以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。
図1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1のトレッド踏面3を示す平面図である。図1に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、トレッド踏面3として形成されている。トレッド踏面3には、タイヤ周方向に延びる周方向主溝20と、タイヤ幅方向に延びるラグ溝30とが、それぞれ複数形成されている。トレッド踏面3には、これらの複数の周方向主溝20とラグ溝30とにより、複数の陸部10が区画されている。
詳しくは、周方向主溝20は、4本がタイヤ幅方向に並んで形成されており、タイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に配設される2本の内側周方向主溝21と、2本の内側周方向主溝21のそれぞれのタイヤ幅方向外側に1本ずつ配設される2本の外側周方向主溝22と、が設けられている。また、ラグ溝30は、2本の内側周方向主溝21同士の間に配設されるセンターラグ溝31と、タイヤ幅方向に隣り合う内側周方向主溝21と外側周方向主溝22との間に配設されるセカンドラグ溝32と、外側周方向主溝22のタイヤ幅方向外側に配設されるショルダーラグ溝33と、が設けられている。
ここでいう周方向主溝20は、少なくとも一部がタイヤ周方向に延在する縦溝をいう。一般に周方向主溝20は、5mm以上の溝幅を有し、8mm以上の溝深さを有し、摩耗末期を示すトレッドウェアインジケータ(スリップサイン)を内部に有する。本実施形態1では、周方向主溝20は、5mm以上の溝幅を有し、18mm以上の溝深さを有しており、タイヤ赤道面CLとトレッド踏面3とが交差するタイヤ赤道線(センターライン)と実質的に平行である。周方向主溝20は、タイヤ周方向に直線状に延在してもよいし、波形状又はジグザグ状に設けられてもよい。また、ラグ溝30は、溝幅が5mm以上9mm以下の範囲内になっており、溝深さが10mm以上18mm以下の範囲内になっている。
トレッド踏面3には、複数の周方向主溝20とラグ溝30とにより、複数の陸部10が区画されている。詳しくは、2本の内側周方向主溝21の間には、2本の内側周方向主溝21とセンターラグ溝31とにより区画される陸部10であるセンター陸部11が配設されている。また、タイヤ幅方向に隣り合う内側周方向主溝21と外側周方向主溝22との間には、内側周方向主溝21と外側周方向主溝22とセカンドラグ溝32とにより区画される陸部10であるセカンド陸部12が配設されている。つまり、センター陸部11とセカンド陸部12とは、タイヤ幅方向における両側が周方向主溝20により区画されている。
2本の内側周方向主溝21同士の間に配設されるセンターラグ溝31は、一端が内側周方向主溝21に開口し、他端がセンター陸部11内で終端している。このように形成されるセンターラグ溝31は、センター陸部11を区画する2本の内側周方向主溝21のうち一方の内側周方向主溝21に開口するセンターラグ溝31と、他方の内側周方向主溝21に開口するセンターラグ溝31とが、タイヤ周方向に交互に配置されている。
また、タイヤ幅方向に隣り合う内側周方向主溝21と外側周方向主溝22との間に配設されるセカンドラグ溝32は、一端が内側周方向主溝21に開口するセカンドラグ溝32と、一端が外側周方向主溝22に開口するセカンドラグ溝32とを有しており、いずれのセカンドラグ溝32も、他端がセカンド陸部12内で終端している。また、これらのように一端が内側周方向主溝21に開口するセカンドラグ溝32と、一端が外側周方向主溝22に開口するセカンドラグ溝32とは、タイヤ周方向に交互に配置されている。
つまり、センターラグ溝31とセカンドラグ溝32とは、いずれも一端が周方向主溝20に開口し、他端が陸部10内で終端するラグ溝30になっており、ラグ溝30が終端する陸部10のタイヤ幅方向における両側を区画する周方向主溝20のうち一方の周方向主溝20に開口するラグ溝30と、他方の周方向主溝20に開口するラグ溝30とが、タイヤ周方向に交互に配置されている。換言すると、センターラグ溝31とセカンドラグ溝32とは、それぞれ一端が陸部10内で終端すると共に異なる周方向主溝20に開口する複数のラグ溝30を有しており、異なる周方向主溝20に開口する複数のラグ溝30が千鳥状に配置されている。
また、センターラグ溝31とセカンドラグ溝32とは、いずれもタイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に傾斜している。傾斜の仕方は、センターラグ溝31とセカンドラグ溝32とで異なっており、センターラグ溝31は、一方の内側周方向主溝21に開口するセンターラグ溝31と、他方の内側周方向主溝21に開口するセンターラグ溝31とで、タイヤ幅方向に対するタイヤ周方向への傾斜方向が同じ方向になっている。これに対し、セカンドラグ溝32は、内側周方向主溝21に開口するセカンドラグ溝32と、外側周方向主溝22に開口するセカンドラグ溝32とで、タイヤ幅方向に対するタイヤ周方向への傾斜方向が、互いに反対方向になっている。
さらに、外側周方向主溝22のタイヤ幅方向外側には、ショルダーラグ溝33とショルダー周方向細溝61とにより区画される陸部10であるショルダー陸部13が配設されている。このうち、ショルダー周方向細溝61は、外側周方向主溝22のタイヤ幅方向外側に位置し、周方向主溝20の溝幅やラグ溝30の溝幅より狭い溝幅で、タイヤ幅方向に繰り返し屈曲しつつタイヤ周方向に延びて形成される細溝になっている。つまり、ショルダー周方向細溝61は、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に繰り返し屈曲するジグザグ状の形状で、タイヤ周方向に延びている。外側周方向主溝22のタイヤ幅方向外側に配設されるショルダー陸部13は、このようにタイヤ周方向に延びるショルダー周方向細溝61のタイヤ幅方向における両側に形成されている。なお、ここでいう細溝は、溝幅が1mm以上5mm以下の範囲内になっており、溝深さが10mm以上18mm以下の範囲内になっている。
また、ショルダーラグ溝33は、外側周方向主溝22のタイヤ幅方向外側で、且つ、ショルダー周方向細溝61のタイヤ幅方向における両側に配設されている。ショルダーラグ溝33のうち、ショルダー周方向細溝61のタイヤ幅方向における内側に配設されるショルダーラグ溝33は、タイヤ幅方向内側の端部が外側周方向主溝22に開口し、タイヤ幅方向外側の端部がショルダー周方向細溝61に開口している。また、ショルダー周方向細溝61のタイヤ幅方向における外側に配設されるショルダーラグ溝33は、タイヤ幅方向内側の端部がショルダー周方向細溝61に開口し、タイヤ幅方向外側の端部がデザインエンドEで開口している。その際に、ショルダーラグ溝33におけるショルダー周方向細溝61に開口している側の端部は、ジグザグ状に形成されるショルダー周方向細溝61における屈曲している部分に開口している。また、ショルダー周方向細溝61のタイヤ幅方向両側に配設されるショルダーラグ溝33は、タイヤ周方向における位置が、ショルダー周方向細溝61のタイヤ幅方向両側のショルダーラグ溝33同士で互いに異なる位置に配設されている。
