[go: up one dir, main page]

JP7033923B2 - ゾル-ゲル法で作製される無機多孔質体を用いた核酸合成用担体 - Google Patents

ゾル-ゲル法で作製される無機多孔質体を用いた核酸合成用担体 Download PDF

Info

Publication number
JP7033923B2
JP7033923B2 JP2017560442A JP2017560442A JP7033923B2 JP 7033923 B2 JP7033923 B2 JP 7033923B2 JP 2017560442 A JP2017560442 A JP 2017560442A JP 2017560442 A JP2017560442 A JP 2017560442A JP 7033923 B2 JP7033923 B2 JP 7033923B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier
nucleic acid
inorganic porous
group
linker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017560442A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017119503A1 (ja
Inventor
和也 坂本
聡 井上
浩一 南海
明宏 太田
康雄 小松
直 小島
利一 宮本
鴻志 白
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Genedesign Inc
Original Assignee
Genedesign Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Genedesign Inc filed Critical Genedesign Inc
Publication of JPWO2017119503A1 publication Critical patent/JPWO2017119503A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7033923B2 publication Critical patent/JP7033923B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M1/00Apparatus for enzymology or microbiology
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C40COMBINATORIAL TECHNOLOGY
    • C40BCOMBINATORIAL CHEMISTRY; LIBRARIES, e.g. CHEMICAL LIBRARIES
    • C40B50/00Methods of creating libraries, e.g. combinatorial synthesis
    • C40B50/14Solid phase synthesis, i.e. wherein one or more library building blocks are bound to a solid support during library creation; Particular methods of cleavage from the solid support

