以下、本発明を実施するための例示的な実施例を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施例で説明する寸法、材料、形状、及び構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間で同じ参照符号を用いる。
(実施例1)
以下、図1乃至7を参照して、本発明の実施例1による光干渉断層撮像装置として、OCT装置100について説明する。図1は本実施例によるOCT装置100の概略的な構成を示す。なお、以下においては、測定対象である被検体として被検眼を例に説明する。
OCT装置100には、撮像光学系200(撮像装置)と、制御装置300(画像処理装置)と、表示部400とが設けられている。撮像光学系200は、被検眼を撮像することで被検眼の情報を取得する。制御装置300は、撮像光学系200及び表示部400に通信可能に接続され、これらを制御する。制御装置300は、例えば、撮像光学系200で取得された被検眼の断層情報を保存し、保存された断層情報から被検眼のOCTA画像を生成し、生成したOCTA画像を表示部400に表示させることができる。表示部400は、制御装置300に接続され、制御装置300から送られる各種画像や被検者の情報等を表示することができる。
なお、制御装置300は、任意の汎用コンピュータを用いて構成されることができるが、OCT装置100に専用のコンピュータを用いて構成されてもよい。また、表示部400は任意のディスプレイを用いて構成されることができる。ここで、本実施例では、撮像光学系200、制御装置300、及び表示部400は別個に構成されているが、これらは一体的に構成されてもよい。
図2を参照して、撮像光学系200の構成について説明する。図2は、撮像光学系200の概略的な構成を示す。撮像光学系200では、被検眼Eに対向して対物レンズ1が設けられ、その光軸上に第1ダイクロイックミラー2及び第2ダイクロイックミラー3が配置されている。これらのダイクロイックミラーによって、被検眼Eからの光路は、OCT光学系の光路L1、被検眼Eの眼底観察系と固視灯用の光路L2、及び前眼部観察用の光路L3に波長帯域ごとに分岐される。
本実施例では、第1ダイクロイックミラー2の透過方向に第2ダイクロイックミラー3が設けられ、反射方向に前眼部観察用の光路L3が設けられている。また、第2ダイクロイックミラー3の透過方向に光路L2が設けられ、反射方向に光路L1が設けられている。しかしながら、これらの光路の配置は当該配置に限られず、例えば、第1ダイクロイックミラー2と第2ダイクロイックミラー3の透過方向及び反射方向にそれぞれ逆の配置となるように各光路が配置されてもよい。また、本実施例では、眼底観察系としてSLO光学系を用いているが、眼底観察系はこれに限られず、例えば眼底カメラ等を用いて構成してもよい。
眼底観察系と固視灯用の光路L2には、SLO走査手段4、レンズ5,6、ミラー7、第3ダイクロイックミラー8、フォトダイオード9、SLO光源10、及び固視灯11が設けられている。SLO走査手段4は、SLO光源10と固視灯11から発せられた光を被検眼Eの眼底Er上で走査する。SLO走査手段4は、SLO光源10や固視灯11からの光をX方向に走査するXスキャナ及びY方向に走査するYスキャナから構成されている。本実施例では、Xスキャナは高速走査を行うためのポリゴンミラーによって、Yスキャナはガルバノミラーによって構成されている。しかしながら、Xスキャナ及びYスキャナの構成はこれに限られず、所望の構成に応じて、任意の偏向ミラー等を用いて構成されることができる。
レンズ5は、制御装置300によって制御される不図示のモータによって、図中矢印で示される光軸方向に駆動される。レンズ5は、SLO光学系及び固視灯11の焦点合わせのためのフォーカスレンズを構成する。
ミラー7は、穴あきミラーや中空のミラーが蒸着されたプリズムで構成され、SLO光源10による照明光及び固視灯11からの光と、眼底Erからの戻り光とを分離する。本実施例では、ミラー7の透過方向にSLO光源10等が設けられ、反射方向にフォトダイオード9が設けられているが、これらの配置は逆であってもよい。
第3ダイクロイックミラー8は、光路L2を、SLO光源10への光路と固視灯11への光路とに波長帯域ごとに分岐する。本実施例では、第3ダイクロイックミラー8の透過方向に固視灯11が設けられ、反射方向にSLO光源10が設けられている。しかしながら、これらは、第3ダイクロイックミラー8の透過方向及び反射方向にそれぞれ逆の配置となるように配置されてもよい。