なお、ここでいうデザインエンドEは、トレッド部2のタイヤ幅方向最外側端をいい、トレッド部2において溝が形成されるタイヤ幅方向最外側端になっている。
さらに、ショルダー周方向細溝61のタイヤ幅方向における外側には、タイヤ幅方向に延びる細溝であるショルダー幅方向細溝62が形成されている。ショルダー幅方向細溝62は、タイヤ幅方向内側の端部が、ジグザグ状に形成されるショルダー周方向細溝61における屈曲している部分に開口し、タイヤ幅方向外側の端部がデザインエンドEで開口している。ショルダー周方向細溝61のタイヤ幅方向における外側では、タイヤ幅方向に延びるショルダーラグ溝33とショルダー幅方向細溝62とが、タイヤ周方向に交互に配設されている。
外側周方向主溝22のタイヤ幅方向外側には、これらのようにショルダーラグ溝33とショルダー周方向細溝61とショルダー幅方向細溝62とが形成されている。このため、ショルダー周方向細溝61のタイヤ幅方向両側に形成されるショルダー陸部13のうち、ショルダー周方向細溝61のタイヤ幅方向内側に位置するショルダー陸部13は、外側周方向主溝22とショルダーラグ溝33とショルダー周方向細溝61とにより区画される。また、ショルダー周方向細溝61のタイヤ幅方向外側に位置するショルダー陸部13は、ショルダーラグ溝33とショルダー周方向細溝61とショルダー幅方向細溝62とにより区画される。
図2は、図1のA部詳細図である。複数のラグ溝30のうち、一端が周方向主溝20に開口し、他端が陸部10内で終端してそれぞれ複数が千鳥状に配置されるラグ溝30であるセンターラグ溝31とセカンドラグ溝32とには、枝溝40が開口している。枝溝40は、センターラグ溝31に開口する枝溝40とセカンドラグ溝32に開口する枝溝40とで同等の形態であるため、枝溝40を説明するために、代表してセンターラグ溝31に開口する枝溝40について説明する。以下のセンターラグ溝31と枝溝40とに関する説明では、センターラグ溝31をラグ溝30とし、センター陸部11を陸部10として説明する。
枝溝40は、一端がラグ溝30に開口し、他端が陸部10内で終端している。枝溝40は、複数のラグ溝30に対応して複数が形成され、対応する各ラグ溝30に対して一端が開口している。各枝溝40は、ラグ溝30における陸部10内で終端する側の端部である先端部35を含む、ラグ溝30における所定の範囲であるラグ溝先端範囲Atで、ラグ溝30に開口している。
また、周方向主溝20は、タイヤ幅方向に繰り返し屈曲しつつタイヤ周方向に延びている。このため、タイヤ幅方向における両側が周方向主溝20によって区画される陸部10も、周方向主溝20によって区画されるエッジが、タイヤ周方向における位置によってタイヤ幅方向における位置が異なっている。つまり、陸部10における、周方向主溝20によって区画されるエッジは、タイヤ幅方向に凹凸を有して形成されている。
このように形成される陸部10の周方向主溝20によって区画されるエッジにおける、陸部10の幅方向における外側に最も突出した位置は、最大幅位置16になっている。この場合における陸部10の幅方向とは、陸部10におけるタイヤ幅方向であり、陸部10の幅方向における外側とは、陸部10のタイヤ幅方向における中心位置からタイヤ幅方向に離れる方向である。つまり、陸部10の最大幅位置16は、陸部10の周方向主溝20によって区画されるエッジにおける、陸部10のタイヤ幅方向における中心位置からタイヤ幅方向に最も離れた位置になっている。周方向主溝20に開口するラグ溝30は、陸部10の最大幅位置16以外の位置で、周方向主溝20に対して開口している。
図3は、図2のB部詳細図であり、ラグ溝先端範囲Atについての説明図である。ラグ溝先端範囲Atは、ラグ溝30の先端部35から、ラグ溝30における周方向主溝20に開口する側の端部である開口側端部36に向かって、ラグ溝30の全長LLの0%以上30%以下の範囲になっている。枝溝40は、このラグ溝先端範囲Atでラグ溝30に開口しており、本実施形態1では、枝溝40はラグ溝30の先端部35の近傍で、ラグ溝30に開口している。また、本実施形態1では、枝溝40は、1つのラグ溝30に対して2本が配設されている。つまり、枝溝40は、1つのラグ溝30に対して2本が開口している。
図4は、図2のB部詳細図であり、ラグ溝30と枝溝40の角度についての説明図である。1つのラグ溝30に開口する2本の枝溝40は、ラグ溝30からのタイヤ周方向における方向が、互いに反対方向に向かって延びている。また、1つのラグ溝30に開口する2本の枝溝40は、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への傾斜角度θ2が、0°以上45°以下の範囲内になっている。一方、ラグ溝30は、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への傾斜角度θ1が、70°以上90°以下の範囲内になっている。このため、枝溝40は、ラグ溝30が延在する方向とは異なる角度で延在しており、即ち、枝溝40は、ラグ溝30に対して屈曲してラグ溝30から延びている。
なお、この場合における枝溝40のタイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への傾斜角度θ2は、枝溝40の溝幅方向における中心線45の、タイヤ周方向に対する傾斜角度になっている。同様に、ラグ溝30のタイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への傾斜角度θ1は、ラグ溝30の溝幅方向における中心線38の、タイヤ周方向に対する傾斜角度になっている。また、枝溝40のタイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への傾斜角度θ2は、10°以上20°以下の範囲内であるのが好ましく、ラグ溝30のタイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への傾斜角度θ1は、75°以上85°以下の範囲内であるのが好ましい。
本実施形態1では、1つのラグ溝30に開口する2本の枝溝40は、いずれも枝溝40におけるラグ溝30に開口する側の端部よりも、陸部10内で終端する側の端部である終端部41の方が、当該枝溝40が開口するラグ溝30が開口する周方向主溝20からのタイヤ幅方向における距離が大きくなる方向に、タイヤ周方向に対して傾斜している。つまり、枝溝40は、タイヤ周方向に延びつつ、枝溝40におけるラグ溝30に開口する側の端部から枝溝40の終端部41に向かうに従ってラグ溝30が開口する周方向主溝20からタイヤ幅方向に離れる方向に、タイヤ周方向に対してタイヤ幅方向に傾斜している。これらのように、タイヤ周方向に対して傾斜する複数の枝溝40は、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への傾斜角度θ2が、全てほぼ同じ大きさになっている。
