以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.撮像システムの構成例
2.分岐光学系を利用した撮像装置に関する検討
3.技術的特徴
3.1.撮像装置の構成例
3.2.撮像装置の実施例
3.3.撮像装置の変形例
4.ハードウェア構成の一例
5.応用例
6.むすび
<<1.撮像システムの構成例>>
まず、図1及び図2を参照して、本開示の一実施形態に係る撮像システムの概略的な構成の一例として、当該撮像システムを内視鏡撮像システムとして構成した場合の一例について説明する。
例えば、図1は、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡撮像システムの概略的な構成の一例を示す図であり、当該内視鏡撮像システムを所謂内視鏡手術システムとして構成した場合の一例を示している。図1では、術者(医師)167が、内視鏡手術システム100を用いて、患者ベッド169上の患者171に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム100は、内視鏡101と、その他の術具117と、内視鏡101を支持する支持アーム装置127と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート137と、から構成される。
内視鏡手術では、腹壁を切って開腹する代わりに、トロッカ125a~125dと呼ばれる筒状の開孔器具が腹壁に複数穿刺される。そして、トロッカ125a~125dから、内視鏡101の鏡筒103や、その他の術具117が患者171の体腔内に挿入される。図示する例では、その他の術具117として、気腹チューブ119、エネルギー処置具121及び鉗子123が、患者171の体腔内に挿入されている。また、エネルギー処置具121は、高周波電流や超音波振動により、組織の切開及び剥離、又は血管の封止等を行う処置具である。ただし、図示する術具117はあくまで一例であり、術具117としては、例えば攝子、レトラクタ等、一般的に内視鏡下手術において用いられる各種の術具が用いられてよい。
内視鏡101によって撮影された患者171の体腔内の術部の画像が、表示装置141に表示される。術者167は、表示装置141に表示された術部の画像をリアルタイムで見ながら、エネルギー処置具121や鉗子123を用いて、例えば患部を切除する等の処置を行う。なお、図示は省略しているが、気腹チューブ119、エネルギー処置具121及び鉗子123は、手術中に、術者167又は助手等によって支持される。
(支持アーム装置)
支持アーム装置127は、ベース部129から延伸するアーム部131を備える。図示する例では、アーム部131は、関節部133a、133b、133c、及びリンク135a、135bから構成されており、アーム制御装置145からの制御により駆動される。アーム部131によって内視鏡101が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡101の安定的な位置の固定が実現され得る。
(内視鏡)
内視鏡101は、先端から所定の長さの領域が患者171の体腔内に挿入される鏡筒103と、鏡筒103の基端に接続されるカメラヘッド105と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒103を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡101を図示しているが、内視鏡101は、軟性の鏡筒103を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒103の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡101には光源装置143が接続されており、当該光源装置143によって生成された光が、鏡筒103の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者171の体腔内の観察対象(換言すると、撮像対象物)に向かって照射される。なお、内視鏡101は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド105の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)139に送信される。なお、カメラヘッド105には、その光学系を適宜駆動させることにより、倍率及び焦点距離を調整する機能が搭載される。
なお、例えば立体視(3D表示)等に対応するために、カメラヘッド105には撮像素子が複数設けられてもよい。この場合、鏡筒103の内部には、当該複数の撮像素子のそれぞれに観察光を導光するために、リレー光学系が複数系統設けられる。
(カートに搭載される各種の装置)
CCU139は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡101及び表示装置141の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU139は、カメラヘッド105から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU139は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置141に提供する。また、CCU139は、カメラヘッド105に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。
表示装置141は、CCU139からの制御により、当該CCU139によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。内視鏡101が例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)又は8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)等の高解像度の撮影に対応したものである場合、及び/又は3D表示に対応したものである場合には、表示装置141としては、それぞれに対応して、高解像度の表示が可能なもの、及び/又は3D表示可能なものが用いられ得る。4K又は8K等の高解像度の撮影に対応したものである場合、表示装置141として55インチ以上のサイズのものを用いることで一層の没入感が得られる。また、用途に応じて、解像度、サイズが異なる複数の表示装置141が設けられてもよい。
光源装置143は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部を撮影する際の照射光を内視鏡101に供給する。
アーム制御装置145は、例えばCPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、所定の制御方式に従って支持アーム装置127のアーム部131の駆動を制御する。
入力装置147は、内視鏡手術システム100に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置147を介して、内視鏡手術システム100に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、入力装置147を介して、患者の身体情報や、手術の術式についての情報等、手術に関する各種の情報を入力する。また、例えば、ユーザは、入力装置147を介して、アーム部131を駆動させる旨の指示や、内視鏡101による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示、エネルギー処置具121を駆動させる旨の指示等を入力する。
入力装置147の種類は限定されず、入力装置147は各種の公知の入力装置であってよい。入力装置147としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ、フットスイッチ157及び/又はレバー等が適用され得る。入力装置147としてタッチパネルが用いられる場合には、当該タッチパネルは表示装置141の表示面上に設けられてもよい。
あるいは、入力装置147は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイスやHMD(Head Mounted Display)等の、ユーザによって装着されるデバイスであり、これらのデバイスによって検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。また、入力装置147は、ユーザの動きを検出可能なカメラを含み、当該カメラによって撮像された映像から検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。更に、入力装置147は、ユーザの声を収音可能なマイクロフォンを含み、当該マイクロフォンを介して音声によって各種の入力が行われる。このように、入力装置147が非接触で各種の情報を入力可能に構成されることにより、特に清潔域に属するユーザ(例えば術者167)が、不潔域に属する機器を非接触で操作することが可能となる。また、ユーザは、所持している術具から手を離すことなく機器を操作することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
処置具制御装置149は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具121の駆動を制御する。気腹装置151は、内視鏡101による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者171の体腔を膨らめるために、気腹チューブ119を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ153は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ155は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
以下、内視鏡手術システム100において特に特徴的な構成について、更に詳細に説明する。
(支持アーム装置)
支持アーム装置127は、基台であるベース部129と、ベース部129から延伸するアーム部131と、を備える。図示する例では、アーム部131は、複数の関節部133a、133b、133cと、関節部133bによって連結される複数のリンク135a、135bと、から構成されているが、図1では、簡単のため、アーム部131の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部131が所望の自由度を有するように、関節部133a~133c及びリンク135a、135bの形状、数及び配置、並びに関節部133a~133cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部131は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部131の可動範囲内において内視鏡101を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡101の鏡筒103を患者171の体腔内に挿入することが可能になる。
関節部133a~133cにはアクチュエータが設けられており、関節部133a~133cは当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸まわりに回転可能に構成されている。当該アクチュエータの駆動がアーム制御装置145によって制御されることにより、各関節部133a~133cの回転角度が制御され、アーム部131の駆動が制御される。これにより、内視鏡101の位置及び姿勢の制御が実現され得る。この際、アーム制御装置145は、力制御又は位置制御等、各種の公知の制御方式によってアーム部131の駆動を制御することができる。
例えば、術者167が、入力装置147(フットスイッチ157を含む)を介して適宜操作入力を行うことにより、当該操作入力に応じてアーム制御装置145によってアーム部131の駆動が適宜制御され、内視鏡101の位置及び姿勢が制御されてよい。当該制御により、アーム部131の先端の内視鏡101を任意の位置から任意の位置まで移動させた後、その移動後の位置で固定的に支持することができる。なお、アーム部131は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよい。この場合、アーム部131は、手術室から離れた場所に設置される入力装置147を介してユーザによって遠隔操作され得る。
また、力制御が適用される場合には、アーム制御装置145は、ユーザからの外力を受け、その外力にならってスムーズにアーム部131が移動するように、各関節部133a~133cのアクチュエータを駆動させる、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。これにより、ユーザが直接アーム部131に触れながらアーム部131を移動させる際に、比較的軽い力で当該アーム部131を移動させることができる。従って、より直感的に、より簡易な操作で内視鏡101を移動させることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、一般的に、内視鏡下手術では、スコピストと呼ばれる医師によって内視鏡101が支持されていた。これに対して、支持アーム装置127を用いることにより、人手によらずに内視鏡101の位置をより確実に固定することが可能になるため、術部の画像を安定的に得ることができ、手術を円滑に行うことが可能になる。
なお、アーム制御装置145は必ずしもカート137に設けられなくてもよい。また、アーム制御装置145は必ずしも1つの装置でなくてもよい。例えば、アーム制御装置145は、支持アーム装置127のアーム部131の各関節部133a~133cにそれぞれ設けられてもよく、複数のアーム制御装置145が互いに協働することにより、アーム部131の駆動制御が実現されてもよい。
(光源装置)
