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JP7277308B2 - 発泡成形体 - Google Patents

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JP7277308B2
JP7277308B2 JP2019141409A JP2019141409A JP7277308B2 JP 7277308 B2 JP7277308 B2 JP 7277308B2 JP 2019141409 A JP2019141409 A JP 2019141409A JP 2019141409 A JP2019141409 A JP 2019141409A JP 7277308 B2 JP7277308 B2 JP 7277308B2
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Description

本発明は、発泡成形体に関する。更に詳しくは、本発明は、ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とし、低温から高温まで機械的強度の変動が抑制された発泡成形体に関する。
発泡成形体は、軽いことに加え、加工性及び形状保持性がよく、比較的強度も高いため、食品トレーや自動車用部材を始め、建材、土木資材、照明器具等のさまざまな分野で使用されている。
発泡成形体の製法としては、例えば、発泡粒子を金型内で発泡及び融着させる型内発泡成形法が知られている。この方法では、所望の形状に対応する空間を有する金型を用意し、その空間内に発泡粒子を充填し、加熱により発泡粒子を発泡及び融着させることで、複雑な形状を有する発泡成形体を得ることができる。
型内発泡成形法による発泡成形体としては、ポリスチレン系樹脂を基材樹脂としたもの(例えば、特開2018-100380号公報:特許文献1)、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂としたもの(例えば、特開平11-349724号公報:特許文献2)等が知られている。
特開2018-100380号公報 特開平11-349724号公報
ポリスチレン系樹脂やポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とした発泡成形体は、常温(約23℃)付近では良好な機械的強度を有している。しかし、より低温やより高温の環境下では機械的強度が低下することがあった。そのため、環境温度が変化しても、機械的強度の変動が抑制された発泡成形体を提供することが望まれていた。
かくして本発明によれば、基材樹脂としてポリカーボネート系樹脂を含み、複数の発泡粒子から構成される発泡成形体であり、
前記発泡成形体は、-40℃、23℃、80℃及び140℃の各温度で4点の曲げ試験の最大点応力の値を測定し、かつ前記4点の値の曲げ試験の最大点応力の平均値を算出した際に、0~50%内の前記平均値に対する前記4点の曲げ試験の最大点応力の値の変動率を示すことを特徴とする発泡成形体が提供される。
本発明によれば、環境温度が変化しても、機械的強度の変動が抑制された発泡成形体を提供できる。
以下のいずれかの場合、環境温度が変化しても、機械的強度の変動がより抑制された発泡成形体を提供できる。
(1)発泡成形体が、0~50%の連続気泡率を有する。
(2)発泡成形体が、3~30倍の発泡倍数を有する。
(3)発泡成形体は、曲げ試験の最大点応力の4点の値をそれぞれ発泡成形体の密度で除して4点の「曲げ試験の最大点応力/密度」と、4点の「曲げ試験の最大点応力/密度」の平均値を算出した際に、0~50%内の前記平均値に対する4点の「曲げ試験の最大点応力/密度」の値の変動率を示す。
(4)ポリカーボネート系樹脂が、1.0~15.0g/10分のMFRを示す。
(5)-40℃の「曲げ試験の最大点応力」が、23℃の「曲げ試験の最大点応力」に対して、0~0.88の範囲内で変化する。
(発泡成形体)
本発明の発泡成形体は、基材樹脂としてポリカーボネート系樹脂を含む。また、発泡成形体は、複数の発泡粒子から構成される。
1.変動率X
発泡成形体は、-40℃、23℃、80℃及び140℃の各温度で4点の曲げ試験の最大点応力の値を測定し、かつ4点の値の曲げ試験の最大点応力の平均値を算出した際に、0~50%内の平均値に対する4点の曲げ試験の最大点応力の値の変動率Xを示す。
なお、変動率Xは、4点の曲げ試験の最大点応力を、A、B、C、及びDとした場合、下記手順で算出する。まず、Aについて、下記式:
|曲げ試験の最大点応力の平均値-A|/曲げ試験の最大点応力の平均値×100
により、個別の変動率Xを算出する。同様にB、C及びDについても個別の変動率X、X及びXを算出する。得られた4つの個別の変動率の中で、最も値が大きいものを変動率Xとする。
発明者等は、発泡成形体がこの変動率Xを示すことで、環境温度が変化しても、機械的強度の変動が抑制された発泡成形体を提供できることを見い出している。変動率Xが0~50%外である場合、環境温度の変化により機械的強度の変化する発泡成形体が得られ難い。変動率Xは、0~45%内であることが好ましく、0~40%内であることがより好ましい。
例えば、140℃での曲げ試験の最大点応力は、0.5~20.0MPaであることが好ましい。曲げ試験の最大点応力が0.5MPa未満の場合、強度が足りず衝撃等に耐えられなくなることがある。20.0MPaより大きい場合、衝撃時に破断しやすくなることがある。曲げ試験の最大点応力は、0.5~10.0MPaであることがより好ましく、0.6~5.0MPaであることが更に好ましい。
2.連続気泡率
発泡成形体の連続気泡率は、0~50%であることが好ましい。連続気泡率が50%より大きい場合、発泡成形体の強度が十分に得られないことがある。連続気泡率は、0~25%であることがより好ましい。
3.発泡倍数
