以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
(スクリュー型分離装置の構成)
図1は、第1実施形態に係るスクリュー型分離装置の一部断面図である。図1に示すように、第1実施形態に係るスクリュー型分離装置1は、ケージング10、スクリュー軸12、第1スクリュー羽根14、第2スクリュー羽根16、貯留槽18、搬送管20、排出ポンプ22、傾斜調整部24、及び制御部26を有している。スクリュー型分離装置1は、後述するスクリュー軸12の対象物投入口52からケージング10内に投入された前対象物A0を脱水して、脱水した後の対象物Aを、後述する対象物排出口36から排出する。そして、スクリュー型分離装置1は、脱水により前対象物A0から分離された分離液Cを、後述する分離液排出口34から排出する。この前対象物A0は、含水率が高い下水や工場排水等の汚泥である。前対象物A0は、スクリュー型分離装置1に脱水される前の対象物である。前対象物A0は、重力沈降により水分の一部が分離された汚泥であり、凝集剤が添加されていない(凝集剤を含まない)汚泥である。前対象物A0は、水分の含有率が、例えば96%以上99.8%以下である。ただし、前対象物A0は、このような性状に限られず、例えば凝集剤が添加された汚泥であってもよく、フロック化された固形成分と水分とを含有する汚泥であってもよい。スクリュー型分離装置1は、このような前対象物A0を脱水して、対象物Aを生成する。対象物Aは、スクリュー型分離装置1により脱水された後の対象物である。対象物Aは、前対象物A0から一部の水分が除去された汚泥であり、水分の含有率が、例えば70%以上99.6%以下である。ただし、対象物Aの水分含有率は、この範囲に限られない。
以下、地表Gに平行な方向、すなわち水平方向を、方向Xとする。そして、方向Xのうちの一方の方向を、方向X1とし、方向Xのうちの他方の方向、すなわちX1方向と反対の方向を、X2方向とする。また、方向Xに直交する方向であって、地表Gにも直交する方向、すなわち鉛直方向を、方向Zとする。そして、方向Zのうちの一方の方向を、Z1方向とし、方向Zのうちの他方の方向、すなわちZ1方向と反対の方向を、Z2方向とする。Z1方向は、鉛直方向の上方に向かう方向、すなわち地表Gと離れる方向であり、Z2方向は、鉛直方向の下方に向かう方向、すなわち地表G側に向かう方向である。
図1に示すように、ケージング10は、延在方向Eに沿って一方の端部30から他方の端部32まで延在し、内部に空間が設けられる筒状の部材である。ケージング10は、円筒状の部材であるが、他方の端部32側が縮径されている。ケージング10は、縮径されていない箇所の直径が例えば20cm以上50cm以下程度であるが、その大きさは任意である。ただし、ケージング10は、他方の端部32側が縮径されていなくてもよい。
延在方向Eは、ケージング10の軸方向である。延在方向Eは、一方の端部30側から他方の端部32側に向かうに従って、X1方向に対してZ2方向側に傾斜している。すなわち、ケージング10は、延在方向Eに沿った中心軸が、他方の端部32(方向X1側)に向かうに従って、Z2方向側に移動する(位置する)向きで、傾斜している。従って、ケージング10は、他方の端部32が、一方の端部30よりも、Z2方向側、すなわち鉛直方向の下方に位置している。ケージング10は、傾斜角度θが、20°以上90°以下であることが好ましく、30°以上45°以下であることがより好ましい。傾斜角度θは、ケージング10の延在方向Eに沿った中心軸の、方向X(地表G)に対する傾斜角度である。ただし、ケージング10は、このように傾斜してなくてもよく、延在方向Eが、方向Xと平行、すなわち水平であってもよい。
ケージング10は、一方の端部30に、分離液排出口34が開口している。また、ケージング10は、他方の端部32に、対象物排出口36が開口している。分離液排出口34は、スクリュー軸12が通る穴とは別の開口であり、スクリュー軸12よりも方向Z2側に設けられている。ただし、分離液排出口34は、対象物排出口36よりも一方の端部30側に位置していればよい。分離液排出口34は、例えば一方の端部30のスクリュー軸12よりも方向Z1側に設けられていてもよく、スクリュー軸12と同じ位置に設けられて内部にスクリュー軸12を貫通可能になっていてもよく、また例えば、ケージング10の外周面(側面)12Cに設けられていてもよい。対象物排出口36は、分離液排出口34よりも、Z2方向側、すなわち鉛直方向の下方に位置している。対象物排出口36は、スクリュー軸12が内部を貫通可能になっているが、スクリュー軸12を貫通しないものであってもよい。
スクリュー軸12は、円柱形状であり、ケージング10の内部に設けられて延在方向Eに沿って延在している。スクリュー軸12は、ケージング10の内部において、延在方向Eに沿ってケージング10を貫通するように設けられている。すなわち、スクリュー軸12の一方の端部12Aは、ケージング10の一方の端部30側に位置しており、ケージング10の一方の端部30から、ケージング10の外側に突出している。同様に、スクリュー軸12の他方の端部12Bは、ケージング10の他方の端部32側に位置しており、ケージング10の他方の端部32から、ケージング10の外側に突出している。スクリュー軸12は、軸受けによって軸支持されたモータ62に連結されている。スクリュー軸12は、このモータ62が制御部26によって駆動されることにより、延在方向Eを軸中心として、方向Rに回転される。本実施形態では、方向Rは、一方の端部12A側から見て、反時計回りの方向であるが、それに限られない。また、スクリュー軸12には、対象物流入路50と対象物投入口52とが設けられるが、その点については後述する。
第1スクリュー羽根14は、一方の端部40から他方の端部42まで、ケージング10の内部を、スクリュー軸12の外周面12Cに螺旋状に延在するよう設けられている。一方の端部40は、第1スクリュー羽根14の巻回が開始される位置であり、一方の端部30側の端部、すなわち方向X2側の端部である。また、他方の端部42は、第1スクリュー羽根14の巻回が終わる位置であり、他方の端部32側の端部、すなわち方向X1側の端部である。
第1スクリュー羽根14は、一方の端部40から他方の端部42(第1スクリュー羽根端部)に向かって、スクリュー軸12の回転方向である方向Rと反対方向に巻回されている。すなわち、スクリュー軸12の回転方向(方向R)が、一方の端部12A側から見て反時計回りの場合は、第1スクリュー羽根14は、いわゆるZ巻き(右手)の螺旋状(スパイラル状)に設けられる。反対に、スクリュー軸12の回転方向(方向R)が、一方の端部12A側から見て時計回りの場合は、第1スクリュー羽根14は、いわゆるS巻き(左手)の螺旋状に設けられる。第1スクリュー羽根14は、スクリュー軸12の回転に伴い、回転する。
第2スクリュー羽根16は、一方の端部44から他方の端部46(第2スクリュー羽根端部)まで、ケージング10の内部を、スクリュー軸12の外周面12Cに螺旋状に延在するよう設けられている。第2スクリュー羽根16は、第1スクリュー羽根14に対して、延在方向Eに沿って所定間隔を隔ててずれた位置に併設されている。第2スクリュー羽根16は、第1スクリュー羽根14と同じ巻回方向で巻回されている。第2スクリュー羽根16も、スクリュー軸12の回転に伴い、回転する。第2スクリュー羽根16の一方の端部44は、第2スクリュー羽根16の巻回が開始される位置であり、ケージング10の一方の端部30側の端部、すなわち方向X2側の端部である。第2スクリュー羽根16の一方の端部44は、延在方向E1において、第1スクリュー羽根14の一方の端部40と同位置となっている。ただし、第2スクリュー羽根16の一方の端部44は、第1スクリュー羽根14の一方の端部40よりも、ケージング10の一方の端部30側にあってもよいし、第1スクリュー羽根14の一方の端部40よりも、ケージング10の他方の端部32側にあってもよい。
また、第2スクリュー羽根16の他方の端部46は、第2スクリュー羽根16の巻回が終わる位置であり、ケージング10の他方の端部32側の端部、すなわち方向X1側の端部である。他方の端部46は、第1スクリュー羽根14の他方の端部42よりも、ケージング10の一方の端部30(分離液排出口34)側に位置している。すなわち、第1スクリュー羽根14は、第2スクリュー羽根16よりも他方の端部32側まで螺旋状に延在している。ただし、第2スクリュー羽根16の他方の端部46と第1スクリュー羽根14の他方の端部42との位置は、これに限られず、例えば同じ位置にあってもよい。
