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JP7244991B2 - 脂肪組織由来間質細胞を含む肝疾患治療剤およびその製造方法 - Google Patents

脂肪組織由来間質細胞を含む肝疾患治療剤およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、脂肪組織由来間質細胞を含む肝疾患治療剤およびその製造方法に関する。
間葉系幹細胞は、骨髄に存在することが指摘された体性幹細胞であり、幹細胞として、骨、軟骨及び脂肪に分化する能力を有するため、細胞治療における有望な細胞ソースとして注目されている。最近では、脂肪組織および胎盤、臍帯、卵膜などの胎児付属物の間質細胞に同等の機能を有する細胞が存在することが知られている。そのため、間葉系幹細胞を間質細胞と称することもある。
間葉系幹細胞は、分化能以外に様々な機能を有することも注目されており、骨髄由来間葉系幹細胞を用い、造血幹細胞移植における急性移植片対宿主病(GVHD)、炎症性腸疾患のCrohn病、急性心筋梗塞、及び虚血性心不全に対する試験が進んでいる。
脂肪組織は、骨髄と比較し、一度に多くの間質細胞が得られ、ドナーからの採取の際の侵襲の程度も骨髄に比べて低いことから、脂肪組織由来の間質細胞は、細胞移植用の治療剤として注目されている(特許文献1および2)。しかし、骨髄由来の間葉系幹細胞と脂肪組織由来の間質細胞が、必ずしも同一の性質を示すとは限らず、増殖速度や分化傾向の違いなどの相違点も報告されている(非特許文献1)。
これまでに、脂肪組織由来間質細胞を肝疾患治療、特に、肝硬変の治療に用いることは示唆されているが(非特許文献1から4)、治療効果や、治療の際の利便性を高めるための脂肪組織由来間質細胞の調製方法や保存方法については開示されていない。
脂肪組織由来間質細胞を用いた肝硬変の治療効果を検討する試験が日本で計画されているが、これらは全て自家(同種同系)の細胞移植である。しかし、細胞移植治療を汎用的に行うためには、今後他家(同種異系)で行われることが望ましいところ、他家移植用の脂肪組織由来間質細胞の調製方法や保存方法について、特に肝疾患に対する治療効果や、治療の際の利便性の向上を考慮した検討は十分に行われていない。
また、凍結保存を行った細胞は、凍結保存を行わなかった細胞と比較して、細胞の治療効果が減弱すること、または副作用が増大するなどの報告があることから(非特許文献5から7)、細胞を治療に用いるにあたり、凍結保存を行わないことが望ましいと考えられている。
米国特許第6,777,231号明細書 特開2013-13411号公報
Yu F., et. al., Journal of the Formosan Medical Association, 114, 130-138, 2015 Banas A., et. al., Stem Cells. 26: 2705-2712, 2008 Harn H., et. al., Cell Transplant., 21: 2753-2764, 2012 Salomone F., et. al., Stem Cell Res., 11:1037-1044, 2013 Francois M., et. al., Cytotherapy, 14:147-152, 2012 Moll G., et. al., Stem Cells, 32(9):2430-2442, 2014 Quimby J. M., et. al., Stem Cell Res. Ther., 4(2):48-59, 2013
凍結保存した細胞を用いる場合、融解した後に、細胞が凍結前と同等の機能を有するか否かを予測することは難しい(非特許文献5から7)。特に、脂肪組織由来間質細胞を肝疾患治療に用いる場合、当該細胞の如何なる機能によって肝疾患治療への効果が生じるのかその機序が不明であるため、凍結融解後の細胞の肝疾患治療への有効性を推定することは特に困難である。その上、凍結融解を繰り返した脂肪組織由来間質細胞を投与する場合、肝疾患への治療効果を生ずることの推定ができない。
さらに、脂肪組織由来間質細胞を投与直前に培養する必要がある場合、医療機関が特殊な培養設備を準備する必要があるため、汎用性が低下するおそれがある。そこで、利便性を高めるため、保存した移植用の脂肪組織由来間質細胞をそのまま調剤する方法の開発が望まれる。細胞の保存には、低温で凍結することが必要であるが、このような凍結時に用いる保存液は、細胞の核型、増殖能、または分化能などの細胞機能の維持や細胞生存率を向上させることを目的として開発されており、保存液と共に細胞を体内に投与することを想定して開発されていない。また、凍結保存液の評価をする際は、培養工程を経ることで細胞を賦活化した後に評価していることから、融解後、培養を行わない細胞が如何なる状況であるのかは不明であり、またこのような点に着目した例はない。まして、融解後の細胞をそのまま調剤し、投与することが肝疾患治療に有効であるか否かは不明である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、脂肪組織由来間質細胞の肝疾患に対する優れた治療効果を保持しつつ、治療剤の調製の利便性にも優れる、脂肪組織由来間質細胞を含む肝疾患治療剤の製造方法、そのような製造方法により得られる肝疾患治療剤を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、下記に関するものである:
[1]凍結保存および融解を少なくとも2度行った脂肪組織由来間質細胞を含む、肝疾患治療剤。
[2]肝炎治療用である、[1]に記載の肝疾患治療剤。
[3]肝硬変治療用である、[1]に記載の肝疾患治療剤。
[4]肝臓の線維化の抑制用である、[1]から[3]のいずれかに記載の肝疾患治療剤。
[5]前記脂肪組織由来間質細胞が、被験体に対して同種異系である、[1]から[4]のいずれかに記載の肝疾患治療剤。
[6]前記脂肪組織由来間質細胞が、ヒト脂肪組織由来間質細胞である、[1]から[5]のいずれかに記載の肝疾患治療剤。
[7]前記凍結保存および融解を少なくとも2度行うことが、以下の工程を含む、[1]から[6]のいずれかに記載の肝疾患治療剤;
(1)脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、
(2)当該融解した細胞を培養する工程、および
(3)当該培養した細胞を凍結保存および融解する工程。
[8]前記脂肪組織由来間質細胞が、4継代以下の脂肪組織由来間質細胞である、[1]から[7]のいずれかに記載の肝疾患治療剤。
[9]前記凍結保存が、液体窒素上の気相で行われる、[1]から[8]のいずれかに記載の肝疾患治療剤。
[10]前記凍結保存が、DMSO(Dimethyl sulfoxide)を含む溶液を用いて行われる、[1]から[9]のいずれかに記載の肝疾患治療剤。
[11](i)採取した脂肪組織から分離した間質細胞を培養する工程、