光源装置143は、内視鏡101に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置143は、例えばLED、レーザー光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザー光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置143において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザー光源それぞれからのレーザー光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド105の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置143は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド105の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置143は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察するもの(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得るもの等が行われ得る。光源装置143は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
(カメラヘッド及びCCU)
図2を参照して、内視鏡101のカメラヘッド105及びCCU139の機能についてより詳細に説明する。図2は、図1に示すカメラヘッド105及びCCU139の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2を参照すると、カメラヘッド105は、その機能として、レンズユニット107と、撮像部109と、駆動部111と、通信部113と、カメラヘッド制御部115と、を有する。また、CCU139は、その機能として、通信部159と、画像処理部161と、制御部163と、を有する。カメラヘッド105とCCU139とは、伝送ケーブル165によって双方向に通信可能に接続されている。
まず、カメラヘッド105の機能構成について説明する。レンズユニット107は、鏡筒103との接続部に設けられる光学系である。鏡筒103の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド105まで導光され、当該レンズユニット107に入射する。レンズユニット107は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。レンズユニット107は、撮像部109の撮像素子の受光面上に観察光を集光するように、その光学特性が調整されている。また、ズームレンズ及びフォーカスレンズは、撮像画像の倍率及び焦点の調整のため、その光軸上の位置が移動可能に構成される。
撮像部109は撮像素子によって構成され、レンズユニット107の後段に配置される。レンズユニット107を通過した観察光は、当該撮像素子の受光面に集光され、光電変換によって、観察像に対応した画像信号が生成される。撮像部109によって生成された画像信号は、通信部113に提供される。
撮像部109を構成する撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプのイメージセンサであり、Bayer配列を有するカラー撮影可能なものが用いられる。なお、当該撮像素子としては、例えば4K以上の高解像度の画像の撮影に対応可能なものが用いられてもよい。術部の画像が高解像度で得られることにより、術者167は、当該術部の様子をより詳細に把握することができ、手術をより円滑に進行することが可能となる。
また、撮像部109を構成する撮像素子は、3D表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成される。3D表示が行われることにより、術者167は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部109が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット107も複数系統設けられる。
また、撮像部109は、必ずしもカメラヘッド105に設けられなくてもよい。例えば、撮像部109は、鏡筒103の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部111は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部115からの制御により、レンズユニット107のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部109による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部113は、CCU139との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部113は、撮像部109から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル165を介してCCU139に送信する。この際、術部の撮像画像を低レイテンシで表示するために、当該画像信号は光通信によって送信されることが好ましい。手術の際には、術者167が撮像画像によって患部の状態を観察しながら手術を行うため、より安全で確実な手術のためには、術部の動画像が可能な限りリアルタイムに表示されることが求められるからである。光通信が行われる場合には、通信部113には、電気信号を光信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。画像信号は当該光電変換モジュールによって光信号に変換された後、伝送ケーブル165を介してCCU139に送信される。
また、通信部113は、CCU139から、カメラヘッド105の駆動を制御するための制御信号を受信する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。通信部113は、受信した制御信号をカメラヘッド制御部115に提供する。なお、CCU139からの制御信号も、光通信によって伝送されてもよい。この場合、通信部113には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられ、制御信号は当該光電変換モジュールによって電気信号に変換された後、カメラヘッド制御部115に提供される。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、取得された画像信号に基づいてCCU139の制御部163によって自動的に設定される。つまり、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡101に搭載される。
カメラヘッド制御部115は、通信部113を介して受信したCCU139からの制御信号に基づいて、カメラヘッド105の駆動を制御する。例えば、カメラヘッド制御部115は、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報及び/又は撮像時の露出値を指定する旨の情報に基づいて、撮像部109の撮像素子の駆動を制御する。また、例えば、カメラヘッド制御部115は、撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報に基づいて、駆動部111を介してレンズユニット107のズームレンズ及びフォーカスレンズを適宜移動させる。カメラヘッド制御部115は、更に、鏡筒103やカメラヘッド105を識別するための情報を記憶する機能を備えてもよい。
なお、レンズユニット107や撮像部109等の構成を、気密性及び防水性が高い密閉構造内に配置することで、カメラヘッド105について、オートクレーブ滅菌処理に対する耐性を持たせることができる。
次に、CCU139の機能構成について説明する。通信部159は、カメラヘッド105との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部159は、カメラヘッド105から、伝送ケーブル165を介して送信される画像信号を受信する。この際、上記のように、当該画像信号は好適に光通信によって送信され得る。この場合、光通信に対応して、通信部159には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。通信部159は、電気信号に変換した画像信号を画像処理部161に提供する。
また、通信部159は、カメラヘッド105に対して、カメラヘッド105の駆動を制御するための制御信号を送信する。当該制御信号も光通信によって送信されてよい。
画像処理部161は、カメラヘッド105から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、画像処理部161は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
画像処理部161は、CPUやGPU等のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上述した画像処理や検波処理が行われ得る。なお、画像処理部161が複数のGPUによって構成される場合には、画像処理部161は、画像信号に係る情報を適宜分割し、これら複数のGPUによって並列的に画像処理を行う。
制御部163は、内視鏡101による術部の撮像、及びその撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部163は、カメラヘッド105の駆動を制御するための制御信号を生成する。この際、撮像条件がユーザによって入力されている場合には、制御部163は、当該ユーザによる入力に基づいて制御信号を生成する。あるいは、内視鏡101にAE機能、AF機能及びAWB機能が搭載されている場合には、制御部163は、画像処理部161による検波処理の結果に応じて、最適な露出値、焦点距離及びホワイトバランスを適宜算出し、制御信号を生成する。
また、制御部163は、画像処理部161によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部の画像を表示装置141に表示させる。この際、制御部163は、各種の画像認識技術を用いて術部画像内における各種の物体を認識する。例えば、制御部163は、術部画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具121使用時のミスト等を認識することができる。制御部163は、表示装置141に術部の画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させる。手術支援情報が重畳表示され、術者167に提示されることにより、より安全かつ確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド105及びCCU139を接続する伝送ケーブル165は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル165を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド105とCCU139との間の通信は無線で行われてもよい。両者の間の通信が無線で行われる場合には、伝送ケーブル165を手術室内に敷設する必要がなくなるため、手術室内における医療スタッフの移動が当該伝送ケーブル165によって妨げられる事態が解消され得る。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム100の一例について説明した。なお、ここでは、一例として内視鏡手術システム100について説明したが、本開示に係る技術が適用され得るシステムはかかる例に限定されない。例えば、本開示に係る技術は、検査用軟性内視鏡システムや顕微鏡手術システムに適用されてもよい。
<<2.分岐光学系を利用した撮像装置に関する検討>>
続いて、図1及び図2を参照して説明した内視鏡手術システム100のような撮像システムに適用される撮像装置の一例として、分岐光学系を利用した撮像装置の構成の一例について説明したうえで、本実施形態に係る撮像装置の課題について整理する。
図1及び図2を参照して説明した内視鏡手術システム100のような医療用の撮像システムが適用される分野においては、被写体となる対象物の画像として、色再現性や解像度のより高い画像を撮像することが可能な仕組みが求められている。このように、色再現性や解像度のより高い画像を撮像することが可能な撮像装置の一例として、色分解光学系(例えば、色分解プリズム)を利用することで、光の利用効率をより向上させた撮像装置が挙げられる。具体的には、当該撮像装置では、色分解光学系により対象物からの光を複数の分光成分に分離し、分離された分光成分それぞれを互いに異なる撮像素子に結像させることで、各撮像素子により撮像された画像に基づき、対象物の撮像画像を生成する。このような構成により、例えば、カラーフィルタ等を適用する必要がなくなるため、光の利用効率がより向上し、色再現性や解像度の高い画像を得ることが可能となる。
上記のような色分解光学系を利用した撮像装置としては、例えば、対象物からの光をR成分、G成分、及びB成分に分離する3色分解光学系を利用した撮像装置が挙げられる。また、近年では、4色分解光学系を利用した撮像装置も提案されている。そこで、比較例として、図3を参照して、4色分解光学系を利用した撮像装置の概略的な構成の一例について、特に、撮像装置内に入射した光が撮像素子に結像するまでの構成に着目して説明する。図3は、比較例に係る撮像装置の構成の一例について説明するための説明図であり、前述した内視鏡手術システム100のカメラヘッド105として適用可能な撮像装置の一例を示している。なお、以降の説明では、図3に示す撮像装置を、カメラヘッド105として適用可能な他の撮像装置と明示的に区別するために、「撮像装置105a」と称する場合がある。
なお、図3において、z方向は、撮像装置105aに入射する光(即ち、入射光)の光軸方向に相当し、x方向及びy方向は、当該z方向に直交する方向である。また、x方向とy方向とは互いに直交するものとする。即ち、図3において、図面の横方向がz方向に対応している。また、図3において、図面の奥行き方向がx方向に対応しており、図面の縦方向がy方向に対応している。なお、図3においては、x方向は、撮像装置105aの水平方向に相当し、y方向は、当該撮像装置105aの垂直方向に相当する。
図3に示すように、撮像装置105aは、分岐光学系300と、第1の撮像素子211~第4の撮像素子214と、基板201~204とを含む。第1の撮像素子211~第4の撮像素子214は、基板201~204によりそれぞれ保持される。
