本発明について以下で詳細に記述する前に、本明細書に記述される特定の方法、プロトコールおよび試薬は変更される可能性があるので、本発明はそれらに限定されないことを理解すべきである。本明細書に使用される用語は、特定の実施形態のみを記述することを目的とし、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになる本発明の範囲を限定しないことも理解されるべきである。別段の規定がない限り、本明細書に使用される技術および科学用語の全ては、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
好ましくは、本明細書に使用される用語は、「生物工学用語の多国語用語集:(IUPAC Recommendations)」、Leuenberger, H.G.W, Nagel, B. and Koelbl, H. eds. (1995)、Helvetica Chimica Acta、CH-4010 Basel、Switzerlandに記載の通り定義される。
いくつかの文書が、本明細書の本文の全体を通じて引用される。本明細書に引用される文書のそれぞれは(特許、特許出願、科学出版物、製造業者の仕様書、説明書、GenBank受託番号配列寄託、等の全てを含む)、前後を問わずその全体を参照により本明細書に組み込む。本明細書における何ものも、本発明が、先行発明によってそのような開示に先行する権利を持たないということの容認と解釈されるべきでない。
定義
本明細書の文脈に使用される用語「タンパク質」とは、二次および三次構造を回復する1つ以上のポリペプチドを含む分子のことを指し、さらにいくつかのポリペプチド、すなわちいくつかのサブユニットで構成されて、四次構造を形成するタンパク質のことを指す。タンパク質は、1つ以上の修飾、好ましくは翻訳後修飾をさらに含んでもよい。これらの修飾は、官能基の付加、化学修飾または構造的変化を含んでもよい。付加的な官能基には、脂質基、アシル基、グリコシド基などがあり得る。アミノ酸の化学修飾は、アルギニンからシトルリンの転換、グルタミンからグルタミン酸またはアスパラギンからアスパラギン酸の転換などでもよい。アミノ酸の構造的変化は、ジスルフィド架橋の形成、タンパク質分解性切断、ラセミ化、タンパク質スプライシングなどでもよい。
本明細書に使用される用語「タンパク質複合体」とは、2つ以上のポリペプチドまたはタンパク質を、好ましくはヘッドトゥーテール、すなわちN末端をC末端もしくはその逆に共有結合的に結びつけることよって作製されるタンパク質コンストラクトのことを指し、元のタンパク質から得られる機能特性を持つ融合タンパク質を得る。本発明によると、用語「複合体」は、融合タンパク質の多量体、例えば二量体、三量体または四量体複合体も包含し、その融合タンパク質を本明細書において「サブユニット」と称する。好ましくは、タンパク質複合体のサブユニットは、非共有結合的に、または例えばジスルフィド結合を介して共有結合的に結合する。
本発明の文脈で言及される用語「C末端」(別名カルボキシル末端、カルボキシ末端、C末端尾部、C末端終端またはCOOH末端)は、アミノ酸鎖(タンパク質またはポリペプチド)の終端であり、遊離カルボキシル基(-COOH)によって停止される。タンパク質は、メッセンジャーRNAから翻訳される際、N末端からC末端に作製される。用語「N末端」(別名アミノ末端、NH2末端、N末端終端またはアミン末端)とは、遊離アミン基(-NH2)を持つアミノ酸によって停止されるタンパク質またはポリペプチドの出発点のことを指す。ペプチド配列を書く慣例は、左にN末端を置き、N末端からC末端へ配列を書くことになっている。
本発明の文脈において「ペプチドリンカー」とは、複合体の2つのパーツもしくは部分、例えば2つのペプチドまたはタンパク質を立体的に分離するアミノ酸配列のことを指す。一般に、そのようなリンカーは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30アミノ酸の最小の長さおよび少なくとも100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16もしくは15またはより少ないアミノ酸の最大の長さを有する1~100アミノ酸からなる。本発明によるペプチドリンカーの指示される好ましい最小および最大長は組み合わせられてもよく、そのような組合せが、数学的意義をもたらす場合、例えば、そのようなリンカーは、1~15、6~30、12~40、もしくは25~75もしくは1~100アミノ酸からなり得る。ペプチドリンカーは、共に連結される2つのタンパク質の間の柔軟性も提供し得る。アミノ酸が小さい場合、そのような柔軟性は一般に増大される。したがって、柔軟性があるペプチドリンカーは、小さいアミノ酸、特にグリシンおよび/もしくはアラニンならびに/またはセリン、トレオニン、アスパラギンおよびグルタミンなどの親水性アミノ酸の含有量が増大している。好ましくは、ペプチドリンカーの20%、30%、40%、50%、60%、70%もしくは80%より多く、またはより多くのアミノ酸が、小さいアミノ酸である。
本明細書内で使用される用語「コンセンサス配列」とは、2つ以上の配列の配列整列化において各位置に見出されるヌクレオチドまたはアミノ酸いずれかの最も高頻度の残基の算出された順序のことを指す。それは、関連する配列が互いに比較される複数配列整列化の結果を表し、類似の配列モチーフが算出される。保存配列モチーフは、コンセンサス配列として表され、その配列は、同一アミノ酸、すなわち比較した配列の間で同一のアミノ酸、保存アミノ酸、すなわち比較したアミノ酸配列間で変動するが、全てのアミノ酸が特定の官能または構造基、例えば極性もしくは中性のアミノ酸に属するアミノ酸、および様々なアミノ酸、すなわち比較した配列の間で明らかな関連を示さないアミノ酸を示す。
THDのC末端およびN末端のコンセンサス配列は、それぞれTNF-リガンドファミリーメンバー配列内に位置する配列であり、TNF-リガンドファミリーメンバーの間で特に保存されている。これらの配列は、TNF-リガンドの三量体化および対応する受容体との相互作用に関与するTNF-リガンドファミリーメンバーの部分を正確に記述している。したがって、2つのコンセンサス配列は、所与のTNF-リガンドファミリーメンバー内のC末端およびN末端参照点としての機能を果たし、そのコンセンサス配列は、他のTNF-リガンドファミリーメンバーに存在しない場合がある追加のN末端またはC末端アミノ酸を含んでもよい。したがって、コンセンサス配列を使用することにより、異なるTNF-リガンドファミリーメンバーの、本発明のポリペプチドに存在するTNF-リガンドファミリーメンバーの断片のN末端およびC末端終端と同じ領域を、特定の位置を参照することなく指すことが可能になる。異なるTNF-リガンドファミリーメンバーのN末端コンセンサス配列の前にある異なる長さのN末端アミノ酸が、それぞれのTNF-リガンドファミリーメンバーのTHDの絶対位置から独立しているC末端およびN末端参照点の定義を必要とすることは、当業者にとって直ちに明らかである。
本明細書に使用される用語「重合ドメイン」または「PD」とは、タンパク質もしくはポリペプチド、タンパク質もしくはポリペプチドの断片もしくは部分のことを指し、これらは本発明の2つ以上の同一もしくは異なるタンパク質またはポリペプチド分子(単量体)間の近接性を媒介し、したがって、タンパク質-タンパク質相互作用を可能にし、その相互作用は、非共有結合または共有結合性結合によって結びつけられる2、3、4個それぞれ、もしくは構造的により類似のもしくは異なる単量体の二、三もしくは四量体化を可能にする。重合は、共有結合的または非共有結合的に結合している、タンパク質などの巨大分子2つ以上によって形成される巨大分子複合体の形成をもたらす。
本明細書に使用される用語「TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質のTNF相同ドメイン」または「THD」とは、全ての腫瘍壊死因子(TNF、かつてTNFαまたはTNFアルファとして公知であった)リガンドファミリーメンバーに共有されるタンパク質ドメインのことを指す。相同性は、共通の祖先からの進化系統を意味する。相同ドメインは、所与のタンパク質配列の保存部分であり、残りのタンパク質鎖とはそれぞれ独立に進化し、機能し、存在し得る(3次)構造である。その構造は、特定のタンパク質ファミリーのメンバー全てに共有される構造的な特徴である。各ドメインは、小さい3次元構造を形成し、しばしばそれぞれ独立に安定であり、フォールドされ、生物学的活性に極めて重要であり得る。
本発明の意味においてTHDのC末端は、C末端コンセンサス配列:-S/T/V-F/Y/S-F-G-A/L/V/I-X1(配列番号1)によって定義され、N末端は、2つのN末端コンセンサス配列:X2-V/A/F-A-H-V/L/I/Y(配列番号2)またはX3-V/W/F/C-A/L-E/Y/Q/H-L(配列番号3)のうちの1つによって定義され、X1は、無極性/疎水性または極性/中性アミノ酸であり、好ましくはF、V、Q、A、I、LおよびYからなる群から選択され;X2は、P、K、V、IおよびAからなる群から選択され;X3は、D、S、MおよびIからなる群から選択される。
所与のTNF-リガンドファミリーメンバータンパク質配列に基づいてならびに上で定義されたC末端およびN末端相同配列を使用して、当業者は、所与のTNF-リガンドファミリーメンバータンパク質についてTHDを決定することができる。TNFファミリーのメンバーに共通して、個々のTHDの位置および長さはかなり変動するが、適切なソフトウェアツール(Bodmer et al.、2002)を使用する複数配列整列化によって同定される保存アミノ酸残基の存在によって定義され得る。より重要なことに、結晶構造から、例えば、TNFファミリーリガンドのホモ三量体化に関係するアミノ酸残基間の固有の相互作用が明らかになり得る。この種の情報は、Bodmer et al.、2002に記載の通りTNFスーパーファミリーの所与のメンバーのTHDを改良するのに役立ち得る。
さらに、操作されたタンパク質変異型のタンパク質可溶性または受容体結合および活性化などの生物活性のような機能的態様は、個々のTHDの不可欠なアミノ酸残基または最小の長さに関する重要なヒントを提供し得る。用語THDは、天然に存在するTNF-リガンドファミリーメンバータンパク質配列およびその変異型に基づくポリペプチドを含み、そのポリペプチドはそれぞれのTNF-リガンドファミリーメンバーの受容体に特異的に結合する能力を保持する。好ましくはそのようなTHD変異型は、野生型THDの少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、70%、80%、90%および最も好ましくは少なくとも99%の親和性を有する。
TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質は、例えばプログラム細胞死(アポトーシス)、分化、細胞生存および免疫調節を起こし得る多機能サイトカインの一群を含む。TNFは、例えば腫瘍退縮、炎症、感染性ショックおよび悪液質に関係したサイトカインであり、特異的受容体によって認識される。体内のいくつかの細胞は、TNFの産生が可能であり、単球がTNFの主たる供給源である。19個のタンパク質が、配列、機能および構造的類似性に基づいてTNF-リガンドファミリーの一部として同定されてきた。これらサイトカインの全てが、それらの特異的受容体によって認識されるホモ三量体(またはLT-アルファ/ベータの場合はヘテロ三量体)複合体を形成すると思われる。
以下のタンパク質は、TNFリガンドスーパーファミリー(TNFSF)のメンバーである:TNF、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL;TNFSF10)、アポトーシス誘導サイトカイン;CD40L(TNFSF5=腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー5)、B細胞発生および活性化に重要になると思われるサイトカイン;CD27L(TNFSF7)、共刺激されたT細胞の増殖を誘導し、細胞溶解性T細胞の生成を増強するT細胞活性化に役割を果たすサイトカイン;CD30L(TNFSF8)、T細胞の増殖を誘導するサイトカイン;FasL(TNFSF6)、細胞死に関係する細胞表面タンパク質;4-1BBL(TNFSF9)、T細胞刺激に寄与する誘導可能なT細胞表面分子;OX40L(TNFSF4)、T細胞増殖およびサイトカイン産生を共刺激する細胞表面タンパク質。TNF-リガンドファミリーメンバーのさらなるメンバーは、EDA;LTA(TNFSF1);LTB(TNFSF3);CD153(TNFSF8);RANKL(TNFSF11);TWEAK(TNFSF12);APRIL(TNFSF13);BAFF(TNFSF13B);LIGHT(TNFSF14);VEGI(TNFSF15);GITRL(TNFSF18)を含む。
TNF-リガンドスーパーファミリーメンバーの配列に関するより多くの情報は、例えばGenbankなど公的に利用可能なデータベースから得られてもよい。TNF-リガンドファミリーメンバーは、その同種の受容体と相互作用する、例えばTNFとTNFR1およびTNFR2、TRAILとTRAILR1(DR4)、TRAILR2(DR5)、TRAILR3(DcR1)、TRAILR4(DcR2)およびOPG。リガンドは、オリゴマー形成およびそれぞれの受容体の活性化を媒介する。TNF受容体ファミリーのメンバーとリガンドとの相互作用は、TNFの生物学的に活性な形態であるTNF-リガンドファミリーメンバータンパク質ホモ三量体のTNF-リガンドファミリーメンバータンパク質単量体の3つのうち2つとTNF-リガンドファミリーの他のメンバーの間の空間における受容体の結合によって特徴付けられる。
用語「六量体」または「6価」は、6つのTHDを持つTNF-リガンドファミリーメンバーを定義する。用語「十二量体」または「12価」は、12個のTHDを持つTNF-リガンドファミリーメンバーを定義する。
