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JP7010469B2 - 義歯床用材料、義歯床およびその製造方法、並びに、有床義歯およびその製造方法 - Google Patents

義歯床用材料、義歯床およびその製造方法、並びに、有床義歯およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、義歯床用材料、義歯床およびその製造方法、並びに、有床義歯およびその製造方法に関する。
従来、人工歯と、この人工歯を固定するための義歯床と、を備える有床義歯が普及している。上記義歯床としては、高分子を含む義歯床が広く用いられている。
高分子を含む義歯床は、上型と下型とから構成される石膏型中に硬化性樹脂を流し込み、次いで硬化性樹脂を硬化(例えば、光重合、熱重合など)させる方法によって作製されていた。
近年では、例えばCAD(Computer Aided Design)/CAM(Computer Aided Manufacturing)システム等を用い、硬化済みの高分子(樹脂)を切削することによって上記義歯床を作製する方法も知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
国際公開第2010/058822号パンフレット 特表2006-521136号公報
ところで、高分子を含む義歯床を備える有床義歯を長期間使用すると、義歯床が破断することがある。本発明者の検討により、この義歯床の破断の起こり易さは、義歯床の耐久性(圧縮試験の降伏点強度)と相関があり、義歯床の耐久性(圧縮試験の降伏点強度)が高い程、義歯床の破断が起こりにくい傾向となることがわかった。
一方、義歯床を作製する際の加工性および義歯床を備える有床義歯の実用性を考慮すると、義歯床用材料として硬い材料を用いることが望ましい。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、硬さ(曲げ弾性率)に優れ、かつ義歯床としたときの耐久性(圧縮試験の降伏点強度)に優れた義歯床用材料を提供することである。
また、本発明の目的は、硬さ(曲げ弾性率)に優れた義歯床用材料を用いて製造でき、かつ耐久性(圧縮試験の降伏点強度)に優れた義歯床およびその製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、硬さ(曲げ弾性率)に優れた義歯床用材料を用いて製造でき、かつ耐久性(圧縮試験の降伏点強度)に優れた義歯床を備え、長期間の使用による義歯床の破断を抑制できる有床義歯およびその製造方法を提供することである。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> アクリル系樹脂を含む高分子成分を含有し、
長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片としたときに、JIS K7171(2008)に準拠する、試験速度2mm/分、支点間距離64mmの条件の3点曲げ試験によって測定される曲げ強さが110MPa以上であり、
長さ39mm、高さ8mm、幅4mmのノッチ入り試験片としたときに、JIS T6501(2012)に準拠する、試験速度1mm/分の条件の曲げ試験による破壊靱性試験によって測定される最大応力拡大係数が1.9MPa・m1/2以上であり、かつ、全破壊仕事が900J/m以上である義歯床用材料。
<2> 前記曲げ強さが200MPa以下である<1>に記載の義歯床用材料。
<3> 前記最大応力拡大係数が3.5MPa・m1/2以下であり、かつ、前記全破壊仕事が2500J/m以下である<1>又は<2>に記載の義歯床用材料。
<4> JIS K7111-1(2012)に規定される形状Aのノッチが設けられた、長さ80mm、幅10mm、残り幅8mm、厚さ4mmのシングルノッチ付き試験片としたときに、JIS K7111-1(2012)に準拠する、エッジワイズ衝撃の条件のシャルピー衝撃試験によって測定される衝撃強さが、1.6kJ/m以上である<1>~<3>のいずれか1つに記載の義歯床用材料。
<5> 前記高分子成分の重量平均分子量が120万以上である<1>~<4>のいずれか1つに記載の義歯床用材料。
<6> 前記高分子成分が、更に、ゴムを含む<1>~<5>のいずれか1つに記載の義歯床用材料。
<7> 前記ゴムが、架橋構造を有するゴム状重合体に熱可塑性樹脂成分がグラフト重合したグラフト重合体を含む<6>に記載の義歯床用材料。
<8> 前記ゴムが、ブタジエン系(共)重合体に熱可塑性樹脂成分がグラフト重合したグラフト重合体を含む<6>または<7>に記載の義歯床用材料。
<9> 前記ゴムの含有量が、義歯床用材料の全量に対し、1質量%以上10質量%以下である<6>~<8>のいずれか1つに記載の義歯床用材料。
<10> 前記アクリル系樹脂の含有量が、義歯床用材料の全量に対し、90質量%以上である<1>~<9>のいずれか1つに記載の義歯床用材料。
<11> 前記アクリル系樹脂が、単官能アクリル系単量体に由来する構成単位を95質量%以上含む重合体である<1>~<10>のいずれか1つに記載の義歯床用材料。
<12> 前記単官能アクリル系単量体が、メタクリル酸及びメタクリル酸アルキルエステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体である<11>に記載の義歯床用材料。
<13> 前記単官能アクリル系単量体が、メタクリル酸及びメタクリル酸アルキルエステルからなり、
前記メタクリル酸と前記メタクリル酸アルキルエステルとの合計量に対する前記メタクリル酸の量が、0.1質量%以上15質量%以下である<11>に記載の義歯床用材料。
<14> 前記アクリル系樹脂が、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルの共重合体である<1>~<13>のいずれか1つに記載の義歯床用材料。
<15> <1>~<14>のいずれか1つに記載の義歯床用材料を含む義歯床。
<16> <15>に記載の義歯床と、前記義歯床に固定された人工歯と、を備える有床義歯。
<17> <1>~<14>のいずれか1つに記載の義歯床用材料を切削して義歯床を得る切削工程を有する義歯床の製造方法。
<18> <1>~<14>のいずれか1つに記載の義歯床用材料を切削して義歯床を得る切削工程と、
前記義歯床に人工歯を固定する固定工程と、
を有する有床義歯の製造方法。
本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、圧縮試験の降伏点強度を、単に「降伏点強度」と略称することがある。即ち、本明細書中において、単なる「降伏点強度」との語は、圧縮試験の降伏点強度を意味する。
本発明によれば、硬さ(曲げ弾性率)に優れ、かつ義歯床としたときの耐久性(圧縮試験の降伏点強度)に優れた義歯床用材料が提供される。
また、本発明によれば、硬さ(曲げ弾性率)に優れた義歯床用材料を用いて製造でき、かつ耐久性(圧縮試験の降伏点強度)に優れた義歯床およびその製造方法が提供される。
また、本発明によれば、硬さ(曲げ弾性率)に優れた義歯床用材料を用いて製造でき、かつ耐久性(圧縮試験の降伏点強度)に優れた義歯床を備え、長期間の使用による義歯床の破断を抑制できる有床義歯およびその製造方法が提供される。
本発明の有床義歯の一例を概念的に示す斜視図である。 本発明の一例における、義歯床の微小最大応力拡大係数と義歯床用材料の最大応力拡大係数との関係を示すグラフである。 本発明の一例における、義歯床の微小全破壊仕事と義歯床用材料の全破壊仕事との関係を示すグラフである。
〔義歯床用材料〕
本実施形態の義歯床用材料は、アクリル系樹脂を含む高分子成分を含有し、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片としたときに、JIS K7171(2008)に準拠する、試験速度2mm/分、支点間距離64mmの条件の3点曲げ試験によって測定される曲げ強さが110MPa以上であり、長さ39mm、高さ8mm、幅4mmのノッチ入り試験片としたときに、JIS T6501(2012)に準拠する、試験速度1mm/分の条件の曲げ試験による破壊靱性試験によって測定される最大応力拡大係数が1.9MPa・m1/2以上であり、かつ、全破壊仕事が900J/m以上である。
本実施形態の義歯床用材料によれば、硬さ(曲げ弾性率)に優れている。そのため、硬さ(曲げ弾性率)に優れる義歯床を製造でき、また、義歯床を作製する際の加工性および義歯床を備える有床義歯の実用性がよい。
また、本実施形態の義歯床用材料によれば、義歯床としたときの耐久性(圧縮試験の降伏点強度)が向上する。これにより長期間の使用による義歯床の破断が抑制される。この理由は明らかではないが、以下のように推測される。
