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JP7080671B2 - 弾性表面波デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、SAW(surface acoustic wave:弾性表面波)を利用した弾性表面波デバイスに関する。
近年の携帯電話などの移動体通信システムの進化によって、狭帯域且つ急峻な減衰特性を有するSAWフィルタの要求が強まっている。そのため電気機械結合係数kや周波数温度特性の指標である周波数温度係数(TCF:Temperature Coefficients of Frequency)について良好な値を得るための様々な改善手法が報告されている。その改善手法として、波長程度の厚さの圧電基板と高音速基板とを貼り合わせた基板を用いてSAWフィルタを構成することが報告されている。このような貼り合わせた基板を用いる手法は、SAWフィルタのみならず、SAW共振器などの他の弾性表面波デバイスの特性を改善する手法としても知られている。
非特許文献1では、42°Y-X LiTaO基板、アモルファスSiO膜、AlN基板及びSi層を上からこの順に貼り合わせた基板を用いたSAW共振器について示されている。そのような構成とすることで、アモルファスSiOの温度補償効果、高音速基板であるAlNによる振動エネルギーの閉じ込め、及びSiによる放熱によって、42°Y-X LiTaO基板単体でSAW共振器を構成する場合に比べて、Q値、k及びTCFの各特性について改善される旨が記載されている。しかしこれらの特性について、より簡略な構造で改善することが求められている。
また、非特許文献2においては36°Y-X LiTaO基板、AT-90°Xの水晶基板を上からこの順に接合した基板(説明の便宜上、LT水晶接合基板とする)を用いてLeakySAW(LSAW)共振器を構成することが報告されており、このLT水晶接合基板を用いることで、LiTaO基板単体でLSAW共振器を構成する場合に比べて、Q値、k及びTCFについて改善できるとされている。既述のLT水晶接合基板を備えるLSAW共振器について、上記のLiTaOの基板の厚さ/λ=0.15、当該LiTaO基板上に形成されたAl(アルミニウム)である櫛形電極(IDT:Inter Digital Transducer)の厚さ/λ=0.09のときに、共振のQ値は12050、比帯域幅は5.7%である。なお、λは弾性表面波の波長である。LiTaO基板単体でLSAW共振器を構成する場合における共振のQ値が1350、比帯域幅が4.4%であるため、LT水晶接合基板を用いることで、Q値は大きく上昇し、比帯域幅も上昇することになる。
これらのQ値及び比帯域幅は、1周期分のIDTの両側に周期境界条件として無限周期構造を、当該IDTの底面に完全整合層を夫々仮定した条件で、FEM(finite element method)により計算した結果である。また、TCFについては明確に示されていないが、基板表面が短絡している条件での計算値が±2ppm/℃程度であると考えられる。しかし、このLT水晶接合基板について、基板上にIDTが設けられた条件にすると、TCFはマイナス方向にシフトし、悪化してしまうことが分かっている。また、このLSAW共振器のIDTについての厚さを比較的大きくした場合、共振周波数のTCF、反共振周波数のTCFが各々悪化してしまう。これらのTCFの値の悪化を防ぐためには、LiTaO基板の厚さをより小さくしなければならないが、LiTaO基板の厚さを小さくするとkが悪化してしまう。従って、このようなLT水晶接合基板を用いた構成のデバイスについても、各特性を良好な値にすることが難しい。
ところで、上記のアモルファスSiO(酸化シリコン)を備えるSAWデバイスとしては特許文献1にも記載されている。この特許文献1では、単結晶圧電基板、アモルファスSiOである無機薄膜層、水晶を上からこの順に積層して表面弾性波素子を構成することについて示されており、上記の無機薄膜層は、単結晶圧電基板と水晶との接合界面におけるゴミを取り込むために設けられ、1/2波長以下にすることが示されている。この特許文献1には、無機薄膜層を設けず、単結晶基板と水晶とを直接貼り合わせて表面弾性波素子を構成することについても記載されており、その場合は、単結晶圧電基板上に設けた櫛形電極を200MHzで励振させるために、当該単結晶圧電基板についての厚さを1/4波長~3波長とすることが示されている。
しかし発明の実施の形態で示すように本発明者の検証により、単結晶圧電基板及びアモルファスSiOの各々の厚さの組み合わせでデバイスの特性が変化することが確認されており、特許文献1には各層の厚さについて、適切な各厚さの組み合わせについては検討されていない。さらに、上記のように特許文献1のSAWデバイスは200MHzで使用するものであり、GHz帯域で使用される場合の適切な構成については示唆されていない。
特開平6-326553号公報
Tsutomu Takai et al. "I.H.P.SAW Technology and its Application to Microacoustic Components(Invited), " Ultrasonic Symp.(2017) LiNb03・LiTa03薄板と水晶基板の接合によるリーキー系SAWの高結合化 第46回EMシンポジウム EM46-2-01