本明細書の文脈で使用される用語「ペプチド模倣体」とは、抗原を特異的に結合でき、抗体と類似しているが、抗体と構造的に関係のない化合物のことを指す。通常、ペプチド模倣体は、抗原に特異的に結合する曝露されているドメインを1つ、2つまたはより多く含む約3~20kDaのモル量を持つ人工ペプチドまたはタンパク質である。例には、とりわけLACI-D1(リポタンパク質関連凝固阻害因子);アフィリン、例えばヒトγBクリスタリン(crystalline)またはヒトユビキチン;シスタチン;スルホロブスアシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius)由来Sac7D;リポカリンに由来するリポカリンおよびアンチカリン;DARPins(設計されたアンキリン反復ドメイン);FynのSH3ドメイン;プロテアーゼ阻害剤のクニッツドメイン;モノボディ、例えば第10フィブロネクチンIII型ドメイン;アドネクチン:ノッチン(システインノットミニタンパク質);アトリマー;エビボディ、例えばCTLA4に基づく結合剤;アフィボディ、例えばスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)由来プロテインAのZ-ドメインの3重ヘリックスバンドル;トランスボディ、例えばヒトトランスフェリン;テトラネクチン、例えば単量体または三量体ヒトC型レクチンドメイン;ミクロボディ、例えばトリプシン阻害因子II;アフィリン;アルマジロ反復タンパク質がある。核酸および小分子は、(アプタマー)同様に熟慮されたペプチド模倣体である場合もあるが、人工抗体、抗体断片およびこれらから構成される融合タンパク質ではない。抗体に勝る一般的な利点は、より優れた可溶性、組織透過性、熱および酵素に対する安定性ならびに比較的低い生産費用である。
本明細書では、用語「変異型」は、長さもしくは配列における1つ以上の変化によって、それが得られるポリヌクレオチドまたはタンパク質と比較して異なるポリヌクレオチドまたはタンパク質と理解されるべきである。タンパク質または核酸変異型が得られるポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、親もしくは親ポリペプチドもしくはポリヌクレオチドとしても公知である。用語「変異型」は、親分子の「断片」または「誘導体」を含む。一般に、「断片」は、長さまたはサイズにおいて親分子より小さく、「誘導体」は、親分子と比較して配列中に1つ以上の差異を呈する。限定されないが翻訳後修飾タンパク質(例えばグリコシル化、ビオチン化、リン酸化、ユビキチン化、パルミトイル化またはタンパク質分解性切断されたタンパク質)およびメチル化DNAなどの修飾核酸のような修飾分子も包含される。限定されないが、RNA-DNAハイブリッドのような異なる分子の混合物も「変異型」という用語に包含される。一般に、変異型は、好ましくは遺伝子技術的手段によって人工的に構築され、親ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、野生型タンパク質またはポリヌクレオチドである。しかしながら、天然に存在する変異型も、本明細書に使用される用語「変異型」に包含されると理解されるべきである。さらに、本発明に使用可能な変異型は、変異型が親分子の生物学的活性の少なくとも1つを呈する、すなわち機能的に活性があるならば、親分子のホモログ、オルソログもしくはパラログ、または人工的に構築された変異型から得られてもよい。
ヌクレオチドまたはアミノ酸配列における変化は、ヌクレオチドもしくはアミノ酸の交換、挿入、欠失、5’もしくは3’短縮、N末端もしくはC末端短縮、またはこれら変化の任意の組合せであってもよく、その変化は1つまたはいくつかの部位で起こってもよい。好ましい実施形態において、本発明に使用可能な変異型は、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列中に総数で最高200個(最高1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200個)の変化(すなわち交換、挿入、欠失および/または短縮)を呈する。アミノ酸交換は、保存的および/または非保存的でもよい。これとは別にまたは追加的に、本明細書に使用される「変異型」は、それが得られる親ポリペプチドまたは親ポリヌクレオチドに対するある程度の配列同一性によって特徴付けられ得る。より正確には、本発明の文脈においてタンパク質変異型は、その親ポリペプチドに対して少なくとも70%配列同一性を呈する。本発明の文脈においてポリヌクレオチド変異型は、その親ポリヌクレオチドに対して少なくとも70%配列同一性を呈する。好ましくは、タンパク質変異型の配列同一性は、20、30、40、45、50、60、70、80、90、100個またはより多くのアミノ酸の連続的な区間に及ぶ。好ましくは、ポリヌクレオチド変異型の配列同一性は、60、90、120、135、150、180、210、240、270、300個またはより多くのヌクレオチドの連続的な区間に及ぶ。
用語「少なくとも70%配列同一性」は、ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの配列比較に関して本明細書の全体を通じて使用される。この表現は、それぞれの参照ポリペプチド配列またはそれぞれの参照ポリヌクレオチド配列に対する少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性のことを好ましくは指す。
2つの配列が比較され、参照配列が、配列同一性パーセンテージが算出されるべき配列との比較において指定されていない場合、別途特に指示されなければ、配列同一性は、比較しようとする2つの配列のうちより長い方を参照して算出されるべきである。参照配列が指示される場合、別途特に指示されなければ、配列同一性は、配列番号によって具体的に指示される参照配列の完全長に基づいて決定される。例えば、IgG分子のアミノ酸配列と比較して、358アミノ酸からなるペプチド配列は、80.09%(358/447)の最大配列同一性パーセンテージを呈することができ、一方224アミノ酸の長さの配列は、50.11%(224/447)の最大配列同一性パーセンテージを呈することができる。ヌクレオチドおよびアミノ酸配列の類似性、すなわち配列同一性のパーセンテージは、配列整列化によって決定することができる。そのような整列化は、当業者に公知のいくつかのアルゴリズム、好ましくはKarlin and Altschul(Karlin & Altschul(1993)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5877)の数学的アルゴリズム、hmmalign(HMMER package、http://hmmer.wustl.edu/)、または例えばhttp://www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw/もしくはhttp://www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw2/index.html、もしくはhttp://npsa-pbil.ibcp.fr/cgi-bin/npsa_automat.pl?page=/NPSA/npsa_clustalw.html上で入手可能なCLUSTALアルゴリズム(Thompson et al.(1994)Nucleic Acids Res. 22:4673-4680)で実施することができる。使用される好ましいパラメータは、http://www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw/またはhttp://www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw2/index.htmlにおいて設定される初期設定パラメータである。配列同一性の程度(配列一致)は、例えばBLAST、BLATまたはBlastZ(またはBlastX)を使用して算出されてもよい。類似のアルゴリズムが、Altschul et al.(1990)J. Mol. Biol. 215:403-410のBLASTNおよびBLASTPプログラムに組み込まれている。BLASTポリヌクレオチド検索は、BLASTNプログラム、スコア=100、ワード長=12で実行される。BLASTタンパク質検索は、BLASTPプログラム、スコア=50、ワード長=3で実行される。比較目的のギャップあり整列化を得るために、Gapped BLASTが、Altschul et al.(1997)Nucleic Acids Res. 25:3389-3402に記載の通り活用される。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを活用する場合、それぞれのプログラムの初期設定パラメータが使用される。配列一致分析は、Shuffle-LAGAN(Brudno M.(2003b)Bioinformatics 19 Suppl 1:I54-I62)またはマルコフ確率場のような確立されている相同性マッピング技術によって補足されてもよい。配列同一性のパーセンテージが本出願において規定されている場合、別途特に指示されなければ、これらのパーセンテージは、より長い配列の完全長に対して算出される。「ハイブリダイゼーション」は、2つの核酸配列間の配列同一性または相同性の尺度として使用され得る。F、NもしくはM2-1またはこれらのいずれかの部分をコードしている核酸配列は、標準的なハイブリダイゼーション技術によるハイブリダイゼーションプローブとして使用され得る。ハイブリダイゼーション条件は当業技術者に公知であり、例えば、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、N. Y.、6.3.1-6.3.6、1991に見出すことができる。「中等度のハイブリダイゼーション条件」は、2×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中で30℃のハイブリダイゼーション、その後に1×SSC、0.1% SDS中で50℃の洗浄に相当すると定義される。「高度に厳しい条件」は、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中で45℃のハイブリダイゼーション、その後に0.2×SSC、0.1%SDS中で65℃の洗浄に相当すると定義される。
本明細書に使用される用語「核酸」は、生物の公知の形態の全てに必須であるポリマーもしくはオリゴマー巨大分子、または大きい生体分子を含む。DNA(デオキシリボ核酸)およびRNA(リボ核酸)を含めた核酸は、ヌクレオチドとして公知の単量体から作られる。最も天然に存在するDNA分子は、互いの周りに巻きついて二重らせんを形成する2本の相補的バイオポリマー鎖からなる。DNA鎖は、ヌクレオチドからなるポリヌクレオチドとしても公知である。各ヌクレオチドは、含窒素核酸塩基ならびにデオキシリボースまたはリボースと呼ばれる単糖類糖およびリン酸基で構成される。天然に存在する核酸塩基は、グアニン(G)、アデニン(A)、チミン(T)、ウラシル(U)またはシトシン(C)を含む。ヌクレオチドは、あるヌクレオチドの糖と次のヌクレオチドのリン酸の間の共有結合によって鎖内で互いに結びつけられており、糖-リン酸交互の骨格を生じる。糖がデオキシリボースである場合、ポリマーはDNAである。糖がリボースである場合、ポリマーはRNAである。
一般に、ポリヌクレオチドは、個々のヌクレオチド単量体間のホスホジエステル結合によって形成される。本発明の文脈において、用語「核酸」は、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、および例えばRNA-DNAハイブリッド(1つの鎖内)などそれらの混合物、ならびにcDNA、ゲノムDNA、組換えDNA、cRNAおよびmRNAを含むが、これに限定されない。核酸は、遺伝子全体またはその部分からなってもよく、核酸は、miRNA、siRNAまたはpiRNAでもよい。
本明細書に使用される用語「ベクター」は、発現コンストラクトとも呼ばれ、通常は細胞内でのタンパク質発現用に設計されたプラスミドまたはウイルスである。ベクターは、標的細胞に特定の遺伝子を導入するために使用され、細胞の機序を使用してタンパク質合成し、それにより遺伝子にコードされているタンパク質を産生することができる。発現ベクターは、エンハンサーおよびプロモーター領域として作用し、発現ベクターに保有される遺伝子の効果的な転写を導く調節配列を含有するように操作される。うまく設計された発現ベクターの目標は、著しい量の安定なメッセンジャーRNA、したがってタンパク質の産生である。適切なベクターの例には、それだけには限らないが、プラスミド、コスミド、ファージ、ウイルスまたは人工染色体がある。一般的に使用される発現ベクターの例は、pGEX-4T2である。
本出願に使用される用語「医薬組成物」とは、組織状況もしくは疾患の同定、防止もしくは処置に使用される物質および/または物質の組合せのことを指す。医薬組成物は、疾患を防止および/または処置するために患者への投与に適するよう製剤化される。さらに、医薬組成物とは、活性薬剤と不活性または活性担体との組合せのことを指し、治療上の使用に適した組成物にされる。医薬組成物は、化学および物理的特性によって経口、非経口、局所、吸入、直腸、舌下、経皮、皮下または経腟適用経路用として製剤化され得る。医薬組成物は、固形、半固形、液体、経皮治療システム(TTS)を含む。固形組成物は、錠剤、コーティングされた錠剤、散剤、粒剤、ペレット剤、カプセル剤、沸騰錠または経皮治療システムからなる群から選択される。液剤、シロップ剤、注入剤、抽出液、静脈適用用液剤、注入用液剤または本発明の搬送系の液剤からなる群から選択される液体組成物も含まれる。本発明の文脈に使用され得る半固形組成物は、乳剤、懸濁剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、滴剤、口腔錠および坐剤を含む。
用語「活性薬剤」とは、生物学的に活性である、すなわち医薬品の価値をもたらす医薬組成物または製剤中の物質のことを指す。医薬組成物は、1つ以上の活性薬剤を含んでもよく、その薬剤は、互いに組み合わさってまたは独立して作用し得る。活性薬剤は、中性または塩形態として製剤化され得る。薬学的に許容される塩には、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などから得られるような、遊離アミノ基と形成される塩、およびそれだけには限らないがナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインから得られるような、遊離カルボキシ基と形成される塩、等がある。
