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JP7153365B2 - 単離細胞標本、単離細胞標本の製造方法、及び目的細胞の検出方法 - Google Patents

単離細胞標本、単離細胞標本の製造方法、及び目的細胞の検出方法 Download PDF

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JP7153365B2 JP2020531289A JP2020531289A JP7153365B2 JP 7153365 B2 JP7153365 B2 JP 7153365B2 JP 2020531289 A JP2020531289 A JP 2020531289A JP 2020531289 A JP2020531289 A JP 2020531289A JP 7153365 B2 JP7153365 B2 JP 7153365B2
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Description

本発明は、単離細胞標本、単離細胞標本の製造方法、及び目的細胞の検出方法に関する。
多岐にわたる分野において、様々な種類の複数の細胞が含まれる試料から特定の細胞のみを検出する技術に対するニーズがある。特に、医学及び薬学の関連分野での研究開発及び臨床の現場においては、検出しようとする目的細胞(例えば、特定の物質を有する細胞、特定の物質を産生する細胞、病原菌に感染した細胞等)の有無を確認するために、このような検出技術が実験や診断のために非常に重要である。
しかし、試料中に微量しか含まれない細胞の検出は困難である。このような細胞として、循環がん細胞(Circulating Tumor Cells、「CTC」とも呼ばれる。)や、が挙げられる。通常、循環がん細胞等を検出するためには、血中の白血球を解析する必要があるが、循環がん細胞等が血中に存在する場合であっても、その割合は、血液10mlに含まれる白血球約5千万個に対し、数個から数千個である。
非特許文献1では、マイクロアレイチップに細胞試料を入れ、免疫染色によって循環がん細胞を検出する技術が提案されている。免疫染色方法とは、検出しようとする細胞が有する抗原に対し、該抗原に対応した抗体を用いて、抗原抗体反応により結合させることで、該細胞を検出する手法である。
しかし、非特許文献1に記載された方法においては、特殊なマイクロアレイチップを要し、簡便さに欠けることから、より簡便に目的細胞を検出できる技術に対するニーズがある。
より簡便な方法として、スライドガラス等に細胞試料を固相化し、これを免疫染色に供する方法が挙げられる(特許文献1等)。
国際公開第2015/093116号
Yamamura, et al.,Accurate Detection of Carcinoma Cells by Use of a Cell Microarray Chip, PLoS ONE, March 2012, Volume 7, e32370
しかし、免疫染色のためには、細胞試料が付着した単離細胞標本を乾燥させてはならないとされてきた。そのため、免疫染色される単離細胞標本は、免疫染色に供する前の保管や移送が困難であった。
本発明は、免疫染色等に適し、免疫染色等に供する前の保管や移送が容易な単離細胞標本を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、観察対象細胞の平均厚さが所定条件を満たすように調整された単離細胞標本によれば上記課題を解決できる点を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の態様を包含する。
<1> 平板状基板の表面に観察対象細胞が付着した単離細胞標本であって、
前記平板状基板の細胞が配置された面に液体が実質的に存在せず、
前記観察対象細胞の平均厚さが以下の式(1)を満たし、
免疫染色及び/又は核染色に用いられる、単離細胞標本。
(t/tw)≧0.95 式(1)
(式(1)中、
tは、平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さを表し、
twは、平板状基板の表面に付着した、乾燥工程を経ていない前記観察対象細胞と同種の細胞の平均厚さを表す。)
<2> 前記観察対象細胞が末梢血単核細胞を含む、<1>に記載の単離細胞標本。
<3> 前記平板状基板の前記観察対象細胞が配置される表面における水の接触角が、25℃において10°以下である、<1>又は<2>に記載の単離細胞標本。
<4> 平板状基板上に観察対象細胞含有液を展開する展開工程と、
前記展開工程の後、前記平板状基板の表面に付着していない細胞を除去する細胞除去工程と、
前記細胞除去工程の後、前記平板状基板を、前記平板状基板の細胞が配置された面に液体が実質的に存在しなくなるまで自然乾燥する乾燥工程と、
を含む、免疫染色及び/又は核染色に用いられる、単離細胞標本の製造方法。
<5> 前記乾燥工程の前後において、前記観察対象細胞の平均厚さが以下の式(2)を満たす、<4>に記載の単離細胞標本の製造方法。
(t’/tw’)≧0.95 式(2)
(式(2)中、
t’は、平板状基板の表面に付着した、前記乾燥工程後の観察対象細胞の平均厚さを表し、
tw’は、平板状基板の表面に付着した、前記乾燥工程前の観察対象細胞の平均厚さを表す。)
<6> 前記細胞除去工程において、細胞の除去を水又は水溶液を用いて行い、前記水又は前記水溶液の比抵抗値が10Ω・cm以上である、<4>又は<5>に記載の製造方法。
<7> <1>から<3>のいずれかに記載の単離細胞標本に免疫染色及び/又は核染色を施す工程を含む、目的細胞の検出方法。
<8> 前記観察対象細胞が末梢血単核細胞を含み、かつ、前記目的細胞が循環がん細胞である、<7>に記載の検出方法。