(ii)工程(i)で得られた脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、
(iii)融解された脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、ならびに
(iv)工程(iii)で融解された脂肪組織由来間質細胞を輸液製剤と混合する工程
を有する、脂肪組織由来間質細胞を含む肝疾患治療剤の製造方法。
[12]前記凍結保存が、凍結保存液を用いて行われ、工程(iv)が、融解された脂肪組織由来間質細胞を含む凍結保存液と輸液製剤とを混合する工程である、[11]に記載の製造方法。
[13]前記脂肪組織由来間質細胞が、ヒト脂肪組織由来間質細胞である、[11]または[12]に記載の製造方法。
[14]前記工程(i)の培養が、少なくとも1継代行われる、[11]から[13]のいずれかに記載の製造方法。
[15]前記工程(ii)において、融解された脂肪組織由来間質細胞を培養する工程をさらに含む、[11]から[14]のいずれかに記載の製造方法。
[16]前記凍結保存が、液体窒素上の気相で行われる、[11]から[15]のいずれかに記載の製造方法。
[17]前記凍結保存液が、DMSOを含む溶液である、[12]から[16]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、凍結保存および融解された脂肪組織由来間質細胞を用い、肝疾患を治療することが可能となる。従って、本発明は凍結保存および融解された脂肪組織由来間質細胞を含む肝疾患治療剤を提供する。さらに、本発明は、凍結保存された脂肪組織由来間質細胞を含む肝疾患治療剤の製造方法を提供する。
図1は、四塩化炭素(CCl)を0.5mL/kg投与して作製した肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した後の血清中のAST(Aspartate transaminase)(左図)およびALT(Alanine transaminase)(右図)の測定結果を示す。図中、CClは、乳酸リンゲル液のみを投与した対照群、CCl+MSCは、ヒト脂肪組織由来間質細胞投与の治療群を示す。 図2は、CClを、0.0625mL/kg投与して作製した急性肝炎モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した後の血清中のAST(左図)およびALT(右図)の測定結果を示す。図中、G1は、PBSのみを投与した対照群の結果であり、G2は、培養後のヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した治療群の結果であり、G3は、凍結融解直後のヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した治療群の結果である。 図3は、CClを、0.0625mL/kg投与して作製した急性肝炎モデルマウスへCClの投与前および後にヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した後の血清中のAST(左図)およびALT(右図)の測定結果を示す。図中、G1は、PBSのみを投与した対照群の結果であり、G2は、CCl投与前にヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した治療群の結果であり、G3は、CCl投与後にヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した治療群の結果である。 図4は、コンカナバリンA typeIVを20mL/kg投与して作製した劇症肝炎モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した後の血清中のAST(左図)およびALT(右図)の測定結果を示す。図中、G1は、PBSのみを投与した対照群の結果であり、G2は、ヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した治療群の結果である。 図5は、コンカナバリンA typeIVを20mL/kg投与して作製した劇症肝炎モデルマウスへ各用量のヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した後の血清中のAST(左図)およびALT(右図)の測定結果を示す。図中、G1は、乳酸リンゲル液のみを投与した対照群の結果であり、G2は、ヒト脂肪組織由来間質細胞を中用量(1.5×10cells/kg)投与した治療群の結果であり、G3は、ヒト脂肪組織由来間質細胞を高用量(5×10cells/kg)投与した治療群の結果である。 図6は、健常マウスへSTEM-CELLBANKERを投与した、もしくはCClを、0.0625mL/kg投与して作製した急性肝炎モデルマウスへSTEM-CELLBANKERまたはSTEM-CELLBANKERへ溶解したヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した後の血清中のAST(左図)およびALT(右図)の測定結果を示す。図中、G1は、健常マウスへSTEM-CELLBANKERのみを投与した対照群の結果であり、G2は、肝硬変モデルマウスへSTEM-CELLBANKERを投与した対照群の結果であり、G3は、肝硬変モデルマウスへSTEM-CELLBANKERへ懸濁したヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した治療群の結果である。 図7Aは、各濃度のCClを、1mL/kg投与して作製した肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した後の摘出肝臓をマッソントリクローム染色し、線維化をスコア化した結果を示す。図7Bは、各濃度のCClを、1mL/kg投与して作製した肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した後の摘出肝臓におけるハイドロキシプロリンの量を測定した結果を示す。図中、Normalは、健常マウスの結果であり、10%は、10v/v%で調整したCClを投与した肝硬変モデルマウスの結果であり、10%+MSCは、10v/v%で調整したCClを投与した肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した治療群の結果であり、25%は、25v/v%で調整したCClを投与した肝硬変モデルマウスの結果であり、25%+MSCは、25v/v%で調整したCClを投与した肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した治療群の結果である。 図8は、CClを、複数回投与して作製した肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した後の摘出肝臓におけるハイドロキシプロリンの量を測定した結果を示す。