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JP6992772B2 - フロンガスの分解方法及びその装置並びに水素の製造方法、フッ化カルシウムの製造方法及び燃料電池 - Google Patents

フロンガスの分解方法及びその装置並びに水素の製造方法、フッ化カルシウムの製造方法及び燃料電池 Download PDF

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Description

特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日 平成30年 6月11日 ウェブサイトのアドレス http://www.isiem2018.org/sites/default/files/ORAL_PRESENTATIONS.pdf 公開者 前田 定範,前 尚樹,金澤 正澄,細川 令慈,柳澤 和道,河野 敏夫,矢野 雄也 公開された発明の内容 前田 定範,前 尚樹,金澤 正澄,細川 令慈,柳澤 和道,河野 敏夫,矢野 雄也が、上記アドレスのウェブサイトで公開されたInternational Symposium on Inorganic and Environmental Materials 2018(ISIEM 2018)(無機および環境材料に関する国際シンポジウム2018)の講演予稿集にて、前田 定範,前 尚樹,金澤 正澄,細川 令慈,柳澤 和道,河野 敏夫,矢野 雄也が発明した生石灰との反応によるハイドロフルオロカーボン(HFCs)を分解し、主要な反応生成物としてフッ化カルシウムを生成する研究について公開した。 〔刊行物等〕 開催日 平成30年 6月18日 集会名、開催場所 International Symposium on Inorganic and Environmental Materials 2018(ISIEM 2018) [無機および環境材料に関する国際シンポジウム2018] Ghent University(Sint-Pietersnieuwstraat 25 B-9000 Ghent Belgium) [ゲント大学(シント-ピーテルスニウストリート25 B-9000 ゲント ベルギー)] 公開者 柳澤 和道 公開された発明の内容 柳澤 和道が、International Symposium on Inorganic and Environmental Materials 2018(ISIEM 2018)(無機および環境材料に関する国際シンポジウム2018)にて、前田 定範,前 尚樹,金澤 正澄,細川 令慈,柳澤 和道,河野 敏夫,矢野 雄也が発明した生石灰との反応によるハイドロフルオロカーボン(HFCs)を分解し、主要な反応生成物としてフッ化カルシウムを生成する研究について公開した。
本発明は、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを分解して無害化するとともに、分解ガスとして有用資源である水素を高い歩留まりで生成して、燃料電池の燃料として使用し、更には反応残渣として有用資源であるフッ化カルシウムを高純度の固形物として得るための、フロンガスの分解方法及びその装置並びに水素の製造方法、フッ化カルシウムの製造方法及びフロンガスから生成した水素を燃料とする燃料電池に関する。
従来から、電子部品の洗浄、空調設備や冷凍・冷蔵庫などの冷媒、スプレー剤等として多用されていたフロンガスのCFC(クロロフルオロカーボン),HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン),HFC(ハイドロフルオロカーボン),PFC(パーフルオロカーボン)等は、オゾン層破壊や地球温暖化等の環境汚染の原因となるため、適切に回収・破壊することが社会的要請となり、そのためのフロン回収・破壊法が制定されて既に15年以上が経過している。また、2015年にはフロン回収・破壊法がフロン排出抑制法に改正され、よりフロンガスの排出規制が強化されるとともに、フロンガスの再資源化という新たな視点が導入されている。即ち、資源の枯渇化に伴い、フロンガスについても単に回収・破壊するだけに止まらず、再資源化を図ることが期待されており、既に回収したフロンガスの一部は再生原料として取り扱われるようになってきている。
フロンガスの回収・破壊が喫緊の社会的要請であったフロン回収・破壊法制定当時から現在に至るまで、本発明者は特許文献1に示すフロンガスと溶媒としての水を混合したものを加熱して過熱蒸気とし、該過熱蒸気を所定の温度に加熱した常圧の反応装置内を所定の反応時間保持して通過させることにより、或いは特許文献2に示すように反応装置内に反応助剤として鉄,炭素,炭素鋼から選択された1種又は複数の物質を配置することにより、フロンガスを分解処理する手段等の過熱蒸気を使用した環境汚染ガスの種々の分解手段(以下、「過熱蒸気発明」という)を提供している。
また、本発明者は過熱蒸気発明を改良・発展させる研究開発の過程の中で、研究視点を変化させて、特許文献3に示す過熱蒸気の存在下において酸化カルシウム(CaO)によってフロンガスを分解する分解手段(以下、「文献3発明」という)等の過熱蒸気に関連した種々の発明も提供している。
特許第3219689号公報 特許第3219706号公報 特許第3730794号公報
過熱蒸気発明は、提供当時において分解が困難であったフロンガスを常圧で100%分解することができる画期的な発明であり、過熱蒸気発明を実施するためのフロン分解装置は全国に広く普及し、フロン分解手段としての地位を確立し、フロン分解に多大な貢献を果たしてきた。
しかしながら、環境負荷軽減が求められ、フロン分解の技術分野が成熟し、前記したようにフロン処理に関する基準が進化した現在では、フロンガスの分解技術にもフロンガスの分解に加味して、従来と異なる視点から解決すべき新たな課題が提起されている。具体的には、「環境負荷軽減に資すること」,「より地球環境に優しい技術であること」,「再利用可能な有用資源を回収すること」,「ゼロエミッションに近づけること」,「反応残渣の処理の容易化」,「分解の効率化」,「分解装置の長寿命化」,「低コスト化(初期投資やランニングコスト等の低減)」等々である。フロン分解装置もこれらの社会的要請や時代的要請に適合するように進歩することが避けて通れない喫緊の課題となっている。
過熱蒸気発明は、当然ながら過熱蒸気を得るための設備とエネルギーを必要とする。特許文献1,2に示す過熱蒸気発明では反応温度を650℃以上とする旨が示されているが、フロン分解事業を行う実際の産業機器としては、フロンの種類によって反応速度が異なることを考慮し、フロンの種類にかかわらず安定的に連鎖反応を継続させるため、即ち、産業機器としてのフロンガス分解の実効性を担保するために、反応温度を800℃~1000℃に保持して実施している。
そのため、フロンガス分解の技術分野が成熟し、産業機器としての経済性の追求や低コスト化、地球環境への配慮を避けて通れない昨今では、過熱蒸気発明によるフロンガス分解手段は次のような種々の問題を抱えている。そして、下記に示す過熱蒸気発明が抱える問題点は、地球環境に負荷を与える原因ともなっている。
[過熱蒸気を得るためのエネルギーコストが高いこと]
過熱蒸気発明は常時、反応装置内を800℃以上の過熱蒸気の雰囲気に保持する必要があるため、過熱蒸気を造り出すための設備や過熱蒸気を得るためのエネルギーコストを必要とし、しかもそのコストが高いため、フロン分解装置としての低コスト化や経済性追求の障害となっている。
[反応温度を維持するためのコスト負担が大きいこと]
過熱蒸気発明では、フロンガスを分解するための反応温度を800℃~1000℃に設定して実施しているため、分解反応が発熱反応であるとはいえ、反応器内を前記温度に維持するための電力消費量が大きく、そのコスト負担を必要とするため、フロン分解装置としての低コスト化や経済性の追求、更には環境負荷の軽減に資するという社会的要請に対応することが困難となっている。
[分解装置の耐久性が低く、寿命が短く、又分解反応によって強酸の分解ガスを生成すること]
過熱蒸気発明では、過熱蒸気によってフロンガスが分解されることによって、反応器内でフッ酸や塩酸といった強酸の分解ガスが生成される。これらの強酸によって反応器や強酸を中和槽に移送するための管路の腐食が激しいため、分解反応を正常に維持するために、これらの部材を消耗品として一定時間毎に交換することを余儀なくされている。とりわけ、反応器はインコネルやハステロイ等の高価な超合金を使用しているものの、数ヶ月単位で腐食が進み交換を余儀なくされている。
また、分解反応によって生成される強酸の分解ガスが、反応管路から系外へ漏れるようなことがあれば事故につながるため、反応管路を密閉管路とする他、安全のため反応管路内を負圧にして運転する必要があり、運転管理が複雑となっている。また、特許文献2に示すように、反応助剤として鉄を使用した場合には塩化鉄やフッ化鉄が固体として析出するため、管路の詰まりが生じる惧れがある。また、反応助剤として炭素や炭素鋼を用いた場合には管路の詰まりは生じないものの、反応容器等に含まれている鉄分が徐々に腐食して耐久性が低下するという難点があり、更に炭素自体が高価であるとともに消費量が多く必要である。よって、これらの点においてもフロン分解装置としての長寿命化,低コスト化や経済性の追求、更には環境負荷の軽減に資するという社会的要請に対応することが困難となっている。
[反応残渣の処理が困難なこと]
過熱蒸気発明では、副生成物の強酸の分解ガスを無害化するため中和処理として、水酸化カルシウムと水との混合水を分解ガスにシャワー状に吹き付けている。そのため、中和処理後の反応残渣は多量の水分を含んでおり、そのままの状態では産業廃棄物として処理することができない。そのため、反応残渣に凝集剤を添加して凝集させ、フィルタープレスで脱水した後、漸く産業廃棄物として処理することが可能な状態となっている。そのため、反応残渣の処理にもコスト負担を必要とするため、フロン分解装置としての低コスト化や経済性の追求という社会的要請に対応することが困難となっている。
