以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、第1実施形態の観察装置1の構成を示す図である。観察装置1は、光源11、偏光子12、アパーチャ13、パターン偏光子14、1/4波長板15、偏光カメラ16、解析部18、第1光学系20、第2光学系30および第3光学系40を備える。
光源11は、空間的にインコヒーレントな光を出力する。光源11から出力される光は、時間的にコヒーレントであってもよいし、時間的にインコヒーレントであってもよい。光源11から出力される光は、直線偏光であってもよいし、無偏光であってもよい。光源11は、例えばハロゲンランプ、発光ダイオードまたはレーザダイオードを含み、さらに、その後段に拡散板を含むのも好適である。
偏光子12は、光源11と光学的に接続されている。偏光子12は、光源11から出力された光を入力し、その偏光子12の光学軸の方位に応じた偏光面を有する直線偏光の光を出力する。
アパーチャ13は、偏光子12と光学的に接続されている。アパーチャ13は、光を通過させる通過領域を有し、偏光子12から出力された光のうち該通過領域に到達した光を選択的に通過させて出力し、通過領域以外の領域に到達した光を遮断する。
第1光学系20は、アパーチャ13と観察対象物Sとの間に設けられており、1または複数のレンズを含む。第1光学系20は、アパーチャ13から出力された光を入力し、アパーチャ13からの出力光のフーリエ変換像を形成する。
観察対象物Sは、第1光学系20によりフーリエ変換像が形成される位置に配置されている。
第2光学系30は、観察対象物Sとパターン偏光子14との間に設けられており、1または複数のレンズを含む。第2光学系30は、観察対象物Sへ第1光学系20から光が入力されることにより観察対象物Sから出力された光を入力し、観察対象物Sからの出力光のフーリエ変換像を形成する。
パターン偏光子14は、第2光学系30によりフーリエ変換像が形成される位置に配置されている。すなわち、パターン偏光子14は、第1光学系20および第2光学系30を介してアパーチャ13に対し光学的に共役の関係を有する位置に配置されている。パターン偏光子14は、アパーチャ13の通過領域に対応する第1領域と、第1領域以外の第2領域とを有する。パターン偏光子14は、第2光学系30から第1領域に入力した光のうち該入力光の偏光面に対して相対的に-10°~+10°(好適には-5°~+5°、最も好適には0°)の偏光面を有する直線偏光の光を選択的に出力する。また、パターン偏光子14は、第2光学系30から第2領域に入力した光のうち該入力光の偏光面に対して相対的に35°~55°(好適には40°~50°、最も好適には45°)の偏光面を有する直線偏光の光を選択的に出力する。
第3光学系40は、パターン偏光子14と偏光カメラ16の撮像面との間に設けられており、1または複数のレンズを含む。第3光学系40は、パターン偏光子14から出力された光を入力し、パターン偏光子14からの出力光のフーリエ変換像を形成する。
1/4波長板15は、パターン偏光子14と偏光カメラ16の撮像面との間の第3光学系40の光路上に配置されている。1/4波長板15は、パターン偏光子14の第1領域および第2領域から出力された直線偏光の光を互いに異なる回転方向の円偏光にして出力する。
偏光カメラ16は、第3光学系40によりフーリエ変換像が形成される位置に配置された撮像面を有する。偏光カメラ16は、1/4波長板15により互いに異なる回転方向の円偏光とされた二つの光を入力し、3以上の偏光面の成分それぞれについて撮像面上の干渉画像を取得する。なお、本発明における円偏光は、互いに直交する2方向の電場ベクトルの間で位相差が±π/2[rad]かつ振幅が等しい場合のみに限定されず、楕円偏光も含む。
解析部18は、偏光カメラ16により取得された3以上の偏光面の成分それぞれについての干渉画像に基づいて観察対象物Sの複素振幅画像(振幅画像および位相画像)を作成する。解析部18は、例えばコンピュータである。解析部18は、複素振幅画像の作成等の演算処理を行うCPUを含む演算部と、干渉画像および複素振幅画像等を記憶するハードディスクドライブ、RAMおよびROM等を含む記憶部と、干渉画像および複素振幅画像等を表示する液晶ディスプレイを含む表示部と、干渉画像の取得および画像の表示の際の諸条件の入力を受け付けるキーボードおよびマウス等を含む入力部とを備える。
