以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の符号を付して、重複する説明は省略する。また、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。本明細書では、3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の3次元直交座標系を用い、流路プレートの幅方向をX軸方向とし、奥行き方向をY軸方向とし、高さ(厚さ)方向をZ軸方向とする。以下の説明において、流路プレートの高さ方向の一方の主面側を上又は上方といい、流路プレートの高さ方向の他方の主面側を下又は下方という場合がある。本明細書において数値範囲を示すチルダ「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
[第1の実施形態]
<流路プレート>
第1の実施形態に係る流路プレートについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る流路プレートの斜視図であり、図2は、流路プレートの分解斜視図であり、図3は、流路プレートの平面図である。図1~図3に示すように、本実施形態に係る流路プレート10Aは、流路プレート10Aの平面視において、矩形状に形成され、測定対象液体の成分を分離して測定するものである。
測定対象液体としては、例えば、生体由来の物質(血液、汗、唾液、又は尿等)、薬、医薬品、食品添加物、合成された化学物質(農料等)、又は環境負荷物質(工場等から排出される排水、廃液又は地下水等)が挙げられる。なお、以下の説明では、測定対象液体を、単に、試料(被検体)という場合がある。
図1~図3に示すように、流路プレート10Aは、板状に形成されたプレート本体20A、試料中の成分を分離する分離素子(分離カラム30)、及び検出体40Aを有する。そして、流路プレート10Aには、試料が通る流路が内部に設けられており、分離カラム30及び検出体40Aがこの流路に収容されている。以下、流路プレート10Aを構成する、プレート本体20Aと、分離カラム30と、検出体40Aとについて説明する。
(プレート本体)
図1に示すように、プレート本体20Aは、板状に形成されている。プレート本体20Aは、平面視において(図3参照)、矩形状に形成されており、角に丸みを有する。また、プレート本体20Aは、光透過性を有する。なお、光透過性を有するとは、測定光がプレート本体20Aの外側から照射された際に、プレート本体20Aの内部を透過する透過性を有していることをいう。測定光として、例えば、可視光(波長380nm~780nmの光)や紫外光や赤外光等が挙げられる。
プレート本体20Aは、2つの板状プレート(第1板状プレート201及び第2板状プレート202)を有し、第1板状プレート201と第2板状プレート202とを板厚方向に積層して構成されている。
第1板状プレート201及び第2板状プレート202は、光透過性を有する材料を用いて形成される。前記材料としては、例えば、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂又はガラス等が挙げられる。中でも、製造のし易さ、光が透過可能な波長の範囲の広さ、及び耐薬品性等の点から、シクロオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
第1板状プレート201と第2板状プレート202とは、例えば、熱圧着等による貼り合わせ、又は紫外線硬化樹脂等の接着剤等によって接合される。
プレート本体20Aは、試料が通る流路を有する。この流路は、液体流路21、分離素子収容部22、及び収容部(フローセル23A)を有する。液体流路21、分離素子収容部22及びフローセル23Aは、流路プレート10Aの内部に設けられており、分離素子収容部22及びフローセル23Aは、流路の途中(一部)にプレート本体20Aの外形に沿ってそれぞれ平行に設けられている。
図2に示すように、液体流路21、分離素子収容部22及びフローセル23Aを構成する第1板状プレート201及び第2板状プレート202には、液体流路21、分離素子収容部22及びフローセル23Aに対応した形状の、溝部又は孔が形成されている。本実施形態では、フローセル23Aは、図2に示すように、第1板状プレート201の第1溝部2011Aと第2板状プレート202の第2溝部2021Aとで形成される。
第1板状プレート201及び第2板状プレート202の溝部は、溝部の中心線から見て、液体流路21及び分離素子収容部22については、上下方向及び左右方向に対称に形成されている。すなわち、液体流路21及び分離素子収容部22は、第1板状プレート201と第2板状プレート202との接合面を挟んで対称に形成されている(鏡像関係)。一方、溝部のうち、フローセル23Aを形成する第1溝部2011A及び第2溝部2021Aは、左右方向に対称に形成されているが、上下方向に非対称で形成されている(図6を参照)。第1板状プレート201と第2板状プレート202とを接合することによって、液体流路21、分離素子収容部22及びフローセル23Aが形成される。このように、流路は、図1に示すように、プレート本体20Aの内部に設けられ、プレート本体20A内を試料が通るための通路として機能する。
流路の主要部分を構成する液体流路21は、その口径が、例えば、数nm~数百μmmに設計されている。なお、本実施形態では、液体流路21の口径(内径)の大きさは、口径が円形の場合には、その口径の直径の長さであり、口径が四角形の場合には、その対角線の長さである。
液体流路21の流入口25及び流出口26は、図1に示すように、第1板状プレート201の+Z軸方向の同一の主面側に設けられている。流入口25及び流出口26は、流路プレート10Aの平面視において、第1板状プレート201の主面の+Y軸方向の辺側に対向するように設けられている。流入口25及び流出口26は、図3に示すように、流路プレート10Aの平面視において、それぞれ、略円形に形成されている。
液体流路21は、図1に示すように、第1液体流路211、第2液体流路212、第3液体流路213、第4液体流路214及び第5液体流路215を有する。液体流路21は、流入口25から流出口26にかけて、流路プレート10Aの平面視において(図3参照)、分離素子収容部22とフローセル23Aとを間に介して、折り返し構造となっている。
第1液体流路211は、図1に示すように、流入口25から流路プレート10Aの厚さ方向(-Z軸方向)に略垂直に形成されている。第1液体流路211は、流入口25から-Z軸方向に沿って、第1板状プレート201と第2板状プレート202との境界部分まで伸び、第2液体流路212に連結されている。
第2液体流路212は、図1に示すように、第1液体流路211と分離素子収容部22とを連結している。本実施形態では、第2液体流路212は、第1液体流路211から、第1板状プレート201と第2板状プレート202との境界部分に沿って流路プレート10Aの-Y軸方向に伸び、分離素子収容部22に連結されている。
第3液体流路213は、図1に示すように、隣接する分離素子収容部22とフローセル23Aとの間を連結している。本実施形態では、第3液体流路213は、分離素子収容部22から第1板状プレート201と第2板状プレート202との境界部分に沿って流路プレート10Aの-Y軸方向に途中まで伸びた後、+X軸方向に屈曲して、フローセル23Aに連結されている。
第4液体流路214は、図1に示すように、フローセル23Aと第5液体流路215とを連結している。本実施形態では、第4液体流路214は、フローセル23Aから第1板状プレート201と第2板状プレート202との境界部分に沿って流路プレート10Aの+X軸方向に途中まで延びた後、+Y軸方向に屈曲する。そして、第4液体流路214は、第1板状プレート201と第2板状プレート202との境界部分に沿って流路プレート10Aの+Y軸方向に伸び、第5液体流路215に連結されている。
第5液体流路215は、図1に示すように、第4液体流路214と流出口26とを連結している。第5液体流路215は、第4液体流路214から流出口26に向かって流路プレート10Aの厚さ方向(+Z軸方向)に略垂直に形成されている。第5液体流路215は、第4液体流路214から+Z軸方向に沿って、流出口26まで延び、流出口26に連結されている。
第1液体流路211、第2液体流路212、第3液体流路213、第4液体流路214、及び第5液体流路215の断面は、液体の流れに直交する方向に対して、いずれも、略円形に形成されている。
第1液体流路211及び第5液体流路215の断面は、第2液体流路212、第3液体流路213及び第4液体流路214の断面よりも大きめに形成されている。分析時において、第1液体流路211には液体を供給する供給管が流入口25から挿入され、第5液体流路215には液体を排出する排出管が流出口26から挿入される。そのため、第1液体流路211及び第5液体流路215の断面が大きめに形成されていれば、供給管及び排出管が第1液体流路211及び第5液体流路215に挿入されやすくなる。