即ち、義歯床の形状は、義歯使用者の口腔に合わせた複雑な形状となっている。このため、咬み合せによって有床義歯にかかる力が義歯床の一部に局所的に集中し、その結果、義歯床用材料として硬い材料(弾性率が高い材料)を用いた場合であっても、義歯床が破断する場合があると考えられる。また、使用中に何らかの原因によって義歯床に微細なクラックが発生すると、クラックを起点として義歯床が破断しやすくなるとも考えられる。
これらの点に関し、義歯床用材料として、単純に「硬い材料」(弾性率が高い材料)というだけでなく、多方向からかかる力に対して耐久性が高い、又は多方向から力がかかってもクラックが発生しにくい材料、即ち、3点曲げ試験における曲げ強さ、並びに、破壊靱性試験における最大応力拡大係数及び全破壊仕事が高い材料を用いることで、義歯床としたときの耐久性(降伏点強度)を向上でき、ひいては、有床義歯を長期間使用した時の義歯床の破断を抑制できると考えられる。
本実施形態の義歯床用材料は、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mm(80mm×10mm×4mmサイズ)の試験片としたときに、JIS K7171(2008)に準拠する、試験速度2mm/分、支点間距離64mmの条件の3点曲げ試験によって測定される曲げ強さが110MPa以上である。
上記試験片は、本実施形態の義歯床用材料から、切削などの方法により採取することができる。以下では、「3点曲げ試験における曲げ強さ」を、単に「曲げ強さ」ということがある。
義歯床用材料の曲げ強さが110MPa以上であると、義歯床としたときに、耐久性(圧縮試験の降伏点強度)が顕著に向上し、硬さ(曲げ弾性率)に優れる。
上記曲げ強さは、例えば、インテスコ社製の5本曲げ試験機2001-5型を用いて測定することができる。
本実施形態における曲げ強さの上限には特に制限はないが、切削加工性の観点から、上記曲げ強さは200MPa以下であることが好ましい。
本実施形態の義歯床用材料は、長さ39mm、高さ8mm、幅4mmのノッチ入り試験片としたときに、JIS T6501(2012)に準拠する、試験速度1mm/分の条件の曲げ試験による破壊靱性試験によって測定される最大応力拡大係数が1.9MPa・m1/2以上であり、かつ、全破壊仕事が900J/m以上である。
上記試験片は、本実施形態の義歯床用材料から、切削などの方法により採取することができる。以下では、「破壊靱性試験における最大応力拡大係数」を、単に「最大応力拡大係数」ということがあり、「破壊靱性試験における全破壊仕事」を、単に「全破壊仕事」ということがある。
義歯床用材料の最大応力拡大係数が1.9MPa・m1/2以上であり、かつ、全破壊仕事が900J/m以上であると、義歯床としたときの靭性が向上し、義歯床としたときの耐久性(圧縮試験の降伏点強度)が向上する。
上記最大応力拡大係数の上限には特に制限はないが、硬さ(曲げ弾性率)とのバランスを図る観点から、上限は、例えば4.0MPa・m1/2以下であることが好ましく、3.7MPa・m1/2以下であることがより好ましく、3.5MPa・m1/2以下であることがさらに好ましい。
また、上記全破壊仕事の上限には特に制限はないが、硬さ(曲げ弾性率)とのバランスを図る観点から、上限は、例えば3000J/m以下であることが好ましく、2500J/m以下であることがより好ましく、2000J/m以下であることがさらに好ましい。
上記最大応力拡大係数及び全破壊仕事は、例えばインテスコ社製の万能試験機210X型を用いて測定することができる。
本実施形態の義歯床用材料は、JIS K7111-1(2012)に規定される形状Aのノッチが設けられた、長さ80mm、幅10mm、残り幅8mm、厚さ4mmのシングルノッチ付き試験片としたときに、JIS K7111-1(2012)に準拠する、エッジワイズ衝撃の条件のシャルピー衝撃試験によって測定される衝撃強さが1.6kJ/m以上であることが好ましく、耐衝撃性(落球試験の破壊重量)を顕著に向上させる観点から、2.64kJ/m超えであることがより好ましく、2.70kJ/m以上であることがさらに好ましい。
上記シングルノッチ付き試験片は、本実施形態の義歯床用材料から、切削などの方法により採取することができる。
上記衝撃強さが1.6kJ/m以上であると、義歯床としたときの耐衝撃性(落球試験の破壊重量)が向上する。
特に、衝撃強さが2.64kJ/m超え(好ましくは2.70kJ/m以上)であると、義歯床としたときの耐衝撃性(落球試験の破壊重量)が顕著に向上する。
上記衝撃強さの上限には特に制限はないが、上限は、例えば6.0kJ/m以下とすることができる。
上記衝撃強さは、例えば、東洋精機製作所社製の恒温槽付き衝撃試験機DG-UB型を用いて測定することができる。
また、本実施形態の義歯床用材料は、曲げ弾性率が、2700MPa~4000MPaであることが好ましく、3000MPa~3700MPaであることがより好ましい。
ここで、「曲げ弾性率」とは、上述した「曲げ強さ」と同様の条件の3点曲げ試験によって測定される曲げ弾性率を指す。曲げ弾性率の算出方法は、「割線法」とする。
<高分子成分>
本実施形態の義歯床用材料は、アクリル系樹脂を含む高分子成分を含有する。
本実施形態における高分子成分の重量平均分子量(Mw)は120万以上であることが好ましい。
ここでいうMwは、高分子成分(全体)のMwを意味する。
言うまでもないが、高分子成分がアクリル系樹脂のみからなる場合には、高分子成分のMwとアクリル系樹脂のMwとが一致する。また、高分子成分がアクリル系樹脂とゴムとからなる場合のMwは、高分子成分全体(アクリル系樹脂及びゴム)のMwである。
高分子成分のMwが120万以上であることにより、義歯床用材料の曲げ強さが向上しやすく、ひいては義歯床としたときの耐久性(降伏点強度)が向上しやすい。
また、高分子成分のMwが120万以上であることは、切削によって義歯床を作製する際の切削加工性の点(例えば、切削時の割れ及び欠けの少なくとも一方を抑制する点)でも有利である。
高分子成分のMwとしては、上記曲げ強さをより向上させる観点から、130万以上がより好ましく、140万以上がさらに好ましい。また、高分子成分のMwは、生産性の観点から、通常800万以下に調整されるのが好ましい。
本実施形態における高分子成分は、分子量分布(Mw/Mn)が、1.1~7.0であることが好ましく、1.5~6.0であることがより好ましく、2.0~5.5であることがさらに好ましい。
本明細書中における重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、それぞれ、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、下記GPC測定方法により、測定された値を指す。
-GPC測定装置-
Shimadzu社製 LC-10AD
-カラム-
Shodex K-806L 30cm×2本
-サンプルの調製-
測定対象となる高分子成分を室温(20℃~30℃)で溶媒(テトラヒドロフラン)へ溶解させ、濃度0.1%(w/v)のサンプル溶液を用意する。
-測定条件-
サンプル溶液100μLを移動相(例えば、テトラヒドロフラン)、カラム温度40℃、1.0mL/min.の流速でカラムに導入する。
カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折率計(RI-101)で測定する。ポリメチルメタクリレート標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、高分子成分の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)を算出する。
なお、解析は、例えばデータ処理ソフトEmpower2 (Waters社製)を用いることができる。
また、高分子成分の重量平均分子量(Mw)120万以上を達成しやすい点で、高分子成分に含まれるアクリル系樹脂としては、モノマーを重合させて得られたアクリル系樹脂、オリゴマー若しくはプレポリマーを重合させて得られたアクリル系樹脂、又は、オリゴマー若しくはプレポリマーと、モノマーと、の混合物を重合させて得られたアクリル系樹脂が好ましい。上記オリゴマー又は上記プレポリマーとしては、室温で流動性があるオリゴマー又はプレポリマーが特に好適である。
通常の義歯用アクリル系樹脂は、室温で固体状であるポリマーと、モノマーと、の混合物を重合したアクリル系樹脂である。
しかし、本実施形態におけるアクリル系樹脂として、室温で固体状であるポリマーと、モノマーと、の混合物を重合したアクリル系樹脂を用いた場合、アクリル系樹脂を含む高分子成分のMwを120万以上とすることが難しい傾向がある。
例えば、通常の義歯用アクリル系樹脂からなる義歯床は、室温で固体状の粉体となっている分子量が比較的高いアクリル系ポリマーと、アクリル系化合物のモノマーと、重合開始剤と、を混合し、流動性がある状態まで重合させた後、石膏型などに入れて加熱等によって硬化させることによって作製される。この義歯床の作製方法は、通常、歯科技工士によって実施される方法であり、重合速度が速いため、歯科技工士にとって都合が良いという利点がある。しかし、この方法では、出発原料である粉体とモノマーとの分子量の差が大きいため、アクリル系樹脂のMwが大きくなり難いと推測される。
