以下、より詳細な実施形態を参照して本開示を説明するが、本開示は、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、主題を当業者に完全に伝えるために提供される。
特に定義しない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の本開示において使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するものであり、制限することを意図するものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、「1つの(a)、「1つの(an)」、及び「その(the)」という単数形は、文脈が明らかに別途指示しない限り、複数形をも含むことを意図する。本明細書において言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に明示的に援用される。
定義
本明細書に記載の専門用語は、実施形態を説明するためだけのものであり、全体として本開示の範囲を限定すると解釈すべきではない。
本明細書で使用する場合、「phr」という用語は、ゴムの重量部を意味する。ゴム組成物が2種以上のゴムを含む場合、「phr」は、全てのゴムを合わせた100部に対する重量部を意味する。
本明細書で使用する場合、「ポリブタジエン」という用語は、1,3-ブタジエンモノマーから製造されたポリマーを示すために使用される。ポリブタジエンという用語はまた、「ポリブタジエンゴム」という句及び「BR」という略記と互換的に使用される。
本明細書で使用する場合、「スチレン-ブタジエンコポリマー」、「スチレン-ブタジエンゴム」、又は「SBR」という用語は、スチレン及び1,3-ブタジエンモノマーから製造されたコポリマーを意味する。
本発明で使用する場合、「天然ゴム」又は「NR」という用語は、パラゴムノキ属(Hevea)のゴムの木などの原料、及び非パラゴムノキ属の原料(例えば、グアユールゴムノキ(guayule shrub))から収穫することができるものなどの、天然ゴムを意味する。
本明細書で使用する場合、「コポリマー」という用語は、2つ以上のモノマーから生成されるポリマーを指し、したがって、2つのモノマー又はターポリマーなどの3つ以上のモノマーから生成されるポリマーを包含し得る。
本明細書で使用する場合、「ゴム組成物」は、コポリマー(例えば、官能化水素化コポリマー)、並びにタイヤ及び非タイヤ用途での使用のためにブレンドされる追加の充填剤及び添加剤を指す。
本明細書で使用する場合、「ビニル含有量」は、ポリマー中の1,2-ビニル二重結合(例えば、官能化水素化コポリマー)の百分率を指す。
本開示の実施形態は、少なくとも1つの共役ジオレフィンモノマー及び少なくとも1つのビニルモノマーの共重合から生成した官能基化コポリマーを対象とする。官能基化コポリマーは、シリカ反応性部分を有する少なくとも1つの官能基を含み、官能基化コポリマーは、プロトン核磁気共鳴分光法(1H NMR)を使用して測定される際、75%~98mol%の水素化度を有する。更なる実施形態は、これらの水素化官能基化コポリマーを含む、ゴム組成物を対象とする。
追加的な実施形態は、水素化官能基化コポリマーを作製する方法を対象とする。本方法は、アニオン重合開始剤、少なくとも1つの共役ジオレフィンモノマー、少なくとも1つのビニル芳香族モノマー及び溶媒を反応器に導入して、アニオン重合を介して、リビングコポリマーを生成する工程と、シリカ反応性部分を含む少なくとも1つの官能基をリビングコポリマーと反応させて、官能基化コポリマーを生成する工程と、官能基化コポリマーと溶媒及び水素化触媒とを混合することによる、官能基化コポリマーを水素化する工程であって、水素化官能基化コポリマーが、1H NMRを使用して測定される際、少なくとも75mol%の水素化度を有する工程と、を含む。
モノマー
様々なモノマーには、共役ジオレフィンモノマー及びビニルモノマーが企図されている。
共役ジオレフィンモノマーは、様々な炭化水素組成物を含むことができる。例えば、共役ジオレフィンとしては、1,3-ブタジエン、1,3-シクロヘキサジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、及び2,4-ヘキサジエン、又はこれらの組み合わせなどの約4~約12個の炭素原子を有するものが挙げられる。共役二オレフィンはまた、ミルセンなどのトリエンを包含することができる。
ビニルモノマーは、共役ジオレフィンモノマーと共に共重合して、コポリマー又はターポリマーを生成することができる。ビニル芳香族モノマーは、約8~約20個の炭素原子、又は約8~10個の炭素原子を有する炭化水素を含むことができる。これらのビニル芳香族モノマーは、ビニル芳香族モノマー、例えば、モノビニル芳香族炭化水素を含むことができる。1つ以上の実施形態では、ビニルモノマーは、スチレン、アルファ-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレン、1-アルファ-メチルビニルナフタレン、2-アルファメチル-ビニルナフタレン及びこれらの混合物、並びにハロ、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール及びアラルキル、組み合わせた炭化水素中の炭素数の合計数が、一般に、12以下である上記の誘導体を含むことができる。これら後者の化合物の例としては、4-メチルスチレン、ビニルトルエン、3,5-ジエチルスチレン、2-エチル-4-ベンジルスチレン、4-フェニルスチレン、4-パラ-トリルスチレン、及び4,5-ジメチル-1-ビニルナフタレン、又はこれらの混合物が挙げられる。
コポリマーは、20~100重量%又は約40~80重量%の共役ジオレフィンモノマーを含むことができる。反対に、コポリマーは、0~約80重量%又は約10~約50重量%のビニル芳香族モノマーを含むことができる。コポリマーは、ランダムコポリマー又はブロックコポリマーであり得る。一実施形態では、共役ジオレフィンモノマーは1,3-ブタジエンであり、ビニル芳香族モノマーはスチレンであり、これらを共重合してスチレンブタジエンコポリマーを生成する。特定の実施形態では、コポリマーは、ランダムスチレンブタジエンコポリマーである。
溶媒
本開示の重合は、溶媒、例えば、不活性溶媒の存在下で行われ得る。「不活性溶媒」という用語は、得られるポリマーの構造に入らず、得られるポリマーの特性に悪影響を及ぼさず、用いられる触媒の活性に悪影響を及ぼさない溶媒を意味する。好適な不活性溶媒としては、ヘキサン、ペンタン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサンなどの脂肪族、芳香族、又は脂環式炭化水素を含有し得る炭化水素溶媒が挙げられる。テトラヒドロフランなどのエーテル、並びにトリエチルアミン及びトリブチルアミンなどの三級アミンも溶媒として使用され得るが、これらは、スチレン分布、ビニル含有量、及び反応速度に応じて重合を変化させ得る。1つ以上の実施形態では、溶媒は、ヘキサン又はヘキサン類(例えば、直鎖及び分枝鎖)のブレンド及び混合物、例えば、単独の又は他の形態のヘキサンと混合されているシクロヘキサンを含み得る。
アニオン重合開始剤
本開示のアニオン重合プロセスには、様々なアニオン重合開始剤が企図される。アニオン重合開始剤は、リチウム触媒、具体的には有機リチウムアニオン性開始剤触媒を含むことができる。用いられる有機リチウム開始剤は、共役ジオレフィンモノマー(例えば、1,3-ブタジエンモノマー)の重合に有用な任意のアニオン有機リチウム開始剤であり得る。一般に、有機リチウム化合物としては、式中、Rが、1~約20個の炭素原子、好ましくは約2~約8個の炭素原子を含有する炭化水素基を表し、xが、1~2の整数である、式R(Li)xの炭化水素含有リチウム化合物が挙げられる。炭化水素基は脂肪族基であることが好ましいが、炭化水素基は脂環式又は芳香族であってもよい。脂肪族基は、一級、二級、又は三級基であってもよいが、一級及び二級基が好ましい。脂肪族ヒドロカルビル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-アミル、sec-アミル、n-ヘキシル、sec-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-ドデシル、及びオクタデシルが挙げられる。脂肪族基は、アリル、2-ブテニルなどの不飽和をいくつか含有することができる。シクロアルキル基は、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンチルメチル、及びメチルシクロペンチルエチルによって例示される。芳香族ヒドロカルビル基の例としては、フェニル、トリル、フェニルエチル、ベンジル、ナフチル、フェニルシクロヘキシルなどが挙げられる。R及びxが上記に定義したようなR(Li)xなどの1つ以上のリチウム化合物を含有するものなど、異なるリチウム開始剤化合物の混合物を用いることもできる。単独で又はヒドロカルビルリチウム開始剤と組み合わせて用いることができる他のリチウム触媒は、トリブチルスズリチウム、リチウムジアルキルアミン、リチウムジアルキルホスフィン、リチウムアルキルアリールホスフィン、及びリチウムジアリールホスフィンである。一実施形態では、有機リチウム開始剤は、n-ブチルリチウムである。
所望の重合をもたらすのに必要な開始剤の量は、所望のポリマー分子量、共役ジエンの所望の1,2-及び1,4-含有量、並びに生成されるポリマーの所望の物理的特性などの多数の要因に応じて広範囲にわたって変化し得る。一般に、利用される開始剤の量は、所望のポリマー分子量(典型的には1,000~10,000,000グラム/モル平均分子量)に応じて、モノマー100グラム当たり最低0.2ミリモル程度のリチウリチウム~モノマー100グラム当たり最高約100ミリモルと変化し得る。
モノマー(複数可)及び溶媒を好適な反応容器に導入し、続いてアニオン重合開始剤を添加することによって重合を開始する。重合反応は、バッチ重合反応器システム又は連続重合反応器システムで実行することができる。温度、圧力、及び時間などの重合条件は、上述のアニオン重合開始剤を用いて記載されている、モノマーを重合することで当該技術分野において周知である。例えば、例示目的のみのために、重合に用いられる温度は一般に重要ではなく、約-60℃~約150℃の範囲であり得る。例示的な重合温度は、数分から最大で24時間又はこれより長い重合時間の場合、約25℃~約130℃の範囲とすることができ、例えば、温度及び他の反応パラメータに応じて、大気圧又は大気圧付近で、実質的に液相中で混合物の重合を維持するのに一般に十分な圧力を使用する。この手順は、無水嫌気性条件下で実行され得る。有機リチウム開始剤の存在下で、上で特定されたモノマーのうちのいずれかの重合は、「リビング」ポリマーの形成をもたらす。リチウムは、重合が継続するにつれて、成長中の鎖に移動する。ポリマーの形成又は成長を通して、ポリマー構造は、アニオン性であり、リビングであり得る。言い換えれば、炭素アニオンが存在する。続いて反応に付加されるモノマーの新バッチは、既存の鎖のリビング末端に付加され、重合度を増加させることができる。したがって、リビングポリマー又はコポリマーは、アニオン反応性末端を有するポリマー部分を含み得る。
官能基