本発明によれば、免疫染色等に適し、免疫染色等に供する前の保管や移送が容易な単離細胞標本を提供することができる。
本発明における細胞の平均厚さの測定方法の概略を示す図である。 細胞の平均厚さを求めるための蛍光シグナルのプロット例である。 本発明の単離細胞標本の製造方法の概略を示す図である。 単離細胞標本の製造過程における細胞の配置を模式的に示した図である。 実施例1の単離細胞標本表面の水分量の測定結果を示す図である。 実施例1の単離細胞標本を用いた免疫染色の結果を示す図である。 比較例1の単離細胞標本を用いた免疫染色の結果を示す図である。 比較例2の単離細胞標本を用いた免疫染色の結果を示す図である。 比較例3の単離細胞標本を用いた免疫染色の結果を示す図である。 比較例4の単離細胞標本を用いた免疫染色の結果を示す図である。 比較例5の単離細胞標本を用いた免疫染色の結果を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
<単離細胞標本>
本発明の単離細胞標本は、平板状基板の表面に観察対象細胞が付着した単離細胞標本であって、平板状基板の細胞が配置された面に液体が実質的に存在せず、観察対象細胞の平均厚さが以下の式(1)を満たし、免疫染色及び/又は核染色に用いられる、単離細胞標本である。
(t/tw)≧0.95 式(1)
(式(1)中、
tは、平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さを表し、
twは、平板状基板の表面に付着した、乾燥工程を経ていない観察対象細胞と同種の細胞の平均厚さを表す。)
本発明の単離細胞標本においては、平板状基板の表面に細胞が付着している。この細胞は、標本として調製及び観察される対象であり、本発明において「観察対象細胞」という。なお、「観察対象細胞」とは、同種又は異種の細胞を複数含む細胞群を意味する。
本発明の単離細胞標本においては、観察対象細胞の平均厚さが式(1)を満たすことに特徴がある。式(1)は、(t/tw)、すなわち、平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さ(t)を、平板状基板の表面に付着した、乾燥工程を経ていない観察対象細胞と同種の細胞の平均厚さ(tw)で割った値が0.95以上であることを意味する。この式は、観察対象細胞の平均厚さが、ウェットな条件で保持された同種の細胞の平均厚さ、すなわち、観察対象細胞の本来の平均厚さよりもやや小さいか、観察対象細胞の本来の平均厚さと同等であることを意味する。
細胞を過度に乾燥させると、(t/tw)は小さくなる。(t/tw)が小さいことは、細胞が本来の厚さ、大きさ、形等を有さず(例えば、細胞が扁平である状態等)、各種染色や各種検出に利用できなくなってしまうことを意味する。しかし、本発明者らの検討の結果、観察対象細胞の平均厚さが式(1)を満たすように平板状基板の表面を乾燥させると、基板上がウェットな系ではなくなるにもかかわらず、細胞が本来の厚さ等を保持し、ウェットな系と同等以上の免疫染色性を実現できるという意外な知見が見出された。さらには、このような単離細胞標本は、細胞内抗原の検出のために通常必要となる膜透過処理(サポニン等による処理)を行わなくとも、染色効率が良好であり得ることも見出された。このような単離細胞標本は、免疫染色に供する前の保管や移送が極めて容易であるという、従来の免疫染色用試料にはない特徴を有する。
本発明において「平板状基板の細胞が配置された面に液体が実質的に存在しない」とは、平板状基板の細胞が配置された面に、目視観察できるほどの液体が存在しないことを意味する。ただし、本発明の単離細胞標本において、平板状基板の細胞が配置された面に微量の液体が存在することは排除されない。液体としては、細胞の構造等を保持できる任意の液体が挙げられ、例えば、緩衝液、水、培地等が挙げられる。なお、平板状基板の表面に付着した観察対象細胞中には、式(1)を満たすほどに十分な水分が含まれる。
平板状基板の細胞が配置された面に液体が実質的に存在しないかどうかは以下の方法で判定できる。
(1)任意の時点での平板状基板表面の水分量を赤外線水分計(例えば、「ファイバー式赤外線水分計 IM-3SCV MODEL-2000」、株式会社フジワーク製)で、25℃、相対湿度50%の条件下で測定する。水分量は、含水率に対応した水分計出力値であるIM-D値(単位:mV)として出力される。
(2)上記(1)の時点から、25℃、相対湿度50%の条件下で5分経過した時点での平板状基板表面の水分量を赤外線水分計で測定する。
(3)上記(1)及び(2)の測定値を比較し、両者の差が3%以内(好ましくは1%以内)であれば平板状基板の細胞が配置された面に液体が実質的に存在しないと判定する。
以下、本発明の単離細胞標本の構成について詳細に説明する。
(平板状基板)
平板状基板としては、細胞観察において通常用いられる、任意の材質及び形状を有する基板が挙げられる。なお、本発明において「平板状」とは、基板上に細胞を付着させることができるほどに平滑な面を有することを意味し、基板の表面の一部に凹凸がある態様は排除されない。
平板状基板の材質は特に限定されない。顕微鏡観察等を用いた細胞観察のしやすさ等を考慮すると、平板状基板は透明な材料から成形されたものであることが好ましい。透明な材料としては、各種ガラス、各種樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、環状オレフィンコポリマー(ノルボルネン系等)、芳香族ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂(ポリオルガノシロキサン骨格を有するもの等)、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記のうち、ポリスチレン、メタクリル酸エステル重合体、環状オレフィンコポリマー、シリコーン樹脂(ポリオルガノシロキサン骨格を有するもの)が好ましい。