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

本発明は、ゾル-ゲル法等で作製される、貫通孔を有する無機多孔質体を用いた核酸合成用の担体に関する。
RNA/DNA合成に用いる固相担体は、原料コストの1/4~1/3を占めている。また、固相上において1塩基の延長に4種類の異なる化学反応が必要となり、各反応の前後で担体を多量の有機溶媒で洗浄する。そこで、高い反応効率を有する担体を開発することが望まれている。
特許文献1では、マイクロウェルでの固相合成が開示されている。
特開2012-507513
本発明者らは鋭意研究した結果、高い反応効率を有する担体を開発することで使用する試薬量ならびに溶媒量を低減させ、担体単位体積当たりの合成量を大幅に増やすことを達成した。その解決手段としては、貫通孔を有する無機多孔質体(一体型や粒子型)を基材として用いることであった。従来核酸合成担体として、特に医薬品合成のように大きなスケールで合成する目的では貫通孔を有する無機多孔質体は使用されていなかったが、本発明では、大規模化し高さを大きくする場合にすばやく溶液を流すために必要となる圧力による機械的制限の問題を、貫通孔を有する無機多孔質体、特に一体型や粒子型を採用することにより解決した。
貫通孔を有する無機多孔質体については、各側面において最適な条件の精緻化にも尽力した。貫通孔を有する無機多孔質体のうち、モノリス型とは一体型の多孔質体を意味する。本発明では幅・奥行・高さで定義できる貫通孔を有する無機多孔質体の三辺のうちの一辺の長さが約1mm以上の連続した多孔質体のブロックを担体として使用し、さらに具体的には、形状(ペレットまたは粉末)、空孔のサイズ、リンカーの種類などを検討し、それらの最適な組み合わせで高い収量での合成を達成することができた。
また、貫通孔を有する無機多孔質体には粒子型も存在する。代表的には、貫通孔を有する無機多孔質体は直径約1mm以下の粒子型とすることで、カラムの大きさに関係せずスケールアップが可能であり、大量合成が可能となった。尚、従来から用いられるマイクロウェル型では、微小空間に多孔質体を充填することから、カラムの大きさが限られており大型化による大量合成は困難であったが、本発明はこのような問題も解決した。したがって、本発明は代表的に以下を提供する。
(1)貫通孔を有する無機多孔質体を含む、核酸またはその類縁体を製造するための担体。
(2)前記核酸またはその類縁体は、ホスホロアミダイト法またはH-ホスホネート法により合成され得るものである、項目(1)に記載の担体。
(3)前記核酸またはその類縁体あるいはそれらの原料を結合するための結合リンカーを有する、項目(1)または(2)に記載の担体。
(4)前記結合リンカーはアミノ基、水酸基、およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1つを含む、項目(3)に記載の担体。
(5)前記担体は前記製造後に、前記核酸またはその類縁体、それらの結合化合物あるいは該核酸またはその類縁体を連結する結合を分解しない条件で、担体と核酸部分とが開裂できる結合様式を有するリンカー(開裂可能リンカー)を有する、項目(1)~(4)のいずれか1項に記載の担体。
(6)前記結合様式はエステル、アミド、イミド、チオエステルおよびジスルフィド結合からなる群より選択される結合を含む、項目(5)に記載の担体。
(7)前記結合リンカーはアミノ基、水酸基、リン酸基およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1つの基を含み、該基が、エステル、アミド、イミド、チオエステルおよびジスルフィド結合からなる群より選択される結合を介して前記無機多孔質体に結合する、項目(3)~(6)のいずれか1項に記載の担体。
(8)前記無機多孔質体は、さらに細孔を有する、項目(1)~(7)のいずれか1項に記載の担体。
(9)前記無機多孔質体は、一体型または粒子型である、項目(1)~(8)のいずれか1項に記載の担体。
(10)前記無機多孔質体はシリカゲルまたはシリカガラスを含む、項目(1)~(9)のいずれか1項に記載の担体。
(11)前記無機多孔質体は、ペレット構造をとる、項目(1)~(10)のいずれか1項に記載の担体。
(12)前記ペレット構造は、棒状、板状または塊状である、項目(11)に記載の担体。
(13)前記ペレット構造の細孔は約100nm以上である、項目(11)または(12)に記載の担体。
(14)前記無機多孔質体は、サブマイクロメートルサイズ~マイクロメートルサイズの三次元網目状に連続した骨格を有し、骨格の間隙にサブマイクロメートルサイズ~マイクロメートルサイズの三次元に連続した貫通孔と、シリカ骨格中に連続して存在するナノメートルサイズの細孔を有するか、あるいは細孔の孔径を0にし貫通孔のみの網目状の骨格を有する、項目(1)~(13)のいずれか1項に記載の担体。
(15)前記貫通孔は、約0.1~約20μmのサイズであり、かつ、前記無機多孔質体の大きさまたは粒子径未満であり、
前記細孔は、存在する場合、約2nm~約300nmであり、かつ、貫通孔の直径未満である。項目(14)に記載の担体。
(16)前記結合リンカーは、アミノ基を含み、前記担体表面のケイ素原子からの長さが、炭素原子、窒素原子および酸素原子を合わせて直鎖方向に約1個以上約20個未満である、項目(3)~(15)のいずれか1項のいずれかに記載の担体。
(17)前記長さは、炭素原子、窒素原子および酸素原子を合わせて直鎖方向に約7個から約14個である、項目(16)に記載の担体。
(18)前記結合リンカーが約10~約250μmol/gの担持量で含まれる、項目(3)~(15)のいずれか1項に記載の担体。
(19)前記結合リンカーは、約30~約75μmol/gの担持量で含まれる、項目(3)~(15)のいずれか1項に記載の担体。
(20)前記開裂可能リンカーは、約30~約75μmol/gの担持量で含まれる、項目(5)~(15)のいずれか1項に記載の担体。
(21)前記担体は、ゾル-ゲル法で作製される、項目(1)~(20)のいずれか1項に記載の担体。
(22)項目(1)~(21)のいずれか1項に記載の担体を含む、核酸またはその類縁体の合成機。
(23)前記合成は、固相合成によって行われる、項目(22)に記載の合成機。
(24)前記担体は、前記核酸またはその類縁体の原料(例えば、ヌクレオシドやその類縁体、および導入可能な有機化合物(リンカーや色素誘導体など)等)の担持量が約30~約75μmol/gに調整される、項目(22)または(23)に記載の合成機。
(25)項目(1)~(21)のいずれかに記載の担体または、項目(22)~(24)のいずれかに記載の合成機を用いる核酸またはその類縁体の合成方法。
(26)前記合成は、固相合成によって行われる、項目(25)に記載の方法。
(27)前記担体は、前記核酸またはその類縁体の原料(例えば、ヌクレオシドやその類縁体、および導入可能な有機化合物(リンカーや色素誘導体など)等)の担持量が約30~約75μmol/gに調整される、項目(25)または(26)に記載の合成方法。
理論に束縛されることを望まないが、貫通孔を有する無機多孔質体は通常核酸合成に使用されるCPGとは異なるポア構造を有するため、試薬の流れがよくなり、合成の効率化が図ることができると考えられる。
従来技術で使用されるCPGは、細孔(空隙)のみを有するものであったが、本発明で用いられる貫通孔を有する無機多孔質体は液通りの良い貫通孔(シリカ内部の決まった流路)を有することから、DNA・RNAを延長していく合成に適していると考えられる。
高い反応効率を有する担体を開発することに成功し、使用する試薬や溶媒の削減によるコストダウンが可能となり、また、単位当たりの核酸合成量が大幅に向上することが可能となった。
従来型ビーズでは、空隙比を調節できず、流路の形がいびつで抵抗が大きく、細孔径が不均一で拡散長が長く、ポリマー担体は細孔がないので化学修飾は表面のみで可能であったのに対して、本発明では、貫通孔を有する無機多孔質体を用いることから、空隙比が制御可能であり、流路の形が丸く抵抗が小さく、細孔径が均一であり、拡散長が短いという効果が認められ、合成効率が劇的に改善される。
本発明では、貫通孔を有する無機多孔質体のうち、特に、粒子型の場合、これまでのシリカゲルやCPGといった担体と同様に扱えつつ、(1)連続した貫通孔を有しているため、更に広い反応場を提供でき、(2)従来の合成装置を利用して、合成可能であり、(3)液通りについても、同等かそれ以下の圧力で溶液を流すことが可能であるため、機械的な制限が少なくなるといった効果が達成される。
また、本発明では、貫通孔を有する無機多孔質体のうち、特に、一体型の場合、(1)同一のバッチより好きな大きさ・形に切出せるために、機械に合わせて使用することが可能であり、(2)同一性の高いものが作製可能であり、(3)カラム準備にシリカゲルやCPGの場合は、特殊な機械や技術が必要とされることが多いが、モノリス型カラムでは必要とせず、大型化が可能であるといった効果が達成される。
図1は、洗浄前のbare担体と、アミノシラン化後の粒子状態の光学顕微鏡による観察結果を示している。 図2は、ヌクレオシド担持量の測定結果の例を示している。縦軸は吸光度を示し、横軸は波長(nm)を示す。 図3は、合成サンプルの収量と担体のDMT-dT担持量の相関を示している。縦軸は収量(mg)を示し、横軸はDMT-dT担持量(μmol/g)を示す。 図4は、実際のろ紙の挿入の代表例を示す。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、同様な内容については繰り返しの煩雑を避けるために、適宜説明を省略する。また、本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。従って、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
最初に本発明において使用される用語および一般的な技術を説明する。
本明細書において「無機多孔質体」とは、内部に無数の微細な孔を有した無機材料をいう。本発明で使用される無機多孔質体は、貫通孔を有することが特徴の一つである。したがって、1つの局面では本発明は「貫通孔を有する無機多孔質体」に関するものである。このような貫通孔を有する無機多孔質体は、代表的には、ゾルーゲル法によって製造される。本発明で使用される無機多孔質体は、さらに細孔を有していてもよい。
本明細書において「貫通孔」とは、マクロ細孔またはスルーポアとも呼ばれ、無機多孔質体における大きなサイズの孔をいい、サブミクロンサイズからマイクロサイズのものであり、代表的には、直径約0.1~約20μmサイズの孔をいう。
本明細書において「細孔」とは、メソ細孔またはメソポアとも呼ばれ、代表的には直径約1~約300nm程度の貫通孔よりも小さな孔をいう。
本発明で使用される貫通孔を有する無機多孔質体は、さらにその形状により、「一体型」(モノリス型)と「粒子型」に分類される。通常、一体型の無機多孔質体は、連続した貫通孔と細孔を有し、粒子型の無機多孔質体は、細孔径を無くし連続した貫通孔のみを有するがこれに限定されず、一体型の無機多孔質体でも貫通孔のみの構造を有するものもあり、粒子型でも細孔を保持しているものもある。
本明細書において「一体型」または「モノリス(型)」(monolith)とは、交換可能に用いられ、構造物の三辺のうちの一辺の長さが1mm以上の連続した無機多孔質体であり、マイクロメートル前後のオーダーの網目状の骨格が繋がった特徴的な構造をもつ一体型の多孔質体をいう。語源的には一枚の石という意味であり、見た目はチョークのようであり、電子顕微鏡で観察すると、ジャングルジム状の骨格が連なった構造をしている。骨格の隙間をめぐるように、ミクロンスケールの貫通孔と呼ばれる孔(ポア)が無数に開いており、さらに好ましくは、骨格内にはナノスケールの細孔と呼ばれる孔が開いている。貫通孔と細孔は塞がることなく繋がっており、代表的には全容積の約85%が孔となる高い空隙率を誇るとされる。ナノスケールの細孔が存在する場合は、無数に存在することで高い比表面積を持つ。
本明細書において「粒子型」または「粒(子)状」または「非一体型」とは無機多孔質体の形状をいい、「一体型」以外のものを総称するものであり、「粒子型」無機多孔質体は、無機多孔質体の三辺すべてを1mm以下とした無機多孔質粒子である。粒子型無機多孔質体は、代表的には一体型の無機多孔質体を粉砕・分級することで得られる破砕状粒子であり、高い空隙率および比表面積を有し、モノリス特有の貫通孔および細孔の二段階のポアを有するため、モノリス特有の高速処理性能をもつ粒子である。無機多孔質体は、ペレット構造をとりうる。
本明細書において無機多孔質体は、シリカまたはチタニア(二酸化チタン)で構成され(この場合それぞれシリカモノリス、チタニアモノリスなどともいう)、その純度は代表的には99.9%以上である。二段階の異なるサイズを持つ貫通孔と細孔からなる共連続の多孔質体であるモノリスは、材質がシリカの場合、この二段階のポアの大きさは独立して制御可能で(貫通孔(三次元網目状細孔ともいう。)であれば代表的に約0.1~約10μm、細孔(メソ孔ともいう。)であれば代表的に約1~約200nmであるが、これより大きいもの、例えば約300nmも製造可能である)、使用目的に応じてそれぞれの孔径を最適化できる特徴を持つ。シリカモノリスは高い空隙率と比表面積を誇ることから、低圧でかつ高性能のフィルターや吸着カラムとして、または多くの液体を含むことができるので、薬効成分を含浸・吸着させたモノリスから薬剤をゆっくりと放出する材料としても使用されるが、通常は固相合成には使用されていない。
本明細書において「核酸」とは塩基と糖、リン酸からなるヌクレオチド(本発明の合成の原料でもある)がリン酸ジエステル結合で連なった任意の生体高分子をいい、例えば、DNA、RNA等を挙げることができる。
本明細書において核酸およびその原料の「類縁体」とは、ホスホロアミダイト法やH-ホスホネート法などの固相合成法に用いることが出来る化学修飾が施されたものであって、化学修飾された核酸(またはヌクレオチド)の類縁体、代表的には、糖の2’位の水酸基をアルキル基などで修飾や保護した核酸やF基を導入した修飾核酸、架橋型核酸と呼ばれるLNAやBNA、PNAやUNA、その他核酸配列に導入可能な誘導体(リンカーや色素誘導体など)他、合成可能である限り他の一般的な有機化合物も包含される。
本明細書で使用される核酸またはその類縁体およびそれらの原料の塩基には、プリン塩基アデニン(A)およびグアニン(G)、およびピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U)が含まれる。修飾核酸塩基には、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニンなどの他の合成および天然核酸塩基、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニル(-C≡C-CH)ウラシルおよびシトシンおよびピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル、および他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニンおよび3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンを含む。他の修飾核酸塩基には、フェノキサジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオチアジン-2(3H)-オン)などの三環ピリミジン、置換フェノキサジンシチジン(例、9-(2-アミノエトキシル)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾシアジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)などのG-クランプを含む。修飾核酸塩基には、プリンまたはピリミジン塩基を、他の複素環、例えば、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジンおよび2-ピリドンなどと置換したものを含むこともある。他の核酸塩基には、USP No.3,687,808に開示されたもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering, pages 858-859, Kroschwitz, J.I., ed. John Wiley & Sons, 1990に開示されたもの、Englisch et al.,, Angewandte Chemie, International Edition, 1991, 30, 613に開示されたもの、およびSanghvi, Y.S.、15章、Antisense Research and Applications, pages 289-302, Crooke, S.T. and Lebleu, B., ed., CRC Press、1993により開示されたものを含む。
これらの若干の核酸塩基は、本発明で合成されるオリゴマー化合物(本発明が対象とする核酸またはその類縁体の例であるオリゴ体、例えば、オリゴヌクレオチド)の結合親和力を増大させるのに特に役立つ。これらには、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシルおよび5-プロピニルシトシンなどの、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジンおよびN-2、N-6およびO-6置換プリンを含む。5-メチルシトシン置換基は、核酸の二本鎖の安定性を0.6-1.2℃だけ増加させることが実証されており(Sanghvi, Y.S. Crooke, S.T. and Lebleu, B., eds., Antisense Research and Applications, CRCプレス, Boca Raton, 1993, pages 276-278)、および好適な塩基置換基であり、2’-O-メトキシエチル糖修飾と結合したときに更に特に好適である。
上記の若干の修飾核酸塩基のみならず他の修飾核酸塩基またはその類縁体の調製を教示する代表的なUSP(米国特許番号)には以下のものを含むが、それらに限定されない:上記のUSP 3,687,808のみならず次のUSP; 4,845,205; 5,130,302; 5,134,066; 5,175,273; 5,367,066; 5,432,272; 5,457,187;5,459,255; 5,484,908; 5,502,177; 5,525,711; 5,552,540; 5,587,469; 5,594,121; 5,596,091; 5,614,617; 5,645,985; 5,830,653; 5,763,588; 6,005,096; 5,750,692および5,681,941、その各々の内容は、本明細書において参考として援用される。
