以下に本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
(実施形態1)
[粘着剤組成物]
本実施形態の粘着剤組成物(I)は、ポリエーテル構造を有するポリマー(A)を主成分として含み、導電剤をさらに含む。本発明者らの検討によれば、ポリマー(A)中のポリエーテル構造は、粘着剤組成物(I)に含まれる導電剤の電離を促進しうると共に、導電剤の電離は、粘着剤組成物から形成した粘着シートの表面抵抗値の低下に寄与しうる。
また、さらなる検討によれば、(i)ポリエーテル構造を有するポリマー(A)を主成分として含む粘着剤組成物から形成した粘着シートを光学積層体に使用すると、高温環境を経た後に、不要な着色、特に赤色の着色、が生じる傾向にあること、(ii)着色は、偏光板が光学積層体に含まれている場合に多くみられること、及び(iii)着色の原因として、高温によってポリエーテル構造に起因して生じたラジカルが光学フィルムに移動して、光学フィルムに含まれるポリマーに作用する機構が推定されること、が判明した。ラジカルによるポリマーへの作用としては、例えば、偏光子に含まれる典型的なポリマーであるポリビニルアルコール(PVA)のポリエン化が考えられる。PVAのポリエン化とは、PVAの主鎖に複数の炭素-炭素不飽和結合が生じて共役構造が伸張する現象であり、共役構造の伸張によって可視光域に吸収が生じ、着色(典型的には赤色)を呈すると考えられる。PVAのポリエン化は、熱に起因する加水分解によってホウ酸との架橋構造が消失してPVAの末端OH基が多く露出し、露出したOH基間の脱水縮合反応が進む現象として説明できる。また、この脱水縮合反応は、ラジカル反応であると推定される。なお、偏光子中のPVAに限られず、高温下の光学フィルム内でのラジカル反応の進行は、着色等の光学特性の変化を光学フィルムにもたらしうると考えられる。なお、ポリエーテル構造に起因して生じたラジカルには、ポリエーテル構造から生じたラジカルを起点として他の成分(例えば、重合開始剤、架橋剤、酸化防止剤等)が関与して発生したラジカルが含まれうる。
粘着剤組成物(I)は、ラジカル捕捉剤をさらに含む。ラジカル捕捉剤によって、粘着剤組成物(I)から形成された粘着シートにおける、高温下でのラジカル発生量を制限できる。粘着シートとしたときに高温下でのラジカル発生量が制限された粘着剤組成物(I)は、高温を考慮すべき環境下での光学積層体への使用に適している。
粘着剤組成物(I)から粘着シートを形成したときに、形成された粘着シートは1×1010Ω/□以下の表面抵抗値を有する。表面抵抗値は、5×109Ω/□以下、1×109Ω/□以下、8×108Ω/□以下、6×108Ω/□以下、5×108Ω/□以下、4×108Ω/□以下、3×108Ω/□以下、さらには2×108Ω/□以下であってもよい。表面抵抗値の下限は、例えば1×106Ω/□以上であり、1×107Ω/□以上であってもよい。粘着シートとしたときの表面抵抗値が上記範囲にある粘着剤組成物(I)は、静電気が生じやすい環境下、例えば車両の内部、における使用に適している。
<ポリマー(A)>
ポリマー(A)の例は、(メタ)アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、シリコーン系ポリマー及びゴム系ポリマーである。ただし、ポリマー(A)は、ポリエーテル構造を有する限り、上記例に限定されない。ポリマー(A)は、好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマーである。換言すれば、粘着剤組成物(I)は(メタ)アクリル系ポリマーを主成分として含んでいてもよい。さらに換言すれば、粘着剤組成物(I)はアクリル系粘着剤組成物であってもよい。主成分とは、組成物において最も含有率の大きな成分を意味する。主成分の含有率は、例えば50重量%以上であり、60重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、さらには80重量%以上であってもよい。本明細書において(メタ)アクリル系ポリマーとは、(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系単量体に由来する構成単位を有するポリマーを意味する。(メタ)アクリル系ポリマーにおける(メタ)アクリル系単量体に由来する構成単位の含有率は、例えば40重量%以上であり、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、さらには95重量%以上であってもよい。(メタ)アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル系単量体に由来する構成単位のみからなってもよい。(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルを意味する。(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
ポリマー(A)は、ポリエーテル構造を有する。ポリエーテル構造は、少なくとも2つのエーテル基(-O-)を含む構造である。ポリエーテル構造は、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。ポリエーテル構造の一例は、直鎖状であっても分岐を有していてもよいアルキル基と、少なくとも2つのエーテル基とを含む。ポリマー(A)は、ポリエーテル構造を主鎖に有していても側鎖に有していてもよく、側鎖に有することが好ましい。ポリマー(A)は、ポリエーテル構造を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーであってもよい。
ポリマー(A)は、ポリエーテル構造を有する構成単位を有していてもよい。当該構成単位においてポリエーテル構造は、主鎖に位置していても側鎖に位置していてもよく、側鎖に位置することが好ましい。ポリマー(A)は、ポリエーテル構造を側鎖に有する(メタ)アクリル系単量体に由来する構成単位を有していてもよい。
ポリエーテル構造を側鎖に有するポリマー(A)の一例は、以下の式(1)に示す単量体に由来する構成単位を有する。式(1)のR
1は、水素原子又はメチル基である。式(1)のR
2は、直鎖状であっても分岐を有していてもよいアルキル基であり、好ましくは、直鎖状のアルキル基である。R
2の例は、メチル基及びエチル基である。nは、1~15の整数であり、好ましくは1~10の整数であり、より好ましくは1~5の整数である。nが1のとき、式(1)の単量体は、COO基の「-O-」を含め、2つのエーテル基を含む。式(1)の単量体は、(メタ)アクリル系単量体の1種であり、より具体的には、(メタ)アクリレート単量体の1種である。側鎖末端のR
2O基に着目すると、式(1)の単量体は、アルコキシ基含有(メタ)アクリレート単量体の1種でもある。式(1)の単量体に由来する構成単位は、ポリエーテル構造を側鎖に有する。
式(1)の単量体の例は、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートであり、好ましくは2-メトキシエチルアクリレート(MEA)である。式(1)の単量体に由来する構成単位は、粘着剤組成物(I)から形成された粘着シートにおける表面抵抗値の低下に特に寄与しうる。
ポリマー(A)におけるポリエーテル構造を有する構成単位(例えば、式(1)の単量体に由来する構成単位)の含有率は、例えば15重量%以上であり、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、45重量%以上、50重量%以上、55重量%以上、60重量%以上、65重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、さらには95重量%以上であってもよい。当該含有率の上限は、例えば100重量%以下であり、99.5重量%以下、さらには99重量%以下であってもよい。
ポリマー(A)は、以下の単量体(A2)に由来する構成単位を1種又は2種以上有していてもよい。なお、以下に示す単量体(A2)は、式(1)の単量体との共重合が可能である。
単量体(A2)の例は、炭素数1~30のアルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル系単量体である。アルキル基は、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。アルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル系単量体の例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n-へキシル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びオクタデシル(メタ)アクリレートである。ポリマー(A)におけるアルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル系単量体に由来する構成単位の含有率は、例えば80重量%以下であり、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、さらには5重量%以下であってもよく、0重量%であっても(当該構成単位を有さなくても)よい。
単量体(A2)の別の例は、水酸基含有単量体である。水酸基含有単量体は、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体であってもよい。水酸基含有単量体の例は、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート及び12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、並びに(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)-メチルアクリレートである。粘着剤組成物(I)から形成された粘着シートの耐久性を向上させる観点からは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがより好ましい。ポリマー(A)における水酸基含有単量体に由来する構成単位の含有率は、例えば1~5重量%であり、3重量%以下、さらには2重量%以下であってもよい。ポリマー(A)は、水酸基含有単量体に由来する構成単位を有さなくてもよい。
単量体(A2)は、芳香環含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体、アミド基含有単量体であってもよい。芳香環含有単量体は、芳香環含有(メタ)アクリル系単量体であってもよい。芳香環含有単量体の例は、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル化β-ナフトール(メタ)アクリレート及びビフェニル(メタ)アクリレートである。カルボキシル基含有単量体の例は、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸及びクロトン酸である。アミノ基含有単量体の例は、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートである。アミド基含有単量体の例は、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロール-N-プロパン(メタ)アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトメチル(メタ)アクリルアミド及びメルカプトエチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;N-(メタ)アクリロイルモルフォリン、N-(メタ)アクリロイルピペリジン及びN-(メタ)アクリロイルピロリジン等のN-アクリロイル複素環単量体;並びにN-ビニルピロリドン及びN-ビニル-ε-カプロラクタム等のN-ビニル基含有ラクタム系単量体である。