一方、過熱蒸気と酸化カルシウムの相互作用によって、フロンガス等を分解する文献3発明は、過熱蒸気発明における反応温度を減じることを主たる目的としており、過熱蒸気発明より遙かに低い400℃の反応温度でフロンガスを分解できたことが示されている。
しかしながら、文献3発明も過熱蒸気を使用することに変わりなく、前記した過熱蒸気発明の問題点は、専ら過熱蒸気の存在に起因するため、過熱蒸気が存在し、フロンガスの分解に関与している以上、文献3発明も前記した[過熱蒸気を得るためのエネルギーコストが高いこと],[反応温度を維持するためのコスト負担が大きいこと],[分解装置の耐久性が低く、寿命が短く、又分解反応によって強酸の分解ガスを生成すること],[反応残渣の処理が困難なこと]の前記した過熱蒸気発明の問題点をそのまま残している。また、文献3発明においても、生成後に酸化カルシウムによって中和されるもののフロンガスの分解過程において過熱蒸気が介在することに起因して強酸が生成される。更に、文献3発明の分解ガスを冷却することによって過熱蒸気が水に液化され、微量の残留酸性物質が水に溶け出すこととなるので、これを中和する必要がある。加えて、分解ガスの内、メタン(CH),水素(H),一酸化炭素(CO)等の可燃ガスを燃焼処理してから排出する必要がある。
文献3発明も、これらの過熱蒸気の存在に起因する問題点を有するとともに、近時の「より地球環境に優しい技術であること」,「再利用可能な有用資源を回収すること」や「ゼロエミッションに近づけること」等々の新たに提起された社会的要請や時代的要請を満足させることができないことは過熱蒸気発明と同様である。
そこで、本発明は過熱蒸気の存在に起因する過熱蒸気発明や文献3発明の問題点を解決するとともに、現代のフロンガス分解に求められている新たな課題を解決するために、フロンガス等を無害化するための新たな分解技術を提供するとともに、該分解技術に基づいてフロンガス等から有用資源を生成し、その利用を図ることを目的としている。
前記した文献3発明は産業機器として実施化されていないものの、フロンガスを分解する反応剤として、過熱蒸気の存在下における酸化カルシウムの存在を示している。そこで、本発明者は、前記課題を解決するために、根本的な発想の転換を行い、必須の構成であった過熱蒸気を離れて、酸化カルシウムのみによるフロンガスの分解について鋭意研究を行った。
先ず、文献3発明に開示されている反応温度400℃において、過熱蒸気を介在させることなく、即ち、溶媒としての水や水蒸気を反応器に供給することなく、フロンガスを酸化カルシウムと直接接触させることによって、フロンガスの分解がどの程度可能かを図5に示す本発明において使用する反応器を用いて試みた。
図5において、30は直径125mm,高さ200mmの反応器であって、耐火材としての炭化ケイ素35(SiC)の砕石を敷き、その上に反応剤として酸化カルシウム25(CaO):0.85kgを、反応器30の上方に付設した酸化カルシウム投入口32から投入して充填した。そして、加熱ヒータ34で反応器30を加熱して内部を400℃に保持し、ガスボンベ2に充填した分解対象のフロンガス1であるHFCのフロンR32(CH)を圧力調整弁37とガス流量計38を介して、ガス供給口31から0.3kg/hで供給した。そして、反応器30内で酸化カルシウム25と直接接触することにより分解されて、ガス排出口33から排出された分解ガス5をサンプリングポイント3でサンプリングして、ガスクロマトグラフで分析した。その結果、フロンR32の投入開始後20分までは分解率85%程度を維持していたが、分解率99.9%に到達することはなく、時間の経過とともに分解率が低下していった。その後、時間の経過によって分解率がほぼゼロになったところでフロンR32の供給を停止した。フロンR32の供給量は酸化カルシウム25の0.85kgに対して0.41当量に当る0.33kgであった。高い分解率を示している時間帯におけるフロンR32の分解率及び分解ガス5の成分等の実験結果を比較例1として表1に示す。
Figure 0006992772000001
表1に示すように、比較例1の過熱蒸気が介在しない酸化カルシウムとフロンR32との直接接触反応では、文献3発明が開示する反応温度400℃では、フロンR32の分解率は最高で84.9%に止まり、フロン排出抑制法に規定する分解率99.9%以上に遠く及ばなかった。また、分解ガス5としてエチレン等の炭化水素系ガスも5.8%と相当量残留しているため、フロンガスの分解技術として採用することができない。
そこで、本発明者は文献3発明と比較例1の実験結果に基づき、フロンガスの分解における酸化カルシウムと過熱蒸気との技術的な因果関係について研究を進めた結果、次のような推論を得た。
推論1:反応剤としての酸化カルシウムは熱伝導はよいものの、多孔質のため熱伝導経路が長くなり、中心部まで温度が伝わるまでには一定の時間が必要となると思われること。
推論2:文献3発明から、酸化カルシウムによってフロンガスの分解反応が連鎖的に起こり始める温度が400℃と仮定すると、酸化カルシウムの加熱源に近い部分(外表面)では分解反応は始まるものの、加熱源から遠い多孔質の内部までは分解反応が進みにくく、そのため比較例1では分解率が最高で84.9%に留まったものと考えられること。
推論3:文献3発明において、99.9%以上の分解率を達成できたのは、反応温度が400℃であっても過熱蒸気が介在することによって、酸化カルシウムの多孔質の内部にまで過熱蒸気が浸潤し、熱媒体として作用することによって、酸化カルシウムの内部温度を400℃に加熱することが可能となり、連鎖的な分解反応の継続に必要な温度が維持されるためと考えられること。
推論4:文献3発明に示す400℃の過熱蒸気であってもフロンガスの分解作用を果たすものの、その分解率は極めて低く、分解効率も悪いが、酸化カルシウムとフロンガスの直接接触反応が発熱反応であるため、分解反応の進行によって酸化カルシウムの温度が局部的に上がり、この部分に接触している過熱蒸気の温度も400℃を超えて上昇するため、文献3発明においてフロンガスを分解し、酸性ガスを生成していると考えられること。
文献3発明では、生成された酸性ガスが反応器内で酸化カルシウムと接触することによって直ちに中和されることが開示されるとともに、中和されることなく、反応器から放出される酸性ガスを中和するための手段が必要であることも開示されている。この中和されることなく反応器から放出されるガスについては、次のように推論した。
推論5:酸性ガスが反応器の出口近辺で生成された場合は、既に酸化カルシウムと接触する機会がないこともあり、その場合は酸性ガスが中和されることなく反応器から外部に放出されると考えられること。
これらの推論1~5に基づき、本発明者は文献3発明において過熱蒸気が果たしている熱媒体としての作用を他の手段で代替すれば、過熱蒸気を使用することなく、酸化カルシウムによってフロンガスをフロン排出抑制法に規定する分解率99.9%以上まで分解できるのではないかとの仮説を立てた。この仮説に基づき、過熱蒸気発明における反応温度を減じるという文献3発明の目的を離れ、比較例1と同様に図5に示すフロン分解装置の反応器を使用して比較例1と同様に溶媒としての水や水蒸気を反応器に供給することなく、即ち、過熱蒸気を介在させることなく、反応温度を450℃,500℃,550℃と上げて、分解対象のフロンガス1であるフロンR32を酸化カルシウムと直接接触させることによる分解を試み、高い分解率を示している時間帯における分解ガスの組成を分析した。その結果を比較例2~比較例4として表2に示す。
Figure 0006992772000002
比較例2は反応温度を450℃に、比較例3は反応温度を500℃としたものであり、比較例1の反応温度400℃から上昇させるにつれ、分解率も94.5%,99.5%と向上するものの、フロン排出抑制法に規定する分解率99.9%以上に達しなかった。反応温度が550℃に至ると分解率も99.9%以上に達するものの、極微量ではあるが、炭化水素系ガスも生成されている。これらの試験結果を踏まえて、フロンR32と酸化カルシウムの直接接触反応による分解に関して研究の結果、次の知見を得た。
知見1:反応温度を550℃以上に保持すれば、過熱蒸気を介在させることなく、分解率99.9%以上まで分解できること。
知見2:過熱蒸気発明において実施している反応温度800℃より、遙かに低い温度で分解率99.9%以上まで分解できること。
知見3:分解ガスを水素,一酸化炭素,二酸化炭素のみに、即ち、その他のガスが検出されないように制御できる可能性があり、又分解ガスにおいて水素及び一酸化炭素の生成量が多くを占めること。
知見4:分解率の向上とともに、分解ガスに含まれていたエチレン等の炭化水素系ガスがゼロに近づいていること。
知見5:分解ガスに多く含まれている水素の回収を検討する価値があること。
知見6:過熱蒸気を介在させる必要がないため、専ら過熱蒸気の存在に起因する前記した種々の問題点が生じないこと。例示すれば、反応残渣を固形物として得ることができるため、処理が容易であること等である。
知見7:固形物からなる反応残渣を分析したところ、有用資源であるフッ化カルシウムが回収可能な状態で含まれていたこと。
これらの知見を土台として更に研究を進め、本発明の課題を解決するために、請求項1により、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを、所定温度に保持した反応器内で酸化カルシウムと直接接触反応させることによって、水素,一酸化炭素及び二酸化炭素のみからなる分解ガスに分解するフロンガスの分解方法を提供する。