他の修飾基は、オリゴマーがオリゴヌクレオチドの場合、オリゴヌクレオチドの他の位置、特に3’末端ヌクレオチドでの糖の3’位および5’末端ヌクレオチドの5’位でも作ることができる。例えば、本発明で製造されるオリゴマーの例であるオリゴヌクレオチドの場合、一方にリガンドが結合している場合、そのオリゴヌクレオチドの他の修飾基には、そのオリゴヌクレオチドの活性、細胞分布または細胞摂取を高める、1つ以上の他の非リガンド部分またはコンジュゲートのオリゴヌクレオチドへの化学的連結を含んでいてもよい。該部分には以下を含むが限定はしない:コレステロール成分などの脂質部分(Letsinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1989, 86,6553)、コール酸(Manoharan et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 1994, 4,1053)、チオエーテル、例、ヘキシル-S-トリチルチオール(Manoharan et al., Ann. N.Y. Acad. Sci., 1992, 660,306; Manoharan et al., Bioorg. Med. Chem. Let., 1993, 3,2765)、チオコレステロール(Oberhauser et al.、Nucl. Acids Res.、1992、20,533)、脂肪族鎖、例、ドデカンジオールまたはウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al., EMBO J., 1991, 10,111; Kabanov et al., FEBS Lett., 1990, 259,327; Svinarchuk et al., Biochimie, 1993, 75, 49)、リン脂質、例、ジヘキサデシル-rac-グリセロールまたはトリエチルアンモニウム1,2-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-H-ホスホン酸塩(Manoharan et al., Tetrahedron Lett., 1995, 36, 3651;Shea et al., Nucl. Acids Res., 1990, 18, 3777)、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al., Nucleosides&Nucleotides, 1995, 14, 969)、またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al., Tetrahedron Lett., 1995, 36, 3651)、パルミチル部分(Mishra et al., Biochim. Biophys. Acta, 1995, 1264,229)、またはオクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crooke et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 1996, 277、923)。
本発明において対象とされる核酸には、本発明の特定の修飾核酸を含む限り、リン酸ジエステル結合により結合しているもののみならず、アミド結合やその他のバックボーンを有するもの(ペプチド核酸(PNA)等)が含まれる。上述のように、核酸およびその類縁体には、例えば天然および人工の核酸が含まれ、核酸誘導体、核酸アナログ、核酸派生体等であってよい。そのような核酸類縁体は当該分野において周知であり、例えばホスホロチオエート、ホスホアミデート、メチルホスホネート、キラルメチルホスホネート、2’-O-メチルリボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)が含まれるが、これらに限定されない。PNAの骨格には、アミノエチルグリシン、ポリアミド、ポリエチル、ポリチオアミド、ポリスルフィナミド、ポリスルホンアミド、またはそれらの組み合わせからなる骨格を含んでよい(Krutzfeldt, J. et al., Nucleic Acids Res. 35: 2885-2892; Davis, S. et al., 2006, Nucleic Acids Res. 34: 2294-2304; Boutla, A. et al., 2003), Nucleic Acids Res. 31: 4973-4980; Hutvagner, G. et al., 2004, PLoS Biol. 2: E98; Chan, J.A. et al., 2005, Cancer Res. 65: 6029-6033; Esau, C. et al., 2004, J. Biol. Chem. 279: 52361-52365; Esau, C. et al., 2006, Cell Metab. 3: 87-98)。
本明細書において核酸またはその類縁体の「原料」とは、核酸またはその類縁体の一部となる任意の材料をいう。このような原料としては、ヌクレオシドやその類縁体、および導入可能な有機化合物(リンカーや色素誘導体など)などを挙げることができるが、これらに限定されない。
本明細書において「担体」とは、キャリアとも呼ばれ、他の物質を固定する土台となる物質をいう。本発明では、固相合成等の製造方法において用いられる。担体自体は化学的に安定したもので、目的操作(本発明では、代表的には合成反応)を阻害しないものが望ましい。
本明細書において「結合リンカー」とは、ある物質と別の物質とを結合させるために使用される結合構造をいう。例えば、アミノ基、水酸基(リン酸基なども含まれる)およびチオール基を挙げることができる。これらの置換基を有するシランカップリング剤が市販されており、適宜利用することができる。これらの置換基であれば一般的な有機反応(縮合など)でリンカーを延長可能である。本発明の担体には好ましくは結合リンカーを含ませることができるが必ずしも必要ではない。このような結合リンカーとしては、シランカップリング剤を用いた結合リンカーの他、ホスホン酸系のカップリング剤(Dojindo、表面処理関連試薬として販売されるホスホン酸誘導体;http://dominoweb.dojindo.co.jp/goodsr7.nsf/ByChuInfo/08?OpenDocument参照)を用いた結合リンカー含まれ、そのような処理剤として、例えば、シランカップリング剤の例として、3-アミノプロピルトリメトキシシランや3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等があり、ホスホン酸系の例としては、11-アミノウンデシルホスホン酸、11-ヒドロキシルウンデシルホスホン酸、12-メルカプトドデシルホスホン酸、10-カルボキシデシルホスホン酸等を挙げることができるがこれらに限定されない。
結合リンカーのサイズについても、任意の大きさのものが使用され得るが、担体表面のケイ素原子からの長さが、炭素原子、窒素原子および酸素原子を合わせて直鎖方向に約1個以上約20個未満であり、好ましくは、約7~約14個のものが好ましい。
本明細書で使用される結合リンカーは、約10~約250μmol/gの担持量で含まれることが好ましく、より好ましくは約30~約75μmol/gの担持量で含まれる。
本明細書において「開裂可能リンカー」とは、核酸またはその類縁体、それらの結合化合物あるいは該核酸またはその類縁体を連結する結合を分解しない条件で、担体と核酸部分とが開裂できる結合様式を有するリンカーをいう。開裂可能リンカーとしては、例えば、エステル結合、アミド結合、イミド結合、チオエステル結合およびジスルフィド結合を含むリンカー等を挙げることができるがこれらに限定されない。このようなリンカーの例としては、オキサリル酸やスクシニル酸、ヒドロキノン-O,O-ジ酢酸誘導体といったジカルボン酸誘導体やユニバーサルリンカーと呼ばれる1,2-ジオール構造を有した化合物、フタルイミド基を有したカルボン酸やジスルフィドなどを挙げることができる。
本明細書で使用される開裂可能リンカーもまた、約10~約250μmol/gの担持量で含まれることが好ましく、より好ましくは約30~約75μmol/gの担持量で含まれる。
本明細書で使用される結合リンカーは、アミノ基、水酸基(例えば、リン酸基も含まれる。)およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1つの基を含み、該基が、エステル、アミド、イミド、チオエステルおよびジスルフィド結合からなる群より選択される結合が好ましく、これらの結合を有する任意の結合リンカーを用いることができる。
本明細書において「モノリス型シリカ」とは、モノリス構造を有するシリカをいう。モノリス型シリカは、それ自体(例えば、ペレット型)で用いられてもよく、あるいはこれを粉砕等を行うことにより一定の直径に加工し分級して構成される粒子型として用いられてもよい。粉末としてもよい。モノリス型シリカ、およびこれを粉砕した粒子型シリカとしては、貫通孔と細孔とを有するもの、および細孔をなくし、貫通孔のみを有するものを挙げることができる。シリカモノリス、CPG(controlled pore glass:多孔質シリカガラス)ともに多孔質シリカの1種であるが、CPGとは異なり、シリカモノリスは有機無機ハイブリッド法により作製され、網目構造中の網目状細孔(貫通孔またはマクロ孔ともいう。)とその骨格中の細孔の2種類のサイズの空孔を有することを特徴とするものである。モノリス型シリカは、ゾル-ゲル法で得ることができる。「ゾル-ゲル法」は、乾燥されてガラス状の粒子またはモノリスになることができるゲルを製造するための幅広い手法をいう。ゾル-ゲル法のプロセスは、意図した材料(例えばシリカ)の前駆体溶液を使用することができる。
(無機多孔質体の製造の例示)
本発明で使用される無機多孔質体は、ゾル-ゲル法等の公知の手法で製造することができる。
本明細書において「ゾル-ゲル法」とは、乾燥されてガラス状の粒子またはモノリスになることができるゲルを製造するための幅広い手法をいう。ゾル-ゲル法の手順は、目的とする材料(例えばシリカ)の前駆体溶液を使用して製造することができる。その手順としては、例えば以下が挙げられる。まず、材料(例えば、Si)の溶液または懸濁液を調製し、材料がSiの場合、Si調製物の酸または塩基等で触媒された加水分解を行い、Si-OH基を形成させる。その反応式は以下のとおりである。
SiXn+nHO→Si(OH)n+nHX
この方法で得られる混合物は、「ゾル」と呼ばれる溶液またはコロイド懸濁液である。
次いで、次の反応によるSi-OH基の重縮合を行う。
Si-OH+Si-OH→Si-O-Si+H
この段階では、粘度の増加および同時に起こる「ゲル」と呼ばれるマトリックスの形成が生じる。ゲルを乾燥させると、多孔質モノリス型の構造物が形成される。乾燥はキセロゲルを生成する制御された溶媒蒸発またはエアロゲルを生成する溶媒の超臨界抽出により行うことができる。コロイド(ゾル)溶液は、1つまたは複数の(上でSiに代表される)金属または半金属酸化物の前駆体を水または水/アルコールとともに酸や塩基などの触媒の存在下で混合して調製することができる。金属または半金属酸化物は、周期表の3、4または5族に属する元素のn価のカチオンであってもよいが、特にSi、Ge、Ti、Alまたはそれらの任意の組合せであってもよい。上記Xは酸化物、アルコキシド、メトキシ、テトラメトキシ、エトキシ、プロポキシもしくはブトキシまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択され得る。加水分解段階は室温で約5分間から4時間以上または水和したカチオン酸化物がゾルを形成するまで行うことができる。ゲル化前にゾルに少なくとも1つの既存カチオン酸化物のコロイド懸濁液を添加してもよい。例えば、シリコン酸化物を含む前駆体が利用される場合、水、任意選択でさらに溶媒、ヒュームドシリカ、酸または塩基を混合して調製された溶液/懸濁液をゾルに加えることもできる。ゾルのゲル化は、ゾルを代表的には約90℃より低い温度で、少なくとも数分間にわたってインキュベートすることで行うことができる。
ゲル化後、ゲルは例えば水またはメタノール等の有機溶媒により、ゲル中の溶媒が非プロトン性溶媒または水およびメタノールにより置換されるように洗浄される。非プロトン性溶媒は、アセトン、ジオキサン、ヒドロフランを含む群から選択され得る。
このようにして得られるゲルはその後、不活性ガスを用いてパージした加圧チャンバー内で、ゲル溶媒の臨界温度より低い温度のときに溶媒臨界圧より低い全圧力を達成するのに適切な圧力で乾燥され得る。このような条件の下、ゾル-ゲル反応すなわちゲル溶媒が蒸発して乾燥ゾル-ゲルを生成するよう予め決められたプログラムに従って加圧チャンバーの温度が上げられる。乾燥ゾル-ゲルはガラス化を受け、通常の大気圧または不活性ガス気圧下で約100℃から約1650℃より高い温度に加熱され得る。ガスは窒素、アルゴン、ヘリウム、酸素、塩素等からなる群から選択され得る。乾燥ゾルゲルは約10分間から長時間にわたって加熱され得る。
(粒子型の製造の例示)
粒子型無機多孔質体は、上記製造法により製造された一体型無機多孔質体をスプレードライ法での粉砕、W/Oエマルジョンによる方法での粉砕、乳鉢や粉砕機等を用いた衝撃や加圧による粉砕などによる方法により、製造することができる。
(核酸またはその類縁体の合成用担体の製造および核酸またはその類縁体の合成)
(1.無機多孔質体へのリンカーおよび/または出発材料(モノマー等)の結合)
本発明の無機多孔質体担体に対して以下の手順で表面修飾からヌクレオシドの付加反応まで行うことができる。
反応1:担体表面へのリンカーの付加(bare担体(裸の担体)のみ)
反応2:カルボキシル基の導入
反応3:シラノール基のキャッピング
反応4:3’末端ヌクレオシドの付加
(方法:洗浄)
表面加工していない裸の担体(bare担体という;たとえば2.9g)を適切な容器(たとえば三角フラスコ)にとり、適切な洗浄液(たとえば2M塩酸水溶液(100mL))に懸濁後、極めてゆっくりと適切な時間(たとえば約1時間)撹拌して微粒子を洗浄する。担体を入れた容器を静置した後に上澄み溶液を除去し、浮遊した微小粒子を除去する。続いて水(たとえば100mL)を加え、静置と溶液除去操作を繰り返す(たとえば3回洗浄)。その後アミノシラン化修飾(反応1)を行う。
(方法:リンカーの導入(反応1))
洗浄した担体を減圧下でろ取し(たとえば水、メタノールで洗浄)、乾燥(たとえば40℃、60℃、80℃、各2時間乾燥させた後、16時間風乾させ、100℃で2時間さらに乾燥させる)させる。
乾燥させた担体(たとえば1.41g)に適切な溶媒(たとえばトルエン(40mL))と適切なリンカー(たとえば3-アミノプロピルトリエトキシシラン(MW.221.37,d=0.946g/mL,10mL))を加え、(たとえば110℃で)還流させる(たとえば10時間)。続いて減圧ろ過し、適切な洗浄液(たとえばトルエン、クロロホルム)を用いてそれぞれ(たとえば3回)洗浄した後に風乾し、続いて(たとえば減圧下で数時間)乾燥させる。
(方法:カルボキシル基の導入(反応2))
担体(たとえば1.4~2g)に適切な溶媒(たとえば水60mL)および適切なカルボン酸試薬(たとえば無水コハク酸2g)を添加し、撹拌せずに反応容器を優しく揺らし反応を行う(たとえば室温下、約30分に一度、容器を手動で撹拌する)。続けて適切な塩基(たとえば2M水酸化ナトリウム溶液)を加えて反応液を適切なpH(たとえばpH4~5)に維持し、適切な時間(たとえば3時間)経過後に適切なカルボン酸試薬(たとえば無水コハク酸1g)と適切な塩基(たとえば2M水酸化ナトリウム)を追加した。適切な時間(たとえば7時間)反応を行った後、担体を(たとえば減圧下で)ろ取し、(たとえば水およびメタノールでそれぞれ3回)洗浄し、得られた担体を風乾する。続いて、担体を適切な条件(たとえば減圧下70℃で2時間、常圧下で80℃、2時間)の下で乾燥させる。
(方法:シラノール基のキャッピング(反応3))
無機多孔質体担体(たとえば1~2g)を適切な溶媒(たとえば無水ピリジン(50mL))中に懸濁し、適切なキャッピング剤(たとえばクロロトリメチルシラン(5mL))を加え(たとえば室温下で)優しく揺らす。(たとえば2時間後)粉末を減圧下ろ取し((たとえばピリジン、クロロホルムで各3回洗浄)、風乾する。さらに、室温で減圧乾燥(2時間)後にキャッピングされた無機多孔質体担体を回収する。
(方法:無機多孔質体担体へのヌクレオシドの付加(反応4))
各縮合反応には適切な容器(たとえば容量5mLのガラスバイアル瓶)を用い、無機多孔質体担体、ヌクレオシド(たとえば5’-ジメトキシトリチルデオキシチミジン(5’-DMT-dT))、および縮合剤等に溶媒を加えてキャップした後、(たとえば振盪機を用いてバイアル瓶ごと室温で穏やかに)振盪して行う。一定時間振盪した後、(たとえば桐山ロートを用いて)無機多孔質体担体をろ取し、さらに適切な洗浄液(たとえばピリジンおよびジクロロメタン)で担体を洗浄する。
(ヌクレオシド担持量の測定)
ヌクレオシド縮合反応(反応4)終了後、乾燥したヌクレオシド付加無機多孔質体担体(たとえば約10mg)を適切な測量器具(たとえばメスフラスコ)に正確に量りとり、適切な試薬(たとえば過塩素酸(70%水溶液)-エタノールの混合溶液(3:2)10.0mL)を加え、ジメトキシトリチルカチオン(DMT,モル吸光係数:ε500=71,700)を脱離させる。この溶液を上記混合溶液で(たとえばさらに10倍に)希釈した後、(たとえば500nmにおける)吸光度を測定することで、ヌクレオシド担持量(μmol/g)を算出する。
(2.固相合成)
合成用の担体が完成すると、その後固相合成を行う。核酸または核酸の類縁体の合成は、H-ホスホネート法、ホスホエステル法、固相ホスホロアミダイト法等の従来と同様の合成反応により行われる。固相合成の一般的な説明としては、特開2009-280544または特表2008-511743等を参酌することができる。固相合成は、作製したオリゴ核酸合成用無機多孔質体担体を用い、(たとえば合成機nS-8(株式会社ジーンデザイン製)を用いて)ホスホロアミダイト法により行い、(たとえば24塩基の)RNAを得る。固相ホスホロアミダイト法は、オリゴヌクレオチド等のオリゴマーの合成能力が高く、高純度のオリゴヌクレオチド等のオリゴマーが得られるという理由から好ましく採用される。この方法は、代表的に、以下の4工程を含む。
(1)ジクロロ酢酸等の脱保護剤により、マイクロ流路の内壁面における官能基に結合したヌクレオシドの5’-OHの保護基であるDMT基(ジメトキシトリチル基;DMTr基とも略する)を外す脱トリチル化工程、
