JP7299071B2 - 固相合成装置 - Google Patents
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Description
このサイクル(脱保護-合成-洗浄)を繰り返しながら、アミノ酸を伸長する。目的とする配列のペプチドを合成した後、ビーズ表面からペプチドを切り出し、目的合成品を得る。
<固相合成装置の構成>
図1は、第一実施形態に係る固相合成装置1の構成を示す図である。
図1に示すように、固相合成装置1は、微小流路11が形成された固相合成リアクタ10(後述)と、微小流路11への送液を行う送液ポンプ(P1~P5およびP7)と、微小流路11にガスを送るガス注入ポンプ(P0)と、流路内の廃液を廃液容器(B6)に吸引する吸引ポンプ(P6)と、切替バルブ(V0~V8)と、試薬容器(B1~B5およびB7)とを含んで構成される。
微小流路11にガスを送るガス注入ポンプP0は、ダイヤフラム、ペリスタタイプ等を用いることができる。同様に、吸引ポンプP6は、一般的なダイヤフラムタイプ等を用いることができる。
試薬容器に接続しない切替バルブ(V0、V6およびV8)は、2方向の切替型でよい。バルブの材質として、ペプチド合成に適用する場合は、耐有機溶媒特性を有するテフロン(登録商標)などのフッ素樹脂が好ましい。
図2に示すように、固相合成リアクタ10は、微小流路11と、微小流路11内のビーズを捕捉するビーズ捕捉部12と、ガスを微小流路に供給するためのガス供給部20と、試薬供給部21~25と、微小流路から液体を排出するための排出部26と、ビーズ懸濁液を供給するためのビーズ供給部27と、脱気部28とを含んで構成される。
図3に示すように、ビーズ捕捉部12は、微小流路11を狭めてビーズ13を捕捉する構造とすることができる。狭量部は、ビーズの粒子径未満とする。市販の樹脂ビーズを用いる場合、膨潤時の粒子径は、50~200μmであることが多いため、狭量部を50μm未満とするのが好ましい。
ビーズ捕捉部12は、微小流路11を狭める構造に限定されるものではない。ビーズを捕捉し下流に流さない構造であればよく、例えば、微小流路11にピラーを立ててビーズを捕捉するものや、フィルタを設置してビーズを捕捉するのでもよい。フィルタの目開きは、上記と同様に50μm未満とするのが好ましい。
また、排出部26は切替バルブV6と、ビーズ供給部27は切替バルブV7と、脱気部28は切替バルブV8にそれぞれ接続される。
次に、第一実施形態に係る固相合成装置1を用いたペプチドの合成手順について図1および図4~図8を参照しながら説明する。
初期条件として、切替バルブ(V0~V8)は全て閉じた状態である。
まず、保護基で保護されたアミノ酸を結合したポリスチレンビーズをジクロロメタンに膨潤させる。次に、ジクロロメタンを廃棄し、膨潤したビーズをエタノールに再懸濁し、試薬容器B7に充填する。試薬容器B7とシリンジポンプP7が接続するようバルブV7を切替え、シリンジポンプP7を駆動してシリンジ(図示せず)にビーズ懸濁液を充填する。次に、バルブV7を切替えてシリンジポンプP7を駆動し、シリンジ内のビーズ懸濁液を微小流路11に向けて吐出する(S1-1)。その際、バルブV6を開く。これにより、ビーズ供給部27を経由して微小流路11に導入されたビーズ懸濁液は、ビーズ捕捉部12まで到達する。
本操作後、バルブV6とV7を閉じる。
まず、バルブV0とV8を開く。次に、ガス注入ポンプP0を駆動し、空気をガス供給部20から微小流路11へと供給する(S2-1)。一定量の空気をビーズ捕捉部12の二次側から供給することで、ビーズ捕捉部12の一次側に密に充填されたビーズを分散させ、空気の抜け道を作ることができる。これにより、後述する脱保護試薬とビーズとの接触が容易となり、脱保護試薬とビーズとの懸濁体が作成可能となる。なお、注入ガスは空気に限定されず、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガスを使用することもできる。
シリンジポンプP1を駆動してシリンジ(図示せず)に脱保護試薬を充填する。次に、バルブV1を切替えてシリンジポンプP1を駆動し、シリンジ内の脱保護試薬を微小流路11に向けて吐出する。試薬供給部21を経由して微小流路11に導入された脱保護試薬は、ビーズ捕捉部12の一次側のビーズに到達し、ビーズとの懸濁体を形成する(S2-2)。供給する脱保護試薬は、ビーズを試薬で満たすのに必要最小限の量である。