上記通常の方法に対し、例えば、室温で流動性がある状態のオリゴマー若しくはプレポリマーのみ、又は、オリゴマー若しくはプレポリマーにモノマーを添加したものを、オリゴマー又はプレポリマーの重合温度近傍で数日~数週間かけて重合することにより、重合度や重合の均一性を向上させることができる。これにより、アクリル系樹脂のMwを120万以上とすることができ、ひいては高分子成分のMwを120万以上とすることができると考えられる。
また、本実施形態における高分子成分がゴムを含む場合には、オリゴマー若しくはプレポリマー、又は、オリゴマー若しくはプレポリマーにモノマーを添加したものと、ゴムと、を混合した後に重合させてもよい。
(アクリル系樹脂)
高分子成分は、アクリル系樹脂を含む。
本実施形態の義歯床用材料は、透明性が高いアクリル系樹脂を含有するため、着色の自由度が大きいという利点を有する。また、本実施形態の義歯床用材料は、アクリル系樹脂を含有するため、市販のアクリル系人工歯との接着性に優れるという利点も有する。
本実施形態における高分子成分は、アクリル系樹脂を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
本明細書中において、アクリル系樹脂とは、アクリル酸に由来する構造単位、メタクリル酸に由来する構造単位、アクリル酸エステルに由来する構造単位、及びメタクリル酸エステルに由来する構造単位からなる群から選択される少なくとも1種を含む重合体を指す。
即ち、本明細書中におけるアクリル系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種(以下、「アクリル系単量体」ともいう)を含む単量体成分を重合して得られた重合体である。
アクリル系樹脂の原料の少なくとも一部であるアクリル系単量体は、単官能アクリル系単量体であってもよいし、多官能アクリル系単量体であってもよい。
単官能アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、一分子中にアクリロイル基を1つ含むアクリル酸エステル、一分子中にメタクリロイル基を1つ含むメタクリル酸エステル、等が挙げられる。
多官能アクリル系単量体としては、一分子中にアクリロイル基を2つ以上含むアクリル酸エステル、一分子中にメタクリロイル基を2つ以上含むメタクリル酸エステル、等が挙げられる。
上記アクリル系樹脂として、より具体的には、
アクリル酸の単独重合体、
メタクリル酸の単独重合体、
アクリル酸エステルの単独重合体、
メタクリル酸エステルの単独重合体、
アクリル酸と他のモノマー(例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、α-オレフィン(例えばエチレン)、等)との共重合体、
メタクリル酸と他のモノマー(例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、α-オレフィン(例えばエチレン)、等)との共重合体、
アクリル酸エステルと他のモノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、α-オレフィン(例えばエチレン)、等)との共重合体、
メタクリル酸エステルと他のモノマー(例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、α-オレフィン(例えばエチレン)、等)との共重合体などが挙げられる。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アクリル酸の直鎖アルキルエステル又は分岐鎖アルキルエステルがより好ましく、アクリル酸の直鎖アルキルエステルが更に好ましい。
また、アクリル酸エステルは、フッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子を含まないことが好ましい。
アクリル酸エステルとしては、アルキルエステルの部位に含まれるアルキル基の炭素数が1~4であるアクリル酸アルキルエステルが更に好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが更に好ましく、アクリル酸メチルが特に好ましい。
メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸の直鎖アルキルエステル又は分岐鎖アルキルエステルがより好ましく、メタクリル酸の直鎖アルキルエステルが更に好ましい。
また、メタクリル酸エステルは、フッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子を含まないことが好ましい。
メタクリル酸エステルとしては、アルキルエステルの部位に含まれるアルキル基の炭素数が1~4であるメタクリル酸アルキルエステルがより好ましく、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルが更に好ましく、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
また、アクリル系樹脂は、反応性や生産性の観点から、単官能アクリル系単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体であることが好ましい。
具体的には、アクリル系樹脂は、単官能アクリル系単量体に由来する構成単位を50質量%以上(好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上)含む重合体であることがより好ましい。
単官能アクリル系単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
義歯床用材料及び義歯床の物性(耐熱性)の観点からみると、単官能アクリル系単量体は、メタクリル酸及びメタクリル酸アルキルエステルからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルのそれぞれの好ましい範囲は前述のとおりである。
アクリル系樹脂の好ましい形態として、上記単官能アクリル系単量体がメタクリル酸及びメタクリル酸アルキルエステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体である形態が挙げられる。
上記アクリル系樹脂として、好ましくは、メタクリル酸及びメタクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分を重合して得られた共重合体(即ち、メタクリル酸に由来する構造単位及びメタクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を含む共重合体)である。
より好ましくは、メタクリル酸及びメタクリル酸アルキルエステルの共重合体であり、さらに好ましくは、メタクリル酸及びメタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)の共重合体(以下、「「MMA-MAA共重合体」ともいう)である。
アクリル系樹脂のより好ましい形態として、上記単官能アクリル系単量体がメタクリル酸及びメタクリル酸アルキルエステルからなり、メタクリル酸とメタクリル酸アルキルエステルとの合計量に対するメタクリル酸の量が、0.1質量%~15質量%(より好ましくは1質量%~15質量%、更に好ましくは5質量%~15質量%)である形態も挙げられる。
上記好ましい形態のアクリル系樹脂としては、単官能アクリル系単量体がメタクリル酸及びメタクリル酸メチルからなり、メタクリル酸とメタクリル酸メチルとの合計量に対するメタクリル酸の量が、0.1質量%~15質量%(より好ましくは1質量%~15質量%、更に好ましくは5質量%~15質量%)であるMMA-MAA共重合体が特に好ましい。
上記好ましい形態のアクリル系樹脂は、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)と比較して、義歯床用材料の曲げ強さ及び義歯床の耐久性(圧縮試験の降伏点強度)の点で有利である。
本実施形態における高分子成分は、アクリル系樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
また、本実施形態における高分子成分は、アクリル系樹脂以外の樹脂を含有していてもよい。
但し、本実施形態の義歯床用材料中におけるアクリル系樹脂の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、義歯床用材料の全量に対し、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