図中、Normalは、健常マウスの結果であり、CClは、肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与しない対照群の結果であり、CCl+MSCは、肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した治療群の結果である。 図9は、コリン欠乏アミノ酸調整飼料の摂餌による非アルコール性脂肪性肝炎モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した後の摘出肝臓におけるハイドロキシプロリンの量を測定した結果を示す。図中、Normalは、健常マウスの結果であり、NASHは、非アルコール性脂肪性肝炎モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与しない対照群の結果であり、NASH+MSCは、非アルコール性脂肪性肝炎モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与した治療群の結果である。 図10は、CClを、複数回投与して作製した肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を単回投与または複数回投与した後の摘出肝臓におけるハイドロキシプロリンの量を測定した結果を示す。図中、Normalは、健常マウスの結果であり、Vehicle controlは、肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞を投与しない対照群の結果であり、hADSC(TRB02)単回投与は、肝硬変モデルマウスへ脂肪組織由来間質細胞(TRB02)を単回投与した治療群の結果であり、hADSC(TRB03)単回投与は、肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞(TRB03)を単回投与した治療群の結果であり、hADSC(TRB03)隔週計4回投与は、肝硬変モデルマウスへヒト脂肪組織由来間質細胞(TRB03)を複数回投与した治療群の結果である。 図11は、THP1細胞由来のマクロファージとヒト脂肪組織由来間質細胞を共培養した際のマクロファージにおける各炎症マーカー(IL6、CCL2、IL1βおよびTNF)を定量PCRで測定した結果を示す。図中白色バーは、LPS刺激なしの結果であり、黒色バーは、LPS刺激ありの結果である。「-」はTHP1細胞由来のマクロファージのみ、「+」はTHP1細胞由来のマクロファージとヒト脂肪組織由来間質細胞の共培養であることを示す。
本発明において「脂肪組織」とは、脂肪細胞と微小血管細胞を含む間質細胞を含有する組織を意味し、例えば、哺乳動物の皮下脂肪を外科的切除または吸引して得られる組織である。好ましくは、ヒトの皮下脂肪である。皮下脂肪の供給個体は、生存していても死亡していてもよいが、本発明において用いる脂肪組織は、好ましくは、生存個体から採取された組織である。個体から採取する場合、脂肪吸引は、例えば、PAL(パワーアシスト)脂肪吸引、エルコーニアレーザー脂肪吸引、または、ボディジェット脂肪吸引などが例示され、細胞の状態を維持するという観点から、超音波等を用いないことが好ましい。
本発明における「間質細胞」は、間葉系に属する細胞(骨細胞、心筋細胞、軟骨細胞、腱細胞、脂肪細胞など)への分化能を有し、当該能力を維持したまま増殖できる細胞を意味する。本発明において、間質細胞は、間葉系幹細胞と同じ細胞を意味し、特に区別をつけるものではない。脂肪組織由来間質細胞とは、脂肪組織に含有される間質細胞を意味し、脂肪由来間葉系幹細胞と称しても良い。
本発明において、脂肪組織由来間質細胞とは、脂肪組織由来間質細胞を含む任意の細胞集団を意味する。当該細胞集団は、少なくとも20%以上、好ましくは、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、93%、96%、97%、98%または99%が脂肪組織由来間質細胞である。
当該脂肪組織由来間質細胞は、例えば、米国特許第6,777,231号に記載の製造方法によって得られて良く、例えば、以下の工程(a)~(c)を含む方法で製造することができる:
(a) 脂肪組織を酵素による消化により細胞懸濁物を得る工程;
(b) 細胞を沈降させ、細胞を適切な培地に再懸濁する工程;および
(c) 細胞を固体表面で培養し、固体表面への結合を示さない細胞を除去する工程。
工程(a)において用いる脂肪組織は好ましくは、洗浄されたものを用いる。洗浄は、生理学的に適合する生理食塩水溶液(例えばリン酸緩衝食塩水(PBS))を用いて、激しく攪拌して沈降させることによって行い得る。これは、脂肪組織に含まれる夾雑物(デブリとも言い、例えば損傷組織、血液、赤血球など)を組織から除去するためである。従って、洗浄および沈降は一般に、上清からデブリが総体的に除去されるまで繰り返される。残存する細胞は、さまざまなサイズの塊として存在するので、細胞そのものの損傷を最小限に抑えながら解離させるため、洗浄後の細胞塊を、細胞間結合を弱めるか、または破壊する酵素(例えばコラゲナーゼ、ディスパーゼ、トリプシンなど)で処理することが好ましい。このような酵素の量および処理期間は、使用される条件に依存して変わるが、当技術分野で既知である。このような酵素処理に代えて、または併用して、細胞塊を、機械的な攪拌、超音波エネルギー、熱エネルギーなどの他の処理法で分解することができるが、細胞の損傷を最小限に抑えるため、酵素処理のみで行うことが好ましい。酵素を用いた場合、細胞に対する有害な作用を最小限に抑えるために、適切な期間をおいた後に培地等を用いて酵素を失活させることが望ましい。
工程(a)により得られる細胞懸濁物は、凝集状の細胞のスラリーまたは懸濁物、ならびに各種夾雑細胞、例えば赤血球、平滑筋細胞、内皮細胞、および線維芽細胞を含む。従って、続いて凝集状態の細胞とこれらの夾雑細胞を分離、除去してもよいが、後述する工程(c)での接着および洗浄により、除去可能であることから、当該分離、除去は割愛しても良い。夾雑細胞を分離、除去する場合、細胞を上清と沈殿に強制的に分ける遠心分離によって達成しえる。得られた夾雑細胞を含む沈殿は、生理学的に適合する溶媒に懸濁させる。懸濁状の細胞には、赤血球を含む恐れがあるが、後述する個体表面への接着による選択により、赤血球は除外されるため、溶解する工程は必ずしも必要ではない。赤血球を選択的に溶解する方法として、例えば、塩化アンモニウムによる溶解による高張培地または低張培地中でのインキュベーションなど、当技術分野で周知の方法を使用することができる。溶解後、例えば濾過、遠心沈降、または密度分画によって溶解物を所望の細胞から分離してもよい。
工程(b)において、懸濁状の細胞において、間質細胞の純度を高めるために、1回もしくは連続して複数回洗浄し、遠心分離し、培地に再懸濁してもよい。この他にも、細胞を、細胞表面マーカープロファイルを基に、または細胞のサイズおよび顆粒性を基に分離しても良い。
