以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[窓材]
本実施形態の窓材の一構成例について説明を行う。
本実施形態の窓材は、光学素子を備えた光学パッケージ用の窓材に関し、無機材料の基体と、無機材料の基体の一方の面上に配置された接合層とを有し、接合層中の金の体積割合が10%以下である。
本実施形態の窓材の構成例について、図1(A)、図1(B)を用いながら、以下に具体的に説明する。図1(A)は、本実施形態の窓材10の無機材料の基体11と、接合層12との積層方向と平行な面での断面図を模式的に示している。また、図1(B)は、図1(A)中に示したブロック矢印Aに沿って、図1(A)に示した窓材10を見た場合の構造を示している。すなわち、図1(A)に示した窓材10の底面図を示している。
本実施形態の窓材10は、無機材料の基体11と、接合層12とを有する。そして、接合層12は、無機材料の基体11の一方の面11a上に配置することができる。
ここで、無機材料の基体11の一方の面11aとは、光学パッケージを製造する際に、光学素子を備えた回路基板と接合する側の面に当たる。すなわち、無機材料の基体11の一方の面11aとは、光学素子と対向する側の面ともいえる。
そして、無機材料の基体11の一方の面11aと反対側に位置する他方の面11bは、光学パッケージとした場合に、外部に露出する側の面となる。
なお、図1では無機材料の基体11が板状形状の場合を例に示しているが、係る形状に限定されるものではない。
ここで、本実施形態の窓材に含まれる各部材について説明する。
(無機材料の基体)
無機材料の基体11は特に限定されるものではなく、任意の材料を用い、任意の形状とすることができる。
ただし、無機材料の基体11は、光学パッケージとした場合に、回路基板が備える光学素子に関する光のうち、特に透過することが求められる波長領域の光(以下、「所望の波長領域の光」と記載する)について、透過率が十分に高くなるように、材料や、その厚み等を選択することが好ましい。例えば所望の波長領域の光について、透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
無機材料の基体11は、所望の波長領域の光が赤外領域の光の場合、例えば波長が0.7μm以上1mm以下の範囲の光について、透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
また、無機材料の基体11は、所望の波長領域の光が可視領域の光(青~緑~赤)の場合、例えば波長が380nm以上800nm以下の範囲の光について、透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
無機材料の基体11は、所望の波長領域の光が紫外領域の光の場合、例えば波長が200nm以上380nm以下の範囲の光について、透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
無機材料の基体11は、所望の波長領域の光が紫外領域のUV-Aの光の場合、例えば波長が315nm以上380nm以下の範囲の光について、透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
無機材料の基体11は、所望の波長領域の光が紫外領域のUV-Bの光の場合、例えば波長が280nm以上315nm以下の範囲の光について、透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
無機材料の基体11は、所望の波長領域の光が紫外領域のUV-Cの光の場合、例えば波長が200nm以上280nm以下の範囲の光について、透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
なお、無機材料の基体11の透過率は、JIS K 7361-1(1997)に準じて測定を行うことができる。
無機材料の基体11の材料としては、既述の様に任意に選択することができ、特に限定されるものではないが、気密封止性や、耐久性を特に高める観点から、例えば石英や、ガラス等を好ましく用いることができる。石英には、石英ガラスや、SiO2を90質量%以上含有したものが含まれる。ガラスとしては、例えばソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラス、および高屈折率ガラス(nd≧1.5)が挙げられる。なお、無機材料の基体の材料としては1種類に限定されるものではなく、2種類以上の材料を組み合わせて用いることもできる。このため、例えば無機材料の基体11の材料としては、例えば石英、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラスおよび高屈折率ガラス(nd≧1.5)から選択された1種類以上の材料を好ましく用いることができる。
無機材料の基体11の材料としてガラスを用いる場合、該無機材料の基体11は化学強化処理が施されていても良い。
無機材料の基体11の厚みについても特に限定されるものではないが、例えば0.03mm以上とすることが好ましく、0.05mm以上とすることがより好ましく、0.1mm以上とすることがさらに好ましく、0.3mm以上とすることが特に好ましい。
無機材料の基体11の厚みを0.03mm以上とすることで、光学パッケージに要求される強度を十分に発揮しつつ、窓材の無機材料の基体11の面を介して水分等が光学素子を配置した側にまで透過することを特に抑制できる。上述のように無機材料の基体11の厚みを0.3mm以上とすることで、光学パッケージについて特に強度を高めることができ、好ましい。
無機材料の基体11の厚みの上限値についても特に限定されないが、例えば5mm以下とすることが好ましく、3mm以下とすることがより好ましく、1mm以下とすることがさらに好ましい。これは無機材料の基体11の厚みを5mm以下とすることで所望の波長領域の光の透過率を十分に高くすることができるからである。無機材料の基体11の厚みを1mm以下とすることで、特に光学パッケージの低背化を図ることができるため、さらに好ましい。
なお、無機材料の基体11の形状は特に限定されるものではなく、厚みは均一である必要はない。このため、無機材料の基体の厚みが均一ではない場合、無機材料の基体のうち、少なくとも光学パッケージとした場合に光学素子に関する光の光路上にある部分の厚みが上記範囲にあることが好ましく、無機材料の基体の厚みがいずれの部分でも上記範囲にあることがより好ましい。
無機材料の基体11の形状は上述の様に特に限定されるものではない。例えば板状形状や、レンズが一体となった形状、すなわちレンズに由来する凹部や凸部を含む形状とすることができる。具体的には、例えば無機材料の基体11の一方の面11aが平坦面であり、他方の面11bが凸部や凹部を有する形態や、一方の面11aの形状と他方の面11bの形状とが係る形態と逆となった形態が挙げられる。また、無機材料の基体11の一方の面11aが凸部を有し、他方の面11bが凹部を有する形態や、一方の面11aの形状と他方の面11bの形状が係る形態と逆となった形態が挙げられる。さらに、無機材料の基体11の一方の面11aと他方の面11bとのそれぞれが、凸部または凹部を有する形態が挙げられる。
なお、無機材料の基体11の一方の面11aが凸部や凹部を有する場合であっても、無機材料の基体11の一方の面11aの接合層12を配置する部分は、例えば複数の窓材10を製造した場合等に、窓材10間の接合層12の形状のバラツキを抑えるために平坦であることが好ましい。
無機材料の基体11の側面は、一方の面11aの外周に沿った線状の模様を有することができる。
本実施形態の窓材は、例えば光学素子を配置した回路基板上に配置し、光学パッケージとすることができる。このため、光学パッケージの形態によっては、窓材のサイズが非常に小さくなる場合がある。そこで、無機材料の基体11の切断前資材を所望のサイズに切断する際に、レーザー光を用いた切断方法を採用することが好ましい。
係るレーザー光を用いた切断方法は、例えばまずレーザー光の焦点位置が無機材料の基体の切断前資材の厚さ方向の任意の位置となるように設定し、レーザー光の照射位置が切断線に沿うようにして、レーザー光の照射位置および/または無機材料の基体の切断前資材を移動させる。その後、切断線が支点となるように力を加えることで、もしくは自然に係る力が加わることで、切断線に沿って無機材料の基体の切断前資材を任意の形状に切断できる。
上記切断方法では、レーザー光の焦点位置を無機材料の基体の切断前資材の厚さ方向の任意の位置に設定し、レーザー光の照射位置等を移動させることで、無機材料の基体の切断前資材のレーザー光の焦点位置が通過した場所について無機材料の結合状態に変化が生じていると考えられる。このため、その後、力が加わることで、無機材料の結合状態に変化が生じた部分を起点に無機材料の基体の切断前資材を容易に切断することができると推認される。
なお、無機材料の基体の切断前資材の厚みによっては、無機材料の基体の切断前資材の厚さ方向におけるレーザー光の焦点位置を変更し、切断線に沿って複数回レーザー光を照射することもできる。このように、レーザー光の焦点位置を変更し、切断線に沿って複数回レーザー光を照射する場合、レーザー光の照射回毎に、無機材料の基体の切断前資材の厚さ方向において、レーザー光入射面から遠い位置から、近い位置にレーザー光の焦点位置を変化させることが好ましい。
切断面の欠け、割れ、チッピング等の不良の発生を抑制できることから、レーザー光の照射回数は、2回以上が好ましく、3回以上がより好ましく、5回以上がさらに好ましい。レーザー光の照射回数の上限は特に限定されないが、10回を超える場合、コストアップとなるため10回以下が好ましい。
そして、係る切断方法により切断した場合、レーザー光の焦点位置が通過した位置に、無機材料の結合状態が変化することで生じたと考えられる線状の模様が残る。レーザー光の焦点位置は無機材料の基体の切断前資材の厚さ方向の任意の位置になるように設定しているため、例えば図2に示したように、無機材料の基体11の一方の面11aや他方の面11bの外周に沿った線状の模様111とすることができる。切断時の欠け、割れ、チッピング等の不良の発生の抑制の観点から、この線状の模様111は、無機材料の基体11の一方の面11aや他方の面11bに平行な線状の模様であるほうが好ましいが、必ずしも平行である必要はない。
そして、上述のように、切断線に沿って複数回レーザー光を照射する場合には、得られた無機材料の基体の側面、すなわち切断面には照射回数と同数の線状の模様が残る。また、複数できる線状の模様同士の間隔はほぼ同一であることが、切断面の欠け等の不良の発生を抑える点で好ましい。具体的には例えば、切断後に得られる無機材料の基体の側面に含まれる線状の模様間の幅が、中央値の20%以内の誤差に収まっていることが好ましい。線状の模様はレーザー光の焦点位置に対応した位置に生じるため、線状の模様間の間隔は、レーザー光の焦点位置で制御できる。
なお、無機材料の基体11の切断方法は上述の例に限定されるものではなく、任意の方法により切断することができる。上述の切断方法以外の方法で切断を行った場合、無機材料の基体11の側面、すなわち切断面は、上述の場合と異なる断面形状を有していても良い。他の切断方法としては、例えば、ダイシングソーやワイヤーソーが挙げられる。これらの切断方法は無機材料の基体の切断前資材の厚みが1mm以上の場合に有効である。
無機材料の基体11の表面には反射防止膜を配置しておくこともできる。反射防止膜を配置することで、光学パッケージとした場合に、光学素子、もしくは外部からの光が無機材料の基体11の表面で反射されることを抑制し、光学素子、もしくは外部からの光の透過率を高めることができ、好ましい。反射防止膜としては特に限定されるものではないが、例えば多層膜を用いることができ、多層膜は、アルミナ(酸化アルミニウム、Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化チタン(TiO2)等から選択される1種類以上の材料の層である第1の層と、シリカ(酸化ケイ素、SiO2)の層である第2の層とを交互に積層した膜とすることができる。多層膜を構成する層の数は特に限定されないが、例えば上記第1の層と、第2の層とを1組として、多層膜は第1の層と、第2の層との組を1組以上有することが好ましく、2組以上有することがより好ましい。これは多層膜が第1の層と、第2の層とを1組以上有することで、無機材料の基体11の表面で光が反射されることを特に抑制できるからである。