そして、請求項2により、内部に酸化カルシウムを収納し、所定温度に加熱した反応器に、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを供給して酸化カルシウムと直接接触反応させることにより、水素,一酸化炭素及び二酸化炭素のみからなる分解ガスに分解し、分解ガスから一酸化炭素を除去することによって、微量の二酸化炭素を含む水素からなる目的ガスを得るフロンガスの分解方法を提供する。
また、請求項3により、内部に酸化カルシウムを収納し、所定温度に加熱した反応器に、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを供給して酸化カルシウムと直接接触反応させることにより、水素,一酸化炭素及び二酸化炭素のみからなる分解ガスに分解し、分解ガスを所定の温度に保持して水蒸気とともに水性シフト反応管に供給することにより水性シフト反応を生じさせて、分解ガス中の一酸化炭素から水素を生成して第2分解ガスとし、第2分解ガスを水蒸気凝縮槽に供給して第2分解ガス中の水蒸気を凝縮させて除去して第3分解ガスとし、第3分解ガスから残存する一酸化炭素を除去して、微量の二酸化炭素を含む水素からなる目的ガスを得るフロンガスの分解方法を提供する。
そして、請求項4により、分解ガスを200℃以上に保持する方法を、請求項5により、反応器内の温度を、水素とフッ素の双方を含むフロンガスの分解率が99.9%以上となる温度に保持する方法を、請求項6により、反応器内の温度を600℃以上に保持する方法を提供する。
請求項7により、内部に酸化カルシウムを収納した反応器と、反応器を所定温度に加熱する加熱手段と、反応器内で水素とフッ素の双方を含むフロンガスを酸化カルシウムと直接接触反応させて得られた水素,一酸化炭素及び二酸化炭素のみからなる分解ガスを供給する一酸化炭素除去装置とからなり、分解ガスから一酸化炭素を除去して、微量の二酸化炭素を含む水素からなる目的ガスを得るフロンガスの分解装置を提供する。
また、請求項8により、内部に酸化カルシウムを収納した反応器と、反応器を所定温度に加熱する加熱手段と、反応器内で水素とフッ素の双方を含むフロンガスを酸化カルシウムと直接接触反応させて得られた水素,一酸化炭素及び二酸化炭素のみからなる分解ガスと水蒸気を供給する水性シフト反応管と、水性シフト反応管内における水性シフト反応により分解ガス中の一酸化炭素から水素を生成した第2分解ガスを供給する水蒸気凝縮槽と、水蒸気凝縮槽において第2分解ガス中の水蒸気を凝縮させた第3分解ガスを供給する一酸化炭素除去装置とからなり、第3分解ガスから一酸化炭素を除去して、微量の二酸化炭素を含む水素からなる目的ガスを得るフロンガスの分解装置を提供し、請求項9により、一酸化炭素除去装置として、選択的一酸化炭素酸化装置又は一酸化炭素吸着装置を使用する構成を提供する。
更に、請求項10により、前記したフロンガスの分解方法によって、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを分解することにより、フロンガスから微量の二酸化炭素を含む水素を生成する水素の製造方法を提供する。
また、請求項11により、前記したフロンガスの分解方法によって、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを分解することにより、フロンガスの分解後の反応残渣に固形物として含まれた状態のフッ化カルシウムを生成するフッ化カルシウムの製造方法を提供し、請求項12により、フッ化カルシウムの純度が97%以上である方法を提供する。
更に、請求項13により、前記した構成のフロンガスの分解装置を、負極と正極を電解質膜を介して隔離し、負極に燃料としての水素を供給する燃料電池に接続し、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを前記フロンガスの分解装置に供給して分解することによって得られた微量の二酸化炭素を含む水素からなる目的ガスを燃料として負極に供給することによって発電する燃料電池を提供する。そして、請求項14により、燃料電池で発電した電力を、フロンガスの分解装置の加熱手段の電力源として使用する構成を提供する。
以上記載した本発明によれば、過熱蒸気を使用しないため、従来の過熱蒸気発明や文献3発明において必要であった過熱蒸気を得るためのエネルギーや設備が不要であり、又過熱蒸気が分解に関与することに起因する酸性ガスの生成がなく、酸性ガスを中和するための水酸化カルシウムと水との混合水をシャワーリングする必要がない。そのため、反応残渣が固形物となるため、その処理が容易となり、分解装置の耐久性を高く維持することが可能である。しかも、反応温度も600℃程度でよく、過熱蒸気発明に比べて反応温度を大幅に減じることができるため、反応器内の温度を維持するための電力消費量を低減させて、ランニングコストを抑えることが可能となるとともに、分解装置の長寿命化を図ることができる。
また、分解ガスを水素,一酸化炭素及び二酸化炭素という特定のガスに制御でき、他に炭化水素系ガスが生成されないため、その処理が容易である。分解ガス中に含まれる水素の割合が大きいため、有用資源として回収し、再利用することができる。具体的には、水素とフッ素の双方を含むフロンガスの分解によって得た水素を大量に含む目的ガスを燃料電池の負極に燃料として供給することにより電力を生むことができ、その電力を分解装置の加熱ヒータ等の各種電力源としてそのまま利用することができる。或いはバッテリに蓄電することによって、分解装置以外にも利用することができる。本発明によって、水素とフッ素の双方を含むフロンガスの分解装置と燃料電池という異種の装置が有機的に結合した新たな装置を提供することができる。しかも、燃料電池によって得た電力を分解装置の電源として利用することにより、より地球環境に優しく、水素とフッ素の双方を含むフロンガスから再利用可能に、有用資源としての水素を回収し、限りなく、ゼロエミッションに近づけることができる。
分解ガスには、水素とほぼ同量の一酸化炭素が含まれており、水素を燃料電池の燃料として供給するに際して、一酸化炭素は触媒毒となり触媒の寿命が極端に短くなるため、これを除去して燃焼処理させる。或いは、一酸化炭素を有効利用するために、分解ガスに水蒸気を供給し、分解ガスを所定の温度に保持することによって、水性シフト反応を生じさせ、一酸化炭素から水素を生成することにより、分解によって生成される水素と合わせて、燃料電池に供給する目的ガスに含まれる水素の量を倍増することができ、燃料電池による発電量を増加させることが可能となる。しかも一酸化炭素の燃焼処理が不要となるため、ゼロエミッションに近づくことができる。なお、目的ガスに含まれている二酸化炭素は燃料電池の電解質膜に影響を与えることのない微量であるため、水素とともに燃料電池の負極に供給すればよい。
分解するフロンガスには水素とともにフッ素も含まれているため、反応残渣として資源価値の高いフッ化カルシウムを回収可能な固形物として、しかも97%以上の高純度で得ることができ、有用資源として再利用を図ることが可能となる。よって、本発明によれば、より地球環境に優しい技術を実現することが可能となり、フロン分解装置に求められている社会的要請や時代的要請である環境負荷軽減に資することが可能となる。
本発明にかかるフロンガスの分解方法の第1実施形態を示す基本構成図。 本発明にかかるフロンガスの分解装置の第1実施形態を示す基本構成図。 本発明にかかるフロンガスの分解方法の第2実施形態を示す基本構成図。 本発明にかかるフロンガスの分解装置の第2実施形態を示す基本構成図。 分解装置の部分構成図。 分解装置の他例を示す部分構成図。 酸化カルシウムによるフロンガスの分解反応を示す模式図。
以下、本発明にかかるフロンガスの分解方法及びその装置並びに水素の製造方法、フッ化カルシウムの製造方法及び燃料電池の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明はフロンガスの中でも、HFC(ハイドロフルオロカーボン),HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)等の組成に水素とフッ素の双方を含むフロンガスを分解対象としている。よって、組成にフッ素は含むものの水素を含まないCFC(クロロフルオロカーボン),PFC(パーフルオロカーボン)等や、水素を含むもののフッ素を含まないフロンガスは分解対象としていない。
文献3発明では、分解ガスとしてメタン(CH)が多く含まれていたが、過熱蒸気の介在をなくすことによって、知見3,4,5に示すように、分解ガスの組成を特定のガス成分に制御でき、かつ、分解ガス中に占める水素の割合を多くすることができる。水素はクリーンエネルギーの代表として注目が高まっており、将来性のある有用資源である。そこで、本発明は単にフロンガスを分解して無害化するに留まらず、分解ガスから有用資源としての水素を再利用可能に回収し、更には分解装置に必要な電力を得るために燃料電池の燃料として利用することを課題の1つとしている。なお、文献3発明においても分解ガスに水素は含まれてはいたものの、分解ガスについての技術的課題は専ら最終処理のための無害化にあり、無害化以外の分解ガスからの資源回収等の課題は認識されていなかった。
また、フッ素は、冷媒フロン類,樹脂,リチウムイオン二次電池,光学ガラスなど、各種機能性化学品の原料となるほか、半導体製造や金属表面加工等の工程において洗浄剤・エッチング剤としても使用され、代替品が存在しない分野もあり、重要な資源物質である。フッ素製品の出発原料は、蛍石(フッ化カルシウム,CaF)であり、蛍石は、世界中で毎年600万トン程度が採掘されているが、残存埋蔵量は、約2億4000万トンと推定されており、あと40年程で枯渇する恐れがあるとされ、発展途上国の成長等に伴い、今後更なる需要の増加が見込まれている。また、蛍石は資源保有国が少なく、近年、最大の資源保有国である中国が輸出規制や価格引き上げ等を実施しており、わが国への安定供給が懸念されている。そのため、新たな採掘可能場所を探すと同時に、天然資源の保護の観点から、廃棄物に含まれるフッ素を何らかの原料としてリサイクルできるようにすることが重要な課題となっている。