発泡倍数は、3~30倍の範囲であることが好ましい。倍数が3倍未満の場合、発泡粒子の気泡膜が厚くなり成形時に発泡粒子同士の融着性が低下することがある。30倍より大きい場合、気泡膜が薄くなり発泡時に気泡膜が破れ、連続気泡の割合が増え、成形体としての強度劣化に繋がることがある。倍数は、4~20倍であることがより好ましく、4~15倍であることが更に好ましい。
4.変動率Y
発泡成形体は、-40℃、23℃、80℃及び140℃の各温度における曲げ試験の最大点応力の4点の値をそれぞれ発泡成形体の密度で除して4点の「曲げ試験の最大点応力/密度」と、4点の「曲げ試験の最大点応力/密度」の平均値を算出した際に、0~50%内の平均値に対する4点の「曲げ試験の最大点応力/密度」の値の変動率Yを示すことが好ましい。この変動率を有していることで、より環境温度の変化に強い発泡成形体を提供できる。変動率Yは、0~45%内であることが好ましく、0~40%内であることがより好ましい。
なお、4点の「曲げ試験の最大点応力/密度」の平均値は、4点の曲げ試験の最大点応力及び密度の組を、Aとa、Bとb、Cとc、及びDとdとした場合、下記式:
(A/a+B/b+C/c+D/d)/4
で算出できる。
変動率Yは、4点の曲げ試験の最大点応力及び密度の組を、Aとa、Bとb、Cとc、及びDとdとした場合、下記手順で算出する。まず、Aとaについて、下記式:
|「曲げ試験の最大点応力/密度」の平均値-A/a|/「曲げ試験の最大点応力/密度」の平均値×100
により、個別の変動率YAaを算出する。同様にBとb、Cとc、及びDとdについても個別の変動率YBb、YCc及びYDdを算出する。得られた4つの個別の変動率の中で、最も値が大きいものを変動率Yとする。
密度は、30~400kg/mであることが好ましく、50~300kg/mであることがより好ましい。
5.変化度Z
発泡成形体は、-40℃の「曲げ試験の最大点応力」が、23℃の「曲げ試験の最大点応力」に対して、0~0.88の範囲内で変化する変化度Zを示すことが好ましい。この変化度を有していることで、より環境温度の変化に強い発泡成形体を提供できる。変化度Zは、0~0.7であることが好ましく、0~0.5であることがより好ましい。
なお、変化度Zは、下記式:
変化度Z=[(-40℃の曲げ試験の最大点応力)-(23℃の曲げ試験の最大点応力)]÷(23℃の曲げ試験の最大点応力)
で算出できる。
また、発泡成形体は、80℃の「曲げ試験の最大点応力」が、23℃の「曲げ試験の最大点応力」に対して、0~0.6の範囲内で変化する変化度Z’を示すことが好ましい。この変化度を有していることで、より環境温度の変化に強い発泡成形体を提供できる。変化度Z’は、0~0.5であることが好ましく、0~0.35であることがより好ましい。
なお、変化度Z’は、下記式:
変化度Z’=[(23℃の曲げ試験の最大点応力)-(80℃の曲げ試験の最大点応力)]/(23℃の曲げ試験の最大点応力)
で算出できる。
6.ポリカーボネート系樹脂
ポリカーボネート系樹脂は、直鎖状ポリカーボネート系樹脂でも、分岐鎖状ポリカーボネート系樹脂でもよい。
ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコール又は2価のフェノールとのポリエステル構造を有することが好ましい。ポリカーボネート系樹脂は、脂肪族骨格、脂環族骨格、芳香族骨格等を有していてもよい。ポリカーボネート系樹脂の具体例としては、2,2-ビス(4-オキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-オキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-オキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-オキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-オキシフェニル)イソブタン、1,1-ビス(4-オキシフェニル)エタン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
また、ポリカーボネート系樹脂は、1.0~15.0g/10分のMFRを有していることが好ましい。この範囲の樹脂は、上記変動率Xを好適に実現できる。MFRは、1.0~14.0g/10分であることがより好ましく、1.0~12.0g/10分であることが更に好ましい。
ポリカーボネート系樹脂は、ポリカーボネート樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、アクリル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂等が挙げられる。ポリカーボネート系樹脂は、上記ポリカーボネート樹脂を50重量%以上含むことが好ましい。
7.発泡成形体の用途
発泡成形体は、特に限定されず、用途に応じて種々の形状をとり得る。例えば、発泡成形体は、建材(土木関係、住宅関係等)、自動車、航空機、鉄道車輛、船舶等の輸送機器の部品、風車、ヘルメット等の構造部材、梱包材、複合部材としてのFRPの芯材等の用途に応じて種々の形状をとり得る。
環境温度が変化しても、機械的強度の変動が抑制されているという観点から、自動車用部品として好適に用いられ、自動車の部品としては、例えば、エンジン付近に用いられる部品、外装材等が挙げられる。その自動車の部品としては、例えば、フロアパネル、ルーフ、ボンネット、フェンダー、アンダーカバー、ホイール、ステアリングホイール、コンテナ(筐体)、フードパネル、サスペンションアーム、バンパー、サンバイザー、トランクリッド、ラゲッジボックス、シート、ドア、カウル等の部品が挙げられる。
8.発泡成形体の製造方法
発泡成形体は、例えば、発泡粒子に気泡を押し広げる力を付与させ、次いでこの発泡粒子を成形工程に付すことで得ることができる。