(2)テトラゾール等により活性化したヌクレオシドホスホロアミダイト(アミダイト試薬)を前記の脱保護した5’-OHとの求核置換反応により結合させるカップリング工程、
(3)アミダイト試薬が結合しなかった5’-OHを無水酢酸等によりアセチル化して保護するキャッピング工程、及び
(4)ヨウ素等の酸化剤により、アミダイト試薬に由来する亜リン酸結合を酸化して、リン酸トリエステルの形にする酸化工程。
ホスホロアミダイト法の原理の例示的スキームを以下に示す。
Figure 0007033923000001
合成は、担体(1つ目のヌクレオシドがついている)上のDMTr基(ジメトキシトリチル基)を除去し、5’ヒドロキシル基末端を遊離させることから始める(ステップ1)。アミダイトとテトラゾール等の活性化剤を導入して活性化させ、担体上の5’ヒドロキシル基末端と反応させ(ステップ2)、I等の酸化剤で酸化する(ステップ3)。また未反応の5’ヒドロキシル基末端をアセチル化する(キャップ化)。ただし、この操作は短鎖DNAの合成の場合省略することもある(ステップ4)。この1~4のステップを繰り返してオリゴマー(例えば、オリゴヌクレオチド)の鎖長を延ばしていく。
ここで使用される核酸モノマーについては、ホスホロアミダイト法またはそれ以外の方法を用いて、この修飾体や類縁体も用いることができることが理解される。なお、H-ホスホネート法の場合では、活性化剤のテトラゾール類や弱酸性物質の代わりに、酸クロライドや縮合剤(DCCやBOP-Cl)等を用いることができる。また、リン酸エステルへの酸化は、各延長ごとも可能であるが最後にまとめて酸化することも可能となる。加えて、キャッピング剤に関しては、アルキルホスファイトを用いることが一般的である。
合成効率等の確認は、得られた核酸の収量をリファレンスとなるCPGでの合成と比較することによって確認することができる。
(3.固相合成後の切り出し・精製)
固相合成後、適切な試薬(たとえば28%アンモニア水/40%メチルアミン水溶液=1/1(以下、AMAと略することもある)1mL)、適切な温度(たとえば室温)適切な時間(たとえば2h)で担体からオリゴマー(例えば、オリゴヌクレオチド)の切出しを行い、適切な洗浄液(たとえば50%エタノール)でカラムの洗浄を行う。
溶液を(たとえばSpeedVacTM(Thermo Scientific)により)乾固させた後、2’位の脱保護を適切な試薬(たとえば3HF・TEA/TEA/DMSO(TEA:トリエチルアミン、DMSO:ジメチルスルホキシド)の混合溶液0.3mL)中適切な条件(たとえば65℃で1.5時間)または55℃で17時間)の下行い、そのまま適切な温度(たとえば室温)まで冷却した後、精製(たとえばイソプロパノール沈殿)を行うことができる。
サンプルを乾燥させた後、適切な溶媒(たとえばDNaseフリーの水pH7程度のバッファー)に溶解し、吸光度(Abs)と液体クロマトグラフィー(LC)の測定を行う。
(好ましい実施形態)
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。また、本発明の以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができることが理解される。
(固相合成用無機多孔質体担体)
1つの局面において、本発明は、貫通孔を有する無機多孔質体を含む、核酸またはその類縁体を製造するための担体を提供する。本発明が合成し得る物質としては、核酸のほか、その類縁体として、核酸の固相合成法を応用可能な任意の物質を挙げることができる。例えば、そのような核酸またはその類縁体は、ホスホロアミダイト法またはH-ホスホネート法により合成され得るものを挙げることができる。このような物質としては、例えば、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、ロックト核酸(LNA)、アンロックト核酸(UNA)、ペプチド核酸(PNA),架橋核酸(BNA)等の架橋型核酸の他、糖の2’位の水酸基をアルキル基などで修飾や保護した核酸やF基を導入した修飾核酸、その他核酸配列に導入可能な誘導体(リンカーや色素誘導体など)本明細書において説明した他の核酸または核酸の類縁体を挙げることができるが、これらに限定されない。
1つの実施形態では、本発明の担体は核酸またはその類縁体あるいはそれらの原料(例えば、ヌクレオシドやその類縁体、および導入可能な有機化合物(リンカーや色素誘導体など)を結合するための結合リンカーを有する。このような結合リンカーは、本発明の担体を核酸またはその類縁体あるいはそれらの原料を結合させることができるリンカーであれば、どのようなものでもよい。そのような結合リンカーは、好ましくは、アミノ基、水酸基およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1つを含む。これらの置換基を有するシランカップリング剤が市販されておりシグマアルドリッチ社や信越化学工業社、東京化成工業株式会社などより入手可能である。また、ホスホン酸カップリング剤については、同仁化学やシグマアルドリッチから入手可能である。これらの試薬を用いてリンカーを導入することができる。これらの置換基であれば一般的な有機反応(縮合など)でリンカーを延長可能であると考えられる。より具体的には、このような結合リンカーは、アミノプロピル基、アミノペンチルアミドプロピル基、アミノヘキシルウレイドプロピル基、N-(2-アミノエチル)アミノプロピル基、アミノヘキシルアミノエチルエーテル基、アミノペンチルアミドプロピル基、N-ピペラジニルアミドプロピル基、ウレイドプロピル基等を挙げることができるがそれらに限定されない。
好ましい実施形態では、本発明の担体は、さらに、本発明の担体を用いて固相合成を行う後に、合成される核酸またはその類縁体、それらの結合化合物あるいは該核酸またはその類縁体を連結する結合を分解しない条件で、担体と核酸部分とが開裂できる結合様式を有するリンカーである「開裂可能リンカー」を含んでいてもよい。具体的な実施形態では、このような開裂可能リンカーにおいて用いられる結合様式としては、エステル、アミド、イミド、チオエステルおよびジスルフィド結合からなる群より選択される結合を含むがこれらに限定されない。
さらに好ましい実施形態では、本発明の担体は、結合リンカーおよび開裂可能リンカー(この場合、1つのリンカーが結合リンカーおよび開裂可能リンカーとして機能するものであってもよい)を含み、ここで、結合リンカーはアミノ基、水酸基およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1つの基を含み、該基が、エステル、アミド、イミド、チオエステルおよびジスルフィド結合からなる群より選択される結合または結合様式を介して本発明の無機多孔質体に結合している。このような結合様式を含むリンカーを含むことによって、核酸またはその類縁体を無機多孔質体に有効に結合させることができ、また、合成後に、核酸またはその類縁体の重合物を開裂させずに無機多孔質体から有利に分離することができる。
1つの実施形態では、本発明で用いられる貫通孔を有する無機多孔質体はさらに細孔を有していてもよい。別の実施形態では、本発明で用いられる無機多孔質体は、一体型または粒子型であってもよい。特定の実施形態では、本発明で用いられる無機多孔質体はシリカゲルまたはシリカガラスを含む。このような場合、例えば、本発明で用いられる無機多孔質体は、モノリス型シリカ(例えば、ペレット型)あるいは粒子型シリカである。粒子型シリカは、粉砕などの方法により一定の直径に加工、分級して生産することができ、貫通孔と細孔を有するもの、あるいは、細孔径を無くし貫通孔のみを有するものがある。モノリス型はブロックの内部に通液することが前提となり、モノリス外部に通液させる方法といった点もモノリス型シリカの好ましい形態として定義されうる。具体的な実施形態では、前記モノリス型シリカは、ペレット型または粒子型であってもよい。
本発明で使用される無機多孔質体は、貫通孔と細孔を有するもの、あるいは、細孔径を無くし連続した貫通孔のみを有するものである。シリカモノリスおよびCPG(controlled pore glass:多孔質シリカガラス)は、ともに多孔質シリカの1種であるが、シリカモノリスは有機無機ハイブリッド法により作製され、網目構造中の網目状細孔(貫通孔)とその骨格中の細孔の2種類のサイズの空孔を有することを特徴としているが、CPGには貫通孔はない。
好ましい実施形態では、本発明で使用される無機多孔質体は、サブマイクロメートルサイズ(すなわち、1μm未満の大きさであり、通常数十~数百nm程度を指す)~マイクロメートルサイズ(通常、1μm以上の大きさで、1mm未満の範囲を示す。)の三次元網目状に連続した骨格を有し、骨格の間隙にサブマイクロメートルサイズ~マイクロメートルサイズの三次元に連続した貫通孔と、シリカ骨格中に存在するナノメートルサイズの細孔を有するか、あるいは細孔の孔径を0にし貫通孔のみの網目状の骨格を有する。
1つの実施形態では、本発明で使用される無機多孔質体の貫通孔は、約0.1~約20μmのサイズであり、かつ、無機多孔質体の大きさまたは粒子径以下であり、本発明で使用される無機多孔質体の細孔は、存在する場合、約2nm~約300nmであり、かつ、貫通孔の直径未満であることが好ましいが、これらに限定されない。貫通孔として好ましいサイズの下限は、約0.1μm、約0.2μm、約0.3μm、約0.4μm、約0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、約0.9μm、約1.0μm、約2.0μm、約3.0μm、約4.0μm、約5.0μm等を挙げることができ、貫通孔として好ましいサイズの上限としては、例えば、無機多孔質体の大きさまたは粒子径以下で、かつ、約50μm、約45μm、約40μm、約35μm、約30μm、約25μm、約20μm、約15μm、約10μm等を挙げることができ、これらの任意の組合せが使用され得るがこれらに限定されない。
細孔として好ましいサイズの下限は、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9nm、約10nm、約20nm、約30nm、約40nm、約50nm等を挙げることができ、上限としては、約500nm、約450nm、約400nm、約350nm、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、約100nmを挙げることができ、これらの任意の組合せが使用され得るがこれらに限定されない。モノリスの製造において容易に制御できるのは約2~約200nmとされているが、これ以外の範囲でも製造することは可能である。
1つの実施形態では、本発明で使用される無機多孔質体はペレット型でありうる。このようなペレット型の構造としては、例えば、棒状、板状または塊状でありうる。本発明のペレット型の構造の細孔は代表的には約100nm以上である。ペレット型の場合にも、細孔として好ましいサイズは、上記任意の組合せの範囲内のものが使用され得ることが理解される。
本発明で使用される結合リンカーは、アミノ基を含み、本発明で使用される担体表面のケイ素原子からの長さが、炭素原子、窒素原子および酸素原子を合わせて直鎖方向に約1個以上約20個未満であり、好ましくは、炭素原子、窒素原子および酸素原子を合わせて直鎖方向に約7個から約14個である。好ましい長さの範囲はこれらに限定されるものではなく、担体表面のケイ素原子からの長さが、炭素原子、窒素原子および酸素原子を合わせて直鎖方向に最大で約30個、約29個、約28個、約27個、約26個、約25個、約24個、約23個、約22個、約21個、約20個、約19個、約18個、約17個、約16個、約15個であり、最小で約0個、約1個、約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個であり、これらの任意の組合せの範囲が使用されることが理解される。
1つの好ましい実施形態では、本発明の担体は、粉末で提供され得る。理論に束縛されることを望まないが、粉末で提供されることにより、固相合成の効率や収率が改善されることが示されており、このような効果は従来の技術からは容易に予想できなかったものであるといえる。
1つの実施形態では、本発明の担体で使用される結合リンカーは約10~約250μmol/gの担持量で含まれ、好ましくは約30~約75μmol/gの担持量で含まれる。あるいは、別の実施形態では、本発明の担体で使用される開裂可能リンカーは約10~約250μmol/gの担持量で含まれ、好ましくは約30~約75μmol/gの担持量で含まれる。実施例において示されているように、無機多孔質体担体へのヌクレオシド付加反応は、担持量が約50~約75μmol/g程度が最大反応量となることが示されており、約80μmolを超えると、減少する傾向がみられるからである。また、約30μmol以上となると従来達成できていなかったレベルの反応量を達成することが見出されており、それゆえ、約30~約80μmol/g未満、または約75μmol/gの担持量の担体が効率よく固相合成に用いられることが理解される。アミノ基(あるいはカルボキシル基)が高密度に導入された担体(>約100μmol/g)を用いても、ヌクレオシド付加量は増加しないことから、担体を効率よく使用するためには、このような範囲またはその周辺の担持量で担持された担体を用いることが好ましくあり得る。
得られた粒子は、乾燥して粉末とし、また、アセトニトリル等の適宜の有機溶媒に分散させた分散液とすることができる。場合によっては、得られた粒子を分級する等して、粒子中に含まれる微小粒子、粗大粒子、凝集粒子、異物等を除去する。このようにして、本発明による核酸または核酸類縁体の合成用固相担体を得ることができる。
(核酸または核酸類似体の合成機)
1つの局面において、本発明は、本発明の担体を含む、核酸またはその類縁体の合成機を提供する。ここで、本発明の核酸またはその類縁体合成機は、当該分野で公知の任意の形態を使用することができ、そこで使用される担体(代表的にはCPG)に代えて本発明の担体を用いることで、収率、反応効率を飛躍的に改善することができる。特に、合成機、合成方法についていえば、本発明は、既存の合成システム、方法をそのまま流用可能で、さらに粉砕した無機多孔質体担体を使用すれば、大きなシステムであっても装置の変更を行うことなく、既存の担体を使用した場合と同じように扱えるうえに良い結果を得られることが本件の特長の一つである。本発明の合成方法において使用される担体としては、本明細書における(固相合成用無機多孔質体担体)において説明した任意の実施形態を利用することができることが理解される。
本発明の合成機は、反応部、流動部および貯蔵部に分けて構成され得る。反応器は容量約0.2~約2ml程度であり、材質がフッ素樹脂、ガラス、ステンレス等で上下フィルターを有する管構造で、内部に本発明の担体を封入して反応に供する。反応器には、二つのタイプがあり、一つは、一合成ごとにヌクレオシド化担体を計量、充填する繰り返し型と、もう一つのタイプは担体が充填された反応器を交換するディスポーザブル型とがある。流動部の主機能はバルブシステムである。原料・試薬・溶剤供給部で、昨今の殆どの装置は機械の中に内蔵している。これに加え、制御システムが備えられることが通常であり、制御システムはハードウェアとソフトウェアから構成されている。代表的な実施形態では、ヌクレオシドリンカーを担持させた固相担体を核酸自動合成装置の反応容器に入れ、溶媒としてアセトニトリルを流し込む。そして、核酸自動合成装置が、合成プログラムに従い、前記ヌクレオシドの5’-OH基の脱保護反応、5’-OH基へのヌクレオシドホスホロアミダイトのカップリング反応、未反応の5’-OH基のキャッピング反応及び生成したホスファイトの酸化反応からなるサイクルを繰り返し、目的の配列を有するオリゴヌクレオチド等のオリゴマーが合成される。最終的に合成されたオリゴヌクレオチド等のオリゴマーは、アンモニア等を用いてリンカーを加水分解させ、固相担体から切り出される。このようなオリゴヌクレオチド等のオリゴマーの合成に用いられる固相担体としては、ポリスチレン系樹脂ビーズやガラス系多孔質ビーズ等の粒子担体等が知られているが、本発明では、これの代わりに無機多孔質体を採用することで、効率よく、収量も高い合成機を提供することに成功した。DNAを合成する場合と比較して、RNAを合成する場合は、2’-OH基に保護基が結合したホスホロアミダイトを用いて合成する必要があるため、アミダイトのカップリング効率が低下し、その結果、得られるRNAの純度が低下するという問題がある。可能な限り純度を低下させずにRNAを合成するためには、合成の基点となる固相担体上でのヌクレオシドリンカーの結合量を少なくする必要があるが本発明はこれも解決した。
反応器において使用され得る固相合成用カラム反応容器は、通常の射出成形によって形成することができる。その形状としては、円筒形状の固相合成用カラム反応容器の例が挙げられるが、固相合成の反応はマイクロ流路の内壁面を反応場として行うため、固相合成用カラム反応容器の外形は、接続する配管との接続性やハンドリング性の観点から適した形状であればどのような形状であってもよい。円筒形状の他、四角柱等の多角柱状であってもよい。マイクロ流路の断面形状についても、射出成形が困難でなければ特に限定されるものではなく、円形の他、四角形、六角形等の多角形であってもよい。マイクロ流路には、核酸またはその類縁体の合成のための反応試薬や洗浄液等を送液するが、試薬の利用効率の面からは、マイクロ流路の断面積に対する流路内周の比率が大きくなるように形成されることが望ましい。すなわち、マイクロ流路の内径は約1mm以下、望ましくは約1~約100μmである。単一のマイクロ流路から構成した場合であるが、別の実施形態として、複数本のマイクロ流路を備え、それら複数本のマイクロ流路をまとめて一体に成形することによって、一度に合成できるオリゴヌクレオチド等のオリゴマーの量を増加させることが可能である。それぞれのマイクロ流路は、入口から出口まで互いに途中で交差することがないように成形することが好ましい。固相合成は、マイクロ流路の内壁面に存在するヒドロキシ基(-OH)、アミノ基(-NH)、カルボキシル基(-COOH)、メトキシ基(-OCH)、チオール基(-SH)等の官能基に結合させるリンカーを介して行うので、固相合成用カラム反応容器の容積当たりに占めるマイクロ流路内壁面の総面積をできるだけ大きくすることが好ましいことが明らかになった。具体的には、マイクロ流路と直交する固相合成用カラム反応容器の断面積当たりのマイクロ流路内周の総計が大きくなるように、すなわち、単位面積当たりのマイクロ流路の数を多くすることが好ましい。複数本のマイクロ流路を一体成形する場合には、各マイクロ流路の断面形状は多角形であることが好ましい。特に、内燃機関やボイラーの排ガスを浄化する触媒用担体として用いられるハニカム構造体のように、隔壁により仕切られた軸方向に貫通する多数の流通孔を有する構造体を形成して固相合成用カラム反応容器とすることが好ましい。一体成形された複数本のマイクロ流路を構成する樹脂としては、アクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。特に、アクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート等)、ポリスチレン及びポリエチレンテレフタレートが好ましい。