次いで、リビングポリマーのアニオン反応性末端に官能基を適用して、リビングポリマーをキャップ又は終端させてもよい。本官能性コポリマーに関しては、官能基は、シリカ反応性とすることができ、任意選択的に、カーボンブラック反応性とすることができる。シリカ-反応性部分は、シリカ強化性充填剤と反応して、イオン性結合又は共有結合を形成する、1つ以上の反応性基を包含する。官能基の多数が、シリカとの反応性に目を向けているが、この官能基は、シリカとカーボンブラックの両方と反応性とすることができることが企図されている。シリカと反応する有用な官能基は、電子供与体である、又はプロトンと反応することができる。例示的な基としては、アルコキシシリル、ヒドロキシル、ポリアルキレングリコール、シラノール、シリルハライド、無水物、有機酸、アミン、ヘテロ環、及びエポキシ基のうちの1つ又は組み合わせが挙げられる。これらの官能基の1つ以上を含有する有用なシリカ反応性化合物としては、官能基化エラストマー、シリカカップリング剤、及びシリカ反応性分散助剤を含む。
1つ以上の実施形態では、官能基は、シラン改質剤であってよい。シラン改質剤は、ヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基と結合したシリカ原子を含んでもよい(シリカ原子は通常、4個の炭化水素基と結合している)。シリカに結合した炭化水素基は、環状部分を含んでもよく、分枝鎖又は直鎖であってもよい。例えば、様々なアルコキシシリル組成物、例えば、以下に限定されないが、アルコキシシラン化合物、アラルキルオキシシラン化合物、テトラアルコキシシラン化合物、アルキルアルコキシシラン化合物、アルケニルアルコキシシラン化合物、ハロゲノアルコキシシラン化合物又はそれらの組み合わせが企図される。これらとしては、ジメトキシシラン及びトリメトキシシランのうちの1つ以上を挙げることができる。
テトラアルコキシシラン化合物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトラ(2-エチルヘキサノキシ)シラン、テトラフェノキシシラン、テトラトルイルオキシシランなどを挙げることができる。
アルキルアルコキシシランの例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ-n-プロポキシシラン、メチルトリ-n-ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ-n-プロポキシシラン、エチルトリ-n-ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ-n-プロポキシシラン、ジメチルジ-n-ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPMOS)、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン及びそれらの組み合わせを挙げることができる。
アリールアルコキシシラン化合物の例としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ-n-プロポキシシラン、フェニルトリ-n-ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。
アルケニルアルコキシシラン化合物の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ-n-プロポキシシラン、ビニルトリ-n-ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、アリルトリメトキシシラン、オクテニルトリメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン及びそれらの組み合わせを挙げることができる。
ハロゲノアルコキシシラン化合物としては、トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリ-n-プロポキシクロロシラン、トリ-n-ブトキシクロロシラン、トリフェノキシクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、ジ-n-プロポキシジクロロシラン、ジフェノキシジクロロシラン、メトキシトリクロロシラン、エトキシトリクロロシラン、n-プロポキシトリクロロシラン、フェノキシトリクロロシラン、トリメトキシブロモシラン、トリエトキシブロモシラン、トリ-n-プロポキシブロモシラン、トリフェノキシブロモシラン、ジメトキシジブロモシラン、ジエトキシジブロモシラン、ジ-n-プロポキシジブロモシラン、ジフェノキシジブロモシラン、メトキシトリブロモシラン、エトキシトリブロモシラン、n-プロポキシトリブロモシラン、フェノキシトリブロモシラン、トリメトキシヨードシラン、トリエトキシヨードシラン、トリ-n-プロポキシヨードシラン、トリフェノキシヨードシラン、ジメトキシジヨードシラン、ジ-n-プロポキシジヨードシラン、ジフェノキシジヨードシラン、メトキシトリヨードシラン、エトキシトリヨードシラン、n-プロポキシトリヨードシラン、フェノキシトリヨードシラン及びそれらの組み合わせを挙げることができる。
追加として、アルコキシシリル組成物としては、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECETMOS)、メチルトリメトキシシラン(MeSi(OMe)3)、3-グリシジルプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又は3-(1,3-ジメチルブチリデン)アミノプロピルトリエトキシシランなどのトリメトキシシラン組成物を挙げることができる。加えて、アルコキシシリル組成物としては、オルトケイ酸テトラエチル、3-グリシジルプロピルメチルジメトキシシラン、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
1つ以上の実施形態によれば、シラン改質剤は、酸素含有部分を含んでもよく、酸素含有部分の酸素原子は、シラン改質剤のケイ素原子と直接結合しなくてもよい。例えば、酸素含有部分は、シラン改質剤のケイ素原子に炭素分子と結合されてもよい。このような実施形態では、シリカ原子に結合した他の部分は、アルコキシ基などの酸素原子と結合してもよいことを理解されたい。しかしながら、少なくとも1個の基(例えば、シリカ原子に結合した4個の基のうち)は、中心ケイ素原子と直接結合しない酸素原子を含んでもよい。
本明細書に記載される追加の実施形態では、酸素含有部分は、環構造中に酸素ヘテロ原子を含んでもよい。例えば、酸素含有部分は、6炭素環中の任意の2つの炭素(場合によっては隣接する炭素)に結合した酸素原子を有する6炭素環構造を含んでもよい。6炭素環は、例えば、アルキル炭素鎖によってシラン改質剤のケイ素原子に結合してもよい。
更なる実施形態によれば、酸素含有部分は、末端酸素原子である酸素ヘテロ原子を含んでもよい。本明細書に記載されるように、末端原子は、シラン改質剤のケイ素分子から最も遠い原子(例えば、炭化水素鎖を終端する)を含んでもよく、追加として分枝状炭化水素部分の分枝上に末端分子を含んでもよい。末端原子はまた、炭化水素鎖の末端で環状官能基に結合しているか又は環状官能基に含まれるヘテロ原子を含んでもよい。例えば、炭素鎖を終端する6炭素環部分中の隣接する炭素分子に結合した酸素含有部分は、末端原子と考えてもよい。
追加の実施形態では、シラン改質剤は、硫黄、リン、又は窒素のうちの1つ以上を含まなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、シラン改質剤は、全ての硫黄、リン、及び窒素を含まなくてもよい。更なる実施形態では、シラン改質剤は、硫黄、リン、又は窒素のうちのいずれか1つ又は2つを含まなくてもよいが、第3のもの(任意の組み合わせで)を含む。
更なる実施形態では、官能基は、カーボンブラック反応性部分を含むことができる。炭素反応性部分は、アミン官能基を含むことができる。様々なアミン、例えば、一級アミン(例えば、NH2)、二級アミン、又は三級アミンが企図される。更に、アミン官能基は、脂肪族部分又は芳香族部分を含み得る。他の実施形態では、官能基は、カーボンブラック反応性の官能性コポリマーを作製するためにスズ化合物を含み得る。様々なスズ化合物、例えば、ブチルスズトリス-(2-エチルヘキサノエート)、塩化ブチルスズジヒドロキシド、酸化水酸化ブチルスズ水和物、二ラウリン酸ジブチルスズ、及び二マレイン酸ジブチルスズが挙げられるが、これらに限定されない、1官能性アルキルスズ化合物が企図される。1官能性アルキルスズ化合物の混合物もまた使用することができる。更に、四塩化スズ(SnCl4)などの無機のスズ官能基が企図される。
重合条件及び反応剤は、官能基の添加量を決定づけることができる。1つ以上の実施形態では、官能基は、約0.25~2、又は約0.5~1のモル比(開始剤に対する)で存在することができる。
追加の重合成分
加えて、共重合においてランダム化を促進するために、及びビニル含量を制御するために、任意選択的に、1つ以上のポリマー改質剤を重合成分に添加してもよい。ポリマー改質剤の量は、開始剤(例えば、リチウム触媒)1当量当たり0~約90当量以上の範囲であり得る。ポリマー改質剤として有用な化合物は、典型的には有機物であり、酸素又は窒素ヘテロ原子及び非結合電子対を有するものが挙げられる。例としては、モノ及びオリゴアルキレングリコール、「クラウン」エーテルであるジアルキルエーテル、テトラメチエチレンジアミン(tetramethyethylene diamine)(TMEDA)などの三級アミン、テトラヒドロフラン(THF)、2,2-ビス(2’-テトラヒドロフリル)プロパン、THFオリゴマーである線状及び環式オキソラニルアルカンオリゴマー(例えば、環式オキソラニルプロパンオリゴマー)、カリウムt-アミレート(KTA)又はそれらの組み合わせが挙げられる。
本開示の方法は、任意選択的に、安定化剤、例えばシラン安定化剤を含むことができる。1つの好適なシラン安定化剤は、オクチルトリエトキシシランである。更に、酸化カップリングに起因するムーニー粘度の不安定性の可能性を低減するために、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydoxytoluene、BHT)とも呼ばれる)などの酸化防止剤を添加してもよい。安定化剤を反応器又は反応器の下流の別の混合機に添加してもよい。同様に、酸化防止剤を反応器又は反応器の下流の別の混合機に添加してもよい。
任意選択的に、停止に際して、必要に応じて、停止された官能性ポリマーをクエンチして、乾燥させてもよい。クエンチは、反応の完了を確実とするため、約30℃~約120℃の温度で、約0.05~約2時間、クエンチ剤を官能性コポリマーに接触させることにより行うことができる。好適な周知のクエンチ剤としては、アルコール、水、2-エチルヘキサン酸(EHA)、酢酸などのカルボン酸が挙げられる。凝固は、通常、メタノール又はイソプロパノールなどのアルコールを用いて行われる。クエンチの工程の代わりに、又はこれと組み合わせて、官能性ポリマーは、当分野で公知のドラム乾燥を行ってもよい。溶媒を除去するために蒸気又は高熱の使用も好適と考えられる。
水素化
官能基化コポリマーの生成後、官能性コポリマーは、水素流の存在下で、官能基化コポリマーを溶媒及び水素化触媒と混合することにより水素化される。溶媒は、上記の溶媒の1つ以上を含むことができる。一実施形態では、水素化触媒は、ニッケルを含む。