用語「疾患」および「障害」は、本明細書において互換的に使用され、異常な状態、特に疾病または傷害などの異常な病状のことを指し、細胞、組織、器官または個体は、その機能を効率的に果たすことがもはやできない。必ずしもそうではないが、疾患は、そのような疾患の存在を示す特定の症状または徴候と一般に関連付けられる。そのような症状または徴候の存在は、したがって疾患を患っている細胞、組織、器官もしくは個体の指標となり得る。これらの症状または徴候の変質は、そのような疾患の進行の指標となり得る。疾患の進行は、疾患の「悪化」または「改善」を示し得る症状もしくは徴候の増大もしくは減少によって一般に特徴付けられる。疾患の「悪化」は、細胞、組織、器官または個体/患者がその機能を効率的に果たす能力の減少によって特徴付けられ、一方疾患の「改善」は、細胞、組織、器官または個体/患者がその機能を効率的に果たす能力の増大によって一般に特徴付けられる。
本出願に使用される用語「高増殖性障害」とは、細胞の細胞分裂が、正常組織に対して増大される障害のことを指す。そのような障害は、異常な増殖(産生)、すなわち細胞の過剰産生によって特徴付けられる。高増殖性障害は、腫瘍疾患を含む。腫瘍疾患は、良性または悪性腫瘍を含み得、悪性腫瘍疾患は、がんと呼ばれる。用語高増殖性障害は、がんおよび前癌性障害を含む。がんは、間葉性起源、すなわち結合組織(肉腫)、および上皮組織(癌腫)の増殖性障害を含む。肉腫の一般的な例は、骨肉腫、軟骨性肉腫、脂肪肉腫、平滑筋肉腫、血管肉腫および線維肉腫ならびに消化管の肉腫(GIST)である。癌腫の例は、皮膚、精巣、肝臓、食道、胃、膵臓および結腸などの消化管、鼻咽頭、膀胱、頸部、卵巣、尿道、膀胱;前立腺ならびに他の尿生殖器癌腫、肺、腎臓、甲状腺および下垂体などの内分泌組織、奇形癌、脳の癌腫の癌腫である。血液学系の悪性病変は、リンパ腫または白血病に分類される。炎症は、腫瘍周辺の微環境を統合し、がん細胞の増殖、生存および遊走に寄与し、したがって悪性疾患を潜在的に促進する。
炎症は、原則的には免疫細胞、血管およびたくさんの分子メディエータを含む保護免疫脈管(immunovascular)応答である。炎症の目的は、細胞傷害の初期原因を排除し、壊死細胞ならびに元となる損傷および炎症過程からダメージを受けた組織を消去し、組織修復を開始することである。本発明の文脈に使用される用語「炎症性障害」とは、生理的炎症応答が、身体にとって潜在的に有害な効果に変わる状況のことを指す。正常組織にダメージを引き起こす炎症性障害は、それだけには限らないが自己免疫不全および神経変性疾患を含む。
本発明に使用される用語「神経変性障害」は、ニューロンの死を含めたニューロンの構造および機能の進行性消失を含む障害に関する。神経変性疾患は、神経変性過程の結果として一般に起こる。神経変性疾患は、運動(運動失調)または精神機能化(認知症)の問題を引き起こす。
本発明に使用される用語「感染性疾患」は、ウイルス、ウイロイド、プリオン、細菌、寄生性回虫および蟯虫などの線虫、チック、ダニ、ノミおよびシラミなどの節足動物、白癬などの真菌、ならびに条虫など他の大寄生虫および他の蠕虫を含めた感染因子によって引き起こされる障害に関する。哺乳動物宿主は、炎症に一般に関係する生得的応答によって感染に反応する。疾患は、宿主の保護免疫機序が損なわれ、生物が、宿主にダメージを与える場合に生じ得る。微生物および寄生虫は、様々な毒素または破壊酵素を放出することによって組織ダメージを引き起こし得る。
実施形態
以下の節において、本発明の異なる態様が、より詳細に定義される。そのように定義される各態様は、それとは反対に明らかに指示されない限り、他の任意の態様(単数)または態様(複数)と組み合わせられてもよい。特に、好ましいもしくは有利であると示される任意の特色が、好ましいもしくは有利であると示される他の任意の特色(単数)または特色(複数)と組み合わせられてもよい。本発明に至る働きにおいて、本発明の複合体が、TNFRの活性化に優れた活性を示すことが驚くべきことに示された。
これらの結果に基づいて、本発明は、第1の態様において、同じTNFRの細胞外部分に特異的に結合する12個またはより多く、好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、24、25、26、27、28、29もしくは30個のタンパク質リガンド(PL)を含む腫瘍壊死因子受容体(TNFR)結合タンパク質複合体に関する。好ましくは、TNFR結合タンパク質複合体はTNFR2に特異的に結合する。したがって、TNFR結合タンパク質複合体の全てのPLが、TNFR2に特異的に結合することが好ましい。
本発明者らは、少なくとも12個のPLを含む安定なTNFR結合タンパク質複合体を成功裏に構築した。加えて、本発明者らは、驚いたことに、6個のPLを含む複合体と比較した場合に、12個またはより多くのPLを含む複合体が、特異的結合の増大を示し、それにより6価PLと比較して最大で>10倍高い特定の生物活性を発揮する有効なTNFRアゴニストであることを発見した。
治療的に効果的にするには非常に強力な化合物が必要である。これは、例えば神経変性疾患に特にふさわしいものであり、中枢神経系(CNS)において作用する必要がある神経保護化合物であった。脳および脊髄からの血流を分離する堅固な障壁である血液脳関門は、CNSへの治療薬の輸送を限定する。CNSに運搬される薬物量が限定されるため、ニューロンまたは神経膠細胞に対して直接有益な効果を持つTNFR2アゴニストなどの神経保護化合物は、治療効果を発揮するために非常に強力である必要がある。これは、本発明の複合体によって有望に達成され得る。
前述の通り、活性部位/結合部位は、TNFRおよび対応するTNFリガンドに共通して保存されている。したがって、同じTNFRの細胞外部分に特異的に結合する少なくとも12個のPLを組み合わせる原則が、TNFリガンドファミリーの任意のメンバーに適用されてもよく、それから高いアゴニスト活性を持つ安定なリガンド複合体が得られてもよい。
本発明のTNFR結合タンパク質複合体は、12~30個、好ましくは12~18個、より好ましくは12~15個のPLを含むことが好ましい。本発明のTNFR結合タンパク質複合体は、15個のPLを含むことがより好ましい。本発明のTNFR結合タンパク質複合体は、12個のPLを含むことが特に好ましい。
本発明によるTNFR結合タンパク質複合体のPLは、互いに独立に選択されてもよく;例えば12~30個、好ましくは12~18個のPLは、同じ結合特異性を有する、すなわち同じ標的に結合してもよく、好ましくは同一であり、または異なっていてもよい。そうでない場合、全12~30個、好ましくは12~18個、より好ましくは12~15個のPL、最も好ましい12個のPLは、同じ結合特異性を有し、好ましくは同一であることが特に好ましい。TNFR結合タンパク質複合体が、TNFR2に特異的に結合する場合、その複合体は12~30個、好ましくは12~18個、より好ましくは12~15個のPL有してもよく、最も好ましい12個のPLはTNFR2結合特異性を有し、より好ましくは同一のPLである。
結合特異性がTNFR2に向けられない場合、本発明によるTNFR結合タンパク質複合体は15個より多くのPLを含むことが好ましい。好ましくは15~30個、好ましくは15~24個、より好ましくは15~18個のPL。全てのPLが、同じ結合特異性を有することも好ましく、より好ましくは同一である。
言い換えれば、本発明のTNFR結合タンパク質複合体のPLは、非相同物でもよくまたは相同物でもよい。好ましくは、本発明のTNFR結合複合体のPLは、相同物である。
本発明のTNFR結合タンパク質複合体において、2~6つのPLは、構造:
PL1-L1-PL2-L1-PL3-L1-PL4-L1-PL5-L1-PL6
を持つタンパク質リガンド群(PLG)を形成することがさらに好ましく、PL4~PL6、および/またはL1のいずれかは、存在しないもしくは存在してもよく、好ましくは、PL4~PL6は存在せず、PL1とPL2およびPL2とPL3の間に2つのL1がそれぞれ存在し;各場合においてL1は、ペプチドリンカーをそれぞれ独立に意味する。
3つのPLがPLGを形成することが好ましい。本発明のTNFR結合タンパク質複合体において、3つのPLは、構造:
PL1-L1-PL2-L1-PL3
を持つPLGを形成することが特に好ましい。
本発明のタンパク質複合体のPLの総数が、12個またはより多いという条件下で、本発明のTNFR結合タンパク質複合体は、2~6つのPLGを含み、各PLGが、2~6つのPLを含むことがさらに好ましい。
PLおよび本発明の複合体のリンカーL1は、共有結合によって接続されることが好ましい。
本発明のTNFR結合タンパク質複合体は、4~6つのPLGを含み、各PLGが、3つのPLを含むことがより好ましい。本発明のTNFR結合タンパク質複合体は、4または6つのPLGを含み、各PLGが、3つのPLを含むことがさらにより好ましい。
本発明のTNFR結合複合体において、PLGがペプチドリンカー2(L2)によって互いに連結されてPLG多量体を形成することがさらに好ましい。
本発明のTNFR結合複合体において、2つのPLGがペプチドリンカーL2によって互いに連結されて、構造:
PLG1-L2-PLG2
を形成することが好ましく、好ましくはPLG1およびPLG2は、3つのPLによってそれぞれ形成される。
本発明のTNFR結合複合体において、3つのPLGがペプチドリンカーL2によって互いに連結されて、構造:
PLG1-L2-PLG2-L2-PLG3
を形成することが好ましく、PLG1~PLG3は、3つのPLによってそれぞれ形成される。
本発明のTNFR結合複合体において、4つのPLGがペプチドリンカーL2によって互いに連結されて、構造:
PLG1-L2-PLG2-L2-PLG3-L2-PLG4
を形成することが好ましく、好ましくは、PLG1~PLG4は3つのPLによってそれぞれ形成される。
PLGおよび本発明の複合体のリンカーL2は、共有結合によって接続されることが好ましい。
本発明のTNFR結合タンパク質複合体は、2つ以上の重合ドメイン(PD)をさらに含むことが好ましい。
好ましくは、2、3、4つまたはより多くのPDのそれぞれが、そのN末端および/もしくはC末端を介してPLGもしくはPLG多量体に連結され、ペプチドリンカー3(L3)によってもよい。それによって、本発明の複合体の2、3、4つまたはより多くのサブユニットが形成される。言い換えれば、各PDに対して、本発明の複合体のサブユニットが形成される。異なるサブユニットのPLGは、好ましくは互いに連結されておらず、特に共有結合で連結されていないことに留意されたい。
好ましくは、本発明の複合体のサブユニットは、構造:
PD-L3-PLG1、
または
PLG1-L3-PD
を有してもよく、好ましくは、PLG1は、3つのPLによって形成される。
好ましくは、本発明の複合体のサブユニットは、構造:
PD-L3-PLG1-L2-PLG2、
または
PLG1-L2-PLG2-L3-PD
を有してもよく、好ましくはPLG1およびPLG2は、3つのPLによってそれぞれ形成される。
好ましくは、本発明のTNFR結合タンパク質複合体において、2、3、4つまたはより多くのPDが、2つのPLG間にそれぞれ挿入される。より好ましくは、2、3、4つまたはより多くのPDが、2つのPLG間にそれぞれ挿入され、ペプチドリンカーL3によってPGLに連結される。好ましくは、ペプチドL3によって2つのPLG間に挿入されたPDを含む本発明の複合体のサブユニットは、構造:
PLG1-L3-PD-L3-PLG2
または
PLG1-L2-PLG2-L3-PD-L3-PLG3-L2-PLG4
のうち一方を有してもよく、好ましくはPLG1、PLG2、PLG3およびPLG4は、3つのPLによってそれぞれ形成される。
より好ましくは、TNFR結合タンパク質複合体において、2、3、4つまたはより多くのPDが、それぞれペプチドリンカーL3およびL4を介して2つのPLG間にそれぞれ挿入される。好ましくは、L3およびL4は同一でない。好ましくは、L3およびL4は、同一である。
好ましくは、サブユニットにおいて2つのPLG間に挿入されたPDは、構造:
PLG1-L3-PD-L4-PLG2、
または
PLG1-L4-PD-L3-PLG2
のうち一方を有してもよく、好ましくはPLG1およびPLG2は、3つのPLによってそれぞれ形成され、好ましくはL3およびL4は同一でない。
好ましくは、サブユニットにおいて2つのPLG間に挿入されたPDは、構造:
PLG1-L2-PLG2-L3-PD-L4-PLG3-L2-PLG4、
または
PLG1-L2-PLG2-L4-PD-L3-PLG3-L2-PLG4
のうち一方を有してもよく、好ましくはPLG1、PLG2、PLG3およびPLG4は、3つのPLによってそれぞれ形成され、好ましくはL3およびL4は同一でない。
PLGおよびPDは、共有結合によって、本発明の複合体のリンカーL3およびL4で接続されることが好ましい。
好ましくは、PDは、二量体化ドメイン、三量体化ドメインまたは四量体化ドメインからなる群から選択される。本発明の複合体が2つ以上のPDを含む場合、PLの総数は12個またはより多いと理解される。
好ましくは、二量体化ドメインは、IgM(MHD2)またはIgE(EHD2)の重鎖ドメイン2(CH2)、免疫グロブリンFc領域、IgGまたはIgAの重鎖ドメイン3(CH3)、IgMまたはIgEの重鎖ドメイン4(CH4)、Fab、Fab2、ロイシンジッパーモチーフ、バルナーゼ-バルスター二量体、ミニ抗体およびZIPミニ抗体からなる群から選択される。好ましくは、二量体化ドメインは、EHD2または免疫グロブリンFc領域からなる群から選択される。好ましくは、二量体化ドメインは、EHD2である。好ましくは、二量体化ドメインは、免疫グロブリンFc領域である。免疫グロブリンFc領域は、二量体形態で天然に存在するIgG抗体の定常部分であり、2つのジスルフィド結合によって共有結合的に安定化され、タンパク質の二量体化に使用され得る。この機能において、Fcは、野生型形態、好ましくはADCC/CDC(抗体依存性細胞介在性細胞傷害/補体依存性細胞傷害)機能性が無効化された突然変異体形態のいずれかで存在し得る。
好ましくは、三量体化ドメインは、テネイシンC(TNC)、XVIII型コラーゲンのC末端非コラーゲン性ドメイン(NC1)の三量体化領域、Fab3様分子およびTriBi-ミニボディからなる群から選択される。好ましくは、三量体化ドメインは、Fab3様分子である。
好ましくは、四量体化ドメインは、p53の四量体化ドメイン、ジェネラルコントロールタンパク質4(GCN4)の四量体化ドメイン、アクチン調節タンパク質のena/VASP(有効/血管拡張因子刺激リン酸化タンパク質)(enabled/vasodilator-stimulated phosphoprotein)ファミリーまたはそれから得られる合成変異型の四量体化ドメイン、直列型ダイアボディおよびジダイアボディからなる群から選択される。好ましくは、四量体化ドメインは、p53の四量体化ドメイン、ジェネラルコントロールタンパク質4(GCN4)の四量体化ドメインまたはena/VASPの四量体化ドメインからなる群から選択される。好ましくは、四量体化ドメインは、p53の四量体化ドメインおよびジェネラルコントロールタンパク質4(GCN4)の四量体化ドメインからなる群から選択される。好ましくは、四量体化ドメインは、p53の四量体化ドメインである。好ましくは、四量体化ドメインは、ジェネラルコントロールタンパク質4(GCN4)の四量体化ドメインである。好ましくは、四量体化ドメインは、ena/VASPの四量体化ドメインである。