1つの実施形態では、本発明において行われる合成は、固相合成である。固相合成とは、化学の(合成実験)技法の一つで、分子を粒子上に連結させ、反応試薬の溶液中に入れることで、合成反応を段階的に行う方法である。ビルディングブロック分子は反応可能なすべての官能基を保護される。そしてビルディングブロック分子と反応液分子の想定される反応に関与する相互二つの官能基だけが脱保護されているように制御される。
別の実施形態では、本発明の担体は、合成される前記核酸またはその類縁体の原料(ヌクレオシドやその類縁体、および導入可能な有機化合物(リンカーや色素誘導体など)等)の担持量が約30~約80μmol/gに調整され、この範囲は、例えば、上限が約70μmol/g、約75μmol/g、約80μmol/g、約85μmol/g、約90μmol/g、約95μmol/g、約100μmol/gであってもよく、下限は、約20μmol/g、約25μmol/g、約30μmol/g、約35μmol/g、約40μmol/g、約45μmol/g、約50μmol/gであってもよい。
(合成方法)
本発明は、本発明の担体または本発明の核酸もしくはその類縁体の合成機を用いる核酸またはその類縁体の合成方法を提供する。本発明の合成方法において使用される担体または合成機としては、本明細書における(固相合成用無機多孔質体担体)または(核酸または核酸類似体の合成機)において説明した任意の実施形態を利用することができることが理解される。
1つの実施形態では、本発明の核酸またはその類縁体の合成方法では、合成は、固相合成によって行われることが特徴の一つである。本発明の合成方法では、本明細書において他の箇所において説明した任意の方法を含む公知の方法において、担体を置き換えることによって実施することができる。
別の実施形態では、本発明の担体は、合成される核酸またはその類縁体の原料(ヌクレオシドやその類縁体、および導入可能な有機化合物(リンカーや色素誘導体など)等)の担持量が約30~約80μmol/gに調整される。
(一般技術)
本明細書において用いられる分子生物学的手法、生化学的手法、微生物学的手法は、当該分野において周知であり慣用されるものである。
本明細書において、当該分野に知られる標準法によって、例えば自動化DNA合成装置(Biosearch、Applied Biosystems等から市販されるものなど)において支持体を本発明の担体に置き換えて使用することによって、オリゴヌクレオチド等のオリゴマーを合成することも可能である。例えば、Steinら(Stein et al., 1988, Nucl. Acids Res. 16:3209)の方法によって、ホスホロチオエート・オリゴヌクレオチド等のオリゴマーを合成することも可能であるし、調節孔ガラスポリマー支持体(Sarin et al.,1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:7448-7451)等に記載された方法において、本発明の担体を使用することによって、メチルホスホネート・オリゴヌクレオチド等のオリゴマーを調製することも可能である。
人工的に合成した遺伝子を作製するためのDNA合成技術および核酸化学については、例えば、Gait, M.J. (1985). Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press; Gait, M.J. (1990). Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press; Eckstein, F. (1991). Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, IRL Press; Adams, R.L. et al. (1992). The Biochemistry of the Nucleic Acids, Chapman & Hall; Shabarova, Z. et al. (1994). Advanced Organic Chemistry of Nucleic Acids, Weinheim; Blackburn, G.M. et al. (1996). Nucleic Acids in Chemistry and Biology, Oxford University Press; Hermanson, G.T. (I996). Bioconjugate Techniques, Academic Pressなどに記載されており、これらは本明細書において関連する部分が参考として援用される。
本明細書において「または」は、文章中に列挙されている事項の「少なくとも1つ以上」を採用できるときに使用される。「もしくは」も同様である。本明細書において「2つの値の範囲内」と明記した場合、その範囲には2つの値自体も含む。「約」との表現は、特に断らない限り、10%の許容度を有し、測定値である場合は、有効数字または表示されている数字の1桁下の桁を四捨五入して得られる任意の範囲の数値をいう。
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、請求の範囲によってのみ限定される。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明に関連する、ヌクレオシド類縁体、オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド類縁体等のオリゴマーを下記の合成スキームに従って、合成した。これらの合成は実施例において更に詳しく説明する。なお、担体は、下記製造手順によって製造することもでき、担体の製造には、例えば、R. Miyamoto, Y. Ando, C. Kurusu, H. Bai, K. Nakanishi, M. Ippommatsu, J. Sep. Sci. 2013, 36(12): 1890-1896に基づいて製造することができる。
(実施例1:オリゴ核酸合成用無機多孔質体担体の作製)
1.オリゴ核酸合成用担体作製の概要
固相担体をオリゴ核酸合成に用いるためには、3’末端のヌクレオシドを結合させた担体を作製しなければならない。合成されたオリゴ核酸は、担体から塩基性条件下で切り出される必要があるため、3’末端ヌクレオシドは、一般にエステル結合によって固定化される。オリゴ核酸合成の収量は、担体上に固定化されたヌクレオシドの密度をはじめ、固相表面からの距離などに影響を受けることが知られている。無機多孔質体担体をオリゴ核酸合成に適用可能かどうかを調べるため、粉末化させた無機多孔質体担体の表面修飾から3’末端ヌクレオシドの付加反応までを行い、オリゴ核酸合成用担体としての可能性を調べた。
1-1.使用した無機多孔質体担体
表面加工のされていない担体(bare)と、あらかじめアミノ基が付加された3種類の無機多孔質体担体(GRAmino191、192、196)を用いた(表1)。アミノ基には、アミノプロピル基とアミノペンチルアミドプロピル基の2種類に関して検証することとし、bare担体に関しては、アミノシラン化反応から行った。
Figure 0007033923000002
(bare担体の製造)
希釈酢酸水溶液10mL(ミリリットル)にポリエチレンオキシド0.8gを添加し、氷冷下でテトラメトキシシラン5mLを加えて30分攪拌し、得られた均一溶液を樹脂製容器に移して40℃の恒温槽にて24時間静置してゲル化させ湿潤ゲルを得た。得られたゲルはアンモニア水中に24時間浸して熟成させた後、蒸留水とアルコール溶液に浸して各々24時間静置して洗浄し、湿潤ゲルを取り出して自然乾燥させ乾燥ゲルとした。乾燥ゲルは電気炉にて500℃で熱処理し、bare担体を得た。
(アミノプロピル基等修飾担体の製造)
bare担体は100℃の恒温槽内で8時間以上加熱して脱水し、3-アミノプロピルトリエトキシシランを含有するトルエン溶液に浸して8時間加熱還流した。続いてアルコール溶液に処理済み担体を浸して24時間静置して洗浄し、湿潤ゲルを取り出して自然乾燥させアミノプロピル基等修飾担体とした。
1-2.表面修飾の手順
上記無機多孔質体担体に対して行った表面修飾からヌクレオシドの付加反応までの手順をスキーム1に示した。
Figure 0007033923000003
反応1:担体表面への一級アミノ基の付加(アミノシラン化)(bare担体のみ)
反応2:コハク酸の結合
反応3:シラノール基のキャッピング
反応4:3’末端ヌクレオシドの付加
2.表面加工処理
2-1.bare担体の洗浄とアミノシラン化
オリゴ核酸合成に用いる担体に、極端に微小な粒子が含まれる場合、合成のフィルターが目詰まりする原因にもなる。そのため、そうした不均一な微粒子は、表面加工前に除去する必要がある。bare担体を下記の条件によって洗浄後、沈殿せずに浮遊している不均一な微粒子を除去した。
(方法:洗浄)
bare担体(2.9g)を三角フラスコにとり、2M塩酸水溶液(100mL)に懸濁後、極めてゆっくりと約1時間撹拌して微粒子を洗浄した。フラスコを静置した後に上澄み溶液を除去し、浮遊した微小粒子を除去した。続いて水(100mL)を加え、静置と溶液除去操作を繰り返した(3回洗浄)。
洗浄と微粒子除去を繰り返し行ったが、浮遊微粒子の存在が収まらず、完全に取り除くことができなかった。4回目の洗浄として水を添加して16時間放置したが、浮遊微粒子体が確認された。これは、極微小な微粒子が非常に多く初期サンプル中に存在していることを示している。微粒子の完全な除去は断念し、以下の方法で洗浄後のbare担体を乾燥した後にアミノシラン化修飾(反応1)を行った。
(方法:アミノシラン化(反応1))
洗浄した担体を減圧下でろ取し(水、メタノールで洗浄)、乾燥(40℃、60℃、80℃、各2時間)させた。この際、減圧下での乾燥を試みたが、微粒子が存在して減圧乾燥が困難であった。そのため、16時間風乾した後、100℃で2時間さらに乾燥させた。
乾燥させた担体(1.41g)にトルエン(40mL)と3-アミノプロピルトリエトキシシラン(MW.221.37,d=0.946g/mL,10mL)を加え、110℃で還流させた(10時間)。続いて減圧ろ過し、トルエン、クロロホルムを用いてそれぞれ3回洗浄した後に風乾し、続いて減圧下で数時間乾燥させた。担体の一部を採取してニンヒドリン発色検査を行ったところ、紺色を呈したことからアミノ基が付加されたことを確認した(修飾前のbare担体では無色であった)。
ここで光学顕微鏡を用いて担体の粒子状態を観察した(図1)。洗浄前のbare担体と、アミノシラン化後の粒子状態を比較したところ、洗浄前のbare担体には大きな粒子に加えて極微小の微粒子が存在し、加えて大きな粒子の形状も不均一であることが確認された。また、アミノシラン化された担体は、極微小の粒子の比率が多くなった。理論に束縛されることを望まないが、これは、還流環境下において担体が粉砕されたことが原因と考えている。
2-2.コハク酸の結合
表面にアミノ基を付加した担体に対し、無水コハク酸との結合反応を行った。本ステップは、表1に示した4種類の各粉末化無機多孔質体担体に対して行った。
(方法:コハク酸処理(反応2))
担体(1.4~2g)に水(60mL)および無水コハク酸(2g)を添加した。本来は溶液をゆっくり撹拌させた懸濁溶液に対して無水コハク酸を添加するが、上記の通り無機多孔質体担体は物理的衝撃に極めて弱いことが示唆されたために、撹拌せずに反応容器を優しく揺らし反応を行った(室温下、約30分に一度、容器を手動で撹拌)。続けて2M水酸化ナトリウム溶液を加えて反応液をpH4~5に維持し、3時間後に無水コハク酸(1g)と2M水酸化ナトリウムを追加した。7時間反応を行った後、担体を減圧下でろ取し、水およびメタノールで洗浄(それぞれ3回)し、得られた担体を風乾した。続いて、担体を減圧下70℃で2時間、常圧下で80℃、2時間乾燥させた後、担体の一部を用いてニンヒドリン発色試験を行い、一級アミノ基が担体上に無いことを確認した。
2-3.シラノール基のキャッピング
表面にカルボキシル基が形成された担体には未反応のシラノール基が残存している。これらは水素結合が可能であると共に、酸性を有するためにアミダイト体の担体上における反応を阻害して核酸合成の収量を下げる可能性がある。そこで未反応のシラノール基をキャッピングして不活性化させる処理を行った。本ステップは全ての担体に関して行った。
(方法:キャッピング(反応3))
無機多孔質体担体(1~2g)を無水ピリジン(50mL)中に懸濁し、クロロトリメチルシラン(5mL)を加え室温下で優しく揺らした。2時間後、粉末を減圧下ろ取し(ピリジン、クロロホルムで各3回洗浄)、風乾した。さらに、室温で減圧乾燥(2時間)後にキャッピングされた無機多孔質体担体を回収した。
3.無機多孔質体担体へのヌクレオシドの付加
3-1.3’末端ヌクレオシド付加(縮合)反応の条件検討
続いて、無機多孔質体担体へのデオキシヌクレオシドモノマー付加反応について、縮合反応の至適条件を明らかにするため、bare担体より調製したコハク酸修飾担体を用いて検討を行った(スキーム2)。ヌクレオシドモノマーには5’位水酸基がジメトキシトリチル基(DMT基またはDMTr基)で保護されたデオキシチミジンを用い、脱水縮合剤として通常のcontrolled pore glass(CPG)樹脂の修飾反応で一般的に利用されている1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)(Damha, M, J., et al., Nucleic Acids Res. 1990, 18, 3813-3821; Walsh, A. J., et al., Tetrahedron Lett. 1997, 38, 1651-1654.)、およびペプチド縮合剤として汎用されているO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸(PyBOP)を用い反応を行った(Kim, M. H., and Patel, D. V. Tetrahedron Lett. 1994, 35, 5603-5606; Albericio, F., Bofill, et al., J. Org. Chem. 1998, 63, 9678-9683; Pon, R. T., and Yu, S. Tetrahedron Lett. 1997, 38, 3331-3334; Pon, R. T., et al., Bioconjugate Chem. 1999, 10, 1051-1057)。反応後、得られた修飾担体のヌクレオシド担持量を比較することで縮合効率を評価した
Figure 0007033923000004
(方法:ヌクレオシドの付加(反応4))
各縮合反応には容量5mLのガラスバイアル瓶を用い、コハク酸修飾無機多孔質体担体(bare担体より調製したもの)、5’-ジメトキシトリチルデオキシチミジン(5’-DMT-dT(5’-DMTr-dTとも称する))、および縮合剤等に溶媒を加えてキャップした後、振盪機を用いてバイアル瓶ごと室温で穏やかに振盪して行った。なおbare担体より調製した上記無機多孔質体担体では、アミノ基あるいはカルボキシル基の担持量を測定していないため、担持量を100μmol/g程度と仮定して等量等を算出した。一定時間振盪した後、桐山ロートを用いて無機多孔質体担体をろ取し、さらにピリジンおよびジクロロメタンで担体を洗浄した。得られた修飾無機多孔質体担体(dT化無機多孔質体担体)は、減圧下、室温で4時間乾燥した後、担体に結合したデオキシチミジン由来のDMT基(DMTr基とも称する)を定量することで、ヌクレオシド担持量を求めた。以下検討を実施した縮合反応条件を示す。
Figure 0007033923000005
Figure 0007033923000006
Figure 0007033923000007
Figure 0007033923000008
(ヌクレオシド担持量の測定)
ヌクレオシド縮合反応(反応4)終了後、乾燥したヌクレオシド付加無機多孔質体担体(dT化担体)(約10 mg)をメスフラスコに正確に量りとり、過塩素酸(70%水溶液)-エタノールの混合溶液(3:2)10.0mLを加え、ジメトキシトリチルカチオン(DMT,モル吸光係数:ε500=71,700)を脱離させた。この溶液を上記混合溶液でさらに10倍に希釈した後、500nmにおける吸光度を測定することで、ヌクレオシド担持量(μmol/g)を算出した(スキーム3)。ヌクレオシド担持量の測定例として反応条件1の結果を図2に示す。
Figure 0007033923000009
(縮合反応の結果)
条件検討における各反応の担体収量、およびヌクレオシド担持量を表6に示す。
Figure 0007033923000010
縮合剤としてPyBOP(縮合条件3および4)を用いた時に、最も高いヌクレオシド担持量が得られた。反応時間の延長(2時間から24時間)により担持量は僅かに増加したが、2時間の処理でも十分な担持量が得られることが分かった(縮合条件3)。縮合剤としてHBTUを用いた場合では、僅かながらヌクレオシド担持量の減少が確認された(縮合条件2)。一方、CPG担体の修飾反応で汎用されているEDCを用いた条件では、24時間の処理でも担持量はPyBOPと比べ3/4程度であった(縮合条件1)。これらの結果より、無機多孔質体担体へのヌクレオシド付加反応にはPyBOPが適していることが示された。
なお、いずれの反応においても、得られたヌクレオシド修飾無機多孔質体担体の収量が、反応開始時よりも減少していた。理論に束縛されることを望まないが、これは、本反応に用いた無機多孔質体担体の形状が非常に細かい微粒子状であり、ろ過回収時に無機多孔質体担体微粒子が濾紙に吸着したためであると推測される。
3-2.ヌクレオシド付加無機多孔質体担体の調製
上記条件検討により、ヌクレオシド付加反応の至適条件を見出したので、本条件を用いて4種類の無機多孔質体担体の修飾反応を行った(表7)。なお、前述したように、bare担体より調製したカルボキシル基修飾無機多孔質体担体は、非常に細かい微粒子状であったが、GRAmino191、192、196担体は粒子径が63~212μmに揃えられた無機多孔質体担体を用いた。
Figure 0007033923000011
4.まとめ