このように、第2スクリュー羽根16は、一方の端部44から他方の端部46まで延在している。一方、第1スクリュー羽根14は、一方の端部40から他方の端部42まで延在している。従って、第2スクリュー羽根16の一方の端部44(又は第1スクリュー羽根14の一方の端部40)から、第2スクリュー羽根16の他方の端部46(第2スクリュー羽根端部)までの区間は、ダブルスクリュー区間K2となっている。そして、第2スクリュー羽根16の他方の端部46(第2スクリュー羽根端部)から第1スクリュー羽根14の他方の端部42(第1スクリュー羽根端部)までの区間は、シングルスクリュー区間K1となっている。ダブルスクリュー区間K2は、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との両方が設けられた区間である。シングルスクリュー区間K1は、第1スクリュー羽根14のみが設けられて第2スクリュー羽根16が設けられない区間である。シングルスクリュー区間K1は、ダブルスクリュー区間K2よりも他方の端部32側(方向X1側)の区間となっている。シングルスクリュー区間K1は、ダブルスクリュー区間K2よりも短いことが好ましい。例えば、シングルスクリュー区間K1は、ダブルスクリュー区間K2に対して、長さが10%以上50%以下であることが好ましい。
ここで、第2スクリュー羽根16の延在方向Eに沿った他方の端部32側の面を、一方の面16Aとする。そして、第2スクリュー羽根16の延在方向Eに沿った一方の端部30側の面を、他方の面16Bとする。この一方の面16Aと他方の面16Bとの2面は、延在方向Eに沿って、それぞれ第1スクリュー羽根14に対向する。具体的には、一方の面16Aは、他方の端部32側の第1スクリュー羽根14に対向する。また、他方の面16Bは、一方の端部30側の第1スクリュー羽根14に対向する。第2スクリュー羽根16は、一方の面16Aと、一方の面16Aに対向する第1スクリュー羽根14との間に、第1空間T1を形成する。また、第2スクリュー羽根16は、他方の面16Bと、他方の面16Bに対向する第1スクリュー羽根14との間に、第2空間T2を形成する。第1空間T1は、ケージング10の内部の空間の一部であり、対象物Aが搬送される空間である。第2空間T2は、ケージング10の内部の空間の一部であり、分離液Cが搬送される空間である。第1空間T1は、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16により、第2空間T2から隔離されている。なお、第1空間T1と第2空間T2とは、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16とに挟まれる空間であるため、ダブルスクリュー区間K2の区間内に位置している。
第1空間T1における第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との対向する面同士の間の距離は、第2空間T2における第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との対向する面同士の間の距離よりも、長い。言い換えれば、延在方向Eに沿った第1空間T1の長さL1(後述の図2を参照)は、延在方向Eに沿った第2空間T2の長さL2(後述の図2を参照)よりも、長い。従って、第1空間T1は、第2空間T2よりも、体積が大きくなっている。
また、第1スクリュー羽根14の外周部14Sは、ケージング10の内周面との間に、間隙Hが生じるように構成されている。すなわち、第1スクリュー羽根14の外周部14Sは、ケージング10の内周面とは接触せず、間隙Hを隔てて離間している。同様に、第2スクリュー羽根16の外周部16Sは、ケージング10の内周面との間に、間隙Hが生じるように構成されている。すなわち、第2スクリュー羽根16の外周部16Sは、ケージング10の内周面とは接触せず、間隙Hを隔てて離間している。この間隙Hは、微小な隙間であり、対象物Aの少なくとも一部の通過を抑制する(せき止める)程度の大きさとなっている。また、間隙Hは、分離液Cなどの液体成分が通過可能な大きさである。間隙Hは、具体的には、例えば1~2mm程度の隙間である。これにより、第1空間T1と第2空間T2とは、間隙Hの領域において連通した状態となっている一方、間隙Hの領域以外において互いに遮断されている。
また、第2スクリュー羽根16の他方の端部46とケージング10の他方の端部32(対象物排出口36)との間には、第3空間T3が形成されている。第3空間T3は、ケージング10の内部の空間の一部であり、第1空間T1に対して他方の端部32側に連通している。第3空間T3は、第1空間T1内を搬送された対象物Aが進入する空間である。なお、第3空間T3は、後述する隔壁部48が設けられた領域において、第2空間T2に対して遮断されており、間隙Hの領域において、第2空間T2に対して連通している。すなわち、第3空間T3は、後述する隔壁部48とケージング10の一方の端部30(分離液排出口34)との間の空間であるということもできる。また、さらに言えば、第3空間T3は、シングルスクリュー区間K1を含む空間であるといえる。
また、第1スクリュー羽根14の一方の端部40(又は第2スクリュー羽根16の一方の端部44)とケージング10の一方の端部30(分離液排出口34)との間には、第4空間T4が形成されている。第4空間T4は、ケージング10の内部の空間の一部であり、第2空間T2に対して一方の端部30側に連通している。第4空間T4は、第2空間T2内を搬送された分離液Cが進入する空間である。なお、第4空間T4は、第1空間T1とは、第1空間T1と第4空間T4との間に設けられた隔壁部49(バッフル)により、隔壁部49が設けられた領域で、第4空間T4と第1空間T1とが遮断される。
隔壁部49は、第1空間T1における第4空間T4との境界の位置に設けられている。隔壁部49は、第1空間T1内の対象物Aが、第4空間T4に流入することをせき止めるバッフルである。隔壁部49は、第1空間T1内であって、一方の端部30側(方向X2側)に設けられており、スクリュー軸12と第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16とに接している。図1の例では、隔壁部49は、第1スクリュー羽根14の一方の端部40及び第2スクリュー羽根16の一方の端部44よりも、羽根1巻分程度、他方の端部32側(方向X1側)に設けられているが、設けられる位置はそれに限られない。例えば、隔壁部49は、第1スクリュー羽根14の一方の端部40及び第2スクリュー羽根16の一方の端部44の位置に設けられてもよい。さらに言えば、隔壁部49は、方向Xにおいて、一方の端部30よりも他方の端部32に近い位置に設けられていればよい。
隔壁部49は、スクリュー軸12と第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16とに接している。すなわち、隔壁部49は、スクリュー軸12と第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16とで囲われる領域に対して、重ねて配置されている。従って、隔壁部49は、設置された位置において、一方の端部30側と他方の端部32側とを隔離している。言い換えれば、隔壁部48は、第1空間T1と第4空間T4とを隔離しており、設けられている位置よりも一方の端部30側への、すなわち第4空間T4への、対象物Aの進入をせき止める。