流入口25及び流出口26は、図3に示すように、流路プレート10Aの平面視において、流路プレート10Aの+Y軸方向の辺側に設けられている。また、流入口25及び流出口26は、流路プレート10AのX軸方向の辺の略中間を通り、かつ流路プレート10AのY軸方向の辺(X軸方向の辺に直交する辺)に平行な中心線に対して略対称となるように設けられている。
図1に示すように、分離素子収容部22は、分離カラム30を収容する空間である。分離素子収容部22は、フローセル23Aよりも上流側の液体流路21内に設けられ、流路の一部(第2液体流路212と第3液体流路213との間)に液体流路21に沿って設けられている。分離カラム30の詳細は後述する。
フローセル23Aは、光が照射される空間である。図1に示すように、フローセル23Aは、試料が通過する流路の一部(第3液体流路213と第4液体流路214との間)に液体流路21に対して垂直に設けられている。
本実施形態では、図3に示すように、フローセル23Aは、流路プレート10Aの平面視において、フローセル23Aの-Y軸方向の端面の-X軸方向側に、第2液体流路212と連結されている。また、フローセル23Aは、流路プレート10Aの平面視において、フローセル23Aの+Y軸方向の端面の+X軸方向側に第3液体流路213と連結されている。
フローセル23Aは、プレート本体20AのY軸方向に沿って設けられていると共に、第1板状プレート201と第2板状プレート202との貼り合わせ面(接合面)を跨ぐようにプレート本体20A内に設けられている。フローセル23Aは、第2液体流路212及び第3液体流路より大きな断面積を有する空間に形成されている。フローセル23Aは、軸方向視において六角形に形成され(図6参照)、平面視において長方形状に形成されている。
図2に示すように、フローセル23Aに対応した、第1板状プレート201の第1溝部2011Aと第2板状プレート202の第2溝部2021Aとは、非対称に形成されている。そして、後述する検出体40Aがフローセル23Aに設置された際に、フローセル23Aは、検出体40Aの貫通孔40a(図6~図8参照)が第1板状プレート201と第2板状プレート202とのうちの第2板状プレート202側に位置するような形状に形成されている。検出体40Aの詳細については後述する。
(分離カラム)
図1に示すように、分離カラム(分離素子)30は、分離素子収容部22内に配置され、第1板状プレート201と第2板状プレート202との間で挟持された状態で配置されている。分離カラム30は、測定対象液体(試料)中の成分を分離するものであり、例えば、液体クロマトグラフィー用の分離用カラムが用いられる。分離カラム30の構成の一例について説明する。図4は、分離カラム30の一例を示す斜視図であり、図5は、図1のI-I断面の分離カラム30の拡大断面図である。なお、図4では、説明の便宜上、被覆部33を二点鎖線で示している。図4及び図5に示すように、分離カラム30は、多孔質の固定相31と、固定相31の流入端31a及び流出端31bの両方に設けられた圧力調整部32と、固定相31及び圧力調整部32を被覆する被覆部33とを有する。
固定相31は、柱状に形成されている。固定相31は、固定相31を通過する試料の各成分に対する相互作用(例えば、疎水性相互作用、イオン交換等)により、成分同士を分離させる機能を有する。固定相31は、多孔質体や微粒子の集合体で形成される。固定相31の材料は、試料の種類や分離させる成分の種類に応じて、各種セラミックスや高分子等から選択される。本実施形態では、固定相31としては、モノリス構造の焼結セラミックスを含む。焼結セラミックスとしては、例えば、多孔質シリカを含む。特に、全体が一体のシリカゲルで形成されたシリカモノリスが好ましい。
圧力調整部32は、柱状に形成されている。圧力調整部32の外径は、固定相31の外径よりも大きく形成されている。圧力調整部32は、試料の流れを調整する機能を有する。圧力調整部32は、例えば、多孔質体で形成することができる。圧力調整部32を形成する材料としては、公知のセラミックスや高分子等を用いることができる。圧力調整部32は、固定相31の両端に設けられているので、固定相31に流入する試料及び分離カラム30から流出する試料の流れが調整され、固定相31を通過する試料及び分離カラム30から流出する試料の乱れが抑制される。
被覆部33は、チューブ状に形成されている。被覆部33は、例えば、加熱によって収縮する熱収縮性樹脂を用いて製造することができる。熱収縮性樹脂の種類は、特に限定されない。熱収縮性樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等が挙げられる。中でも、固定相31と被覆部33との間に隙間が生じ難くして、固定相31を安定して被覆する点から、PEEKを用いることが好ましい。
このように、チューブ状の被覆部33内に固定相31及び圧力調整部32を収納して加熱することで、柱状の分離カラム30が形成される。
分離カラム30は、分離素子収容部22を構成する第1板状プレート201及び第2板状プレート202に挟持された状態で分離素子収容部22内に収容されている。特に、圧力調整部32の外径は固定相31の外径よりも大きいため、圧力調整部32は、固定相31よりも第1板状プレート201及び第2板状プレート202から大きな圧力を受けている。そのため、第1板状プレート201及び第2板状プレート202と圧力調整部32との密着性はより高めることができるので、試料を供給する際の耐圧性を向上させることができる。また、固定相31が、第1板状プレート201及び第2板状プレート202から必要以上に大きな圧力を受けるのを軽減できる。そのため、固定相31の多孔質の孔が潰れるのを抑えることができるので、固定相31を通過する試料の流れが妨げられることを抑制できる。なお、本実施形態では、分離カラム30は、圧力調整部32を備えているが、場合によっては、圧力調整部32を備えず、チューブ状の被覆部33内に固定相31のみを収納して加熱することで、柱状に形成した分離カラムでもよい。
(検出体)
図6は、検出体40Aを説明する図であって、検出体の斜視図であり、図7は、-Y軸方向側から見た検出体の正面図であり、図8は、+Y軸方向側から見た検出体の背面図である。検出体40Aは、図1に示すように、フローセル23Aの内部に収容されており、本実施形態では、フローセル23Aの、軸方向視(Y軸方向)における形状を六角形としている。そのため、図6~図8に示すように、フローセル23A内に設置される検出体40Aの軸方向視における形状も六角形としている。検出体40Aは、一方の端面(-Y軸方向の端面)から他方の端面(+Y軸方向の端面)に貫通した貫通孔40aを有する。
検出体40Aは、分析に使用される測定光が透過しない材料を用いて形成することができる。これにより、貫通孔40aの内壁面401から外部への測定光の透過が抑えられる。分析に使用される測定光として、紫外光や可視光等を用いることができる。測定光が透過しない材料としては、例えば、エンジニアリングプラスチックとスーパーエンジニアリングプラスチックとのうち少なくとも一方の種類のプラスチックを用いることができる。
検出体40Aは、エンジニアリングプラスチックとスーパーエンジニアリングプラスチックとのうち少なくとも一方の種類のプラスチックを主成分(ベース樹脂)として含む樹脂材料を成形することで得られる。
使用可能なエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、66ナイロン(PA66)、ポリアセタール(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、テフロン(登録商標)等を挙げることができる。
使用可能なスーパーエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、及びフッ素系樹脂等を挙げることができる。フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を用いることができる。これらの中でも、特に高い機械的強度及び耐熱性を有するPEEKを使用することが好ましい。
上記のエンジニアリングプラスチック又はスーパーエンジニアリングプラスチックは、一種単独で使用してもよいし、二種以上併用してもよい。
検出体40Aは、さらに、強化材、離型剤及び酸化防止剤等の群から選択される一種又は二種以上の充填材を副成分として含んでもよい。
検出体40Aの形成に用いる材料は、使用する測定光の波長に応じて適宜選択される。
検出体40Aは、測定光が透過しなければ、有色でもよい。
検出体40Aの貫通孔40aは、試料及び測定光が通過可能な大きさに形成されている。図9は、図1のII-II方向から見た図である。図10は、図1のIII-III方向から見た図である。図6~図10に示すように、検出体40Aの貫通孔40aは、軸方向視において、円形に形成されている。検出体40Aの内径の大きさは、検査に用いる試料の量や試料に含まれる成分の濃度等に応じて適宜設定可能である。検出体40Aの内径の大きさは、検出体40Aの肉厚を調整することで設定できる。これにより、検出体40Aの外形を変えることなく内径を変えることで、測定に関する様々な条件に対応させることができ、様々な製品仕様に対応できる流路プレートを提供できる。なお、貫通孔40aは、試料及び測定光が通過可能な大きさに形成されていればよく、断面形状が円形に限らず、例えば矩形状であってもよい。