分岐光学系300は、撮像装置105aに入射した光(即ち、入射光)を、波長帯域が互いい異なる複数の分光成分に分離する光学部材である。例えば、図3に示す例では、分岐光学系300は、入射光を、R成分、G成分、及びB成分の3原色の光と、近赤外(IR)成分の光とに分離する。具体的には、図3に示すように、分岐光学系300は、第1のプリズム311~第4のプリズム314が、入射光の光軸方向(z方向)に順次組み付けられて構成される。
第1のプリズム311は、当該第1のプリズム311に入射した光のうち、近赤外波長帯域に属する光を、第1の撮像素子211に導光する光路として機能するプリズムである。撮像装置105aに入射した入射光は、第1のプリズム311の入射面322から当該第1のプリズム311内に入射する。また、第1のプリズム311内に入射した入射光は、当該第1のプリズム311内を直進し、光軸上に斜めに設けられた面321において、可視光波長帯域に属する光と、近赤外波長帯域に属する光と、に分離される。なお、面321には、入射光を、可視光波長帯域に属する光と、近赤外波長帯域に属する光と、に分離する光学膜(例えば、ダイクロイック膜)が設けられていてもよい。
近赤外波長帯域に属する光は、面321で反射されて第1のプリズム311を導光される。ここで、反射分離された近赤外波長帯域に属する光(即ち、近赤外光)は、入射面322で一度だけ全反射して、第1のプリズム311の外部へと透過する。例えば、図3に示す例では、近赤外波長帯域に属する光は、面321において、yz平面の面方向に反射されている。そして、第1のプリズム311を透過した近赤外光は、第1の撮像素子211へと導光される。なお、第1の撮像素子211は、第1のプリズム311を透過して当該第1の撮像素子211に導光される光(即ち、近赤外光)の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。また、第1の撮像素子211としては、例えば、カラーフィルタが設けられておらず、近赤外波長に高い感度を有する者が適用されるとなお良い。
また、第1のプリズム311の面321を透過した可視光波長帯域に属する光は、第2のプリズム312の入射面323から当該第2のプリズム312に入射する。第2のプリズム312は、当該第2のプリズム312に入射した光のうち、B成分を含む波長帯域に属する光を、第2の撮像素子212に導光する光路として機能するプリズムである。第2のプリズム312内に入射した光(即ち、可視光波長帯域に属する光)は、当該第2のプリズム312の内部を直進し、光軸上に斜め設けられた面324において、B成分を含む短波長側の波長帯域に属する光と、R成分及びG成分を含む長波長側の波長帯域に属する光と、に分離される。なお、面324には、入射光を、B成分を含む短波長側の波長帯域に属する光と、R成分及びG成分を含む長波長側の波長帯域に属する光と、に分離する光学膜(例えば、ダイクロイック膜)が設けられていてもよい。
B成分を含む波長帯域に属する光は、面324で反射されて第2のプリズム312内を導光される。ここで、図3に示すように、第1のプリズム311の面321と、第2のプリズム312の入射面323との間には、参照符号327として示すようにエアギャップが設けられている。そのため、面324で反射分離されたB成分を含む波長帯域に属する光は、入射面323で一度だけ全反射して、第2のプリズム312の外部へと透過する。例えば、図3に示す例では、B成分を含む波長帯域に属する光は、面324において、yz平面の面方向に反射されている。そして、第2のプリズム312を透過したB成分を含む波長帯域に属する光は、第2の撮像素子212へと導光される。なお、第2の撮像素子212は、第2のプリズム312を透過して当該第2の撮像素子212に導光される光(即ち、B成分を含む波長帯域に属する光)の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。
また、第2のプリズム312の入射面323を透過したR成分及びG成分を含む波長帯域に属する光は、第3のプリズム313の入射面325から当該第3のプリズム313に入射する。第3のプリズム313は、当該第3のプリズム313に入射した光のうち、R成分を含む波長帯域に属する光を、第3の撮像素子213に導光する光路として機能するプリズムである。第3のプリズム313内に入射した光(即ち、R成分及びG成分を含む波長帯域に属する光)は、当該第3のプリズム313の内部を直進し、光軸上に斜め設けられた第4のプリズム314との界面326において、R成分を含む波長帯域に属する光と、G成分を含む波長帯域に属する光と、に分離される。なお、界面326には、入射光を、R成分を含む波長帯域に属する光と、G成分を含む波長帯域に属する光と、に分離する光学膜(例えば、ダイクロイック膜)が設けられていてもよい。
R成分を含む波長帯域に属する光は、界面326で反射されて第3のプリズム313内を導光される。ここで、図3に示すように、第2のプリズム312の面324と、第3のプリズム313の入射面325との間には、参照符号328として示すようにエアギャップが設けられている。そのため、界面326で反射分離されたR成分を含む波長帯域に属する光は、入射面325で一度だけ全反射して、第3のプリズム313の外部へと透過する。例えば、図3に示す例では、R成分を含む波長帯域に属する光は、界面326において、yz平面の面方向に反射されている。そして、第3のプリズム313を透過したR成分を含む波長帯域に属する光は、第3の撮像素子213へと導光される。なお、第3の撮像素子213は、第3のプリズム313を透過して当該第3の撮像素子213に導光される光(即ち、R成分を含む波長帯域に属する光)の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。
また、第3のプリズム313と第4のプリズム314との界面326を透過したG成分を含む波長帯域に属する光は、当該界面326から当該第4のプリズム314に入射する。第4のプリズム314は、当該第4のプリズム314に入射した光(即ち、R成分を含む波長帯域に属する光)を、第4の撮像素子214に導光する光路として機能するプリズムである。即ち、第4のプリズム314内に入射した光は、当該第4のプリズム314の内部を直進し、第4の撮像素子214へと導光される。なお、第4の撮像素子214は、第4のプリズム314を透過して当該第4の撮像素子214に導光される光(即ち、G成分を含む波長帯域に属する光)の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。
以上のように、比較例に係る撮像装置105aは、入射光を、R成分、G成分、及びB成分の3原色の光と、IR成分の光とに分離し、各成分の光を互いに異なる撮像素子(即ち、第1の撮像素子211~第4の撮像素子214)に結像させることで、各成分の光に基づく画像を個別に撮像する。このような構成により、撮像装置105aは、各撮像素子にカラーフィルタを設ける必要がなく光の利用効率が向上させることが可能なため、色分解光学系を利用しない撮像装置(即ち、1つの撮像素子により画像を撮像する撮像装置)に比べて、色再現性や解像度をより向上させた画像を撮像することが可能である。
また、比較例に係る撮像装置105aは、R成分、G成分、及びB成分の3原色の光と、IR成分の光とが互いに異なる撮像素子に結像するため、近赤外画像と可視光画像とを同じタイミングで個別に撮像することが可能である。このような構成は、医療の分野において、狭帯域光観察(NBI:Narrow Band Imaging)、蛍光観察(FI:Fluorescence Imaging)、及び赤外光観察(IRI:Infra-Red Imaging)等のような所謂特殊光観察と呼ばれる観察手法への応用が期待されている。
具体的な一例として、蛍光観察では、癌等の病巣に親和性を有する蛍光物質を予め検査対象者(患者)に投与し、当該蛍光物質を励起するための励起光を照射することにより、病巣部に集積した蛍光物質から発せられる蛍光の蛍光像(即ち、蛍光の検出結果に基づく観察像)により、当該病巣部を観察する。蛍光観察に使用される蛍光物質の代表的な一例として、インドシアニングリーン(ICG)が挙げられる。ICGは、励起光として808nm近傍の波長を有する光を使用することで、820nm前後の波長を有する蛍光(即ち、近赤外帯域の光)を発する。
そのため、例えば、4色分解光学系を利用した撮像装置を蛍光観察に適用することで、IR成分の光が結像する撮像素子により対象物の蛍光画像を撮像し、さらに、他の撮像素子により対象物の可視光画像を高い解像度で撮像することが可能となる。また、対象物の蛍光画像と可視光画像とを同じタイミングで個別に撮像することが可能なため、例えば、可視光画像に対して当該可視光画像と同期して撮像された蛍光画像を重畳させることも可能となる。
一方で、色分解光学系を利用した撮像装置は、当該色分解光学系により分離された光それぞれを結像させる複数の撮像素子間において物理的な干渉が生じないように、当該色分解光学系と各撮像素子とを配設する必要がある。そのため、色分解光学系を利用した撮像装置は、撮像素子の数が増えるほど(即ち、分離する分光成分の数(例えば、色の数)が増えるほど)、色分解光学系のサイズがより大きくなり、結果としてフランジバック長がより長くなる傾向にある。
なお、本説明において、「フランジバック長」とは、レンズ交換式の撮像装置において当該レンズのマウント面から撮像素子までの光学的距離を示している。具体的な一例として、図3に示す例の場合には、分岐光学系300の入射面から各撮像素子までの光学的距離が、フランジバック長に相当する。また、「光学的距離」とは、光の進む速さから算出される光学的な距離に相当し、光の経路の物理的距離と当該経路における屈折率とにより算出される。
このような特性から、例えば、比較例に係る撮像装置105aのように4色分解光学系を利用した撮像装置は、3色分解光学系を利用した撮像装置に比べて、色分解光学系のサイズがより大きくなり、フランジバック長もより長くなる場合がある。そのため、4色分解光学系を利用したレンズ交換式の撮像装置においては、使用可能なレンズが、フランジバック長の比較的長いものに限られる場合があった。
これに対して、医療の分野において内視鏡や手術用顕微鏡等に適用されるレンズとしては、「Cマウント」と呼ばれる規格のものが主流となっており、当該規格においては、フランジバック長が17.526mmと規定されている。また、医療の分野においては、医療行為の妨げにならないように、各種医療機器の小型化が求められており、撮像装置もその例外ではない。このような条件を満たす撮像装置として、例えば、3色分解光学系を利用したものは提供されている。しかしながら、4色分解光学系を利用した撮像装置については、上述したようなサイズやフランジバック長の制約により、既存の撮像装置(例えば、3色分解光学系を利用した撮像装置)に替えて、内視鏡や手術用顕微鏡に適用することが困難である。
このような状況を鑑み、本開示では、色分解光学系を利用することで対象物の画像を複数の撮像素子を用いて撮像する構成において、当該複数の撮像素子を限られた空間内に効率よく配設することで、筐体のサイズやフランジバック長の拡大を抑制する仕組みの一例について提案する。
<<3.技術的特徴>>
以下に、本実施形態に係る撮像装置の技術的特徴について説明する。
<3.1.撮像装置の構成例>
まず、図4及び図5を参照して、本実施形態に係る撮像装置の概略的な構成の一例について、特に、撮像装置内に入射した光が撮像素子に結像するまでの構成に着目して説明する。図4及び図5は、本実施形態に係る撮像装置の構成の一例について説明するための説明図であり、前述した内視鏡手術システム100のカメラヘッド105として適用可能な撮像装置の一例を示している。なお、本説明では、本実施形態に係る撮像装置が、Cマウントの規格に基づく撮像装置として構成されているものとして説明する。また、以降の説明では、図4及び図5に示す撮像装置を、カメラヘッド105として適用可能な他の撮像装置と明示的に区別するために、「撮像装置105b」と称する場合がある。
図4及び図5に示すように、本実施形態に係る撮像装置105bは、マウント台240と、分岐光学系400と、第1の撮像素子231~第4の撮像素子234と、基板221~224とを含む。第1の撮像素子231~第4の撮像素子234は、基板221~224によりそれぞれ保持される。また、撮像装置105bは、開口マスク250を含んでもよく、カバーガラス425、427~429を含んでもよい。
なお、図4及び図5において、z方向は、撮像装置105bに入射する光(即ち、入射光)の光軸方向に相当し、換言すると、詳細を後述する分岐光学系400の入射面の法線方向に相当する。また、x方向及びy方向は、双方ともに当該z方向に直交する方向であり、x方向とy方向とは互いに直交するものとする。なお、図4及び図5においては、x方向は、撮像装置105bの水平方向に相当し、y方向は、当該撮像装置105bの垂直方向に相当する。また、図4は、撮像装置105bを、入射光の光軸(z軸)を含む水平面(xz平面)で切断した場合における、当該撮像装置105bの構成を模式的に示しており、当該撮像装置105bに入射した光の光路をあわせて提示している。即ち、図4において、図面の横方向、縦方向、及び奥行き方向は、それぞれz方向、x方向、及びy方向に対応している。また、図5は、撮像装置105bを、入射光の光軸(z軸)を含む垂直面(yz平面)で切断した場合における、当該撮像装置105bの構成を模式的に示しており、当該撮像装置105bに入射した光の光路をあわせて提示している。即ち、図5において、図面の横方向、縦方向、及び奥行き方向は、それぞれz方向、y方向、及びx方向に対応している。
マウント台240は、撮像装置105bに対して、交換式レンズ、顕微鏡、または内視鏡等のような光学系を取り付けるため構成である。マウント台240には、当該マウント台240に取り付けられた光学系から入射した対象物からの光が通過する開口部が形成されている。即ち、マウント台240に取り付けられた光学系により集光された対象物からの光は、当該マウント台240の開口部から撮像装置105b内に入射する。