図5は、図4における異なるラグ溝30に開口する枝溝40同士が接近する位置の詳細図である。2つの周方向主溝20の間に位置する複数のラグ溝30には、これらのように形成される枝溝40がそれぞれ開口するが、タイヤ周方向に隣り合う2本のラグ溝30の最短距離DLは、2本のラグ溝30にそれぞれ開口する2本の枝溝40の最短距離DEよりも大きくなっている。この場合における、タイヤ周方向に隣り合う2本のラグ溝30は、互いに異なる周方向主溝20に開口してタイヤ周方向に隣り合うラグ溝30になっている。また、タイヤ周方向に隣り合う2本のラグ溝30の最短距離DLは、それぞれのラグ溝30が有する溝壁37同士における、トレッド踏面3に対するラグ溝30の開口部の位置での距離が最も小さい位置での距離になっている。また、枝溝40は、それぞれタイヤ周方向に延びているため、2本の枝溝40の最短距離DEは、タイヤ周方向に隣り合う2本のラグ溝30にそれぞれ開口して他方のラグ溝30側に位置する2本の枝溝40における終端部41同士の距離になっている。
なお、2本の枝溝40の最短距離DEは、タイヤ周方向に隣り合う2本のラグ溝30の最短距離DLに対して、30%以上55%以下の範囲内であるのが好ましい。
さらに、タイヤ周方向に隣り合う2本のラグ溝30にそれぞれ開口して他方のラグ溝30側に位置する2本の枝溝40は、互いに他方の枝溝40の延在方向における延長線上に位置している。なお、2本の枝溝40は、厳密に延長線上に位置していなくてもよい。2本の枝溝40は、タイヤ周方向に対する傾斜角度θ2(図4参照)同士の差が0°以上45°以下範囲内であり、枝溝40同士を互いに他方の枝溝40に向けて延ばした際に少なくとも一部が重なる位置関係であれば、2本の枝溝40は互いに他方の枝溝40の延在方向における延長線上に位置するとみなす。
これらのように形成される枝溝40の最大幅LEは、ラグ溝30の最大幅LGよりも小さくなっている。詳しくは、枝溝40は、溝幅が1mm以上5mm以下の範囲内になっており、溝深さが10mm以上18mm以下の範囲内になっている。なお、枝溝40の最大幅LEは、ラグ溝30の最大幅LGの5%以上40%以下の範囲内であるのが好ましい。
図6は、図2のB部詳細図であり、ラグ溝30の配置についての説明図である。また、ラグ溝30は、同じ周方向主溝20に開口する複数のラグ溝30のタイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士のピッチ長LBと、ラグ溝30の最大幅LGとの相対的な大きさを示すLG/LBが、0.03以上0.15以下の範囲内になっている。なお、同じ周方向主溝20に開口してタイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士のピッチ長LBに対する、ラグ溝30の最大幅LGの比率LG/LBは、0.05以上0.13以下の範囲内であるのが好ましい。
また、ラグ溝30は、枝溝40を含めたタイヤ幅方向における幅が、陸部10のタイヤ幅方向における幅に対して所定の範囲内になっている。詳しくは、ラグ溝30と枝溝40とは、陸部10のタイヤ幅方向における最大幅BWと、陸部10の最大幅位置16からラグ溝30と枝溝40とを合わせた最内側位置50までのタイヤ幅方向における距離LW1との、相対的な大きさを示すLW1/BWが、30%以上70%以下の範囲内になっている。
なお、この場合における最内側位置50は、陸部10の最大幅位置16に隣接する周方向主溝20に開口するラグ溝30と当該ラグ溝30に開口する枝溝40とを合わせて、最大幅位置16からのタイヤ幅方向における距離が最も大きくなる位置になっている。本実施形態1では、最内側位置50は、枝溝40の終端部41付近の位置になっている。また、本実施形態1では、陸部10を区画する2本の周方向主溝20のうちの一方の周方向主溝20に開口するラグ溝30と枝溝40とを合わせた最内側位置50と、他方の周方向主溝20に開口するラグ溝30と枝溝40とを合わせた最内側位置50とは、タイヤ幅方向における位置がほぼ同じ位置になっている。つまり、異なる周方向主溝20に開口するラグ溝30は、長さが互いにほぼ同じ長さになっている。
また、陸部10のタイヤ幅方向における最大幅BWは、陸部10のタイヤ幅方向両側に位置する最大幅位置16同士のタイヤ幅方向における距離になっており、このため換言すると、陸部10の最大幅位置16は、陸部10の最大幅BWとなる位置になっている。また、陸部10の最大幅BWに対する、最大幅位置16から最内側位置50までのタイヤ幅方向における距離LW1の比率LW1/BWは、40%以上60%以下の範囲内であるのが好ましい。
また、ラグ溝30と枝溝40とは、陸部10の最大幅位置16からラグ溝30と枝溝40とを合わせた最内側位置50までのタイヤ幅方向における距離LW1と、ラグ溝30における開口側端部36から最内側位置50までのタイヤ幅方向における距離LW2との、相対的な大きさを示すLW1/LW2が、110%以上140%以下の範囲内になっている。
なお、ラグ溝30の開口側端部36から最内側位置50までのタイヤ幅方向における距離LW2に対する、陸部10の最大幅位置16から最内側位置50までのタイヤ幅方向における距離LW1の比率LW1/LW2は、120%以上130%以下の範囲内であるのが好ましい。
枝溝40が開口するラグ溝30に関する説明は、センターラグ溝31を用いて説明したが、セカンドラグ溝32も同様の形態で形成されている。センターラグ溝31とセカンドラグ溝32とで異なる点は、センターラグ溝31は、異なる周方向主溝20に開口して千鳥状に配置される複数のセンターラグ溝31の傾斜方向が同じ方向であるのに対し、セカンドラグ溝32は、異なる周方向主溝20に開口して千鳥状に配置される複数のセカンドラグ溝32の傾斜方向が異なっている(図1参照)。つまり、センターラグ溝31は、タイヤ幅方向に対するタイヤ周方向への傾斜方向が、異なる周方向主溝20に開口するセンターラグ溝31同士で同じ方向になっている。これに対し、セカンドラグ溝32は、タイヤ幅方向に対するタイヤ周方向への傾斜方向が、内側周方向主溝21に開口するセカンドラグ溝32と外側周方向主溝22に開口するセカンドラグ溝32とで、互いに反対方向になっている。
これらのように構成される空気入りタイヤ1を車両に装着して走行すると、トレッド踏面3のうち下方に位置するトレッド踏面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主にトレッド踏面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、トレッド踏面3と路面との間の水が周方向主溝20やラグ溝30等に入り込み、これらの溝でトレッド踏面3と路面との間の水を排水しながら走行する。これにより、トレッド踏面3は路面に接地し易くなり、トレッド踏面3と路面との間の摩擦力により、車両は走行することが可能になる。