発泡成形体を作製する前に、発泡粒子内に発泡剤を含浸させ発泡力(2次発泡力)を付与することが好ましい。
含浸方法としては、発泡粒子を水系に分散し、撹拌させながら発泡剤を圧入することで含浸させる湿式含浸法や、密閉可能な容器に発泡粒子を投入し、発泡剤を圧入して含浸させる実質的に水を使用しない乾式含浸法(気相含浸法)等が挙げられる。特に水を使用せずに含浸できる乾式含浸法が好ましい。発泡粒子に発泡剤を含浸させる際の含浸圧、含浸時間及び含浸温度は特に限定されない。
使用する発泡剤は、既知の揮発性発泡剤や無機発泡剤を使用できる。揮発性発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素や、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、脂肪族アルコール等が挙げられる。無機発泡剤としては、炭酸ガス、窒素ガス、空気、不活性ガス(ヘリウム、アルゴン等)等が挙げられる。その中でも、無機発泡剤を使用することが好ましい。特に、窒素ガス、空気、不活性ガス(ヘリウム、アルゴン)、及び炭酸ガスから1つを使用すること又は2つ以上を併用することが好ましい。
内圧を付与するための圧力は、発泡粒子がつぶれてしまわない程度の圧力でかつ発泡力を付与できる範囲であることが望ましい。そのような圧力は、0.1~4MPa(ゲージ圧)であることが好ましく、0.3~3MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。このように発泡粒子に発泡剤を含浸することを内圧付与とする。
含浸時間は、0.5~200時間であることが好ましい。0.5時間未満の場合、発泡剤の発泡粒子への含浸量が少なすぎて、成形時に必要な2次発泡力が得られ難いことがある。200時間より長い場合、生産性が低下することがある。より好ましい含浸時間は、1~100時間である。
含浸温度は、0~60℃であることが好ましい。0℃未満の場合、所望の時間内に十分な2次発泡力が得られ難いことがある。60℃より高い場合、所望の時間内に十分な2次発泡力が得られ難いことがある。より好ましい含浸温度は、5~50℃である。
内圧付与した発泡粒子を含浸時の容器から取り出し、発泡成形機の成形金型内に形成された成形空間に供給した後、加熱媒体を導入することで、所望の発泡成形体に型内成形できる。発泡成形機としては、ポリスチレン系樹脂製の発泡粒子から発泡成形体を製造する際に用いられるEPS成形機やポリプロピレン系樹脂製の発泡粒子から発泡成形体を製造する際に用いられる高圧仕様の成形機等を用いることができる。加熱媒体は、加熱時間が長くなると発泡粒子に収縮や融着不良が生じることがあるため、短時間に高エネルギーを与えうる加熱媒体が望まれるから、そのような加熱媒体としては水蒸気が好適である。
水蒸気の圧力は、0.2~1.0MPa(ゲージ圧)であることが好ましい。また、加熱時間は、10~90秒であることが好ましく、20~80秒であることがより好ましい。
なお、曲げ試験の最大点応力及び密度の調整は、発泡成形体の製造工程のうち、含浸条件(含浸温度、含浸時間、含浸圧)、成形条件(発泡圧、発泡時間)を調整することで曲げ試験の最大点応力及び密度を大きく又は小さくすることができる。
8-1.発泡粒子
発泡粒子は、基材樹脂としてポリカーボネート系樹脂を含む。ポリカーボネート系樹脂の密度ρは、1.0×10~1.4×10kg/mの範囲であることが好ましい。密度ρが1.0×10kg/m未満の場合、耐熱温度が低下することがある。1.4×10kg/mより大きい場合、耐熱温度が上昇し、発泡成形が困難となることがある。密度ρは1.10×10~1.35×10kg/mであることがより好ましく、1.15×10~1.30×10kg/mであることが更に好ましい。
発泡粒子の見かけ密度Dは、20~640kg/mの範囲であることが好ましい。見かけ密度Dが20kg/m未満の場合、気泡膜が薄くなり成形時に気泡膜が破れ、連続気泡の割合が増え、気泡の座屈による発泡粒子の収縮等が生じることがある。640kg/mより大きい場合、気泡膜が厚くなり成形性が低下することがある。見かけ密度Dは40~400kg/mであることがより好ましく、50~200kg/mであることが更に好ましい。
発泡粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。このうち、できるだけ球状に近いことが好ましい。即ち、発泡粒子の短径と長径との比ができるだけ1に近いことが好ましい。
発泡粒子は、1~20mmの平均粒子径を有していることが好ましい。平均粒子径は、ロータップ型篩振とう機を用いて分級することにより得られるD50で表現される値である。
発泡粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得、発泡性粒子を発泡させることにより得ることができる。発泡性粒子を発泡させて発泡粒子(1次発泡粒子)を得る方法としては、発泡性粒子を熱風、オイルのような熱媒、スチーム(水蒸気)等により加熱して発泡させる方法がある。安定的に製造する為には、スチームが好ましい。
発泡時の発泡機には密閉耐圧の発泡容器を使用することが好ましい。また、スチームの圧力は0.10~0.80MPa(ゲージ圧)であることが好ましく、0.25~0.45MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。発泡時間は所望の発泡倍数を得るのに必要な時間であればよい。好ましい発泡時間は、5~180秒である。180秒を超えると発泡粒子の収縮が始まることがあり、そのような発泡粒子からは良好な物性の発泡成形体が得られないことがある。
上記結合防止剤は成形前に除去してもよい。除去方法としては、水、塩酸等の酸性水溶液を用いて洗浄することが好ましい。
8-2.発泡性粒子
発泡性粒子は、ポリカーボネート系樹脂製の樹脂粒子に発泡剤を含浸させることにより得ることができる。