(ゴム)
高分子成分は、更に、ゴムを含むことが好ましい。
本実施形態における高分子成分がゴムを含む場合には、義歯床用材料の衝撃強さがより向上し、義歯床としたときの耐衝撃性(落球試験の破壊重量)がより向上する。
ゴムの種類としては、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、ブタジエン-アクリル系ゴム、ブタジエン-スチレン系ゴム、シリコーン系ゴム、等が挙げられる。
本実施形態における高分子成分がゴムを含む場合、ゴムの種類は、適宜物性を考慮して選択すればよいが、硬度、耐衝撃性等の諸物性のバランスを考慮すると、ブタジエン系ゴム又はブタジエン-アクリル系ゴムが好ましい。
なお、本実施形態における高分子成分がゴムを含む場合、高分子成分に含まれるゴムは、1種のみであっても2種以上であってもよい。
上記ゴムは、ゴム状重合体(好ましくは架橋構造を有するゴム状重合体)に熱可塑性樹脂成分がグラフト重合したグラフト重合体を含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂成分としては、ゴム状重合体とグラフト重合可能な単量体成分であれば特に制限されず、例えば、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物、N-置換マレイミド化合物、α,β-不飽和カルボン酸化合物、それらの無水物(例えば無水マレイン酸等)、等が挙げられる。これらの単量体成分は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ここで、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸とメタクリル酸との両方を包含する概念である(以下、同様である)。
ゴム状重合体としては、アクリル系(共)重合体、ブタジエン系(共)重合体、シリコーン系重合体等が挙げられ、中でも、ブタジエン系(共)重合体が好ましい。ゴム状重合体がブタジエン系(共)重合体であると、義歯床用材料の衝撃強さがより向上し、義歯床としたときの耐衝撃性(落球試験の破壊重量)がより向上する。
ここで、「(共)重合体」は、単独重合体と共重合体との両方を包含する概念である(以下、同様である)。
即ち、上記ゴムは、ブタジエン系(共)重合体に熱可塑性樹脂成分がグラフト重合したグラフト重合体を含むことが好ましい。
アクリル系(共)重合体としては、アルキル基の炭素数が2~8であるアクリル酸アルキルエステル1種以上と多官能性単量体1種以上とを含む混合物を重合させて得られた共重合体が好ましい。
上記混合物は、必要に応じ、スチレン;α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体;アクリロニトリル;メタクリル酸メチル;等の共重合可能な単量体(好ましくは、スチレン、又は、スチレンとスチレン誘導体との混合物)を含んでいてもよい。
アルキル基の炭素数が2~8であるアクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル等が挙げられ、これらの中ではアクリル酸n-ブチルがより好ましい。
多官能性単量体としては、公知のアクリル系多官能性単量体、公知の多価芳香族ビニル単量体(例えば、ジビニルベンゼン)、等が挙げられる。
アクリル系(共)重合体を構成する成分の量は特に限定されないが、アクリル系(共)重合体としては、アクリル酸アルキルエステル50.0質量%~99.9質量%、多官能性単量体0.1質量%~10質量%、および共重合可能な単量体0質量%~49.9質量%を共重合させて得られた共重合体が好ましい。
このようなアクリル系(共)重合体に熱可塑性樹脂成分をグラフト重合することにより得られるゴムは市販されており、例えば、三菱レイヨン株式会社「メタブレン(登録商標)W-450」などがある。
ブタジエン系(共)重合体としては、ブタジエン-アクリル酸n-ブチル共重合体、ブタジエン-スチレン共重合体、等が挙げられる。
ブタジエン系(共)重合体としては、1,3-ブタジエン5質量%以上と、1,3-ブタジエンと共重合性を有する少なくとも1種の単量体95質量%以下と、を共重合させて得られた共重合体が好ましい。
1,3-ブタジエンと共重合性を有する単量体としては、スチレン、アクリロニトリル、前述したアルキル基の炭素数2~8のアクリル酸アルキルエステル、等が挙げられる。
1,3-ブタジエンと、1,3-ブタジエンと共重合性を有する単量体と、の共重合の際、多官能性単量体を併用してもよい。
ここで、多官能性単量体としては、公知のアクリル系多官能性単量体、公知の多価芳香族ビニル単量体(例えば、ジビニルベンゼン)等が挙げられる。
義歯床用材料の衝撃強さをより向上させ、得られる義歯床の耐衝撃性をより向上させる観点から、ブタジエン系(共)重合体は、ブタジエンと、アクリル酸n-ブチルと、を共重合させて得られたブタジエン-アクリル酸n-ブチル共重合体であることが好ましい。
このようなブタジエン系(共)重合体に熱可塑性樹脂成分をグラフト重合することにより得られるゴムは市販されており、例えば、ユーエムジー・エービーエス株式会社「MUX-60」、株式会社カネカ「カネエース(登録商標)M-521」などがある。
シリコーン系重合体としては、例えば、室温硬化型シリコーンゴム、熱硬化型シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ジメチルシリコーンゴム、ビニルメチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。シリコーン系重合体としては、公知のシリコーンゴムを用いてもよい。
シリコーン系重合体に熱可塑性樹脂成分をグラフト重合することにより得られるゴムは市販されており、例えば、三菱レイヨン株式会社「メタブレン(登録商標)S-2001」などがある。
上記ゴムは、ゴム粒子であることが好ましい。
本実施形態における高分子成分が、ゴムとしてゴム粒子を含む場合には、アクリル系樹脂にゴム粒子が分散するので、義歯床用材料の衝撃強さがより向上する。
ゴム粒子としては、単層構造からなるゴム粒子、多層構造からなるゴム粒子、等が挙げられる。
多層構造からなるゴム粒子としては、例えば、上述したアクリル系(共)重合体、上述したブタジエン系(共)重合体、上述したシリコーン系重合体などのゴム状重合体からなる内層と、内層の周りに上述した熱可塑性樹脂成分を重合させてなる樹脂からなる外層と、を備えていてもよい。
また、ゴム状重合体に架橋性の多官能性単量体が少量共重合されているものを使用してもよい。
熱可塑性樹脂成分を重合させてなる樹脂としては、ガラス転移温度が室温以上のポリマーが好ましい。
例えば、アクリル系ゴム粒子としては、メタクリル酸メチルを主成分とするゴム状重合体からなる単層構造のもの、アクリル酸n-ブチルなどのアクリル酸アルキルエステルを主成分とする弾性樹脂層である内層の周りに、メタクリル酸メチルを主成分とする熱可塑性樹脂層を設けた多層構造のもの等であってもよく、公知のアクリル系ゴム粒子を使用してもよい。
また、ゴム粒子としては、ゴム状重合体(好ましくは架橋構造を有するゴム状重合体)に熱可塑性樹脂成分がグラフト重合したグラフト重合体であるゴム粒子であることがより好ましい。
また、前述のとおり、ゴム状重合体としては、アクリル系(共)重合体、ブタジエン系(共)重合体、シリコーン系重合体、等が挙げられ、中でも、ブタジエン系(共)重合体が好ましい。
ゴム粒子の平均粒子径は、0.03μm~2.0μmの範囲にあることが好ましい。これにより、義歯床用材料中にてゴム粒子の分散状態を好適に維持することができる。このような粒径のゴム粒子は乳化重合法で製造することができる。
本実施形態における高分子成分がゴムを含む場合、ゴムの含有量は、義歯床用材料の全量に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
ゴムの含有量が1質量%以上であると、義歯床用材料の衝撃強さがより向上し、義歯床としたときの耐衝撃性(落球試験の破壊重量)がより向上する。
ゴムの含有量が10質量%以下であると、義歯床用材料の曲げ強さがより向上し、義歯床としたときの耐久性(圧縮試験の降伏点強度)がより向上する。更に、ゴムの含有量が10質量%以下であると、義歯床用材料の曲げ弾性率がより向上するためより変形しにくくなり、義歯床を作製する際の加工性がより向上する。
上記ゴムの含有量の上限は、8質量%であることがより好ましく、7質量%であることが更に好ましい。
上記ゴムの含有量の下限は、1.5質量%であることが好ましく、2質量%であることがより好ましい。
即ち、本実施形態の義歯床用材料は、高分子成分として、メタクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸の共重合体(好ましくはMMA-MAA共重合体)と、ゴムとを含有することにより、曲げ強さが110MPa以上、最大応力拡大係数が1.9MPa・m1/2以上かつ全破壊仕事が900J/m以上を達成しやすい。