貫通孔40aは、図9及び図10に示すように、軸方向視において、第2板状プレート202内に位置するように、検出体40A内に設けられており、貫通孔40aは、第1板状プレート201と第2板状プレート202との接合面を跨がないように形成されている。これにより、第1板状プレート201と第2板状プレート202との接合面が検出体40A内に照射される測定光の進路を邪魔するのを防ぐことができ、この流路プレート10Aは、測定精度の向上に寄与することができる。
検出体40Aは、図6~図9に示すように、貫通孔40aの第3液体流路213側(-Y軸方向)の端面に、第3液体流路213と連通する流入流路41Aを形成する流入溝部411Aを有する。これにより、貫通孔40aの軸方向視(Y軸方向)において、第3液体流路213が貫通孔40aの開口部と重ならない位置に配置した状態で、第3液体流路213内の試料は貫通孔40a内に供給される。また、貫通孔40aは、図6~図8及び図10に示すように、貫通孔40aの第4液体流路214側(+Y軸方向)の端面に、第4液体流路214と連通する流出流路42Aを形成する流出溝部421Aを有する。これにより、貫通孔40aの軸方向視において、第4液体流路214が貫通孔40aの開口部と重ならない位置に配置された状態で、貫通孔40a内の試料は第4液体流路214に供給される。
なお、本実施形態では、貫通孔40aの一端側と連通する流入流路41Aを検出体40Aの一方の端面に形成した流入溝部411Aで構成したが、これに限るものではない。例えば、検出体40Aの肉厚部を貫通して貫通孔40aに連通した貫通穴で流入流路41Aを構成してもよい。同様に、検出体40Aの他方の端面側に、貫通孔40aの他端側に連通する貫通穴で流出流路42Aを構成してもよい。
<流路プレートの製造方法>
次に、本実施形態に係る流路プレート10Aの製造方法の一例について説明する。まず、二つの矩形状に形成されたプレートのそれぞれの接合面側に、流路プレート10Aの液体流路21、分離素子収容部22、フローセル23A、流入口25、及び流出口26を構成する、溝部又は孔を形成する。これにより、第1板状プレート201及び第2板状プレート202が得られる。第1板状プレート201及び第2板状プレート202の溝部及び孔は、射出成形、プレス加工等で形成してもよいし、レーザー等で加工して形成してもよい。
次に、第2板状プレート202の溝部に、分離カラム30及び検出体40Aを載置して装着する。この際に、分離素子収容部22及びフローセル23Aを構成する溝の形状が第2板状プレート202の主面側の開口が最も大きな溝形状となっているので、分離カラム30及び主面側から検出体40Aを装着することができる。このことにより、組み立てが容易になる。
次に、第1板状プレート201と第2板状プレート202との位置がずれないように、第1板状プレート201と第2板状プレート202とを重ねる。その後、第1板状プレート201と第2板状プレート202とを、例えば、熱圧着等して接合する。これにより、図1に示す、第1の実施形態に係る流路プレート10Aが得られる。
<分析装置>
次に、本実施形態に係る流路プレート10Aを用いて分析装置で測定対象液体(試料)中の成分を分析する分析方法の一例について説明する。図11は、流路プレート10Aを備えた分析装置を模式的に示す図である。図11に示すように、分析装置50Aは、流路プレート10A、光照射部51、受光部52、制御部53、及び表示部54を有する。
光照射部51は、図11に示すように、流路プレート10Aの検出体40Aに測定光を照射する。光照射部51としては、例えば、LED、タングステンランプ、レーザー等公知の光源を用いることができる。
受光部52は、図11に示すように、光照射部51から照射され、流路プレート10A内の検出体40Aの貫通孔40aを通過した測定光を受光して検出する。受光部52は、光照射部51から照射される測定光の光軸と、受光部52で受光される測定光の光軸とが略同一直線上となるように、フローセル23Aを介して、光照射部51と対向して設けられている。
受光部52は、測定光を検出することができるものであればよく、公知の検出器を用いることができる。受光部52は、配線56を介して制御部53と接続されている。
制御部53は、受光部52で検出された測定光の検出結果に基づいて、流路プレート10Aの検出体40Aの貫通孔40a内を通った試料の分析を行う。制御部53は、表示部54に分析結果を送信する。
表示部54は、図11に示すように、制御部53から送信された分析結果を表示する。
流路プレート10Aが分析装置50A内に挿入されると、分析装置50A内で流路プレート10Aの位置が固定される。その後、図11に示すように、流入口25には試料を供給する供給管57が自動挿入され、流出口26には試料を排出する排出管58が自動挿入される。その後、供給管57から流入口25に試料が注入される。
試料は、流入口25から第1液体流路211を通って流路プレート10Aの厚さ方向に流れた後、第2液体流路212を通って、分離素子収容部22に供給される。試料は、分離素子収容部22内の分離カラム30を通りながら、分離カラム30で試料中の成分が分離される。その後、分離カラム30で成分が分離された試料は、分離素子収容部22から第3液体流路213を通って、フローセル23Aに供給される。
試料がフローセル23Aに供給されると、試料は、フローセル23A内の検出体40Aの貫通孔40aを通って、貫通孔40a内を流れる。貫通孔40a内を通過した試料は、第4液体流路214及び第5液体流路215を通って、流出口26に流れ、流出口26から排出される。
このとき、試料が貫通孔40aを流れる前又は流れている状態で、貫通孔40a内に光照射部51から測定光が貫通孔40aを通過するように照射される。光照射部51から照射された光は貫通孔40aを通過して、受光部52に受光され、検出される。
受光部52で検出された検出結果は、配線56を介して制御部53に送られ、制御部53で、フローセル23A内に設けた検出体40Aの貫通孔40a内を通った試料の分析が行われる。制御部53は分析結果を表示部54に送信し、表示部54に分析結果が表示される。
流路プレート10Aでは、検出体40Aは、測定光が透過しない材料を用いて形成されている。そのため、測定光が貫通孔40aの内壁面401に当たっても、検出体40Aを透過せず測定光が漏れ光として検出体40A外に出射されないと共に、内壁面401での測定光の反射が抑制され、乱反射光が貫通孔40a内を通過するのが抑制される。更に、検出体40Aの外側から測定光に近い波長の光(外光)が貫通孔40a内に入射されることもない。そのため、受光部52には、貫通孔40aを通過した測定光のみが受光されて検出される。また、流路プレート10Aでは、検出体40Aはフローセル23A内に固定されているので、流路プレート10A内に検出体40Aは高い精度で簡単に設置される。さらに、流路プレート10Aでは、検出体40Aの貫通孔40aが第2板状プレート202の位置にあり、第1板状プレート201と第2板状プレート202の接合面に位置していない。第1板状プレート201と第2板状プレート202の接合面に光が照射されると、分析に悪影響を与える可能性がある。そのため、分析装置50Aの光照射部51と受光部52とを結ぶ光軸が前記接合面を通らないようにしている。
このように、本実施形態に係る流路プレート10Aは、プレート本体20Aと、液体流路21と、フローセル23Aと、検出体40Aとを備え、検出体40Aは、貫通孔40aの内壁面401において測定光の透過を抑える材料で形成されている。流路プレート10Aでは、試料は、フローセル23Aに収容した検出体40Aの貫通孔40aを流れる。試料が貫通孔40aを流れている状態で貫通孔40a内に光照射部51(図11参照)から測定光が照射されると、測定光は貫通孔40a内を流れる試料を通過して、流路プレート10Aの外部の受光部52(図11参照)で受光される。測定光が検出体40Aの貫通孔40aの内壁面401に当たっても、検出体40Aの内壁面401から測定光が透過するのが抑えられる。そのため、測定光が検出体40Aの貫通孔40aを通過する間に漏れ光として検出体40Aの内壁面401から外部に漏洩するのを防げる。更には、前述したように、乱反射光や外光の影響も防げる。これにより、漏れ光や乱反射光や外光等の迷光が流路プレート10Aの外部の受光部52でノイズとして検出されるのを防げる。よって、流路プレート10Aは、迷光を抑えて被検体である測定対象液体中の成分を高精度で測定できる。
流路プレート10Aは、検出体40Aを、検出体40Aの端面に当たらず貫通孔40aのみを通過した測定光を取り出すスリットとして機能させることができる。すなわち、流路プレート10Aは、検出体40Aの端面に当たらず貫通孔40aのみを通過した光を取り出せる。また、貫通孔40aの大きさを調整することで、検出体40Aから出射する光の光径を貫通孔40aの大きさに調整できる。そのため、検出体40Aはスリットとしても機能するため、流路プレート10Aは、測定光の照射位置等を高精度に調整する必要がなくなり、分析装置50A(図11参照)等で検出体40Aの貫通孔40a内を流れる試料中の成分を簡易に安定して測定できる。