平板状基板の大きさは特に限定されず、単離細胞標本の用途や、観察対象細胞を観察する装置等に応じて適宜選択できる。
平板状基板において、観察対象細胞が配置される面は、平板状基板上に観察対象細胞含有液を展開しやすいという観点から、親水性であることが好ましい。具体的には、平板状基板の観察対象細胞が配置される表面における水の接触角が、25℃において好ましくは10°以下、より好ましくは5°以下である。
平板状基板の表面が親水性でない場合には、必要に応じて、該表面に対して表面処理(親水化処理)を施すことができる。表面処理の方法は任意の方法を採用でき、プラズマ処理、紫外線処理、電子線処理、コロナ放電処理、オゾン処理等が挙げられる。これらのうち、プラズマ処理が好ましく、酸素プラズマ処理が特に好ましい。
平板状基板の表面における水の接触角は、θ/2法を用いて測定される。θ/2法とは、平板状基板の表面に滴下した液滴の左右端点と頂点とを結ぶ直線の、平板状基板の表面に対する角度を求め、これを2倍にした値を接触角として特定する方法である。例えば、平板状基板の表面における水の接触角を求める場合、蒸留水(例えば、1~2μl)を該表面の異なる複数の地点(例えば、5点以上)に滴下し、滴下した液滴のそれぞれの接触角を求め、得られた値の平均値を水の接触角として扱ってもよい。接触角は、接触角計(協和界面科学株式会社製等)を用いて特定してもよい。
(観察対象細胞)
観察対象細胞は、平板状基板の表面に付着し、細胞観察の対象となる細胞である。観察対象細胞の種類は特に限定されない。例えば、好ましい細胞として、末梢血単核細胞(PBMCとも呼ばれる。)が挙げられる。
式(1)に規定されるt及びtwについて、平均厚さが特定される対象である細胞は、互いに同種であればよく、同一個体に由来していてもよいが、同一個体に由来していなくともよい。ただし、同種の生物に由来することが好ましい。例えば、tが末梢血単核細胞の平均厚さである場合、twも末梢血単核細胞の平均厚さを意味する。
twは、細胞の種類に応じた所定の数値となる可能性がある。例えば、末梢血単核細胞のtwは、約15μmであり得る。かかる場合、末梢血単核細胞のtの下限は、14.2μm以上(すなわち、(t/tw)≧0.95)、好ましくは14.4μm以上(すなわち、(t/tw)≧0.96)、より好ましくは14.5μm以上(すなわち、(t/tw)≧0.97)である。この場合の末梢血単核細胞球のtの上限は、測定結果のバラツキや個体差を考慮し、15.7μm程度である。
観察対象細胞は、細胞観察に通常供される任意の態様であってもよい。例えば、観察対象細胞は、公知の方法で組織(上皮等)や体液(血液等)から単離されたものであってもよい。観察対象細胞の単離方法は細胞本来の大きさや形を損なわない方法であれば特に限定されず、遠心分離(密度勾配遠心分離法等)や試薬を用いた方法等が挙げられる。なお、本発明における観察対象細胞は単離された細胞であるので、組織切片等の態様は含まない。
密度勾配遠心分離法では分離溶液を使用することができる。分離溶液としては、リンパ球分離溶液等が挙げられる。分離溶液は、通常、血液試料に重層させて用いる。このような場合、分離溶液としては、密度が1.077g/mlに調整された試薬等を用いることができる。
例えば、分離溶液を用いることで、全血中に含まれる赤血球、白血球の一部である顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、及び血小板の大部分を除去できる。その結果、主として白血球の一部であるリンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)及び単球で構成される単核細胞の画分を得ることができる。
密度勾配遠心分離法に用いる分離溶液としては、市販のものを使用できる。市販の分離溶液としては、例えば、商品名「LymphoPrep」(Alere Technologies社製)、商品名「NycoPrep 1.077」(Alere Technologies社製)、商品名「OptiPrep」(Alere Technologies社製)、商品名「Histopaque 1077」(Sigma-Aldrich社)、商品名「Ficoll-Paque」(GEヘルスケア社)等が挙げられる。なお、「OptiPrep」は、事前に試薬と培地等を適量混合して溶液密度を1.077g/mlに調整する必要がある。
末梢血単核細胞を含む画分を得るための密度勾配遠心分離の手法の一例を挙げる。まず、全血を、抗凝固剤を含む採血管に採取し、生理食塩水(0.9%NaCl溶液)で希釈した後、分離溶液を分注する。これを遠心分離処理し、単核細胞の画分を回収する。この単核細胞を、末梢血単核細胞を含む画分として扱うことができる。
検出しようとする目的細胞が循環がん細胞である場合は、観察対象細胞が末梢血単核細胞を含むことが好ましい。
(細胞の平均厚さ)
本発明において、「細胞の平均厚さ」とは、平板状基板の平滑面に細胞が付着(通常は単層配置)された単離細胞標本を、蛍光標識抗体を用いて免疫染色(蛍光染色)した後、蛍光顕微鏡観察下の蛍光画像を、画像解析ソフトを用いて解析することにより求めた値である。
細胞の平均厚さの測定方法の概略を図1に示す。まず、平均厚さを特定しようとする細胞が付着した単離細胞標本を蛍光顕微鏡の観察台に水平にセットする。次いで、細胞が付着した基板面に焦点を合わせたまま視野を固定し、上方向(Z軸方向)へ1.05μmごとに対物レンズを移動して蛍光画像を取得する。取得した画像を、画像解析ソフト(Image J、Ver1.52a、NIH、https://imagej.nih.gov/ij/)を用いて解析し、各画像の平均蛍光シグナル強度を算出する。蛍光シグナル強度をZ軸方向の距離に対してプロットすることで、細胞下端部(基板面)から細胞上端部までの距離を求める(プロットから細胞上端部を特定する方法は図2を用いて後述する)。この距離が細胞の平均厚さに相当する。この方法により測定された細胞の平均厚さは、単離細胞標本に含まれる細胞の平均蛍光シグナル強度の総和に基づき算出される。そのため、この方法には、得られる結果が、個々の細胞の大きさのバラツキや、細胞試料の提供者の個人差等の影響を受けにくいという利点がある。