<その他の成分など>
本実施形態の義歯床用材料は、必要に応じ、その他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、着色剤が挙げられる。
着色剤としては特に制限は無く、顔料、染料、着色ファイバー等を用いることができるが、顔料、染料が好ましく、顔料が特に好ましい。
本実施形態の義歯床用材料が着色剤を含む場合、着色剤の含有量は、上記高分子成分100質量部に対し、0.001質量部~0.20質量部が好ましく、0.001質量部~0.15質量部が好ましく、0.001質量部~0.10質量部がより好ましい。
着色剤の含有量が0.20質量部以下であると、義歯床用材料の曲げ強さ110MPa以上をより達成しやすい。
また、本実施形態の義歯床用材料は、血管を模した材料を含有してもよいが、短径が20μm以上の上記材料の含有量は、上記高分子成分100質量部に対し、0.001質量部未満であることが好ましく、0.0005質量部未満であることがより好ましい。短径が20μm以上の上記材料の含有量を上記範囲内に調整することで、曲げ強度を110MPa以上に調整しやすくなる。
なお、上記材料が繊維状の場合、短径は繊維の平均直径となる。
なお、本実施形態の義歯床は、本実施形態の義歯床用材料としての無着色の義歯床用材料を切削して無着色の義歯床を得、その後、無着色の義歯床に着色剤を用いて着色を施して得られたものであってもよい。この場合には、本実施形態の義歯床用材料は、必ずしも着色剤を含有する必要はない。
本実施形態の義歯床用材料において、上記高分子成分の含有量は、義歯床用材料の全量に対し、90質量%以上であることが好ましい。上記ゴム粒子を含有する場合は、90質量%以上99質量%以下であることが好ましく、92質量%以上98.5質量%以下であることがさらに好ましく、92質量%以上98質量%以下であることが特に好ましい。
上記高分子成分の含有量が90質量%以上であると、義歯床用材料の曲げ強さ110MPa以上を達成しやすい。
また、本実施形態の義歯床用材料の大きさは、切削により義歯床を得ることが可能な大きさであれば特に制限はない。
また、本実施形態の義歯床用材料の形状にも特に制限はないが、切削のしやすさの観点からは、切削機に固定しやすく、かつ、切削プログラムも作成しやすい直方体形状が好ましく、複数個を一度に切削できる大型の直方体形状がより好ましい。
例えば、230mm×190mm×30mmの直方体形状のブロックであれば、一度に4個の全部床義歯床を得ることができ効率的である。また、材料を有効利用するという観点からは、直方体の厚さが厚過ぎると廃棄する部分が増えてしまうので、義歯床用材料の厚さは、20mm~40mmが好ましい。
また、複数個の義歯床用材料を一度に切削する観点から、義歯床用材料を自動交換できるチェンジャー装置を切削機に併設することが好ましい。
本実施形態の義歯床用材料の製造方法には特に制限はないが、オリゴマーもしくはプレポリマー、又は、オリゴマーもしくはプレポリマーとモノマーとの混合物を原料として用い、重合温度近傍で、数日~1週間程度の時間をかけてゆっくりと重合させる方法が好適である。かかる製造方法によれば、Mw120万以上の高分子成分を含有する義歯床用材料を製造しやすい。即ち、曲げ強さ110MPa以上の義歯床用材料が得られやすい。
さらに、本実施形態の義歯床用材料が上記ゴム粒子を含む場合、上記ゴム粒子を、オリゴマー又はプレポリマー、又は、オリゴマー又はプレポリマーにモノマーを添加したものと混合した後、重合温度近傍で、数日~1週間程度の時間をかけてゆっくりと重合させて義歯床用材料を製造することが好ましい。
上記原料には、必要に応じその他の成分(着色剤、開始剤、連鎖移動剤等)が含まれていてもよい。
連鎖移動剤としては、公知の化合物が何等制限無く使用することができ、例えば、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、1,4-ブタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール等のアルキルメルカプタン類;芳香族メルカプタン類;ブタンジオールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート等のチオグリコール酸エステル、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等のメルカプトプロピオン酸エステル:テルピノレン;α-スチレンダイマー等が挙げられる。連鎖移動剤は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
〔義歯床、有床義歯〕
本実施形態の義歯床は、上記実施形態の義歯床用材料を含む。
従って本実施形態の義歯床は、耐久性(降伏点強度)に優れる。
本実施形態の義歯床は、全部床義歯(いわゆる総入れ歯)用の義歯床であってもよいし、部分床義歯(いわゆる部分入れ歯)用の義歯床であってもよい。
また、本実施形態の義歯床は、上顎用義歯の義歯床(以下、「上顎用義歯床」ともいう)であってもよいし、下顎用義歯の義歯床(以下、「下顎用義歯床」ともいう)であってもよいし、上顎用義歯床と下顎用義歯床とのセットであってもよい。
また、本実施形態の義歯床は、一部分のみが本実施形態の義歯床用材料によって構成されていてもよいし、全体が本実施形態の義歯床用材料によって構成されていてもよい。
一部分のみが本実施形態の義歯床用材料によって構成されている義歯床の例としては、金属部分と樹脂部分とを含む義歯床(いわゆる金属床)のうちの樹脂部分の少なくとも一部が本実施形態の義歯床用材料によって構成されている義歯床;樹脂部分のみからなる義歯床(いわゆるレジン床)のうちの一部分のみが本実施形態の義歯床用材料によって構成されている義歯床;等が挙げられる。
全体が本実施形態の義歯床用材料によって構成されている義歯床の例としては、樹脂部分のみからなる義歯床が挙げられる。
本実施形態の義歯床は、本実施形態の義歯床用材料の好ましい形態である、厚さ10mm以上40mm以下のブロック体である義歯床用材料を切削して得られた義歯床であることが特に好ましい。
本実施形態の有床義歯は、上記実施形態の義歯床と、前記義歯床に固定された人工歯と、を備える。
従って本実施形態の有床義歯は、義歯床の耐久性(降伏点強度)に優れる。
本実施形態の有床義歯は、部分床義歯であってもよいし、全部床義歯であってもよい。即ち、本実施形態の有床義歯は、人工歯を少なくとも1本備えていればよい。
また、本実施形態の有床義歯は、上顎用義歯であってもよいし、下顎用義歯であってもよいし、上顎用義歯と下顎用義歯とのセットであってもよい。
人工歯の材質としては、アクリル系樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂の例については前述のとおりである。また、人工歯は、アクリル系樹脂に加え、フィラー等を含有していてもよい。
図1は、本実施形態の有床義歯の一例を概念的に示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の有床義歯の一例である上顎用義歯10は、本実施形態の義歯床の一例である上顎用義歯床20と、上顎用義歯床20に固定された人工歯12と、を備える。図1では、複数本の人工歯のうちの一本のみに符号12を付している。
上顎用義歯床20は、本実施形態の義歯床用材料を切削することにより作製される。そして上顎用義歯10は、上顎用義歯床20に人工歯12を固定することにより作製される。
なお、図示は省略するが、義歯床が複数の部分に分割されており、その一部分のみが、本実施形態の義歯床用材料を切削することにより作製されたものであってもよい。
また、本実施形態の義歯床および有床義歯は、上顎用の義歯床および上顎用の有床義歯であることには限定されず、下顎用の義歯床および下顎用の有床義歯であってもよいことはもちろんである。
〔義歯床の製造方法、有床義歯の製造方法〕
本実施形態の義歯床の製造方法は、上記実施形態の義歯床用材料を切削して義歯床を得る切削工程を有する。
切削工程における切削は、例えば、CAD(Computer Aided Design)/CAM(Computer Aided Manufacturing)システムにて作成された切削プログラムに従って行うことができる。また、切削は、CNC(Computer Numerical Control)切削機を用いて行うことができる。
切削プログラムは、患者の口腔内の3次元形状に基づき、公知の方法によって作成することができる。また、患者に合った義歯床が既に作製されていた場合には、この義歯床を光学的にスキャンすることにより3次元(3D)データを得、得られた3Dデータに基づいて切削プログラムを作成してもよい。
本実施形態の義歯床の製造方法は、必要に応じ、切削工程以外のその他の工程を有していてもよい。その他の工程としては、義歯床を着色する着色工程等が挙げられる。
