JP7017344B2 - 蓄電デバイス用セパレータ - Google Patents
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Description
特許文献2では、銅を主成分とするシート状の負極集電体と、アルミニウムを主成分とするシート状の正極集電体を有する電池について、正極集電体の厚みが負極集電体の厚みよりも小さい場合に、該電池の釘刺試験時の安全性が検討されている。
特に、円筒型の外装体内に捲回体と電解液が収納されている円筒型二次電池において、セパレータの破断と捲きズレによる生産性の悪化が顕著になる。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
少なくとも1つの多孔膜を含む基材と、
前記基材の少なくとも1つの面の少なくとも1つの領域に存在するポリマー含有層と
を有する蓄電デバイス用セパレータであって、圧壊試験について下記式(A):
294.2N(30kgf)≦Fsep-Fbase≦980.7N(100kgf) (A)
{式中、Fsepは、前記蓄電デバイス用セパレータと電極を用いた円筒型蓄電デバイスの圧壊試験の最大応力であり、かつ
Fbaseは、前記基材と前記電極を用いた円筒型蓄電デバイスの圧壊試験の最大応力である}
で表される関係を満たす前記蓄電デバイス用セパレータ。
[2]
前記セパレータの幅方向の引張り強度が、0.9kgf/cm以上4.0kgf/cm以下である、[1]に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[3]
前記セパレータの前記ポリマー含有層の厚さが、0.1μm以上3.0μm以下である、[1]又は[2]に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[4]
前記セパレータの前記ポリマー含有層に対して、アルミニウム箔を、温度80℃及び圧力1MPaで2分間加圧した後の90°剥離強度が4.0mN/mm(4.0gf/cm)以上である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[5]
前記ポリマーが、含フッ素樹脂及び/又はアクリル系樹脂である、[1]~[4]のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[6]
前記ポリマーが、前記アクリル系樹脂である、[5]に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[7]
前記ポリマーの融点及び/又はガラス転移温度が20℃以上である、[1]~[6]のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[8]
[1]~[7]のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータと、
正極と、
負極と、
から成る積層体。
[9]
[8]に記載の積層体が捲回されている捲回体。
[10]
[8]に記載の積層体又は[9]に記載の捲回体と電解液とを含む蓄電デバイス。
[11]
正極活物質の容量密度が150mAh/g以上である、[10]に記載の蓄電デバイス。
[12]
円筒型の外装体内に[9]に記載の捲回体と電解液とが収納されている円筒型二次電池。
294.2N(30kgf)≦Fsep-Fbase≦980.7N(100kgf) (A)
{式中、Fsepは、蓄電デバイス用セパレータと電極を用いた円筒型蓄電デバイスの圧壊試験の最大応力であり、かつ
Fbaseは、基材と電極を用いた円筒型蓄電デバイスの圧壊試験の最大応力である}
で表される関係を満たす。
捲回は、正極と負極には、捲回軸の回転方向と反対方向に600gの張力を加え、セパレータには、捲回軸の回転方向と反対方向に200gの張力を加えて行う。
捲回は、正極と負極には、捲回軸の回転方向と反対方向に600gの張力を加え、セパレータには、捲回軸の回転方向と反対方向に200gの張力を加えて行う。
非水電解液は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒(キシダ化学(株)製Lithium Battery Grade)に、LiPF6を1mol/Lとなるように溶解した、非水電解質である。
圧壊試験の詳細については実施例において説明する。なお、本明細書では、用語「圧壊試験」と用語「衝突試験」を区別して用いることを理解されたい。
本実施形態に係るセパレータは、蓄電デバイスの製造に使用されることができる。セパレータに係る各構成について以下に説明する。
ポリマーは、単数の多孔膜、又は少なくとも一方の表面に無機フィラー及び樹脂製バインダを含む多孔層を有する多孔膜(これらをあわせて「基材」ともいう)の少なくとも1つの面の少なくとも1つの領域に配置される。基材上に配置されるポリマーは、電極に適用されるときにセパレータと電極を接着し、かつセパレータの動作に電極を追従させるために、熱可塑性ポリマーであることが好ましい。本明細書では、用語「熱可塑性ポリマー」は、セパレータと電極を接着するためのバインダ類として通常使用される熱可塑性ポリマー、又は電解液中で加熱により接着性を発現するポリマーを含むものとする。すなわち、ポリマー層は、電極とセパレータとの間で接着層として機能し得るものである。
上記ポリマーを含有する層(以下「ポリマー層」という)は、基材の少なくとも片面上に形成される。ポリマー層は、基材の少なくとも片面の少なくとも一部の領域に形成されていればよい。
本実施形態で使用される熱可塑性ポリマーは、特に限定されないが、例えば、以下の:
ポリエチレン、ポリプロピレン、α-ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂;
ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素樹脂又はこれらを含むコポリマー;
ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンをモノマー単位として含むジエン系ポリマー又はこれらを含むコポリマー及びその水素化物;
アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどをモノマー単位として含むアクリル系樹脂又はこれらを含むコポリマー及びその水素化物;
エチレンプロピレンラバー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のゴム類;
エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;
ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエステル等の融点及び/又はガラス転移温度が180℃以上の樹脂:並びに
これらの混合物等が挙げられる。
ジエン系ポリマーは、特に限定されないが、例えば、ブタジエン、イソプレン等の、共役の二重結合を2つ有する共役ジエンモノマーを重合することにより得られるモノマー単位を含むポリマーである。
その他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β-不飽和ニトリル化合物;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸類;スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α-メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビエルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類;N-ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物;メチルアクリレート、メチルメタクリレート等のアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル化合物;β-ヒドロキシエチルアクリレート、β-ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシアルキル基含有化合物;アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のアミド系モノマーなどが挙げられる。
これらの内の1種を使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アクリル系樹脂は、特に限定されないが、好ましくは(メタ)アクリレートモノマーを重合することにより得られるモノマー単位を含むポリマーである。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸又はメタクリル酸」を示し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を示す。
含フッ素樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フッ化ビニリデンのホモポリマー、及びフッ化ビニリデンと共重合可能なモノマーとのコポリマーが挙げられる。含フッ素樹脂は、電気化学的安定性の観点から好ましい。
熱可塑性ポリマーを合成する際に使用するモノマーとして、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基、アミド基及びシアノ基から成る群から選択される少なくとも1つの基を有するモノマーを使用してよい。
本実施形態で用いる熱可塑性ポリマーの熱特性については、蓄電デバイス圧壊試験におけるセパレータに対する電極の追従性及びセパレータと電極との接着性の観点から、少なくとも1種のポリマーの融点が、20℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましく、40℃以上であることが特に好ましい。本明細書では、ポリマーの融点とは、ポリマーの示差走査熱量測定(DSC)で得られるDSC曲線において、結晶性ポリマーの融解に伴う吸熱ピークと対応する温度(℃)をいう。
本実施形態で用いる熱可塑性ポリマーのガラス転移温度は、特に限定されないが、-50℃以上であり、好ましくは20℃以上であり、より好ましくは20℃~120℃であり、更に好ましくは20℃~100℃である。熱可塑性ポリマーのTgが20℃以上であると、上記ポリマー層を備えるセパレータの最表面がべたつくことを抑制でき、ハンドリング性が向上する傾向にある。また、Tgが120℃以下であると、セパレータの電極(電極活物質)との接着性がより良好になる傾向があり、またTgが20℃以下であると、電解液に含浸する前の乾燥状態でも接着性を発現するため良好である。
ここで、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)で得られるDSC曲線から決定される。なお、本明細書では、ガラス転移温度を「Tg」と表現する場合もある。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+‥‥+Wi/Tgi+‥‥Wn/Tgn (2)
{式中、Tg(K)は、コポリマーのガラス転移温度(Tg)であり、Tgi(K)は、各モノマーiのホモポリマーのTgであり、かつWiは、各モノマーの質量分率である}
より概算することもできる。ただし、FOXの式により得られるTgは、あくまでも概算値であるため、本願明細書では、特に言及しない限り、熱可塑性ポリマーのTgとしては、上記DSCを用いた方法により測定したTgを採用する。
熱可塑性ポリマーは、粒状でもよく、より詳細には、1種類の熱可塑性ポリマー又は複数の熱可塑性ポリマーの混合物から成る粒子であるか、又はコアシェル構造を有してよい。
熱可塑性ポリマーが粒状であるとき、「粒状」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)の測定において、個々のポリマーが輪郭を持った状態のことを指す。したがって、粒状熱可塑性ポリマーは、例えば、扁平形状であっても、球状であっても、多角形状等であってもよい。
セパレータの製造方法の一態様は、上記で説明されたポリマーを含む塗工液を基材上に塗工する工程を含む。
本実施形態では、基材は、少なくとも1つの多孔膜を含み、かつ少なくとも1つの面の少なくとも1つの領域にポリマーが配置される。
多孔膜としては、電子伝導性が小さく、イオン伝導性を有し、有機溶媒に対する耐性が高く、かつ孔径の微細なものが好ましい。
ポリオレフィン樹脂多孔膜は、蓄電デバイス用セパレータとして使用した時のシャットダウン性能等を向上させる観点から、多孔膜を構成する樹脂成分の50質量%以上100質量%以下をポリオレフィン樹脂が占めるポリオレフィン樹脂組成物により形成される多孔膜であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂組成物におけるポリオレフィン樹脂が占める割合は、60質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
所望により、蓄電デバイス用セパレータのシャットダウン特性の観点から、ポリオレフィン微多孔膜は、ポリエチレンに加えて、ポリプロピレン、及びプロピレンと他のモノマーの共重合体、並びにこれらの混合物を含んでよい。