図2は、偏光子12、アパーチャ13およびパターン偏光子14について説明する図である。図2(a)は偏光子12を示し、図2(b)はアパーチャ13を示し、図2(c)はパターン偏光子14を示す。これらの図は主光線の方向に見た図である。
偏光子12(図2(a))は、光源11から出力された光を入力し、その偏光子12の光学軸の方位に応じた偏光面を有する直線偏光の光を出力する。図2(a)におけるハッチングの方位は、偏光子12の光学軸の方位を示している。
アパーチャ13(図2(b))は、光を通過させる通過領域13aと、通過領域13a以外の遮断領域13bとを有する。アパーチャ13は、偏光子12から出力された光のうち通過領域13aに到達した光を選択的に通過させて出力し、遮断領域13bに到達した光を遮断する。通過領域13aは、開口であってもよいし、透明部材であってもよい。通過領域13aは、この図に示されるようにリング形状であってもよく、任意の形状でよい。通過領域13aは、この図に示されるように単一の領域であってもよく、複数の部分領域からなるものであってもよい。
パターン偏光子14(図2(c))は、第1光学系20および第2光学系30を介してアパーチャ13に対し光学的に共役の関係を有する位置に配置されている。パターン偏光子14は、アパーチャ13の通過領域13aに対応する第1領域14aと、第1領域14a以外の第2領域14bとを有する。パターン偏光子14は、第2光学系30から第1領域14aに入力した光のうち該入力光の偏光面に対して相対的に-10°~+10°(好適には-5°~+5°、最も好適には0°)の偏光面を有する直線偏光の光を選択的に出力する。パターン偏光子14は、第2光学系30から第2領域14bに入力した光のうち該入力光の偏光面に対して相対的に35°~55°(好適には40°~50°、最も好適には45°)の偏光面を有する直線偏光の光を選択的に出力する。
パターン偏光子14の第1領域14aは、偏光子であってもよく、開口であってもよく、また、透明部材であってもよい。パターン偏光子14の第2領域14bは偏光子である。図2(c)における第1領域14aおよび第2領域14bそれぞれのハッチングの方位は、各偏光子の光学軸の方位を示している。
図3は、偏光カメラ16のイメージセンサの構成例を示す図である。この図に示されるイメージセンサ16Aは、半導体基板上に形成されたフォトダイオードアレイ161と、そのフォトダイオードアレイ上に設けられた偏光子アレイ162と、その偏光子アレイ上に設けられたレンズアレイ163とを備え、これらが積層された構造を有する。フォトダイオードアレイ161において複数のフォトダイオードが2次元配列されている。フォトダイオードアレイ161の各フォトダイオードに対して、偏光子アレイ162の1つの偏光子が対応して設けられ、レンズアレイ163の1つのレンズが対応して設けられている。
偏光子アレイ162の各偏光子は、4つの方位(0°、45°、90°、135°)のうちの何れかの方位に光学軸を有する。この図において、偏光子アレイ162の各偏光子のハッチングの方位は、該偏光子の光学軸の方位を示している。このイメージセンサ16Aを用いれば、4つの方位の直線偏光の2次元像を同時に撮像することができる。ソニー株式会社により商品化されているイメージセンサ(Polarsens(登録商標))は、この図に示される構成を有する。また、Teledyne DALSA社により商品化されているイメージセンサ(Area ScanPolarization Sensor)も、この図に示される構成を有する。
図4は、偏光カメラ16のイメージセンサの他の構成例を示す図である。この図に示されるイメージセンサ16Bは、半導体基板上に形成されたフォトダイオードアレイ164a~164dと、フォトダイオードアレイ164a~164c上に設けられた偏光子165a~165cとを備える。フォトダイオードアレイ164c上には偏光子は設けられていない。フォトダイオードアレイ164a~164dそれぞれにおいて、複数のフォトダイオードがx方向に1次元配列されている。フォトダイオードアレイ164a~164dはy方向に並列配置されている。
