化合物であり、ホスファゼン系難燃剤としては、好ましくは下記一般式(4)で表される環状ホスファゼン化合物、下記一般式(5)で表される鎖状ホスファゼン化合物、下記一般式(4)及び下記一般式(5)からなる群より選択される少なくとも一種のホスファゼン化合物が架橋基によって架橋されて形成される架橋ホスファゼン化合物が挙げられる。架橋ホスファゼン化合物としては、下記一般式(6)で表される架橋基によって架橋されて形成される化合物が難燃性の点から好ましい。
架橋性ケイ素基とアミノ基とを有する化合物(すなわち、(E)アミノシラン。以下、「(E)成分」と称する場合もある。)における架橋性ケイ素基は(A)成分の説明と同様に、ケイ素原子に結合した水酸基や加水分解性基を有しシラノール縮合反応により架橋することができる基である。アミノシランは接着性付与剤として用いられ、硬化触媒としても機能し得る。アミノ基としては1~3級のアミノ基を用いることができる。
シラノール縮合触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、チタンテトラアセチルアセトネート等のチタン酸エステル;ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジオクチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫等の有機錫化合物;ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等のジルコニウム化合物;アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等のアルミニウム化合物;バーサチック酸ビスマス等のビスマス化合物;オクチルアミン、キシリレンジアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、1,3-ジアザビシクロ(5,4,6)ウンデセン-7等のアミン系化合物あるいはそれらのカルボン酸塩;ラウリルアミンとオクチル酸錫との反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物と有機錫化合物との反応物及び混合物;過剰のポリアミンと多塩基酸から得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物の反応生成物等の公知のシラノール触媒の1種、又は2種以上を必要に応じて用いればよい。
本発明の一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物には必要に応じて他の添加剤を併用することができる。このような添加剤の例としては、液状高分子化合物、(A)成分を除く架橋性ケイ素基を有する重合体、粘着付与樹脂、アミノシランを除く接着性付与剤、充填剤、希釈剤、安定剤、難燃剤、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、防かび剤等が挙げられる。これらの添加剤は単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
常温で液状の液状高分子化合物は一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物の溶融時の粘度を低下させる効果がある。更に液状高分子化合物は、オープンタイム(貼り合わせ可能時間、一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物の塗布後貼り合わせることができる時間)を長くさせる効果を有する。液状高分子化合物は室温における粘度(B型粘度計)が100Pa・s以下が好ましく、50Pa・s以下が更に好ましく、20Pa・s以下が特に好ましい。また、液状高分子化合物は架橋性ケイ素基を有していてもよい。
(A)成分を除く架橋性ケイ素基を有する重合体であって液状でない重合体の例としては、特開平05-320608号公報に開示された架橋性ケイ素基を有する重合体を挙げることができる。本発明において架橋性ケイ素基を有する重合体としては(A)成分のみで十分である。このため、(A)成分を除く架橋性ケイ素基を有する重合体の含量は、(A)成分100質量部に対し、0~100質量部が好ましく、0~60質量部がより好ましく、0~30質量部が更に好ましい。
粘着付与樹脂としては、例えば、テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン樹脂及びこれを水素添加した水素添加テルペン樹脂、テルペン類をフェノール類と共重合させたテルペン-フェノール樹脂、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、キシレン-フェノール樹脂、シクロペンタジエン-フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、キシレン樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、スチレン共重合体樹脂、スチレン系ブロック共重合体、スチレン系ブロック共重合体の水素添加物、石油樹脂(例えば、C5炭化水素樹脂、C9炭化水素樹脂、C5C9炭化水素共重合樹脂等)、水添石油樹脂、DCPD樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。