ポリプロピレンの具体例としては、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、アタクティックポリプロピレン等、
共重合体の具体例としては、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレンプロピレンラバー等、が挙げられる。
中でも、ポリオレフィン微多孔膜を電池用セパレータとした時に低融点かつ高強度の要求性能を満たす観点から、ポリオレフィン樹脂として、高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。なお、本明細書において、高密度ポリエチレンとは、密度0.942~0.970g/cm3のポリエチレンをいう。高密度ポリエチレンの密度は、多孔膜の強度の点から、0.960~0.969(g/cm3)、又は0.950~0.958(g/cm3)であることが好ましい。なお、本明細書において、ポリエチレンの密度とは、JIS K7112(1999)に従って測定した値をいう。
多孔膜は、上述した材料から成る単層膜であってもよく、積層膜であってもよい。
平均孔径は、組成比、押出シートの冷却速度、延伸温度、延伸倍率、熱固定温度、熱固定時の延伸倍率、熱固定時の緩和率を制御すること、又はこれらを組み合わせることにより調整することができる。
気孔率(%)={体積(cm3)-質量(g)/ポリオレフィン樹脂組成物の密度(g/cm3)}/体積(cm3)×100
を用いて算出することができる。
多孔膜の気孔率は、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤の混合比率、延伸温度、延伸倍率、熱固定温度、熱固定時の延伸倍率、熱固定時の緩和率を制御すること、又はこれらを組み合わせることによって調整することができる。
(1)ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材(可塑剤)とを溶融混練してシート状に成形後、必要に応じて延伸した後、可塑剤を抽出することにより多孔化させる方法、
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練して高ドロー比で押出した後、熱処理と延伸によってポリオレフィン結晶界面を剥離させることにより多孔化させる方法、
(3)ポリオレフィン樹脂組成物と無機充填材とを溶融混練してシート上に成形した後、延伸によってポリオレフィンと無機充填材との界面を剥離させることにより多孔化させる方法、
(4)ポリオレフィン樹脂組成物を溶解後、ポリオレフィンに対する貧溶媒に浸漬させてポリオレフィンを凝固させると同時に溶剤を除去することにより多孔化させる方法、
等が挙げられる。
フィラー多孔層は、無機フィラー及び樹脂バインダを含む。
(無機フィラー)
フィラー多孔層に使用する無機フィラーとしては、特に限定されないが、200℃以上の融点を持ち、電気絶縁性が高く、かつリチウムイオン二次電池の使用範囲で電気化学的に安定であるものが好ましい。
無機フィラーとしては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄等の酸化物系セラミックス;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス;シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリナイト、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂等のセラミックス;ガラス繊維等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。
アルミナ、水酸化酸化アルミニウム等の酸化アルミニウム化合物;及び
カオリナイト、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、パイロフィライト等の、イオン交換能を持たないケイ酸アルミニウム化合物が好ましい。
フィラー多孔層に含有される樹脂バインダの種類としては、特に限定されないが、リチウムイオン二次電池の電解液に対して不溶であり、かつリチウムイオン二次電池の使用範囲において電気化学的に安定な樹脂バインダを用いることが好ましい。
このような樹脂バインダの具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素樹脂;フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体等の含フッ素ゴム;スチレン-ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体及びその水素化物、メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル-アクリル酸エステル共重合体、エチレンプロピレンラバー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のゴム類;エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエステル等の、融点及び/又はガラス転移温度が180℃以上の樹脂等が挙げられる。
樹脂バインダの平均粒径は、重合時間、重合温度、原料組成比、原料投入順序、pHなどを調整することで制御することが可能である。
フィラー多孔層の層密度は、0.5~3.0g/cm3であることが好ましく、0.7~2.0cm3であることがより好ましい。フィラー多孔層の層密度が0.5g/cm3以上であると、高温での熱収縮率が良好となる傾向にあり、3.0g/cm3以下であると、透気度が低下する傾向にある。
塗工液を基材に塗工する方法は、必要とする層厚及び塗工面積を実現できる限り特に限定されない。樹脂バインダを含んだフィラー原料と、ポリマー基材原料とを共押出法により積層して押出してもよいし、基材とフィラー多孔膜とを個別に作製した後に貼り合せてもよい。
本実施形態に係るセパレータは、基材上にポリマー層を備えることにより、電極活物質との接着性に優れ、かつセパレータの動作に電極を追従させる。
本実施形態に係るセパレータを電極と重ねることにより、セパレータと電極とが積層している積層体を得ることができる。
積層体は、捲回時のハンドリング性並びに蓄電デバイスのレート特性及びサイクル特性だけでなく、接着性及び透過性にも優れる。そのため、積層体は、例えば、非水電解液二次電池等の電池、コンデンサー、キャパシタ等の蓄電デバイスに好適に使用されることができる。
