JP7075775B2 - 変性ビニルアルコール系重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]ビニルアルコール系重合体を、Hildebrand溶解度パラメータδAが10~15である有機物(A)(以下、有機物(A)と称することがある。)及び下記式(1)で表されるエステル化合物(以下、エステル化合物(1)と称することがある。)を含む溶媒中に分散させて反応させる、変性ビニルアルコール系重合体の製造方法であって、前記溶媒のHildebrand溶解度パラメータδsolvと前記ビニルアルコール系重合体のFedors溶解度パラメータδpolymの差(δpolym-δsolv)が2.8~6.0である、変性ビニルアルコール系重合体の製造方法;
[2]前記ビニルアルコール系重合体が有する水酸基の量が10~23mmol/gである、[1]の製造方法;
[3]前記ビニルアルコール系重合体がポリビニルアルコールである、[1]または[2]の製造方法;
[4]前記溶媒100質量部あたりの有機物(A)の含有量が10~60質量部である、[1]~[3]のいずれかの製造方法;
[5]前記ビニルアルコール系重合体が、平均粒子径50~1000μmの粒子である、[1]~[4]のいずれかの製造方法;
[6]前記ビニルアルコール系重合体が、比表面積0.1~1.0m2/gの粒子である、[1]~[5]のいずれかの製造方法;
を提供することにより解決される。
本発明の製造方法において、ビニルアルコール系重合体としては、例えば、数平均分子量(Mn)が4,000~440,000のものを用いる。Mnは高強度の成形品を得る観点から好適には4,400以上であり、より好適には11,000以上であり、さらに好適には22,000以上である。一方、Mnが高すぎると、変性ビニルアルコール系重合体の水溶液を作成した際に、溶液の粘度が高くなりすぎて取り扱いが困難になる場合や、溶解速度が低下する場合があるため、Mnは220,000以下が好ましく、190,000以下がより好ましい。
本発明の製造方法においては、溶媒中にHildebrand溶解度パラメータδAが10~15である有機物(A)を含有する。Hildebrand溶解度パラメータがこの範囲にある有機物(A)は、ビニルアルコール系重合体との親和性が高く、ビニルアルコール系重合体を効率よく膨潤させることが出来るため、溶媒が有機物(A)を含有することで、エステル化合物(1)がビニルアルコール系重合体内部に拡散し、反応が進行し易くなる。一方で、溶媒が有機物(A)を含有しない場合、反応が進行しない。有機物(A)のHildebrand溶解度パラメータδAは、好ましくは10.5以上、より好ましくは11以上であり、好ましくは15以下、より好ましくは14.8以下である。なお、有機物(A)のHildebrand溶解度パラメータδAは、PolymerHandBook FourthEdition(John Wiley & Sons,Inc.,1999)II章 P.688に記載されており、単位が(cal/cm)1/2の値を参照した。
本発明においては、下記式(1)で示されるエステル化合物を用いる。
その具体例としては、メチレン基、エチレン基、1-メチルエチレン基、2-メチルエチレン基、1,1-ジメチルエチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、2,2-ジメチルエチレン基、1-エチルエチレン基、2-エチルエチレン基、プロピレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、3-メチルプロピレン基、1,1-ジメチルプロピレン基、1,2-ジメチルプロピレン基、2,2-ジメチルプロピレン基、1,3-ジメチルプロピレン基、ブチレン基、1-メチルブチレン基、2-メチルブチレン基、3-メチルブチレン基、4-メチルブチレン基、1,1-ジメチルブチレン基、2,2-ジメチルブチレン基、3,3-ジメチルブチレン基、4,4-ジメチルブチレン基、1,2-ジメチルブチレン基、1,3-ジメチルブチレン基、1,4-ジメチルブチレン基、2,3-ジメチルブチレン基、2,4-ジメチルブチレン基、3,4-ジメチルブチレン基、1-エチルブチレン基、2-エチルブチレン基、3-エチルブチレン基、4-エチルブチレン基、1,1-ジエチルブチレン基、2,2-ジエチルブチレン基、ペンチレン基、1-メチルペンチレン基、2-メチルペンチレン基、3-メチルペンチレン基、4-メチルペンチレン基、5-メチルペンチレン基、1,1-ジメチルペンチレン基、2,2-ジメチルペンチレン基、3,3-ジメチルペンチレン基、4,4-ジメチルペンチレン基、5,5-ジメチルペンチレン基、1,2-ジメチルペンチレン基、1,3-ジメチルペンチレン基、1,4-ジメチルペンチレン基、2,3-ジメチルペンチレン基、2,4-ジメチルペンチレン基、3,4-ジメチルペンチレン基、1-エチルペンチレン基、2-エチルペンチレン基、3-エチルペンチレン基、4-エチルペンチレン基、5-エチルペンチレン基、1,1-ジエチルペンチレン基、2,2-ジエチルペンチレン基、へキシレン基、1-メチルへキシレン基、2-メチルへキシレン基、3-メチルへキシレン基、4-メチルへキシレン基、5-メチルへキシレン基、6-メチルへキシレン基、1,1-ジメチルへキシレン基、2,2-ジメチルへキシレン基、3,3-ジメチルへキシレン基、4,4-ジメチルへキシレン基、5,5-ジメチルへキシレン基、6,6-ジメチルへキシレン基、1,2-ジメチルへキシレン基、1,3-ジメチルへキシレン基、1,4-ジメチルへキシレン基、2,3-ジメチルへキシレン基、2,4-ジメチルへキシレン基、3,4-ジメチルへキシレン基、1-エチルへキシレン基、2-エチルへキシレン基、3-エチルへキシレン基、4-エチルへキシレン基、5-エチルへキシレン基、6-エチルへキシレン基、1,1-ジエチルへキシレン基、2,2-ジエチルへキシレン基、ヘプチレン基、1-メチルヘプチレン基、2-メチルヘプチレン基、3-メチルヘプチレン基、4-メチルヘプチレン基、5-メチルヘプチレン基、6-メチルヘプチレン基、7-メチルヘプチレン基、1,1-ジメチルヘプチレン基、2,2-ジメチルヘプチレン基、3,3-ジメチルヘプチレン基、4,4-ジメチルヘプチレン基、5,5-ジメチルヘプチレン基、6,6-ジメチルヘプチレン基、7,7-ジメチルヘプチレン基、1,2-ジメチルヘプチレン基、1,3-ジメチルヘプチレン基、1,4-ジメチルヘプチレン基、2,3-ジメチルヘプチレン基、2,4-ジメチルヘプチレン基、3,4-ジメチルヘプチレン基、1-エチルヘプチレン基、2-エチルヘプチレン基、3-エチルヘプチレン基、4-エチルヘプチレン基、5-エチルヘプチレン基、6-エチルヘプチレン基、7-エチルヘプチレン基、1,1-ジエチルヘプチレン基、2,2-ジエチルヘプチレン基、オクチレン基、1-メチルオクチレン基、2-メチルオクチレン基、3-メチルオクチレン基、4-メチルオクチレン基、5-メチルオクチレン基、6-メチルオクチレン基、7-メチルオクチレン基、8-メチルオクチレン基、1,1-ジメチルオクチレン基、2,2-ジメチルオクチレン基、3,3-ジメチルオクチレン基、4,4-ジメチルオクチレン基、5,5-ジメチルオクチレン基、6,6-ジメチルオクチレン基、7,7-ジメチルオクチレン基、8,8-ジメチルオクチレン基、1,2-ジメチルオクチレン基、1,3-ジメチルオクチレン基、1,4-ジメチルオクチレン基、2,3-ジメチルオクチレン基、2,4-ジメチルオクチレン基、3,4-ジメチルオクチレン基、1-エチルオクチレン基、2-エチルオクチレン基、3-エチルオクチレン基、4-エチルオクチレン基、5-エチルオクチレン基、6-エチルオクチレン基、7-エチルオクチレン基、8-エチルオクチレン基、1,1-ジエチルオクチレン基、2,2-ジエチルオクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
本発明の製造方法は、有機合成化学の分野においてエステル交換反応を行う際に一般的に用いられるエステル交換反応触媒を共存させて行ってもよく、共存させるのが好ましい。かかるエステル交換反応触媒は特に限定されず、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸;酢酸、プロピオン酸、フタル酸、安息香酸などの有機カルボン酸類;メチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機スルホン酸類;リン酸ジエチル、リン酸フェニルなどの有機リン酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩および炭酸水素塩;リン酸三リチウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のリン酸塩およびリン酸水素塩;メタホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム、オルトホウ酸マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のホウ酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のカルボン酸塩;リチウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、マグネシウムメトキシド、ナトリウムフェノキシドなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシド化合物またはフェノキシド化合物;酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属酸化物;アンモニア;水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニウムメチルカーボネート、テトラメチルアンモニウムエチルカーボネート、メチルトリエチルアンモニウムメチルカーボネート、メチルトリn-ブチルアンモニウムメチルカーボネート、メチルトリn-オクチルメチルカーボネートなどのアンモニウム塩;水酸化テトラフェニルホスホニウム、水酸化テトラメチルホスホニウム、テトラメチルホスホニウムメチルカーボネート、メチルトリn-ブチルホスホニウムエチルカーボネート、メチルトリn-オクチルホスホニウムメチルカーボネートなどのホスホニウム塩;n-ブチルアミン、ベンジルアミン、アニリン、エチレンジアミンなどの一級アミン;ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ピロリジン、N-メチルトルイジンなどの二級アミン;トリエチルアミン、トリn-ブチルアミン、N-メチル-N-エチルアニリン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセンなどの三級アミン;ピリジン、ピコリン、キノリン、イミダゾール、ピリミジン、N,N-ジメチルアミノピリジンなどの含窒素芳香族複素環式化合物;塩化カドミウム、酸化カドミウム、酢酸カドミウムなどのカドミウム系化合物;塩化錫、酸化錫、酢酸錫、オクタン酸錫、トリブチル錫、アセチルアセトン錫(IV)クロリドなどの錫系化合物;塩化鉛、酸化鉛、炭酸鉛、四酢酸鉛などの鉛系化合物;塩化アルミニウム、酸化アルミニウム、酢酸アルミニウム、アルミニウムアルコキシドなどのアルミニウム系化合物;塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、トリフルオロ酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、アセチルアセトン亜鉛(II)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(II)、亜鉛2-テトラフルオロボラート、オキソ[ヘキサ(トリフルオロアセタト)]テトラ亜鉛などの亜鉛系化合物;塩化ビスマス、酸化ビスマス、酢酸ビスマスなどのビスマス系化合物;塩化鉄、酸化鉄、酢酸鉄、アセチルアセトン鉄(III)、N,N’-ビス(サリチリデン)エチレンジアミン鉄(II)などの鉄系化合物;塩化コバルト、酸化コバルト、酢酸コバルト、ステアリン酸コバルト、アセチルアセトンコバルト(II)などのコバルト系化合物;塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、酢酸銅、アセチルアセトン銅(II)などの銅系化合物;塩化クロム、酸化クロム、酢酸クロム、アセチルアセトンクロム(III)などのクロム系化合物;塩化モリブデン、酸化モリブデン、酢酸モリブデン、アセチルアセトンモリブデン(VI)ジオキシドなどのモリブデン系化合物;塩化マンガン、酸化マンガン、酢酸マンガン、アセチルアセトンマンガン(II)などのマンガン系化合物;塩化チタン、酸化チタン、酢酸チタン、アルコキシチタン、乳酸チタン、アセチルアセトンチタン(VI)オキシドなどのチタン系化合物;塩化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、アセチルアセトンジルコニウム(IV)などジルコニウム系化合物;塩化ハフニウム、酸化ハフニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ハフニウム(IV)などのハフニウム系化合物;塩化ランタン、酸化ランタン、酢酸ランタン、硝酸ランタン、ランタンアルコキシド、アセチルアセトンランタン(III)、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(III)などのランタン系化合物;塩化ゲルマニウム、酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム系化合物;リパーゼなどの酵素;などが好適に用いられる。