図2は、細胞の平均厚さを求めるために使用した、Z軸方向の距離に対する蛍光シグナル強度のプロット例である。細胞下端部(基板面)は、Z軸の値が「0μm」である点として特定される。細胞上端部は、プロットにおいて細胞下端部(基板面)側から数えた点のうち、以下の関係を全て満たす最小の値の点として特定される。
|YN-2-YN-1|>|YN-1-Y
N-2-YN-1>0
|YN-1-Y|/YMAX≦0.04
(式中、「Y」(xは、プロットにおける連続する3点N-2、N-1、及びNのうちいずれかである。)とは、点xのY軸(平均シグナル強度)上の値を意味する。「YMAX」とは、プロットにおけるY軸上の最大値を意味する。)
例えば、図2において、上記関係を全て満たす最小の値の点は「n」である。
本発明の平板状基板上に単層配置された細胞の平均厚さは、上述のとおり、以下の式(1)を満たす。
(t/tw)≧0.95 式(1)
(式(1)中、
tは、平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さを表し、
twは、平板状基板の表面に付着した、乾燥工程を経ていない観察対象細胞と同種の細胞の平均厚さを表す。)
tは、単離細胞標本の平板状基板の表面に付着した観察対象細胞について、上記の方法で細胞の平均厚さを求めることで特定される。
twは、平板状基板の表面に付着した、乾燥工程を経ていない、観察対象細胞と同種の細胞について、上記の方法で細胞の平均厚さを求めることで特定される。twを特定する際の平板状基板は、その平滑面に細胞を付着させることができれば特に限定されないが、対応するtを特定する際の平板状基板と同様の材質であることが好ましい。なお、本発明において「細胞が乾燥工程を経ていない」とは、細胞が、水や水系緩衝液(リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等)でのみ保持されており、細胞本来の大きさや構造を保っていることを意味する。twの特定の際には、細胞をウェットな系に維持した状態で測定を行う。細胞をウェットな系に維持する方法としては、例えば、基板上に枠を設け、枠内に細胞の構造に影響しない液体(水や水系緩衝液(PBS等))を入れる方法が挙げられる。
本発明の単離細胞標本を製造しようとする際、観察対象細胞の一部をウェットな系で維持し、これを用いて細胞の平均厚さを求めることで、twを特定できる。
任意の単離細胞標本におけるtwは、以下のように特定できる。
(1)単離細胞標本に付着した細胞の種類や由来を顕微鏡観察等で特定する。
(2)上記(1)で特定した細胞と同種の細胞を入手する。
(3)上記(2)で得られた細胞を平板状基板の表面に付着し、ウェットな系で維持した状態でtwを特定する。
(t/tw)の下限は、好ましくは(t/tw)≧0.96、より好ましくは(t/tw)≧0.97である。(t/tw)が0.95未満であることは、通常、標本作製過程での乾燥等により細胞内の水分が失われ、観察対象細胞が萎縮した状態を示す。
(t/tw)の上限は、(t/tw)の定義から理解されるとおり、通常は1である。ただし、1.05程度の値となることがある。
(t/tw)が式(1)を満たすかどうかは、観察対象細胞が本来の構造を維持しているかどうかの指標となる。例えば、抗体を用いて免疫染色を行う場合等に、細胞を乾燥させると、乾燥により細胞の膜構造が破壊され、細胞が本来の構造を維持できなくなり得る。その結果、検出すべきタンパク質の局在が変化してしまい、正確な結果が得られない可能性がある。通常、乾燥した細胞は水分の喪失により厚さや大きさが小さくなるため、細胞の本来の厚さ(tw)を基準とする式(1)は、観察対象細胞の大きさの変化を特定するために有効である。
標本検査の効率の点等から、観察対象細胞は平板基板上に可能な限り密に配置されることが好ましい。平板基板上に単層配置された細胞の密度は、好ましくは4000~12000個/mm、より好ましくは6000~10000個/mm、さらに好ましくは7000~9000個/mmである。
<単離細胞標本の用途>
本発明の単離細胞標本は免疫染色及び/又は核染色に用いられる。ただし、本発明の単離細胞標本は、細胞観察を目的とするその他の任意の用途にも用いることができる。
従来の免疫染色方法としては以下の方法が知られる(例えば、非特許文献1参照)。まず、液体培地で希釈された細胞を基板の表面に滴下し、次いで、該基板を液体培地で洗浄することで、基板の表面に細胞を単層配置させる。該細胞に対し、液体培地の存在下で、抗体を用いた免疫染色を行い、顕微鏡観察を実施する。そして、これらの全工程は、細胞の乾燥を避けるために、ウェットな系で行う必要がある。なぜならば、細胞が乾燥すると、細胞の構造等が変化してしまい、正確な結果が得られなくなる可能性があるからである。したがって、従来の免疫染色方法においては、免疫染色に供する前の観察用細胞試料を安定的に保存や移送することが困難だった。
これに対し、本発明の単離細胞標本においては、基板上に付着した細胞が水分を保持して細胞本来の構造を保ちつつ、平板状基板の細胞が配置された面上に液体(培地や緩衝液等)が実質的に存在しない。このことは、本発明によれば、従来の免疫染色方法のように、基板の表面に配置された細胞をウェットな系で維持する必要がないことを意味する。これにより、本発明によれば、免疫染色を実施するまで、単離細胞標本を所望の期間(例えば、1日以上)にわたって安定的に保存したり、単離細胞標本を遠方へ移送したりすることができる。