多層膜を構成する層の数の上限についても特に限定されないが、例えば生産性等の観点から、上記第1の層と、第2の層との組を4組以下有することが好ましい。
反射防止膜を有する場合、反射防止膜は無機材料の基体11の少なくとも一方の面11a上に配置することが好ましく、一方の面11a及び他方の面11bの両面に配置することがより好ましい。一方の面11a及び他方の面11bの両面に反射防止膜を配置する場合、両反射防止膜の構成は異なっていても良いが、生産性等の観点から、同じ構成の反射防止膜を有することが好ましい。
反射防止膜として、上述の多層膜を用いる場合、最表面にシリカの第2の層が位置することが好ましい。反射防止膜の最表面にシリカの第2の層が位置することで、反射防止膜の表面がガラス基板の表面と類似の組成になり、耐久性や、接合層12との密着性が特に高くなり、好ましいからである。
(接合層)
接合層12は、光学パッケージとした場合に、無機材料の基体11と、光学素子を備えた回路基板とを接合する部材に当たる。このため、接合層12は、無機材料の基体11と、光学素子を備えた回路基板とを接合することができる部材であればよく、その具体的な構成は特に限定されるものではない。ただし、光学パッケージとした際の気密性を高める観点から接合層12は金属材料により構成されていることが好ましい。また、接合層12は接合層12中の金の体積割合が10%以下であることが好ましい。接合層12中の金の体積割合を10%以下とすることで、接合層中に含まれる金の割合を十分に抑制し、窓材のコストを抑制できる。接合層12中の金の体積割合は、より好ましくは8%以下であり、さらに好ましくは6%以下である。
なお、接合層12は金を含有しないこともできることから、接合層12中の金の体積割合は0以上とすることができる。
接合層12は、含有する、後述する半田層等の各層を略均一な厚さとすることができる。このため、例えば接合層12中に金を含有する層が、金からなる金層として存在する場合には、金の体積割合とは、金層の厚みが接合層12の厚みに占める割合とすることもできる。また、金を含有する層が、金以外の成分も含有する場合には、金を含有する層の厚みが接合層12の厚みに占める割合に、金を含有する層中の金の体積含有割合を掛け合わせた値とすることもできる。
なお、上述のように各層の厚みを用いて接合層中の金の体積割合を算出する場合、後述する半田層の厚みとしては、単純平均の平均値を用いることができる。
接合層12は、例えば図1(A)に示すように、下地金属層121と、半田層122とを有することが好ましい。
下地金属層121は、無機材料の基体11と、半田層122との密着性を高める機能を有することができる。下地金属層121の構成は特に限定されないが、図1(A)に示す様に複数の層から構成されていることが好ましい。
下地金属層121の構成は特に限定されないが、例えば2層、もしくは3層から構成することができる。具体的には例えば無機材料の基体11側から順に第1下地金属層121Aと、第2下地金属層121Bとを有することができる。また、第2下地金属層121Bと半田層122との間にさらに図示しない第3下地金属層を配置することもできる。
第1下地金属層121Aは、無機材料の基体11と他の層との密着性を高める機能を有することができる。第1下地金属層121Aの材料は、無機材料の基体11と他の層との密着性を高めることができる材料が好ましく、気密性も高められる材料がより好ましい。第1下地金属層121Aは、例えばクロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)から選択された1種類以上を含有する層とすることが好ましい。第1下地金属層121Aは、例えばクロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)から選択された1種類以上の材料からなる層とすることもできる。なお、この場合でも第1下地金属層121Aが不可避不純物を含むことを排除するものではない。
第1下地金属層121Aは、クロム(Cr)、チタン(Ti)、及びタングステン(W)、パラジウム(Pd)から選択された1種類以上の金属の金属膜または金属酸化物膜とすることがより好ましい。
第2下地金属層121Bは、半田層と他の層との密着性を高める機能を有しており、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、白金(Pt)、銀(Ag)から選択された1種類以上の金属を含有する層とすることが好ましい。コストを特に抑制する観点からは、第2下地金属層121Bはニッケル(Ni)、銅(Cu)から選択された1種類以上の金属を含有する層とすることがより好ましい。
なお、第2下地金属層121Bは、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、白金(Pt)、銀(Ag)から選択された1種類以上の金属からなる層とすることもできる。この場合もコストの観点からは、第2下地金属層121Bは、ニッケル(Ni)、銅(Cu)から選択された1種類以上の金属からなる層とすることが好ましい。なお、上記いずれの場合でも、第2下地金属層121Bが不可避不純物を含むことを排除するものではない。
また、第3下地金属層をさらに設ける場合、第3下地金属層は、例えばニッケル(Ni)、金(Au)から選択された1種類以上を含有する層とすることが好ましい。特に第3下地金属層をニッケル(Ni)を含有する層とする場合は、半田の濡れ性を向上させるためニッケル-ホウ素合金(Ni-B)を含有する層、もしくはNi-Bからなる層とすることが好ましい。第3下地金属層を設けることで、例えば下地金属層121と、半田層122とが反応することを特に抑制することができる。第3下地金属層はニッケル(Ni)、金(Au)から選択された1種類以上の金属からなる層とすることもできる。この場合でも、第3下地金属層が不可避不純物を含むことを排除するものではない。
下地金属層121を構成する各層の厚みは特に限定されるものではなく任意に選択することができる。
例えば第1下地金属層121Aの厚みは、無機材料の基体11との密着性を特に高める観点から0.03μm以上が好ましい。第1下地金属層121Aの厚みの上限についても特に限定されるものではないが、コストを十分に低減する観点から0.2μm以下が好ましい。
第2下地金属層121Bの厚みについては、半田層122との密着性を特に高める観点から0.1μm以上が好ましい。第2下地金属層121Bの厚みの上限についても特に限定されるものではないが、コストを十分に低減する観点から2.0μm以下が好ましい。
第3下地金属層も設ける場合、その厚みは特に限定されないが、下地金属層121と半田層122との反応を特に抑制する観点から、例えば0.05μm以上とすることが好ましい。第3下地金属層の厚みの上限についても特に限定されるものではないが、コストを十分に低減する観点から1.0μm以下が好ましい。
次に半田層122について説明する。
半田層122は、光学パッケージを製造する際に、無機材料の基体11と、光学素子を備えた回路基板とを接合する機能を有し、その構成については特に限定されるものではない。
ただし、半田層122の厚みの平均値は5μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましい。これは半田層122の厚みの平均値を5μm以上とすることで、例えば接合する回路基板の、接合層12との接合面に凹凸が含まれていたとしてもその凹部を半田層の材料により充填し、特に気密封止性を高めることができるからである。
なお、ここでの平均値は単純平均(算術平均や、相加平均と呼ばれる場合もある)の値を意味する。以下、単に「平均」という場合には単純平均を意味する。
また、半田層122の厚みの平均値の上限についても特に限定されないが、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。半田層122の厚みの平均値が50μmを超え過度に厚くなっても気密封止性の効果について大きな変化は生じないからである。
なお、半田層122の厚みの平均値は、窓材10の半田層122について任意の複数の測定点で厚みをレーザー顕微鏡(キーエンス社製、型式VK-8510)で測定し、平均値を求めることで算出できる。平均値を算出するために半田層122の厚みを測定する測定点の数は特に限定されないが、例えば2点以上が好ましく、4点以上がより好ましい。測定点の数の上限値についても特に限定されないが、効率性の観点から10点以下が好ましく、8点以下がより好ましい。
半田層122の厚みの平均値を算出する場合、例えば図3に示した測定点Z1~Z8において厚みを測定し、平均値を算出することがより好ましい。
なお、図3は測定点の例を示すために示した図であり、図1(B)に対応する図である。図3、および図1(B)は、窓材10の接合層12を形成した側から見た場合の図、すなわち底面図であり、半田層122を含む接合層12が無機材料の基体11の外周に沿って配置された形状となっている。そして、半田層122を含む接合層12は中央部に開口部を有し、該開口部から無機材料の基体11が見える形状とすることができる。
図3に示すように、半田層122が中央に四角形の開口部を備え、外形が四角形を有する場合、その4つの辺301~304の角部31A~31Dの中心位置の測定点Z1、Z3、Z5、Z7と、辺部32A~32Dの中心位置の測定点Z2、Z4、Z6、Z8とにおいて半田層の最大高さである厚みを測定し、その平均値を半田層122の厚みの平均値とすることが好ましい。
なお、半田層の底面形状は図1(B)、図3に示した形態に限定されるものではなく、任意の形状とすることができ、例えば外形が四角形以外の多角形形状等を有し、開口部もこれに対応した形状とすることもできる。この場合も例えば各辺の角部、辺部の各中心位置で厚みを測定し、測定した厚みの平均値を半田層の厚みとすることができる。角部、辺部については、後述する。
半田層122は、厚みの偏差、すなわち厚みの単純平均値との偏差は±20μm以内が好ましく、±10μm以内がより好ましい。
これは半田層122の厚みの偏差を±20μm以内とすることで、光学パッケージを製造する際に、窓材と、光学素子を配置した回路基板との間の気密封止性を特に高めることができ、好ましいからである。
なお、半田層122の厚みの偏差が±20μm以内とは、偏差が-20μm以上+20μm以下の範囲に分布することを意味する。
なお、半田層122の厚みの偏差は、上述の半田層の厚みの平均値と、平均値を算出する際に用いた測定値とから算出できる。
また、半田層122はその形成方法により、半田層の角部と辺部とで厚みに微小ではあるものの、ばらつきが生じる場合がある。このため、半田層122の厚みについて加重平均も併せて算出し、評価の指標に用いても良い。半田層122の厚みについて加重平均を算出する場合、半田層に含まれる各辺の厚みの加重平均を算出し、全ての辺の厚みの加重平均の平均(単純平均)を半田層122の厚みの加重平均とすることができる。
各辺の厚みの加重平均は、各辺に含まれる角部および辺部の中心位置においてそれぞれ厚みを測定し、測定点が角部の場合には、該角部の加重平均を算出する辺の長手方向の長さにより、測定点が辺部の場合には、該辺部の加重平均を算出する辺の長手方向の長さにより重みをつけることができる。
なお、角部とは半田層の辺が重複している部分を指し、辺部とはそれ以外の場所を指す。例えば図3に示した半田層122の場合、半田層122は中央に四角形の開口部を備え、外形が四角形であり、辺301~辺304の四辺を有している。そして、図3に示した半田層122は、辺301~辺304が互いに重複する角部31A~角部31Dを有している。
具体的には、角部31Aは、辺301と辺304とが重複する直線A1、A2、B1、B2で囲まれた領域となる。角部31Bは、辺301と辺302が重複する直線A3、A4、B1、B2で囲まれた領域となる。角部31Cは、辺302と辺303が重複する直線A3、A4、B3、B4で囲まれた領域となる。角部31Dは、辺303と辺304が重複する直線A1、A2、B3、B4で囲まれた領域となる。
また、図3に示した半田層122は、辺部32A~辺部32Dを有している。具体的には、辺部32Aは、直線A2、A3、B1、B2で囲まれた領域となる。また、辺部32Bは、直線A3、A4、B2、B3で囲まれた領域となる。辺部32Cは、直線A2、A3、B3、B4で囲まれた領域となる。辺部32Dは、直線A1、A2、B2、B3で囲まれた領域となる。