フォトダイオードアレイ164a上の偏光子165aの光学軸の方位は0°であり、フォトダイオードアレイ164b上の偏光子165bの光学軸の方位は135であり、フォトダイオードアレイ164c上の偏光子165cの光学軸の方位は90°である。この図において、各偏光子のハッチングの方位は、該偏光子の光学軸の方位を示している。このイメージセンサ16Bを用いれば、3つの方位の直線偏光の1次元像を同時に撮像することができる。また、x方向と異なる方向(例えばy方向)に観察対象物Sを相対的に移動させることで、3つの方位の直線偏光の2次元像を同時に取得することができる。例えばフローサイトメトリのように透明管内を流体とともに移動する細胞を観察対象物Sとすることができる。Teledyne DALSA社により商品化されているイメージセンサ(Line ScanPolarization Sensor)は、この図に示される構成を有する。
次に、観察装置1を用いて観察対象物Sの複素振幅画像を取得する方法について説明する。
空間的にインコヒーレントな光を光源11から出力する。光源11から出力された光を入力した偏光子12により、その偏光子12の光学軸の方位に応じた偏光面を有する直線偏光の光を出力する。光を通過させる通過領域13aを有するアパーチャ13を用いて、偏光子12から出力された光のうち通過領域13aに到達した光を選択的に通過させて出力する。アパーチャ13から出力された光を入力する第1光学系20により、アパーチャ13からの出力光のフーリエ変換像を形成する。第1光学系20によりフーリエ変換像が形成される位置に観察対象物Sが配置されている。観察対象物Sへ第1光学系20から光が入力されることにより観察対象物Sから出力された光を入力する第2光学系30により、観察対象物Sからの出力光のフーリエ変換像を形成する。
第2光学系30によりフーリエ変換像が形成される位置にパターン偏光子14が配置されている。パターン偏光子14は、アパーチャ13の通過領域13aに対応する第1領域14aと、第1領域14a以外の第2領域14bとを有する。このパターン偏光子14により、第2光学系30から第1領域14aに入力した光のうち該入力光の偏光面に対して相対的に-10°~+10°(好適には-5°~+5°、最も好適には0°)の偏光面を有する直線偏光の光を選択的に出力する。また、このパターン偏光子14により、第2光学系30から第2領域14bに入力した光のうち該入力光の偏光面に対して相対的に35°~55°(好適には40°~50°、最も好適には450°)の偏光面を有する直線偏光の光を選択的に出力する。
パターン偏光子14から出力された光を入力する第3光学系40により、パターン偏光子14からの出力光のフーリエ変換像を形成する。第3光学系40の光路上に配置された1/4波長板15により、パターン偏光子14の第1領域14aおよび第2領域14bから出力された光を互いに異なる回転方向の円偏光とする。第3光学系40によりフーリエ変換像が形成される位置に配置された撮像面を有する偏光カメラ16により、1/4波長板15により互いに異なる回転方向の円偏光とされた二つの光を入力し、3以上の偏光面の成分それぞれについて撮像面上の干渉画像(すなわち、位相差が異なる3以上の干渉画像)を取得する。
そして、解析部18により、偏光カメラ16により取得された3以上の干渉画像に基づいて観察対象物Sの複素振幅画像を作成する。複素振幅画像を作成するには、位相差が異なる3以上の干渉画像が必要である。例えば、位相差が90°ずつ異なる4つの干渉画像I1~I4を取得した場合、φ=arg{(I1-I3)+i(I2-I4)} なる式で位相画像φを作成することができ、R={(I1-I3)2+(I2-I4)2}1/2なる式で振幅画像Rを作成することができ、また、複素振幅画像も作成することができる。なお、I1~I4、φおよびRは画素位置の関数であり、式の演算は画素毎に行われる。argは複素数の偏角を取得する演算子である。iは虚数単位である。
次に、ハロ低減効果について説明する。以下では、パターン偏光子14の第1領域14aおよび第2領域14bから出力される直線偏光の光の偏光面の方位が互いに45°異なるもののして説明する。
図5は、パターン偏光子14から出力される光について説明する図である。この図において、ハッチングの方位は、パターン偏光子14からの出力光の偏光面の方位を示している。パターン偏光子14の第1領域14aからの出力光Eaは、パターン偏光子14の第2領域14bからの出力光Ebの偏光面に対して略45°だけ異なる偏光面を有するので、出力光Ebの偏光面に平行な方位の偏光面を有する光Ea1と、これに垂直な方位の偏光面を有する光Ea2と、に分解することができる。同じ方位の偏光面を有する光Ebおよび光Ea1を合わせたものを物体光とし、これに垂直な方位の偏光面を有する光Ea2を参照光とすることができる。