流路プレート10Aは、プレート本体20Aを2つの板状プレート(第1板状プレート201及び第2板状プレート202)で形成しているため、第1板状プレート201及び第2板状プレート202の位置合わせを容易にできる。すなわち、流路プレート10Aは、プレート本体20Aを構成する第1板状プレート201及び第2板状プレート202を接合する際に、フローセル23Aに検出体40Aを嵌めて、検出体40Aを中心に第1板状プレート201及び第2板状プレート202を嵌め合わせるだけでよい。これにより、第1板状プレート201及び第2板状プレート202の接合面の位置ずれを低減できる。また、この位置ずれにより、接合面の一部がはみ出したり、接合面の形状が崩れて、貫通孔40aの断面視における形状が変形するのを防げる。更に、流路プレート10Aは、分離素子収容部22に分離カラム30を嵌めて、分離カラム30を中心に第1板状プレート201及び第2板状プレート202を嵌め合わせているので、位置ずれがより一層改善される。
流路プレート10Aは、検出体40Aの貫通孔40aの内径の大きさを調整することで、検出体40A内を流れる試料の流量を調整できる。例えば、検出体40Aの貫通孔40aの内径が大きければ、測定用の試料の量が多い場合や試料中の成分の濃度が濃い場合に試料の供給量を多くできる。一方、検出体40Aの貫通孔40aの内径が小さければ、試料の量が少ない場合や試料中の成分の濃度が薄い場合には、試料の供給量を少なくできる。よって、流路プレート10Aは、試料の量や試料中の成分の濃度に応じて、貫通孔40aの内径の大きさを設計することで、検出体40A内を流れる試料の流量を調整できるので、試料中の成分の分析を安定して行うことができる。
流路プレート10Aは、検出体40Aを構成する材質の種類や口径の大きさ等を変更することで、検出体40Aは様々な種類の試料に好適に用いることができるので、流路プレート10Aは、種々の試料に対応することができる。
流路プレート10Aは、検出体40Aが測定光の透過を防ぐことができるため、第1板状プレート201及び第2板状プレート202を形成する材料を測定光の波長に合わせた材料を用いる必要が無く、透明な材質であれば用いることができる。よって、第1板状プレート201及び第2板状プレート202を形成する材料が限定されない。
流路プレート10Aは、検出体40Aに、貫通孔40aの一端側と連通する流入流路41A及び貫通孔40aの他端側と連通する流出流路42Aを設けている。これにより、液体流路21(第3液体流路213)を流れてきた試料を、検出体40Aの流入溝部411Aを介して内壁面401側から貫通孔40a内に流入させることができる。また、貫通孔40aの内壁面401側から検出体40Aの流出溝部421Aを介して液体流路21(第4液体流路214)に流出させることができる。そのため、プレート本体20A側に形成された第3液体流路213を更に延長した液体流路から貫通孔40aの一端(-Y軸方向側)の開口部に試料を流入させることはない。また、試料を他端(+Y軸方向側)の開口部からプレート本体20A側に更に形成された液体流路を介して第4液体流路214に流出させることもない。そのため、測定光の照射側から見て、貫通孔40aの開口(一端側と他端側)にプレート本体20A側の液体流路21が存在しない。よって、流路プレート10Aは、液体流路21が検出体40A内に照射される測定光の進路を邪魔するのを防ぐことができる。
流路プレート10Aは、検出体40Aを、測定光が透過しない材料として、エンジニアリングプラスチックとスーパーエンジニアリングプラスチックのうち少なくとも一方の種類のプラスチックを用いて形成している。これにより、流路プレート10Aは、検出体40Aを測定光の波長に応じて測定光が透過しない材料を適宜選択して用いることができる。また、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックは、耐溶剤性、耐熱性又は耐圧性等が良いため、種々の検査に用いる試料に対して安定して使用できる。
流路プレート10Aは、プレート本体20Aを2つの板状プレート(第1板状プレート201及び第2板状プレート202)で構成して、第1板状プレート201及び第2板状プレート202は液体流路21に対応した溝部を有する。そのため、第1板状プレート201及び第2板状プレート202を貼り合わせることで、内部に液体流路21を形成したプレート本体20Aを容易に得ることができる。また、第1板状プレート201及び第2板状プレート202を射出成形で作製する場合、金型も簡易に製造できる。
流路プレート10Aは、フローセル23Aを、貫通孔40aの軸方向がプレート本体20Aの一方の主面に対して平行となるように形成している。そして、検出体40Aを貫通孔40aの軸方向がプレート本体20Aの一方の主面に対して平行となるようにフローセル23Aに配設している。これにより、分析する部分の試料の流す方向を流路プレート10Aの平面方向(Y軸方向)となるように調整できる。例えば、分析装置の測定光の光路が横方向の場合に対応することができる。
流路プレート10Aは、フローセル23Aを、第1板状プレート201の溝部の一部である第1溝部2011A(図2参照)と第2板状プレート202の溝部の一部である第2溝部2021A(図2参照)とで形成している。そして、フローセル23Aは、軸方向視(Y軸方向)において多角形(本実施形態では、六角形)となるようにしている。検出体40Aは、貫通孔40aの軸方向視における断面形状を多角形(本実施形態では、六角形)に形成して、フローセル23Aに収容している。検出体40Aの外形を軸方向視において同じ多角形とすることで、検出体40Aをフローセル23Aの形状に合わせられるので、フローセル23A内での検出体40Aの位置ずれを容易に防げる。これにより、試料中の成分の測定時に、検出体40Aの位置がずれて、測定光が検出体40Aの内壁面401に衝突するのを低減できるため、試料中の成分を安定して測定できる。
流路プレート10Aは、フローセル23Aを、第1板状プレート201の第1溝部2011A(図2参照)と第2板状プレート202の第2溝部2021A(図2参照)とで形成している。そして、第1溝部2011A(図2参照)の軸方向視における断面形状と第2溝部2021A(図2参照)の軸方向視における断面形状とを非対称としている。また、フローセル23Aに設置される検出体40Aの貫通孔40aは、第2溝部2021A(図2参照)に位置している。これにより、検出体40A内を通る測定光の光軸が第1板状プレート201と第2板状プレート202との接合面(境界)に位置しない。そのため、測定光が接合面で散乱することを抑制することができるので、検出体40Aにおいて検出誤差が生じるのを低減できる。
流路プレート10Aは、検出体40Aに、プレート本体20A側に形成された液体流路21と貫通孔40aの一端側とを接続する流入流路41Aと、プレート本体20A側に形成された液体流路21と貫通孔40aの他端側とを接続する流出流路42Aとを有する。これにより、第1板状プレート201と第2板状プレート202とで形成される液体流路21の他に、検出体40Aと第1板状プレート201又は第2板状プレート202とで形成される流路(流入流路41A及び流出流路42A)を別途形成できる。そのため、流路プレート10Aは、2枚の板状プレート(第1板状プレート201又は第2板状プレート202)で、プレート本体20A内に、液体流路21、貫通孔40a、流入流路41A及び流出流路42Aを含む全体の流路を形成できる。これにより、流路プレート10Aは、より少ない板状プレートでプレート本体20Aを容易に形成できる。
流路プレート10Aは、液体流路21のうち、測定光が通過する液体流路21よりも上流側の液体流路21内に分離素子収容部22を有し、分離素子収容部22内に分離カラム30を設けている。これにより、分離カラム30において試料に含まれる成分を分離した後、検出体40Aで試料中の成分を分析できる。
このように、本実施形態に係る流路プレート10Aは、血液中に含まれるタンパク質や核酸等の血液成分や工場等から排出される排水中に含まれる化学物質、地下水に含まれる成分等の微量な物質の分析を簡易かつ高精度に行うことができる。そのため、流路プレート10Aは、臨床検査、食物検査、環境検査、又は診療や看護現場等の医療現場において好適に用いることができる。特に、POCT用として有効に用いることができる。
(変形例)
なお、本実施形態では、プレート本体20Aは、平面視において、矩形状の他に、円形等の他の形状に形成されていてもよい。
本実施形態では、プレート本体20Aは、2つの板状プレート(第1板状プレート201及び第2板状プレート202)で形成されているが、3つ以上の板状プレートで形成することもできる。
本実施形態では、第1液体流路211、第2液体流路212、第3液体流路213、第4液体流路214、及び第5液体流路215の断面は、いずれも略円形としているが、これらの流路の何れかの流路の断面を多角形等としてもよい。
