発明の詳細な説明
〔技術分野〕
(電子方式で提出された配列リストの参照)
本出願とともに提出されたASCIIテキストファイル形式の電子方式で提出された配列リスト(ファイル名:3763.013PC01_SeqListing_ST25.txt;サイズ:166,890バイト;生成日:2018年6月27日)の内容はその全部を参照することによりこの明細書に組み込まれる。
(技術分野)
本発明は配列相同性19を有するファミリ、メンバーA5(FAM19A5)に特異的に結合する抗体、その抗原結合断片、又はこのような抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を使って対象(例えば、ヒト)の癌を治療又は診断する方法を提供する。
〔背景技術〕
血管形成(angiogenesis)(血管の発生及び成長)は成長及び発生を含む多くの生物学的活性に、そして傷治癒に重要な役割をする。正常の元気な状態での血管形成は厳格に調節される過程である(Carmeliet, P. and Jain, R.K., Nature 473(7347): 298-307 (2011))。しかし、癌では制御メカニズムの欠陷によって荒々しい血管形成が起こることになる。過量の新生血管構造(neovasculature)形成は陽性から悪性状態への腫瘍の転移において根本的な段階である(Ferrara, N., Nat Rev Cancer 2(10): 795-803 (2002))。新たに形成された血管は構造的に正常ではなく、増加した透過性(permeability)を有する(Nagy J.A., et al., Br J Cancer 100(6):865-869 (2009))。これは低酸素症及び腫瘍の内部と周辺に線維性結合組織の過度な蓄積を引き起こすことができる(Bottaro, D.P. and Liotta, L.A., Nature 423(6940):593-595 (2003); Wynn T.A., et al., Nat Med 18(7): 1028-1040 (2012))。腫瘍血管に係わる形態的及び分子的異常はまた宿主免疫反応に対する腫瘍の固有抵抗性に寄与することができる(Ganss R., et al., Eur J Immunol 34:2635-2641 (2004))。よって、血管の正常化を誘導することができる治療剤は、例えば化学剤、標的療法、免疫-腫瘍学療法又は兔疫細胞療法(例えばCART、NK、養子T細胞療法など)と組み合わせて使われたとき、多様な癌に対して効果的な治療オプションであり得る。
癌免疫療法は最近によく確立され、現在血液学上の悪性血液疾患及び固形腫瘍を有する患者に用いることができるより成功的な治療オプションの1個である(Scott, A.M., et al., Cancer Immun 12:14 (2012))。このような発展にもかかわらず、特定の悪性腫瘍(例えば、転移性又は難治性固形腫瘍)を有する患者は依然として非常に不良な予後を現す(Rosenberg S A, et al., Cancer immunotherapy in Cancer: Principles & Practice of Oncology (Eds DeVita V T, Lawrence T S and Rosenberg S A) 2011; 332-344 (Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia Pa.))。このような患者のただ一部のみ実際に長期的な癌の鎮静を経験し、多くの患者は反応がないか抗体に対する耐性が発生することになる(Sharma, P., et al., Cell 168(4): 707-723 (2017))。
さらに、適応免疫(adaptive immunity)に加え、先天的免疫反応も癌の成功的な治療に重要な役割をする。例えば、先天的免疫反応の細胞(例えば、マクロファージ及び樹状細胞)は腫瘍抗原の食細胞吸収(phagocytic uptake)、炎症の制御、及び腫瘍特異的T細胞に対して腫瘍抗原を提示することによる適応免疫反応を誘導する。多くの癌患者は先天免疫も損傷される。現在癌患者の先天免疫を成功的に増進させることができる治療剤はない(Chanmee T., et al., Cancers 6(3): 1670-1690 (2014); Gordon, S.R., et al., Nature 545(7655): 495-499 (2017))。よって、多くの種類の癌に対するもっと効果的な治療オプションに対する必要性が依然として存在する。
〔発明の概要〕
〔課題を解決するための手段〕
本発明は対象の腫瘍で血管正常化を促進するための、FAM19A5(family with sequence similarity 19、member A5)タンパク質に対する拮抗剤(antagonist)(“FAM19A5拮抗剤”)を提供する。
いくつかの具体例において、血管正常化は、(i)減少した血管透過性、(ii)増加した血管壁厚さ、(iii)改善した連結性、(iv)増加した血流量、又は(v)これらの任意の組合せを含む。いくつかの具体例において、FAM19A5拮抗剤は、(i)対象の腫瘍に伸びる血管の数を増加させるか、(ii)対象の腫瘍に免疫細胞(例えば、マクロファージ、樹状細胞又は小膠細胞)の浸潤を増加させるか、(iii)対象の腫瘍に骨髄来由抑制細胞(MDSCs)の補充を減少させるか、(iv)対象の腫瘍において免疫細胞(例えば、マクロファージ、樹状細胞又は小膠細胞)の食細胞活性及び/又はミトコンドリア膜電位を増進させるか、又は(v)これらの任意の組合せを遂行する。
いくつかの具体例において、FAM19A5拮抗剤は、FAM19A5タンパク質に特異的に結合する抗体、又はその抗原結合部分(“抗FAM19A5抗体”)、抗FAM19A5抗体を暗号化するポリヌクレオチド、又はそのポリヌクレオチドを含むベクターである。特定の具体例において、抗FAM19A5抗体は重鎖CDR1、CDR2及びCDR3と軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を含み、ここで重鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:11、12及び13を含み、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:23、24及び25を含む。他の具体例において、抗FAM19A5抗体は重鎖CDR1、CDR2及びCDR3と軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を含み、ここで重鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:14、15及び16を含み、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:26、27及び28を含む。さらに他の具体例において、抗FAM19A5抗体は重鎖CDR1、CDR2及びCDR3と軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を含み、ここで重鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:17、18及び19を含み、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:29、30及び31を含む。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体は重鎖CDR1、CDR2及びCDR3と軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を含み、ここで重鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:20、21及び22を含み、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:32、33及び34を含む。
また、FAM19A5拮抗剤を対象の生物学的サンプルと接触させる段階及びサンプルでFAM19A5タンパク質水準又はFAM19A5 mRNA水準を測定する段階を含む、癌を試験管内(in vitro)診断する方法が開示される。
いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体はヒト化抗体、キメラ抗体又はヒト抗体である。
いくつかの具体例において、本発明のFAM19A5拮抗剤は、免疫治療剤、化学治療剤、標的治療剤、又は放射線治療剤を含む追加の癌剤と組み合わせて使われる。特定の具体例において、免疫治療剤は、モノクローナル抗体、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、NK細胞、樹状細胞(DC)、養子細胞移入(adoptive cell transfer、ACT)、免疫チェックポイント調整剤、サイトカイン、癌ワクチン、アジュバント、腫瘍崩壊(oncolytic)ウイルス、又はこれらの組合せを含む。いくつかの具体例において、標的治療剤は、チロシン-キナーゼ阻害剤、小分子薬物複合体(small molecule drug conjugates)、セリン-トレオニンキナーゼ阻害剤、抗体、又はこれらの任意の組合せを含む。
いくつかの具体例において、免疫治療剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、IDO、TIM-3、LAG-3、4-1BB、OX40、MERTK、CD27、GITR、B7.1、TGF-β、BTLA、VISTA、アルギナーゼ、MICA、MICB、B7-H4、CD28、CD137及びHVEMからなる群から選択されるシグナリング分子である、モノクローナル抗体を含む。特定の具体例において、モノクローナル抗体は、抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体である。いくつかの具体例において、抗PD-1抗体は、ニボルマブ又はペンブロリズマブである。いくつかの具体例において、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ、デュルバルマブ又はアベルマブである。いくつかの具体例において、モノクローナル抗体は腫瘍への治療剤の浸透を増加させる。
いくつかの具体例において、化学治療剤は、テモゾロマイド、ゲムシタビン、パクリタキセル、カルボプラチン、シスプラチン、エロツズマブ、レナリドミド、デキサメタゾン、オキサリプラチン又はこれらの任意の組合せを含む。
いくつかの具体例において、腫瘍は、癌腫、肉腫又はリンパ腫を含む。特定の具体例において、腫瘍は、黒色腫、膵膓癌、乳房癌、リンパ腫、肺癌、腎癌、前立腺癌、線維肉腫、結腸腺癌(colon adenocarcinoma)、肝癌、卵巣癌、又はこれらの任意の組合せを含む癌から来由する。
(具体例)
具体例1. FAM19A5の阻害剤を含む医薬組成物の治療上有効量を対象に投与する段階を含む、対象の腫瘍を治療又は緩和する方法であって、FAM19A5の阻害剤が血管の正常化を誘導する方法。
具体例2. FAM19A5の阻害剤が腫瘍の成長を抑制する、具体例1の方法。
具体例3. FAM19A5の阻害剤が腫瘍への免疫細胞の浸潤を増進させる、具体例1の方法。
具体例4. FAM19A5の阻害剤がマクロファージ又は小膠細胞の食細胞活性を増進させる、具体例1の方法。
具体例5. FAM19A5の阻害剤がマクロファージ又は小膠細胞のミトコンドリア膜電位を増加させる、具体例1の方法。
具体例6. FAM19A5の阻害剤が腫瘍への骨髄来由抑制細胞(myeloid-derived suppressor cells、MDSCs)の補充を減少させる、具体例1の方法。
具体例7. FAM19A5の阻害剤が腫瘍における壊死及び浮腫を減少させる、具体例1の方法。
具体例8. FAM19A5の阻害剤が腫瘍の組職透過性を減少させる、具体例1の方法。
具体例9. FAM19A5の阻害剤が腫瘍における血流量を増加させる、具体例1の方法。
具体例10. FAM19A5の阻害剤が抗体又はその抗原結合部分、ペプチド、核酸、化合物、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される、具体例1~9のいずれか一方法。
具体例11. FAM19A5の阻害剤が抗体又はその抗原結合部分である、具体例10の方法。
具体例12. FAM19A5の阻害剤がモノクローナル抗体又はその抗原結合部分である、具体例11の方法。
具体例13. 腫瘍が、黒色腫、膵膓癌、乳房癌、リンパ腫、肺癌、腎癌、前立腺癌、線維肉腫、結腸腺癌、肝癌、及び卵巣癌からなる群から選択される、具体例1~12のいずれか一方法。
具体例14. 腫瘍が黒色腫である、具体例13の方法。
具体例15. 腫瘍が膵膓癌である、具体例13の方法。
具体例16. 腫瘍が肺癌である、具体例13の方法。
具体例17. 腫瘍が腎癌である、具体例13の方法。
具体例18. 腫瘍がリンパ腫である、具体例13の方法。
具体例19. 腫瘍が前立腺癌である、具体例13の方法。
具体例20. 腫瘍が腺癌種である、具体例13の方法。
具体例21. 血管の正常化は血管内皮細胞のマーカーによって評価される、具体例1の方法。
具体例22. 血管内皮細胞のマーカーは、CD31、コラーゲンタイプIV、CD34、及びCD146からなる群から選択される、具体例21の方法。
具体例23. 血管内皮細胞のマーカーはCD31である、具体例22の方法。
具体例24. 血管の正常化は、増加した連結性、増加した壁厚さ、減少した血管直径、より規則的な血管方向及び分布パターン、増加した血管数、漏出及び透過性の減少、増加した周皮細胞(pericyte)範囲及び血管に対する近接性、増加した酸素化、又はこれらの組合せを含む血管特性の変化を伴う、具体例1の方法。
具体例25. 腫瘍の成長抑制は、腫瘍質量、腫瘍体積、腫瘍サイズ、腫瘍細胞数、染色スポットの数、及びこれらの組合せからなる群から選択される変数を測定することによって評価される、具体例2の方法。
具体例26. 腫瘍への増加した浸潤を示す免疫細胞は、マクロファージ、樹状細胞、Tリンパ球、Bリンパ球、及びナチュラルキラー(NK)細胞からなる群から選択される、具体例3の方法。
具体例27. 免疫細胞は肥大症をさらに示す、具体例26の方法。
具体例28. 腫瘍への免疫細胞の増加した浸潤は腫瘍への神経細胞及びストロマ細胞(stromal cells)の増加した浸潤をさらに伴う、具体例3の方法。
具体例29. 腫瘍への増加した浸潤を示す神経細胞は星状膠細胞(astrocytes)及びグリア細胞(glial cells)からなる群から選択される、具体例28の方法。
具体例30. 医薬組成物が癌治療法と組み合わせて投与される、具体例1の方法。
具体例31. 医薬組成物が、免疫療法、化学療法、及び放射線療法からなる群から選択される方法と組み合わせて投与される、具体例1の方法。
具体例32. 医薬組成物が免疫療法と組み合わせて投与される、具体例31の方法。
具体例33. 免疫療法は、モノクローナル抗体、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、NK細胞、樹状細胞(DC)、養子細胞移入(ACT)、免疫チェックポイント調整剤、サイトカイン、癌ワクチン、アジュバント、腫瘍崩壊ウイルス、又はこれらの組合せを含む、具体例32の方法。
具体例34. モノクローナル抗体が、PD-1、PD-L1、CTLA-4、IDO、TIM-3、LAG-3、4-1BB、OX40、MERTK、CD27、GITR、B7.1、TGF-β、BTLA、VISTA、アルギナーゼ、MICA、MICB、B7-H4、CD28、CD137、及びHVEMからなる群から選択されるシグナリング分子を調節する、具体例33の方法。
具体例35. モノクローナル抗体が、PD-1、PD-L1、CTLA-4、IDO、TIM-3、LAG-3、4-1BB、OX40、MERTK、及びCD27からなる群から選択されるシグナリング分子を阻害する、具体例34の方法。
具体例36. モノクローナル抗体がPD-1を阻害する、具体例35の方法。
具体例37. PD-1を阻害するモノクローナル抗体はペンブロリズマブ及びニボルマブからなる群から選択される、具体例36の方法。
具体例38. モノクローナル抗体がPD-L1を阻害する、具体例35の方法。
具体例39. PD-L1を阻害するモノクローナル抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ及びデュルバルマブからなる群から選択されることである、具体例38の方法。
具体例40. モノクローナル抗体がCTLA-4を阻害する、具体例35の方法。
具体例41. CTLA-4を阻害するモノクローナル抗体はイピリムマブである、具体例40の方法。
具体例42. 医薬組成物が化学療法と組み合わせて投与される、具体例31の方法。
具体例43. 化学療法は、テモゾロマイド、ゲムシタビン、パクリタキセル、カルボプラチン、シスプラチン、エロツズマブ、レナリドミド、デキサメタゾン及びオキサリプラチンからなる群から選択される薬物を含む、具体例42の方法。
具体例44. 化学療法がゲムシタビンを含む、具体例43の方法。
具体例45. 医薬組成物が皮内(intradermal)、皮下(subcutaneous)、静脈内(intravenous)、筋肉内(intramuscular)及び髄腔内(intrathecal)からなる群から選択される経路を介して投与される、具体例1の方法。
具体例46. 対象からサンプルを得る段階;サンプルでFAM19A5遺伝子の発現を検出する段階;及びFAM19A5遺伝子の発現の検出に少なくとも部分的に基づいて、腫瘍の治療又は緩和に対する、対象の反応、又は潜在的反応を評価する段階を含む、腫瘍の治療又は緩和に対する、対象の反応、又は潜在的反応を評価する、具体例1の方法。
具体例47. FAM19A5の阻害剤は、ヒトFAM19A5エピトープとの結合に対して重鎖CDR1、CDR2及びCDR3と軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を含む基準抗体(reference antibody)と交差競合(cross-compete)し、ここで、
(i)重鎖CDR1はSEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含むか;
(ii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:15のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:16のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含むか;
(iii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:17のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:18のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:19のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含むか;又は
(iv)重鎖CDR1はSEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:21のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含む、具体例1~46のいずれか一方法。
具体例48. FAM19A5の阻害剤は重鎖CDR1、CDR2及びCDR3と軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を含む基準抗体と同一のFAM19A5エピトープと結合し、ここで、
(i)重鎖CDR1はSEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含むか;
(ii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:15のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:16のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含むか;
(iii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:17のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:18のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:19のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含むか;又は
(iv)重鎖CDR1はSEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:21のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含む、具体例1~47のいずれか一方法。
具体例49. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分がSEQ ID NO:6又はSEQ ID NO:9である、少なくとも1個のFAM19A5エピトープと結合する、具体例48の方法。
具体例50. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分がSEQ ID NO:6又はSEQ ID NO:9人、FAM19A5エピトープにのみ結合する、具体例48の方法。
具体例51. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分が追加のFAM19A5エピトープとさらに結合する、具体例48~50のいずれか一方法。
具体例52. 追加のFAM19A5エピトープはSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される、具体例51の方法。
具体例53. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分が重鎖CDR1、CDR2及びCDR3と軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を含み、ここで、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分の重鎖CDR3はSEQ ID NO:13、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:19、又はSEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含む、具体例47~52のいずれか一方法。
具体例54. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分の重鎖CDR1がSEQ ID NO:11、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:17、又はSEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含む、具体例53の方法。
具体例55. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分の重鎖CDR2がSEQ ID NO:12、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:18、又はSEQ ID NO:21のアミノ酸配列を含む、具体例53又は54の方法。
具体例56. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分の軽鎖CDR1がSEQ ID NO:23、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:29、又はSEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含む、具体例53~55のいずれか一方法。
具体例57. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分の軽鎖CDR2がSEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:30、又はSEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含む、具体例53~56のいずれか一方法。
具体例58. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分の軽鎖CDR3がSEQ ID NO:25、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:31、又はSEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含む、具体例53~57のいずれか一方法。
具体例59. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分が重鎖CDR1、CDR2及びCDR3と軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を含み、ここで、
(i)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:11、12及び13を含み、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:23、24及び25を含むか;
(ii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:14、15及び16を含み、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:26、27及び28を含むか;
(iii)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:17、18及び19を含み、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:29、30及び31を含むか;又は
(iv)重鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:20、21及び22を含み、軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NOs:32、33及び34を含む、具体例47~52のいずれか一方法。
具体例60. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分が重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、ここで、重鎖可変領域はSEQ ID NO:35、36、37又は38に提示されたアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一であるアミノ酸配列を含む、具体例47~59のいずれか一方法。
具体例61. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分が重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、ここで、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:39、40、41又は42に提示されたアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一であるアミノ酸配列を含む、具体例47~60のいずれか一方法。
具体例62. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分が重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、ここで、重鎖可変領域はSEQ ID NO:35、36、37又は38に提示されたアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一であるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:39、40、41又は42に提示されたアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一であるアミノ酸配列を含む、具体例47~61のいずれか一方法。
具体例63. 抗FAM19A5抗体が、キメラ抗体、ヒト抗体、又はヒト化抗体である、具体例47~62のいずれか一方法。
具体例64. その抗原結合部分はFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、又は単鎖Fv(scFv)である、具体例47~63のいずれか一方法。
具体例65. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分がIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、又はこれらの変異体からなる群から選択される、具体例47~63のいずれか一方法。
具体例66. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分がIgG2、IgG4、又はこれらの組合せである、具体例65の方法。
具体例67. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分がIgG2/IgG4アイソタイプ(isotype)抗体を含む、具体例65の方法。
具体例68. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分がFc機能のない不変領域をさらに含む、具体例47~67のいずれか一方法。
具体例69. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分が第2結合部分を有する分子に連結され、これにより二重特異性(bispecific)分子を形成する、具体例47~48のいずれか一方法。
具体例70. 抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分が製剤に連結され、これにより免疫抱合体免疫抱合体を形成する、具体例47~49のいずれか一方法。
具体例71. FAM19A5タンパク質の拮抗剤が薬学的に許容されるキャリアとともに製剤化される、具体例1~70のいずれか一方法。
具体例72. FAM19A5タンパク質の拮抗剤が、静脈内、経口、非経口(parenterally)、髄腔内、脳室内(intra-cerebroventricularly)、肺(pulmonarily)、筋肉内、皮下、硝子体内(intravitreally)、又は心室内(intraventricularly)経路を介して投与される、具体例1~71のいずれか一方法。
具体例73. 対象がヒトである、具体例1~72のいずれか一方法。
〔図面の簡単な説明〕
〔図1〕3人の相異なる肝癌患者からの肝生検組織でFAM19A5タンパク質発現の免疫組職化学分析を示す。各患者は多様な程度の線維症を有した:(i)段階#0(左側カラム)、(ii)段階#2(中央カラム)、及び(iii)段階#4(右側カラム)。下部列は上部列のボックス表示領域をもっと高い倍率で拡大した図である。矢印はFAM19A5陽性肝星細胞(hepatic stellate cells)の例を示す。
〔図2a〕時間(接種後経過週)の関数として動物の体重(グラム)を示す。動物の一部はHep3B細胞が単独で接種され、正常ヒト兔疫グロブリン(円形、グループ1:“Hep3B+NHI”、n=3)又は抗FAM19A5抗体(閉ボックス、グループ2:“Hep3B+FAM19A5 Ab”、n=3)で治療された。他の動物はHep3B細胞とヒト肝星細胞(HHSteC)の両者が接種され、正常ヒト兔疫グロブリン(ダイヤモンド、グループ3:“Hep3B+HHSteC+NHI”、n=3)又は抗FAM19A5抗体(開ボックス、グループ4:“Hep3B+HHSteC+FAM19A5 Ab”、n=3)で治療された。データは平均±S.D.で表示される。
〔図2b〕時間(接種後経過週)の関数として相異なるグループの動物で観察された平均腫瘍体積を示す。グループは図2aに提示されたものと同一である。腫瘍体積は0.5×長さ×幅2=腫瘍体積(mm3)の式で計算された。データは平均±S.D.で表示される。
〔図2c及び図2d〕それぞれ接種後42日目に図2aに提示された動物から分離された腫瘍の撮影イメージ及び重量(グラム)を示す。図2cで、(i)上部左側は“Hep3B+NHI”グループ(n=2)の腫瘍を示し;(ii)上部右側は“Hep3B+HHSteC+NHI”グループ(n=2)の腫瘍を示し;(iii)下部左側は“Hep3B+FAM19A5 Ab”グループ(n=3)の腫瘍を示し;(iv)下部右側は“Hep3B+HHSteC+FAM19A5 Ab”グループ(n=3)の腫瘍を示す。図2dは相異なるグループから分離された腫瘍の平均重量(g)を示す。
〔図3a、図3b及び図3c〕黒色腫腫瘍モデルにおいて抗FAM19A5抗体の坑癌効果を示す。図3aは抗体投与スケジュールを示したダイヤグラムである。図3bは出生後相異なる時点で、ヒトIgG(黒色棒)又は抗FAM19A5抗体(灰色棒)で治療された動物において腫瘍体積の比較を提示する。出生後56日が抗体治療の開始日に相当する(すなわち、8週目)。図3cはヒトIgG(左側イメージ)又は抗FAM19A5抗体(右側イメージ)で治療された動物においてBrafV600E-誘導色素性病変の比較を提示する。
〔図4〕ヒトIgG抗体(上部イメージ)又は抗FAM19A5抗体(下部イメージ)で治療された動物の黒色腫において(CD31発現に基づく)血管の分布パターンを示す。イメージの右側の矢印は組職サンプルの配向を示す、上部が表皮であり、皮下組職は下部に向かっている。
〔図5〕ヒトIgG抗体(上部イメージ)又は抗FAM19A5抗体(下部イメージ)で治療された動物の黒色腫において(CD31発現に基づく)血管及び(Iba1発現に基づく)マクロファージの分布パターンを示す。左側カラムはCD31発現を単独で示す。中央カラムはIba1発現を単独に示す。右側カラムはCD31とIba1発現を2個とも示す。イメージの右側矢印は組職サンプルの配向を示す、上部が表皮であり、皮下組職は下部に向かっている。
〔図6a、図6b、図6c及び図6d〕マウス黒色腫モデルにおける腫瘍へのマクロファージ及び樹状細胞の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。図6aは対照群(ヒトIgG)抗体(左側カラム)又は抗FAM19A5抗体(右側カラム)で治療された動物の黒色腫において(Iba1及びCD45発現に基づく)マクロファージ及び樹状細胞の分布パターンを示す。下部イメージは上部列に示した代表領域を拡大したものである。図6bは対照群のヒトIgG抗体(白色棒)又は抗FAM19A5抗体(黒色棒)で治療された動物の黒色腫で検出されたマクロファージの頻度(黒色腫内で総CD45+細胞の%Iba1+で示す)の比較を提示する。図6cは対照群のヒトIgG抗体(白色棒)又は抗FAM19A5抗体(黒色棒)で治療された動物の黒色腫で観察された(ボクセル数に基づく)マクロファージの細胞体積の比較を提示する。図6dは相異なる群の動物から分離された黒色腫の代表領域で観察されたマクロファージの数を提示する表を示す。
〔図7a及び図7b〕マウス黒色腫モデルにおいて(CD3及びCD45発現に基づく)腫瘍にTリンパ球の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。図7aはTリンパ球分布の免疫組職化学分析を示す。図7bは対照群のヒトIgG抗体又は抗FAM19A5抗体で治療された動物から分離された黒色腫の代表領域で観察されたTリンパ球の数を提示する表を示す。
〔図8a及び図8b〕マウス同系結腸腺癌モデル(mouse syngenic colon adenocarcinoma model)から腫瘍へのTリンパ球(図8a)及び骨髄来由抑制細胞(図8b)の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。動物は対照群のヒトIgG抗体(“対照群”)又は抗FAM19A5抗体(“FAM19A5 Ab”)で治療された。図8aで、Tリンパ球の集団は分析された全体細胞の中でCD3+細胞のパーセントで示す。同様に、図8bで、骨髄来由抑制細胞の集団は分析された全体細胞の中でLy6G+細胞のパーセントで示す。データは平均±S.D.で表示される。
〔図9a〕ヒト膵膓癌異種移植片動物モデルにおいて抗FAM19A5抗体の坑癌効果を評価するための実験グループ及び投与スケジュールを示す。腫瘍の接種の際、動物はヒトIgG対照群抗体又は抗FAM19A5抗体を単独で又はゲムシタビンと組み合わせて投与された。対照群及び抗FAM19A5抗体は、腫瘍誘導後、10、17及び24日に投与された(点線矢印)。ゲムシタビンを投与された動物は、腫瘍誘導後、12、15、19、22、26及び29日にそれが投与された(黒色実線矢印)。