HFC等のフッ素を含むフロンガスを分解した反応残渣にはフッ化カルシウムが含まれているものの、過熱蒸気発明や文献3発明では、過熱蒸気に起因して反応残渣の含水率が高く、反応残渣としてのフッ化カルシウムの回収が困難なばかりか、その処理方法と処理費用の増大に苦慮しているのが現状である。本発明では、知見5,6に示すように反応残渣を固形物として得ることができるため、フッ素を含むフロンガスを分解すれば、反応残渣としてフッ化カルシウムを再利用が容易な固形物の状態で回収することが可能である。そのため、本発明はフッ化カルシウムを再利用可能に回収することを課題の1つとしている。よって、本発明の分解対象は水素とフッ素の双方を含むフロンガスである。
本発明の分解対象となる水素とフッ素の双方を含むフロンガスの代表例としては、前記したようにHFCやHCFCが挙げられる。これらのガスは代替フロンガスとして今後も需要増加が期待され、それに比例して分解処理量も増加すると考えられる。中でも、HFCは今後代替フロンガスの主流となると考えられており、本発明を適用することによって、分解の効率化,分解装置の長寿命化,初期投資やランニングコスト等の低コスト化とともに、より地球環境に優しく、環境負荷軽減に資することができ、又再利用可能な有用資源として水素及びフッ化カルシウムを回収するとともに、全体としてゼロエミッションに近づけることが可能となる。
[第1実施形態]
本発明にかかるフロンガスの分解方法及びその装置の第1実施形態を図1,図2,図5に基づいて説明する。本発明にかかるフロンガスの分解方法は、図1に示すように、エアコンや冷凍機等から回収し、ガスボンベ2に貯留した水素とフッ素の双方を含むフロンガス1(以下、単に「フロンガス1」という)を、例えば600℃の所定温度36に保持した反応器30内で酸化カルシウム25と直接接触反応させることによって、水素10,一酸化炭素20及び二酸化炭素15のみからなる分解ガス5に分解することを基本としている。
図2は本発明にかかるフロンガスの分解装置の第1実施形態を示す基本構成図であり、図5はその部分構成図である。反応器30の内部には、耐火材としての炭化ケイ素(SiC)35の砕石を敷き、その上に粒状又は塊状の所定量の酸化カルシウム25を、反応器30の上方に付設した酸化カルシウム投入口32から投入して収納しており、加熱ヒータ34等の加熱手段で内部を加熱して所定温度36、例えば600℃に保持してある。この反応器30内に、分解対象であるフロンガス1を、ガスボンベ2から圧力調整弁37及びガス流量計38を介して、ガス供給口31から反応器30に供給する。反応器30に炭化ケイ素35を敷設するのは、反応器30内に充填した酸化カルシウム25とフロンガス1のガス供給口31を分離して、酸化カルシウム25に対して反応器30に供給されるフロンガス1を拡散させるためである。
反応器30に供給されたフロンガス1は、加熱ヒータ34によって所定温度36、例えば600℃に保持した酸化カルシウム25と直接接触することにより、水素10,一酸化炭素20及び二酸化炭素15のみからなる分解ガス5に分解される。この「のみ」が意味するところは分解ガス5から前記した特定の3種類のガス以外のガスが検出されないことを意味している。このように本発明は分解ガス5を前記した水素10,一酸化炭素20及び二酸化炭素15の3種類の特定のガスに制御することを特徴の1つとしている。以下に、図2,図5に示すフロンガスの分解装置を使用し、HFCのフロンR32をはじめとする各種のフロンガス1を分解した実施例1~5を示す。
比較例1~比較例4の実験を行った図5に示す直径125mm,高さ200mmの縦型の反応器30内に耐火材としての炭化ケイ素35(SiC)の砕石を敷き、その上に反応剤として粒径4mm程度の酸化カルシウム25(CaO)0.85kgを、反応器30の上方に付設した酸化カルシウム投入口32から投入して充填した。反応器30は空塔速度(体積流量/断面積)を0.1~0.3cm/s、空間速度(SV)を100~200h-1とした。そして、加熱ヒータ34で反応器30を加熱して内部を600℃に保持し、ガスボンベ2に充填したHFCのフロンR32(CH)を圧力調整弁37とガス流量計38を介して0.3kg/hで反応器30に供給し、ガス排出口33から排出された分解ガス5をサンプリングポイント3でサンプリングしてガスクロマトグラフで分析した。反応器30の内部温度を600℃とした以外は、酸化カルシウム25の充填量,フロンガス1の種類,フロンガス1の流量を含めて比較例1~比較例4と同一条件である。なお、ガスボンベ2と圧力調整弁37の間には仕切弁4aが、圧力調整弁37とガス流量計38の間には仕切弁4bが、ガス流量計38とガス供給口31間には仕切弁4cがそれぞれ設置され、フロンガス1の供給・遮断が可能である。
反応器30の内部温度を700℃に保持した以外は、実施例1と同様の構成でフロンR32を供給し、ガス排出口33から排出された分解ガス5をサンプリングポイント3でサンプリングしてガスクロマトグラフで分析した。
分解するフロンガス1をHFCのフロンR134a(C)とした以外は、実施例1と同一の構成で分解ガス5を分析した。
フロンガス1をHFCのフロンR410Aとした以外は、実施例1と同一の構成で分解ガス5を分析した。なお、フロンR410Aは、フロンR32(CH)とフロンR125(CHF)を50:50の割合で混合した混合フロンである。
分解するフロンガス1をHFCのフロンR404Aとした以外は、実施例1と同一の構成で分解ガス5を分析した。なお、フロンR404Aは、フロンR143a(C)とフロンR134a(C)とフロンR125(CHF)を52:4:44の割合で混合した混合フロンである。実施例1~5に示す分解ガス5の分析結果を表3に示す。
Figure 0006992772000003
表3に示すとおり、反応温度を600℃とした実施例1の分解ガス5には、フロンR32は含まれておらず、反応残渣40に含まれるフロンR32の残留率も0.1%未満であり、フロンR32は99.9%以上の分解率で分解され無害化されている。また、実施例1の分解ガス5は、45.8%の水素10と、44.3%の一酸化炭素20と、9.9%の二酸化炭素15の3種類の特定のガスのみに制御され、他のガスは検出されていない。また、実施例1の反応温度を600℃から700℃まで上昇させた実施例2の分解ガス5にも、フロンR32は含まれておらず、反応残渣40に含まれるフロンR32の残留率も0.1%未満であり、フロンR32は99.9%以上の分解率で分解され無害化されている。また、分解ガス5は、46.2%の水素10と、44.3%の一酸化炭素20と、9.5%の二酸化炭素15の3種類の特定のガスのみに制御されており、他のガスは検出されておらず、分解ガス5の組成は実施例1と同様の構成である。
分解するフロンガスをフロンR32(実施例1,2)から、フロンR134a,フロンR410A,フロンR404Aに変更した実施例3~5においても、反応温度600℃で99.9%以上の分解率で分解され無害化されており、分解ガス5も水素10,一酸化炭素20,二酸化炭素15の3種類の特定のガスのみに制御され、他のガスは検出されていない。
よって、フロンガスを99.9%の分解率で分解できるものの、分解ガスとして水素,一酸化炭素及び二酸化炭素以外の炭化水素系ガスが生成されてしまう反応温度550℃の比較例4に比して、反応温度を600℃とした実施例1,3~5では、フロンガス1の分解とともに分解ガス5の組成を水素10,一酸化炭素20及び二酸化炭素15の3種類の特定のガスのみに制御することができる。反応温度を700℃とした実施例2と実施例1の分解結果は同様であり、反応温度は600℃で十分なことが判る。なお、反応温度の選択は、分解ガス5が水素10,一酸化炭素20,二酸化炭素15の3種類の特定のガスのみに制御できる温度、即ち前記した以外の成分が分解ガス5から検出されない温度条件であれば600℃未満でもよく、本発明は600℃以上に温度条件を特定するものではない。
実施例1,実施例2に示すフロンガス1としてHFCのフロンR32(CH)を酸化カルシウム25と直接接触させた場合の分解メカニズムについて、図7に基づいて検証する。図7は、酸化カルシウム25によるフロンガスの分解反応を示す模式図であり、ステップAに示すように、酸化カルシウム25と直接接触したフロンR32は、酸化カルシウム25内に侵入し、ステップBに示すように、フロンR32(CH)のフッ素(F)と酸化カルシウム25(CaO)の酸素(O)が最初に置換され、フッ化カルシウム(CaF)が生成される。その後、ステップBに示す状態から、ステップC,D,Eに示す各反応が生じると考えられる。
ステップCでは下記の反応式に示すように、分解ガスとして水素10,一酸化炭素20の2種類の分解ガスが放出される。
2CaO+2CH→2CaF+2CH+O→2CaF+2CO+H
ステップDでは下記の反応式に示すように、分解ガスとして水素10と二酸化炭素15の2種類の分解ガスが放出されるとともに、酸化カルシウム25の内部には炭素(C)が残留することとなる。
2CaO+2CH→2CaF+2CH+O→2CaF+CO+C+2H
ステップEでは下記の反応式に示すように、分解ガスとして、二酸化炭素とともに、炭化水素系ガスであるメタン(CH)が放出される。
CaO+CH→CaF+CH+0.5O→CaF+WCO+XC
(W=1,X=1,Y=1,Z=4となった場合)