積層体は、正極/セパレータ/負極/セパレータの順に平板状に積層し、加圧及び必要に応じて補助的に加熱して製造することもできる。
本実施形態に係る蓄電デバイスの正極活物質の容量密度は、高出力化または高寿命化の観点から、150mAh/g以上であることが好ましく、160mAh/g以上であることがより好ましく、170mAh/g以上であることがさらに好ましいが、容量密度が高くなるほど、蓄電デバイスの安全性を確保することが難しくなるため、圧壊試験の安全性に効果がある本発明は有効と考えられる。
正極材料としては、特に限定されないが、例えば、LiCoO2、LiNiO2、スピネル型LiMnO4、オリビン型LiFePO4等のリチウム含有複合酸化物等が挙げられる。
負極材料としては、特に限定されないが、例えば、黒鉛質、難黒鉛化炭素質、易黒鉛化炭素質、複合炭素体等の炭素材料;シリコン、スズ、金属リチウム、各種の合金材料等が挙げられる。
非水電解液としては、特に限定されないが、電解質を有機溶媒に溶解した電解液を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等が挙げられる。電解質としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩が挙げられる。
このような構成を有する円筒型二次電池は、例えば安全規格UL1642及び/又はUL2054に従って、二次電池の衝突試験に合格するために有意に優れており、電池の安全性と出力特性の両立を達成し易い。
さらに、このような構成を有する円筒型二次電池は、セパレータと電極から成る積層体又は捲回体の加圧/加熱工程の代わりに円筒型二次電池の作製後に40℃~80℃で1時間~100時間に亘って円筒型二次電池を保管することにより容易に安定化されることができるので、生産性にも優れる。
実施例又は比較例中の物性は、それぞれ以下の方法により測定した。なお、特に測定雰囲気が明示されていないものは、23℃、1気圧、及び相対湿度50%の大気中において測定した。
(1)ポリオレフィンの粘度平均分子量(Mv)
ASTM-D4020に準拠して、デカリン溶媒中における135℃での極限粘度[η](dl/g)を求めた。
ポリエチレンのMvは、次式により算出した。
[η]=6.77×10-4Mv0.67
ポリプロピレンのMvは、次式により算出した。
[η]=1.10×10-4Mv0.80
(2-1)基材及び蓄電デバイス用セパレータ層の厚さ(μm)
基材及び蓄電デバイス用セパレータからそれぞれMD10mm×TD10mmのサンプルを切り出した。該サンプル面上で格子状に9箇所(3点×3点)を選び、各箇所の膜厚を微小測厚器(東洋精機製作所(株) タイプKBM)を用いて室温23±2℃で測定した。各々、9箇所の測定値の平均値を、基材及び蓄電デバイス用セパレータの膜厚(μm)とした。
ポリマー層の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)「型式S-4800、HITACHI社製」を用い、セパレータの断面観察により測定した。セパレータのサンプルを1.5mm×2.0mm程度に切り取り、ルテニウム染色した。ゼラチンカプセル内に染色サンプル及びエタノールを入れ、液体窒素により凍結させた後、ハンマーでサンプルを割断した。このサンプルに対してオスミウムを蒸着したうえで、加速電圧1.0kV、30,000倍にて観察し、ポリマー層の厚さを算出した。なお、SEM画像にて基材断面の多孔構造が見えない最表面領域をポリマー層の領域とした。
基材が、多孔膜と多孔層とを含む多層多孔膜である場合、それぞれの膜厚は以下のように測定する。多孔膜及び多層多孔膜からそれぞれMD10mm×TD10mmのサンプルを切り出し、格子状に9箇所(3点×3点)を選んで、膜厚をダイヤルゲージ(尾崎製作所製PEACOCK No.25(登録商標))を用いて測定し、9箇所の測定値の平均値を多孔膜及び多層多孔膜の膜厚(μm)とした。また、このように測定された多層多孔膜の膜厚と多孔膜の膜厚との差を多孔層の層厚(μm)とした。
多孔膜から10cm×10cm角のサンプルを切り取り、その体積(cm3)及び質量(g)を求めた。これらの値を用い、多孔膜の密度を0.95(g/cm3)として、気孔率を次式により計算した。
気孔率(%)=(1-質量/体積/0.95)×100
JIS P-8117準拠のガーレー式透気度計(東洋精機製G-B2(商標)、内筒質量:567g)を用い、645mm2の面積(直径28.6mmの円)の基材について、空気100ccが通過する時間(秒)を測定し、これを基材の透気度(秒/100cc)とした。
JIS K7127に準拠し、島津製作所製の引張試験機、オートグラフAG-A型(商標)を用いて、サンプル(形状;幅10mm×長さ100mm)について引張破断強度を測定した。また、サンプルはチャック間を50mmとした。引張破断強度(MPa)は、TD方向の測定値である。なお、測定は、温度23±2℃、チャック圧0.30MPa、及び引張速度200mm/分の条件下で行った。
熱可塑性ポリマーの塗工液(不揮発分=38~42%、pH=9.0)をアルミ皿に適量取り、130℃の熱風乾燥機で30分間乾燥した。乾燥後の乾燥皮膜約17mgを測定用アルミ容器に詰め、DSC測定装置(島津製作所社製、DSC6220)にて窒素雰囲気下におけるDSC曲線及びDDSC曲線を得た。なお測定条件は下記のとおりとした。
(1段目昇温プログラム)
70℃スタート、毎分15℃の割合で昇温、110℃に到達後5分間維持。
(2段目降温プログラム)
110℃から毎分所定の割合で降温、-50℃に到達後所定時間維持。
上記2段目降温プログラムにおける降温速度、及び-50℃の維持時間は、それぞれ、以下のとおりである。
(製造例A1及びA2)
降温速度 40℃/min
維持時間 5分間
(3段目昇温プログラム)
-50℃から毎分15℃の割合で130℃まで昇温。この3段目の昇温時にDSC及びDDSCのデータを取得した。
そして、ベースライン(得られたDSC曲線におけるベースラインを高温側に延長した直線)と、変曲点(上に凸の曲線が下に凸の曲線に変わる点)における接線との交点をガラス転移温度(Tg)とした。
粒径測定装置(LEED&NORTHRUP社製、商品名「MICROTRAC UPA150」)を用いて光散乱法によりポリマーの50%粒径(nm)を平均粒径として測定した。
テフロン(登録商標)板上に、ポリマー塗工液(不揮発分:38~42%、pH:9.0)をスポイトで滴下し(直径5mm以下)、130℃の熱風乾燥機で30分間乾燥した。乾燥後、乾燥皮膜を約0.5g精秤(a)し、50mLポリエチレン容器に取り、そこに30mLのトルエンを注ぎ入れて3時間室温で振とうした。その後、内容物を325メッシュでろ過し、メッシュ上に残ったトルエン不溶分をメッシュごと、130℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させた。なお、使用する325メッシュの乾燥重量を予め量っておいた。