好ましくは、各二量体化ドメインおよび三量体化ドメインは、別のPD中の少なくとも1つのアミノ酸残基と共有結合を形成可能な少なくとも1つのアミノ酸残基、好ましくはCys残基を含む。
本発明のペプチドリンカーL1、L2、L3およびL4は、好ましくはグリシン(G)の豊富なペプチドリンカーであり、すなわち50%より高い;例えば少なくとも60~80%、例えば約75%の高グリシン含有量を持つアミノ酸配列である。ペプチドリンカー中に存在し得る他のアミノ酸は、例えばセリン残基、あまり好ましくないがアラニン残基またはグルタミン残基である。
L1、L2、L3またはL4は、それぞれ、互いに独立に選択されてもよく;例えば、2つ以上のリンカーL1は、同一の配列を有してもまたは異なる配列(配列長および/または配列アミノ酸の点で)を有してもよく、2つ以上のリンカーL2は、同一の配列を有してもまたは異なる配列(配列長および/または配列アミノ酸の点で)を有してもよい、等。しかしながら、L1、L2、L3またはL4は、それぞれ同一であることが好ましい。
L1は、2~20アミノ酸、好ましくは2~15アミノ酸、より好ましくは3~10アミノ酸、最も好ましくは3~5アミノ酸の長さを有する。L1は、(GGS)p、(GGGS)nまたは(GGSGG)mからなる群から選択される1つ以上の反復単位を含んでもよく、pは、1~6の整数であり、nは、1~5の整数であり、mは、1~4の整数である。L1は、配列番号4~20からなる群から選択されてもよい。好ましいリンカーL1は、配列番号15を有する。
L2は、4~32アミノ酸、好ましくは8~28アミノ酸の長さを有する。L2は、(GGS)p、(GGGS)nまたは(GGSGG)mからなる群から選択される1つ以上の反復単位を含んでもよく、pは、1~10の整数であり、nは、1~8の整数であり、mは、1~6の整数である。特に好ましいリンカーL2は、配列番号21~41からなる群から選択される。
L3は、4~32アミノ酸、好ましくは8~28アミノ酸の長さを有する。L3は、少なくとも1つのグリコシル化モチーフを含んでもよく、好ましくは少なくとも1つのモチーフは、グリコシル化されている。L3は、(GGS)p、(GGGS)nまたは(GGSGG)mからなる群から選択される1つ以上の反復単位を含んでもよく、pは、1~10の整数であり、nは、1~8の整数であり、mは、1~6の整数である。特に好ましいリンカーL3は、配列番号21~41からなる群から選択される。
L4は、4~32アミノ酸、好ましくは8~28アミノ酸の長さを有する。L4は、少なくとも1つのグリコシル化モチーフを含んでもよく、好ましくは少なくとも1つのモチーフは、グリコシル化されている。好ましくは、L4は、(GGS)p、(GGGS)nまたは(GGSGG)mからなる群から選択される1つ以上の反復単位を含んでもよく、pは、1~10の整数であり、nは、1~8の整数であり、mは、1~6の整数である。特に好ましいリンカーL4は、配列番号21~41からなる群から選択される。
実施形態において、本発明の複合体はL3およびL4を含み、L3およびL4は配列長および配列アミノ酸の点で同一でないことが好ましい。
好ましくは、各PLは、TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質(THD)のTNF相同ドメイン、骨格-タンパク質およびペプチド模倣体からなる群から互いに独立に選択され、好ましくは、TNF相同ドメインは、ヒトTNF相同ドメインである。好ましくは、PLは、TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質(THD)のTNF相同ドメインであり、好ましくは、TNF相同ドメインは、ヒトTNF相同ドメインである。好ましくは、各PLは、TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質(THD)のTNF相同ドメインである。好ましくは、各PLは、TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質(THD)のTNF相同ドメインであり、TNF相同ドメインは、ヒトTNF相同ドメインである。
好ましくは、TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質は、TNF、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAILまたはTNFSF10、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー)、CD40L(TNFSF5)、CD27L(TNFSF7)、CD30L(TNFSF8)、FasL(TNFSF6)、4-1BBL(TNFSF9)、OX40L(TNFSF4)、EDA;LTA(TNFSF1)、LTB(TNFSF3)、CD153(TNFSF8)、RANKL(TNFSF11)、TWEAK(TNFSF12)、APRIL(TNFSF13)、BAFF(TNFSF13B)、LIGHT(TNFSF14)、VEGI(TNFSF15)およびGITRL(TNFSF18)からなる群から選択される。好ましくは、TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質は、LT、TNFまたはTRAILからなる群から選択される。より好ましくは、TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質は、TNFまたはLTAである。
好ましくは、TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質は、下の表1に示す配列番号42~79による配列のうちの1つまたはその機能的変異型からなる。好ましくは、TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質は、配列番号42~48、50~54および56~79のヒト配列による配列のうちの1つおよびその機能的変異型からなる。変異型は、天然もしくはその人工バリエーションまたは他の種由来のそれぞれのオルソログを含む。チンパンジー、マウス、ラット、ブタ、等など他の哺乳動物種由来のオルソログが好ましい。
TNF-リガンドファミリーメンバーは、その同種の受容体と相互作用する、例えばTNFとTNFR1およびTNFR2、TRAILとTRAILR1(DR4)、TRAILR2(DR5)、TRAILR3(DcR1)、TRAILR4(DcR2)およびOPG、等。リガンドは、オリゴマー形成およびそれぞれの受容体の活性化を媒介する。TNF受容体ファミリーのメンバーとリガンドとの相互作用は、TNFの生物学的に活性な形態であるTNF-リガンドファミリーメンバータンパク質ホモ三量体のTNF-リガンドファミリーメンバータンパク質単量体の3つのうち2つとTNF-リガンドファミリーの他のメンバーの間の空間における受容体の結合によって特徴付けられる。
したがって、TNFRは、腫瘍壊死因子受容体1(1A)、腫瘍壊死因子受容体2(1B)、リンホトキシンベータ受容体(3)、OX40(4)、CD40(5)、Fas受容体(6)、デコイ受容体3(6B)、CD27(7)、CD30(8)、4-1BB(9)、死受容体4(10A)、死受容体5(10B)、デコイ受容体1(10C)、デコイ受容体2(10D)、RANK(11A)、オステオプロテゲリン(11B)、TWEAK受容体(12A)、TACI(13B)、BAFF受容体(13C)、ヘルペスウイルス侵入メディエータ(14)、神経成長因子受容体(16)、B細胞成熟抗原(17)、糖質コルチコイド誘導性TNFR関連(18)、TROY(19)、死受容体6(21)、死受容体3(25)、エクトジスプラシンA2受容体(27)からなる群から選択される。好ましくは、TNFRはTNFR2である。
治療標的としてのTNFR2の適合性について、調節性T細胞(Treg)は、エフェクターT細胞の誘導および増殖を抑制または下方制御することによって免疫系を調整し、自己抗原に対する寛容を維持し、自己免疫性疾患を無効化するTリンパ球のサブセットである。Tregの抑制活性の増強は、移植、アレルギー、喘息、感染性疾患、移植片対宿主病(GvHD)および自己免疫において多様な臨床応用を有すると考えられる。
Tregは、TNFR2を高レベルで発現し、TNFR2の発現は、非常に強力な抑制活性を持つTregの固有のサブタイプを定義する。TNFR2は、Treg活性を維持するのに必要でないと思われるが、最近の結果は、TNFR2がTregの活性化を媒介し、Tregの拡大および安定化に機能的役割を果たすことを示唆している。
その免疫調節役割の次に、TNFR2は、ニューロンの生存および再生に大きく寄与する。ニューロン組織の破壊を促進するTNFR1とは対照的に、網膜虚血のマウスモデルにおいてTNFR2は、PKB/Akt経路の活性化により保護的であった。力学的に、TNFが、グルタミン酸誘導性興奮毒性に対してTNFR1ノックアウトマウスの一次皮質ニューロンを保護し得ることが示されたが、TNFR2ノックアウトマウスのニューロンは保護されない。類似の結果が、脱髄および再ミエリン化のクプリゾン誘導マウスモデルにおいて観察され、TNFのゲノム除去は、再ミエリン化の遅延および増殖性オリゴデンドロサイト前駆体のプールの減少をもたらし、続いて成熟オリゴデンドロサイトの数を減少させる。TNFR1-/-およびTNFR2-/-マウスの分析は、TNFR2が、TNF媒介性オリゴデンドロサイト再生に極めて重要であることを示し、組織再生が、TNFR2を介するTNFのシグナル伝達に依存的であることを実証した。さらなるインビトロ(in vitro)研究により、ドーパミン作動性神経が、毒性損傷後のTNFR2の選択的活性化によってH2O2または6-OHDA誘導性細胞死から保護されることが明らかになった。
加えて、オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)におけるTNFR2活性化は、BCL-2およびSOD2などの抗アポトーシスならびに抗酸化タンパク質の発現を増強し、その増強はミトコンドリア膜を安定化することができ、したがってH2O2誘導性細胞死に対して観察されたOPCのTNFR2媒介性保護に寄与する可能性がある。TNFR2活性化は、星状細胞からの抗炎症および神経組織栄養因子の放出も促進し、その因子はオリゴデンドロサイト分化を促進することができ、したがって再ミエリン化を支持する可能性がある。要約すると、TNFR2は、例えばTregの拡大による免疫調節ならびに組織保護および再生に関係する。
可溶性TNFは、膜貫通性TNFの細胞外ドメインtmTNFのTACE媒介性タンパク質分解性切断によって天然に得られ、可溶性ならびに膜貫通性TNFは、TNFR1およびTNFR2を介するシグナル伝達を刺激する能力が異なる。sTNFまたはtmTNFのいずれかの結合は、TNFR1を活性化し得るが、TNFR2は、tmTNFによってのみ完全に活性化される。sTNFは、TNFR1に対して著しく高い親和性を示す(KD=1.9×10-11M)が、TNFR2に対する親和性は有意に低い(KD=4.2×10-10M)。TNFR1に対する高親和性は、主にリガンド/受容体複合体の安定化によって引き起こされ、一方でTNFR2に対するsTNFの一過性の結合は、細胞内シグナル伝達を誘導するには効果的でない場合がある一時的な複合体をもたらすと提唱された。結論として、TNFR2の効果的な活性化は、TNFの膜形態による安定な受容体複合体形成を必要とする。tmTNFによるTNFR2の活性化は、例えばオリゴマー形成された可溶形態のtmTNFによって模倣され得る。
TNF配列における突然変異は、TNFR1との結合/親和性の消失を招き、それによってTNFR2に対する選択性を生じる可能性がある。好ましくは、TNFは、配列番号43に基づく配列を有し、その配列は、D143Y、D143F、D143E、D143N、E146Q、E146H、E146K A145R/S147T、Q88N/T89S/A145S/E146A/S147D、Q88N/A145I/E146G/S147D、A145H/E146S/S147D、A145H/S147D、L29V/A145D/E146D/S147D、A145N/E146D/S147D、A145T/E146S/S147D、A145Q/E146D/S147D、A145T/E146D/S147D、A145D/E146G/S147D、A145D/S147D、A145K/E146D/S147T、A145R/E146T/S147D、A145R/S147T、E146D/S147D、E146N/S147、K65W、D143N、D143E、D143F、D143W、D143Y、D143V、D143V/F144L/A145S、D143N/A145R、D143V/A145S、A145R、A145H、A145K、A145FおよびA145Wからなる群から選択されるTNFR2特異的突然変異を1つ以上さらに含む。
好ましくは、TNFは配列番号80による配列を有し、その配列は配列番号43に基づき、TNFR2特異的突然変異D143N/A145Rを含む。
好ましくは、本発明によるPLGは、配列番号80によるTNFタンパク質リガンドを3つ含む。好ましくは、3つのTNFタンパク質リガンドは、ペプチドリンカー、好ましくは配列番号15によるペプチドリンカーを介して共有結合的に融合される。好ましくは、本発明によるPLGは、配列番号81を有する。
好ましくは、本発明のTNFR結合タンパク質複合体において、C末端コンセンサス配列
-S/T/V-F/Y/S-F-G-A/L/V/I-X1(配列番号1)
で定義される第1のTHDのC末端は、2~20アミノ酸、好ましくは2~15アミノ酸、より好ましくは3~10アミノ酸、最も好ましくは3~5アミノ酸の長さを有するL1によってN末端コンセンサス配列
X2-V/A/F-A-H-V/L/I/Y(配列番号2)
または
X3-V/W/F/C-A/L-E/Y/Q/H-L(配列番号3)
で定義される第2のTHDのN末端にそれぞれ連結され、
X1が、無極性/疎水性または極性/中性アミノ酸であり、好ましくはF、V、Q、A、I、LおよびYからなる群から選択され;
X2が、P、K、V、IおよびAからなる群から選択され;
X3が、D、S、MおよびIからなる群から選択され;