フォトダイオード9は、被検眼Eの眼底Erからの戻り光を検出する。フォトダイオード9は、検出した光に基づく出力信号を制御装置300に送る。制御装置300は、フォトダイオード9から受け取った信号に基づいて、被検眼Eの眼底Erの正面画像を生成することができる。
SLO光源10は、被検眼Eに照射される、780nm付近の波長の光を発生する。固視灯11は、被検眼Eに任意の方向及び位置の固視を促すために使用される可視光を発生する。
SLO光源10から発せられた照明光は、第3ダイクロイックミラー8で反射され、ミラー7を通過し、レンズ6,5を通り、SLO走査手段4によって、被検眼Eの眼底Er上で走査される。眼底Erからの戻り光は、照明光と同じ経路を戻ったのち、ミラー7によって反射され、フォトダイオード9へと導かれる。
固視灯11から発せられた光は、第3ダイクロイックミラー8、ミラー7を透過し、レンズ6,5を通り、SLO走査手段4によって、被検眼E上で走査される。このとき、制御装置300は、SLO走査手段4の動きに合わせて固視灯11を点滅させることによって、被検眼E上の任意の位置に任意の形状の光を投影し、被検者の固視を促すことができる。
前眼部観察用の光路L3には、レンズ12、スプリットプリズム13、レンズ14、及び前眼部観察用のCCD15が設けられている。スプリットプリズム13は、被検眼Eの瞳孔と共役な位置に配置されており、被検眼Eと撮像光学系200のZ方向(前後方向)の距離が、前眼部のスプリット像として検出されることができる。
CCD15は、不図示の前眼部観察用光源の波長、具体的には970nm付近に感度を持つ。CCD15は、検出した光に基づく出力信号を制御装置300に送る。制御装置300は、CCD15から受け取った信号に基づいて、被検眼Eの前眼部画像を生成することができる。
次に、被検眼Eの眼底Erの断層情報を取得するためのOCT光学系について説明する。OCT光学系の光路L1には、XYスキャナ16、及びレンズ17,18が設けられている。
XYスキャナ16は、OCT光源20からの光を被検眼Eの眼底Er上で走査するためのOCT走査手段を構成する。図1においては、XYスキャナ16を1枚のミラーとして図示しているが、本実施例に係るXYスキャナ16は、XY2軸方向の走査を行うガルバノミラーによって構成される。なお、XYスキャナ16の構成はこれに限られず、所望の構成に応じて、任意の偏向ミラーを用いて構成されることができる。
レンズ17は、制御装置300によって制御される不図示のモータによって、図中矢印で示される光軸方向に駆動される。レンズ17は、光ファイバー21から出射するOCT光源20からの光を、被検眼Eに焦点合わせするためのフォーカスレンズを構成する。レンズ17による焦点合わせによって、被検眼Eからの戻り光は同時に光ファイバー21の先端に、スポット状に結像されて入射されることとなる。
さらにOCT光学系には、光カプラー19、OCT光源20、光カプラー19に接続されている光ファイバー21〜24、レンズ25、分散補償用ガラス26、参照ミラー27、及び分光器28が配置されている。
OCT光源20から出射された光は、光ファイバー22を介して光カプラー19に入射する。光カプラー19は、OCT光源20からの光を測定光と参照光に分割する。測定光は、光ファイバー21を介して光路L1に入射し、OCT光学系の光路L1から対物レンズ1までを通じて被検眼Eに入射する。被検眼Eに入射した測定光は眼底Er等にて反射・散乱され、戻り光として同じ光路を通じて光カプラー19に達する。ここで、測定光が通る光ファイバー21から対物レンズ1までの各構成要素は、測定光学系を構成する。
これに対し、参照光は、光ファイバー23を介して、参照光学系に入射する。参照光学系には、レンズ25、分散補償用ガラス26、及び参照ミラー27が設けられている。分散補償用ガラス26は、被検眼Eで反射・散乱されて戻る測定光の分散に合わせて、参照光の分散を補償することができる。参照ミラー27は、制御装置300によって制御される不図示のモータ及び駆動機構によって、図中矢印で示される光軸方向に調整可能に保持される。
参照光は、レンズ25及び分散補償用ガラス26を介し、参照ミラー27に入射する。参照ミラー27から反射した参照光は、同じ光路を通じて光カプラー19に達する。