本実施形態では、液体流路21は、検出体40Aの端面に設けた流入流路41A及び流出流路42Aで連結されているが、これに限定されない。図12は、液体流路21と検出体40Aとの連結の他の構成の一例を示す平面図である。図12に示すように、液体流路21(第3液体流路213及び第4液体流路214)は、検出体40Aの貫通孔40aの開口部の位置まで延びるように形成されていてもよい。
本実施形態では流路プレート10A内の分離素子収容部22は、流路プレート10Aの形状や大きさに影響のない範囲で、流路プレート10A内に直列又は並列に複数設けてもよい。このとき、それぞれの分離素子収容部22に分離カラム30を設けてもよい。
本実施形態では、フローセル23Aの軸方向の断面視における形状は、第1板状プレート201に検出体40Aの貫通孔40aが位置するように、フローセル23Aは形成されていてもよい。
本実施形態では、フローセル23Aの軸方向の断面視における形状は、例えば、図13に示すような四角形や図14に示すような五角形等の多角形としてもよい。このとき、検出体40Aも、軸方向視における断面形状をフローセル23Aの形状に合わせて、五角形等の多角形とする。検出体40Aの軸方向視における形状を多角形とし、検出体40Aをフローセル23Aの形状に合わせることで、フローセル23A内での検出体40Aの位置ずれを防げる。これにより、試料中の成分の測定時に、検出体40Aの位置がずれて光が検出体40Aの内壁面に衝突するのを低減できるため、試料中の成分を安定して測定できる。
なお、フローセル23Aの断面軸方向視における形状が円形である場合、貫通孔40aが第1板状プレート201又は第2板状プレート202のどちらかに位置すると、検出体40Aをフローセル23Aに挿脱し難くなる可能性がある。そのため、本実施形態では、フローセル23Aの軸方向における断面視の形状は多角形とし、第1板状プレート201と第2板状プレート202との接合面に対して逆テーパが形成されないようにすることが好ましい。これにより、貫通孔40aが位置するどちらかのプレート本体20A(本実施形態では、第2板状プレート202)を射出成形やプレス加工等で作製する際に、プレート本体20Aを容易に作製することができる。
本実施形態では、フローセル23Aの長さは、特に限定されず、任意の長さに自由に設計してもよい。例えば、フローセル23Aの長さを流路プレート10AのY軸方向の長さの半分以上としてもよい。流路プレート10Aは、流路プレート10Aの厚さを変えずに、フローセル23Aを任意の位置に設けることができる。これにより、フローセル23Aが、図1~図3に示す流路プレート10Aのフローセル23Aより長くしても、流路プレート10Aの外形は、図1~図3に示す流路プレート10Aと同一形状のままとすることができる。そのため、流路プレート10Aは、図1~図3に示す流路プレート10Aと共通の状態で使用することができる。
本実施形態では、分離カラム30の長さは、特に限定されず、任意の長さとしてもよい。
本実施形態では、分離カラム30は被覆部33を備えているが、固定相31のみで分離素子収容部22に挟持した状態で配置することができる場合等には、被覆部33は設けなくてもよい。
本実施形態では、検出体40Aは、軸方向視において、フローセル23Aの形状に合わせて六角形に形成されているが、フローセル23Aの形状に合わせればよい。フローセル23Aの断面視方向における形状が、図13に示すような四角形や図14に示すような五角形である場合、検出体40Aの軸方向における形状を四角形や五角形等の多角形に形成する。
本実施形態では、検出体40Aは、軸方向において、内筒と外筒との二層で構成されていてもよい。この場合、内筒又は外筒は、分析に使用される測定光が透過しない材料を用いて形成する。貫通孔40a内に照射された測定光が検出体40Aの内壁面401(内筒の内周面)に照射された場合、内筒が分析に使用される測定光が透過しない材料で形成されていれば、内筒の内周面で測定光が透過するのを抑えられる。外筒が分析に使用される測定光が透過しない材料で形成されていれば、測定光が内壁面401(内筒の内周面)を通過しても、測定光は外筒の内周面で透過するのが抑えられる。
本実施形態では、検出体40Aの貫通孔40aは、軸方向視において円形以外に、四角形や六角形等の多角形に形成されていてもよい。
本実施形態では、貫通孔40aは、第1板状プレート201と第2板状プレート202との接合面を跨ぐように形成してもよい。この場合、検出体40Aの軸方向視における形状は、四角形や五角形等の多角形に形成されていてもよいし、図15に示すように、円形に形成されていてもよい。なお、円形には、楕円形を含むものとする。
例えば、図15に示すように、フローセル23A及び検出体40Aの軸方向視における形状が円形に形成されているとする。この場合、フローセル23Aは、第1板状プレート201の溝部の一部である第1溝部2011Aと第2板状プレート202の溝部の一部である第2溝部2021Aとで軸方向視における断面形状が円形となるように形成される。そして、検出体40Aは、フローセル23Aの形状に合うように、貫通孔40aの軸方向視における断面形状が円形に形成される。検出体40Aの軸方向視における形状は、フローセル23Aの形状に合うように円形に形成されるため、フローセル23A内での検出体40Aの位置ずれを防げる。これにより、試料中の成分の測定時に、検出体40Aの位置がずれて測定光が検出体40Aの内壁に衝突するのを低減できる。
本実施形態では、検出体40Aは、流入溝部411A又は流出溝部421Aの何れかを有するように形成されてもよい。
本実施形態では、検出体40Aは、流入流路41Aを形成する流入溝部411A及び流出流路42Aを形成する流出溝部421Aに代えて、流入流路41A及び流出流路42Aを形成する孔を有していてもよい。
本実施形態では、プレート本体20Aは、その上側端面又は下側端面の角部に1つ以上の位置決め孔を備えてもよい。第1板状プレート201と第2板状プレート202とを貼り合わせてプレート本体20Aを作製する際、第1板状プレート201と第2板状プレート202との貼り合わせ位置の調整が容易になる。また、分析装置50A(図11参照)に流路プレート10Aを設置する際に流路プレート10Aの位置を所定の位置に容易に固定できる。なお、位置決め孔は、プレート本体20Aを貫通していてもよいし、凹状に形成されていてもよい。
本実施形態では、プレート本体20Aの流入口25及び流出口26は、流路プレート10Aの+Y軸方向の辺側に設けられているが、流路プレート10Aの他の三つの辺のうちのいずれか一つの辺側に設けられていてもよい。
本実施形態では、プレート本体20Aは、その四つの辺のうちの何れか一つの辺に面取り部を備えてもよい。これにより、流路プレート10Aの分析装置50A(図11参照)への挿入方向が確認しやすくなる。
本実施形態では、検出体40Aの貫通孔40aの軸方向がプレート本体20Aの一方の主面に対して平行となるように、フローセル23A(収容部)に配設されているが、これに限定されない。図16は、流路プレートの他の構成の一例と分析装置を模式的に示す図である。なお、図16では、説明を分かり易くするため、この変形例の流路プレートは、ある部分の断面を模式的に示した側面図としている。図16に示すように、フローセル23Aは、フローセル23A内の試料の流れ方向がプレート本体20Aの一方の主面に対して垂直となるように形成されていてもよい。すなわち、図16に示す流路プレート10Aでは、検出体40Aの貫通孔40aの軸方向がプレート本体20Aの一方の主面に対して垂直となるように、フローセル(収容部)23Aを配設している。これにより、図16に示す流路プレート10Aは、分析する部分の試料の流す方向を流路プレート10Aの厚さ方向(Z軸方向)に調整できるため、例えば、分析装置の測定光の光路が縦方向の場合に対応することができる。
この場合、図16に示すように、プレート本体20Aは、3つの板状プレート(第1板状プレート201'、第2板状プレート202'、及び第3板状プレート203')で構成している。そして、第1板状プレート201'及び第2板状プレート202'は液体流路21に対応した溝部及び孔を有する。第3板状プレート203'は、液体流路21に対応した溝部を有する。更に、第2板状プレート202'は、収容部(フローセル23A)に対応した貫通穴202aを有し、検出体40Aをこの貫通穴202aに収容している。また、第1板状プレート201'と第2板状プレート202'とで、分離素子収容部22を形成し、分離カラム30を分離素子収容部22に収容している。
図16に示す流路プレート10Aにおいて、第2板状プレート202'を2枚の第2板状プレート(第21板状プレート及び第22板状プレート)で構成することもできる。その際には、第21板状プレートと第22板状プレートとで、互いに対抗する対向面に分離素子収容部22を形成し、分離カラム30を分離素子収容部22に収容することができる。また、第21板状プレート及び第22板状プレートのそれぞれの対向面とは反対側のそれぞれの背面に、液体流路21に対応した溝部を形成することもできる。その際には、第1板状プレート201'及び第3板状プレート203'に溝部を形成せず、第21板状プレート及び第22板状プレートの溝部のみで、液体流路21を形成することもできる。
また、図16に示す流路プレート10Aでは、第3板状プレート203'に孔を形成することができる。その際には、第1板状プレート201'の孔により形成された第5液体流路215を、第3板状プレート203'の孔で第5液体流路215を形成できる。これにより、流路プレートの一方面側から試料を注入し、流路プレートの他方面側から試料を排出させることができる。
また、図16に示す流路プレート10Aでは、検出体40Aは、軸方向視における形状を、図17に示すような円形でもよいし、図18に示すような四角形や五角形等の多角形でもよい。フローセル23Aの形状に応じて、検出体40Aの軸方向視における形状を円形や多角形とし、検出体40Aをフローセル23Aの形状に合わせれば、フローセル23A内での検出体40Aの位置ずれを防げる。これにより、試料中の成分の測定時に、検出体40Aの位置がずれて測定光が検出体40Aの内壁面401に当たるのを低減できる。そのため、測定光の光軸に沿って貫通孔40aを通過する測定光の光量を増大させ、試料中の成分を安定して測定できる。
図16に示す流路プレート10Aの作製方法は、第2板状プレート202'の貫通穴202aに検出体40Aを収容し、第2板状プレート202'の上に分離カラム30を載置した状態で、第2板状プレート202'を第1板状プレート201'と第3板状プレート203'とで挟み込む。そして、第1板状プレート201'と第2板状プレート202'、 第2板状プレート202'と第3板状プレート203'を接合する。これにより、流路プレート10Aが得られる。
また、図16に示す流路プレート10Aでは、第1板状プレート201'及び第3板状プレート203'に、フローセル23Aに対応した位置に溝部を更に有してもよい。これにより、第1板状プレート201'の溝部と第2板状プレート202'の貫通穴202aと第3板状プレート203'の溝部とで、フローセル23Aが形成される。そして、この溝部の部分に対応した検出体、すなわち軸方向に伸びた検出体40Aをフローセル23Aに収容することとなる。
これにより、第1板状プレート201'の溝部に検出体40Aを載置した後、第2板状プレート202'の貫通穴202aに検出体40Aが収容されるように第2板状プレート202'を第1板状プレート201'に重ねる。そして、第3板状プレート203'の溝部に検出体40Aが収容されるように第3板状プレート203'を第2板状プレート202'に重ねる。これにより、図16に示す流路プレート10Aが組み立てられる。よって、図16に示す流路プレート10Aを得る際に、第1板状プレート201'、第2板状プレート202'及び第3板状プレート203'のそれぞれの位置合わせを精度良く行うことができる。
なお、新たな検出体40Aの貫通孔40aの一端側に検出体40Aの肉厚部を貫通した貫通穴を設けると共に、貫通孔40aの他端側に検出体40Aの肉厚部を貫通した貫通穴を設け、流入流路と流出流路とする構成がより一層好ましい。
この図16に示す流路プレート10Aを用いた測定は、図16に示すように、第1板状プレート201'の主面側から測定光を照射して行われる。その際に、第1板状プレート201'を透過した測定光が、第2板状プレート202'内の検出体40Aの貫通孔40aを通過し、更に、第3板状プレート203'を透過して、受光部52に受光される。この光照射部51から照射される測定光の光軸と、受光部52で受光される測定光の光軸とが略同一直線上となるように、フローセル23Aを介して、光照射部51と対向して設けられている。そして、受光部52で検出された測定光の検出結果に基づいて、流路プレート10Aの検出体40Aの貫通孔40a内を通った試料の分析が行われる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る流路プレート10Bについて説明する。本実施形態に係る流路プレート10Bは、上記の第1の実施形態に係る流路プレート10Aの検出体40Aの内壁面401に測定光の反射を抑制する反射防止部を備えたものである。
図19は、第2の実施形態に係る流路プレートを正面(側面)から見たときの筒状体の構成の一例を示す部分拡大正面図である。図19に示すように、本実施形態に係る流路プレート10Bは、検出体40Aの内壁面401に光の反射抑制する反射防止部として反射防止膜(AR:Anti Reflection)膜(AR膜)60を有する。
AR膜60を形成する材料としては、例えば、Si、Na、Al、Ca、Mg、B、C、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Sr、Zr、Nb、Ru、Pd、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Ot、Au、及びBiのいずれかを主成分とする材料、又は前記主成分の窒化物、酸化物、炭化物、及びフッ化物のいずれかを少なくとも一つ含む材料を用いることができる。具体的には、例えば、MgF、Si3N4、SiO2等を用いることができる。また、AR膜60と検出体40Aとの屈折率差が少ないほうが、反射防止特性を向上させることができる。
AR膜60を検出体40Aの貫通孔40aに形成する方法としては、例えば、蒸着、スパッタ、溶射、塗布、又はゾルゲル法等を用いることができる。
本実施形態では、AR膜60の厚さは、測定光に対して高い透過率を有するように設計されており、測定光の波長λに対して、AR膜60の厚さを光学膜厚λ/4となるようにしている。
貫通孔40aの壁面に形成されるAR膜60の厚さのばらつきが小さいことが好ましい。AR膜60の厚さのばらつきが小さいと、AR膜60に入射した測定光の一部が反射されることをより低減できるので、測定光が貫通孔40a内を散乱して進行することをより抑えられる。そのため、散乱した測定光の光量は低下し、貫通孔40a内を直進した測定光の光量のみを検出する割合が増大する。
流路プレート10Bは、検出体40Aの貫通孔40aの内壁面401にAR膜60を備えることにより、AR膜60に入射した測定光の一部が内壁面401で反射することを低減できる。これにより、測定光が貫通孔40a内を散乱しながら進行して貫通孔40aを通過するのを抑えられる。そのため、流路プレート10Bは、貫通孔40a内を散乱しながら通過した測定光の光量を低下させ、貫通孔40a内を光照射部51(図11参照)と受光部52(図11参照)とを結ぶ光軸に沿って直進した測定光の光量の検出割合を増大できる。よって、流路プレート10Bは、測定光の強度が変動するのをより抑制できるので、試料中の成分をさらに高精度で測定できる。
(変形例)
なお、本実施形態では、AR膜60は、一層としているが、多層でもよい。
本実施形態では、反射防止部として、AR膜60に代えて、複数の凸部が形成された微細構造部を用いてもよい。図20は、微細構造部を備える検出体40Aを軸方向から見た図である。図20に示すように、微細構造部61Aは、複数の凸部が形成された微細構造体(微細凸構造体)61aを有する。なお、説明を分かり易くするため、微細構造部61Aは、図20ないし図22で模式的に示しているので、実際の寸法とは大きく異なる。
図21は、微細構造部61Aの構成を示す貫通孔40aの部分拡大図である。図21に示すように、微細凸構造体61aは、貫通孔40aの内壁面401に径方向の内側に向かって、断面積が徐々に小さくなる錐形状(テーパ形状)に形成されている。これにより、AR膜60と貫通孔40aとの界面での屈折率の変化を小さくできるので、該界面での測定光の反射が抑えられる。
微細凸構造体61aは、測定光の波長よりも短いピッチ(頂点間隔)Pで複数設けらることが好ましい。なお、微細凸構造体61a同士のピッチPは、隣り合う2つの微細凸構造体61aの頂点同士の間隔としているが、隣り合う2つの微細凸構造体61aの底面の中心間の距離としてもよい。
微細凸構造体61aの直径と、微細凸構造体61a同士のピッチPとは、測定光の反射率を低下させるために、測定光の波長よりも短いことが好ましい。微細凸構造体61aの直径は、測定光の波長の1/2以下であることが好ましい。微細凸構造体61aの直径が測定光の波長の1/2以下であれば、測定光の反射率を十分に低下させることができる。同様に、複数の微細凸構造体61aのピッチPは、測定光の波長の1/2以下であることが好ましい。複数の微細凸構造体61aの間隔が光の波長の1/2以下であれば、光の反射率を十分に低下させることができる。
隣接する2つの微細凸構造体61a同士の間は平坦部62を有するように、貫通孔40aの内壁面401に設けられている。なお、平坦部62は無くてもよい。
微細構造部61Aは、例えば、電子ビームリソグラフィー、X線リソグラフィーやフオトリソグラフィー等とエッチングを用いて内壁面401に形成できる。