実施例1と比較例4は、ともにHFCのフロンR32(CH)を酸化カルシウム25と直接接触させて分解したものであり、実施例1では分解率99.9%以上を達成するとともに、分解によって生成される分解ガス5は水素10,一酸化炭素20,二酸化炭素15の3種類のみであって、その他のガスは検出されていない。一方、比較例4は分解率は99.9%以上を達成しているものの、分解ガス5として水素10,一酸化炭素20,二酸化炭素15以外の炭化水素系ガスが検出されている。この炭化水素系のガスは図7のステップEの反応に示すようにメタン(CH)と考えられる。両者の相違点は反応温度である。
同様に反応温度を700℃に保持した実施例2,反応温度を600℃に保持するとともに、分解するフロンガスの種類を異にした実施例3~5においても、分解ガス5は水素10,一酸化炭素20,二酸化炭素15の3種類の特定のガスのみに制御され、その他のガスは検出されていない。一方、反応温度を比較例4の550℃より、更に低い500℃,450℃,400℃とした比較例3~比較例1では、分解率99.9%を達成できないばかりか、分解ガス5として炭化水素系ガスが生成されるとともに、温度が低いほど、その生成量が多くなっている。
これらのことから、図7のステップC,D,Eに示す反応は反応温度に起因し、反応温度を所定の温度以上に保持すれば、フロンガスを99.9%以上の分解率で分解して無害化できるとともに、図7のステップEに示すメタン等の炭化水素系ガスを生成することなく、分解ガス5を水素10,一酸化炭素20,二酸化炭素15の3種類の特定のガスのみに制御することができ、分解ガス5に多く含まれる水素10の有効利用を図ることが可能となる。反応温度としては、実施例1,3~5に示すように600℃を保持すれば、図7のステップEに示す分解反応が生じることなく、図7のステップC,Dの分解反応に制御することが可能である。なお、反応温度の選択は、分解ガス5が水素10,一酸化炭素20,二酸化炭素15の3種類の特定のガスのみに制御できる温度、即ち前記した以外の成分が分解ガス5から検出されない温度条件であれば600℃未満でもよく、又600℃を超えてもよく、本発明は600℃以上に温度条件を特定するものではない。
各実施例に示す600℃に加熱保持された酸化カルシウム25とHFCのフロンR32,フロンR22,フロンR134a,フロンR125,フロンR143aの5種類のフロンガス1の分解反応は次のとおりである。
《フロンR32:CH
[主反応]
2CaO+2CH→2CaF+2CH+O→2CaF+2CO+H
[副反応]
2CaO+2CH→2CaF+2CH+O→2CaF+CO+C+2H
《フロンR22:2CHClF
[主反応]
3CaO+2CHClF→CaCl+2CaF+CO+CO+H
[副反応]
3CaO+2CHClF→CaCl+2CaF+0.5C+1.5CO+H
《フロンR134a:C
[主反応]
2CaO+C→2CaF+2CO+H
[副反応]
2CaO+C→2CaF+C+CO+H
《フロンR125:CHF
[主反応]
5CaO+2CHF→5CaF+3CO+CO+H
[副反応]
5CaO+2CHF→5CaF+1.5C+2.5CO+H
《フロンR143a:2C
[主反応]
3CaO+2C→3CaF+CO+C+3H
[副反応]
3CaO+2C→3CaF+2C+0.5CO+3H
分解対象であるフロンガス1の供給量と酸化カルシウム25の量の関係については、99.9%以上の分解率を達成できる範囲で適宜選択すればよい。実施例1~5に示すように、反応器30に収納した酸化カルシウム25の量0.85kgに対して、フロンガス1の供給量を0.3kg/h(体積流量2.15L/min)とすることによって、99.9%以上の分解率を達成することができた。なお、酸化カルシウム25の量が同じであれば、供給するフロンガス1の流量を少なくすることによって、後述するように生成されるフッ化カルシウムの純度が高くなる。
次に、図2に示すように、分解ガス5を適宜の一酸化炭素除去装置50a,50bに供給して、図1に示すように一酸化炭素除去51を行う。一酸化炭素除去装置50a,50bとしては、例えば、選択的一酸化炭素酸化装置、或いは一酸化炭素吸着装置を使用することができる。一酸化炭素吸着装置としては、一酸化炭素を吸着し、二酸化炭素と水素を吸着しない細孔径を有する吸着剤を使用することができる。一酸化炭素と二酸化炭素のレナードジョーンズ定数(分子径)は、一酸化炭素が0.359nm、二酸化炭素が0.399nmであるため、その間の細孔径である0.36nm×0.36nmの細孔径を持つ構造コードRHOのゼオライトや、0.38nm×0.38nmの細孔径を持つ構造コードCHAのゼオライトで分離することが可能である。なお、上記吸着剤の細孔径は水素10の分子径より大きいが、ゼオライトは水素10を吸着しないため、水素10は単に細孔を通過するのみである。図示例では、2基の一酸化炭素除去装置50a,50bを使用したが、その数に特定があるわけではない。また、図2において、4e,4f,4g,4h,4iはそれぞれ仕切弁であって、分解ガス5の一酸化炭素除去装置50a,50bへの、或いは一酸化炭素除去装置50a,50bからの供給・遮断が可能である。
分解ガス5から除去した一酸化炭素20は、吸着剤から脱着させる等して燃焼装置52で燃焼処理53することにより無害化した後に大気に放出52aをする。これにより、分解ガス5から一酸化炭素除去51を行って、微量の二酸化炭素15を含む水素10からなる目的ガス55を得ることができ、水素10を有用資源として回収することができる。なお、水素10を主成分とする目的ガス55には微量の二酸化炭素15が含まれているが、水素10の有効利用に際して障害となる量ではない。よって、本発明は、フロンガス1を分解することによって、フロンガス1から微量の二酸化炭素15を含む水素10を生成することにより、有用資源として再利用可能とすることを特徴の1つとしている。なお、分解ガス5から、一酸化炭素20とともに二酸化炭素15を除去するようにしてもよいし、目的ガス55から、二酸化炭素15を除去するようにしてもよい。
フロンガスの分解装置を、負極70aと正極70bを電解質膜を介して隔離し、負極70aに燃料としての水素を供給する燃料電池70に接続し、フロンガス1から生成した微量の二酸化炭素15を含む水素10からなる目的ガス55を、燃料電池70の負極70aに燃料として供給し発電をする。発電された電力はバッテリ71に蓄電し、インバータ72から適宜の制御ボックスを介して、各種電源73の電力として利用することができる。具体的には、反応器30を加熱する加熱ヒータ34の電源やその他の制御系の電源として利用することができる。フロンガスの分解装置の加熱ヒータ34やその他の制御系の電源への給電は、制御ボックスを介することなく、インバータ72から配線74を介して直接行ってもよい。これにより、フロンガス1の分解を、環境に負荷を与えることなく、しかもゼロエミッションに近い方法で実現することができる。なお、75は正極70bへ酸素を供給する酸素供給口、76は発電により生じた水,窒素,二酸化炭素等の排出口であり、77はその排出槽であって水を貯留している。
一方、フロンガス1を酸化カルシウム25によって分解した後の反応残渣40は、フロンガス1の分解に過熱蒸気が介在していないため、固形物として取り出すことができ容易に処理することが可能である。この固形物は後述するようにフッ化カルシウム45の固体を含んでおり、有用資源として再利用が可能である。
[第2実施形態]
次に、本発明にかかるフロンガスの分解方法及びその装置の第2実施形態を図3,図4,図5に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同一工程及び同一部材については、同一の符号を付して、その説明を省略する。第2実施形態は分解ガス5中に含まれる一酸化炭素20から水性シフト反応60によって水素10を生成し、分解ガス5から生成される水素10の総量を増量し、ひいては燃料電池70による発電量を増加させることに特徴を有する。
分解ガス5、例えば実施例1に示すフロンR32(HFC)の分解ガス5の組成は、水素10:45.8%,一酸化炭素20:44.3%,二酸化炭素15:9.9%であり、44.3%もの一酸化炭素20が含まれている。一酸化炭素20からは下記1式に示すように水性シフト反応60によって、水素10を生成することが可能であるため、分解ガス5中の一酸化炭素20を、第1実施形態に示す燃焼処理53(図1参照)に代えて、水素10を増量させるための原料として有効利用を図る。
CO+HO ⇔ CO+H (1式)
そのため、反応器30から排出された水素10,一酸化炭素20,二酸化炭素15からなる分解ガス5を、水性シフト反応管65(図4参照)に供給し、水性シフト反応管65内に水蒸気供給管66から所定量の水蒸気供給61を行なうとともに、分解ガス5の温度を所定温度62(例えば、200℃)に保持することによって、水性シフト反応60によって分解ガス5中の一酸化炭素20から水素10を生成して第2分解ガス6とする。なお、図4においてもガスサンプリングポイント3以降の管路においても、必要な適宜の箇所に仕切弁(図示略)がそれぞれ設置され、第2分解ガス6等のガスの供給・遮断が可能である。
水性シフト反応60は温度によって、1式の右辺と左辺のどちらからの反応も進み、温度が低いほど、左辺から右辺に反応が進行して水素が生成される。また、平衡定数は温度が低いほど大きくなるものの、反応速度は遅くなる。そこで、平衡定数と一般的に制御可能な温度域から、実施可能な温度域における所定温度62として、本実施形態では200℃を選択した。加えて、分解ガス5は、フロンガス1と酸化カルシウム25を600℃で直接接触反応させることによって生成されたものであり、分解ガス5の温度を200℃より低い温度に冷却するためのコスト高騰を避けるためでもある。なお、分解ガス5の所定温度62は200℃に限定されるものではなく、水性シフト反応60に適した温度を適宜選択すればよい。