開口マスク250は、所定の形状の開口部が設けられており、当該開口部により、マウント台240に取り付けられた光学系を介して撮像装置105b内に入射する光(即ち、入射光)の光束を制限する。開口マスク250に設けられた開口部は、例えば、各撮像素子(即ち、第1の撮像素子231~第4の撮像素子234)の受光面のサイズに応じた寸法を有する矩形状に形成される。即ち、開口マスク250に設けられた開口部の寸法に応じてFナンバーが決定される。また、開口マスク250は、例えば、入射光の光軸を中心として開口部の径を変化させることで当該開口部の寸法を制御する、所謂「絞り」と呼ばれる機構が設けられていてもよい。開口マスク250は、例えば、図4及び図5に示すように、マウント台240と分岐光学系400との間に介在するように設けられる
なお、撮像装置105bに取り付けられる撮像レンズ(例えば、交換式レンズ、顕微鏡、内視鏡等)は、像側テレセントリックに光学設計されるため、開口マスク250の寸法と、当該開口マスク250以降に配設された光学系の構成(例えば、硝材、厚さ、空気間隔等)と、により撮像システム全体のFナンバーが決定される。
続いて、分岐光学系400について説明する。図4及び図5に示すように、分岐光学系400は、第1の分岐光学系401と、第2の分岐光学系402と、IRカットフィルタ426とを含む。また、分岐光学系400は、バンドパスフィルタ424を含んでもよい。
第1の分岐光学系401は、当該第1の分岐光学系401に入射した光を、近赤外波長帯域に属する光と、可視光波長帯域に属する光とに分離する。具体的には、図4に示すように、第1の分岐光学系401は、第1のプリズム411と第2のプリズム412とが、ダイクロイック膜421を介して互いに接続されたプリズムである。即ち、第1のプリズム411と第2のプリズム412との界面に、ダイクロイック膜421が設けられている。
ダイクロイック膜421は、第1の分岐光学系401に入射した、可視光波長帯域に属する光と、近赤外波長帯域に属する光と、を含む入射光について、可視光波長帯域に属する光と、近赤外波長帯域に属する光と、を分離する光学膜である。具体的には、ダイクロイック膜421は、近赤外波長帯域に属する光を反射するとともに、可視光波長帯域に属する光を透過する特性を有する。
例えば、図6は、本実施形態に係る撮像装置に適用されるダイクロイック膜421の分光特性の一例について示した図である。図6において、横軸は波長(nm)を示しており、縦軸は分光透過率(%)を示している。図6に示すように、ダイクロイック膜421は、700nm近傍の波長を境界として、短波長側の光の大部分(例えば、90%以上)を透過させ、長波長側の光の大部分(例えば、90%以上)を反射する特性を有している。
第1のプリズム411は、可視光波長帯域に属する光及び近赤外波長帯域に属する光(すなわち、入射光)が入射するとともに、近赤外波長帯域に属する光が導光される近赤外光用光路として機能するプリズムである。また、第2のプリズム412は、可視光波長帯域に属する光が導光される可視光用光路として機能するプリズムである。
入射面433から第1のプリズム411に入射した入射光は、第1のプリズム411内を直進し、光軸上に斜めに設けられたダイクロイック膜421によって、可視光波長帯域に属する光と、近赤外波長帯域に属する光と、に分離される。
近赤外波長帯域に属する光は、ダイクロイック膜421によって反射されて、第1のプリズム411内を導光される。より具体的には、図4に示す例では、近赤外波長帯域に属する光は、ダイクロイック膜421によって、分岐光学系400への入射光が入射する面433の法線方向に対応する光軸(即ち、z軸)を含む平面(即ち、xz平面)の面方向に反射される。なお、ダイクロイック膜421によって反射される光が「第1の光」の一例に相当し、当該反射方向が「第1の方向」の一例に相当する。
ここで、反射分離された近赤外波長帯域に属する光(以下、「近赤外光線」とも称する)は、図4に示すように、入射面433で一度だけ全反射して第1のプリズム411の外部へと透過する。これにより、ダイクロイック膜421の成膜面の光軸に対する角度を垂直に近づけることができる。逆に言えば、本実施形態に係るダイクロイック膜421の光軸上への設置角度は、上述した全反射の条件が成立するように設定されている。このようにダイクロイック膜421を配置することで、F値の明るい光線が第1のプリズム411に入射した場合であっても、左光線と右光線との入射角度の違いによるダイクロイック膜421の分光特性の変化を抑制することが可能となり、精度良く波長分離を行うことが可能となる。
第1のプリズム411を透過した近赤外光線は、第1の撮像素子231へと導光される。この際、ダイクロイック膜421により分離され、第1の撮像素子231に結像する光の光路中には、バンドパスフィルタ424が設けられていてもよい。バンドパスフィルタ424は、近赤外波長帯域中の所定の波長帯域の光を透過し、その他の波長帯域の光を阻止する特性を有する。当該バンドパスフィルタ424は、例えば、近赤外波長帯域中の所定の波長帯域の蛍光を発する蛍光物質を使用した蛍光観察において撮像装置105bが使用される状況を想定し、当該蛍光物質の特性にあわせて配設されてもよい。
具体的な一例として、ICGが発する蛍光に着目する場合には、バンドパスフィルタ424は、ICGが発する蛍光の波長帯域である820nm前後の波長帯域(例えば、820nm~850nmの波長帯域)の光を透過し、その他の波長帯域の光を阻止する特性を有していればよい。例えば、図7は、本実施形態に係る撮像装置に適用されるバンドパスフィルタ424の分光特性の一例について示した図である。図7において、横軸は波長(nm)を示しており、縦軸は分光透過率(%)を示している。図7に示すように、バンドパスフィルタ424は、820nm~850nm近傍の波長帯域の光の大部分(例えば、90%以上)を透過させ、その他の波長帯域の光の大部分(例えば、90%以上)を反射する特性を有している。
第1の撮像素子231は、第1のプリズム411を透過して当該第1の撮像素子231に導光される光(即ち、近赤外光線)の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。なお、第1のプリズム411と第1の撮像素子231との間には、当該第1の撮像素子231の受光面を保護するカバーガラス425が介在してもよい。カバーガラス425としては、例えば、BK7として一般的に知られている硝材を使用したものが適用される。また、第1の撮像素子231としては、例えば、カラーフィルタが設けられておらず、近赤外波長に高い感度を有するものが適用されるとなお良い。
一方、ダイクロイック膜421を透過した可視光波長帯域に属する光は、第2のプリズム412に入射して、当該第2のプリズム412の内部を直進する。第2のプリズム312におけるダイクロイック膜421が設けられている側とは逆側の端面(換言すれば、第2のプリズム412の光軸下流側の出射面)は、光軸に対して垂直となるように設けられており、可視光波長帯域に属する光は、第2のプリズム412の出射面に対して垂直となる状態を維持したまま、第2のプリズム412の外部に透過する。なお、ダイクロイック膜421を透過した光が「第2の光」の一例に相当する。
第2のプリズム412の出射面には、IRカットフィルタ426を介して第2の分岐光学系402が接続されている。即ち、第1の分岐光学系401の第2のプリズム412と、第2の分岐光学系402と、の界面に、IRカットフィルタ426が設けられている。
IRカットフィルタ426は、赤外光をカットするフィルタである。例えば、図8は、本実施形態に係る撮像装置に適用されるIRカットフィルタ426の分光特性の一例について示した図である。図8において、横軸は波長(nm)を示しており、縦軸は分光透過率(%)を示している。図8に示すように、IRカットフィルタ426は、700nmよりも長波長側の波長帯域の光の大部分(例えば、90%以上)を吸収し、その他の波長帯域の光を透過する特性を有している。なお、IRカットフィルタ426は、例えば、BK7相当の硝材に赤外カットコートを蒸着製膜することで形成されてもよい。また、他の一例として、IRカットフィルタ426は、赤外吸収ガラスにより構成されていてもよい。なお、IRカットフィルタ426としては、例えば、HOYA株式会社製C5000等を利用することが可能である。
なお、図4及び図5では、詳細な図示は省略しているが、IRカットフィルタ426と、第2の分岐光学系402との間の界面には、参照符号431として示すようにエアギャップが設けられている。
続いて、主に図5を参照して、IRカットフィルタ426よりも後段に位置する各部の構成について説明する。第1の分岐光学系401の第2のプリズム412から出射した可視光波長帯域に属する光は、IRカットフィルタ426により赤外光がカットされた後、第2の分岐光学系402に入射する。
第2の分岐光学系402は、当該第2の分岐光学系402に入射した可視光波長帯域に属する光を、R成分、G成分、及びB成分それぞれを含む波長帯域に属する光に分離する。具体的には、第2の分岐光学系402は、第3のプリズム413と第4のプリズム414とがダイクロイック膜422を介して互いに接続され、かつ、当該第4のプリズム414と第5のプリズム415とがダイクロイック膜423を介して互いに接続されたプリズムである。即ち、第3のプリズム413と第4のプリズム414との界面に、ダイクロイック膜422が設けられており、当該第4のプリズム414と第5のプリズム415の界面に、ダイクロイック膜423が設けられている。
ダイクロイック膜422は、第2の分岐光学系402に入射した、可視光波長帯域に属する光を含む入射光について、G成分を含む波長帯域に属する光と、R成分及びB成分を含む波長帯域に属する光と、を分離する光学膜である。具体的には、ダイクロイック膜422は、G成分を含む波長帯域に属する光を反射するとともに、R成分及びB成分を含む短波長側の波長帯域に属する光を透過する特性を有する。
また、ダイクロイック膜423は、ダイクロイック膜422を透過した、R成分及びB成分を含む波長帯域に属する光を含む入射光について、R成分を含む波長帯域に属する光と、B成分を含む波長帯域に属する光と、を分離する光学膜である。具体的には、ダイクロイック膜423は、B成分を含む波長帯域に属する光を反射するとともに、R成分を含む波長帯域に属する光を透過する特性を有する。
第3のプリズム413は、可視光波長帯域に属する光が入射するとともに、G成分を含む波長帯域に属する光が導光される緑色光用光路として機能するプリズムである。また、第4のプリズム414は、R成分及びB成分を含む波長帯域に属する光が入射するとともに、B成分を含む波長帯域に属する光が導光される青色光用光路として機能するプリズムである。また、第5のプリズム415は、R成分を含む波長帯域に属する光が導光される赤色光用光路として機能するプリズムである。
入射面435から第3のプリズム413に入射した可視光波長帯域に属する光は、第3のプリズム413内を直進し、光軸上に斜めに設けられたダイクロイック膜422によって、G成分を含む波長帯域に属する光と、R成分及びB成分を含む波長帯域に属する光と、に分離される。
G成分を含む波長帯域に属する光は、ダイクロイック膜422によって反射され、第3のプリズム413内を導光される。このとき、ダイクロイック膜422は、分岐光学系400への入射光の光軸(即ち、z軸)を軸として、前述したダイクロイック膜421が近赤外波長帯域に属する光を反射する方向に対して、相対的にねじれた方向に、G成分を含む波長帯域に属する光を反射させる。即ち、図4に示すように、ダイクロイック膜421が近赤外波長帯域に属する光をxz平面の面方向に反射させる場合に、ダイクロイック膜422は、当該xz平面に交差する方向に、G成分を含む波長帯域に属する光を反射させる。具体的な一例として、図5に示す例では、ダイクロイック膜422は、z方向を含む水平面(即ち、xz平面と法線方向が互いに直交するyz平面)の面方向に、G成分を含む長波長側の波長帯域に属する光を反射させている。換言すると、図5に示す例では、ダイクロイック膜422は、分岐光学系400への入射光の光軸と、ダイクロイック膜421が近赤外波長帯域に属する光を反射させる方向と、のそれぞれに略垂直な方向に、G成分を含む長波長側の波長帯域に属する光を反射させている。なお、ダイクロイック膜422によって反射される光が「第3の光」の一例に相当し、当該反射方向が「第2の方向」の一例に相当する。
ここで、反射分離されたG成分を含む波長帯域に属する光(以下、「緑色光線」とも称する)は、図5に示すように、入射面435に達する。また、前述したように、入射面435とIRカットフィルタ426との間には、参照符号431で示すようにエアギャップが設けられている。そのため、緑色光線は、入射面435で一度だけ全反射して第3のプリズム413の外部へと透過する。これにより、ダイクロイック膜422の成膜面の光軸に対する角度を垂直に近づけることができる。逆に言えば、本実施形態に係るダイクロイック膜422の光軸上への設置角度は、上述した全反射の条件が成立するように設定されている。このようにダイクロイック膜422を配置することで、F値の明るい光線が第3のプリズム413に入射した場合であっても、上光線と下光線との入射角度の違いによるダイクロイック膜422の分光特性の変化を抑制することが可能となり、精度良く波長分離を行うことが可能となる。
第3のプリズム413を透過した緑色光線は、第2の撮像素子232へと導光される。第2の撮像素子232は、第3のプリズム413を透過して当該第2の撮像素子232に導光される光の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。なお、第3のプリズム413と第2の撮像素子232との間には、当該第2の撮像素子232の受光面を保護するカバーガラス427が介在してもよい。カバーガラス427としては、前述したカバーガラス425と同様のものを適用することが可能である。また、第2の撮像素子232としては、例えば、カラーフィルタが設けられておらず、G成分を含む波長帯域に高い感度を有するものが適用されるとなお良い。
一方、ダイクロイック膜422を透過したR成分及びB成分を含む波長帯域に属する光は、第4のプリズム414に入射する。そして、第4のプリズム414に入射した当該光は、当該第4のプリズム414を直進し、光軸上に斜めに設けられたダイクロイック膜423によって、R成分を含む波長帯域に属する光と、B成分を含む波長帯域に属する光と、に分離される。なお、ダイクロイック膜422を透過した光が「第4の光」の一例に相当する。