単量体(A2)は、多官能性単量体であってもよい。多官能性単量体の例は、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート)、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート及びウレタンアクリレート等の多官能アクリレート;並びにジビニルベンゼンである。多官能アクリレートは、好ましくは1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。
ポリマー(A)における芳香環含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体、アミド基含有単量体及び多官能性単量体に由来する構成単位の含有率の合計は、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下である。ポリマー(A)が当該構成単位を有する場合、含有率の合計は、例えば0.01重量%以上であり、1重量%以上、2重量%以上、さらには3重量%以上であってもよい。ポリマー(A)は、これらの構成単位を有さなくてもよい。特に、ポリマー(A)において、カルボキシル基含有単量体に由来する構成単位の含有率は、0.1重量%未満であってもよく、0重量%であっても(当該構成単位を有さなくても)よい。
その他の単量体(A2)の例は、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸グリシジル及び(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のエポキシ基含有単量体;ビニルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有単量体;リン酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン及びビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン及びイソブチレン等のオレフィン類、又はジエン類;ビニルアルキルエーテル等のビニルエーテル類;並びに塩化ビニルである。
ポリマー(A)における上記その他の単量体(A2)に由来する構成単位の含有率の合計は、例えば30重量%以下であり、10重量%以下であってもよく、0重量%である(当該構成単位を有さない)ことが好ましい。
ポリマー(A)は、上述した1種又は2種以上の単量体を公知の方法により重合して形成できる。単量体と、単量体の部分重合物とを重合してもよい。重合は、例えば、溶液重合、乳化重合、塊状重合、熱重合、活性エネルギー線重合により実施できる。光学的透明性に優れる粘着シートを形成できる観点からは、溶液重合、活性エネルギー線重合が好ましい。重合は、単量体及び/又は部分重合物と酸素との接触を避けて実施することが好ましく、このために、例えば、窒素等の不活性ガス雰囲気下における重合、あるいは樹脂フィルム等により酸素を遮断した状態での重合を採用できる。形成するポリマー(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの態様であってもよい。
ポリマー(A)を形成する重合系は、1種又は2種以上の重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤の種類は、重合反応により選択でき、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤であってもよい。
溶液重合に使用する溶媒は、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類である。ただし、溶媒は上記例に限定されない。溶媒は、2種以上の溶媒の混合溶媒であってもよい。
溶液重合に使用する重合開始剤は、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系重合開始剤である。過酸化物系重合開始剤は、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルマレエートである。なかでも、特開2002-69411号公報に開示のアゾ系重合開始剤が好ましい。当該アゾ系重合開始剤は、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’-アゾビス-4-シアノバレリアン酸である。ただし、重合開始剤は上記例に限定されない。アゾ系重合開始剤の使用量は、例えば、単量体の全量100重量部に対して0.05~0.5重量部であり、0.1~0.3重量部であってもよい。
活性エネルギー線重合に使用する活性エネルギー線は、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線、及び紫外線である。活性エネルギー線は、紫外線が好ましい。紫外線の照射による重合は、光重合とも称される。活性エネルギー線重合の重合系は、典型的には、光重合開始剤を含む。活性エネルギー重合の重合条件は、ポリマー(A)が形成される限り、限定されない。
光重合開始剤は、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α-ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤である。ただし、光重合開始剤は上記例に限定されない。
ベンゾインエーテル系光重合開始剤は、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、アニソールメチルエーテルである。アセトフェノン系光重合開始剤は、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-(t-ブチル)ジクロロアセトフェノンである。α-ケトール系光重合開始剤は、例えば、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-2-メチルプロパン-1-オンである。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤は、例えば、2-ナフタレンスルホニルクロライドである。光活性オキシム系光重合開始剤は、例えば、1-フェニル-1,1-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)-オキシムである。ベンゾイン系光重合開始剤は、例えば、ベンゾインである。ベンジル系光重合開始剤は、例えば、ベンジルである。ベンゾフェノン系光重合開始剤は、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。ケタール系光重合開始剤は、例えば、ベンジルジメチルケタールである。チオキサントン系光重合開始剤は、例えば、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンである。
光重合開始剤の使用量は、例えば、単量体の全量100重量部に対して0.01~1重量部であり、0.05~0.5重量部であってもよい。
ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)は、例えば、100万~300万であり、好ましくは180万~300万である。ポリマー(A)の重量平均分子量が100万~300万であることによって、粘着シートのクラックを抑制できるとともに、粘度の上昇やゲル化の発生を抑制できる傾向がある。本明細書におけるポリマーの重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)の測定に基づく値(ポリスチレン換算)である。
ポリマー(A)のガラス転移温度(Tg)は、例えば-50℃以下であり、好ましくは-52℃以下であり、より好ましくは-55℃以下である。ポリマー(A)のTgの下限値は、例えば-75℃である。ポリマー(A)のTgは、ポリマー(A)の構成単位を形成する単量体ごとに、ホモポリマーとしたときのTgを求め、これらのTgを構成単位の含有率を考慮して平均した値である。
粘着剤組成物(I)におけるポリマー(A)の含有率は、固形分比で、例えば50重量%以上であり、60重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、さらには80重量%以上であってもよい。含有率の上限は、例えば99重量%以下であり、97重量%以下、さらには95重量%以下であってもよい。
<導電剤>
粘着剤組成物(I)は、導電剤(帯電防止剤)をさらに含む。粘着剤組成物(I)は、1種又は2種以上の導電剤を含んでいてもよい。導電剤の例は、塩等のイオン性化合物である。イオン性化合物は、常温(25℃)で液体のイオン液体であってもよい。
イオン性化合物の例は、無機カチオン塩及び有機カチオン塩である。無機カチオン塩の例は、無機カチオン-アニオン塩である。無機カチオン塩に含まれるカチオンの例は、アルカリ金属イオンである。アルカリ金属イオンは、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンであり、好ましくはリチウムイオンである。無機カチオン塩は、リチウム塩であってもよい。
無機カチオン塩に含まれるアニオンの例は、Cl-、Br-、I-、AlCl4
-、Al2Cl7
-、BF4
-、PF6
-、ClO4
-、NO3
-、CH3COO-、CF3COO-、CH3SO3
-、CF3SO3
-、(CF3SO2)3C-、AsF6
-、SbF6
-、NbF6
-、TaF6
-、(CN)2N-、C4F9SO3
-、C3F7COO-、(CF3SO2)(CF3CO)N-、-O3S(CF2)3SO3
-、及び下記一般式(a)~(d)で表されるアニオンである。
(a) (CnF2n+1SO2)2N- (nは1~10の整数)
(b) CF2(CmF2mSO2)2N- (mは1~10の整数)
(c) -O3S(CF2)lSO3
- (lは1~10の整数)
(d) (CpF2p+1SO2)N-(CqF2q+1SO2) (p及びqは、互いに独立して1~10の整数)
無機カチオン塩に含まれるアニオンは、好ましくはフッ素含有アニオンであり、より好ましくはフッ素含有イミドアニオンである。フッ素含有イミドアニオンの例は、ペルフルオロアルキル基を有するイミドアニオンである。フッ素含有イミドアニオンのより具体的な例は、(CF3SO2)(CF3CO)N-や、上記の一般式(a)、(b)又は(d)で表されるアニオンであり、好ましくは(CF3SO2)2N-、(C2F5SO2)2N-等の一般式(a)で表わされる(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドであり、より好ましくは(CF3SO2)2N-で表わされるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。好ましい無機カチオン塩の例は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)である。
有機カチオン塩の例は、有機カチオン-アニオン塩である。有機カチオン塩に含まれるカチオンの例は、有機基を含む有機オニウムである。有機オニウムに含まれるオニウムの例は、含窒素オニウム、含硫黄オニウム、含リンオニウムであり、好ましくは、含窒素オニウム、含硫黄オニウムである。含窒素オニウムの例は、アンモニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオンである。含硫黄オニウムの例は、スルホニウムカチオンである。含リンオニウムの例は、ホスホニウムカチオンである。有機オニウムに含まれる有機基の例は、アルキル基、アルコキシル基、アルケニル基である。好ましい有機オニウムの具体例は、テトラアルキルアンモニウムカチオン(例えば、トリブチルメチルアンモニウムカチオン)、アルキルピペリジニウムカチオン、アルキルピロリジニウムカチオンである。