また、懸濁体を移動させる際、重力の鉛直方向の下側がガス供給部20(流路入口)、鉛直方向の上側が脱気部28(流路出口)となるように固相合成リアクタ10を鉛直方向に立てて使用するのが好ましい。こうすることで、懸濁体が流路内で偏ることなく、筒状を維持したまま移動するため、より好ましい。
まず、バルブV0とV8を開く。次に、ガス注入ポンプP0を駆動し、空気をガス供給部20から微小流路11へと供給する(S3-1)。一定量の空気をビーズ捕捉部12の二次側から供給し、ビーズ捕捉部12の一次側のビーズを分散させる。
試薬容器B3には、伸長させる原料アミノ酸を1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)と共にDMFに溶解したものを充填する。なお、前述のように、伸長させるアミノ酸の種類nに応じて、アミノ酸試薬容器をn個用いる。第一実施形態では、アミノ酸試薬容器が一つの場合を例示した。
試薬供給部22を経由して微小流路11に導入された合成試薬と、試薬供給部23を経由して微小流路11に導入された原料アミノ酸は、流路で合流した後混合される。合成試薬と原料アミノ酸の混合液はビーズ捕捉部12の一次側のビーズに到達した後、ビーズとの懸濁体を形成する(S3-2)。
まず、バルブV0とV8を開く。次に、ガス注入ポンプP0を駆動し、空気をガス供給部20から微小流路11へと供給する(S4-1)。一定量の空気をビーズ捕捉部12の二次側から供給し、ビーズ捕捉部12の一次側のビーズを分散させる。
試薬容器B4には、洗浄液を充填する。洗浄液は、ビーズおよび流路に残存する試薬を効率よく除去可能な極性溶媒が好ましい。極性溶媒は例えば、N、N-ジメチルホルムアミド、プロピオニトリル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、プロパノール、NMPなどが使用できる。
試薬供給部24(図7)を経由して微小流路11に導入された洗浄液は、ビーズ捕捉部12の一次側のビーズに到達した後、ビーズとの懸濁体を形成する(S4-2)。
まず、バルブV0とV8を開く。次に、ガス注入ポンプP0を駆動し、空気をガス供給部20から微小流路11へと供給する。一定量の空気をビーズ捕捉部12の二次側から供給し、ビーズ捕捉部12の一次側のビーズを分散させる(S5-1)。
試薬容器B5には、切り出し液を充填する。切り出し液は、トリフロオロ酢酸(TFA)とトリイソプロピルシラン(TIS)と蒸留水の混合液を使用するのが好ましい。
シリンジポンプP5を駆動してシリンジ(図示せず)に切り出し液を充填する。次に、バルブV5を切替えてシリンジポンプP5を駆動し、シリンジ内の切り出し液を微小流路11に向けて吐出する。
試薬供給部25を経由して微小流路11に導入された切り出し液は、ビーズ捕捉部12の一次側のビーズに到達した後、ビーズとの懸濁体を形成する(S5-2)。
また図9に示した、リアクタの変形例は一例であり、固相合成リアクタ10の構成は適宜変化することができる。
図10は、第二実施形態に係る、固相合成装置2の構成を示す図である。
図10に示す、固相合成装置2は、複数の固相合成リアクタを連結したフロー系によるペプチドの合成を行う。前記の固相合成装置1とは異なり、固相合成装置2は、ペプチド合成の工程(脱保護、アミノ酸伸長、洗浄)ごとにリアクタをモジュール化している。これにより、一つのリアクタを簡素化できる。また、リアクタの組み合わせにより、様々な配列のペプチドに対応可能となるのが特徴である。
図10に示すように、固相合成装置2は、3つの固相合成リアクタ(30、40、50)と、リアクタへの送液を行う送液ポンプ(P1~P5およびP7)と、流路内の廃液を廃液容器(B6)に吸引する吸引ポンプ(P6)と、ペプチドの切り出し液を吸引する吸引ポンプ(P8)と、切替バルブ(V1~V8、V-A、V-B、V-C、V-D、V-E)と、試薬容器(B1~B5およびB7)とを含んで構成される。
ビーズを微小流路に供給・充填する第二実施形態での第1の工程を説明する。初期条件として、切替バルブ(V0~V8)は全て閉じた状態である。
まず、アミノ酸を結合済みのポリスチレンビーズをジクロロメタンに浸漬し、膨潤させる。次に、ジクロロメタンを廃棄し、膨潤したビーズをエタノールに再懸濁し、試薬容器B7に充填する。試薬容器B7とシリンジポンプP7が接続するようバルブV7を切替え、シリンジポンプP7を駆動してシリンジ(図示せず)にビーズ懸濁液を充填する。