第2光学系30により観察対象物Sからの出力光のフーリエ変換像が形成される位置にパターン偏光子14が配置されていることから、パターン偏光子14から出力される物体光(光Ebおよび光Ea1)は、観察対象物Sの空間周波数の殆ど全域の成分を有する。また、パターン偏光子14から出力される参照光Ea2は、非回折光が支配的であるので、観察対象物Sの空間周波数0を含む限定された帯域(第1領域14aの幅に応じた帯域)の成分を有する。
そして、第3光学系40によりパターン偏光子14からの出力光のフーリエ変換像が形成される位置に偏光カメラ16の撮像面が配置されていることから、偏光カメラ16の撮像面に、パターン偏光子14から出力される物体光(光Ebおよび光Ea1)により観察対象物Sの像が比較的忠実に再現される。また、偏光カメラ16の撮像面に、パターン偏光子14から出力される参照光(非回折光)Ea2が照射される。
本実施形態では、偏光カメラ16の撮像面に観察対象物Sの像が比較的忠実に再現されることから、ハロが低減される。また、アパーチャ13の通過領域13aを狭くするほど(すなわち、パターン偏光子14の第1領域14aを狭くするほど)、参照光に含まれる非回折光の割合が大きくなるので、ハロが更に低減される。なお、本実施形態では物体光は光Ebおよび光Ea1を合わせたものであるのに対して、従来技術2では物体光は光Ebに相当するもののみであるので、従来技術2ではハロが顕著に生じる。
次に、本実施形態の観察装置1または観察方法により観察対象物Sの複素振幅画像を取得できることについて詳細に説明する。以下では、説明を簡易にするために、光源11が空間的にコヒーレントな光を出力するものとし、パターン偏光子が中心領域と周辺領域とに区分されるものとする。
光の各偏光状態のうち水平偏光を表すベクトルをeHとし、水平偏光を表すベクトルをeVとし、45°偏光を表すベクトルをeDとし、135°偏光を表すベクトルをeAとし、右回り円偏光を表すベクトルをeRとし、左回り円偏光を表すベクトルをeLとする。これらのベクトルの間には下記(1)~(4)式の関係がある。
円偏光の光を偏光子に入力させたときに該偏光子から出力される光の位相は、その出力光の偏光状態のベクトル(eH,eV,eD,eAの何れか)と入力光の偏光状態のベクトル(eR,eLの何れか)との内積で表される。2つのベクトル間の内積については下記(5)~(12)式が成り立つ。これらの関係を用いることで、各位相シフト量に対応する干渉画像を取得することができる。
eH・eRとeH・eLとは同位相であるから、互いに回転方向が異なる2つの円偏光の光が偏光子により水平偏光に射影されると、偏光子から出力される2つの光は同位相となる。eV・eRとeV・eLとは逆位相であるから、互いに回転方向が異なる2つの円偏光の光が偏光子により垂直偏光に射影されると、偏光子から出力される2つの光の間の位相差は180°となる。
eD・eRとeD・eLとは位相が90°異なっているから、互いに回転方向が異なる2つの円偏光の光が偏光子により45°偏光に射影されると、偏光子から出力される2つの光の間の位相差は90°となる。eA・eRとeA・eLとは位相が270°異なっているから、互いに回転方向が異なる2つの円偏光の光が偏光子により135°偏光に射影されると、偏光子から出力される2つの光の間の位相差は270°となる。
測定したい光の波面をU(x)とする。xは位置を表す変数である。U(x)のフーリエ変換をu(k)と表す(下記(13)式)。kは空間周波数を表す変数である。
パターン偏光子の中心領域および周辺領域それぞれが選択的に通過させる直線偏光の光の偏光面が互いに直交している場合を考えると次のとおりである。観察対象物からの出力光U(x)は光学系によりフーリエ変換され、そのフーリエ変換像u(k)がパターン偏光子の位置に形成される。u(k)のうちパターン偏光子の中心領域を通過した光は、下記(14)式で示される像Uc(x)を偏光カメラの撮像面上に形成する。この式中のpc(k)は、パターン偏光子の中心領域に対応する空間周波数領域でのマスクであり、U(x)の低周波成分に対応するものである。