樹脂粒子は、公知の方法により得ることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂を、必要に応じて他の添加剤と共に、押出機中で溶融混練して押出すことでストランドを得、得られたストランドを、空気中でカット、水中でカット、加熱しつつカットすることで、造粒する方法が挙げられる。樹脂粒子には、市販の樹脂粒子を使用してもよい。樹脂粒子には、必要に応じて、樹脂以外に他の添加剤が含まれていてもよい。他の添加剤としては、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、充填剤、着色剤、耐候剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、防曇剤、香料等が挙げられる。
次に、樹脂粒子に含浸される発泡剤としては、既知の揮発性発泡剤や無機発泡剤を使用できる。揮発性発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素や、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、脂肪族アルコール等が挙げられる。無機発泡剤としては、炭酸ガス、窒素ガス、空気、不活性ガス(ヘリウム、アルゴン等)等が挙げられる。これら発泡剤は2種以上併用してもよい。これら発泡剤のうち、無機発泡剤が好ましく、炭酸ガスがより好ましい。
発泡剤の含有量(含浸量)は、ポリカーボネート系樹脂100重量部に対して、3~15重量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が3重量部未満であると、発泡力が低くなり、良好に発泡させ難いことがある。含有量が15重量部を超えると、可塑化効果が大きくなり、発泡時に収縮が起こりやすく、生産性が悪くなると共に、安定して所望の発泡倍数を得難くなることがある。より好ましい発泡剤の含有量は、4~12重量部である。
含浸方法としては、樹脂粒子を水系に分散し、撹拌させながら発泡剤を圧入することで含浸させる湿式含浸法や、密閉可能な容器に樹脂粒子を投入し、発泡剤を圧入して含浸させる実質的に水を使用しない乾式含浸法(気相含浸法)等が挙げられる。特に水を使用せずに含浸できる乾式含浸法が好ましい。樹脂粒子に発泡剤を含浸させる際の含浸圧、含浸時間及び含浸温度は特に限定されない。
含浸を効率的に行い、より一層良好な発泡粒子及び発泡成形体を得る観点からは、含浸圧は0.5~10MPa(ゲージ圧)であることが好ましい。1~4.5MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。
含浸時間は、0.5~200時間であることが好ましい。0.5時間未満の場合、発泡剤の樹脂粒子への含浸量が低下するため、十分な発泡力が得られ難いことがある。200時間より長い場合、生産性が低下することがある。より好ましい含浸時間は、1~100時間である。
含浸温度は、0~60℃であることが好ましい。0℃未満の場合、発泡剤の樹脂への溶解性は高まり、必要以上に発泡剤が含浸される。また、発泡剤の樹脂中での拡散性は低下する。よって、所望の時間内に十分な発泡力(1次発泡力)が得られ難いことがある。60℃より高い場合、発泡剤の樹脂への溶解性は低下し、発泡剤の含浸量が低下する。また、発泡剤の樹脂中での拡散性は高まる。よって、所望の時間内に十分な発泡力(1次発泡力)が得られ難いことがある。より好ましい含浸温度は、5~50℃である。
含浸物には、結合防止剤(合着防止剤)、帯電防止剤、展着剤等の表面処理剤を添加してもよい。
上記結合防止剤は、発泡工程において、発泡粒子同士の合着を防止する役割を果たす。ここで、合着とは、複数の発泡粒子が合一して一体化することをいう。上記結合防止剤の具体例としては、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
上記帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
上記展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコーンオイル等が挙げられる。
9.強化複合体
発泡成形体の表面に表皮材を積層一体化させて強化複合体として用いてもよい。発泡成形体が発泡シートである場合、発泡成形体の両面に積層一体化されている必要はなく、発泡成形体の両面のうち少なくとも一方の面に表皮材が積層一体化されていればよい。表皮材の積層は、強化複合体の用途に応じて決定すればよい。なかでも、強化複合体の表面硬度や機械的強度を考慮すると、発泡成形体の厚み方向における両面のそれぞれに表皮材が積層一体化されていることが好ましい。
表皮材としては、特に限定されず、繊維強化プラスチック、金属シート、合成樹脂フィルム等が挙げられる。このうち、繊維強化プラスチックが好ましい。繊維強化プラスチックを表皮材とする強化複合体を繊維強化複合体と称する。
繊維強化プラスチックを構成している強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、セラミックス繊維等の無機繊維;ステンレス繊維、スチール繊維等の金属繊維;アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維等の有機繊維;ボロン繊維が挙げられる。強化繊維は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。なかでも、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維が好ましく、炭素繊維がより好ましい。これらの強化繊維は、軽量であるにも関わらず優れた機械的物性を有している。