再懸濁において用いる培地は、間質細胞を培養できる培地であれば、特に限定されないが、このような培地は、基礎培地に、血清を添加する、および/または、例えば、アルブミン、トランスフェリン、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロールなどの1つ以上の血清代替物を添加して作製してもよい。これらの培地は、必要に応じて、さらに脂質、アミノ酸、ビタミン、増殖因子、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を添加しても良い。このような培地は、例えば、PromoCell社、Lonza社、Biological Industries社、Veritas社、R&D Systems社、Corning社およびRohto社などから間葉系幹細胞(間質細胞)用として予め調製された培地として提供されている。基礎培地は、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle’s Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco’s modified Eagle’s Medium(DMEM)培地、Ham’s F12培地、RPMI 1640培地、Fischer’s培地、これらの混合培地などが挙げられる。血清は、例えば、ヒト血清、ウシ胎児血清(FBS)、ウシ血清、仔ウシ血清、ヤギ血清、ウマ血清、ブタ血清、ヒツジ血清、ウサギ血清、ラット血清などがあるがこれらに限定されない。血清を用いる場合、基礎培地に対して、5v/v%から15v/v%、好ましくは、10v/v%を添加しても良い。増殖因子は、例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)、および塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)等が例示されるが、これらに限定されない。アミノ酸は、例えば、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン酸、L-アスパラギン、L-システイン、L-シスチン、L-グルタミン酸、L-グルタミン、L-グリシンなどを含むがこれらに限定されない。本発明において得られる脂肪由来間質細胞を細胞移植に用いるという観点から、異種由来成分を含まない(ゼノフリー)培地を用いることが好ましい。
続いて、工程(c)として、工程(b)で得られた細胞懸濁液を分化させずに固体表面上で、上述の適切な細胞培地を使用して、適切な細胞密度および培養条件で培養する。本発明において、「固体表面」とは、本発明の脂肪組織由来間質細胞の結合を可能とする任意の材料を意味する。特定の態様では、このような材料は、その表面への哺乳類細胞の結合を促すように処理されたプラスチック材料である。固体表面を有する培養容器の形状は特に限定されないが、シャーレやフラスコなどが好適に用いられる。非結合状態の細胞および細胞の破片を除去するために、インキュベーション後に細胞を洗浄する。
本発明では、最終的に固体表面に結合した状態で留まる細胞を、脂肪組織由来間質細胞の細胞集団として選択することができる。
特に限定されないが、選択された細胞について、本発明の脂肪組織由来間質細胞であることを確認するために、表面抗原についてフローサイトメトリー等を用いて従来の方法で解析しても良い。さらに、各細胞系列に分化する能力について検査してもよく、このような分化は、従来の方法で行うことができる。
本発明の脂肪組織由来間質細胞は、上述の通り製造することができるが、次の群からなる特性を持つ細胞として定義してもよい;
(a)標準培地での培養条件で、プラスチックに接着性を示す、
(b)表面抗原CD105,CD73,CD90が陽性であり、CD45,CD34,CD11b,CD19,HLA-DRが陰性であり、および
(c)培養条件にて骨細胞、脂肪細胞、軟骨細胞に分化可能。
本発明の脂肪組織由来間質細胞は、肝疾患治療剤として用いるため、適宜、凍結保存および融解を繰り返しても良く、好ましくは、凍結保存および融解を少なくとも2度行うことであり、例えば、2度以上、3度以上、4度以上、5度以上であり、10度以下、9度以下、8度以下、7度以下、6度以下の凍結保存および融解の回数が挙げられる。さらに好ましくは、凍結保存および融解を2度行うことである。脂肪組織由来間質細胞を含む肝疾患治療剤を調製する過程において、このような凍結保存および融解の工程を複数回導入することによって、評価試験により不適合が確認され、当該細胞を廃棄することとなる場合、融解後に行う余分な工程の実施を避けることで、製造コストを抑制することができる。この他にも、肝疾患治療剤を調製する過程の途中で、作業を中断することができ、製造工程の人為的な制御を可能とする。さらに、このように凍結保存および融解を2度以上行っても、本発明の肝疾患治療剤は優れた治療効果を保持している。このような凍結保存および融解を少なくとも2度行う場合、例えば、(1)脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、(2)当該融解した細胞を培養する工程、および(3)当該培養した細胞を凍結保存および融解する工程を含む方法を用いることができる。ドナーから採取した脂肪組織を入手した場合、(i)採取した脂肪組織から分離した間質細胞を培養する工程、(ii)工程(i)で得られた脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、(iii)融解された脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、ならびに(iv)工程(iii)で融解された脂肪組織由来間質細胞を輸液製剤と混合する工程を含む方法が挙げられ、好ましくは、前記工程(ii)の後、融解された脂肪組織由来間質細胞を培養する工程をさらに含む方法である。必要に応じて、工程(iii)は繰り返すことができる。工程(iii)を繰り返す場合、凍結保存の前に脂肪組織由来間質細胞を培養する工程をさらに含んでもよい。
本発明において、凍結保存は、当業者に周知の凍結保存液へ脂肪組織由来間質細胞を懸濁し、冷却することによって行い得る。当該懸濁は、細胞をトリプシンなどの剥離剤によって剥離し、凍結保存容器に移し、適宜、処理した後、凍結保存液を加えることによって行い得る。凍結保存液は、例えば、バイオベルデ社、日本ジェネティクス株式会社、リプロセル社、ゼノアック社、コスモ・バイオ社、コージンバイオ株式会社、サーモフィッシャーサイエンティフィック社などから提供されている凍結保存液を用いても良い。
凍結保存液は、DMSO(Dimethyl sulfoxide)を含有していても良いが、DMSOは、細胞毒性に加えて、間質細胞を分化誘導する特性を有することから、DMSO含有量を減らすことが好ましい。DMSOの代替物として、グリセロールまたは多糖類が例示される。DMSOを用いる場合、5%~20%の濃度、好ましくは5%~10%の濃度、より好ましくは10%の濃度を含有することで、凍結時の細胞障害を抑制することができる。
