以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
≪第1実施形態≫
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態に係る車両管理システムについて説明する。本実施形態では、車両管理システムと車両管理方法を、緊急車両が緊急走行する場面を例にして説明する。本実施形態における車両管理システム及び車両管理方法が管理する対象には、緊急車両の周辺に位置する車両が含まれる。
本実施形態において、緊急車両とは、人命救助や火災対応など、何らかの理由で急を要する業務に利用される自動車である。また、緊急走行とは、法令に基づく、急を要する業務の目的の特別な走行である。緊急車両としては、例えば、消防車、救急車、警察車両が挙げられる。また、緊急車両には、警察が主に交通取締業務に必要な各種装備を取り付けた白塗りのオートバイ、いわゆる白バイも含まれる。
図1は、車両管理システム1を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る車両管理システム1は、複数の車両に搭載された複数の車載システム100と、車両の外部に設けられた管制システム200とから構成される。図1では、一台の車両に搭載された車載システム100を示しているが、車両管理システム1は、車載システム100を複数備えた構成とすることができる。
複数の車載システム100と管制システム200とは、通信回線を介して各種情報の授受が可能となっている。通信回線としては、例えば、携帯電話網、無線LAN網、DSRC(Dedicated Short Range Communications)網、及び電力線通信網などが挙げられる。
車載システム100が搭載される車両としては、電動モータを駆動源として備える電気自動車、内燃機関を駆動源として備えるエンジン自動車、電動モータ及び内燃機関の両方を駆動源として備えるハイブリッド自動車を例示できる。なお、電動モータを駆動源とする電気自動車やハイブリッド自動車には、二次電池を電動モータの電源とするタイプや燃料電池を電動モータの電源とするタイプのものも含まれる。
車載システム100は、図1に示すように、センサ群110、周囲検出装置120、ナビゲーション装置130、車載データベース140、車載通信装置150、駆動制御装置160、車載コントローラ170を備える。これらの装置は、相互に情報の授受を行うためにCAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続されている。
センサ群110は、車両の走行状態を検出する装置で構成されている。例えば、センサ群110としては、車速センサ、エンジン回転センサ、アクセル開度センサ、ブレーキ開度センサ、操舵角センサなどが挙げられる。車速センサは、ドライブシャフトなどの駆動系の回転速度を計測し、これに基づいて車両の走行速度を検出する。エンジン回転センサは、エンジン回転数を検出する。アクセル開度センサは、アクセルペダルの操作量を検出する。ブレーキ開度センサは、ブレーキペダルの操作量を検出する。操舵角センサは、ステアリングの操舵角を検出する。センサ群110の検出結果は、車載コントローラ170に出力される。これにより、車載コントローラ170は、自車両の走行状態に関する情報を取得する。
周囲検出装置120は、車両の周辺に存在する対象物を検出する。例えば、周囲検出装置120としては、車載カメラ121、レーダー122が挙げられる。車載カメラ121は、車両の周辺を撮像する。車載カメラ121は、例えば、自車両の前方を撮像する前方カメラ、自車両の後方を撮像する後方カメラ、自車両の側方を撮像する側方カメラで構成される。レーダー122は、車両の周辺に存在する障害物を検出する。レーダー122は、例えば、自車両の前方に存在する障害物を検出する前方レーダー、自車両の後方に存在する障害物を検出する後方レーダー、自車両の側方に存在する障害物を検出する側方レーダーで構成される。レーダー122は、自車両から障害物までの距離及び自車両に対して障害物が位置する方向を検出する。なお、周囲検出装置120として、上述した車載カメラ121、レーダー122のうちいずれか1つを用いる構成としてもよいし、2種類以上を組み合わせる構成としてもよい。自車両を中心として全方位を検出できるように、周囲検出装置120を構成することが好ましい。
周囲検出装置120が検出する対象としては、例えば、自転車、バイク、自動車、路上障害物、交通信号機、路面標示などが挙げられる。路面標示には、横断歩道、停止線、進行方向、車線境界線、中央線などの指示表示と、車両通行帯、車両通行区分、駐停車禁止、路側帯などの規制表示が含まれる。
周囲検出装置120の検出結果は、車載コントローラ170に出力される。これにより、車載コントローラ170は、自車両の周囲の環境に関する情報を取得する。
また、周囲検出装置120は、検出結果を分析し、自車両が停車可能なスペース(以降、停車スペースともいう)を特定する機能を備えていてもよい。例えば、周囲検出装置120は、自車両から路面標示までの距離及び路面標示が位置する方向、障害物等までの距離及び障害物が位置する方向から、自車両が停車する広さがあるか否かの判定を行ってもよい。この場合、周囲検出装置120には、予め自車両の車幅、全長など自車両の大きさに関する情報が記憶されている。なお、停車スペースを特定する機能は、周囲検出装置120が備えることに限定されず、例えば、車載コントローラ170が当該機能を備えていてもよい。
ナビゲーション装置130は、GPS131により検出された自車両の位置情報に基づいて、自車両の現在位置から目的地までの経路を示してドライバに誘導する。ナビゲーション装置130は、車載データベース140から地図情報を取得し、自車両の位置情報と目的地の位置情報から、自車両の走行経路を演算する。ナビゲーション装置130は、自車両の位置情報及び自車両の走行経路の情報を車載コントローラ170に出力する。自車両の走行経路には、実際に自車両が走行した経路及びこれから自車両が走行する予定の経路が含まれる。
車載データベース140は、緊急車両情報及び地図情報を格納している。
緊急車両情報としては、緊急車両の種別(消防車、救急車など)、緊急車両の装備品、緊急車両の緊急走行時における態様(例えば、サイレンを鳴らしながら走行するなど)が挙げられる。
地図情報は、道路情報と交通規則情報を含む。道路情報は、ノードと、ノード間を接続するリンクにより定義される。リンクは車線レベルで識別される。
本実施形態の道路情報は、各道路リンクの識別情報ごとに、道路種別、道路幅、道路形状、直進の可否、進行の優先関係、追い越しの可否(隣接車線への進入の可否)、車線変更の可否その他の道路に関する情報を対応づけて記憶する。また、道路情報は、各道路リンクの識別情報ごとに、交差点の位置、交差点の進入方向、交差点の種別その他の交差点に関する情報を対応づけて記憶する。
本実施形態の交通規則情報は、経路上における一時停止、駐車/停車禁止、徐行、制限速度、車線変更禁止など、車両が走行時に遵守すべき交通に関する規則である。各規則は、地点(緯度、経度)ごと、リンクごとに定義される。交通規則情報には、道路側に設けられた装置から取得する交通信号の情報を含めてもよい。なお、地図情報は道路情報や交通規則情報に限られず、地図における背景情報(河川、施設、鉄道、地名など)が含まれていてもよい。
また、車載データベース140に記憶された地図情報は、自動運転に適した高精度地図情報でもよい。高精度地図情報は、外部との通信により取得される。高精度地図情報は、センサ群110を用いてリアルタイムで取得した情報に基づき生成されてもよい。
本実施形態において自動運転とは、運転主体が運転者のみでない場合の運転を示すものとする。例えば、運転主体に運転者とともに、運転者が行う運転操作を支援する運転支援コントローラ(図示しない)が含まれている場合や、運転者に代わり運転操作を実行する車載コントローラ170が含まれている場合が該当する。なお、本実施形態では、車載コントローラ170を運転主体として説明する。車載コントローラ170による自動運転については後述する。