更なる実施形態では、水素化触媒は、ニッケルオクトエートなどの少なくとも1つのニッケル含有組成物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、水素化触媒は、少なくとも1つのニッケル化合物及び少なくとも1つのアルミニウム化合物を含み得る。1つ以上の実施形態では、水素化触媒のニッケルは、オクタン酸ニッケルなどのニッケルカルボキシレーン錯体などの有機ニッケル化合物を含む。ニッケル及びアルミニウムを含む水素化触媒に関しては、アルミニウムはまた、有機アルミニウム化合物を含むことができる。追加のニッケル含有化合物は、ニッケルアルコキシド、ニッケルアリールオキシド、ニッケルハロゲン化物、及びニッケルβ-ジケトネートなどであるが、これらに限定されない水素化触媒における使用が企図される。一実施形態では、有機アルミニウム化合物は、トリエチルアルミニウムである。ニッケル及びアルミニウムは、様々な量で含まれ得る。例えば、アルミニウム及びニッケルは、1:1~5:1、又は2:1~4:1のAl/Niモル比で加えてもよい。
追加の実施形態によると、水素化触媒は、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、又は白金(Pt)のうちの1つ以上を含んでもよい。これらの企図される触媒材料を含む様々な配位子は、水素化触媒として企図される。しかしながら、いくつかの実施形態では、水素化触媒は、チタン(Ti)を含まなくてもよい。いかなる特定の理論にも制限されるものではないが、酸素ヘテロ原子が、リビングポリマーと反応して官能基化コポリマーを生成し得る官能基中に存在する場合、Tiは水素化触媒として望ましくない場合があると考えられる。例えば、シランのケイ素に間接的に結合した酸素ヘテロ原子を含むシラン改質剤を含む官能基は、Ti触媒と反応し、水素化を阻害するか、官能基化コポリマーの好ましい化学的性質を変化させるか、又はその両方であってもよい。ニッケルを含む水素化触媒は、そのような官能基が利用されるとき、優れた触媒性能を提供し得ることが観察されている。追加として、他の非Ti系水素化触媒は、Ti系水素化触媒と比較して、強化された官能性を提供し得る。
水素化法では、1~100atmの圧力の加圧水素を添加してもよい。上記の重合のように、クエンチ剤及び酸化剤などの追加の構成要素を反応器に加えてもよい。
以下の式1に図示されている以下の例示的な反応は、スチレン-ブタジエンコポリマーの水素化を例示している。
式1
上記の式1に示されていないが、スチレンブタジエンコポリマーは、水素化前に、シリカ反応性部分を含む官能基により官能基化され得る。具体的な実施形態では、官能性コポリマーは、プロトン核磁気共鳴分光法(1H NMR)を使用して測定される際、75%~98mol%、又は80%~98mol%、又は85%~98mol%、又は90%~98mol%の水素化度を有している。理論に限定されないが、官能性コポリマーにおける水素化レベルがこのように高いことは、機械的性能の改善に相関した。
水素化により、二重結合数が低減するが、1つ以上の実施形態では、官能性コポリマーは、水素化前に、10%~60%又は30~60%の初期ビニル含有率を有することができる。理論によって拘泥されないが、初期ビニル含有率の制御により、官能性コポリマーのアモルファス性質を維持することができ、これにより、タイヤトレッドの性能を劣化させるおそれがある結晶形成を低減することができる。
ゴム組成物
既に明記したとおり、上で詳述されている水素化官能基化コポリマーは、タイヤ及び非タイヤ用途のためのゴム組成物に含ませることができる。本ゴム組成物はまた、少なくとも1つの硬化剤、及び少なくとも1つの強化性充填剤を含むことができる。
硬化剤
本明細書で使用する場合、硬化剤は、官能化コポリマーの加硫に使用される加硫剤である。1つ以上の実施形態では、硬化剤としては、硫黄系硬化剤又は過酸化物系硬化剤が挙げられる。特定の好適な硫黄硬化剤の例としては、「ゴム製造業者の(rubbermaker's)」可溶性硫黄、二硫化アミン、ポリマー性ポリスルフィド、又は硫黄オレフィン付加物などの硫黄供与性硬化剤、及び不溶性のポリマー性硫黄が挙げられる。一実施形態では、硫黄硬化剤は、可溶性硫黄、又は可溶性及び不溶性ポリマー硫黄の混合物を含む。硬化に用いられる好適な硬化剤
及びその他の組成物(例えば、加硫阻害剤、スコーチ防止剤)の一般的な開示として、Kirk-Othmer、「Encyclopedia of Chemical Technology」第3版、Wiley Interscience、N.Y.、1982年、Vol.20、pp.365~468、特に「Vulcanization Agents and Auxiliary Materials」、pp.390~402、又はA.Y.Coran、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」第2版(1989年、John Wiley & Sons,Inc.)を参照することができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。様々な量が企図されるが、硬化剤を、1~5phr及び好ましくは1~3.5phrを含む1~7.5phrを含む、0.1~10phrの範囲の量で使用してもよい。
補強充填材
本明細書で使用する場合、「補強充填剤」は、窒素吸着比表面積(N2SA)が、約100m2/g超、及びある特定の場合では、100m2/g超、約125m2/g超、125m2/g超、又は更に約150m2/g超、又は150m2/g超を有する粒子材料を指し得る。あるいは、「補強充填剤」はまた、約10nm~約50nmの粒径を有する粒子材料を指すためにも使用することができる。
1つ以上の実施形態では、補強充填剤は、シリカ、カーボンブラック、又はこれらの組み合わせを含み得る。
様々なカーボンブラック組成物が好適であると考えられる。有用なカーボンブラックの中には、ファーネスブラック、チャネルブラック、及びランプブラックがある。より詳細には、有用なカーボンブラックの例としては、超耐摩耗性ファーネス(SAF)ブラック、高耐摩耗性ファーネス(HAF)ブラック、良押出性ファーネス(FEF)ブラック、微細ファーネス(FF)ブラック、準超耐摩耗性ファーネス(ISAF)ブラック、中補強性ファーネス(SRF)ブラック、中加工性チャネルブラック、難加工性チャネルブラック、及び導電性チャネルブラックが挙げられる。利用され得る他のカーボンブラックとしては、アセチレンブラックが挙げられる。ある特定の実施形態では、ゴム組成物は、前述のカーボンブラックのうちの2つ以上の混合物を含む。
様々な量のカーボンブラックが企図される。1つ以上の実施形態では、補強カーボンブラック充填剤の合計量は、5~175phr、約5~約150phr、5~150phr、約5~約100phr、5~100phrを含む5~約175phr、又は10~200phr、約20~約175phr、20~175phr、約20~約150phr、20~150phr、約25~約150phr、25~150phr、約25~約100phr、25~100phr、約30~約150phr、30~150phr、約30~約125phr、30~125phr、約30~約100phr、30~100phr、約35~150phr、35~150phr、約35~約125phr、35~125phr、約35~約100phr、35~100phr、約35~約80phr、及び35~80phrを含む、約10~約200phrである。使用されるカーボンブラックは、ペレット化形状又は非ペレット化綿状塊とすることができる。ゴム組成物中のより均一な混合のために、いくつかの実施形態では、非ペレット化カーボンブラックが使用され得る。
更に、シリカ充填剤もまた、強化性充填剤として使用されてもよい。使用に好適な補強シリカ充填剤の例としては、沈殿非晶質シリカ、湿式シリカ(水和ケイ酸)、乾燥シリカ(無水ケイ酸)、フュームドシリカ、ケイ酸カルシウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において開示されている第1~第3の実施形態のある種の実施形態のゴム組成物において使用するための他の好適なシリカ充填剤には、以下に限定されないが、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム(例えば、Mg2SiO4、MgSiO3)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(例えば、Al2O3CaO2SiO2)などが挙げられる。
カーボンブラックのように、補強充填剤として使用するために、シリカの様々な量が企図される。1つ以上の実施形態では、補強シリカ充填剤又はシリカ充填剤の合計量は、5~175phr、約5~約150phr、5~150phr、約5~約100phr、5~100phrを含む約5~約175phr、又は10~200phr、約20~約175phr、20~175phr、約20~約150phr、20~150phr、約25~約150phr、25~150phr、約25~約100phr、25~100phr、約30~約150phr、30~150phr、約30~約125phr、30~125phr、約30~約100phr、30~100phr、約35~150phr、35~150phr、約35~約125phr、35~125phr、約35~約100phr、35~100phr、約35~約80phr、及び35~80phrを含む、約10~約200phrであり得る。
他の実施形態では、ゴム組成物は、カーボンブラック又はシリカ以外、又は代替的に補強カーボンブラック及び補強シリカ充填剤に加えて、少なくとも1つの補強充填剤を含み得る。本明細書において開示されているゴム組成物において使用するための好適なこのような強化性充填剤の非限定例としては、以下に限定されないが、水酸化アルミニウム、タルク、アルミナ(Al2O3)、アルミニウム水和物(Al2O3H2O)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、炭酸アルミニウム(Al2(CO3)2)、酸化アルミニウムマグネシウム(MgOAl2O3)、ピロフィライト(pyrofilite)(Al2O34SiO2.H2O)、ベントナイト(Al2O3.4SiO2.2H2O)、雲母、カオリン、ガラス製バルーン、ガラス製ビーズ、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[Zr(OH)2.nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、結晶性アルミノシリケート、酸化亜鉛(すなわち強化性酸化亜鉛)の強化性グレード、及びそれらの組み合わせが挙げられる。補強カーボンブラック充填剤及び補強シリカ充填剤の他に、又は代替的にこれらに加えて、少なくとも1つの補強充填剤が存在するとき、全ての補強充填剤の合計量は、5~200phrを含む約5~約200phrである。言い換えると、少なくとも1つの強化性充填剤が、カーボンブラックシリカ又は両方に加えて存在する場合、強化性カーボンブラック充填剤及び強化性シリカ充填剤の量は、強化性充填剤の総量が、約5~約200phr(5~200phrを含む)となるように調節される。
追加のゴム