上述の懸濁した細胞を凍結保存する場合、-80℃~-100℃の間の温度(例えば、-80℃)で保管することで良く、当該温度に達成しえる任意のフリーザーを用いて行い得る。特に限定されないが、急激な温度変化を回避するため、プログラムフリーザーを用いて、冷却速度を適宜制御しても良い。冷却速度は、凍結保存液の成分によって適宜選択しても良く、凍結保存液の製造者指示に従っても良い。
保存期間は、特に限定されないが、例えば、1週間以上、2週間以上、3週間以上、4週間以上、2か月以上、3か月以上、4か月以上、5か月以上、6か月以上、1年以上、もしくはそれ以上が挙げられる。より低い温度で保存することで細胞障害を抑制することができるため、-80℃~-100℃の間の温度から、液体窒素上の気相(約-150℃以下から-180℃以下)へ移して保存しても良い。液体窒素上の気相で保存する場合、当業者に周知の保存容器を用いて行うことができる。特に限定されないが、例えば、2週間以上保存する場合、液体窒素上の気相で保存することが好ましい。
融解した脂肪組織由来間質細胞または脂肪組織から分離した間質細胞は、次の凍結保存までに適宜、培養することが好ましい。培養は、上述した間質細胞を培養できる培地を用いて行われ、特に限定されないが、約30~40℃、好ましくは約37℃の培養温度で、CO含有空気の雰囲気下で行われても良い。CO濃度は、約2~5%、好ましくは約5%である。培養において、培養容器に対して適切なコンフルエンシー(例えば、培養容器に対して、50%から80%を細胞が占有することが挙げられる)に達した後に、継代を行っても良い。本発明において、継代とは、細胞をトリプシンなどの剥離剤によって剥離し、別途用意した培養容器に適切な細胞密度で播種することである。継代において、典型的な細胞密度として、約100細胞/cm~約100,000細胞/cm、約500細胞/cm~約50,000細胞/cm、約1,000~10,000細胞/cm 、約2,000~10,000細胞/cmなどが例示される。特定の態様では、細胞密度は2,000~10,000細胞/cmである。適切なコンフルエンシーに達するまでの期間が、3日間から7日間となるように調整することが好ましい。培養中、必要に応じて、適宜、培地を交換しても良い。
凍結保存した細胞の融解は、当業者に周知の方法によって行い得る。例えば、37℃の恒温槽内または湯浴中にて静置または振とうすることによって行う方法が例示される。融解した細胞は、再度凍結保存する前に、培養してもよく、後述する治療剤として調製されても良い。培養する場合は、上述の継代と同様に、別途用意した培養容器に適切な細胞密度で播種することによって行い得る。
脂肪組織由来間質細胞は、培養方法によって、肝疾患への治療効果を失うことなく数回継代し、その数を増やすことができるが、継代回数はより少ないことが好ましい。一方、培養によって肝疾患治療に必要な細胞数を確保するため、継代を行うことが好ましい。本発明の治療に用いる脂肪組織由来間質細胞は、例えば、8回以下、7回以下、6回以下、5回以下、4回以下、または3回以下の継代を経た細胞であることが好ましい。より好ましくは、4回以下の継代を経た細胞である。本発明では、細胞を剥離し、凍結保存し、融解することを1回の継代として計数しても良い。このような脂肪組織由来間質細胞を得る態様として、(1)脂肪組織から分離された間質細胞を少なくとも1回の継代を伴い培養する工程、(2)凍結保存する工程、(3)融解する工程、(4)培養する工程、(5)凍結保存する工程、および(6)融解する工程が例示される。
上記で調製した脂肪組織由来間質細胞は肝疾患の治療剤として利用が可能である。本発明において、肝疾患とは、肝炎、肝硬変、脂肪肝などが例示され、当該疾患は、原因によるウイルス性、アルコール性、非アルコール性、先天性、自己免疫性、代謝障害性、または薬剤性といった分類、罹患期間による急性または慢性といった分類、また、病態の進行による代償性または非代償性といった分類がなされるが、これらの分類のすべてが肝疾患に含有される。後述する実施例にて提示するように、脂肪組織由来間質細胞によって肝臓における線維化を抑制することから、肝疾患治療には、肝臓の線維化を抑制することも含有される。本発明において、脂肪組織由来間質細胞は、好適には、肝炎、または肝硬変の治療に用いられる。
肝疾患の治療剤として用いるため、脂肪組織由来間質細胞は、ヒト由来の脂肪組織から分離された間質細胞であることが望ましく、凍結保存した脂肪組織由来間質細胞を用いるという観点から、肝疾患を罹患した投与対象ではない、他の対象から脂肪組織を採取することが望ましい。すなわち、脂肪組織由来間質細胞は、被験体に対して同種異系であることが好ましい。
本発明によれば、上記した脂肪組織由来間質細胞を有効成分として含む肝疾患治療剤が提供される。さらに本発明によれば、細胞移植治療のために使用される、上記した脂肪組織由来間質細胞が提供される。更に本発明によれば、肝疾患に罹患した被験者に、上記の脂肪組織由来間質細胞の治療有効量を投与する工程を含む、被験者に細胞を移植する方法、並びに被験者の疾患の治療方法が提供される。
上記の方法により得られた凍結保存された脂肪組織由来間質細胞は、融解後、輸液製剤と混合することで、脂肪組織由来間質細胞物を含む肝疾患治療剤を製造することができる。混合にあっては、融解後の細胞が懸濁された凍結保存液を輸液製剤と混合しても良く、遠心分離等により細胞を溶媒と分離した後、細胞のみを輸液製剤と混合しても良い。手技の煩雑さを回避するため、融解後、培養する工程を含まないこと、または融解後の細胞が懸濁された凍結保存液を直接輸液製剤と混合することが好ましい。このことは後述する実施例7に提示しているとおり、10%のDMSOを含有する凍結保存液としてゼノアック社より市販されているステムセルバンカーと共に投与しても、肝障害マーカーを低下させることができることによって当該手技による有効性が確認されている。細胞を混合した輸液製剤は、さらに、薬学的に許容される担体を含んでも良い。本発明において、担体とは、治療薬を投与するための希釈剤、アジュバント、賦形剤、pH緩衝剤、等張化剤、タンパク質(例えば、アルブミン等の血清成分である)および糖類(例えば、グルコース)が例示される。なお、本発明の肝疾患治療剤には、凍結した脂肪組織由来間質細胞と輸液製剤とを組み合わせたキットも含まれる。
本発明における「輸液製剤」としては、ヒトの治療の際に用いられる溶液であれば特に限定されないが、たとえば、生理食塩水、日局生理食塩液、5%ブドウ糖液、日局ブドウ糖注射液、日局リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液、1号液(開始液)、2号液(脱水補給液)、3号液(維持液)、4号液(術後回復液)等が挙げられる。