車載通信装置150は、管制システム200が備える通信装置210と相互に通信可能な装置である。車載通信装置150には、車載コントローラ170から、自車両の位置情報、周囲環境情報、及び遠隔指示の必要性に関する情報が入力される。車載通信装置150は、車載コントローラ170から入力される情報を、通信装置210に送信する。また、車載通信装置150は、通信装置210から受信した、緊急車両に関する情報、及び待避位置に関する情報を、車載コントローラ170に出力する。車載通信装置150が送受信するそれぞれの情報については後述する。
駆動制御装置160は、自車両の走行を制御する。駆動制御装置160は、ブレーキ制御機構、アクセル制御機構、エンジン制御機構、及びHMI(ヒューマンインターフェイス)機器等を備えている。駆動制御装置160には、後述する車載コントローラ170から制御信号が入力される。駆動制御装置160は、車載コントローラ170の制御に応じて、駆動機構の動作(エンジン自動車にあっては内燃機関の動作、電気自動車系にあっては電動モータ動作を含み、ハイブリッド自動車にあっては内燃機関と電動モータとのトルク配分も含む)、ブレーキ動作、及びステアリングアクチュエータの動作等を制御することで、自車両の自動運転を実行する。また駆動制御装置160は、車載コントローラ170からの制御信号に応じて、車両の各輪の制動量を制御することで自車両の移動方向を制御してもよい。なお、各機構の制御は、完全に自動で行われてもよいし、運転者の運転操作を支援する態様で行われてもよい。本実施形態では、各機構の制御を完全に自動で行うものとして説明する。各機構の制御は、運転者の介入操作により中断又は中止させることができる。駆動制御装置160による走行制御方法は、上記の制御方法に限られず、その他の周知の方法を用いることもできる。
車載コントローラ170は、自車両の走行を制御するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成される。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
車載コントローラ170は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、情報取得機能、周辺認識機能、待避必要性判断機能、待避スペース特定機能、遠隔指示必要性判断機能、自動運転機能、緊急運転機能、を実現する。以降、各機能について説明する。
情報取得機能について説明する。車載コントローラ170は、情報取得機能により、自車両の走行に関する走行情報、自車両の周囲の環境に関する周囲環境情報、自車両が走行している道路の交通規則に関する交通規則情報、及び自車両の位置情報を取得する。走行情報は、車速センサにより検出された自車両の車速情報、操舵角センサにより検出された自車両の操舵情報等を含んでいる。周囲環境情報は、車載カメラ121により撮像された自車両の周辺の撮像画像、レーダー122により検出された障害物に関する情報等を含んでいる。交通規則情報は、車載データベース140に格納された、自動運転に必要な、道路種別、道路形状、車線数、走行車線の法定速度の情報、及び交通規則の内容を含んでいる。自車両の位置情報には、周囲検出装置120により検出された自車両の現在の位置情報、及び自車両の走行経路が含まれている。
また、車載コントローラ170は、情報取得機能により、車載通信装置150を介して、後述する管制システム200から、緊急車両に関する情報を取得する。緊急車両に関する情報は、緊急車両の種別、緊急車両の緊急走行時における態様、緊急車両の位置情報、緊急車両の速度(平均速度など)、緊急車両の走行経路、緊急車両の目的地を含んでいる。
次に、周辺認識機能について説明する。車載コントローラ170は、周辺認識機能により、自車両の周辺の状態を認識する。具体的には、車載コントローラ170は、自車両の周辺に存在する障害物の有無、自車両に対して障害物が存在する方向、障害物までの距離を認識する。また、車載コントローラ170は、自車両の周辺にある停車スペースを特定する。例えば、車載コントローラ170は、自車両から路面標示までの距離及び路面標示が位置する方向、障害物等までの距離及び障害物が位置する方向から、自車両の周辺には自車両が停車可能な広さがあるか否かの判定を行う。これにより、車載コントローラ170は、例えば、自車両の周辺にある駐車場、道路の路肩、路側帯などを、駐車スペースとして特定することができる。
次に、待避必要性判断機能について説明する。車載コントローラ170は、待避必要性判断機能により、緊急車両の走行を妨げないよう自車両を一時的に待避させるか否かを判断する。本実施形態では、車載コントローラ170は、情報取得機能により取得した緊急車両に関する情報に基づいて、待避させる必要性の有無を判断する。例えば、車載コントローラ170は、緊急車両の走行位置、目的地、又は走行経路から、自車両と緊急車両との位置関係を把握し、時間の経過とともに、どのように自車両と緊急車両との位置関係が変化するかを認識する。
例えば、車載コントローラ170は、自車両の位置情報及び緊急車両の位置情報が更新されるたびに、自車両及び緊急車両の位置関係の変化を把握する。この際に、車載コントローラ170は、周囲の環境も考慮するために、自車両及び緊急車両の位置関係の情報を、地図情報に重畳させて、待避させる必要性の判断を行う。例えば、車載コントローラ170は、自車両が走行中の道路と緊急車両が走行中の道路が同じ、かつ、自車両の進行方向と緊急車両の進行方向が同じであって、自車両と緊急車両の間の距離が時間の経過とともに短くなっている場合、自車両が待避する必要があると判断する。また、車載コントローラ170は、道路に代えて、走行中の車線が自車両と緊急車両とで同じであるか否かを判断してもよい。なお、道路が同一の場合には、車線の異同は関係がないものとする。すなわち、緊急車両が走行している車線と自車両が走行している車線が異なっていても、同じ道路を走行していると判断する場合がある。
図2は、待避が必要な場合を説明するための第一の例である。図2は、緊急車両E1が車両V1の後方に位置し、車両V1が車線L1を直進しており、緊急車両E1も車線L1を車両V1の進行方向と同じ方向に直進している場面である。また、車両V1’と緊急車両E1’は、それぞれ所定時間経過した際の車両V1と緊急車両E1を示している。また、図2では、緊急車両E1は、サイレンを鳴らしながら走行しており、緊急車両E1の走行は、いわゆる緊急走行に該当するものとする。なお、以降の説明で用いる図3~図12においても、緊急車両の走行は緊急走行に該当するものとして説明する。
図2の例の場合、自車両(車両V1)が走行中の車線L1と緊急車両E1が走行中の車線L1が同じ、かつ、自車両の進行方向と緊急車両E1の進行方向が同じであって、自車両と緊急車両E1の距離が時間の経過とともに短くなっているという要件に該当するため、車載コントローラ170は、緊急車両E1の走行を妨げないよう自車両を待避させる必要があると判断する。
また、例えば、車載コントローラ170は、緊急車両の走行経路及び車速に基づいて、緊急車両の走行軌跡を推定し、自車両がこのままの走行を継続した場合に、所定時間内に、緊急車両に対する自車両の相対距離が所定の閾値の範囲内にあるか否かを考慮して、待避する必要性の判断を行ってもよい。