アミノシランを除く接着性付与剤としては、例えば、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;ビニルトリメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いることも2種類以上を混合して用いることもできる。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、カーボンブラック、溶融シリカ、沈降性シリカ、けいそう土、白土、カオリン、クレー、タルク、木粉、クルミ殻粉、もみ殻粉、無水ケイ酸、石英粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、アルミナ、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の無機充填剤や、パルプ、木綿チップ等の木質充填剤、粉末ゴム、再生ゴム、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレン等の中空体等の有機充填剤が挙げられる。充填剤は、単独で用いることも2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物が希釈剤を含有することにより、粘度等の物性を調整できる。希釈剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリプロピレングリコールやその誘導体等のポリエーテル類;ビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系オイル等のオイル;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アタクチックポリプロピレン等の合成ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス等が挙げられる。これらの希釈剤は単独で用いることも2種類以上を併用することもできる。
安定剤としては、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。酸化防止剤を用いると硬化物の耐候性、耐熱性を高めることができる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系が例示できるが、特にヒンダードフェノール系が好ましい。光安定剤を用いると硬化物の光酸化劣化を防止できる。光安定剤としては、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が例示できるが、特にヒンダードアミン系が好ましい。紫外線吸収剤を用いると硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、置換トリル系、及び金属キレート系化合物等が例示できるが、特にベンゾトリアゾール系が好ましい。また、フェノール系やヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系光安定剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を併用して用いることが好ましい。
本発明の一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物は、全ての配合成分を予め配合密封保存し、施工後、空気中の湿気により硬化する1成分型として調製することが可能であり、硬化剤として別途、硬化触媒等の成分を配合しておき、当該配合材と重合体組成物とを使用前に混合する2成分型として調製することもできる。
本発明の一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物は、建築、自動車、電気・電子、繊維・皮革・衣料用途・製本等の生産ラインで好適に用いることができる。すなわち、これらの分野で本発明の一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物の硬化物を有する製品を提供できる。また、加温用のハンドガン等を用いることにより、建築現場、DIY等、生産ライン以外においても好適に用いることができる。更に、本発明の一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物は、シーリング材として用いることもできる。特に耐火性が要求される用途に用いることができ、耐火性を有する接着剤、粘着材、コーティング材、ポッティング材等として用いることができる。また、本発明の一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物を有効成分とする耐火性を有するシーリング材と、耐火性を有する壁材とを組合わせて用いることにより、耐火構造体を形成することもできる。そして、耐火性が要求される製品等に本発明の一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物を用いることもできる。
本発明に係る一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物は、湿気硬化して耐熱性を発揮する(A)成分と、加熱硬化して高耐熱樹脂になり、耐火性(形状維持)を発揮する(B)成分と、高温に曝された場合に熱膨張することで燃焼により生じた隙間を充填することで耐火性(形状維持)を発揮する(C)成分と、難燃性を発揮する(D)成分とを含むので、硬化が早く、硬化後に耐熱性を有し、耐火性能を有すると共に貯蔵安定性が良好な効果を奏する。