このようにして光カプラー19に達した測定光と参照光は、合波され干渉光となる。ここで、測定光及び参照光は、測定光の光路長と参照光の光路長がほぼ同一となったときに干渉を生じる。そのため、参照ミラー27は、被検眼Eによって変わる測定光の光路長に参照光の光路長を合わせるように制御装置300によって駆動制御される。光カプラー19において発生した干渉光は、光ファイバー24を介して分光器28に導かれる。ここで、光カプラー19は、OCT光源20からの光を測定光と参照光に分割する分割手段、及び測定光と参照光を合波して、干渉光を生じさせる干渉手段を構成する。
分光器28には、レンズ29,31、回折格子30、及びラインセンサ32が設けられている。光ファイバー24から出射された干渉光は、レンズ29を介して平行光となった後、回折格子30で分光され、レンズ31によってラインセンサ32に結像される。ラインセンサ32は、干渉光を検出し、干渉光に基づく干渉信号を制御装置300に送る。制御装置300は、ラインセンサ32から受け取った干渉信号に基づいて、被検眼Eの断層画像やOCTA画像を生成する。
次に、図3を参照して制御装置300の構成について説明する。図3は、制御装置300の概略的な構成を示す。制御装置300には、取得部301、画像生成部302、記憶部303、OCTA画像生成部304、正面画像生成部305、及び制御部306が設けられている。
取得部301は、撮像光学系200のフォトダイオード9、CCD15、及びラインセンサ32から出力信号を取得する。また、取得部301は、撮像光学系200のXYスキャナ16で測定光の走査を行った際の走査位置及び時間を、撮像光学系200又は制御部306から取得する。さらに、取得部301は、画像生成部302から、干渉信号に基づいて生成されたフーリエ変換後の信号やこれに何らかの信号処理を施した信号等を取得することもできる。以下、本明細書において、断層画像における各画素位置に対応する上記フーリエ変換後の信号やこれに何らかの信号処理を施した信号を断層データという。断層データには、例えば、フーリエ変換後に得られたデータを輝度や濃度情報に変換した後のデータ等も含まれる。
画像生成部302は、取得部301が取得した、SLO走査手段4を用いて被検眼Eの眼底ErをX方向及びY方向に走査した際にフォトダイオード9から出力された信号に基づいて、眼底正面画像(SLO画像)を生成する。同様に、画像生成部302は、取得部301が取得した、CCD15からの信号に基づいて被検眼Eの前眼部画像を生成する。
また、画像生成部302は、取得部301が取得した、ラインセンサ32からの干渉信号をフーリエ変換し、得られるデータを輝度或いは濃度情報に変換することによって被検眼の深さ方向(Z方向)の画像を生成する。これにより、画像生成部302は被検眼Eの眼底Erのある一点における深さ方向(Z方向)の断層画像を取得する。このようなスキャン方式をAスキャンと呼び、得られる断層画像をAスキャン画像と呼ぶ。
XYスキャナ16によって測定光を眼底Erの所定の横断方向に走査しながら、このようなAスキャンを繰り返し行うことにより、複数のAスキャン画像を取得することができる。例えば、制御装置300は、測定光をX方向に走査すればXZ面における断層画像が得られ、Y方向に走査すればYZ面における断層画像が得られる。このように被検眼Eの眼底Erを所定の横断方向に走査する方式をBスキャンと呼び、得られる断層画像をBスキャン画像と呼ぶ。また、BスキャンのXZ面或いはYZ面に対し、それに直行する方向に走査する方式をCスキャンと呼び、得られるXYZの3次元の断層画像をCスキャン画像と呼ぶ。
記憶部303は、取得部301で取得した各種情報や画像生成部302によって生成されたSLO画像、前眼部画像、2次元又は3次元の断層データ(断層画像を含む)を記憶する。また、記憶部303は、OCTA画像生成部304によって生成されたモーションコントラストデータや2次元又は3次元のモーションコントラスト画像、及び、正面画像生成部305によって生成された正面画像(疑似SLO画像)を記憶する。さらに、記憶部303は、制御装置300の各構成要素を構成するプログラム等を記憶する。
OCTA画像生成部304は、画像生成部302又は記憶部303から取得した断層データに基づいて、モーションコントラストデータを算出し、モーションコントラスト画像の一種であるOCTA画像を生成する。
正面画像生成部305は、画像生成部302又は記憶部303から取得した3次元の断層データに基づいて、被検眼Eの眼底Erの正面画像を生成する。