辺301について加重平均を出す場合には、以下の手順により角部31A、31B、および辺部32Aでの厚みを、各領域の辺301の長手方向の長さで重みづけして算出することができる。角部31Aの中心位置の測定点Z1で測定した厚みTZ1に対して、角部31Aにおける辺301の長手方向の長さW1により重みづけを行う。辺部32Aの中心位置の測定点Z2で測定した厚みTZ2に対して、辺部32Aにおける辺301の長手方向の長さL1により重みづけを行う。角部31Bの中心位置の測定点Z3で測定した厚みTZ3に対して、角部31Bにおける辺301の長手方向の長さW2により重みづけを行う。そして、算出結果を合計したものを、重みづけに用いたW1、L1、W2の合計により割ることで、辺301の加重平均を算出できる。
同様にして、他の辺についても加重平均を算出し、その平均値を求めることで半田層の加重平均を求めることができる。
図4に示した半田層122の場合、以下の式(1)により算出できる。
加重平均値=[(W1×TZ1+L1×TZ2+W2×TZ3)/(W1+L1+W2)+(W3×TZ3+L2×TZ4+W4×TZ5)/(W3+L2+W4)+(W2×TZ5+L1×TZ6+W1×TZ7)/(W1+L1+W2)+(W4×TZ7+L2×TZ8+W3×TZ1)/(W3+L2+W4)]/4・・・(1)
なお、上記式(1)中のTZxは、各測定点Zx(xは1~8のいずれか)で測定した半田層の厚みを意味し、以下同様に表記する。上記式(1)中のL1、L2は、図3に示すように、半田層122の中央に設けられた開口部の各辺の長さとなる。L1、L2は任意の位置で測定した長さとすることもできるが、複数箇所で測定した平均値を用いることが好ましい。例えばL1については開口部の両端部および中央で測定した、すなわち例えば直線B2、B3、B5に沿って測定した開口部の一辺の長さの平均値とすることが好ましい。また、L2についても同様に開口部の両端部および中央で測定した、すなわち例えば直線A2、A3、A5に沿って測定した開口部の一辺の長さの平均値とすることが好ましい。
半田層122の線幅W1~W4についても任意の位置で測定した長さとすることもできるが、複数箇所で測定した平均値を用いることが好ましい。例えば線幅W1の場合、辺304の長手方向の中心を通る直線B5に沿って測定した値と、開口部の両端部を通る直線B2、B3に沿って測定した値との3点での測定値の平均値を用いることが好ましい。
半田層の形成方法によっては、例えば厚みが左右対称になる場合もある。例えば半田層をディップ法により形成し、そのディップ方向が分かっている場合、ディップ方向を中心として、半田層の厚みが左右対称になる。例えば図3中の直線B5に沿ってディップを行った場合、直線B5を中心として、半田層122の厚みは左右対称になる。このため、係る場合、測定点Z7、Z6、Z5における半田層122の厚みはそれぞれ、順に測定点Z1、Z2、Z3における半田層122の厚みと同値なるため、全ての測定点Z1~Z8で厚みを測定する必要はない。例えば測定点Z1~Z4、Z8の測定点5点にて厚みを測定し、TZ1=TZ7、TZ2=TZ6、TZ3=TZ5として、半田層122の厚みの加重平均を算出できる。なお、単純平均の場合も同じ測定点のみの値から平均値を求めることもできる。
半田層の加重平均値は特に限定されないが、4μm以上であることが好ましく、13μm以上であることがより好ましい。また、半田層の加重平均値の上限も特に限定されないが、例えば70μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましい。
また、半田層の加重平均値との偏差、すなわち各測定点における厚みと、算出した加重平均値との差は±30μm以内とすることが好ましい。
加重平均値と、加重平均値との偏差について、好ましい理由は平均値の場合と同様であるので省略する。
なお、半田層の底面形状は図1(B)、図3に示した形態に限定されるものではなく、例えば外形が四角形以外の多角形形状等を有し、開口部もこれに対応した形状とすることもできる。この場合も例えば各辺に含まれる角部、辺部の中心位置において厚みを測定し、各領域の加重平均を算出する辺の長手方向の長さにより重みをつけ、各辺の加重平均を算出し、全ての辺の厚みの加重平均の平均を求めることで半田層の加重平均を算出することができる。
なお、本実施形態の窓材は、光学素子を備えた回路基板と接合して用いることができ、半田層122は、係る回路基板と窓材とを接合することができる。
そして、半田層122の表面には酸化膜が存在することが一般的であるが、回路基板と接合し易くするために、半田層122の下面、すなわち回路基板と対向する側の面の表面に存在する酸化膜は、加熱により溶融した半田層122の内部に溶け込み、回路基板の上面に対して、溶融した半田層122が接することができる程度に薄いことが好ましい。具体的な半田層の表面の酸化膜の厚さは限定されないが、酸化膜の厚さは10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。
係る酸化膜は少ない方が好ましいことから、酸化膜の厚さは0以上とすることができる。
半田層122は各種半田(接合用組成物)により構成することができる。
半田層122に用いる半田としては特に限定されないが、例えばヤング率が50GPa以下の材料が好ましく、40GPa以下の材料がより好ましく、30GPa以下の材料がさらに好ましい。
既述のように、本実施形態の窓材は、光学パッケージの部材として用いることができるが、光学パッケージとした後、例えば光学素子を発光、消灯等した場合に、半田層に温度変化を生じる場合がある。そして、半田層に用いる半田のヤング率を50GPa以下とすることで、半田層部分に温度変化が生じ、膨張、収縮した場合でも、他の部材を破壊等することを特に抑制することができ好ましいからである。
また、半田のヤング率が50GPa以下の場合、光学パッケージとした際に、無機材料の基体11と、光学素子を備えた回路基板との熱膨張差により生じる応力を、両部材を接合する半田層122内で吸収でき、好ましいからである。
半田層122に用いる半田のヤング率の好適な範囲の下限値は特に限定されないが、例えば0より大きければよく、気密封止性を高める観点から10GPa以上が好ましい。
半田のヤング率は、半田について引張試験を行い、その結果から算出することができる。
また、半田層122に用いる半田の融点は200℃以上が好ましく、230℃以上がより好ましい。これは半田の融点が200℃以上の場合、光学パッケージとした際の耐熱性を十分に高めることができるからである。ただし、半田層122に用いる半田の融点は280℃以下が好ましい。これは、光学パッケージを製造する際に熱処理を行い、半田層122の少なくとも一部を溶融させることになるが、半田の融点が280℃以下の場合、熱処理の温度を低く抑制できるため、光学素子等にダメージが生じることを特に抑制できるからである。
半田層122に用いる半田は密度が6.0g/cm3以上が好ましく、7.0g/cm3以上がより好ましい。これは半田層122に用いる半田の密度を6.0g/cm3以上とすることで、特に気密封止性を高めることができるからである。半田層122に用いる半田の密度の上限値は特に限定されないが、例えば10g/cm3以下が好ましい。
半田層122に用いる半田の熱膨張率は30ppm以下が好ましく、25ppm以下がより好ましい。これは半田の熱膨張率が30ppm以下の場合、光学パッケージとし、光学素子の発光等の際に生じる熱による形状変化が抑制され、光学パッケージが破損等することをより確実に防止できるからである。半田層122に用いる半田の熱膨張率の下限値は特に限定されないが、例えば0.5ppm以上が好ましい。
半田層122に用いる半田の銅食われ性は、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。これは、半田層122に用いる半田の銅食われ性が15%以下の場合、下地金属層121等との反応を抑制でき、好ましいからである。半田層122に用いる半田の銅食われ性の下限値は特に限定されないが、0以上が好ましい。なお、半田の銅食われ性は、銅食われ性評価により評価することができる。
銅食われ性は、例えば以下の手順により評価することができる。
直径0.5mmの銅ワイヤーを3mm程度の長さに2本切断し、2本の銅ワイヤーの表面をRMA(Rosin Midly activated、弱活性ロジン系)タイプのフラックスに浸漬して酸化膜を除去する。
酸化膜を除去した1本目の銅ワイヤーをエタノールで洗浄し、1本目の銅ワイヤーの断面積S1を測定する。なお、銅ワイヤーの断面積とは、銅ワイヤーの長手方向と垂直な面での断面積を意味する。
次に酸化膜を除去した2本目の銅ワイヤーを、評価を行う半田を入れ、湯温が400℃となるように加熱された半田槽に60秒間浸漬する。この時、銅ワイヤーの酸化膜の再発生を防ぐため、フラックスにより酸化膜を除去してから60秒以内に半田槽に浸漬する。半田槽への浸漬後、銅ワイヤーを引き上げ、半田槽に浸漬した側の端部より、銅ワイヤーを研磨し、銅断面が確認できる位置にて、銅ワイヤーの断面積S2を測定する。
半田槽への浸漬前の銅ワイヤーの断面積S1に対する、半田槽への浸漬後の銅ワイヤーの断面積S2を比較し、断面積減少の割合を算出する。具体的には以下の式により算出することができる。
(銅食われ性)=(S1-S2)/S1×100
半田層を構成する半田は上述のように特に限定されないが、例えば、スズ、ゲルマニウム、及びニッケルを含有し、ゲルマニウムの含有量が10質量%以下であって、ゲルマニウムの含有量と、ニッケルの含有量とが、以下の式(1)を満たすことが好ましい。
[Ni]≦2.8×[Ge]0.3 ・・・(1)
(ただし、[Ni]は質量%換算でのニッケルの含有量、[Ge]は質量%換算でのゲルマニウムの含有量を示す。)
上述の半田によれば、該半田を被接合部材上に配置した後、酸化膜除去を要さずに容易に被接合物と接合できるからである。
以下に半田層に好適に用いることができる上記半田が含有する成分について説明する。
(スズ)
上述の半田は、スズ(Sn)を含有する。
スズは、回路基板や下地金属層等の被接合部材と、半田との熱膨張差を緩和することができる。さらに、スズを半田の主成分として含有することで、半田の融点温度をスズの融点温度である230℃程度とすることができる。
上述の半田は、スズを主成分として含有することができる。主成分として含有するとは、例えば半田中に最も多く含まれている成分を意味しており、半田中に60質量%以上含有されている成分が好ましい。
特に、半田のスズの含有量は、例えば、85.9質量%以上がより好ましく、87.0質量%以上がさらに好ましく、88.0質量%以上が特に好ましい。
これは半田中のスズの含有量が85.9質量%以上の場合、被接合部材と、半田との熱膨張差の緩和、及び半田の溶融温度の低下について、特に高い効果を示すからである。
半田中のスズの含有量の上限値は特に限定されるものではないが例えば、99.9質量%以下が好ましく、99.5質量%以下がより好ましく、99.3質量%以下がさらに好ましい。
上述の半田はスズ以外にゲルマニウム、及びニッケルも含有する。そして、これらの成分を含有することにより、被接合部材に塗布した際に半田の表面に酸化被膜が生じることを抑制できる。また、上述の半田は、ゲルマニウム、ニッケル以外にも後述する任意の成分を含有することもできる。このため、これらのスズ以外の成分の含有量を十分に確保するため、上述のように、スズの含有量は99.9質量%以下が好ましい。
なお、後述のようにゲルマニウム等の含有量によっては被接合部材間の気密封止性を特に高めることができる。気密封止性を高める観点からは、半田中の、スズ以外のゲルマニウム等の成分の含有量が一定量以上あることが好ましい。このため、気密封止性を特に高めることが要求される場合等には、スズの含有量の上限値は98.8質量%以下とすることが特に好ましい。
(ゲルマニウム)
上述の半田は、ゲルマニウムを含有する。
ゲルマニウムは、被接合部材の接合面に半田を塗布した際に半田の表面に酸化被膜が生じることを抑制できる。これは、半田を塗布するために溶融した際、半田に含まれるゲルマニウムが優先的に酸化して、半田中のニッケルが酸化することを抑制することができるためである。
上述の半田のゲルマニウムの含有量は特に限定されるものではないが、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。