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、周波数温度特性を含む各特性について良好な弾性表面波デバイスを提供することである。
本発明の弾性表面波デバイスは、
水晶層と、
前記水晶層上に積層された、厚さが100nmより大きいアモルファス酸化シリコン層と、
前記アモルファス酸化シリコン層上に積層された圧電層と、
前記圧電層上に形成され、当該圧電層に弾性表面波を励振するための櫛形電極と、を備え、
前記弾性表面波の波長をλとすると、
0.1≦前記アモルファス酸化シリコン層の厚さ/λ≦1であり、
0.08<圧電層の厚さ/λ≦1であり、
前記アモルファス酸化シリコン層は前記水晶層と前記圧電層とに接し、且つ当該水晶層及び当該圧電層の配列方向に分割されていないことを特徴とする。
本発明の他の弾性表面波デバイスは、
水晶層と、
前記水晶層上に積層された、厚さが100nmより大きいアモルファス酸化シリコン層と、
前記アモルファス酸化シリコン層上に積層された圧電層と、
前記圧電層上に形成され、当該圧電層に2GHz以上の弾性表面波を励振するための櫛形電極と、を備え、
前記弾性表面波の波長をλとすると、
前記アモルファス酸化シリコン層の厚さ/λ≦1であり、
前記アモルファス酸化シリコン層は前記水晶層と前記圧電層とに接し、且つ当該水晶層及び当該圧電層の配列方向に分割されていないことを特徴とする。
本発明によれば、水晶層、アモルファス酸化シリコン層、圧電層、櫛形電極を順に積層した弾性表面波デバイスについて、アモルファス酸化シリコン層の厚さ、圧電層の厚さを適切な値とすることで良好な特性を得る。また、2GHz以上の弾性表面波を励振する弾性表面波デバイスについて、アモルファス酸化シリコン層の厚さを適切な値とすることで、周波数温度特性やその他の各特性について良好なものとすることができる。
本発明のSAWデバイスの一例であるラダー型フィルタの平面図である。 前記ラダー型フィルタの縦断側面図である。 SAWの速度とSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示すグラフ図である。 SAWの速度とSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示すグラフ図である。 Q値とSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示すグラフ図である。 Q値とSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示すグラフ図である。 Q値とSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示す等高線図である。 Q値とSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示す等高線図である。 電気機械結合係数とSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示すグラフ図である。 電気機械結合係数とSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示す等高線図である。 TCFとSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示すグラフ図である。 TCFとSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示すグラフ図である。 TCFとSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示す等高線図である。 TCFとSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示す等高線図である。 TCFとSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示す等高線図である。 TCFとSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示す模式図である。 TCFとSAWデバイスを構成する各層の厚さとの関係を示す模式図である。 オイラー角の表記を説明するための模式図である。 SAWの伝搬方向とQ値との関係を示すグラフ図である。
本発明の弾性表面波デバイスの一実施形態である、複数のSAW(surface acoustic wave:弾性表面波)共振子1をラダー型に組み合わせた、ラダー型フィルタ10を図1に示している。このラダー型フィルタ10においては、入力ポート11と出力ポート12との間に3つのSAW共振子1が互いに直列となるように各々直列腕として配置され、これらSAW共振子1、1間に1つのSAW共振子1が並列に、各々並列腕として接続されている。なお、各SAW共振子1については簡略化して描画している。図中13は接地ポートである。図中14は、各々のSAW共振子1、1同士あるいはSAW共振子1と各ポート11、12、13とを電気的に接続する引き回し電極である。