第1および第2のTHDと同じ方法で互いにそれぞれ連続的に連結されたさらなるTHDを1~4個さらに含んでもよい。
ペプチド模倣体は、リポタンパク質関連凝固阻害因子(LACI-D1);ヒトγBクリスタリンまたはヒトユビキチンから選択されるアフィリン;シスタチン;スルホロブスアシドカルダリウス由来Sac7D;リポカリンに由来するリポカリンおよびアンチカリン;設計されたアンキリン反復ドメイン(DARPin);FynのSH3ドメイン;プロテアーゼ阻害剤のクニッツドメイン;第10フィブロネクチンIII型ドメインから選択されるモノボディ;アドネクチン;システインノットミニタンパク質;アトリマー;CTLA4に基づく結合剤から選択されるエビボディ;スタフィロコッカス・アウレウス由来プロテインAのZ-ドメインの3重ヘリックスバンドルから選択されるアフィボディ;ヒトトランスフェリンから選択されるトランスボディ;単量体または三量体ヒトC型レクチンドメインから選択されるテトラネクチン;トリプシン阻害因子IIから選択されるミクロボディ;アフィリン;アルマジロ反復タンパク質からなる群から選択される。
免疫グロブリンFc領域二量体化ドメインが、配列番号82を有するヒト免疫グロブリンFc領域二量体化ドメインである、または免疫グロブリンFc領域二量体化ドメインが、配列番号83を有するADCC/CDC機能性が無効化されたヒトFc突然変異体(Δab;E233P、L234V、L235A、ΔG236、A327G、A330S、P331S)であることがさらに好ましい。p53二量体化ドメインは、配列番号84を有するヒトp53二量体化ドメインであることがさらに好ましい。GCN4四量体化ドメインは、配列番号85を有する酵母GCN4四量体化ドメインであることがさらに好ましい。VASP四量体化ドメインは、配列番号86を有するヒトena/VASP(有効/血管拡張因子刺激リン酸化タンパク質)であることがさらに好ましい。
特に本発明の好ましい複合体は、配列番号87~90の配列から選択されるサブユニットを含むかまたはからなる複合体であり、PLはヒトTNFである。
好ましい実施形態において、本発明のTNFR結合タンパク質複合体は、配列番号87のサブユニット(scTNFR2-Fc-scTNFR2)を2つ含むかまたはからなる。2つのサブユニットの二量体化により、4つの3価TNFR2 PLGおよび2つのFc二量体化ドメインによって特徴付けられる12価のTNF複合体を得られ、2つのPLGは、リンカーL3によって各二量体化ドメインのN末端に融合され、2つのPLGは、リンカーL4によって各二量体化ドメインのC末端に融合される。
別の好ましい実施形態において、本発明のTNFR結合タンパク質複合体は、配列番号88のサブユニット(p53-scTNFR2)を4つ含むかまたはからなる。4つのサブユニットの四量体化により、4つの3価TNFR2 PLGおよび4つのp53四量体化ドメインによって特徴付けられる12価のTNF複合体を得られ、各PLGは、リンカーL3を介して四量体化ドメインのC末端に融合される。
さらなる好ましい実施形態において、TNFR結合タンパク質複合体は、配列番号89のサブユニット(GCN4-scTNFR2)を4つ含むかまたはからなる。4つのサブユニットの四量体化により、4つの3価TNFR2 PLGおよび4つのGCN4四量体化ドメインによって特徴付けられる12価のTNF複合体を得られ、各PLGは、リンカーL3を介して四量体化ドメインのC末端に融合される。
追加の好ましい実施形態において、TNFR結合タンパク質複合体は、配列番号90のサブユニット(VASP-scTNFR2)を4つ含むかまたはからなる。4つのサブユニットの四量体化により、4つの3価TNFR2 PLGおよび4つのVASP四量体化ドメインによって特徴付けられる12価のTNF複合体を得られ、各PLGは、リンカーL3を介して四量体化ドメインのC末端に融合される。
また、TNFR結合タンパク質複合体は、配列番号91のサブユニット(p53-sc-mTNFR2)を含むかもしくはからなるまたは配列番号92のサブユニット(GCN4-sc-mTNFR2)を含むかもしくはからなると考えられ、PLはマウスTNFである。
本発明者らは、本発明の複合体が、例えば、6価複合体と比較して、最大10倍改善された活性を示すことを驚くことに見出した。これらのうち、GCN4およびscTNFR2から構成される4つのサブユニットの複合体が、特に強力である。
第2の態様において、本発明は、本発明の第1および第2の態様によるポリペプチドをコードしている核酸を提供する。核酸は、RNAもしくはDNAまたはそのハイブリッドでもよい。好ましくは核酸は、適切な発現系における本発明の第1の態様によるポリペプチドの発現を可能にする配列も含む。核酸は、それぞれの発現系に最適化されたコドンであり得る。
第3の態様において、本発明は、本発明の第2の態様の核酸を含むベクターを提供する。導入されるポリヌクレオチドにコードされる対象となる遺伝子は、ベクター(単数)またはベクター(複数)の導入により細胞内で発現されることが好ましい。好ましくは、ベクターは、適切な宿主細胞系において核酸にコードされるポリペプチドの転写および発現を提供する。好ましくは、発現ベクターは、細菌、酵母、バキュロウイルス、植物および哺乳動物発現ベクターからなる群から選択され、より好ましくは、発現ベクターは、細菌発現ベクターまたは無細胞発現ベクターである。
第4の態様において、本発明は、医薬として使用する第1の態様のポリペプチド、第2の態様の核酸または第3の態様のベクターを提供する。
第5の態様において、本発明は、本発明の第1の態様の複合体、または第2の態様の核酸、または第4の態様のベクターを含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、薬学的に許容される担体および/または適切な賦形剤を好ましくはさらに含む。医薬組成物は、固形、液体、半固形または経皮治療システムからなる群から選択される。本発明の医薬組成物は、本発明の第1の態様の複合体を1つ以上含むと想定される。
第6の態様において、本発明は、高増殖性障害もしくは炎症性障害、好ましくはがん、または血液学系の悪性病変、自己免疫性障害および変性疾患、好ましくは神経変性疾患の診断、予防または処置に使用する、第1または第2の態様のポリペプチド、第3の態様の核酸もしくは第4の態様のベクターもしくは第5の態様の医薬組成物に関する。
好ましい高増殖性疾患は、前がん状態;異形成;化生;がん;および皮膚疾患からなる群から選択される。
本発明のポリペプチドによって処置しようとする特定の好ましいがんは、消化管の癌腫、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、子宮内膜、卵巣、精巣、皮膚、浸潤口腔がん、小細胞および非小細胞肺癌、ホルモン依存的乳がん、ホルモン非依存的乳がん、移行および扁平上皮細胞がん、神経芽細胞腫、神経膠腫、星状細胞腫を含めた神経学的悪性病変、骨肉腫、軟部組織肉腫、血管腫、内分泌腫瘍、白血病、リンパ腫ならびに脊髄増殖性およびリンパ組織増殖性の他の疾患を含めた血液学的腫瘍形成、インサイチュ(in situ)癌腫、過形成病変、腺腫、線維腫、組織球増殖症、慢性炎症性増殖性疾患、脈管増殖性疾患およびウイルス誘導性増殖性疾患、ケラチン生成細胞および/またはT細胞の過剰増殖によって特徴付けられる皮膚疾患である。本発明の化合物で処置可能な特定の好ましい疾患は、固形腫瘍、特に、肺、乳、膵臓、結腸直腸、卵巣、前立腺および胃がんならびに腺癌である。
本発明のポリペプチドで処置可能な前がん状態は、皮膚の前がん状態、特に光線性角化症、皮角、光線性口唇炎、タール角化症、砒素角化症、X線角化症、ボーエン病、ボーエン様丘疹症、悪性黒子、硬化性苔癬および苔癬ゴム粘膜(lichen rubber mucosae);消化管の前がん状態、特に、紅板症、白斑症、バレット食道、プラマービンソン症候群、下腿潰瘍、巨大肥厚性胃炎、境界癌腫、腫瘍性腸管ポリープ、直腸ポリープ、石灰化胆嚢炎;婦人科の前がん状態、特に乳管内癌(CDIS)、頸部上皮内新生物(CIN)、白斑症、子宮内膜増殖症(グレードIII)、外陰ジストロフィー、外陰上皮内腫瘍形成(VIN)、胞状奇胎;泌尿器科の前がん状態、特に膀胱乳頭腫症、ケイラー赤色肥厚症、精巣上皮内腫瘍形成(TIN)、白斑症;上皮内癌(CIS);慢性炎症によって引き起こされる前がん状態、特に膿皮症、骨髄炎、集簇性座瘡、尋常性狼瘡および瘻孔からなる群から好ましくは選択される。
形成異常は、しばしばがんの前身であり、上皮に主に見出され;非腫瘍性細胞成長の最も無秩序な形態であり、個々の細胞の均一性および細胞の構造上の方向の消失を含む。形成異常細胞は、異常に大きくて強く染色される核をしばしば有し、多形態性を呈する。形成異常は、慢性刺激または炎症が存在する所に特徴的に起こる。本発明の化合物で処置され得る形成異常障害には、無汗性外胚葉骨髄異形成、前後異形成、窒息性胸郭異形成、心房指異形成、気管支肺異形成、終脳異形成、頸部異形成、軟骨外胚葉異形成、鎖骨頭蓋異形成、先天性外胚葉性異形成、頭蓋骨幹異形成、頭蓋手根足根骨異形成、頭蓋骨幹端異形成、象牙質異形成、骨幹異形成、外胚葉異形成、エナメル質異形成、脳眼異形成、半肢骨端異形成、多発性骨端異形成、点状骨端異形成、上皮異形成、顔面指趾生殖器異形成、家族性線維性顎異形成、家族性白色襞性異形成、繊維筋性異形成、線維性骨異形成、開花性骨性異形成、遺伝性腎網膜異形成、発汗性外胚葉異形成、無汗性外胚葉異形成、リンパ球減少性胸腺異形成、乳腺異形成、下顎顔面異形成、骨幹端異形成(metaphysical dysplasia)、モンディーニ異形成、単骨性線維性骨異形成、粘膜上皮異形成、重複骨端異形成、眼耳脊椎異形成、眼歯指異形成、眼脊椎異形成、歯牙異形成、眼下顎四肢異形成、根尖性セメント質異形成、多骨性線維骨異形成、偽軟骨発育不全脊椎骨端異形成、網膜異形成、中隔眼異形成、脊椎骨端異形成および心室橈骨異形成があるが、これに限定されない。
化生は、ある型の成人または完全に分化した細胞が、別の型の成人細胞と置換される制御された細胞成長の形態である。処置可能な化生障害は、好ましくは、原因不明性骨髄様化生、アポクリン化生、異型化生、自己実質化生、結合組織化生、上皮化生、腸上皮化生、化生性貧血、化生骨化、異形成性ポリープ、骨髄化生、原発性骨髄様化生、2次性骨髄様化生、扁平化生、羊膜の扁平上皮化生、症候性骨髄様化生および再生性化生からなる群から選択される。
多くの皮膚疾患は、ケラチン生成細胞および/またはT細胞の過剰増殖によって特徴付けられる。本発明の化合物で処置可能なそのような疾患の例は、それだけには限らないが、乾癬、特に尋常乾癬、頭部乾癬、滴状乾癬、反対性乾癬;神経皮膚炎;魚鱗癬(ichtyosises);円形脱毛症;全脱毛症;部分脱毛症;全身性脱毛症;びまん性脱毛症;アトピー性皮膚炎;皮膚の紅斑性狼瘡;皮膚の皮膚筋炎;アトピー性湿疹;限局性強皮症;硬皮症;蛇行型円形脱毛症;アンドロゲン性脱毛症;アレルギー性接触皮膚炎;刺激性接触皮膚炎;接触皮膚炎;尋常性天疱瘡;落葉状天疱瘡;増殖性天疱瘡;瘢痕性粘膜類天疱瘡;水疱性類天疱瘡;粘膜類天疱瘡;皮膚炎;ジューリング疱疹状皮膚炎;蕁麻疹;リポイド類壊死症;結節性紅斑;単純性痒疹;結節性痒疹;急性痒疹;線状IgA皮膚炎;多形性光皮膚炎(polymorphic light dermatosis);日光紅斑(erythema solaris);皮膚の発疹;薬疹;慢性進行性紫斑病;異汗性湿疹(dihydrotic eczema);湿疹;固定薬発疹;光線アレルギー性皮膚反応;および口囲皮膚炎を含む。
本発明のポリペプチドで処置され得る炎症性障害には、それだけには限らないが、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリッグ疾患;運動ニューロン疾患ともいう)、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、抗合成酵素症候群、アトピー性アレルギー、アトピー性皮膚炎、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性心筋症、自己免疫性腸疾患、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性リンパ増殖性症候群、自己免疫性膵炎、自己免疫性末梢神経障害、自己免疫性多内分泌腺症候群、自己免疫性プロゲステロン皮膚炎、自己免疫性血小板減少性紫斑、自己免疫性蕁麻疹、自己免疫性ブドウ膜炎、バロー病/バロー同心円性硬化症、ベーチェット病、バージャー病、ビッカースタッフ脳炎、ブラウ症候群、水疱性類天疱瘡、がん、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性閉塞性肺疾患、慢性再発性多病巣性骨髄炎、チャーグストラウス症候群、良性粘膜類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集疾患、補体成分2欠損、接触皮膚炎、頭蓋動脈炎、クレスト症候群、クローン病、クッシング症候群、皮膚白血球破砕性血管炎、ドゴー病、ダーカム病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、1型真性糖尿病、びまん性皮膚硬化型全身性強皮症、円板状紅斑性狼瘡、ドレスラー症候群、薬物誘導性狼瘡、湿疹、子宮内膜症、付着部炎関連関節炎、好酸球性筋膜炎、好酸球性胃腸炎、好酸球性肺炎、後天性表皮水泡症、結節性紅斑、胎児赤芽球症、本態性混合性クリオグロブリン血症、エヴァンス症候群、進行性骨化性線維異形成、線維化性肺胞炎(または、特発性肺線維症)、胃炎、胃腸類天疱瘡、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群(GBS)、橋本脳症、橋本病、ヘノッホシェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、別名妊娠性類天疱瘡、汗腺膿瘍、ヒューズストービン症候群、低ガンマグロブリン血症、特発性炎症性脱髄疾患、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病(自己免疫性血小板減少性紫斑を参照のこと)、IgA腎症、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性特発性関節炎、別名若年性関節炎、川崎病、ランバートイートン筋無力症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、線状IgA疾患(LAD)、ルポイド肝炎、別名自己免疫性肝炎、紅斑性狼瘡、マジード症候群、顕微鏡的大腸炎、顕微鏡的多発血管炎、ミラーフィッシャー症候群、混合結合織疾患、限局性強皮症、ムッハハーベルマン病、別名急性痘瘡状苔癬状粃糠疹、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、メニエール病、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(デビック病ともいう)、神経ミオトニー、眼部瘢痕性類天疱瘡、眼球クローヌス、筋クローヌス症候群、オード甲状腺炎、回帰性リウマチ、PANDAS(レンサ球菌感染性小児自己免疫神経精神障害)、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間ヘモグロビン尿(PNH)、パリーロンベルグ症候群、扁平部炎、パーソネイジターナー症候群、尋常性天疱瘡、静脈周囲性脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、進行性炎症性神経障害、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、ラスムッセン脳炎、レイノー現象、ライター症候群、再発性多発軟骨炎、下肢不安症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、統合失調症、シュミット症候群APSの別の形態、シュニッツラー症候群、強膜炎、硬皮症、血清病、シェーグレン症候群、脊椎関節症、スティッフパーソン症候群、スティル病、若年性関節炎を参照のこと、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、スイート症候群、シデナム舞踏病、交感性眼炎、全身性紅斑性狼瘡、紅斑性狼瘡を参照のこと、高安動脈炎、側頭動脈炎(別名「巨細胞性動脈炎」)、血小板減少症、トローザハント症候群、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎(特発性炎症性腸疾患「IBD」の2つの型のうちの1つ)、混合結合組織疾患とは異なる未分化結合組織疾患、未分化脊椎関節症、蕁麻疹様血管炎、脈管炎、白斑およびヴェゲナー肉芽腫症がある。