B成分を含む波長帯域に属する光は、ダイクロイック膜423によって反射され、第4のプリズム414内を導光される。このとき、ダイクロイック膜423は、分岐光学系400への入射光の光軸(即ち、z軸)を軸として、前述したダイクロイック膜421が近赤外波長帯域に属する光を反射する方向に対して、相対的にねじれた方向に、B成分を含む波長帯域に属する光を反射させる。即ち、図4に示すように、ダイクロイック膜421が近赤外波長帯域に属する光をxz平面の面方向に反射させる場合に、ダイクロイック膜422は、当該xz平面に交差する方向に、B成分を含む波長帯域に属する光を反射させる。具体的な一例として、図5に示す例では、ダイクロイック膜423は、z方向を含む水平面(即ち、xz平面と法線方向が互いに直交するyz平面)の面方向であり、かつ、ダイクロイック膜422が緑色光線を反射させる方向とは異なる方向に、B成分を含む波長帯域に属する光を反射させている。なお、ダイクロイック膜423によって反射される光が「第5の光」の一例に相当し、当該反射方向が「第3の方向」の一例に相当する。また、上記に説明した例において、xz平面が「第1の面」の一例に相当し、yz平面が「第2の面」の一例に相当する。
反射分離されたB成分を含む波長帯域に属する光(以下、「青色光線」とも称する)は、第4のプリズム414内を導光される。また、第4のプリズム414を透過した青色光線は、第3の撮像素子233へと導光される。第3の撮像素子233は、第4のプリズム414を透過して当該第3の撮像素子233に導光される光の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。なお、第4のプリズム414と第3の撮像素子233との間には、当該第3の撮像素子233の受光面を保護するカバーガラス428が介在してもよい。カバーガラス428としては、前述したカバーガラス425と同様のものを適用することが可能である。また、第3の撮像素子233としては、例えば、カラーフィルタが設けられておらず、B成分を含む波長帯域に高い感度を有するものが適用されるとなお良い。
また、ダイクロイック膜423を透過したR成分を含む波長帯域に属する光(以下、「赤色光線」とも称する)は、第5のプリズム415に入射して、当該第5のプリズム415の内部を直進する。第5のプリズム415におけるダイクロイック膜423が設けられている側とは逆側の端面(換言すれば、第5のプリズム415の光軸下流側の出射面)は、光軸に対して垂直となるように設けられており、赤色光線は、第5のプリズム415の出射面に対して垂直となる状態を維持したまま、第5のプリズム415の外部に透過する。そして、第5のプリズム415を透過した赤色光線は、第4の撮像素子234へと導光される。第4の撮像素子234は、第5のプリズム415を透過して当該第4の撮像素子234に導光される光の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。なお、第5のプリズム415と第4の撮像素子234との間には、当該第4の撮像素子234の受光面を保護するカバーガラス429が介在してもよい。カバーガラス429としては、前述したカバーガラス425と同様のものを適用することが可能である。また、第4の撮像素子234としては、例えば、カラーフィルタが設けられておらず、R成分を含む波長帯域に高い感度を有するものが適用されるとなお良い。
以上のような構成により、第2の分岐光学系402に入射した可視光線は、当該第2の分岐光学系402により赤色光線、緑色光線、及び青色光線に分離され、第4の撮像素子234、第2の撮像素子232、及び第3の撮像素子233にそれぞれ結像する。例えば、図9は、本実施形態に係る分岐光学系400により可視光波長帯域に属する光から分離された各光の波長特性の一例を示した図であり、赤色光線(R)、緑色光線(G)、及び青色光線(B)の波長特性の一例を示している。図9において、横軸は波長(nm)を示しており、縦軸は分光後の各光に含まれる波長成分を入射光に対する相対値(%)で示している。即ち、ダイクロイック膜422及び423としては、第2の撮像素子232~第4の撮像素子234それぞれに結像する光(即ち、緑色光線、青色光線、及び赤色光線)が図9に示すような特性を示すように、入射光から各光を分離する分光特性を有するものが適用されればよい。
以上、図4及び図5を参照して説明したように、本実施形態に係る撮像装置105bは、第1の分岐光学系401と第2の分岐光学系402とを含む分岐光学系400により、入射光を複数の光に分離し、各光を互いに異なる撮像素子に結像させる。このとき、第1の分岐光学系401と第2の分岐光学系402とは、分岐光学系400に光が入射する入射面433の法線方向に対応する光軸を軸として互いにねじれた方向に入射光の一部を反射させることで、入射光から一部の光を分離する。
このような構成により、本実施形態に係る撮像装置105bは、例えば、第1の撮像素子231を支持する基板221と、第2の撮像素子232~第4の撮像素子234それぞれを支持する基板222~224と、の間の物理的干渉を回避することが可能となる。即ち、本実施形態に係る撮像装置105bは、第1の撮像素子231~第4の撮像素子234(換言すると、基板221~224)を限られた空間に効率よく配設することが可能となる。
また、本実施形態に係る撮像装置105bは、図3に示した比較例に係る撮像装置105aに比べて、エアギャップが形成される箇所を削減することが可能である。エアギャップの形成は、当該エアギャップ内にゴミ等が混入することによる不良の発生の要因となる場合もある。そのため、エアギャップが形成される箇所がより少ない設計が望ましい。即ち、本実施形態に係る撮像装置105bは、比較例に係る撮像装置105aに比べて、エアギャップの形成に起因する不良が発生する可能性をより低く抑えることが可能となる。
なお、上記に説明した構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る撮像装置105bの構成は、必ずしも上記に説明した例には限定されない。具体的な一例として、第1の撮像素子231~第4の撮像素子234に入射光のうちの一部の光を結像させることが可能であれば、撮像素子と当該撮像素子に結像させる光との間の対応関係は限定されない。また、撮像素子と当該撮像素子に結像させる光との間の対応関係に応じて、入射光から一部の光を分離するための構成(例えば、ダイクロイック膜421~423等の光学膜)を適宜選択すればよいことは言うまでもない。また、入射光から一部の光を分離するための構成としては、ダイクロイック膜のような波長特性に応じて入射光を分離する光学膜に限らず、例えば、ハーフミラー膜等のような他の光学膜を適用することも可能である。なお、ハーフミラー膜を適用した例については、変形例として別途後述する。
また、上記では、本実施形態に係る撮像装置105bとして、4色分解光学系を利用した撮像装置の構成の一例について、特に分岐光学系400の構成に着目して説明した。一方で、上記に説明した例はあくまで一例であり、第1の分岐光学系401と第2の分岐光学系402とが、分岐光学系400への入射光の光軸を軸として互いにねじれた方向に入射光の一部を反射させる構成であれば、分岐光学系400の構成は必ずしも上述した例には限定されない。例えば、本実施形態に係る撮像装置105bを、3色分解光学系を利用した撮像装置として構成することも可能である。この場合には、第2の分岐光学系402として、図4及び図5に示すような入射光の光路を3つの光路に分岐させる分岐光学系に替えて、入射光の光路を2つの光路に分岐させる分岐光学系を適用すればよい。また、他の一例として、第1の分岐光学系401を、第2の分岐光学系402と同様に、入射光の光路を3つの光路に分岐させる構成としてもよい。
以上、図4及び図5を参照して、本実施形態に係る撮像装置の概略的な構成の一例について、特に、撮像装置内に入射した光が撮像素子に結像するまでの構成に着目して説明した。
<3.2.撮像装置の実施例>
続いて、本実施形態に係る撮像装置の実施例について説明する。
(実施例1)
まず、実施例1として、図4及び図5に示す撮像装置105bのより詳細な構成の一例について説明する。なお、本実施例では、本実施形態に係る撮像装置105bを、Cマウントの規格に基づく撮像装置として構成する場合の一例について説明する。即ち、実施例1では、Cマウントの規格で規定するフランジバック長の条件(17.526mm)を満たすために、少なくとも分岐光学系400の入射面から、分岐光学系400の後段に位置する撮像素子までの間の光学的距離が17.526mm以下となる、撮像装置105bの構成の一例について説明する。
図4及び図5に示すように、実施例1に係る撮像装置105bにおいては、各撮像素子(即ち、第1の撮像素子231~第4の撮像素子234)に結像する像のサイズ(即ち、像高)は、垂直方向に3.14mm、水平方向に5.56mmとなっている。そのため、図4においては、各撮像素子の受光面の水平方向における、中心、-2.78mm、+2.78mmそれぞれの位置に結像する光の光路が示されている。同様に、図5においては、各撮像素子の受光面の垂直方向における、中心、-1.57mm、+1.57mmそれぞれの位置に結像する光の光路が示されている。各撮像素子の受光面の中心におけるFナンバーは、水平方向のFナンバーをFno_H=1.57であり、垂直方向のFナンバーをFno_V=1.78である。また、開口マスク250に設けられた開口部は、水平方向(x方向)の寸法が8.2mm、垂直方向(y方向)の寸法が7.2mmの矩形状に形成されている。
また、実施例1に係る撮像装置105bでは、分岐光学系400を構成する第1のプリズム411~第5のプリズム415を構成する硝材として、屈折率Nd≧1.80の条件を満たす硝材を適用している。具体的な一例として、第1のプリズム411~第5のプリズム415を構成する硝材としては、屈折率Nd=1.804200、アッベ数νd=46.5025の条件を満たす硝材を使用する場合について説明する。なお、同条件を満たす硝材としては、例えば、HOYA株式会社製のTAF3が挙げられる。
また、カバーガラス425、427~429としては、例えば、硝材としてBK7を利用した、厚さ1.2mmのものを使用している。また、バンドパスフィルタ424とIRカットフィルタ426とのそれぞれは、光軸方向の厚さが1.09mmとなっている。また、バンドパスフィルタ424とIRカットフィルタ426とのそれぞれの屈折率Ndは、BK7相当である。
図4において参照符号θ11で示した角度、即ち、xz平面上において、第1のプリズム411の入射面433と、ダイクロイック膜421が形成された面と、の間の角度は30°となっている。また、図5において参照符号θ13で示した角度、即ち、yz平面上において、第3のプリズム413の入射面435と、ダイクロイック膜422が形成された面と、の間の角度は25.75°となっている。また、図5において参照符号θ15で示した角度、即ち、yz平面上において、ダイクロイック膜422が形成された面と、ダイクロイック膜423が形成された面と、の間の角度は60.75°となっている。
ここで、分岐光学系400のガラス厚を、当該分岐光学系400のz方向の幅(物理的距離)として規定すると、実施例1に係る撮像装置105bにおいては、分岐光学系400のガラス厚d1=18.844mmとなる。即ち、実施例1に係る撮像装置105bにおいては、Cマウントの規格で規定されたフランジバック長の条件(17.526mm)を満たしながら、分岐光学系400のガラス厚d1を17.526mmより厚くなるように形成することが可能である。これは、各撮像素子に結像する光の光路長(光学的距離)が、当該光の経路中に配設された光学系(例えば、分岐光学系400)の屈折率と、当該光学系中を導光される当該光の経路の長さと、に依存することに起因する。
このように、分岐光学系400の屈折率をより高めることにより、フランジバック長の条件を満たしながら、当該分岐光学系400のガラス厚をより厚く形成することが可能となる。そのため、実施例1に係る撮像装置105bに依れば、第1の撮像素子231~第4の撮像素子234(ひいては、基板221~224)間における物理的干渉を回避し、かつ各撮像素子の配置に係る自由度をより向上させることが可能となる。
また、前述の通り、実施例1に係る撮像装置105bは、比較的明るいFナンバーを実現している。そのため、実施例1に係る撮像装置105bに依れば、手術用顕微鏡のように比較的Fナンバーの明るい光学系から、内視鏡のように比較的Fナンバーの暗い光学系まで、多様な光学系を幅広く使用することが可能である。
以上、実施例1として、図4及び図5に示す撮像装置105bのより詳細な構成の一例について説明した。
(実施例2)
続いて、実施例2として、本実施形態に係る撮像装置のより詳細の構成の他の一例について説明する。前述したように、分岐光学系400の屈折率をより高めることにより、所定のマウント規格で規定されたフランジバック長の条件を満たしながら、当該分岐光学系400のガラス厚をより厚く形成することが可能である。そこで、実施例2では、分岐光学系400を構成する各プリズム(即ち、第1のプリズム411~第5のプリズム415)を構成する硝材として、実施例1で適用された硝材よりも屈折率の高い硝材を適用した場合の一例について説明する。
例えば、図10及び図11は、本実施形態の実施例2に係る撮像装置の構成の一例について説明するための説明図であり、前述した内視鏡手術システム100のカメラヘッド105として適用可能な撮像装置の他の一例を示している。なお、以降の説明では、実施例2に係る撮像装置を、カメラヘッド105として適用可能な他の撮像装置と明示的に区別するために、「撮像装置105c」と称する場合がある。
実施例2に係る撮像装置105cは、第1のプリズム411~第5のプリズム415を構成する硝材が、前述した実施例1に係る撮像装置105bとは異なる。そのため、実施例2に係る撮像装置105cは、当該硝材の違いにより、第1のプリズム411~第5のプリズム415の寸法が、実施例1に係る撮像装置105bとは異なる。一方で、実施例2に係る撮像装置105cは、その他の構成については、実施例1に係る撮像装置105bと同様である。
そこで、本説明では、実施例2に係る撮像装置105cについて、前述した実施例1に係る撮像装置105bと異なる部分に着目して説明し、当該撮像装置105bと実質的に同様の部分については詳細な説明は省略する。なお、図10及び図11においては、図4及び図5と同様の参照符号が付された構成は、図4及び図5に示す例と実質的に同様の構成を示しているものとする。
実施例2に係る撮像装置105cにおいて、分岐光学系400を構成する第1のプリズム411~第5のプリズム415を構成する硝材としては、屈折率Nd≧1.90の条件を満たす硝材を適用している。具体的な一例として、第1のプリズム411~第5のプリズム415を構成する硝材として、屈折率Nd=1.903658、アッベ数νd=31.3150の条件を満たす硝材を使用する場合について説明する。なお、同条件を満たす硝材としては、例えば、HOYA株式会社製のTAFD25が挙げられる。