強化繊維は、所望の形状に加工された強化繊維基材として用いられることが好ましい。強化繊維基材としては、強化繊維を用いてなる織物、編物、不織布、及び強化繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる面材等が挙げられる。織物の織り方としては、平織、綾織、朱子織等が挙げられる。また、糸としては、ポリアミド樹脂糸、ポリエステル樹脂糸等の合成樹脂糸、及びガラス繊維糸のようなステッチ糸が挙げられる。
強化繊維基材は、一枚の強化繊維基材のみを積層せずに用いてもよく、複数枚の強化繊維基材を積層して積層強化繊維基材として用いてもよい。複数枚の強化繊維基材を積層した積層強化繊維基材としては、(1)一種のみの強化繊維基材を複数枚用意し、これらの強化繊維基材を積層した積層強化繊維基材、(2)複数種の強化繊維基材を用意し、これらの強化繊維基材を積層した積層強化繊維基材、(3)強化繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる強化繊維基材を複数枚用意し、これらの強化繊維基材を繊維束の繊維方向が互いに相違した方向を指向するように重ね合わせ、重ね合わせた強化繊維基材同士を糸で一体化(縫合)してなる積層強化繊維基材等が用いられる。
繊維強化プラスチックは強化繊維に合成樹脂が含浸されてなるものである。含浸させた合成樹脂によって強化繊維同士を結着一体化させている。
強化繊維に合成樹脂を含浸させる方法としては、特に限定されず、例えば、(1)強化繊維を合成樹脂中に浸漬する方法、(2)強化繊維に合成樹脂を塗布する方法等が挙げられる。
強化繊維に含浸させる合成樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれも用いることができ、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。強化繊維に含浸させる熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂とを予備重合した樹脂等が挙げられ、耐熱性、衝撃吸収性又は耐薬品性に優れていることから、エポキシ樹脂及びビニルエステル樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤等の添加剤が含有されていてもよい。なお、熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
また、強化繊維に含浸させる熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、アミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、サルファイド系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、発泡成形体との接着性又は繊維強化プラスチックを構成している強化繊維同士の接着性に優れていることから、ポリエステル系樹脂及び熱可塑性エポキシ樹脂が好ましい。なお、熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性エポキシ樹脂としては、エポキシ化合物同士の重合体又は共重合体であって直鎖構造を有する重合体や、エポキシ化合物と、このエポキシ化合物と重合し得る単量体との共重合体であって直鎖構造を有する共重合体が挙げられる。具体的には、熱可塑性エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂が好ましい。なお、熱可塑性エポキシ樹脂は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、ジオールとジイソシアネートとを重合させて得られる直鎖構造を有する重合体が挙げられる。ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール等が挙げられる。ジオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートが挙げられる。ジイソシアネートは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
繊維強化プラスチック中における合成樹脂の含有量は、20~70重量%が好ましい。含有量が20重量%未満の場合、強化繊維同士の結着性や繊維強化プラスチックと発泡成形体との接着性が不十分となり、繊維強化プラスチックの機械的物性や繊維強化複合体の機械的強度を十分に向上できないことがある。70重量%より多い場合、繊維強化プラスチックの機械的物性が低下して、繊維強化複合体の機械的強度を十分に向上できないことがある。含有量は30~60重量%がより好ましい。
繊維強化プラスチックの厚みは、0.02~2mmが好ましく、0.05~1mmがより好ましい。厚みがこの範囲内である繊維強化プラスチックは、軽量であるにも関わらず機械的物性に優れている。
繊維強化プラスチックの目付は、50~4000g/mが好ましく、100~1000g/mがより好ましい。目付がこの範囲内である繊維強化プラスチックは、軽量であるにも関わらず機械的物性に優れている。
次に、強化複合体の製造方法を説明する。発泡成形体の表面に表皮材を積層一体化させて強化複合体を製造する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)発泡成形体の表面に接着剤を介して表皮材を積層一体化する方法、(2)発泡成形体の表面に、強化繊維に熱可塑性樹脂が含浸されてなる繊維強化プラスチック形成材を積層し、強化繊維中に含浸させた熱可塑性樹脂をバインダーとして発泡成形体の表面に繊維強化プラスチック形成材を繊維強化プラスチックとして積層一体化する方法、(3)発泡成形体の表面に、強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化プラスチック形成材を積層し、強化繊維中に含浸させた熱硬化性樹脂をバインダーとして、熱硬化性樹脂を硬化させて形成された繊維強化プラスチックを発泡成形体の表面に積層一体化する方法、(4)発泡成形体の表面に、加熱されて軟化状態の表皮材を配設し、発泡成形体の表面に表皮材を押圧させることによって表皮材を必要に応じて発泡成形体の表面に沿って変形させながら発泡成形体の表面に積層一体化させる方法、(5)繊維強化プラスチックの成形で一般的に適用される方法等が挙げられる。発泡成形体は高温環境下における耐荷重性のような機械的物性に優れている観点では、上記(4)の方法も好適に用いることができる。