これは半田のゲルマニウムの含有量が10質量%を超えると、ゲルマニウム自身が過度に酸化物を形成することになり、かえって、被接合部材との接合を妨げるおそれがあるからである。
ゲルマニウムの含有量の下限値は特に限定されるものではないが、例えば0.5質量%より多いことが好ましく、0.7質量%以上がより好ましい。
半田は溶融した際に、過剰となった酸素がガス化することで半田内に空隙を生じる場合がある。特に真空環境下で接合のために半田を溶融した際には、上述の酸素等のガスが膨張し半田内に空隙を生じやすくなる。そして、該空隙により、被接合部材間の気密封止性が低下する場合がある。
これに対して、半田のゲルマニウムの含有量を0.5質量%より多くすることで、上述の様な過剰の酸素に起因する半田内の空隙の発生を抑制し、被接合部材間の気密封止性を特に高めることができるため好ましい。
(ニッケル)
上述の半田は、上述のようにニッケル(Ni)を含有する。
半田を溶融した際に半田に含まれるニッケルは酸化物となる傾向が強い。このため、被接合部材の接合部分、例えば回路基板の接合面に酸化物が含まれている場合に、該接合部分の酸化物と半田とが結合しやすくなり、半田と、酸化物を含む該接合部分との濡れ性が向上し、高い接合強度を発揮することが可能になるからである。
上述の半田のニッケルの含有量は特に限定されるものではないが、ゲルマニウムの含有量と一定の関係を有することが好ましい。
具体的には、質量%換算でのニッケルの含有量[Ni]と、質量%換算でのゲルマニウムの含有量[Ge]とは、以下の式(1)を満たすことが好ましい。
[Ni]≦2.8×[Ge]0.3 ・・・(1)
これは、半田の質量%換算でのニッケルの含有量[Ni]が2.8×[Ge]0.3を超えると、該半田を被接合部材の接合面に塗布するため溶融した際に、半田の一部が粒子状に溶け残り、接合できなくなる場合があるためである。
特に、質量%換算でのニッケルの含有量[Ni]と、質量%換算でのゲルマニウムの含有量[Ge]とは、[Ni]≦2.4×[Ge]0.3を満たすことがより好ましく、[Ni]≦2.0×[Ge]0.3を満たすことがさらに好ましい。
上述の半田のニッケルの含有量の下限値は特に限定されるものではなく、0質量%よりも多ければ良い。
また、質量%換算でのニッケルの含有量[Ni]を、質量%換算でのゲルマニウムの含有量[Ge]で除した値は2.0未満が好ましく、1.5未満がより好ましい。すなわち[Ni]/[Ge]<2.0が好ましく、[Ni]/[Ge]<1.5がより好ましい。
これは、[Ni]/[Ge]が、2.0以上の場合、被接合部材の接合面に塗布するために溶融させた半田の表面に、ニッケルの酸化被膜が発生する場合があり、接合を阻害する恐れがあるためである。なお、ニッケルの酸化被膜は、金属成分のうちニッケルが相対的に多く含まれる酸化被膜のことを意味する。
また、質量%換算でのニッケルの含有量[Ni]を、質量%換算でのゲルマニウムの含有量[Ge]で除した値は0.005以上が好ましく、0.01以上がより好ましい。すなわち0.005≦[Ni]/[Ge]が好ましく、0.01≦[Ni]/[Ge]がより好ましい。
これは[Ni]/[Ge]が0.005未満の場合、半田が、十分な酸素を保持できず、被接合部材の接合部分に酸化物が含まれている場合に、該接合部分の酸化物に対する濡れ性が低下し、被接合部材間の気密封止性を損なう恐れがあるからである。
さらに、ゲルマニウムの含有量と、ニッケルの含有量との合計は1.2質量%より多いことが好ましい。これは、半田中のゲルマニウムの含有量と、ニッケルの含有量との合計が1.2質量%よりも多い場合、被接合部材間の気密封止性を特に高めることができるからである。
(イリジウム)
上述の半田は、さらにイリジウム(Ir)を含有することもできる。
上述の半田がイリジウムを含有することで、半田を溶融した際に、半田内の空隙の発生を低減することができる。半田がイリジウムを含有することで、半田を溶融した際に空隙の発生を抑制できる理由については明らかではないが、溶融金属の表面張力を低下させ、ガスの巻き込みを低減できるためと推認される。
このように半田を溶融した際に空隙の発生を低減できることで、被接合部材との接合面積を十分に確保できるため、接合強度を高めることが可能となる。また、リーク経路の発生を抑制できるため、被接合部材間の気密封止性を高めることができる。
また、半田中の共晶物の結晶の粗大化は、半田を溶融し、凝固させて、被接合部材間を接合する接合部を形成した際、該接合部の伸びや強度を低下させ、接合部におけるクラック発生の原因となる場合がある。しかし、半田がイリジウムを含有することで、共晶物の結晶の粗大化を抑制でき、気密性低下の原因となるクラックの発生を抑えることができる。
なお、半田は、線状に加工して線状はんだとして使用されることが一般的であるが、粗大な結晶を含む線状はんだは脆く、使いにくい。これに対して、上述の半田はイリジウムを含有することで、半田中の共晶物の結晶の粗大化を抑制できる。このため、上述の半田は、イリジウムを含有することで線状はんだとした場合でも取扱い性が低下することを抑制できる。
ここでいう半田に含まれる共晶物とは、例えばゲルマニウムと、ニッケルとで形成されるGe-Ni共晶物が挙げられる。
上述の半田のイリジウムの含有量は特に限定されるものではないが、例えば0.1質量%以下が好ましく、0.025質量%以下がより好ましく、0.005質量%以下がさらに好ましい。
これは半田中のイリジウムの含有量が0.1質量%を超える場合、該半田を溶融した際に、その表面に酸化被膜が発生する場合があり、被接合部材の接合を阻害する恐れがあるためである。
また、半田中のイリジウムの含有量が0.025質量%以下の場合、被接合部材間の気密封止性を特に高めることができるため、より好ましい。
イリジウムの含有量の下限値についても特に限定されるものではなく、例えば0質量%以上とすることができ、0.0005質量%以上が好ましい。
(亜鉛)
上述の半田は、さらに亜鉛(Zn)を含有することもできる。
半田が亜鉛を含有する場合、該半田を溶融した際に亜鉛は酸化物となる傾向が強い。このため、被接合部材の接合部分に酸化物が含まれている場合に、該接合部分の酸化物と半田とが結合しやすくなり、半田と、酸化物を含む該接合部分との濡れ性が向上し、高い接合強度を発揮することが可能になる。
上述の半田の亜鉛の含有量は特に限定されるものではないが、0.5質量%以下が好ましい。
これは半田中の亜鉛の含有量が0.5質量%を超える場合、該半田を溶融した際に、その表面に酸化被膜が発生する場合があり、被接合部材の接合を阻害する恐れがあるためである。
亜鉛の含有量の下限値についても特に限定されるものではなく、例えば0質量%以上とすることができる。
(酸素)
そして、上述の半田はさらに、酸素を含有することができる。
半田中の酸素は、被接合部材の接合部分に酸化物が含まれている場合に、半田と、該酸化物を含有する接合部分との接合を促進する成分となる。
半田中に含まれる酸素の状態は特に限定されるものではないが、例えば酸素は半田の金属材料中に溶融した形で含有されていることが好ましい。これは、半田と、被接合部材との界面において、被接合部材の接合部分の酸化物と、半田中の金属材料との間の酸素濃度の傾斜が滑らかになり、接合界面が強固になるからである。
半田中に酸素を含有させる方法は特に限定されるものではないが、例えば、酸素を含む雰囲気下で半田を溶融、製造する方法、および/または酸素を含む雰囲気下で被接合部材との接合作業を行う方法が挙げられる。
なお、被接合部材を接合する前の半田は、後述する半田中の酸素の含有量を充足していることが好ましい。このため、酸素を含む雰囲気下で半田を溶融、製造する方法により酸素濃度を調整することが好ましい。
特に、被接合部材を接合する前の半田、および接合後の半田いずれの状態においても、後述する半田中の酸素の含有量を充足していることがより好ましい。
半田中の酸素の含有量は特に限定されるものではないが、例えば0.0001質量%以上とすることができ、好ましくは0.0007質量%以上である。
これは酸素の含有量を0.0001質量%以上とすることで、接合強度を高める効果を十分に発揮できるためである。
半田中の酸素の含有量の上限値は特に限定されるものではないが、例えば2質量%以下とすることができ、好ましくは1質量%以下である。
これは半田が含有する酸素の量が多くなりすぎると、半田内部に酸化物の析出が生じやすくなり、かえって接合強度が低下する恐れがあるためである。このため、上述のように半田中の酸素の含有量は2質量%以下が好ましい。
なお、ここでいう半田中の酸素の含有量とは、半田内部に含まれる酸素の含有量を意味している。すなわち、半田表面に酸化被膜が形成されている場合には、該酸化被膜を除去した後の半田中の酸素含有量を示している。
半田中の酸素量を測定する際に、酸化被膜の除去方法は特に限定されるものではなく、例えば酸等により半田の表面を処理することにより除去することができる。
半田中の酸素含有量の測定は、例えば以下の(1)~(3)の手順により測定できる。
(1)分析用の試料として、作製した半田の小片を0.5g用意する。
(2)(1)で用意した半田の小片の表面に含まれる酸化被膜の影響を除くため化学エッチングを実施する。
具体的には、半田の小片と、2倍希釈した塩酸と、を入れたビーカーをウォーターバスにセットし、80℃で12分間加熱する。その後、脱気水でデカンテーションを行い、次いでエタノールでデカンテーションを行う。
(3)(2)で酸化被膜の除去を行った半田の試料について酸素濃度を測定する。酸素濃度の測定は、例えば酸素・水素分析計を用いて行うことができる。
ここまで、上述の半田が含有することができる各成分について説明したが、係る材料に限定されるものではない。また、上述の半田は、例えば半田を調製する際に発生する不可避成分を含有していてもよい。不可避成分としては特に限定されるものではない。ただし、不可避成分として、Fe、Co、Cr、V、Mn、Sb、Pb、Bi、Zn、As、Cdからなる群から選択される1種類以上の元素を含有する場合、上記元素の含有量は合計で1質量%以下が好ましく、合計で500ppm以下がより好ましい。
これは、上記元素は、半田の被接合部材に対する濡れ性を低下させる働きがあり、上記元素の合計含有量を1質量%以下とすることで、半田の被接合部材に対する濡れ性が低下することを抑制できるからである。
そして、Ga、P、Bはボイド発生の原因となるため、Ga、P、Bからなる群から選択される1種類以上の元素を不可避成分として含有する場合、その含有量は合計で500ppm以下が好ましく、合計で100ppm以下がより好ましい。
また、上述の半田は、銀(Ag)を含有しないことが好ましい。
これは、銀はスズとの間で金属間化合物(Ag3Sn)を生成する。そして、Ag3Snは融点が高いため、半田表面に存在すると、被接合部材との濡れ性を若干ではあるが、低下させる恐れがあるからである。
係る被接合部材との濡れ性低下の現象は従来の超音波半田ごて等を用いて、酸化被膜を除去しながら接合する半田であれば問題とはならない。しかしながら、超音波はんだごて等を用いず、酸化被膜の除去作用が働かない環境下で接合を行う場合には、接合を阻害する要因となるためである。
なお、半田が銀を含有しないとは、半田を酸で溶解してICP発光分光分析法により分析した場合に、検出限界以下を意味している。
そして、上述の半田は、半田の断面中、任意の位置における面積が1.0×106μm2の領域内に存在する共晶物について、共晶物がその内部に含まれる最小サイズの円を共晶物毎に形成した場合に、直径が220μm以上の円が2個以下、または直径が350μm以上の円は1個以下が好ましい。
また、上述の半田は、半田の断面中、任意の位置における面積が1.0×106μm2の領域内に存在する共晶物について、面積が2000μm2以上の共晶物が2個以下、または4000μm2以上の共晶物は1個以下が好ましい。
なお、上述の半田は、少なくとも被接合部材を接合する前において、半田の断面の所定の領域内の共晶物についての上述の規定のいずれか、または両方を充足することが好ましい。特に、上述の半田は、被接合部材を接合する前、及び被接合部材を接合した後の両方において、半田の断面の所定の領域内の共晶物についての上述の規定のいずれか、または両方を充足していることがより好ましい。すなわち、上述の半田は、任意のタイミングで、半田の断面の所定の領域内の共晶物について評価を行った場合に、上述の規定のいずれか、または両方を充足していることがより好ましい。