有機カチオン塩に含まれるアニオンの例は、無機カチオン塩に含まれるアニオンの例と同じである。好ましい有機カチオン塩の例は、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、トリメチルブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
導電剤は、無機カチオン塩と有機カチオン塩とを組み合わせて用いてもよい。
粘着剤組成物(I)における導電剤の配合量は、ポリマー(A)100重量部に対して、例えば0.5重量部以上であり、1重量部以上、2重量部以上、3重量部以上、さらには4重量部以上であってもよい。配合量の上限は、ポリマー(A)100重量部に対して、例えば20重量部以下であり、15重量部以下、10重量部以下、10重量部未満、9重量部以下、8重量部以下、7重量部以下、さらには6重量部以下であってもよい。
<ラジカル捕捉剤>
粘着剤組成物(I)は、ラジカル捕捉剤をさらに含む。ラジカル捕捉剤の例は、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ホスファイト系、フェノール系及びチオエーテル系、並びにこれらの系統を混合したブレンド系等の各種の酸化防止剤である。
酸化防止剤の種類は、例えば、ラジカル連鎖禁止剤及び過酸化物分解剤である。
酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系及びホスファイト系から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、フェノールのOH基が結合した芳香環上の炭素原子に隣接した少なくとも1つの炭素原子に対してターシャリーブチル基が結合した構造を有していてもよい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の例は、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT);並びにIrganox1010、Irganox1010FF、Irganox1035、Irganox1035FF、Irganox1076、Irganox1076FD、Irganox1076DWJ、Irganox1098、Irganox1135、Irganox1330、Irganox1726、Irganox1425WL、Irganox1520L、Irganox245、Irganox245FF、Irganox259、Irganox3114、Irganox565及びIrganox295(いずれも商品名であり、BASF社製)である。
ヒンダードアミン系酸化防止剤は、一分子中に少なくとも1つのヒンダードピぺリジン基を有していてもよい。ヒンダードアミン系酸化防止剤の例は、アデカスタブLA-63、アデカスタブLA-63P、アデカスタブLA-52及びアデカスタブLA-57(いずれも商品名であり、ADEKA社製)である。
ホスファイト系酸化防止剤の例は、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト及びフェニルジイソデシルホスファイト;並びにアデカスタブ2112、アデカスタブ2112RG、アデカスタブ1178及びアデカスタブ3010(いずれも商品名であり、ADEKA社製)である。
フェノール系酸化防止剤の例は、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤及び高分子型フェノール系酸化防止剤である。モノフェノール系酸化防止剤の例は、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、ステアリン-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートである。ビスフェノール系酸化防止剤の例は、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンである。高分子型フェノール系酸化防止剤の例は、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’-ビス-(4’-ヒドロキシ-3’-t-ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-(1H、3H、5H)トリオン及びトコフェノールである。
チオエーテル系酸化防止剤の例は、アデカスタブAO-503及びアデカスタブAO-26(いずれも商品名であり、ADEKA社製)である。
ラジカル捕捉剤(例えば酸化防止剤)の分子量は、1000以下であってもよく、900以下、850以下、800以下、700以下、600以下、500以下、450以下、さらには400以下であってもよい。分子量の下限は、例えば100以上である。本発明者らの検討によれば、分子量が上記範囲にあるラジカル捕捉剤は、粘着剤組成物(I)から形成された粘着シートにおけるラジカル発生量の抑制に特に適している。
ラジカル捕捉剤(例えば酸化防止剤)は、常温(25℃)で液体であってもよい。
粘着剤組成物(I)におけるラジカル捕捉剤の配合量は、ポリマー(A)100重量部に対して、例えば0.1重量部以上であり、0.2重量部以上、0.3重量部以上、0.4重量部以上、さらには0.5重量部以上であってもよい。配合量の上限は、ポリマー(A)100重量部に対して、例えば15重量部以下であり、10重量部以下、7重量部以下、5重量部以下、5重量部未満、4重量部以下、3重量部以下、さらには2重量部以下であってもよい。
<添加剤>
粘着剤組成物(I)は、ポリマー(A)、導電剤及びラジカル捕捉剤以外の材料をさらに含んでいてもよい。当該材料の例は、添加剤である。添加剤の例は、架橋剤、シランカップリング剤、顔料及び染料等の着色剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、リワーク向上剤、軟化剤、重合禁止剤、防錆剤、無機充填材、有機充填材、金属粉等の粉体、粒子、及び箔状物である。添加剤は、ポリマー(A)100重量部に対して合計で、例えば10重量部以下、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下の範囲で配合できる。
架橋剤の例は、有機系架橋剤及び多官能性金属キレートである。有機系架橋剤の例は、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤、エポキシ系架橋剤及びイミン系架橋剤である。有機系架橋剤及び多官能性金属キレートは、溶剤型及び活性エネルギー線硬化型のいずれの型の粘着剤組成物(I)に対しても使用できる。粘着剤組成物(I)が溶剤型である場合、架橋剤は、好ましくは過酸化物系架橋剤、イソシアネート系架橋剤である。過酸化物系架橋剤とイソシアネート系架橋剤とを併用してもよい。粘着剤組成物(I)は、イソシアネート系架橋剤を含んでいてもよく、過酸化物系架橋剤を含んでいてもよく、イソシアネート系架橋剤及び過酸化物系架橋剤の双方を含んでいてもよい。
イソシアネート系架橋剤の例は、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート及びポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の芳香族イソシアネート化合物;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート化合物;ブチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアナート及びヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート化合物である。イソシアネート系架橋剤は、上記イソシアネート化合物をトリメチロールプロパン等の多価アルコール化合物に付加した化合物(アダクト体);上記イソシアネート化合物をポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール及びポリイソプレンポリオール等のポリオールと付加反応させた化合物;イソシアヌレート化物等の上記イソシアネート化合物の誘導体であってもよい。誘導体の具体例は、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー社製、コロネートL)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー社製、コロネートHL)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(例えば、東ソー社製、コロネートHX)である。
粘着剤組成物(I)がイソシアネート系架橋剤を含む場合、その配合量は、ポリマー(A)100重量部に対して、例えば0.1~10重量部であり、0.2~5重量部、0.25~3重量部、0.3~1重量部、さらには0.3~0.5重量部であってもよい。
過酸化物系架橋剤の例は、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキサイド、ジ-n-オクタノイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(4-メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシイソブチレート、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサンである。過酸化物系架橋剤は、架橋反応効率が優れることから、ベンゾイルパーオキサイドであってもよい。
粘着剤組成物(I)が過酸化物系架橋剤を含む場合、その配合量は、ポリマー(A)100重量部に対して、例えば0.005~5重量部であり、0.01~3重量部、0.05~2重量部、0.07~1重量部、0.07~0.5重量部、0.07~0.3重量部、さらには0.07~0.2重量部であってもよい。
シランカップリング剤の例は、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤;3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤である。
粘着剤組成物(I)がシランカップリング剤を含む場合、その配合量は、ポリマー(A)100重量部に対して、例えば5重量部以下であり、3重量部以下、1重量部以下、0.5重量部以下、0.2重量部以下、0.1重量部以下、さらには0.05重量部以下であってもよい。粘着剤組成物(I)は、シランカップリング剤を含まなくてもよい。
粘着剤組成物(I)の型は、例えば、エマルション型、溶剤型(溶液型)、活性エネルギー線硬化型(光硬化型)、熱溶融型(ホットメルト型)である。耐久性に優れる粘着シートを形成できる観点からは、粘着剤組成物(I)は、溶剤型又は活性エネルギー線硬化型であってもよく、溶剤型であってもよい。溶剤型の粘着剤組成物(I)は、紫外線硬化剤等の光硬化剤を含まなくてもよい。
粘着剤組成物(I)は、例えば、光学積層体に使用できる。換言すれば、粘着剤組成物(I)は光学積層体用であってもよい。ただし、粘着剤組成物(I)の用途は、上記例に限定されない。
(実施形態2)
[粘着剤組成物]
本実施形態の粘着剤組成物(II)は、ポリマー(B)を含む。粘着剤組成物(II)は、ポリマー(B)を主成分として含んでいてもよい。「主成分」は、上述した意味を有する。ここで、周波数100kHzにおけるポリマー(B)の比誘電率は、5.0以上である。加えて、粘着剤組成物(II)から形成された粘着シートを105℃で120時間加熱した後に、粘着シートは、質量基準で1000ppm以下のギ酸を含有する。ギ酸の含有量がこの程度に低い場合、高温環境を経た後であっても、光学積層体に着色が生じにくい。