繊維強化プラスチックの成形で用いられる方法としては、例えば、オートクレーブ法、ハンドレイアップ法、スプレーアップ法、PCM(Prepreg Compression Molding)法、RTM(Resin Transfer Molding)法、VaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)法等が挙げられる。
このようにして得られた繊維強化複合体は、耐熱性、機械的強度及び軽量性に優れている。そのため、自動車、航空機、鉄道車輛、船舶等の輸送機器分野、家電分野、情報端末分野、家具の分野等の広範な用途に用いることができる。
例えば、繊維強化複合体は、輸送機器の部品、及び、輸送機器の本体を構成する構造部品を含めた輸送機器構成用部品(特に自動車の部品)、風車翼、ロボットアーム、ヘルメット用緩衝材、農産箱、保温保冷容器等の輸送容器、産業用ヘリコプターのローターブレード及び部品梱包材として好適に用いることができる。
本発明によれば、本発明の繊維強化複合体から構成される自動車の部品が提供され、その自動車の部品としては、例えば、フロアパネル、ルーフ、ボンネット、フェンダー、アンダーカバー、ホイール、ステアリングホイール、コンテナ(筐体)、フードパネル、サスペンションアーム、バンパー、サンバイザー、トランクリッド、ラゲッジボックス、シート、ドア、カウル等の部品が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず実施例における各種物性の測定法を下記する。
[ポリカーボネート系樹脂の密度]
ポリカーボネート系樹脂の密度はISO1183-1:2004、もしくは、ASTM D-792に規定した方法で測定した。
[発泡成形体の密度及び発泡倍数]
発泡成形体(成形後、50℃で5時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例幅25mm×長さ130mm×厚さ20mm)の重量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(kg/m)を求めた。測定は、23℃の温度下で行った。
発泡倍数は密度の逆数にポリカーボネート系樹脂の密度(kg/m)を積算した値とした。
[曲げ試験の最大点応力]
曲げ試験の最大点応力はJIS K7221-1:2006「硬質発泡プラスチック-曲げ試験-第1部:たわみ特性の求め方」に準拠した方法により測定した。即ち、発泡成形体から、幅25mm×長さ130mm×厚さ20mmの直方体形状の試験片を切り出した。測定には、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製「UCT-10T」)を用いた。曲げ試験の最大点応力は、万能試験機データ処理システム(ソフト・ブレーン社製「UTPS-458X」)を用いて算出した。
短冊状試験片を支持台に載置し、下記の測定条件下で曲げ試験の最大点応力を測定した。
・ロードセル 1000N
・試験速度 10mm/分
・加圧くさびの先端冶具 5R
・支持台の先端冶具 5R
・支点間距離 100mm
試験片の数は3個以上とし、試験片の状態調節を下記の通り実施し測定した。JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ雰囲気下で測定を行った。-40℃、80℃、140℃の各試験温度に設定した恒温槽中にて24時間かけて状態調節後、素早く各指定温度に設定した装置付帯恒温槽内の冶具にセットし、3分後に測定を行った。
変位の原点を回帰点とし、曲げ試験の最大点応力を求めた。曲げ試験の最大点応力は各試験片における曲げ試験の最大点応力の相加平均値とした。
(曲げ試験の最大点応力)
曲げ試験の最大点応力R(kPa)は次式により算出した。
R=(1.5FR×L/bd)×10
FR:最大荷重(kN)
L:支点間距離(mm)
b:試験片の幅(mm)
d:試験片の厚さ(mm)
また、単位密度当たりの曲げ試験の最大点応力は、曲げ試験の最大点応力を発泡成形体の密度で除して算出した。
[発泡成形体の連続気泡率]
発泡体成形から6面とも成形面表皮を有しないように切り出し、更に切断面表面を冨士島工機社製「FK-4N」パンスライサーにて仕上げ、25mm×25mm×25mmの立方体状の試験片を4つ作製した。得られた試験片の外寸を、ミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」ノギスを用いて、1/100mmまで測定し、見かけの体積(cm)を求めた。次に東京サイエンス社製「1000型」空気比較式比重計を用いて、1-1/2-1気圧法により試験片の体積(cm)を求めた。下記式により連続気泡率(%)を計算し、5つの試験片の連続気泡率の平均値を求めた。試験片は予め、JIS K7100:1999 記号23/50、2級の環境下で16時間保管した後、同環境下において測定を実施した。なお、空気比較式比重計は、標準球(大28.96cm 小8.58cm)にて補正を行った。
連続気泡率(%)=(見かけ体積-空気比較式比重計での測定体積)/見かけ体積×100
実施例1
(樹脂粒子製造工程)