〔図9b及び図9c〕(i)ヒトIgG抗体(hIgG)、(ii)抗FAM19A5抗体(FAM19A5 Ab)、(iii)ゲムシタビン(GEM)、又は(iv)抗FAM19A5抗体とゲムシタビン(FAM19A5 Ab+GEM)で治療されたヒト膵膓癌異種移植片動物モデルにおいて腫瘍重量(g)(図9b)及び相対的コラーゲン含量(%)(図9c)の比較を提示する。図9b及び図9cでデータは平均±S.D.で示す。
〔図10a及び図10b〕黒色腫マウスモデルにおいて抗FAM19A5抗体の抗腫瘍効果を示す。図10aは抗体投与スケジュール及び実験グループを提示する。腫瘍接種の際、動物は次のように治療された:(1)ヒトIgG抗体及びラットIgG抗体、(2)抗FAM19A5抗体+ラットIgG抗体、(3)抗PD-1抗体+ヒトIgG抗体、及び(4)抗PD-1抗体+抗FAM19A5抗体で治療された。抗FAM19A5抗体及びヒトIgG抗体は、腫瘍接種後7日及び14日に関連動物に投与された。抗PD-1抗体及びラットIgG抗体は、腫瘍接種後10日及び12日に関連動物に投与された。図10bは相異なる治療群における抗腫瘍効能の比較を提示する:(i)抗PD-1抗体+ヒトIgG抗体(“G3”、グループ3)、(ii)抗FAM19A5抗体+ラットIgG抗体(“G2”、グループ2)、及び(iii)抗PD-1抗体+抗FAM19A5抗体(“G4”、グループ4)。抗腫瘍効能は対照群グループ、すなわちグループ1に対する腫瘍成長の阻害パーセントで示す。データは平均±S.D.で示す。
〔図11〕抗FAM19A5抗体単独で又は抗PD-1抗体と組み合わせて治療された膵膓癌動物の腫瘍体積を示す。相異なる治療群は、(i)ヒトIgG抗体+マウスIgG抗体(G1);(ii)抗FAM19A5抗体+マウスIgG抗体(G2);(iii)ヒトIgG抗体+マウス抗PD-1抗体(G3);及び(iv)抗FAM19A5抗体+マウス抗PD-1抗体を含む。
〔図12a及び図12b〕相異なる免疫細胞の食細胞能力及び/又は膜電位に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。図12aはLPS単独又はLPSと抗FAM19A5抗体で刺激した後、食細胞性(phagocytic)Raw264.7細胞(マウスマクロファージ)のパーセントを示す。ヒトIgG抗体又はサイトカラシンDで処理されたRaw264.7細胞がそれぞれ陰性対照群及び陽性対照群として使われた。図12bはBV-2細胞(マウス小膠細胞)の食細胞能力(灰色棒)と膜電位(縞模様棒)の両者に対する抗FAM19A5の効果を示す。ヒトIgG抗体又はFAM19A5タンパク質で処理されたBV-2細胞が対照群として使われた。食細胞性及び膜電位データは対照群のパーセントで示す。
〔発明を実施するための形態〕
本発明は抗FAM19A5拮抗剤、例えば抗FAM19A5抗体の投与によって癌が制御、治療、緩和、又は減少することができることを示す。このような効能の1個の可能なメカニズムは抗FAM19A5拮抗剤(阻害剤)によって誘導された血管の正常化によるものであり得る。よって、FAM19A5拮抗剤は腫瘍の成長を抑制し、腫瘍への免疫細胞の浸潤を増進させ、マクロファージ又は小膠細胞の食細胞活性を増進させ、マクロファージ又は小膠細胞のミトコンドリア膜電位を増加させ、腫瘍への骨髄来由抑制細胞(MDSCs)の補充を減少させ、腫瘍の壊死及び浮腫を減少させ、腫瘍の組職透過性を減少させ、及び/又は腫瘍の血流量を増加させることができる。
本発明の容易な理解のために、多数の用語及び文句が定義される。追加的な定義は詳細な説明全般で提示される。
I.定義
本明細書全般で、用語“1個の”又は“ある”存在はその存在の1個以上を意味する;例えば“1個の抗体”は1個以上の抗体を示すものとして理解される。このように、用語“1個の”(又は“ある”)、“1個以上の”及び“少なくとも1個の”は互いに交換して使われることができる。
また、“及び/又は”は2個の明示した特徴又は成分のそれぞれが残りの1個とともに又は単独で具体的に開示されるものに解釈されなければならない。よって、“A及び/又はB”のような文句で使用された用語“及び/又は”は“A及びB”、“A又はB”、“A”(単独)、及び“B”(単独)を含もうとするものである。同様に、“A、B及び/又はC”のような文句で使用された用語“及び/又は”はA、B及びC;A、B又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);及びC(単独)の様態をそれぞれ含もうとするものである。
ある様態が“含む”とともに提示されれば“構成される”及び/又は“本質的に構成される”の観点で説明された他の類似した様態も提供されるものに理解される。
他に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は本発明に係わる当業者に通常に理解されるものと同じ意味を有する。例えば、文献(the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology, Juo, Pei-Show, 2nd ed., 2002, CRC Press; The Dictionary of Cell and Molecular Biology, 3rd ed., 1999, Academic Press; and the Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology, Revised, 2000, Oxford University Press)はこの明細書で使用された大部分の用語に対する一般辞書的意味を当業者に提供する。
単位、接頭辞及び記号は国際単位系(Systeme International deUnites(SI))で承認された形態に表示される。数値範囲はその範囲を限定する数字を包括的に含む。特別な言及がない限り、アミノ酸配列はアミノからカルボキシの配向に左側から右側に書かれる。本明細書に提供された表題は本発明の多様な様態の制限ではなく、これらは全体的に明細書を参照したものであり得る。よって、以下で定義される用語はその全体が明細書を参照してより充分に定義される。
用語“約”はおよそ(approximately)、概略で(roughly)、前後の(around)、又は~~の領域内を意味するものとして使われる。用語“約”が数値範囲とともに使われるとき、それは提示された数値の上下に境界を拡張させることによって該当範囲を変形する。一般的に、用語“約”は、例えば上に又は下に(より高く又はより低く)10パーセントの変動まで言及された値の上下に数値を変形することができる。
本明細書で使用される用語“治療する”、“治療する”及び“治療”は疾患と関連する症状、余病、状態又は生化学的指標の進行、発生、深刻性又は再発を反転、改善、緩和、阻害又は遅延させる目的で対象に対して遂行される任意の種類の介入又は過程、又は対象への活性剤の投与を意味する。治療は疾患を有する対象又は疾患を持っていない対象に対して行われることができる(例えば、予防のため)。
本明細書で使用される用語“投与”は当業者に公知となった多様な方法及び送逹システム(delivery systems)のいずれかを使用して対象に治療剤又は治療剤を含む組成物を物理的に導入することを意味する。本明細書に開示される抗体のための相異なる投与経路は、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、脊髄又は他の非経口投与経路、例えば注射(injection)又は注入(infusion)によるものを含む。本明細書で使用される用語“非経口投与”は一般的に注射による、腸内(enteral)及び局所(topical)投与以外の投与方式を意味し、これに制限されるものではないが、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ内、病巣内、嚢内(intracapsular)、眼窩内(intraorbital)、心臓内、皮内、経気管(transtracheal)、気管内、肺、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脳室内、硝子体内、硬膜外、及び胸骨内胸骨内注射及び注入だけでなく、生体内電気穿孔を含む。もしくは、本明細書に開示される抗体は、非-非経口経路を介して、例えば局所、上皮又は粘膜投与経路を介して、例えば鼻腔内、経口、経膣、直腸、舌下又は局所経路を介して投与されることができる。また、投与は、例えば1回、多数回、及び/又は一回以上の延ばされた期間にかけて遂行されることができる。
本明細書で使用される用語“治療上有効量”は単独で又は他の治療剤と組み合わせて、対象の疾患又は障害を“治療するのに”効果的な、又は疾患又は障害(例えば、癌)の危険、潜在性、可能性又は発生を減少させるのに効果的な薬物の量を意味する。“治療上有効量”は疾患又は障害(例えば、癌)を持っているか有する危険がある対象に一部の改善や利益を提供する薬物又は治療剤の量を含む。よって、“治療上有効量”は疾患又は障害の危険、潜在性、可能性又は発生を減少させるか又は一部の緩和、軽減を提供し、及び/又は少なくとも1個の指標(例えば、癌)を減少させ、及び/又は疾患又は障害の少なくとも1個の臨床症状を減少させる量である。
本明細書で使用される用語“癌”(cancer)は体内で異常細胞の制御されない成長を特徴とする広範囲な群の多様な疾患を意味する。“癌”又は“癌組職”は腫瘍(tumor)を含むことができる。調節されない細胞分裂及び成長が隣りの組職を侵犯する悪性腫瘍(malignant tumors)の形成をもたらし、またこれはリンパシステムや血流を介して身体の遠い部位に転移されることができる。転移後、遠位腫瘍(distal tumors)は転移前腫瘍“から来由した”と言える。例えば、黒色腫“から来由した腫瘍”は転移された黒色腫の結果である腫瘍を意味する。遠位腫瘍は転移前腫瘍から来由するから、腫瘍“から来由した”はまた転移前の腫瘍を含むことができ、例えば黒色腫から来由した腫瘍は黒色腫を含むことができる。本明細書で使用される用語“癌”は脳癌(例えば、神経膠腫(glioma)又は膠芽細胞腫(glioblastoma))を排除する。
“免疫反応”は当該分野で理解されている通りであり、一般的に外来製剤又は異常(例えば、癌細胞)に対する脊椎動物の生物学的反応を意味し、この反応はこれらの製剤及びこれらによって引き起こされる疾患に対して有機体を保護する。免疫反応は免疫システムの1個以上の細胞(例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好酸球、肥満細胞、樹状細胞又は好中球)及びこれらの細胞のいずれかによって生成された可溶性巨大分子の作用により、又は侵犯した病源菌、病源菌で感染された細胞又は組職、癌又は他の異常細胞、又は自己免疫又は病的炎症の場合、正常ヒト細胞又は組職を脊椎動物の身体から選択的標的化、結合、損傷、破壊及び/又は除去する肝臓(抗体、サイトカイン及び補体を含み)の作用によって媒介される。免疫反応は、例えばT細胞、例えばエフェクターT細胞、Th細胞、CD4+細胞、CD8+T細胞、又はTreg細胞の活性化又は阻害、又は免疫システムの任意の他の細胞、例えばNK細胞の活性化又は阻害を含む。
用語“免疫調整剤”又は“免疫調節制”はある製剤、例えば免疫反応を調整(modulating)、調節(regulating)、又は変形(modifying)するのに伴うことができる信号化経路の成分を標的化する製剤を意味する。免疫反応の“調整”、“調節”又は“変形”は免疫システムの細胞又はこのような細胞(例えば、Th1細胞のようなエフェクターT細胞)の活性変化を意味する。このような調整は多様な細胞タイプの数の増加又は減少、これらの細胞の活性の増加又は減少、又は免疫システム内で起こり得る任意の他の変化によって発現することができる免疫システムの刺激又は抑制を含む。阻害性(inhibitory)及び刺激性(stimulatory)免疫調整剤が共に確認され、これらの一部は腫瘍内微小環境で増進された機能を有することができる。いくつかの具体例において、免疫調整剤はT細胞の表面上の分子を標的化する。“免疫調整標的”又は“免疫調節標的”はある分子、例えば物質、製剤、部分、化合物又は分子による結合に対して標的化され、その活性がこの結合によって変更される細胞表面分子である。免疫調整標的は、例えば細胞の表面上の受容体(“免疫調整受容体”)及び受容体リガンド(“免疫調整リガンド”)を含む。
用語“免疫療法”は免疫システム又は免疫反応を誘導、増進、抑制又は変形することを含む方法による、疾患にかかった対象、又は疾患にかかるか又は再発によって苦しも危険がある対象の治療を意味する。
本明細書で使用される文句“腫瘍成長を阻害する”は腫瘍成長の任意の測定可能な減少、例えば少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約99%又は100%までの腫瘍成長の阻害を含む。
用語“有効容量”又は“有効投薬量”は所望の効果を達成するか又は少なくとも部分的に達成するのに十分な量に定義される。薬物又は治療剤の“治療上有効量”又は“治療上有効投薬量”は、単独で又は他の治療剤と組み合わせて使われるとき、疾患症状の深刻性の減少によって証明された疾患退行(regression)、疾患症状がない期間の頻度及び持続期間の増加、又は疾患による障害や傷害の予防を促進する薬物の量である。薬物の治療上有効量又は有効投薬量は“予防的有効量”又は“予防的有効投薬量”を含み、これは単独で又は他の治療剤と組み合わせて疾患が発生する危険があるか疾患の再発によって苦しむ危険がある対象に投与されたとき、疾患の発生や再発を阻害する薬物の量である。疾患退行を促進するか又は疾患の発生や再発を阻害する治療剤の効能はヒトにおける効能を予測する動物モデルシステムにおいて例えば臨床試験中のヒト対象でのように当業者に公知となったさまざまな方法を使って評価されることができ、又は試験管内分析で製剤の活性を分析することによって評価されることができる。
例として、抗癌剤は対象の癌退行を促進する薬物である。いくつかの具体例において、この薬物の治療上有効量は癌を除去するまで癌退行を促進する。“癌退行の促進”は、単独で又は抗腫瘍剤と組み合わせて、薬物の有効量を投与することが腫瘍の成長や大きさの減少、腫瘍の壊死、少なくとも1個の疾患症状の深刻性の減少、疾患症状がない期間の頻度及び持続期間の増加、疾患による障害や傷害の予防、又は患者の疾患症状の他の改善をもたらすことを意味する。これに加え、用語“有効な”及び“有効性”は治療に関連して薬理的有効性及び生理学的安全性の両者を含む。薬理的有効性は患者の癌退行を促進することができる薬物の効能を意味する。生理学的安全性は、毒性水準、又は薬物の投与によって発生する細胞、器官及び/又は有機体水準で他の否定的な生理学的効果(副作用)を意味する。
例として、腫瘍治療の場合、薬物の治療上有効量又は有効投薬量は細胞成長又は腫瘍成長を、治療されなかった対象に比べ、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%又は少なくとも約80%まで阻害する。いくつかの具体例において、薬物の治療上有効量又は有効投薬量は細胞成長又は腫瘍成長を全く阻害する。すなわち、細胞成長又は腫瘍成長を100%まで阻害する。腫瘍成長を阻害する化合物の能力は以下で説明する分析によって評価することができる。もしくは、組成物のこの特性は細胞成長を阻害する化合物の能力を試すことによって評価することができ、このような阻害は当業者に公知となった分析によって試験管内測定することができる。本明細書に開示される他の具体例において、腫瘍退行が観察されることができ、少なくとも約20日、少なくとも約40日又は少なくとも約60日間持続することができる。
本発明のいくつかの様態は対象の癌診断に関するものである。本発明に関連して、出願人は、組職又は臓器の損傷時、損傷部位と癌を有する対象の末梢血でFAM19A5発現が増加することを見つけた。よって、いくつかの具体例において、本発明は、この明細書に開示されるモノクローナル抗体又はその抗原結合部分、二重特異性分子、又は免疫抱合体を対象から得られたサンプルと接触させる段階、及びFAM19A5発現水準を測定する段階を含む対象の癌を診断する方法を提供する。いくつかの具体例において、FAM19A5の水準は、癌がない対象の基準サンプルでのFAM19A5の水準と比較して、該当対象のサンプルで増加する(以下を参照)。
本明細書で使用される用語“診断”は患者が特定の疾患又は状態で苦しんでいるかを決定するか予測するために使うことができる方法を意味する。当業者は1個以上の診断マーカー(例えば、FAM19A5)に基づいて診断することができる。ここで、診断マーカーの存在、不在、量又は量の変化は該当状態の存在、深刻性又は不在を表示する。いくつかの具体例において、対象からの生物学的サンプルにおけるFAM19A5発現の増加は腫瘍に対する表示子(indicative)である。用語“診断”は100%の正確性で特定疾患の存在又は不在を決定する能力を意味するものではなく、甚だしくは特定の経過又は成果がそうではないものより起こる可能性があることを意味するものでもない。その代わりに、当業者は用語“診断”を特定の疾患が対象に存在する確率が増加するものに理解するであろう。
用語“診断マーカー”(例えば、FAM19A5発現)は正常細胞から腫瘍を分離して診断することができる物質を意味し、有機生物分子、例えばポリペプチド、又は核酸(例えば、mRNA)、脂質、糖脂質、糖タンパク質、及び糖(単糖類、二糖類、オリゴ糖など)を含み、これらは腫瘍の細胞で増加するか減少する。癌に対してこの明細書で開示された診断マーカーは腫瘍細胞で発現が増加するFAM19A5遺伝子から発現したタンパク質であり得る。
癌を診断するための組成物はFAM19A5遺伝子のmRNAの発現水準又は発現したタンパク質の量を測定するための製剤を含む。このような製剤は、FAM19A5 mRNAに相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド、FAM19A5 mRNAに特異的に結合するプライマー又は核酸プローブ、及びFAM19A5タンパク質に特異的に結合する抗体を含む。
本明細書で使用される用語“対象”は任意のヒト又は非ヒト動物を含む。用語“非ヒト動物”は全ての脊椎動物、例えば哺乳類及び非哺乳類、例えば非ヒトの霊長類、羊、犬、牛、ニワトリ、両生類、爬虫類などを含む。
用語“配列相同性19を有するファミリ、メンバーA5”又は“FAM19A5”は5個の高度の相同性のタンパク質のTAFAファミリ(FAM19ファミリとも知られている)に属し、脳と脊髄で主に発現するタンパク質を意味する(Tang T. Y. et al., Genomics 83(4):727-34 (2004))。これらのタンパク質は固定位置に保存されたシステイン残期を含み、CC-ケモカインファミリのメンバーであるマクロファージ炎症タンパク質1-アルファ(MIP-1-アルファ)に係わる。TAFAタンパク質は脳と脊髄の特定領域で主に発現する。これらのタンパク質は神経発生過程で成人神経幹細胞によって発生して分配されると思われる。また、FAM19A5はTAFA5又はケモカイン類似タンパク質TAFA-5(Chemokine-like protein TAFA-5)とも知られている。
FAM19A5は脊椎動物の脳で主に発現し、完全な中枢神経系の発生、分化、形成に重要であると思われる。また、FAM19A5は多くの中枢神経系の損傷及び/又は退行性脳疾患(例えば、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳脊髓損傷、脳卒中及び脳腫瘍)の発病機序に有意な役割をする。中枢神経系の損傷時、神経幹細胞がFAM19A5を生成し、これは正常星状膠細胞の反応性星状膠細胞(reactive astrocytes)への分化を誘導する。これらの反応性星状膠細胞は(小膠細胞とともに)広範囲なECM(例えば、プロテオグリカン、糖タンパク質及びコラーゲン)を発現することができ、グリア性瘢痕(glial scars)の形成を誘導することができ、これは中枢神経系の損傷された領域を網のように取り囲んでニューロンの再生を妨げることができる。FAM19A5に対する抗体は中枢神経系傷害及び/又は疾患の予防及び/又は治療に使われることができる(アメリカ特許第9,579,398号参照)。
ヒトにおいて、FAM19A5を暗号化する遺伝子は染色体22に位置する。次のような3種のヒトFAM19A5(UniProt:Q7Z5A7)アイソフォームがあり、これらは選択的スプライシングによって生成されると思われる:アイソフォーム1(UniProt:Q7Z5A7-1)、これは132個のアミノ酸で構成される;アイソフォーム2(UniProt:Q7Z5A7-2)、これは125個のアミノ酸で構成される;及びアイソフォーム3(UniProt:Q7Z5A7-3)、これは53個のアミノ酸で構成される。ヒトFAM19A5タンパク質は膜結合形態と可溶性(分泌された)形態として存在すると思われる。アイソフォーム1は1個の膜貫通領域を有する膜タンパク質であると思われる。アイソフォーム2は分泌されたタンパク質(可溶性)として文献(Tang T. Y. et al., Genomics 83(4):727-34 (2004))に報告されており、アミノ酸位置1-25にシグナルペプチドを含む。アイソフォーム3はESTデータに基づいて予想される。以下は3種の公知のヒトFAM19A5アイソフォームのアミノ酸配列である。
(I)アイソフォーム1(UniProt:Q7Z5A7-1、膜貫通タンパク質):このアイソフォームを標準配列として選択する。
MAPSPRTGSRQDATALPSMSSTFWAFMILASLLIAYCSQLAAGTCEIVTLDRDSSQPRRTIARQTARCACRKGQIAGTTRARPACVDARIIKTKQWCDMLPCLEGEGCDLLINRSGWTCTQPGGRIKTTTVS(SEQ ID NO:1)
(II)アイソフォーム2(UniProt:Q7Z5A7-2、可溶性タンパク質):
MQLLKALWALAGAALCCFLVLVIHAQFLKEGQLAAGTCEIVTLDRDSSQPRRTIARQTARCACRKGQIAGTTRARPACVDARIIKTKQWCDMLPCLEGEGCDLLINRSGWTCTQPGGRIKTTTVS(SEQ ID NO:2)
(III)アイソフォーム3(UniProt:Q7Z5A7-3):
MYHHREWPARIIKTKQWCDMLPCLEGEGCDLLINRSGWTCTQPGGRIKTTTVS(SEQ ID NO:3)
“FAM19A5”は細胞によって自然に発現するFAM19A5の任意の変異体又はアイソフォームを含む。よって、本明細書に開示される抗体は同種の相異なるアイソフォーム(例えば、ヒトFAM19A5の相異なるアイソフォーム)と交差反応することができるか、又はヒト以外の種のFAM19A5(例えば、マウスFAM19A5)と交差反応することができる。もしくは、抗体はヒトFAM19A5に特異的であり得、他の種とは交差反応性を示すことができないこともある。FAM19A5、又はその任意の変異体及びアイソフォームはこれらを自然に発現する細胞又は組職から分離されるか又は組み換えによって生成されることができる。ヒトFAM19A5を暗号化するポリヌクレオチドはGenBank受託番号No.BC039396を有し、次の配列を有する:
用語“FAM19A5タンパク質に対する拮抗剤”はFAM19A5タンパク質の発現を抑制する拮抗剤を意味する。このような拮抗剤は、ペプチド、核酸、又は化合物であり得る。より具体的に、拮抗剤はアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、miRNA、dsRNA、アプタマー、FAM19A5標的化PNA(ペプチド核酸)、又はこれらを含むベクターであり得る。いくつかの具体例において、拮抗剤はFAM19A5タンパク質に特異的に結合する抗体、又はその抗原結合部分であり得る。
用語“抗体”及び“抗体ら”は当該分野の用語であり、この明細書で相互交換して使用することができ、抗原に特異的に結合する抗原結合部位を有する分子を意味する。本明細書で使用される用語は全ての抗体及び任意の抗原結合断片(すなわち、“抗原結合部分”)又はこれらの単鎖を含む。一具体例において、“抗体”はジスルフィド結合によって相互連結された少なくとも2個の重鎖(H)と2個の軽鎖(L)を含む糖タンパク質、又はその抗原結合部分を意味する。他の具体例において、“抗体”は単一可変領域、例えばVHHドメインを含む単鎖抗体を意味する。各重鎖は重鎖可変領域(VHと略記する)と重鎖不変領域からなる。特定の自然発生抗体において、重鎖不変領域は3個のドメインCH1、CH2及びCH3からなる。特定の自然発生抗体において、各軽鎖は軽鎖可変領域(VLと略記する)と軽鎖不変領域からなる。軽鎖不変領域は1個のドメインCLからなる。
VH及びVL領域はフレームワーク領域(FR)と称する、より保存される領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と称する、超可変性領域にさらに細分されることができる。それぞれのVH及びVLは3個のCDRと4個のFRからなり、これらはFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4の順にアミノ末端からカルボキシ末端に向かって配列される。重鎖及び軽鎖の可変領域は抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の不変領域は、免疫システムの多様な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び正統補体システムの第1成分(C1q)を含む宿主組職又は因子と兔疫グロブリンの結合を媒介することができる。
用語“Kabatナンバリング”及び類似の用語は、抗体、又はその抗原結合部分の重鎖及び軽鎖可変領域でアミノ酸残期をナンバリングするシステムを意味する。特定の様態で、抗体のCDRはKabatナンバリングシステムによって決定されることができる(例えば、Kabat EA & Wu TT (1971) Ann NY Acad Sci 190: 382-391 and Kabat EA et al., (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242参照)。Kabatナンバリングシステムを使えば、抗体重鎖分子内でCDRは典型的にアミノ酸位置31~35(これは選択的に35以後に1個又は2個の追加のアミノ酸を含むことができる;Kabatナンバリング方式で35A及び35Bと言及される)(CDR1)、アミノ酸位置50~65(CDR2)、及びアミノ酸位置95~102(CDR3)に存在する。Kabatナンバリングシステムを使えば、抗体軽鎖分子内でCDRは典型的にアミノ酸位置24~34(CDR1)、アミノ酸位置50~56(CDR2)、及びアミノ酸位置89~97(CDR3)に存在する。特定の具体例において、本明細書に開示される抗体のCDRはKabatナンバリング方式で決定された。
文句“Kabatでのようなアミノ酸位置ナンバリング”、“Kabat位置”及びこれらの文法的変異は文献(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991))で抗体編成の重鎖可変領域又は軽鎖可変領域に対して使用されたナンバリングシステムを意味する。このナンバリングシステムを使えば、実際の線形アミノ酸配列はより少ない又は追加のアミノ酸を含むことができる。これは可変領域のFW又はCDRの短縮、又はFW又はCDRへの挿入に相当する。例えば、重鎖可変領域はH2の残期52以後の単一アミノ酸挿入(Kabatによれば、残期52a)及び重鎖FW残期82以後の挿入された残期(例えば、Kabatによれば、残期82a、82b、及び82cなど)を含むことができる(表1b参照)。
残期のKabatナンバリングは“標準”Kabatナンバリングされた配列と抗体の配列の相同性領域で整列によって特定の抗体に対して決定されることができる。Chothiaはその代わりに構造ループの位置を言及する(Chothia and Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。Chothia CDR-H1ループの端部はKabatナンバリング慣例を用いてナンバリングされたとき、ループの長さによってH32~H34の範囲で変わる(これは、Kabatナンバリング方式がH35AとH35Bに挿入を位置させるからである;35Aも35Bも存在しなければ、ループは32で終わる;35Aのみ存在すれば、ループは33で終わる;35Aと35Bが共に存在すれば、ループは34で終わる)。AbM超可変領域はKabat CDRとChothia構造ループ間の妥協点を表示し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使われる。
IMGT(ImMunoGeneTics)もCDRを含む兔疫グロブリン可変領域に対するナンバリングシステムを提供する。例えば、文献(Lefranc, M.P. et al, Dev. Comp. Immunol. 27: 55-77(2003))を参考し、これはこの明細書に参照することにより組み込まれる。IMGTナンバリングシステムは5,000個を超える配列の整列、構造データ、及び超可変ループの特性化に基づいており、全ての種に対して可変領域とCDR領域の容易な比較ができるようにする。IMGTナンバリングスキーマによれば、VH-CDR1は位置26~35にあり、VH-CDR2は位置51~57にあり、VH-CDR3は位置93~102にあり、VL-CDR1は位置27~32にあり、VL-CDR2は位置50~52にあり、VL-CDR3は位置89~97にある。
本明細書で開示される全ての重鎖不変領域アミノ酸位置に対し、ナンバリングは配列化した最初のヒトIgG1である骨髄腫タンパク質EUのアミノ酸配列を説明した文献(Edelman et al., 1969, Proc. Natl. Acad. Set USA 63(1):78-85)で最初に提示されたEUインデックスによる。また、EdelmanらのEUインデックスは文献(Kabat et al., 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed., United States Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda)にも提示されている。よって、文句“Kabatに提示されたEUインデックス”又は“KabatのEUインデックス”及び“Kabatに提示されたEUインデックスによる位置”及びこれらの文法的変異はKabat 1991に提示されたもののようなEdelmanらのヒトIgG1EU抗体に基づく残期ナンバリングシステムを意味する。
可変領域(重鎖及び軽鎖の両者)及び軽鎖不変領域アミノ酸配列に使用されるナンバリングシステムはKabat 1991に提示されたものである。
抗体は兔疫グロブリン分子の任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA又はIgY)、任意のクラス(例えば、IgD、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1又はIgA2)、又は任意のサブクラス(例えば、ヒトでIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4;及びマウスでIgG1、IgG2a、IgG2b及びIgG3)を有することができる。兔疫グロブリン、例えばIgG1はいくつかのアロタイブとして存在し、これらは多くても少数のアミノ酸が互いに異なる。本明細書に開示される抗体は、通常知られたアイソタイプ、クラス、サブクラス、又はアロタイブのいずれかから由来することができる。特定の具体例において、本明細書に開示される抗体はIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4サブクラス又はこれらの任意のハイブリッドである。特定の具体例において、抗体はヒトIgG1サブクラス又はヒトIgG2又はヒトIgG4サブクラスのものである。
“抗体”は、例として、自然発生及び非自然発生抗体;モノクローナル及びポリクローナル抗体;キメラ及びヒト化抗体;ヒト及び非ヒト抗体、完全合成抗体;単鎖抗体;単一特異的抗体;多重特異的抗体(二重特異性抗体を含み);2個の重鎖と2個の軽鎖分子を含む四量体抗体;抗体軽鎖モノマー;抗体重鎖モノマー;抗体軽鎖二量体;抗体重鎖二量体;抗体軽鎖-抗体重鎖対;細胞内抗体;ヘテロ結合抗体;1価抗体;ラクダ化抗体;アフィボディー;抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、抗抗Id抗体を含み)、及び充分に抗原結合することができる単一モノマー可変抗体ドメイン(例えば、VHドメイン又はVLドメイン)からなる結合分子を含む単一ドメイン抗体(sdAb)を含む(Harmen M. M. and Haard H. J. Appl Microbiol Biotechnol. 77(1): 13-22 (2007))。
本明細書で使用される用語抗体の“抗原結合部分”は抗原(例えば、ヒトFAM19A5)に特異的に結合する能力を保有した抗体の1個以上の断片を意味する。このような“断片”は、例えば、約8~約1500個のアミノ酸の長さ、適切には約8~約745個のアミノ酸の長さ、より適切には約8~約300個、例えば約8~約200個のアミノ酸、又は約10個~約50又は100個のアミノ酸の長さである。抗体の抗原結合機能は全長抗体の断片によって遂行されることができるというのが明かされた。抗体、例えば、この明細書に開示される抗FAM19A5抗体の“抗原結合部分”と言う用語に含まれる結合断片の例は、(i)VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなる1価断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィドブリッジによって連結された2個のFab断片を含む2価断片であるF(ab’)2断片;(iii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一腕のVL及びVHドメインからなるFv断片、及びジスルフィド連結されたFvs(sdFv);(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et ( a1l9.8, 9) Nature 341:544- 546);及び(vi)分離された相補性決定領域(CDR)又は(vii)合成リンカーによって選択的に連結されることができる2個以上の分離されたCDRの組合せを含む。また、Fv断片の2個のドメインであるVLとVHは別個の遺伝子によってコーディングされるが、これらは合成リンカーによって、組み換え方法を使用して、連結されることができる。これにより、VLとVH領域が対を成して1価分子を形成した単一タンパク質鎖となることができる(単鎖Fv(scFv)と言う)(例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423-426; and Huston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883)参照)。このような単鎖抗体も抗体の“抗原結合部分”という用語内に含まれる。これらの抗体断片は当業者に公知となった従来の技術によって得られ、断片は無損傷抗体と同一の方式で有用にスクリーニングされる。抗原結合部分は組み換えDNA技術によって、又は無損傷兔疫グロブリンの酵素又は化学切断によって生成されることができる。
本明細書で使用される用語“可変領域”又は“可変ドメイン”は当該分野で通常に互いに交換して使われる。可変領域は典型的に抗体の一部分、一般的に軽鎖又は重鎖の一部分、典型的に成熟した重鎖においてアミノ末端約110~120個のアミノ酸及び成熟した軽鎖において約90~115個のアミノ酸を意味し、これらは抗体間に配列が鉱範に異なり、その特定抗原に対する特定抗体の結合及び特異性のため使われる。配列変動性は相補性決定領域(CDR)と呼ばれる領域に集中し、可変領域でより高度に保存された領域はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。
軽鎖及び重鎖のCDRは抗原と抗体の相互作用及び特異性を主に担当すると思われる。特定の具体例において、可変領域はヒト可変領域である。特定の具体例において、可変領域はげっ歯類又はネズミ科CDRとヒトフレームワーク領域(FR)を含む。特定の具体例において、可変領域は霊長類(例えば、非ヒトの霊長類)可変領域である。特定の具体例において、可変領域はげっ歯類又はネズミ科CDRと霊長類(例えば、非ヒトの霊長類)フレームワーク領域(FR)を含む。
本明細書で使用される用語“重鎖”は、抗体に関連して使われるとき、不変ドメインのアミノ酸配列に基づいて、任意の相異なるタイプ、例えばアルファ(α)、デルタ(δ)、エプシロン(ε)、ガンマ(γ)及びミュー(μ)を意味することができ、これらはそれぞれIgGのサブクラス、例えばIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含めて、抗体のIgA、IgD、IgE、IgG及びIgMクラスを発生させる。
本明細書で使用される用語“軽鎖”は、抗体に関連して使われるとき、不変ドメインのアミノ酸配列に基づいて任意の相異なるタイプ、例えばカッパ(κ)及びラムダ(λ)を意味することができる。軽鎖アミノ酸配列は当該分野によく知られている。特定の具体例において、軽鎖はヒト軽鎖である。
用語“VL”及び“VLドメイン”は互いに交換して使われ、抗体の軽鎖可変領域を意味する。
用語“VH”及び“VHドメイン”は互いに交換して使われ、抗体の重鎖可変領域を意味する。