本発明者らの検討によれば、(iv)周波数100kHzにおける比誘電率が5.0以上であるポリマーを含む粘着剤組成物から形成した粘着シートを光学積層体に使用すると、高温環境を経た後に、不要な着色、特に赤色の着色、が生じる傾向にあること、及び(v)着色は、偏光板が光学積層体に含まれている場合に多くみられること、が判明した。この原因として、例えば、粘着シートに含まれている酸が、光学フィルムに含まれるポリマーに作用することが判明した。加えて、本発明者らは、光学フィルムに含まれるポリマーに作用する酸がギ酸であることを見出した。ギ酸によるポリマーへの作用としては、例えば、偏光子に含まれるPVAのポリエン化が考えられる。PVAにおいて、露出したOH基がギ酸によってプロトン化され、脱水縮合反応が進行すると推定される。なお、偏光子中のPVAに限られず、高温下の光学フィルム内でのギ酸による上記反応の進行は、着色等の光学特性の変化を光学フィルムにもたらしうると考えられる。
上記したとおり、光学積層体を加熱することによって、光学積層体を構成する部材にギ酸が生じうる。ギ酸が生じうる光学積層体の部材として、粘着シート、偏光板、OCA(optical clear adhesive)層、及び保護フィルムが挙げられる。OCA層は、例えば、光学積層体において、偏光板の粘着シートとは反対側の面に形成された粘着剤層である。言い換えると、偏光板は、粘着シートとOCA層との間に配置されていてもよい。OCA層は、光学透明粘着剤を含む層である。OCA層に含まれる粘着剤の材料は、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系ポリマー、ゴム系ポリマーなどをベースポリマーとして含む。保護フィルムは、例えば、偏光子の表面に形成されるフィルムである。保護フィルムの詳細は後述する。例えば、保護フィルムが加水分解されることによってギ酸が発生しうる。
粘着剤組成物(II)から形成された粘着シートを105℃で120時間加熱した後に、粘着シートに含まれるギ酸の含有量は、質量基準で、800ppm以下、500ppm以下、200ppm以下、100ppm以下、70ppm以下、50ppm以下、25ppm以下、5ppm以下、2.5ppm以下、さらには2.5ppm未満であってもよい。ギ酸の含有量の下限は、特に限定されず、例えば、質量基準で0ppm以上である。
周波数100kHzにおけるポリマー(B)の比誘電率Pは、5.0以上である。比誘電率Pがこの程度に高い場合、比誘電率が低い光学フィルム、特に偏光フィルムと粘着シートとを組み合わせて用いた場合であっても、画像表示装置が備えるタッチセンサの感度の低下を抑制できる傾向がある。
比誘電率Pは、次の方法によって測定できる。まず、ポリマーのみから構成された、厚さ30μmの試験片を作製する。この試験片について、JIS K6911:1995に準拠して、周波数100kHzにおける比誘電率を自動平衡ブリッジ法(変成器ブリッジ法)により測定する。得られた測定値を比誘電率Pとみなすことができる。比誘電率の測定条件の詳細は、以下のとおりである。
・測定条件
測定方法:容量法(装置:Agilent Technologies社製の4294A Precision Impedance Analyzer)
電極構成:直径12.1mm、厚さ0.5mmのアルミニウム板
対向電極:3oz 銅板
測定環境:23±1℃、52±1%RH
比誘電率Pは、6.0以上、6.5以上、6.8以上、7.0以上、7.3以上、さらには7.5以上であってもよい。比誘電率Pの上限は、特に限定されず、例えば、10.0以下である。
粘着剤組成物(II)に含まれるポリマー(B)は、例えば、実施形態1で説明したポリマー(A)であってもよい。
粘着剤組成物(II)は、ラジカル捕捉剤及び過酸化物系架橋剤をさらに含んでいてもよい。
ラジカル捕捉剤は、酸化防止剤であってもよい。ラジカル捕捉剤として、例えば、実施形態1で説明したラジカル捕捉剤、すなわち、各種の酸化防止剤が使用できる。粘着剤組成物(II)において、ラジカル捕捉剤(例えば酸化防止剤)の分子量は、1000以上であってもよい。分子量の上限は、例えば、1500以下である。本発明者らの検討によれば、分子量が上記範囲にあるラジカル捕捉剤は、粘着剤組成物(II)から形成された粘着シートにおけるギ酸の発生量の抑制に特に適している。粘着剤組成物(II)におけるラジカル捕捉剤の好ましい配合量は、実施形態1で説明したとおりである。
過酸化物系架橋剤は、例えば、実施形態1で説明した過酸化物系架橋剤を使用できる。粘着剤組成物(II)における過酸化物系架橋剤の好ましい配合量は、実施形態1で説明したとおりである。過酸化物系架橋剤の過剰な配合は、偏光子に含まれるPVAのポリエン化を促進させうる。ポリエン化には、過酸化物系架橋剤の関与する反応の反応物、例えば、安息香酸が関与している可能性がある。粘着剤組成物(II)が過酸化物系架橋剤を含む場合、その配合量が上記した範囲であれば、着色の抑制に特に適している。
粘着剤組成物(II)は、過酸化物系架橋剤に加えてイソシアネート系架橋剤をさらに含んでいてもよい。イソシアネート系架橋剤の例は、実施形態1で説明したとおりである。粘着剤組成物(II)におけるイソシアネート系架橋剤の好ましい配合量も、実施形態1で説明したとおりである。
粘着剤組成物(II)は、ポリマー(A)、ラジカル捕捉剤及び過酸化物系架橋剤以外の材料をさらに含んでいてもよい。当該材料の例は、導電剤(帯電防止剤)である。粘着剤組成物(II)は、1種又は2種以上の導電剤を含んでいてもよい。導電剤の例は、塩等のイオン性化合物である。イオン性化合物は、常温(25℃)で液体のイオン液体であってもよい。導電剤として、実施形態1で説明した導電剤が使用できる。導電剤の例は、塩等のイオン性化合物である。イオン性化合物の例は、無機カチオン塩及び有機カチオン塩である。導電剤は、有機カチオン塩を含んでいてもよい。導電剤は、有機カチオン塩であってもよい。粘着剤組成物(II)における導電剤の配合量は、実施形態1で説明したとおりである。
粘着剤組成物(II)は、ポリマー(A)、ラジカル捕捉剤、過酸化物系架橋剤及び導電剤以外の材料をさらに含んでいてもよい。当該材料の例は、添加剤である。添加剤の例は、実施形態1で説明したとおりである。
粘着剤組成物(II)の型は、例えば、エマルション型、溶剤型(溶液型)、活性エネルギー線硬化型(光硬化型)、熱溶融型(ホットメルト型)である。耐久性に優れる粘着シートを形成できる観点からは、粘着剤組成物(II)は、溶剤型又は活性エネルギー線硬化型であってもよく、溶剤型であってもよい。溶剤型の粘着剤組成物(II)は、紫外線硬化剤等の光硬化剤を含まなくてもよい。
粘着剤組成物(II)は、例えば、光学積層体に使用できる。換言すれば、粘着剤組成物(II)は光学積層体用であってもよい。ただし、粘着剤組成物(II)の用途は、上記例に限定されない。
なお、粘着剤組成物(II)から形成された粘着シートを加熱した後に、粘着シートに含まれる酢酸の含有量は、低くてもよい。粘着剤組成物(II)から形成された粘着シートを105℃で120時間加熱した後に、粘着シートは、質量基準で50ppm以下の酢酸を含有していてもよい。酢酸の含有量がこの程度に低い場合、高温環境を経た後であっても、光学積層体に着色がより生じにくい。
粘着剤組成物(II)から形成された粘着シートを105℃で120時間加熱した後に、粘着シートに含まれる酢酸の含有量は、質量基準で、30ppm以下、20ppm以下、15ppm以下、10ppm以下、7ppm以下、5ppm以下、3ppm以下、2.8ppm以下、さらには2.5ppm未満であってもよい。酢酸の含有量の下限は、特に限定されず、例えば、質量基準で0ppm以上である。
(実施形態3)
[粘着シート]
本実施形態の粘着シートの一例を図1に示す。図1の粘着シート1は、粘着剤組成物(I)から形成されたシート又は粘着剤組成物(II)から形成されたシートである。
粘着シート1が粘着剤組成物(I)から形成される場合、粘着シート1は、粘着剤組成物(I)の説明において上述した範囲の表面抵抗値を有しうる。粘着シート1が粘着剤組成物(II)から形成される場合、粘着シートは、粘着剤組成物(II)の説明において上述した範囲のギ酸を含有しうる。
粘着シート1は、粘着剤組成物(I)又は粘着剤組成物(II)から以下の方法によって形成できる。以下は、粘着剤組成物(I)から粘着シート1を形成する方法を述べるが、粘着剤組成物(II)の場合も、同様の方法により粘着シート1を形成できる。
溶剤型については、例えば、粘着剤組成物(I)又は粘着剤組成物(I)と溶剤との混合物を基材フィルムに塗布して塗布膜を形成し、形成された塗布膜を乾燥して粘着シート1を形成する。乾燥時の熱により粘着剤組成物(I)は熱硬化する。活性エネルギー線硬化型(光硬化型)については、例えば、重合によりポリマー(A)となる単量体(群)、並びに必要に応じて、単量体(群)の部分重合物、重合開始剤、添加剤及び溶剤等の混合物を基材フィルムに塗布し、形成された塗布膜に活性エネルギー線を照射して粘着シート1を形成する。活性エネルギー線の照射前に、塗布膜を乾燥して溶剤を除去してもよい。基材フィルムは、塗布面に剥離処理がなされたフィルム(はく離ライナー)であってもよい。
基材フィルム上に形成された粘着シート1は、任意の層に転写できる。また、基材フィルムは偏光板等の光学フィルムであってもよく、この場合、粘着シート1と光学フィルムとを含む光学積層体が得られる。
基材フィルムへの塗布には、公知の方法を採用できる。塗布は、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等による押出しコートにより実施できる。
溶剤型について、塗布後の乾燥温度は、例えば40~200℃である。乾燥時間は、例えば5秒~20分であり、5秒~10分、さらには10秒~5分であってもよい。活性エネルギー線硬化型について、塗布後の乾燥を行う場合の乾燥温度及び乾燥時間は、上記範囲にあってもよい。
基材フィルムに塗布する組成物及び混合物は、取り扱い及び塗工に適した粘度を有することが好ましい。このため、活性エネルギー線硬化型については、塗布する混合物は、単量体(群)の部分重合物を含むことが好ましい。
粘着シート1の厚さは、例えば2μm~55μmであり、2μm~30μm、5μm~25μm、さらには10μm~20μmであってもよい。
粘着シート1は、例えば、光学積層体に使用できる。換言すれば、粘着シート1は光学積層体用であってもよい。ただし、粘着シート1の用途は、上記例に限定されない。
(実施形態4)
[光学積層体]
本実施形態の光学積層体の一例を図2に示す。図2の光学積層体10Aは、粘着シート1と光学フィルムとを含む。図2の光学フィルムは偏光板2である。偏光板2は、偏光子を含む。粘着シート1と偏光板2とは互いに積層されている。光学積層体10Aは、粘着シート1を介して、対象物(例えば、画像表示パネル)と貼り合わせることが可能である。光学積層体10Aは、粘着シート付き光学フィルム、より具体的には、粘着シート付き偏光板、として使用できる。偏光板2以外の光学フィルムの例は、位相差フィルム、並びに偏光板及び/又は位相差フィルムを含む積層フィルムである。光学フィルムは、円偏光板であってもよい。ただし、光学フィルムは上記例に限定されない。光学フィルムは、ガラス製のフィルムを含んでいてもよい。
<偏光板>
偏光板2は、典型的には、偏光子及び保護フィルム(透明保護フィルム)を含む積層体である。保護フィルムは、例えば、偏光子の主面(最も広い面積を有する表面)に接して配置されている。偏光子は、2つの保護フィルムの間に配置されていてもよい。光学積層体10Aは保護フィルムをさらに含み、保護フィルムは、偏光子の少なくとも一方の面に配置されていてもよい。
偏光子としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素、二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの;ポリビニルアルコールの脱水処理物、ポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。偏光子は、典型的には、ポリビニルアルコール系フィルム(ポリビニルアルコール系フィルムには、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムが含まれる)、及び、ヨウ素等の二色性物質からなる。