トルエンを揮発させた後、トルエン不溶分の乾燥体と325メッシュの重量から、予め量っておいた325メッシュの乾燥重量を差し引くことによりトルエン不溶分の乾燥重量(b)を得た。ゲル分率(トルエン不溶分)を以下の計算式で算出した。
原料ポリマーのゲル分率(トルエン不溶分)=(b)/(a)×100 [%]
原料ポリマー又は原料ポリマー分散液を130℃のオーブン中に1時間静置した後、乾燥させたポリマーを重量が0.5gになるように切り取り、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=2:3(質量比)の混合溶媒10gと共に50mLのバイアル瓶に入れた。バイアル瓶中のサンプルを3時間浸透させた後、サンプルを取り出し、上記混合溶媒にて洗浄し、重量(Wa)を測定した。サンプルを150℃のオーブン中に1時間静置した後、重量(Wb)を測定し、下記式でポリマーの電解液に対する膨潤度を測定した。
熱可塑性ポリマーの電解液に対する膨潤度(倍)=(Wa-Wb)÷(Wb)
被着体として正極集電体(冨士加工紙(株)製アルミニウム箔、厚さ:20μm)を30mm×150mmに切り取った。一方、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを2:3の比率(体積比)にて混合した電解液(富山薬品工業製)に、セパレータ(サイズ:幅20mm、長さ100mm)を浸漬して十分に濡らした後に引き上げた。次いで、上記集電体に十分に濡らした基材を重ね合わせた後、それらを2枚のテフロン(登録商標)シート(ニチアス(株)製ナフロンPTFEシート TOMBO-No.9000(製品名))で挟んだ。それらに対して、80℃、1MPaの条件で、2分間プレスを行って得られた積層体を加熱剥離強度試験用のサンプルとした。得られた試験用サンプルのセパレータと集電体との間の90°剥離強度を、(株)イマダ製のフォースゲージZP5N及びMX2-500N(製品名)を用いて、引張速度50mm/分で測定し、以下の基準で評価した。
◎(極めて良好):剥離強度が、8mN/mm以上
○(良好):剥離強度が、6mN/mm以上8mN/mm未満
△(可):剥離強度が、4mN/mm以上6mN/mm未満
×(不良):剥離強度が、4mN/mm未満
a.正極の作製
正極活物質としてニッケル、マンガン、コバルト複合酸化物(NMC)(Ni:Mn:Co=1:1:1(元素比)、密度4.70g/cm3、容量密度175mAh/g)を90.4質量%、導電助材としてグラファイト粉末(KS6)(密度2.26g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を1.6質量%及びアセチレンブラック粉末(AB)(密度1.95g/cm3、数平均粒子径48nm)を3.8質量%、並びにバインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(密度1.75g/cm3)を4.2質量%の比率で混合し、これらをN-メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔にダイコーターを用いて塗布し、130℃において3分間乾燥する工程を両面について行った後、ロールプレス機を用いて圧延した。圧延後のものを57.0mm幅、750mm長さに切断して正極を得た。この時の正極活物質塗布量は218g/m2であった。
負極活物質としてグラファイト粉末A(密度2.23g/cm3、数平均粒子径12.7μm)を87.6質量%及びグラファイト粉末B(密度2.27g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を9.7質量%、並びにバインダとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%(固形分換算)(固形分濃度1.83質量%水溶液)及びジエンゴム系ラテックス1.7質量%(固形分換算)(固形分濃度40質量%水溶液)を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔にダイコーターで塗布し、120℃において3分間乾燥する工程を両面について行った後、ロールプレス機を用いて圧延した。圧延後のものを58.5mm幅、800mm長さに切断して負極を得た。この時の負極活物質塗布量は104g/m2であった。
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:2で混合した混合溶媒(キシダ化学(株)製Lithium Battery Grade)に、LiPF6を1mol/Lとなるように溶解して、非水電解質である電解液を得た。
作製した正極と負極とを、幅60.0mmにスリットしたセパレータの両側に重ねて筒状に巻いた捲回体を得た。これらの部材の捲回操作には、直径約4mmで半割れ構造の捲回軸が備えられている捲回装置を使用した。そして、ロール状に巻かれた2本のセパレータを引きだし、捲回軸の半割れ部分に挟み込んで捲回軸を数回回転させて巻取り、セパレータとセパレータの間に正極および負極を挿入して捲回した。正極と負極には、捲回軸の回転方向と反対方向に600gの張力を加えた。セパレータには、捲回軸の回転方向と反対方向に200gの張力を加えた。正極および負極を巻き終えた後、さらにセパレータを数回巻いて切断した。作製した捲回体を、直径18mm、長さ65mmのステンレス製の円筒型電池ケース(外装体)に挿入した。次いで、そこに、上記電解液を5mL注入し、捲回体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉して非水電解質二次電池を作製した。
d.で得た非水電解質二次電池を、60℃の環境下で48時間保存した。
e.で得た非水電解質二次電池を、25℃の環境下、0.3Cの定電流で充電し、4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で充電して、0.3Cの定電流で3.0Vまで放電した。定電流での充電と定電圧での充電時間の合計を8時間とした。なお、1Cとは電池が1時間で放電される電流値である。
次に、電池を1Cの定電流で充電し、4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で充電して、1Cの定電流で3.0Vまで放電した。定電流での充電と定電圧での充電時間の合計を3時間とした。また、1Cの定電流で放電した時の容量を1C放電容量(mAh)とした。