本発明の肝疾患治療剤の投与方法は、特に限定されないが、例えば、皮下注射、リンパ節内注射、静脈内注射、門脈内注射、腹腔内注射、胸腔内注射、肝動脈内注射又は肝または脾臓への直接注射ことなどが挙げられるが、好ましくは、静脈内注射、門脈内注射、脾臓内投与である。
本発明の肝疾患治療剤の投与量は、被験者に投与した場合に、投与していない被験者と比較して疾患に対して治療効果を得ることができる細胞量である。具体的な投与量は、投与形態、投与方法、使用目的および被験者の年齢、体重及び症状等によって適宜決定することができるが、一例としては、脂肪組織由来間質細胞数で、ヒト(例えば成人)の1回の投与当たり1×10~1×10個/kg体重が好ましく、1×10~1×10個/kg体重がより好ましく、1×10~1×10個/kg体重がさらに好ましい。
本発明の肝疾患治療剤の投与回数としては、上記投与量を一日1回であっても、複数回に分けて投与しても良い。さらに、上記投与量を適宜、日を置いて投与しても良い。日を置いて投与する場合、1回の投与量を適宜増減させても良い。
本発明の肝疾患治療剤は、他の治療薬と併用して用いても良く、単剤として用いても良い。
以下の実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]本発明の肝疾患治療剤の調製
ヒト脂肪組織由来間質細胞の樹立
ヒトドナーから同意を得た後、脂肪吸引法で得た皮下脂肪組織を生理食塩液で洗浄した。細胞外基質の破壊、および細胞の単離を達成するために、リベラーゼ(Roche社)(溶媒は生理食塩液)を添加し、37℃で90分間振倒し、分散した。続いて、この上記懸濁液を800gで5分間、遠心分離して間質血管細胞群の沈殿を得た。
上記細胞の沈殿に間質細胞用無血清培地(Rohto社)を加え、当該細胞懸濁液を400gで5分間遠心分離し、上清除去後に間質細胞用無血清培地(Rohto社)に再懸濁し、フラスコに細胞を播種した。
細胞を37℃で数日間、5% CO雰囲気中で培養した。数日後に培養物をPBSで洗浄して、培養液中に含まれていた血球や脂肪組織の残存等を除去し、プラスチック容器に接着している間質細胞を得た。
ヒト脂肪組織由来間質細胞の凍結保存
得られたヒト脂肪組織由来間質細胞を遠沈管に分注し、400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、細胞凍結保存液(STEM-CELLBANKER(ゼノアック社))を適量加え懸濁した。当該細胞懸濁溶液を、クライオチューブに分注した後、フリーザー内で-80℃にて保存後、液体窒素上の気相に移し、保存を継続した。
ヒト脂肪組織由来間質細胞の融解
37℃の恒温槽で、クライオチューブ中に凍結保存したヒト脂肪組織由来間質細胞を溶解させ遠沈管に移し、間質細胞用無血清培地(Rohto社)で希釈した後、400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、間質細胞用無血清培地(Rohto社)に懸濁し、フラスコに播種した。数日後にトリプシンを加え、細胞を剥離し、細胞を希釈したうえ、新たなフラスコに播種した。処理した皮下脂肪組織を播種してからトリプシンによる剥離・細胞の回収を1継代とし、計4継代することで、拡大培養を行った。得られたヒト脂肪組織由来間質細胞を上述のとおり、凍結保存した。疾患個体に対して投与する際には、後述の実施例で示す通りこの凍結細胞を融解し、適切な懸濁液に懸濁したものを本発明の肝疾患治療剤として用いた。
[実施例2]肝硬変の治療効果検討試験1
投与細胞の調製
上述の通り保存したヒト脂肪組織由来間質細胞を上述の方法で融解し、400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、乳酸リンゲル液を加えて再懸濁した。生細胞数を計数し、生細胞密度が5×10cells/mLとなるように乳酸リンゲル液を加え調製した。
モデルマウスの作製および治療効果
四塩化炭素(CCl)(和光純薬工業株式会社またはSigma-Aldrich社)をオリブオイル(和光純薬工業株式会社)で希釈し5v/v%濃度の溶液を作製し、CClを0.5mL/kgでBALB/cマウスの腹腔内に週2回の頻度で8週間繰返し投与することで肝硬変モデルを作製した。CClの繰返し投与開始4週後に、1×10個のヒト脂肪組織由来間質細胞を尾静脈より投与した。陰性対照として、乳酸リンゲル液のみを投与した群を用意した。評価のため、CClの繰返し投与の開始8週後に血液を採取し、生化学的検査を行った。その結果、肝細胞の傷害の程度を示すASTおよびALTが細胞投与群で低下傾向を示すことが確認された(図1)。
[実施例3]急性肝炎の治療効果検討試験1
投与細胞の調製
上述の通り保存したヒト脂肪組織由来間質細胞を上述の方法で融解し、400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、PBSに懸濁し、予め37℃に温めた間質細胞用無血清培地(Rohto社)中に播種し、4日間培養し、トリプシン処理により細胞を剥離させ、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、乳酸リンゲル液に溶解し、1×10cells/200μLとした(Cultured MSC:G2)。一方、上述の通り保存したヒト脂肪組織由来間質細胞を上述の方法で融解し、400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、乳酸リンゲル液に溶解し、1×10cells/200μLとした(Cryopreserved MSC:G3)。
モデルマウスの作製および治療効果
CClをオリブオイルで希釈し1.25v/v%濃度の溶液を作製し、CClを0.0625mL/kgでBALB/cマウスの腹腔内に投与することで急性肝炎モデルを作製した。CCl投与1日後に、1×10cells/200μLのヒト脂肪組織由来間質細胞を尾静脈より投与した。陰性対照として、乳酸リンゲル液のみを投与した群を用意した。評価のため、CCl投与2日後(細胞投与1日後)に、血液を採取し、生化学的検査を行った。その結果、肝細胞の傷害の程度を示すASTおよびALTが細胞投与群で低下傾向を示すことが確認された(図2)。
[実施例4]急性肝炎の治療効果検討試験2
投与細胞の調製
上述の通り保存したヒト脂肪組織由来間質細胞を上述の方法で融解し、400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、PBSに懸濁し、予め37℃に温めた間質細胞用無血清培地(Rohto社)中に播種し、数日間培養後、トリプシン処理により細胞を剥離させ、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、乳酸リンゲル液に溶解し、1×10cells/200μLとした。
モデルマウスの作製および治療効果