上述の任意の位置における面積が1.0×106μm2の領域の形状は特に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。上記領域の形状としては、例えば正方形、長方形、多角形等が挙げられる。正方形の領域とする場合、例えば一辺の長さを1.0×103μmとすることができる。また、長方形の領域とする場合、上記面積を確保できるように各辺の長さを選択でき、例えば400μm×2500μmの長方形とすることもできる。多角形の領域とする場合にも、上記面積を確保できるように各辺の長さを選択でき、多角形を構成する各辺の長さは限定されるものではない。
上述した半田に含まれる共晶物としては、例えばゲルマニウムと、ニッケルとで形成されるGe-Ni共晶物が挙げられる。
既述のように、半田中の共晶物の結晶の粗大化は、半田を溶融し、凝固させて、被接合部材間を接合する接合部を形成した際、該接合部の伸びや強度を低下させ、接合部におけるクラック発生の原因となる場合がある。しかし、半田の断面における共晶物が上記条件を充足する場合、共晶物の結晶の粗大化を抑制できているといえ、気密性低下の原因となるクラックの発生を抑えることができる。
また、半田は、線状に加工して線状はんだとして使用することができるが、半田の断面における共晶物が上記条件を充足する場合、半田中の共晶物の結晶の粗大化を抑制できており、線状はんだとした場合に十分な取扱い性を有することができる。
半田層122に好適に用いることができる半田としては、上述の半田以外にも、例えばスズ(Sn)-アンチモン(Sb)系の半田等を挙げることもできる。
スズ-アンチモン系の半田の各成分の含有量は特に限定されないが、例えばアンチモンの含有量が1質量%以上であることが好ましい。アンチモンは、スズ-アンチモン系半田において固相線温度を上昇させる働きがあり、アンチモンの含有量を1質量%以上とすることで、係る効果を特に発揮することができ、好ましいからである。
アンチモンの含有量の上限は特に限定されないが、例えば40質量%以下とすることが好ましい。これは、アンチモンの含有量を40質量%以下とすることで、固相線温度が過度に高くなることを防ぎ、電子部品の実装に適した半田とすることができるからである。
スズ-アンチモン系の半田は、スズを含有することができる。スズは、回路基板や下地金属層等の被接合部材と、半田との熱膨張差を緩和することができる。さらに、スズを半田の主成分として含有することで、半田の融点温度をスズの融点温度である230℃程度とすることができる。
スズ-アンチモン系の半田は、アンチモンとスズとから構成することもでき、この場合、アンチモンを除いた残部をスズにより構成することができる。
スズ-アンチモン系の半田は、アンチモンとスズ以外にも任意の添加成分を含有することができ、例えば銀(Ag)、銅(Cu)等から選択された1種類以上を含有することもできる。銀や銅は、アンチモンと同様に半田の固相線温度を上昇させる働きを有する。この場合、アンチモンと任意の添加成分以外の残部をスズにより構成することができる。
半田層122に好適に用いることができる半田の構成例について説明したが、本実施形態の窓材10の半田層122に用いる半田は係る半田に限定されるものではないのは既述のとおりである。
接合層12の形状は特に限定されるものではないが、例えば図1(B)に示すように、窓材10の接合層12を形成した側から見た場合の図、すなわち底面図において半田層122を含む接合層12が無機材料の基体11の外周に沿って配置された形状とすることができる。そして、半田層122を含む接合層12は中央部に開口部を有し、該開口部から無機材料の基体11が見える形状とすることができる。図1(B)では、無機材料の基体11の方が、半田層122を含む接合層12よりも大きくなっているが、係る形態に限定されない。例えば無機材料の基材11の外周と、半田層122を含む接合層12の外周とが一致するように構成することもできる。
なお、図1(B)では接合層12のうち、最表面に位置する半田層122を示しているが、接合層12の各層の積層方向(図1(A)における上下方向)と垂直な面での接合層12の断面形状は、層によらず同じ形状とすることが好ましい。
本実施形態の窓材の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば以下の工程を有することができる。
無機材料の基体を用意する基体準備工程。
無機材料の基体の一方の面上に接合層を形成する接合層形成工程。
基体準備工程の具体的な操作は特に限定されないが、例えば無機材料の基体を所望のサイズとなるように切断したり、無機材料の基体の形状が所望の形状となるように加工することができる。なお、無機材料の基体の表面に反射防止膜を配置する場合は、本工程で反射防止膜を形成することもできる。反射防止膜の成膜方法は特に限定されるものではなく、例えば乾式法や、湿式法により成膜することができ、乾式法の場合であれば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等から選択された1種類以上の方法により成膜することができる。湿式法の場合であれば、浸漬法や、スプレー塗布法等から選択された1種類以上の方法により成膜することができる。
接合層形成工程は、例えば下地金属層を形成する下地金属層形成ステップと、半田層形成ステップとを有することができる。
下地金属層形成ステップは、無機材料の基体の一方の面上に下地金属層を形成することができる。下地金属層を形成する方法は特に限定されず、成膜する下地金属層の種類等に応じて任意に選択することができる。例えば乾式法や、湿式法により成膜することができ、乾式法の場合であれば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等から選択された1種類以上の方法により成膜することができる。湿式法の場合であれば、電解めっき法や、無電解めっき法、印刷法等から選択された1種類以上の方法により成膜することができる。
なお、既述のように下地金属層は複数の層から構成することもでき、層毎に任意の方法により成膜することができる。
半田層形成ステップでは、無機材料の基体の一方の面上、もしくは下地金属層上に半田層を形成することができる。半田層を形成する方法は特に限定されず、例えばディップ法や、ディスペンサーを使った塗布法、印刷法、レーザーメタルデポジション法、半田ワイヤを用いた方法等から選択された1種類以上が挙げられる。
ディップ法は、半田溶融槽内で半田層の原料となる半田を溶融させておき、半田層を形成する部材、例えば下地金属層を配置した無機材料の基体の半田層を形成する部分を、半田溶融槽内の溶融半田にディップし、半田層を形成する方法である。
ディスペンサーを用いた塗布法は、例えばシリンジが接続されたディスペンサーから、半田層を形成する部材、例えば下地金属層を配置した無機材料の基体の半田層を形成する部分に溶融した半田を供給し、半田層を形成する方法である。
印刷法は、半田層を形成する部材、例えば下地金属層を配置した無機材料の基体の半田層を形成する部分に対してペースト状にした半田を印刷し、半田層を形成する方法である。なお、印刷後必要に応じて熱処理を行うこともできる。
レーザーメタルデポジション法は、半田層を形成する部材、例えば下地金属層を配置した無機材料の基体の半田層を形成する部分に対して粉体状の半田を供給し、レーザーで半田を溶融後、冷却することで半田層を形成する方法である。
半田ワイヤを用いた方法は、ワイヤ状、すなわち線状に加工した半田を用い、例えば自動半田付けロボット等により、半田層を形成する部材、例えば下地金属層を配置した無機材料の基体の半田層を形成する部分に対して溶融した半田を供給し、半田層を形成する方法である。
本実施形態の窓材の製造方法は、必要に応じてさらに任意のステップを有することもできる。
接合層は図1(A)、図1(B)を用いて説明したように無機材料の基体11の一方の面11a上に所望の形状となるように形成することができる。
このため、本実施形態の窓材の製造方法は、例えば下地金属層形成ステップと、半田層形成ステップとにより接合層を形成した後、該接合層が所望の形状となるようにパターン化するパターン化ステップを有することもできる。パターン化ステップでは、例えば、半田層の露出した面上に、形成するパターンに対応したレジストを配置し、エッチング等により、半田層及び下地金属層のうちレジストに覆われていない部分を除去してパターン化することができる。パターン化ステップの後にレジストを除去するレジスト除去ステップを実施することもできる。
なお、下地金属層が複数の層を含む場合において、下地金属層に含まれる層の一部を成膜後、パターン化ステップを実施し、該成膜した下地金属層に含まれる層の一部をパターン化することもできる。そして、該パターン化ステップの後に、レジストを除去するレジスト除去ステップを実施した後、パターン化された下地金属層上に、さらに残りの下地金属層を形成することもできる。
また、例えば本実施形態の窓材の製造方法は、下地金属層形成ステップと、半田層形成ステップとを実施する前に、下地金属層、及び半田層を形成しない部分にレジストを配置するレジスト配置ステップを有することもできる。レジスト形成後に、下地金属層、及び半田層を形成することで、形成するパターンに対応した部分にのみ下地金属層、及び半田層を形成することができる。この場合、半田層形成ステップの後にレジストを除去するレジスト除去ステップを有することもできる。
また、複数の窓材を同時に製造できるように、複数個分のサイズの無機材料の基体(切断前資材)上に、各窓材に対応した接合層を複数形成した場合には、無機材料の基体を切断する切断工程を有することもできる。切断方法は特に限定されるものではなく、既述のレーザー光を用いた切断方法等、無機材料の基体にあわせた切断方法を採用することができる。なお、隣接する窓材において接合層が連続して形成されている場合、すなわち切断線上に接合層が配置されている場合には、切断工程において、接合層もあわせて切断することもできる。
なお、光学パッケージとしてから、回路基板と共に無機材料の基体等の切断も行い、個片化することもできる。
以上に説明した本実施形態の窓材によれば、接合層中の金の体積割合を抑制しているため、コストを抑制した窓材とすることができる。
[光学パッケージ]
次に、本実施形態の光学パッケージの一構成例について説明する。
本実施形態の光学パッケージは、既述の窓材と、光学素子を備えた回路基板とを有することができる。
本実施形態の光学パッケージの構成例について、図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態の光学パッケージの窓材と光学素子を備えた回路基板との積層方向と平行な面での断面図を模式的に示したものである。なお、図4中では窓材10と、回路基板41とを区別できるように分けて記載しているが、光学パッケージ40において両部材は接合され、一体化している。
上述のように、本実施形態の光学パッケージ40は、既述の窓材10と、光学素子42を備えた回路基板41とを有する。
窓材10については既に説明したため、図1の場合と同じ番号を付して、説明を省略する。
回路基板41については特に限定されず、絶縁性基材411と、光学素子42に対して電力を供給する図示しない配線とを備えた各種回路基板を用いることができる。
ただし、窓材10を接合した場合に、窓材10と、回路基板41とで囲まれた空間内の気密封止性を高めるため、回路基板41はセラミックス製の絶縁性基材411を有することが好ましい。
ここで、回路基板41の絶縁性基材411に用いるセラミックス材料としては特に限定されないが、例えばアルミナ(酸化アルミニウム、Al2O3)や、窒化アルミニウム(AlN)、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)等から選択された1種類以上が挙げられる。
回路基板41の絶縁性基材411の形状は特に限定されないが、光学パッケージ40とした場合に、無機材料の基体11と絶縁性基材411と、後述する接合部とで、光学素子42を配置する部分に閉鎖された空間を形成できるように構成されていることが好ましい。このため、絶縁性基材411は、その上面411aの中央部に開口部を有し、該開口部を含む非貫通孔である凹部411Aを有することが好ましい。なお、絶縁性基材411の上面とは、光学パッケージとする場合に窓材10と対向する面であり、窓材10と接合する側の面ともいえる。
係る凹部411Aを囲む壁部411Bは、光学パッケージとした場合に、窓材10の接合層12と、後述する回路基板用下地金属層とを、共に支持するため、該接合層12や、回路基板用下地金属層に対応した形状を有することができる。