中でも、本発明の製造方法におけるエステル交換反応の円滑な進行や得られる変性ビニルアルコール系重合体の色相の観点から、無機酸、有機カルボン酸、有機スルホン酸、有機リン酸、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩および炭酸水素塩、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のリン酸塩およびリン酸水素塩、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のカルボン酸塩、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシド化合物またはフェノキシド化合物、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類、アルミニウム系化合物、亜鉛系化合物、ビスマス系化合物、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、ランタン系化合物がより好ましく、無機酸、有機カルボン酸、有機スルホン酸、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩および炭酸水素塩、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のカルボン酸塩、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシド化合物、アンモニウム塩類、亜鉛系化合物、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、ランタン系化合物がさらに好ましく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のカルボン酸塩、アンモニウム塩類、亜鉛系化合物が最も好ましい。
原料であるビニルアルコール系重合体における、ビニルアルコール単位の含有量をA mol%、酢酸エステル単位の含有量をB mol%、エチレン単位の含有量をC mol%とし、以下の算出式に従ってビニルアルコール系重合体が有する水酸基の量(mmol/g)を算出した。なお、上記ビニルアルコール単位の含有量、酢酸エステル単位の含有量、及びエチレン単位の含有量は、1H-NMRにより測定した。
水酸基量(mmol/g)=1000/[44+{86×(B/A)}+{28×C/A}]
原料であるビニルアルコール系重合体をメタノール中に分散させ、株式会社堀場製作所製レーザー回折装置「LA-950V2」を用いて体積平均粒子径(μm)を測定した。
ユアサアイオニクス株式会社製比表面積測定装置「MONOSORB」を用い、窒素吸着によるBET一点法により、原料であるビニルアルコール系重合体の比表面積
(m2/g)を導出した。
本明細書において有機物(A)のHildebrand溶解度パラメータδA、エステル化合物(1)のHildebrand溶解度パラメータδBは、PolymerHandBook FourthEdition(John Wiley & Sons,Inc.,1999)II章 P.688に記載されており、単位が(cal/cm)1/2の値を参照した。ここで、有機物(A)とエステル化合物(1)からなる溶媒のHildebrand溶解度パラメータ(δsolv)は、前述のPolymerHandBookFourthEditionに記載の次式に従い算出した。
δsolv=δAVA+δBVB (VA:有機物(A)の体積分率、VB:エステル化合物(1)の体積分率)
また、溶媒が、有機物(A)及びエステル化合物(1)以外の第三成分を含む場合には、その溶解度パラメータ(δsolv)は前記第三成分のHildebrand溶解度パラメータをδCとして次式に従い算出した。
δsolv=δAVA+δBVB+δCVC (Vc:第三成分の体積分率)
ここで、本明細書の第三成分のHildebrand溶解度パラメータ(δC)は、前述のPolymerHandBookFourthEditionVの値を参照した。なお、溶媒が四成分系、五成分系のように複数の成分を含む場合であっても、同様に各成分のHildebrand溶解度パラメータと体積分率の積の和を算出することで、溶媒のHildebrand溶解度パラメータ(δsolv)を求めることができる。
ビニルアルコール系重合体のFedors溶解度パラメータ(δpolym)については、Fedors法により算出した。計算方法はPolymer EngineeringScience,14,p147(1974)に記載されている。
後述する実施例、比較例にて、反応後にポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した未乾燥の樹脂のうち100質量部を、クロマトカラム(内径50mm、開口径40~50μmのガラスフィルター及びコック付)に充填した。ここに130質量部のメタノールを充填後、コックを開いてろ過を開始した。ろ液を回収し、添加したメタノール質量の90%分(すなわち、117質量部)がろ液として採取された時点を「ろ過完了」とし、ろ過開始からろ完了までに要した時間によって洗浄速度を評価した。洗浄は2回行ったが、1回目のろ過時間を評価した。
90秒未満でろ過が完了した場合:A
90秒以上180秒未満で完了した場合:B
180秒以上300秒未満でろ過が完了した場合:C
ろ過完了までに300秒以上要した場合:D
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、実施例又は比較例で得られた重合体の1H-NMRを、重水素化ジメチルスルホキシド中、室温で測定し、オレフィンプロトン由来のピーク(5.0~7.5ppm)の積分値から変性量を算出した。
以下の実施例又は比較例で得られた重合体を含む水溶液(濃度5質量%)に、光開始剤として2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノンを、重合体100質量部に対して1質量部になるように添加し溶解させ、塗工液を調製した。当該塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの端を折り曲げて作製した15cm×15cmの型枠に流延し、室温大気圧下で溶媒を十分に揮発させ、厚さ約100μmのフィルムを得た。ここに13200mJ/cm2の強度でUV光を照射し、評価用フィルムを作製した。得られた評価用フィルムを沸騰水中に1時間浸漬し、水から取り出して、40℃で12時間真空乾燥した後に質量(W3)を測定した。得られた質量(W3)と浸漬前の質量(W4)とから、以下の式に従って煮沸条件下における溶出率を算出した。そして、この溶出率を耐水性の指標とした(溶出率が低いほど耐水性が高いことを意味する)。