CClをオリブオイルで希釈し1.25v/v%濃度の溶液を作製し、CClを0.0625mL/kgでBALB/cマウスの腹腔内に投与することで急性肝炎モデルを作製した。CCl投与4時間後、1×10cells/200μLのヒト脂肪組織由来間質細胞を尾静脈より投与した(G2)。陰性対照として、PBSのみを投与した群を用意した(G1)。一方、1×10cells/200μLのヒト脂肪組織由来間質細胞を尾静脈より投与し、その4時間後、0.0625mL/kgのCClを腹腔内に投与し、急性肝炎モデルを作製した(G3)。
評価のため、CCl投与1日後に、血液を採取し、生化学的検査を行った。その結果、肝炎惹起前後のいずれの細胞投与によっても肝細胞の傷害の程度を示すASTおよびALTが低下傾向を示すことが確認された(図3)。
[実施例5]劇症肝炎の治療効果検討試験1
投与細胞の調製
上述の通り保存したヒト脂肪組織由来間質細胞を上述の方法で融解し、200gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、間質細胞用無血清培地(Rohto社)に懸濁後、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、乳酸リンゲル液に溶解し、1×10cells/200μLとした。
モデルマウスの作製および治療効果
PBSにコンカナバリンA typeIV(Sigma-Aldrich社)を溶解し4mg/mL濃度の溶液を作製し、20mL/kgで腹腔内に投与することで劇症肝炎モデルを作製した。30分後、5×10cells/kgでヒト脂肪組織由来間質細胞を尾静脈より投与した(G2)。陰性対照として、PBSのみを投与した群を用意した(G1)。
評価のため、コンカナバリンA投与1日後に、血液を採取し、生化学的検査を行った。その結果、細胞投与により肝細胞の傷害の程度を示すASTおよびALTが低下傾向を示すことが確認された(図4)。
[実施例6]劇症肝炎の治療効果検討試験2
投与細胞の調製
上述の通り保存したヒト脂肪組織由来間質細胞を上述の方法で融解し、200gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、間質細胞用無血清培地(Rohto社)に懸濁し、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、乳酸リンゲル液に溶解し、1×10cells/200μLとした。
モデルマウスの作製および治療効果
PBSにコンカナバリンA typeIVを溶解し4mg/mL濃度の溶液を作製し、20mL/kgで腹腔内に投与することで劇症肝炎モデルを作製した。30分後1.5×10cells/kg(中用量群、G2)および5×10cells/kg(高用量群、G3)でヒト脂肪組織由来間質細胞を尾静脈より投与した。陰性対照として、乳酸リンゲル液のみを投与した群を用意した(G1)。
評価のため、コンカナバリンA投与1日後に、血液を採取し、生化学的検査を行った。その結果、細胞投与により肝細胞の傷害の程度を示すASTおよびALTが低下傾向を示すことが確認された(図5)。
[実施例7]急性肝炎の治療効果検討試験3
投与細胞の調製
上述の通り保存したヒト脂肪組織由来間質細胞を上述の方法で融解し、STEM-CELLBANKERを加えて1×10cells/200μLとした。
モデルマウスの作製および治療効果
CClをオリブオイルで希釈し1.25v/v%濃度の溶液を作製し、0.0625 mL/kgでBALB/cマウスの腹腔内に投与することで急性肝炎モデルを作製した。CCl投与1日後、1×10cells/200μLのヒト脂肪組織由来間質細胞を尾静脈より投与した(G3)。比較対象として、200μL~800μLのSTEM-CELLBANKERを投与した群を用意した(G2)。一方、BALB/cマウスのオリブオイルのみを投与した健常モデルに対して、200μL~800μLのSTEM-CELLBANKERを投与した(G1)。
評価のため、CCl投与2日後(細胞投与1日後)に、血液を採取し、生化学的検査を行った。その結果、STEM-CELLBANKER自体は、肝炎を誘発しないこと、および肝炎の治療効果がないことが確認された。また、STEM-CELLBANKERと共に細胞を投与しても肝細胞の傷害の程度を示すASTおよびALTが低下傾向を示すことが確認された(図6)。
[実施例8]肝硬変の治療効果検討試験2
投与細胞の調製
凍結保存していたヒト脂肪組織由来間質細胞(hADSC、ロンザ社)を上述の方法で融解し、200gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、PBSに懸濁し、予め37℃に温めた間質細胞用無血清培地(Rohto社))中に播種し、4日間培養した。得られた細胞を、アクターゼ処理により剥離させ、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、乳酸リンゲル液に溶解し、5.4×10cells/mLとした。
モデルマウスの作製および治療効果
CClをオリブオイルで希釈し10v/v%および25v/v%の濃度の溶液を作製し、投与量を適宜調整することで、1mL/kgの用量のCClをBALB/cマウスの腹腔内に週2回の頻度で8週間繰返し投与することで肝硬変モデルを作製した。CClの繰返し投与開始4週後に、1×10cellsのヒト脂肪由来幹細胞を尾静脈より投与した(10%+MSC群及び25%+MSC群)。陰性対照として、ヒト脂肪由来幹細胞を投与しない群(10%群及び25%群)を用意した。また、CClを投与しない正常動物(Normal群)を用意した。
評価のため、CClの繰返し投与開始8週後に、肝臓を摘出し、マッソントリクローム染色標本観察による肝線維化スコアリング及び肝組織中ハイドロキシプロリン含量測定によって肝線維化の強度を評価した。その結果、肝線維化惹起時のCClの濃度にかかわらず、細胞投与群で肝線維化を抑制していることが確認された(図7AおよびB)。
[実施例9]肝硬変の治療効果検討試験3
投与細胞の調製
上述の通り保存したヒト脂肪組織由来間質細胞を上述の方法で融解し、200gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、乳酸リンゲル液に懸濁させ、5×10cells/mLとした。
モデルマウスの作製および治療効果
CClをオリブオイルで希釈し50v/v%および75v/v%の濃度の溶液を作製し、投与量を適宜調整することで、1mL/kgの用量のCClをBALB/cマウスの腹腔内に週2回の頻度で8週繰返し投与することで肝硬変モデルを作製した。CClの繰返し投与の開始4週後に、1×10cellsのヒト脂肪組織由来間質細胞を尾静脈より投与した(CCl+MSC)。陰性対照として、CClを投与するがヒト脂肪組織由来間質細胞を投与しない群(CCl)を用意した。また、CClを投与しない正常動物(Normal)を用意した。
評価のため、CClの繰返し投与8週後に、肝臓を摘出し、肝組織中ハイドロキシプロリン含量測定によって肝線維化の強度を評価した。その結果、細胞投与群で肝内のハイドロキシプロリン量の低下傾向を示すことが確認された(図8)。従って、ヒト脂肪組織由来間質細胞の投与により慢性肝炎における線維化を抑制できる可能性が示唆された。