SAW共振子1は、IDT電極15と、弾性表面波(以下、「弾性波」と言う)の伝搬方向においてこのIDT電極15の両側に形成された反射器16、16と、を備えている。IDT電極15は、弾性波の伝搬方向に沿って各々伸びると共に弾性波の伝搬方向に対して互いに直交する方向に離間するように配置された一対のバスバー17、17と、これらバスバー17、17間において互いに交差するように櫛歯状に形成された複数本の電極指18と、を備えている。IDT電極15は、一対のバスバー17、17のうち一方側のバスバー17から伸びる電極指18と、当該電極指18に隣接して他方側のバスバー17から伸びる電極指18と、が弾性波の伝搬方向に沿って交互に配置されて正規型電極をなしている。図中21は反射器バスバー、22は反射器電極指である。IDT電極15、反射器16、引き回し電極14、各ポート11、12、13、反射器バスバー21及び反射器電極指22を電極膜23として記載する場合が有る。この電極膜23は例えばAl(アルミニウム)により構成されており、基板3上に形成されている。
図2は図1のA-A矢視断面であり、IDT電極15の電極指18及び基板3の縦断側面を示している。この図2に示すように、互いに隣接する2本の電極指18、18の各々の幅寸法と、これら電極指18、18間の離間寸法と、からなる周期長が基板3上を伝搬する弾性波の周波数に対応する。具体的には、前記周期長は、所望の周波数における弾性波の波長λと同じ寸法となっている。この例では、基板3表面を伝搬するSH型の弾性表面波の周波数fが2GHz以上となるように、周期長λが構成されている。具体的には、上記の弾性表面波の速度をVsとするとf=Vs/λであるため、例えばVsが4000m/秒である場合には、λは2μm以下に設定される。
基板3は、水晶層31、アモルファスSiO層32、圧電層(圧電基板)であるLiTaO(以下、LTと記載する場合が有る)層33が下方側から、この順に積層されて構成されており、圧電層33上には既述の電極膜23が積層されている。圧電層33について、この例では36°回転Yカット-X軸伝播LiTaO(36°Y-X LiTaO)により構成されている。水晶層(水晶基板)31としてはATカットされた水晶で、90°X軸伝搬であるものによって構成されている。後に詳しく述べるオイラー角で表記すると、(φ、θ、ψ)=(0°、125.25°、90°)である。
なお、この水晶層31については圧電層33に接合されることで、基板3の表面のエネルギーがバルク波として漏れてQ値を低下させることを抑制できる方位のものが選択されればよく、上記のオイラー角であるものには限られない。後にこの水晶層31の方位とデバイスのQ値との関連を調べた実験について説明する。また水晶層31について、ウェーハの表裏を区別してφ=0°、θ=-54.75°、及びφ=0°、θ=125.25°が考えられるが、結晶の対称性から同等の性質を持つため、θ=125.25°であるものについて、ATカットの代表として示す。また、ψについても180°の対称性から、φ=0°、θ=-54.75°、ψ=90°と、φ=0°、θ=-54.75°、ψ=-90°とは互いに同等の性質を持ち、さらにこれらの対称性(θ、ψ)を組み合わせたものも同等の性質を持つこととなる。つまり、θ、ψについては各々、上記した各値から選択することができ、θ、ψの各組み合わせから、互いに同等の性質を得ることができる。
また、上記のアモルファスSiO層32は、温度補償効果によりTCFを改善するために設けられている。そして、以下に述べる試験で示すように、このアモルファスSiO層32の厚さを調整することで、TCF以外のデバイスの各特性についても調整できることが確認された。そして、温度補償効果を十分に得るためにこのアモルファスSiO層32の厚さは、例えば100nmより大きい。なお、ここで言うアモルファスSiO層32の厚さとは、後述のλで除すことで規格化した厚さではなく、実際のアモルファスSiO層32の厚さである。
(第1の試験)
図2に示した基板3及び電極指18を構成する電極膜23からなる積層体について、圧電層33の厚さ(hLT/λ)、アモルファスSiO層32の厚さ(hSiO/λ)を各々変更して、デバイスの特性のこれらの厚さに対する依存性を調べる第1の試験を行った。シミュレーションによるこの第1の試験においては、λ=2.1μm、電極膜23の厚さ(hAl/λ)=0.06とした。また、hLT/λは0.02~1の範囲内で変更し、hSiO/λは0~1の範囲内で変更した。図3~図15のグラフは、この試験結果を示している。
図3のグラフは、電極指18を互いに短絡させたとする場合の弾性波の伝搬速度Vshort(単位:m/秒)と、hLT/λと、hSiO/λとの関係を示している。このグラフにおいては、Vshortを縦軸に、hLT/λを横軸に夫々設定し、互いに異なる線種を用いてhSiO/λの値を示している。hSiO/λは、上記の範囲内において0.1刻みで変更して試験を行っているが、図示の便宜上、一部のhSiO/λの値における試験結果は表示を省略している。なお、hSiO/λ=0は、アモルファスSiO層32が設けられていないことを示す。また、図4のグラフは電極指18、18間開放での伝搬速度Vopen(単位:m/秒)と、hLT/λと、hSiO/λとの関係を示している。このグラフにおいては、Vopenを縦軸に、横軸にhLT/λに夫々設定し、図3と同様に各線種によってhSiO/λを示している。