また、本実施形態の有床義歯の製造方法は、上記実施形態の義歯床用材料を切削することにより義歯床を得る切削工程と、前記義歯床に人工歯を固定する固定工程と、を有する。
切削工程における切削の好ましい形態は前述のとおりである。
固定工程における人工歯の固定は、接着剤を用いた通常の方法によって行うことができる。接着剤としては、例えば、サンメディカル社製の歯科用接着性レジンセメント「スーパーボンド」(登録商標)等を用いることができる。
また、接着剤を用いて義歯床へ人工歯を固定するに先立って、義歯床および人工歯の少なくとも一方の表面(接着面)に、予め、公知の表面処理(易接着処理)を施してもよい。
本実施形態の有床義歯の製造方法は、必要に応じ、切削工程および固定工程以外のその他の工程を有していてもよい。その他の工程としては、有床義歯の義歯床を着色する着色工程等が挙げられる。
以下、本発明の実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本実施形態はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
<義歯床用材料の作製>
室温において流動性のある予備重合されたメチルメタクリレートシラップ93質量部に対し、A液〔5質量部のメタクリル酸モノマーに、2質量部のMUX-60(ユーエムジー・エービーエス株式会社製;ゴム)、0.03質量部のテルピノレン(東京化成工業株式会社製;連鎖移動剤)及び0.002質量部のAIBN(2,2'-Azobis(isobutyronitrile);重合開始剤)を添加し室温下で混合し均一化した液〕7.032質量部を加え、室温下で混合して均一化した後、脱泡した。脱泡後の組成物を、2枚の無機ガラスの間にガスケットを介在させた型に注入し、40℃で48時間、120℃で5時間重合し、厚さ30mmの直方体状の樹脂ブロック(義歯床用材料)を作製した。
ここで、MUX-60(ユーエムジー・エービーエス株式会社製)は、架橋構造を有するゴム状重合体であるブタジエン系(共)重合体に、熱可塑性樹脂成分をグラフト重合することにより得られるゴムである。
また、得られた樹脂ブロックの材質は、メチルメタクリレート-メタクリル酸共重合体(MMA-MAA共重合体)とゴム(MUX-60)との混合物である。
<曲げ試験用試験片の作製>
上記のようにして得た義歯床用材料である樹脂ブロックを切削することにより、80mm×10mm×4mmサイズの直方体状の曲げ試験用試験片を得た。
<3点曲げ試験(曲げ強さ及び曲げ弾性率の測定)>
上記曲げ試験用試験片について、インテスコ社製の5本掛け曲げ試験機2001-5型を用い、JIS K7171(2008)に準拠して3点曲げ試験を行い、曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。
ここで、試験速度は2mm/分とし、支点間距離は64mmとした。また、曲げ弾性率の算出方法は、割線法とした。
結果を下記表1に示す。
<シャルピー衝撃試験用試験片の作製>
上記曲げ試験用試験片と同サイズの樹脂片を同様の方法で作製し、この樹脂片に対し、JIS K7111-1(2012)に規定される形状Aのノッチを、残り幅が8.0mmとなるように1つ設け、衝撃試験用試験片(シングルノッチ付き試験片)を得た。
<シャルピー衝撃試験(衝撃強さの測定)>
上記衝撃試験用試験片について、東洋精機製作所社製の恒温槽付き衝撃試験機DG-UB型を用い、JIS K7111-1(2012)に準拠し、エッジワイズ衝撃の条件でシャルピー衝撃試験を行い、衝撃強さを測定した。
更に、この試験において、試験片に振り子が衝突した後、振り子が振れた角度(°)を測定した。この角度は、数字が小さいほど、衝突時のエネルギー吸収が大きいこと、即ち、耐衝撃性に優れることを示す。
以上の結果を下記表1に示す。
<破壊靭性試験用試験片の作製>
上記で得た義歯床用材料である樹脂ブロックを切削することにより、長さ39mm、高さ8mm、幅4mmの樹脂片を作製し、この樹脂片に対し、JIS T6501(2012)に規定されるノッチを設け、破壊靭性試験用試験片(ノッチ入り試験片)を得た。
<破壊靭性試験(最大応力拡大係数及び全破壊仕事の測定)>
上記破壊靭性試験用試験片について、インテスコ社製の万能試験機(型番:210X型)を用い、JIS T6501(2012)に準拠して曲げ試験による破壊靱性試験を行い、最大応力拡大係数及び全破壊仕事を測定した。なお、試験速度は1mm/分とし、支点間距離は32mmとした。
結果を下記表1に示す。
<高分子の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)>
上記樹脂ブロック中の高分子成分について、前述のGPC測定方法に従い、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
結果を下記表1に示す。
<圧縮試験用義歯床の作製>
後述する比較例1で作製した上顎用義歯床の3Dデータを、3Dスキャナを用いて取得した。
この3Dデータから、CAD/CAMソフトを用いて、義歯床用材料としての上記樹脂ブロックを切削して上顎用義歯床を得るための切削プログラムを作成した。
この切削プログラムに従い、CNC切削機を用いて上記樹脂ブロックを切削し、上顎用義歯床を得た。
<義歯床の圧縮試験(降伏点強度の測定)>
島津製作所社製の恒温槽付き万能材料試験機AG-100kNXを用い、上記上顎用義歯床の圧縮試験(降伏点強度の測定)を行った。
詳細には、上記上顎用義歯床を粘膜面(顎堤および口蓋部と接触する面)が上側になるように試験台に置き、次いで、この上顎用義歯床の中央部を、直径20mmの円柱状の棒(材質:炭素鋼S45C)の底面によって1mm/分の速度で圧縮した。
上記圧縮において、変位と強度とを記録し、強度の最大点を降伏点強度とした。
結果を下記表1に示す。
<落球試験用義歯床の作製>
CADソフトを使用し、前述の圧縮試験用義歯床の作製の際に取得した上顎用義歯床の3Dデータの上顎口蓋部分の厚みを1.2mm薄くした、薄肉化3Dデータを作成した。
この薄肉化3Dデータから、CAD/CAMソフトを用いて、義歯床用材料としての上記樹脂ブロックを切削して薄肉化上顎用義歯床を得るための切削プログラムを作成した。
この切削プログラムに従い、CNC切削機を用いて上記樹脂ブロックを切削し、薄肉化上顎用義歯床を得た。
<義歯床の落球試験(破壊重量の測定)>
上記薄肉化上顎用義歯床の落球試験(破壊重量の測定)を行った。
詳細には、上記薄肉化上顎用義歯床を粘膜面(顎堤および口蓋部と接触する面)が上側になるように試験台に置き、次いで、この薄肉化上顎用義歯床の中央部に衝突するように、100cmの高さから鋼球を軽量のものから順に落下し、義歯床にヒビが入ったときの重量を記録し、これを破壊重量とした。
落下した鋼球の重量は軽量のものから順に、6.9g、8.4g、9.0g、10.0g、11.2g、11.9g、13.8g、14.0g、16.3g、16.7g、18.9g、20.0g、21.7g、23.8g、24.8g、28.0g、28.2g、33.2g、45.5gであった。
結果を下記表1に示す。
<義歯床用材料の切削加工性の評価>
義歯床用材料としての上記樹脂ブロックを切削して義歯床を得るまでの過程において、下記評価基準に基づき、切削加工性の評価を行った。
結果を下記表1に示す。
-切削加工性の評価基準-
A:切削時に割れも欠けも発生せず、切削加工性が良好であった。
B:切削時に割れおよび欠けの少なくとも一方が発生し、切削加工性が悪かった。
〔実施例2〕
実施例1において、メチルメタクリレートシラップの量を88質量部に変更し、メタクリル酸モノマーの量を10質量部に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ30mmの直方体状の樹脂ブロック(義歯床用材料)を作製した。
得られた樹脂ブロックの材質は、メチルメタクリレート-メタクリル酸共重合体(MMA-MAA共重合体)とゴム(MUX-60)との混合物である。
〔実施例3〕
実施例1において、2質量部のMUX-60を、2質量部のカネエース(登録商標)M-521(株式会社カネカ製;ゴム)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ30mmの直方体状の樹脂ブロック(義歯床用材料)を作製した。
ここで、「M-521」は、架橋構造を有するゴム状重合体であるブタジエン系(共)重合体に熱可塑性樹脂成分をグラフト重合したゴムである。
得られた樹脂ブロックの材質は、メチルメタクリレート-メタクリル酸共重合体(MMA-MAA共重合体)とゴム(M-521)との混合物である。
〔比較例1〕