図11は、第三実施形態に係る固相合成リアクタ301を示す斜視図である。固相合成リアクタ30と異なる点について説明する。固相合成装置30では、流路が一つの構成であったが、合成リアクタ301では、流路を3本(341、342、343)としている。これに伴って、固相合成リアクタ301において、試薬供給部が311、312、313、321、322、323、361、362、363の9個に、排出部が331、332、333の3個に、ビーズ捕捉部が351、352、353の3個に増設されている。
このように、流路を3本としたことで、試薬容器から固相合成リアクタ中の流路に試薬を同時に供給するための切替バルブが必要となる。
図13は、第四実施形態に係る固相合成装置4の構成図である。固相合成装置4は、固相合成装置2を合成の工程(脱保護、アミノ酸伸長、洗浄)ごとにモジュール化した固相合成リアクタ30、40、50をそれぞれナンバリングアップ(N倍化)したものである。第四実施形態では、各工程の固相合成リアクタを3個づつ設けた例を示しているが、本実施形態に係る固相合成装置4を構成する各工程の固相合成リアクタの数は3個に限定されるものではない。
並列に配置された固相合成リアクタの個数を増減することにより、固相合成装置の生産量を調整することが容易となる。
10、10a、30、40、50、301~304、
401~404、501~504 固相合成リアクタ
11、34、44、54、341~343 微小流路
12、35、45、55、351~353 ビーズ捕捉部
20 ガス供給部(流路入口)
21~25、31~32、36、42、46、
56、311~313、321~323、 試薬供給部
26、33、43、331~333 排出部
27、31、311~313 ビーズ供給部
28 脱気部(流路出口)
41、51 処理液供給部
53 吸引部
P0 ガス注入ポンプ
P1~P5、P7 送液ポンプ
P6、P8 吸引ポンプ
V0~V8、V-A、V-B、V-C、V-D、V-E、
V-F、V-G、V-H、V-I、V-J、V-K 切替バルブ
B1~B5、B7 試薬容器
B6 廃液容器
S1-1、S1-2 ビーズを供給する工程
S2-1、S3-1、S4-1、S5-1 ビーズを分散させる工程
S2-2、S3-2、S4-2、S5-2 懸濁体を形成する工程
S3-3~5、S4-3~5、S5-3~5 接触させる工程
S2-6、S3-6、S4-6、S5-6 ビーズを分離する工程
Claims (7)
- ビーズを捕捉するビーズ捕捉部を備えた微小流路を有し、
ビーズの表面で化学合成を行う固相合成装置であって、
前記ビーズ捕捉部は、前記微小流路を狭めて、ビーズの径未満に形成された狭量部を備え、
前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側に設けられ、前記微小流路内を加圧するガス注入ポンプと、
前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側に設けられ、前記微小流路内を減圧する吸引ポンプと、を備え、
前記ガス注入ポンプによりガスを圧送することで、前記狭量部に充填されたビーズを前記ビーズ捕捉部から分散させて、分散させたビーズに試薬を供給することで、懸濁体を作成し、前記吸引ポンプにより、前記懸濁体を前記ビーズ捕捉部に向けて吸引し、前記懸濁体を前記微小流路で移動させながら反応を進行させる
ことを特徴とする固相合成装置。 - 試薬の供給量が、前記微小流路に充填されたビーズを満たす最低限である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の固相合成装置。 - 前記微小流路において、鉛直方向の下側に流路入口があり、鉛直方向の上側に流路出口がある、
ことを特徴とする請求項1に記載の固相合成装置。 - 前記微小流路が複数並列に配置された固相合成リアクタと、各微小流路に試薬を分岐する切替バルブを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の固相合成装置。 - 前記微小流路を備えた固相合成リアクタを複数並列に配置し、かつ前記固相合成リアクタそれぞれに試薬を分岐する切替バルブを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の固相合成装置。
- ビーズの径未満に形成された狭量部を有し、ビーズを捕捉するビーズ捕捉部を備えた微小反応流路にビーズを供給する工程と、
ガスを前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側から供給し、ガスが前記ビーズ捕捉部のビーズを分散させる工程と、