また、雪上路面を走行する際には、空気入りタイヤ1は路面上の雪をトレッド踏面3で押し固めると共に、路面上の雪が周方向主溝20やラグ溝30等の溝に入り込むことにより、これらの雪も溝内で押し固める状態になる。この状態で、空気入りタイヤ1に駆動力や制動力が作用したり、車両の旋回によってタイヤ幅方向への力が作用したりすることにより、溝内の雪に対して作用するせん断力である、いわゆる雪柱せん断力が空気入りタイヤ1と雪との間で発生する。雪上路面を走行する際には、この雪柱せん断力によって空気入りタイヤ1と路面との間で抵抗が発生することにより、駆動力や制動力を路面に伝達することができ、車両は雪上路面での走行が可能になる。
また、雪上路面や氷上路面を走行する際には、周方向主溝20やラグ溝30等の溝のエッジ成分によるエッジ効果も用いて走行する。つまり、雪上路面や氷上路面を走行する際には、周方向主溝20やラグ溝30等の溝のエッジが雪面や氷面に引っ掛かることによる抵抗も用いて走行する。これにより、トレッド踏面3は、摩擦力やエッジ効果によって氷上路面との間の抵抗が大きくなり、空気入りタイヤ1を装着した車両の走行性能を確保することができる。
これらのように、雪上路面や氷上路面を走行する際には、周方向主溝20やラグ溝30等の溝が重要になるが、雪上路面や氷上路面を走行する際の性能である氷雪上性能を重視して溝を増やした場合、陸部10の剛性が低下し易くなる。陸部10の剛性が低下すると、陸部10は摩耗し易くなり、特に、剛性が低い部分での摩耗が大きくなり易くなるため、偏摩耗が発生し易くなる。
これに対し、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、センターラグ溝31とセカンドラグ溝32とは、それぞれ一端が周方向主溝20に開口し、他端が陸部10内で終端しているため、陸部10の剛性を確保することができる。これにより、偏摩耗の発生を抑えることができる。また、センターラグ溝31とセカンドラグ溝32とは、陸部10のタイヤ幅方向における両側を区画する周方向主溝20のうち、一方の周方向主溝20に開口するラグ溝30と、他方の周方向主溝20に開口するラグ溝30とが、タイヤ周方向に交互に配置されるため、陸部10の剛性の低下を抑えつつ、ラグ溝30のエッジ成分を広範囲に亘って確保することができる。これにより、偏摩耗の発生を抑えつつ、雪上路面や氷上路面での走行性能を高めることができる。
さらに、センターラグ溝31とセカンドラグ溝32とには、他端が陸部10内で終端する複数の枝溝40の一端が、ラグ溝先端範囲Atでそれぞれ開口しているため、陸部10の剛性の低下を極力抑えつつ、枝溝40によってエッジ成分を増加させることができ、エッジ効果をさらに向上させることができる。これにより、より確実に偏摩耗の発生を抑えつつ、雪上路面や氷上路面での走行性能を高めることができる。この結果、耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
また、ラグ溝30に対して枝溝40が開口するラグ溝先端範囲Atは、ラグ溝30の先端部35からラグ溝30における周方向主溝20に開口する側の端部に向かって、ラグ溝30の全長LLの0%以上30%以下の範囲であるため、より確実に偏摩耗の発生を抑えることができ、また、雪上路面や氷上路面での走行性能を高めることができる。つまり、ラグ溝先端範囲Atが、ラグ溝30の先端部35からラグ溝30の全長LL30%を超える範囲を含み、この部分に枝溝40が開口する場合は、枝溝40と周方向主溝20のとの距離が小さくなり過ぎる虞がある。この場合、陸部10における枝溝40と周方向主溝20との間の部分の剛性を確保し難くなる虞がある。また、枝溝40と周方向主溝20のとの距離が小さくなり過ぎると、枝溝40のエッジ成分と周方向主溝20のエッジ成分との間隔も小さくなるため、エッジ成分が狭い範囲に集中することになる。この場合、枝溝40を設けても、エッジ効果を効果的に向上させ難くなる虞がある。
これに対し、ラグ溝先端範囲Atが、ラグ溝30の先端部35からラグ溝30の全長LLの0%以上30%以下の範囲であり、この範囲内に枝溝40が開口する場合は、枝溝40と周方向主溝20のとの距離が小さくなり過ぎることを抑制することができる。これにより、陸部10における枝溝40と周方向主溝20との間の部分の剛性が低くなり過ぎることを抑制できるため、より確実に偏摩耗の発生を抑えることができる。また、枝溝40と周方向主溝20のとの距離が小さくなり過ぎることを抑制することにより、枝溝40のエッジ成分と周方向主溝20のエッジ成分とが狭い範囲に集中することを抑制できるため、より確実に雪上路面や氷上路面での走行性能を高めることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
また、枝溝40は、1つのラグ溝30に対して2本が開口しているため、ラグ溝30の数に対して、エッジ成分をより確実に増加させることができ、エッジ効果をさらに高めることができる。この結果、より確実に氷雪上性能を向上させることができる。
また、枝溝40は、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への傾斜角度θ2が、0°以上45°以下の範囲内であるため、雪上路面や氷上路面の走行時におけるタイヤ幅方向のグリップ力を、枝溝40によってより確実に確保することができる。つまり、タイヤ周方向に対する枝溝40の傾斜角度θ2が、45°より大きい場合は、枝溝40の延在方向がタイヤ幅方向に傾斜し過ぎるため、タイヤ幅方向に対するエッジ成分を確保し難くなる虞がある。この場合、タイヤ周方向に対するエッジ成分はラグ溝30によって確保できるものの、タイヤ幅方向に対するエッジ成分が不足する虞があり、雪上路面や氷上路面の走行時におけるタイヤ幅方向の十分なグリップ力を確保し難くなる虞がある。
これに対し、タイヤ周方向に対する枝溝40の傾斜角度θ2が、0°以上45°以下の範囲内である場合は、タイヤ幅方向に対するエッジ成分を枝溝40によってより確実に確保することができ、雪上路面や氷上路面の走行時におけるタイヤ幅方向のグリップ力を、枝溝40によってより確実に確保することができる。この結果、より確実に氷雪上性能を向上させることができる。
また、タイヤ周方向に隣り合う2本のラグ溝30の最短距離DLは、2本のラグ溝30にそれぞれ開口する2本の枝溝40の最短距離DEよりも大きいため、枝溝40を設けることによってエッジ成分を増加させつつ、陸部10の剛性が低下することをより確実に抑制することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