パターン偏光子の周辺領域を通過した光が偏光カメラの撮像面上に形成する像U-(x)は、U(x)からUc(x)を差し引いたものとして表される(下記(15)式)。したがって、偏光カメラによる撮像により得られる干渉画像は下記(16)式で表される。この式中の添え字Xは、偏光カメラで撮像される偏光状態(H,V,D,Aの何れか)を示す。
偏光状態を表すベクトルの間の内積が上述の位相関係を有することから、偏光カメラによる撮像により得られる各偏光状態の干渉画像IH(x),IV(x),ID(x),IA(x)は、位相シフト法における各位相シフト量での測定結果に対応する。したがって、これらの干渉画像を用いて、下記(17)式により複素振幅画像C(x)を取得することができる。
パターン偏光子の中心領域の大きさが無限小である理想的な場合を想定する。この場合、pc(k)はデルタ関数で表される(下記(18)式)。このとき、上記(14)式は、下記(19)式のようになる。U0は、定数であり、U(x)の平均値に対応する。このとき、上記(17)式の複素振幅画像C(x)は下記(20)式で表される。
U0は定数であるので、U-(x)の複素振幅が測定されることになり、これはU(x)と一致しない。つまり、このような理想的な場合であっても、測定値の定量性が失われている。この定量性の喪失により、像の低周波成分が失われる。位相差顕微鏡でハロとして知られている現象は、これと同じメカニズムに基づくものである。
これに対して、本実施形態では、パターン偏光子14により非回折光に対して回折光を45°傾いた偏光に射影する。このとき偏光カメラ16に入射する光の波面U’(x)は下記(21)式で表される。結果的に得られる複素振幅画像C(x)は下記(22)式で表される。従来技術2では像の低周波成分が失われたのに対して、本実施形態では像の低周波成分が失われていない。したがって、本実施形態では、像の欠損が抑制され、ハロのような現象の発生が抑制される。
次に、シミュレーションによりハロ低減効果を確認した結果について説明する。図6は、シミュレーションで用いた元画像である。この元画像を観察対象物Sとし、アパーチャ13の通過領域13aが狭い場合および広い場合それぞれにおいて、本実施形態および従来技術2それぞれにより位相画像を作成した。
図7(a)は、アパーチャ13の通過領域13aが狭い場合において本実施形態により作成した位相画像である。図7(b)は、この位相画像と元画像との差分を表す画像である。
図8(a)は、アパーチャ13の通過領域13aが狭い場合において従来技術2により作成した位相画像である。図8(b)は、この位相画像と元画像との差分を表す画像である。
図9(a)は、アパーチャ13の通過領域13aが広い場合において本実施形態により作成した位相画像である。図9(b)は、この位相画像と元画像との差分を表す画像である。
図10(a)は、アパーチャ13の通過領域13aが広い場合において従来技術2により作成した位相画像である。図10(b)は、この位相画像と元画像との差分を表す画像である。
これらの図から分かるように、従来技術2により作成した位相画像と比べて、本実施形態により作成した位相画像は、ハロが低減されている。また、アパーチャ13の通過領域13aが狭い場合に、本実施形態のハロ低減効果が顕著である。
以上のように本実施形態では、物体光および参照光が同軸で伝搬するので、光学系の調整が容易であり、光路長安定化などの機構が不要となって耐振動性が優れる。物体光と参照光との間の位相差を各値に設定した観察対象物の干渉画像を同時に(シングルショットで)取得することができるので、これら複数の干渉画像を取得するのに要する時間が短い。また、従来技術2と比べて本実施形態ではハロが低減されて定量性が優れる。
次に、他の実施形態および変形例の構成について説明する。なお、図1に示された観察装置1の構成と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。これらは、図1に示された第1実施形態の観察装置1と同様の効果を奏する。
図11は、第1実施形態の観察装置1の変形例である観察装置1Aの構成を示す図である。図1に示された観察装置1の構成と比較すると、図11に示される観察装置1Aは、偏光子12が設けられている位置の点で相違する。この構成例では、偏光子12はパターン偏光子14の直前に設けられている。偏光子12は、光源11からパターン偏光子14(第2光学系30によりフーリエ変換像が形成される位置)までの間の光路上の何れの位置に設けられてもよい。偏光子12が観察対象物Sとパターン偏光子14との間の光路上に設けられている場合、観察対象物Sが複屈折性を有する場合であっても、干渉画像および複素振幅画像を好適に取得することができる。