本明細書で使用される用語“不変領域”又は“不変ドメイン”は互いに交換することができ、当該分野での通常の意味を有する。不変ドメインは抗体部分であり、例えば抗体と抗原の結合には直接関与しないがFc受容体との相互作用のような多様なエフェクター機能を示すことができる軽鎖及び/又は重鎖のカルボキシ末端部分である。兔疫グロブリン分子の不変領域は、一般的に兔疫グロブリン可変領域に比べてもっと保存されたアミノ酸配列を有する。
“Fc領域”(断片結晶化可能な領域)又は“Fcドメイン”又は“Fc”は免疫システムの多様な細胞(例えば、エフェクター細胞)上に位置するFc受容体又は正統補体システムの第1成分(C1q)との結合を含み、宿主組職又は因子と兔疫グロブリンの結合を媒介する抗体の重鎖のC末端領域を意味する。よって、Fc領域は第1不変領域兔疫グロブリンドメイン(例えば、CH1又はCL)を除いた抗体の不変領域を含む。IgG、IgA及びIgD抗体アイソタイプにおいて、Fc領域は抗体の2個の重鎖の第2(CH2)及び第3(CH3)不変ドメインから来由した2個の同じタンパク質断片を含む;IgM及びIgEFc領域は、各ポリペプチド鎖に3個の重鎖不変ドメイン(CHドメイン2~4)を含む。IgGの場合、Fc領域は兔疫グロブリンドメインCγ2及びCγ3とCγ1とCγ2間のヒンジを含む。兔疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は多様であるが、ヒトIgG重鎖Fc領域は一般的に位置C226又はP230にあるアミノ酸残期(又はこれら2個のアミノ酸間のアミノ酸)から重鎖のカルボキシ末端まで延びるのように限定され、ここでナンバリングはKabatでのようなEUインデックスによる。ヒトIgGFc領域のCH2ドメインは約アミノ酸231から約アミノ酸340まで延び、CH3ドメインはFc領域でCmドメインのC末端側に位置する。すなわち、それはIgGの約アミノ酸341から約アミノ酸447まで延びる。Fc領域は任意のアロタイブ変異体を含む自生配列Fc、又は変異体Fc(例えば、非自然発生Fc)であり得る。また、Fcは分離された状態の領域を意味するか又は“Fc融合タンパク質”(例えば、抗体又は免疫付着(immunoadhesion))とも言う、“Fc領域を含む結合タンパク質”のような、Fcを含むタンパク質ポリペプチドに関連した領域を意味する。
“自生配列Fc領域”又は“自生配列Fc”は自然で発見されたFc領域のアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を含む。自生配列ヒトFc領域は、自生配列ヒトIgG1 Fc領域;自生配列ヒトIgG2 Fc領域;自生配列ヒトIgG3 Fc領域;及び自生配列ヒトIgG4 Fc領域だけではなく、これらの自然発生変異体を含む。自生配列FcはFeの多様なアロタイブを含む(例えば、Jefferis et al. (2009) mAbs 1:1; Vidarsson G. et al. Front Immunol. 5:520(2014年10月20日オンライン公開)参照)。
“Fc受容体”又は“FcR”は兔疫グロブリンのFc領域に結合する受容体である。IgG抗体に結合するFcRはFcγファミリの受容体を含み、これら受容体の対立遺伝子変異及び他の方式でスプライスされた形態を含む。Fcγファミリは3種の活性化受容体(マウスでFcγRI、FcγRIII、及びFcγRIV;ヒトでFcγRIA、FcγRIIA、及びFcγRIIIA)と1個の抑制性受容体(FcγRIIB)からなる。ヒトIgG1は大部分のヒトFc受容体と結合し、最も強いFcエフェクター機能を導出する。それが結合する活性化Fc受容体の種類に対してはネズミ科IgG2aと同等であると見なされる。一方、ヒトIgG4は最小限のFcエフェクター機能を導出する(Vidarsson G. et al. Front Immunol. 5:520 (2014年10月20日オンライン公開)参照)。
不変領域は、1個以上のエフェクター機能を除去するために、例えば組み換え技術によって操作可能である。“エフェクター機能”は抗体Fc領域とFc受容体又はリガンドの相互作用、又はそれから生ずる生化学的イベントを意味する。例示的な“エフェクター機能”はC1q結合、補体依存性細胞毒性(CDC)、Fc受容体結合、FcγR-媒介エフェクター機能、例えばADCC及び抗体依存性細胞媒介食作用(ADCP)、及び細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体;BCR)のダウン調節を含む。このようなエフェクター機能は一般的にFc領域が結合ドメイン(例えば、抗体可変領域)と組み換えられることを必要とする。よって、用語“Fc機能がない不変領域”はFc領域によって媒介された1個以上のエフェクター機能が減少するかない不変領域を含む。
抗体のエフェクター機能は相異なる接近法によって減少又は回避することができる。抗体のエフェクター機能はFc領域を欠いた抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)2、単鎖Fv(scFv)、又はモノマーVH又はVLドメインからなるsdAb)を使って減少するか回避することができる。もしくは、Fc領域の他の価値ある属性(例えば、延ばされた半減期及びヘテロ二量化)は保有しながら抗体のエフェクター機能を減少させるためにいわゆるアグリコシル化(aglycosylated)抗体がFc領域で特定の残期に連結された糖を除去することによって生成されることができる。アグリコシル化抗体は、例えば糖が付着された残期を欠失又は変更して糖を酵素的に除去することにより、グリコシル化阻害剤の存在の下で培養された細胞で抗体を生成することにより、又はタンパク質をグリコシル化することができない細胞(例えば、バクテリア宿主細胞)で抗体を発現することにより生成されることができる(例えば、アメリカ特許公開第20120100140号参照)。他の接近法は、エフェクター機能が減少したIgGサブクラスからのFc領域を用いるものである。例えば、IgG2及びIgG4抗体はIgG1及びIgG3より低い水準のFcエフェクター機能を有することを特徴とする。Fc部分のCH2ドメインでヒンジ領域に最も近くにある残期が抗体のエフェクター機能を担当し、それは先天免疫システムのエフェクター細胞上でC1q(補体)及びIgG-Fc受容体(FcγR)に対してかなり重畳した結合部位を含む(Vidarsson G. et al. Front Immunol. 5:520(2014年10月20日オンライン公開)参照)。よって、Fcエフェクター機能が減少するかない抗体は、例えばIgG4アイソタイプのIgG抗体からCH2ドメインとIgG1アイソタイプのIgG抗体からCH3ドメインを含むキメラFc領域、又はIgG2からヒンジ領域とIgG4からCH2領域を含むキメラFc領域(例えば、Lau C. et al. J. Immunol. 191:4769-4777 (2013)参照)、又は変更されたFcエフェクター機能、例えば減少するかないFc機能をもたらす突然変異を有するFc領域を生成することによって製造できる。突然変異を有するこのようなFc領域は当該分野に公知となっている。例えば、アメリカ特許公開第20120100140号とそれに引用されたアメリカ出願及びPCT出願と文献(An et al. mAbs 1:6, 572- 579 (2009))を参照し、これらはその全体をこの明細書に参照することにより組み込まれる。
“ヒンジ”、“ヒンジドメイン”又は“ヒンジ領域”又は“抗体ヒンジ領域”はCH1ドメインをCH2ドメインに連結し、ヒンジの上部、中央、及び下部の部分を含む重鎖不変領域のドメインを意味する(Roux et al. J. Immunol. 1998 161:4083)。ヒンジは抗体の結合領域とエフェクター領域との間に可撓性の水準を変化させ、また2個の重鎖不変領域間に分子間ジスルフィド結合のための部位を提供する。本明細書で提示されるヒンジは全てのIgGアイソタイプに対してGlu216から始まってGly237で終わる(Roux et al 19., 98 J Immunol 161:4083)。野生型IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4ヒンジの配列が当該分野に公知となっている(例えば、Kabat EA et al., (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242; Vidarsson G. et al. Front Immunol. 5:520(2014年10月20日オンライン公開)参照)。
用語“CH1ドメイン”は重鎖不変ドメインで可変領域とヒンジを連結する重鎖不変領域を意味する。本明細書に提示されたCH1ドメインはA118から始まってV215で終わる。用語“CH1ドメイン”は野生型CH1ドメインだけでなく、その自然に存在する変異体(例えば、アロタイブ)を含む。(野生型及びアロタイブを含む)IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4のCH1ドメイン配列は当該分野に公知となっている(例えば、Kabat EA et a (1991) supra and Vidarsson G. et al. Front Immunol. 5:520(2014年10月20日オンライン公開)参照)。例示的なCH1ドメインは、抗体の生物学的活性、例えば半減期を変形する突然変異を有するCH1ドメインを含み、これらは、例えばアメリカ特許公開第20120100140号及びそれに引用されたアメリカ特許及び出願とPCT出願に開示されている。
用語“CH2ドメイン”は重鎖不変ドメインでヒンジとCH3ドメインを連結する重鎖不変領域を意味する。本明細書に提示されたCH2ドメインはP238から始まってK340で終わる。用語“CH2ドメイン”は野生型CH2ドメインだけでなくその自然に存在する変異体(例えば、アロタイブ)を含む。(野生型及びアロタイブを含む)IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4のCH2ドメイン配列は当該分野に公知となっている(例えば、Kabat EA et al., (1991) supra and Vidarsson G. et al. Front Immunol. 5:520(2014年10月20日オンライン公開)参照)。例示的なCH2ドメインは、抗体の生物学的活性、例えば半減期及び/又は減少したFcエフェクター機能を変形する突然変異を有するCH2ドメインを含み、これらは、例えばアメリカ特許公開第20120100140号及びそれに引用されたアメリカ特許及び出願とPCT出願に開示されている。
用語“CH3ドメイン”は重鎖不変ドメインでCH2ドメインに対してC末端である重鎖不変領域を意味する。本明細書に提示されたCH3ドメインはG341から始まってK447で終わる。用語“CH3ドメイン”は野生型CH3ドメインだけでなくその自然に存在する変異体(例えば、アロタイブ)を含む。(野生型及びアロタイブを含む)IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4のCH3ドメイン配列は当該分野に公知となっている(例えば、Kabat EA et al., (1991) supra and Vidarsson G. et al. Front Immunol. 5:520(2014年10月20日オンライン公開)参照)。例示的なCH3ドメインは、抗体の生物学的活性、例えば半減期を変形する突然変異を有するCH3ドメインを含み、これらは、例えばアメリカ特許公開第20120100140号及びそれに引用されたアメリカ特許及び出願とPCT出願に開示されている。
本明細書で使用される“アイソタイプ”は重鎖不変領域遺伝子によって暗号化される抗体クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、及びIgE抗体)を意味する。
“アロタイブ”は少数のアミノ酸に違いがある特定のアイソタイプグループ内で自然発生した変異体を意味する(例えば、Jefferis et al. (2009) mAbs 1:1参照)。本明細書に提示された抗体は任意のアロタイブを有することができる。IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4のアロタイブは当該分野に公知となっている(例えば、Kabat EA et a (l1.,991) supra; Vidarsson G. et al. Front Immunol. 5:520(2014年10月20日オンライン公開);及びLefranc MP, mAbs 1:4, 1- 7(2009)参照)。
用語“抗原を認識する抗体”及び“抗原に特異的な抗体”は用語“抗原に特異的に結合する抗体”とこの明細書で互いに交換して使われる。
本明細書で使用される“分離された抗体”は相異なる抗原特異性を有する他の抗体が実質的にない抗体を意味する(例えば、FAM19A5に特異的に結合する分離された抗体はFAM19A5以外の抗原に特異的に結合する抗体が実質的にない)。しかし、FAM19A5のエピトープに特異的に結合する分離された抗体は相異なる種からの他のFAM19A5タンパク質に対して交差反応性を有することができる。
“結合親和性”は一般的に分子(例えば、抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)間の非共有相互作用の合計強度を意味する。特別な言及がなければ、本明細書で使用される“結合親和性”は結合対のメンバー(例えば、抗体と抗原)間の1:1相互作用を反映する固有の結合親和性を意味する。パートナーYに対する分子Xの親和性は一般的に解離定数(KD)によって表示されることができる。親和性は、これに制限されるものではないが、平衡解離定数(KD)、及び平衡結合定数(KA)を含む、当該分野に公知となっている多数の方式で測定及び/又は表示されることができる。KDはkoff/konの商から計算され、モル濃度(M)として表示され、KAはkon/koffの商から計算される。konは、例えば抗原に対する抗体の結合速度定数を意味し、koffは、例えば抗原に対する抗体の解離速度定数を意味する。kon及びkoffは免疫分析(例えば、酵素免疫吸着(ELISA))、BIACORE(登録商標)又は結合平衡除外法(KinExA(登録商標))のような、当業者に公知となった技術によって決定されることができる。
本明細書で使用される用語“特異的に結合する”、“特異的に認識する”、“特異的結合”、“選択的結合”及び“選択的に結合する”は抗体に関連して類似の用語で、抗原(例えば、エピトープ又は免疫複合体)に結合する分子(例えば、抗体)に関連する用語であり、このような結合は当業者によって理解される通りである。例えば、抗原に特異的に結合する分子は、例えば免疫分析、BIACORE(登録商標)、KinExA(登録商標)3000機器(Sapidyne Instruments、Boise、ID)、又は当該分野に公知となった他の分析によって決定されたとき、一般的にもっと低い親和性で他のペプチド又はポリペプチドに結合することができる。特定の具体例において、抗原に特異的に結合する分子は、この分子が他の抗原に結合するときのKAより少なくとも2logs、2.5logs、3logs、4logs又はそれ以上大きなKAでその抗原に結合する。
抗体は典型的に10-5~10-11M以下の解離定数によって反映される、高親和性で同族抗原に特異的に結合する。約10-4Mを超えるKDは一般的に非特異的結合を示すと見なされる。抗原と“特異的に結合する”抗体は高親和性で抗原及び実質的に同じ抗原に結合する抗体を意味し、これは、例えば決まった抗原を使って免疫分析(例えば、ELISA)又はBIACORETM 2000機器で表面プラズモン共鳴(SPR)技術によって決定されたとき、10-7M以下、好ましくは10-8M以下、より好ましくは10-9M以下、及び最もましくは10-8M~10-10MのKDを有することを意味し、これは関係ない抗原には高親和性で結合しない。
本明細書で使用される用語“抗原”は任意の天然又は合成免疫原性物質、例えばタンパク質、ペプチド又はハブテンを意味する。抗原はFAM19A5又はその断片であり得る。
本明細書で使用される“エピトープ”は当該分野の用語であり、抗体が特異的に結合することができる抗原の局所領域を意味する。エピトープは、例えばポリペプチドの連続(contiguous)アミノ酸(線形又は連続エピトープ)であり得るか、又はエピトープは、例えばポリペプチド又はポリペプチドらの2個以上の非連続領域が合わせられたもの(立体構造、非線形、不連続、又は非連続エピトープ)であり得る。連続アミノ酸から形成されたエピトープは、いつもそうではないが、典型的に変性溶媒に露出されるときに保有され、3次フォルディングによって形成されたエピトープは典型的に変性溶媒で処理するときに喪失される。エピトープは典型的に独特な空間立体構造で少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は20個のアミノ酸を含む。エピトープが特定の抗体によって結合されたことを決定する方法(すなわち、エピトープマッピング)は当該分野によく知られており、これは、例えば免疫ブロッティング及び免疫沈降分析を含み、重畳又は連続ペプチド(例えば、FMAM19A5からの)が特定の抗体(例えば、抗FAM19A5抗体)との反応性に対して試験される。エピトープの空間的立体形態を決定する方法は当該分野の技術及びこの明細書に開示されるものなどを含み、例えばX線結晶学、2次元核磁気共鳴及びHDX-MSを含む(例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology, Vol. 66, G. E. Morris, Ed. (1996)参照)。
特定の具体例において、抗体が結合したエピトープは、例えばNMR分光法、X線回折結晶学研究、ELISA分析、質量分光法と結合された水素/重水素交換(例えば、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレイ質量分析法)、アレイ基盤オリゴペプチド走査分析、及び/又は突然変異誘発マッピング(例えば、部位特異的突然変異誘発マッピング)によって決定されることができる。X線結晶学の場合、結晶化は当該分野に公知となった方法のいずれかを使って達成されることができる(例えば、Giege R et a (l1.9, 94) Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 50(Pt 4): 339-350; McPherson A (1990) Eur J Biochem 189: 1-23; Chayen NE (1997) Structure 5: 1269- 1274; McPherson A (1976) J Biol Chem 251 : 6300-6303参照)。抗体:抗原結晶はよく知られているX線回折技術を使って研究されることができ、X-PLOR(Yale University, 1992, distributed by Molecular Simulations, Inc.; see, e.g., Meth Enzymol (1985) volumes 114 & 115, eds Wyckoff HW et al.,; アメリカ特許公開第2004/0014194号参照), and BUSTER (Bricogne G (1993) Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 49(Pt 1): 37-60; Bricogne G (1997) Meth Enzymol 276A: 361-423, ed Carter CW; Roversi P et al., (2000) Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 56(Pt 10): 1316-1323)のようなコンピュータソフトウェアを使って研究されることができる。突然変異誘発マッピング研究は当業者に公知となった任意の方法を使って遂行されることができる。アラニン走査突然変異誘発技術を含む突然変異誘発技術の内容は、例えば文献(Champe M et al., (1995) J Biol Chem 270: 1388-1394 and Cunningham BC & Wells JA (1989) Science 244: 1081- 1085)を参考する。
用語“エピトープマッピング”は抗体-抗原認識に対する分子決定基の確認過程を意味する。
2個以上の抗体に関連して、用語“同じエピトープに結合する”は特定の方法によって決定されたとき、抗体がアミノ酸残期の同じセグメントに結合することを意味する。抗体がこの明細書に提示された抗体と“FAM19A5上の同じエピトープ”に結合するかを決定する技術は、例えばエピトープマッピング法、例えばエピトープの原子分解能を提供する抗原:抗体複合体の結晶のX線分析及び水素/重水素交換質量分光法(HDX-MS)を含む。他の方法は抗体と抗原断片又は抗原の突然変異された変異体の結合をモニタリングし、ここで抗原配列内でアミノ酸残期の変形による結合の損失が主にエピトープ成分の表示として見なされる。これに加え、エピトープマッピングのためのコンピュータ組合せ方法も使われることができる。これらの方法は組み換えファージディスプレイペプチドライブラリから特定の短いペプチドを親和性分離することができる該当抗体の能力に依存する。同じVH及びVL又は同じCDR1、2及び3配列を有する抗体は同じエピトープに結合すると予想される。
“標的との結合に対して他の抗体と競合する”抗体は他の抗体と標的の結合を(部分的に又は完全に)阻害する抗体を意味する。2個の抗体が標的との結合に対して互いに競合するか、すなわち1個の抗体が他の抗体と標的の結合を阻害するか否かと阻害する程度は公知となった競合実験によって決定されることができる。特定の具体例において、抗体は他の抗体と標的の結合で競合し、この結合を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%まで阻害する。阻害又は競合の水準は、抗体が“遮断抗体”(すなわち、標的と先にインキュベーションされた低温抗体)であるかによって違うことができる。競合分析は、例えばEd Harlow and David Lane, Cold Spring Harb Protoc; 2006; doi: 10.1101/pdb.prot4277 or in Chapter 11 of "Using Antibodies" by Ed Harlow and David Lane, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, USA 1999)の第11章に提示された通りに遂行されることができる。競合抗体は(例えば、立体障害によって)同じエピトープ、重畳エピトープ又は隣接エピトープに結合する。
他の競合結合分析は、固相直接又は間接放射性免疫測定(RIA)、固相直接又は間接酵素免疫測定法(EIA)、サンドイッチ競合分析(Stahli et al., Methods in Enzymology 9:242 (1983)参照);固相直接ビオチン-アビジンEIA(Kirkland et al., J. Immunol. 137:3614 (1986)参照);固相直接標識分析、固相直接標識サンドイッチ分析(Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press (1988)参照);1-125標識を使った固相直接標識RIA(Morel et αΙ., ΜοΙ. Immunol. 25(1):7 (1988)参照);固相直接ビオチン-アビジンEIA(Cheung et al, Virology 176:546 (1990)参照);及び直接標識RIA(Moldenhauer et al, Scand. J. Immunol. 32:77 (1990)参照)を含む。
“二重特異性”又は“二元機能抗体”は2個の相異なる重鎖/軽鎖対と2個の相異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体である。二重特異性抗体はハイブリドーマの融合又はFab’断片の連結を含むさまざまな方法によって生成されることができる(例えば、Songsivilai & Lachmann, Clin. Exp. Immunol. 79:315-321 (1990); Kostelny et al., J. Immunol. 148, 1547-1553 (1992)参照)。
本明細書で使用される用語“モノクローナル抗体”は特定のエピトープに対して単一結合特異性及び親和性を示す抗体又は全ての抗体が特定のエピトープに対して単一結合特異性及び親和性を示す抗体の組成物を意味する。よって、用語“ヒトモノクローナル抗体”は単一結合特異性を示し、ヒト生殖細胞兔疫グロブリン配列から来由した可変及び選択的不変領域を有する抗体又は抗体組成物を意味する。一具体例において、ヒトモノクローナル抗体はトランスジェニック非ヒト動物、例えば不死化細胞に融合したヒト重鎖導入遺伝子と軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する、トランスジェニックマウスから得られたB細胞を含むハイブリドーマによって生成される。
用語“組み換えヒト抗体”は、(a)ヒト免疫グロブリン遺伝子に対して導入遺伝子又はトランス染色体性(transchromosomal)である動物(例えば、マウス)から分離された抗体又はそれから製造されたハイブリドーマ、(b)抗体を発現するように形質転換された宿主細胞から、例えばトランスフェクトーマ(transfectoma)から分離された抗体、(c)組み換え、組合ヒト抗体ライブラリから分離された抗体、及び(d)他のDNA配列に対するヒト兔疫グロブリン遺伝子配列をスプライシングを伴う任意の他の手段によって製造、発現、生成又は分離された抗体のような、組み換え手段によって製造、発現、生成又は分離された全てのヒト抗体を含む。このような組み換えヒト抗体は生殖細胞遺伝子によって暗号化されるが、例えば抗体成熟化中に発生する後続再配列及び突然変異を含む特定のヒト生殖細胞兔疫グロブリン配列を用いる可変及び不変領域を含む。当該分野に公知となったように(例えば、Lonberg (2005) Nature Biotech. 23(9): 1117- 1125参照)、可変領域は外来抗原に対して特異的な抗体を形成するように再配列した多様な遺伝子によって暗号化された、抗原結合ドメインを含む。再配列に加え、可変領域は外来抗原に対する抗体の親和性を増加させるために多数の単一アミノ酸変化(体細胞突然変異又は超突然変異)によってさらに変形されることができる。不変領域は抗原に対する追加の反応(すなわち、アイソタイプスイッチ)によって変わるであろう。よって、抗原に反応して軽鎖及び重鎖兔疫グロブリンポリペプチドを暗号化する再配列されて体細胞突然変異された核酸分子は元の核酸分子と配列同一性を有することができないが、その代わりに実質的に同一であるかほぼ同一であろう(すなわち、少なくとも80%の同一性を有する)。
“ヒト”抗体(HuMAb)はフレームワークとCDR領域の両者がヒト生殖細胞兔疫グロブリン配列から来由した可変領域を有する抗体を意味する。また、この抗体が不変領域を含めば、不変領域もヒト生殖細胞兔疫グロブリン配列から来由する。本明細書に提示された抗体は、ヒト生殖細胞兔疫グロブリン配列によって暗号化されないアミノ酸残期を含むことができる(例えば、試験管内無作為又は部位特異的突然変異の誘発によって又は生体内体細胞突然変異によって導入した突然変異)。しかし、用語“ヒト抗体”はマウスのような他の哺乳類種の生殖細胞から来由したCDR配列がヒトフレームワーク配列に移植された抗体は含まない。用語“ヒト”抗体と“完全なヒト”抗体は同義語として使われる。
用語“ヒト化”抗体は非ヒト抗体のCDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分又は全部がヒト兔疫グロブリンから来由した相応するアミノ酸に置換された抗体を意味する。抗体のヒト化形態の一具体例において、CDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分又は全部がヒト兔疫グロブリンからのアミノ酸に置換され、1個以上のCDR領域内のアミノ酸の一部、大部分又は全部はそのまま残る。アミノ酸の添加、欠失、挿入、置換又は変形は、これらが抗体が特定抗原に結合する能力を無くさない限り、許容される。“ヒト化”抗体は元の抗体のものと類似した抗原特異性を保有する。
“キメラ抗体”は1個の種から可変領域が来由し、他の種から不変領域が来由した抗体、例えばマウス抗体から可変領域が来由し、ヒト抗体から不変領域が来由した抗体を意味する。
本明細書で使用される用語“交差反応する”は相異なる種からのFAM19A5に結合するこの明細書に提示された抗体の能力を意味する。例えば、ヒトFAM19A5に結合するこの明細書に提示された抗体も他の種のFAM19A5(例えば、マウスFAM19A5)にも結合することができる。このような交差反応性は結合分析(例えば、SPR、ELISA)で精製された抗原との特異的反応性を検出することにより、又はFAM19A5を生理学的に発現する細胞との結合、又は機能的相互作用を検出することにより測定されることができる。交差反応性を決定する方法は、この明細書に開示される標準結合分析、例えばBIACORE(登録商標) 2000SPR機器(Biacore AB、Uppsala、Sweden)を使ったBIACORE(登録商標)表面プラズモン共鳴(SPR)分析、又はフローサイトメトリー技術を含む。
本明細書で、ある物体に適用された用語“自然発生”は物体が自然で発見されることができるという事実を意味する。例えば、自然の出処から分離されることができ、実験室でヒトによって意図的に変形されなかった有機体に存在するポリペプチド又はポリヌクレオチド配列は自然発生である。
“ポリペプチド”は少なくとも2個の連続的に連結されたアミノ酸残期を含む鎖を意味し、鎖の長さに上限はない。タンパク質において1個以上のアミノ酸残期は、これに制限されるものではないが、グリコシル化、リン酸化又はジスルフィド結合形成のような変形を含むことができる。“タンパク質”は1個以上のポリペプチドを含むことができる。
用語“核酸分子”はDNA分子及びRNA分子を含む。核酸分子は一本鎖又は二本鎖であり得、cDNAであり得る。
用語“保存的アミノ酸置換”はアミノ酸残期が類似の測鎖を有するアミノ酸残期に置換されることを意味する。類似の測鎖を有するアミノ酸残期のファミリは当該分野に規定されている。これらのファミリは塩基性測鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性測鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性測鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性測鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分岐測鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族測鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。特定の具体例において、抗TIM3抗体で予想された非必須アミノ酸残期が同じ測鎖ファミリからの他のアミノ酸残期に置換される。抗原結合を害しないヌクレオチド及びアミノ酸同類置換を確認する方法は当該分野によく知られている(例えば、Brummell et al., Biochem. 32: 1180-1187 (1993); Kobayashi et al. Protein Eng. 12(10):879-884 (1999); and Burks et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:412-417 (1997)参照)。
核酸の場合、用語“実質的な相同性”は2個の核酸、又はこれらの指定された配列が最適に整列されて比較されたとき、同一であることを示す。この際、ヌクレオチドの少なくとも約80%、少なくとも約90%~95%又はヌクレオチドの少なくとも約98%~99.5%で適切なヌクレオチド挿入又は欠失を有する。もしくは、実質的な相同性はセグメントが選択的混成化条件の下でその本の補体と混成化するときに存在する。
ポリペプチドの場合、用語“実質的な相同性”は2個のポリペプチド、又はこれらの指定された配列が最適に整列されて比較されたとき、同一であることを示す。この際、アミノ酸の少なくとも約80%、少なくとも約90%~95%、又はアミノ酸の少なくとも約98%~99.5%で、適切なアミノ酸挿入又は欠失を有する。
2個の配列間の同一性パーセントは2個の配列の最適整列のために導入されなければならない、ギャップの数、及び各ギャップの長さを考慮した、配列によって共有された同じ位置の数の関数である(すなわち、相同性%=同じ位置の#/位置の総#×100)。配列の比較及び2個の配列間の同一性パーセントは以下の非制限的例に説明するもののような数学的アルゴリズムを使って決定されることができる。
2個のヌクレオチド配列間の同一性パーセントはGCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを使って決定されることができ(worldwideweb.gcg.comで用いることができる)、これはNWSgapdna.CMPマトリックス及びギャップ加重値40、50、60、70又は80及び長さ荷重値1、2、3、4、5又は6を使う。2個のヌクレオチド又はアミノ酸配列間の同一性パーセントもALIGNプログラム(バージョン2.0)に統合されたE.Meyers and W.Miller(CABIOS, 4: 11-17 (1989))のアルゴリズムを使って決定されることができ、これはPAM120加重残期表、ギャップ長さペナルティー12及びギャップペナルティ4を使う。これに加え、2個のアミノ酸配列間の同一性パーセントはGCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムに統合されたNeedleman and Wunsch(J. Mol. Biol. (48):444-453 (1970))アルゴリズムを使って決定されることができ(http://www.gcg.comで用いることができる)、これはBlossum62マトリックス又はPAM250マトリックス、及びギャップ加重値16、14、12、10、8、6又は4及び長さ荷重値1、2、3、4、5又は6を使う。
本明細書に提示される核酸及びタンパク質配列は、例えば関連の配列を確認するために公共データベースで検索を遂行するための“クエリー配列”として使われることができる。このような検索は文献(Altschul, et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403-10)のNBLAST及びXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使って遂行されることができる。BLASTヌクレオチド検索はNBLASTプログラム、スコア=100、単語長さ=12の下で遂行されることができ、これによりこの明細書に提示された核酸分子と相同性のヌクレオチド配列が得られる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、スコア=50、単語長さ=3の下で遂行されることができ、これによりこの明細書に提示されたタンパク質分子と相同性のアミノ酸配列が得られる。比較目的でギャップがある整列を得るために、Gapped BLASTが文献(Altschul et al, (1997) Nucleic Acids Res. 25(17):3389-3402)に説明された通りに用いることができる。BLAST及びGapped BLASTプログラムを用いるとき、各プログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォルト変数を用いることができる(worldwideweb.ncbi.nlm.nih.gov参照)
核酸は、全細胞に、細胞溶解物に、又は部分的に精製された形態又は実質的に純粋な形態に存在することができる。核酸はアルカリ性/SDS処理、CsClバンディング、カラムクロマトグラフィー、アガロースゲル電気泳動及び当該分野によく知られている他の技術を含む標準技術によって、他の細胞成分又は他の汚染物、例えば他の細胞(例えば、染色体の残り部分)核酸又はタンパク質から精製されたとき、“分離されるか”又は“実質的に純粋である”(F. Ausubel, et al., ed. Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley Interscience, New York (1987)参照)。
核酸、例えばcDNAは遺伝子配列を提供するための標準技術によって突然変異されることができる。コーディング配列の場合、これらの突然変異は要望の通りにアミノ酸配列に影響を及ぼすことができる。特に、本明細書に提示された天然V、D、J、不変、スイッチ及び他のこのような配列と実質的に相同性を有するかそれから来由したDNA配列が考慮される(ここで、“来由した”は配列が他の配列と同一であるか又はそれから変形されたことを示す)。