本発明の単離細胞標本を免疫染色に供する場合、その方法としては公知の方法を適宜選択でき、検出しようとするマーカー等に応じた抗体や条件を用いることができる。
従来、細胞内部のタンパク質に対する抗体を用いて免疫染色を行う際には、細胞に対して、サポニン等による膜透過処理が必須であった。これに対し、本発明においては、このような処理を行わなくても十分な染色を行うことができる。ただし、本発明において、免疫染色において膜透過処理を行う態様は排除されない。
核染色の方法としては、任意の蛍光色素を用いることができ、例えば、DAPI(4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール)等が挙げられる。
<単離細胞標本の製造方法>
本発明の単離細胞標本の製造方法は、平板状基板上に観察対象細胞含有液を展開する展開工程と、展開工程の後、平板状基板の表面に付着していない細胞を除去する細胞除去工程と、細胞除去工程の後、平板状基板を自然乾燥する乾燥工程と、を含み、得られた単離細胞標本は、免疫染色及び/又は核染色に用いられる。
本発明の単離細胞標本の作製方法の一例を図3に示す。以下、図3を参照しながら詳細に説明する。
(1)平板状基板の準備
平板状基板を準備して、必要に応じて酸素プラズマ処理等の親水化処理を必要に応じて行う。
(2)展開工程
平板状基板上に観察対象細胞含有液を展開する。観察対象細胞含有液の展開方法は、細胞を破壊等せずに平板状基板上に配置できる任意の方法が採用できる。例えば、マイクロピペット等を用いて、平板状基板の表面に滴下する方法等が挙げられる。観察対象細胞含有液としては、単核細胞の画分等の細胞含有画分やこれを希釈したもの等が挙げられる。展開された観察対象細胞含有液は平板状基板表面で広がり、広範囲での観察が可能となる。
観察対象細胞含有液において、細胞を希釈するための液体媒体としては、各種水系緩衝液(PBS等)や純水等を使用することができる。
観察対象細胞含有液において、細胞濃度は特に限定されないが、基板上の細胞が過度に重層しない程度の濃度が好ましい。例えば、細胞濃度は、好ましくは1×10~1×10個/ml、さらに好ましくは2×10~5×10個/mlである。
平板状基板上に配置された細胞は、通常は単層では配置しておらず、一部重層した状態で配置されている。この状態において、平板状基板の表面と直接接触している細胞は、平板状基板の表面と、物理的吸着によって結合する。つまり、展開工程において、基板表面に配置された観察対象細胞の少なくとも一部は平板状基板の表面に付着する。
(3)細胞除去工程
展開工程の後、平板状基板の表面に付着していない細胞を除去する。展開工程後の平板状基板上には細胞が重層して配置されていることがあるが、このような状態の細胞は顕微鏡観察による目的細胞の検出を妨げるため、この工程で、重層している余剰の細胞を洗浄等によって除去する。これにより、平板状基板には、平板状基板の表面に付着した細胞のみが、ほぼ単層で、凝集することなく配置される。展開工程後の重層した細胞の状態と、細胞除去工程後の単層で配置された細胞の状態の模式図を図4に示す。
平板状基板の表面に付着していない細胞を除去する方法としては、特に限定されないが、細胞の損傷を防ぐ観点から、基板上に液体を接触させる方法が好ましい。例えば、細胞除去用液体を入れた容器に平板状基板を浸漬する方法、平板状基板の表面に除去用液体を流しかける方法等が挙げられる。
細胞除去用液体は、水又は水溶液であることが好ましい。水又は水溶液の比抵抗値の下限は、好ましくは10Ω・cm以上であり、より好ましくは10Ω・cm以上であり、さらに好ましくは10Ω・cm以上である。水又は水溶液の比抵抗値が10Ω・cm未満であると、細胞除去用液体中のイオン性物質の含有量が多くなり、後述の乾燥工程で溶質物が析出したり、溶質物が顕微鏡観察を妨げたりする可能性がある。水又は水溶液の比抵抗値の上限は、好ましくは100Ω・cm以下である。
比抵抗値が上記範囲内にある水溶液としては、液体培地、水道水(15~16kΩ・m)、各種緩衝液(リン酸緩衝生理食塩水(62~63Ω・m)等)が挙げられる。
後述する乾燥工程での析出や顕微鏡観察時に影響を与えにくいという点から、細胞除去用液体としては、比抵抗値が10Ω・cm以上の、イオン性物質を殆ど含まない水が好ましく、比抵抗値が10Ω・cm以上の純水を用いることがより好ましい。
(4)乾燥工程
細胞除去工程の後、平板状基板の細胞が配置された面に液体が実質的に存在しなくなるまで平板状基板を乾燥する。乾燥工程により、平板状基板の表面の液体量を低減させることができる。これにより、平板状基板の細胞が配置された面に液体が実質的に存在しない状態で、観察対象細胞を基板上に配置させることができる。
乾燥工程における乾燥は自然乾燥である。自然乾燥とは室温付近の温度(例えば、1~40℃)で乾燥させることを意味する。乾燥の方法としては、標本を室温付近の温度にさらすことができれば特に限定されず、例えば、室内の自然環境下に標本を置く方法や、人工的に温度、湿度、気圧を調節した環境下に標本を置く方法等が挙げられる。
自然乾燥の温度条件は、乾燥時間の長さ等に応じて調整できる。自然乾燥の温度条件は、室温の範囲内であってもよく、例えば、好ましくは1~40℃、より好ましくは10~30℃であり、さらに好ましくは15~29℃、さらにより好ましくは20~28℃であり、最も好ましくは22~24℃(23℃前後)である。温度が高すぎると、細胞の乾燥が進み、細胞の膜構造が破壊し、本来の構造を維持できず、その後の観察に影響が生じる可能性がある。温度が低すぎると、乾燥時間が長くなりすぎる可能性がある。
自然乾燥の湿度条件は、相対湿度が、好ましくは10~70%、より好ましくは20~60%、さらに好ましくは20~50%である。
自然乾燥の圧力条件は、好ましくは0.5~2.0気圧、より好ましくは0.8~1.2気圧、さらに好ましくは1気圧である。