図1は、圧壊試験装置の外観及び試料の配置を示す写真である。図1を参照して、実施例及び比較例における圧壊試験の手順を以下に説明する。
25℃の環境下で、f.で得た非水電解質二次電池の1C放電容量の50%容量を、1Cの定電流で充電した。
次に25℃の環境下で、電池をステンレス製の設置台に横向きに置き、電池の縦軸方向に対して、直角に圧力が加わるように、ステンレス製の上治具(R=5×L=25mm)を電池から10cm離れた上部からスタートして速度1cm/secで降下していき、電池外装に到達した時点を0mmとして、速度1mm/secで6mmに到達するまで電池を押し潰してから、その6mm位置を5sec保持した後、5.4mm/sの速度でスタート位置に戻した。この時、電池に掛かる最大荷重を剛性応力とした。
また、応力差は下記式から算出した。
応力差=Fsep-Fbase
{式中、Fsepは、セパレータと電極を用いた電池の圧壊試験の最大応力(N)であり、かつFbaseは、基材と電極を用いた電池の圧壊試験の最大応力(N)である。}
図2は、UL規格1642及び/又は2054に従う衝突試験の概略図である。
UL規格1642及び/又は2054では、試験台上に配置された試料の上に、試料と丸棒(φ=15.8mm)が概ね直交するように、丸棒を置いて、丸棒から610±25mmの高さの位置から、丸棒の上面へ9.1kg(約20ポンド)の錘を落すことにより、試料に対する衝撃の影響を観察する。
図2とUL規格1642及び2054を参照して、実施例及び比較例における衝突試験の手順を以下に説明する。
25℃の環境下で、f.で得た非水電解質二次電池を1Cの定電流で充電し、4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で合計3時間充電した。
次に、25℃の環境下で、電池を平坦な面に横向きに置き、電池を横切るように、直径15.8mmのステンレスの丸棒を電池の中央に配置した。電池の中央に配置した丸棒から電池の縦軸方向に対して、直角に衝撃が加わるように、9.1kgの錘を61±2.5cmの高さから落下させた。その後、電池の外装温度を測定し、かつ電池からのガスの噴出の有無と電池の発火の有無を観察した。なお、電池の外装温度とは、電池の外装体の底側から1cmの位置を熱電対(K型シールタイプ)で測定した温度である。
以下の基準で、衝突試験を評価した。
○(良好):電池外装温度80℃未満
△(可):電池外装温度80℃以上、かつガス噴出、発火無し
×(不良):ガス噴出有り、または発火有り
作製した正極と負極とを、セパレータの両側に重ねて筒状に巻いた捲回体を、ステンレス製の円筒型電池ケース(外装体)に挿入した。
捲回中にセパレータが破断したもの、巻ズレが生じたものは捲回性不良と判断した。
巻ズレの有無は、SMX-900CT(島津製作所製)で円筒型電池のX線CTの透過画像を観察し、下記基準で判断した。
測定条件は、X線管電圧90kV、X線管電流109μA、ビュー数2400、アベレージ6、スキャン数1、スケーリング係数10、スライス厚1とした。
○(巻ズレ無し)正極の幅方向の端面が、負極の幅方向の端面よりも内側に位置する。
△(巻ズレ有り)正極の幅方向の端面が、負極の幅方向の端面と同じか又は外側に位置する。
a.正極の作製
正極活物質としてニッケル、マンガン、コバルト複合酸化物(NMC)(Ni:Mn:Co=1:1:1(元素比)、密度4.70g/cm3、容量密度175mAh/g)を90.4質量%、導電助材としてグラファイト粉末(KS6)(密度2.26g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を1.6質量%及びアセチレンブラック粉末(AB)(密度1.95g/cm3、数平均粒子径48nm)を3.8質量%、並びにバインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(密度1.75g/cm3)を4.2質量%の比率で混合し、これらをN-メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔にダイコーターを用いて塗布し、130℃において3分間乾燥する工程を片面について行った後、ロールプレス機を用いて圧延して正極を得た。この時の正極活物質塗布量は109g/m2であった。
負極活物質としてグラファイト粉末A(密度2.23g/cm3、数平均粒子径12.7μm)を87.6質量%及びグラファイト粉末B(密度2.27g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を9.7質量%、並びにバインダとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%(固形分換算)(固形分濃度1.83質量%水溶液)及びジエンゴム系ラテックス1.7質量%(固形分換算)(固形分濃度40質量%水溶液)を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔にダイコーターで塗布し、120℃において3分間乾燥する工程を片面について行った後、ロールプレス機を用いて圧延して負極を得た。この時の負極活物質塗布量は52g/m2であった。
セパレータを24.0mmφの円形に切り出し、さらに前記(12)a.及び(12)b.で得た正極と負極を用いて、正極を16.0mmφ、負極を16.2mmφの円形に切り出した。正極と負極の活物質面とが対向するように、負極、セパレータ、正極の順に重ね、ステンレス製の円盤型電池ケース(外装体)に収容した。この容器内に前記非水電解液を0.5ml注入して密閉することにより、簡易電池を組み立てた。容器と蓋とは絶縁されており、容器は負極の銅箔と、蓋は正極のアルミニウム箔と、それぞれ接していた。
(12)c.で組み立てた簡易電池を、60℃の環境下で48時間保存した。
(12)d.で得た簡易電池を、25℃の環境下、0.3Cの定電流で充電し、4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で充電して、0.3Cの定電流で3.0Vまで放電した。定電流での充電と定電圧での充電時間の合計を8時間とした。なお、1Cとは電池が1時間で放電される電流値である。
次に、簡易電池を1Cの定電流で充電し、4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で充電して、1Cの定電流で3.0Vまで放電した。定電流での充電と定電圧での充電時間の合計を3時間とし、1Cの定電流で放電した時の容量を1C放電容量(mAh)とした。