また、タイヤ周方向に隣り合う2本のラグ溝30の最短距離DLに対する、2本のラグ溝30にそれぞれ開口する2本の枝溝40の最短距離DEは、30%以上55%以下の範囲内であるため、陸部10の剛性が低くなり過ぎることを抑えつつ、より確実にエッジ成分を確保することができる。つまり、2本の枝溝40の最短距離DEが、2本のラグ溝30の最短距離DLに対して30%未満である場合は、枝溝40の最短距離DEが小さ過ぎるため、陸部10における枝溝40同士の間の位置する部分の剛性が低くなり過ぎる虞がある。この場合、剛性が低い部分で摩耗が発生し易くなるため、陸部10の偏摩耗を効果的に抑制し難くなる虞がある。また、2本の枝溝40の最短距離DEが、2本のラグ溝30の最短距離DLに対して55%より大きい場合は、ラグ溝30の最短距離DLに対する枝溝40の最短距離DEが大き過ぎるため、タイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士の間の位置で、十分なエッジ成分を確保し難くなる虞がある。この場合、雪上路面や氷上路面での走行性能を効果的に向上させ難くなる虞がある。
これに対し、2本の枝溝40の最短距離DEが、2本のラグ溝30の最短距離DLに対して30%以上55%以下の範囲内である場合は、陸部10における枝溝40同士の間の位置する部分の剛性が低くなり過ぎることを抑えつつ、タイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士の間の位置でのエッジ成分を十分に確保することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
また、タイヤ周方向に隣り合う2本のラグ溝30にそれぞれ開口する2本の枝溝40は、互いに他方の枝溝40の延在方向における延長線上に位置するため、陸部10の剛性を確保しつつ、2本の枝溝40のエッジ成分が作用する方向を、互いに同じ方向にすることができる。これにより、陸部10の偏摩耗の発生を抑制しつつ、枝溝40によるエッジ効果を、より確実に向上させることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
また、枝溝40の最大幅LEは、ラグ溝30の最大幅LGよりも小さいため、エッジ成分を枝溝40によって増加させつつ、枝溝40を設けることによって陸部10の剛性が低下することを、極力抑制することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
また、枝溝40の最大幅LEは、ラグ溝30の最大幅LGの5%以上40%以下の範囲内であるため、陸部10の剛性が低くなり過ぎることを抑制しつつ、より確実に枝溝40での雪柱せん断力を確保することができる。つまり、枝溝40の最大幅LEが、ラグ溝30の最大幅LGの5%未満である場合は、枝溝40の最大幅LEが小さ過ぎる虞があり、枝溝40の体積が小さくなるため、枝溝40での雪柱せん断力を確保し難くなる虞がある。この場合、雪上路面を走行する際における走行性能を、効果的に向上させ難くなる虞がある。また、枝溝40の最大幅LEが、ラグ溝30の最大幅LGの40%より大きい場合は、枝溝40を設けることにより陸部10の体積が小さくなり、陸部10の剛性が低くなり過ぎる虞がある。この場合、陸部10の偏摩耗を効果的に抑制し難くなる虞がある。
これに対し、枝溝40の最大幅LEが、ラグ溝30の最大幅LGの5%以上40%以下の範囲内である場合は、陸部10の剛性が低くなり過ぎることを抑制しつつ、より確実に枝溝40での雪柱せん断力を確保することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ、雪上路面を走行する際における走行性能を向上させることができる。
また、ラグ溝30と枝溝40とは、陸部10の最大幅BWに対する、陸部10の最大幅位置16からラグ溝30と枝溝40とを合わせた最内側位置50までのタイヤ幅方向における距離LW1の比率LW1/BWが、30%以上70%以下の範囲内であるため、陸部10の剛性が低くなり過ぎることを抑制しつつ、より確実にラグ溝30での雪柱せん断力やエッジ成分を確保することができる。つまり、LW1/BWが30%未満である場合は、陸部10の最大幅BWに対するラグ溝30の長さが短過ぎるため、ラグ溝30での雪柱せん断力を確保し難くなったり、ラグ溝30のエッジ成分を十分に確保し難くなったりする虞がある。この場合、雪上路面や氷上路面での走行性能を効果的に向上させ難くなる虞がある。また、LW1/BWが70%より大きい場合は、陸部10の最大幅BWに対して、ラグ溝30の長さが長過ぎるため、これに起因して陸部10の体積が小さくなり、陸部10の剛性が低くなり過ぎる虞がある。この場合、陸部10の偏摩耗を効果的に抑制し難くなる虞がある。
これに対し、LW1/BWが、30%以上70%以下の範囲内である場合は、陸部10の剛性が低くなり過ぎることを抑制しつつ、より確実にラグ溝30での雪柱せん断力を確保したり、ラグ溝30のエッジ成分を確保したりすることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
また、ラグ溝30は、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への傾斜角度θ1が、70°以上90°以下の範囲内であるため、雪上路面や氷上路面の走行時におけるタイヤ幅方向のグリップ力を、ラグ溝30によってより確実に確保することができる。つまり、タイヤ周方向に対するラグ溝30の傾斜角度θ1が、70°未満である場合は、ラグ溝30の延在方向がタイヤ周方向に傾斜し過ぎるため、タイヤ周方向に対するラグ溝30のエッジ成分を確保し難くなる虞がある。この場合、タイヤ周方向に対するエッジ成分が不足する虞があり、雪上路面や氷上路面の走行時におけるタイヤ周方向の十分なグリップ力を確保し難くなる虞がある。
これに対し、タイヤ周方向に対するラグ溝30の傾斜角度θ1が、70°以上90°以下の範囲内である場合は、タイヤ周方向に対するエッジ成分をラグ溝30によってより確実に確保することができ、雪上路面や氷上路面の走行時におけるタイヤ幅方向のグリップ力を、ラグ溝30によってより確実に確保することができる。この結果、より確実に氷雪上性能を向上させることができる。
また、ラグ溝30と枝溝40とは、ラグ溝30の開口側端部36からラグ溝30と枝溝40とを合わせた最内側位置50までのタイヤ幅方向における距離LW2に対する、陸部10の最大幅位置16からラグ溝30と枝溝40とを合わせた最内側位置50までのタイヤ幅方向における距離LW1の比率LW1/LW2が、110%以上140%以下の範囲内であるため、陸部10の剛性が低くなり過ぎることを抑制しつつ、より確実にラグ溝30での雪柱せん断力やエッジ成分を確保することができる。つまり、LW1/LW2が110%未満である場合は、ラグ溝30の開口側端部36から最内側位置50までの距離LW2に対する、陸部10の最大幅位置16から最内側位置50までの距離LW1が小さ過ぎるため、ラグ溝30の長さに対する陸部10の体積が小さ過ぎる虞がある。この場合、陸部10の剛性が低くなり過ぎる虞があり、陸部10の偏摩耗を効果的に抑制し難くなる虞がある。また、LW1/LW2が140%より大きい場合は、ラグ溝30の開口側端部36から最内側位置50までの距離LW2に対する、陸部10の最大幅位置16から最内側位置50までの距離LW1が大き過ぎるため、ラグ溝30の長さに対する陸部10の体積が大き過ぎる虞がある。換言すると、陸部10の体積に対するラグ溝30の長さが短過ぎる虞がある。この場合、ラグ溝30での雪柱せん断力を確保し難くなったり、ラグ溝30のエッジ成分を十分に確保し難くなったりする虞があり、雪上路面や氷上路面での走行性能を効果的に向上させ難くなる虞がある。