検出体40Aは、貫通孔40aに、測定光の波長よりも短い間隔で微細凸構造体61aを複数備えた微細構造部61Aを有する。そして、微細凸構造体61aは、内壁面401から径方向に、断面(横断面)が徐々に小さくなるテーパ形状に形成されている。そのため、図21に示すように、検出体40Aと貫通孔40aとの界面での屈折率nの変化(n2→n1)が緩やかになるように屈折率を連続的に変化させることができる。これにより、該界面での測定光の反射率を低下させることができるので、該界面での測定光の反射率を低くできる。また、微細凸構造体61aの凸方向の長さが、最大径よりも長い場合には、屈折率変化をより緩やかにでき、反射率をより低下させられる。
よって、流路プレート10Bは、検出体40Aの貫通孔40aの内壁面401に微細構造部61Aを設けた場合でも、内壁面401に入射した測定光の一部が内壁面401で反射することを低減できる。これにより、測定光が貫通孔40a内を散乱しながら進行して貫通孔40aを通過するのを抑えられる。
流路プレート10Bは、微細構造部61Aにより、貫通孔40a内に流れる試料の不純物等が微細凸構造体61a同士の間に入り込み難くなるので、微細凸構造体61aへの不純物等の付着力が弱められる。これにより、微細構造部61Aへの不純物等の付着が仰えられる。
流路プレート10Bは、微細構造部61Aを、複数の微細凸構造体61aの中心間隔が略一定となるように形成することが好ましい。これにより、微細構造部61Aは、微細凸構造体61aが形成された全域で略均一な反射率低減効果を得られる。
なお、微細凸構造体61aは、測定光の波長よりも短い間隔(例えば、頂点間隔)で並ぶ凸状の構造であれば、形状、大きさ、配列は、特に限定されない。
微細凸構造体61aの形状は、錐形状以外に、例えば、楕円錐形状、正四角錐形状以外の多角錐形状、円錐台形状、楕円錐台形状、多角錐台形状等のテーパ形状でもよい。また、微細凸構造体61aの形状は、例えば、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状等であってもよい。また、微細凸構造体61aは、軸方向における断面視(内壁面401の径方向に平行な断面)における形状が湾曲していてもよい。
微細凸構造体61aは、テーパ形状のように、内壁面401の径方向に断面が徐々に小さくなる形状であること以外に、内壁面401の径方向に断面積が段階的に小さくなる形状であってもよい。
複数の微細凸構造体61aは、それぞれ同じ形状及び大きさとする以外に、異なる形状や大きさが異なっていてもよい。
微細構造部61Aは、複数の微細凸構造体61aを規則的に配列しているが、複数の微細凸構造体61aの間隔が光の波長よりも短ければ、複数の微細凸構造体61aは規則的に配列されていなくてもよい。
図20及び図21に示す微細構造部61Aの他に、図22に示すように、複数の凹部が形成された微細構造部61Bを用いてもよい。微細構造部61Bは、貫通孔40aの内周面に、凹状の微細構造体(微細凹構造体)61bを有する。微細凹構造体61bは、内周面の複数箇所をエッチング等することで得られる。微細構造部61Bでも、上記の微細構造部61Aと同様の効果を得ることができる。
また、検出体40Aは、その内壁面401に、図20及び図21に示す微細構造部61Aと図22に示す微細構造部61Bとの両方を形成してもよい。
本実施形態では、流路プレート10Bは、検出体40Aの貫通孔40aの内壁面401に、反射防止部としてAR膜60の他に、図20及び図21に示す微細構造部61Aと図22に示す微細構造部61Bとの何れか一方又は両方を併用してもよい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る流路プレートについて説明する。本実施形態に係る流路プレートは、上記の第1の実施形態に係る流路プレート10Aに形成されるフローセル23A内の測定対象液体(試料)の流れ方向をプレート本体20Aの一方の主面に対して垂直となるように形成したものである。そして、フローセル23Aの形状を一対の四角錐台の底面を合わせた形状に変更し、それに対応して検出体40Aの形状を同じに変更したものである。更に、検出体40Aに、流入流路41B、流出流路42B、第1連結流路43、及び第2連結流路44を形成したものである。
図23は、第3の本実施形態に係る流路プレートの構成の一例を示す斜視図であり、図24は、流路プレートの分解斜視図であり、図25は、流路プレートの平面図である。図26は、検出体40Bの上方斜視図であり、図27は、検出体40Bの下方斜視図である。図23及び図24に示すように、本実施形態に係る流路プレート10Cは、板状に形成されたプレート本体20B、試料中の成分を分離する分離カラム(分離素子)30、及び検出体40Bを有する。そして、流路プレート10Cには、試料が通る流路が内部に設けられており、分離カラム30及び検出体40Bが流路に収容されている。以下、第1の実施形態に係わる流路プレート10Aの構成と特に異なる、プレート本体20B、フローセル23B、及び検出体40Bについて主に説明する。
図23に示すように、流路プレート10Cのプレート本体20Bは、第1の実施形態と同様に、板状に形成されている。プレート本体20Bは、平面視において(図23を参照)、矩形状に形成されており、角に丸みを有する。また、プレート本体20Bは、2つの板状プレート(第1板状プレート201及び第2板状プレート202)を有し、第1板状プレート201と第2板状プレート202とを板厚方向に積層して構成されている。
プレート本体20Bには、測定対象液体が通る流路が設けられている。そして、この流路は、液体流路21(第1液体流路211、第2液体流路212、第3液体流路213、第4液体流路214及び第5液体流路215)、分離素子収容部22、及びフローセル(収容部)23Bを有する。また、第1板状プレート201及び第2板状プレート202には、液体流路21、分離素子収容部22及びフローセル23Bに対応した形状の、溝部又は孔が形成されている。
流路プレート10Cの流路の経路は、流入口25から、流路プレート10Bの厚さ方向(-Z軸方向)に略垂直に形成された第1液体流路211を経て、+X軸方向に伸びた第2液体流路212に連結されている。そして、第2液体流路212から、+X軸方向に伸びた分離素子収容部22、第3液体流路213を経て、フローセル23Bに連結されている。ここで、フローセル23B内に設けられた検出体40Bにより、厚さ方向(+Z軸方向)への流路方向が変えられている。そして、フローセル23Bから、+X軸方向に伸びた第4液体流路214、厚さ方向(+Z軸方向)に略垂直に形成された第5液体流路215を経て、流出口26へとつながっている。なお、第2液体流路212、分離素子収容部22、第3液体流路213及び第4液体流路214は、第1板状プレート201と第2板状プレート202との境界部分に沿って流路プレート10Cの+X軸方向に伸びて形成されている。
また、流路プレート10Cには、図23ないし図25に示すように、プレート本体20Bの上側端面及び下側端面の角部に4つの位置決め孔28を備える。第1板状プレート201と第2板状プレート202を貼り合わせてプレート本体20Bを製造する際、第1板状プレート201と第2板状プレート202との貼り合わせ位置の調整が容易になる。また、分析装置50B(図28参照)に流路プレート10Cを設置した際、流路プレート10Cの分析装置50Bに対する位置決めが容易となると共に、相対位置が精度良く固定される。これにより、光照射部51、検出体40Bの貫通孔40a、受光部52の相対位置精度が向上し、測定精度が向上する。なお、位置決め孔28は、プレート本体20Bを貫通していてもよいし、凹状に形成されていてもよい。
フローセル23Bは、図23に示すように、第1板状プレート201の第1溝部2011Bと第2板状プレート202の第2溝部2021Bとで形成されている。フローセル23Bは、試料が通過する流路の一部(第3液体流路213と第4液体流路214との間)に対して大きな断面積を有する空間を有する。また、図24に示すようにフローセル23Bは、第1溝部2011B及び第2溝部2021Bは、四角錐台の上面を底面とし四角錐台の底面を開口面とした凹溝で形成されている。そして、第1板状プレート201と第2板状プレート202を貼り合わせた際には、第1板状プレート201と第2板状プレート202との接合面を挟んで上下方向及び左右方向に対称に形成されている(鏡像関係)。
検出体40Bは、図26及び図27に示すように、一対の四角錐台の底面を合わせた形状で形成されている。すなわち、検出体40Bは、それぞれ四角錐台の上面を構成する平坦面402A及び402Bを上下両面に有する。そして、検出体40Bは、平坦面402Aに連続して形成されたテーパ部403と、平坦面402Bに連続して形成されたテーパ部403とをそれぞれ4個有する。すなわち、検出体40Bは、平坦面402A及び402Bと、8個のテーパ部とを有する。
平坦面402A及び平坦面402Bは、図23ないし図27に示すように、その中央部分に、検出体40Bの平坦面402A(-Z軸方向の端面)から他方の平坦面402B(+Z軸方向の端面)に貫通した貫通孔40aを有する。なお、平坦面402A及び平坦面402Bの中央部分とは、検出体40Bの平面視における対角線の交点部分である(図25参照)。