自然乾燥の時間は、好ましくは30分間以上、より好ましくは35分以上、さらに好ましくは50分間以上、さらにより好ましくは1時間以上である。自然乾燥の時間はさらに長くても問題ないが、作業効率上、通常は、好ましくは100時間以下、より好ましくは90時間以下、さらに好ましくは80時間以下である。
自然乾燥の風速条件は、0.0~1.0m/秒であってもよい。風速が大きいほど、乾燥時間を短くすることができ得る。
乾燥工程の前後において、観察対象細胞の平均厚さは以下の式(2)を満たす。
(t’/tw’)≧0.95 式(2)
(式(2)中、
t’は、平板状基板の表面に付着した、乾燥工程後の観察対象細胞の平均厚さを表し、
tw’は、平板状基板の表面に付着した、乾燥工程前の観察対象細胞の平均厚さを表す。)
式(2)の詳細は、上記<単離細胞標本>における説明に準じる。ただし、「乾燥工程後の観察対象細胞の平均厚さ」は、上記<単離細胞標本>における「平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さ」に対応する。「乾燥工程前の観察対象細胞の平均厚さ」は、上記<単離細胞標本>における「平板状基板の表面に付着した、乾燥工程を経ていない観察対象細胞と同種の細胞の平均厚さ」に対応する。なお、式(2)において、t’及びtw’は、同一の細胞群における値である。
乾燥工程の完了により、本発明の単離細胞標本が得られる。この単離細胞標本は、免疫染色及び/又は核染色に用いられる。
(5)染色工程
上記のように得られた単離細胞標本は、免疫染色及び/又は核染色に供される。必要に応じ、本発明の単離細胞標本は、免疫染色及び/又は核染色以外の方法による各種解析にも供され得る。
上記のように得られた単離細胞標本は、免疫染色及び/又は核染色が良好である。本発明において「免疫染色及び/又は核染色が良好である」とは、染色された細胞がその本来の構造を維持しつつ、検出に十分なほどの染色によるシグナル強度が得られることを意味する。
<目的細胞の検出方法>
上記の各工程を経て、本発明の単離細胞標本が得られる。得られた単離細胞標本は免疫染色及び/又は核染色に供される。免疫染色の方法としては目的細胞の種類に応じた任意の条件を採用でき、例えば蛍光標識抗体等を用いた方法が挙げられる。核染色の方法としては目的細胞の種類に応じた任意の条件を採用でき、例えばDAPI等を用いた方法が挙げられる。目的細胞としては、例えば、循環がん細胞が挙げられる。目的細胞が循環がん細胞である場合、観察対象細胞が末梢血単核細胞を含むことが好ましい。
例えば、循環がん細胞検出においては、EpCAM(上皮細胞の表面マーカー)、Cytokeratin(上皮細胞の細胞内タンパク質マーカー)をそれぞれの蛍光標識抗体により染色を行う。また、抗体分子の非特異的な吸着による偽陽性を避ける目的で、CD45(白血球の表面マーカー)に対する抗体を用いた染色も同時に行うことで、EpCAM陽性、Cytokeratin陽性、CD45陰性の細胞を絞り込める。さらに、これらの抗体染色によって循環がん細胞の候補として絞り込まれた細胞に対して、DAPIによる核染色をし、核構造の正常性を評価することで、がんの転移や再発につながる危険性の高いがん細胞の存在を識別することができる。上記染色が施された単離細胞標本に対して、蛍光顕微鏡等を用いた目的細胞の検出及び解析を行い、これらの染色・観察結果を総合的に評価することで、単離細胞標本の細胞に循環がん細胞が含まれるか否かを判定する。
なお、本発明の製造方法で得られた単離細胞標本に対して免疫染色を施す場合、膜透過処理はしなくともよい。ただし、本発明において、免疫染色に際して膜透過処理を行う態様は排除されない。通常の免疫染色においては、染色対象が細胞表面ではない場合(例えば、細胞内タンパク質を対象とするCytokeratin抗体や、細胞の核を対象とするDAPIによる染色を行う場合)、サポニン等を用いた膜透過処理を行う必要がある。すなわち、細胞内の情報を得るための染色には、前処理として膜透過処理が通常必要となる。これに対し、本発明の製造方法で得られた単離細胞標本は、このような膜透過処理をすることなく染色が可能であり、検査工程の簡略化、効率化に大きく貢献できる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
<試験1:各種単離細胞標本の検討>
以下の方法に基づき、様々な条件で単離細胞標本を作製し、検査効率を検討した。
(実施例1)
以下の手順で単離細胞標本を作製し、これを染色した。
[単離細胞標本の作製]
(1)平板状基板の準備
材質がポリスチレンであり、寸法が76mm×25mm×1mm(厚さ)のプラスチックプレートを用いた。このプラスチックプレートに対し、ソフトプラズマエッチング装置(商品名SEDE-P、メイワフォーシス社製)を使用して、酸素ガスを流量:0.25L/分(圧力:0.2kg/mに相当)、内圧6から10Pa、出力5mAから25mAの条件で15分間プラズマ照射を行った。プラズマ照射後の平板状基板表面の水の接触角は5か所の平均が5°以下であった。
(2)観察対象細胞の準備
本例では、循環がん細胞モデルとして肺がん細胞を用い、これを少数含む細胞群を観察対象細胞として調製した。具体的には、ヒト肺がん細胞(H1650)、及び、ヒト白血病細胞(CEM)を、H1650の細胞数:CEMの細胞数=1:100となるように混合し、細胞濃度が3.33×10個/mlである観察対象細胞含有液を調製した。
(3)展開工程
平板状基板上に、観察対象細胞含有液を、マイクロピペットを用いて3ml滴下した。滴下後、観察対象細胞含有液は基板上のほぼ全面に広がった。
(4)細胞除去工程
比抵抗値が18.2MΩ・cmの超純水に、展開工程後の平板状基板を浸漬して、余剰の細胞を洗浄し、平板状基板の表面に付着していない細胞を除去した。
(5)乾燥工程