より詳しくは、隔壁部49は、スクリュー軸12の外周面12Cの第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との間から、スクリュー軸12の放射方向外側に向かって延在している。すなわち、隔壁部49は、スクリュー軸12の外周面12Cに末端部が取り付けられ、先端部に向けて放射方向外側に向けて延在する板状の部材である。隔壁部49は、一方の端部30側の一方の側面が第1スクリュー羽根14に接続され、他方の端部32側の一方の側面が第2スクリュー羽根16に接続されており、一方の側面から他方の側面に向けて、延在方向Eに沿って延在している。そして、隔壁部49の先端部は、スクリュー軸12の放射方向に沿って、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16の外周部と同じ位置まで延在している。すなわち、隔壁部49は、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16と同様に、ケージング10の内周面との間に間隙Hを形成している。
第2空間T2における第3空間T3との境界の位置には、隔壁部48が設けられている。隔壁部48は、第3空間T3内の対象物Aが、第2空間T2に流入することをせき止めるバッフルである。隔壁部48は、第2スクリュー羽根16の他方の端部46の位置であって、第2空間T2内に設けられ、スクリュー軸12と第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16とに接している。さらに言えば、隔壁部48は、スクリュー軸12と第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16とで囲われる領域に対して、重ねて配置されている。従って、隔壁部48は、設置された位置(ここでは第2スクリュー羽根16の他方の端部46)において、一方の端部30側と他方の端部32側とを隔離している。言い換えれば、隔壁部48は、第3空間T3と第2空間T2とを隔離しており、設けられている位置よりも一方の端部30側への対象物Aの進入をせき止める。
より詳しくは、隔壁部48は、スクリュー軸12の外周面12Cの第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との間から、スクリュー軸12の放射方向外側に向かって延在している。すなわち、隔壁部48は、スクリュー軸12の外周面12Cに末端部が取り付けられ、先端部に向けて放射方向外側に向けて延在する板状の部材である。隔壁部48は、一方の端部30側の一方の側面が第2スクリュー羽根16に接続され、他方の端部32側の他方の側面が第1スクリュー羽根14に接続されており、一方の側面から他方の側面に向けて、延在方向Eに沿って延在している。そして、隔壁部48の先端部は、スクリュー軸12の放射方向に沿って、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16の外周部と同じ位置まで延在している。すなわち、隔壁部48は、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16と同様に、ケージング10の内周面との間に間隙Hを形成している。
なお、隔壁部48は、第2スクリュー羽根16の他方の端部46よりも、一方の端部30側に設けられていてもよい。隔壁部48は、第2空間T2内であって、後述する対象物投入口52よりも他方の端部32側に設けられていればよい。また、隔壁部48は、隔壁部49よりも他方の端部32側に設けられていればよい。また、隔壁部48は、第1実施形態において、第3空間T3内の対象物Aが第2空間T2内に進入することを抑制するために設けられるものである。一方、隔壁部48は、後述する第2実施形態では不要となる。すなわち、隔壁部48は、設けられていてもよいし設けられていなくてもよい。
次に、スクリュー軸12に設けられる対象物流入路50と対象物投入口52とについて説明する。図2は、第1実施形態に係るスクリュー軸の一部断面図である。図1及び図2に示すように、スクリュー軸12は、内部に対象物流入路50が開口した、中空の軸状部材、すなわち筒状部材であるといえる。すなわち、対象物流入路50は、スクリュー軸12の内部において、延在方向Eに沿って延在する開口であるといえる。対象物流入路50は、後述する貯留槽18からの前対象物A0が流入する流路である。図1に示すように、対象物流入路50は、スクリュー軸12の一方の端部12Aから他方の端部12Bまでにわたって開口しているが、他方の端部12Bまでにわたって設けられていなくてもよい。すなわち、対象物流入路50は、一方の端部12Aから、一方の端部12Aと他方の端部12Bとの間の位置までにわたって設けられていてもよい。
図1及び図2に示すように、対象物投入口52は、対象物流入路50と連通して、スクリュー軸12の外周面12Cに開口する開口である。対象物投入口52は、対象物流入路50とケージング10の内部とを連通する開口であるといえる。対象物投入口52は、対象物流入路50内を通った前対象物A0を、ケージング10の内部に投入する開口であるといえる。より詳しくは、図2に示すように、対象物投入口52は、一方の端部52Aが、対象物流入路50の外周面に開口して、対象物流入路50に連通する。そして、対象物投入口52は、他方の端部52Bが、スクリュー軸12の外周面12Cに開口して、ケージング10の内部と連通する。対象物投入口52は、一方の端部52Aから他方の端部52Bまで、スクリュー軸12の内周面(対象物流入路50の外周面)から、スクリュー軸12の外周面12Cまでを貫通しているといえる。
さらに言えば、対象物投入口52は、他方の端部52Bが、第1空間T1におけるスクリュー軸12の外周面12Cに開口している。すなわち、対象物投入口52は、第1空間T1と第2空間T2とのうち、延在方向Eに沿った長さが長い方の第1空間T1に開口している。言い換えれば、他方の端部52Bは、第1スクリュー羽根14と、第2スクリュー羽根16の一方の面16Aとの間に開口している。さらに言えば、対象物投入口52の他方の端部52Bは、第1空間T1以外の空間、すなわち、第2空間T2、第3空間T3、及び第4空間T4には、開口していない。言い換えれば、スクリュー軸12の内部の対象物流入路50は、第1空間T1においては、スクリュー軸12の外部であってケージング10の内部に連通しているが、第1空間T1以外の空間、すなわち、第2空間T2、第3空間T3、及び第4空間T4においては、スクリュー軸12の外部であってケージング10の内部に連通せず、遮断されているといえる。
また、対象物投入口52は、ケージング10の他方の端部32側(スクリュー軸12の他方の端部12B側)に位置している。言い換えれば、対象物投入口52は、延在方向Eにおいて、ケージング10の一方の端部30(スクリュー軸12の一方の端部12A)よりも、ケージング10の他方の端部32(スクリュー軸12の他方の端部12B)に近い位置に設けられている。ここで、ケージング10の延在方向Eにおける一方の端部30と他方の端部32との中央となる位置を、中央位置37とする。中央位置37は、延在方向Eに沿った一方の端部30と中央位置37までの距離と、延在方向Eに沿った他方の端部32から中央位置37までの距離とが等しくなる位置といえる。この場合、対象物投入口52は、中央位置37よりも他方の端部32側に設けられており、更にいえば、中央位置37と他方の端部32との間に設けられているということができる。具体的には、第1実施形態では、対象物投入口52は、延在方向Eにおける他方の端部32から対象物投入口52までの距離が、延在方向Eにおける一方の端部30から他方の端部32までの距離(ケージング10の全長)に対し、20%より大きく70%以下となるように設けられることが好ましく、30%以上50%以下となるように設けられることがより好ましい。
また、対象物投入口52は、方向Z(鉛直方向)において、分離液排出口34と対象物排出口36との間に開口しているといえる。第1実施形態では、対象物投入口52は、方向Zにおける対象物排出口36から対象物投入口52までの距離が、方向Zにおける分離液排出口34と対象物排出口36との間の距離に対し、20%以上70%以下となるように設けられることが好ましく、30%以上50%以下となるように設けられることがより好ましい。
上述のように、対象物投入口52は、ダブルスクリュー区間K2内の第1空間T1に開口している。従って、対象物投入口52は、第2スクリュー羽根16の他方の端部46(第2スクリュー羽根端部)よりも、一方の端部30側に開口しているといえる。そして、対象物投入口52は、隔壁部48よりも、一方の端部30側に開口しているといえる。また、図2の例に示すように、対象物投入口52は、1枚の第1スクリュー羽根14を介して第3空間T3(シングルスクリュー区間K1)に隣接する第1空間T1内に設けられてもよい。言い換えれば、対象物投入口52は、第3空間T3(シングルスクリュー区間K1)の直近の第1空間T1内に設けられてもよい。