実施例1において、曲げ試験用試験片、衝撃試験片用試験片、破壊靭性試験用試験片、及び圧縮試験用義歯床(上顎用義歯床)を、以下のようにして作製された曲げ試験用試験片、衝撃試験片用試験片、破壊靭性試験用試験片、及び上顎用義歯床に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表2に示す。
<曲げ試験用試験片の作製>
(曲げ試験用試験片用の石膏型の作製)
まず、義歯作製用フラスコ(フラスコ下型とフラスコ上型とのセット)を準備した。
次に、樹脂ブロックから、80mm(長さ)×10mm(幅)×4mm(厚さ)サイズよりも、長さ、幅、厚さともやや大きめの直方体状の板を削り出した。削り出した板全体に義歯床用レジン分離剤NEW ACROSEP(ジーシー社製)を塗布した。
次に、フラスコ下型の中に、所定量の水と混ぜ合わせた石膏デンタルブラスター(ノリタケ社製)を一杯まで流し込んでしばらく放置した。石膏が固まってきた段階で、石膏の中央部を押し、上記の板が十分入る大きさの窪みを形成した。
石膏が完全に固まった後、上記窪みに、所定量の水と混ぜ合わせた歯科用硬質石膏ニューダイヤストーンナチュラルグレー(モリタ社製)を流し込んでしばらく放置した。硬質石膏が固まってきた段階で、上記の分離剤を塗布した板を、板の上面のみが露出するようにして硬質石膏中に埋め、硬質石膏の表面をならした。
硬質石膏が完全に固まった後、上記分離剤を、この硬質石膏を含む石膏の全面に塗布した。
次に、このフラスコ下型の上にフラスコ上型を取り付けた後、所定量の水と混ぜ合わせた硬質石膏ニューダイヤストーンナチュラルグレーを上記の板が隠れるように盛った。
次いで定量の水と混ぜ合わせた石膏デンタルブラスターを歯科用フラスコから溢れるくらい流し込んだ後、蓋をした。石膏が固まった後、フラスコ下型とフラスコ上型とを分離し、板を取り外した。
以上により、義歯作製用フラスコ内に、曲げ試験用試験片用の石膏型(石膏型上型と石膏型下型とのセット)を得た。
ここで、石膏型上型はフラスコ上型内に作製され、石膏型下型はフラスコ下型内に作製された。石膏型上型及び石膏型下型は、この2つが組み合わさったときに、上記の板の形状の空間が形成されるようになっている。
次いで、石膏型上型及び石膏型下型の石膏面全体に上記分離剤を塗布した。
(曲げ試験用試験片の作製)
上記曲げ試験用試験片の石膏型が作製された義歯作製用フラスコを用い、PMMA系樹脂からなる板を得、得られた板を研磨することにより、80mm×10mm×4mmサイズの曲げ試験用試験片を作製した。詳細な操作を以下に示す。
まず、床用レジン材料アクロンクリアNo.5(ジーシー社製)を用意し、その粉材6gと液材2.5gとを容器に量り取り、混ぜ合わせた。得られた混合物をしばらく放置して餅状になったところで、餅状になった混合物を、フラスコ下型内に作製された石膏型下型の窪みの上に多めに載せて形を整えた。
次に、このフラスコ下型の上に、内部に石膏型上型が作製されたフラスコ上型を載せ、プレス機で圧力を掛けた。次に、このフラスコ上型を外し、窪みからはみ出た餅状床用レジン材料を取り除き、再び上記フラスコ上型を載せ、プレス機で圧力を掛けた。その後、フラスコクランプで、フラスコ(上記フラスコ上型と上記フラスコ下型とが組み合わさったフラスコ)を固定した。
このフラスコを水の入った鍋に入れ、ガスレンジで100℃迄30分以上かけてゆっくり加熱した。100℃に達してから30~40分加熱した後、加熱を終了し30℃まで冷却した。
次いでフラスコ下型とフラスコ上型とを分離し、次いで石膏型を割り、出来上がった板(PMMA系樹脂)を取り出した。取り出した板を研磨し、80mm×10mm×4mmサイズの直方体状の板を得、これを曲げ試験用試験片(材質はPMMA系樹脂)とした。
<衝撃試験用試験片の作製>
上記で得られた曲げ試験用試験片と同サイズの樹脂片を同様の方法で作製し、この樹脂片に対し実施例1の衝撃試験片用試験片と同様に形状Aのノッチを設け、衝撃試験片用試験片とした。
<破壊靭性試験用試験片の作製>
上記で得た義歯床用材料である樹脂ブロックを切削することにより、長さ39mm、高さ8mm、幅4mmの樹脂片を作製し、この樹脂片に対し実施例1の破壊靭性試験用試験片と同様にノッチを設け、破壊靭性試験用試験片(ノッチ入り試験片)とした。
<圧縮試験用義歯床の作製>
(ワックス製の義歯の作製)
患者の上顎及び下顎の概形印象を採り、その概形印象から患者に合った形のトレーを作製し、得られたトレーを用いて患者の精密印象を採得した。採得された精密印象に基づき、患者に合った形の、上下別個の石膏模型を作製した。
次に、石膏模型の上下を連結し、上下の咬み合わせを再現するための、ベースプレートとワックスとからなる咬合床を作製した。
次に、患者の口腔を見て顎運動の様子を観察し、その顎運動を上記咬合床で再現して咬合状態を三次元的に採得して咬合位置を決定し、ワックス製の義歯床(上顎用義歯床と下顎用義歯床とのセット)を作製した。
得られたワックス製の義歯床に、予めワックスパターン分離剤SEP(松風社製)を塗布しておいた人工歯を並べ、次いで試適及び調整を行うことにより、ワックス製の義歯(上顎用義歯と下顎用義歯とのセット)を作製した。
(義歯床用の石膏型の作製)
まず、フラスコ下型とフラスコ上型とから構成される義歯作製用フラスコを準備した。
更に、上記ワックス製の義歯から人工歯を取り外し、ワックス製の義歯床を準備した。
次に、ワックス製の義歯床と上述の石膏模型とを組み合わせた状態でフラスコ下型の中に入れ、そこに所定量の水と混ぜ合わせた石膏デンタルブラスターを一杯まで流し込んでしばらく放置した。石膏が固まった後に、上述の分離剤を石膏の上に垂らし、筆を用いて全体に塗布した。その後、上記フラスコ下型の上にフラスコ上型を乗せ、そこに石膏を枠一杯まで流し込み、蓋をして石膏が完全に固まるまで放置した。
石膏が固まった後、フラスコ上型とフラスコ下型とを分離し、お湯で温めてワックスを溶かし出しベースプレートを取り外した。
以上により、石膏型上型と石膏型下型とからなる、義歯床用の石膏型を得た。
ここで、石膏型上型はフラスコ上型内に作製され、石膏型下型はフラスコ下型内に作製された。石膏型上型及び石膏型下型は、この2つが組み合わさったときに、上記ワックス製の義歯床の形状の空間が形成されるようになっている。
次いで、石膏型上型及び石膏型下型の石膏面全体に上記分離剤を塗布した。
(圧縮試験用義歯床の作製)
本比較例1の曲げ試験用試験片の作製において、曲げ試験用試験片の石膏型を上記義歯床用の石膏型に変更したこと以外は曲げ試験用試験片の作製と同様にして、義歯床(上顎用義歯床と下顎用義歯床とのセット;材質はいずれもPMMA系樹脂)を得た。
このうち、上顎用義歯床を、圧縮試験(降伏点強度の測定)に用いた。
〔比較例2〕
比較例1において、アクロンクリアNo.5(ジーシー社製)を、アクロンライブピンクNo.8(ジーシー社製)に変更したこと以外は比較例1と同様の操作を行った。なお、義歯床用材料及び義歯床の材質はPMMA系樹脂である。
結果を下記表1に示す。
〔比較例3〕
比較例1において、アクロンクリアNo.5(ジーシー社製)を、パラエクスプレスウルトラピンクライブNo.34(ヘレウスクルツァー社製)に変更したこと以外は比較例1と同様の操作を行った。なお、義歯床用材料及び義歯床の材質はPMMA系樹脂である。
結果を下記表1に示す。
〔比較例4〕
比較例1において、アクロンクリアNo.5(ジーシー社製)をラクソンライブピンクNo.8(ジーシー社製)に変更し、そのラクソンライブピンクNo.8の粉材と液材との比(粉材/液材)を100/50(g/ml)で混ぜ合わせて混合物を得たこと以外は比較例1と同様の操作を行った。なお、ラクソンライブピンクNo.8はJIS T6501で定義される耐衝撃性材料への追加要求特性(最大応力拡大係数及び全破壊仕事)を満たすPMMA系義歯床用レジンである。すなわち、義歯床用材料及び義歯床の材質はPMMA系樹脂である。結果を下記表1に示す。
さらに比較例4では、以下のようにして義歯床用材料及び落球試験用義歯床(薄肉化上顎用義歯床)を作製し、落球試験を行った。
<義歯床用材料の作製>
実施例1において落球試験用義歯床を作製後の、中央部に落球試験用義歯床よりやや大きめの貫通した穴の開いた樹脂ブロックを準備し、この樹脂ブロックよりやや大きめの平滑な鉄板上に載せた。
次いでラクソンライブピンクNo.8の粉材及び液材を容器に量り取り、粉材と液材との比(粉材/液材)を100/50(g/ml)で混ぜ合わせた。得られた混合物をしばらく放置して餅状になったところで、餅状になった混合物を、上記の鉄板に載せた樹脂ブロックの穴部分に、穴部分を満たすように装入後、このブロックの上に上記鉄板と同サイズの鉄板を載せ、プレス機で圧力を掛けた。その後、クランプで固定した。
このクランプで固定した樹脂ブロックを水の入った鍋に入れ、ガスレンジで100℃迄30分以上かけてゆっくり加熱した。100℃に達してから30~40分加熱した後、加熱を終了し30℃まで冷却した。
次いでクランプと上下の鉄板を外し、中央の穴部分にラクソンライブピンクNo.8の硬化物が入った厚さ30mmの直方体状の樹脂ブロック(義歯床用材料)を作製した。