過敏症には、喘息、アナフィラキシーまたはアトピーなどのアレルギー;自己免疫性溶血性貧血、血小板減少症、リウマチ性心疾患、胎児赤芽球症、グッドパスチャー症候群、膜性糸球体腎炎、グレーブス病、重症筋無力症などの細胞毒抗体依存的疾患;血清病、アルサス反応、関節リウマチ、レンサ球菌感染後糸球体腎炎、狼瘡腎炎、全身性紅斑性狼瘡、外因性アレルギー性肺胞炎(過敏性肺炎)などの免疫複合体病、接触皮膚炎、マントー試験、慢性移植拒絶反応および多発性硬化症などの細胞媒介性免疫応答があるが、これに限定されない。
神経変性障害には、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、タウオパチー、ピック病、パーキンソン病、神経障害、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ハンチントン舞踏病、脊髄および延髄性筋萎縮、フリードライヒ運動失調症、脊髄小脳失調、クロイツフェルトヤコプ病、ゲルストマンストロイスラーシャインカー症候群、致死性家族性不眠症、クールー、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症およびバッテン病がある。
本発明のポリペプチドで処置され得る感染性疾患には、それだけには限らないが、アナプラズマ症、炭疽菌、バベシア症、ボツリヌス菌中毒、ブルセラ病、鼻疽(バークホルデリア・マレイ(Burkholderia mallei))、類鼻疽(バークホルデリア・シュードマレイ(Burkholderia pseudomallei))、カンピロバクター感染症(カンピロバクター属)、カルバペネム抵抗性腸内細菌科感染症、軟性下疳、チクングンヤ熱、クラミジア、シグアテラ、クロストリジウム・ディフィシール(Clostridium difficile)感染症、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)感染症、コクシジオイデス真菌感染症(渓谷熱)、クロイツフェルトヤコプ病(伝達性海綿状)、クリプトスポリジウム症、シクロスポリア症、デング熱、ジフテリア、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)感染症、東部ウマ脳炎、エボラ出血熱、エールリヒア症、後感染またはアルボウイルス脳炎、エンテロウイルス感染、ジアルジア鞭毛虫症、淋病、鼠径部肉芽腫、ヘモフィルスインフルエンザ、ハンタウイルス肺症候群、溶血性尿毒症症候群、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、ヘルペス、ヒストプラスマ症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV/AIDS)、ヒトパピローマウイルス、インフルエンザ、在郷軍人病、ハンセン病、レプトスピラ病、リスター異常状態、ライム病、マラリア、麻疹、ウイルス髄膜炎、細菌性髄膜炎、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、流行性耳下腺炎、ノロウイルス、麻痺型貝中毒、シラミ寄生症、骨盤内炎症性疾患、百日咳、腺ペスト、敗血症性ペスト、肺ペスト、肺炎球菌感染症、脊髄性小児麻痺、オウム病、ケジラミ症、天然痘、サル痘、牛痘、キュー熱、狂犬病、リケッチア症、風疹、サルモネラ症胃腸炎、疥癬、スコンブロイド食中毒、重症急性呼吸器症候群(SARS)、シゲラ症胃腸炎、メチシリン抵抗性ブドウ球菌感染症(MRSA)、梅毒、破傷風感染症、旋毛虫病、結核、野兎病、腸チフス、発疹チフス、細菌性膣炎、水痘、コレラ、腸炎ビブリオ、ラッサ出血熱、マールブルク出血熱、西ナイルウイルス、黄熱病およびジカ熱がある。
実施例1
本発明の複合体の遺伝子操作
ヒトp53(aa320-359)(配列番号84)および酵母GCN4(aa249-281)の四量体化ドメイン、具体的には突然変異体(M250L/L253I/L260I/L267I/L274I/V257L/V271L/V278L/N264L)(配列番号85)は、ヒト一本鎖TNF変異体(D143N/A145R、scTNFR2)(配列番号81)のN末端またはマウス一本鎖TNF変異体(D221N/A223R、sc-mTNFR2)(配列番号93)に融合された。TNFR2選択的ヒトTNF変異体(scTNFR2)およびTNFR2選択的マウスTNF変異体(sc-mTNFR2)は、本発明による3価PLGである。ヒトscTNFR2およびマウスsc-mTNFR2のTNFドメインは、GGGGS(配列番号15)からなるペプチドリンカーL1を介して接続される。3価ヒトおよびマウスPLGは、それぞれGAPGGGSGGGSGGGSGGGSGGGSGGSEFLA(配列番号41)およびGAPGGGSGGGSGGGSGGGSGGGSGGSGIR(配列番号40)からなるペプチドリンカーL3を介して、四量体化ドメインヒトp53および酵母GCN4に接続される。これらのコンストラクト(すなわち、サブユニット)に基づく複合体は、p53-scTNFR2およびGCN4-scTNFR2(ヒト)(配列番号88および89)、ならびにp53-sc-mTNFR2およびGCN4-sc-mTNFR2(マウス)(配列番号91および92)で示される(図1および2)。
比較のために、IgEからのEHD2の二量体化ドメイン(CH2)(配列番号94)は、それぞれ3価ヒト一本鎖scTNFR2変異体(D143N/A145R、scTNFR2)のN末端(配列番号81)および3価マウス一本鎖sc-mTNFR2変異体(D221N/A223R、sc-mTNFR2)(配列番号93)に融合された。二量体化ドメインは、それぞれGGGSGGGSGGGSGGGSGGGSGGSEFLA(配列番号95)およびGGGSGGGSGGGSGGGSGGGSGGSGIR(配列番号96)からなるペプチドリンカーL3を介して3価scTNFR2およびsc-mTNFR2に接続される。ヒトscTNFR2およびマウスsc-mTNFR2のTNFドメインは、GGGGS(配列番号15)からなるペプチドリンカーL1を介して接続される。これらの複合体は、EHD2-scTNFR2(ヒト)(配列番号97)およびEHD2-sc-mTNFR2(マウス)(配列番号98)で示される(図1および2)。
さらに比較するために、本発明の三量体PLGであるヒトscTNFR2およびマウスsc-mTNFR2を使用した。ヒトscTNFR2(配列番号81)およびマウスsc-mTNFR2(配列番号93)のTNFドメインは、GGGGS(配列番号15)からなるペプチドリンカーL1を介して接続される。
コンストラクトの全体的なコドン使用頻度は、哺乳動物細胞における発現に適合された。精製を促進するために、N末端Hisタグが全てのコンストラクトに導入された。
実施例2
本発明の複合体の産生および精製
F17培地(Life Technologies、Darmstadt、Germany)中で増殖させたHEK293-6E細胞に、ポリエチレンイミン(Sigma)を使用して、実施例1によるDNAコンストラクトを一過性にトランスフェクトした。翌日、トリプトンN1(Organotechnie、TekniScience、Terrebonne、Canada)を細胞培養に添加し、細胞をさらに4日間培養した。次に、上清を回収し、そこから組換えタンパク質を単離した。
上清をNi-NTAアガロース(Macherey-Nagel、Dueren、Germany)を含むカラムに装填し、固定化された金属イオンクロマトグラフィー(IMAC)で精製し、IMAC洗浄緩衝液(50mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.5)を使用して未結合タンパク質を除去した。IMAC溶出緩衝液(50mMリン酸ナトリウム緩衝液、250mMイミダゾール、pH7.5)で結合タンパク質を溶出し、PBS緩衝液(pH7.4)に対して一晩、4℃で透析した(メンブレンカットオフ4~6kDa、Roth、Karlsruhe、Germany)。透析されたタンパク質は、サイズ排除クロマトグラフィーによりさらに精製された。これに、AEKTA FPLC装置(GE Healthcare)を使用して、タンパク質をSuperdex 200 10/300 GLまたはHiLoad 26/600 Superdex 200pgゲルろ過カラム(GE Healthcare、Freiburg、Germany)に装填した(およびPBS、pH7.4で溶出した)。
タンパク質濃度は、280nmでの吸光度を測定することにより決定された。
クーマシー染色について、実施例1による2μgの精製タンパク質を、還元条件(メルカプトエタノールの存在下、+2-ME)および非還元条件(メルカプトエタノールの非存在下、-2-ME)下で、レムリ(Laemmli)緩衝液(50mM TRIS pH6.8、4M尿素、1%SDS、15%グリセロール、0.01%ブロムフェノールブルー、5%2-メルカプトエタノール)中で変性させ、8%SDS-PAGE(100V;90分)で分離した。SDS-PAGEゲルをクーマシー染色液(40%メタノール、10%酢酸、0.1%クーマシーブリリアントブルー)で60分間、室温にてインキュベートし、クーマシー脱色液(40%メタノール、10%酢酸)で脱色した(図3Aおよび3C)。あるいは、InstantBlue染色(Expedion)を使用して、SDS-PAGEゲルでタンパク質を染色した(図3Bおよび3C)。
イムノブロット分析について、1μgタンパク質を還元条件(+2-ME)および非還元条件(-2-ME)下、レムリ緩衝液中で変性させ、8%SDS-PAGE(100V;90分)で分離した。タンパク質をSDS-PAGEゲルからニトロセルロースメンブレンに転写し(セミドライブロット;1.5mA/cm2ゲルで90分間)、非特異的タンパク質結合をPBS/0.1%Tween 20中の5%脱脂粉乳溶液で30分間、室温(RT)でブロックし、その後、特定の抗体を使用してメンブレンを4℃で一晩インキュベートした。HRPコンジュゲートした二次抗体とともに90分間、室温でインキュベートした後、シグナルは、増大された化学発光により検出された(Super Signal、Pierce、Rockford、IL、USA)(図3Bおよび3D)。
還元条件下で、TNF変異体は、計算された分子量と一致する見かけの分子量を示した(表2)。
表2: TNFR結合タンパク質複合体の計算された分子量
実施例3
本発明のオリゴマー化複合体の純度
実施例1によるタンパク質複合体の純度およびオリゴマー化状態をHPLCサイズ排除クロマトグラフィーによりさらに特徴付けた。約20μgのタンパク質を標準タンパク質とともに、PBS緩衝液で平衡化させたBioSep-SEC-S2000 7.8×300mmカラム(Phenomenex、Aschaffenburg、Germany)またはSuperSW mAb HR、7.8x×300mmカラム(Tosoh Bioscience、Griesheim、Germany)に適用し、0.5 ml/分の流速で溶出した。scTNFR2および複合体は、タンパク質の完全性および高純度を示す単一の主要なピークとして、予想されたサイズで溶出された(図4)。
実施例4
本発明の複合体の固定化されたTNF受容体への選択的結合
組換えマウスおよびヒトTNF(rmTNFおよびrhTNF、Immunotools)およびTNFRに対する実施例2によるタンパク質複合体の親和性は、固定化されたTNFR1-FcおよびTNFR2-Fc融合タンパク質との結合研究により分析された。
ELISAプレート(Greiner、Frickenhausen、Germany)は、PBS中で1μg/mlのhuTNFR1-Fc、mTNFR1-Fc、huTNFR2-FcまたはmTNFR2-Fc融合タンパク質で被覆され、4℃で一晩インキュベートされた。残留結合部位をPBS中の2%脱脂粉乳を用いて室温で2時間ブロックした。scTNFR2および複合体をPBS中の2%脱脂粉乳で希釈し、10-3~10nMの範囲の濃度で添加し、1時間、室温でインキュベートした。各々のステップの間に、PBS中の0.005%Tween-20で4回洗浄することにより、非結合タンパク質を除去した。
結合タンパク質は、TNFに対するマウスモノクローナル抗体(クローンF6C5;1μg/ml;1時間、室温でインキュベーション)、およびHRPコンジュゲートした抗マウスIgG抗体(1:10000希釈;1時間、室温でインキュベーション)、続くテトラメチルベンジジン(TMB)基質溶液とのインキュベーションにより検出された。1M H2SO4の添加により反応を停止させ、Multiskan FC吸光度リーダー(Thermo Scientific、Karlsruhe、Germany)で450nmの吸光度を決定し、Microsoft ExcelおよびGraphPad Prism 4ソフトウェア(GraphPad、La Jolla、CA)を用いてデータを分析した(図5)。表3では、ELISAアッセイに基づいた、固定化huTNFR2およびmTNFR2へのTNF、scTNFR2および複合体の結合について計算されたEC50値を要約する。