更なる実施形態では、ゴム組成物は、天然ゴム、合成ゴム、又はこれらの組み合わせを含む、追加のゴム成分を含んでもよい。例えば、限定するものではないが、合成ゴムは、合成ポリイソプレン、ポリイソブチレン-co-イソプレン、ネオプレン、ポリ(エチレン-co-プロピレン)、ポリ(スチレン-co-ブタジエン)、ポリ(スチレン-co-イソプレン)、及びポリ(スチレン-co-イソプレン-co-ブタジエン)、ポリ(イソプレン-co-ブタジエン)、ポリ(エチレン-co-プロピレン-co-ジエン)、ポリスルフィドゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、又はこれらの組み合わせを含み得る。
追加の添加剤
任意選択的に、シランカップリング剤をシリカ補強充填剤ブレンドして、補強特性を更に改善することができる。例えば、シランカップリング剤としては、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3-デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3-ラウロイルチオプロピルトリエトシルシラン、2-ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2-オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2-デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2-ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3-ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3-オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3-デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3-ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2-ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2-オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2-デカノイルチオエチルトリメトキシシラン及び2-ラウロイルチオエチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、単独で又は2つ以上を組み合わせて使用してもよい。
また、有用な加工油又は伸展油が含まれてよい。このような油としては、パラフィン系、芳香族系、又はナフテン系油として市販のものが挙げられる。1つ以上の実施形態では、油の主成分はナフテン系である。ゴム成分はまた、抗オゾン剤、ワックス、スコーチ阻害剤、加工助剤、酸化亜鉛、粘着性樹脂、補強樹脂、ステアリン酸などの脂肪酸、ペプチド化剤、及び1つ又は促進剤などの他の添加剤を含み得る。
オゾン劣化防止剤は、N-1,3-ジメチルブチル-N’フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、及びN-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミンなどのN,N’二置換-p-フェニレンジアミンを含むことができる。オゾン劣化防止剤の他の例としては、アセトンジフェニルアミン縮合生成物、2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、オクチル化ジフェニルアミン、及び2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールが挙げられる。
硬化促進剤には、例えば、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、亜鉛ジエチルジチオカルバメート、亜鉛ジメチルジチオカルバメート、及び鉄ジメチルジチオカルバメートなどの金属ジアルキルジチオカルバメートを含むジチオカルバメート促進剤;2-メルカプトベンゾチアゾール、例えばメルカプトベンゾチアゾールジスルフィドなどベンゾチアゾールジスルフィドを含むチアゾール促進剤;例えば、n-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどベンゾチアゾールスルフェンアミド、及び例えば、t-ブチル-2-ベンゾチアジイルスルフェンアミドなどスルフェンアミド促進剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。
ゴム組成物は、ゴム1000部(phr)、又は約5~約1000phr、又は約20~約80phr、又は約30~約50phr当たり、少なくとも3重量部の充填剤を含み得る。ゴム組成物はまた、ゴム100重量部当たり約0~約80部、又は約5~約50phr、又は約10~約30phrの加工油又伸展油を含み得る。
合計100部のゴムのうちの官能性コポリマーは、合計100のうちの約20~約100部、又は合計100のうちの約25~約75部、合計100のうちの30~約60部を含み得る。
本ゴム組成物は、トレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビーズなどのタイヤ用途、並びにゴムクッション、ベルト、ホース及び他の工業製品に使用するために成形及び加硫することができるロール、密閉式ミキサなどのミル粉砕機械によってミル粉砕することにより得ることができるが、タイヤトレッドでの使用に特に好適である。
本開示の実施形態は、以下の実施例を参照して更に例示される。
実施例1:SBRの合成
標準スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した2ガロン(約7.5リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン2.282キログラム、ヘキサン中の33.0重量%のスチレン0.771キログラム、及びヘキサン中の20.7重量%の1,3-ブタジエン3.698キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を5.32ミリリットル、次いで、2,2-ビス(2’-テトラヒドロフリル)プロパン(ヘキサン中の1.60モル濃度)1.06ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。35分後、バッチ温度は、63.8℃でピークになった。更に30分後、このポリマーセメントを乾燥した28オンスのガラス製ボトルに滴下し、イソプロピルアルコール/ヘキサン1.0Mの溶液を0.38ミリリットル加えることにより、アニオン性重合反応を停止させた。
以下の表1を参照すると、水素化前の初期SBR試料のポリマーミクロ構造を、表1に見ることができる。理論によって拘泥されないが、ゴムのアモルファス性質の維持、及び結晶性の低下又は排除が望ましいことがある。このアモルファス性質は、ビニル含有率を30~60%の間に確保することにより維持することができる。より低いビニル含有率では、ポリエチレンの晶子形成が始まるおそれがあり、それにより、転がり抵抗が有害に増加する。
実施例2:ECETMOS官能基化SBRの合成
ECETMOS[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン]官能基化スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した2ガロン(約7.5リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン2.282キログラム、ヘキサン中の33.0重量%スチレン0.771キログラム、及びヘキサン中の20.7重量%の1,3-ブタジエン3.698キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を5.32ミリリットル、次いで、2,2-ビス(2’-テトラヒドロフリル)プロパン(ヘキサン中の1.60モル濃度)1.06ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。35分後、バッチ温度は、63.8℃でピークになった。追加の30分後、このポリマーセメントを乾燥した28オンスのガラス製ボトルに滴下し、ECETMOS、及びイソプロピルアルコール/ヘキサン0.165Mの溶液を2.30ミリリットル加えることにより、アニオン性重合反応を停止させた。具体的には、ECETMOSを、1モル当量のLiBuあたり、1モル当量で加えた。SBRは、32.2%のビニル含有率を有する。
実施例3:MeSi(OMe)3官能基化SBRの合成
MeSi(OMe)3官能基化スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した2ガロン(約7.5リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン2.282キログラム、ヘキサン中の33.0重量%スチレン0.771キログラム、及びヘキサン中の20.7重量%の1,3-ブタジエン3.698キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を5.32ミリリットル、次いで、2,2-ビス(2’-テトラヒドロフリル)プロパン(ヘキサン中の1.6モル濃度)1.06ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。35分後、バッチ温度は、63.8℃でピークになった。更に30分後、このポリマーセメントを乾燥した28オンスのガラス製ボトルに滴下し、MeSi(OMe)3及びイソプロピルアルコール/ヘキサン1.0Mの溶液を0.38ミリリットル加えることにより、アニオン性重合反応を停止させた。具体的には、MeSi(OMe)3を、1モル当量のLiBuあたり、1モル当量で加えた。
実施例4:実施例1からのSBRの水素化
2ガロン(約8リットル)の反応器に、窒素雰囲気下、ヘキサン中の実施例1SBR溶液を1.101g、次いでヘキサン1.101gを導入し、7.5重量%のSBR溶液にした。この反応器を、20psiの水素で3回、パージし、次に、50℃まで加熱した。窒素をパージした乾燥ボトルに、ヘキサン30mL及び1.03Mのトリチルアルミニウム2.1mL、次いで、オクタン酸ニッケル(ヘキサン中の5.96重量%Ni)0.73mLを加えると、Ni/Al触媒(Al/Ni=3.3/1.0)となった。この触媒溶液を反応器に移送し、75psiの反応器圧の水素を直ちに充填した。反応混合物の一定分量を、イソプロパノール及び0.1mLのHCl及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有するボトルに滴下した。凝固ポリマー試料を真空下で乾燥した。次に、水素化のレベルを1H NMRを使用して、様々な試料について決定した。以下に表2に示されているとおり、実施例1の13種の試料のSBRを水素化し、得られたポリマー(実施例4の試料1~12)は、非水素化SBR(実施例1)と非常に類似したガラス転移温度(Tg)を有した。