これに対し、LW1/LW2が、110%以上140%以下の範囲内である場合は、陸部10の剛性が低くなり過ぎることを抑制しつつ、より確実にラグ溝30での雪柱せん断力を確保したり、ラグ溝30のエッジ成分を確保したりすることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
また、ラグ溝30は、同じ周方向主溝20に開口する複数のラグ溝30のタイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士のピッチ長LBに対する、ラグ溝30の最大幅LGの比率LG/LBが、0.03以上0.15以下の範囲内であるため、陸部10の剛性が低くなり過ぎることを抑制しつつ、より確実にラグ溝30での雪柱せん断力を確保することができる。つまり、LG/LBが0.03未満である場合は、ラグ溝30のピッチ長LBに対するラグ溝30の最大幅LGが小さ過ぎるため、陸部10の体積に対するラグ溝30の最大幅LGが小さ過ぎる虞がある。この場合、ラグ溝30での雪柱せん断力を確保し難くなる虞があり、雪上路面での走行性能を効果的に向上させ難くなる虞がある。また、LG/LBが0.15より大きい場合は、ラグ溝30のピッチ長LBに対するラグ溝30の最大幅LGが大き過ぎるため、ラグ溝30の最大幅LGに対する陸部10の体積が小さ過ぎる虞がある。この場合、陸部10の剛性が低くなり過ぎる虞があり、陸部10の偏摩耗を効果的に抑制し難くなる虞がある。
これに対し、LG/LBが、0.03以上0.15以下の範囲内である場合は、陸部10の剛性が低くなり過ぎることを抑制しつつ、より確実にラグ溝30での雪柱せん断力を確保することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ、雪上路面を走行する際における走行性能を向上させることができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と略同様の構成であるが、陸部10にサイプが形成される点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。
図7は、実施形態2に係る空気入りタイヤ1のトレッド踏面3を示す平面図である。図8は、図7のC部詳細図である。実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と同様に、センターラグ溝31とセカンドラグ溝32とは、それぞれ一端が周方向主溝20に開口し、他端が陸部10内で終端すると共に複数が千鳥状に配置されており、センターラグ溝31とセカンドラグ溝32とには、それぞれラグ溝先端範囲Atで枝溝40が開口している。
さらに、実施形態2では、陸部10における、同じ周方向主溝20に開口してタイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士の間に、2本のオープンサイプ71と2本のクローズドサイプ72とが形成されている。このうち、オープンサイプ71は、一端がラグ溝30または枝溝40に開口し、他端が周方向主溝20に開口している。本実施形態2では、2本のオープンサイプ71のうちの一方のオープンサイプ71の一端は、枝溝40に開口している。また、クローズドサイプ72は、両端が陸部10内で終端している。
なお、ここでいうサイプは、トレッド踏面3に細溝状に形成されるものであり、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、正規内圧の内圧条件で、無負荷時には細溝を構成する壁面同士が接触しないが、平板上で垂直方向に負荷させたときの平板上に形成されるトレッド踏面3の接地領域に細溝が位置する際、または細溝が形成される陸部10の倒れ込み時には、当該細溝を構成する壁面同士、或いは壁面に設けられる部位の少なくとも一部が、陸部10の変形によって互いに接触するものをいう。正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。本実施形態2では、サイプは、幅が1mm未満の範囲内になっており、深さが10mm以上18mm以下の範囲内になっている。
陸部10に形成されるオープンサイプ71とクローズドサイプ72とは、いずれもラグ溝30と略平行に配置されている。詳しくは、オープンサイプ71とクローズドサイプ72とは、タイヤ周方向に繰り返し屈曲しつつ、ラグ溝30と略平行に配置されている。
また、同じ周方向主溝20に開口してタイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士の間に形成される2本のオープンサイプ71と2本のクローズドサイプ72とのうち、2本のクローズドサイプ72は、2本のオープンサイプ71のタイヤ周方向における両側に配置されている。換言すると、2本のオープンサイプ71と2本のクローズドサイプ72とは、2本のオープンサイプ71が、2本のクローズドサイプ72によってタイヤ周方向における両側から挟まれる位置関係となって配置されている。
さらに、2本のオープンサイプ71と2本のクローズドサイプ72とは、等間隔に配置されている。つまり、タイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士の間に形成される、2本のオープンサイプ71と2本のクローズドサイプ72との4本のサイプ71、72は、タイヤ周方向にほぼ等間隔に配置されている。
このように構成される実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と同様に、一端が周方向主溝20に開口し、他端が陸部10内で終端する複数のセンターラグ溝31とセカンドラグ溝32とが、それぞれ千鳥状に配置され、センターラグ溝31とセカンドラグ溝32とには一端が陸部10内で終端する枝溝40が開口しているため、耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
また、陸部10における、同じ周方向主溝20に開口してタイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士の間には、オープンサイプ71とクローズドサイプ72とがそれぞれ2本ずつ形成され、2本のクローズドサイプ72は、2本のオープンサイプ71のタイヤ周方向における両側に配置されるため、陸部10の偏摩耗の発生をより確実に抑制しつつ、雪上路面や氷上路面での走行性能をより確実に向上させることができる。つまり、サイプは、陸部10の体積をあまり低下させずにエッジ成分を増加させることができるので、陸部10にオープンサイプ71とクローズドサイプ72とを形成することにより、陸部10の剛性の低下を抑えつつ、エッジ効果を向上させることができる。また、サイプを配置する際に、両端が陸部10内で終端するクローズドサイプ72をラグ溝30寄りの位置に配置することにより、剛性が低下し易いラグ溝30近傍の位置の陸部10の剛性の低下を極力抑えつつ、エッジ効果を向上させることができる。これにより、陸部10の偏摩耗の発生をより確実に抑制しつつ、雪上路面や氷上路面での走行性能をより確実に向上させることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