制御部306は、撮像光学系200の各種構成要素を制御する。また、制御部306は、記憶部303に記憶されたSLO画像、断層データ、OCTA画像、正面画像、及び被検者の情報等を表示部400に表示させる表示制御部としても機能する。
上記制御装置300の各構成要素は、制御装置300のCPUやMPUによって実行されるモジュール等によって構成されることができる。また、制御装置300の各構成要素は、ASICなどの特定の機能を実現する回路等によって構成されてもよい。
以下、図4乃至7を参照して、撮像光学系200、制御装置300、及び表示部400を備えるOCT装置100における、撮影準備としての被検眼Eの観察からOCTA画像の撮影までを説明する。
まず、図4を参照して、撮影準備としての被検眼Eの観察について説明する。図4は、被検眼Eの観察時に表示部400に表示される前眼部画像401とSLO画像403の一例を示す。
対物レンズ1の正面に被検眼Eを位置させた後、検者は前眼部画像401を見ながら被検眼Eと撮像光学系200とのXYZ方向の位置合わせ(アライメント)を不図示の入力手段を用いて行う。ここで、撮像光学系200は、制御装置300によって制御される不図示の電動ステージによってXYZ方向に駆動可能に保持されており、検者は制御装置300に接続された不図示の入力手段を用いて撮像光学系200の駆動を操作することができる。XY方向の位置合わせは、前眼部画像401中に表される瞳孔中心が、前眼部画像401が表示される画面の中心に位置するように行う。
また、前眼部画像401には、ライン402が示されている。ライン402は、撮像光学系200と被検眼Eとのアライメントの際に用いられる。より具体的には、Z方向(深さ方向)において、被検眼Eに対して撮像光学系200の位置が適切でない場合、前眼部画像401はスプリットプリズム13によってライン402に沿って分離される。検者は、前眼部画像401がライン402によって分離されないように、撮像光学系200のZ方向の駆動を制御することで、被検眼Eと撮像光学系200のZ方向の位置合わせを行うことができる。
なお、被検眼Eに対する撮像光学系200の位置合わせは、制御部306が前眼部画像を解析し、解析結果に応じて撮像光学系200の電動ステージを駆動制御して行ってもよい。
被検眼Eと撮像光学系200とのXYZ方向の位置合わせが完了すると、表示部400は、SLO走査手段4による照明光のXY方向の走査に基づいて生成されるSLO画像403を表示する。前眼部画像401とSLO画像403は随時更新され、検者は被検眼Eを遅延なく観察できる。
SLO画像403中のスキャンエリア404は、断層データの取得時に走査されるエリアを示したものであり、SLO画像403に重畳されている。以下、OCT装置100の主走査方向であるBスキャン方向をX方向、副走査方向であるCスキャン方向をY方向とし、スキャンエリア404における各走査位置(走査ライン)をY1〜Ymaxとして説明する。なお、本実施例では、Ymax=Y300としている。しかしながら、走査ラインの数はこれに限られず、所望の構成に応じて任意の数としてよい。
検者は、スキャンエリア404をマウスやタッチパネル等の不図示の入力手段を操作し、所望の走査位置を設定する。ここで、XYスキャナ16による走査位置を変更するための入力手段は、走査位置変更手段を構成する。これらの操作によって、撮影準備としての被検眼Eの観察が終了する。
次に、図5及び図6を参照して、OCTA画像の撮影について説明する。図5は、OCTA画像の撮影処理のフローチャートを示す。図6は、ステップS511におけるモーションコントラスト画像生成処理のフローチャートを示す。
制御部306が、検者によって不図示の撮影開始ボタンが操作されたことを検出すると、OCTA画像の撮影処理が開始される。
OCTAの撮影処理が開始されると、ステップS501において、撮像光学系200は、予め検者によって設定されたm回分、走査位置Ynを繰り返し測定光で走査する。OCTAでは略同一断面つまり略同一位置のBスキャンを繰り返し行い、その撮影間における被検体の時間的な変化を検出する。本実施例では、m=6とし、略同一位置のBスキャンを6回繰り返す。なお、Bスキャンを繰り返す数であるmは6に限られず、所望の構成に応じて任意の数に設定されることができる。