また、実施例2に係る撮像装置105cにおいては、各撮像素子に結像する像のサイズ(即ち、像高)、開口マスク250に設けられた開口部の寸法及び形状、並びに、各撮像素子の受光面の中心におけるFナンバーは、図3及び図4を参照して説明した実施例1に係る撮像装置105bと同様である。また、図10及び図11において参照符号θ11、θ13、及びθ15で示された部分の角度は、図4及び図5において同様の参照符号が付された部分の角度と同様である。
以上のような条件に基づき、実施例2に係る撮像装置105cにおいては、分岐光学系400のガラス厚d2=19.847mmとなる。
このように、実施例2に係る撮像装置105cにおいては、分岐光学系400を構成する第1のプリズム411~第5のプリズム415を構成する硝材として、実施例1として説明した例よりも屈折率の高い硝材を適用している。これにより、実施例2に係る撮像装置105cにおいては、実施例1に係る撮像装置105bに比べて、分岐光学系400のガラス厚をより厚く形成することが可能となる。即ち、実施例2に係る撮像装置105cに依れば、実施例1に係る撮像装置105bに比べて、各撮像素子(即ち、第1の撮像素子231~第4の撮像素子234)の配置に係る自由度をさらに向上させることが可能となる。
また、実施例2に係る撮像装置105cに依れば、例えば、光線と、プリズム側面、面取り部、及びプリズム頂点と、の間のクリアランスをより大きく確保することが可能となる。そのため、これらの部位に起因するフレア発生のリスクをより低減することも可能となる。
なお、屈折率のより高い硝材ほど、分散がより大きくなる(即ち、アッベ数がより小さくなる)傾向にある。また、このような硝材は、近紫外領域に吸収をもつ酸化物成分を含有している場合が多く、このような場合には、400nm近傍の短波長領域における透過率がより低くなる傾向にある。特に、プリズム光学系においては、ガラス厚がより厚くなる傾向にあり、本実施例に係る撮像装置105cにおいては、分岐光学系400のガラス圧は19.847mmとなり、透過率低下に伴う影響が顕在化する場合がある。このような状況を鑑みると、特に医療の分野への適用を想定した場合には、分岐光学系400の各プリズム(即ち、第1のプリズム411~第5のプリズム415)を構成する硝材として、前述した屈折率の条件に加えて、アッベ数νd≧30.0の条件を満たす硝材を適用することが、色再現性と、光学系の小型化と、を両立するうえでより望ましいと言える。
以上、実施例2として、図10及び図11を参照して、本実施形態に係る撮像装置のより詳細の構成の他の一例について説明した。
なお、上記実施例1及び2はあくまで一例であり、所定の規格(例えば、Cマウントの規格)で定められた各種条件と、用途に応じた色再現性の条件と、を満たすことが可能であれば、分岐光学系400の各プリズムを構成する硝材は、必ずしも上記に説明した例には限定されない。具体的な一例として、分岐光学系400として適用可能な硝材としては、HOYA株式会社製のTAFD5F、TAFD30、TAFD33、TAFD37、TAFD35、TAFD45等が挙げられる。一方で、分岐光学系400の各プリズムの屈折率Nd及びアッベ数νdそれぞれの上限については、当該各プリズムに適用可能な硝材の選択肢に応じて実質的に決定されることとなる。
また、本実施形態に係る撮像装置を、必ずしも、上記に説明したCマウントの規格に基づく撮像装置として構成する場合のみには限定されず、例えば、他のマウント規格に基づく撮像装置として構成することも可能である。このような場合においても、対応する規格で定められた各種条件(例えば、フランジバック長等)に基づき、上記と同様の設計思想に基づき、本実施形態に係る撮像装置の各部の寸法(特に、分岐光学系400の各部の寸法)や、分岐光学系400の各プリズムを構成する硝材を適宜決定すればよい。
<3.3.撮像装置の変形例>
続いて、図12及び図13を参照して、本実施形態に係る撮像装置の変形例として、可視光波長帯域に属する光を赤色光線、緑色光線、及び青色光線に分離し、分離後の各光線を4つの撮像素子それぞれに結像させる撮像装置の構成の一例について説明する。図12及び図13は、変形例に係る撮像装置の構成の一例について説明するための説明図であり、前述した内視鏡手術システム100のカメラヘッド105として適用可能な撮像装置の他の一例を示している。なお、本説明では、本実施形態に係る撮像装置が、Cマウントの規格に基づく撮像装置として構成されているものとして説明する。また、以降の説明では、図12及び図13に示す撮像装置を、カメラヘッド105として適用可能な他の撮像装置と明示的に区別するために、「撮像装置105d」と称する場合がある。
図12及び図13に示すように、本実施形態に係る撮像装置105dは、マウント台240と、分岐光学系500と、第1の撮像素子235~第4の撮像素子238と、基板225~228とを含む。第1の撮像素子235~第4の撮像素子238は、基板225~228によりそれぞれ保持される。また、撮像装置105dは、開口マスク250を含んでもよく、カバーガラス525~528を含んでもよい。なお、マウント台240及び開口マスク250の構成は、図3及び図4を参照して前述した実施形態に係る撮像装置105bにおけるマウント台240及び開口マスク250と同様である。そこで、以降では、変形例に係る撮像装置105dの構成について、前述した実施形態に係る撮像装置105bと異なる部分に着目して説明し、当該撮像装置105bと実質的に同様の部分については、詳細な説明は省略する。
なお、図12及び図13において、z方向は、撮像装置105dに入射する光(即ち、入射光)の光軸方向に相当し、換言すると、詳細を後述する分岐光学系500の入射面の法線方向に相当する。また、x方向及びy方向は、双方ともに当該z方向に直交する方向であり、x方向とy方向とは互いに直交するものとする。なお、図12及び図13においては、x方向は、撮像装置105dの水平方向に相当し、y方向は、当該撮像装置105dの垂直方向に相当する。また、図12は、撮像装置105dを、入射光の光軸(z軸)を含む水平面(xz平面)で切断した場合における、当該撮像装置105dの構成を模式的に示しており、当該撮像装置105dに入射した光の光路をあわせて提示している。即ち、図12において、図面の横方向、縦方向、及び奥行き方向は、それぞれz方向、x方向、及びy方向に対応している。また、図13は、撮像装置105dを、入射光の光軸(z軸)を含む垂直面(yz平面)で切断した場合における、当該撮像装置105dの構成を模式的に示しており、当該撮像装置105dに入射した光の光路をあわせて提示している。即ち、図13において、図面の横方向、縦方向、及び奥行き方向は、それぞれz方向、y方向、及びx方向に対応している。
図12及び図13に示すように、分岐光学系500は、第1の分岐光学系501と、第2の分岐光学系502と、IRカットフィルタ524とを含む。
第1の分岐光学系501は、第1のプリズム511と第2のプリズム512とが、ダイクロイック膜521を介して互いに接続されたプリズムである。即ち、第1のプリズム511と第2のプリズム512との界面には、ダイクロイック膜521が設けられている。また、マウント台240と、第1のプリズム511の入射面535と、の間にはIRカットフィルタ524が設けられている。なお、図12及び図13では、詳細な図示は省略しているが、IRカットフィルタ524と、第1のプリズム511の入射面535と、の間の界面には、参照符号531として示すようにエアギャップが設けられている。
IRカットフィルタ524は、赤外光をカットするフィルタである。IRカットフィルタ524としては、例えば、図8を参照して前述したIRカットフィルタ426と同様のものを適用することが可能である。即ち、マウント台240の開口部を介して撮像装置105d内に入射した、可視光波長帯域に属する光及び近赤外波長帯域に属する光(即ち、入射光)は、IRカットフィルタ524を透過した後に、入射面534から第1のプリズム511に入射する。このとき、入射光のうち、近赤外波長帯域に属する光はIRカットフィルタ524により遮蔽され、可視光波長帯域に属する光(即ち、可視光線)が入射面535から第1のプリズム511に入射することとなる。
第1のプリズム511は、可視光波長帯域に属する光が入射するとともに、B成分を含む短波長側の波長帯域に属する光が導光される青色光用光路として機能するプリズムである。また、第2のプリズム512は、可視光波長帯域に属する光のうちR成分及びG成分を含む長波側の波長帯域に属する光が導光される赤色光及び緑色光用光路として機能するプリズムである。
入射面535から第1のプリズム511に入射した可視光線は、第1のプリズム511内を直進し、光軸上に斜めに設けられたダイクロイック膜521によって、B成分を含む短波長側の波長帯域に属する光と、R成分及びG成分を含む長波側の波長帯域に属する光と、に分離される。
ここで、反射分離されたB成分を含む短波長側の波長帯域に属する光(即ち、青色光線)は、図12に示すように、入射面535に達する。また、前述したように、入射面535とIRカットフィルタ524との間には、参照符号531で示すようにエアギャップが設けられている。そのため、青色光線は、入射面535で一度だけ全反射して第1のプリズム511の外部へと透過する。これにより、ダイクロイック膜521の成膜面の光軸に対する角度を垂直に近づけることができる。逆に言えば、本実施形態に係るダイクロイック膜521の光軸上への設置角度は、上述した全反射の条件が成立するように設定されている。このようにダイクロイック膜521を配置することで、F値の明るい光線が第1のプリズム511に入射した場合であっても、左光線と右光線との入射角度の違いによるダイクロイック膜521の分光特性の変化を抑制することが可能となり、精度良く波長分離を行うことが可能となる。
第1のプリズム511を透過した青色光線は、第1の撮像素子235へと導光される。第1の撮像素子235は、第1のプリズム511を透過して当該第1の撮像素子235に導光される光(即ち、青色光線)の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。なお、第1のプリズム511と第1の撮像素子235との間には、当該第1の撮像素子235の受光面を保護するカバーガラス525が介在してもよい。カバーガラス525としては、例えば、BK7として一般的に知られている硝材を使用したものが適用される。また、第1の撮像素子235としては、例えば、カラーフィルタが設けられておらず、B成分を含む波長帯域に高い感度を有するものが適用されるとなお良い。
一方、ダイクロイック膜521を透過したR成分及びG成分を含む長波側の波長帯域に属する光は、第2のプリズム512に入射して、当該第2のプリズム512の内部を直進する。第2のプリズム512におけるダイクロイック膜421が設けられている側とは逆側の端面(換言すれば、第2のプリズム512の光軸下流側の出射面)は、光軸に対して垂直となるように設けられている。そのため、第2のプリズム512の内部を導光される当該長波側の波長帯域に属する光は、第2のプリズム512の出射面に対して垂直となる状態を維持したまま、第2のプリズム512の外部に透過する。
第2のプリズム512の出射面には、第2の分岐光学系502が接続されている。なお、図12及び図13では、詳細な図示は省略しているが、第1の分岐光学系501と第2の分岐光学系502との間の界面には、参照符号533として示すようにエアギャップが設けられている。
続いて、主に図13を参照して、第1の分岐光学系501の第2のプリズム512よりも後段に位置する各部の構成について説明する。第1の分岐光学系501の第2のプリズム512から出射したR成分及びG成分を含む長波側の波長帯域に属する光は、第2の分岐光学系502に入射する。
第2の分岐光学系502は、当該第2の分岐光学系502に入射したR成分及びG成分を含む長波側の波長帯域に属する光を、R成分を含む波長帯域に属する光と、G成分を含む波長帯域に属する光とに分離する。具体的には、第2の分岐光学系502は、第3のプリズム513と第4のプリズム514とがダイクロイック膜522を介して互いに接続され、かつ、当該第4のプリズム514と第5のプリズム515とがハーフミラー膜523を介して互いに接続されたプリズムである。即ち、第3のプリズム513と第4のプリズム514との界面に、ダイクロイック膜522が設けられており、当該第4のプリズム514と第5のプリズム515の界面に、ハーフミラー膜523が設けられている。
ダイクロイック膜522は、第2の分岐光学系502に入射した、R成分及びG成分を含む長波側の波長帯域に属する光を含む入射光について、R成分を含む波長帯域に属する光と、G成分を含む波長帯域に属する光と、を分離する光学膜である。具体的には、ダイクロイック膜522は、R成分を含む波長帯域に属する光を反射するとともに、G成分を含の波長帯域に属する光を透過する特性を有する。
また、ハーフミラー膜523は、ダイクロイック膜522を透過したG成分を含む波長帯域に属する光を含む入射光の光路を、2つの光路に分岐させる光学膜である。具体的には、ハーフミラー膜523は、入射光の一部の光を反射するとともに、他の一部の光を透過する特性を有する。
第3のプリズム513は、R成分及びG成分を含む長波側の波長帯域に属する光が入射するとともに、R成分を含む波長帯域に属する光が導光される赤色光用光路として機能するプリズムである。また、第4のプリズム514は、G成分を含む波長帯域に属する光が入射するとともに、当該G成分を含む波長帯域に属する光のうち一部の光が導光される第1の緑色光用光路として機能するプリズムである。また、第5のプリズム515は、G成分を含む波長帯域に属する光のうち他の一部の光が導光される第2の緑色光用光路として機能するプリズムである。
入射面537から第3のプリズム513に入射したR成分及びG成分を含む長波側の波長帯域に属する光は、第3のプリズム513内を直進し、光軸上に斜めに設けられたダイクロイック膜522によって、R成分を含む波長帯域に属する光(即ち、赤色光線)と、G成分を含む波長帯域に属する光(即ち、緑色光線)と、に分離される。
赤色光線は、ダイクロイック膜522によって反射され、第3のプリズム513内を導光される。このとき、ダイクロイック膜522は、分岐光学系500への入射光の光軸(即ち、z軸)を軸として、前述したダイクロイック膜521が青色光線を反射する方向に対して、相対的にねじれた方向に、赤色光線を反射させる。即ち、図12に示すように、ダイクロイック膜521が青色光線をxz平面の面方向に反射させる場合に、ダイクロイック膜522は、当該xz平面に交差する方向に、赤色光線を反射させる。具体的な一例として、図13に示す例では、ダイクロイック膜522は、z方向を含む水平面(即ち、xz平面と法線方向が互いに直交するyz平面)の面方向に、赤色光線を反射させている。換言すると、図13に示す例では、ダイクロイック膜522は、分岐光学系500への入射光の光軸と、ダイクロイック膜521が青色光線を反射させる方向と、のそれぞれに略垂直な方向に、赤色光線を反射させている。