用語“ベクター”はそれが連結された他の核酸を輸送することができる核酸分子を意味する。一種類のベクターは“プラスミド”であり、これは追加のDNAセグメントがライゲーションされることができる円形の二重本DNAループを意味する。他の種類のベクターはウイルスベクターであり、ここで追加のDNAセグメントがウイルスゲノムにライゲーションされることができる。特定のベクター(例えば、バクテリア複製起源を有するバクテリアベクター及びエピソーム哺乳類ベクター)はこれらが導入された宿主細胞で自己複製することができる。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳類ベクター)は、宿主細胞に導入されるとき、宿主細胞のゲノムに統合することができ、これにより宿主ゲノムとともに複製される。さらに、特定のベクターはこれらが作動可能に連結された遺伝子の発現を指示することができる。このようなベクターはこの明細書で“組み換え発現ベクター”(又は簡単に“発現ベクター”)と言及される。一般的に、組み換えDNA技術で有用性を有する発現ベクターは主にプラスミド形態である。本明細書で、“プラスミド”と“ベクター”はプラスミドがベクターの最もよく使われる形態であるから互いに交換して使われることができる。しかし、ウイルスベクター(例えば、複製結合レトロウイルス、アデノウイルス及びアデノ関連ウイルス)のような他の形態の発現ベクターも含まれ、これらは同等な機能をする。
用語“組み換え宿主細胞”(又は簡単に“宿主細胞”)は細胞に自然に存在しない核酸を含む細胞を意味し、組み換え発現ベクターが導入された細胞であり得る。このような用語は特定の該当細胞だけではなく、このような細胞の子孫も含むことが理解されなければならない。突然変異又は環境的影響によって後続世代では特定の変形が起こることができるから、このような子孫は実際に母細胞と同一であることはできないが、依然としてこの明細書で使用された用語“宿主細胞”の範囲内に含まれる。
本明細書で使用される用語“連結される”は2個以上の分子の会合を意味する。連結は共有連結又は非共有連結であり得る。また、連結は遺伝子(すなわち、組み換えによって融合する)連結であり得る。このような連結は化学的結合及び組み換えタンパク質生成のような当該分野に認められたさまざまな技術を使って達成されることができる。
本明細書で使用される用語“治療上有効量”は単独で又は他の治療剤と組み合わせて、対象の疾患又は障害を“治療”するのに効果的な、あるいは疾患又は障害(例えば、癌)の危険、潜在性、可能性又は発生を減少させるのに効果的な薬物の量を意味する。“治療上有効量”は癌に関連した疾患又は障害を持っているか有する危険がある対象に一部の改善又は利益を提供する薬物又は治療剤の量を含む。よって、“治療上有効量”は疾患又は障害の危険、潜在性、可能性又は発生を減少させるか又は一部の緩和、軽減を提供し、及び/又は少なくとも1個の指標(例えば、癌又は腫瘍形成の開始)を減少させ、及び/又は癌に関連した疾患又は障害の少なくとも1個の臨床症状を減少させる量である。
II.癌治療方法
対象の腫瘍(又は癌)を治療する方法がこの明細書に開示される。この方法は、FAM19A5に対する拮抗剤を対象に投与することを含む。いくつかの具体例において、拮抗剤は、FAM19A5タンパク質に特異的に結合する抗体、又はその抗原結合部分(“抗FAM19A5抗体”)、抗FAM19A5抗体を暗号化するポリヌクレオチド、又はこれらのポリヌクレオチドを含むベクターである。特定の具体例において、抗FAM19A5抗体はタンパク質に特異的に結合してFAM19A5活性を減少させる。
いくつかの具体例において、本明細書に開示される組成物の投与は血管正常化を促進することにより、対象の腫瘍を治療、減少、緩和、制御又は阻害する。前述したように、多数の癌で発生する過量の血管形成は異常な血管の形成をもたらすことができる(Nagy J.A., et al., Br J Cancer 100(6):865-869 (2009))。例えば、このような血管は増加した透過性及び/又は減少した血流量を有することができ、これは癌組職での酸素及び/又は免疫細胞(例えば、マクロファージ、小膠細胞及びTリンパ球)の効果的な送逹を妨げることができる。よって、特定の具体例において、本明細書に開示される方法は血管透過性を減少させ、及び/又は血流量を増加させることにより、血管正常化を促進する。いくつかの具体例において、血管正常化は反応性酸素種(ROS)に関連し、よって酸素の送逹を増加させて低酸素症を改善する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体によって誘導されたROSの生成及び酸素の送逹は化学剤による腫瘍細胞の細胞自然死を増加させる。いくつかの具体例において、血管正常化は減少した低酸素症及び/又は浮腫形成に関連する。
いくつかの具体例において、また、本明細書に開示される方法は腫瘍に延びる血管の数を増加させる。特定の具体例において、腫瘍に延びる血管は腫瘍に存在する基準血管(例えば、抗FAM19A5治療の不在の下で発生する)と比較してもっと厚くて改善した連結性を有する。いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法は少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%又はそれ以上まで腫瘍に延びる血管(増加した厚さ及び改善した連結性を有する)の数を増加させる。いくつかの具体例において、腫瘍における血管の増加は腫瘍内でのコラーゲン(例えば、タイプIV)及び/又はCD31発現の増加及び/又は酸素送逹の増加に関連し、腫瘍内での低酸素症を改善する。
いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法は、腫瘍への免疫細胞の浸潤を増加させる。いくつかの具体例において、腫瘍への免疫細胞の浸潤は基準(例えば、抗FAM19A5抗体に露出されない腫瘍に存在する免疫細胞の数)と比較して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%又はそれ以上まで増加する。特定の具体例において、免疫細胞は、マクロファージ、樹状細胞、小膠細胞、及びTリンパ球を含む。特定の具体例において、また、本明細書に開示される方法は腫瘍への他の細胞(例えば、神経細胞及び/又は基質細胞)の浸潤を増加させることができる。よって、いくつかの具体例において、腫瘍での免疫細胞の浸潤は腫瘍での他の細胞(例えば神経細胞及び/又は基質細胞)の浸潤を伴う。他の具体例において、本明細書に開示される方法は腫瘍に存在する免疫細胞の体積を増加させる。特定の具体例において、免疫細胞の体積は基準(例えば、抗FAM19A5抗体に露出されない腫瘍に存在する免疫細胞の体積)と比較して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%又はそれ以上まで増加する。特定の具体例において、免疫細胞の体積増加は免疫細胞の成熟化(例えば、単球からマクロファージに)に関連する。いくつかの具体例において、免疫細胞の体積増加は免疫細胞の増加したエフェクター機能(例えば、食細胞作用)に関連する。
いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法は、腫瘍での免疫細胞の食細胞活性及び/又は膜電位を増加させる。特定の具体例において、免疫細胞は、マクロファージ又は小膠細胞を含む。いくつかの具体例において、免疫細胞の食細胞活性及び/又は膜電位は基準(例えば、抗FAM19A5抗体に露出されない腫瘍に存在する免疫細胞での対応値)と比較して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%又はそれ以上まで増加する。いくつかの具体例において、本発明の方法による免疫細胞の増加した食細胞活性は腫瘍内微小環境を改善し、これは血管正常化が起こるようにする。いくつかの具体例において、免疫細胞の増加した食細胞活性は先天免疫(例えば、腫瘍抗原の掃除、炎症調節、及びT細胞に対する腫瘍-抗原提示)を増進させる。
いくつかの具体例において、また、本明細書に開示される方法は腫瘍での抑制細胞の頻度を減少させることができる。用語“抑制細胞”は抗原(例えば、腫瘍タンパク質)に対する宿主免疫反応を阻害又は抑制することができる免疫システムの細胞を意味する。いくつかの具体例において、抑制細胞は骨髄来由抑制細胞を含む。用語“骨髄来由抑制細胞”(MDSC)は骨髄性前駆細胞及び未熟骨髄細胞(IMC)からなる不均一な細胞集団を意味する。元気な個体で、骨髄で早く発生したIMCは成熟した顆粒球、マクロファージ又は樹状細胞(DC)に分化する。IMCの成熟した骨髄細胞への分化が妨げられれば、MDSC集団が拡張する。MDSCが癌及び他の疾患に関連して免疫反応の否定的な調節に寄与するということが明かされた(例えば、アメリカ特許公開第2015/0209404号参照)。いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法は、基準(例えば、抗FAM19A5抗体に露出されない腫瘍での抑制細胞の頻度)と比較して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%まで腫瘍での抑制細胞の頻度を減少させる。
いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法は、腫瘍に対する内因性免疫反応を改善することができる。いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法は、癌免疫療法(例えば、キメラ抗原受容体T細胞(CART)、NK細胞療法、又はサイトカイン誘導キラー細胞)の活性を改善及び/又は増進させることができる。よって、後述するように、特定の具体例において、本明細書に開示される抗FAM19A5抗体は癌を治療するための1個以上の追加の治療剤と組み合わせて使われることができる。
いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法は、対象の腫瘍成長を阻害及び/又は減少させる。特定の具体例において、腫瘍成長(例えば、腫瘍の体積又は重量)は基準(例えば、この明細書に開示される組成物、例えば抗FAM19A5抗体を受けなかった対象での対応する腫瘍の体積又は重量)と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%又は100%まで減少する。いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法は、基準(例えば、この明細書に開示される組成物、例えば抗FAM19A5抗体を受けなかった対象での対応頻度)と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%又は100%まで平均腫瘍成長阻害(TGI)を増加させる。いくつかの具体例において、本明細書に開示される組成物(例えば、抗FAM19A5抗体)の投与は基準(例えば、この明細書に開示される組成物、例えば、抗FAM19A5抗体を受けなかった対象での対応値)と比較して少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日又はそれ以上まで平均生存期間を増加させる。
いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法で治療可能な腫瘍は典型的に免疫療法に反応性である癌及び典型的に免疫療法に非反応性である癌から来由する。いくつかの具体例において、癌は固形腫瘍又は血液悪性腫瘍(液状腫瘍)を有する癌である。他の具体例において、癌は線維症関連腫瘍から来由する。用語“線維症関連腫瘍”及び“線維症に関連した腫瘍”は線維症を伴う腫瘍を意味する。用語“線維症”は腫瘍組職内及び/又はその周りで線維性結合組織(例えば、細胞外基質タンパク質の増加した蓄積による)が過剰に形成されるか存在することを意味する。
治療を必要とする癌の非制限的例は、扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、扁平非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平NSCLC、消化管癌、腎癌(例えば、明細胞癌)、卵巣癌、肝癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、腎癌(例えば、腎細胞癌(RCC))、前立腺癌(例えば、ホルモン抵抗性前立腺腺癌)、甲状腺癌、膵膓癌、子宮頸癌、胃癌、膀胱癌、肝細胞癌、乳房癌、結腸癌、及び頭頸部癌(又は癌腫)、胃癌、胚細胞腫瘍、小児肉腫、鼻腔ナチュラルキラー、黒色腫(例えば、皮膚又は内眼悪性黒色腫のような転移性悪性黒色腫、)、骨肉癌、皮膚癌、子宮癌、肛門部癌、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、頸癌、膣癌、外陰癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、小児の固形腫瘍、尿管癌、腎盂癌腫、腫瘍血管新生、下垂体腺腫、カポシ肉腫、表皮癌、扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、石綿によって誘発されるものを含む環境誘起癌、ウイルス関連癌又はウイルス起源癌(例えば、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV関連又は起源腫瘍))、及び2個の主要血球系統、すなわち骨髄細胞株(これは顆粒球、赤血球、血小板、マクロファージ及び肥満細胞を生成する)又はリンパ細胞株(これはB、T、NK及び形質細胞を生成する)のいずれかから来由した血液学上悪性腫瘍、例えば全ての種類の白血病、リンパ腫、及び骨髄種、例えば急性、晩成、リンパ球性及び/又は骨髄性白血病、例えば急性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、晩成リンパ球性白血病(CLL)及び晩成骨髄性白血病(CML)、未分化AML(MO)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2;細胞成熟同伴)、前骨髄球性白血病(M3又はM3変異型[M3V])、骨髄単球性白血病(M4又は好酸球増加症同伴M4変異型[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、巨核芽球性白血病(M7)、分離された顆粒球性肉腫、及び緑色腫;リンパ腫、例えばホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞血液学的悪性腫瘍、例えばB細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、単球性B細胞リンパ腫、粘膜関連リンパ組職(MALT)リンパ腫、未分化(例えば、Ki1+)大細胞リンパ腫、成人T細胞リンパ腫/白血病、マントル細胞リンパ腫、血管免疫芽細胞性T細胞リンパ腫、血管中心性リンパ腫、腸T細胞リンパ腫、縦隔原発細胞型B細胞リンパ腫、前駆体Tリンパ芽球性リンパ腫、Tリンパ芽球性;及びリンパ腫/白血病(T-Lbly/T-ALL)、末梢T細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、移植後リンパ増殖性疾患、組織球性リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、B細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫(LBL)、リンパ系の造血性腫瘍、急性リンパ性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性組織球性リンパ腫(DHL)、免疫芽細胞性リンパ節症、前駆体Bリンパ芽球性リンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫(CTLC)(菌状息肉腫又はセザリー症候群とも言う)、及びヴァルデンストレームマクログロブリン血症を伴うリンパ形質細胞性リンパ腫(LPL);骨髄種、例えばIgG骨髄種、軽鎖骨髄種、非分泌性骨髄種、くすぶり型骨髄腫(smoldering myeloma)(無痛性骨髄種とも言う)、孤立性形質細胞腫(solitary plasmocytoma)、及び多発性骨髄種、慢性リンパ球性白血病(CLL)、毛状細胞リンパ腫;骨髄細胞系の造血性腫瘍、線維肉腫及び横紋筋肉腫を含む間葉起源の腫瘍;線維肉腫、横紋筋肉腫及び骨肉腫を含む間葉起源のセミノーマ、奇形癌、腫瘍;及び黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、セミノーマ、甲状腺濾胞性癌及び奇形癌を含むその他の腫瘍、リンパ系の造血性腫瘍、例えば、これに制限されるものではないが、小細胞及び脳状細胞タイプを含めて、T前リンパ球性白血病(T-PLL)のようなT細胞障害を含むT細胞及びB細胞腫瘍;T細胞タイプの大型顆粒リンパ球白血病(LGL);a/dT-NHL肝脾リンパ腫;末梢/胸腺後(post-thymic)T細胞リンパ腫(多形成及び免疫芽球性サブタイブ);血管中心性(鼻)T細胞リンパ腫;頭頸部癌、腎癌、直膓癌、甲状腺癌;急性骨髄性リンパ腫、及びこれらの任意の組合せを含む。
いくつかの具体例において、本発明の方法で治療可能な腫瘍(例えば、固形腫瘍)は癌腫、肉腫、又はリンパ腫を含む。特定の具体例において、固形腫瘍は癌腫又は肉腫である。本明細書で使用される“肉腫”は癌の一種を意味し、例えば結合組織新生物である。これは、一般的に非常に悪性であり、中胚葉細胞の増殖によって形成される(すなわち、間葉起源の腫瘍)。いくつかの具体例において、肉腫はアスキン腫瘍、ブドウ状肉腫、血管肉腫、骨肉種、軟骨肉腫、脊索腫、靱帯状線維腫症、ユーイング肉腫、線維芽細胞性肉腫、消化管間質腫瘍(GIST)、骨巨細胞腫(GCT)、婦人科肉腫、カポシ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、悪性血管内皮種、骨肉種、後腹膜肉腫、横紋筋肉腫、軟部組織ユーイング肉腫、軟部組織肉腫、滑膜肉腫、又はこれらの任意の組合せを含む。
いくつかの具体例において、肉腫は軟部組織肉腫である。特定の具体例において、軟部組織肉腫は、肺胞軟部肉腫、血管肉腫(“hemangiosarcoma”ともいう)、葉状嚢肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、類腱腫、線維形成小円形細胞腫瘍、類上皮肉腫、骨外性軟骨肉腫、骨外性骨肉種、線維肉腫、消化管間質腫瘍、血管周囲細胞腫(“単発性線維性腫瘍”ともいう)、カポシ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、リンパ肉腫、網状線維組織球腫瘍、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、未分化多形体性肉腫、又はこれらの任意の組合せを含む。
いくつかの具体例において、固形腫瘍はリンパ腫である。本明細書に開示される“リンパ腫”はリンパ球(一種の白血球)から発生した一群の血液癌である。多くのリンパ腫サブタイプが当該分野に公知となっている。いくつかの具体例において、リンパ腫はホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、多発性骨髄種、又は免疫増殖性疾患である。
いくつかの具体例において、腫瘍は線維症に関連する。特定の具体例において、線維症に関連した腫瘍は肝癌、肺癌、腎癌、乳房癌、膵膓癌、又はこれらの任意の組合せを含む癌から来由する。
いくつかの具体例において、本発明の方法で治療可能な腫瘍(例えば、固形腫瘍)は乳房癌、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫)、黒色腫、肺癌、膵膓癌、腎癌、前立腺癌、線維肉腫、結腸腺癌、肝癌、卵巣癌、又はこれらの任意の組合せから来由するかそれに関連する。他の具体例において、本発明の方法で治療可能な腫瘍は脳腫瘍ではない。特定の具体例において、本発明の方法で治療可能な腫瘍は膠芽細胞腫ではない。
いくつかの具体例において、また、本明細書に開示される方法は転移性癌、切除不可能な、難治性癌(例えば、既存の癌療法、例えば免疫療法、例えば遮断PD-(L)1抗体による療法に対して耐性を有する癌)、及び/又は再発性癌の治療に使われることができる。特定の具体例において、既存の癌療法は化学療法を含む。いくつかの具体例において、化学療法は白金基盤療法を含む。いくつかの具体例において、白金基盤療法はシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、トリプラチン4硝酸エステル、フェナントリプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される白金基盤抗腫瘍剤を含む。特定の具体例において、白金基盤療法はシスプラチンを含む。他の具体例において、白金基盤療法はカルボプラチンを含む。
いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法は必要とする対象(例えば、腫瘍で悩む)の生存期間を効果的に増加させる。例えば、対象の生存期間は基準個体(例えば、この明細書に開示される組成物、例えば抗FAM19A5抗体で治療されなかった他の対象)と比較するとき、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月又は少なくとも約1年又はそれ以上まで増加する。さらに他の具体例において、本明細書に開示される方法は、対象の生存期間を、基準対象(例えば、この明細書に開示される組成物、例えば抗FAM19A5抗体で治療されなかった他の対象)の生存期間より長い水準に(約1ヶ月だけ長く、約2ヶ月だけ長く、約3ヶ月だけ長く、約4ヶ月だけ長く、約5ヶ月だけ長く、約6ヶ月だけ長く、約7ヶ月だけ長く、約8ヶ月だけ長く、約9ヶ月だけ長く、約10ヶ月だけ長く、約11ヶ月だけ長く又は約1年だけ長く)増加させる。
いくつかの具体例において、本発明の方法は対象の疾患進行がない生存期間を増加させる。例えば、対象の疾患進行がない生存期間は基準対象(例えば、この明細書に開示される組成物、例えば抗FAM19A5抗体で治療されなかった他の対象)と比較するとき、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月又は少なくとも約1年まで増加する。
いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法は一群の対象での反応速度を効果的に増加させる。例えば、一群の対象での反応速度は、基準対象(例えば、この明細書に開示される組成物、例えば抗FAM19A5抗体で治療されなかった他の対象)と比較するとき、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%又は少なくとも約100%まで増加する。
いくつかの具体例において、本方法で治療される対象は、非ヒト動物、例えばラット又はマウスである。いくつかの具体例において、本方法で治療される対象はヒトである。
また、本発明は他の癌剤と組み合わせて、ここで説明するように、対象の癌を治療する方法を含む。いくつかの具体例において、本発明の方法で有用な抗FAM19A5抗体は組合せ療法で、すなわち少なくとも1個の他の抗癌剤及び/又は免疫調整剤、例えばT細胞刺激(例えば、活性化)剤と組み合わせて投与されることができる。いくつかの具体例において、本発明の方法で有用な抗FAM19A5抗体は、癌の治療に使われる他の化合物、薬物、及び/又は製剤と組み合わせて投与されることができる。このような化合物、薬物、及び/又は製剤は、例えば化学療法薬物、小分子薬物、又は癌に対する免疫反応を刺激する抗体を含むことができる。いくつかの具体例において、本明細書に開示される方法は標準治療(例えば、手術、放射線及び化学療法)と組み合わせて使われる。他の具体例において、本明細書に開示される方法は、維持療法、例えば腫瘍の発生や再発を防止しようとする療法として使われる。
いくつかの具体例において、本発明で有用な抗FAM19A5抗体は2個以上の免疫腫瘍剤と組み合せられることができ、例えば次の療法の1個以上のような、免疫経路の多数の要素を標的化する組合せ接近法と組み合せられることができる:腫瘍抗原提示を増進させる療法(例えば、樹状細胞ワクチン、GM-CSF分泌細胞ワクチン、CpGオリゴヌクレオチド、イミキモド);CTLA-4及び/又はPD1/PD-L1/PD-L2経路を抑制し、及び/又はTreg又は他の免疫抑制細胞(例えば、骨髄来由抑制細胞)を欠失又は遮断することによる、否定的免疫調節を阻害する療法;CD-137、OX-40、及び/又はCD40又はGITR経路を刺激し、及び/又はT細胞エフェクター機能を刺激する作動剤で肯定的免疫調節を刺激する療法;抗腫瘍T細胞の頻度を全身的に増加させる療法;CD25の拮抗剤(例えば、ダクリズマブ)を使うか又は生体外抗CD25ビード枯渇によって、腫瘍においてTregのようなTregを枯渇又は阻害する療法;腫瘍で抑制骨髄細胞の機能に影響を及ぼす療法;腫瘍細胞の免疫原性を増進させる療法(例えば、アントラサイクリン);遺伝子変形された細胞、例えばキメラ抗原受容体によって変形された細胞を含む養子T細胞又はNK細胞移植(CAR-T療法);インドールアミンジオキシゲナーゼ(IDO)、ジオキシゲナーゼ、アルギナーゼ、又は酸化窒素合成酵素のような代謝酵素を阻害する療法;腫瘍部位で先天免疫活性化及び/又は炎症を触発する療法;免疫刺激サイトカインの投与;又は免疫抑制サイトカインの遮断。いくつかの例において、本発明で有用な抗FAM19A5抗体と組み合せられることができる追加の抗癌剤は、これに制限されるものではないが、抗CTLA-4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗OX40(CD134、TNFRSF4、ACT35及び/又はTXGP1Lともいう)抗体、抗CD137抗体、抗LAG-3抗体、抗GITR抗体、又はこれらの任意の組合せの1個以上を含むことができる。
いくつかの具体例において、本発明に有用な抗FAM19A5抗体はPD-1経路の拮抗剤(例えば、抗PD-1、抗PD-L1又は抗PD-L2抗体)と組み合わせて投与される。
本明細書に開示される抗FAM19A5抗体とともに使われることができる例示的な抗PD-1抗体は、ニボルマブ(BMS-936558)又は抗体17D8、2D3、4H1、5C4、7D3、5F4及び4A11の1個のCDR又は可変領域を含む抗体であり、これはWO2006/121168に開示されている。特定の具体例において、抗PD-l抗体は、WO2012/145493に開示されたMK-3475(ランブロリズマブ);WO2012/145493に開示されたAMP-514;又はPDR001である。公知となったPD-1抗体及び他のPD-1阻害剤は、WO2009/014708、WO03/099196、WO2009/114335、WO2011/066389、WO2011/161699、WO2012/145493、アメリカ特許第7,635,757号及び同第8,217,149号及びアメリカ特許公開第2009/0317368号に開示されたものなどを含む。WO2013/173223に開示された抗PD-1抗体のいずれかも使われることができる。PD-1上でこれら抗体の1個と同じエピトープとの結合を競合し、及び/又は結合する抗PD-1抗体も本発明の組合せ治療で使われることができる。
本明細書に開示される組合せ療法に有用な例示的な抗PD-L1抗体は、BMS-936559(WO2007/005874及びアメリカ特許第7,943,743号で12A4として提示)、又は3G10、12A4、10A5、5F8、10H10、1B12、7H1、11E6、12B7及び13G4のCDR又は可変領域を含む抗体であり、これらはPCT公開WO07/005874及びアメリカ特許第7,943,743号に開示される。特定の具体例において、抗PD-L1抗体は、MEDI4736(デュルバルマブ及び抗B7-H1ともいう)、MPDL3280A(アテゾリズマブ及びRG7446ともいう)、MSB0010718C(アベルマブともいう;WO2013/79174)、又はrHigM12B7である。WO2013/173223、WO2011/066389、WO2012/145493、アメリカ特許第7,635,757号及び同第8,217,149号及びアメリカ特許公開第2009/145493号に開示された抗PD-L1抗体のいずれかも使われることができる。これら抗体のいずれかのものと同じエピトープと競合及び/又は結合する抗PD-L1抗体も組合せ治療に使われることができる。
組合せ療法として使われるとき、本明細書に開示される組成物は、個別治療剤が単独で投与されたときに観察されたものより大きな坑癌効果を有する。特定の具体例において、抗FAM19A5抗体と追加の抗癌剤の両者を投与することは抗FAM19A5抗体又は追加の抗癌剤を単独で投与することに比べ、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%まで腫瘍の形成を阻害する。いくつかの具体例において、抗PD-(L)1抗体と組み合わせて抗FAM19A5抗体を投与することは、抗体の単独投与に比べて大きな腫瘍阻害をもたらす。特定の具体例において、抗PD-(L)1抗体と組み合わせて抗FAM19A5抗体を投与することは基準(例えば、組合せ療法を受けなかった対象で腫瘍成長の阻害、例えば抗体の単独療法)に比べ、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%まで腫瘍成長の阻害を増加させる。
いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体とこの明細書に開示される第2剤(例えば、抗PD-(L)1抗体)の組合せは薬学的に許容される担体の単一組成物として同時に、又は抗FAM19A5抗体を有する別途の組成物と薬学的に許容される担体の第2剤として同時に投与されることができる。他の具体例において、抗FAM19A5抗体と第2剤(例えば、抗PD-(L)1抗体)の組合せは順次投与されることができる。
前述したように、いくつかの具体例において、本明細書に開示される抗FAM19A5抗体は、免疫治療剤、化学治療剤、標的治療剤、放射線治療剤(放射線療法)、又はこれらの任意の組合せを含む1個以上の追加の癌剤と組み合わせて使われることができる。免疫治療剤の非制限的例は、モノクローナル抗体(本明細書に開示されるもの、例えば抗PD-(L)1抗体)、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、NK細胞、樹状細胞(DC)、養子細胞移入(ACT)、免疫チェックポイント調整剤、サイトカイン、癌ワクチン、アジュバント、及び腫瘍崩壊(oncolytic)ウイルスを含む。化学治療剤の非制限的例は、テモゾロマイド、ゲムシタビン、パクリタキセル、カルボプラチン、シスプラチン、エロツズマブ、レナリドミド、デキサメタゾン及びオキサリプラチンを含む。用語“標的治療剤”は1個以上の発癌性シグナル伝達タンパク質(例えば、細胞成長及び生存に伴うもの)を特異的に標的化して阻害する分子を意味する。このような標的治療剤の非制限的例は、チロシン-キナーゼ阻害剤(例えば、イマチニブ(GLEEVEC(登録商標))、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、スニチニブ(SUTENT(登録商標))、ダサチニブ(SPRYCL(登録商標))、ラパチニブ(TYKERB(登録商標))、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標))、トファシチニブ(XELJANZ(登録商標))、ALK阻害剤(例えば、クリゾチニブ)、Bcl-2阻害剤(例えば、オバトクラックス、ナビトクラックス、ゴシポール)、PARP阻害剤(例えば、イニパリブ、オラパリブ)、PI3K阻害剤(例えば、ペリフォシン)、アパチニブ、AN-152、Braf阻害剤(例えば、トラメチニブ、MEK162)、CDK阻害剤(例えば、PD-0332991、LEE011)、Hsp90阻害剤、サリノマイシン、VAL-083));小分子薬物複合体(例えば、ビンタフォリド);セリン-トレオニンキナーゼ阻害剤(例えば、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、エベロリムス(AFINITOR(登録商標))、ベムラフェニブ(ZELBORAF(登録商標))、トラメチニブ(MEKINIST(登録商標))、ダブラフェニブ(TAFINLAR(登録商標)));抗体(抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)))、抗HER2/neu抗体(例えば、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)))、アレムツキシマブ(CAMPATH(登録商標))、抗EGFR抗体(例えば、セツキシマブ、パニツムマブ)、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)))を含む。
III.癌診断方法
現在、癌を診断するのに用いることができる最も信頼性ある方法は組職生検によるものである。しかし、このような方法は、概して非常に侵襲的であり、多様な副作用(例えば、生検部位出血、痛症及び不便さ)をもたらす。よって、対象の癌を診断する他の方法がこの明細書に開示され、この方法は抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分を対象の生物学的サンプルと接触させる段階、及びサンプルでのFAM19A5のタンパク質水準又はFAM19A5タンパク質を暗号化するmRNA水準を測定する段階を含む。いくつかの具体例において、生物学的サンプルでのFAM19A5のタンパク質水準又はFAM19A5タンパク質を暗号化するmRNA水準は、基準サンプル(例えば、腫瘍を持っていない対象のサンプル)でのFAM19A5のタンパク質水準又はFAM19A5タンパク質を暗号化するmRNA水準と比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも11倍、少なくとも12倍、少なくとも13倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍又は少なくとも30倍増加する。
本明細書に開示される方法は、対象のFAM19A5発現水準(タンパク質及び/又はmRNA)を測定することにより、対象での腫瘍の存在を診断することができ、基準水準(例えば、腫瘍がない対象のFAM19A5発現水準)に比べて増加した発現はその対象が腫瘍を有することを示す。いくつかの具体例において、本発明は腫瘍を有すると疑われる対象のFAM19A5タンパク質水準を測定することにより、腫瘍の存在を確認することができる。他の具体例において、本発明は腫瘍を診断するのに使われる他の分析と組み合わせて対象のFAM19A5タンパク質水準を測定することを開示する。
いくつかの具体例において、FAM19A5タンパク質水準は、免疫組職化学、ウェスタンブロッティング、放射性免疫測定、酵素免疫吸着(ELISA)、放射性免疫拡散、免疫沈降分析、Ouchterlony免疫拡散法、ロケット免疫電気泳動、組職免疫染色法、補体固定分析、FACS、又はタンパク質チップによって測定される。一具体例において、FAM19A5タンパク質を暗号化するmRNAの水準は、RT-PCR、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応、又はノーザンブロットによって測定される。いくつかの具体例において、生物学的サンプルは、組職、細胞、血液、血清、血漿、唾液、大脳髄液、硝子体内液、又は小便を含む。腫瘍で増加して発現したFAM19A5タンパク質は血清に漏出することができ、血清中のタンパク質が前記列挙された分析のいずれかによって測定されることができる。よって、本発明は癌を有すると疑われる対象の血清でのFAM19A5タンパク質発現を測定する方法を開示する。よって、本発明の方法は大部分の現在利用可能な診断方法(例えば、生検)より便利であり、侵襲的でないことができる。
V.本発明に有用なFAM19A5拮抗剤
いくつかの具体例において、本発明に有用なFAM19A5拮抗剤は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、miRNA、dsRNA、アプタマー、FAM19A5を特異的に標的化するPNA(ペプチド核酸)、又はこれらを含むベクターである。他の具体例において、FAM19A5拮抗剤は、FAM19A5タンパク質に特異的に結合する抗体、又はその抗原結合部分(“抗FAM19A5抗体”)、抗FAM19A5抗体を暗号化するポリヌクレオチド、又はこれらのポリヌクレオチドを含むベクターである。
本明細書に開示される方法に有用な抗FAM19A5抗体は、特定の機能的特徴又は特性を特徴とするモノクローナル抗体を含む。例えば、この抗体は、可溶性FAM19A5及び膜結合FAM19A5を含むヒトFAM19A5に特異的に結合する。可溶性及び/又は膜結合ヒトFAM19A5に特異的に結合することに加え、また、本明細書に開示される抗体は(a)10nM以下のKDで可溶性ヒトFAM19A5に結合するか;(b)1nM以下のKDで膜結合ヒトFAM19A5に結合するか;又は(a)と(b)の両者を示す。
いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、例えば10-7M以下、10-8M以下、10-9M(1nM)以下、10-10M(0.1nM)以下、10-11M以下、又は10-12M(1pM)以下、例えば10-12M~10-7M、10-11M~10-7M、10-10M~10-7M、又は10-9M~10-7M、例えば10-12M、5×10-12M、10-11M、5×10-11M、10-10M、5×10-10M、10-9M、5×10-9M、10-8M、5×10-8M、10-7M又は5×10-7MのKDの高親和性で可溶性ヒトFAM19A5又は膜結合ヒトFAM19A5に特異的に結合する。多様な種のヒトFAM19A5に対する抗体の結合能力を評価する標準分析は当該分野に公知となっている。例えば、ELISA、ウェスタンブロッティング及びRIAを含む。適切な分析が実施例で詳細に説明される。抗体の結合キネティクス(例えば、結合親和性)もELISA、Biacore(登録商標)分析又はKinExA(登録商標)のような当該分野に公知となった標準分析によって評価されることができる。FAM19A5の機能的特性(例えば、リガンド結合)に対する抗体の効能を評価する分析が以下でかつ実施例でより詳細に説明される。
いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、例えばELISAによって決定されるとき、10-7M以下、10-8M(10nM)以下、10-9M(1nM)以下、10-10M以下、10-12M~10-7M、10-11M~10-7M、10-10M~10-7M、10-9M~10-7M、又は10-8M~10-7MのKDで可溶性ヒトFAM19A5と結合する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、10nM以下、例えば0.1~10nM、0.1~5nM、0.1~1nM、0.5~10nM、0.5~5nM、0.5~1nM、1~10nM、1~5nM、又は5~10nMのKDで可溶性ヒトFAM19A5と結合する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、ELISAによって決定されるとき、約1pM、2pM、3pM、4pM、5pM、6pM、7pM、8pM、9pM、10pM、20pM、30pM、40pM、50pM、60pM、70pM、80pM、90pM、100pM、200pM、300pM、400pM、500pM、600pM、700pM、800pM又は900pM、又は約1nM、2nM、3nM、4nM、5nM、6nM、7nM、8nM又は9nM、又は約10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM又は90nMのKDで可溶性ヒトFAM19A5と特異的に結合する。
いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、例えばELISAによって決定されるとき、10-7M以下、10-8M(10nM)以下、10-9M(1nM)以下、10-10M以下、10-12M~10-7M、10-11M~10-7M、10-10M~10-7M、10-9M~10-7M、又は10-8M~10-7MのKDで膜結合ヒトFAM19A5と結合する。特定の具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、ELISAによって決定されるとき、10nM以下、例えば0.1~10nM、0.1~5nM、0.1~1nM、0.5~10nM、0.5~5nM、0.5~1nM、1~10nM、1~5nM又は5~10nMのKDで膜結合ヒトFAM19A5と特異的に結合する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、ELISAによって決定されるとき、約1pM、2pM、3pM、4pM、5pM、6pM、7pM、8pM、9pM、10pM、20pM、30pM、40pM、50pM、60pM、70pM、80pM、90pM、100pM、200pM、300pM、400pM、500pM、600pM、700pM、800pM又は900pM、又は約1nM、2nM、3nM、4nM、5nM、6nM、7nM、8nM又は9nM、又は約10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM又は90nMのKDで膜結合ヒトFAM19A5と結合する。
特定の具体例において、本明細書に開示される方法に有用な抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、ヒトFAM19A5エピトープとの結合についてこの明細書に開示されるCDR又は可変領域を含む抗FAM19A5抗体と交差競合する(又は結合を阻害する)。
特定の具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、重鎖CDR1、CDR2及びCDR3と軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を含む基準抗体の結合を阻害する。ここで、(i)基準抗体の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12及びSEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含み、基準抗体の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3はそれぞれSEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24及びSEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含むか;(ii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:15のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:16のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含むか;(iii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:17のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:18のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:19のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含むか;(iv)重鎖CDR1はSEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:21のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含むか;(v)重鎖CDR1はSEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:90のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:91のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:92のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:94のアミノ酸配列を含むか;(vi)重鎖CDR1はSEQ ID NO:95のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:97のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:98のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:100のアミノ酸配列を含むか;(vii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:101のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:104のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:105のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含むか;(viii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:107のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:110のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:111のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含むか;(ix)重鎖CDR1はSEQ ID NO:113のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:114のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:115のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:116のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:117のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:118のアミノ酸配列を含むか;(x)重鎖CDR1はSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:120のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:121のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:123のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:124のアミノ酸配列を含むか;(xi)重鎖CDR1はSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:126のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:127のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:128のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:130のアミノ酸配列を含むか;(xii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:131のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:132のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:136のアミノ酸配列を含むか;(xiii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:137のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:138のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:139のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:140のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:141のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:142のアミノ酸配列を含むか;(xiv)重鎖CDR1はSEQ ID NO:143のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:144のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:145のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:148のアミノ酸配列を含むか;又は(xv)重鎖CDR1はSEQ ID NO:149のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:150のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:151のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:152のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:153のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:154のアミノ酸配列を含む。
いくつかの具体例において、基準抗体は、(a)SEQ ID NOs:35及び39をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(b)SEQ ID NOs:36及び40をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(c)SEQ ID NOs:37及び41をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(d)SEQ ID NOs:38及び42をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(e)SEQ ID NOs:155及び166をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(f)SEQ ID NOs:156及び167をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(g)SEQ ID NOs:157及び168をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(h)SEQ ID NOs:158及び169をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(i)SEQ ID NOs:159及び170をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(j)SEQ ID NOs:160及び171をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(k)SEQ ID NOs:161及び172をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(l)SEQ ID NOs:162及び173をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(m)SEQ ID NOs:163及び174をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(n)SEQ ID NOs:164及び175をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;又は(o)SEQ ID NOs:165及び176をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列を含む。
特定の具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、このような基準抗体とヒトFAM19A5の結合を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%又は100%まで阻害する。競合抗体は同じエピトープ、重畳エピトープ又は隣接エピトープ(例えば、立体障害によって証明)と結合する。2個の抗体が標的との結合に対して互いに競合するか否かはRIA及びEIAのような当該分野に公知となった競合実験によって決定されることができる。
特定の具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、重鎖CDR1、CDR2及びCDR3と軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を含むこの明細書に開示される基準抗体と同じFAM19A5エピトープに結合する。ここで、(i)重鎖CDR1はSEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含むか;(ii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:15のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:16のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含むか;(iii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:17のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:18のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:19のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含むか;(iv)重鎖CDR1はSEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:21のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含むか;(v)重鎖CDR1はSEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:90のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:91のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:92のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:94のアミノ酸配列を含むか;(vi)重鎖CDR1はSEQ ID NO:95のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:97のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:98のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:100のアミノ酸配列を含むか;(vii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:101のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:104のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:105のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含むか;(viii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:107のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:110のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:111のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含むか;(ix)重鎖CDR1はSEQ ID NO:113のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:114のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:115のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:116のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:117のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:118のアミノ酸配列を含むか;(x)重鎖CDR1はSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:120のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:121のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:123のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:124のアミノ酸配列を含むか;(xi)重鎖CDR1はSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:126のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:127のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:128のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:130のアミノ酸配列を含むか;(xii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:131のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:132のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:136のアミノ酸配列を含むか;(xiii)重鎖CDR1はSEQ ID NO:137のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:138のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:139のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:140のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:141のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:142のアミノ酸配列を含むか;(xiv)重鎖CDR1はSEQ ID NO:143のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:144のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:145のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:148のアミノ酸配列を含むか;又は(xv)重鎖CDR1はSEQ ID NO:149のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2はSEQ ID NO:150のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3はSEQ ID NO:151のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1はSEQ ID NO:152のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2はSEQ ID NO:153のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR3はSEQ ID NO:154のアミノ酸配列を含む。
いくつかの具体例において、基準抗体は、(a)SEQ ID NOs:35及び39をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(b)SEQ ID NOs:36及び40をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(c)SEQ ID NOs:37及び41をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(d)SEQ ID NOs:38及び42をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(e)SEQ ID NOs:155及び166をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(f)SEQ ID NOs:156及び167をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(g)SEQ ID NOs:157及び168をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(h)SEQ ID NOs:158及び169をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(i)SEQ ID NOs:159及び170をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(j)SEQ ID NOs:160及び171をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(k)SEQ ID NOs:161及び172をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(l)SEQ ID NOs:162及び173をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(m)SEQ ID NOs:163及び174をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;(n)SEQ ID NOs:164及び175をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;又は(o)SEQ ID NOs:165及び176をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列を含む。
2個の抗体が同じエピトープに結合するか否かを決定する技術は、エピトープマッピング方法、例えばエピトープの原子分解能を提供する抗原抗体複合体結晶のX線分析及び水素/重水素交換質量分光法(HDX-MS)、抗体と抗原断片又は抗原の突然変異された変異体の結合をモニタリングする方法(ここで、抗原配列内でアミノ酸残期の変形による結合は損失が主にエピトープ成分の表示として見なされる)、エピトープマッピングのためのコンピュータ組合方法を含む。
本明細書に開示される方法に有用な抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、例えば抗体とヒトFAM19A5の断片の結合によって決定されるとき、成熟したヒトFAM19A5の少なくとも1個のエピトープと結合することができる。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分はTLDRDSSQPRRTIARQTARC(SEQ ID NO:6又はSEQ ID NO:2のアミノ酸残期42~61)のアミノ酸配列内に位置する断片、例えばSEQ ID NO:6の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個のアミノ酸を有するエピトープと結合する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、SEQ ID NO:2のアミノ酸残期46~51(すなわち、DSSQPR)、例えばアミノ酸残期46、50及び52(すなわち、D---P-R)、例えばアミノ酸残期46、47、48及び50(すなわち、DSS-P)に相当する1個以上のアミノ酸でSEQ ID NO:6に結合する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分はCDMLPCLEGEGCDLLINRSG(SEQ ID NO:9又はSEQ ID NO:2のアミノ酸90~109)のアミノ酸配列内に位置する断片、例えばSEQ ID NO:9の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個のアミノ酸を有するエピトープと結合する。特定の具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、SEQ ID NO:4の1個以上のアミノ酸残期99~107(すなわち、EGCDLLINR)、例えばアミノ酸残期102、103、105及び107(すなわち、DL-I-R)、例えばアミノ酸残期99、100、102、103、105及び107(すなわち、EG-DL-I-R)、例えばアミノ酸残期99、100及び107(すなわち、EG------R)でSEQ ID NO:9に結合する。
いくつかの具体例において、少なくとも1個のエピトープは、SEQ ID NO:6と少なくとも90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%又は約100%同一であるアミノ酸配列を有する。いくつかの具体例において、少なくとも1個のエピトープは、SEQ ID NO:9と少なくとも90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%又は約100%同一であるアミノ酸配列を有する。
いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、SEQ ID NO:5、6、7、8、9又は10、又はSEQ ID NO:5、6、7、8、9又は10のアミノ酸配列内に位置する断片、例えばSEQ ID NO:5、6、7、8、9又は10の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個のアミノ酸を有するエピトープである、ヒトFAM19A5にのみ結合する。
いくつかの具体例において、本発明の抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、SEQ ID NO:6又はその断片と天然立体配座(すなわち、未変性)状態で結合する。いくつかの具体例において、本発明の抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分はSEQ ID NO:9又はその断片と天然立体配座(すなわち未変性)状態で結合する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分はグリコシル化及び非グリコシル化ヒトFAM19A5の両者と結合する。
いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は1個以上の追加のFAM19A5エピトープとさらに結合する。よって、特定の抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、SEQ ID NO:6のエピトープと追加のエピトープ又はSEQ ID NO:9のエピトープと追加のエピトープに結合する。他の抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、SEQ ID NO:5のエピトープ、SEQ ID NO:9のエピトープ及び追加のエピトープに結合することができる。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、SEQ ID NO:6のエピトープ、SEQ ID NO:10のエピトープ及び追加のエピトープに結合する。いくつかの具体例において、1個以上の追加のFAM19A5エピトープは、QLAAGTCEIVTLDR(SEQ ID NO:5、エピトープF1)、TLDRDSSQPRRTIARQTARC(SEQ ID NO:6、エピトープF2)、TARCACRKGQIAGTTRARPA(SEQ ID NO:7、エピトープF3)、ARPACVDARIIKTKQWCDML(SEQ ID NO:8、エピトープF4)、CDMLPCLEGEGCDLLINRSG(SEQ ID NO:9、エピトープF5)、又はNRSGWTCTQPGGRIKTTTVS(SEQ ID NO:10、エピトープF6)、又はSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10又はこれらの任意の組合せのアミノ酸配列内に位置する断片から選択される。SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9又はSEQ ID NO:10のアミノ酸配列内に位置する断片は、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9又はSEQ ID NO:10のいずれかの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個のアミノ酸を有する断片を含む。いくつかの具体例において、1個以上の追加のFAM19A5エピトープは、SEQ ID NO:5、6、7、8、9又は10、又はSEQ ID NO:5、6、7、8、9又は10のアミノ酸配列内に位置する断片、例えばSEQ ID NO:5、6、7、8、9又は10の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個のアミノ酸を有する断片、又はこれらの任意の組合せから選択される。いくつかの具体例において、本発明の抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、1個以上の追加のエピトープに天然立体配座(すなわち、未変性)状態で結合する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、1個以上の追加のFAM19A5エピトープのグリコシル化及び非グリコシル化形態の両者に結合する。
いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分はEP2、EP4及び/又はEP8として確認された少なくとも1個のFAM19A5エピトープに結合し、ここで、EP2はアミノ酸DSSQP(SEQ ID NO:66)を含み、EP4はアミノ酸ARCACRK(SEQ ID NO:68)を含み、EP8はアミノ酸TCTQPGGR(SEQ ID NO:72)を含む。いくつかの具体例において、少なくとも1個のエピトープは、EP2、EP4又はEP8と少なくとも90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%又は約100%同一であるアミノ酸配列を有する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、単にEP2にのみ結合する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分はEP4及びEP8に結合する。
いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、EP6、EP7又はEP8として確認された少なくとも1個のFAM19A5エピトープに結合し、ここで、EP6はアミノ酸KTKQWCDML(SEQ ID NO:70)を含み、EP7はアミノ酸GCDLLINR(SEQ ID NO:71)を含み、EP8はアミノ酸TCTQPGGR(SEQ ID NO:72)を含む。いくつかの具体例において、少なくとも1個のエピトープは、EP6、EP7又はEP8と少なくとも90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%又は約100%同一であるアミノ酸配列を有する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は単にEP6、EP7又はEP8にのみ結合する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、EP6、EP7及びEP8に結合する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分はEP7及びEP8に結合する。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分はEP7に結合する。
いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、SEQ ID NO:70、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される1個以上のFAM19A5エピトープに結合する。
特定の具体例において、例えば免疫分析(例えば、ELISA)、表面プラズモン共鳴、又は結合平衡除外法によって測定されるとき、FAM19Aファミリの他のタンパク質より20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又はそれより高い親和性でFAM19A5(例えば、ヒトFAM19A5)と結合する抗体又はその抗原結合部分がこの明細書に開示される。特定の具体例において、例えば免疫分析によって測定されるとき、FAM19Aファミリの他のタンパク質との交差反応性なしにFAM19A5(例えば、ヒトFAM19A5)に結合する抗体又はその抗原結合部分がこの明細書に開示される。