<落球試験用義歯床の作製>
実施例1で作成した薄肉化3Dデータから作成した切削プログラムに従い、CNC切削機を用いて上記樹脂ブロックを切削し、薄肉化上顎用義歯床を得た。
<義歯床の落球試験(破壊重量の測定)>
実施例1と同様の方法で、上記薄肉化上顎用義歯床の落球試験(破壊重量の測定)を行った。
結果を下記表1に示す。
〔比較例5〕
比較例1において、アクロンクリアNo.5(ジーシー社製)をプロインパクトライブピンクNo.8(ジーシー社製)に変更し、そのプロインパクトライブピンクNo.8の粉材と液材との比(粉材/液材)を100/50(g/ml)で混ぜ合わせて混合物を得たこと以外は比較例1と同様の操作を行った。なお、プロインパクトライブピンクNo.8はJIS T6501で定義される耐衝撃性材料への追加要求特性(最大応力拡大係数及び全破壊仕事)を満たすPMMA系義歯床用レジンである。すなわち、義歯床用材料及び義歯床の材質はPMMA系樹脂である。
結果を下記表1に示す。
Figure 0007010469000001
-表1の説明-
・シャルピー衝撃試験の「角度」は、試験片に振り子が衝突した後に、振り子が振れた角度(°)を指す。
・「wt%」は、樹脂ブロック(義歯床用材料)の全量に対する質量%を示す。
表1に示すように、曲げ強さが110MPa以上であること、及び、最大応力拡大係数が1.9MPa・m1/2以上かつ全破壊仕事が900J/m以上であること、を満たす実施例1~3の義歯床用材料は、硬さ(曲げ弾性率)に優れていた。さらに、この義歯床用材料を用いて作製された実施例1~3の義歯床は、耐久性(降伏点強度)に優れていた。また、実施例1~3の義歯床用材料は、いずれも衝撃強さが高いことから、耐衝撃性にも優れていた。また、これらの義歯床用材料は、切削加工性にも優れていた。
これに対し、曲げ強さが110MPa未満であり、最大応力拡大係数が1.9MPa・m1/2未満又は全破壊仕事が900J/m未満である比較例1~3の義歯床用材料は、硬さ(曲げ弾性率)が低く、耐衝撃性(衝撃強さ)が低いことがわかる。また、曲げ強さが110MPa未満である比較例4、5の義歯床用材料は、硬さ(曲げ弾性率)が低いことがわかる。また、これらの義歯床用材料を用いて作製された比較例1~5の義歯床は、耐久性(降伏点強度)が低いことがわかる。
〔参考例1〕
参考例1として、義歯床に基づき、その義歯床の原料として用いた義歯床用材料の破壊靭性を推定する方法の一例を示す。
義歯床からは、長さ39mm、高さ8mm、幅4mmの試験片を削り出すことは、実際上、困難である。
しかし、義歯床について以下の微小破壊靭性試験を行うことにより、義歯床の原料として用いた義歯床用材料の破壊靭性を推定することができる。
-微小破壊靭性試験-
義歯床から、長さ18.5mm、高さ4mm、幅2mmの微小試験片を削り出し、得られた微小試験片について、切込みの深さを1.5mm、ノッチの深さを50~200μmとし、水中への浸せきを実施せず、支点間距離を16mmの条件とした点以外は、上記義歯床用材料の破壊靭性試験の条件と同様の条件で破壊靭性試験を実施した。この破壊靭性試験を「微小破壊靭性試験」とし、得られた最大応力拡大係数及び全破壊仕事をそれぞれ「微小最大応力拡大係数」、「微小全破壊仕事」とする。
実施例1、2及び3のそれぞれの義歯床について、微小最大応力拡大係数及び微小全破壊仕事を測定した。
得られた結果を下記表2に示す。
下記表2には、各実施例の義歯床用材料の最大応力拡大係数及び全破壊仕事も示す。
Figure 0007010469000002
図2は、表2の結果に基づいて作成した、義歯床の微小最大応力拡大係数と義歯床用材料の最大応力拡大係数との関係を示すグラフである。
図3は、表2の結果に基づいて作成した、義歯床の微小全破壊仕事と義歯床用材料の全破壊仕事との関係を示すグラフである。
図2及び図3に示すように、義歯床用材料の最大応力拡大係数及び全破壊仕事は、それぞれ義歯床の微小最大応力拡大係数及び微小全破壊仕事に正比例することがわかった。従って、義歯床の微小最大応力拡大係数及び微小全破壊仕事を測定することにより、その義歯床の原料として用いた義歯床用材料の最大応力拡大係数及び全破壊仕事を推定できることがわかった。
耐久性(圧縮試験の降伏点強度)を向上させる観点で、例えば、義歯床の微小最大応力拡大係数は1.6MPa・m1/2以上であることが好ましく、微小全破壊仕事は340MPa・m1/2以上であることが好ましい。
〔参考例2〕
参考例2として、義歯床に基づき、その義歯床の原料として用いた義歯床用材料の曲げ強さを推定する方法の一例を示す。
義歯床からは、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片を削り出すことは、実際上、困難である。
しかし、義歯床について以下の微小曲げ試験を行うことにより、義歯床の原料として用いた義歯床用材料の曲げ強さを推定することができる。
-微小曲げ試験-
義歯床から、長さ25mm、幅2mm、厚さ2mmの微小試験片を削り出し、得られた微小試験片について、試験速度1mm/分、支点間距離20mmの条件で3点曲げ試験を実施する。この3点曲げ試験を「微小曲げ試験」とし、得られた曲げ強さを「微小曲げ強さ」とする。
「微小曲げ試験」の測定条件のうち、上記条件以外の条件は、義歯床用材料の3点曲げ試験の条件と同様とする。
複数の義歯床(例えば、10個のサンプル)について「微小曲げ試験」を測定し、義歯床の微小曲げ強さと義歯床用材料の衝撃強さとの関係を示すグラフを作成する。このグラフから、義歯床の微小曲げ強さを測定することにより、その義歯床の原料として用いた義歯床用材料の曲げ強さを推定できる。
10 上顎用義歯(有床義歯)
12 人工歯
20 上顎用義歯床(義歯床)

Claims (11)

  1. アクリル系樹脂を含む高分子成分、及びゴムを含有し、
    前記アクリル系樹脂が、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルの共重合体であり、
    前記ゴムが、ブタジエン系(共)重合体に熱可塑性樹脂成分がグラフト重合したグラフト重合体を含み、
    長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片としたときに、JIS K7171(2008)に準拠する、試験速度2mm/分、支点間距離64mmの条件の3点曲げ試験によって測定される曲げ強さが110MPa以上であり、
    長さ39mm、高さ8mm、幅4mmのノッチ入り試験片としたときに、JIS T6501(2012)に準拠する、試験速度1mm/分の条件の曲げ試験による破壊靱性試験によって測定される最大応力拡大係数が1.9MPa・m1/2以上であり、かつ、全破壊仕事が900J/m以上である義歯床用材料。
  2. 前記曲げ強さが200MPa以下である請求項1に記載の義歯床用材料。
  3. 前記最大応力拡大係数が3.5MPa・m1/2以下であり、かつ、前記全破壊仕事が2500J/m以下である請求項1又は請求項2に記載の義歯床用材料。
  4. JIS K7111-1(2012)に規定される形状Aのノッチが設けられた、長さ80mm、幅10mm、残り幅8mm、厚さ4mmのシングルノッチ付き試験片としたときに、JIS K7111-1(2012)に準拠する、エッジワイズ衝撃の条件のシャルピー衝撃試験によって測定される衝撃強さが、1.6kJ/m以上である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の義歯床用材料。
  5. 前記高分子成分の重量平均分子量が120万以上である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の義歯床用材料。
  6. 前記ゴムの含有量が、義歯床用材料の全量に対し、1質量%以上10質量%以下である請求項~請求項のいずれか1項に記載の義歯床用材料。
  7. 前記アクリル系樹脂の含有量が、義歯床用材料の全量に対し、90質量%以上である請求項1~請求項のいずれか1項に記載の義歯床用材料。
  8. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の義歯床用材料を含む義歯床。
  9. 請求項に記載の義歯床と、前記義歯床に固定された人工歯と、を備える有床義歯。
  10. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の義歯床用材料を切削して義歯床を得る切削工程を有する義歯床の製造方法。
  11. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の義歯床用材料を切削して義歯床を得る切削工程と、
    前記義歯床に人工歯を固定する固定工程と、
    を有する有床義歯の製造方法。
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