図3は、待避が不要な場合を説明するための第一の例である。図3は、図2と同様に、緊急車両E1が車両V1の後方に位置し、車両V1が車線L1を直進しており、緊急車両E1も車線L1を車両V1の進行方向と同じ方向に直進している場面である。なお、車両V1’と緊急車両E1’についての説明は、図2を用いて行った説明を援用する。図3の例の場合、図2の例と異なり、車両V1は、所定時間経過後には、車線L1を直進した後、交差点Aを左折している。一方、緊急車両E1は、所定時間経過後には、車線L1を直進したまま交差点Aを通り抜けようと、交差点Aを走行している。この場合、時間の経過とともに、緊急車両E1に対する自車両(車両V1)の相対距離が短くなっているが、所定時間経過後には互いの進行方向が異なっているため、車載コントローラ170は、自車両を待避させる必要はないと判断する。
また、例えば、車載コントローラ170は、地図情報に基づいて、道路の構造上、緊急車両が自車両に接近するか否かを考慮して、待避する必要性の判断を行ってもよい。
図4は、待避が不要な場合を説明するための第二の例である。図4は、図2及び図3と異なり、緊急車両E1は車線L1を、車両V1は車線L1の反対側に位置する車線L2を走行しており、緊急車両E1は、車両V1の進行方向と反対側に向かって走行している場面である。言い換えると、図4では、車両V1と緊急車両E1がすれ違う可能性がある場面である。また、図4では、図2及び図3と異なり、車線L1と車線L2の間には中央分離帯Bが設けられている。なお、車両V1’と緊急車両E1’についての説明は、図2を用いて行った説明を援用する。図4の例の場合、車両V1は、所定時間経過後には、交差点Aを直進して通り抜け、交差点Aから所定の距離だけ先を走行している。一方、緊急車両E1は、所定時間経過後には、交差点Aを右折し、右折後に直進している。この場合、時間の経過とともに、緊急車両E1に対する自車両(車両V1)の相対距離が短くなっているが、つまり、自車両は緊急車両E1に接近しているが、車線L1と車線L2は中央分離帯Bにより分離されているため、緊急車両E1が車線L2を走行する可能性は極めて少ない。このため、車載コントローラ170は、図3の例の場面では、自車両を待避させる必要ないと判断する。
次に、待避スペース特定機能について説明する。車載コントローラ170は、待避スペース特定機能により、自車両が緊急車両の走行を妨げないよう待避するためのスペースを特定する。本実施形態では、車載コントローラ170は、道路の路肩側に自車両が待避可能な待避スペースがあるか否かを判断する。
ここで、緊急車両の走行を妨げないよう待避する行動について説明する。一般的には、車両の待避行動としては、自車両の進行方向を変更することなくそのまま減速する行動と、自車両の進行方向を道路の路肩側に変更し、道路の路肩側に寄った状態で減速する行動が挙げられる。本実施形態では、車載コントローラ170は、待避スペース特定機能により、道路の路肩側に位置するスペースであって、自車両が減速又は停車可能なスペースを、待避スペースの対象とする。なお、自車両が最も路肩側に位置する車線を走行している場合、車載コントローラ170は、車線上における現在の走行位置(例えば、車線の中央)よりも路肩側に位置するスペースであって、自車両が減速又は停車可能なスペースを待避スペースの対象とする。
例えば、車載コントローラ170は、地図情報に含まれる道路幅や車線数のように情報の変化が少ない静的な情報と、周囲検出装置120により検出された道路内の障害物のように状況に応じて変化する動的な情報に基づいて、自車両の進行方向の先(自車両の走行経路上)であって、道路の路肩側に位置するスペースに対して、自車両が進入できるか否かを判断する。そして、車載コントローラ170は、自車両の全長及び車幅の情報から、路肩側に位置するスペースに自車両が進入できると判断した場合、当該スペースを、待避可能スペースとして特定する。なお、自車両の全長及び車幅など自車両の大きさに関する情報は、予めROM等のメモリに記憶されている。
また、例えば、道路の路肩側に複数の待避可能なスペースが特定された場合、車載コントローラ170は、複数の待避可能スペースのうち、自車両が所定の車速以下で進入することが可能なスペースであって、自車両に対して最も近い距離に位置するスペースを、待避スペースとして選択する。これにより、自車両は待避しなければならない場面において、可能な限り早く待避スペースへ向かうように、進行方向を変更することができ、その結果、例えば、緊急車両の緊急走行の際に、自車両は、可能な限り早く、緊急車両の走行を妨げないような待避行動をすることができる。
次に、遠隔指示必要性判断機能について説明する。車載コントローラ170は、遠隔指示必要性判断機能により、緊急車両の走行を妨げないよう待避するにあたり、後述する管制システム200のサーバ220による遠隔指示が必要か否かを判断する。
車載コントローラ170は、待避必要性判断機能により自車両を一時的に待避する必要があると判断した場合、自車両を待避させるための待避行動の決定を行う。具体的には、車載コントローラ170は、自車両の進行方向を変更することなく減速するか、又は自車両の進行方向を路肩側に変更し、道路の路肩側に寄った状態で減速するかのいずれかの行動をするかを決定する。なお、車載コントローラ170は、減速ではなく、自車両の進行方向を変更することなく停車するか、又は自車両の進行方向を路肩側に変更し、道路の路肩側に寄った状態で停車するかのいずれかの行動をするかを決定してもよい。
例えば、片側複数の車線のうち、自車両が最も路肩側に位置する車線を走行しており、かつ、自車両の後方に位置する緊急車両が、自車両の走行車線とは異なる追い越し車線を走行していたとする。この場面において、例えば、車載コントローラ170は、周囲環境情報から、自車両の周辺には他車両や障害物(駐車車両など)が存在していないことを認識すると、自車両がそのまま減速しても、緊急車両は自車両の存在により走行を妨げられることなく追い越し車線を走行できると判断し、進行方向の変更なく減速する行動を、待避行動として決定する。この場合、車載コントローラ170は、サーバ220による遠隔指示は不要と判断する。
また、上述の例において、緊急車両も自車両の走行車線を走行していたとする。この場面において、例えば、車載コントローラ170は、自車両が進行方向を変更することなくそのまま減速しては、緊急車両が自車両の存在により走行を妨げられると判断し、道路の路肩側に寄った状態で減速する行動を、待避行動として決定する。
この場合、車載コントローラ170は、待避スペース特定機能により自車両の前方に待避スペースを特定できない場合、サーバ220による遠隔指示が必要と判断する。例えば、車載コントローラ170は、自車両及び緊急車両の位置情報に基づいて、自車両及び緊急車両が走行する道路が同一であって、自車両及び緊急車両の進行方向が同一、かつ、緊急車両が時間の経過とともに自車両に接近している場合、サーバ220による遠隔指示が必要と判断する。このような場面の一例としては、道路の路肩側に設けられた駐車場に他車両が駐車している場面(いわゆる、路上駐車がある場面)、業務車両が道路の路肩側に一時的に停車している場面、バスがバス停で停車している場面、緊急車両の走行を妨げないよう他車両が既に路肩側に待避している場面、が挙げられる。
また、上述の例では、緊急車両が自車両の後方から接近している場面を例に挙げたが、例えば、緊急車両が自車両の前方から接近し、自車両と緊急車両がすれ違う場面においても、車載コントローラ170は、待避行動の決定を行う。そして、車載コントローラ170は、自車両の進行方向を路肩側に変更し、道路の路肩側に寄った状態で減速する行動を待避行動として決定した場合、待避スペースが特定できたか否かを判定する。車載コントローラ170は、待避スペース特定機能により自車両の前方に待避スペースを特定できない場合、サーバ220による遠隔指示が必要と判断する。このような場面の一例としては、車線境界線や中央分離帯がなく、車線が往復の方向別に分離されていない道路において、道幅が狭いため、自車両の存在により緊急車両の走行を妨げるような場面、が挙げられる。