細胞除去工程後、25℃、相対湿度50%の室内で50分間、平板状基板を自然乾燥し、実施例1の単離細胞標本を得た。目視及び実体顕微鏡で観察したところ、平板状基板上の細胞の配置される面に液体は認められなかった。また、赤外線水分計(商品名「ファイバー式赤外線水分計 IM-3SCV MODEL-2000」、株式会社フジワーク製)を用いて、25℃、相対湿度50%の条件下で、平板状基板表面の水分量を経時的に測定し、50分の自然乾燥により、平板状基板上の細胞の配置される面に液体がなくなったことを確認した(図5)。
(6)細胞の平均厚さの測定
乾燥工程の前後に、平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さの測定を行った。具体的には、共焦点レーザー走査型顕微鏡(商品名「FV-3000」、オリンパス株式会社製)を用いてZ-stack観察(20倍対物レンズを使用、Interval:1.05μm)を行い、シグナル強度に基づき、平板状基板上の観察対象細胞の平均厚さを測定した。
[染色工程]
以下の方法で、得られた単離細胞標本を免疫染色及び核染色に供した。
免疫染色のために、EpCAM(上皮細胞の表面マーカー)、Cytokeratin(上皮細胞の細胞内タンパク質マーカー)、CD45(白血球の表面マーカー)を用いた。なお、CD45をマーカーとすることで、抗体分子の非特異的な吸着による偽陽性を避けることができるので、EpCAM陽性、かつCytokeratin陽性、かつCD45陰性の細胞を特定できる。
また、あわせてDAPIによって核染色を行った。
(1)染色溶液の調製
以下を全て含むPBS溶液を染色溶液として調製した。
抗EpCAM抗体:商品名「Alexa488標識抗EpCAM抗体」、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社、50倍希釈
抗Cytokeratin抗体:PE標識抗Cytokeratin抗体、50倍希釈
抗CD45抗体:商品名「Alexa647標識抗CD45抗体」、30倍希釈
DAPI:2μg/ml
(2)染色の方法
染色溶液3mlを、各標本表面の細胞と接触するように展開し、室温、遮光下で1時間染色を行った。次いで、デカンテーションで余剰な染色液を除去した後、各標本をPBSに浸漬して洗浄した。標本上のPBSが乾燥する前に、速やかにカバーガラスを被せ、カバーガラスシーリング剤(商品名「CoverGrip」、Biotium社製)でシールした。
(3)染色性の評価
各マーカーの染色性を以下の基準で評価した。なお、染色された細胞がその本来の構造を維持しているかどうかは、染色された細胞の輪郭や染色部位等から判断した。
A:染色された細胞がその本来の構造を維持しており、かつ、検出に十分なほどの染色によるシグナル強度が得られた。
B:染色された細胞がその本来の構造を維持しているものの、染色によるシグナル強度が弱かった。
C:染色された細胞がその本来の構造を維持していない、かつ/又は、染色によるシグナルが認められなかった。
(比較例1)
乾燥工程において、自然乾燥の代わりに、1200Wのドライヤーを用いて、熱風を1.5cmの距離から10秒間あてた点以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例1の単離細胞標本を作製した。目視及び実体顕微鏡で観察したところ、平板状基板上の細胞の配置される面に液体は認められなかった。
(比較例2)
乾燥工程において、自然乾燥の代わりに、1200Wのドライヤーを用いて、熱風を10cmの距離から30秒間あてた点以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例2の単離細胞標本を作製した。目視及び実体顕微鏡で観察したところ、平板状基板上の細胞の配置される面に液体は認められなかった。
(比較例3)
乾燥工程において、自然乾燥の代わりに、1200Wのドライヤーを用いて、冷風を1.5cmの距離から50秒間あてた点以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例3の単離細胞標本を作製した。目視及び実体顕微鏡で観察したところ、平板状基板上の細胞の配置される面に液体は認められなかった。
(比較例4)
実施例1と同様の平板状基板を使用し、接着剤によって、液体を保持するためのアクリル製の枠(幅2mm、高さ2mm)を平板状基板上の周辺部に固定した。観察対象細胞は実施例1と同様に調製した。観察対象細胞を基板上に配置した後、観察対象細胞を常時緩衝液中に保持した状態で後述の染色及び観察までを行った。
(比較例5)
後述の染色工程前に、常法であるサポニンを使用した膜透過処理を行った点以外は、比較例4と同様の操作を行った。
(結果)
評価結果を表1に示す。また、免疫染色及び核染色の結果を図6~11に示す。実施例1及び比較例1~3については、(t/tw)を以下のように特定した。つまり、比較例4の細胞の厚さを(tw)として扱った。
(t/tw)=「平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さ(t)」/「比較例4の平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さ(tw)」
なお、実施例1及び比較例1~3について、以下のように特定される(t’/tw’)も、(t/tw)と同様の値だった。
(t’/tw’)=「平板状基板の表面に付着した、乾燥工程後の観察対象細胞の平均厚さ(t’)」/「平板状基板の表面に付着した、乾燥工程前の観察対象細胞の平均厚さ(tw’)」
Figure 0007153365000001
実施例1(図6)は観察対象細胞の平均厚さが適正な範囲にあり、平板状基板の細胞が配置された面に液体が実質的に存在しない標本である。この標本においては、循環がん細胞を特定するための4種類のマーカーを明瞭に検出でき、標本上の細胞密度も密な状態であった。