図3、図4に示すようにhSiO/λ=0の場合は、hLT/λが0付近の値から大きくなるにつれてVshort、Vopenの値が夫々下降すると共に、下降の具合は次第に緩やかになる。hSiO/λ=0.1~1の場合は、hLT/λが0付近において、hSiO/λ=0の場合よりもVshort、Vopenの値が各々小さい。そしてhLT/λが0付近から大きくなるにつれてVshort、Vopenの値が夫々上昇する。ただしhSiO/λの値によっては、Vopenは一旦下降してから上昇する。そして、hLT/λが大きくなるにつれて、次第にVshort、Vopenの上昇の具合は緩やかになる。また、hLT/λが大きくなるにつれて、hSiO/λ=0.1~1の場合におけるVshort、Vopenの値は、hSiO/λ=0の場合におけるVshort、Vopenの値に夫々漸近する。
以上のように、アモルファスSiO層32を設けることでVshort、Vopenが低下する結果となった。特にhLT/λが比較的小さい場合は、Vshort、Vopenの値が大きく低下する。このようにVshort、Vopenが低下するということは、電極指18、18間の距離を小さくすることができることであり、同じ周波数帯域でSAWデバイスの小型化を図ることができる。ただし、hSiO/λ=0.1~1且つhLT/λ≦0.08である場合に、各グラフの線の傾きが比較的急峻である。つまり、hLT/λの僅かな変化によりVshort、Vopenの値が大きく変化する。デバイスを製造するにあたってはデバイスの各部の寸法に製造上の誤差が生じ得るので、当該誤差がデバイスの特性に大きく影響することを避けるようにすることが求められる。そのために、この図3、図4のグラフからhLT/λ>0.08とすることが好ましいと考えられる。
図5のグラフは、共振点におけるQ値(Qr)と、hLT/λと、hSiO/λとの関係を示しており、Qrを縦軸に、hLT/λを横軸に夫々設定し、図3、図4と同様にグラフの各線種によりhSiO/λの値を示している。図6のグラフは、反共振点におけるQ値(Qa)と、hLT/λと、hSiO/λとの関係を示しており、Qaを縦軸に、hLT/λを横軸に夫々設定し、図5と同様に各線種によりhSiO/λの値を示している。
図5のグラフにおけるQrの変化の概略を述べると、hSiO/λ=0~1の各値において、hLT/λが0付近の値から大きくなるにつれてQrは上昇し、その後は急激に下降する。この上昇後に下降するグラフの変曲点を見ると、hSiO/λ=0である場合よりも、hSiO/λ=0.1~1である場合の方が、hLT/λに関して高い値となっている。図6のグラフにおけるQaの変化の概略を述べると、hSiO/λ=0~0.9の各値において、hLT/λが0付近の値から大きくなるにつれてQaが上昇するが、その後、Qaは下降する。この上昇後に下降するグラフの変曲点を見ると、hSiO/λ=0である場合よりも、hSiO/λ=0.1~0.9である場合の方が、hLT/λに関して高い値となっている。また、hSiO/λ=1の場合は、hLT/λが0付近の値から大きくなるにつれてQaが上昇した後、上昇が頭打ちとなり、Qaは概ね一定で推移する。この結果から、0.1≦hSiO2/λ≦1とすることで、hLT/λ≦1の範囲内において、hLT/λの上昇と共にQr、Qaが降下する範囲について狭めるかあるいは無くすことができるので、hLT/λの設定の自由度を高くすることができる。
QrとhLT/λとhSiO/λとの関係について、図5とは異なる態様で、図7に示している。また、QaとhLT/λとhSiO/λとの関係について、図6とは異なる態様で図8に示している。これら図7、図8についてはX軸にhLT/λを、Y軸にhSiO/λを夫々設定すると共に、Q値(Qr及びQa)の分布を等高線で各々表している。等高線で囲まれた各領域のQ値の範囲を識別できるように、当該各領域に当該Q値の範囲に応じた模様を付して示している。
2GHz以上の周波数帯域でSAWデバイスとして使用するために、実用上はQ値>1000とすることが求められる。図5~図8より、QrまたはQaが5000~6000と非常に高くなる領域がhLT/λ<0.8の範囲内に存在していることから、hLT/λをそのような範囲に設定することが好ましいと考えられる。また、hLT/λ<0.5において、Qr及びQaが共に5000~6000と非常に高くなる領域が存在することが分かる。従って、hLT/λ<0.5とすることが良好なQ値を得るために特に好ましいことが分かる。なお、圧電層33と水晶層31とを積層させて基板3を構成しているのは、これらの層のうち一方のみにより基板を構成するよりも特性を向上させるためであるが、hLT/λが大きすぎると圧電層33の特性が支配的になり、各層を積層させる効果が低下してしまうので、それを防ぐ観点からもhLT/λを、hLT/λ<0.5という比較的小さい範囲に設定することが好ましい。
図9のグラフは、電気機械結合係数k(単位:%)とhLT/λとhSiO/λとの関係を示している。グラフの縦軸、横軸にk、hLT/λを夫々設定し、図3などと同様に、互いに異なる線種を用いてhSiO/λの値を示している。上記のkに関しては、下記の式1に従って計算している。式中のfrは共振点の周波数、faは反共振点の周波数である。
=(π/2・fr/fa)/tan(π/2・fr/fa)・・・式1