偏光子の厚さは、特に限定されず、例えば80μm以下であり、50μm以下、30μm以下、25μm以下、さらには20μm以下であってもよい。偏光子の厚さの下限は、特に限定されず、例えば1μm以上であり、5μm以上、10μm以上、さらには15μm以上であってもよい。薄型の偏光子(例えば、厚さ20μm以下)は、寸法変化が抑制されており、光学積層体の耐久性、特に高温下の耐久性、の向上に寄与しうる。
保護フィルムの材料としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及び、これらの混合物が挙げられる。保護フィルムの材料は、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂又は紫外線硬化型樹脂であってもよい。偏光板2が2つの保護フィルムを有する場合、2つの保護フィルムの材料は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、偏光子の一方の主面に対して、接着剤を介して、熱可塑性樹脂で構成された保護フィルムが貼り合わされ、偏光子の他方の主面に対して、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化型樹脂で構成された保護フィルムが貼り合わされていてもよい。保護フィルムは、任意の添加剤を1種類以上含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤等が挙げられる。
保護フィルムの透湿度は、特に限定されず、200g/(m2・day)以下であってもよく、50g/(m2・day)以下であってもよい。この場合、偏光板2の内部に空気中の水分が侵入することを抑制でき、偏光板2の水分率の変化を抑制できる。これにより、保存時等において、偏光板2のカールや寸法変化の発生を抑制できる。また、透湿度が上記範囲に制限されている保護フィルムは、粘着シート1と偏光子との間に配置された場合には、高温下における粘着シート1からのラジカルの移動の阻害に寄与しうる。透湿度が低い保護フィルムを形成する材料としては、例えば、ポリエステル系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、アリレート系ポリマー、アミド系ポリマー、オレフィン系ポリマー、環状オレフィン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
保護フィルムの透湿度は、JIS Z0208:1976の透湿度試験(カップ法)に準じて、以下の方法によって測定できる。まず、保護フィルムを直径60mmに切断し、測定サンプルを準備する。次に、約15gの塩化カルシウムが配置された透湿カップに測定サンプルをセットする。この透湿カップを温度40℃、湿度92%RHに設定された恒温機に配置し、24時間放置することによって透湿度試験を行う。試験前後における塩化カルシウムの重量の増加量を測定することによって、保護フィルムの透湿度を特定できる。
保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄膜性等の点より10~200μm程度である。
偏光子と保護フィルムとは通常、水系接着剤等を介して密着している。水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。上記の接着剤以外の他の接着剤としては、紫外線硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等が挙げられる。電子線硬化型偏光板用接着剤は、各種の保護フィルムに対して、好適な接着性を示す。接着剤は、金属化合物フィラーを含んでいてもよい。
偏光板では、保護フィルムに代えて、位相差フィルム等を偏光子上に形成することもできる。保護フィルム上には、さらに別の保護フィルムを設けること、位相差フィルム等を設けること等もできる。
保護フィルムについて、偏光子と接着している表面と対向する表面には、ハードコート層が設けられていてもよく、反射防止、スティッキング防止、拡散、アンチグレア等を目的とした処理を施すこともできる。
加熱試験前における光学積層体10Aの厚さ方向の光線透過率をTsa0と定義し、95℃で500時間光学積層体10Aを加熱した後における、光学積層体10Aの厚さ方向の光線透過率をTsa500と定義する。このとき、加熱試験前後における光線透過率の差ΔTsa=Tsa500-Tsa0は、例えば、ΔTsa>0%を満たす。これにより、光学積層体は、高温を考慮すべき環境下での使用により適している。加熱試験の詳細は、実施例の欄に記載する。
加熱試験前における光学積層体10Aの厚さ方向の光線透過率をTsb0と定義し、105℃で500時間光学積層体10Aを加熱した後における、光学積層体10Aの厚さ方向の光線透過率をTsb500と定義する。このとき、加熱試験前後における光線透過率の差ΔTsb=Tsb500-Tsb0は、例えば、ΔTsb>-10%を満たす。ΔTsbは、ΔTsb>0%を満たしていてもよい。
本実施形態の光学積層体の別の一例を図3に示す。図3の光学積層体10Bは、はく離ライナー3、粘着シート1及び偏光板2がこの順に積層された積層構造を有する。光学積層体10Bは、はく離ライナー3を剥離することで、粘着シート付き偏光板として使用できる。以下の各例は、技術的に矛盾しない限り、相互に組み合わされてもよい。
はく離ライナー3の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム、紙、布、不織布等の多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、及びこれらのラミネート体等の適宜な薄葉体等を挙げることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
プラスチックフィルムとしては、粘着シート1を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム等が挙げられる。
はく離ライナー3の厚さは、通常5~200μm、好ましくは5~100μm程度である。はく離ライナー3には、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型及び防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型等の帯電防止処理が施されてもよい。特に、はく離ライナー3の表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理を適宜行うことにより、粘着シート1からの剥離性をより高めることができる。
なお、上述のとおり、粘着シート1を作製するときに利用した基材フィルムをはく離ライナー3として用いてもよい。
本実施形態の光学積層体の別の一例を図4に示す。図4の光学積層体10Cは、はく離ライナー3、粘着シート1、位相差フィルム5、層間粘着剤4及び偏光板2がこの順に積層された積層構造を有する。光学積層体10Cは、はく離ライナー3を剥離した後、例えば画像表示セルに貼付して使用できる。
位相差フィルム5としては、高分子フィルムを延伸させて得られるものや液晶材料を配向、固定化させたものを用いることができる。位相差フィルム5は、例えば、面内及び/又は厚さ方向に複屈折を有する。
位相差フィルム5には、反射防止用位相差フィルム(特開2012-133303号公報〔0221〕、〔0222〕、〔0228〕参照)、視野角補償用相差フィルム(特開2012-133303号公報〔0225〕、〔0226〕参照)、視野角補償用の傾斜配向位相差フィルム(特開2012-133303号公報〔0227〕参照)等が含まれる。
位相差フィルム5の具体的な構成、例えば、位相差値、配置角度、3次元複屈折率、単層か多層か等は特に限定されず、公知の位相差フィルムを使用することができる。
位相差フィルム5の厚さは、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは1~9μmであり、特に好ましくは3~8μmである。
位相差フィルム5は、例えば、液晶材料が配向、固定化された1/4波長板及び/又は1/2波長板を含んでいてもよい。
層間粘着剤4には公知の粘着剤を使用できる。粘着シート1を層間粘着剤4に使用してもよい。
本実施形態の光学積層体の別の一例を図5に示す。図5の光学積層体10Dは、はく離ライナー3、粘着シート1、位相差フィルム5、層間粘着剤4、偏光板2及び保護フィルム6がこの順に積層された積層構造を有する。光学積層体10Dは、はく離ライナー3を剥離した後、例えば画像表示セルに貼付して使用できる。
保護フィルム6は、光学積層体10Dの流通及び保管時、並びに光学積層体10Dを画像表示装置に組み込んだ状態において、最外層である偏光板2を保護する機能を有する。また、画像表示装置に組み込んだ状態において、外部空間へのウィンドウとして機能する保護フィルム6であってもよい。保護フィルム6は、典型的には、樹脂フィルムである。保護フィルム6を構成する樹脂は、例えば、PET等のポリエステル、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル、シクロオレフィン、ポリイミド、並びにポリアミドであり、ポリエステルが好ましい。ただし、保護フィルム6は上記例に限定されない。保護フィルム6は、ガラス製のフィルム、又はガラス製のフィルムを含む積層フィルムであってもよい。保護フィルム6には、アンチグレア、反射防止、帯電防止等の表面処理が施されていてもよい。
保護フィルム6は、任意の粘着剤によって偏光板2に接合されていてもよい。粘着シート1による接合も可能である。
本実施形態の光学積層体は、例えば、帯状の光学積層体を巻回した巻回体として、あるいは枚葉状の光学積層体として、流通及び保管が可能である。本実施形態の光学積層体は、静電気が特に生じやすい環境で用いられる画像表示装置、特に車載用ディスプレイ、の用途に適している。車載用ディスプレイとしては、例えば、カーナビゲーション装置用パネル、クラスタパネル、ミラーディスプレイ等が挙げられる。クラスタパネルは、車両の走行速度やエンジンの回転数等を表示するパネルである。
(実施形態5)
[光学積層体]
光学積層体の別の例は、粘着シートと光学フィルムとを含む。光学フィルムは、偏光子を含む偏光板である。光学積層体を105℃で120時間加熱した後に、偏光板は、質量基準で70ppm以下のギ酸を含有する。偏光板に含まれるギ酸の含有量がこの程度に低い場合、高温環境を経た後であっても、光学積層体に着色が生じにくい。
本実施形態の光学積層体の別の一例を図6に示す。図6の光学積層体10Eは、粘着シート7と光学フィルムとを含む。図6の光学フィルムは偏光板8である。偏光板8は、偏光子を含む。粘着シート7と偏光板8とは互いに積層されている。光学積層体10Eは、粘着シート7を介して、対象物(例えば、画像表示パネル)と貼り合わせることが可能である。光学積層体10Eは、粘着シート付き光学フィルム、より具体的には、粘着シート付き偏光板、として使用できる。偏光板8以外の光学フィルムの例は、位相差フィルム、並びに偏光板及び/又は位相差フィルムを含む積層フィルムである。光学フィルムは、円偏光板であってもよい。ただし、光学フィルムは上記例に限定されない。光学フィルムは、ガラス製のフィルムを含んでいてもよい。
光学積層体10Eを105℃で120時間加熱した後に、偏光板に含まれるギ酸の含有量は、65ppm以下、60ppm以下、55ppm以下、50ppm以下、45ppm以下、40ppm以下、35ppm以下、30ppm以下、さらには28ppm以下であってもよい。ギ酸の含有量の下限は、特に限定されず、例えば、0ppm以上である。
本発明者らの検討によれば、光学積層体において、高温環境を経た後に不要な着色が生じる傾向にあることが判明した。着色の原因として、偏光板に含まれる酸、例えばギ酸によるPVAのポリエン化が考えられる。ギ酸によるPVAのポリエン化の詳細は、実施形態2で説明したとおりである。
粘着シート7は、例えば、粘着剤組成物(III)から形成される。粘着剤組成物(III)は、例えば、ポリマー(C)及び架橋剤を含む。粘着剤組成物(III)は、ポリマー(C)を主成分として含んでいてもよい。「主成分」は、上述した意味を有する。