先ず、bare担体より調整した無機多孔質体担体では、72.3μmol/gと高いヌクレオシド担持量を有する担体を作製することが出来た(縮合反応1)。通常のガラス樹脂(CPG樹脂)から作製される担体でのヌクレオシド担持量は、およそ25~40μmol/gであるので、無機多孔質体担体では1.8倍~3倍高い担持量を有する担体を作製できることが明らかとなった。アミノプロピル基が高密度で導入されている無機多孔質体担体(GRAmino191、縮合反応2および3)においても、ヌクレオシド担持量は68~76μmol/gであり、bare担体から誘導したものと同等の担持量を有する担体を得ることができた。しかしながらこの値は、縮合反応前のアミノプロピル基の担持量(270μmol/g)と比較すると、修飾率が25~28%と非常に低収率であった。一方、中密度のアミノプロピル基修飾無機多孔質体担体(GRAmino192、縮合反応4および5)では、ヌクレオシド担持量55~57μmol/gを有する修飾担体を得た。この値はGRAmino191担体での担持量と比較すると僅かに減少しているものの、修飾前のアミノプロピル基の担持量(87μmol/g)と比較すると修飾率が64~66%であり、GRAmino192担体では高い効率で担体表面での縮合反応が進行したことが分かった。理論に束縛されることを望まないが、このような担体表面の修飾密度の増加に伴うヌクレオシド縮合効率の低下は、無機多孔質体担体表面上での立体的な阻害効果が関与していると推測される。すなわち、低~中密度の無機多孔質体担体では、縮合反応時に担体表面上での近接するカルボキシル基(アミノ基をコハク酸化したもの)間の影響が少ないため、効率的にヌクレオシド縮合反応が進行すると考えられる(スキーム4)。
Figure 0007033923000012
しかし、高密度で修飾された担体では、近接するカルボキシル基の立体的な嵩高さにより、ヌクレオシドモノマーとの縮合反応が阻害されたと考えられる(スキーム5)。
Figure 0007033923000013
これらの結果より、無機多孔質体担体へのヌクレオシド付加反応は、担持量が50~75μmol/g程度が最大反応量であり、アミノ基(あるいはカルボキシル基)が高密度に導入された担体(>100μmol/g)を用いても、ヌクレオシド付加量は増加しないことが示唆された。
一方、アミノペンチルアミドプロピル基により修飾された無機多孔質体担体の修飾反応(GRAmino196、縮合反応6)では、アミノプロピル基修飾無機多孔質体担体の結果(縮合反応4および5)と比較して大きな差異は観察されず、良好なヌクレオシド担持量(54.2μmol/g、修飾率54%)を有する担体を得た。理論に束縛されることを望まないが、この結果は、無機多孔質体担体に導入するアミノ基の鎖長は、ヌクレオシドモノマー導入には大きく影響しないことを示している。
ところで、無機多孔質体担体は摩擦等の物理的刺激により容易に破砕し、その結果、微粒子状の担体が生じることが明らかとなっている。このような微細な担体の混入は、オリゴヌクレオチド等のオリゴマーの合成時にフィルターの目詰まりの原因となる。そこで、無機多孔質体担体の破砕を抑えるために、手動で穏やかに撹拌する方法(撹拌条件A)、および振盪機を用いて穏やかに撹拌する方法(撹拌条件B)の2つの撹拌方法について縮合反応を行った。その結果、手動で撹拌する方法(撹拌条件A)では、担体の粉砕はほとんど観察されずほぼ定量的に修飾担体を回収出来ることが分かった。一方、振盪機を用いて撹拌する方法(撹拌条件B)では、僅かではあるが反応溶液に懸濁が生じ、担体の部分的な粉砕が示唆された。そこで撹拌条件Bでは、無機多孔質体担体を回収する前に懸濁溶液部分を除去・洗浄することで生じた微粒子を除いている。そのため修飾担体の回収量(担体収量)は、僅かに減少している。なお、撹拌条件Bで行った縮合反応の方が、僅かに高いヌクレオシド担持量が得られている。
(実施例2:担体の評価)
合成テストを行い、得られた核酸の収量をリファレンスとなるCPGでの合成と比較した。合成テストは以下の手順で行った。
1.実施例1の方法、あるいはあらかじめ作製しておいたヌクレオシド-コハク酸結合体をメタノール中で反応させ一段階で作製する方法で作製した(以下を参照)したオリゴ核酸合成用無機多孔質体担体を用い、合成機nS-8により、24塩基のRNAを合成した(0.1M RNA(TBDMS)アミダイト/MeCN)(TBDMS:tert-ブチルジメチルシリル)。
2.合成後、28%アンモニア水/40%メチルアミン水溶液=1/1(以下、AMAと略) 1mL、室温2hで担体からオリゴマー(この場合、オリゴヌクレオチド)の切出しを行い、50%エタノールでカラムの洗浄を行った。
3.溶液をSpeedVacTMにより乾固させた後、2’位の脱保護を3HF・TEA/TEA/DMSOの混合溶液0.3mL中65℃1.5時間または55℃17時間行い、そのまま室温まで冷却した後、イソプロパノール沈殿を行った。
4.サンプルを乾燥させた後、2.0Mトリエチルアミン-酢酸緩衝液(TEAA)に溶解し、吸光度(Abs)と液体クロマトグラフィー(LC)の測定を行った。
(一段階作製法)
上述したあらかじめ作製しておいたヌクレオチド-コハク酸結合体をメタノール中で反応させ一段階で作製する方法は以下のとおりである。
(1)ヌクレオシド-コハク酸結合体(DMT-dT-Suc)の合成
DMT-dT845mg(1.55mmol)、無水コハク酸282mg(2.8mmol)、トリエチルアミン480μlをジクロロメタン(10ml)中で撹拌しながら17時間反応した。反応液をトリエチルアミン-リン酸緩衝液で分液した後水層をジクロロメタンで洗浄した。集めた有機層に硫酸ナトリウムを加え乾燥した後濃縮乾固し白色固体を得た。収量921mg、収率92.1%。
(2)アミノシラン化無機多孔質体担体とDMT-dT-Sucの反応
DMT-dT-Sucおよび縮合剤4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMT-MM)のメタノール溶液(それぞれ0.1M)を1:2で混合したものを無機多孔質体担体に加え浸漬、振とうして17時間反応した。その際DMT-dTの仕込み量は無機多孔質体担体のアミノ基量に対して0.4から3当量の間とした。反応終了後、担体をメタノールおよびアセトニトリルで洗浄した後、減圧乾燥してDMT-dT修飾無機多孔質体担体を得た。担体へのDMT-dT担持量は過塩素酸とエタノールの混合液を用いたトリチル基の定量により決定した。
(結果)
・ペレット状サンプル
以下に検討したペレット型無機多孔質体担体について結果を示す。それぞれのカラム種類は以下のスキーム6に示したリンカー構造と対応している。表8の中でリファレンスのCPGを超える値を示した項目に関してグレー表示で示した。
Figure 0007033923000014
Figure 0007033923000015
上記データから、以下の点について確認できた。
・ポアサイズ、特にマクロポアが小さいものでは収量が低い場合が多い(例:GRAmino13、15など)
・リンカー種類に関しては短いもの(リンカー1)より長いもの(リンカー2)で収量が高くなっており、1μmol当たりでCPGよりも高いものもあった。しかし、リンカー2の担体ではDMT-dT担持量が低いものが多いためこのデータのみからは原因の特定は困難であった。
ペレット状の担体では、各ロットでの制作上のばらつきが大きく、場合によっては同一ロットにおいても結果にばらつきが見られた。均一な状態での評価を行う必要と、将来的に作製した担体の品質保証や取扱の簡便さなどを考慮して、無機多孔質体担体を粉砕した粉末状の担体を使用して検討を行ってゆく方向に変更した。
・粒子型サンプル
粒子型無機多孔質体は、一体型無機多孔質体をスプレードライ法、W/Oエマルジョンによる方法、乳鉢や粉砕機等を用いた衝撃や加圧による粉砕などの方法で粉砕することにより、製造する。
粒子型担体についてはポアサイズ、粒子径、リンカーの種類などについて検討を行った。検討の結果を表9に示した。表8と同じくCPGを超える値を示したものをグレー表示で示した。
Figure 0007033923000016
メソポアサイズはペレット型の50nmよりも100nmがそれ以下のものよりも良いと考えられ、このポアサイズはCPGのポアサイズと近い。
粒子径についてはGRAmino95-96、GRAmino125-131にていくつかの粒径で検討したが、それほど大きな結果の差は見られなかった。通液が阻害されない粒子径であれば合成可能であった。
リンカー種類の検討では、短いリンカー1よりも比較的長いリンカー2や5のほうが若干収量が良い傾向があった。特にGRAmino122で高い収量を示した。
以上から担体ポアサイズと粒子径をCPGと同等になるように作製して以下の検討を実施した。
・アミノ基担持量を変化させた検討
担持量と収量の相関についてより詳細に考察を行うため、同一のポアサイズ(1.7μm、100nm)、粒子径(100~150nm)を有する粒子型無機多孔質体に異なる担持量でアミノ基を修飾したものを使用して検討を行った。リンカーは1及び5の構造のもので検討した。(一部の担体はトリチル量測定まで実施)。結果を表10に示した。
Figure 0007033923000017
DMT-dT担持量が多い場合に(80μmol/g~)収量が減少する傾向が見られた。リンカーが長い短いにかかわらず同じ傾向であった。
リンカー5を修飾した担体のほうが、リンカー1の担体よりも良い収量を示した。
DMT-dT担持量が収量に対して大きな影響を与えており、高すぎる担持量は収量低下を招くこと、それに加えてリンカー長の寄与も存在することが分かった。
bare担体より作製したサンプルの通液テスト
bare担体から作製したDMT-dT修飾担体については、作製過程での撹拌などにより粒子がかなり細かくなっていた。そのため合成過程で背圧が高くなってしまう可能性があることから、通液テストを行った。
通液テスト
-条件-
合成機nS-8用1μmol合成用カラムに担体を入れて、アセトニトリルを通液し時間を計測した。
担体はAIST-03 (担持量72.3μmol/g) を使用し,以下の条件でテストを行った(LCAA CPGはPrime Synthesisの担体にアセチルキャップ処理を行って使用した)。
サンプル1:AIST-03 1μmol分(13.8mg)
サンプル2:AIST-03 1μmol分(13.8mg) 通常のフィルターの手前にろ紙を挟む(図4参照)
サンプル3:AIST-03 1μmol分(13.8mg)にキャップ処理を行ったLCAA CPG13mgを混合したもの
サンプル4:AIST-03 1μmol分(13.8mg)にキャップ処理を行ったLCAA CPG26mgを混合したもの
実際のろ紙の挿入の代表例は、図4に示す。
- 通液テスト結果
Figure 0007033923000018
フィルターの手前にろ紙を挟んだ場合には通液にかかる時間は少しだけ短縮した(サンプル2)。
LCAA CPGを加えた場合には重量比で倍量加えた場合(サンプル4)に通液時間は元の2/3となった。
主観ではあるが、通液により粒子がフィルターに詰まるというよりはカラム上方に押し付けられ隙間がなくなり背圧上昇、流速低下となっているように見受けられた。
今回の担体に大きな粒子を混ぜ込む事自体は効果があると考えられるが、混ぜ込む比率を多くすればするほど見かけのdT担持量が下がってしまう問題点がある。
合成テスト
上記サンプルのろ紙を挟んだカラムにて合成を検討する。配列、合成条件などはこれまで行ってきたテストと同じである(24mer siRNA、TBSアミダイト使用)(TBS:tert-ブチルジメチルシリル)。
DMT-dT担持量を変化させた担体の合成テスト
同じロットの担体で以下に示したように、異なる仕込み量で担体修飾を行い、比較を行った。合成、後処理についてはこれまでと同様に行った。
アミノプロピル基導入の場合(191、192)
GRAmino191(アミノ基担持量 270μmol/g)
GRAmino192(アミノ基担持量 87μmol/g)
作製した担体のDMT-dT担持量
191A 76.2 μmol/g
192A 57.0μmol/g
191B (3eq.) 124.6 μmol/g
192B1 (3eq.) 95.4 μmol/g
192B2 (0.7eq.) 52.9 μmol/g
192B3 (0.4eq.) 24.3 μmol/g
本実施例で言う仕込み比率は表面に存在するアミノ基量に対するDMT-dT-sucの添加量をいう。3eqであればアミノ基に対して3倍量(過剰)のDMt-dT-sucを添加した。担持量はアミノ基の混みあい具合に由来すると思われる反応性の違いによりロットごとに差が生じ得る。
Figure 0007033923000019
192A、192B2、192B3において比較対象のCPGと同等の収量を得た。これらは担持量が低めになっている担体であり、ほかの高担持量単体では収量は減少傾向にある。
これまで行ってきた検討と同様に担持量が上昇するほど収量が低下する結果を示している。このことからポアサイズが100nmでは担持量の限界が約50~約70μmol/g付近にあることが示唆された。縮合効率については全ての担体でCPGと同等の値を示した。図3に粗収量をDMT-dT担持量に対してプロットしたグラフを示す。
リンカー延長担体(196)
仕込み比率を3当量、0.7当量、0.4当量、0.3当量と変化させて行った。
合成テスト、後処理についてはこれまでと同様の方法で行った。
作製した担体のDMT-dT担持量
196A 54.2μmol/g
192B1 (3eq.) 107.6μmol/g
192B2 (0.7eq.) 45.7μmol/g
192B3 (0.4eq.) 37.9μmol/g
192B4 (0.3eq.) 29.6μmol/g
いずれの製造所でも同様の製法で作製した。
Figure 0007033923000020
前項の191、192の場合と比較して、同じ当量の仕込みでDMT-dTの導入量が少し低くなっている。
合成テストの結果、196B1で収量が低かったが、それ以外のもの(担持量は約30~約60付近)ではCPGと同等かそれ以上の収量となった。特に196Aで単位重量、単位体積あたりの収量も高い結果となっている。また、平均縮合効率については全てCPGの場合と同程度となった。
リンカー延長の有無での検討結果を総合すると、リンカーの有無の影響は存在するが、表面の混みあいの度合いの方が収率に大きな影響を及ぼすことが分かった。
適切な担持量の担体を調整することでCPGを超える収量でオリゴマーを得ることができ、特に担体の担持量が約50~約70の時に単位体積あたりでCPGの2倍以上の収量となった。
まとめ
CPG担体とは異なる空孔の様式を有する無機多孔質体担体を使用してRNAの合成テストを行い評価した。
空孔サイズ、リンカー種類、無機多孔質体担体に担持する1塩基目のヌクレオシドの担持量など種々のパラメーターの最適化検討を行い、ヌクレオシド担持量は約50~約70μmol/g付近が収量よく生成物を得ることができる上限であり、それ以上の担持量にすると収量の減少を招くことがわかった。また、担体粒子とヌクレオシドを結ぶリンカーの長さは担持量ほど大きな影響は及ぼさないものの、延長を行った場合のほうが高い収率で生成物を得られることがわかった。例えば、リンカーの長さが短い担体(リンカー1)で1塩基目担持量52.9μmol/gの担体では核酸粗収量2.62mg/μmol、担体1g当たりの収量138.6mg、リンカーの長い担体(リンカー5)で1塩基目担持量52.9μmol/gの担体では核酸粗収量2.88mg/μmol、担体1g当たりの収量156.1mg となった。CPG (担持量28μmol/g、粗収量2.47mg/μmol、担体1g当たりの収量69.2mg)とμmol当たり収量では同等以上、単位重量当たりの収量でも上回る結果となった。種々のパラメーターを最適化した担体では単位重量当たりの収量がCPGの場合の2倍以上となっていた。
以下参考文献を示すが、本明細書において必要な情報を参照するために用いるものであって、この記載は、本発明に対する先行技術を示すものではなく、本発明が公知又は容易に想到し得たことを認めるものではないことを付言する。
(参考文献)
Damha, M, J., Giannaris, P. A., Zabarylo, S. V. An improved procedure for derivatization of controlled-pore glass beads for solid-phase oligonucleotide synthesis. Nucleic Acids Res. 1990, 18, 3813-3821.
Walsh, A. J., Clark, G. C., and Fraser, W. A direct and efficient method for derivatisation of solid supports for oligonucleotide synthesis. Tetrahedron Lett. 1997, 38, 1651-1654.
Kim, M. H., and Patel, D. V. “BOP” as a reagent for mild and efficient preparation of esters. Tetrahedron Lett. 1994, 35, 5603-5606.
Albericio, F., Bofill, J. M., Elfaham, A., and Kates, S. A. Use of onium salt-based coupling reagents in peptide synthesis. J. Org. Chem. 1998, 63, 9678-9683.
Pon, R. T., and Yu, S. Rapid automated derivatization of solid-phase supports for oligonucleotide synthesis using uronium or phosphonium coupling reagents. Tetrahedron Lett. 1997, 38, 3331-3334.
Pon, R. T., Yu, S., Sanghvi, Y. S. Rapid esterification of nucleosides to solid-phase supports for oligonucleotide synthesis using uranium and phosphonium coupling reagents. Bioconjugate Chem. 1999, 10, 1051-1057。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および他の文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。本願は2016年1月8日に日本国に出願した特願2016-2834に対して優先権を主張するものであり、その内容はその全体が本明細書において参考として援用される。
本発明は、核酸またはその類縁体の製造に関する産業において有用である。