さらに、回路基板41は、絶縁性基材411の上面411aであって、壁部411Bの上面に回路基板用下地金属層412を有することができる。
回路基板用下地金属層412は、回路基板41の絶縁性基材411と、窓材10との密着性を高める働きを有することができる。回路基板用下地金属層412の具体的な構成は特に限定されないが、例えば回路基板41の絶縁性基材411側から、第1回路基板用下地金属層412A、第2回路基板用下地金属層412B、第3回路基板用下地金属層412Cの順に積層した層構造を有することができる。なお、ここでは回路基板用下地金属層412が三層から構成される例を示したが、係る形態に限定されず、一層もしくは、二層、もしくは四層以上の層から構成することもできる。
上述のように回路基板用下地金属層412を三層から構成する場合、例えば第1回路基板用下地金属層412Aは回路基板41において配線(回路)を形成するために用いた金属と同じ金属から構成することが好ましい。例えば第1回路基板用下地金属層412Aは、銅(Cu)、銀(Ag)、タングステン(W)から選択された1種類以上の金属を含む層とすることができる。第1回路基板用下地金属層412Aは、銅(Cu)、銀(Ag)、タングステン(W)から選択された1種類以上の金属からなる層とすることもできる。なお、この場合でも第1回路基板用下地金属層412Aが不可避不純物を含むことを排除するものではない。
第2回路基板用下地金属層412Bは、後述する第3回路基板用下地金属層412Cと、第1回路基板用下地金属層412Aとが合金化することを防ぐ層とすることができ、例えばニッケル(Ni)を含む層とすることができる。第2回路基板用下地金属層412Bは、ニッケル(Ni)からなる層とすることもできる。なお、この場合でも第2回路基板用下地金属層412Bが不可避不純物を含むことを排除するものではない。
第3回路基板用下地金属層412Cは、第2回路基板用下地金属層412Bが酸化することを防止するための層とすることができ、例えば金(Au)を含む層とすることができる。第3回路基板用下地金属層412Cは、金(Au)からなる層とすることもできる。なお、この場合でも第3回路基板用下地金属層412Cが不可避不純物を含むことを排除するものではない。
回路基板用下地金属層412を構成する各層の厚みは特に限定されるものではなく任意に選択することができる。
第1回路基板用下地金属層412Aの厚みは、例えば1μm以上とすることが好ましい。第1回路基板用下地金属層412Aの厚みの上限についても特に限定されるものではないが、コストを十分に低減する観点から20μm以下が好ましい。
第2回路基板用下地金属層412Bの厚みについては、第1回路基板用下地金属層412Aと、第3回路基板用下地金属層412Cとの合金化を特に抑制する観点から1μm以上が好ましい。第2回路基板用下地金属層412Bの厚みの上限についても特に限定されるものではないが、コストを十分に低減する観点から20μm以下が好ましい。
第3回路基板用下地金属層412Cの厚みは、他の回路基板用下地金属層の酸化を特に防止する観点から0.03μm以上が好ましい。第3回路基板用下地金属層412Cの厚みの上限についても特に限定されるものではないが、コストを十分に低減する観点から2.0μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。
回路基板用下地金属層412の形状についても特に限定されないが、光学パッケージ40とした場合に、窓材10の接合層12と共に後述する接合部43を構成するため、窓材10の接合層12に対応した形状を有することが好ましい。具体的には、窓材10の接合層12と、回路基板用下地金属層412とは、光学パッケージとする際の両部材の積層方向(図4における上下方向)と垂直な面における断面形状が同じ形状が好ましい。
回路基板用下地金属層412の成膜方法は特に限定されず、例えば成膜する回路基板用下地金属層412の種類等に応じて任意に選択することができる。例えば乾式法や、湿式法により成膜することができ、乾式法の場合であれば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等から選択された1種類以上の方法により成膜することができる。湿式法の場合であれば、電解めっき法や、無電解めっき法、印刷法等から選択された1種類以上の方法により成膜することができる。
なお、既述のように回路基板用下地金属層は複数の層から構成することもでき、層毎に任意の方法により成膜することができる。
回路基板41に配置する光学素子42については特に限定されるものではなく、例えば発光ダイオード等の発光素子や、受光素子等を用いることができる。
なお、光学素子42が発光素子の場合、該発光素子が発する光の波長領域は特に限定されない。このため、例えば紫外光から赤外光の範囲内から選択された任意の波長領域の光、すなわち例えば波長が200nm以上1mm以下の範囲内から選択された任意の波長領域の光を発する発光素子を用いることができる。
ただし、本実施形態の光学パッケージによれば、発光素子からの光を透過させる部材である窓材の基体は、透明樹脂の基体ではなく、無機材料の基体11である。このため、窓材の上記基体に透明樹脂の基体を用いた場合と比較して、気密封止性を高めることができ、さらには該発光素子からの光による窓材の劣化を抑制できる。このため、光学素子が発光素子の場合、気密性が特に要求される発光素子や、樹脂の劣化が進行し易い光を発する発光素子を用いた場合に、特に本実施形態の光学パッケージは高い効果を発揮することができ好ましい。気密性が特に要求される発光素子としては、例えば波長が200nm以上280nm以下の波長領域の光であるUV-Cを発する発光素子が挙げられる。また、樹脂の劣化が進行し易い光を発する発光素子としては、レーザー等の出力の高い光を発する発光素子が挙げられる。従って、光学素子42が発光素子の場合、該発光素子として、UV-Cを発する発光素子や、レーザー等を、特に高い効果を発揮する観点から好ましく用いることができる。
そして、窓材10の無機材料の基体11と、回路基板41の絶縁性基材411とは接合部43により接合することができる。接合部43は、図4に示すように、窓材10の接合層12と、回路基板41の回路基板用下地金属層412とを有することができる。なお、接合部43は、接合層12と、回路基板用下地金属層412とから構成することもできる。
接合部43の構成は特に限定されないが、コストの観点から、接合部中の金の体積割合が5%以下が好ましく、4%以下がより好ましい。
接合部43は金を含まないこともできることから、接合部中の金の体積割合は0以上とすることができる。
接合部43に含まれる既述の半田層や、下地金属層等の各層は略均一な厚さで形成することができる。このため、例えば接合部43中に金を含有する層が、金からなる金層として存在する場合には、金の体積割合とは、金層の厚みが接合部43の厚みに占める割合とすることもできる。また、金を含有する層が、金以外の成分も含有する場合には、金を含有する層の厚みが接合部43の厚みに占める割合に、金を含有する層中の金の体積含有割合を掛け合わせた値とすることもできる。
なお、上述のように各層の厚みを用いて接合部中の金の体積割合を算出する場合、半田層の厚みとしては、単純平均の平均値を用いることができる。
以上に説明した本実施形態の光学パッケージによれば、既述の窓材を用いているため、コストを抑制した光学パッケージとすることができる。
本実施形態の光学パッケージの製造方法は特に限定されるものではなく、任意の方法により製造することができる。
本実施形態の光学パッケージの製造方法は、例えば以下の工程を有することができる。
光学素子を備えた回路基板を準備する回路基板準備工程。
回路基板上に窓材を配置して、窓材と回路基板とを接合する接合工程。
回路基板準備工程では、常法により製造された回路基板上に光学素子を配置し、光学素子を備えた回路基板を準備することができる。なお、接合工程終了後に個片化する場合には、回路基板準備工程では、複数の回路基板が一体化した、切断前の回路基板を準備することができる。
そして、接合工程では回路基板上に窓材を配置して、窓材と回路基板とを接合することができる。接合の具体的な方法は特に限定されないが、例えばまず、図4に示した光学パッケージ40において、接合層12の露出した下面12aと、回路基板用下地金属層412の露出した上面412aとが直接接触するように重ね合せることができる。そして、例えば窓材10の、無機材料の基体11の他方の面11b上から、回路基板41側に向かって、すなわち図中のブロック矢印Bに沿って押圧しながら加熱することで、半田層122の少なくとも一部を溶融させ、その後冷却することで、窓材10と回路基板41とを接合することができる。
接合工程において、接合層12の下面12aの表面に存在する酸化膜は、加熱により溶融した半田層122の内部に溶け込み、回路基板用下地金属層412の上面412aに対して、溶融した半田層122が接することができる程度に薄いことが好ましい。具体的な酸化膜の厚さは限定されないが、酸化膜の厚さは10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。
なお、無機材料の基体11を押圧する方法は特に限定されず、例えば無機材料の基体11と接する押圧部材と、押圧部材に圧力を加えるばね等の弾性体とを有する押圧手段を用いる方法や、錘を用いる方法等が挙げられる。
接合工程後に得られる光学パッケージにおいて、窓材10と回路基板41とで封止された領域内について、所定の雰囲気とする場合には、熱処理を行う際の雰囲気を該所定の雰囲気としておくことが好ましい。例えば大気雰囲気や、真空雰囲気、不活性雰囲気等から選択された雰囲気とすることができる。不活性雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等から選択された1種類以上のガスを含有する雰囲気とすることができる。
接合工程において、熱処理を行う際の条件は特に限定されるものではなく、例えば半田層の半田の溶融温度以上に加熱することが好ましい。ただし、急激に加熱を行うと無機材料の基体に熱応力がかかり、割れ等を生じることがあるため、例えばまず50℃以上、半田層の半田の融点未満である第1熱処理温度まで昇温後、第1熱処理温度で一定時間保持することが好ましい。第1熱処理温度での保持時間は特に限定さないが、例えば30秒以上が好ましく、60秒以上がより好ましい。ただし、生産性の観点から、第1熱処理温度での保持時間は600秒以下が好ましい。
第1熱処理温度で一定時間保持後、さらに昇温を行い、半田層の半田の融点以上の温度である第2熱処理温度まで昇温することが好ましい。なお、第2熱処理温度は窓材10と回路基板41とを十分に接合するため、半田の融点+20℃以上が好ましく、また、第2熱処理温度が過度に高温である場合、回路基板上に配置した光学素子が熱により破損する場合があることから、第2熱処理温度は例えば300℃以下が好ましい。第2熱処理温度で保持する時間は特に限定されないが、窓材10と回路基板41とを十分に接合するため、20秒以上が好ましい。ただし、光学素子への熱による悪影響をより確実に抑制するため、第2熱処理温度で保持する時間は1分以下が好ましい。
第2熱処理温度での熱処理後は、室温、例えば23℃まで冷却し、接合工程を終えることができる。
本実施形態の光学パッケージの製造方法は必要に応じて任意の工程を有することができる。例えば、複数の回路基板が一体となった個片化していない回路基板を接合工程に供した場合には、切断工程を有することもできる。切断工程で用いる切断方法は特に限定されず、任意の方法により切断することができる。窓材に関する説明で記述のレーザー光を用いた切断方法により、回路基板と、窓材とを同時に切断し、個片化することもできる。また、複数の切断方法を組み合わせることもできる。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、以下の実施例において製造した窓材、光学パッケージの評価方法について説明する。
(気密性試験)
以下の実施例で作製した窓材を用いた光学パッケージについて、作製直後、もしくはリフロー処理や、ヒートサイクル試験を所定の条件で行った後気密性試験を行い、気密封止特性の評価を行った。
気密性試験はJIS Z 2331:2006に準じて実施しており、具体的には以下の手順で行った。