特定の具体例において、抗FAM19A5抗体は自生抗体ではないか又は自然発生抗体ではない。例えば、抗FAM19A5抗体は、より多いか、より少ないか、又は相異なるタイプの翻訳後修飾(post-translational modification)を有することにより、自然発生の抗体のものとは異なる翻訳後修飾を有する。
V.例示的な抗FAM19A5抗体
本明細書に開示される方法に使われることができる特定の抗体はこの明細書に開示されるCDR及び/又は可変領域配列を有する抗体、例えばモノクローナル抗体だけでなくこれらの可変領域又はCDR配列と少なくとも80%同一性(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%同一性)を有する抗体である。本発明の相異なる抗FAM19A5抗体のVH及びVLアミノ酸配列がそれぞれ表4及び5に提供される。
したがって、重鎖及び軽鎖可変領域を含む分離された抗FAM19A5抗体、又はその抗原結合部分がこの明細書に開示される。ここで、重鎖可変領域は、SEQ ID NOs:35-38又は155-165のアミノ酸配列を含む。他の具体例において、分離された抗FAM19A5抗体、又はその抗原結合部分は、SEQ ID NOs:35-38又は155-165からなる群から選択される重鎖可変領域のCDRを含む。
また、重鎖及び軽鎖可変領域を含む分離された抗FAM19A5抗体、又はその抗原結合部分が開示される。ここで、軽鎖可変領域は、SEQ ID NOs:39-42又は166-176のアミノ酸配列を含む。他の具体例において、分離された抗FAM19A5抗体、又はその抗原結合部分は、SEQ ID NOs:39-42又は166-176からなる群から選択される軽鎖可変領域のCDRを含む。
特定の具体例において、分離された抗FAM19A5抗体、又はその抗原結合部分は、SEQ ID NOs:35-38又は155-165からなる群から選択される重鎖可変領域のCDR及びSEQ ID NOs:39-42又は166-176からなる群から選択される軽鎖可変領域のCDRを含む。
また、重鎖及び軽鎖可変領域を含む分離された抗FAM19A5抗体、又はその抗原結合部分が開示される。ここで、(i)重鎖可変領域はSEQ ID NO:35のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:39のアミノ酸配列を含み;(ii)重鎖可変領域はSEQ ID NO:36のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:40のアミノ酸配列を含み;(iii)重鎖可変領域はSEQ ID NO:37のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:41のアミノ酸配列を含み;(iv)重鎖可変領域はSEQ ID NO:38のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:42のアミノ酸配列を含み;(v)重鎖可変領域はSEQ ID NO:155のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:166のアミノ酸配列を含み;(vi)重鎖可変領域はSEQ ID NO:156のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:167のアミノ酸配列を含み;(vii)重鎖可変領域はSEQ ID NO:157のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み;(viii)重鎖可変領域はSEQ ID NO:158のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:169のアミノ酸配列を含み;(ix)重鎖可変領域はSEQ ID NO:159のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:170のアミノ酸配列を含み;(x)重鎖可変領域はSEQ ID NO:160のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:171のアミノ酸配列を含み;(xi)重鎖可変領域はSEQ ID NO:161のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:172のアミノ酸配列を含み;(xii)重鎖可変領域はSEQ ID NO:162のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:173のアミノ酸配列を含み;(xiii)重鎖可変領域はSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:174のアミノ酸配列を含み;(xiv)重鎖可変領域はSEQ ID NO:164のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:175のアミノ酸配列を含み;及び(xv)重鎖可変領域はSEQ ID NO:165のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:176のアミノ酸配列を含む。
重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、分離された抗FAM19A5抗体、又はその抗原結合部分がこの明細書に開示される。、ここで、重鎖可変領域は、SEQ ID NOs:35-38又は155-165に提示されたアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%又は約100%同一であるアミノ酸配列を含む。
また、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、分離された抗FAM19A5抗体、又はその抗原結合部分がこの明細書に開示される。ここで、軽鎖可変領域は、SEQ ID NOs:39-42又は166-176に提示されたアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%又は約100%同一であるアミノ酸配列を含む。
また、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、分離された抗FAM19A5抗体、又はその抗原結合部分がこの明細書に開示される。ここで、重鎖可変領域は、SEQ ID NOs:35-38又は155-165に提示されたアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%又は約100%同一であるアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、SEQ ID NOs:39-42又は166-176に提示されたアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%又は約100%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの具体例において、本明細書は分離された抗FAM19A5抗体、又はその抗原結合部分を開示する。これは、
(a)SEQ ID NOs:35及び39をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(b)SEQ ID NOs:36及び40をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(c)SEQ ID NOs:37及び41をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(d)SEQ ID NOs:38及び42をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(e)SEQ ID NOs:155及び166をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(f)SEQ ID NOs:156及び167をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(g)SEQ ID NOs:157及び168をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(h)SEQ ID NOs:158及び169をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(i)SEQ ID NOs:159及び170をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(j)SEQ ID NOs:160及び171をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(k)SEQ ID NOs:161及び172をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(l)SEQ ID NOs:162及び173をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(m)SEQ ID NOs:163及び174をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;
(n)SEQ ID NOs:164及び175をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列;又は
(o)SEQ ID NOs:165及び176をそれぞれ含む重鎖及び軽鎖可変領域配列
を含む。
特定の具体例において、本発明の抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は、(i)2-13の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又は2-13の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(ii)3-2の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又は3-2の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(iii)1-65の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又は1-65の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(iv)1-28の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又は1-28の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(v)P2-C12の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又はP2-C12の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(vi)13B4の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又は13B4の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(vii)13F7の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又は13F7の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(viii)15A9の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又は15A9の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(ix)P1-A03の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又はP1-A03の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(x)P1-A08の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又はP1-A08の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(xi)P1-F02の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又はP1-F02の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(xii)P2-A01の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又はP2-A01の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(xiii)P2-A03の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又はP2-A03の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;(xiv)P2-F07の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又はP2-F07の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せ;又は(xv)P2-F11の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの組合せ、及び/又はP2-F11の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、又はこれらの任意の組合せを含む。本明細書に開示される相異なる抗FAM19A5抗体に対するVH CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列が表2に記載されている。本明細書に開示される相異なる抗FAM19A5抗体に対するVL CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列は表3に記載されている。
2-13に対するVH CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列はそれぞれSEQ ID NOs:11、12及び13に提示される。2-13に対するVL CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列はそれぞれSEQ ID NOs:23、24及び25に提示される。3-2に対するVH CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列はそれぞれSEQ ID NOs:14、15及び16に提示される。3-2に対するVL CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列はそれぞれSEQ ID NOs:26、27及び28に提示される。1-65に対するVH CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列はそれぞれSEQ ID NOs:17、18及び19に提示される。1-65に対するVL CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列はそれぞれSEQ ID NOs:29、30及び31に提示される。1-28に対するVH CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列はそれぞれSEQ ID NOs:20、21及び22に提示される。1-28に対するVL CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列はそれぞれSEQ ID NOs:32、33及び34に提示される。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、本発明の抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含むVH CDR1;及び/又は
(b)SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含むVH CDR2;及び/又は
(c)SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含むVH CDR3
を含む。
特定の具体例において、抗体又はその抗原結合部分は前記VH CDRの1個、2個、又は3個の全部を含む。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含むVL CDR1;及び/又は
(b)SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含むVL CDR2;及び/又は
(c)SEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含むVL CDR3
を含む。
特定の具体例において、抗体又はその抗原結合部分は前記VL CDRの1個、2個、又は3個の全部を含む。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含むVH CDR1;
(b)SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含むVH CDR2;
(c)SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含むVH CDR3
(d)SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含むVL CDR1;
(e)SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含むVL CDR2;及び/又は
(f)SEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含むVL CDR3
を含む。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、本発明の抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含むVH CDR1;及び/又は
(b)SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を含むVH CDR2;及び/又は
(c)SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を含むVH CDR3
を含む。
特定の具体例において、抗体又はその抗原結合部分は前記VH CDRの1個、2個、又は3個の全部を含む。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含むVL CDR1;及び/又は
(b)SEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含むVL CDR2;及び/又は
(c)SEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含むVL CDR3
を含む。
特定の具体例において、抗体又はその抗原結合部分は前記VL CDRの1個、2個、又は3個の全部を含む。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含むVH CDR1;
(b)SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を含むVH CDR2;
(c)SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を含むVH CDR3
(d)SEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含むVL CDR1;
(e)SEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含むVL CDR2;及び/又は
(f)SEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含むVL CDR3
を含む。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、本発明の抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を含むVH CDR1;及び/又は
(b)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を含むVH CDR2;及び/又は
(c)SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を含むVH CDR3
を含む。
特定の具体例において、抗体又はその抗原結合部分は前記VH CDRの1個、2個、又は3個の全部を含む。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含むVL CDR1;及び/又は
(b)SEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含むVL CDR2;及び/又は
(c)SEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含むVL CDR3
を含む。
特定の具体例において、抗体又はその抗原結合部分は前記VL CDRの1個、2個、又は3個の全部を含む。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を含むVH CDR1;
(b)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を含むVH CDR2;
(c)SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を含むVH CDR3
(d)SEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含むVL CDR1;
(e)SEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含むVL CDR2;及び/又は
(f)SEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含むVL CDR3
を含む。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、本発明の抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含むVH CDR1;及び/又は
(b)SEQ ID NO:21のアミノ酸配列を含むVH CDR2;及び/又は
(c)SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含むVH CDR3
を含む。
特定の具体例において、抗体又はその抗原結合部分は前記VH CDRの1個、2個、又は3個の全部を含む。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含むVL CDR1;及び/又は
(b)SEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含むVL CDR2;及び/又は
(c)SEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含むVL CDR3
を含む。
特定の具体例において、抗体又はその抗原結合部分は前記VL CDRの1個、2個、又は3個の全部を含む。
いくつかの具体例において、ヒトFAM19A5に特異的に結合する、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は:
(a)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含むVH CDR1;
(b)SEQ ID NO:21のアミノ酸配列を含むVH CDR2;
(c)SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含むVH CDR3
(d)SEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含むVL CDR1;
(e)SEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含むVL CDR2;及び/又は
(f)SEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含むVL CDR3
を含む。
特定の具体例において、抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は前記CDRの1個、2個、3個、4個、5個又は6個を含む。
本明細書に開示されるVHドメイン、又はその1個以上のCDRは重鎖、例えば全長重鎖を形成するために不変ドメインに連結されることができる。同様に、本明細書に開示されるVLドメイン、又はその1個以上のCDRは軽鎖、例えば全長軽鎖を形成するために不変ドメインに連結されることができる。全長重鎖と全長軽鎖は組み合せられて全長抗体を形成することができる。
したがって、特定の具体例において、抗体軽鎖及び重鎖、例えば分離された軽鎖及び重鎖を含む抗体がこの明細書に開示される。軽鎖に関連して、特定の具体例において、本明細書に開示される抗体の軽鎖はカッパ軽鎖である。他の特定の具体例において、本明細書に開示される抗体の軽鎖はラムダ軽鎖である。さらに他の特定の具体例において、本明細書に開示される抗体の軽鎖はヒトカッパ軽鎖又はヒトラムダ軽鎖である。特定の具体例において、FAM19A5ポリペプチド(例えば、ヒトFAM19A5)に特異的に結合する、本明細書に開示される抗体はこの明細書に開示される任意のVL又はVL CDRアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、ここで、軽鎖の不変領域はヒトカッパ軽鎖不変領域のアミノ酸配列を含む。特定の具体例において、FAM19A5ポリペプチド(例えば、ヒトFAM19A5)に特異的に結合する、本明細書に開示される抗体はこの明細書に開示されるVL又はVL CDRアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、ここで、軽鎖の不変領域はヒトラムダ軽鎖不変領域のアミノ酸配列を含む。ヒト不変領域配列の非制限的例は当該分野に公知となっている(例えば、アメリカ特許第5,693,780号及びKabat EA et al, (1991)(上記)を参照)。
重鎖に関連して、いくつかの具体例において、本明細書に開示される抗体の重鎖は、アルファ(α)、デルタ(δ)、エプシロン(ε)、ガンマ(γ)又はミュー(μ)重鎖であり得る。他の特定の具体例において、本明細書に開示される抗体の重鎖は、ヒトアルファ(α)、デルタ(δ)、エプシロン(ε)、ガンマ(γ)又はミュー(μ)重鎖を含むことができる。一具体例において、FAM19A5(例えば、ヒトFAM19A5)に特異的に結合する、本明細書に開示される抗体はこの明細書に開示されるVH又はVH CDRアミノ酸配列を含む重鎖を含み、ここで、重鎖の不変領域はヒトガンマ(γ)重鎖不変領域のアミノ酸配列を含む。他の具体例において、FAM19A5(例えば、ヒトFAM19A5)に特異的に結合する、本明細書に開示される抗体はこの明細書に開示されるVH又はVH CDRアミノ酸配列を含む重鎖を含み、ここで、重鎖の不変領域はこの明細書に開示されるとか当該分野に公知となったヒト重鎖のアミノ酸配列を含む。ヒト不変領域配列の非制限的例は当該分野に公知となっている(例えば、アメリカ特許第5,693,780号及びKabat EA et al., (1991)(上記)を参照)。
いくつかの具体例において、FAM19A5(例えば、ヒトFAM19A5)に特異的に結合する、本明細書に開示される抗体はこの明細書に開示されるVH又はVH CDR及びVL又はVL CDRを含むVLドメイン及びVHドメインを含み、ここで、不変領域はIgG、IgE、IgM、IgD、IgA又はIgY兔疫グロブリン分子、又はヒトIgG、IgE、IgM、IgD、IgA又はIgY兔疫グロブリン分子の不変領域のアミノ酸配列を含む。他の特定の具体例において、FAM19A5(例えば、ヒトFAM19A5)に特異的に結合する、本明細書に開示される抗体はこの明細書に開示される任意のアミノ酸配列を含むVLドメイン及びVHドメインを含み、ここで、不変領域はIgG、IgE、IgM、IgD、IgA又はIgY兔疫グロブリン分子、兔疫グロブリン分子の任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)の不変領域のアミノ酸配列を含む。いくつかの具体例において、不変領域はサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)及びアロタイブ(例えば、G1m、G2m、G3m及びnG4m)及びこれらの変異体を含む、自然発生のヒトIgGの不変領域のアミノ酸配列を含む(例えば、Vidarsson G. et al. Front Immunol. 5:520(2014年10月20日オンライン公開)及びJefferis R. and Lefranc MP, mAbs 1:4, 1-7(2009)参照)。いくつかの具体例において、不変領域は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4、又はこれらの変異体の不変領域のアミノ酸配列を含む。
特定の具体例において、本明細書に開示される抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分はFcエフェクター機能、例えば補体依存性細胞傷害(CDC)及び/又は抗体依存性細胞食作用(ADCP)を持っていない。エフェクター機能はFc領域によって媒介され、Fc領域のCH2ドメインでヒンジ領域に最も近くにある残期が抗体のエフェクター機能を担当し、それは先天免疫システムのエフェクター細胞上でC1q(補体)及びIgG-Fc受容体(FcγR)に対してかなり重畳した結合部位を含む。また、IgG2及びIgG4抗体はIgG1及びIgG3抗体より低い水準のFcエフェクター機能を有する。抗体のエフェクター機能は次のような当該分野に公知となった相異なる接近法によって減少するか回避されることができる:(1)Fc領域を欠いた抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)2、単鎖Fv(scFv)、又はモノマーVH又はVLドメインからなるsdAb)の使用;(2)糖が付着された残期の欠失又は変更、酵素的に糖の除去、グリコシル化阻害剤の存在の下で培養された細胞(例えば、バクテリア宿主細胞)での抗体の生成、又はタンパク質をグリコシル化することができない細胞で抗体の発現によって生成されることができる、アグリコシル化抗体の生成(アメリカ特許公開第20120100140号参照);(3)エフェクター機能が減少したIgGサブクラスからFc領域(例えば、IgG2又はIgG4抗体からのFc領域又はIgG2又はIgG4抗体からのCH2ドメインを含むキメラFc領域)の利用(アメリカ特許公開第20120100140号及びLau C. et al. J. Immunol. 191:4769- 4777 (2013)参照);及び(4)Fc機能が減少するかない突然変異を有するFc領域の生成(アメリカ特許公開第20120100140号及びそれに引用されたアメリカ出願及びPCT出願とAn et al. mAbs 1:6, 572-579 (2009)を参照)。
したがって、いくつかの具体例において、本明細書に開示される抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分はFab、Fab’、F(ab’)2、Fv、単鎖Fv(scFv)、又はモノマーVH又はVLドメインからなるsdAbである。このような抗体断片は当該分野によく知られており、以上で記載されている。
いくつかの具体例において、本明細書に開示される抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分はFcエフェクター機能が減少するかないFc領域を含む。いくつかの具体例において、不変領域は、ヒトIgG2又はIgG4のFc領域のアミノ酸配列を含む。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体は、IgG2/IgG4アイソタイプのものである。いくつかの具体例において、抗FAM19A5抗体はIgG4アイソタイプのIgG抗体からのCH2ドメインとIgG1アイソタイプのIgG抗体からのCH3ドメインを含むキメラFc領域、又はIgG2からのヒンジ領域とIgG4からのCH2領域を含むキメラFc領域、又はFc機能が減少するかない突然変異を有するFc領域を含む。Fcエフェクター機能が減少するかないFc領域は当該分野に公知となったものを含む(例えば、Lau C. et al. J. Immunol. 191:4769-4777 (2013);An et al., mAbs 1:6, 572-579 (2009);及びアメリカ特許公開第20120100140号及びそれに引用されたアメリカ特許と特許公開及びPCT公開を参照)。また、Fcエフェクター機能が減少するかないFc領域は当業者によって易しく作られることができる。
VI.核酸分子
本発明の他の様態はこの明細書に開示される抗体又はその抗原結合部分のいずれか1個を暗号化する1個以上の核酸分子に関するものである。核酸は、全体細胞に、細胞溶解物に、又は部分的に精製された形態又は実質的に純粋な形態に存在することができる。核酸はアルカリ性/SDS処理、CsClバンディング、カラムクロマトグラフィー、制限酵素、アガロースゲル電気泳動及び当該分野に公知となった他の技術を含む標準技術によって、他の細胞成分又は他の汚染物、例えば他の細胞核酸(例えば、他の染色体DNA、例えば自然で分離されたDNAに連結された染色体DNA)又はタンパク質から精製されたとき、“分離されるか”又は“実質的に純粋である”(F. Ausubel, et al. , ed. (1987) Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley Interscience, New York参照)。本明細書に開示される核酸は、例えばDNA又はRNAであり得、イントロン配列を含むことも含まないこともできる。特定の具体例において、核酸はcDNA分子である。
本明細書に開示される核酸は標準分子生物学技術によって得られることができる。ハイブリドーマ(例えば、ヒト兔疫グロブリン遺伝子を有するトランスジェニックマウスから製造されたハイブリドーマ)によって発現した抗体の場合、このハイブリドーマによって製造された抗体の軽鎖及び重鎖を暗号化するcDNAは標準PCR増幅又はcDNAクローニング技術によって得られることができる。(例えば、ファージディスプレイ技術を使用する)兔疫グロブリン遺伝子ライブラリから得られた抗体の場合、この抗体を暗号化する核酸がライブラリから回収されることができる。
本明細書に開示される特定の核酸分子は本発明の多様な抗FAM19A5抗体のVH及びVL配列を暗号化するものである。このような抗体のVH配列を暗号化する例示的なDNA配列がSEQ ID NOs:43-46及び177に提示される。このような抗体のVL配列を暗号化する例示的なDNA配列はSEQ ID NOs:47-50及び178に提示される。
本明細書に開示される抗FAM19A5抗体の製造方法は、シグナルペプチドとともに重鎖及び軽鎖を暗号化するヌクレオチド配列、例えばそれぞれSEQ ID NOs:43及び47、SEQ ID NOs:44及び48、SEQ ID NOs:45及び49、SEQ ID NOs:46及び50、SEQ ID NOs:177及び178を含む細胞株で抗体の関連重鎖及び軽鎖を発現することを含むことができる。これらのヌクレオチド配列を含む宿主細胞は本発明に含まれる。
VH及びVLセグメントを暗号化するDNA断片が得られた後、これらのDNA断片は、例えば可変領域遺伝子を全長抗体鎖遺伝子、Fab断片遺伝子又はscFv遺伝子に転換するために、標準組み換えDNA技術によってさらに操作されることができる。これらの操作において、VL又はVH暗号化DNA断片は抗体不変領域又は可撓性リンカーのような他のタンパク質を暗号化する他のDNA断片に作動可能に連結される。用語“作動可能に連結される”は2個のDNA断片によって暗号化されたアミノ酸配列がインフレーム(in-frame)を維持するように2個のDNA断片が連結されることを意味する。