比較例1(図7)及び比較例2(図8)は、熱風乾燥を行った点以外は実施例1と同様に作製した標本である。この標本においては、平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さが規定範囲以下の扁平なものとなり、細胞が本来の構造を維持しておらず、CD45抗体での染色性が著しく低下した。また、比較例1については、標本上の細胞密度も低い(悪い)ものとなった。他方で、比較例3(図9)のように冷風乾燥を行った場合も、熱風乾燥を行った場合同様に、平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さが規定範囲以下の扁平なものとなり、CD45抗体での染色性が著しく低下した。
比較例4(図10)及び比較例5(図11)は一般的に行われている免疫染色と同様に標本を染色した結果である。これらの標本の作製にあたっては、終始、緩衝液中で全ての操作を行ったため、細胞の平均厚さは本来の厚さを維持しており、適正な範囲にあるが、平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さを大きく超える液面高さの液体が共存する標本である。比較例4はサポニンによる膜透過処理を行わなかったサンプルであり、Cytokeratin抗体及びDAPIによる染色ができなかった。これに対し、比較例5は常法によるサポニンでの膜透過処理を行ったもので、循環がん細胞を特定するための4種類のマーカーを検出でき、標本上の細胞密度も密な状態であった。
実施例1は、CD45抗体での染色性に優れる点、及び、膜透過処理をすることなく、DAPI等の核染色が可能であり検査効率が良い点で、一般的な試験法である比較例4に対して優れている。
さらに、実施例1と同様に繰り返し標本を作製しても、安定的に、平板状基板上に細胞を密に単層配置させることができた。これに対し、比較例4及び比較例5の方法では、平板状基板上に細胞を密に配置できる場合もあるが、細胞が偏在して疎な部分ができる場合もあった。したがって、本発明の方法は、細胞を、平板状基板上に安定的に単層配置できる点でも検査効率に優れる。
<試験2:自然乾燥の条件の検討>
自然乾燥の時間を1~72時間の範囲内で変えた点以外は上記試験1の実験例1と同様に4つの単離細胞標本を作製した。
自然乾燥を行っていない単離細胞標本(ウェットな系)、及び、自然乾燥後の単離細胞標本に対し、上記試験1と同様に抗体染色を行った。
抗体染色後、共焦点レーザー走査型顕微鏡(商品名「FV-3000」、オリンパス株式会社製)を用いてZ-stack観察(20倍対物レンズを使用、Interval:1.05μm)を行い、シグナル強度に基づき、平板状基板上の細胞の平均厚さを測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0007153365000002
自然乾燥したいずれの単離細胞標本も、厚みは約15μmであり、ウェットな系と比較して±3%以内だった。この結果から、意外にも、長時間にわたって乾燥させた場合でも、標本の細胞厚さはウェットな系と同程度となることが示された。

Claims (8)

  1. 平板状基板の表面に観察対象細胞付着させ、比抵抗値が10Ω・cm以上の水又は水溶液で前記平板状基板の表面に付着していない細胞を除去し、自然乾燥した単離細胞標本であって、
    前記平板状基板の細胞が配置された面に液体が実質的に存在せず、
    前記観察対象細胞の平均厚さが以下の式(1)を満たし、
    免疫染色及び/又は核染色に用いられる、単離細胞標本。
    (t/tw)≧0.95 式(1)
    (式(1)中、
    tは、平板状基板の表面に付着した観察対象細胞の平均厚さを表し、
    twは、平板状基板の表面に付着した、自然乾燥していない前記観察対象細胞と同種の細胞の平均厚さを表す。)
  2. 前記観察対象細胞が末梢血単核細胞を含む、請求項1に記載の単離細胞標本。
  3. 前記平板状基板の前記観察対象細胞が配置される表面における水の接触角が、25℃において10°以下である、請求項1又は2に記載の単離細胞標本。
  4. 平板状基板上に観察対象細胞含有液を展開する展開工程と、
    前記展開工程の後、前記平板状基板の表面に付着していない細胞を細胞除去用液体を用いて除去する細胞除去工程であって、前記細胞除去用液体が比抵抗値が10Ω・cm以上の水又は水溶液である工程と、
    前記細胞除去工程の後、前記平板状基板を、前記平板状基板の細胞が配置された面に液体が実質的に存在しなくなるまで自然乾燥する乾燥工程と、
    を含む、免疫染色及び/又は核染色に用いられる、単離細胞標本の製造方法。
  5. 前記乾燥工程の前後において、前記観察対象細胞含有液に含有される観察対象細細胞の平均厚さが以下の式(2)を満たす、請求項4に記載の単離細胞標本の製造方法。
    (t’/tw’)≧0.95 式(2)
    (式(2)中、
    t’は、平板状基板の表面に付着した、前記乾燥工程後の観察対象細胞の平均厚さを表し、
    tw’は、平板状基板の表面に付着した、前記乾燥工程前の観察対象細胞の平均厚さを表す。)
  6. 前記細胞除去工程において、細胞の除去を水又は水溶液を用いて行い、前記水又は前記水溶液の比抵抗値が10Ω・cm以上である、請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載の単離細胞標本に免疫染色及び/又は核染色を施す工程を含む、目的細胞の検出方法。
  8. 前記観察対象細胞が末梢血単核細胞を含み、かつ、前記目的細胞が循環がん細胞である、請求項7に記載の検出方法。
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