ステップS502において、画像生成部302は、取得部301によって撮像光学系200から取得した、走査位置Ynにおけるm回分のBスキャンのデータに基づいて、走査位置Ynにおけるm枚の断層画像を生成する。具体的には、画像生成部302は、各Bスキャンのデータに対して、ノイズ低減のためのバックグランド信号の減算及びフーリエ変換を行い、断層画像における各画素位置に対応する断層データを生成し、断層データを用いて断層画像を生成する。なお、断層画像の生成処理は、既知の任意の処理手法によって行われよい。
ステップS503において、記憶部303は画像生成部302によって生成されたm枚の断層画像のデータを記憶する。ステップS504において、制御部306は、副走査であるCスキャンを走査位置Y1から走査位置Ymaxまで行ったかを判断する。ステップS504において、制御部306が、副走査を終了していないと判断した場合には、ステップS505において、制御部306は撮像光学系200のXYスキャナ16を次の走査位置へ制御し、処理をステップS501に戻す。これにより、撮像光学系200は、測定光を被検眼Eの第1の位置を連続してm回主走査した後に、第1の位置とは異なる第2の位置を連続してm回主走査することになる。これに対し、ステップS504において、制御部306が、走査位置Ymaxまでの副走査を終了したと判断したら、処理はステップS506に移行する。本実施例では、副走査を終了することで、被検眼Eが異なる時間にm回光干渉断層撮像され、300(Ymax)ライン×6回のデータが保存されたことになる。なお、副走査が終了し、処理がステップS506に移行することで、被検眼Eの撮影処理が終了し、被検眼Eの撮影処理で取得したデータに基づいてOCTA画像の撮影処理が継続される。
次に、ステップS506において、正面画像生成部305は各走査位置の1回目走査によって取得した断層データに基づく3次元の断層データから輝度平均値を求め、眼底Erの正面画像を生成する。より具体的には、正面画像生成部305は、取得部301から取得した3次元の断層データを、各断層データを得た走査位置及び時間に応じて並び替えて、各走査位置における1回目走査によって取得した断層データ(1回目の断層データ)を特定する。正面画像生成部305は、各走査位置の1回目の断層データについて、各Aスキャンのデータから輝度平均値を求める。さらに、各Aスキャンについて求めた輝度平均値を、Aスキャンの位置に対応する正面画像の各画素位置における画素値とする。これにより、正面画像生成部305は、OCT光学系によって取得した断層データに基づく正面画像を生成することができる。
なお、本実施例では輝度平均値を用いて正面画像を生成する構成としたが、正面画像の生成に用いる断層データはこれに限られない。正面画像は、例えば、各Aスキャンのデータの輝度上位10%のデータを用いて生成されてもよいし、各Aスキャンのデータの中央値等を用いて生成されてもよい。
ステップS507において、制御部306は生成された正面画像を表示部400に表示させる。ステップS508において、制御部306は不図示の停止ボタンへの入力の受け付けを行う。検者は表示部400に表示された正面画像を確認し、撮影の成否判断を行い、再撮影が必要であれば撮影停止ボタンを押す。
ステップS509において、撮影停止ボタンの出力に応じて、制御部306が画像処理を継続するか否かを判断する。ステップS508において、停止ボタンが押されたことを制御部306が検知すると、ステップS509において、制御部306が画像処理を継続しないと判断し、撮影を終了する。
これに対し、ステップS508において撮影停止ボタンが押されず、ステップS509において制御部306が画像処理を継続すると判断すると、処理はステップS510に移行する。ステップS510では、OCTA画像生成部304が、OCTA画像生成処理に用いる3次元の断層データのインデックスiを1に設定する。以下、本明細書においては、i組目の3次元の断層データとは、各走査位置に対してi回目のBスキャンで得られた2次元の断層データを、走査位置に応じて1組の3次元の断層データとしたものをいう。なお、1組の3次元の断層データとは、各走査位置に対して1回のBスキャンで得られた2次元の断層データを副走査方向に並べた、断層データのグループをいう。
OCTA画像生成部304はステップS511〜S513を繰り返すことで、6組の3次元の断層データのうち1組目と2組目、2組目と3組目、3組目と4組目、4組目と5組目、5組目と6組目を比較演算し、5枚のモーションコントラスト画像を生成する。
まず、ステップS511において、OCTA画像生成部304は、i組目の3次元の断層データとi+1組目の3次元の断層データから、眼底Erの正面を写したモーションコントラスト画像であるOCTA画像を生成する。