車載コントローラ170は、遠隔指示必要性判断機能により、サーバ220による遠隔指示が必要と判断した場合、車載通信装置150を介して、遠隔指示の必要性に関する情報を、後述する管制システム200に送信する。遠隔指示の必要性に関する情報には、遠隔指示が必要な旨の情報(遠隔指示の要請情報)、車両の位置情報、周囲環境情報、車両の走行経路の情報、車両を識別可能な情報(ナンバープレートの番号、車両の色、車種等)が含まれている。
なお、遠隔指示が必要と判断する際の基準として、待避スペースを特定できない場合を例に挙げて説明したが、車載コントローラ170は、待避スペースを特定できても自車両が進入できない程度の広さのスペースの場合、遠隔指示が必要と判断してもよい。
次に、自動運転機能について説明する。車載コントローラ170は、自動運転機能により、自車両を走行経路に沿って走行させるために、自車両の目的地までの運転を自動的に実行する。例えば、乗員がナビゲーション装置130に対して自車両の目的地を設定すると、ナビゲーション装置130は、目的地までの走行経路を演算し、走行経路及び目的地の情報を、車載コントローラ170に出力する。車載コントローラ170は、車載データベース140の地図情報に基づいて、走行経路に沿って走行する際の自車両の基本車速(例えば、走行経路を走行する際の自車両の平均車速)を算出する。そして、車載コントローラ170は、周辺認識機能により認識された自車両の周辺の状態に基づいて、走行経路及び基本車速をベースにして、直近の自車両の目標経路及び目標車速を演算する。また、車載コントローラ170は、自車両の周辺の状況が変化すると、目標経路及び目標車速を逐次修正する。なお、周辺の状況変化としては、例えば、他車両との位置関係、障害物との位置関係、信号機の色の変化、車線数の増減などが挙げられる。
車載コントローラ170は、目標経路及び目標車速に従って自車両を走行させるために、各駆動機構(上述したブレーキ制御機構、アクセル制御機構、エンジン制御機構など)を制御するための制御信号を生成する。例えば、車載コントローラ170は、操舵量、駆動量、制動量を生成する。車載コントローラ170は、生成した制御信号を、駆動制御装置160に出力する。なお、上述した自車両を自動的に運転させるための方法は、一例であって特に限定されるものではない。自車両を自動的に運転させるための技術は、本願出願時に知られた技術を適宜用いることができる。
次に、緊急運転機能について説明する。車載コントローラ170は、緊急運転機能により、自車両を待避位置まで走行させ、待避位置にて停車又は減速走行させるために、待避位置までの運転を自動的に実行する。車載コントローラ170には、後述する管制システム200から待避位置に関する情報が入力される。待避位置に関する情報には、少なくとも、待避位置の位置情報、待避位置までの自車両の走行経路(以降、待避走行経路とも称す)の情報が含まれている。待避位置は、例えば、緯度及び経度で示される。また、待避位置に関する情報には、その他にも、待避位置の道路情報、緊急車両の位置情報、緊急車両の走行経路が含まれていてもよい。なお、待避位置、待避位置までの走行経路については後述する。
車載コントローラ170は、管制システム200から待避位置に関する情報が入力されると、自車両の運転を、自動運転機能による運転から、緊急運転機能による運転に切り替える。車載コントローラ170は、待避位置及び待避走行経路に基づいて、待避走行経路に沿って走行する際の自車両の基本車速を算出する。そして、車載コントローラ170は、周辺認識機能により認識された自車両の周辺の状態に基づいて、待避走行経路及び基本車速をベースにして、直近の自車両の目標経路及び目標車速を算出する。また、車載コントローラ170は、自車両の周辺の状態が変化すると、目標経路及び目標車速を逐次修正する。
本実施形態では、緊急運転機能により目標経路及び目標車速を算出又は修正する方法と、自動運転機能により目標経路及び目標車速を算出又は修正する方法は同じものとする。このため、緊急運転機能による制御信号の生成方法は、自動運転機能による制御信号の生成方法と同様とし、自動運転機能での説明を適宜援用する。
また、車載コントローラ170は、待避位置に関する情報に、ハザードランプの点滅に関する指示が含まれている場合、方向指示器の制御を実行する。例えば、車載コントローラ170は、ハザードランプの点滅指示が入力されると、自車両の左右に設けられた方向指示器が点滅するように、ハザードランプ点滅の制御信号を生成する。そして、車載コントローラ170は、ハザードランプ点滅の制御信号を、駆動制御装置160に出力して、自車両の方向指示器を点滅させる。これにより、自車両はハザードランプを点滅させながら、待避位置まで走行することができる。
次に、管制システム200について説明する。本実施形態の管制システム200は、
緊急車両が緊急走行する際に、車両の車載コントローラ170では判断できない状況において、緊急車両の走行を妨げないよう車両を待避させるためのシステムである。図1に示すように、管制システム200は、通信装置210、サーバ220、データベース230を備えている。
通信装置210は、電話回線網などを介して、車載システム100が備える車載通信装置150と通信可能な装置である。通信装置210は、車載通信装置150から受信した情報を、サーバ220に出力するとともに、サーバ220から入力される情報を、車載通信装置150に送信する。車載通信装置150から受信した情報には、遠隔指示の必要性に関する情報が含まれている。サーバ220から入力される情報には、通信装置210が取得した緊急車両に関する情報と、サーバ220により生成された待避位置に関する情報が含まれる。
また、通信装置210は、電話回線網等を介して、緊急車両(図示しない)が備える車載通信装置とも通信することができる。通信装置210は、緊急車両の車載通信装置から受信した情報を、サーバ220に出力する。緊急車両から受信した情報には、緊急車両の種別、緊急車両の緊急走行時における態様、緊急車両の位置情報、緊急車両の速度(平均速度など)、緊急車両の走行経路、緊急車両の目的地を含んでいる。
さらに、通信装置210は、車両以外とも通信することもできる。例えば、通信装置210は、道路交通情報通信システムVICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System、以降、単にVICSと称す)と通信することも可能であり、サーバ220は、VICSからの情報をもとに現在の交通状況、信号機の状況を把握することができる。通信装置210は、VICSから受信した交通情報を、サーバ220に出力する。交通情報としては、例えば、渋滞する道路、渋滞の距離、通行止め区間等の情報が挙げられる。また、交通情報には、現在の各信号機の色の情報、各信号機が切り替わるタイミングの情報なども含まれる。
データベース230は、車載データベース140と同様に、緊急車両情報を格納している。データベース230が格納している緊急車両情報は、車載データベース140が格納している緊急車両情報に加えて、緊急走行の際に緊急車両及び緊急車両以外の車両に適用される交通規則の情報が含まれている。
サーバ220は、車両から遠隔指示の要請があった際に車両を管理するための装置であり、CPU、ROM、RAMで構成されている。サーバ220は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、車両情報取得機能、周辺状況認識機能、待避位置特定機能、待避走行経路演算機能、通知機能、を実現する。
車両情報取得機能について説明する。サーバ220は、車両情報取得機能により、通信装置210を介して、車両から、車両の位置情報、周囲環境情報、走行経路情報及び遠隔指示の必要性に関する情報を取得する。サーバ220は、一台の車両に限られず、複数の車両それぞれから、これらの情報を取得することができる。また、サーバ220は、所定の時間ごとに、これらの情報を常時取得してもよいし、通信装置210を介して、緊急車両に対する出動要請の情報を取得した後、所定の時間ごとに、これらの情報を取得してもよい。