第1実施形態において、対象物投入口52は、円形に開口していることが好ましいが、対象物投入口52の開口の形状は任意である。例えば、対象物投入口52は、楕円形に開口していてもよいし、多角形状に開口していてもよい。また、図2の例では、対象物投入口52は、2つ設けられているが、対象物投入口52の数は任意であり、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。対象物投入口52は、複数設けられる場合、スクリュー軸12の周方向に並んで配置される。この場合、対象物投入口52は、第1空間T1内に開口するように、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16に合わせ、螺旋状に並ぶことが好ましい。
また、図1及び図2に示すように、対象物流入路50には、閉塞部54が設けられている。閉塞部54は、対象物流入路50内に設けられ、延在方向Eに直交する方向に延在する壁であり、対象物流入路50を閉塞(遮断)する。閉塞部54は、対象物流入路50内を流れる前対象物A0をせき止めて、前対象物A0が、対象物流入路50内において、閉塞部54が設けられた位置の反対側に流出することを抑制する。閉塞部54は、延在方向Eにおいて、対象物投入口52よりも他方の端部32側に設けられている。より詳しくは、閉塞部54は、延在方向Eにおいて、対象物投入口52と他方の端部32との間に設けられる。さらに言えば、閉塞部54は、延在方向Eにおいて、対象物投入口52と第2スクリュー羽根16の他方の端部46との間に設けられるといえ、対象物投入口52と隔壁部48との間に設けられるといえる。
また、図1に示すように、貯留槽18は、搬送管20を介して、スクリュー軸12の一方の端部12Aに接続されている。貯留槽18は、前対象物A0が貯留される槽である。貯留槽18は、水槽18Aと、撹拌翼18Bと、対象物導入口18Cと、隔壁18Dとを有している。水槽18Aは、スクリュー軸12よりも方向Z1側、すなわちスクリュー軸12の一方の端部12Aよりも鉛直方向上方に設けられる槽である。水槽18Aは、内部に前対象物A0が貯留される。撹拌翼18Bは、水槽18A内に設けられ、回転によって水槽18A内の前対象物A0を撹拌する。撹拌翼18Bは、制御部26によって回転が制御される。
対象物導入口18Cは、水槽18Aに設けられる開口であり、例えば水槽18Aの底面に開口する。水槽18A内の前対象物A0は、対象物導入口18Cから、水槽18Aの外部、すなわち搬送管20に排出される。隔壁18Dは、水槽18A内に設けられ、水槽18A内を複数の空間に区分する壁である。本実施形態において、隔壁18Dは、水槽18Aの撹拌翼18Bが設けられる空間と、対象物導入口18Cが設けられる空間との間に設けられ、水槽18Aの撹拌翼18Bが設けられる空間と、対象物導入弁18口が設けられる空間とを区分する。ただし、隔壁18Dは、設けられていなくてもよい。
また、貯留槽18には、弁18Eが設けられていてもよい。弁18Eは、水槽18Aの対象物導入口18Cに接続される開閉弁である。弁18Eは、開くことによって、対象物導入口18Cを開放して、水槽18A内の前対象物A0を、水槽18Aの外部、すなわち搬送管20に排出する。弁18Eは、全閉することによって、対象物導入口18Cを閉塞して、水槽18A内の前対象物A0の、水槽18Aの外部、すなわち搬送管20への排出を停止する。弁18Eは、制御部26によって開閉が制御される。
搬送管20は、一方の端部が貯留槽18に接続され、他方の端部がスクリュー軸12の一方の端部12Aに接続される管である。より詳しくは、搬送管20は、一方の端部が対象物導入口18Cに接続され、他方の端部がスクリュー軸12の一方の端部12Aに接続される。搬送管20は、このようにスクリュー軸12と接続されることで、前対象物A0が流れる内部の流路が、スクリュー軸12の対象物流入路50に連通する。従って、水槽18Aからの前対象物A0は、搬送管20を介して、スクリュー軸12の対象物流入路50に流入する。なお、搬送管20は、スクリュー軸12の一方の端部12Aよりも、方向Z2側(鉛直方向上方)に設けられる。従って、搬送管20内の前対象物A0は、ヘッド圧により対象物流入路50に流入する。搬送管20内の前対象物A0を対象物流入路50に流入させるためには、外部動力が不要であるが、ポンプなど、搬送管20内の前対象物A0を対象物流入路50に流入させるための外部動力を設けてもよい。
さらに詳しくは、搬送管20は、ベアリング60を介して、スクリュー軸12の一方の端部12Aに接続される。ベアリング60は、例えばボールベアリングであり、搬送管20とスクリュー軸12とを接続しつつ、スクリュー軸12の回転を搬送管20に伝えない機構である。すなわち、スクリュー軸12がモータ62によって回転しても、搬送管20は回転しない。なお、搬送管20は、例えば樹脂などのフレキシブルな部材で形成された管であるが、材料は任意のものであってよい。
排出ポンプ22は、排出管22Aを介して、ケージング10の対象物排出口36に接続されている。排出管22Aは、対象物排出口36に接続されている管である。排出管22Aは、対象物排出口36からの対象物Aが導入される。排出ポンプ22は、排出管22Aに設けられるポンプである。排出ポンプ22は、停止時には、ケージング10の他方の端部32まで移動してきた脱水前の対象物(前対象物A0)をせき止める。また、排出ポンプ22は、駆動時には、排出管22Aの対象物排出口36側を吸引することにより、ケージング10内の脱水後の対象物Aを、対象物排出口36から強制的に排出することができる。排出ポンプ22は、制御部26の制御により、ケージング10内の対象物Aの排出量を調整することが可能となっている。ただし、排出ポンプ22は、設けられていなくてもよく、対象物Aを強制的に排出せずに重力により排出させてもよい。
傾斜調整部24は、ケージング10に取付けられている。傾斜調整部24は、制御部26の制御により、ケージング10の傾斜角度θを変化させる。ただし、傾斜調整部24は必ずしも設けられていなくてもよく、傾斜角度θは一定であってもよい。
制御部26は、スクリュー型分離装置1の動作を制御する制御装置である。制御部26は、モータ62によるスクリュー軸12の回転と、排出ポンプ22の動作、すなわちケージング10内の対象物Aの排出量と、傾斜調整部24による傾斜角度θと、を制御する。また、制御部26は、前対象物A0の導入量を調整してもよい。弁18Eが設けられている場合、制御部26は、例えば弁18Eの開度を調整することで、前対象物A0の導入量を調整する。制御部26は、例えば、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)を有するコンピュータであり、CPUの演算により、スクリュー型分離装置1の動作を制御する。
スクリュー型分離装置1は、以上のように構成され、貯留槽18内の前対象物A0が、搬送管20及び対象物流入路50を流れ、対象物投入口52から、ケージング10の内部の第1空間T1に投入される。ケージング10の内部に投入された前対象物A0は、スクリュー軸12の回転により、第1空間T1内において他方の端部32側に移動されて脱水される。そして、脱水した対象物Aは、対象物排出口36から排出される。また、脱水により生じた分離液Cは、第1空間T1から第2空間T2に移動して、分離液排出口34から排出される。以下、スクリュー型分離装置1の動作による脱水について、詳細に説明する。
(スクリュー型分離装置の動作)
図3は、第1実施形態に係るスクリュー型分離装置の動作を説明するための模式図である。図3に示すように、制御部26は、貯留槽18の水槽18A内の前対象物A0を、搬送管20を介してスクリュー軸12内の対象物流入路50内に導入する。対象物流入路50内に導入された前対象物A0は、重力により、対象物流入路50内をスクリュー軸12の他方の端部12B側に流れ、対象物投入口52から、対象物流入路50の外部、すなわちスクリュー軸12の外部であってケージング10の内部に投入される。さらに言えば、対象物投入口52は、第1空間T1に開口するため、前対象物A0は第1空間T1内に投入される。