[実施例10]非アルコール性脂肪性肝炎の治療効果検討試験
投与細胞の調製
上述の通り保存したヒト脂肪組織由来間質細胞を上述の方法で融解し、遠心管に集めた。上清を除去した後、乳酸リンゲル液を加え、生細胞が、1.5×10cells/mLとなるよう調製した。
モデルマウスの作製および治療効果
KK-Aマウスにコリン欠乏アミノ酸調製飼料(CDAA)を9週摂餌させることで、非アルコール性脂肪性肝炎モデルマウス(NASH)を作製した。飼料摂餌開始8日目より3×10cellsのヒト脂肪組織由来間質細胞を尾静脈へ、2週に1回、計4回投与した。陰性対照として、通常の飼料の摂餌をさせた群および各非アルコール性脂肪性肝炎モデルマウスへ細胞を投与しなかった群を用意した。
摂餌期間終了の翌日に、肝臓を摘出し、肝組織中ハイドロキシプロリン含量測定によって肝線維化の強度を評価した。その結果、細胞投与群で肝組織中ハイドロキシプロリン量の低下が確認された(図9)。従って、ヒト脂肪組織由来間質細胞の投与により非アルコール性脂肪性肝炎における線維化を抑制できる可能性が示唆された。
[実施例11]肝硬変の治療効果検討試験4
投与細胞の調製
上述の通り保存した2種の脂肪組織由来間質細胞(TRB02またはTRB03)を上述の方法で融解し、遠心管に集めた。遠心分離後、上清を除去し、乳酸リンゲル液を2mL加えた。乳酸リンゲル液を適宜追加し、生細胞が5×10cells/mLとなるよう調製した。
モデルマウスの作製および治療効果
CClをオリブオイルで希釈し10v/v%の濃度の溶液を作製し、10mL/kgの容量でBALB/cマウスの腹腔内に週2回の頻度で8週繰返し投与することで肝硬変モデルを作製した。CClの繰返し投与4週間後に、1×10cellsのヒト脂肪組織由来間質細胞(TRB02またはTRB03)を尾静脈より投与した(単回投与)。また、CClの繰返し投与開始0、2、4および6週間後に、1×10cellsのヒト脂肪組織由来間質細胞を尾静脈より投与した(隔週計4回投与)。陰性対照として、CClを投与しない群ならびにCClを投与するがヒト脂肪組織由来間質細胞を投与しない群を用意した。
評価のため、CClの繰返し投与8週後に、肝臓を摘出し、肝組織中ハイドロキシプロリン含量測定し肝線維化の強度を評価した。その結果、細胞投与群で肝組織中ハイドロキシプロリン量を有意に低下させることが確認された(図10)。従って、ヒト脂肪組織由来間質細胞の投与は単回投与でも肝硬変における線維化を抑制できる可能性が示唆された。
[実施例12]
抗炎症効果の評価
2×10個のTHP-1細胞(理研BRC)を12ウェルプレートに播種し、100 nM Phorbol 12-Myristate 13-Acetate(和光純薬)存在下、72時間培養することでマクロファージへの分化を誘導した。マクロファージの分化誘導後、1μg/mlのLPS(InvivoGen社)添加により活性化を誘導すると共に、ヒト脂肪組織由来間質細胞(hADSC、ロンザ社、継代数4)との共培養を開始した。共培養は、Falconセルカルチャーインサート(コーニング社)を用いて行い、ヒト脂肪組織由来間質細胞は上部チャンバー上に播種した。LPS刺激24時間後に、下部チャンバーよりTHP-1マクロファージを回収し、炎症性サイトカイン(IL6、CCL2、IL1βおよびTNF)のmRNA発現を定量PCRにより測定した(図11)。
その結果、LPS刺激による炎症性サイトカインの発現誘導は、ヒト脂肪組織由来間質細胞との共培養により抑制されることが確認された。従って、ヒト脂肪組織由来間質細胞は、抗炎症作用を有することが示唆された。

Claims (13)

  1. 凍結保存および融解を少なくとも2度行った皮下脂肪組織由来間質細胞を含み前記皮下脂肪組織由来間質細胞が、CD73が陽性であり、CD11b、CD19、HLA-DRが陰性であり、被験体に対して同種異系である、肝炎治療用、肝硬変治療用又は肝臓の線維化の抑制用の肝疾患治療剤。
  2. 前記皮下脂肪組織由来間質細胞が、ヒト皮下脂肪組織由来間質細胞である、請求項1に記載の肝疾患治療剤。
  3. 前記凍結保存および融解を少なくとも2度行うことが、以下の工程を含む、請求項1又は2に記載の肝疾患治療剤;
    (1)皮下脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、
    (2)当該融解した細胞を培養する工程、および
    (3)当該培養した細胞を凍結保存および融解する工程。
  4. 前記皮下脂肪組織由来間質細胞が、4継代以下の皮下脂肪組織由来間質細胞である、請求項1からのいずれか1項に記載の肝疾患治療剤。
  5. 前記凍結保存が、液体窒素上の気相で行われる、請求項1からのいずれか1項に記載の肝疾患治療剤。
  6. 前記凍結保存が、DMSO(Dimethyl sulfoxide)を含む溶液を用いて行われる、請求項1からのいずれか1項に記載の肝疾患治療剤。
  7. (i)採取した皮下脂肪組織から分離した間質細胞を培養する工程、
    (ii)工程(i)で得られた皮下脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、
    (iii)融解された皮下脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、ならびに
    (iv)工程(iii)で融解された皮下脂肪組織由来間質細胞を輸液製剤と混合する工程
    を有する、CD73が陽性であり、CD11b、CD19、HLA-DRが陰性であり、被験体に対して同種異系の皮下脂肪組織由来間質細胞を含む肝炎治療用、肝硬変治療用又は肝臓の線維化の抑制用の肝疾患治療剤の製造方法。
  8. 前記凍結保存が、凍結保存液を用いて行われ、工程(iv)が、融解された皮下脂肪組織由来間質細胞を含む凍結保存液と輸液製剤とを混合する工程である、請求項に記載の製造方法。
  9. 前記皮下脂肪組織由来間質細胞が、ヒト皮下脂肪組織由来間質細胞である、請求項またはに記載の製造方法。
  10. 前記工程(i)の培養が、少なくとも1継代行われる、請求項からのいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記工程(ii)において、融解された皮下脂肪組織由来間質細胞を培養する工程をさらに含む、請求項から10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記凍結保存が、液体窒素上の気相で行われる、請求項から11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記凍結保存液が、DMSOを含む溶液である、請求項から12のいずれか1項に記載の製造方法。
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