また、一端が枝溝40に開口するオープンサイプ71を有するため、オープンサイプ71を設けることによって陸部10の剛性が低下することを極力抑えつつ、より確実にエッジ効果を向上させることができる。つまり、オープンサイプ71は、クローズドサイプ72よりも長さが長いため、エッジ成分をより増加させることができるが、端部が他の溝に開口するため、陸部10の剛性の低下を招き易くなる。このような特性を有するオープンサイプ71の一端を、溝の体積に対する溝壁の割合が大きく、陸部10の剛性を低下させ難い枝溝40に開口させることにより、陸部10の剛性の低下を極力抑えつつ、エッジ成分を増加させてより確実にエッジ効果を向上させることができる。これにより、陸部10の偏摩耗の発生をより確実に抑制しつつ、雪上路面や氷上路面での走行性能をより確実に向上させることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
また、オープンサイプ71とクローズドサイプ72とは、ラグ溝30と略平行に配置されるため、ラグ溝30とクローズドサイプ72との間隔や、オープンサイプ71とクローズドサイプ72との間隔が狭くなる部分を発生させることなく、サイプ71、72を配置することができる。これにより、陸部10の剛性が局所的に低くなることを抑制することができ、剛性が局所的に低うなることに起因する偏摩耗の発生を抑制することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えることができる。
また、2本のオープンサイプ71と2本のクローズドサイプ72とは、等間隔に配置されるため、陸部10の剛性の均等化を図りつつ、オープンサイプ71とクローズドサイプ72とによってエッジ効果を向上させることができる。これにより、陸部10の偏摩耗の発生をより確実に抑制しつつ、雪上路面や氷上路面での走行性能をより確実に向上させることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態1では、互いに異なる周方向主溝20に開口するラグ溝30に係る最内側位置50同士のタイヤ幅方向における位置がほぼ同じ位置になっているが、双方の最内側位置50は、タイヤ幅方向における位置が異なっていてもよい。図9は、実施形態1の変形例であり、異なる周方向主溝20に開口するラグ溝30がタイヤ幅方向に大幅に離間して配置される場合の説明図である。図10は、実施形態1の変形例であり、異なる周方向主溝20に開口するラグ溝30がタイヤ周方向にオーバーラップして配置される場合の説明図である。互いに異なる周方向主溝20に開口するラグ溝30同士は、例えば、図9に示すように、タイヤ幅方向に大幅に離れて形成されていてもよく、または、図10に示すように、タイヤ周方向にオーバーラップしていてもよい。ラグ溝30は、タイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士のタイヤ幅方向における位置が同じ位置となる範囲の大きさ、即ち、オーバーラップ量が、所定の範囲内になっていればよい。
詳しくは、互いに異なる周方向主溝20に開口してタイヤ周方向に隣接するラグ溝30同士は、双方のラグ溝30と当該ラグ溝30に開口する枝溝40とを合わせた際の最内側位置50同士のタイヤ幅方向における距離OLと、陸部10のタイヤ幅方向における最大幅BWとの相対的な大きさを示すOL/BWが、-0.3以上+0.3以下の範囲内になっていればよい。
なお、この場合における最内側位置50同士のタイヤ幅方向における距離OLは、最内側位置50が、互いに他方の最内側位置50よりも他方のラグ溝30が開口する周方向主溝20側に位置する状態(図10参照)を正とし、互いに他方の最内側位置50よりも自己のラグ溝30が開口する周方向主溝20側に位置する状態(図9参照)を負とする。つまり、この場合における最内側位置50同士のタイヤ幅方向における距離OLは、タイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士がオーバーラップしている状態(図10参照)における最内側位置50同士の距離OLの符号を正とし、タイヤ周方向に隣り合うラグ溝30同士がオーバーラップしていない状態(図9参照)における最内側位置50同士の距離OLの符号を負として示している。
互いに異なる周方向主溝20に開口してタイヤ周方向に隣接するラグ溝30同士は、陸部10のタイヤ幅方向における最大幅BWに対する、最内側位置50同士のタイヤ幅方向における距離OLの比率OL/BWが、-0.3以上+0.3以下の範囲内であることにより、陸部10の剛性の低下を極力抑えつつ、ラグ溝30のエッジ成分を確保することができ、エッジ効果を確保することができる。これにより、耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
なお、陸部10のタイヤ幅方向における最大幅BWに対する、最内側位置50同士のタイヤ幅方向における距離OLの比率OL/BWは、-0.1以上+0.1以下の範囲内であるのが、より好ましい。
また、上述した実施形態1では、枝溝40は、ラグ溝30に開口する側の端部から終端部41に向かうに従って、ラグ溝30が開口する周方向主溝20からタイヤ幅方向に離れる方向に、タイヤ周方向に対して傾斜しているが、枝溝40は、これ以外の形態で傾斜していてもよい。図11は、実施形態1の変形例であり、枝溝40が、ラグ溝30が開口する周方向主溝20に近付く方向に傾斜する場合の説明図である。枝溝40は、例えば、図11に示すように、ラグ溝30に開口する側の端部から終端部41に向かうに従って、ラグ溝30が開口する周方向主溝20に対してタイヤ幅方向に近付く方向に、タイヤ周方向に対してタイヤ幅方向に傾斜していてもよい。枝溝40の傾斜方向に関わらず、一端がラグ溝30に開口して他端が陸部10内で終端する枝溝40を設けることにより、陸部10の剛性の低下を抑えつつ、エッジ効果を向上させることができる。
また、上述した実施形態1では、枝溝40は、ラグ溝30の先端部35の近傍でラグ溝30に対して開口しているが、枝溝40がラグ溝30に対して開口する位置は、これ以外の位置でもよい。図12は、実施形態1の変形例であり、枝溝40が先端部35以外の位置でラグ溝30に開口する場合の説明図である。枝溝40は、例えば、図12に示すように、ラグ溝30の延在方向における先端部35と開口側端部36との間の位置で、ラグ溝30に開口していてもよい。枝溝40は、ラグ溝先端範囲Atでラグ溝30に開口していれば、その位置は問わない。