第1空間T1内に投入された前対象物A0は、重力により、脱水されつつ他方の端部32側へ移動する。より詳しくは、前対象物A0は、重力により、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16に沿って、第1空間T1内を他方の端部32側に螺旋状に移動する。さらに、制御部26は、前対象物A0を導入している際に、スクリュー軸12を方向Rに回転させる。従って、第1空間T1内の前対象物A0は、重力に加えて、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との回転によっても、脱水されつつ他方の端部32に向かって螺旋状に移動する。第1空間T1内の前対象物A0は、このように、脱水されつつ他方の端部32に向かって移動して、対象物Aとして、第3空間T3内に流入する。
ここで、前対象物A0には、液体成分が含有されている。第1空間T1内に投入された前対象物A0は、重力と第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16の回転とにより脱水され、対象物Aと分離液Cとに分離される。すなわち、前対象物A0は、このように液体成分である分離液Cが分離されることで、含水率が低下した対象物Aとなる。また、上述のように、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16とケージング10との間隙Hは、対象物中の液体成分、すなわち分離液Cを導通する。従って、第1空間T1内に投入された前対象物A0からの分離液Cは、間隙Hを介して第2空間T2内に導入される。
第2空間T2に導入された分離液Cは、導入する量の増加に伴い、第2空間T2内での水位が方向Z1側に上昇する。この分離液Cは、水位の上昇に伴い、スクリュー軸12を乗り越えて、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16に沿って、第2空間T2内を一方の端部30側に螺旋状に移動して、第4空間T4内に導入される。第4空間T4内に導入された分離液Cは、さらなる水位の上昇に伴い、分離液排出口34から外部に排出される。また、第2空間T2の他方の端部32側には、隔壁部48が設けられている。従って、第2空間T2には、第3空間T3内の対象物Aの導入が抑制され、分離液Cの清浄度、すなわちSS(Suspended Solid)濃度の増加が抑制される。また、分離液Cは、前対象物A0から分離されて発生するため、前対象物A0が投入された対象物投入口52の位置、または、対象物投入口52よりも他方の端部32側の位置から発生することとなる。ここで、対象物投入口52は、他方の端部32側に設けられているため、対象物投入口52から分離液排出口34までの距離が長く保たれる。そのため、分離液Cは、発生してから分離液排出口34で排出されるまでの滞留時間が長く保たれることとなって、分離液Cの清浄度、すなわちSS濃度の増加は、さらに好適に抑制される。また、第1空間T1と第4空間T4との間には、隔壁部49が設けられている。従って、第1空間T1から第4空間T4への対象物Aの流入が抑制され、分離液排出口34から排出される分離液CのSS濃度増加が抑制される。
また、第3空間T3に流入した対象物Aは、対象物排出口36及び排出管22Aを通って、ケージング10の外部に排出される。ここで、制御部26は、前対象物A0を導入しつつスクリュー軸12を回転させながら、排出ポンプ22を駆動させている。従って、第3空間T3に流入した対象物Aは、排出ポンプ22の駆動により、対象物排出口36及び排出管22Aを通って、ケージング10の外部に強制的に排出される。
例えば、制御部26は、少なくともスクリュー軸12の回転速度と、排出ポンプ22の出力とのいずれかを制御することで、対象物Aが対象物排出口36を塞がないように、ケージング10内の対象物Aの量を調整することが可能である。例えば、制御部26は、次のように、スクリュー軸12の回転速度と、排出ポンプ22の出力とを制御してもよい。すなわち、この場合、制御部26は、スクリュー軸12を回転させながら、排出ポンプ22を駆動させてよい。例えば、制御部26は、対象物Aの排出量が所定値となるように、スクリュー軸12の回転速度と、排出ポンプ22の出力とを制御している。また、制御部26は、対象物Aが対象物排出口36を塞がないように、すなわち、ケージング10内に投入されてケージング10内に堆積された対象物Aが、対象物排出口36よりも方向Z2側(鉛直方向下方側)に位置するように、スクリュー軸12の回転速度と、排出ポンプ22の出力とを制御してもよい。この場合、例えば、第1空間T1内に、対象物Aが堆積されたかを検出するセンサを設けてもよい。制御部26は、そのセンサが対象物Aを検知した場合に、排出ポンプ22の出力を上げて対象物Aの排出量を増加させたり、スクリュー軸12の回転速度を高くして対象物Aの排出量を増加させたりする。なお、ここでのセンサは、対象物Aをあるかを検出可能なものであれば任意であるが、例えば、対象物Aの水位を検出する水位計などであり、方向Zにおける対象物排出口36と同位置や、方向Zにおける対象物排出口36の近傍であって方向Z2側に設けられる。なお、制御部26は、上述の制御において、スクリュー軸12の回転速度と、排出ポンプ22の出力とを制御していたが、弁18Eの開度と、スクリュー軸12の回転速度と、排出ポンプ22の出力とのうち少なくとも1つを制御してよい。なお、弁18Eが設けられる場合には、あわせて弁18Eの開度を制御して、前対象物A0の投入量を制御するようにしてもよい。
また、制御部26は、前対象物A0を導入しつつスクリュー軸12を回転させる期間と、排出ポンプ22を駆動させる期間とを別にするなど、前対象物A0の導入及びスクリュー軸12の回転と、排出ポンプ22の駆動とを、同時に行わなくてもよい。すなわち、制御部26は、前対象物A0を導入しつつスクリュー軸12を回転させる期間には、排出ポンプ22を停止して対象物Aの排出を停止しておき、その期間の後に、前対象物A0の導入を停止しながらスクリュー軸12の回転を停止して、排出ポンプ22を駆動させる期間を設けてもよい。
以上説明したように、第1実施形態に係るスクリュー型分離装置1は、一方の端部30から他方の端部32まで延在するケージング10と、スクリュー軸12と、第1スクリュー羽根14と、第2スクリュー羽根16と、分離液排出口34と、対象物排出口36と、対象物流入路50と、対象物投入口52とを有する。スクリュー軸12は、ケージング10の内部に設けられて、一方の端部30から他方の端部32への方向である延在方向Eに沿って延在する。第1スクリュー羽根14は、スクリュー軸12の外周面12Cに螺旋状に延在する。第2スクリュー羽根16は、第1スクリュー羽根14に対して延在方向Eに沿って所定間隔を隔てるようにスクリュー軸12の外周面12Cに螺旋状に延在する。第2スクリュー羽根16は、第1スクリュー羽根14に対向する2面のうち一方の面16Aと一方の面16Aに対向する第1スクリュー羽根14との間に、第1空間T1を形成し、2面のうちの他方の面16Bと他方の面16Bに対向する第1スクリュー羽根14との間に、第2空間T2を形成する。分離液排出口34は、ケージング10の一方の端部30側に設けられ、脱水により対象物(前対象物A0)から分離された分離液Cを排出する。対象物排出口36は、ケージング10の他方の端部32側に設けられ、脱水された対象物Aを排出する。対象物流入路50は、スクリュー軸12の内部に設けられて、対象物(前対象物A0)が流入する流路である。対象物投入口52は、第1空間T1におけるスクリュー軸12の外周面12Cに開口して、対象物流入路50と連通する。スクリュー型分離装置1は、対象物流入路50を通って対象物投入口52からケージング10内に投入された対象物(前対象物A0)を、スクリュー軸12の回転により、第1空間T1内において他方の端部32側に移動させて脱水する。そして、スクリュー型分離装置1は、脱水した対象物Aを、対象物排出口36から排出し、脱水により生じた分離液Cを、第1空間T1から第2空間T2に移動させて分離液排出口34から排出する。