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管、及び滴下ロートを備えた反応容器に溶媒として酢酸ブチルを仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、及びn-ステアリルアクリレートを仕込んだ。次に2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)の酢酸ブチル溶液を滴下し重合した。滴下終了後、110℃で2時間熟成してから冷却し、樹脂溶液に酢酸ブチルを加えてアクリル系重合体を得た。得られたアクリル系重合体の数平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算分子量)は10,000、ガラス転移温度は5℃であった。
下記式(7)で示すベンゾオキサジン(P-d型、フェノール-ジアミノジフェニルメタン型ベンゾオキサジン、四国化成工業(株)製)
レゾール型フェノール樹脂
((C)成分:熱膨張剤)
FN260SD(未膨張バルーン:松本油脂製薬(株)製)
APA-100(亜リン酸アルミニウム:球状かつ発泡性の亜リン酸アルミニウム、太平化学産業(株)製)
((D)成分:難燃剤)
SPB-100(ホスファゼン:架橋フェノキシホスファゼン化合物、一般式(4)で表される環状フェノキシホスファゼン(一般式(4)のmが3~20の混合物)をp-フェニレン基で架橋した化合物、大塚化学(株)製)
アルモリックスB-325(水酸化アルミニウム:平均粒径27μm、アルモリックス社製)
B103(水酸化アルミニウム:平均粒径7μm、日軽金(株)製)
((E)成分:アミノシラン)
Dynasilane1146(ジアミノシラン含有シランオリゴマー:低揮発性、低粘度(35mPa・s/20℃)、エボニック社製)(エチルトリエトキシシランと3-[N-(2-アミノエチル)アミノ]プロピルトリエトキシシランとの加水分解縮合物、窒素原子の含有量:6質量%)
(シラノール縮合触媒)
ネオスタンU-830(ジオクチル錫ジバーサテート、日東化成製)
表1に示す配合割合で、(A)成分、(B)成分若しくは(B’)成分、(C)成分、(D)成分を120℃中で混合した。その後、(E)成分、及びシラノール縮合触媒を加え、実施例1~5、及び比較例1~5に係る試料をそれぞれ作製した。
作製した実施例1に係る試料を用い、23℃50%RHで1週間養生した試験片(縦10mm×横10mm×厚さ1.5mm)を作製した。この試験片を電気炉(ヤマト科学株式会社製、品番:FO300型)内に載置し、空気中、600℃雰囲気下で30分間燃焼させた。燃焼後、電気炉内を23℃に保ち12時間放置した。その後、試験片の状態を23℃50%RH下にて目視で確認した。形状保持性は以下の基準で判断した。同様にして、実施例2~5、及び比較例1~5についても評価した。
△:燃焼前の試験片の形状を保持しているが一部崩れて膨張した
×:燃焼前の試験片の形状を保持せずに膨張した
作製した実施例1に係る試料を用い、23℃50%RHで1週間養生した試験片(縦127mm×横12.7mm×厚さ1.5mm)を作製した。試験片の上端をクランプに固定して垂直に保持し、下端に20mm炎を10秒間接炎させた。試験片の燃焼が30秒以内で止まったならば、更に20mm炎を10秒間接炎させ、2回目の接炎後の試験片の燃焼時間を測定した。同様にして、実施例2~5、及び比較例1~5についても測定した。
実施例1に係る試料を用い、初期粘度を測定後、密閉した容器内で120℃中に5時間放置し、再度粘度(以下、ポットライフ粘度と言う。)を測定した。ポットライフは以下の基準で評価した。同様にして、実施例2~5、及び比較例1~5についても評価した。
×:増粘率(ポットライフ粘度÷初期粘度)が2.0倍以上
Claims (3)
- 耐火性を有する一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物を用いて耐火構造体を形成する形成方法であって、
前記一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物が、
(A)湿気硬化性基を有する固体状の有機重合体と、
(B)熱硬化温度が180℃以上の高温熱硬化型難燃性樹脂と、
(C)熱膨張温度が180℃以上の熱膨張剤と、
(D)難燃化反応が発生する温度が180℃以上の難燃剤と
を含有し、
前記(B)熱硬化温度が180℃以上の高温熱硬化型難燃性樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂、熱硬化性メラミン樹脂、エポキシ樹脂、又はジヒドロベンゾオキサジン環を有する樹脂のいずれかであり、
前記一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物が、湿気硬化後は80℃未満で形状を保持し、
前記湿気硬化後の前記一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物の使用時の温度が50℃以上であり、
前記一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物を180℃以上にすることで、前記一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物の熱硬化反応、断熱層形成反応、及び難燃化反応を発生させて、2016年6月1日施行の建築基準法施行令第1条第5項及び第6項に規定する準不燃材料及び難燃材料の特性若しくはUL94(Underwriters Laboratories)規格においてHB以上の特性を有する前記耐火構造体を形成する形成方法。 - 不燃性又は難燃性の部材と、前記耐火性を有する一液常温湿気硬化型反応性ホットメルト組成物とを用いて前記耐火構造体を形成する請求項1に記載の形成方法。
- 前記(A)湿気硬化性基を有する固体状の有機重合体のガラス転移温度が、-20℃以上50℃以下である請求項1に記載の形成方法。
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