各hSiO/λのグラフの波形を見ると、hLT/λが0付近から上昇するにつれて、kについて急激に上昇した後に頭打ちとなり、その後は緩やかに下降している。なお、図9で表示していないhSiO/λ=0.2、0.4、0.6、0.8のグラフについても、そのような変化を示すグラフとなっている。なお、hSiO2/λ=0.1であるときにkは13.13%と、最大値を示した。
このkについては、SAWデバイスが搭載される機器に応じて適切な値が有るが、一般的に高い値であることが、汎用性が大きいので好ましい。さらに、既述のようにデバイスの製造時の誤差を考慮して、hLT/λの変化量に対してkの値の変化量が小さいことが好ましい。例えば0.08<hLT/λ<0.5、且つhSiO/λ<0.5で、およそ8%以上という実用上有効なkが得られ、且つhLT/λの変化量に対するkの値の変化量が比較的低いことが、この図9のグラフから確認することができるので、このような範囲内にhLT/λ及びhSiO/λを設定することが好ましい。
また、図10は試験で得られたhLT/λとhSiO/λとkとの関係を等高線図として表示したものであり、図8と同様にX軸にhLT/λを、Y軸にhSiO/λを夫々設定しており、等高線によってkの分布を示している。この図10に示すように0.1≦hSiO/λ≦0.3の範囲において、kが12~13%と非常に高い領域が存在する。従って、SAWデバイスのkを高くするためには、そのように0.1≦hSiO/λ≦0.3とすることが特に好ましい。
図11のグラフは、共振点におけるTCF(単位:ppm/℃)とhLT/λとhSiO/λとの関係を示しており、当該共振点におけるTCF(以降、TCF-frと記載する)を縦軸に、hLT/λを横軸に夫々設定している。図12のグラフは、反共振点におけるTCF(単位:ppm/℃)と、hLT/λと、hSiO/λとの関係を示しており、当該反共振点におけるTCF(以降、TCF-faと記載する)を縦軸に、hLT/λを横軸に夫々設定している。これらの図11、図12のグラフにおいては、図3、図4のグラフと同様に、互いに異なる線種を用いて、hSiO/λの値を示している。なお、TCF-fr及びTCF-faについては0ppm/℃に近いほど好ましい。
図11より、hSiO/λ=0である場合、hLT/λが0付近から上昇するにつれてTCF-frは上昇し、hLT/λが0.1程度となった後は、当該TCF-frは緩やかに下降する。そして、hLT/λが比較的低い範囲内において、TCF-fr=0ppmとなっている。その一方で、hSiO/λ=0.1~1である場合、hLT/λが0付近においてTCF-frは0ppm/℃以上であり、hLT/λが0付近から上昇するにつれてTCF-frは下降し、hLT/λが0.4となるまでにTCF-fr=0ppm/℃となっている。さらにhLT/λが上昇すると、hSiO/λ=0.1~1である場合のTCF-frは、hSiO/λ=0である場合のTCF-frに漸近する。また、0.8>hLT/λにおいて当該hLT/λが任意の値をとるときに、hSiO/λの値が大きいほど、TCF-frの値が大きい。
図12より、hSiO/λ=0である場合、hLT/λが0付近から上昇するにつれてTCF-faは次第に下降する。そしてhLT/λが0付近であるとき、TCF-faは最も0ppm/℃に近いが、当該0ppm/℃よりも低い値となっている。その一方で、hSiO/λ=0.1~1である場合は、hLT/λが0付近であるときにTCF-faは0ppm/℃より高く、当該hLT/λが0付近から上昇するにつれてTCF-faは急激に下降した後、緩やかに下降する。hSiO/λ=0.1~0.8である場合のTCF-faは、そのように緩やかに下降する途中、hLT/λ=0.08~0.3の範囲において0ppm/℃以下となる。hSiO/λ=0.9である場合のTCF-faは、上記のように緩やかに下降し、hLT/λ=0.4~0.6において0ppm/℃に漸近する。またhSiO/λ=1である場合、TCF-faは上記のように緩やかに下降した後、緩やかに上昇する。また、hLT/λ=0.8付近を除いたhLT/λの各範囲において、hSiO/λが大きいほど、TCF-faの値が大きい。
図11のグラフからは、0.1≦hSiO/λ≦1とすることで、hSiO2/λ=0とする場合に比べて、TCF-frについて0ppm/℃となるhLT/λの値を大きくすることができることが示された。また、図12のグラフから0.1≦hSiO/λ≦1とすることで、hSiO/λ=0とする場合に比べて、TCF-fa=0ppm/℃あるいは0ppm/℃付近となるhLT/λの値を大きくすることができることが示された。hLT/λの値が小さすぎると、SAW用ウェーハの製造工程において圧電層33を形成することが困難となる場合が有る。従って、0.1≦hSiO/λ≦1とすることで、SAWデバイスについて良好な温度特性を得ると共に、製造を容易にすることができることが確認された。