表3: TNFR結合タンパク質複合体のhuTNFR2およびmTNFR2への結合のEC
50値(nM)
明らかに、本発明の12価複合体は、3価および6価タンパク質と比較して、huTNFR2とmTNFR2の両方に対して優れた結合を示した(最大>10倍)。本発明の複合体のうち、GCN4-scTNFR2およびGCN4-sc-mTNFR2は最も好ましいEC50値を示す。
scTNFR2およびヒトTNFR2-Fcの複合体の親和性は、Attana Cell 200(Attana、Stockholm、Sweden)を使用した水晶振動子マイクロバランス測定によってさらに決定された。製造業者のプロトコールに従って、ヒトTNFR2-Fcをそれぞれ高密度および低密度でカルボキシルセンサーチップに化学的に固定化した。結合実験は、25ml/分の流速で37℃にてPBST緩衝液(PBS、0.1%Tween 20、pH7.4)で実施された。チップを10mMグリシン-HCl、pH2.0で再生した。各々の測定の前に、結合曲線から差し引かれたベースラインが測定された。特定の装置用にAttanaが提供するソフトウェアを使用してデータを回収し、Attache Office Evaluationソフトウェア(Attana、Stockholm、Sweden)およびTraceDrawer(Ridgview Instruments、Vange、Sweden)で分析した(図6)。表4では、低密度チップ上での水晶振動子マイクロバランス測定に基づいて計算された、6価および12価マウス複合体のTNFR2への結合の結合値を要約する。表5では、sc-mTNFR2ならびに6価および12価マウスタンパク質のTNFR2への結合の結合値を要約する。これは、高密度チップ上での水晶振動子マイクロバランス測定に基づいて計算された。
表4:低密度チップ上でのTNFR結合タンパク質複合体のTNFR2への結合(130Hz)
表5:高密度チップ上でのTNFR結合タンパク質複合体のTNFR2への結合(270Hz)
高い受容体密度では、6価と12価scTNFR2の両方が、3価scTNFR2と比較して、TNFR2の見かけの約10倍の親和性増加を示した。様々なタンパク質の見かけの親和性における明確な違いは、低密度チップで明らかになり、p53-sc-mTNFR2、特にGCN4-sc-mTNFR2は、3価(sc-mTNFR2)と6価(EHD2-sc-mTNFR2)scTNFR2変異体の両方と比較して、TNFR2に対してより高い見かけの親和性を示した(表4)。対照的に、TNFR1への結合は、試験したいずれの濃度でも観察されなかった(データを示さず)。
実施例5
本発明の複合体によるTNFR1の活性化の欠如
タンパク質複合体の選択性は、HeLa細胞およびL929細胞を使用して決定された。例えば、組換えマウスrmTNFを用いて、TNFR1を活性化すると、細胞はインターロイキン6(IL-6)を分泌する。結果として、rmTNFまたは様々な複合体とともにインキュベートされた細胞の上清は、ELISAを使用してIL-6の存在について分析された。
L929細胞(1.5×104細胞/ウェル)を96ウェルの平底細胞培養プレートで一晩増殖させた。L929細胞をアクチノマイシンD(1μg/ml)で30分間処理し、その後、rmTNFまたは実施例1のマウス複合体を添加した。次に、細胞を異なるタンパク質濃度で24時間、37℃でインキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、生細胞を染色するためにクリスタルバイオレット(20%メタノール、0.5%クリスタルバイオレット)とともに20分間インキュベートした。色素をすすぎ水の下で除去し、細胞を風乾した。クリスタルバイオレットをメタノールで分解し、光学密度を550nmで測定した。各々の試料を3回分析し、Microsoft ExcelおよびGraphPad Prism 4ソフトウェア(GraphPad、La Jolla、CA)を使用してデータを分析した(図7A)。
HeLa細胞(2.0×104細胞/ウェル)を上記のL929細胞について示したように刺激し、24時間のインキュベーション後に上清を回収し、製造業者(Biolegend、San Diego、CA、USA)の指示書に従ってIL-6に特異的なELISAにより分析した。450nmでの吸光度を決定し、放出されたIL-6の量を、提供された標準を用いて決定し、GraphPad Prism 4ソフトウェアを使用して計算した(図7B)。
rmTNFとは対照的に、試験されたタンパク質複合体はいずれも、L929においてTNFR1依存性細胞死を活性化せず、TNFR1に対する親和性が突然変異D221N/A223Rにより喪失したことを確認した。さらに、rmTNFとは対照的に、試験したタンパク質複合体はいずれも、HeLa細胞においてIL-6分泌を誘導しなかった。これはまた、試験した複合体が、TNFR1に対する親和性を有しなかったことを示す。
実施例6
Kym-1細胞におけるTNFR2誘導性細胞死
TNFR結合タンパク質複合体の生物活性は、TNF受容体の両方を内因的に発現し、TNF誘導性細胞毒性に非常に感受性であるヒトKym-1細胞を使用して試験された。
Kym-1細胞(1.5×104細胞/ウェル)を96ウェルの平底細胞培養プレートで一晩増殖させた。Kym-1細胞を、様々な濃度の実施例1の精製されたヒトおよびマウス複合体とともに24時間、37℃でインキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、生細胞を染色するためにクリスタルバイオレット(20%メタノール、0.5%クリスタルバイオレット)とともに20分間インキュベートした。色素をすすぎ水の下で除去し、細胞を風乾した。クリスタルバイオレットをメタノールで分解し、光学密度を550nmで測定した。各々の試料を3回分析し、Microsoft ExcelおよびGraphPad Prism 4ソフトウェア(GraphPad、La Jolla、CA)を使用してデータを分析した(図8)。表6では、ヒトおよびマウスのタンパク質の細胞死誘導について計算されたEC50値を要約する。
表6: TNFR2結合タンパク質複合体によるKym-1細胞を用いた細胞死誘導のEC
50価(nM)
TNFR2を活性化すると、Kym-1細胞は細胞表面でTNFを発現する。このTNFはTNFR1を活性化することができ、それに続いてKym-1細胞がアポトーシスを起こすように細胞死経路を活性化する。オリゴマー化状態が高くなると、生物活性が上昇した。両方の四量体融合タンパク質は、二量体化されたEHD2タンパク質複合体と比較して明らかに高い生物活性を示す。予想外に、GCN4-sc-mTNFR2は、このバイオアッセイにおいてp53-sc-mTNFR2よりも最大で10倍高い生物活性を有した。ヒトscTNFR2変異体についても同様の結果が得られ、この場合、GCN4-scTNFR2はEHD2-scTNFR2およびp53-scTNFR2よりも約5倍高い最高の生物活性を示した。
実施例7
胸腺細胞のTNFR2誘導性増殖
実施例1のマウス複合体の生物活性は、C57BL/6マウスから単離された胸腺細胞を使用して試験された。C57BL/6マウスの胸腺を単離し、40μmのセルストレーナー(Flacon)で粉砕した。細胞を遠心分離(300×g、5分)し、培養培地(RPMI 1640、10%FCS、50μMのβ-メルカプトエタノール、P/S)で1回洗浄した。次に、1.5×105個の細胞を、抗CD3(クローン17A2、Biolegend)被覆した(6時間、4℃にて、1μg/ml)96ウェルプレートに播種し、実施例1のマウス複合体の存在下で4日間培養した。
細胞増殖は、MTTアッセイにより細胞生存率を測定することによって決定された。細胞をMTT(0.5mg/ml)とともに2時間、37℃でインキュベートした。次に、溶解緩衝液(10%SDS、20nM HCl)を添加し、細胞を一晩溶解し、光学密度を550nmで測定した。各々の試料を3回分析し、データをMicrosoft ExcelおよびGraphPad Prism 4ソフトウェアを使用して分析した(図9)。表7は、MTTアッセイで決定された胸腺細胞増殖のEC50値を要約する。
表7: TNFR2結合タンパク質複合体による胸腺細胞増殖誘導のEC
50値(nM)
4日間の培養後、GCN4-sc-mTNFR2は、EHD2-sc-mTNFR2と比較して、インビトロでの胸腺細胞増殖誘導におけるEC50値が低いことから明らかであるように、約3倍の生物活性の増加を示し、一方、p53-sc-mTNFR2は、このバイオアッセイにおいてEHD2-sc-mTNFR2に匹敵する活性を示した。
実施例8
TNFR2により誘導されるCxcl-2の分泌
実施例1のマウス複合体の生物活性は、BV-2細胞を使用して試験された。実施例1のマウス複合体の存在下でBV-2細胞を刺激し、24時間後に上清を回収し、製造業者の指示書に従ってCxcl-2に特異的なELISA(BV-2、R&D Systems、Minneapolis MN)により分析した。450nmでの吸光度を決定し、放出されたCxcl-2の量を提供された標準で決定し、GraphPad Prismソフトウェアを使用して計算した。表8に、ELISAで決定したCxcl-2分泌のEC50値を要約する(図10)。
表8:異なるTNFR2結合タンパク質複合体によって誘導されるCxcl-2分泌のEC
50値(nM)
p53-sc-mTNFR2および特にGCN4-sc-mTNFR2は、EHD2-sc-mTNFR2およびsc-mTNFR2と比較して3~10倍低いEC50値から明らかであるように、生物活性の有意な増加を示した。
実施例9
TNFR2誘導性TNF/TNFR2クラスタリング
実施例1のマウス複合体の生物活性は、BV-2細胞を使用して試験された。BV-2細胞を実施例1のマウス複合体で15分間、37℃で刺激した。次に、細胞をすぐに氷冷PBSで2回洗浄し、PBS溶液中の4%PFAで固定した。次に、非特異的結合部位をPBS中の4%BSAでブロックし、細胞をTNF(HP8001、Hbt)およびTNFR2(AF-426-PB、R&D systems)に対する抗体とともにインキュベートし、続いて適切な蛍光標識抗体で検出した。核をDAPIで対比染色した。Plan-Apochromat 63x/1.4油浸DIC対物レンズおよびAxiocam 503モノCCDカメラを装備したZeiss Axio Observer Spinning Disc顕微鏡で染色を分析した。次の励起レーザーおよび発光フィルターを使用した:DAPI:405ダイオードレーザー、450/50nmフィルター;GFP、488nmダイオードレーザー、525/50nmフィルター;RFP、561nm(RFP)ダイオードレーザー、600/50nmフィルター。6×6の画像を含むタイル領域のZスタックが取得され、最大強度の投影が計算された。画像処理はZen blue 2.1ソフトウェア(Zeiss、Germany)で行われた。
定量的画像分析をCellProfilerバージョン2.2.49で行った。核をDAPI染色によってセグメント化し、120ピクセル幅のリングマスクが、細胞マスクを表す各々の核の周囲に描かれた。TNF小胞は、A488染色を使用して細胞マスクの下でセグメント化され、各々の細胞で統一された。A546染色を使用したTNFR2シグナルの平均強度は、細胞あたりのTNFR2とTNFの間に共局在化する小胞のグレードを表す統一の小胞の下で測定された(図11)。結果は、p53-sc-mTNFR2とGCN4-sc-mTNFR2の両方が、刺激された細胞内に大きな白い点として視認可能なシグナルコンピテントTNF/TNFR2クラスターの形成を誘導することを有利に示す。
実施例10
免疫細胞を使用した生物活性
ヒトT細胞上の活性化マーカーCD25およびHLA-DR、ならびにマウスT細胞上のCD25およびTNFR2の発現は、TNFR2選択的タンパク質の存在下で上方制御される。
ボランティアのヒトドナーの血液をRPMI培地で1:2に希釈した。次に、30mlの希釈血液を10mlのHistopaque-1077(Sigma-Aldrich、Darmstadt、Germany)の上に重ね、ブレーキなしで20分間、800×gで遠心分離した。末梢血単核細胞(PBMC)を含む中間期を取り除き、30mlのRPMIで洗浄した(300×g、5分間)。血小板を除去するために、細胞を40mlのRPMIに再懸濁し、5分間、200×gで遠心分離した。次に、CD3+T細胞を、Pan T Cell Isolation Kit(Miltenyi Biotech)を使用した磁気分離により単離した。精製したT細胞をX-Vivo 15培地(Lonza、Basel、Switzerland)に再懸濁し、細胞をT細胞活性化のためにαCD3被覆した(4℃で6時間)96ウェル(Uフォーム)プレートに播種した。細胞をIL-2(10U/ml)および実施例1のマウス複合体の存在下で4日間培養した。次に、CD4、CD8、CD25、およびHLA-DRの表面発現を、製造業者の指示書(Miltenyi Biotech、Bergisch-Gladbach、Germany)に従ってフローサイトメトリーで決定した(図12A)。
C57BL/6野生型マウスの脾臓を40μmのセルストレーナーで分離し、10mlのMACS緩衝液(PBS、0.5%BSA、2mMのEDTA)に回収した。脾細胞を遠心分離し(300g、5分間)、10mlのMACS緩衝液で1回洗浄した。次に、FACS Aria IIIを使用してCD3+T細胞を単離し、T細胞活性化のために抗CD3被覆した(4℃で6時間)96ウェル(Uフォーム)プレートに播種した。T細胞をIL-2および実施例1のマウスタンパク質の存在下で4日間培養した。次に、CD25およびTNFR2の発現は、製造業者の指示書(Miltenyi Biotech、Bergisch-Gladbach)に従ってフローサイトメトリーで決定された。MACSQuant Analyzer 10(Miltenyi)を使用してデータを取得し、FlowJo(FlowJo、LLC)で分析した(図12B)。
特に、GCN4-sc-mTNFR2およびp53-sc-mTNFR2は、EHD2-sc-mTNFR2と比較して優れた生物活性を示した。
実施例11
マウスT細胞を使用した生物活性