VH領域を暗号化する分離されたDNAはVH暗号化DNAを重鎖不変領域(ヒンジ、CH1、CH2及び/又はCH3)を暗号化する他のDNA分子に作動可能に連結することにより全長重鎖遺伝子に転換されることができる。ヒト重鎖不変領域遺伝子の配列は当該分野に公知となっており(例えば、Kabat, E. A., et al., (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242参照)、これらの領域を含むDNA断片が標準PCR増幅によって得られることができる。重鎖不変領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgM又はIgD不変領域、例えばIgG2及び/又はIgG4不変領域であり得る。Fab断片重鎖遺伝子の場合、VH暗号化DNAは単に重鎖CH1不変領域のみを暗号化する他のDNA分子に作動可能に連結されることができる。
VL領域を暗号化する分離されたDNAはVL暗号化DNAを軽鎖不変領域CLを暗号化する他のDNA分子に作動可能に連結することにより、全長軽鎖遺伝子に転換されることができる。ヒト軽鎖不変領域遺伝子の配列は当該分野に公知となっており(例えば、Kabat, E. A., et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242参照)、これらの領域を含むDNA断片が標準PCR増幅によって得られることができる。軽鎖不変領域はカッパ又はラムダ不変領域であり得る。
scFv遺伝子を生成するために、VH及びVL暗号化DNA断片が可撓性リンカーを暗号化する、例えばアミノ酸配列(Gly4-Ser)3を暗号化する他の断片に作動可能に連結され、これによりVLとVH領域が可撓性リンカーによって連結された状態でVH及びVL配列が連続単鎖タンパク質として発現することができる(例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423-426; Huston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883; McCafferty et al., (1990) Nature 348:552-554参照)。
いくつかの具体例において、本明細書は抗体又はその抗原結合部分を暗号化するヌクレオチド配列を含む分離された核酸分子を含むベクターを開示する。他の具体例において、ベクターは遺伝子療法に使われることができる。
本発明に適切なベクターは、発現ベクター、ウイルスベクター、及びプラスミドベクターを含む。一具体例において、ベクターはウイルスベクターである。
本発明の発現ベクターは、適切な宿主細胞に導入されたとき、挿入されたコーディング配列の転写及び翻訳のための必須要素、又はRNAウイルスベクターの場合、複製及び翻訳のための必須要素を含む任意の核酸構成物である。発現ベクターは、プラスミド、ファージミド、ウイルス、及びこれらの誘導体を含むことができる。
本発明の発現ベクターは、この明細書に開示される抗体又はその抗原結合部分を暗号化するポリヌクレオチドを含むことができる。一具体例において、抗体又はその抗原結合部分に対するコーディング配列は発現制御配列に作動可能に連結される。2個の核酸配列は、これらが各成分核酸配列がその機能性を保有するように許容する方式で共有連結されるとき、作動可能に連結されるものである。コーディング配列及び遺伝子発現制御配列は、コーディング配列の発現又は転写及び/又は翻訳が遺伝子発現制御配列の影響又は制御下の方式でこれらが共有連結されるとき、作動可能に連結されると言われる。2個のDNA配列は5’遺伝子発現配列でプローモーターの誘導がコーディング配列の転写をもたらし、2個のDNA配列の連結の本質が(1)フレームシフト突然変異の導入をもたらすか、(2)コーディング配列の転写を指示するプローモーター領域の能力を妨げるか、又は(3)タンパク質に翻訳される対応RNA転写体の能力を妨げなければ、作動可能に連結されると言われる。よって、遺伝子発現配列は、この遺伝子発現配列がコーディング核酸配列の転写を行うことができれば、コーディング核酸配列に作動可能に連結されたものであり、これによって得られた転写体は所望の抗体又はその抗原結合部分に翻訳される。
ウイルスベクターは、これに制限されるものではないが、レトロウイルス、例えばMoloneyネズミ科白血病ウイルス、Harveyネズミ科肉腫ウイルス、ネズミ科乳房腫瘍ウイルス、及びRous肉腫ウイルス;レンチウイルス;アデノウイルス;アデノ関連ウイルス;SV40タイプウイルス;ポリオーマバイロス;エプスタインバーウイルス;乳頭種ウイルス;ヘルペスウイルス;ワクシニアウイルス;ポリオウイルス;及びRNAウイルス、例えばレトロウイルスからの核酸配列を含む。当該分野に公知となった他のベクターも易しく用いることができる。特定のウイルスベクターは非必須遺伝子が関心遺伝子に置換された非細胞変性(non-cytopathic)真核生物ウイルスに基づく。非細胞変性ウイルスはレトロウイルスを含み、そのライフサイクルはゲノムウイルスRNAのDNAへの逆転写と後続の宿主細胞DNAへのプロウイルス組み込みを伴う。レトロウイルスはヒト遺伝子療法試験のために承認された。複製欠損性(すなわち、所望のタンパク質の合成を指示することができるが感染性粒子は製造することができない)があるレトロウイルスが最も有用である。このような遺伝子操作されたレトロウイルス発現ベクターは生体内遺伝子の高効能形質導入(transduction)で一般的な有用性を有する。複製欠損性レトロウイルスを生成する標準プロトコル(プラスミドへの外来遺伝子物質の統合、プラスミドによるパッケージング細胞株のトランスフェクション、パッケージング細胞株による組み換えレトロウイルスの生成、組職培地からウイルス粒子の収集、及びウイルス粒子による標的細胞の感染段階を含む)は文献(Kriegler, M., Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual, W.H. Freeman Co., New York (1990) and Murry, E. J., Methods in Molecular Biology, Vol. 7, Humana Press, Inc., Cliffton, N.J. (1991)に開示されている。
一具体例において、ウイルスは二本鎖DNAウイルスであるアデノ関連ウイルスである。アデノ関連ウイルスは複製欠損を有するように操作されることができ、広範囲な細胞タイプ及び種を感染させることができる。また、このウイルスは熱及び脂質溶媒安全性;造血細胞を含む多様な系統の細胞で高い形質導入頻度;及び重複感染阻害の欠如のような利点を有し、これにより多くの一連の形質導入が可能である。報道によれば、アデノ関連ウイルスは部位特異的方式でヒト細胞DNAに統合されることができ、これにより挿入突然変異誘発の確率及びレトロウイルス感染の挿入された遺伝子発現特徴の変動性を最小化する。これに加え、野生型アデノ関連ウイルス感染が選択圧の不在の下で100代継代以上の間に組職培養物で追跡された。これはアデノ関連ウイルスゲノム統合が相対的に安定したイベントであることを示唆する。また、アデノ関連ウイルスは染色体外方式で機能することができる。
他の具体例において、ベクターはレンチウイルスから来由する。特定の具体例において、ベクターは非分裂細胞を感染させることができる組み換えレンチウイルスのベクターである。
レンチウイルスゲノム及びプロウイルスDNAは典型的にレトロウイルスで発見される3種の遺伝子gag、pol及びenvを有し、これらの側面には2個の長い末端反復(LTR)配列がある。gag遺伝子は内部構造(基質、カプシド及びヌクレオカプシド)タンパク質を暗号化し、pol遺伝子はRNA依存性DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)、プロテアーゼ及びインテグラーゼを暗号化し、env遺伝子はウイルス外被糖タンパク質を暗号化する。5’及び3’LTRはビリオンRNAの転写及びポリアデニル化を促進する作用をする。LTRは、ウイルス複製に必要な他のシス作用配列を全部含む。レンチウイルスは、vif、vpr、tat、rev、vpu、nef及びvpx(HIV-1、HIV-2及び/又はSIVで)を含む追加の遺伝子を有する。
5’LTRに隣接してゲノムの逆転写に必要な配列があり(tRNAプライマー結合部位)、これは粒子へのウイルスRNAのキャプシド形成(encapsidation)に効果的である(Psi部位)。キャプシド形成(又は感染性ビリオンへのレトロウイルスRNAのパッケージング)に必須な配列がウイルスゲノムから抜ける場合、このシス欠陷はゲノムDNAのキャプシド形成を防止する。
しかし、得られた突然変異は全てのビリオンタンパク質の合成を依然として指示することができる。本明細書はパッケージング機能を有する2個以上のベクター、すなわちgag、pol及びenvだけでなくrev及びtatに適切な宿主細胞をトランスフェクションすることを含む非分裂細胞を感染させることができる組み換えレンチウイルスの生成方法を提供する。以下で開示するように、機能的tat遺伝子を欠いたベクターは特定の用途に好ましい。したがって、例えば、第1ベクターはウイルスgagとウイルスpolを暗号化する核酸を提供することができ、他のベクターはウイルスenvを暗号化する核酸を提供することができ、これによりパッケージング細胞が生成される。パッケージング細胞に、移植ベクターとして確認された、異種遺伝子を提供するベクターを導入することは該当外来遺伝子を有する感染性ウイルス粒子を放出する生産細胞(producer cell)を提供する。
ベクター及び外来遺伝子の構成形態によって、第2ベクターはウイルス外被(env)遺伝子を暗号化する核酸を提供することができる。env遺伝子はレトロウイルスを含む、ほとんど全ての適切なウイルスから来由することができる。いくつかの具体例において、envタンパク質はヒト及び他の種の細胞の形質導入を許容する両種性外膜タンパク質である。
レトロウイルス来由env遺伝子の例は、これに制限されるものではないが、Moloneyネズミ科白血病ウイルス(MoMuLV又はMMLV)、Harveyネズミ科肉腫ウイルス(HaMuSV又はHSV)、ネズミ科乳房腫瘍ウイルス(MuMTV又はMMTV)、ギボン(gibbon)猿白血病ウイルス(GaLV又はGALV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及びRous肉腫ウイルス(RSV)を含む。他のenv遺伝子、例えば水泡性口内炎ウイルス(VSV)タンパク質G(VSVG)、肝炎ウイルス及びインフルエンザのものも使われることができる。
ウイルスenv核酸配列を提供するベクターはこの明細書に開示される調節配列と作動可能に会合される。
特定の具体例において、ベクターは非分裂細胞を形質導入するベクターの能力を損傷させなく、HIV毒性遺伝子env、vif、vpr、vpu及びnefが欠失されたレンチウイルスベクターを含む。
いくつかの具体例において、ベクターは3’LTRのU3領域の欠失を含むレンチウイルスベクターを含む。U3領域の欠失は完全欠失又は部分欠失であり得る。
いくつかの具体例において、本明細書に開示されるFVIIIヌクレオチド配列を含む本発明のレンチウイルスベクターは、細胞において、(a)gag、pol、又はgag及びpol遺伝子を含む第1ヌクレオチド配列及び(b)異種env遺伝子を含む第2ヌクレオチド配列でトランスフェクションされることができる。ここで、レンチウイルスベクターは機能的tat遺伝子を欠いている。他の具体例において、細胞はrev遺伝子を含む第4ヌクレオチド配列でさらにトランスフェクションされる。特定の具体例において、レンチウイルスベクターは、vif、vpr、vpu、vpx及びnef、又はこれらの任意の組合せから選択された機能的遺伝子を欠いている。
特定の具体例において、レンチウイルスベクターは、gagタンパク質、Rev反応要素、中心ポリプリントラック(cPPT)、又はこれらの任意の組合せを暗号化する1個以上のヌクレオチド配列を含む。
レンチウイルスベクターの例は、WO9931251、W09712622、W09817815、W09817816及びWO9818934に開示され、これらはその全体がこの明細書に参照することにより組み込まれる。
他のベクターはプラスミドベクターを含む。プラスミドベクターは当業者に公知となっている(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989参照)。去る数年間プラスミドベクターは、宿主ゲノム内で複製することも統合されることもできない特性のため、生体内で細胞に遺伝子を送逹するのに特に有益なものと判明された。しかし、宿主細胞と両立するプローモーターを有するこのプラスミドはプラスミド内で作動可能に暗号化された遺伝子からペプチドを発現することができる。商業的供給者から入手可能なプラスミドは、pBR322、pUC18、pUC19、多様なpcDNAプラスミド、pRC/CMV、多様なpCMVプラスミド、pSV40、及びpBlueScriptを含む。特定のプラスミドの追加の例は、pcDNA3.1、カタログ番号V79020;pcDNA3.1/hygro、カタログ番号V87020;pcDNA4/myc-His、カタログ番号V86320;及びpBudCE4.1、カタログ番号V53220を含む(いずれもInvitrogen(Carlsbad,CA.)の製品)。他のプラスミドも当業者に公知となっている。また、プラスミドはDNAの特定の断片を除去及び/又は付加するために標準分子生物学技術を使って注文設計可能である。
VII.抗体生成
FAM19A5(例えば、ヒトFAM19A5)に免疫特異的に結合する抗体又はその断片は、抗体の合成のための当該分野に公知となった任意の方法によって、例えば化学的合成又は組み換え発現技術によって生成されることができる。本明細書に開示される方法は、特別な言及がなければ、分子生物学、微生物学、遺伝子分析、組み換えDNA、有機化学、生化学、PCR、オリゴヌクレオチド合成及び変形、核酸雑種形成、及び当該分野技術範囲内の関連分野の従来の技術を用いる。これら技術はこの明細書に引用された参照資料に記述され、つぎの文献に記載される(例えば、Maniatis T et al., (1982) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press; Sambrook J et al., (1989), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press; Sambrook J et al., (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; Ausubel FM et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons (1987 and annual updates); Current Protocols in Immunology, John Wiley & Sons (1987 and annual updates) Gait (ed.) (1984) Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press; Eckstein (ed.) (1991) Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, IRL Press; Birren B et al., (eds.) (1999) Genome Analysis: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照)。
特定の具体例において、本明細書に開示される抗体は、例えば合成、DNA配列の遺伝子組み換えによる生成を伴う任意の手段によって製造、発現、生成又は分離された抗体(例えば、組み換え抗体)である。特定の具体例において、このような抗体は生体内動物又は哺乳類(例えば、ヒト)の抗体生殖細胞レパートリー内に自然に存在しない配列(例えば、DNA配列又はアミノ酸配列)を含む。
VIII.医薬組成物
生理学的に許容される担体、賦形剤又は安定剤(Remington's Pharmaceutical Sciences (1990) Mack Publishing Co., Easton, PA)の中で所望程度の純度を有するこの明細書に開示される抗体又はその抗原結合部分(例えば、抗FAM19A5抗体)を含む組成物がこの明細書に開示される。許容される担体、賦形剤又は安定剤は用いられた投薬量及び濃度で受恵者に非毒性であり、バッファー、例えばリン酸塩、クエン酸塩及び他の有機酸;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えばメチル又はプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量(約10個残期未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、又は兔疫グロブリン;親水性重合体、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、又はリシン;単糖類、二糖類、及びグルコース、マンノース、又はデキストリンを含む他の炭水化物;キレート剤、例えばEDTA;糖、例えばスクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトール;塩形成対イオン、例えばナトリウム;金属複合体(例えば、Znタンパク質複合体);及び/又は非イオン界面活性剤、例えばTWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)又はポリエチレングリコール(PEG)を含む。
いくつかの具体例において、医薬組成物は、この明細書に開示される抗体又はその抗原結合部分、二重特異性分子、又は免疫抱合体、及び選択的に1種以上の追加の予防又は治療剤を、薬学的に許容される担体内に含む。特定の具体例において、医薬組成物はこの明細書に開示される抗体又はその抗原結合部分の有効量、及び選択的に1種以上の追加の予防又は治療剤を、薬学的に許容される担体内に含む。いくつかの具体例において、抗体は医薬組成物に含まれた唯一の活性成分である。本明細書に開示される医薬組成物はFAM19A5活性を減少させるのに有用であり、これにより癌を治療することができる。
非経口剤に使用された薬学的に許容される担体は水性ビークル、非水性ビークル、抗菌剤、等張剤、バッファー、抗酸化剤、局所痲酔剤、懸濁及び分散剤、乳化剤、金属イオン封鎖又はキレート剤及び他の薬学的に許容される物質を含む。水性ビークルの例は、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、等張デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース及びラクテートリンガー注射液を含む。非水性ビークルは、植物起源の固定油、綿実油、トウモロコシ油、胡麻油及びピーナッツ油を含む。静菌又は静真菌濃度の抗菌剤が複数回容器にパッケージされた非経口剤に添加されることができ、これらは、フェノール又はクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp-ヒドロキシ安息香酸エステル(propyl p-hydroxybenzoic acid ester)、チメロサール、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムを含む。等張剤は、塩化ナトリウム及びデキストロースを含む。バッファーは、リン酸塩及びクエン酸を含む。抗酸化剤は、重硫酸ナトリウムを含む。局所痲酔剤は、塩酸プロカインを含む。懸濁及び分散剤は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドンを含む。乳化剤は、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)を含む。金属イオン封鎖又はキレート剤は、EDTAを含む。また、薬学的担体は水混和性ビークル用エタノール、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールを含み、pH調整用水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸又は乳酸を含む。
医薬組成物は、対象に対する任意の投与経路に合うように製剤化されることができる。投与経路の具体的な例は、鼻腔内、経口、非経口、髄腔内、脳室内、肺、皮下、又は心室内経路を含む。皮下、筋肉内又は静脈内注射を特徴とする非経口投与も考慮される。注射可能物質が従来の形態に、液体溶液又は懸濁液、注射前に液体中で溶液又は懸濁液になるのに適した固体形態、又はエマルジョンに製造されることができる。また、注射可能物質、溶液及びエマルジョンは1種以上の賦形剤を含む。適切な賦形剤は、例えば水、食塩水、デキストロース、グリセロール又はエタノールである。これに加え、必要に応じて、投与される医薬組成物も少量の非毒性補助物質、例えば湿潤又は乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解度増進剤、及び他の製剤、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン及びシクロデキストリンを含むことができる。
抗体の非経口投与用製剤は、直ぐ注射可能な滅菌溶液、皮下注射用錠剤を含む使用直前に溶媒と直ぐ合わせられることができる滅菌乾燥可溶性製品、例えば凍結乾燥された粉末、すぐ注射可能な滅菌懸濁液、使用直前にビークルと直ぐ合わせられることができる滅菌乾燥不溶性製品及び滅菌エマルジョンを含む。溶液は水性又は非水性であり得る。
静脈内投与される場合、適切な担体は、生理学的食塩水又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、及び増粘及び溶解剤を含む溶液、例えばグルコース、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール及びこれらの混合物を含む。
抗体を含む局所用混合物は局所及び全身投与について説明したように製造される。得られた混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり得、クリーム、ゲル、軟膏、エマルジョン、溶液、エリクサー、ローション、懸濁液、チンキ剤、ペースト、フォーム、エアロゾル、灌注剤、スプレー、座薬、包帯、皮膚パッチ又は局所投与に適した任意の他の剤形として製剤化されることができる。
本明細書に開示される抗体又はその抗原結合部分は、例えば吸入による、局所投与のためのエアロゾルとして製剤化されることができる(例えば、アメリカ特許第4,044,126号、同第4,414,209号及び同第4,364,923号参照、この出願は炎症性疾患、特に喘息の治療に有用なステロイドの送逹のためのエアロゾルを開示する)。気道に投与するためのこの製剤は噴霧器用のエアロゾル又は溶液の形態であるか、又は吸入剤用の超微粒粉末であり得、単独で使われるか又はラクトースのような非活性担体と組み合わせて使われる。このような場合、製剤の粒子は、50ミクロン未満、具体的に10ミクロン未満の直径を有することができる。
本明細書に開示される抗体又はその抗原結合部分は局部又は局所適用、例えば皮膚及び粘膜に局所適用、例えば目に局所適用のために、ゲル、クリーム及びローションに製剤化されることができ、目に適用又は嚢内又は髄腔内適用のために製剤化されることができる。局所投与は経皮送逹用として考慮され、また眼又は粘膜投与、又は吸入療法用として考慮される。他の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて又は単独で抗体の点鼻液も投与されることができる。
イオン泳動及び電気泳動装置を含む経皮パッチが当業者に公知となっており、抗体を投与するために使われることができる。例えば、このようなパッチは、アメリカ特許第6,267,983号、同第6,261,595号、同第6,256,533号、同第6,167,301号、同第6,024,975号、同第6,010,715号、同第5,985,317号、同第5,983,134号、同第5,948,433号及び同第5,860,957号に開示されている。
特定の具体例において、本明細書に開示される抗体又はその抗原結合部分を含む医薬組成物は凍結乾燥された粉末であり、これは、溶液、エマルジョン及び他の混合物として投与用に再構成できる。また、凍結乾燥された粉末は固体又はゲルとして復元及び製剤化できる。凍結乾燥された粉末は、この明細書に開示される抗体又はその抗原結合部分、又はその薬学的に許容される誘導体を適切な溶媒に溶解することにより製造される。いくつかの具体例において、凍結乾燥された粉末は滅菌状態である。溶媒は粉末又は粉末から製造された再構成溶液の安全性又は他の薬理学的成分を改善する賦形剤を含むことができる。使用可能な賦形剤は、これに制限されるものではないが、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース又は他の適切な製剤を含む。また、溶媒は、弱中性のpHのバッファー、例えばクエン酸塩、リン酸ナトリウム又はカリウムリン又は当業者に知られた他のバッファーを含むことができる。溶液の後続滅菌濾過と連結される当業者に公知となった標準条件下の凍結乾燥は所望の製剤を提供する。いくつかの具体例において、得られた溶液は凍結乾燥用バイアルに配分されることができる。各バイアルは化合物の単回投与量又は複数回投与量を含むことができる。凍結乾燥された粉末は適切な条件の下で、例えば約4℃~室温で保管されることができる。
注射用水によるこの凍結乾燥された粉末の再構成は非経口投与用製剤を提供する。再構成のために、凍結乾燥された粉末は滅菌水又は他の適切な担体に添加される。正確な量は選択された化合物による。このような量は経験で決定されることができる。
また、本明細書に開示される抗体又はその抗原結合部分、二重特異性分子、又は免疫抱合体及びこの明細書に開示される他の組成物は、治療される対象の特定の組職、受容体、又は他の身体領域に標的化するように製剤化されることができる。多様な標的化方法が当業者に公知となっている。このような標的化方法を本組成物に使うことが考慮される。標的化方法の非制限的例は、アメリカ特許第6,316,652号、同第6,274,552号、同第6,271,359号、同第6,253,872号、同第6,139,865号、同第6,131,570号、同第6,120,751号、同第6,071,495号、同第6,060,082号、同第6,048,736号、同第6,039,975号、同第6,004,534号、同第5,985,307号、同第5,972,366号、同第5,900,252号、同第5,840,674号、同第5,759,542号及び第5,709,874号を参考する。特定の具体例において、本明細書に開示される抗FAM19A5抗体又はその抗原結合部分は癌を治療するために使われることができる。
生体内投与に使われる組成物は滅菌されることができる。例えば、滅菌濾過膜を用いる濾過によって滅菌されることができる。
IX.キット
本明細書に開示される1個以上の抗体、又はその抗原結合部分、二重特異性分子、又はその免疫抱合体を含むキットがこの明細書に開示される。いくつかの具体例において、本明細書に開示される1個以上の抗体又はその抗原結合部分を含むこの明細書に開示される医薬組成物の成分の1個以上で満たされた1個以上の容器、選択的な使用指示を含む薬学的パック又はキットがこの明細書に開示される。いくつかの具体例において、キットはこの明細書に開示される医薬組成物及びこの明細書に開示される任意の予防又は治療剤を含む。
(実施例)
実験方法及び詳細な内容は以下の実施例を参考する。
(実施例1:ヒトFAM19A5タンパク質の発現及び精製)
組み換えヒトFAM19A5タンパク質を生成及び精製し、精製されたタンパク質を結合親和性分析に基づく抗体スクリーニング分析に使った。まず、FAM19A5遺伝子を含むLPS-hTプラスミドをバクテリアに形質転換してタンパク質過剰発現を誘導した。生成されたFAM19A5タンパク質をNi-NTA親和性クロマトグラフィー(Qiagen,Valencia,CA,USA)を使って精製した。イミダゾールを徐々に高い濃度にしてNiカラムからHisタグされたFAM19A5タンパク質を除去した。溶液中のタンパク質発現をクマシーブリリアントブルー(Coomassie Brilliant Blue)R-250染料を使って測定した。FAM19A5イミダゾール含有溶液のみ取り、PBSを使ってFAM19A5タンパク質を濃縮した。濃縮が完了したとき、FAM19A5タンパク質の純度及び濃度をウェスタンブロッティング分析で測定した。ついで、濃縮されたタンパク質を使ってFAM19A5特異的抗体に対してスクリーニングした。
(実施例2:抗体ライブラリFAM19A5の生成)
FAM19A5タンパク質をニワトリの免疫化用抗原として使った。合成ペプチドKLHコンジュゲート50μgを750μLリン酸緩衝食塩水(PBS)に混合し、30分間37℃でインキュベーションした。その後、2%スクアレン内毒素MPL(モノホスホリレート脂質A種)で毒素を除去し、油中水エマルジョンアジュバント(RIBI+MPL+TDM+CWSアジュバント、Sigma,St.Louis,Mo,USA)を含むTDW及びCWSの細胞壁成分のミコバクテリア(mycobacteria)をエマルジョン化し、これを後で3匹のニワトリに皮下注射した。ニワトリは免疫化の間におよそ2-3週の間隔で総3回免疫化した。免疫化されたニワトリから得られた抗体の力価を、FAM19A5タンパク質を過剰発現したHEK293T細胞の細胞溶解物を使って免疫ブロッティングで測定した。3回免疫化されたニワトリの血清を1次抗体として使った。使用された2次抗体はHRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)(兎抗ニワトリIgG(Y)-HRP、Milliporecorporation,Billeria,MA,USA)にコンジュゲートされた抗ニワトリIgG(Y)ポリクローナル抗体であった。
免疫化されたニワトリから単鎖可変断片(scFv)を製造した。TRI試薬(Invitro-gen、Carlsbad,CA,USA)を使い、前記免疫化されたニワトリの脾臓、骨髄及び滑液嚢からRNAを抽出した。Oligo-dTプライマーとSuperscriptTM IIIFirst-Strand Synthesis System(Invitrogen)を使って第1本cDNAを合成した。ニワトリの免疫システムから得られたcDNAに対し、Expand High Fidelity PCR System(Roche Molecular Systems,IN,USA)を使って単鎖可変領域ライブラリを生成した。各反応で、cDNA1μL、各プライマー60pmol、10×反応バッファー溶液10μL、8μLの2.5mM dNTP(Promega,Madison,WI,USA)、及びTaq DNAポリメラーゼ0.58μLを水と混合した。最終体積は100μLであった。PCR反応を次の条件の下で遂行した:30サイクル、(i)94℃で15秒、(ii)56℃で30秒、及び(iii)72℃で90秒、その後72℃で10分間の最終拡張。約350bpの長さを有する断片を含むPCR生成物を1.5%アガロースゲル上にローディングし、電気泳動後、QIAGEN Gel II抽出キット(QIAGEN,Valencia,CA,USA)を使ってヌクレオチド断片を精製した。精製されたPCR生成物をOD 260nmで判読して定量した(1ユニットOD=50μg/mL)。
2次PCRからの2個のVH及びVL第1生成物を重畳拡張PCR(Overlap extension PCR)によって無作為に連結した。各PCR反応物を100ngの精製されたVL及びVH生成物、各プライマー60pmol、10×反応バッファー10μL、8μLの2.5mM dNTP、Taq DNAポリメラーゼ0.5μL及び水と100μLの最終体積で混合した。PCRを次の条件の下で遂行した:25サイクル、(i)94℃で15秒、(ii)56℃で30秒、及び(iii)72℃で2分、その後72℃で10分間の最終拡張。約700bpの長さを有する単鎖可変領域断片を含むPCR生成物を1.5%アガロースゲル上にローディングし、電気泳動後、QIAGEN Gel II抽出キット(QIAGEN)を使ってヌクレオチド断片を精製した。精製されたPCR生成物をOD260nmで判読して定量した(1ユニットOD=500.5μg/mL)。
PCR生成物のscFv断片とベクターpComb3X-SS(The Scripps Research Institute CA、USA)をSfi I制限酵素で切断(digest)した。精製された重畳PCT生成物100.5μgをSif I 360ユニット(16ユニット当たりμg DNA、Roche Molecular Systems,Pleasanton,CA,USA)、10×反応バッファー20μL及び水と最終体積200μLで混合した。pComb3X-SSベクター20μgをSfi I120ユニット(6ユニット当たりμg DNA)、10×反応バッファー20μL及び水と最終体積200μLで混合した。混合物を8時間の間に50℃で切断した。その後、scFv断片(約700bp)及びベクター(約3400bp)を含む切断された生成物を1%アガロースゲル上にローディングし、ゲル抽出キットII QIAGEN(QIAGEN,Valencia,CA,USA)を使って精製した。Sfi I制限されたpComb3Xベクター1400ngと切断されたscFv断片700ngを5×リガーゼバッファー、10μLのT4 DNAリガーゼ(Invitrogen,Carlsbad,CA,USA)及び水と最終体積200μLで混合した。混合物を16時間の間に16℃でインキュベーションしてライゲーション(ligation)を遂行した。
エタノールで沈澱した後、DNAペレットを水15μLに溶解した。ライブラリを生成するために、ライゲーションサンプルを大腸菌(E. coli)菌株ER2738(New England Biolabs Inc.,Hitchin,Hertfordshine,SG4OTY,England,UK)にバイブレーター遺伝子(遺伝子パルサー:Bio-Rad Laboratories,Hercules,CA,USA)を使って電気穿孔によって形質転換した。細胞をスーパーブロス(SB)培地5mLと混合し、37℃で1時間の間に250rpmで撹拌しながらインキュベーションした。ついで、100mg/mLカナマイシン3μLをSB培地10mLに添加した。ライブラリサイズを決定するために、培養物サンプル0.1μL、1μL及び10μLを50μg/mLカナマイシンを含むルリアブロス(LB)寒天板上に擦って塗った。1時間の撹拌後、100mg/mLカナマイシン4.5μLをLB培養物に添加し、さらに1時間撹拌した。ついで、水中のVCM13ヘルパーファージ2mL(>1011cfu/mL)を100mg/mLカナマイシン92.5μLを含む予熱されたLB(183mL)とともにLB培地に添加した。この混合物をさらに2時間の間に37℃で250rpmで撹拌した。ついで、カナマイシン280μL(50mg/mL)を培養物に添加し、37℃でひと晩撹拌した。翌日、バクテリアペレットを高速遠心分離機(Beckman、JA-10ローター)を使い、4℃、3,000gで遠心分離した。その後、バクテリアペレットを使ってファージミドDNAを抽出し、上澄み液は滅菌遠心分離瓶に移した。ついで、ポリエチレングリコール-8000(PEG-8000、Sigma)8gと塩化ナトリウム6gを上澄み液に添加した後、氷内で30分間維持した。その後、上澄み液を4℃、15,000gで15分間遠心分離した。ついで、上澄み液を捨て、ファージペレットを緩衝食塩水(TBS)で懸濁した。
(実施例3:免疫化された抗原に対するライブラリパニング(バイオパニング)(bio-panning))
磁気ビード(Dynabeads M-270 Epoxy,Invitrogen)を使ってバイオパニングを遂行した。およそ1×107ビードを室温で20時間の間にタンパク質とともに回転撹拌することにより、組み換えFAM19A5タンパク質5μgでコーティングした。コーティングが完了すれば、ビードをリン酸緩衝食塩水(PBS)で4回洗浄し、室温で3%BSAを含むPBS内で1時間遮断した。ついで、コーティングされたビードを前記ファージディスプレイされたscFvとともに室温で2時間培養した。抗原コーティングされたビードに結合されなかったファージを除去するために、ビードを0.05%Tween 20/PBSで洗浄した。ついで、結合されたファージを50μLの0.1Mグリシン/塩化水素(0.1Mグリシン-HCl、pH2.2)で溶出し、塩化水素とともに2M Tris(Tris-HCl、pH9.1)3μLで中和させた。このファージ含有上澄み液を使って大腸菌ER2738細胞を感染させ、VCSM13ヘルパーファージを使用してひと晩増幅して救済した。また、50μg/mLカナマイシンを含むLB寒天板上にファージ感染された培養物をブロッティングすることにより、ファージ感染された培養物からのファージ力価によって投入(インプット)及び生成(アウトプット)を決定した。翌日、PEG-8000とNaClを使ってファージを沈澱させた後、バイオパニングに使った。バイオパニングは前記過程を繰り返して総5回遂行した。各増幅で、FAM19A5タンパク質に対して高親和性を有するファージをスクリーニングして選択した。
(実施例4:ファージELISAによるクローンの選択)