なお、上記のhLT/λの値が小さいと圧電層33の形成が困難となる理由について、以下に詳しく説明する。2GHz以上ではλが約2μm以下となるため、圧電層33の厚さの実寸(=hLT)は極めて小さくなり、そのバラツキであるΔhLT/hLT(ΔhLTはhLTの誤差)が大きな問題となる。少しでもhLT/λが大きい方が、上記のバラツキ(ΔhLT/hLT)の特性への影響が緩和される。これについては次の試算にてより明確になる。λ=2μmとし、ΔhLT=0.01μmであり、hSiO=0の場合、図11のグラフよりTCF-fr=0となるhLT=0.08λ=0.16μmであり、従ってΔhLT/hLT=0.01/0.16となる。一方、hSiO=0.1の場合、hLT=0.18λ=0.36μmであり、従ってΔhLT/hLT=0.01/0.36となるので、厚みのバラツキを小さくできる。
また、図11、図12の各グラフからはhSiO/λが大きいほど、TCF-fr、TCF-faの値を高くシフトさせるように温度補償効果が得られていることが分かる。特にTCF-faについては、アモルファスSiO層32の追加による当該シフト量が大きい。ところで図12より、hSiO/λ=1であるときには、hLT/λが任意の値であるときのTCF-faの値と0ppm/℃との差分が若干大きいので、hSiO/λを1より大きくすることは得策ではないと考えられる。従ってTCFを適切な値とするために0<hSiO/λ≦1とすることが有効である。
図13の等高線図は図11と同じく、hLT/λとhSiO/λとTCF-frとの関係を表している。また、図14の等高線図は図12と同じく、hLT/λとhSiO/λとTCF-faとの関係を表している。これら図13、図14の等高線図については、X軸にhLT/λを、Y軸にhSiO/λを夫々設定している。そしてTCF(TCF-fr及びTCF-fa)に応じて等高線を引き、図7などと同様に等高線に囲まれる各領域に模様を付して、TCFの分布を示すものである。
図13、図14の等高線図において、TCF-fr及びTCF-faについて-10ppm/℃~+10ppm/℃となる領域のhSiO/λの範囲について見ると、hLT/λが比較的小さい範囲においては当該hSiO/λの範囲が狭い。しかしhLT/λが比較的厚い、具体的にはhLT/λ≧0.2である場合、当該hSiO/λの範囲が広くなるので、hLT/λについてはそのようにhLT/λ≧0.2とすることが好ましいことが分かる。
図15には、hLT/λとhSiO/λと|TCF-fr|+|TCF-fa|との関係を等高線図として表示しており、X軸にhLT/λを、Y軸にhSiO/λを夫々設定し、|TCF-fr|+|TCF-fa|に応じて等高線を引いている。この図15に示すように|TCF-fr|+|TCF-fa|の値が0~20ppmと非常に低くなる領域が0.2≦hLT/λ≦0.7、且つ0.4≦hSiO/λ≦1の範囲に存在する。従って、良好な周波数温度特性を得るためには、このような範囲内にhLT/λ及びhSiO/λを設定することが好ましい。
なお、そのように|TCF-fr|+|TCF-fa|=0~20ppmとなる領域について、図16に示すように七角形として近似する。この七角形は、Y=0.4~0.8の範囲内でX=0.2、X=0.2~0.3の範囲内でY=0.4、X=0.3~0.4の範囲内でY=2X-0.2、X=0.4~0.7の範囲内でY=X+0.2、X=0.5~0.7の範囲内でY=-0.5X+1.25、X=0.3~0.5の範囲内でY=1、及びX=0.2~0.3の範囲内でY=2X+0.4の各線分で囲まれる領域である。つまり、グラフにおいて横軸(X軸)にhLT/λをとり、縦軸(Y軸)にhSiO/λをとったときに、上記の七角形の頂点の座標(hLT/λ,hSiO/λ)は、(0.2,0.4)、(0.3,0.4)、(0.4,0.6)、(0.7,0.9)、(0.5,1.0)、(0.3,1.0)、(0.2,0.8)である。この七角形の領域内の値にhLT/λ、hSiO/λを夫々設定することが、特に好ましい。
なお、図14~図16で説明したTCFを好ましい値とするhLT/λ及びhSiO/λの各範囲、図9、図10で説明したkを好ましい値とするhLT/λ及びhSiO/λの各範囲は一致していないが、k及びTCFのうちのいずれをより重視したものにするかは場合によって異なるので、重視する方の好ましい範囲内にhLT/λ、hSiO/λを各々設定すればよい。
ところで、これらk及びTCFについて共に良好な値を得るためには、図17のグラフの五角形で示す範囲内にhLT/λ、hSiO/λを各々設定することが好ましい。図17のグラフは、図15に示したTCFに関するグラフと図10に示したkに関するグラフとを互いに重ね合わせることで、そのようにk及びTCFについて共に良好な値を得る範囲を特定したものである。図17のグラフは、上記のように横軸(X軸)にhLT/λをとり、縦軸(Y軸)にhSiO/λをとったものであり、上記の五角形の頂点の座標(hLT/λ,hSiO/λ)は、(0.1,0.1)、(0.4,0.1)、(0.3,0.5)、(0.2,0.5)、(0.1,0.4)である。
ところで、図2で説明した本発明の実施例であるSAWデバイスと比較例のSAWデバイスとについて、第1の試験により得られた具体的な数値を示して、特性の違いを説明しておく。比較例のSAWデバイスは、アモルファスSiO層32が設けられていないことを除いて、実施例であるSAWデバイスと同様に構成されているものとする。従って、背景技術の項目で説明したLT水晶接合基板に電極膜23が設けられた構成である。この比較例のSAWデバイスでは、hLT/λ=0.18、hAl/λ=0.06としたときに、Qr=5175、Qa=4410、k=12.99%、TCF-fr=-3.47ppm/℃、TCF-fa=-27.30ppm/℃であった。それに対して実施例であるSAWデバイスでは、hLT/λ=0.18、hAl/λ=0.06、hSiO/λ=0.3のとき、Qr=3847、Qa=3954、k=12.55%、TCF-fr=+11.93ppm/℃、TCF-fa=-11.33ppm/℃であった。従って、実施例のSAWデバイスは比較例のSAWデバイスに対して、Q値及びk値を殆ど劣化させることなく、TCFが大幅に改善されたことになる。