第1実施形態に係るスクリュー型分離装置1は、スクリュー軸12の内部の対象物流入路50に前対象物A0を流入させ、その前対象物A0を、第1空間T1に設けられた対象物投入口52から、ケージング10内に投入する。従って、スクリュー型分離装置1は、前対象物A0が、分離液Cを搬送する第2空間T2に投入されることを抑制して、対象物の分離効率の低下を抑制する。
第1空間T1における第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との対向する面同士の間の距離(図2の距離L1)は、第2空間T2における第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との対向する面同士の間の距離(図2の長さL2)よりも大きい。そして、対象物投入口52は、第1空間T1内に開口する。第1実施形態に係るスクリュー型分離装置1は、このように距離が長い、すなわち体積の大きい第1空間T1に、対象物投入口52を開口させ、固形成分である対象物Aを搬送する。従って、スクリュー型分離装置1によると、第1空間T1において、対象物Aを適切に搬送しつつ、脱水を促進させることができる。
また、対象物投入口52は、ケージング10の延在方向Eにおける一方の端部30と他方の端部32との中央位置37と、他方の端部32との間に開口している。すなわち、スクリュー型分離装置1は、対象物投入口52を、他方の端部32側に設けている。従って、このスクリュー型分離装置1によると、分離液排出口34で排出されるまでの分離液Cの滞留時間を長く保って、分離液CのSS濃度の増加を抑制することで、対象物の分離効率の低下をより好適に抑制することができる。
また、対象物排出口36は、分離液排出口34よりも鉛直方向の下方側に設けられており、対象物投入口52は、鉛直方向において、分離液排出口34と対象物排出口36との間に開口している。このスクリュー型分離装置1によると、対象物排出口36を分離液排出口34と対象物排出口36との間に設けることで、前対象物A0を重力により脱水して対象物排出口36から排出させつつ、脱水で生じた分離液Cを、分離液排出口34から適切に排出させることができる。
また、第1スクリュー羽根14は、他方の端部32側の端部である第1スクリュー羽根端部(他方の端部42)が、第2スクリュー羽根16の他方の端部32側の端部である第2スクリュー羽根端部(他方の端部46)よりも、他方の端部32側に位置している。対象物投入口52は、第2スクリュー羽根端部よりも一方の端部30側に開口する。すなわち、スクリュー型分離装置1は、対象物投入口52をダブルスクリュー区間K2に設け、ダブルスクリュー区間K2よりも他方の端部32側に、シングルスクリュー区間K1を設ける。従って、対象物投入口52から排出された前対象物A0は、ダブルスクリュー区間K2内の第1空間T1に投入され、第2空間T2の分離液Cとの混合が抑制される。そして、前対象物A0がシングルスクリュー区間K1に移動することで、第1スクリュー羽根14の圧搾による脱水力を高くして、対象物の分離効率の低下をより好適に抑制することができる。
また、スクリュー型分離装置1は、閉塞部54を設けることが好ましい。閉塞部54は、対象物流入路50内の、対象物投入口52よりも他方の端部32側に設けられ、対象物流入路50内の対象物(前対象物A0)をせき止める。スクリュー型分離装置1は、閉塞部54を設けることで、対象物流入路50内の前対象物A0が、対象物投入口52よりも先(他方の端部32側)に詰まり過ぎることを抑制して、洗浄を容易にすることができる。
また、スクリュー型分離装置1は、洗浄液Wによってケージング10内を洗浄するよう構成されていてもよい。図4は、洗浄液による洗浄の状態の一例を示す模式図である。洗浄液Wによって洗浄する場合、スクリュー型分離装置1は、例えば、スクリュー軸12に洗浄液供給部70を接続する。洗浄液供給部70は、洗浄液Wが供給可能な装置であり、例えばポンプである。なお、洗浄液Wは、水などである。
具体的には、スクリュー型分離装置1は、スクリュー軸12の一方の端部12Aに、洗浄液導入管72を介して、洗浄液供給部70が接続される。洗浄液導入管72は、一方の端部が洗浄液供給部70に接続され、他方の端部(洗浄液Wの注入口)がスクリュー軸12の一方の端部12Aに接続される管である。洗浄液導入管72は、このようにスクリュー軸12と接続されることで、洗浄液供給部70からの洗浄液Wが流れる内部の流路が、スクリュー軸12の対象物流入路50に連通する。従って、洗浄液供給部70からの洗浄液Wは、搬送管20を介して、スクリュー軸12の対象物流入路50に流入する。対象物流入路50に流入した洗浄液Wは、対象物流入路50内を洗浄しながら(前対象物A0の固形成分を洗い流しながら)、対象物投入口52から第1空間T1内に流入する。第1空間T1内に流入した洗浄液Wは、第1空間T1を洗浄して、洗い流した固形成分を第3空間T3に沈降させる。第3空間T3に沈降した固形成分は、排出ポンプ22により対象物排出口36から排出される。また、第1空間T1内に流入した洗浄液Wの液体成分は、第2空間T2を通って、分離液排出口34から排出される。
なお、図4の例では、洗浄時において、スクリュー軸12と搬送管20(貯留槽18)との接続を解除して、スクリュー軸12と洗浄液導入管72(洗浄液供給部70)とを接続している。ただし、スクリュー型分離装置1は、スクリュー軸12と搬送管20とを接続したまま、スクリュー軸12と洗浄液導入管72とを接続可能に構成してもよい。すなわち、スクリュー型分離装置1は、スクリュー軸12に、搬送管20を接続可能な接続口と、洗浄液導入管72を接続可能な接続口とを、それぞれ設けてよい。この場合、例えば、洗浄時には、前対象物A0の供給を停止し、脱水時には、洗浄液供給部70による洗浄液Wの供給を停止する。
このように、対象物流入路50は、洗浄液Wを供給する洗浄液供給部70に接続可能に構成される。洗浄液供給部70は、洗浄液Wを、対象物流入路50を通って対象物投入口52からケージング10内に流入させることで、ケージング10内を洗浄する。このように、対象物流入路50は、洗浄液Wを供給する洗浄液供給部70と接続可能に構成されることで、ケージング10内を適切に洗浄することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係るスクリュー型分離装置1aは、スクリュー軸12aの対象物投入口52aの位置が、第1実施形態と異なる。第2実施形態において、第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図5は、第2実施形態に係るスクリュー型分離装置の一部断面図である。図5に示すように、第2実施形態に係るスクリュー軸12aは、対象物流入路50と対象物投入口52aとが設けられる。対象物流入路50は、第1実施形態と同じ構成である。一方、スクリュー軸12aは、対象物投入口52aが、第1空間T1に開口している点では、第1実施形態と同じであるが、ケージング10の一方の端部30側(スクリュー軸12の一方の端部12A側)に位置している点で、第1実施形態と異なる。すなわち、対象物投入口52aは、ケージング10内へ開口するX方向における位置が、第1実施形態の対象物投入口52と異なる。
対象物投入口52aは、延在方向Eにおいて、ケージング10の他方の端部32(スクリュー軸12の他方の端部12B)よりも、ケージング10の一方の端部30(スクリュー軸12の一方の端部12A)に近い位置に設けられている。すなわち、対象物投入口52aは、中央位置37よりも一方の端部30側に設けられており、更にいえば、中央位置37と一方の端部30との間に設けられているということができる。具体的には、第2実施形態では、対象物投入口52aは、延在方向Eにおける一方の端部30から対象物投入口52aまでの距離が、延在方向Eにおける一方の端部30から他方の端部32までの距離(ケージング10の全長)に対し、20%より大きく70%以下となるように設けられることが好ましく、30%以上50%以下となるように設けられることがより好ましい。