次に、簡易電池を1Cの定電流で充電し、4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で充電して、2Cの定電流で3.0Vまで放電した。定電流での充電と定電圧での充電時間の合計を3時間とし、2Cの定電流で放電した時の容量を2C放電容量(mAh)とした。
そして、下記式より1C放電容量に対する2C放電容量の割合を算出し、この値を出力特性とした。
出力特性(%)=(2C放電容量/1C放電容量)×10
得られた出力特性は、下記基準で評価した。
○(良好):出力特性が、90%超
△(可):出力特性が、80%超90%以下
×(不良):出力特性が、80%以下
(基材B1の製造)
Mvが70万であるホモポリマーの高密度ポリエチレンを47質量部と、Mvが30万であるホモポリマーの高密度ポリエチレンを46質量部と、Mv40万であるホモポリマーのポリプロピレンを7質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。得られた純ポリマー混合物99質量部に酸化防止剤としてペンタエリスリチル-テトラキス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量部添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等の混合物を得た。得られたポリマー等の混合物を窒素で置換した後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10-5m2/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
次いで、それらを二軸押出機内で200℃に加熱しながら溶融混練し、得られた溶融混練物を、T-ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出し、その押出物を冷却ロールに接触させ成形(cast)して冷却固化することにより、シート状成形物を得た。
その後、この延伸シートを幅方向に約20%緩和して熱処理を行い、ポリオレフィン樹脂多孔膜である基材B1を得た。
Mvが70万であるホモポリマーの高密度ポリエチレンを47.5質量部と、Mvが25万であるホモポリマーの高密度ポリエチレンを47.5質量部と、Mvが40万であるホモポリマーのポリプロピレンを5質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。得られた純ポリマー混合物99wt%に酸化防止剤としてテトラキス-[メチレン-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを1質量部添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等の混合物を得た。
押し出される全混合物中の、流動パラフィンの割合が65質量部、及びポリマー濃度が35質量部となるように、フィーダー及びポンプの運転条件を調整した。
次いで、それらを二軸押出機内で200℃に加熱しながら溶融混練し、得られた溶融混練物を、T-ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出し、その押出物を冷却ロールに接触させ成形(cast)して冷却固化することにより、シート状成形物を得た。
その後、この延伸シートを幅方向に約20%緩和して熱処理を行い、ポリオレフィン樹脂多孔膜である基材B2を得た。
Mvが70万であるホモポリマーの高密度ポリエチレンを45質量部と、Mvが30万であるホモポリマーの高密度ポリエチレンを45質量部と、Mvが40万であるホモポリマーのポリプロピレンとMvが15万であるホモポリマーのポリプロピレンとの混合物(質量比=4:3)10質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。得られた純ポリマー混合物99質量部に酸化防止剤としてペンタエリスリチル-テトラキス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量部添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等の混合物を得た。ポリマー等の混合物を窒素で置換し、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10-5m2/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
次いで、それらを二軸押出機内で200℃に加熱しながら溶融混練し、得られた溶融混練物をT-ダイを経て表面温度90℃に制御された冷却ロール上に押し出し、その押出物を冷却ロールに接触させ成形(cast)して冷却固化することにより、シート状成形物を得た。
その後、この延伸シートを幅方向に約20%緩和して熱処理を行い、ポリオレフィン樹脂多孔膜である基材B3を得た。
上記方法で基材B1を製造した。次に、水酸化酸化アルミニウム(平均粒径1.0μm)96.0質量部、アクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)4.0質量部、及びポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製 SNディスパーサント5468)1.0質量部を100質量部の水に均一に分散させて塗布液を調製した。続いて、その塗布液を、ポリオレフィン樹脂多孔膜(基材B1)の表面にグラビアコーターを用いて塗布した。その後、60℃において乾燥して水を除去した。このようにして、ポリオレフィン樹脂多孔膜(基材B1)上に水酸化アルミニウム(無機フィラーの多孔層)を厚さ4μmで形成することにより、基材B1-2を得た。
(水分散体A1)
合成撹拌機、還流冷却器、滴下槽、及び温度計を取り付けた反応容器に、イオン交換水70.4質量部と、「アクアロンKH1025」(登録商標、第一工業製薬株式会社製25%水溶液、表2中「KH1025」と表記。以下同様。)0.5質量部と、「アデカリアソープSR1025」(登録商標、株式会社ADEKA製、25%水溶液、表2中「SR1025」と表記。以下同様。)0.5質量部と、を投入し、反応容器内部温度を80℃に昇温した。その後、80℃の容器内部温度を保ったまま、過硫酸アンモニウム(2%水溶液)(表2中「APS(aq)」と表記。以下同様。)を7.5質量部添加した。
表2に記載のモノマー及びその他使用原料の組成を、それぞれ変更する以外は、原料ポリマー(水分散体)A1と同様にして、コポリマーラテックス(原料ポリマーA2)を得た。得られた原料ポリマーを含むラテックスについて、上記方法により物性を評価した。評価結果を表2に示す。