また、上述した実施形態1では、枝溝40は、1つのラグ溝30に対して2本が開口しているが、ラグ溝30に開口する枝溝40の数は、2本以外であってもよい。図13は、実施形態1の変形例であり、1つのラグ溝30に1本の枝溝40が開口する場合の説明図である。図14は、実施形態1の変形例であり、1つのラグ溝30に3本の枝溝40が開口する場合の説明図である。枝溝40は、例えば、図13に示すように、1つのラグ溝30に対して1本の枝溝40が開口していてもよい。または、枝溝40は、1つのラグ溝30に対して3本以上が開口していてもよく、例えば、図14に示すように、1つのラグ溝30に対して3本の枝溝40が開口していてもよい。枝溝40は、陸部10内で終端する側の端部の反対側の端部がラグ溝30に開口していれば、1つのラグ溝30に開口する枝溝40の数は問わない。
また、上述した実施形態1では、複数の枝溝40のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2が、全てほぼ同じ大きさになっているが、複数の枝溝40の傾斜角度θ2は同じ大きさになっていなくてもよい。枝溝40の傾斜角度θ2は、1つのラグ溝30に開口する複数の枝溝40同士で異なっていてもよく、また、異なるラグ溝30に開口する枝溝40同士で異なっていてもよい。
また、上述した実施形態1では、周方向主溝20は4本が形成されているが、周方向主溝20は4本以外であってもよい。また、上述した実施形態1では、枝溝40はセンター陸部11とセカンド陸部12に形成されているが、枝溝40が形成される陸部10は、これらの陸部10以外でもよい。
また、上述した実施形態1、2や変形例は、適宜組み合わせてもよい。空気入りタイヤ1は、一端が周方向主溝20に開口し、他端が陸部10内で終端する複数のラグ溝30が千鳥状に配置され、ラグ溝30に、一端が陸部10内で終端する枝溝40が開口することにより、耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。
[実施例]
図15A、図15Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する比較例の空気入りタイヤとについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、氷上路面や雪上路面での操縦安定性である氷雪上性能と、偏摩耗のし難さについての性能である耐偏摩耗性能とについての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが275/80R22.5サイズの空気入りタイヤ1をJATMAで規定される規定リムのリムホイールにリム組みし、空気圧をJATMAで規定される最大空気圧に調整し、2-D4(前1軸で2輪-後2軸で前軸が4輪で駆動軸、後軸が4輪で遊動軸)の試験車両(トラック)に装着してテスト走行をすることにより行った。
各試験項目の評価方法は、氷雪上性能については、氷上路面と雪上路面とを有するテストコースで試験車両を用いて制動試験を行い、走行中の試験車両が制動を開始してから停止するまでの制動距離を測定した。氷雪上性能は、制動距離の測定値の逆数を、後述する従来例を100とする指数評価によって表し、指数値が大きいほど制動距離が短く、氷雪上性能が優れていることを示している。
また、耐偏摩耗性能については、試験車両で20,000km走行後のヒール&トウ摩耗の摩耗量、具体的には、センター陸部11とセカンド陸部12とにおける、タイヤ周方向に隣り合うセンターラグ溝31やセカンドラグ溝32によって区画された領域の蹴り出し側と踏み込み側との摩耗量の差を測定し、測定した摩耗量の差を、後述する従来例を100とする指数で表示した。この数値が大きいほど、センターラグ溝31やセカンドラグ溝32によって区画された領域の蹴り出し側と踏み込み側との摩耗量の差が小さく、即ち、ヒール&トウ摩耗が少なく、耐偏摩耗性能に優れていることを示している。
性能評価試験は、従来の空気入りタイヤの一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1~11と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例との13種類の空気入りタイヤについて行った。このうち、従来例の空気入りタイヤは、特許文献1のように、タイヤ幅方向に隣り合う周方向主溝同士の間に、タイヤ周方向に延びる細溝が形成されており、ラグ溝は、周方向主溝と細溝との間にかけて貫通している。即ち、従来例の空気入りタイヤは、ラグ溝が開口する細溝を有している。また、比較例の空気入りタイヤは、ラグ溝は一端が周方向主溝に開口し、他端が陸部内で終端するものの、ラグ溝に開口する枝溝は設けられていない。
なお、本性能評価試験において、従来例や比較例、実施例1~11における各溝の構成等の評価の対象は、タイヤ幅方向の最外側に位置する周方向主溝よりもタイヤ幅方向内側の位置での構成が対象になっており、タイヤ幅方向の最外側に位置する周方向主溝よりもタイヤ幅方向外側の構成は考慮されない。即ち、例えばラグ溝が開口する細溝の有無や、ラグ溝に開口する枝溝の有無は、タイヤ幅方向の最外側に位置する周方向主溝よりもタイヤ幅方向内側の位置での構成が対象になっている。
従来例や比較例の空気入りタイヤに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1~11は、ラグ溝30は一端が周方向主溝20に開口し、他端が陸部10内で終端しており、ラグ溝30には枝溝40が開口している。さらに、実施例1~11に係る空気入りタイヤ1は、枝溝40のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2や、タイヤ周方向に隣り合う2本のラグ溝30の最短距離DLと2本の枝溝40の最短距離DEとの関係、陸部10の最大幅BWに対する陸部10の最大幅位置16からラグ溝30と枝溝40の最内側位置50までの距離LW1の比率(LW1/BW)、ラグ溝30のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1、ラグ溝30の開口側端部36からラグ溝30と枝溝40の最内側位置50までの距離LW2に対する、陸部10の最大幅位置16からラグ溝30と枝溝40の最内側位置50までの距離LW1の比率(LW1/LW2)、ラグ溝30のピッチ長LBに対するラグ溝の最大幅LGの比率(LG/LB)が、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて性能評価試験を行った結果、図15A、図15Bに示すように、実施例1~11に係る空気入りタイヤ1は、従来例や比較例に対して、耐偏摩耗性能を低下させることなく、氷雪上性能を向上させることができることが分かった。つまり、実施例1~11に係る空気入りタイヤ1は、耐偏摩耗性能の低下を抑えつつ氷雪上性能を向上させることができる。