溶出率(質量%)=100×([W4]-[W3])/[W4]
[PVOH-A]
市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA28-98)を用いた。
[PVOH-B]
市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5-74)を用いた。
[PVOH-C1]
市販のポリビニルアルコール樹脂(クラレアメリカインコーポレイテッド製 Elvanol(登録商標)71-30)に以下の処理を行ったものを用いた。
すなわち、攪拌機を備えた反応器に、ポリビニルアルコール樹脂(クラレアメリカインコーポレイテッド製 Elvanol(登録商標)71-30)100質量部とジメチルスルホキシド1900質量部を加え、100℃で攪拌し溶解した。その溶液を室温まで放冷した後、メタノール20000質量部に滴下しポリビニルアルコール樹脂を析出させた。析出させた樹脂を1000質量部のメタノールで2回洗浄したのち、40℃の真空乾燥機で終夜乾燥させた。得られた樹脂を超遠心粉砕機で粉砕した後、篩(106μm~300μm)を用いて分級した。
[PVOH-C2]
市販のポリビニルアルコール樹脂(クラレアメリカインコーポレイテッド製 Elvanol(登録商標)71-30)を用いた。
[PVOH-C3]
市販のポリビニルアルコール樹脂(クラレアメリカインコーポレイテッド製 Elvanol(登録商標)71-30)を篩(53μm)を用いて分級したものを用いた。
[PVOH-D]
市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 LM-10HD)を用いた。
[PVOH-E]
市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 L-508W)を用いた。
[EVOH-A]
市販のエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(株式会社クラレ製 EVAL(登録商標) F 101)を超遠心粉砕機で粉砕した後、篩(425μm~700μm)を用いて分級したものを用いた。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、ジメチルスルホキシド(DMSO)450質量部/メタクリル酸メチル(MMA)360質量部/トルエン90質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-A100質量部、酢酸ナトリウム1.8質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後、室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、目的の変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO450質量部/MMA405質量部/メチルエチルケトン45質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-A 100質量部、酢酸ナトリウム1.8質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後、室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、目的の変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO450質量部/MMA450質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-A 100質量部、酢酸ナトリウム1.8質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、目的の変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO180質量部/MMA720質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-B 100質量部、酢酸ナトリウム1.1質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、目的の変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO283質量部/3,3-ジメチル-4-ペンテン酸メチル283質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-A 100質量部、ナトリウムメトキシド8.6質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、目的の変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO360質量部/MMA540質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-C1 100質量部、アセチルアセトン亜鉛(II)5.9質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後、室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、目的の変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO15質量部/MMA135質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-D 100質量部、酢酸ナトリウム0.47質量部、フェノチアジン0.5質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、目的の変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO45質量部/MMA855質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-E 100質量部、酢酸ナトリウム1.1質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、目的の変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO450質量部/MMA450質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-C2 100質量部、酢酸ナトリウム1.9質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後、室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、目的の変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。