合成試薬と合成原料の混合液を前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側から一定量供給し、ビーズと混合液の懸濁体を形成する工程と、
ガスを前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側から供給し、前記懸濁体を前記微小反応流路で移動させながら一定時間接触させる工程と、
前記狭量部にビーズを捕捉し、合成試薬と合成原料の混合液からビーズを分離する工程と、
を有する固相合成方法。 - ビーズの径未満に形成された狭量部を有し、ビーズを捕捉するビーズ捕捉部を備えた微小反応流路にビーズを供給する工程と、
ガスを前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側から供給し、ガスが前記ビーズ捕捉部のビーズを分散させる工程と、
保護基の除去を行う脱保護試薬を前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側から一定量供給し、ビーズと混合液の懸濁体を形成した後、ガスを前記狭量部を挟んで、ビーズとは反対側から供給し、前記懸濁体を前記微小反応流路で移動させながら一定時間接触させた後、前記狭量部にビーズを捕捉し、脱保護試薬とビーズを分離する工程と、
ガスを前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側からから供給し、前記狭量部に捕捉されたビーズを分散させる工程と、
合成試薬と原料アミノ酸の混合液を前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側から一定量供給し、ビーズと混合液の前記懸濁体を形成した後、ガスを前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側から供給し、前記懸濁体を前記微小反応流路で移動させながら一定時間接触させた後、前記狭量部にビーズを捕捉し、混合液とビーズを分離する工程と、
ガスを前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側から供給し、前記ビーズ捕捉部のビーズを分散させる工程と、
洗浄液を前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側から一定量供給し、ビーズと洗浄液の前記懸濁体を形成した後、ガスを前記狭量部を挟んで、充填されたビーズとは反対側から供給し、前記懸濁体を前記微小反応流路で移動させながら一定時間接触させた後、前記狭量部にビーズを捕捉し、洗浄液とビーズを分離する工程と、
を有する固相合成方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2019104264A JP7299071B2 (ja) | 2019-06-04 | 2019-06-04 | 固相合成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2019104264A JP7299071B2 (ja) | 2019-06-04 | 2019-06-04 | 固相合成装置 |
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| JP2020196687A JP2020196687A (ja) | 2020-12-10 |
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Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003532400A (ja) | 2000-05-12 | 2003-11-05 | パイロシーケンシング・アーベー | 微小流体装置 |
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2019
- 2019-06-04 JP JP2019104264A patent/JP7299071B2/ja active Active
Patent Citations (1)
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| JP2003532400A (ja) | 2000-05-12 | 2003-11-05 | パイロシーケンシング・アーベー | 微小流体装置 |
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