上記のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定した。表2のこれらの試料に関するDSC試験の間、結晶は観察されなかった。次に、これらの部分的に水素化された試料のいくつかを、透過型電子顕微鏡を使用して画像化し、図1A~図1Dの顕微鏡写真に示されているミクロ相分離を求めた。画像は、四酸化オスミウム(OsO4)を用いて残留する不飽和な二重結合を染色することにより得たものであり、四酸化オスミウムにより二重結合が画像中で一層暗く見える。単一相を有する標準SBRとは対照的に、これらの部分的に水素化されているSBRは、50~150nmの程度の非常に短い長さスケールの特徴を有する。上記のとおり、不均一水素化により、高い濃度の二重結合を有する領域ができ、低い濃度の二重結合は、機械特性の改善に寄与する、不均質な架橋密度をもたらす。
実施例5:実施例2からのECETMOS官能基化SBRの水素化
2ガロン(約8リットル)の反応器に、窒素雰囲気下、ヘキサン中の実施例2のECETMOS官能基化SBR溶液を1,126g、次いでヘキサン1,126gを導入し、7.5重量%のSBR溶液にした。この反応器を、20psiの水素で3回、パージし、次に、50℃まで加熱した。窒素をパージした乾燥ボトルに、ヘキサン30mL及び1.03Mのトリチルアルミニウム2.2mL、次いで、オクタン酸ニッケル(ヘキサン中の5.96重量%Ni)0.74mLを加えると、Ni/Al触媒(Al/Ni=3.3/1.0)となった。この触媒溶液を反応器に移送し、水素を反応器に75psiまで直ちに充填した。水素化反応の2時間後、水素を反応器から放出し、8Lのイソプロパノール、1mLのHCl及び5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有するバケツにポリマーセメントを滴下した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。GPC及びDSCデータを、以下の表2に提示している。
実施例6:実施例3からのMeSi(OMe)3官能基化SBRの水素化
2ガロン(約8リットル)の反応器に、窒素雰囲気下、ヘキサン中の実施例2のMeSi(OMe)3官能基化SBR溶液1.154g、次いでヘキサン1.154gを導入すると、7.5重量%のSBR溶液になった。この反応器を、20psiの水素で3回、パージし、次に、50℃まで加熱した。窒素をパージした乾燥ボトルに、ヘキサン30mL及び1.03Mのトリチルアルミニウム2.2mL、次いで、オクタン酸ニッケル(ヘキサン中の5.96重量%Ni)0.76mLを加えると、Ni/Al触媒(Al/Ni=3.3/1.0)となった。この触媒溶液を反応器に移送し、水素を反応器に75psiまで直ちに充填した。水素化反応の2時間後、水素を反応器から放出し、8Lのイソプロパノール、1mLのHCl及び5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有するバケツにポリマーセメントを滴下した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。GPC及びDSCデータは、以下の表3に、ポリマー主鎖に結合したアルコキシルシランの重量パーセントで提供される。
実施例7:ゴムの製造、及び試験
以下の表4に戻ると、ゴム組成物試料は、上記のコポリマーから生成し、様々な計量を使用して評価した。指定量は、以下に一覧表示されているが、ブラベンダミキサ中での混合から生成したゴム組成物は、以下の構成成分:SiO2、オイル、ステアリン酸、ワックス、1,3-ジメチルブチル-N’フェニル-p-フェニレンジアミン(6PPD)及びシランを含む一方、硬化パッケージは、ZnO、硫黄、n-三級ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、ジフェニルグアニジン(DPG)及びメルカプトベンゾチアゾールジスルフィド(MBTS)を含む。
*比較SBRは、溶液重合により得られ、Snにより改変した。
**シリカは、190m
2/gの表面積のN
2吸着を有する高面積シリカである。
***測定せず
****比較試料1は、耐破壊性及び耐摩耗性の関する100の指数を有する対照試料であり、これらを、全ての他の試料と比較する。
上の表4に示されるとおり、水素化試料13~15の正規化した耐破壊性及び正規化した耐摩耗性を、非水素化試料(比較試料1~3)及びより低い水素化レベルを有する試料(比較試料4及び5)と比較する。この比較では、非水素化比較試料1が対照試料であり、これを、表4中の他の全ての試料と比較する。その結果、比較試料1は、耐破壊性及び耐摩耗性について100の指数を有する。正規化した耐破壊性及び/又は正規化した耐摩耗性に関して100超を有する試料は、耐破壊性及び/又は正規化した耐摩耗性に関して、対照試料(比較試料1)よりも改善されていることを実証していると考えられる。示されているとおり、水素化試料13~15は、非水素化比較試料1~3よりもかなり高い耐破壊性となること、及び比較試料1~3に匹敵する耐摩耗性となることを実証した。更に、水素化試料13~15は、より低い水素化レベルを有する比較試料4及び5よりもかなり高い耐破壊性があることを実証した。更に、水素化試料13~15は、比較試料3が、水素化試料13~15よりも多量のシリカ強化性充填剤を含有するという事実があるにもかかわらず、比較試料3よりも高い耐破壊性があることを実証した。
更に、アルコキシシラン官能基化水素化試料13及び14を非官能基化水素化試料15と比べた場合、アルコキシシラン官能基はやはり、ゴム組成物の耐破壊性及び耐摩耗性を改善することは明白である。したがって、水素化により、ゴム組成物の耐破壊性が改善され、水素化及びアルコキシシラン官能基化は、水素化単独よりもゴム組成物の耐破壊性をかなり大きく相乗的に改善する。更に、アルコキシシラン官能基化水素化試料13及び14は、非官能基化水素化試料15と比べて、耐摩耗性が改善されたことを実証した。このことは、アルコキシシラン官能基によってもたらされる強度特性が改善されることを更に実証する。
実施例8:SBRの合成
標準スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン5.598キログラム、ヘキサン中の32.8重量%のスチレン1.554キログラム、及びヘキサン中の20.6重量%の1,3-ブタジエン5.778キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を2.39ミリリットル、次いで、テトラメチルエチレンジアミン(68.03mmol)10.18ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。89分後、バッチ温度は、53.8℃でピークになった。5時間の総反応時間後、ポリマーセメントを終端させ、凝固させた(各々が8Lのイソプロパノール及び15gの2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールを含有する3つのペールに滴下し、続いてドラム乾燥させることによって)。ポリマーの特性決定データを、表5に要約する。
実施例9:実施例8のSBRの合成の変形例A
標準スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン5.694キログラム、ヘキサン中の32.8重量%のスチレン1.528キログラム、及びヘキサン中の21.0重量%の1,3-ブタジエン5.709キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を3.15ミリリットル、次いで、テトラメチルエチレンジアミン(89.60mmol)13.41ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを65.5℃まで加熱した。67分後、バッチ温度は、74.2℃でピークになった。3時間の総反応時間後、ポリマーセメントを終端させ、凝固させた(各々が8Lのイソプロパノール及び15gの2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールを含有する3つのペールに滴下し、続いてドラム乾燥させることによって)。ポリマーの特性決定データを、表5に要約する。
実施例10:実施例8のSBRの合成の変形例B
標準スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン5.679キログラム、ヘキサン中の32.8重量%のスチレン1.502キログラム、及びヘキサン中の21.0重量%の1,3-ブタジエン5.749キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を3.32ミリリットル、次いで、テトラメチルエチレンジアミン(47.16mmol)7.06ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを65.5℃まで加熱した。59分後、バッチ温度は、75.6℃でピークになった。3時間の総反応時間後、ポリマーセメントを終端させ、凝固させた(各々が8Lのイソプロパノール及び15gの2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールを含有する3つのペールに滴下し、続いてドラム乾燥させることによって)。ポリマーの特性決定データを、表5に要約する。
実施例11:実施例8のSBRの合成の変形例C
標準スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン5.694キログラム、ヘキサン中の32.8重量%のスチレン1.528キログラム、及びヘキサン中の21.0重量%の1,3-ブタジエン5.709キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を3.15ミリリットル、次いで、テトラメチルエチレンジアミン(10.4mmol)1.56ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。74分後、バッチ温度は、57.9℃でピークになった。5時間の総反応時間後、ポリマーセメントを終端させ、凝固させた(各々が8Lのイソプロパノール及び15gの2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールを含有する3つのペールに滴下し、続いてドラム乾燥させることによって)。ポリマーの特性決定データを、表5に要約する。
実施例12:実施例8のSBRの合成の変形例D
標準スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン5.694キログラム、ヘキサン中の32.8重量%のスチレン1.528キログラム、及びヘキサン中の21.0重量%の1,3-ブタジエン5.709キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を3.15ミリリットル、次いで、テトラメチルエチレンジアミン(5.04mmol)0.754ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。77分後、バッチ温度は、58.3℃でピークになった。5時間の総反応時間後、ポリマーセメントを終端させ、凝固させた(各々が8Lのイソプロパノール及び15gの2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールを含有する3つのペールに滴下し、続いてドラム乾燥させることによって)。ポリマーの特性決定データを、表5に要約する。
実施例13:Ti水素化のためのAPMDEOS官能基化SBRの合成