また、対象物投入口52aは、方向Z(鉛直方向)において、分離液排出口34と対象物排出口36との間に開口しているといえる。対象物投入口52aは、方向Zにおける分離液排出口34から対象物投入口52aまでの距離が、方向Zにおける分離液排出口34と対象物排出口36との間の距離に対し、20%以上70%以下となるように設けられることが好ましく、30%以上50%以下となるように設けられることがより好ましい。
また、対象物投入口52aは、ダブルスクリュー区間K2内の第1空間T1に開口している。従って、対象物投入口52aは、第1スクリュー羽根14の一方の端部40及び第2スクリュー羽根16の一方の端部44よりも、他方の端部32側に開口しているといえる。そして、対象物投入口52aは、隔壁部49よりも、他方の端部32側に開口しているといえる。
また、第2実施形態においては、第1実施形態と異なり、他方の端部32側の隔壁部48が設けられてない。従って、第2実施形態においては、第3空間T3と第2空間T2とは、隔壁部によって遮断されず、連通されている。
第2実施形態において、対象物流入路50内に導入された前対象物A0は、重力により、対象物流入路50内をスクリュー軸12の他方の端部12B側に流れ、対象物投入口52aから、対象物投入口52aが開口する第1空間T1内に投入される。第1空間T1内に投入された前対象物A0は、重力と、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16の回転とによって、脱水されつつ他方の端部32に向かって螺旋状に移動する。第1空間T1内の前対象物A0は、このように、脱水されつつ他方の端部32に向かって移動して、対象物Aとして、第3空間T3内に流入する。第3空間T3に流入した対象物Aは、対象物排出口36を通って、ケージング10の外部に排出される。ここで、対象物投入口52aは、ケージング10の一方の端部30側に開口している。従って、対象物投入口52aから他方の端部32までの距離が長く保たれ、前対象物A0の他方の端部32までの移動距離が長くなり、前対象物A0の脱水量が多くなる。従って、第2実施形態においては対象物Aを高濃縮状態にすることができる。
一方、前対象物A0から分離された分離液Cは、間隙Hを介して第1空間T1から第2空間T2に流入し、第2空間T2内を一方の端部30側に螺旋状に移動して第4空間T4内に導入され、分離液排出口34から外部に排出される。
ここで、第2実施形態では、第3空間T3と第2空間T2とを遮蔽する隔壁部48が設けられていない。従って、第3空間T3に流入した対象物A(固形分)の一部は、分離液Cが流通する第2空間T2に流入する。しかし、第2空間T2に流入した対象物Aは、スクリュー軸12の回転により、他方の端部32側、すなわち第3空間T3側に戻される方向に移動する。また、対象物Aは、高濃縮状態なので、分離液Cと混ざり難い。従って、第2空間T2内に流入した対象物Aは、分離液Cと混ざって一方の端部30側に運ばれるのが抑制される上に、第2空間T2でさらに脱水されることが可能となる。なお、第2空間T2内で対象物Aから脱水された分離液Cは、他の分離液Cと共に、第2空間T2内を一方の端部30側に分離液排出口34から外部に排出される。
このように、第2実施形態においては、前対象物A0の他方の端部32までの移動距離を長くすることで、対象物Aを高濃縮化することが可能となるため、分離効率の低下を抑制することができる。さらに、隔壁部48が設ける必要が無くなることで、対象物Aを第2空間T2で脱水して濃縮効率をさらに上げると共に、ケージング10内の詰りを抑制することができる。
以上説明したように、第2実施形態において、対象物投入口52aは、ケージング10の延在方向Eにおける一方の端部30と他方の端部32との中央位置37と、一方の端部30との間に開口している。すなわち、スクリュー型分離装置1aは、対象物投入口52aを、一方の端部30側に設けている。従って、このスクリュー型分離装置1aによると、排出されるまでの前対象物A0の移動距離、すなわち濃縮時間を長く保って、対象物Aを高濃縮化することで、対象物の分離効率の低下を好適に抑制することができる。
(第1の実施例)
次に、上述したスクリュー型分離装置1を備えた第1の実施例としての排水処理システムについて説明する。図6は、第1の実施例による排水処理システムの一部を示す構成図である。
図6に示すように、この第1の実施例による排水処理システム100は、沈殿池101、沈殿池101の前段に配設された前段設備102、沈殿池101の後段に配設された後段設備103、引き抜きポンプ104、およびスクリュー型分離装置1を備える。沈殿池101は、前段設備102から供給された被処理水を、分離液と汚泥とに沈降分離する固液分離槽である。前段設備102は、例えば下水などの有機性排水を処理する、反応槽などの種々の処理槽を有して構成される設備である。後段設備103は、例えば焼却炉等を備え、スクリュー型分離装置1から排出された汚泥(濃縮汚泥)に対して、焼却処理や廃棄処理を行う設備である。引き抜きポンプ104は、沈殿池101から汚泥を引き抜いてスクリュー型分離装置1に供給するための汚泥引き抜き手段である。スクリュー型分離装置1は、沈殿池101よりも鉛直方向の上方(地表から離れる方向)に設けられている。
この排水処理システム100においては、前段設備102から排出された被処理水の少なくとも一部は、沈殿池101に供給される。沈殿池101においては、供給された被処理水を分離液と汚泥とに沈降分離させる。そして、分離された汚泥は、引き抜きポンプ104によって沈殿池101の下部から引き抜かれて、スクリュー型分離装置1に供給される。引き抜かれた汚泥は、対象物流入路50及び対象物投入口52(図1参照)を通じて、前対象物A0としてスクリュー型分離装置1の内部に搬入される。
スクリュー型分離装置1においては、上述した実施形態と同様にして分離液Cを分離させる。分離された分離液Cは、沈殿池101に返送される。分離された後(脱水された後)の対象物Aは、濃縮汚泥として後段設備103に搬送され、焼却処理や廃棄処理が行われる。以上により、この第1の実施例による排水処理が実行される。
以上説明した第1の実施例によれば、上述した実施形態によるスクリュー型分離装置1を用いて、沈殿池101から引き抜いた前対象物A0を濃縮し、分離液Cを沈殿池101に返送している。これにより、対象物Aの濃縮濃度を改善できるとともに、沈殿池101の維持管理性を大幅に改善できる。すなわち、沈殿池101内において多くの場合、中間水が存在する。このような中間水が存在すると、汚泥(前対象物A0)の引き抜き時に汚泥(前対象物A0)よりも水分の方が優先的に引き抜かれてしまう。そのため、汚泥(前対象物A0)を圧縮しても濃縮濃度が増加しないという問題がある。この問題に対して上述した第1の実施例によれば、沈殿池101の後段にスクリュー型分離装置1を配設していることにより、引き抜いた汚泥(前対象物A0)から中間水だけを分離して沈殿池101に返送できる。そのため、汚泥(前対象物A0)の濃縮濃度を向上させることができるので、従来のように沈殿池101内において中間水が含まれた状態であっても汚泥(前対象物A0)の濃縮濃度を向上できる。その上、上述したスクリュー型分離装置1は低コストで製造できるので、排水処理システム100も低コストで実現できる。さらに、汚泥(前対象物A0)がケージング10内において目詰まりした場合であっても、スクリュー軸12を方向Rに対して逆回転させれば、目詰まりを容易に除去することができる。
(第1の実施例の第1変形例)
次に、上述した第1の実施例の変形例について説明する。図7は、第1の実施例の変形例を説明するための沈殿池を示す略線図である。図7に示すように第1変形例においては、沈殿池101の下部に一実施形態によるスクリュー型分離装置1を設ける。そして、沈殿池101の下部に沈降した汚泥を、漏斗などの汚泥回収装置(図示せず)を用いて、対象物投入口52(図1参照)を通じてスクリュー型分離装置1の内部に、前対象物A0として供給する。スクリュー型分離装置1は、濃縮した汚泥(対象物A)を外部に排出し、分離した分離液Cを配管(図示せず)などによって内部または外部を通じて、沈殿池101内に返送する。なお、分離液Cを外部に排出することも可能である。その他の構成は、上述した第1の実施例と同様である。
(第1の実施例の第2変形例)