水分散させたラテックス状のポリビニリデンフルオリド-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(HFP7mol%、Tg:-30℃、50%平均粒径:150nm)(以下、水系PVdFとも言う。)をポリマー濃度30%で水に均一に分散させた水分散体A3を用意した。
MMA :メタクリル酸メチル
CHMA :シクロヘキシルメタクリレート
IBXA :イソボルニルアクリレート
BMA :ブチルメタクリレート
BA :アクリル酸n-ブチル
EHA :アクリル酸2-エチルヘキシル
MAA :メタクリル酸
AA :アクリル酸
HEMA :メタクリル酸2-ヒドロキシエチル
AM :アクリルアミド
GMA :メタクリル酸グリシジル
NaSS :p-スチレンスルホン酸ナトリウム
A-TMPT:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
KH1025:アクアロンKH1025(登録商標、第一工業製薬株式会社製)
SR1025:アデカリアソープSR1025(登録商標、株式会社ADEKA製)
APS :過硫酸アンモニウム
SB :スチレン-ブタジエンコポリマー
HEP :ヘキサフルオロプロピレン
固形分で80質量部の水分散体A2と、固形分で20質量部の水分散体A1とを、水に均一に分散させて、熱可塑性ポリマーを含む塗布液(固形分10質量%)を調製した。このとき、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースが塗布液に対して1質量%となるように添加し、塗布液の粘度を20mPa・sに調整した。次いで、グラビアコーターを用い、リバース塗工によって、基材B1の片面の全面に塗布液を塗布した。その後、60℃にて塗布後の塗布液を乾燥して水を除去した。更に、基材B1のもう片面にも同様に塗布液を塗布し、再度上記と同様にして乾燥させた。こうして、基材B1の両面にポリマー層を形成したセパレータを得た。
実施例1において、使用した基材及び水分散体を、それぞれ、表3に記載のとおりとした他は実施例1と同様にして塗工液を調製し、該塗工液を用いてセパレータを作製して評価した。
表3に記載した基材をセパレータとして用いて実施例1と同様に評価した。
さらに、実施例1(ポリマー層あり)で得られた圧壊試験後のセルについて、セル外観の上面写真を図3(a)に、セル外観の側面写真を図3(b)に、セルから取り出した捲回体の表面の拡大写真を図3(c)に、それぞれ示した。
さらに、比較例1(ポリマー層なし)で得られたセルの圧壊試験後に、セルから取り出した捲回体の表面の拡大写真を図4に示した。
図3(c)と図4の対比から、圧壊試験において、比較例1で得られたセパレータよりも実施例1で得られたセパレータの動作に電極が追従したことが分かる。
Claims (13)
- 少なくとも1つの多孔膜を含む基材と、
前記基材の少なくとも1つの面の少なくとも1つの領域に存在するポリマー含有層と
を有する蓄電デバイス用セパレータであって、圧壊試験について下記式(A):
294.2N(30kgf)≦Fsep-Fbase≦980.7N(100kgf) (A)
{式中、Fsepは、前記蓄電デバイス用セパレータと電極を重ねて捲回することにより得られる積層捲回体1を用いた円筒型蓄電デバイス1の圧壊試験の最大応力であり、かつ
Fbaseは、前記基材と前記電極を重ねて捲回することにより得られる積層捲回体2を用いた円筒型蓄電デバイス2の圧壊試験の最大応力である}
で表される関係を満たし、
前記電極は、正極と負極とを含み、
前記正極は、正極集電体としてのアルミニウム箔と、前記正極集電体に塗布された、正極活物質としてニッケル、マンガン、コバルト複合酸化物、導電助材としてグラファイト粉末(密度2.26g/cm 3 、数平均粒子径6.5μm)及びアセチレンブラック粉末、並びにバインダとしてポリフッ化ビニリデンとを含み、
前記負極は、負極集電体としての銅箔と、前記負極集電体に塗布された、負極活物質としてグラファイト粉末(密度2.23g/cm 3 、数平均粒子径12.7μm)及びグラファイト粉末(密度2.27g/cm 3 、数平均粒子径6.5μm)、並びにバインダとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩及びジエンゴム系ラテックスとを含み、かつ
前記蓄電デバイス用セパレータの前記ポリマー含有層の厚さが、0.5μm以上(但し0.5μmを除く)3.5μm以下である、蓄電デバイス用セパレータ。 - 前記蓄電デバイス用セパレータの前記ポリマー含有層の厚さが、2μm以上3.5μm以下である、請求項1に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記セパレータの幅方向の引張り強度が、0.9kgf/cm以上4.0kgf/cm以下である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記圧壊試験について、400N≦F sep -F base である、請求項1~3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記セパレータの前記ポリマー含有層に対して、アルミニウム箔を、温度80℃及び圧力1MPaで2分間加圧した後の90°剥離強度が4.0mN/mm(4.0gf/cm)以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記ポリマーが、含フッ素樹脂及び/又はアクリル系樹脂である、請求項1~5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記ポリマーが、前記アクリル系樹脂である、請求項6に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記ポリマーの融点及び/又はガラス転移温度が20℃以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータと、
正極と、
負極と、
から成る積層体。 - 請求項9に記載の積層体が捲回されている捲回体。
- 請求項9に記載の積層体又は請求項10に記載の捲回体と電解液とを含む蓄電デバイス。
- 正極活物質の容量密度が150mAh/g以上である、請求項11に記載の蓄電デバイス。
- 円筒型の外装体内に請求項10に記載の捲回体と電解液とが収納されている円筒型二次電池。
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