APMDEOS官能基化スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン5.680キログラム、ヘキサン中の32.8重量%のスチレン1.555キログラム、及びヘキサン中の20.9重量%の1,3-ブタジエン5.695キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を3.15ミリリットル、次いで、テトラメチルエチレンジアミン(5.04mmol)0.754ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。77分後、バッチ温度は、58.2℃でピークになった。5時間の総反応時間後、ポリマーセメントの試料を特性決定のために収集した後、0.570ミリリットルのAPMDEOS(1.68mmol)を反応器に充填し、ジャケット温度を6.7℃に下げた。1時間撹拌した後、特性決定のためにポリマーセメントの試料を回収し、残りのセメントを水素化のために別の反応器に移した。非水素化官能基化SBR中間体のポリマーの特性決定データを、表6に要約する。
実施例14:Ni水素化のためのAPMDEOS官能基化SBRの合成
APMDEOS官能基化スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン5.675キログラム、ヘキサン中の32.7重量%のスチレン1.560キログラム、及びヘキサン中の20.9重量%の1,3-ブタジエン5.695キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を3.15ミリリットル、次いで、テトラメチルエチレンジアミン(5.04mmol)0.754ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。78分後、バッチ温度は、58.2℃でピークになった。5時間の総反応時間後、ポリマーセメントの試料を特性決定のために収集した後、0.570ミリリットルのAPMDEOS(1.68mmol)を反応器に充填し、ジャケット温度を5.6℃に下げた。1時間撹拌した後、0.42ミリリットルのイソプロピルアルコール(5.54mmol)を反応器に添加して、重合を終了させ、特性決定のためにポリマーセメントの試料を回収し、残りのセメントを水素化のために別の反応器に移した。非水素化官能基化SBR中間体のポリマーの特性決定データを、表6に要約する。
実施例15:Ti水素化のためのECETMOS官能基化SBRの合成
ECETMOS[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン]官能基化スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン5.680キログラム、ヘキサン中の32.8重量%のスチレン1.555キログラム、及びヘキサン中の20.9重量%の1,3-ブタジエン5.695キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を3.15ミリリットル、次いで、テトラメチルエチレンジアミン(5.04mmol)0.754ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。78分後、バッチ温度は、58.2℃でピークになった。5時間の総反応時間後、ポリマーセメントの試料を特性決定のために収集した後、0.390ミリリットルのECETMOS(1.68mmol)を反応器に充填し、ジャケット温度を6.7℃に下げた。1時間撹拌した後、特性決定のためにポリマーセメントの試料を回収し、残りのセメントを水素化のために別の反応器に移した。非水素化官能基化SBR中間体のポリマーの特性決定データを、表6に要約する。
実施例16:Ni水素化のためのECETMOS官能基化SBRの合成
ECETMOS[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン]官能基化スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン5.680キログラム、ヘキサン中の32.8重量%のスチレン1.555キログラム、及びヘキサン中の20.9重量%の1,3-ブタジエン5.695キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.60モル濃度)を3.15ミリリットル、次いで、テトラメチルエチレンジアミン(5.04mmol)0.754ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。73分後、バッチ温度は、58.4℃でピークになった。5時間の総反応時間後、ポリマーセメントの試料を特性決定のために収集した後、0.390ミリリットルのECETMOS(1.68mmol)を反応器に充填し、ジャケット温度を6.7℃に下げた。1時間撹拌した後、0.42ミリリットルのイソプロピルアルコール(5.54mmol)を反応器に添加して、重合を終了させ、特性決定のためにポリマーセメントの試料を回収し、残りのセメントを水素化のために別の反応器に移した。非水素化官能基化SBR中間体のポリマーの特性決定データを、表6に要約する。
実施例17:実施例13からのAPMDEOS官能基化SBRのTi水素化
11.7ガロン(約44.3リットル)の撹拌された反応器に、窒素雰囲気下、ヘキサン中の実施例13のAPMDEOS官能基化SBR溶液を14,968g、次いでヘキサン4,636gを導入し、8.5重量%のSBR溶液にした。反応器に、30.86ミリリットルのn-ブチルリチウム(ヘキサン中1.60モル)を充填した後、20psiの水素で3回パージし、最後に水素で50psiに加圧した。15.8時間後、反応器ジャケットを90℃に設定した。窒素パージされた乾燥ボトルに、1.35gのチタノセン二塩化物を添加し、350ミリリットルのトルエン中に懸濁させた。触媒溶液を反応器に移し、反応器を水素で直ちに90psiに加圧した。水素化反応の4.5時間後、水素流を反応器に対して遮断し、ジャケットを27℃(完全冷却)に設定した。ポリマーセメントを60℃に冷却した後、水素を反応器から放出し、ポリマーセメントを貯蔵容器に移した。次いで、ポリマーセメントを4つのバケツに移し、各バケツは、6.3Lのイソプロパノール及び11.5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。水素化データを、以下の表7に提示している。
実施例18:実施例14からのAPMDEOS官能基化SBRのNi水素化
11.7ガロン(約44.3リットル)の撹拌された反応器に、窒素雰囲気下、ヘキサン中の実施例14のAPMDEOS官能基化SBR溶液を14,968g、次いでヘキサン4,636gを導入し、8.5重量%のSBR溶液にした。この反応器を、20psiの水素で3回、パージし、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。窒素をパージした乾燥ボトルに、ヘキサン400mL及び1.03Mのトリチルアルミニウム43.58mL、次いで、オクタン酸ニッケル(ヘキサン中の10.1重量%Ni)7.91mLを加えると、Ni/Al触媒(Al/Ni=3.3/1.0)となった。触媒溶液を反応器に移し、反応器を水素で直ちに75psiに加圧した。水素化反応の7.5時間後、水素流を反応器に対して遮断した。追加の13時間後、水素を反応器から放出し、ポリマーセメントを貯蔵容器に移した。次いで、ポリマーセメントを4つのバケツに移し、各バケツは、6.3Lのイソプロパノール及び11.5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。水素化データを、以下の表7に提示している。
実施例19:実施例15からのECETMOS官能基化SBRのTi水素化
11.7ガロン(約44.3リットル)の撹拌された反応器に、窒素雰囲気下、ヘキサン中の実施例15のECETMOS官能基化SBR溶液を14,968g、次いでヘキサン4,636gを導入し、8.5重量%のSBR溶液にした。反応器に、98.89ミリリットルのn-ブチルリチウム(ヘキサン中1.60モル)を充填した後、20psiの水素で3回パージし、最後に水素で50psiに加圧した。15.5時間後、反応器ジャケットを90℃に設定した。窒素パージされた乾燥ボトルに、4.06gのチタノセン二塩化物を添加し、350ミリリットルのトルエン中に懸濁させた。触媒溶液を反応器に移し、反応器を水素で直ちに90psiに加圧した。水素化反応の4.5時間後、水素流を反応器に対して遮断し、ジャケットを27℃(完全冷却)に設定した。ポリマーセメントを44℃に冷却した後、水素を反応器から放出し、ポリマーセメントを貯蔵容器に移した。次いで、ポリマーセメントを4つのバケツに移し、各バケツは、6.3Lのイソプロパノール及び11.5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。水素化データを、以下の表7に提示している。
実施例20:実施例16からのECETMOS官能基化SBRのNi水素化
11.7ガロン(約44.3リットル)の撹拌された反応器に、窒素雰囲気下、ヘキサン中の実施例16のECETMOS官能基化SBR溶液を14,968g、次いでヘキサン4,636gを導入し、8.5重量%のSBR溶液にした。この反応器を、20psiの水素で3回、パージし、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。窒素をパージした乾燥ボトルに、ヘキサン400mL及び1.03Mのトリチルアルミニウム20.43mL、次いで、オクタン酸ニッケル(ヘキサン中の10.1重量%Ni)3.71mLを加えると、Ni/Al触媒(Al/Ni=3.3/1.0)となった。触媒溶液を反応器に移し、反応器を水素で直ちに75psiに加圧した。水素化反応の2.2時間後、この実施例で前述したように作製された追加量の触媒を、反応速度を増加させる試みで添加した。水素化反応の追加の5.5時間後、水素流を反応器に対して遮断した。追加の12.8時間後、水素を反応器から放出し、ポリマーセメントを貯蔵容器に移した。次いで、ポリマーセメントを4つのバケツに移し、各バケツは、6.3Lのイソプロパノール及び11.5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。水素化データを、以下の表7に提示している。
実施例21:SBR(ベース制御ポリマー)の合成
標準スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン3.831キログラム、ヘキサン中の32.8重量%のスチレン1.307キログラム、及びヘキサン中の20.6重量%の1,3-ブタジエン6.242キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の2.50モル濃度)を5.72ミリリットル、次いで、2,2-ビス(2’-テトラヒドロフリル)プロパン(ヘキサン中の1.60モル濃度)1.97ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。43分後、バッチ温度は、78.5℃でピークになった。追加の60分後、1.31ミリリットルのイソプロピルアルコールを添加することによりアニオン重合