ポリマー(C)の例は、(メタ)アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、シリコーン系ポリマー及びゴム系ポリマーである。ポリマー(C)は、好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマーである。ポリマー(C)は、例えば、アクリル系粘着剤のベースポリマーとして機能しうる。ポリマー(C)は、周波数100kHzにおける比誘電率が5.0以上のポリマーであってもよい。比誘電率は、6.0以上、6.5以上、6.8以上、7.0以上、7.3以上、さらには7.5以上であってもよい。比誘電率の上限は、特に限定されず、例えば、10.0以下である。
ポリマー(C)は、以下の式(1)に示す単量体に由来する構成単位を有していてもよい。
式(1)のR1は、水素原子又はメチル基である。式(1)のR2は、直鎖状であっても分岐を有していてもよいアルキル基であり、好ましくは、直鎖状のアルキル基である。R2の例は、メチル基及びエチル基である。nは、1~15の整数であり、好ましくは1~
10の整数であり、より好ましくは1~5の整数である。
ポリマー(C)において、式(1)に示す単量体に由来する構成単位の含有率は、特に限定されず、例えば15~99.5重量%であってもよく、30~99重量%であってもよく、50~98重量%であってもよく、50~80重量%であってもよく、50~70重量%であってもよい。
ポリマー(C)を構成する単量体としては、式(1)に示す単量体以外に、炭素数1~30のアルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル系単量体、水酸基含有単量体、芳香環含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体アミド基含有単量体及び多官能性単量体からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体が挙げられる。これらの単量体は、単独で又は組み合わせて使用できる。これらの単量体の例は、実施形態1で説明した単量体(A2)と同様であるため、説明を省略する。
ポリマー(C)において、単量体に由来する構成単位の含有率は、特に限定されず、例えば0.1~50重量%であってもよく、0.5~45重量%であってもよい。場合によっては、ポリマー(C)において、単量体に由来する構成単位の含有率は、1~5重量%であってもよい。また、場合によっては、ポリマー(C)において、単量体に由来する構成単位の含有率は、20~45重量%であってもよく、25~45重量%であってもよく、30~45重量%であってもよい。
単量体成分としては、式(1)に示す単量体及び上記の単量体以外にも、粘着シートの接着性、耐熱性の改善を目的に、(メタ)アクリロイル基又はビニル基などの不飽和二重結合を含む重合性官能基を有する他の単量体を用いることができる。他の単量体は、単独で又は組み合わせて使用できる。
単量体成分として、他の単量体を使用する場合、ポリマー(C)において、他の単量体に由来する構成単位の含有率は、30重量%以下であってもよく、10重量%以下であってもよく、0重量%(当該構成単位を有さない)であってもよい。
ポリマー(C)の重量平均分子量(Mw)は、例えば、100万~300万であり、120万~250万であってもよく、150万~230万であってもよい。ポリマー(C)の重量平均分子量が100万~300万であることによって、粘着シートのクラックを抑制できるとともに、粘度の上昇やゲル化の発生を抑制できる傾向がある。
粘着剤組成物(III)は、上記したポリマー(C)を含んでいてもよい。粘着剤組成物(II)は、ポリマー(C)以外のポリマーをさらに含んでいてもよい。
ポリマー(C)は、溶液重合、電子線やUVなどの放射線重合、塊状重合、乳化重合などの各種ラジカル重合などの公知の重合方法によって作製できる。得られるポリマー(C)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などのいずれでもよい。
ポリマー(C)を形成する方法及び重合条件は、それぞれ、実施形態1で説明した、ポリマー(A)を形成する方法及び重合条件と同じであってもよい。ポリマー(C)を形成するために使用される、溶媒の種類、重合開始剤の種類等も、実施形態1で説明したものを使用できる。
粘着剤組成物(III)に含まれる架橋剤の例は、イソシアネート系架橋剤及び過酸化物系架橋剤である。過酸化物系架橋剤とイソシアネート系架橋剤とを併用してもよい。粘着剤組成物(III)は、イソシアネート系架橋剤を含んでいてもよく、過酸化物系架橋剤を含んでいてもよく、イソシアネート系架橋剤及び過酸化物系架橋剤の双方を含んでいてもよい。イソシアネート系架橋剤及び過酸化物系架橋剤は、実施形態1で説明した、イソシアネート系架橋剤及び過酸化物系架橋剤を使用できる。
なお、粘着シート7は、実施形態1で説明した粘着剤組成物(I)から形成された粘着シートであってもよく、実施形態2で説明した粘着剤組成物(II)から形成された粘着シートであってもよい。光学積層体10Eにおいて、粘着シート7としてこれらの粘着シートを使用することは、偏光板8に含まれるギ酸の含有量の低減に特に適している。
偏光板8は、実施形態4で説明した偏光板2と同様であってもよい。偏光板8は、偏光子を含んでいてもよい。
本実施形態の光学積層体は、粘着シート1に代えて粘着シート7を使用する点を除き、実施形態4の光学積層体10A~10Dと同様であってもよい。
(実施形態6)
[画像表示パネル]
本実施形態の画像表示パネルの一例を図7に示す。図7の画像表示パネル11Aは、光学積層体10Aを備え、例えば画像表示セル30Aをさらに備える。詳細には、粘着シート1を介して、光学積層体10Aが画像表示セル30Aに貼り合わされている。なお、光学積層体10Aに代えて、図3~5の光学積層体10B,10C又は10Dも使用可能である(ただし、はく離ライナー3を除く)。加えて、光学積層体10Aに代えて、図6の光学積層体10Eも使用可能である。
画像表示セル30Aは、例えば、画像形成層32、第1透明基板31及び第2透明基板33を備えている。画像形成層32は、例えば、第1透明基板31及び第2透明基板33の間に配置されており、第1透明基板31及び第2透明基板33のそれぞれに接している。光学積層体10Aの粘着シート1は、例えば、画像表示セル30Aの第1透明基板31に接している。
画像形成層32は、例えば、電界が存在しない状態でホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層である。このような液晶分子を含む液晶層は、IPS(In-Plane-Switching)方式に適している。ただし、液晶層は、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、π型、VA(Vertical Alignment)型等に用いられてもよい。本明細書では、液晶層を備えた画像表示セルを液晶セルと呼び、液晶セルを備えた画像表示パネルを液晶パネルと呼ぶことがある。なお、画像形成層32は、EL発光層であってもよい。
画像形成層32の厚さは、例えば、1.5μm~4μmである。
第1透明基板31及び第2透明基板33の材料としては、例えば、ガラス及びポリマーが挙げられる。本明細書では、ポリマーで構成された透明基板をポリマーフィルムと呼ぶことがある。透明基板を構成するポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネート等が挙げられる。ガラスで構成された透明基板の厚さは、例えば、0.1mm~1mmである。ポリマーで構成された透明基板の厚さは、例えば、10μm~200μmである。
画像表示セル30Aは、画像形成層32、第1透明基板31及び第2透明基板33以外の他の層をさらに含んでいてもよい。他の層としては、例えば、カラーフィルタ、易接着層及びハードコート層が挙げられる。カラーフィルタは、例えば、画像形成層32よりも視認側に配置されており、好ましくは第1透明基板31と光学積層体10Aの粘着シート1との間に位置する。易接着層及びハードコート層は、例えば、第1透明基板31又は第2透明基板33の表面上に配置されている。
画像表示パネル11Aは、光学積層体10A及び画像表示セル30A以外の他の部材をさらに備えていてもよい。例えば、画像表示パネル11Aは、光学積層体10Aの側面に電気的に接続している導通構造(図示せず)をさらに備えていてもよい。導通構造をアースに接続すれば、光学積層体10Aが静電気によって帯電することを抑制しやすい。導通構造は、光学積層体10Aの側面全体を覆っていてもよく、光学積層体10Aの側面を部分的に覆っていてもよい。光学積層体10Aの側面全体の面積に対する導通構造によって覆われた光学積層体10Aの側面の面積の比率は、例えば1%以上であり、好ましくは3%以上である。
導通構造の材料としては、例えば銀、金等の金属で構成された導電性ペースト;導電性接着剤;他の導電材料が挙げられる。導通構造は、光学積層体10Aの側面から伸びる配線であってもよい。
画像表示パネル11Aは、偏光板2以外の他の光学フィルムをさらに備えていてもよい。他の光学フィルムとしては、例えば、偏光板、反射板、反透過板、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム等の画像表示装置に用いられるフィルムが挙げられる。画像表示パネル11Aは、これらの1種又は2種以上の他の光学フィルムを備えていてもよい。
他の光学フィルムが偏光板である場合、当該偏光板は、例えば、粘着シートを介して、画像表示セル30Aの第2透明基板33と貼り合わされる。この偏光板は、例えば、偏光板2について上述した構成を有する。他の光学フィルムとしての偏光板において、偏光子の透過軸(又は吸収軸)は、例えば、偏光板2における偏光子の透過軸(又は吸収軸)と直交している。偏光板と第2透明基板33とを貼り合わせるための粘着シートの材料としては、粘着シート1について上述したものを用いることができる。この粘着シートの厚さは、特に限定されず、例えば1~100μmであり、好ましくは2~50μmであり、より好ましくは2~40μmであり、さらに好ましくは5~35μmである。
本実施形態の画像表示パネルの別の一例を図8に示す。図8の画像表示パネル11Bは、光学積層体10A及び画像表示セル30Aの間に配置された導電層40をさらに備えている。
導電層40は、例えば、導電剤を含む層である。導電剤としては、粘着シート1について上述したものを用いることができる。ただし、導電剤は上記例に限定されない。導電層40は各種の導電剤、例えば、カーボンナノチューブ、ITO、ATO、ドーパントとの複合体である導電性ポリマー(一例として、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との複合体:PEDOT/PSS)等、を含みうる。導電層40の厚さは、例えば、5nm~180nmである。導電層40の表面抵抗値は、例えば、1.0×106Ω/□~1.0×1010Ω/□であり、好ましくは1.0×108Ω/□~1.0×109Ω/□である。
本実施形態の画像表示パネルの別の一例を図9に示す。図9の画像表示パネル11Cは、タッチセンシング電極部35をさらに含む画像表示セル30Bを備えている。画像表示セル30Bにおいて、タッチセンシング電極部35は、第1透明基板31と第2透明基板33との間に配置されている。タッチセンシング電極部35は、タッチセンサ及びタッチ駆動の機能を有する。画像表示パネル11Cは、いわゆるインセル型画像表示パネルであり、画像表示セル30Bは、いわゆるインセル型画像表示セルである。
タッチセンシング電極部35は、例えば、タッチセンサ電極36及びタッチ駆動電極37を有する。タッチセンサ電極36とは、タッチ検出用の(受信)電極を意味する。タッチセンサ電極36及びタッチ駆動電極37は、それぞれ独立して各種パターンにより形成することができる。例えば、画像表示セル30Bが平板状である場合、タッチセンサ電極36及びタッチ駆動電極37をそれぞれX軸方向及びY軸方向に独立して設け、これらが直角に交差するようなパターンに形成することができる。図9では、タッチセンシング電極部35において、タッチセンサ電極36がタッチ駆動電極37よりも視認側に配置されている。ただし、タッチ駆動電極37がタッチセンサ電極36よりも視認側に配置されていてもよい。タッチセンシング電極部35において、タッチセンサ電極36及びタッチ駆動電極37は、一体化されていてもよい。