ポリカーボネート系樹脂粒子(帝人社製パンライト、L-1250Y 密度1.20×10kg/m)を120℃で4時間乾燥させた。得られた乾燥物を口径が40mmの単軸押出機に時間当たり10kg/hrの割合で供給して290℃で溶融混練した。続いて、単軸押出機の先端部に装着したダイス(温度:290℃、入り口側樹脂圧:13MPa)のダイス孔(直径1.5mmのノズルが4個配置)から約10℃の冷却水を収容したチャンバー内に押出し、4枚の切断刃を有する回転刃の回転軸を5000rpmの回転数で回転させ、粒状に切断することで、前記冷却水で冷却させて樹脂粒子(平均粒子径1.4mm)を作製した。
(含浸工程)
上記樹脂粒子100重量部を圧力容器中に密閉し、圧力容器内を炭酸ガスで置換した後、炭酸ガスを、含浸圧2.0MPaまで圧入した。20℃の環境下に静置し、含浸時間24時間が経過した後、5分間かけて圧力容器内をゆっくりと除圧した。このようにして、樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させて、発泡性粒子を得た。
(発泡工程)
上記含浸工程における除圧の後直ぐに、圧力容器から発泡性粒子を取り出した後、水蒸気を用いて、発泡温度136℃で54秒間撹拌しながら、高圧の発泡槽で、上記含浸物を水蒸気により発泡させた。発泡後に、気流乾燥機にて乾燥を行い、発泡粒子を得た。
(成形工程)
得られた発泡粒子を1日間室温(23℃)に放置した後、圧力容器中に密閉し、圧力容器内を窒素ガスで置換した後、窒素ガスを、含浸圧(ゲージ圧)1.0MPaまで圧入した。20℃の環境下に静置し、加圧養生を24時間実施した。取り出し後、30mm×300mm×400mmの成形用金型に充填し、0.85MPaの水蒸気にて40秒間加熱を行い、次いで、発泡成形体の最高面圧が0.05MPaに低下するまで冷却することで、発泡倍数約14倍の発泡成形体を得た。
実施例2
発泡工程の発泡時間を8秒間とし、発泡成形体の発泡倍数を約5倍としたこと以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
実施例3
ポリカーボネート系樹脂粒子(帝人社製パンライト、Z-2601 密度1.20×10kg/m)を用い、発泡工程の発泡温度を144℃とし、発泡時間を31秒間、成形工程の含浸圧(ゲージ圧)を1.6MPaとし、発泡成形体の発泡倍数を約10倍としたこと以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
実施例4
ポリカーボネート系樹脂粒子(SABIC社製レキサン、153 密度1.20×10kg/m)を用い、発泡工程の発泡温度を141℃、発泡時間を59秒間、発泡成形体の発泡倍数を約12倍としたこと以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
実施例5
ポリカーボネート系樹脂粒子(SABIC社製レキサン、101R 密度1.20×10kg/m)を用い、発泡工程の発泡温度を139℃、発泡時間を28秒間、発泡成形体の発泡倍数を約13倍としたこと以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
実施例6
ポリカーボネート系樹脂粒子(帝人社製パンライト、K-1300Y 密度1.20×10kg/m)を用い、発泡工程の発泡温度を148℃、発泡時間を26秒間、成形工程の含浸圧(ゲージ圧)を1.6MPaとし、発泡成形体の発泡倍数を約11倍としたこと以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
実施例7
ポリカーボネート系樹脂粒子(奇美実業社製ワンダーライト、PC-110 密度1.20×10kg/m)を用い、発泡工程の発泡温度を141℃、発泡時間を41秒間、発泡成形体の発泡倍数を約12倍としたこと以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
実施例8
ポリカーボネート系樹脂粒子(帝人社製パンライト、L-1250Y 密度1.20×10kg/m)を用い、発泡工程の発泡温度を136℃、発泡時間を39秒間、発泡成形体の発泡倍数を約11倍としたこと以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
比較例1
ポリカーボネート系樹脂粒子(SABIC社製レキサン、153 密度1.20×10kg/m)を用い、含浸工程の含浸圧を4.0MPaとし、発泡性粒子取出し直後にポリカーボネート系樹脂100重量部に対して、結合防止剤としての0.3重量部の炭酸カルシウムを混合したこと、及び、発泡工程の発泡時間を120秒間とし、成形工程において0.35MPaの水蒸気圧力を60秒間加熱したこと以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
比較例2
(1)PET発泡粒子の作製
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂(三井化学社製 三井ペット SA-135)95重量%、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂(帝人社製 テオネックス TN8050SC)5重量%、気泡調整剤(テラボウ社製 PET-F40-1)1.8重量%及び架橋剤(ダイセル社製 無水ピロメリット酸)0.24重量%を口径が65mmでかつL/D比が35の単軸押出機に供給して290℃にて溶融混練した。続いて、押出機の途中から、イソブタン35重量%及びノルマルブタン65重量%からなるブタンを、PET樹脂及びPEN樹脂の総量100重量部に対して0.5重量部となるように溶融状態の樹脂組成物に圧入して、樹脂組成物中に均一に分散させた。
しかる後、押出機の前端部において、溶融状態の樹脂組成物を250℃に冷却した後、押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型の各ノズルから樹脂組成物を押出発泡させた。
(2)発泡成形体の作製