ここで、反射分離された赤色光線は、図13に示すように、入射面537に達する。また、前述したように、入射面537と、第2のプリズム512の出射面と、の間には、参照符号533で示すようにエアギャップが設けられている。そのため、赤色光線は、入射面537で一度だけ全反射して第3のプリズム513の外部へと透過する。これにより、ダイクロイック膜522の成膜面の光軸に対する角度を垂直に近づけることができる。逆に言えば、本実施形態に係るダイクロイック膜522の光軸上への設置角度は、上述した全反射の条件が成立するように設定されている。このようにダイクロイック膜522を配置することで、F値の明るい光線が第3のプリズム513に入射した場合であっても、上光線と下光線との入射角度の違いによるダイクロイック膜522の分光特性の変化を抑制することが可能となり、精度良く波長分離を行うことが可能となる。
第3のプリズム513を透過した赤色光線は、第2の撮像素子236へと導光される。第2の撮像素子236は、第3のプリズム513を透過して当該第2の撮像素子236に導光される光の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。なお、第3のプリズム513と第2の撮像素子236との間には、当該第2の撮像素子236の受光面を保護するカバーガラス526が介在してもよい。カバーガラス526としては、前述したカバーガラス525と同様のものを適用することが可能である。また、第2の撮像素子236としては、例えば、カラーフィルタが設けられておらず、R成分を含む波長帯域に高い感度を有するものが適用されるとなお良い。
一方、ダイクロイック膜522を透過した緑色光線は、第4のプリズム514に入射する。そして、第4のプリズム514に入射した緑色光線は、当該第4のプリズム514を直進し、光軸上に斜めに設けられたハーフミラー膜523によって、一部の光と他の一部の光とに分離される(即ち、入射した緑色光線の光路が2つの光路に分岐される)。
緑色光線のうち一部の光は、ハーフミラー膜523によって反射され、第4のプリズム514内を導光される。このとき、ハーフミラー膜523は、分岐光学系500への入射光の光軸(即ち、z軸)を軸として、前述したダイクロイック膜521が青色光線を反射する方向に対して、相対的にねじれた方向に、緑色光線のうち一部の光を反射させる。即ち、図12に示すように、ダイクロイック膜521が青色光線をxz平面の面方向に反射させる場合に、ハーフミラー膜523は、当該xz平面に交差する方向に、緑色光線のうち一部の光を反射させる。具体的な一例として、図13に示す例では、ハーフミラー膜523は、z方向を含む水平面(即ち、xz平面と法線方向が互いに直交するyz平面)の面方向であり、かつ、ダイクロイック膜522が赤色光線を反射させる方向とは異なる方向に、緑色光線のうち一部の光を反射させている。
反射分離された緑色光線のうち一部の光は、第4のプリズム514内を導光される。また、第4のプリズム514を透過した緑色光線のうち一部の光は、第3の撮像素子237へと導光される。第3の撮像素子237は、第4のプリズム514を透過して当該第3の撮像素子237に導光される光の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。なお、第4のプリズム514と第3の撮像素子237との間には、当該第3の撮像素子237の受光面を保護するカバーガラス527が介在してもよい。カバーガラス527としては、前述したカバーガラス525と同様のものを適用することが可能である。また、第3の撮像素子237としては、例えば、カラーフィルタが設けられておらず、G成分を含む波長帯域に高い感度を有するものが適用されるとなお良い。
また、ハーフミラー膜523を透過した緑色光線のうちの他の一部の光は、第5のプリズム515に入射して、当該第5のプリズム515の内部を直進する。第5のプリズム515におけるハーフミラー膜523が設けられている側とは逆側の端面(換言すれば、第5のプリズム515の光軸下流側の出射面)は、光軸に対して垂直となるように設けられている。そのため、第5のプリズム515内を導光された緑色光線のうちの他の一部の光は、第5のプリズム515の出射面に対して垂直となる状態を維持したまま、第5のプリズム515の外部に透過する。そして、第5のプリズム515を透過した緑色光線うちの他の一部の光は、第4の撮像素子238へと導光される。第4の撮像素子238は、第5のプリズム515を透過して当該第4の撮像素子238に導光される光の光軸に対して、受光面が垂直になるように配設されている。なお、第5のプリズム515と第4の撮像素子238との間には、当該第4の撮像素子238の受光面を保護するカバーガラス528が介在してもよい。カバーガラス528としては、前述したカバーガラス525と同様のものを適用することが可能である。また、第4の撮像素子238としては、例えば、カラーフィルタが設けられておらず、G成分を含む波長帯域に高い感度を有するものが適用されるとなお良い。
このように、変形例に係る撮像装置105dにおいては、入射光に含まれる可視光線を、赤色光線、緑色光線、及び青色光線に分離し、それぞれを互いに異なる撮像素子に結像させる。また、このとき撮像装置105dは、入射光から分離された緑色光線のうち一部の光を分離し、分離された当該一部の光と他の一部の光とを互いに異なる撮像素子に結像させる。そして、変形例に係る撮像装置105dは、各撮像素子に結像される光(即ち、赤色光線、緑色光線、及び青色光線)それぞれに基づく画像を個別に撮像する。このような構成により、変形例に係る撮像装置105dは、各撮像素子にカラーフィルタを設ける必要がなく光の利用効率が向上するため、色分解光学系を利用しない撮像装置に比べて、色再現性や解像度をより向上させた画像を撮像することが可能である。
また、変形例に係る撮像装置105dは、入射光が分離された各光が結像する各撮像素子のうち、一部の撮像素子が、光軸を基準として他の撮像素子に対して相対的に、画素が配列された水平方向及び垂直方向の双方に1/2画素分ずれた位置に配設されるように構成されてもよい。例えば、図14は、変形例に係る撮像装置105dの一態様について説明するための説明図であり、第3の撮像素子237と第4の撮像素子238との間の相対的な位置関係の一例について示している。
図14において、参照符号2371は、第3の撮像素子237の一画素を示している。また、参照符号2381は、第4の撮像素子238の一画素を示している。また、参照符号L11は、第3の撮像素子237の画素2371の水平方向の幅を示しており、参照符号L21は、当該画素2371の垂直方向の幅を示している。また、幅L13は、幅L11の1/2に相当し、即ち、画素2371の水平方向における1/2画素分の距離に相当する。同様に、幅L23は、幅L21の1/2に相当し、即ち、画素2371の垂直方向における1/2画素分の距離に相当する。また、画素2371と画素2381とは、垂直方向及び水平方向のサイズが同様であるものとする。
図14に示すように、第4の撮像素子238は、第3の撮像素子237及び第4の撮像素子238に結像する光の光軸を基準として、第3の撮像素子237に対して相対的に、画素2381が配列された水平方向及び垂直方向の双方に1/2画素分ずれた位置に配設される。即ち、第4の撮像素子238の各画素2381は、第3の撮像素子237の各画素2371が配設された水平方向及び垂直方向の双方において、相対的に、当該第3の撮像素子の各画素2371が配設された位置の間に位置することとなる。このような構成に基づき、例えば、第3の撮像素子237及び第4の撮像素子238それぞれに結像する光の光軸が略一致するように、当該第3の撮像素子237及び第4の撮像素子238それぞれによる撮像結果を合成することで、撮像画像が生成されてもよい。以上のような構成により、一方の撮像素子による撮像結果が、他方の撮像素子における画素間の情報を補間することが可能となるため、1つの撮像素子による撮像結果に基づく撮像画像に比べて、生成される撮像画像の解像度をより向上させることが可能となる。
一般的に、人間の眼は、R成分、G成分、及びB成分のうち、G成分に属する光の解像感を強く感じる傾向にあることがわかっている。そのため、例えば、図14を参照して説明した構成に基づき、緑色光線の結像結果に基づく画像の解像度をより向上させることで、第1の撮像素子235~第4の撮像素子238それぞれの撮像結果に基づく可視光画像として、より解像感の高い画像をユーザに提示することが可能となる。
以上、図12及び図13を参照して、本実施形態に係る撮像装置の変形例として、可視光波長帯域に属する光を赤色光線、緑色光線、及び青色光線に分離し、分離後の各光線を4つの撮像素子それぞれに結像させる撮像装置の構成の一例について説明した。
(実施例3)
続いて、実施例3として、図12及び図13を参照して説明した撮像装置105dのより詳細な構成の一例について説明する。なお、本実施例では、変形例に係る撮像装置105dを、Cマウントの規格に基づく撮像装置として構成する場合の一例について説明する。即ち、実施例3では、Cマウントの規格で規定するフランジバック長の条件(17.526mm)を満たすために、少なくとも分岐光学系500の入射面から、分岐光学系500の後段に位置する撮像素子までの間の光学的距離が17.526mm以下となる、撮像装置105bの構成の一例について説明する。
分岐光学系500を構成する第1のプリズム511~第5のプリズム515を構成する硝材としては、屈折率Nd=1.834805、アッベ数νd=42.7218の条件を満たす硝材を使用するものとする。なお、同条件を満たす硝材としては、例えば、HOYA株式会社製のTAFD5Fが挙げられる。
また、カバーガラス525~528としては、例えば、硝材としてBK7を利用した、厚さ1.2mmのものを使用している。また、IRカットフィルタ524は、光軸方向の厚さが1.09mmとなっている。
なお、実施例3に係る撮像装置105dにおいては、各撮像素子に結像する像のサイズ(即ち、像高)、開口マスク250に設けられた開口部の寸法及び形状、並びに、各撮像素子の受光面の中心におけるFナンバーは、図3及び図4を参照して説明した実施例1に係る撮像装置105bと同様である。また、図12及び図13において参照符号θ11、θ13、及びθ15で示された部分の角度は、図4及び図5において同様の参照符号が付された部分の角度と同様である。
以上のような条件に基づき、実施例3に係る撮像装置105dにおいては、分岐光学系500のガラス厚d3=18.060mmとなる。このように、実施例3に係る撮像装置105dにおいても、フランジバック長の条件を満たしながら、分岐光学系500のガラス厚をより厚く形成することが可能となる。そのため、実施例3に係る撮像装置105dに依れば、第1の撮像素子235~第4の撮像素子238(ひいては、基板225~228)間における物理的干渉を回避し、かつ各撮像素子の配置に係る自由度をより向上させることが可能となる。
また、実施例3に係る撮像装置105dは、比較的明るいFナンバーを実現している。そのため、実施例3に係る撮像装置105dに依れば、手術用顕微鏡のように比較的Fナンバーの明るい光学系から、内視鏡のように比較的Fナンバーの暗い光学系まで、多様な光学系を幅広く使用することが可能である。
なお、上記実施例3はあくまで一例であり、所定の規格(例えば、Cマウントの規格)で定められた各種条件と、用途に応じた色再現性の条件と、を満たすことが可能であれば、分岐光学系500の各プリズムを構成する硝材は、必ずしも上記に説明した例には限定されない。具体的な一例として、分岐光学系500として適用可能な硝材としては、HOYA株式会社製のTAFD5F、TAFD30、TAFD33、TAFD37、TAFD35、TAFD45等が挙げられる。一方で、分岐光学系500の各プリズムの屈折率Nd及びアッベ数νdそれぞれの上限については、当該各プリズムに適用可能な硝材に応じて実質的に決定されることとなる。
以上、実施例3として、図12及び図13に示す撮像装置105dのより詳細な構成の一例について説明した。
<<4.ハードウェア構成の一例>>
続いて、図15を参照しながら、前述した内視鏡撮像システム(即ち、内視鏡手術システム)におけるCCUのように、各種処理を実行する所謂情報処理装置のハードウェア構成の一例について、詳細に説明する。図15は、本開示の一実施形態に係る内視鏡撮像システムを構成する情報処理装置のハードウェア構成の一構成例を示す機能ブロック図である。
本実施形態に係る内視鏡撮像システムを構成する情報処理装置900は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、情報処理装置900は、更に、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インターフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919又はリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般又はその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。また、外部バス911には、インターフェース913を介して、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923及び通信装置925が接続される。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバー及びペダル等、ユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置900のユーザは、この入力装置915を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプ等の表示装置や、スピーカ及びヘッドホン等の音声出力装置や、プリンタ装置等がある。出力装置917は、例えば、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を、テキスト又はイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ等を格納する。