図12は、第2実施形態の観察装置2の構成を示す図である。図1に示された観察装置1の構成と比較すると、図12に示される観察装置2は、光源11から出力される空間的にインコヒーレントな光が直線偏光である点で相違し、それ故に不要となる偏光子12が設けられていない点で相違する。この場合、パターン偏光子14の第1領域14aおよび第2領域14bそれぞれが出力する直線偏光の偏光面の方位は、光源11から出力される直線偏光の偏光面の方位に応じて設定される。
図13は、第3実施形態の観察装置3の構成を示す図である。図1に示された観察装置1の構成と比較すると、図13に示される観察装置3は、第2光学系30の構成の点で相違する。本実施形態では、第2光学系30は、対物レンズ31に加えて、レンズ32,33をリレー光学系として含む。また、パターン偏光子14、1/4波長板15、偏光カメラ16、レンズ33および第3光学系40を共通の筐体に入れて光学モジュール51とすることができる。この光学モジュール51を市販の位相差顕微鏡に取り付けることで観察装置3の構成とすることができる。
図14は、第3実施形態の観察装置3の変形例である観察装置3Aの構成を示す図である。図13に示された観察装置3の構成と比較すると、図14に示される観察装置3Aは、偏光子12が設けられている位置の点で相違する。この構成例では、偏光子12はパターン偏光子14の直前に設けられている。偏光子12が観察対象物Sとパターン偏光子14との間の光路上に設けられている場合、観察対象物Sが複屈折性を有する場合であっても、干渉画像および複素振幅画像を好適に取得することができる。また、偏光子12、パターン偏光子14、1/4波長板15、偏光カメラ16、レンズ33および第3光学系40を共通の筐体に入れて光学モジュール52とすることができる。この光学モジュール52を市販の位相差顕微鏡に取り付けることで観察装置3Aの構成とすることができる。
図15は、第4実施形態の観察装置4の構成を示す図である。図13に示された観察装置3の構成と比較すると、図15に示される観察装置4は、光源11から出力される空間的にインコヒーレントな光が直線偏光である点で相違し、それ故に不要となる偏光子12が設けられていない点で相違する。この場合、パターン偏光子14の第1領域14aおよび第2領域14bそれぞれが出力する直線偏光の偏光面の方位は、光源11から出力される直線偏光の偏光面の方位に応じて設定される。
これまでに説明した観察装置は透過型の構成であったが、観察装置は以下に説明するような反射型の構成であってもよい。反射型の構成とする場合、第1光学系および第2光学系は観察対象物Sに対する光入出力の部分を共通にすることができる。
図16は、第5実施形態の観察装置5の構成を示す図である。観察装置5は、アパーチャ13と観察対象物Sとの間に設けられる第1光学系として、レンズ21,22,23およびビームスプリッタ17を備える。また、観察装置5は、観察対象物Sとパターン偏光子14との間に設けられる第2光学系として、レンズ23,32,33およびビームスプリッタ17を備える。偏光子12は、光源11とアパーチャ13との間に設けられている。光源11から出力された光は、偏光子12、アパーチャ13、レンズ21およびレンズ22を経てビームスプリッタ17に到達し、ビームスプリッタ17によりレンズ23へ反射される。その光は、レンズ23を経て観察対象物Sに照射され、観察対象物Sを容れた容器の底面で反射される。その反射光は、レンズ23、ビームスプリッタ17、レンズ32およびレンズ33を経てパターン偏光子14に入力される。この構成においても、パターン偏光子14、1/4波長板15、偏光カメラ16、レンズ33および第3光学系40を共通の筐体に入れて光学モジュール51とすることができる。この光学モジュール51を市販の位相差顕微鏡に取り付けることで観察装置5の構成とすることができる。