ここで、図6を参照してOCTA画像生成部304によるOCTA画像生成処理をより詳細に説明する。処理がステップS511に移行すると、OCTA画像生成部304は、図6に示すステップS601において、走査位置Yjのインデックスjを1に設定する。
ステップS602において、OCTA画像生成部304が走査位置Yjにおいてi回目のBスキャンによって取得した断層データ及びi+1回目のBスキャンによって取得した断層データからモーションコントラストデータを生成する。OCTA画像生成部304は、対比する2組の断層データの互いに対応する各断層データの差分を算出する等により、断層データ間の変化を算出し、モーションコントラストデータを生成する。
なお、本実施例では、OCTA画像生成部304は、各断層データの差分を算出する際に、各Aスキャンの位置における断層データの合計値を用いて差分を算出する。しかしながら、モーションコントラストデータの生成に用いる各Aスキャン位置における断層データは合計値に限られず、平均値や中央値等であってもよい。ここで、各走査位置Yjにおけるモーションコントラストデータは、眼底Erの正面画像であるOCTA画像における1ラインの画素値に対応する。
ステップS603において、OCTA画像生成部304は、インデックスjがYmaxに達したか否かを判断する。ステップS603において、OCTA画像生成部304が、インデックスjはYmaxに達していないと判断すると、処理はステップS604に移行する。ステップS604では、OCTA画像生成部304がインデックスjを1増やし、処理をステップS602に戻す。
ステップS603において、OCTA画像生成部304が、インデックスjがYmaxに達したと判断すると、処理はステップS605に移行する。ステップS605では、OCTA画像生成部304は、各走査位置に対応するモーションコントラストデータを各ラインの画素値として用いて、モーションコントラスト画像であるOCTA画像を生成する。
ステップS606においては、記憶部303が生成されたOCTA画像のデータを記憶する。その後、処理はステップS607に移行し、図5に示すステップS512に移行する。
ステップS512では、OCTA画像生成部304が、インデックスiがm−1に達したか否かを判断する。ステップS512において、OCTA画像生成部304が、インデックスiがm−1に達していないと判断すると、処理はステップS513に移行する。ステップS513においては、OCTA画像生成部304がインデックスiを1増やし、処理をステップS511に戻す。
ステップS512において、OCTA画像生成部304が、インデックスiがm−1に達したと判断すると、処理はステップS514に移行する。ステップS514においては、OCTA画像生成部304が、生成したm−1枚のモーションコントラスト画像の加算平均処理を行い、平均化されたOCTA画像(平均OCTA画像)を生成する。図7は、平均OCTA画像の一例を示す。複数枚のOCTA画像を平均化することで、ノイズを低減し、図7に示すように鮮明なOCTA画像700を生成することができる。なお、OCTA画像の平均化に関しては、ノイズ低減を達成できるような平均化であればよく、加算平均(算術平均)の他に、中央値演算又は最頻値演算等に基づく平均化を行ってもよい。
最後に、ステップS515において、制御部306は生成された平均OCTA画像を最終画像として表示部400に表示させるとともに撮影完了を検者に通知し、撮影処理を終了する。本実施例では、撮影完了の通知は表示部400の表示によって行われることとしたが、別途設けられたスピーカーからの通知音や、別途設けられたLEDなどの点灯等によって行われてもよい。なお、制御部306は、表示部400における正面画像が表示されている表示領域において、表示される画像を正面画像から平均OCTA画像に切り替えて、表示部400に表示させることができる。また、制御部306は、正面画像及び平均OCTA画像をそれぞれ表示部400の別々の表示領域に表示させてもよい。