200℃の時の平衡定数K=2.359×10であるから、反応前の各ガスのモル濃度を[一酸化炭素:1モル/V][水:1モル/V]とすると,平衡時の右辺の二酸化炭素と水のモル濃度は同じであり、これをxとすると平衡定数の定義から下記2式のとおりとなる。
Figure 0006992772000004
(2式)


この2式をxについてとけば
x=0.94(mol/v)
が得られる。したがって1モルの一酸化炭素20から0.94モルの水素10が生成されることになり、この状態で平衡状態となる。実施例1の分解ガス5についての水性シフト反応60の結果を表4に示す。
Figure 0006992772000005
水性シフト反応60は、水性シフト反応管65に設置したガスサンプリング口67から分解ガス5中の水素濃度計測63(図3参照)を行いつつ進行させ、必要に応じて水蒸気供給管66から分解ガス5に水蒸気供給61を繰り返して行う。分解ガス5中の一酸化炭素20から水素10の生成が終了すると、水性シフト反応60を経た第2分解ガス6を水蒸気凝縮装置68に供給して水蒸気凝縮64を行って、水蒸気を除去することによって、第3分解ガス7を得る。その後、第3分解ガス7を適宜の一酸化炭素除去装置50に供給して、一酸化炭素除去51を行って目的ガス55を得る。第3分解ガス7から除去した一酸化炭素20は、吸着剤から脱着させる等して燃焼装置52で燃焼処理53することにより無害化した後に大気に放出52aをする。水性シフト反応60は平衡反応であり、全ての一酸化炭素20を水素10に変換することができないため、残存する一酸化炭素20の無害化処理が必要となるためである。
上記した水性シフト反応60によって得られた水素10は分解ガス5中に含まれる水素10に加えて、分解ガス5中の一酸化炭素20が水素10に変換されているため、第1実施形態に比して略2倍量の水素10を得ることができる。
得られた目的ガス55を第1実施形態と同様に、燃料電池70の負極70aに燃料として供給して発電を行い、第1実施形態と同様にして、加熱ヒータ34の電源等として再利用を行う。
本発明の分解対象であるフロンガス1には、水素とともにフッ素を含んでいるため、第1実施形態及び第2実施形態ともに、反応残渣40には有用資源としてのフッ化カルシウム(CaF,蛍石)45が固形物として含まれている。そのため本発明によれば、フッ化カルシウム45を再利用可能な固形物の状態で回収することができる。仮に、反応残渣40を廃棄する場合でも固形物であるため、その処理が容易である。よって、本発明はフロンガス1を分解することによって、フロンガス1の分解後の反応残渣40に固形物として含まれた状態のフッ化カルシウム45を生成し、有用資源として再利用可能とすることを特徴の1つとしている。更に、回収するフッ化カルシウム45の純度を高くなるように制御することができれば、より再利用の途が広がる。
フッ化カルシウム45の純度が60%~80%のものは通常の天然品の蛍石の純度と同等であり、主に鋳鋼製品の製鋼工程で不純物除去のためカルシウム酸化物のスラグ化促進融剤として使用されている。また、純度97%以上となると、主にフッ酸の原料として使用可能となり、その価値は飛躍的に高まる。更に、純度99.95%以上となると、主に高級レンズ等の光学結晶材料として使用されている。
前記した実施例1の反応残渣40に含まれるフッ化カルシウム45の純度を確認したところ、49.4%であった。フロンR32の投入量は酸化カルシウム25:0.85kgに対して、0.4当量に当たる0.32kgであった。反応残渣40に含まれるフッ化カルシウム45の純度を上げるためには、反応器30内に収納した酸化カルシウム25に対して供給するフロンガス1の量を増加させ、酸化カルシウム25と反応するフッ素の量を増加させる必要があるが、単に酸化カルシウム25の量に対するフロンガス1の供給量を増加させてしまうと、反応器30内に収納した酸化カルシウム25の分解能力を超えることとなって分解率が悪化してしまい、99.9%以上の分解率を達成することができなくなってしまう。
そこで、本発明では99.9%以上のフロンガス1の分解率を保持した上で、反応残渣40に含まれるフッ化カルシウム45の純度を上げるために、フロンガス1の分解装置の他例として、反応器30の役割を、反応残渣40に含まれるフッ化カルシウム45の純度を上げるための第1反応器30aと、99.9%以上のフロンガスの分解率を保持するための第2反応器30bに役割分担することとした。この役割分担によって、フロンガス1を分解率99.9%以上に分解するとともに、反応残渣40に固形物として含まれているフッ化カルシウム45の純度を高く制御することができ、例えば純度97%以上で回収することが可能となる。その構成を図6に基づいて説明するとともに、HFCのフロンR32をはじめとする各種のフロンガス1の分解を行った。なお、第1反応器30a及び第2反応器30bは、前記した第1実施形態及び第2実施形態のいずれであっても、反応器30に代えて使用することができる。
図6に示すように、直径125mm,長さ200mmの第1反応器30aと同一構成の第2反応器30bを直列に繋ぎ、それぞれの内部に耐火材としての炭化ケイ素(SiC)35の砕石を敷き、その上に反応剤として酸化カルシウム25:0.85kgを、第1反応器30a,第2反応器30bの上方に付設した酸化カルシウム投入口32a,32bからそれぞれの内部に投入して充填した。そして、加熱ヒータ34a,34bで第1反応器30a及び第2反応器30bを加熱して、それぞれ内部を600℃に保持し、ガスボンベ2に充填したHFCのフロンR32(CH)を、ガス供給口31aから第1反応器30a内に供給して、酸化カルシウム25と直接接触させて分解し、第1反応器30aのガス排出口33aから排出した分解ガス5を、ガス供給口31bから第2反応器30b内に供給して、酸化カルシウム25と直接接触させて分解し、第2反応器30bのガス排出口33bから排出した。このガス排出口33bから排出された分解ガス5をサンプリングポイント3でサンプリングして、ガスクロマトグラフで分析することにより、ガス排出口33bから排出された分解ガス5の分解率が99.9%以上を保持できる範囲で、第1反応器30aに充填した0.85kgの酸化カルシウム25に対して、0.7当量(0.54kg)となるように圧力調整弁37とガス流量計38を介して0.3kg/hで供給した。第1反応器30a及び第2反応器30bにおける反応残渣40におけるフッ化カルシウム45の純度を測定した。なお、図6において4a,4b,4c,4m,4n,4oは仕切弁であって、それぞれの管路においてフロンガス1や分解ガス5の供給・遮断が可能である。
フロンR32の供給量を1.0当量(0.78kg)とした以外は、実施例6と同様の構成で、第1反応器30a及び第2反応器30bにおける反応残渣40におけるフッ化カルシウム45の純度を測定した。
フロンR32の供給量を1.1当量(0.86kg)とした以外は、実施例6と同様の構成で、第1反応器30a及び第2反応器30bにおける反応残渣40におけるフッ化カルシウム45の純度を測定した。
フロンR32の供給量を1.2当量(0.94kg)とした以外は、実施例6と同様の構成で、第1反応器30a及び第2反応器30bにおける反応残渣40におけるフッ化カルシウム45の純度を測定した。実施例6~実施例9に示す分解ガス5及び反応残渣40に含まれるフッ化カルシウム45の純度等の分析結果を表5に示す。
Figure 0006992772000006
表5に示すように、フロンR32の供給量を1.1(0.86kg)以上とすることによって、第1反応器30aの反応残渣40から、フッ素化学メーカーでフッ酸の原料として使用可能な純度である純度97%を超える高純度のフッ化カルシウム45を回収することができる。よって、フロンガスの供給量を調節することによって、反応残渣40から回収するフッ化カルシウム45の純度を制御することが可能である。
実施例6~実施例9では、フロンR32の分解率99.9%以上を保持するため、第2反応器30bにおける反応残渣40としてのフッ化カルシウム45の純度が著しく低くなっている。この第2反応器30bにおける反応残渣40を新たに分解を行う第1反応器30aに酸化カルシウム25とともに収納して、フロンガス1の分解を行うことにより、フッ化カルシウム45の純度を上げることができる。その例を実施例8における第2反応器30bにおける反応残渣40を使用して実施例10として示す。
実施例8における第2反応器30bにおける反応残渣40:0.90kgを、第1反応器30aに収納する酸化カルシウム25に加えて第1反応器30aに収納した以外は、実施例8と同様の構成で、フロンR32を0.3kg/hで計算上で第1反応器30aの反応残渣40のフッ化カルシウム45の純度が97%に達する時点まで供給し、第1反応器30a及び第2反応器30bにおける反応残渣40におけるフッ化カルシウム45の純度を測定した。その結果を表6に示す。フロンR32の投入量は酸化カルシウム25の0.85kgに対して0.82当量に当る0.65kgであった。
Figure 0006992772000007
実施例10に示すように、フッ化カルシウム45の純度が18.5%に留まる実施例8の第2反応器30bにおける反応残渣40を、新たなフロンガス1の分解に際して、酸化カルシウム25とともに第1反応器30aに収納して、フロンガス1の分解を行うことによって、反応残渣40に含まれるフッ化カルシウム45の純度を97.2%と飛躍的に高めることができた。以後、この作業を繰り返すことによって、得られる反応残渣40に含まれるフッ化カルシウム45の純度を高く制御することが可能となり、例えば純度97%以上で回収することが可能である。なお、分解ガス5を水素10,一酸化炭素20,二酸化炭素15の3種類の特定のガスのみに制御すること、水素10の有効利用,一酸化炭素20からの水素の生成等は第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