次に、周辺状況認識機能について説明する。サーバ220は、周辺状況認識機能により、遠隔指示の必要性に関する情報に基づいて、当該情報を送信した車両(以降、対象車両とも称す)の周辺の状況を認識する。例えば、サーバ220は、対象車両の位置情報、周囲環境情報、走行経路情報から、対象車両が交差点付近を走行しているか否か、対象車両の周辺には待避する他車両又は駐車車両が存在するか否か、対象車両の周辺に一時的に待避可能な駐車場があるか否か、中央分離帯等がなく対向車線に緊急車両が走行可能か否かなど、対象車両の周辺の状況を把握する。また、例えば、サーバ220は、緊急車両の位置情報、走行経路情報をさらに踏まえて、緊急車両と対象車両との位置関係(距離、対象車両に対して緊急車両が位置する方向、走行中の車線の関係性など)も把握する。また、例えば、サーバ220は、交通情報をさらに踏まえて、対象車両周辺にある信号機の色や信号機の切り替わるタイミングなども把握する。
次に、待避位置特定機能について説明する。サーバ220は、待避位置特定機能により、対象車両が緊急車両の走行を妨げないよう待避する位置を、待避位置として特定する。この際に、サーバ220は、周辺状況認識機能により認識した対象車両の周辺の状況を踏まえて、待避位置を特定する。
次に、緊急経路演算機能について説明する。サーバ220は、緊急経路演算機能により、待避位置特定機能について特定した待避位置までの走行経路を、待避走行経路として演算する。また、サーバ220は、周辺認識状況による周辺状況の把握結果から、対象車両を待避位置へ待避させるのではなく、対象車両の走行経路を変更させた方がよいと判断した場合、待避するための走行経路を、待避走行経路として演算する。なお、待避位置へ待避させず走行経路を変更する例については、後述する。
次に、通知機能について説明する。サーバ220は、通知機能により、緊急車両から出動したことを示す情報(移動開始した旨の情報)、又は出動要請があったことを示す情報(これから移動開始する旨の情報)を受信すると、緊急車両に関する情報を、出動する緊急車両周辺に位置する車両に対して送信する。例えば、サーバ220は、緊急車両の位置情報と、各車両の位置情報とに基づいて、緊急車両から所定の距離に位置する車両を特定し、緊急車両に関する情報を送信する。この際に、サーバ220は、緊急車両が移動を開始し、緊急車両の位置情報が更新されるたびに、送信対象の車両を特定し、随時緊急車両に関する情報を送信する。また、例えば、サーバ220は、緊急車両の走行経路情報と、各車両の位置情報に基づいて、緊急車両の目的地までの走行経路から所定の距離に位置する車両を特定し、緊急車両が移動を開始する前に、予め緊急車両の走行経路又はその周辺に位置する車両に対して、緊急車両に関する情報を送信する。
また、サーバ220は、通知機能により、待避位置に関する情報を、対象車両に送信する。待避位置に関する情報は、少なくとも、待避位置の位置情報と、待避走行経路を含んでいる。サーバ220は、通信装置210を介して、待避位置に関する情報を、対象車両に送信する。これにより、対象車両に搭載された車載コントローラ170は、緊急車両の走行を妨げないよう対象車両を待避位置まで走行させることができる。なお、待避位置に関する情報には、待避位置、待避走行経路の他に、待避位置での指示(停車、減速走行など)、待避位置に停車又は減速走行している時間の情報を含んでいてもよい。
次に、図5~図12を用いて、サーバ220の各機能の具体例、及びサーバ220の各機能により、車両が待避するまでの具体的な例を説明する。
図5は、車両V2の車載コントローラ170がサーバ220による遠隔指示が必要と判断した場面の一例である。図5では、車両V2は、交差点Aの手前において車線L1を走行している。また車両V2は、交差点Aの信号機が青色であるため、予め演算された走行経路に沿って、このまま直進しようとしている。緊急車両E2は、車両V2の後方に位置し、サイレンを鳴らしながら車線L1を直進している。
図5の例では、車両V2の前方を走行する他車両V3は、緊急車両E2の走行を妨げないように交差点Aの手前で待避しようと進行方向を変えている。この場面において、車両V2の車載コントローラ170は、車線L1の路肩側には、駐車車両(図2では、車両V4、V5)が存在し、かつ、他車両V3が路肩側に進行方向を変えているため、自車両の待避スペースを特定することができず、サーバ220による遠隔指示の必要性に関する情報を、サーバ220に送信する。
図6は、サーバ220が待避位置特定機能により待避位置を特定する際のイメージ図(俯瞰図)の一例である。図6は、サーバ220による周囲状況の把握結果とともに、周囲の状況から特定した待避位置の候補(スペースS1、S2)を示している。
図6に示すように、サーバ220は、周辺状況認識機能により、車両V2(対象車両ともいう)の周辺に存在する車両をブロック図で示すことで、俯瞰的な視点で車両V2の周辺に存在するスペースを把握する。そして、サーバ220は、把握したスペースの中から、車両V2が待避するためのスペースを特定する。図6の例の場合、サーバ220は、交差点Aの手前(信号機の直下付近)にはスペースS1があり、また交差点Aの先にはスペースS2があることを特定する。また、サーバ220は、スペースS1及びスペースS2がどの程度の広さ(面積)であるかを特定する。そして、サーバ220は、スペースS1はスペースS2に比べて車両V2の近くに位置すること、スペースS1の面積がスペースS2の面積よりも狭いこと、及び車両V2と緊急車両E2の間の距離(近接度ともいう)に応じて、スペースS1又はスペースS2のいずれかを、待避位置として特定する。
図7は、サーバ220により特定された待避位置へ車両V2を走行させた場面を説明するための第一の例である。図7は、図6の場面に対応する。図7では、車両V2と緊急車両E2の間の距離は比較的長い(近接度としては比較的低い)ものとする。
図7の例の場合、サーバ220は、図6に示すスペースS1又はスペースS2のいずれかを待避位置として特定するかを判断するにあたり、車両V2と緊急車両E2の車間距離が長いため、スペースS1に比べて車両V2に対して遠くに位置し、かつ、スペースS1に比べて広いスペースS2を、待避位置として特定する。そして、サーバ220は、スペースS2までの走行経路を、待避走行経路として演算し、通信装置210を介して、待避位置に関する情報を、車両V2に送信する。これにより、図7に示すように、車両V2の車載コントローラ170は、緊急運転機能により、待避位置であるスペースS2まで、車両V2を自動運転により走行させることができる。なお、図7では、車両V2’’は、所定時間経過した際の車両V2を示している。具体的には、車両V2’’は、車両V2の位置から、待避走行経路に沿って走行している状態(車両V2’)を経て、待避位置(図6に示すスペースS2)で待避している様子を示す。
図8は、サーバ220により特定された待避位置へ車両V2を走行させた場面を説明するための第二の例である。図8は、図6の場面に対応する。図8では、図7の場面に比べて、車両V2と緊急車両E2の間の距離は比較的短い(近接度としては比較的高い)ものとする。
図8の例の場合、サーバ220は、図6に示すスペースS1又はスペースS2のいずれかを待避位置として特定するかを判断するにあたり、車両V2と緊急車両E2の車間距離が短いため、スペースS1に比べて車両V2に対して近くに位置し、かつ、スペースS2に比べて狭いスペースS1を、待避位置として特定する。そして、サーバ220は、スペースS1までの走行経路を、待避走行経路として演算し、通信装置210を介して、待避位置に関する情報を、車両V2に送信する。これにより、図8に示すように、車両V2の車載コントローラ170は、緊急運転機能により、待避位置であるスペースS1まで、車両V2を自動運転により走行させることができる。なお、図8では、車両V2’は、所定時間経過した際の車両V2を示している。具体的には、車両V2’は、車両V2の位置から、待避走行経路(図8では、RV2)に沿って走行している状態を経て、待避位置(図6に示すスペースS1)にて待避している様子を示す。