まず、評価の対象となる光学パッケージを、加圧容器内に入れ、加圧容器内でヘリウム(He)が5.1気圧となるように加圧した条件下で2時間保持した(加圧工程)。
加圧工程終了後、加圧容器内から、評価の対象となる光学パッケージを取り出し、取り出し後1時間以内に真空容器内でヘリウム(He)のリーク量を測定した(ヘリウムリーク量測定工程)。
ヘリウムリーク量測定工程において測定されたヘリウムのリークレート(Heリークレート)が4.9×10-9Pa・m3/s以下の場合に合格と判定した(判定工程)。なお、判定工程では、Heリークレートが4.9×10-9Pa・m3/sより大きい場合には不合格と判定する。
[実施例1]
(窓材)
図1(A)、図1(B)に示した窓材を作製した。
具体的には、無機材料の基体の切断前資材として、φ100mm、厚みが0.5mmの石英製の円板形状の板を用意した(基体準備工程)。
そして、以下の手順により無機材料の基体の切断前資材の一方の面上に接合層を形成した(接合層形成工程)。
まず、イオンビーム蒸着により、無機材料の基体の切断前資材の一方の面上の全面に、無機材料の基体の切断前資材側から順に、第1下地金属層、及び第2下地金属層を成膜した(下地金属層形成ステップ)。
第1下地金属層としては、厚みが0.03μmのクロム(Cr)層を、第2下地金属層としては厚みが0.2μmの銅(Cu)層を成膜した。
次に、第2下地金属層の第1下地金属層と対向する面とは反対側の面、すなわち露出した面上の全面にレジストを塗布した後、紫外線を用いてレジストを露光し、さらに現像することにより、パターン化されたレジストを配置した(レジスト配置ステップ)。パターン化されたレジストは、無機材料の基体の切断前資材の一方の面と平行な面での断面において、四角形状を有しており、中央に四角形状の開口部を有する形状とした。
そして、第1下地金属層、及び第2下地金属層のうち、レジストにより覆われていない部分をエッチング液によりエッチングし、パターン化を行った後、レジストを除去した(レジスト除去ステップ)。
次に、パターン化された第1下地金属層、及び第2下地金属層上に、無電解Niめっきにより第3下地金属層として厚みが0.8μmのニッケル(Ni)層を成膜した。これにより、第1下地金属層、第2下地金属層、及び第3下地金属層を含む、パターン化された下地金属層を形成した。
次に、下地金属層上に、半田層を形成した。半田層に用いる半田は以下の手順により予め製造しておいた。
半田に含まれる成分について、Snが97.499質量%、Geが1.5質量%、Niが1.0質量%、Irが0.001質量%となるように秤量、混合し、溶融をして一旦原料合金を作成する。そして、この原料合金を溶融後、鋳型に流し込み、半田を作製した。
そして、半田溶融槽内で半田層の原料となる半田を溶融させておき、上述の下地金属層を配置した無機材料の基体の半田層を形成する部分を、半田溶融槽内に溶融させた半田にディップした後、冷却することで半田層を形成した(半田層形成ステップ)。
なお、半田層を形成する際に用いた上記半田は融点が230℃、密度が7.3g/cm3、熱膨張率が22.9ppmであった。また、銅食われ性は7.47%であった。
融点はDSC(島津製作所製 型式:DSC-60)を用いて、10℃/minで昇温することで測定を行った。密度はアルキメデス法により測定を行った。
熱膨張率は、縦型熱膨張計(真空理工製 型式:DL-7000型)を用いて測定を行った。測定に当たっては、アルゴン雰囲気下、23℃から200℃までの温度範囲で、5℃/minで昇温することで測定を行った。
銅食われ性は、以下の手順により評価した。
直径0.5mmの銅ワイヤーを3mm程度の長さに2本切断し、2本の銅ワイヤーをRMA(Rosin Midly activated、弱活性ロジン系)タイプのフラックスに浸漬して表面の酸化膜を除去する。
酸化膜を除去した1本目の銅ワイヤーをエタノールで洗浄し、1本目の銅ワイヤーの断面積S1を測定する。なお、銅ワイヤーの断面積とは、銅ワイヤーの長手方向と垂直な面での断面積を意味する。
次に酸化膜を除去した2本目の銅ワイヤーを、上記半田が入れられ、湯温が400℃となるように加熱された半田槽に60秒間浸漬する。この時、銅ワイヤーの酸化膜の再発生を防ぐため、フラックスにより酸化膜を除去してから60秒以内に半田槽に浸漬する。半田槽への浸漬後、銅ワイヤーを引き上げ、半田槽に浸漬した側の端部より、銅ワイヤーを研磨し、銅断面が確認できる位置にて、銅ワイヤーの断面積S2を測定する。
半田槽への浸漬前の銅ワイヤーの断面積S1に対する、半田槽への浸漬後の銅ワイヤーの断面積S2を比較し、断面積減少の割合を算出する。具体的には以下の式により算出した。
(銅食われ性)=(S1-S2)/S1×100
銅食われ性評価を行う際、銅ワイヤーの断面積の測定には、デジタルマイクロスコープ(キーエンス株式会社製 型式:VHX-900)、及び該デジタルマイクロスコープに添付された画像処理ソフトを用いた。
また、得られた上記半田について、ヤング率を引張試験結果より算出したところ、20GPaであることが確認できた。引張試験については、引張試験機(島津製作所製 オートグラフ AGX-100kN)を用い、JIS14A号の試験片を引張速度3mm/minにて試験を実施した。
半田層の厚みの平均値、および加重平均値の算出方法について図3を用いながら説明する。図3は測定点を説明するために示した図であり、図1(B)に対応する図となる。本実施例では、既述の様に無機材料の基体の切断前資材の一方の面上に複数の窓材に対応するように半田層を含む接合層を形成している。このため、半田層の厚みは、切断し、個片化することで1個の窓材に含まれる半田層を任意に選択して評価した。従って、図3では、測定に用いた個片化した後の1個の窓材に含まれる半田層122、及び無機材料の基体11を示している。
個片化した場合、無機材料の基体11と、半田層122との積層方向と垂直な断面において、半田層122は、無機材料の基体11の外周に沿って帯状の形状を有している。
そして、半田層は、上述のようにディップ法で形成しており、図3における直線B5に沿って半田溶融槽内に導入して形成した。このため、半田層の厚みは直線B5を中心として左右対称となっている。
このため、半田層の厚みを、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製 型式:VK-8510)を用いて図3の測定点Z1、Z2、Z3、Z4、Z8の5箇所で測定し、測定点Z5~Z7での厚みTZxについては、TZ1=TZ7、TZ2=TZ6、TZ3=TZ5とした。そして、測定点Z1~Z8の8点分の厚みの平均値を算出したところ、単純平均で29.31μmとなった。
また、測定点Z1、Z2、Z3、Z4、Z8での厚みTZ1~TZ4、TZ8での測定値を用いて、既述の式(1)により半田層122の加重平均値を算出したところ、加重平均で20.14μmであることが確認できた。
なお、上述のように、直線B5を中心として半田層の厚みが左右対称となっていることから、加重平均を算出する際も、TZ1=TZ7、TZ2=TZ6、TZ3=TZ5として計算を行っている。式(1)については既に説明したため、ここでは説明を省略する。
また、開口部の一辺の長さL1については開口部の両端部および中央で測定した、すなわち直線B2、B3、B5に沿って測定した開口部の一辺の長さの平均を用いた。開口部の一辺の長さL2についても同様に開口部の両端部および中央で測定した、すなわち直線A2、A3、A5に沿って測定した開口部の一辺の長さの平均値を用いた。
半田層の各線幅W1~W4についても複数点で測定した線幅の平均値を用いた。線幅W1、W2の場合、辺304、302の長手方向の中心を通る直線B5に沿って測定した値と、開口部の両端部を通る直線B2、B3に沿って測定した値との3点での測定値の平均値をそれぞれ用いた。線幅W3、W4の場合、辺301、303の長手方向の中心を通る直線A5に沿って測定した値と、開口部の両端部を通る直線A2、A3に沿って測定した値との3点での測定値の平均値をそれぞれ用いた。
以上の手順により算出したところ、半田層の厚みの単純平均値との偏差の最大値、すなわち最大偏差は10μm、加重平均値との偏差の最大値、すなわち最大偏差は19μmであることが確認できた。
半田層122を形成後、図5に示すように、無機材料の基体の切断前資材51の一方の面上に、複数個の窓材に対応するように、パターン化された接合層52が形成された基板50を得た。そして無機材料の基体の切断前資材51の厚さ方向の任意の位置にレーザー光の焦点を合わせ、パターン化された接合層52の外形に沿ってレーザー光の照射位置を走査した後、レーザー光の焦点位置が通過した場所が支点となるように力を加えることで無機材料の基体の切断前資材51を切断した。なお、レーザー光は切断予定線に沿って1回走査した。このため、図2に示したように、個片化した無機材料の基体11の側面は、一方の面11a、及び他方の面11bの外周に沿った線状の模様111を有していた。
以上の工程により、図1(B)に示すように、窓材10の接合層12を形成した側から見た場合の図、すなわち底面図において半田層122が無機材料の基体11の外周に沿って配置され、中央部に四角形状の開口部を有し、該開口部から無機材料の基体11が見える形状とした。なお、図1(B)では最表面に位置する半田層122を示しているが、無機材料の基体11の一方の面11aと平行な面での接合層12の断面形状は、図1(B)に示した半田層122と同じ形状になっている。
そして、下地金属層121、及び半田層122から構成される接合層12は、上述の様に無機材料の基体11の外周に沿って形成され、その外形が5mm角であり、線幅全周同値であり、線幅W1~W4(図3を参照)はいずれも0.65mmとなっている。
以上の工程により窓材を製造した。
なお、窓材10は、金を含有する層を含まないことから、接合層中の金の体積割合は0となっている。このため、従来のAuSn合金を用いた窓材と比較して接合材料コストを25%程度にまで大幅に低減できていることが確認できた。
また、窓材10の半田層122の表面の酸化膜の厚みをXPS測定器(Quantera SXM(アルバック・ファイ社製))を用いて、測定したところ、その酸化膜の厚みは5nmであることが確認できた。
(光学パッケージ)
上記窓材と、光学素子42を備えた回路基板41とを用いて図4に示した光学パッケージ40を製造した。
回路基板41としては、絶縁性基材411が外形が5.8mm角で、高さが1.28mmの直方体形状であるアルミナ(酸化アルミニウム)製であって、図示しない配線を有しているものを用いた。なお、回路基板41の絶縁性基材411は、その上面411aの中央部に開口部が形成されており、該開口部を含む非貫通孔である凹部411Aを有している。凹部411Aは、その底部に光学素子42を配置できるように構成されている。なお、絶縁性基材411の上面411aとは、光学パッケージ40とする場合に窓材10と対向する面となる。また、開口部は四角形であり、凹部411Aは壁部411Bで囲まれた四角柱状の空洞(角筒)となっている。
そして、回路基板41は、絶縁性基材411の上面411aに、上記開口部を囲むように、かつ絶縁性基材411の上面411aの外周に沿うように回路基板用下地金属層412を有している。
回路基板用下地金属層412としては、絶縁性基材411側から、第1回路基板用下地金属層412A、第2回路基板用下地金属層412B、第3回路基板用下地金属層412Cの順に積層した層構造とした。
第1回路基板用下地金属層412Aとしては厚みが10μmの銀(Ag)層を、第2回路基板用下地金属層412Bとしては厚みが5μmのニッケル(Ni)層を、第3回路基板用下地金属層412Cとしては厚みが0.4μmの金(Au)層を形成した。
回路基板用下地金属層412は、窓材10の接合層12に対応した形状とした。具体的には、窓材10の接合層12と、回路基板用下地金属層412との積層方向(図4における上下方向)と垂直な面における断面形状が、接合層12と、回路基板用下地金属層412とで同じ形状となるように構成した。このため、回路基板用下地金属層412は、外形が5mm角であり、線幅は0.65mmとした。
上記凹部411Aの底部には、光学素子(OptoSupply社製 型式:OSBL1608C1A)を配置し、図示しない配線と接続しておいた。
そして、以下の手順により、窓材10と光学素子42を備えた回路基板41とを接合し、光学パッケージ40を製造した(接合工程)。