近年、新たな電源として燃料電池が注目を集めている。最も代表的な水素―酸素燃料電池は水素と酸素(空気)との電気化学反応から直接電気を得るものであり、燃料電池そのものからは水しか排出しないため、クリーンであるとともに極めて静粛性にも優れている。燃料電池は電解質膜によって隔てられた一方から水素などの燃料を、他方からは酸素(空気)を供給する構成で成り立っている。負極活物質である燃料は正極活物質である酸素に対して電子を渡したがる性質を持ち、正負両極を外部回路を通じて繋ぐと負極活物質から正極活物質に電子が移動することにより電流が流れる。ここで、正負両活物質が直接接触すると、直接電子の授受が起こるいわゆるショートの状態となり、外部に電流が取り出せなくなるため、正負両電極は電解質膜で隔てられている。しかし、正負電極間で外部回路を通じて電子の移動が起こるだけでは正負両電極に同種の電荷が溜まり続けることになり、電流はすぐに流れなくなってしまう。そのため、電解質膜が正負両電極の間でイオンを導通することで溜まった電荷を逃がし、定常的な電流が得られるようになっている。最も代表的な水素―酸素燃料電池の反応を以下に示す。
→2H+2e …………………………(3式)
1/2O+2H+2e→HO ………………(4式)
水素を含むフロンガスを分解することによって、分解ガス中に水素が生成されるが、この分解ガス中に含まれる水素と燃料電池を結びつける知見は従来存在しなかった。また、次のような阻害事由があるため、単に水素を含むフロンガスの分解装置と燃料電池を接続するだけでは、水素を含むフロンガスの分解によって生成した水素を燃料電池の燃料として利用することはできなかった。また、水素の利用を実際の産業機器として可能とするためには、次のような水素を含むフロンガスの分解装置によって生成する水素量と燃料電池で発電した電力用途についての課題が解決しなければ、水素を含むフロンガスの分解装置と燃料電池を結合させることによる相乗効果を奏することができない。この従来技術に対して、本発明はフロンガス1を分解することによって生成した水素10を、燃料として燃料電池70に供給して発電し、得られた電力をフロンガス1の分解装置の加熱ヒータ34等の電力源として用いることを特徴の1つとしている。そこで、本発明によって得られた微量の二酸化炭素15を含む水素10からなる目的ガス55を燃料とする燃料電池70の課題,発電量,電力用途等について以下に検証する。
先ず、本発明によって生成する水素10を燃料電池70の燃料として利用する際に阻害事由となる燃料電池と一酸化炭素の問題について検証する。燃料電池の電極として多く用いられている白金触媒は一酸化炭素によって腐食するため、分解ガス中に水素とともに一酸化炭素が含まれていると、水素を燃料電池の燃料として利用することができない。燃料電池を長期間使用可能とするために、一酸化炭素を数ppmオーダー以下の濃度に削減する必要がある。本発明にかかる分解ガスには、水素に加え、一酸化炭素が高濃度で存在しており、そのままでは燃料電池の燃料として利用することができない。
一方、二酸化炭素は電極を腐食させることがないため、水素とともに一定量を燃料電池に供給したとしても燃料電池の発電に悪影響を与えることがない。
次に、本発明によって生成する水素10の量,発電量及び発電した電力の用途の問題について検証する。分解ガス中に含まれる水素と燃料電池を結合させるためには、燃料電池の発電を可能とする必要量の水素を確保する必要がある。また、燃料電池によって発電した電力を本発明にかかるフロンガス1の分解装置の電力として利用することによって、初めて両者の相乗効果が奏する。
本発明では前記した阻害事由及び課題を解決するために、分解ガス5中に含まれる一酸化炭素20を一酸化炭素除去装置50で除去することによって、分解ガス5は水素10と燃料電池70の燃料として許容される微量の二酸化炭素15となる。また、分解ガス5中に水素10と略同量含まれる一酸化炭素20に注目し、単に除去するのではなく、前記した水性シフト反応60によって一酸化炭素20から水素10を生成し、僅かに残る一酸化炭素20を一酸化炭素除去装置50で除去することによって、目的ガス55には分解ガス5に含まれる水素10の略2倍量の水素10と燃料電池70の燃料として許容される微量の二酸化炭素15となる。即ち、目的ガス55は微量の二酸化炭素15を含む水素10からなる。更に、水素10の量が不足する場合は、生成した水素10をガスボンベ等に貯留して燃料電池の燃料として利用することも可能である。
上記した水素10と燃料電池70の燃料として許容される微量の二酸化炭素量15、即ち微量の二酸化炭素15を含む水素10を、負極70aと正極70bを電解質膜を介して隔離し、負極70aに燃料としての水素10を供給する燃料電池70の負極70aに燃料として供給して発電する。よって、本発明によれば、前記した阻害事由及び課題を解決でき、フロンガス1を分解することによって生成した水素10を燃料電池70の燃料として有効利用できる。
次に、フロンR32(分子量52g/mol)を例として、フロンガス1を分解することによる水素10及び一酸化炭素20の生成量と、得られた一酸化炭素20を原料として水性シフト反応60によって水素10を生成し、分解反応によって得られた水素10に加味した場合の最大水素量について検証する。酸化カルシウム25によるフロンR32の分解反応は、下記5式より、1モルのフロンから1モルの水素が得られるため、1モルの水素の体積である22.4lの水素が生成されることとなる。フロンR32の供給量を5kg(5000g)/hとする、1時間の分解処理によって7式のとおり、2153.7l/hの水素が得られることとなる。
CaO+CH=CaF+CO+H (5式)
フロンの処理モル数5000/52=96.15mol/h (6式)
22.4l/mol×96.15mol/h=2153.7l/h (7式)
同様に5式より、1モルのフロンから1モルの一酸化炭素も得られるため、1モルの一酸化炭素の体積である22.4lの一酸化炭素が生成されることとなる。フロンR32の供給量が5kg/hの場合は、下記8式のとおり、2153.7l/hの一酸化炭素が得られる。
22.4l/mol×96.15mol/h=2153.7l/h (8式)
同様にして、本発明の分解対象である各フロンガス1について、時間当たりの供給量を5kg/hとした場合の水素10及び一酸化炭素20並びに一酸化炭素20を原料として水性シフト反応60により生成した水素10を加えた最大水素量について計算した結果を表7に示す。
Figure 0006992772000008
次に、前記した生成量の水素を燃料とする燃料電池の発電量、換言すれば燃料電池による発電に必要な燃料としての水素の量について検証する。電気分解の反応式をまとめると次式のとおりである。
2HO=2H+O+2×236.965(kJ)
電子の移動量は水の各水素原子から1個とって流れるから合計4個の電子が移動することになる。したがって、ファラデーの法則と水素の原子価が1であることを考慮すると、1g当量の水素を取り出すのに1F(ファラデー)=96500(C/mol)の電荷が必要となる。この値はeが持つ電荷1.60206×10-19(C)と電子1モル(1価の場合、原子1モルから放出される電子は原子1モルの数と同じであるから)の数6.02486×1023(1/mol)を乗じた値である。電気分解反応式によると、4モルの水素原子から各1個の電子が流れているため、合計96500×4=386000(C)の電荷が流れていることになる。
電解反応式のギブスの自由エネルギーを調べると、水自身の自由エネルギーはΔG=―236.965KJであるが、移行して+となるため、通常は右への反応が進まない吸熱反応である。電気エネルギーを加えることで右に反応が進み、必要なエネルギーは
2×236.965=473.93KJ
となる。
このエネルギーを加えるためには、
W(J/S)=V(v)×A(C/S)より、
473.93(KJ)/386(KC)=1.228(V)
の電圧が必要となる。この電圧は、流す電荷の量には影響されない一定値である。流れる電荷量と自由エネルギー(ΔG)の関係は比例しているからである。実際には電極周辺で起きる分極などの影響で過電圧が発生し、この電圧では分解は進まず少なくても2(v)以上は必要と言われている。
燃料電池70による発電に必要な水素10の量について検証する。負極70aと正極70bを電解質膜を介して隔離し、負極70aに燃料としての水素10を供給する燃料電池70の反応は前記した電気分解の逆で、次のとおりである。
2H+O=2HO-2×236.965(KJ)
燃料極である負極70aに流れてきた水素10は、白金触媒により電子を取られH+eとなる。電子は電解液を通過できないため導線を進み、水素イオンは+に引かれ(電子を放出した時点で反対局は電位が高くなる)電解質を移動する。一方、酸素極である正極70bでは流れてきた電子を白金触媒効果で受け取りOとなる。この酸素イオンと電解質を通過してきた水素イオン2個が反応してHOとなる。一般的な電解質は固体高分子型電解質(PEFC)で、これは水素イオンのみを通過させる(通過穴が小さく水素イオンのみ通過可能)。発生する電圧を計算すると自由エネルギー(ΔG)と通過電子の数4個であり(水素4原子であるから)、水分解の時の数字がそのまま使えて、
473930(J)=4×96500(C)×V(v)であるから、V=1.2277(v)となる。ただし、これも電極周辺の分極などで実際には0.9~0.7(v)となる。反応エンタルピー変化ΔH=-285.56KJ/molであり、ΔH-ΔG=-285.56-(-236.965)=-48.595KJは電力(KW)からでなくても周囲からの熱からとってもよい。