図9は、サーバ220により特定された待避位置へ車両V2を走行させた場面を説明するための第三の例である。図9では、図5~図8と異なり、車両V2は、周囲に交差点がない片側2車線の直線道路を走行している。また、対向車線(車線L3、L4)との間には、中央分離帯が存在する。
図9の例では、車両V2が走行している車線には、駐車車両が道路に沿って複数台存在している。この場面において、車両V2の車載コントローラ170は、車線L1の路肩側には、駐車車両が複数台存在し、かつ、交差点など自車両の進行方向を変えるための場所もないため、自車両の待避スペースを特定することができず、サーバ220による遠隔指示の必要性に関する情報を、サーバ220に送信する。なお、以降で説明する図10~図12においても、車両V2が走行している車線の路肩側には、特定スペースがなく、車載コントローラ170は、サーバ220による遠隔指示の必要性に関する情報を、サーバ220に送信したものとして説明する。
サーバ220は、周辺状況認識機能により、車両V2が走行している車線L1には、待避している他車両及び駐車車両によって、待避スペースがないことを認識するとともに、車線L1に隣接する車線L2には、車両V2が待避するためのスペースがあることを把握する。そして、図9の例の場合、サーバ220は、車線L2の中央分離帯側(対向車線側)に位置するスペースを、待避スペースとして特定する。サーバ220は、特定した待避スペースまでの走行経路を、待避走行経路として演算し、通信装置210を介して、待避位置に関する情報を、車両V2に送信する。これにより、図9に示すように、車両V2の車載コントローラ170は、緊急運転機能により、車線L1から車線L2へ車線変更した後、待避位置であるスペースS1まで、車両V2を自動運転により走行させることができる。
図10は、サーバ220により特定された待避位置へ車両V2を走行させた場面を説明するための第四の例である。図10は、図5、図6の場面に対応しているが、図5、図6の場面と異なり、交差点Aの付近には、緊急車両E2の走行を妨げないよう複数の車両が待避している。図10では、走行経路R1は、車両V2の乗員等により設定された目的地に到着するまでの走行経路を示している。また、車両V2’’’は、走行経路R1に沿って走行した場合の車両V2を示している。
図10の例では、サーバ220は、周辺状況認識機能により、交差点Aの付近には、待避している他車両及び駐車車両によって、待避スペースがないことを把握する。また、サーバ220は、車両V2の走行経路において、交差点A以降にも車線L1の路肩側には待避スペースがないことを認識する。この場合、サーバ220は、目的地までの走行経路そのものを変更するように、待避走行経路を演算する。例えば、図10の例では、サーバ220は、走行経路R1では車両V2が交差点Aを直進する予定であったが、車両V2が交差点Aで左折するような走行経路を、待避走行経路として演算する。そして、サーバ220は、通信装置210を介して、待避位置に関する情報を、車両V2に送信する。これにより、図10に示すように、車両V2の車載コントローラ170は、緊急運転機能により、交差点Aを左折した後、停車するように、車両V2を自動運転により走行させることができる。なお、図10の例では、サーバ220は、車両V2が交差点Aを左折した後にある路肩側のスペースを、待避位置として特定している。
図11は、サーバ220により特定された待避位置へ車両V2を走行させた場面を説明するための第五の例である。図11は、図5、図6の場面に対応しているが、図5、図6の場面と異なり、車両V2の周辺には交差点ではなく、施設Fの駐車場Pが存在している。なお、走行経路R1及び車両V2’’’の説明については、図10を用いて行った説明を援用する。
図11の例では、サーバ220は、周辺状況認識機能により、車両V2が走行している車線L1には、待避している他車両及び駐車車両によって、待避スペースがないことを認識するとともに、車線L1に隣接して施設Fのための駐車場Pがあることを認識する。サーバ220は、例えば、地図情報に基づいて、施設Fの種別及び一般車両が停車可能な駐車場Pであるかどうかを判断する。サーバ220は、一般車両が停車可能な駐車場Pであると判断した場合(例えば、コンビニストアの駐車場など)、駐車場Pを待避スペースとして特定する。そして、サーバ220は、駐車場Pまでの走行経路を、待避走行経路として演算し、通信装置210を介して、待避位置に関する情報を、車両V2に送信する。これにより、図11に示すように、車両V2の車載コントローラ170は、緊急運転機能により、車線Lから駐車場Pへ左折して進入した後、停車するように、車両V2を自動運転により走行させることができる。
図12は、サーバ220により特定された待避位置へ車両V2を走行させた場面を説明するための第六の例である。図12では、車両V2は、周囲に交差点がない片側一車線の直線道路を走行している。また、車両V2の走行している車線L1と、車線L1に対する対向車線である車線L2の間には、中央分離帯等がなく、車線L1と車線L2は、物理的に分離されていないものとする。
図12の例では、サーバ220は、周辺状況認識機能により、車両V2が走行している車線L1には、待避している他車両及び駐車車両によって、待避スペースがないことを認識するとともに、対向車線側には、緊急車両が走行することが可能なスペースがあることを認識する。例えば、サーバ220は、車線L2に駐車している車両V3、V4の間には緊急車両が走行することができるスペースがあると認識する。この場合、サーバ220は、車線L1上であって、車線L2にあるスペースに対応する位置を、待避位置として特定する。そして、サーバ220は、特定した待避位置までの走行経路を、待避走行経路として演算し、通信装置210を介して、待避位置に関する情報を、車両V2に送信する。これにより、図12に示すように、車両V2の車載コントローラ170は、緊急運転機能により、車線L1上の駐車車両に寄せた状態で停車するように、車両V2を自動運転により走行させることができる。なお、図12において、緊急車両E2’は、車両V2が待避位置で停車した後に、対向車線(車線L2)を走行している様子を示し、緊急車両E2’’は、その後、車線L2から車線L1へ車線変更して、車線L1を走行している様子を示している。
続いて、車載コントローラ170が遠隔指示に関する情報をサーバ220に送信するまでの本実施形態の車両管理システムの制御手順について説明する。図13のフローチャートは、車載コントローラ170が実行する処理を示す。
ステップS1では、車載コントローラ170は、自車両の位置情報、周囲環境情報を取得する。自車両の位置情報には、自車両の現在位置の情報及び自車両の走行経路の情報が含まれている。周囲環境情報としては、自車両周辺の撮像画像、周辺に存在する障害物に関する情報などが挙げられる。緊急車両に関する情報としては、緊急車両の走行位置、目的地、又は走行経路の情報や、緊急車両の種別の情報が挙げられる。また、車載コントローラ170は、車載通信装置150を介して、管制システム200から、緊急車両に関する情報を取得する。なお、このステップにおいて、車載コントローラ170は、上述した情報の他に、自車両の走行に関する走行情報、自車両が走行している道路の交通規則に関する交通規則情報を取得してもよい。
ステップS2では、車載コントローラ170は、ステップS1にて取得した情報に基づいて、自車両の周辺の状況を認識するとともに、緊急車両の走行を妨げないよう自車両を待避させる必要があるか否かを判断する。例えば、車載コントローラ170は、自車両が走行中の道路と緊急車両が走行中の道路が同じ、かつ、自車両の進行方向と緊急車両の進行方向が同じであって、自車両と緊急車両の間の距離が時間の経過とともに短くなっている場合、自車両が待避する必要があると判断する。また、例えば、車載コントローラ170は、自車両と緊急車両との相対距離は時間の経過とともに短くなっているが、所定時間経過後のそれぞれの進行方向が異なる場合、自車両を待避させる必要がないと判断する。待避する必要があると判断した場合、ステップS3へ進み、待避する必要がないと判断した場合、処理を終了する。