得られた変性ビニルアルコール系重合体を水に溶解させたところ、溶解しない成分が残留し水溶液がわずかに白濁した。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO180質量部/MMA720質量部を仕込み、室温で撹拌しながらEVOH-A 100質量部、酢酸ナトリウム1.4質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後、室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、目的の変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO450質量部/MMA450質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-C3 100質量部、酢酸ナトリウム1.9質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後、室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、目的の変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、水180質量部/MMA720質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-C2 100質量部、酢酸ナトリウム1.9質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後、室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、MMA900質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-C2 100質量部、酢酸ナトリウム1.9質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後、室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO720質量部/3,3-ジメチルー4-ペンテン酸メチル180質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-C2 100質量部、ナトリウムメトキシド0.66質量部フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌したところ樹脂が著しく膨潤し、攪拌不良に陥った。そのまま1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、3時間反応させた後、室温まで冷却した。内容物のろ別を試みたが、樹脂の膨潤が著しく反応溶液の脱液が困難であったため、内容物をビーカーに移し、メタノールを添加、攪拌混合した後、上澄みをデカンテーションで取り除く操作を5回繰り返した。その後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、変性ビニルアルコール系重合体を得た。評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO45質量部/MMA855質量部を仕込み、室温で撹拌しながらPVOH-C2 100質量部、酢酸ナトリウム1.9質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後、室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂を、上述の洗浄速度の評価に記載した方法に従って洗浄する操作を2回行った後、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、重合体を得た。評価結果を表2に示す
Claims (6)
- ビニルアルコール系重合体を、Hildebrand溶解度パラメータδAが10~15である有機物(A)及び下記式(1)で表されるエステル化合物を含む溶媒中に分散させて反応させる、変性ビニルアルコール系重合体の製造方法であって、前記溶媒のHildebrand溶解度パラメータδsolvと前記ビニルアルコール系重合体のFedors溶解度パラメータδpolymの差(δpolym-δsolv)が2.8~6.0である、変性ビニルアルコール系重合体の製造方法。
[式(1)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。Xは、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基、または置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。nは0~10の整数を表す。R4は、置換基を有していてもよい飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。] - 前記ビニルアルコール系重合体が有する水酸基の量が10~23mmol/gである、請求項1に記載の製造方法。
- 前記ビニルアルコール系重合体がポリビニルアルコールである、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記溶媒100質量部あたりの有機物(A)の含有量が10~60質量部である、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記ビニルアルコール系重合体が、平均粒子径50~1000μmの粒子である、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記ビニルアルコール系重合体が、比表面積0.1~1.0m2/gの粒子である、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。
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