図17は、第5実施形態の観察装置5の変形例である観察装置5Aの構成を示す図である。図16に示された観察装置5の構成と比較すると、図17に示される観察装置5Aは、偏光子12が設けられている位置の点で相違する。この構成例では、偏光子12はパターン偏光子14の直前に設けられている。偏光子12が観察対象物Sとパターン偏光子14との間の光路上に設けられている場合、観察対象物Sが複屈折性を有する場合であっても、干渉画像および複素振幅画像を好適に取得することができる。この構成においても、偏光子12、パターン偏光子14、1/4波長板15、偏光カメラ16、レンズ33および第3光学系40を共通の筐体に入れて光学モジュール52とすることができる。この光学モジュール52を市販の位相差顕微鏡に取り付けることで観察装置5Aの構成とすることができる。
図18は、第6実施形態の観察装置6の構成を示す図である。図16に示された観察装置5の構成と比較すると、図18に示される観察装置6は、光源11から出力される空間的にインコヒーレントな光が直線偏光である点で相違し、それ故に不要となる偏光子12が設けられていない点で相違する。この場合、パターン偏光子14の第1領域14aおよび第2領域14bそれぞれが出力する直線偏光の偏光面の方位は、光源11から出力される直線偏光の偏光面の方位に応じて設定される。
図19は、第7実施形態の観察装置7の構成を示す図である。観察装置7は、アパーチャ13と観察対象物Sとの間に設けられる第1光学系として、レンズ21,22,23およびビームスプリッタ17を備える。また、観察装置7は、観察対象物Sとパターン偏光子14との間に設けられる第2光学系としてレンズ23を備える。この構成では、パターン偏光子14は、偏光子12の役割を兼ねており、ビームスプリッタ17とレンズ23との間の光路上に設けられている。光源11から出力された光は、アパーチャ13、レンズ21およびレンズ22を経てビームスプリッタ17に到達し、ビームスプリッタ17によりパターン偏光子14へ反射される。その光は、パターン偏光子14の第1領域14aを直線偏光として通過し、レンズ23を経て観察対象物Sに照射され、観察対象物Sを容れた容器の底面で反射される。その反射光は、レンズ23、パターン偏光子14およびビームスプリッタ17を経て1/4波長板15に入力される。
これまで説明した観察装置は観察対象物Sの2次元複素振幅画像を取得することができる構成であった。しかし、以下に説明するように、第2光学系30を構成する光学素子または観察対象物Sを第2光学系30の光軸に平行な方向に走査し、その走査の各位置において偏光カメラ16により複数の干渉画像を取得し、その走査の各位置における複数の干渉画像に基づいて観察対象物Sの3次元複素振幅画像を作成することもできる。以下では、第1実施形態の観察装置1の変形例および第7実施形態の観察装置7の変形例の各構成について説明するが、他の実施形態の観察装置の変形例の構成とすることもできる。
図20は、第1実施形態の観察装置1の変形例である観察装置1Bの構成を示す図である。図1に示された観察装置1の構成と比較すると、図20に示される観察装置1Bは、観察対象物Sを光軸に平行な方向に走査することができる移動部19が設けられている点で相違する。
図21は、第1実施形態の観察装置1の変形例である観察装置1Cの構成を示す図である。図1に示された観察装置1の構成と比較すると、図21に示される観察装置1Cは、第2光学系30およびパターン偏光子14を光軸に平行な方向に走査することができる移動部19が設けられている点で相違する。
図22は、第7実施形態の観察装置7の変形例である観察装置7Bの構成を示す図である。図19に示された観察装置7の構成と比較すると、図22に示される観察装置7Bは、観察対象物Sを光軸に平行な方向に走査することができる移動部19が設けられている点で相違する。
図23は、第7実施形態の観察装置7の変形例である観察装置7Cの構成を示す図である。図19に示された観察装置7の構成と比較すると、図23に示される観察装置7Cは、レンズ23およびパターン偏光子14を光軸に平行な方向に走査することができる移動部19が設けられている点で相違する。
何れの観察装置においても、移動部19は、リニアステージであってもよいし、ピエゾアクチュエータであってもよく、また、リニアステージおよびピエゾアクチュエータを組み合わせたものであってもよい。移動部19により観察対象物Sを光軸方向に走査することにより、または、移動部19により第2光学系30およびパターン偏光子14を光軸方向に走査することにより、偏光カメラ16の撮像面に対して共役な位置が観察対象物S中で走査されることになるので、観察対象物Sの3次元複素振幅画像を作成することができる。