ステップS3では、車載コントローラ170は、自車両の進行方向を変更することなく減速又は停車により待避することができるか否かを判断する。例えば、自車両の後方に位置する緊急車両が自車両の走行車線の隣接車線を走行しており、自車両の周辺には障害物等が存在しない場合、車載コントローラ170は、自車両の進行方向を変更することなく減速又は停車により待避できると判断する。一方、例えば、自車両の後方に位置する緊急車両が自車両の走行車線と同一車線を走行している場合、車載コントローラ170は、自車両の進行方向を変更することなく減速又は停車により待避できないと判断する。進行方向を変更することなく減速又は停車により待避できると判断した場合、ステップS6に進み、進行方向を変更することなく減速又は停車により待避できないと判断した場合、ステップS4に進む。
ステップS4では、車載コントローラ170は、待避スペースがあるか否かを判断する。本実施形態では、車載コントローラ170は、地図情報に含まれる道路幅及び車線数の情報と、道路内に存在する障害物の情報に基づいて、道路の路肩側に自車両が待避可能な待避スペースがあるか否かを判断する。待避スペースがあると判断した場合、ステップS7へ進み、待避スペースがないと判断した場合、ステップS5へ進む。
ステップS5では、車載コントローラ170は、サーバ220による遠隔指示が必要と判断し、遠隔指示に関する情報を、サーバ220に送信する。遠隔指示に関する情報には、遠隔指示の要請、車両の位置情報、周囲環境情報、車両の走行経路の情報、車両を識別可能な情報が含まれている。そして、ステップS5の処理が終了すると、処理を終了する。
ステップS3にて、進行方向を変更することなく減速又は停車により待避できると判断した場合、ステップS6へ進む。ステップS6では、車載コントローラ170は、進行方向を変更することなく、すなわち、走行経路や目的地の変更を行うことなく減速処理又は停車処理を実行する。これにより、自車両の進行方向を変更せずに、緊急車両の走行を妨げないよう待避することができる。ステップS6の処理が終了すると、処理を終了する。
また、ステップS4にて、待避スペースがあると判断した場合、ステップS7に進む。ステップS7では、車載コントローラ710は、ステップS4にて特定した待避スペースへの移動制御、及び待避スペースでの停車制御を実行する。これにより、自車両の進行方向を変更して、一時的に待避スペースに移動することで、緊急車両の走行を妨げないよう待避することができる。ステップS7の処理が終了すると、処理を終了する。
続いて、サーバ220が遠隔指示に関する情報を受信してから車載コントローラ170が待避位置へ自車両を移動させるまでの本実施形態の車両管理システムの制御手順について説明する。図14のフローチャートは、サーバ220及び車載コントローラ170が実行する処理を示す。なお、図14は、図13のステップS5において、車載コントローラ170が遠隔指示に関する情報をサーバ220に送信した後の処理を示す。
ステップS11では、サーバ220は、車両の位置情報、周囲環境情報、走行経路情報、及び遠隔指示に関する情報を取得する。サーバ220は、遠隔指示が必要な車両を対象車両として特定する。
ステップS12では、サーバ220は、待避位置を特定する。例えば、サーバ220は、対象車両の位置情報、周囲環境情報、走行経路情報から、対象車両が交差点付近を走行しているか否か、対象車両の周辺には待避する他車両又は駐車車両が存在するか否か、対象車両の周辺に一時的に待避可能な駐車場があるか否か、中央分離帯等がなく対向車線に緊急車両が走行可能か否かなど、対象車両の周辺の状況を把握する。そして、サーバ220は、対象車両の周辺の状況を踏まえて、俯瞰的な視点から対象車両の状況を捉えて、対象車両が待避できる適切な位置を、待避位置として特定する。例えば、上述した図5~図12の例が挙げられる。
ステップS13では、サーバ220は、ステップS12で特定した待避位置までの走行経路を、待避走行経路として演算する。
ステップS14では、サーバ220は、通信装置210を介して、対象車両に、待避位置に関する情報を送信する。待避位置に関する情報には、少なくとも、ステップS12で特定した待避位置の情報、ステップS13で演算した待避走行経路の情報が含まれる。
ステップS15では、車載コントローラ170は、車載通信装置150を介して、サーバ220から、待避位置に関する情報を受信する。
ステップS16では、車載コントローラ170は、ステップS16にて受信した待避値に関する情報に基づいて、自車両を待避位置まで自動運転により走行させる。ステップS16の処理が終了すると、処理を終了する。
このように、本実施形態では、車載コントローラ170は、緊急車両が緊急走行するし際に、待避する必要性の判断をし、待避する必要がある場合、遠隔指示の必要性の判断を行う。そして、車載コントローラ170は、遠隔指示の必要があると判断した場合、サーバ220による遠隔指示を必要とする情報を、サーバ220に送信する。これにより、サーバ220は、車載コントローラ170による自律的な判断では困難な状況であることを把握したうえで、車両を待避させるために、待避位置や待避走行経路を演算する。すなわち、自動運転の技術の分野において、自動運転の主たる目的は、運転者ではない運転主体(車載コントローラ170)の運転により、車両の乗員等により設定された目的地へ走行することである。このため、車載コントローラ170は、周辺の環境の変化(信号機の色の変化や、他車両の車線変更による進入など)に応じて、各駆動機構を制御するための制御信号を、随時生成する。これらは、遵守すべき交通規則のもとに、行われる。
一方、緊急車両が緊急走行する際には、緊急車両の周辺に位置する車両は、緊急車両の走行を妨げないよう待避することが定められているとともに、この場合において、緊急車両及びその周辺車両に対して、遵守すべき交通規則の一部が免除される。運転主体が人、すなわち、運転者が運転している場合、緊急走行の際には、緊急車両の走行している位置、他車両の待避行動、駐車車両の状況、信号機の色など、様々な情報に基づいて、適切な行動をとることができる。自動運転による運転の場合、交通規則の一部が免除されるという状況だけでなく、緊急車両の走行、他車両の待避行動、駐車車両の状況、信号機の状況などを把握して、自車両を、本来の目的地とは異なる待避位置に一時的に待避させることは難しいとされている。
これに対して、本実施形態では、自車両は、本来の目的地へ自動運転機能により走行をすることができるとともに、緊急車両の緊急走行の際にはサーバ220による遠隔指示に従って、自動運転により待避するための行動をとることができる。これにより、緊急車両の緊急走行の際にも、自動運転により、適切な待避行動をとることができる。
以上のように、本実施形態に係る車両管理システムは、サーバ220を用いて、緊急車両が緊急走行する際に、緊急車両以外の車両を管理する。サーバ220は、車両から、車両の位置情報、周囲環境情報、及び遠隔指示の必要性に関する情報を取得し、緊急車両から緊急車両の位置情報を取得する。サーバ220は、遠隔指示に関する情報に基づいて遠隔指示の必要性があると判断する。そして、サーバ220は、緊急車両の走行を妨げないよう車両が待避する位置を待避位置として特定し、待避位置に関する情報を、車両に送信する。これにより、交通規則の一部の免除という特殊な状況下においも、適切な判断に基づく走行制御を実行することができる。
また、本実施形態では、待避位置に関する情報は、少なくとも、待避位置の位置情報と、待避走行経路の情報を含んでいる。これにより、対象車両の車載コントローラ170は、緊急運転機能により、本来の目的とは異なる待避位置まで、対象車両を走行させることができる。