反応を停止させた。追加の10分後、バッチを4つのバケツに落とし、各バケツは、6.3Lのイソプロパノール及び11.5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。ポリマーの特性決定データを、表8に要約する。
実施例22:Ni水素化のためのECETMOS官能基化SBRの合成
ECETMOS[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン]官能基化スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン3.831キログラム、ヘキサン中の32.8重量%のスチレン1.307キログラム、及びヘキサン中の20.6重量%の1,3-ブタジエン6.242キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の2.50モル濃度)を5.72ミリリットル、次いで、2,2-ビス(2’-テトラヒドロフリル)プロパン(ヘキサン中の1.60モル濃度)1.97ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。39分後、バッチ温度は、78.1℃でピークになった。追加の40分後、3.31ミリリットルのECETMOSを添加することによりアニオン重合反応を停止させた。更に30分後、1.31ミリリットルのイソプロピルアルコールを添加した。追加の10分後、ポリマーセメントの試料を特性決定のために収集し、残りのセメントを、水素化反応器への移動に備えて、貯蔵容器に移した。非水素化官能基化SBR中間体のポリマーの特性決定データを、表8に要約する。
実施例23:Ti水素化のためのECETMOS官能基化SBRの合成
ECETMOS[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン]官能基化スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン3.913キログラム、ヘキサン中の32.6重量%のスチレン1.315キログラム、及びヘキサン中の20.9重量%の1,3-ブタジエン6.153キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の2.50モル濃度)を5.72ミリリットル、次いで、2,2-ビス(2’-テトラヒドロフリル)プロパン(ヘキサン中の1.60モル濃度)1.97ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。51分後、バッチ温度は、68.0℃でピークになった。追加の40分後、3.31ミリリットルのECETMOSを添加することによりアニオン重合反応を停止させた。追加の30分後、ポリマーセメントの試料を特性決定のために収集し、残りのセメントを、水素化反応器への移動に備えて、貯蔵容器に移した。非水素化官能基化SBR中間体のポリマーの特性決定データを、表8に要約する。
実施例24:Ni水素化のためのAPMDEOS官能基化SBRの合成
APMDEOS官能基化スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン3.832キログラム、ヘキサン中の32.8重量%のスチレン1.306キログラム、及びヘキサン中の20.6重量%の1,3-ブタジエン6.242キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の2.50モル濃度)を5.72ミリリットル、次いで、2,2-ビス(2’-テトラヒドロフリル)プロパン(ヘキサン中の1.60モル濃度)1.97ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。40分後、バッチ温度は、77.2℃でピークになった。追加の40分後、4.88ミリリットルのAPMDEOSを添加することによってアニオン重合反応を停止させた。更に30分後、1.31ミリリットルのイソプロピルアルコールを添加した。追加の10分後、ポリマーセメントの試料を特性決定のために収集し、残りのセメントを、水素化反応器への移動に備えて、貯蔵容器に移した。非水素化官能基化SBR中間体のポリマーの特性決定データを、表8に要約する。
実施例25:Ti水素化のためのAPMDEOS官能基化SBRの合成
APMDEOS官能基化スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)は、以下の方法に従い調製した。撹拌器を装備した5ガロン(約18.9リットル)のN2をパージした反応器に、ヘキサン3.913キログラム、ヘキサン中の32.6重量%のスチレン1.315キログラム、及びヘキサン中の20.9重量%の1,3-ブタジエン6.153キログラムを加えた。反応器に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の2.50モル濃度)を5.72ミリリットル、次いで、2,2-ビス(2’-テトラヒドロフリル)プロパン(ヘキサン中の1.60モル濃度)1.97ミリリットルを充填し、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。48分後、バッチ温度は、70.1℃でピークになった。追加の40分後、4.88ミリリットルのAPMDEOSを添加することによってアニオン重合反応を停止させた。追加の30分後、ポリマーセメントの試料を特性決定のために収集し、残りのセメントを、水素化反応器への移動に備えて、貯蔵容器に移した。非水素化官能基化SBR中間体のポリマーの特性決定データを、表8に要約する。
実施例26:実施例22からのECETMOS官能基化SBRのNi水素化
11.7ガロン(約44.3リットル)の撹拌された反応器に、窒素雰囲気下、ヘキサン中の実施例22のECETMOS官能基化SBR溶液を11,430g、次いでヘキサン5,315gを導入し、10.0重量%のSBR溶液にした。この反応器を、20psiの水素で3回、パージし、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。窒素をパージした乾燥ボトルに、ヘキサン400mL及び1.03Mのトリチルアルミニウム21.97mL、次いで、オクタン酸ニッケル(ヘキサン中の10.1重量%Ni)3.99mLを加えると、Ni/Al触媒(Al/Ni=3.3/1.0)となった。触媒溶液を反応器に移し、反応器を水素で直ちに75psiに加圧した。水素化反応の1.5時間後、水素を反応器から放出し、ポリマーセメントを貯蔵容器に移した。次いで、ポリマーセメントを4つのバケツに移し、各バケツは、6.3Lのイソプロパノール及び11.5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。水素化データを、以下の表9に提示している。
実施例27:実施例23からのECETMOS官能基化SBRのTi水素化
11.7ガロン(約44.3リットル)の撹拌された反応器に、窒素雰囲気下、ヘキサン中の実施例23のECETMOS官能基化SBR溶液を11,430g、次いでヘキサン5,315gを導入し、10.0重量%のSBR溶液にした。反応器に、93.94ミリリットルのn-ブチルリチウム(ヘキサン中1.60モル)を充填した後、20psiの水素で3回パージし、最後に水素で40psiに加圧した。2時間後、反応器ジャケットを90℃に設定した。窒素パージされた乾燥ボトルに、4.01gのチタノセン二塩化物を添加し、350ミリリットルのトルエン中に懸濁させた。触媒溶液を反応器に移し、反応器を水素で直ちに90psiに加圧した。水素化反応の2.5時間後、水素流を反応器に対して遮断し、ジャケットを27℃(完全冷却)に設定した。ポリマーセメントを59℃に冷却した後、水素を反応器から放出し、ポリマーセメントを貯蔵容器に移した。次いで、ポリマーセメントを4つのバケツに移し、各バケツは、6.3Lのイソプロパノール及び11.5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。水素化データを、以下の表9に提示している。
実施例28:実施例24からのAPMDEOS官能基化SBRのNi水素化
11.7ガロン(約44.3リットル)の撹拌された反応器に、窒素雰囲気下、ヘキサン中の実施例24のAPMDEOS官能基化SBR溶液を11,430g、次いでヘキサン5,315gを導入し、10.0重量%のSBR溶液にした。この反応器を、20psiの水素で3回、パージし、反応器ジャケットを50℃まで加熱した。窒素をパージした乾燥ボトルに、ヘキサン400mL及び1.03Mのトリチルアルミニウム21.97mL、次いで、オクタン酸ニッケル(ヘキサン中の10.1重量%Ni)3.99mLを加えると、Ni/Al触媒(Al/Ni=3.3/1.0)となった。触媒溶液を反応器に移し、反応器を水素で直ちに75psiに加圧した。水素化反応の1.7時間後、水素を反応器から放出し、ポリマーセメントを貯蔵容器に移した。次いで、ポリマーセメントを4つのバケツに移し、各バケツは、6.3Lのイソプロパノール及び11.5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。水素化データを、以下の表9に提示している。
実施例29:実施例25からのAPMDEOS官能基化SBRのTi水素化
11.7ガロン(約44.3リットル)の撹拌された反応器に、窒素雰囲気下、ヘキサン中の実施例25のAPMDEOS官能基化SBR溶液を11,430g、次いでヘキサン5,315gを導入し、10.0重量%のSBR溶液にした。反応器に、31.21ミリリットルのn-ブチルリチウム(ヘキサン中1.30モル)を充填した後、20psiの水素で3回パージし、最後に水素で60psiに加圧した。2.8時間後、反応器ジャケットを90℃に設定した。窒素パージされた乾燥ボトルに、1.37gのチタノセン二塩化物を添加し、350ミリリットルのトルエン中に懸濁させた。触媒溶液を反応器に移し、反応器を水素で直ちに90psiに加圧した。水素化反応の5時間後、水素流を反応器に対して遮断し、ジャケットを27℃(完全冷却)に設定した。ポリマーセメントを41℃に冷却した後、水素を反応器から放出し、ポリマーセメントを貯蔵容器に移した。次いで、ポリマーセメントを4つのバケツに移し、各バケツは、6.3Lのイソプロパノール及び11.5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。水素化データを、以下の表9に提示している。
実施例30:ECETMOS官能基化SBRの試みられたTi水素化
11.7ガロン(約44.3リットル)の撹拌された反応器に、窒素雰囲気下、実施例23の様式で製造された官能基化ポリマーセメントを11,430g、次いでヘキサン5,315gを導入し、10.0重量%のSBR溶液にした。反応器に、28.98ミリリットルのn-ブチルリチウム(ヘキサン中1.40モル)を充填した後、20psiの水素で3回パージし、最後に水素で22psiに加圧した。2時間後、反応器ジャケットを90℃に設定した。窒素パージされた乾燥ボトルに、1.37gのチタノセン二塩化物を添加し、350ミリリットルのトルエン中に懸濁させた。触媒溶液を反応器に移し、反応器を水素で直ちに90psiに加圧した。10分後、反応器への水素流は非常に遅くなった(0.01標準立方フィート/分未満、最低測定可能な流量)になり、非常に遅い又は停止した水素化反応を示す。反応を1.6時間継続させ、この時点で水素流を完全に停止し、ジャケットを27℃(完全冷却)に設定した。ポリマーセメントを29℃に冷却した後、水素を反応器から放出し、ポリマーセメントを貯蔵容器に移した。次いで、ポリマーセメントを4つのバケツに移し、各バケツは、6.3Lのイソプロパノール及び11.5gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。凝固ポリマー試料を120℃でドラム乾燥器により乾燥した。水素化データを、以下の表9に提示している。