金型(雄金型と雌金型)を備えた型内発泡成形機を用意した。雄金型と雌金型とを型締めした状態において、雌雄金型間には内寸法が縦300mm×横400mm×高さ30mmである直方体形状のキャビティが形成されていた。
そして、金型クラッキングを3mm取った状態で金型内に発泡粒子を充填後、雌型からキャビティ内が0.05MPa(ゲージ圧)となるように水蒸気を30秒間導入し、次いで、雄型からキャビティ内が0.05MPa(ゲージ圧)となるように水蒸気を30秒間導入し、次いで、雄雌両型からキャビティ内が0.1MPa(ゲージ圧)となるように30秒間水蒸気を供給し、発泡粒子を加熱、二次発泡させて二次発泡粒子どうしを熱融着一体化させた。その後、キャビティ内へ水蒸気の導入を止めた状態で900秒間保持した後(保熱工程)、最後に、キャビティ内に冷却水を供給して金型内の発泡成形体を冷却した上でキャビティを開いて発泡成形体を取り出した。このとき、金型内に発泡粒子を充填する工程から発泡成形体を得るためにかかった時間(成形サイクル時間)は1200秒であった。
比較例3
エチレン-プロピレンランダムコポリマー100重量部とホウ酸亜鉛粉末(気泡調整剤)0.10重量部を押出機に供給し、加熱溶融混練して芯層形成用の第一の溶融樹脂を形成した。同時に、エチレン-プロピレンランダムコポリマーを他の押出機に供給し、加熱溶融混練して被覆層形成用の第二の溶融樹脂を形成した。
次に、前記芯層形成用の第一の溶融樹脂と被覆層形成用の第二の溶融樹脂とを共押出ダイに供給し、該ダイ内において、第二の溶融樹脂が第一の溶融樹脂のストランドの周囲を覆うように、第一の溶融樹脂に第二の溶融樹脂を積層した。
次に積層された溶融樹脂を、共押出ダイからストランド状に押出し、直径が約1mmであり、長さが直径の略1.8となるように切断して、1粒子当りの平均重量が1.8mgの多層樹脂粒子を得た。
前記多層樹脂粒子を用いて下記により発泡粒子を製造した。
5リットルのオートクレーブに、前記多層樹脂粒子を100重量部(1000g)、水300重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)0.05重量部とカオリン(分散剤)0.3重量部、炭酸ガス(発泡剤)を添加し、攪拌しながら発泡温度よりも5℃低い温度まで昇温し、その温度で15分間保持した。次いで、発泡温度まで昇温して同温度で15分間保持した。次いで、オートクレーブの一端を開放してオートクレーブ内容物を大気圧下に放出して発泡粒子を得た。
なお、多層樹脂粒子をオートクレーブから放出する間、オートクレーブ内の圧力が放出直前のオートクレーブ内の圧力が保たれるように、オートクレーブ内に炭酸ガスを供給しながら放出を行った。
得られた発泡粒子を用いて下記により発泡粒子成形体を成形した。成形機として0.48MPa(G)の飽和水蒸気圧力に耐えうる小スケールの成形機を用いて、250mm×200mm×50mmの成形空間を持つ金型内に、金型を完全に閉鎖せずに隙間(約5mm)をあけた状態で充填し、次いで完全に型締めし、水蒸気圧力で金型内の空気を排気した後に0.42MPaの水蒸気を金型内に供給することによって加熱成形した。加熱成形後、金型内の成形体の面圧が0.039MPaとなるまで水冷した後、発泡成形体を金型から取り出し、80℃で24時間養生した後、室温まで冷却した。
実施例及び比較例の発泡成形体の各種物性を表1に示す。表1中、PCはポリカーボネート系樹脂、PETはポリエステル系樹脂、PPはプロピレン系樹脂を意味する。
Figure 0007277308000001
上記表1から、実施例の発泡成形体は、環境温度が変化しても、機械的強度の変動がより抑制されていることが分かる。一方、比較例の発泡成形体は、変動が大きいか、それ自体が溶融又は変形してしまうことが分かる。
曲げ試験の最大点応力について、-40℃と23℃の応力変化を算出した値を表2に示す。応力変化は、[(-40℃の曲げ試験の最大点応力)-(23℃の曲げ試験の最大点応力)]÷(23℃の曲げ試験の最大点応力)を意味する。
Figure 0007277308000002
また、曲げ試験の最大点応力について、80℃と23℃の応力変化を算出した値を表3に示す。応力変化は、[(23℃の曲げ試験の最大点応力)-(80℃の曲げ試験の最大点応力)]÷(23℃の曲げ試験の最大点応力)を意味する。
Figure 0007277308000003
上記表2及び3からも、実施例の発泡成形体は、比較例の発泡成形体に比べて、環境温度が変化しても、機械的強度の変動がより抑制されていることが分かる。

Claims (6)

  1. 基材樹脂としてポリカーボネート系樹脂を含み、複数の発泡粒子から構成される発泡成形体であり、
    前記発泡成形体が、-40℃、23℃、80℃及び140℃の各温度で4点の曲げ試験の最大点応力の値を測定し、かつ前記4点の値の曲げ試験の最大点応力の平均値を算出した際に、0~50%内の前記平均値に対する前記4点の曲げ試験の最大点応力の値の変動率を示すことを特徴とする発泡成形体。
  2. 前記発泡成形体が、0~50%の連続気泡率を有する請求項1に記載の発泡成形体。
  3. 前記発泡成形体が、3~30倍の発泡倍数を有する請求項1又は2に記載の発泡成形体。
  4. 前記発泡成形体は、前記曲げ試験の最大点応力の4点の値をそれぞれ前記発泡成形体の密度で除して4点の「曲げ試験の最大点応力/密度」と、前記4点の「曲げ試験の最大点応力/密度」の平均値を算出した際に、0~50%内の前記平均値に対する前記4点の「曲げ試験の最大点応力/密度」の値の変動率を示す請求項1~3のいずれか1つに記載の発泡成形体。
  5. 前記ポリカーボネート系樹脂が、1.0~15.0g/10分のMFRを示す請求項1~4のいずれか1つに記載の発泡成形体。
  6. 前記-40℃の「曲げ試験の最大点応力」が、前記23℃の「曲げ試験の最大点応力」に対して、0~0.88の範囲内で変化する請求項1~5のいずれか1つに記載の発泡成形体。
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