図9において、タッチセンシング電極部35は、画像形成層32と第1透明基板31との間(画像形成層32よりも視認側)に配置されている。ただし、タッチセンシング電極部35は、画像形成層32と第2透明基板33との間(画像形成層32よりも照明システム側)に配置されていてもよい。
タッチセンシング電極部35において、タッチセンサ電極36及びタッチ駆動電極37は、互いに接していなくてもよい。例えば、タッチセンサ電極36が画像形成層32と第1透明基板31との間に配置され、タッチ駆動電極37が画像形成層32と第2透明基板33との間に配置されていてもよい。
タッチセンシング電極部35における駆動電極(タッチ駆動電極37、又は、タッチセンサ電極36とタッチ駆動電極37とが一体化された電極)は、画像形成層32を制御する共通電極を兼ねることができる。
タッチセンシング電極部35を構成するタッチセンサ電極36(静電容量センサー)、タッチ駆動電極37、又は、これらを一体化して形成した電極は、透明導電層として機能する。この透明導電層の材料は、特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、錫、マグネシウム、タングステン等の金属、及び、これらの合金等が挙げられる。透明導電層の材料は、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、ジルコニウム、カドミウム等の金属の酸化物であってもよい。この酸化物としては、具体的には、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化カドミウム及びこれらの混合物等が挙げられる。透明導電層の材料は、ヨウ化銅等の金属化合物であってもよい。透明導電層の材料は、酸化スズを含有する酸化インジウム(ITO)、アンチモンを含有する酸化スズ(ATO)等が好ましく、ITOが特に好ましい。透明導電層の材料がITOである場合、透明導電層における酸化インジウムの含有率が80~99重量%であり、かつ酸化スズの含有率が1~20重量%であることが好ましい。
タッチセンシング電極部35を構成する電極(タッチセンサ電極36、タッチ駆動電極37、又は、これらを一体化して形成した電極)は、第1透明基板31と第2透明基板33との間において、常法により透明電極パターンとして形成することができる。この透明電極パターンは、例えば、透明基板の端部に形成された引き回し線に電気的に接続されている。引き回し線は、例えば、コントローラICと接続されている。透明電極パターンの形状としては、櫛状、ストライプ状、ひし形状等、用途に応じて任意の形状を採用することができる。透明電極パターンの厚さは、例えば10nm~100nmである。透明電極パターンの幅は、例えば0.1mm~5mmである。
(実施形態7)
[画像表示装置]
本実施形態の画像表示装置は、例えば、画像表示パネル11A及び照明システムを備えている。なお、画像表示パネル11Aに代えて、図8~9の画像表示パネル11B及び11Cも使用可能である。画像表示装置において、画像表示パネル11Aは、例えば、照明システムよりも視認側に配置されている。照明システムは、例えば、バックライト又は反射板を有し、画像表示パネル11Aに光を照射する。
画像表示装置は、有機ELディスプレイであってもよく、液晶ディスプレイであってもよい。ただし、画像表示装置はこの例に限定されない。画像表示装置は、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)等であってもよい。画像表示装置は、家電用途、車載用途、パブリックインフォメーションディスプレイ(PID)用途等に用いることができ、車載用ディスプレイであることが好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
<(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量>
(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。(メタ)アクリル系ポリマーのMw/Mnについても、同様に測定した。
・分析装置:東ソー社製、HLC-8120GPC
・カラム:東ソー社製、G7000HXL+GMHXL+GMHXL
・カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm 計90cm
・カラム温度:40℃
・流量:0.8mL/min
・注入量:100μL
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計(RI)
・標準試料:ポリスチレン
[(メタ)アクリル系ポリマーA1の調製]
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管及び冷却器を備えた4つ口フラスコに、2-メトキシエチルアクリレート(MEA)99重量部及び4-ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)1重量部を含有する単量体混合物を仕込んだ。さらに、単量体混合物100重量部に対して、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN;キシダ化学社製)0.1重量部を酢酸エチル100重量部と共に仕込んだ。混合物を緩やかに攪拌しながら、フラスコ内について窒素ガスを導入して窒素置換した。フラスコ内の液温を55℃付近に維持して8時間重合反応を行うことによって、重量平均分子量(Mw)180万、Mw/Mn=4.4の(メタ)アクリル系ポリマーA1の溶液を調製した。
[(メタ)アクリル系ポリマーA2の調製]
フラスコに仕込む単量体混合物を、MEA60重量部、n-ブチルアクリレート(BA)39重量部及びHBA1重量部とした以外は、(メタ)アクリル系ポリマーA1の調製と同様にして、重量平均分子量(Mw)175万、Mw/Mn=3.5の(メタ)アクリル系ポリマーA2の溶液を調製した。
[(メタ)アクリル系ポリマーA3の調製]
フラスコに仕込む単量体混合物を、BA99重量部及びHBA1重量部とした以外は、(メタ)アクリル系ポリマーA1の調製と同様にして、重量平均分子量(Mw)200万、Mw/Mn=4.5の(メタ)アクリル系ポリマーA3の溶液を調製した。
各(メタ)アクリル系ポリマーの合成に使用した単量体及び仕込み量を以下の表1にまとめる。
[(メタ)アクリル系粘着剤組成物の調製]
(実施例A1)
(メタ)アクリル系ポリマーA1の溶液の固形分100重量部に対して、0.35重量部のイソシアネート系架橋剤(東ソー社製、コロネートL;トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート)、導電剤として5重量部のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI;三菱マテリアル電子化成社製)、及び1重量部の酸化防止剤(BASF社製、Irganox1135、分子量390)をさらに配合することによって、実施例A1の(メタ)アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。
(実施例A2)
0.1重量部の過酸化物系架橋剤(日本油脂社製、ナイパーBMT)をさらに配合すると共に、酸化防止剤の配合量を0.5重量部としたことを除き、実施例A1と同様にして、実施例A2の(メタ)アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。
(実施例A3~A8)
以下の表2に示すように、(メタ)アクリル系ポリマーの溶液の固形分100重量部に対して、上記イソシアネート系架橋剤、上記過酸化物系架橋剤、酸化防止剤及び導電剤を配合して、実施例A3~A8の(メタ)アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。
(比較例A1,A2)
以下の表2に示すように、(メタ)アクリル系ポリマーの溶液の固形分100重量部に対して、上記イソシアネート系架橋剤、上記過酸化物系架橋剤及び導電剤を配合して、比較例A1,A2の(メタ)アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。
[粘着シートの作製]
各粘着剤組成物の溶液を、シリコーン系剥離剤で表面処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(はく離ライナー;三菱化学ポリエステルフィルム社製、MRF38)の片面に、乾燥後の粘着シートの厚さが20μmになるように塗布した。得られた塗布膜を155℃で1分間乾燥させることによって、はく離ライナーの表面に粘着シートを形成した。
<表面抵抗値の測定>
各粘着剤組成物について、粘着シートを形成したときの表面抵抗値は、上記作製した粘着シートを試験サンプルとして使用し、三菱ケミカルアナリテック社製、ハイレスタMCP-HT450を用いて、印加電圧250V、印加時間10秒の条件で測定した。表面抵抗値の測定は、温度25℃±5℃及び相対湿度50±5%の環境下で実施した。
[光学積層体の作製]
<偏光板Aの作製>
ポリビニルアルコールフィルムを、速度比の異なるロール間において、温度30℃、濃度0.3重量%のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3倍まで延伸した。次に、濃度4重量%でホウ酸を含み、かつ濃度10重量%でヨウ化カリウムを含む、温度60℃の水溶液中に0.5分間浸漬しながら、総合延伸倍率が6倍になるまで延伸した。次に、濃度1.5重量%でヨウ化カリウムを含む、温度30℃の水溶液中に10秒間浸漬させて洗浄した後、50℃で4分間乾燥を行うことによって、厚さ18μmの偏光子を得た。当該偏光子の片面に、ラクトン環構造を有する変性アクリル系ポリマーからなる厚さ30μmの透明保護フィルムをポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せた。さらに、偏光子の他方の面に、トリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ社製、KC4UY)にハードコート層(HC)を形成した厚さ47μmの透明保護フィルムをポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せた。70℃に設定されたオーブン内で5分間加熱乾燥させることによって偏光板Aを作製した。
<光学積層体の作製>
次に、はく離ライナー上に形成した実施例及び比較例の各粘着シートを上記作製した偏光板に転写して、光学積層体(粘着シート付き偏光板)を作製した。なお、粘着シートは、変性アクリル系ポリマーからなる透明保護フィルム側の偏光板の表面に転写した。
<着色>
高温下における光学積層体の着色は、以下の方法により評価した。作製した光学積層体を、偏光子の吸収軸が長辺となるように45×40mmのサイズに切断した。次に、切断した光学積層体を、その粘着シートを介して、画像表示パネルの最外層を模したガラス板に貼り合わせた。次に、光学積層体における偏光板側の露出面に、粘着剤(日東電工社製、LUCIACS CS9821;アクリル酸モノマーフリー粘着剤、厚さ200μm)を介して、前面透明部材を模したガラス板を貼り合わせて、画像表示装置を模した評価用の積層体を作製した。次に、評価用の積層体を105℃に保持した熱風オーブンに120時間静置する加熱試験を実施し、加熱試験の前後における積層体の厚さ方向の光線透過率を測定した。光線透過率は、分光光度計(大塚電子社製、LPF-200)を用いて、JlS Z8701:1982に定められた2度視野XYZ系によるY値(視感度補正を実施)として求めた。光源には、C光源を用いた。測定波長は、380~700nm(10nm毎)とした。積層体における光線透過率の測定部位は、最も着色が進んでいると考えられる中央付近とした。加熱試験前の光線透過率をTs0、加熱試験後の光線透過率をTs120として、その差ΔTs=Ts120-Ts0の値に基づいて、高温下における光学積層体の着色の程度を評価した。