また、実施例であるSAWデバイスについて、TCF-fr及びTCF-faが最も0ppm/℃に近づくパラメータを算出したところ、hLT/λ=0.18、hAl/λ=0.06、hSiO/λ=0.8のとき、Qr=4710、Qa=3963、k=9.54%、TCF-fr=+4.06ppm/℃、TCF-fa=-0.43ppm/℃であった。従って、kは、上記のようにhLT/λ=0.18、hAl/λ=0.06、hSiO/λ=0.3とした場合に比べて約0.73倍となり減少するが、Q値については略同等の値を維持しつつ、TCF-fr、TCF-fa共に0ppm/℃により近づく結果となった。従って、背景技術の項目で説明したようにLT水晶接合基板における電極膜を形成することでTCFが劣化する不具合について、実施例であるSAWデバイスは改善することができる。
(第2の試験)
続いて、SAWデバイスの特性を確認するために行った第2の試験について説明する。この第2の試験においてはシミュレーションにより、水晶層31、圧電層33、電極指18を構成する電極膜23が下方側から、この順に積層されたSAWデバイスを設定した。圧電層33は、第1の試験と同様に36°Y-X LTによって構成されている。また、λ=2.1μm、hLT/λ=0.15に夫々設定し、電極膜23の厚さ(hAl/λ)=0.09に設定した。そして、水晶層31としてはATカットされた水晶板とし、この水晶層31における波の伝搬方向とQ値(Qr及びQa)との関係を調べた。具体的に、オイラー角としての表記(φ、θ、ψ)でφ=0°、θ=125.25°とし、ψについては0~360°の範囲内で変更した。
このオイラー角の表記について、図18を参照して簡単に説明しておく。図中、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸は水晶の結晶軸であり、互いに直交するx1軸、y1軸、z1軸については、方位を特定するために設定された座標系の座標軸である。X,Y、Zがx1,y1、z1に各々一致した図18(a)に示す状態は、φ=0°、θ=0°、ψ=0°である。φは、この図18(a)に示す状態から、Z軸(この時点ではz1軸に一致している)を回転軸として、x1、y1、z1の座標系を右ねじ方向に回転させた角度である(図18(b)参照)。θは、そのZ軸回りの回転後にx1軸を回転軸としてx1、y1、z1の座標系を右ねじ方向に回転させた角度を示している(図18(c)参照)。このz1軸に垂直な面が、水晶層31のカット面Cである。ψは、そのx1回りの回転後にz1軸を回転軸として、x1、y1、z1の座標系を右ねじ方向に回転させた角度を示している(図18(d)参照)。このψの回転によって定まるx1軸の方向が波の伝搬方向(矢印C1として表示している)である。なお、座標系について右ねじ方向に回転すると説明したが、この右ねじ方向の回転とはφ、θ、ψについて各々+の値をとる場合の回転であり、φ、θ、ψについて各々-の値をとるときは逆方向の回転である。
図19に示すグラフに、この試験の結果を示している。グラフの横軸はθ(単位:°)をグラフの縦軸は1/Qとして夫々設定しており、実線でQr、鎖線でQaについての結果を夫々示している。このグラフに示すように、θが0°から上昇するにつれて1/Qr及び1/Qaの各々が上昇と下降とを概ね周期的に繰り返す結果となった。既述のように、SAWデバイスを2GHz以上の帯域で使用する場合、Q値>1000であることが好ましいので、1/Qr及び1/Qaは0.001より低いことが好ましい。従って、グラフから-20°(340°)≦ψ≦20°、70°≦ψ≦110°、160°≦ψ≦200°及び250°≦ψ≦290°とすることが好ましい。また、-5°≦ψ≦5°、85°≦ψ≦95°、175°≦ψ≦185°及び265°≦ψ≦275°であるときには1/Qr及び1/Qaの値がより低くなるため、より好ましい。
図2で説明した基板3及び電極膜23からなるSAWデバイスの水晶層31についても、θを上記のように示す範囲に設定することで、高いQ値が得られると考えられる。なお(φ、θ、ψ)でφ=0°、θ=125.25°としているが、φ、θについて、夫々この値から若干変化してもQ値については大きく変化しないと考えられる。従ってφ、θについては例えば-2°≦φ≦2°、123.25°≦θ≦127.25の範囲内の値としてもQ値を高くすることができると考えられる。また、結晶の対称性からθ=-54.25°であってもよいと説明したが、この-54.25°から若干値が変化してもよく、-56.75°≦θ≦-52.75であってもよい。