TNFR2は、Tregの拡大に関与し、それによって、免疫調節および免疫抑制に貢献する。C57BL/6野生型マウス由来の脾臓を40μmのセルストレーナーで分離し、10mlのMACS緩衝液(PBS、0.5%BSA、2mMのEDTA)に回収した。脾細胞を遠心分離し(300g、5分間)、10mlのMACS緩衝液で1回洗浄した。次に、FACS Aria IIIを使用してCD3+ T細胞を単離し、T細胞活性化のために抗CD3被覆した(4℃で6時間)96ウェル(Uフォーム)プレートに播種した。T細胞をIL-2および実施例1の複合体の存在下で4日間培養した。次に、CD25、TNFR2、およびFoxP3の発現を、製造業者の指示書(Miltenyi Biotech、Bergisch-Gladbach)に従ってフローサイトメトリーにより決定した。MACSQuant Analyzer 10(Miltenyi)を使用してデータを取得し、FlowJo(FlowJo、LLC)で分析した(図13)。
結果は、12価複合体が6価複合体と比較して優れたTreg拡大を誘導することを示す。
実施例12
インビボ生物活性
実施例1のEHD2-sc-mTNFR2、p53-sc-mTNFR2およびGCN4-sc-mTNFR2(1mg/kg)をC57BL/6野生型マウスに腹腔内(i.p.)投与した。4日後、2回目の注射(1mg/kg)を適用した。7日後、脾臓を切除し、脾細胞を単離した。単離した脾臓を40μmのセルストレーナーで分離し、10mlのMACS緩衝液(PBS、0.5%BSA、2mMのEDTA)に回収した。脾細胞を遠心分離し(300g、5分)、脾臓あたり3mlのRBC緩衝液(0.15MのNH4Cl、10mMのKHCO3、0.1MのEDTA)中で5分間、室温でインキュベートし、赤血球を溶解した。次に、10mlのMACS緩衝液を添加し、脾細胞を5分間、300gで遠心分離した。細胞を10mlのMACS緩衝液で1回洗浄し(5分、300×g)、その後、MACS緩衝液に回収した。CD4+T細胞の亜集団内のマーカーCD25およびFoxP3の発現は、製造業者の指示書(Miltenyi Biotech、Bergisch-Gladbach)に従ってフローサイトメトリーにより決定された(図14A)。
インビボでは、p53-sc-mTNFR2とGCN4-sc-mTNFR2の両方はEHD2-sc-mTNFR2よりも強力であり、処置マウスの脾臓における調節性T細胞の量が増加していることが示される。
タンパク質の寛容は、実施例1のマウスタンパク質の投与(1mg/kg、i.p.)後の血液中のCRPレベルを測定することにより決定された。したがって、注射後の24時間および72時間に全血を回収し、製造業者の指示書に従ってマウスCRPに特異的なELISA(R&D Systems)によってCRPレベルを決定した。
異なるタンパク質間の差異は観察されず、異なるオリゴマー変異体の寛容を示した(図14B)。
実施例13
VASPを四量体化ドメインとして、またはFcを二量体化ドメインとして使用する12価TNFR2選択的アゴニスト
ヒトVASP(aa336-380)(配列番号86)の四量体化ドメインは、GAPGGGSGGGSGGGSGGGSGGGSGGSEFLA(配列番号41)からなるペプチドリンカーL3を介して、ヒト一本鎖TNF変異体(scTNFR2、D143N/A145R)(配列番号81)のN末端に融合され、VASP-scTNFR2(配列番号90)をもたらした。
さらに、ヒトscTNFR2変異体(配列番号81)は、Fc突然変異体Fcγ1(Δab;E233P、L234V、L235A、ΔG236、A327G、A330S、P331S)の二量体化ドメインのN末端およびC末端に融合され、ADCC/CDC機能性は無効化された(配列番号83)。3価PLGは、GGSGGGGSGG(配列番号99)からなるペプチドリンカーL3を介してFc(Δab)二量体化ドメインのN末端に接続され、GGSGGGSSGG(配列番号100)からなるペプチドリンカーL4を介してC末端に接続され、scTNFR2-Fc-scTNFR2(配列番号87)を得る。
コンストラクトの全体的なコドン使用頻度は、哺乳動物細胞における発現のために適合された。精製を促進するために、N末端のHisタグが全てのコンストラクトに導入された。
複合体VASP-scTNFR2およびscTNFR2-Fc-scTNFR2は、HEK293-6E細胞において産生され、Ni2+-NTA IMACにより精製され、サイズ排除クロマトグラフィーにより天然緩衝条件下で分析された(図15A)。scTNFR2-Fc-scTNFR2は、二量体アセンブリーに対応する主要なピークとして溶出され、VASP-scTNFR2は、四量体アセンブリーに対応する主要なピークとして溶出された。予想される分子量のジスルフィド接続された二量体は、scTNFR2-Fc-scTNFR2のSDS-PAGEによって確認された(図15B、表9)。VASP-scTNFR2は、VASP四量体化ドメインの非共有結合アセンブリーに従って、還元条件および非還元条件で同様のサイズのSDS-PAGEバンドにおいて示された。SDS-PAGEにより、発現されたポリペプチド鎖の純度および完全性をさらに確認した。
生物活性を調べるために、Kym-1細胞をscTNFR2-Fc-scTNFR2、VASP-scTNFR2、および対照としての6価EHD2-scTNFR2で刺激した。細胞生存率は、16時間後にクリスタルバイオレットアッセイにより決定された。ここでは、6価EHD2-scTNFR2タンパク質のEC50値を37pMと決定した。対照的に、2つの12価分子scTNFR2-Fc-scTNFR2およびVASP-scTNFR2のEC50値は8.5および7.0pMであった(図15C)。したがって、12価融合タンパク質の生物活性は、6価タンパク質と比較して約5倍増加した。
表9:本発明のさらなるTNF
R2結合タンパク質複合体の計算された分子量
本発明は、以下の項目に関する:
1.腫瘍壊死因子受容体(TNFR)結合タンパク質複合体であって、同じTNFR、好ましくはTNFR2の細胞外部分に特異的に結合する12個またはより多くのタンパク質リガンド(PL)を含む、TNFR結合タンパク質複合体。
2.12~18個、好ましくは12個のPLを含む、項目1のTNFR結合タンパク質複合体。
3.2~6個、好ましくは3個のPLが、以下の構造:
PL1-L1-PL2-L1-PL3-L1-PL4-L1-PL5-L1-PL6
を持つタンパク質リガンド群(PLG)を形成し、
式中、PL4~PL6のいずれかおよび/またはL1は、存在していなくてもよいし、または存在していてもよく、L1は、各場合で独立に、ペプチドリンカーを意味する、項目1または2のTNFR結合タンパク質複合体。
4.2~6個のPLGを含み、各PLGが2~6個のPLを含む、項目3のTNFR結合タンパク質複合体。
5.PLGが、ペプチドリンカー2(L2)を介して互いに連結されて、PLG多量体を形成する、項目3または4のTNFR結合タンパク質複合体。
6.2つ以上の重合ドメイン(PD)をさらに含み、好ましくは、該PDが、適宜ペプチドリンカー3(L3)を介して、該PDのN末端および/またはC末端でそれぞれPLGまたはPLG多量体に連結されている、項目3から5のいずれか1つのTNFR結合タンパク質複合体。
7.PDが、二量体化ドメイン、三量体化ドメインまたは四量体化ドメインからなる群から選択される、項目6のTNFR結合タンパク質複合体。
8.
(i)二量体化ドメインが、IgM(MHD2)またはIgE(EHD2)の重鎖ドメイン2(CH2)、免疫グロブリンFc領域、IgGまたはIgAの重鎖ドメイン3(CH3)、IgMまたはIgEの重鎖ドメイン4(CH4)、Fab、Fab2、ロイシンジッパーモチーフ、バルナーゼ-バルスター二量体、ミニ抗体およびZIPミニ抗体からなる群から選択され;
(ii)三量体化ドメインが、テネイシンC(TNC)、XVIII型コラーゲンのC末端非コラーゲン性ドメイン(NC1)の三量体化領域、Fab3様分子およびTriBi-ミニボディからなる群から選択され;または
(iii)四量体化ドメインが、p53の四量体化ドメイン、ジェネラルコントロールタンパク質4(general control protein 4)(GCN4)の四量体化ドメイン、VASP(血管拡張因子刺激リン酸化タンパク質)の四量体化ドメイン、直列型ダイアボディおよびジダイアボディからなる群から選択される、項目7のTNFR結合タンパク質複合体。
9.各PDが、別のPD中の少なくとも1つのアミノ酸残基と共有結合を形成可能な少なくとも1つのアミノ酸残基、好ましくはCys残基を含む、項目6から8(i)および(ii)のいずれかのTNFR結合タンパク質複合体。
10.L3が、4~32アミノ酸の長さを有し、L3が、少なくとも1つのグリコシル化モチーフを含んでもよく、好ましくは少なくとも1つのモチーフが、グリコシル化されている、項目6から9のいずれかのTNFR結合タンパク質複合体。
11.L3が、(GGS)p、(GGGS)nまたは(GGSGG)mからなる群から選択される1つ以上の反復単位を含み、pが、1~10の整数であり、nが、1~8の整数であり、mが、1~6の整数である、項目10のTNFR結合タンパク質複合体。
12.各PLが、TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質(THD)のTNF相同ドメイン、骨格-タンパク質およびペプチド模倣体からなる群から互いに独立に選択される、項目1から11のいずれかのTNFR結合タンパク質複合体。
13.TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質が、TNF、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAILまたはTNFSF10、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー)、CD40L(TNFSF5)、CD27L(TNFSF7)、CD30L(TNFSF8)、FasL(TNFSF6)、4-1BBL(TNFSF9)、OX40L(TNFSF4)、EDA;LTA(TNFSF1)、LTB(TNFSF3)、CD153(TNFSF8)、RANKL(TNFSF11)、TWEAK(TNFSF12)、APRIL(TNFSF13)、BAFF(TNFSF13B)、LIGHT(TNFSF14)、VEGI(TNFSF15)およびGITRL(TNFSF18)からなる群から選択される、項目12のTNFR結合タンパク質複合体。
14.TNF-リガンドファミリーメンバータンパク質が、TNFまたはLTAである、項目1から12のいずれか1つのTNFR結合タンパク質複合体。
15.前記TNFが、D143Y、D143F、D143E、D143N、E146Q、E146H、E146K A145R/S147T、Q88N/T89S/A145S/E146A/S147D、Q88N/A145I/E146G/S147D、A145H/E146S/S147D、A145H/S147D、L29V/A145D/E146D/S147D、A145N/E146D/S147D、A145T/E146S/S147D、A145Q/E146D/S147D、A145T/E146D/S147D、A145D/E146G/S147D、A145D/S147D、A145K/E146D/S147T、A145R/E146T/S147D、A145R//S147T、E146D/S147D、E146N/S147、K65W、D143N、D143E、D143F、D143W、D143Y、D143V、D143V/F144L/A145S、D143N/A145R、D143V/A145S、A145R、A145H、A145K、A145FおよびA145Wからなる群から選択される1つ以上のTNFR2特異的突然変異を含む配列番号43に記載の配列を含む、項目14のTNFR結合タンパク質複合体。
16.C末端コンセンサス配列
-S/T/V-F/Y/S-F-G-A/L/V/I-X1(配列番号1)
で定義される第1のTHDのC末端がそれぞれ、N末端コンセンサス配列
X2-V/A/F-A-H-V/L/I/Y(配列番号2)、
または
X3-V/W/F/C-A/L-E/Y/Q/H-L(配列番号3)
で定義される第2のTHDのN末端に、2~20アミノ酸、好ましくは2~15アミノ酸、より好ましくは3~10アミノ酸、最も好ましくは3~5アミノ酸の長さを有するL1を介して連結され;
(式中、X1は、無極性/疎水性または極性/中性アミノ酸であり、好ましくはF、V、Q、A、I、LおよびYからなる群から選択され;
X2は、P、K、V、IおよびAからなる群から選択され;
X3は、D、S、MおよびIからなる群から選択される);
第1および第2のTHDと同じ方法で互いにそれぞれ連続的に連結されたさらなるTHDを1~4個さらに含んでもよい、項目12~15のいずれかのTNFR結合タンパク質複合体。
17.ペプチド模倣体が、リポタンパク質関連凝固阻害因子(LACI-D1);ヒトγBクリスタリンまたはヒトユビキチンから選択されるアフィリン;シスタチン;スルホロブスアシドカルダリウス由来Sac7D;リポカリンに由来するリポカリンおよびアンチカリン;設計されたアンキリン反復ドメイン(DARPins);FynのSH3ドメイン;プロテアーゼ阻害剤のクニッツドメイン;第10フィブロネクチンIII型ドメインから選択されるモノボディ;アドネクチン;システインノットミニタンパク質;アトリマー;CTLA4に基づく結合剤から選択されるエビボディ;黄色ブドウ球菌由来プロテインAのZ-ドメイン由来3重ヘリックスバンドルから選択されるアフィボディ;ヒトトランスフェリンから選択されるトランスボディ;モノマーまたはトリマーヒトC型レクチンドメインから選択されるテトラネクチン;トリプシン阻害因子IIから選択されるミクロボディ;アフィリン;アルマジロ反復タンパク質からなる群から選択される、項目12のTNFR結合タンパク質複合体。
18.項目1~17のいずれかによるTNFR結合タンパク質複合体またはそれに含まれるPLGをコードする核酸。
19.項目18による核酸を含むベクター。
20.医薬としての使用のための、項目1~17のいずれかによるTNFR結合タンパク質複合体、項目18による核酸または項目19によるベクター。
21.項目1~17のいずれかによるTNFR結合タンパク質複合体または項目18による核酸または項目19によるベクターを活性薬剤として含む医薬組成物。
22.高増殖性障害もしくは炎症性障害、好ましくはがん、または血液学系の悪性病変、自己免疫性障害および神経変性疾患の診断、予防または処置における使用のための、項目1~17のいずれかによるTNFR結合タンパク質複合体または項目18による核酸または項目19によるベクターまたは項目21による医薬組成物。