バイオパニングから選択されたクローンを分析するために、ファージディスプレイされたscFvから個別クローンを無作為に選択し、ELISAを使ってクローンがFAM19A5組み換えタンパク質に結合することを確認した。FAM19A5組み換えタンパク質を0.1M NaHCO3バッファーに希釈し、タンパク質をウェル当たり100ng使い、16時間の間に4℃で96ウェルマイクロタイタープレートをコーティングした。翌日、プレートを1時間の間に37℃で3%BSA/PBSで遮断した。ついで、ファージ上澄み液を6%BSA/PBSと混合し、37℃で2時間培養した。ついで、上澄み液を含むプレートを0.05%Tween 20/PBSで洗浄した。HRPコンジュゲートされたM13抗体(a-M13-HRP,Pierce Chemical Co,Rockford,IL,USA)を1/5000に希釈した。希釈された抗体50μLをプレートに添加し、37℃で1時間インキュベーションした。インキュベーション及び洗浄の後、色展開のために、プレートに0.05Mクエン酸緩衝液、1μg/mLの2,2’-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリル-6-スルホン酸)(ABTS,Amresco,Solon,OH,USA)、及び0.1%H2O2を添加した。各ウェルに対する吸光度を405nmで測定した。
FAM19A5組み換えタンパク質に結合するとともに高吸光度を示す24個クローンを分析した。24個のクローンから独特の配列を有する13個のscFvクローンを得た。クローンの追加選択後、最高の親和性を有するクローン1-65を得た。
(実施例5:抗FAM19A5-IgG2/4抗体の生成)
抗FAM19A5 scFvを哺乳類発現ベクターにサブクローニングした。FAM19A5 scFv遺伝子配列で、ヒトCκ遺伝子を軽鎖可変領域に連結し、CH1、CH2及びCH3遺伝子のヒト兔疫グロブリンアイソタイプIgG2/4を重鎖可変領域に連結した。制限部位(Genscript,USA)を添加することにより、各軽鎖と各重鎖を有する抗体を合成した。クローニングを容易にするために、合成された遺伝子を変形された制限部位を有する哺乳類細胞発現ベクターに挿入した。まず、軽鎖遺伝子をHind III及びXbaI(New England Biolabs,UK)制限酵素を使ってベクターに挿入した後、NheI及びBamHI(New England Biolabs,UK)制限酵素を使ってベクターに重鎖遺伝子を添加した。
抗FAM19A5-IgG2/4抗体を発現及び精製するために、哺乳類細胞トランスフェクション及び過剰発現注射システムを使った。細胞培養体積の1/10に相応する150mM塩化ナトリウム(NaCl、Merck)内で2μg/mLの哺乳類発現ベクターと4μgのポリエチレンイミン(PEI,Polysciences,Warrington,PA,USA)を混合した。混合物を室温で15分間放置した。混合物をHEK293F細胞(2×106細胞/mL、Invitrogen)に加えた後、7%CO2及び37℃で6日間135rpmの撹拌条件で100U/mLペニシリン及びストレプトマイシン(Invitrogen)を含むFreestyleTM 293発現培地でインキュベーションした。細胞培養上澄み液から発現した抗FAM19A5 IgG2/4抗体を精製するために、タンパク質Aビード(RepliGen,Waltham,MA,USA)親和性ゲルクロマトグラフィーを使った。タンパク質Aクロマトグラフィーは4-12%Bis-Tris勾配ゲル電気泳動上で展開された。タンパク質の大きさ及び収率をクマシーブリリアントブルー染色で確認した。
(実施例6:ヒト肝癌患者分析)
肝癌でのFAM19A5発現を評価するために、FAM19A5タンパク質発現を免疫組職化学を使ってヒトの肝生検体で測定した。簡単に言えば、多様な程度の線維症(すなわち、段階#0から段階#4)を有する肝癌患者から肝サンプルを得た。組職サンプルを抗FAM19A5抗体に免疫染色した後、ヘマトキシリンとエオシン(H&E)で対比染色した。
図1に示したように、段階#0の患者に比べ、段階#2から段階#4の癌患者からの肝組織ではFAM19A5タンパク質発現に有意な増加があった。増加したFAM19A5発現は傷跡形成領域付近と肝星霜細胞に主に集中した。また、FAM19A5発現の増加は疾患の進行に関連し、段階#2肝組職に比べ、段階#4肝組織はFAM19A5をずっと高い水準で発現した。総合すれば、このデータはFAM19A5がヒト肝癌にも重要な役割をすることを証明する。
(実施例7:肝癌異種移植モデルにおける抗FAM19A5抗体投与効能の分析)
ヒト肝癌に対する抗FAM19A5抗体の抗腫瘍効能を評価するために、肝癌の異種移植マウスモデルを使った。簡単に言えば、ヌードマウスを購入し、特定病原体未感染(SPF)の条件で収容した。およそ1週間の適応期間の後、Hep3B細胞及び/又はヒト肝星細胞(HHSteC)を動物に皮下注射した。このようにするために、細胞を先にトリプシンで処理して単一細胞溶液を製造した。ついで、細胞を洗浄し、およそ5×106のHep3B及び/又は0.4×106のHHSteC細胞をDMEM培地100μLに再懸濁した。ついで、細胞をヌードマウスの右脇腹にインスリン注射器を使って皮下注射した。注射後約3週目に腫瘍形成に対して動物を観察した。
腫瘍形成時(注射後から3週)、動物に正常ヒト兔疫グロブリン(NHI、対照群)又は3-2ヒトIgG1抗FAM19A5抗体(2.5mg/kg)を静脈内注射した。動物は総3週間毎週1回抗体を投与した。体重と腫瘍大きさを毎週評価した。接種後42日目に動物を殺し、腫瘍をさらに分析した。
図2aに示したように、全ての相異なるグループの動物が実験期間始終類似の体重を有する。そして、図2b-2dに示したように、抗FAM19A5抗体の投与は単にHep3B細胞のみで接種された動物に対して最小限の抗腫瘍効果を有する(すなわち、“Hep3B+NHI”及び“Hep3B+FAM19A5 Ab”)。しかし、Hep3B細胞とHHSteCが共に接種された動物では、抗FAM19A5抗体の投与が腫瘍の大きさ/重量の有意な減少をもたらした(すなわち、“Hep3B+HHSteC+NHI”及び“Hep3B+HHSteC+FAM19A5 Ab”)。このようなデータは腫瘍内微小環境で抗FAM19A5抗体と肝細胞の肝星細胞の相互作用が肝癌を治療することができることを示す。
(実施例8:誘導性マウス黒色腫モデルにおける抗FAM19A5抗体の坑癌効果の評価)
抗FAM19A5抗体の坑癌効果を評価するために、雄性Tyr::CreER;Braf+/+;Ptenlox/loxマウス(Jackson Lab,USA)と雌性Tyr::CreER;BrafCA/CA;Ptenlox/loxマウスの交雑育種(crossbreeding)によってTyr::CreER;BrafCA/+;Ptenlox/loxマウスを生成して黒色腫を誘導した。得られた交雑育種されたマウスは黒色腫を自然発生させるものとしてよく知られた動物モデルである(Dankort D., et al., Nat Genet 41(5): 544-552 (2009)参照)。黒色腫は出生後7週から自発的に誘導され、各マウスはそれぞれの腫瘍体積及び黒色腫の数によって分類した。
分離後、ヒトIgG又は抗FAM19A5抗体を出生後8週から5mg/kgの容量で週1回ずつ総3回静脈内注射した(8、9及び10週)。12週(すなわち、初期抗体投与後4週)に、マウス黒色腫の体積分析をキャリパー(Caliper;Mitutoyo,Japan)を使って遂行した(図3a参照)。
図3b及び図3cに示したように、抗FAM19A5抗体治療群は、腫瘍体積(図3b)と染色された領域の面積(図3c)の観点から、いずれも対照群のヒトIgG治療群に比べて黒色腫成長の有意な阻害を示した。
(実施例9:マウス黒色腫モデルにおける抗FAM19A5抗体の投与後の血管正常化及び免疫細胞浸潤の促進)
血管正常化及び黒色腫への免疫細胞の浸潤に対する抗FAM19A5の効果を評価するために、マウスで黒色腫を誘導し、実施例8に記載した通りにヒトIgG又は抗FAM19A5抗体を投与した。ついで、マウスをウレタン0.5cc/100gで腹腔内局所痲酔した。胸皮膚を切開し、左心室にIVを注射し、0.9%食塩水50mLを投与し、血管に流した。4%パラホルムアルデヒド(PFA)を含むリン酸緩衝食塩水(PBS)50mLをマウスに灌流させて固定した。
黒色腫を固定されたマウスの皮膚から分離し、4%パラホルムアルデヒド(PFA)を含むリン酸緩衝食塩水(PBS)で後固定した。24時間後、黒色腫をPBSに移し、使用時まで保管した。3次元分析のために、CLARITY及び免疫組職化学を用いて抗FAM19A5抗体を治療した後、黒色腫での血管及び免疫細胞の分布を観察した。CD31及びIBA1をそれぞれ血管内皮細胞及びマクロファージに対するマーカーとして使った。約700-750μmで製造されたサンプルの蛍光イメージを共焦点顕微鏡(Leica)を使って得た。
図4に示したように、対照群(上部イメージ)での血管の分布パターンは癌組職で観察されたものと類似しており、不良な血管連結性と不規則な血管方向を有した。対照的に、抗FAM19A5抗体治療群は、増加した血管連結性及びより規則的な血管方向を有する規則的な血管を形成する正常組職と類似の特徴を示した(図4(下部イメージ)参照;図5(CD31標識されたカラムの下部イメージ)参照)。
さらに、対照群におけるマクロファージ分布は皮下組職内にのみ強く集中し、表皮での分布は有意に減少した(図5、上部中央パネル)。一方、抗FAM19A5抗体治療群では、組職全体的にマクロファージが均一に分布した(図5、下部中央パネル)。
この結果は、抗FAM19A5抗体を使った治療的処置が血管正常化を媒介して、黒色腫へのの免疫細胞の浸潤を促進させることができることを示す。
(実施例10:自発的黒色腫マウスモデルにおける抗FAM19A5抗体治療後の免疫細胞浸潤の促進)
免疫細胞に対する抗FAM19A5抗体の効果をさらに評価するために、マウスで黒色腫を誘導し、実施例8に記載した通りに、ヒトIgG又は抗FAM19A5抗体を投与した。ついで、マウスをウレタン0.5cc/100gで腹腔内局所痲酔した。胸皮膚を切開し、左心室にIVを注射し、0.9%食塩水50mLを投与し、血管に流した。マウスに4%パラホルムアルデヒド(PFA)を含むリン酸緩衝食塩水(PBS)50mLを灌流させて固定した。黒色腫を固定されたマウスの皮膚から分離し、4%パラホルムアルデヒド(PFA)を含むリン酸緩衝食塩水(PBS)で後固定した。
黒色腫をさらに24時間の間に30%スクロースを含むPBSとともにインキュベーションした。ついで、組職を組職モールドに入れ、ドライアイスで30%糖溶液を含む最適切断温度(OCT)組成物とともに凍結した。皮膚組職を低温維持ミクロトーム(cryostat microtome)を使って30μmに切断した。免疫組職化学を使って抗FAM19A5抗体を治療した後、黒色腫での免疫細胞分布を分析した。
黒色腫腫瘍塊での免疫細胞の分布を検査するために、マクロファージ及び樹状細胞の分布をそれぞれ確認することができる白血球共通抗原マーカーCD45とマクロファージマーカーIba-1を一緒に標識した。また、Tリンパ球の分布を確認するために、CD45及びCD3、Tリンパ球マーカーを一緒に標識した。
マクロファージ又は樹状細胞分布分析から明らかであるように(図6a)、抗FAM19A5抗体治療群の黒色腫でのマクロファージ又は樹状細胞の分布はヒトIgG治療群の分布と類似していた(図6b)。しかし、マクロファージ及び/又は樹状細胞当たりボクセル強度は、ヒトIgG治療群に比べ、抗FAM19A5抗体治療群で有意に増加したが、これはマクロファージの細胞体積の増加を示す(図6c及び図6d)。
また、ヒトIgGで治療された動物に比べ、Tリンパ球の有意に高い浸潤が抗FAM19A5抗体治療群で立証された(図7a及び7b)。
この結果は、血管正常化が抗FAM19A5抗体治療後の黒色腫内で発生し、マクロファージの細胞体積と黒色腫へのTリンパ球の浸潤が増加したことを示した。
(実施例11:マウス同系結腸腺癌モデルにおける腫瘍組職への免疫細胞の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果の評価)
坑癌効能の同系腫瘍モデルを使用し、腫瘍組職への免疫細胞の浸潤程度を動物からのMC-38結腸腺癌モデル腫瘍の抽出によって評価した。簡単に言えば、結腸腺癌腫瘍細胞(5×105)を各マウスに移植した。腫瘍の大きさが約80-100mm3に到逹したとき、動物を相異なるグループに分離した。ついで、ヒトIgG又は抗FAM19A5抗体を関連グループの動物に投与した(2.5mg/kgの容量で2週間毎日2回、腹腔内注射)。最後の抗体投与後10日目にマウスを殺し、腫瘍を収去した。
特定大きさの収去された腫瘍を細胞濾過器で篩過して均一な単一細胞懸濁液を得た。細胞をPBSで洗浄し、各腫瘍からの細胞を3個のチューブに分け、100μLに懸濁した。各チューブを個別的に1μgの抗CD3 FITC抗体(abcam、ab34722)、抗Ly6GFITC抗体(abcam、ab25024)、又はアイソタイプ対照群であるラットIgG FITC抗体(abcam、ab37364)で処理した。抗体-細胞懸濁液を30分間4℃で放置した後、蛍光活性化細胞分類(FACS)(Guava,Merck)分析のためにPBSで洗浄した。
対照群のヒトIgGが投与された動物に比べ、抗FAM19A5抗体(3-2)で治療されたマウス同系結腸腺癌モデルは癌組職内のT細胞の浸潤を増加させた(図8a)。同様に、また、抗FAM19A5抗体が投与された動物は、対照群動物と比較するとき、癌組職内での骨髄来由抑制細胞(MDSCs)の頻度がおよそ25%減少した。
この結果は、抗FAM19A5抗体の投与が腫瘍組職でのMDSCの補充を減少させながらT細胞の浸潤を増加させることができることを示し、これは腫瘍組職の免疫抑制環境を変形させて坑癌効能を増進させた。
(実施例12:同系腫瘍成長モデルにおける抗FAM19A5抗体の抗腫瘍効果の評価)
この研究の目的は、相異なる皮下同系ネズミ科腫瘍モデルにおける抗FAM19A5抗体(3-2)の抗腫瘍効能を評価することであった。試験された腫瘍モデルは、4T-1腫瘍細胞(乳房癌)、A20腫瘍細胞(B細胞リンパ腫)、B16F10腫瘍細胞(黒色腫)、LLC腫瘍細胞(肺癌)、Pan02腫瘍細胞(膵膓癌)、Renca腫瘍細胞(腎癌)、RM-1腫瘍細胞(前立腺癌)、WEHI-164腫瘍細胞(線維肉腫)、及びMC-38腫瘍細胞(結腸腺癌)を含んでいた。
腫瘍を誘導するために、各マウスの右脇腹に、PBS0.1mL内の次のようなマウス腫瘍細胞の1個を皮下接種した:(i)4T-1腫瘍細胞(3×105)、(ii)A20腫瘍細胞(5×105)、(iii)B16F10腫瘍細胞(2×105)、(iv)LLC腫瘍細胞(3×105)、(v)Pan02腫瘍細胞(3×106)、(vi)Renca腫瘍細胞(1×106)、(vii)RM-1腫瘍細胞(1×106)、(viii)WEHI-164腫瘍細胞(1×106)、又はMC-38腫瘍細胞(5×105)。
接種後、腫瘍体積をキャリパーで2次元的に週2回測定し、測定された体積は式V=0.5×a×b2によって計算し、mm3で表示した(ここで、a及びbはそれぞれ腫瘍の長径及び短径)。腫瘍体積が80-100mm3に到逹すれば、抗体治療を始めた。各研究グループの動物数、投薬量、投薬経路及び投与スケジュールは表8に提示する。
腫瘍成長阻害はTGI(%)=100×(1-T/C)で示し、これは抗腫瘍効能の表式として使われた。T及びCはそれぞれ抗FAM19A5治療群及び対照群(ヒトIgG)治療群の平均腫瘍体積である。
表9の抗FAM19A5抗体で治療された各同系腫瘍成長モデルのTGI(%)を使って抗FAM19A5抗体の抗腫瘍効果を評価した。
この結果は、同系腫瘍の成長が陰性対照群ヒトIgG治療群と比較するとき、抗FAM19A5抗体治療群で阻害されたことを証明した。
(実施例13:ヒト膵膓癌の異種移植マウスモデルにおける抗FAM19A5抗体の坑癌効果の評価)
抗FAM19A5抗体の坑癌効果をもっと評価するために、ヒト膵膓癌異種移植モデルを使った。簡単に言えば、MIA paca-2細胞(ATCC;Manassas,VA)を37℃、95%CO2で10%ウシ胎児血清(FBS)、2.5%ウマ血清、及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)で培養した。ついで、0.05%トリプシン-0.02%EDTAを使って細胞を収去し、遠心分離し(1500rpmで3分)、1×107細胞/0.1mLの濃度でPBSに再懸濁した。腫瘍成長を誘導するために、ヌードマウスをケタミン/キシラジンで痲酔し、左脇腹を70%アルコールで消毒した。消毒された領域を切開して(0.7-1cm)膵膓を露出させた。ついで、MIA paca-2細胞(1×107細胞/0.1mL)をインスリン注射器(1mL、31G)で膵膓に注射した。ヒトIgG(陰性対照群)又は抗FAM19A5抗体(3-2)を、腫瘍誘導後10、17、及び24日に2.5mg/kgの容量で動物に静脈内投与した。ゲムシタビンと組み合わせた抗FAM19A5抗体の効果を評価するために、腫瘍誘導後12、15、19、22、26、及び29日に50mg/kgの容量で関連動物にゲムシタビンをまた投与した。最後の投与後、マウスを殺して血液を除去し、分析のために動物から膵膓を収去した。
腫瘍組職を10%緩衝中性ホルマリン溶液中で秤量した。膵膓組職を固定し、パラフィンに包埋し、4-5μm組職切片を製造した。膵膓癌組職での線維症の程度を細胞外基質タンパク質の蓄積によって確認した。シリウス(Sirius)レッド染色によって線維症の進行程度を評価したところ、これは具体的に細胞外基質の成分であるコラーゲンを染色させた。染色された組職のイメージを獲得し、イメージ化された領域内での相対的コラーゲン含量を測定した(Image Pro Plus 7.0,MediaCybernetics,USA)。
図9bに示したように、抗FAM19A5抗体で治療された動物は、対照群動物(ヒトIgG抗体で治療)に比べ、腫瘍成長(腫瘍重量によって測定)に対する効果を現さなかった。しかし、ゲムシタビンと組み合わせた抗FAM19A5抗体は有意な抗腫瘍効果を有することが現れた。抗FAM19A5抗体とゲムシタビンの両者が投与された動物は相異なるグループの中で最小の腫瘍重量を有した。すなわち、抗FAM19A5抗体が血管正常化を促進し、これが腫瘍へのゲムシタビンの送逹を増加させると推定される。
線維症の進行に対する効果に関連して、抗FAM19A5抗体の単独投与は、ヒトIgGの単独投与と比較するとき、線維症の形成(相対的コラーゲン含量によって測定)のもっと大きな阻害をもたらした(図9c)。ゲムシタビンの単独と比較するとき、抗FAM19A5抗体とゲムシタビンの組合せ投与はもっと大きな抗線維症効果をもたらした。
この結果は、抗FAM19A5抗体が単独で又はゲムシタビンと組み合わせて投与されたとき、陰性対照群(ヒトIgG)及び陽性対照群(ゲムシタビン単独)に比べ、有意に高い坑癌効果を有することができることを証明した。
(実施例14:黒色腫動物モデルにおける単独又は抗PD-1抗体と組み合わせた抗FAM19A5抗体の抗腫瘍効能の評価)
マウス黒色腫癌細胞株B16F10を韓国セルラインバンク(KCLB)から購入した。マウス同系黒色腫モデルを誘導するために、2×105細胞/0.2mLの細胞を各マウスの脇腹に接種した。
接種後7日目に各腫瘍の体積をキャリパー(Caliper;Mitutoyo,Japan)で測定した。測定された体積は式:V=0.5×a×b2によって計算し、mm3で表示した(ここで、a及びbはそれぞれ腫瘍の長径及び短径)。
図10aに示したように、腫瘍体積が80-100mm3に到逹すれば、抗体治療を始めた。ヒトIgG(陰性対照群)又は抗FAM19A5抗体を5mg/kgの容量で2週間毎週1回静脈内投与した。ラットIgG(陰性対照群)又は抗マウスPD-1(mPD-1)抗体を1週間毎週2回腹腔内投与した。腫瘍接種後17日目に腫瘍体積を測定し、動物を殺した(図10a)。
TGI(%)=100x(1-T/C)によって計算された腫瘍成長阻害(TGI)を抗腫瘍効能の表式として使った。Tは抗FAM19A5抗体投与されたマウスの個別腫瘍体積であり、Cは対照群[ヒトIgG+ラットIgG]の平均腫瘍体積である。図10bに示したように、対照群動物(ヒトIgG+ラットIgG治療群)に比べ、抗FAM19A5抗体単独又は抗PD-1抗体単独で治療された動物では有意な抗腫瘍効果が観察されなかった。しかし、抗FAM19A5抗体と抗PD-1抗体の両者が投与されたマウスは、対照群動物に比べ、腫瘍体積の有意な減少を示した(図10b)。
この結果は、mPD-1抗体と組み合わせた抗FAM19A5抗体の投与が有意な抗腫瘍効果をもたらすことができることを証明した。
(実施例15:膵膓癌動物モデルにおける単独又は抗PD-1抗体と組み合わせた抗FAM19A5抗体の抗腫瘍効能の評価)
抗FAM19A5抗体と抗PD-1抗体の組合せ使用の抗腫瘍効能をもっと評価するために、膵膓癌マウスモデルを使った。C57BL/6マウスで遺伝子突然変異(KrasLSL-G12D/WT;P53KO/KO;Pdx1-cre)を介して膵膓癌を誘導した後、癌組職を除去し、新しいC57BL/6マウスの膵膓組職に移植した。3日後、癌組職が移植された動物を相異なるグループに分離し、次のように治療した:(i)対照群ヒト及びマウスIgG抗体、(ii)抗FAM19A5抗体+マウスIgG抗体、(iii)ヒトIgG抗体+抗マウスPD-1抗体又は(iv)抗FAM19A5抗体+抗マウスPD-1抗体。ヒトIgG(CrownBio、cat # C0001)及び抗FAM19A5抗体(3-2クローン、Lot # 171123)は5mg/kgの容量で3週間毎週1回静脈内投与した。マウスIgG(Bioxcell、cat # BE0089)及びマウス抗PD1抗体(Bioxcell、cat # BE0146)は10mg/kgの容量で3週間毎週2回投与した。腫瘍接種後3週目に動物を殺し、相異なる治療計画の坑癌効果を評価した。
図11に示したように、対照群(G1:ヒトIgG抗体+マウスIgG抗体)に比べ、抗FAM19A5抗体単独で治療された動物(G2)及び抗PD-1抗体単独で治療された動物(G3)はそれぞれ約50%及び51%腫瘍阻害を示した。マウス黒色腫モデルからの結果(実施例14参照)と同様に、抗FAM19A5抗体と抗PD-1抗体の両者で治療された動物(G4)は最大の腫瘍阻害(対照群と比較して~61%阻害)を示した。この結果は、抗FAM19A5抗体と抗PD-1抗体の組合せ治療が黒色腫及び膵膓癌を含む多様な癌に対する効果的な治療であり得ることを確かにする。
(実施例16:Raw264.7(マウスマクロファージ)及びBV-2細胞(マウス小膠細胞)の食作用に対する抗FAM19A5抗体の影響)
Raw264.7(韓国セルラインバンク)細胞をウェル当たり1×105細胞/mLで12個ウェルに16時間の間に5%CO2及び37℃で培養した。ついで、細胞を、(i)無刺激(対照群)、(ii)サイトカラシンD(5mM)、(iii)LPS(1μg/mL)単独(sigma)又は(iv)LPSと抗FAM19A5抗体(1μg/mL)とともに24時間の間に5%CO2及び37℃で培養した。上澄み液除去及びPBS洗浄後、溶液を大腸菌生体粒子オプソニン化剤(Thermofisher,E2870)と予め反応されたpHrodo大腸菌生体粒子(Thermofisher,P35381)でウェル当たり0.05mg/300μLで処理した。1時間の間に37℃でインキュベーションした後、上澄み液を除去し、PBS洗浄後、細胞を収去した。GUAVA機器(Merck)を使い、食作用後、リソゾームの融合によって低pHで選択的に蛍光になるpHrodo発現を分析した。
BV-2細胞をウェル当たり1×105細胞/mLで24個のウェルに平板培地として、16時間の間に5%CO2及び37℃で培養した。上澄み液除去及びPBS洗浄の後、溶液を大腸菌生体粒子オプソニン化剤(Thermofisher,E2870)と予め反応されたpHrodo大腸菌生体粒子(Thermofisher,P35381)でウェル当たり0.05mg/300μLで処理した。各ウェルは、(i)1μg/mL FAM19A5タンパク質又は(ii)1μg/mL FAM19A5タンパク質と抗FAM19A5抗体で処理した。ミトコンドリア膜電位を測定するために、Image-iTTM TMRM試薬(テトラメチルローダミンメチルエステル、ミトコンドリア膜電位指示薬;ThermoFisher,I34361)(10nM濃度)で細胞をさらに処理した。1時間の間に37℃でインキュベーションした後、上澄み液を除去し、PBS洗浄後、細胞を収去した。GUAVA機器(Merck)を使い、食作用後、リソゾームの融合によって低pHで選択的に蛍光になるpHrodo発現をB-Greenチャネルで分析し、TMRMをB-Yellowチャネルで分析した。
図12aに示したように、FACS分析は、対照群に比べ、Raw264.7細胞が高容量LPS単独で24時間処理されたとき、食作用が阻害されたことを示した。細胞が同じ濃度のLPSとともに抗FAM19A5抗体で処理されたとき、食作用の水準は約67%増加した。同様に、FAM19A5タンパク質単独によるBV-2細胞の処理は、減少した食作用とミトコンドリア膜電位をもたらした(図12b)。しかし、BV-2細胞が抗FAM19A5抗体でさらに処理されたとき、抗体は典型的な食細胞であるマクロファージと小膠細胞の食細胞活性を増加させ、またミトコンドリア電位を増加させた(それぞれ約6%及び16%)(図12b)。
概要及び要約部分を含む詳細な説明部分は請求範囲を解釈するために使用されるようにすることが認められなければならない。概要及び要約部分は本発明者(ら)によって考察されたように、本発明の全部ではないが、1個以上の例示的な具体例を提示することができ、よって本発明と添付の請求項を決して制限しようとするものではない。
本発明は明示された機能と及びその関係の実施を例示する機能的構成要素の助けにより以上で開示された。この機能的構成要素の境界は説明の便宜のためにこの明細書で任意に定義された。明示された機能とこの関係が適切に遂行される限り、代替の境界も定義されることができる。
特定の具体例についての前述した説明は本発明の一般的な性質を充分に明らかにするものであり、第3者は当該分野の知識を適用することにより、本発明の一般的な概念から逸脱しなくて過度な実験なしに、このような特定の具体例を多様な用途に合わせて易しく変形及び/又は改造することができる。よって、このような改造及び変形はこの明細書に提示された教示及び指針に基づいて開示された具体例の等価物の意味及び範囲内にあるであろう。本明細書で使用される文句又は用語は制限するためのものではなくて説明のためのものであることが理解されなければならなく、本明細書の用語又は文句は教示及び指針を考慮して当業者によって解釈されなければならない。
本発明の範囲及び領域は前述された例示の具体例のいずれかによって制限されてはいけなく、請求項及びその等価物によってのみ限定されなければならない。
本明細書で引用された全ての刊行物、特許、特許出願、インターネットサイト及び受託番号/データベース配列(ポリヌクレオチドとポリペプチド配列の両者を含み)はそれぞれの個別刊行物、特許、特許出願、インターネットサイト又は受託番号/データベース配列が参考として含まれるように具体的にかつ個別的に指示されたものと同じ程度に全ての目的のためにその全部を参照することによりこの明細書に組み込まれる。
このPCT出願は2017年6月27日付で提出されたアメリカ仮出願第62/525,633号、2017年11月7日付で提出された同第62/582,886号及び2017年12月12日付で提出された同第62/597,920号の優先権の利益を主張し、その全部を参照することによりこの明細書に組み込まれる。
3人の相異なる肝癌患者からの肝生検組織でFAM19A5タンパク質発現の免疫組職化学分析を示す。各患者は多様な程度の線維症を有した:(i)段階#0(左側カラム)、(ii)段階#2(中央カラム)、及び(iii)段階#4(右側カラム)。下部列は上部列のボックス表示領域をもっと高い倍率で拡大した図である。矢印はFAM19A5陽性肝星細胞(hepatic stellate cells)の例を示す。
時間(接種後経過週)の関数として動物の体重(グラム)を示す。動物の一部はHep3B細胞が単独で接種され、正常ヒト兔疫グロブリン(円形、グループ1:“Hep3B+NHI”、n=3)又は抗FAM19A5抗体(閉ボックス、グループ2:“Hep3B+FAM19A5 Ab”、n=3)で治療された。他の動物はHep3B細胞とヒト肝星細胞(HHSteC)の両者が接種され、正常ヒト兔疫グロブリン(ダイヤモンド、グループ3:“Hep3B+HHSteC+NHI”、n=3)又は抗FAM19A5抗体(開ボックス、グループ4:“Hep3B+HHSteC+FAM19A5 Ab”、n=3)で治療された。データは平均±S.D.で表示される。
時間(接種後経過週)の関数として相異なるグループの動物で観察された平均腫瘍体積を示す。グループは図2aに提示されたものと同一である。腫瘍体積は0.5×長さ×幅2=腫瘍体積(mm3)の式で計算された。データは平均±S.D.で表示される。
接種後42日目に図2aに提示された動物から分離された腫瘍の撮影イメージを示す。図2cで、(i)上部左側は“Hep3B+NHI”グループ(n=2)の腫瘍を示し;(ii)上部右側は“Hep3B+HHSteC+NHI”グループ(n=2)の腫瘍を示し;(iii)下部左側は“Hep3B+FAM19A5 Ab”グループ(n=3)の腫瘍を示し;(iv)下部右側は“Hep3B+HHSteC+FAM19A5 Ab”グループ(n=3)の腫瘍を示す。
接種後42日目に図2aに提示された動物から分離された腫瘍の重量(グラム)を示す。図2dは相異なるグループから分離された腫瘍の平均重量(g)を示す。
黒色腫腫瘍モデルにおいて抗FAM19A5抗体の坑癌効果を示す。図3aは抗体投与スケジュールを示したダイヤグラムである。
黒色腫腫瘍モデルにおいて抗FAM19A5抗体の坑癌効果を示す。図3bは出生後相異なる時点で、ヒトIgG(黒色棒)又は抗FAM19A5抗体(灰色棒)で治療された動物において腫瘍体積の比較を提示する。出生後56日が抗体治療の開始日に相当する(すなわち、8週目)。
黒色腫腫瘍モデルにおいて抗FAM19A5抗体の坑癌効果を示す。図3cはヒトIgG(左側イメージ)又は抗FAM19A5抗体(右側イメージ)で治療された動物においてBrafV600E-誘導色素性病変の比較を提示する。
ヒトIgG抗体(上部イメージ)又は抗FAM19A5抗体(下部イメージ)で治療された動物の黒色腫において(CD31発現に基づく)血管の分布パターンを示す。イメージの右側の矢印は組職サンプルの配向を示す、上部が表皮であり、皮下組職は下部に向かっている。
ヒトIgG抗体(上部イメージ)又は抗FAM19A5抗体(下部イメージ)で治療された動物の黒色腫において(CD31発現に基づく)血管及び(Iba1発現に基づく)マクロファージの分布パターンを示す。左側カラムはCD31発現を単独で示す。中央カラムはIba1発現を単独に示す。右側カラムはCD31とIba1発現を2個とも示す。イメージの右側矢印は組職サンプルの配向を示す、上部が表皮であり、皮下組職は下部に向かっている。
マウス黒色腫モデルにおける腫瘍へのマクロファージ及び樹状細胞の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。図6aは対照群(ヒトIgG)抗体(左側カラム)又は抗FAM19A5抗体(右側カラム)で治療された動物の黒色腫において(Iba1及びCD45発現に基づく)マクロファージ及び樹状細胞の分布パターンを示す。下部イメージは上部列に示した代表領域を拡大したものである。
マウス黒色腫モデルにおける腫瘍へのマクロファージ及び樹状細胞の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。図6bは対照群のヒトIgG抗体(白色棒)又は抗FAM19A5抗体(黒色棒)で治療された動物の黒色腫で検出されたマクロファージの頻度(黒色腫内で総CD45+細胞の%Iba1+で示す)の比較を提示する。
マウス黒色腫モデルにおける腫瘍へのマクロファージ及び樹状細胞の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。図6cは対照群のヒトIgG抗体(白色棒)又は抗FAM19A5抗体(黒色棒)で治療された動物の黒色腫で観察された(ボクセル数に基づく)マクロファージの細胞体積の比較を提示する。
マウス黒色腫モデルにおける腫瘍へのマクロファージ及び樹状細胞の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。図6dは相異なる群の動物から分離された黒色腫の代表領域で観察されたマクロファージの数を提示する表を示す。
マウス黒色腫モデルにおいて(CD3及びCD45発現に基づく)腫瘍にTリンパ球の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。図7aはTリンパ球分布の免疫組職化学分析を示す。
マウス黒色腫モデルにおいて(CD3及びCD45発現に基づく)腫瘍にTリンパ球の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。図7bは対照群のヒトIgG抗体又は抗FAM19A5抗体で治療された動物から分離された黒色腫の代表領域で観察されたTリンパ球の数を提示する表を示す。
マウス同系結腸腺癌モデル(mouse syngenic colon adenocarcinoma model)から腫瘍へのTリンパ球(図8a)及び骨髄来由抑制細胞(図8b)の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。動物は対照群のヒトIgG抗体(“対照群”)又は抗FAM19A5抗体(“FAM19A5 Ab”)で治療された。図8aで、Tリンパ球の集団は分析された全体細胞の中でCD3+細胞のパーセントで示す。
マウス同系結腸腺癌モデル(mouse syngenic colon adenocarcinoma model)から腫瘍へのTリンパ球(図8a)及び骨髄来由抑制細胞(図8b)の浸潤に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。動物は対照群のヒトIgG抗体(“対照群”)又は抗FAM19A5抗体(“FAM19A5 Ab”)で治療された。図8bで、骨髄来由抑制細胞の集団は分析された全体細胞の中でLy6G+細胞のパーセントで示す。データは平均±S.D.で表示される。
ヒト膵膓癌異種移植片動物モデルにおいて抗FAM19A5抗体の坑癌効果を評価するための実験グループ及び投与スケジュールを示す。腫瘍の接種の際、動物はヒトIgG対照群抗体又は抗FAM19A5抗体を単独で又はゲムシタビンと組み合わせて投与された。対照群及び抗FAM19A5抗体は、腫瘍誘導後、10、17及び24日に投与された(点線矢印)。ゲムシタビンを投与された動物は、腫瘍誘導後、12、15、19、22、26及び29日にそれが投与された(黒色実線矢印)。
(i)ヒトIgG抗体(hIgG)、(ii)抗FAM19A5抗体(FAM19A5 Ab)、(iii)ゲムシタビン(GEM)、又は(iv)抗FAM19A5抗体とゲムシタビン(FAM19A5 Ab+GEM)で治療されたヒト膵膓癌異種移植片動物モデルにおいて腫瘍重量(g)(図9b)及び相対的コラーゲン含量(%)(図9c)の比較を提示する。図9bでデータは平均±S.D.で示す。
(i)ヒトIgG抗体(hIgG)、(ii)抗FAM19A5抗体(FAM19A5 Ab)、(iii)ゲムシタビン(GEM)、又は(iv)抗FAM19A5抗体とゲムシタビン(FAM19A5 Ab+GEM)で治療されたヒト膵膓癌異種移植片動物モデルにおいて腫瘍重量(g)(図9b)及び相対的コラーゲン含量(%)(図9c)の比較を提示する。図9cでデータは平均±S.D.で示す。
黒色腫マウスモデルにおいて抗FAM19A5抗体の抗腫瘍効果を示す。図10aは抗体投与スケジュール及び実験グループを提示する。腫瘍接種の際、動物は次のように治療された:(1)ヒトIgG抗体及びラットIgG抗体、(2)抗FAM19A5抗体+ラットIgG抗体、(3)抗PD-1抗体+ヒトIgG抗体、及び(4)抗PD-1抗体+抗FAM19A5抗体で治療された。抗FAM19A5抗体及びヒトIgG抗体は、腫瘍接種後7日及び14日に関連動物に投与された。抗PD-1抗体及びラットIgG抗体は、腫瘍接種後10日及び12日に関連動物に投与された。データは平均±S.D.で示す。
黒色腫マウスモデルにおいて抗FAM19A5抗体の抗腫瘍効果を示す。図10bは相異なる治療群における抗腫瘍効能の比較を提示する:(i)抗PD-1抗体+ヒトIgG抗体(“G3”、グループ3)、(ii)抗FAM19A5抗体+ラットIgG抗体(“G2”、グループ2)、及び(iii)抗PD-1抗体+抗FAM19A5抗体(“G4”、グループ4)。抗腫瘍効能は対照群グループ、すなわちグループ1に対する腫瘍成長の阻害パーセントで示す。データは平均±S.D.で示す。
抗FAM19A5抗体単独で又は抗PD-1抗体と組み合わせて治療された膵膓癌動物の腫瘍体積を示す。相異なる治療群は、(i)ヒトIgG抗体+マウスIgG抗体(G1);(ii)抗FAM19A5抗体+マウスIgG抗体(G2);(iii)ヒトIgG抗体+マウス抗PD-1抗体(G3);及び(iv)抗FAM19A5抗体+マウス抗PD-1抗体を含む。
相異なる免疫細胞の食細胞能力及び/又は膜電位に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。図12aはLPS単独又はLPSと抗FAM19A5抗体で刺激した後、食細胞性(phagocytic)Raw264.7細胞(マウスマクロファージ)のパーセントを示す。ヒトIgG抗体又はサイトカラシンDで処理されたRaw264.7細胞がそれぞれ陰性対照群及び陽性対照群として使われた。食細胞性及び膜電位データは対照群のパーセントで示す。
相異なる免疫細胞の食細胞能力及び/又は膜電位に対する抗FAM19A5抗体の効果を示す。図12bはBV-2細胞(マウス小膠細胞)の食細胞能力(灰色棒)と膜電位(縞模様棒)の両者に対する抗FAM19A5の効果を示す。ヒトIgG抗体又はFAM19A5タンパク質で処理されたBV-2細胞が対照群として使われた。食細胞性及び膜電位データは対照群のパーセントで示す。