ここで燃料電池70に供給しなくてはならない水素10の量を概算で求めてみる。今1個のセルの起電力が0.7Vになるとすると、100000(A)流して、出力70(KW)となる。1F(ファラデー)=96500(C)より、
100000(C)/96500(C)=1.036≒1となるから、水素元素(H)の1g当量は1gであるから、10万(A)流すためにはほぼ1F電荷が必要で1gの水素が必要となる。水素分子(H)は2g/molであり、22.4lであるから1gは22.4/2=11.2(l)である。したがって1秒で11.2lの水素を流せば、1cellで70KWの出力が得られる。ただし、通常の燃料電池の電圧は100V程度の直流電圧をインバーターで交流変換して使用する。つまり(100/0.7=)142個程度のcellを直列につないで使用することになる。直列につなぐ場合は、電圧は加算であるが、1cell当たりの水素流量は出力70000(w)で電圧100(v)であるから、70000(w)/100(v)=700(A)の電流が必要となる。
700(C)/96500(C)=7.25×10-3
したがって、各cellに流す単位時間(1s)当たりに必要な水素量は、
11.2(l)×7.25×10-3=0.082(l)となる。
以上記載した本発明によれば、過熱蒸気を使用しないため、従来の過熱蒸気発明や文献3発明において必要であった過熱蒸気を得るためのエネルギーや設備が不要であり、又過熱蒸気が分解に関与することに起因する酸性ガスの生成がなく、酸性ガスを中和するための水酸化カルシウムと水との混合水をシャワーリングする必要がない。そのため、反応残渣が固形物となるため、その処理が容易となり、分解装置の耐久性を高く維持することが可能である。しかも、反応温度も600℃程度でよく、過熱蒸気発明に比べて反応温度を大幅に減じることができ、反応器内の温度を維持するための電力消費量を低減させることができるため、ランニングコストを抑えることが可能となるとともに、分解装置の長寿命化を図ることができる。
また、分解ガスを水素,一酸化炭素及び二酸化炭素という特定のガスに制御でき、他に炭化水素系ガスが生成されないため、その処理が容易である。分解ガス中に含まれる水素の割合が大きいため、有用資源として回収し、再利用することができる。具体的には、水素とフッ素の双方を含むフロンガスの分解によって得た水素を大量に含む目的ガスを燃料電池の負極に燃料として供給することにより電力を生むことができ、その電力を分解装置の加熱ヒータ等の各種電力源としてそのまま利用することができる。或いはバッテリに蓄電することによって、分解装置以外にも利用することができる。本発明によって、水素とフッ素の双方を含むフロンガスの分解装置と燃料電池という異種の装置が有機的に結合した新たな装置を提供することができる。しかも、燃料電池によって得た電力を分解装置の電源として利用することにより、より地球環境に優しく、水素とフッ素の双方を含むフロンガスから再利用可能に、有用資源としての水素を回収し、限りなく、ゼロエミッションに近づけることができる。
分解ガスには、水素とほぼ同量の一酸化炭素が含まれており、水素を燃料電池の燃料として供給するに際して、一酸化炭素は触媒毒となり触媒の寿命が極端に短くなるため、これを除去して燃焼処理させる。或いは、一酸化炭素を有効利用するために、分解ガスに水蒸気を供給し、分解ガスを所定の温度に保持することによって、水性シフト反応を生じさせ、一酸化炭素から水素を生成することにより、分解によって生成される水素と合わせて、燃料電池に供給する目的ガスに含まれる水素の量を倍増することができ、燃料電池による発電量を増加させることが可能となる。しかも一酸化炭素の燃焼処理が不要となるため、ゼロエミッションに近づくことができる。なお、目的ガスに含まれている二酸化炭素は燃料電池の電解質膜に影響を与えることのない微量であるため、水素とともに燃料電池の負極に供給すればよい。
分解するフロンガスには水素とともにフッ素も含まれているため、反応残渣として資源価値の高いフッ化カルシウムを回収可能な固形物として、しかも97%以上の高純度で得ることができ、有用資源として再利用を図ることが可能となる。よって、本発明によれば、より地球環境に優しい技術を実現することが可能となり、フロン分解装置に求められている社会的要請や時代的要請である環境負荷軽減に資することが可能となる。
1…水素とフッ素の双方を含むフロンガス
2…ガスボンベ
3…サンプリングポイント
5…分解ガス
6…第2分解ガス
7…第3分解ガス
10…水素
15…二酸化炭素
20…一酸化炭素
25…酸化カルシウム
30…反応器
31…ガス供給口
32…酸化カルシウム投入口
33…ガス排出口
34…加熱ヒータ
35…炭化ケイ素
36,62…所定温度
37…圧力調整弁
38…ガス流量計
40…反応残渣
45…フッ化カルシウム
50,50a,50b…一酸化炭素除去装置
55…目的ガス
60…水性シフト反応
61…水蒸気供給
63…水素濃度計測
64…水蒸気凝縮
65…水性シフト反応管
66…水蒸気供給管
67…ガスサンプリング口
68…水蒸気凝縮装置
70…燃料電池
70a…負極
70b…正極

Claims (14)

  1. 水素とフッ素の双方を含むフロンガスを、所定温度に保持した反応器内で酸化カルシウムと直接接触反応させることによって、水素,一酸化炭素及び二酸化炭素のみからなる分解ガスに分解することを特徴とするフロンガスの分解方法。
  2. 内部に酸化カルシウムを収納し、所定温度に加熱した反応器に、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを供給して酸化カルシウムと直接接触反応させることにより、水素,一酸化炭素及び二酸化炭素のみからなる分解ガスに分解し、
    分解ガスから一酸化炭素を除去することによって、微量の二酸化炭素を含む水素からなる目的ガスを得ることを特徴とするフロンガスの分解方法。
  3. 内部に酸化カルシウムを収納し、所定温度に加熱した反応器に、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを供給して酸化カルシウムと直接接触反応させることにより、水素,一酸化炭素及び二酸化炭素のみからなる分解ガスに分解し、
    分解ガスを所定の温度に保持して水蒸気とともに水性シフト反応管に供給することにより水性シフト反応を生じさせて、分解ガス中の一酸化炭素から水素を生成して第2分解ガスとし、
    第2分解ガスを水蒸気凝縮槽に供給して第2分解ガス中の水蒸気を凝縮させて除去して第3分解ガスとし、
    第3分解ガスから残存する一酸化炭素を除去して、微量の二酸化炭素を含む水素からなる目的ガスを得ることを特徴とするフロンガスの分解方法。
  4. 分解ガスを200℃以上に保持する請求項3記載のフロンガスの分解方法。
  5. 反応器内の温度を、水素とフッ素の双方を含むフロンガスの分解率が99.9%以上となる温度に保持する請求項1,2,3又は4記載のフロンガスの分解方法。
  6. 反応器内の温度を600℃以上に保持する請求項1,2,3又は4記載のフロンガスの分解方法。
  7. 内部に酸化カルシウムを収納した反応器と、反応器を所定温度に加熱する加熱手段と、反応器内で水素とフッ素の双方を含むフロンガスを酸化カルシウムと直接接触反応させて得られた水素,一酸化炭素及び二酸化炭素のみからなる分解ガスを供給する一酸化炭素除去装置とからなり、
    分解ガスから一酸化炭素を除去して、微量の二酸化炭素を含む水素からなる目的ガスを得ることを特徴とするフロンガスの分解装置。
  8. 内部に酸化カルシウムを収納した反応器と、反応器を所定温度に加熱する加熱手段と、反応器内で水素とフッ素の双方を含むフロンガスを酸化カルシウムと直接接触反応させて得られた水素,一酸化炭素及び二酸化炭素のみからなる分解ガスと水蒸気を供給する水性シフト反応管と、水性シフト反応管内における水性シフト反応により分解ガス中の一酸化炭素から水素を生成した第2分解ガスを供給する水蒸気凝縮槽と、水蒸気凝縮槽において第2分解ガス中の水蒸気を凝縮させた第3分解ガスを供給する一酸化炭素除去装置とからなり、
    第3分解ガスから一酸化炭素を除去して、微量の二酸化炭素を含む水素からなる目的ガスを得ることを特徴とするフロンガスの分解装置。
  9. 一酸化炭素除去装置として、選択的一酸化炭素酸化装置又は一酸化炭素吸着装置を使用する請求項7又は8記載のフロンガスの分解装置。
  10. 請求項2~3のいずれかに記載のフロンガスの分解方法によって、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを分解することにより、フロンガスから微量の二酸化炭素を含む水素を生成することを特徴とする水素の製造方法。
  11. 請求項1~6のいずれかに記載のフロンガスの分解方法によって、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを分解することにより、フロンガスの分解後の反応残渣に固形物として含まれた状態のフッ化カルシウムを生成することを特徴とするフッ化カルシウムの製造方法。
  12. フッ化カルシウムの純度が97%以上である請求項11記載のフッ化カルシウムの製造方法。
  13. 請求項7~9のいずれかに記載のフロンガスの分解装置を、負極と正極を電解質膜を介して隔離し、負極に燃料としての水素を供給する燃料電池に接続し、水素とフッ素の双方を含むフロンガスを前記フロンガスの分解装置に供給して分解することによって得られた微量の二酸化炭素を含む水素からなる目的ガスを燃料として負極に供給することによって発電することを特徴とする燃料電池。
  14. 燃料電池で発電した電力を、フロンガスの分解装置の加熱手段の電力源として使用する請求項13記載の燃料電池。
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