また、第2変形例として、スクリュー型分離装置1の前段に沈殿池101などの重力沈降槽を設けた場合、沈殿池101内に、汚泥を掻き寄せるレーキの上辺に直立させた棒状部材からなる、ピケットフェンス(図示せず)を設けることも可能である。ピケットフェンスを設けることにより、沈殿池101内において汚泥の沈降を促進でき、いわゆる凝集が促進される。したがって、スクリュー型分離装置1による対象物Aと分離液Cとの分離をより一層効率化でき、固液分離性を大きく改善できる。
(第2の実施例)
次に、上述した一実施形態によるスクリュー型分離装置1を備えた第2の実施例としての排水処理システムについて説明する。図8は、第2の実施例による排水処理システムの一部を示す構成図である。
図8に示すように、この第2の実施例による排水処理システム200は、反応槽201、反応槽201の前段に配設された前段設備202、反応槽201の後段に配設された沈殿池204、引き抜きポンプ203a,203b、およびスクリュー型分離装置1を備える。スクリュー型分離装置1は、反応槽201及び沈殿池204よりも鉛直方向の上方(地表から離れる方向)に設けられている。
反応槽201は、例えば複数の生物反応槽から構成される。反応槽201を構成する生物反応槽は、例えば嫌気槽、無酸素槽、および好気槽などの種々の生物反応槽である。前段設備202は、例えば下水などの有機性排水を処理する、沈砂池や傾斜板沈殿池などを有して構成される設備である。引き抜きポンプ203aは、反応槽201から活性汚泥などの汚泥を引き抜いて、前対象物A0としてスクリュー型分離装置1に供給するための汚泥引き抜き手段である。同様に引き抜きポンプ203bは、反応槽201から汚泥を引き抜いて、後段の沈殿池204に供給するための汚泥引き抜き手段である。沈殿池204は、反応槽201やスクリュー型分離装置1からそれぞれ供給される被処理水や分離液Cを、分離液Cと汚泥(対象物A)とに沈降分離する固液分離槽である。
この第2の実施例による排水処理システム200においては、前段設備202から排出された被処理水の少なくとも一部は、反応槽201に供給される。反応槽201においては、被処理水に対して硝化処理や脱窒処理などの生物処理を行う。反応槽201内の活性汚泥は、引き抜きポンプ203a,203bにより引き抜かれる。引き抜きポンプ203aにより引き抜かれた汚泥は、前対象物A0としてスクリュー型分離装置1に供給され、対象物投入口52(図1参照)を通じて内部に搬入される。
スクリュー型分離装置1においては、搬入された汚泥(前対象物A0)が濃縮されて分離液Cが分離される。分離された分離液Cは、後段の沈殿池204に供給される。一方、反応槽201から引き抜きポンプ203bにより引き抜かれた汚泥および被処理水は、沈殿池204に供給される。沈殿池204においては、第1の実施例と同様に重力沈降による固液分離処理が実行される。以上により、この第2の実施例による排水処理が実行される。
以上説明した第2の実施例によれば、スクリュー型分離装置1を用いて、反応槽201から汚泥(前対象物A0)を引き抜いて圧縮濃縮し、圧縮濃縮した汚泥(対象物A)を反応槽201に返送するとともに、分離液Cを固液分離槽としての沈殿池204に供給している。これにより、次のような問題点を解決することができる。
すなわち、従来、沈殿池204から反応槽201に向けて汚泥(対象物A)を返送するための返送ポンプ(図示せず)の稼働に使用する電力は極めて大きかった。これに対し、この第2の実施例によれば、スクリュー型分離装置1を用いて圧縮濃縮した汚泥(対象物A)を反応槽201に返送できるので、汚泥(対象物A)の返送に要する電力を大幅に低減できる。さらに、このスクリュー型分離装置1を用いることによって、十分に固液分離を行うことができる。これにより、沈殿池204における汚泥の引き抜きの頻度を低減することができるので、排水処理システム200において電力を削減して省エネルギー化を図ることができる。
また、従来、反応槽201内に分離膜を設ける構成の場合、初期コストおよび設備のメンテナンスに要する負担が大きいという問題があった。これに対し、分離膜に代えて、低コストのスクリュー型分離装置1を導入することができるので、初期のコストを低減できる。また、スクリュー型分離装置1の維持管理が容易であることから、メンテナンスの負担を低減できるので、メンテナンスコストを低減できる。
さらに、この第2の実施例によれば、反応槽201を高MLSS化することができるので、沈殿池204における負荷を低減でき、反応槽201からの汚泥の引き抜きに使用する引き抜きポンプ203a,203bの消費電力を低減することができる。したがって、排水処理システム200において省エネルギー化を図ることができる。
また、各実施例において、スクリュー型分離装置1に投入される汚泥(前対象物A0)は、凝集剤が添加されたものではなく、凝集剤を含有しない。すなわち、沈殿池101の汚泥には、凝集剤が添加されておらず、反応槽201の汚泥にも、凝集剤が添加されていない。このスクリュー型分離装置1は、重力により分離を行うため、凝集剤を含有しない汚泥に対しても、分離効率の低下を抑制することができる。ただし、上述のように、汚泥(前対象物A0)は、凝集剤が添加されたものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。例えば、上述の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
上述の実施形態においては、スクリュー軸12を円柱状の軸から構成しているが、必ずしもこの形状に限定されるものではない。例えば、スクリュー軸12を、ケージング10の一方の端部30から他方の端部32側に向けて径が徐々に大きくなる、いわゆる拡径形状にすることも可能である。
また、上述の実施形態においては、汚泥を固形分と水分とに分離する固液分離装置を例にしているが、必ずしも汚泥の固液分離に限定されるものではなく、固体と液体とを分離する種々の方法に適用することも可能である。
また、上述の実施形態において、分離液排出口34の位置は種々変更可能な構成にすることも可能である。
また、上述の実施形態においては、分離液Cの第1空間T1から第2空間T2への移動は間隙Hを通じて行われているが、必ずしも間隙Hの構成に限定されるものではない。例えば、第1スクリュー羽根14や第2スクリュー羽根16の少なくとも一部に、メッシュ状や多数の微小孔を有するろ過手段を併せて設け、分離液Cを第1空間T1から第2空間T2に移動可能に構成してもよい。
また、上述した実施形態によるスクリュー型分離装置1を、脱水機の前濃縮機、民需用簡易濃縮機、および合流改善スクリーンなどとして利用することも可能である。
上述の一実施形態における第1の実施例においては、引き抜きポンプ104により引き抜かれる汚泥を、沈殿池101内に沈降した汚泥としているが、必ずしも沈降した汚泥に限定されない。例えば、夏季などに沈殿池101内では浮上汚泥が発生しやすくなるが、この浮上汚泥を引き抜きポンプ104によって引き抜いて、スクリュー型分離装置1に供給することも可能である。
また、上述の第1の実施例においては、一実施形態によるスクリュー型分離装置1を沈殿池101と組み合わせた例について説明したが、必ずしもこの形態に限定されない。具体的に例えば、ろ過濃縮装置とスクリュー型分離装置1とを組み合わせることも可能である。この場合、ろ過濃縮装置における汚泥を引き抜くラインやろ過濃縮装置の底部に、上述したスクリュー型分離装置1を設置することが可能である。ここで、ろ過濃縮装置においては、運転が間欠運転であるため、濃縮された汚泥はろ過濃縮装置内に一時的に貯留され、汚泥の引き抜きは下部から行われる。そのため、この一時的に貯留された時に汚泥の上部に貯留される上澄み液が濃縮された汚泥とともに引き抜かれる。これにより、上述した第1の実施例における問題と同様の問題が存在するが、この一実施形態によるスクリュー型分離装置1を用いることにより、汚泥を引き抜く際に、上澄み液(上澄み水)を分離することができるので、濃縮された汚泥の濃縮濃度を安定的に高濃度化することが可能になる。
以上、本発明の実施形態、実施例及び変形例を説明したが、これら実施形態等の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態等の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。