A:ΔTsが0%超
B:ΔTsが0%以下-3%超
C:ΔTsが-3%以下-10%超
D:ΔTsが-10%以下
<耐久性(高温耐久性)A>
光学積層体の耐久性(高温耐久性)は、以下の方法により評価した。作製した光学積層体を、その粘着シートを介してガラス板(コーニング製、イーグルXG)の表面に固定した。固定は、24℃及び50%RHの雰囲気で実施した。次に、50℃及び5気圧(絶対圧)のオートクレーブにて15分処理した後、24℃に冷えるまで放置して、ガラス板への光学積層体への接合を安定させた後、105℃の加熱雰囲気に500時間放置した。放置後、24℃及び50%RHの雰囲気に戻し、ガラス板からの偏光板の剥がれや、ガラス板と偏光板との間に発泡が生じていないかを目視により確認して、以下のように、耐久性を評価した。
A:発泡や剥がれ等の外観上の変化がみられない。
B:端部において、単独の剥がれ又は発泡がわずかにみられるが、実用上、問題ない範囲にある。
C:端部において、連続した剥がれ又は発泡がわずかにみられるが、実用上、問題ない範囲にある。
D:端部に著しい剥がれ又は発泡がみられ、実用上、問題がある。
<帯電防止性>
光学積層体の帯電防止性は、以下の方法(ESD試験)により評価した。作製した光学積層体を、その粘着シートを介して、図9の画像表示パネルの表面(視認側の表面)に固定した。次に、光学積層体を固定した液晶表示パネルをバックライト装置上にセットして、視認側の露出面である偏光板の表面に対して静電気放電銃により静電気を印加電圧15kVにて発射した。発射した時点から、静電気によって白抜けした部分が消失するまでの時間を測定し、以下のように帯電防止性を評価した。
A:1秒以内に消失
B:1秒を超え10秒以内に消失
C:10秒を超え60秒以内に消失
D:60秒を超えて消失
実施例及び比較例の各光学積層体の評価結果を、各光学積層体に使用した粘着シートの表面抵抗値と共に、以下の表3に示す。なお、各光学積層体における高温下での着色(赤色化)は、主に偏光子に生じていた。
表3に示すように、実施例の光学積層体では比較例A2の光学積層体に比べて、粘着シートの低い表面抵抗値が達成されながら、高温下における着色が抑制された。なお、比較例A1の光学積層体は、粘着シートを構成する粘着剤組成物がポリエーテル構造を有するポリマー(A)を含まないため、実施例に比べて導電剤の配合量が多いにもかかわらず、粘着シートの表面抵抗値は高くなった。また、導電剤の配合量が多いために、光学積層体としての耐久性が低下したと考えられた。
[(メタ)アクリル系ポリマーBの調製]
フラスコに仕込む単量体混合物を、MEA98重量部、n-ブチルアクリレート(BA)1重量部及びHBA1重量部とした以外は、(メタ)アクリル系ポリマーA1の調製と同様にして、重量平均分子量(Mw)180万、Mw/Mn=3.5の(メタ)アクリル系ポリマーBの溶液を調製した。
[(メタ)アクリル系ポリマーCの調製]
フラスコに仕込む単量体混合物を、MEA60重量部、エチルアクリレート20重量部、n-ブチルアクリレート(BA)14重量部、フェノキシエチルアクリレート5重量部及びHBA1重量部とした以外は、(メタ)アクリル系ポリマーA1の調製と同様にして、重量平均分子量(Mw)200万、Mw/Mn=3.9の(メタ)アクリル系ポリマーCの溶液を調製した。
[(メタ)アクリル系粘着剤組成物の調製]
(サンプルb1)
(メタ)アクリル系ポリマーBの溶液の固形分100重量部に対して、0.3重量部のイソシアネート系架橋剤(三井化学社製、タケネートD-110N;トリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネート付加物)及び導電剤として5重量部の1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(EMI-FSI;第一工業製薬社製、エレクセルAS-110)をさらに配合することによって、サンプルb1の(メタ)アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。
(サンプルb2)
0.1重量部の過酸化物系架橋剤(日本油脂社製、ナイパーBMT)及び0.5重量部の酸化防止剤(BASF社製、Irganox1010、分子量1178)をさらに配合したことを除き、サンプルb1と同様にして、サンプルb2の(メタ)アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。
(サンプルb3)
以下の表4に示すように、(メタ)アクリル系ポリマーBの溶液の固形分100重量部に対して、上記した、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤及び導電剤を配合して、サンプルb3の(メタ)アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。
(サンプルb4)
以下の表4に示すように、(メタ)アクリル系ポリマーCの溶液の固形分100重量部に対して、上記した、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤及び導電剤を配合して、サンプルb4の(メタ)アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。
<比誘電率の測定>
実施例及び比較例の(メタ)アクリル系ポリマーBについて、上述の方法によって、周波数100kHzにおける比誘電率Pを測定した。
[粘着シートの作製]
各粘着剤組成物の溶液を、シリコーン系剥離剤で表面処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(はく離ライナー;三菱化学ポリエステルフィルム社製、MRF38)の片面に、乾燥後の粘着シートの厚さが20μmになるように塗布した。得られた塗布膜を155℃で1分間乾燥させることによって、はく離ライナーの表面に粘着シートを形成した。
<表面抵抗値の測定>
各粘着剤組成物について、粘着シートを形成したときの表面抵抗値は、上記作製した粘着シートを試験サンプルとして使用し、三菱ケミカルアナリテック社製、ハイレスタMCP-HT450を用いて、印加電圧250V、印加時間10秒の条件で測定した。表面抵抗値の測定は、温度25℃±5℃及び相対湿度50±5%の環境下で実施した。
<偏光板Aの作製>
偏光板Aは、上述の偏光板Aを使用した。
<偏光板Bの作製>
偏光子の作製に用いたポリビニルアルコールフィルムの厚さ及びヨウ素濃度を変更した以外は偏光板Aの作製と同様にして、厚さ28μmの偏光子を得た。次に、得られた偏光子に対して、偏光板Aの作製と同様にして2種類の透明保護フィルムを貼り合わせて、偏光板Bを作製した。
<光学積層体の作製>
はく離ライナー上に形成した、実施例及び比較例の各粘着シートを、上記で作製した偏光板に転写して、粘着シート付き偏光板を作製した。なお、粘着シートは、変性アクリル系ポリマーからなる透明保護フィルム側の偏光板の表面に転写した。その後、粘着シート付き偏光板において、偏光板の粘着シートとは反対側の面に、光学透明粘着剤(OCA)から構成されたOCA層を形成して、OCA層、偏光板、粘着シート、及びはく離ライナーがこの順に積層された積層体を作製した。OCA層は、ベースポリマーとしてブチルアクリレートを含んでいた。
次に、この積層体から、はく離ライナーをはく離させた。はく離ライナーをはく離した積層体において、粘着シートの偏光板とは反対側の表面及びOCA層の偏光板とは反対側の表面にガラスを積層させた。これにより、ガラス、OCA層、偏光板、粘着シート、及びガラスがこの順に積層された、実施例及び比較例の光学積層体を作製した。
<着色a>
評価用の積層体を95℃に保持した熱風オーブンに500時間静置する加熱試験を実施したことを除き、上記<着色>と同じ方法により高温下における光学積層体の着色を評価した。なお、積層体における光線透過率の測定部位は、最も着色が進んでいると考えられる中央付近とした。加熱試験前の光線透過率をTsa0、加熱試験後の光線透過率をTsa500として、その差ΔTsa=Tsa500-Tsa0の値に基づいて、高温下における光学積層体の着色の程度を評価した。
A:ΔTsaが0%超
B:ΔTsaが0%以下-3%超
C:ΔTsaが-3%以下-10%超
D:ΔTsaが-10%以下
<着色b>
評価用の積層体を105℃に保持した熱風オーブンに500時間静置する加熱試験を実施したことを除き、上記<着色>と同じ方法により高温下における光学積層体の着色を評価した。なお、積層体における光線透過率の測定部位は、最も着色が進んでいると考えられる中央付近とした。加熱試験前の光線透過率をTsb0、加熱試験後の光線透過率をTsb500として、その差ΔTsb=Tsb500-Tsb0の値に基づいて、高温下における光学積層体の着色の程度を評価した。
A:ΔTsbが0%超
B:ΔTsbが0%以下-3%超
C:ΔTsbが-3%以下-10%超
D:ΔTsbが-10%以下
<耐久性(高温耐久性)B>
実施例B1~B4及び比較例B1の光学積層体を使用したことを除き、光学積層体の耐久性(高温耐久性)は、上記<耐久性(高温耐久性)A>と同じ方法により評価した。
<粘着シートにおける、ギ酸の含有量及び酢酸の含有量の測定>
まず、はく離ライナー上に形成した、実施例及び比較例の各粘着シートを、105℃に保持した熱風オーブンに120時間静置させる加熱試験を実施した。
加熱試験後の粘着シート約0.1gを秤量してPP容器に加えた。このPP容器に純水50mLをさらに加えてPP容器に蓋をした。そして、PP容器を乾燥機に入れて、120℃で1時間加温して抽出を行った。得られた抽出液をメンブレンフィルターにてろ過してろ液を得た。得られたろ液について、固相抽出カートリッジにて有機物を除去することによって、イオンクロマトグラフ測定用の分析溶液を調製した。この分析溶液をイオンクロマトグラフ測定(IC測定)に使用した。分析溶液について、ギ酸イオン及び酢酸イオンをイオンクロマトグラフで定量することにより、粘着シートに含まれるギ酸の含有量及び粘着シートに含まれる酢酸の含有量を求めた。イオンクロマトグラフ測定には、Thermo Fisher Scientific社製のICS-3000を使用した。
<偏光板におけるギ酸の含有量の測定>
まず、実施例及び比較例の光学積層体を、105℃に保持した熱風オーブンに120時間静置させる加熱試験を実施した。加熱試験後の光学積層体を液体窒素に浸漬して凍結させた後、OCA層の表面に形成されているガラスを光学積層体からはく離させ、さらに、OCA層を削り取って除去して積層体を得た。次にこの積層体について、粘着シートの表面に形成されているガラスをはく離させ、さらに粘着シートを偏光板から物理的に除去した。このようにして、光学積層体から偏光板を得た。得られた偏光板を使用したことを除き、上記した方法によりイオンクロマトグラフ測定用の分析溶液を調製した。ギ酸イオンをイオンクロマトグラフで定量することにより、偏光板に含まれるギ酸の含有量を求めた。イオンクロマトグラフ測定に使用した装置は上記したとおりである。
実施例及び比較例で作製した、粘着シート及び光学積層体について、各特性の評価結果を表5及び表6に示す。表5において、「<2.5」は、ギ酸の含有量又は酢酸の含有量が検出限界未満であったことを示す。
表5及び表6に示すように、各実施例の光学積層体では、比較例B1の光学積層体に比べて、粘着シートに含まれるギ酸の含有量が質量基準で1000ppm以下であり、高温下における着色が抑制された。加えて、表6に示すように、各実施例の光学積層体では、偏光板に含まれるギ酸の含有量が質量基準で70ppm以下であり、高温下における着色が抑制された。なお、実施例及び比較例の光学積層体では、高温環境を経た後でも酢酸の含有量は少なかった。