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD-DVDメディア又はBlu-ray(登録商標)メディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF:CompactFlash)、フラッシュメモリ又はSDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)又は電子機器等であってもよい。
接続ポート923は、情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、情報処理装置900は、外部接続機器929から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器929に各種のデータを提供したりする。
通信装置925は、例えば、通信網(ネットワーク)931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線若しくは無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ又は各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線又は無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信網、ラジオ波通信網又は衛星通信網等であってもよい。
以上、本開示の実施形態に係る内視鏡撮像システムを構成する情報処理装置900の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。なお、図15では図示しないが、内視鏡撮像システムを構成する情報処理装置900に対応する各種の構成を当然備える。
なお、上述のような本実施形態に係る内視鏡撮像システムを構成する情報処理装置900の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。また、当該コンピュータプログラムを実行させるコンピュータの数は特に限定されない。例えば、当該コンピュータプログラムを、複数のコンピュータ(例えば、複数のサーバ等)が互いに連携して実行してもよい。
<<5.応用例>>
続いて、本開示の一実施形態に係る撮像システムの応用例として、図16を参照して、当該撮像システムを、顕微鏡ユニットを備えた顕微鏡撮像システムとして構成した場合の一例について説明する。
図16は、本開示の一実施形態に係る撮像システムの応用例について説明するための説明図であり、顕微鏡撮像システムの概略的な構成の一例について示している。具体的には、図16には、本開示の一実施形態に係る顕微鏡撮像システムが用いられる場合の一適用例として、アームを備えた手術用ビデオ顕微鏡装置が用いられる場合の一例について示されている。
例えば、図16は、手術用ビデオ顕微鏡装置を用いた施術の様子を模式的に表している。具体的には、図16を参照すると、施術者(ユーザ)820である医師が、例えばメス、鑷子、鉗子等の手術用の器具821を使用して、施術台830上の施術対象(患者)840に対して手術を行っている様子が図示されている。なお、以下の説明においては、施術とは、手術や検査等、ユーザ820である医師が施術対象840である患者に対して行う各種の医療的な処置の総称であるものとする。また、図16に示す例では、施術の一例として手術の様子を図示しているが、手術用ビデオ顕微鏡装置810が用いられる施術は手術に限定されず、他の各種の施術であってもよい。
施術台830の脇には手術用ビデオ顕微鏡装置810が設けられる。手術用ビデオ顕微鏡装置810は、基台であるベース部811と、ベース部811から延伸するアーム部812と、アーム部812の先端に先端ユニットとして接続される撮像ユニット815とを備える。アーム部812は、複数の関節部813a、813b、813cと、関節部813a、813bによって連結される複数のリンク814a、814bと、アーム部812の先端に設けられる撮像ユニット815を有する。図16に示す例では、簡単のため、アーム部812は3つの関節部813a~813c及び2つのリンク814a、814bを有しているが、実際には、アーム部812及び撮像ユニット815の位置及び姿勢の自由度を考慮して、所望の自由度を実現するように関節部813a~813c及びリンク814a、814bの数や形状、関節部813a~813cの駆動軸の方向等が適宜設定されてもよい。
関節部813a~813cは、リンク814a、814bを互いに回動可能に連結する機能を有し、関節部813a~813cの回転が駆動されることにより、アーム部812の駆動が制御される。ここで、以下の説明においては、手術用ビデオ顕微鏡装置810の各構成部材の位置とは、駆動制御のために規定している空間における位置(座標)を意味し、各構成部材の姿勢とは、駆動制御のために規定している空間における任意の軸に対する向き(角度)を意味する。また、以下の説明では、アーム部812の駆動(又は駆動制御)とは、関節部813a~813cの駆動(又は駆動制御)、及び、関節部813a~813cの駆動(又は駆動制御)を行うことによりアーム部812の各構成部材の位置及び姿勢が変化される(変化が制御される)ことをいう。
アーム部812の先端には、先端ユニットとして撮像ユニット815が接続されている。撮像ユニット815は、撮像対象物の画像を取得するユニットであり、例えば動画や静止画を撮像できるカメラ等である。図16に示すように、アーム部812の先端に設けられた撮像ユニット815が施術対象840の施術部位の様子を撮像するように、手術用ビデオ顕微鏡装置810によってアーム部812及び撮像ユニット815の姿勢や位置が制御される。なお、アーム部812の先端に先端ユニットとして接続される撮像ユニット815の構成は特に限定されず、例えば、撮像ユニット815は、撮像対象物の拡大像を取得する顕微鏡として構成されている。また、撮像ユニット815は、当該アーム部812に対して着脱可能に構成されていてもよい。このような構成により、例えば、利用用途に応じた撮像ユニット815が、アーム部812の先端に先端ユニットとして適宜接続されてもよい。なお、当該撮像ユニット815として、例えば、前述した実施形態に係る分岐光学系が適用された撮像装置を適用することが可能である。また本説明では、先端ユニットとして撮像ユニット815が適用されている場合に着目して説明したが、アーム部812の先端に接続される先端ユニットは、必ずしも撮像ユニット815に限定されない。
また、ユーザ820と対向する位置には、モニタやディスプレイ等の表示装置850が設置される。撮像ユニット815によって撮像された施術部位の画像は、表示装置850の表示画面に電子画像として表示される。ユーザ820は、表示装置850の表示画面に表示される施術部位の電子画像を見ながら各種の処置を行う。
以上のような構成により、手術用ビデオ顕微鏡装置810によって施術部位の撮像を行いながら手術を行うことが可能となる。
<<6.むすび>>
以上説明したように、本実施形態に係る撮像装置に適用される分岐光学系は、第1の分岐光学系と第2の分岐光学系とを含む。第1の分岐光学系は、入射光から所定の波長帯域に属する第1の光を、当該入射光が入射する入射面の法線方向に対応する光軸を含む平面の面方向である第1の方向に分離する。また、第2の分岐光学系は、第1の分岐光学系の後段に設けられ、入射光から上記第1の光が分離された第2の光から、当該第2の光の一部である第3の光を、上記平面と交わる第2の方向に分離する。
以上のような構成により、本実施形態に係る撮像装置は、上記分岐光学系により分離された各光が結像する複数の撮像素子(ひいては、複数の撮像素子それぞれを支持する各基板)を、限られた空間に効率よく配設することが可能となる。そのため、例えば、本実施形態に係る撮像装置に依れば、複数の撮像素子間における物理的干渉(ひいては、各撮像素子を支持する基板間における物理的干渉)を回避することが可能となる。
また、本実施形態に係る撮像装置を、医療の分野での利用を想定し、Cマウントの規格に基づく撮像装置として構成する場合には、上記分岐光学系を構成する第1の分岐光学系及び第2の分岐光学系が、屈折率Nd≧1.80の条件を満たすとよい。また、この場合においては、当該第1の分岐光学系及び第2の分岐光学系が、屈折率Nd≧1.90、かつアッベ数νd≧30の条件を満たすとなお良い。このような構成とすることで、医療の分野において求められる色再現性の条件を満たし、かつ、Cマウントの規格で規定した各種条件を満たすように光学系を小型化することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
入射光から所定の波長帯域に属する第1の光を、前記入射光が入射する入射面の法線方向に対応する光軸を含む平面の面方向である第1の方向に分離する第1の分岐光学系と、
前記第1の分岐光学系の後段に設けられ、前記入射光から前記第1の光が分離された第2の光から、当該第2の光の一部である第3の光を、前記平面と交わる第2の方向に分離する第2の分岐光学系と、
を備える、分岐光学系。
(2)
前記第2の分岐光学系は、前記第2の光から前記第3の光が分離された第4の光から、当該第4の光の一部である第5の光を、前記平面と交わり、かつ前記第2の方向とは異なる第3の方向に分離する、前記(1)に記載の分岐光学系。
(3)
前記第2の方向と前記第3の方向とは、前記平面である第1の平面とは法線方向が異なる第2の平面の面方向である、前記(2)に記載の分岐光学系。
(4)
前記第2の方向は、前記光軸と前記第1の方向とのそれぞれに対して略垂直な方向である、前記(1)~(3)のいずれか一項に記載の分岐光学系。
(5)
前記第2の光が出射する前記第1の分岐光学系の出射面と、前記第2の分岐光学系の入射面と、の間にエアギャップが設けられた、前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の分岐光学系。
(6)
前記第3の光は、前記第2の光から分離された後に、前記第2の分岐光学系の入射面で反射されて、当該前記第2の分岐光学系の外部に出射する、前記(5)に記載の分岐光学系。
(7)
前記第1の分岐光学系と前記第2の分岐光学系との間に介在するように配設され、前記所定の波長帯域に属する光を阻止する第1のフィルタを備える、前記(1)~(6)のいずれか一項に記載の分岐光学系。
(8)
前記第1の分岐光学系の前段に配設され、第1の波長帯域に属する光を阻止する第2のフィルタを備え、
前記第1の光は、前記第2のフィルタを透過した光のうち、前記第1の波長帯域とは異なる第2の波長帯域に属する光である、
前記(1)~(6)のいずれか一項に記載の分岐光学系。
(9)
前記第1の分岐光学系は、前記入射光から前記第1の光を分離するダイクロイック膜を有する、前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の分岐光学系。
(10)
前記第2の分岐光学系は、前記第2の光のうち少なくとも一部から、前記所定の波長帯域とは異なる他の波長帯域に属する光を分離するダイクロイック膜を有する、前記(1)~(9)のいずれか一項に記載の分岐光学系。
(11)
前記第2の分岐光学系は、前記第2の光のうち少なくとも一部の光路を複数の光路に分岐させるハーフミラーを有する、前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の分岐光学系。
(12)
前記第1の分岐光学系及び前記第2の分岐光学系は、屈折率Nd≧1.80の条件を満たす、前記(1)~(11)のいずれか一項に記載の分岐光学系。
(13)
前記第1の分岐光学系及び前記第2の分岐光学系は、屈折率Nd≧1.90、かつアッベ数νd≧30.0の条件を満たす、前記(12)に記載の分岐光学系。
(14)
入射光から所定の波長帯域に属する第1の光を、前記入射光が入射する入射面の法線方向に対応する光軸を含む平面の面方向である第1の方向に分離する第1の分岐光学系と、
前記第1の分岐光学系の後段に設けられ、前記入射光から前記第1の光が分離された第2の光から、当該第2の光の一部である第3の光を、前記平面と交わる第2の方向に分離する第2の分岐光学系と、
前記第1の分岐光学系の後段に設けられ、前記第1の光が結像する第1の撮像素子と、
前記第2の分岐光学系の後段に設けられ、前記第3の光のうち少なくとも一部が結像する第2の撮像素子と、
前記第2の分岐光学系の後段に設けられ、前記第2の光から前記第3の光が分離された第4の光のうち少なくとも一部が結像する第3の撮像素子と、
を備える、撮像装置。
(15)
前記第2の分岐光学系により分離された複数の光それぞれが結像する複数の撮像素子のうちの一部の撮像素子は、光軸を基準として、当該複数の撮像素子のうちの他の撮像素子に対して相対的に、画素が配列された水平方向及び垂直方向の双方に1/2画素分ずれた位置に配設される、前記(14)に記載の撮像装置。
(16)
前記第1の分岐光学系の入射面と、前記第1の撮像素子~前記第3の撮像素子の少なくともいずれかと、の間の光学的距離が、所定のマウント規格で定められたフランジバック長の条件を満たす、前記(14)または(15)に記載の撮像装置。
(17)
前記所定のマウント規格はCマウントであり、
前記光学的距離は、17.526mm以下である、
前記(16)に記載の撮像装置。
(18)
光学系ユニットと、
前記光学系ユニットにより取得された像を撮像する撮像装置と、
を備え、
前記撮像装置は、
入射光から所定の波長帯域に属する第1の光を、前記入射光が入射する入射面の法線方向に対応する光軸を含む平面の面方向である第1の方向に分離する第1の分岐光学系と、
前記第1の分岐光学系の後段に設けられ、前記入射光から前記第1の光が分離された第2の光から、当該第2の光の一部である第3の光を、前記平面と交わる第2の方向に分離する第2の分岐光学系と、
前記第1の分岐光学系の後段に設けられ、前記第1の光が結像する第1の撮像素子と、
前記第2の分岐光学系の後段に設けられ、前記第3の光のうち少なくとも一部が結像する第2の撮像素子と、
前記第2の分岐光学系の後段に設けられ、前記第2の光から前記第3の光が分離された第4の光のうち少なくとも一部が結像する第3の撮像素子と、
を有する、
撮像システム。
(19)
前記光学系ユニットとして、被検体の体腔内に挿入される鏡筒を含む内視鏡部を備える、前記(18)に記載の撮像システム。
(20)
前記光学系ユニットとして、撮像対象物の拡大像を取得する顕微鏡部を備える、前記(18)に記載の撮像システム。