また、図26及び図27に示すように、検出体40Bの平坦面402Aには、貫通孔40aの一端側と連通する流入溝部411Bが形成されていると共に、検出体40Bの平坦面402Bには、貫通孔40aの他端側と連通する流出溝部421Bが形成されている。これにより、検出体40Bがフローセル23B内に収容されることで、フローセル23Bを形成する第1溝部2011Bの底壁と検出体40Bの流入溝部411Bとにより流入流路41Bが形成される。また、フローセル23Bを形成する第2溝部2021Bの底壁と検出体40Bの流出溝部421Bとにより流出流路42Bが形成される。
これにより、液体流路21を流れてきた試料を、検出体40Bの流入溝部411Bを介して内壁面401側から貫通孔40a内に流入させることができる。また、貫通孔40aの内壁面401側から検出体40Bの流出溝部421Bを介して液体流路21に流出させることができる。そのため、測定光の照射側から見て、貫通孔40aの一端側と他端側の開口にプレート本体20B側の液体流路21が存在しない。よって、流路プレート10Bは、液体流路21が検出体40B内に照射される測定光の進路を邪魔するのを防ぐことができる。
テーパ部403は、図26及び図27に示すように、第3液体流路213と連結する第1連結溝部431と、第4液体流路214と連結する第2連結溝部441とを有する。本実施形態では、第1連結溝部431は、平坦面402Aに連続して形成された4つのテーパ部403のうちの一つのテーパ部403に形成されている。第2連結溝部441は、平坦面402Bに連続して形成された4つのテーパ部403のうちの一つのテーパ部403に形成されている。検出体40Bがフローセル23B内に収容されることで、フローセル23Bを形成する第1溝部2011Bの側壁と検出体40Bの第1連結溝部431とにより、貫通孔40aの一端側と流入流路41Bを介して接続する第1連結流路43が形成される。また、フローセル23Bを形成する第2溝部2021Bの側壁と検出体40Bの第2連結溝部441とにより、貫通孔40aの他端側と流出流路42Bを介して接続する第2連結流路44が形成される。
一般に、従来の流路プレートは、フローセルの軸方向がプレート本体の一方の主面に対して垂直となるように、フローセルが形成されている場合、設計上、少なくとも3枚の板状プレートが必要となる。これに対し、本実施形態では、第1板状プレート201と第2板状プレート202とで形成される流路の他に、検出体40Bと板状プレートで形成される流路(第1連結流路43、第2連結流路44)を別途形成される。そのため、プレート本体20Bの一方の主面に対して検出体40Bの貫通孔40aの軸方向が垂直となるように、検出体40Bがフローセル23Bに配設されても、2枚の板状プレート(第1板状プレート201と第2板状プレート202)で、貫通孔40aにより形成される流路を含めた全体の流路が形成される。よって、流路プレート10Cは、より少ない板状プレートでプレート本体20Bを形成でき、かつ容易に作製される。
このように、流路プレート10Cは、フローセル23Bを、試料の流れ方向がプレート本体20Bの一方の主面に対して垂直となるように形成し、フローセル23B及び検出体40Bの形状を、一対の四角錐台の底面を合わせた形状としている。そして、検出体40Bの平坦面402A及び402Bとテーパ部403に流入流路41B、流出流路42B、第1連結流路43及び第2連結流路44を形成している。そのため、流路プレート10Cは、測定対象液体中の成分を高精度で測定でき、しかも第1板状プレート201及び第2板状プレート202の2枚で構成できる。
本実施形態に係る流路プレート10Cを用いて分析装置で試料を分析する場合の一例について説明する。図28は、流路プレート10Cを備えた分析装置を模式的に示す図である。図28に示すように、分析装置50Bは、流路プレート10C、光照射部51、受光部52、制御部53、及び表示部54を有する。なお、図11に示す分析装置50Bの光照射部51、受光部52、制御部53、及び表示部54は、上記の第1の実施形態に係る流路プレート10Aに適用される分析装置50Aと同様であるため、これらの構成についての説明は省略する。
流路プレート10Cが分析装置50B内に挿入されると、分析装置50B内で流路プレート10Cの位置が固定される。その後、流入口25には供給管57が自動挿入され、流出口26には排出管58が自動挿入され、供給管57から流入口25に試料が注入される。
試料は、流入口25から第1液体流路211を通って流路プレート10Cの厚さ方向に流れた後、第2液体流路212を通って、分離素子収容部22に供給される。試料は、分離素子収容部22内の分離カラム30を通りながら、分離カラム30で試料中の成分が分離される。その後、分離カラム30で成分が分離された試料は、分離素子収容部22から第3液体流路213を通って、フローセル23Bに供給される。
試料がフローセル23Bに供給されると、試料は、フローセル23B内の第1連結流路43、流入流路41Bを通って、検出体40Bの貫通孔40aの一端部側に流れる。貫通孔40a内を流れて通過した試料は、貫通孔40aの他端部側から、フローセル23B内の流出流路42B、第2連結流路44を通って、第4液体流路214に流れる。そして、試料は、第4液体流路214から第5液体流路215を通って、流出口26に流れ、流出口26から排出される。
このとき、試料が貫通孔40aを流れる前又は流れている状態で、貫通孔40a内に光照射部51から測定光が貫通孔40aを通過するように照射される。光照射部51から照射された光は貫通孔40aを通過して、受光部52に受光され、検出される。
受光部52で検出された検出結果は、配線56を介して制御部53に送られ、制御部53で、フローセル23B内に設けた検出体40Bの貫通孔40a内を通った試料の分析が行われる。制御部53は分析結果を表示部54に送信し、表示部54に分析結果が表示される。
このように、本実施形態に係る流路プレート10Cは、フローセル23B内の試料の流れ方向がプレート本体20Bの一方の主面に対して垂直となるようにフローセル23Bを形成しても、上記の第1の実施形態に係る流路プレート10Aと同様の効果を発揮できる。
また、流路プレート10Cは、フローセル23B内の試料の流れ方向をプレート本体20Bの一方の主面に対して垂直となるように形成しても、より少ない板状プレートでプレート本体20Bを容易に形成できる。すなわち、従来の流路プレートは、流路プレートの主面に対して検出体の貫通孔の軸方向が垂直となるように、検出体をフローセルに配設する場合、少なくとも3枚の板状プレートが必要になる。これに対し、流路プレート10Cは、検出体40Bに、第1連結溝部431及び第2連結溝部441を有する。これにより、第1板状プレート201と第2板状プレート202とで形成される液体流路21の他に、検出体40Bと第1板状プレート201又は第2板状プレート202とで形成される流路(第1連結流路43、第2連結流路44)を別途形成できる。流路プレート10Cは、プレート本体20Bの一方の主面に対して検出体40Bの貫通孔40aの軸方向が垂直となるように、検出体40Bをフローセル23Bに配設している。この場合でも、流路プレート10Cは、上記の第1の実施形態に係る流路プレート10Aと同様、2つの板状プレート(第1板状プレート201及び第2板状プレート202)で、貫通孔40aにより形成される液体流路21を含めた全体の流路を形成できる。これにより、より少ない板状プレートでプレート本体20Bを形成できると共に、プレート本体20Bを容易に製造できる。また、プレート本体20Bを構成する板状プレートの層数が削減されることで、流路プレートの製造費用を低減できる。
さらに、流路プレート10Cは、検出体40Bに、流入流路41B及び流出流路42Bを有しているので、第1連結流路43を流れてきた試料を検出体40Bの流入溝部411Bを介して内壁面401側から貫通孔40a内に流入させることができる。また、貫通孔40aの内壁面401側から検出体40Bの流出溝部421Bを介して第2連結流路44に流出させることができる。このため、測定光の照射側から見て、貫通孔40aの一端側と他端側の開口にプレート本体20B側の液体流路21が存在しないので、測定光が貫通孔40aを通過する際にノイズが発生するのを低減できる。これにより、流路プレート10Cは、受光部52における測定光の検出性能を向上できる。
なお、本実施形態では、流路プレート10Cは、平面視において、矩形状の他に、円形等の他の形状に形成されていてもよい。
本実施形態では、フローセル23B及び検出体40Bの形状は、一対の四角錐台の底面を合わせた形状以外に、検出体40Bのテーパ部403に流入流路41B及び流出流路42Bが形成できる形状であればよい。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記の各実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本出願は、2018年10月30日に日本国特許庁に出願した特願2018-204436号に基づく優先権を主張するものであり、特願2018-204436号の全内容を本出願に援用する。