Claims (25)

  1. 直径約0.1~約20μmサイズの貫通孔を有し、シリカゲルまたはシリカガラスを含む無機多孔質体を含む、核酸、化学修飾された核酸またはヌクレオチドを製造するための担体であって、該無機多孔質体は、モノリス型シリカまたは粒子型シリカである、担体
  2. 前記核酸、化学修飾された核酸またはヌクレオチドは、ホスホロアミダイト法またはH-ホスホネート法により合成され得るものである、請求項1に記載の担体。
  3. 前記核酸、化学修飾された核酸またはヌクレオチドあるいはそれらの原料を結合するための結合リンカーを有する、請求項1または2に記載の担体。
  4. 前記結合リンカーはアミノ基、水酸基、およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項3に記載の担体。
  5. 前記担体は前記製造後に、前記核酸、化学修飾された核酸またはヌクレオチド、それらの結合化合物あるいは該核酸、化学修飾された核酸またはヌクレオチドを連結する結合を分解しない条件で、担体と核酸部分とが開裂できる結合様式を有するリンカー(開裂可能リンカー)を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の担体。
  6. 前記結合様式はエステル、アミド、イミド、チオエステルおよびジスルフィド結合からなる群より選択される結合を含む、請求項5に記載の担体。
  7. 前記結合リンカーはアミノ基、水酸基、リン酸基およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1つの基を含み、該基が、エステル、アミド、イミド、チオエステルおよびジスルフィド結合からなる群より選択される結合を介して前記無機多孔質体に結合する、請求項3に記載の担体。
  8. 前記無機多孔質体は、さらに細孔を有する、請求項1に記載の担体。
  9. 前記無機多孔質体は、ペレット構造をとる、請求項1に記載の担体。
  10. 前記ペレット構造は、棒状、板状または塊状である、請求項に記載の担体。
  11. 前記ペレット構造の細孔は約100nm以上である、請求項に記載の担体。
  12. 前記無機多孔質体は、サブマイクロメートルサイズ~マイクロメートルサイズの三次元網目状に連続した骨格を有し、骨格の間隙にサブマイクロメートルサイズ~マイクロメートルサイズの三次元に連続した貫通孔と、シリカ骨格中に連続して存在するナノメートルサイズの細孔を有するか、あるいは細孔の孔径を0にし貫通孔のみの網目状の骨格を有する、請求項1に記載の担体。
  13. 前記貫通孔は、前記無機多孔質体の大きさまたは粒子径未満であり、
    前記細孔は、存在する場合、約2nm~約300nmであり、かつ、貫通孔の直径未満である。請求項12に記載の担体。
  14. 前記結合リンカーは、アミノ基を含み、前記担体表面のケイ素原子からの長さが、炭素原子、窒素原子および酸素原子を合わせて直鎖方向に約1個以上約20個未満である、請求項3~13のいずれかに記載の担体。
  15. 前記長さは、炭素原子、窒素原子および酸素原子を合わせて直鎖方向に約7個から約14個である、請求項14に記載の担体。
  16. 前記結合リンカーが約10~約250μmol/gの担持量で含まれる、請求項3に記載の担体。
  17. 前記結合リンカーは、約30~約75μmol/gの担持量で含まれる、請求項3に記載の担体。
  18. 前記開裂可能リンカーは、約30~約75μmol/gの担持量で含まれる、請求項5に記載の担体。
  19. 前記担体は、ゾル-ゲル法で作製される、請求項1~18のいずれか1項に記載の担体。
  20. 請求項1~19のいずれかに記載の担体を含む、核酸、化学修飾された核酸またはヌクレオチドの合成機。
  21. 前記合成は、固相合成によって行われる、請求項20に記載の合成機。
  22. 前記担体は、前記核酸、化学修飾された核酸またはヌクレオチドの原料の担持量が約30~約75μmol/gに調整される、請求項21に記載の合成機。
  23. 請求項1~19のいずれかに記載の担体または、請求項20~22のいずれかに記載の合成機を用いる核酸、化学修飾された核酸またはヌクレオチドの合成方法。
  24. 前記合成は、固相合成によって行われる、請求項23に記載の方法。
  25. 前記担体は、前記核酸、化学修飾された核酸またはヌクレオチドの原料の担持量が約30~約75μmol/gに調整される、請求項23または24に記載の合成方法。
JP2017560442A 2016-01-08 2017-01-06 ゾル-ゲル法で作製される無機多孔質体を用いた核酸合成用担体 Active JP7033923B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016002834 2016-01-08
JP2016002834 2016-01-08
PCT/JP2017/000327 WO2017119503A1 (ja) 2016-01-08 2017-01-06 ゾル-ゲル法で作製される無機多孔質体を用いた核酸合成用担体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017119503A1 JPWO2017119503A1 (ja) 2018-10-25
JP7033923B2 true JP7033923B2 (ja) 2022-03-11