実施例31:ゴムの製造、及び試験
以下の表10に戻ると、ゴム組成物試料は、上記のコポリマーから生成し、様々な計量を使用して評価した。特定の量が以下に列挙されるが、ゴム組成物は、Brabenderミキサ内で混合することにより生成された。
表12及び13にそれぞれ示すように、表11及び12のゴム試料を引張特性について評価した。追加として、溶液重合により得られ、Snで改質した「ベースSBR」を使用して、同じ条件で、同じ成分で調製したゴム組成物を作製した。引張特性は、それぞれ比較試料6及び7に基づいて標準化される。
ECETMOS官能性を有するポリマーについて表12及び13のデータから観察されるように、SBRをニッケル水素化触媒(試料16など)で水素化することによって調製されたゴムは、チタン水素化触媒(試料17など)によって調製されたゴムよりも引張特性に優れたことが示された。例えば、試料17よりも高いTbが試料16よりについて観察された。しかしながら、APMDEOSが官能基である場合、触媒はTbに有意に影響を与えるように見えなかった。
試験方法
ムーニー粘度
本明細書において開示されているポリマーのムーニー粘度は、大型ローター、1分間の予備加熱時間、及び4分間の運転時間でAlpha Technologies製ムーニー粘度計を使用して100℃で測定した。より具体的には、ローターが始動する前に1分間100℃に各重合体を予備加熱することにより、ムーニー粘度を測定した。ローターが始動して4分後に、トルクとして、各試料のムーニー粘度を記録した。4分間の測定を終了した後に、トルク緩和を記録した。このt80値は、各重合体のトルクの80%を減衰させるのに要する時間を表す。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
GPCによって、重合体の分子量(Mn、Mw、及びMp(GPC曲線のピークMn))及び分子量分布(MW/Mn)を測定した。本明細書において開示されているGPC測定値は、ポリスチレン基準及び生成したポリスチレンのMark-Houwink定数により較正する。
示差走査熱量測定(DSC)
DSC測定は、ヘリウムパージガス及び冷却用の液体窒素冷却システム(LNCS)装備品を用いて、TA Instruments Q2000で行った。試料は、TZeroアルミニウム鍋中で調製し、目的の温度範囲にわたり10℃/分で走査した。
フーリエ変換赤外線分光法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy、FTIR)
重合体のミクロ構造(シス、トランス、及びビニル含有量)はFTIRによって測定した。具体的には、試料をCS2に溶解させ、Perkin Elmer製Spectrum GX機器でFTIRを行った。
粘弾特性
硬化したゴム化合物の粘弾特性は、TA Instruments製のAdvanced Rheometric Expansion System(ARES)で行った温度掃引試験によって測定した。試験標本は、47mmの長さ、2mmの厚さ、及び12.7mmの幅を有する矩形形状を有した。試験機上のグリップ間の標本の長さ、すなわち間隙はおよそ27mmである。試験は、62.8rad/秒の周波数を使用して行った。温度は-100℃で開始し、100℃まで増加させた。ひずみは、-100℃~-10℃の温度範囲に対して0.1%~0.25%、-10℃以上の温度範囲に対して2%である。
耐破壊性
上記のとおり、引張試験は、ASTM D412-15aに準拠して行い、加硫したゴム組成物の引張強度(Tb)を測定し、これを、表4中の比較例1を100とすることに基づいた指数により表す。指数値が大きいほど、耐破壊性は良好となる。
耐摩耗性
試験試料の耐摩耗性は、摩耗試験を使用して評価した。試験片は、外径が約70mm、内径が約30mm及び厚さ約20mmのゴム製ホイールであった。試験試料をアクスル上に置き、様々な時間量で、駆動摩耗面に対する様々なスリップ速度で作動させた。使用した摩耗面は、240グリットのサンドペーパーとした。試験中、約35Nの負荷をゴム製ホイールにかけた。線形最小二乗曲線適合を、時間の関数として重量喪失データに適用した。直線の勾配が、摩耗速度である。報告された摩耗指数は、対照化合物の摩耗速度を対象化合物の摩耗速度で除して、100を乗じたものである。したがって、100を超える摩耗指数は、対象組成物がその各々の対照組成物よりも優れている(摩耗速度がより低い)ことを示す。
本明細書では、1つ以上の態様が開示される。第1の態様によれば、水素化官能基化コポリマーは、少なくとも1つの共役ジオレフィンモノマー及び少なくとも1つのビニルモノマーのアニオン重合から、リビングコポリマーを生成する工程と、リビングコポリマーを、酸素含有部分を含む少なくとも1つのシラン改質剤と反応させることによって、官能基化コポリマーを生成する工程であって、酸素含有部分の酸素原子が、ケイ素原子と直接結合していない、工程と、水素化触媒の存在下で官能基化コポリマーを水素化することによって、水素化官能基化コポリマーを生成する工程と、から生成され、水素化官能基化コポリマーが、プロトン核磁気共鳴分光法(1H NMR)を使用して測定される際、75%~98mol%の水素化度を有する。
第2の態様は、シラン改質剤が、硫黄、リン、又は窒素のうちの1つ以上を含まない、第1の態様を含む。
第3の態様は、酸素含有部分の酸素原子が、環構造中の酸素ヘテロ原子である、第1~2の態様のいずれかを含む。
第4の態様は、酸素含有部分の酸素原子が、末端酸素原子である、第1~3の態様のいずれかを含む。
第5の態様は、シラン改質剤が、少なくとも1個のアルコキシシリル基を含む、第1~4の態様のいずれかを含む。
第6の態様は、アルコキシシリル基が、アルコキシシラン化合物、アラルキルオキシシラン化合物、テトラアルコキシシラン化合物、アルキルアルコキシシラン化合物、アルケニルアルコキシシラン化合物、及びハロゲノアルコキシシラン化合物からなる群から選択される、第1~5の態様のいずれかを含む。
第7の態様は、アルコキシシリル官能基が、トリメトキシシラン、ジメトキシシラン又はそれらの組み合わせを含む、第1~6の態様のいずれかを含む。
第8の態様は、水素化触媒が、少なくとも1つのニッケル含有組成物を含む、第1~7の態様のいずれかを含む。
第9の態様は、水素化触媒が、チタンを含まない、第1~8の態様のいずれかを含む。
第10の態様は、水素化触媒が、少なくとも1つのアルミニウム組成物を更に含む、第1~9の態様のいずれかを含む。
第11の態様は、共役ジオレフィンモノマーが、1,3ブタジエン、イソプレン、ミルセン、又はそれらの組み合わせを含み、ビニルモノマーが、スチレン、アルファメチルスチレン、又はそれらの組み合わせを含み、シリカ反応性部分が、アルコキシシリル、ヒドロキシル、ポリアルキレングリコール、シラノール、シリルハライド、無水物、有機酸、エポキシ基、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上の基を含む、第1~10の態様のいずれかを含む。
第12の態様は、官能基化コポリマーが、水素化前に10~60%のビニル含有量を有する、第1~11の態様のいずれかを含む。
第13の態様は、コポリマーが、スチレンブタジエンコポリマーである、第1~12の態様のいずれかを含む。
第14の態様によると、ゴム組成物であって、第1~13のいずれかに記載の水素化官能基化コポリマーと、少なくとも1つの硬化剤と、補強充填材と、を含む、ゴム組成物。
第15の態様は、天然ゴム、合成ゴム、又はそれらの組み合わせを含む、追加のゴムを更に含む、第1~14の態様のいずれかを含む。
第16の態様は、強化性充填剤が、シリカ、カーボンブラック、又はそれらの組み合わせを含み、硬化剤が、硫黄を含む、第1~15の態様のいずれかを含む。
第17の態様によれば、水素化官能基化コポリマーを作製する方法は、アニオン重合開始剤、少なくとも1つの共役ジオレフィンモノマー、少なくとも1つのビニルモノマー、及び溶媒を反応器に導入して、アニオン重合を介して、リビングコポリマーを生成する工程と、少なくとも1つのシラン改質剤をリビングコポリマーと反応させて、官能基化コポリマーを生成する工程であって、シラン改質剤が、酸素含有部分を含み、酸素含有部分の酸素原子が、ケイ素原子と直接結合していない、工程と、水素流中で官能基化コポリマーを溶媒及び水素化触媒と混合することによる官能基化コポリマーを水素化する工程であって、水素化官能基化コポリマーが、1H NMRを使用して測定される際、75%~98mol%の水素化度を有する工程と、を含む。
第18の態様は、シラン改質剤が、硫黄又は窒素原子を含まない、第1~17の態様のいずれかを含む。
第19の態様は、酸素含有部分の酸素原子が、環構造中の酸素ヘテロ原子である、第1~18の態様のいずれかを含む。
第20の態様は、酸素含有部分の酸素原子が、末端酸素原子である、第1~19の態様のいずれかを含む。
第21の態様は、シラン改質剤が、少なくとも1個のアルコキシシリル基を含む、第1~20の態様のいずれかを含む。
第22の態様は、アルコキシシリル基が、アルコキシシラン化合物、アラルキルオキシシラン化合物、テトラアルコキシシラン化合物、アルキルアルコキシシラン化合物、アルケニルアルコキシシラン化合物、及びハロゲノアルコキシシラン化合物からなる群から選択される、第1~21の態様のいずれかを含む。
第23の態様は、アルコキシシリル官能基が、トリメトキシシラン、ジメトキシシラン又はそれらの組み合わせを含む、第1~22の態様のいずれかを含む。
第24の態様は、水素化触媒が、少なくとも1つのニッケル含有組成物を含む、第1~23の態様のいずれかを含む。
第25の態様は、水素化触媒が、チタンを含まない、第1~24の態様のいずれかを含む。
第26の態様は、水素化触媒が、少なくとも1つのアルミニウム組成物を更に含む、第1~25の態様のいずれかを含む。
第27の態様は、共役ジオレフィンモノマーが、1,3ブタジエン、イソプレン、ミルセン、又はそれらの組み合わせを含み、ビニルモノマーが、スチレン、アルファメチルスチレン、又はそれらの組み合わせを含み、シリカ反応性部分が、アルコキシシリル、ヒドロキシル、ポリアルキレングリコール、シラノール、シリルハライド、無水物、有機酸、エポキシ基、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上の基を含む、第1~26の態様のいずれかを含む。
第28の態様は、官能基化コポリマーが、水素化前に10~60%のビニル含有量を有する、第1~27の態様のいずれかを含む。
第29の態様は、アニオン重合開始剤が、リチウム触媒である、第1~28の態様のいずれかを含む。
第30の態様は、コポリマーが、スチレンブタジエンコポリマーである、第1~29の態様のいずれかを含む。
添付の「特許請求の範囲」で定義される本開示の範囲から逸脱することなく修正及び変形が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本開示のいくつかの態様は、本明細書において好ましい、又は特に有利なものとして特定されるが、本開示はこれらの態様に必ずしも限定されていないことが企図される。