まず、上記光学素子42を備えた回路基板41の回路基板用下地金属層412の上面412aと、窓材10の接合層12の半田層122側の下面12aとが向かい合い、かつ接触するように配置した。
そして、窓材10の無機材料の基体11の他方の面11b上から、無機材料の基体11に接する押圧部材と、押圧部材に圧力を加えるばねとを備えた押圧手段により、ブロック矢印Bに沿って圧力を加えた状態で熱処理炉内に配置した。
次いで、熱処理炉内の雰囲気を真空雰囲気とし、23℃から第1熱処理温度である80℃まで昇温後、300秒間保持した。次に、第2熱処理温度である280℃まで昇温し、30秒間保持した後、ヒーターを切り、23℃まで冷却した。
以上の手順により、光学パッケージを製造した。
得られた光学パッケージの接合部43は、金を含有する層として、第3回路基板用下地金属層412Cを有するのみであり、接合部43の厚みと、第3回路基板用下地金属層412Cの厚みとから算出した接合部43に占める金の体積割合は0.87%であった。
なお、以下のリフロー試験、及びヒートサイクル試験を実施するため、同じ条件で7個の光学パッケージを製造した。
(評価)
(1)熱処理なしでの気密性試験
1つの光学パッケージについては、製造後、既述の気密性試験を実施したところ、合格と判定された。
(2)リフロー試験後の気密性試験
また、3つの光学パッケージについてはそれぞれ以下のリフロー試験1~3を実施した。
リフロー試験1として、1つの光学パッケージをリフロー炉内に配置し、図6に示す温度プロファイルで1回加熱した。
リフロー試験2として、1つの光学パッケージをリフロー炉内に配置し、図6に示す温度プロファイルで3回繰り返し加熱した。
リフロー試験3として、1つの光学パッケージをリフロー炉内に配置し、図6に示す温度プロファイルで5回繰り返し加熱した。
以上のリフロー試験1~3後の光学パッケージについて、それぞれ気密性試験を実施したところ、いずれの光学パッケージについても合格となった。
(3)ヒートサイクル試験後の気密性試験
3つの光学パッケージについては、それぞれ以下のヒートサイクル試験1~3を実施した。
ヒートサイクル試験1として、1つの光学パッケージについて、-40℃で30分間保持した後、85℃で30分間保持するヒートサイクルを100サイクル行った。
ヒートサイクル試験2として、1つの光学パッケージについて、-40℃で30分間保持した後、85℃で30分間保持するヒートサイクルを500サイクル行った。
ヒートサイクル試験3として、1つの光学パッケージについて、-40℃で30分間保持した後、100℃で30分間保持するヒートサイクルを200サイクル行った。
以上のヒートサイクル試験1~3後の光学パッケージについて、それぞれ気密性試験を実施したところ、いずれの光学パッケージについても合格となった。
本実施形態の光学パッケージによれば、接合部に占める金の割合を抑制しているため、コストを低減した光学パッケージとすることができる。
また、上述のように、製造直後だけではなく、リフロー試験や、ヒートサイクル試験を実施した場合でも、高い気密性を維持できていることを確認できた。これは、窓材の半田層に用いた半田のヤング率が20GPaと低いことから、無機材料の基体11のクラックの発生や無機材料の基体11と回路基板41の剥離などを発生させなかったためと考えられる。
[実施例2]
(窓材)
以下の手順に従って、図1(A)、図1(B)に示した窓材を作製し、評価を行った。
本実施例においても、実施例1の場合と同様に、無機材料の基体の切断前資材として、石英製の円板形状の板を用意した(基体準備工程)。
次いで以下の手順により無機材料の基体の切断前資材の一方の面上に接合層を形成した(接合層形成ステップ)。
無機材料の基体の切断前資材の一方の面上に、イオンビーム蒸着、または無電解めっきにより、格子状パターンの下地金属層を形成した(下地金属層形成ステップ)。
具体的には、まず無機材料の基体11側から順に第1下地金属層121Aとして厚みが0.2μmのクロム(Cr)層を、第2下地金属層121Bとして厚みが0.2μmの銅(Cu)層をイオンビーム蒸着により形成した。
次に、第2下地金属層の第1下地金属層と対向する面とは反対側の面、すなわち露出した面上の全面にレジストを塗布した後、紫外線を用いてレジストを露光し、さらに現像することにより、パターン化されたレジストを配置した(レジスト配置ステップ)。パターン化されたレジストは、無機材料の基体の切断前資材の一方の面と平行な面での断面において、四角形状を有しており、中央に四角形状の開口部を有する形状とした。
そして、第1下地金属層、及び第2下地金属層のうち、レジストにより覆われていない部分をエッチング液によりエッチングし、パターン化を行った後、レジストを除去した(レジスト除去ステップ)。
次いで、パターン化された第1下地金属層、及び第2下地金属層上に、無電解ニッケル-ホウ素合金めっきにより、第3下地金属層として厚みが0.8μmのニッケル-ホウ素合金(Ni-B)層を形成した。
次に実施例1と同様にして、下地金属層121上に半田層122を形成した。なお、半田層122には実施例1と同じ半田を用いている。
そして、実施例1の場合と同様にして、無機材料の基体の切断前資材51(図5を参照)を切断し、個片化を行った。これにより、無機材料の基体が5mm角である窓材を得た。
得られた窓材は金を含有する層を含まないことから、接合層中の金の体積割合は0となっている。個片化後の無機材料の基体の側面は図2のように、線状の模様111が無機材料の基体11の一方の面11aおよび他方の面11bに平行な線状の模様となっていた。
窓材10の半田層122の線幅と一辺の長さを、光学顕微鏡(オリンパス製BX51TRF)を用いて測定したところ、線幅W1~W4は0.3mm、開口部の一辺の長さL1、L2は3.0mmであった。
線幅W1~W4、および開口部の一辺の長さL1、L2は実施例1の場合と同様にして測定、算出したため、ここでは説明を省略する。
半田層の厚みをレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製 型式:VK-8510)を用いて、同じ無機材料の基体の切断前資材から切り出した、サンプル1~サンプル3の3個の窓材について、図3に示す測定点Z1~Z8の8点の測定を行った。そして、得られた測定値を用いて、各サンプルについて半田層の厚みの平均値(単純平均値)、および既述の式(1)を用いて加重平均値を求めた。その結果を表1に示す。
(光学パッケージ)
上記窓材を用いて図4に示した光学パッケージを作製した。
回路基板41としては、絶縁性基材411が外形が5.8mm角で、高さが1.28mmの直方体形状であるアルミナ(酸化アルミニウム)製であって、図示しない配線を有しているものを用いた。なお、回路基板41の絶縁性基材411は、その上面411aの中央部に開口部が形成されており、該開口部を含む非貫通孔である凹部411Aを有している。凹部411Aは、その底部に光学素子42を配置できるように構成されている。なお、絶縁性基材411の上面411aとは、光学パッケージ40とする場合に窓材10と対向する面となる。また、開口部は四角形であり、凹部411Aは壁部411Bで囲まれた四角柱状の空洞(角筒)となっている。
そして、回路基板41は、絶縁性基材411の上面411aに、上記開口部を囲むように、かつ絶縁性基材411の上面411aの外周に沿うように回路基板用下地金属層412を有している。
回路基板用下地金属層412としては、絶縁性基材411側から、第1回路基板用下地金属層412A、第2回路基板用下地金属層412B、第3回路基板用下地金属層412Cの順に積層した層構造とした。
第1回路基板用下地金属層412Aとしては厚みが10μmのタングステン(W)層を、第2回路基板用下地金属層412Bとしては厚みが3μmのニッケル(Ni)層を、第3回路基板用下地金属層412Cとしては厚みが2μmの金(Au)層を形成した。
回路基板用下地金属層412は、窓材10の接合層12に対応した形状とした。具体的には、窓材10の接合層12と、回路基板用下地金属層412との積層方向(図4における上下方向)と垂直な面における断面形状が、接合層12と、回路基板用下地金属層412とで同じ形状となるように構成した。このため、回路基板用下地金属層412は、外形が3.6mm角であり、線幅は0.3mmとした。
上記凹部411Aの底部には、光学素子(OptoSupply社製 型式:OSBL1608C1A)を配置し、図示しない配線と接続しておいた。
そして、以下の手順により、窓材10と光学素子42を備えた回路基板41とを接合し、光学パッケージ40を製造した(接合工程)。
まず、上記光学素子42を備えた回路基板41の回路基板用下地金属層412の上面412aと、窓材10の接合層12の半田層122側の下面12aとが向かい合い、かつ接触するように配置した。
そして、窓材10の無機材料の基体11の他方の面11b上から、無機材料の基体11に接する押圧部材と、押圧部材に圧力を加えるばねとを備えた押圧手段により、ブロック矢印Bに沿って圧力(200g)を加えた状態で熱処理炉内(N2雰囲気下)に配置した。そして、図7に示した温度プロファイルで、窓材10とこの回路基板41とを溶融接合し光学パッケージとした。
具体的には、23℃から第1熱処理温度である80℃まで昇温後、300秒間保持した。次に、第2熱処理温度である280℃まで昇温し、60秒間保持した後、ヒーターを切り、23℃まで冷却した。
得られた光学パッケージの接合部43は、金を含有する層として、第3回路基板用下地金属層412Cを有するのみであり、接合部43の厚みと、第3回路基板用下地金属層412Cの厚みとから算出した接合部43に占める金の体積割合は3.0%~3.4%であった。
(評価)
得られた光学パッケージについて、気密性試験を実施したところ、合格であった。
[実施例3]
窓材10と回路基板41とを接合する際に熱処理炉内の雰囲気をN2雰囲気に替えて、大気雰囲気(空気雰囲気)とした点以外は実施例2と同様にして光学パッケージを作製した。
得られた光学パッケージについて、気密性試験を実施したところ、合格であった。
[実施例4]
窓材を製造する際、半田層122を形成後、個片化する際に、レーザー光の走査回数を2回にした点以外は実施例2と同様にして、窓材、及び光学パッケージを作製した。
具体的には、レーザー光の1回目の照射の際には、無機材料の基体の切断前資材の厚さ方向において、レーザー光入射面から遠い位置に設定して切断予定線に沿ってレーザー光の照射位置を移動させた。そして、レーザー光の2回目の照射の際には、1回目よりもレーザー光の入射面に近い位置にレーザー光の焦点位置を変化させて、同様に切断予定線に沿ってレーザー光の照射位置を移動させた。
2回目のレーザー光の照射後は、レーザー光の焦点位置が通過した場所が支点となるように力を加えることで無機材料の基体の切断前資材を切断した。
これにより、図8に示すように、個片化した無機材料の基体11の側面には、無機材料の結合状態が変化することで生じたと考えられる2本の線状の模様811、812が生じていることが確認できた。なお、2本の線状の模様811、812は、一方の面11a、及び他方の面11bの外周に沿った形状を有していた。
なお、レーザーの出力を変更した場合においても、その切断面には同様の形状の模様が得られることも確認できた。
この場合においても、無機材料の基体11に欠け、割れ、チッピング等の不良を発生することなく、個片化することができた。
このときに発生した線状の模様811、812の表面粗さをレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製 型式:VK-8510)を用いて測定したところ、表面粗さRaは0.3μmであり、線状の模様811と面11aの間の領域82の表面粗さを測定したところ、表面粗さRaは1.1μmであった。係る表面粗さの評価結果からも、線状の模様811と、それ以外の部分とで無機材料の結合状態に変化が起きていることが確認できた。
得られた窓材を用いた点以外は実施例2と同様にして光学パッケージを作製した。
得られた光学パッケージについて気密性試験を実施したところ、合格であった。
以上に窓材、光学パッケージを、実施形態および実施例等で説明したが、本発明は上記実施形態および実施例等に限定されない。特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
本出願は、2017年6月22日に日本国特許庁に出願された特願2017-122542号に基づく優先権を主張するものであり、特願2017-122542号の全内容を本国際出願に援用する。