ところで圧電層33を構成するLTのカット角については、駆動させる縦波あるいは横波について大きく駆動させるものであればよく、上記のカット角に限られるものでは無い。例えば、36°Yカットされたものとは若干異なるカットされたものを用いてもSAWデバイスの特性は、既述した各実験結果から大きく変化しないと考えられる。例えば31°~50°YカットされたLTを圧電層33として構成してもよい。また、この圧電層33としてはLTに限られず、例えばLiNbOにより構成してもよく、その場合においてもSAWデバイスはLTを用いた場合と概ね同様の特性を得られると考えられる。
また、電極膜23の厚さは上記の厚さには限られず、任意の厚さにすることができる。さらに電極膜23の材料としては、上記のようにAlにより構成されることには限られず、Au(金)、Cu(銅)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Pt(白金)、Sc(スカンジウム)、Ti(チタン)などの金属や、以上に挙げた金属を含む合金によって形成することができる。また、以上に挙げた金属の積層体によって電極膜23を構成してもよい。ところで図2で説明した電極膜23及び基板3の積層体は、図1に示したラダー型フィルタ10以外にも、ラダー型フィルタを受信側フィルタ及び送信側フィルタに各々適用したデュプレクサや、あるいは共振子1を用いた発振器に適用することができる。つまり本発明のSAWデバイスは、ラダー型フィルタ10に限られるものではない。
1 SAW共振子
10 ラダー型フィルタ
18 電極指
23 電極膜
3 基板
31 水晶層
32 アモルファスSiO
33 圧電層

Claims (9)

  1. 水晶層と、
    前記水晶層上に積層された、厚さが100nmより大きいアモルファス酸化シリコン層と、
    前記アモルファス酸化シリコン層上に積層された圧電層と、
    前記圧電層上に形成され、当該圧電層に弾性表面波を励振するための櫛形電極と、を備え、
    前記弾性表面波の波長をλとすると、
    0.1≦前記アモルファス酸化シリコン層の厚さ/λ≦1であり、
    0.08<圧電層の厚さ/λ≦1であり、
    前記アモルファス酸化シリコン層は前記水晶層と前記圧電層とに接し、且つ当該水晶層及び当該圧電層の配列方向に分割されていないことを特徴とする弾性表面波デバイス。
  2. 前記弾性表面波の周波数は2GHz以上であることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波デバイス。
  3. 圧電層の厚さ/λ<0.5であることを特徴とする請求項2記載の弾性表面波デバイス。
  4. 前記アモルファス酸化シリコン層の厚さ/λ<0.5であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の弾性表面波デバイス。
  5. 前記圧電層の厚さ/λをグラフの横軸に、前記アモルファス酸化シリコン層の厚さ/λをグラフの縦軸に夫々とったときに、(圧電層の厚さ/λ,アモルファス酸化シリコン層の厚さ/λ)=(0.2,0.4)、(0.3,0.4)、(0.4,0.6)、(0.7,0.9)、(0.5,1.0)、(0.3,1.0)、(0.2,0.8)である各座標を直線で結んで得られる七角形の領域内に、当該圧電層の厚さ/λ、アモルファス酸化シリコン層の厚さ/λが各々含まれることを特徴とする請求項1または2記載の弾性表面波デバイス。
  6. 前記圧電層の厚さ/λをグラフの横軸に、前記アモルファス酸化シリコン層の厚さ/λをグラフの縦軸に夫々とったときに、(圧電層の厚さ/λ,アモルファス酸化シリコン層の厚さ/λ)=(0.1,0.1)、(0.4,0.1)、(0.3,0.5)、(0.2,0.5)、(0.1,0.4)である各座標を直線で結んで得られる五角形の領域内に、当該圧電層の厚さ/λ、アモルファス酸化シリコン層の厚さ/λが各々含まれることを特徴とする請求項1または2記載の弾性表面波デバイス。
  7. 前記水晶層のカット面及び弾性表面波の伝搬方向がオイラー角表示(φ、θ、ψ)で、φについては-2°≦φ≦2°、
    θについては、123.25°≦θ≦127.25°または-56.75°≦θ≦-52.75°であり、且つ、
    ψについては、-20°≦ψ≦20°、70≦ψ≦110°、160°≦ψ≦200°あるいは250°≦ψ≦290°であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の弾性表面波デバイス。
  8. 水晶層と、
    前記水晶層上に積層された、厚さが100nmより大きいアモルファス酸化シリコン層と、
    前記アモルファス酸化シリコン層上に積層された圧電層と、
    前記圧電層上に形成され、当該圧電層に2GHz以上の弾性表面波を励振するための櫛形電極と、を備え、
    前記弾性表面波の波長をλとすると、
    前記アモルファス酸化シリコン層の厚さ/λ≦1であり、
    前記アモルファス酸化シリコン層は前記水晶層と前記圧電層とに接し、且つ当該水晶層及び当該圧電層の配列方向に分割されていないことを特徴とする弾性表面波デバイス。
  9. 前記水晶層はATカットされたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載の弾性表面波デバイス。
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