Family

ID=59273692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017560442A Active JP7033923B2 (ja) 2016-01-08 2017-01-06 ゾル-ゲル法で作製される無機多孔質体を用いた核酸合成用担体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7033923B2 (ja)
WO (1) WO2017119503A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3950125A4 (en) * 2019-03-29 2023-01-04 Sumitomo Chemical Company Limited POROUS INORGANIC SUPPORT AND METHOD OF PRODUCTION OF NUCLEIC ACID USING THEREOF
US12162765B2 (en) 2019-03-29 2024-12-10 Sumitomo Chemical Company, Limited Inorganic porous support and method for producing nucleic acid using same
US12377409B2 (en) 2019-03-29 2025-08-05 Sumitomo Chemical Company, Limited Inorganic porous carrier, and production method for nucleic acid using same
WO2020202950A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 住友化学株式会社 無機多孔質担体及びこれを用いた核酸の製造方法
EP3950695A4 (en) * 2019-03-29 2023-01-25 Sumitomo Chemical Company, Limited PROCEDURE FOR PRODUCTION OF RNA
JPWO2020230802A1 (ja) * 2019-05-14 2020-11-19
CN114166719B (zh) * 2021-11-27 2022-08-12 北京擎科生物科技有限公司 核酸合成载体筛选方法与装置
JPWO2023127481A1 (ja) * 2021-12-27 2023-07-06

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005078088A1 (ja) 2004-02-12 2005-08-25 Gl Sciences Incorporated Dnaなどの分離精製機構
JP2006296220A (ja) 2005-04-15 2006-11-02 Gl Sciences Inc Dnaなどの分離精製方法及び分離精製機構
JP2010248084A (ja) 2009-04-10 2010-11-04 Invitrogen Japan Kk 新規洗浄溶媒を用いるオリゴヌクレオチド合成法
JP2012507513A (ja) 2008-11-06 2012-03-29 エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ バイオポリマー合成用器具
WO2015116739A1 (en) 2014-01-28 2015-08-06 Dice Molecules Sv, Llc Monoliths with attached recognition compounds, arrays thereof and uses thereof

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2958338B2 (ja) * 1989-12-12 1999-10-06 富士シリシア化学株式会社 核酸合成用担体の製法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005078088A1 (ja) 2004-02-12 2005-08-25 Gl Sciences Incorporated Dnaなどの分離精製機構
JP2006296220A (ja) 2005-04-15 2006-11-02 Gl Sciences Inc Dnaなどの分離精製方法及び分離精製機構
JP2012507513A (ja) 2008-11-06 2012-03-29 エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ バイオポリマー合成用器具
JP2010248084A (ja) 2009-04-10 2010-11-04 Invitrogen Japan Kk 新規洗浄溶媒を用いるオリゴヌクレオチド合成法
WO2015116739A1 (en) 2014-01-28 2015-08-06 Dice Molecules Sv, Llc Monoliths with attached recognition compounds, arrays thereof and uses thereof

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
アンチセンスシンポジウム講演要旨集,2013年,Vol.23,p.61, P-18

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017119503A1 (ja) 2017-07-13
JPWO2017119503A1 (ja) 2018-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7033923B2 (ja) ゾル-ゲル法で作製される無機多孔質体を用いた核酸合成用担体
JP5389662B2 (ja) 高濃度のグアニン・モノマーを含有するオリゴヌクレオチド
TWI671309B (zh) 5-位置經修飾之嘧啶類及彼等之用途
EP4279610A2 (en) Ribonucleic acid purification
US20150329584A1 (en) Compositions and methods relating to complex nucleic acid nanostructures
JP7377228B2 (ja) グアニンリッチオリゴヌクレオチド
CN106460232B (zh) 用于原位合成的探针阵列的寡核苷酸探针倒转方法
Muller et al. Current strategies for the synthesis of RNA
CA3110524A1 (en) Purification methods for guanine-rich oligonucleotides
EP1119578A4 (en) IMPROVED TEA METHOD FOR OLIGONUCLEOTID SYNTHESIS
JP7033402B2 (ja) 固相核酸合成方法、固相核酸合成用溶液組成物
JP7510919B2 (ja) 無機多孔質担体及びこれを用いた核酸の製造方法
JP7368455B2 (ja) 無機多孔質担体、及びこれを用いた核酸の製造方法
EP3423594B1 (en) Oligonucleotides and methods for preparing
Ivanov et al. Chemical synthesis of an artificially branched hairpin ribozyme variant with RNA cleavage activity
WO2020202951A1 (ja) 無機多孔質担体、及びこれを用いた核酸の製造方法
WO2025056387A1 (en) A support material for solid-phase synthesis of oligonucleotides and peptides
WO2024069235A2 (en) Compositions containing oligonucleotides with theranostic applications
HK40018842A (en) Ribonucleic acid purification
AU2013204442A1 (en) Oligonucleotides Containing High Concentrations of Guanine Monomers

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180528

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191227

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20191227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20191227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210827

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7033923

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250