さらに、本実施形態では、サーバ220は、車両を待避位置に停車させるための指示を車両に送信する。これにより、車載コントローラ170は、本来の走行計画では予定してない停車であっても的確に実行することができ、その結果、自車両は、自動運転により、緊急車両の緊急走行を妨げないような待避行動をとるができる。
加えて、本実施形態では、サーバ220は、特定した待避位置が車両の走行車線に隣接する車線上に位置する場合、車両を車線変更させて停車させるための指示を、車両に送信する。これにより、車載コントローラ170は、本来の走行計画では予定がなかった車線変更を的確に実行することができ、その結果、自車両は、自動運転により、緊急車両の緊急走行を妨げないような待避行動をとるができる。
また、本実施形態では、サーバ220は、車両の走行経路上には待避値が存在しない場合、車両の走行経路を変更する。例えば、図10の例で示す場面において、サーバ220は、交差点Aを直進していた走行経路から、交差点Aを左折するような走行経路に変更する。これにより、車載コントローラ170は、本来の走行計画では予定がなかった左折を的確に実行することができ、その結果、自車両は、自動運転により、緊急車両の緊急走行を妨げないような待避行動をとるができる。
さらに、本実施形態では、サーバ220は、特定した待避位置が車両の走行車線に隣接する駐車場の場合、車両を駐車場に進入させるための指示を、車両に送信する。これにより、車載コントローラ170は、本来の走行計画では予定がなかった駐車場への進入を的確に実行することができ、その結果、自車両は、自動運転により、緊急車両の緊急走行を妨げないような待避行動をとるができる。
加えて、本実施形態では、サーバ220は、車両の走行車線上に待避可能なスペースがないと判断した場合、対向車線にあるスペースに基づいて、待避位置を特定する。これにより、車載コントローラ170は、例えば、駐車車両の隣接する待避位置に自車両を停車せることができ、その結果、緊急車両は、対向車線上にあるスペースへ一時的に進入して、緊急走行を継続することができる。
また、本実施形態では、車両は、周囲環境情報を検出する周囲検出装置120と、サーバ220と通信可能な車載通信装置150と、サーバ220からの遠隔指示に基づき、車両の運転を制御する車載コントローラ170と、を備えている。車載コントローラ170は、周囲環境情報に基づいて、遠隔指示の必要性の有無を判断し、遠隔指示が必要と判断した場合、車載通信装置150を介して、遠隔指示に関する情報を、サーバ220に送信する。これにより、車両側での自律判断では困難な状況である、緊急車両の緊急走行の際にも、サーバ220の遠隔指示により、適切な待避行動をとることができる。
本実施形態では、サーバ220は、緊急車両に関する情報を車両に送信する構成を例に挙げて説明したが、以下のような変形例に係る構成であってもよい。例えば、車載コントローラ170は、車載通信装置150を介して、緊急車両が備える車載通信装置から、緊急車両に関する情報(位置情報、走行経路情報、目的地など)を取得してもよい。
このように、変形例に係る車載コントローラ170は、緊急車両から、緊急車両の位置情報を取得し、緊急車両の位置情報と、周囲環境情報に基づいて、サーバ220による遠隔指示の必要性の判断をし、遠隔指示が必要と判断した場合、遠隔指示の必要性に関する情報を、サーバ220に送信する。これにより、サーバ220を介すことなく緊急車両に関する情報を取得することができ、サーバ220が送信する場合よりも早く、情報を取得することが可能となる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係るサーバについて説明する。本実施形態では、管制システムのサーバが、上述した実施形態に係る車載コントローラ170(図1参照)が備える、周辺認識機能、待避必要性判断機能、待避スペース特定機能、遠隔指示必要性判断機能を備えている。すなわち、本実施形態では、サーバ220は、車両の周辺状況を認識する処理、車両が待避する必要性の判断処理、待避スペースの特定処理、遠隔指示の必要性の判断処理を実行する。
本実施形態では、サーバ220は、通信装置210を介して、車両から、車両の位置情報、車両の周囲環境情報を取得し、緊急車両から、緊急車両の位置情報を取得し、車両及び緊急車両の位置情報と、周囲環境情報に基づいて、遠隔指示の必要性を判断する。車載コントローラ170による判断ではなく、車両の情報だけでなく、緊急車両の情報、交通情報などを取得することができるサーバ220により、遠隔指示の必要性を判断することができ、より俯瞰的な視点で(客観的な視点で)、緊急走行の際の車両の周辺状況を把握するとともに、遠隔指示の必要性の有無を判断することができる。
例えば、サーバ220は、車両及び緊急車両が走行する道路又は車線が同一であって、車両及び緊急車両の進行方向が同一、かつ、緊急車両が時間の経過とともに車両に接近している場合、遠隔指示が必要と判断する。これにより、進行方向を変更して待避する待避行動を要求される可能性が高い場面において、遠隔指示によって自車両に適切な待避行動をさせることができる。
また、例えば、サーバ220は、通信装置210を介して、車両から、車両の走行経路情報を取得し、緊急車両から、緊急車両の走行経路情報を取得し、車両の走行経路及び緊急車両の走行経路に基づいて、同一車線上において、車両と緊急車両のすれ違いが発生すると判断した場合、遠隔指示が必要と判断する。これにより、上述した効果同様の効果を奏する。
また、例えば、サーバ220は、車両の周辺状況を把握し、車両の周辺には待避するスペースがない場合、遠隔指示が必要と判断する。これにより、サーバ220は、例えば、対向車線のスペースを考慮したり、あるいは、進行方向が同一であって対向車線側に位置する隣接車線のスペースを考慮したりして、待避スペースを特定する。このような待避スペースの特定が難しい場面であっても、遠隔指示によって自車両に適切な待避行動をさせることができる。
また、例えば、サーバ220は、データベース230に格納されている地図情報に基づいて、車両の一時停止が緊急車両の走行を妨げると判断した場合、遠隔指示が必要と判断する。例えば、車両が交差点又はその周辺を走行している場合には、サーバ220は、緊急車両が交差点を右左折する可能性を考慮し、車両の一時停止が緊急走行を妨げると判断する。これにより、交差点の中央や交差点の信号機付近で自車両が停車することを防ぐことができ、その結果、自車両は、自動運転により、緊急車両の緊急走行を妨げないような待避行動をとるができる。
また、例えば、サーバ220は、データベース230に格納されている地図情報に基づいて、車両が交差点から所定の範囲内に位置する場合、遠隔指示が必要と判断する。これにより、上述した効果と同様の効果を奏する。
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述した第1実施形態では、対象車両が待避位置まで走行する際に、車載コントローラ170は、緊急運転機能により、車速制御や操舵制御などの運転制御を行う構成を例に挙げて説明したが、待避位置までの運転制御は、サーバ220が行ってもよい。例えば、サーバ220は、対象車両から送信される位置情報及び周囲環境情報に基づいて、対象車両の各制御機構の制御信号を生成し、対象車両に運転制御に関する制御信号を送信してもよい。
例えば、本明細書では、本発明に係る車両管理システムを、車両管理システム1を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書では、本発明に係るサーバを、サーバ220を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書では、本発明に係る通信装置を、通信装置210を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。