上記のように、本実施例によるOCT装置100は、被検眼Eを異なる時間に複数回光干渉断層撮像する撮像光学系200を備える。より具体的には、撮像光学系200は、被検体の第1の位置を連続して複数回主走査した後に、第1の位置とは異なる第2の位置を連続して複数回主走査するように制御された測定光を用いて、被検眼Eを異なる時間に複数回光干渉断層撮像する。また、OCT装置100は、撮像光学系200に通信可能に接続されて、複数回の光干渉断層撮像の結果を用いて得た3次元の断層データから生成される画像を処理する、制御装置300を備える。制御装置300は、測定光によって被検眼Eの各走査位置を連続して複数回走査して得た複数組の3次元の断層データを取得する取得部301を備える。また、制御装置300は、複数組の3次元の断層データのうちの少なくとも1組の3次元の断層データを用いて正面画像を生成する、正面画像生成部305を備える。さらに制御装置300は、複数組の3次元の断層データを用いてモーションコントラスト画像を生成するOCTA画像生成部304と、モーションコントラスト画像の表示より先に、正面画像を表示部400に表示させる、制御部306を備える。
正面画像生成部305は、複数組の3次元の断層データのうちの1組の3次元の断層データを用いて正面画像を生成する。なお、制御部306は、正面画像が表示される表示領域において、表示される画像を正面画像からモーションコントラスト画像に切替えて、表示部400に表示させることができる。OCTA画像生成部304は、時間的に連続する各3次元の断層データの差分を演算し、該差分を用いてモーションコントラスト画像を生成する。また、OCTA画像生成部304は、3組以上の3次元の断層データを含む複数組の3次元の断層データを用いて生成した複数のモーションコントラスト画像の平均化画像を生成し、制御部306は平均化画像を表示部400に表示させる。
このような構成から、本実施例によるOCT装置100は、モーションコントラスト画像の表示前に断層データに基づく正面画像を表示する。正面画像の生成は、モーションコントラストデータを算出して行うモーションコントラスト画像の生成に比べ、計算量が少なく処理にかかる時間も大幅に短くできる。このため、本実施例によるOCT装置100では、撮影後早期に撮影の成否判断を行うための断層データに基づく正面画像を表示させることができる。これにより、再撮影を行う場合の待ち時間を短縮することができ、被検者及び検者の負担を低減できる。
また、本実施例に係る撮像光学系200は、被検眼Eの正面像の情報を取得するSLO光学系(正面像取得部)を備える。この場合、取得部301は、撮像光学系200から正面像の情報を取得し、制御部306は、測定光の走査時に、正面像の情報から生成されたSLO画像(第2の正面画像)を表示部400に表示させてもよい。このような構成によれば、OCT光学系と、対物レンズ等の一部の光学系を共通するSLO光学系で取得した情報に基づくSLO画像を表示することで、検者は断層データの取得時に被検眼Eの位置等の状況を大まかに知ることができる。このため、SLO画像に応じて画像処理停止の入力を受け付けることで、撮影中にも撮影の成否判断を行うことができ、再撮影を行う場合の待ち時間をさらに短縮することができ、被検者及び検者の負担をより低減できる。
本実施例では正面画像の表示後のみに画像処理停止の判断を行う構成としたが、画像処理停止の入力を制御部306への入力の割り込み処理として、即時に処理を停止することができるように構成してもよい。
また、本実施例では、OCTA画像の生成に用いるm回のBスキャンによる断層データの取得後に、正面画像を生成する構成としたが、正面画像を生成するタイミングはこれに限られない。例えば、正面画像生成部305は、正面画像の生成に用いる全ての断層データを取り終えた後、直ぐに正面画像を生成してもよい。具体的には、本実施例では、正面画像生成部305は、各走査位置における1回目のBスキャンによる断層データに基づいて正面画像を生成するため、最後の走査位置(Ymax)における1回目のBスキャンの直後に正面画像を生成してもよい。さらに、正面画像生成部305は、走査と並行して、各走査位置における1回目のBスキャン毎に各走査位置に対応する画素位置の画像データを生成して、正面画像を生成してもよい。これらの場合、より早期に正面画像を生成・表示できるため、より早期に撮影の成否判断を行うことができ、再撮影を行う場合の待ち時間をさらに短縮することができ、被検者及び検者の負担をより低減できる。
なお、正面画像生成部305は、1回目のBスキャンによる断層データから正面画像を生成する構成に限られず、2回目や3回目等の任意の回のBスキャンによる断層データから正面画像を生成してもよい。また、正面画像生成部305は、異なる組の3次元の断層データを用いて正面画像を生成してもよい。例えば、正面画像生成部305は、正面画像の上半分を1回目のBスキャンによる断層データを用いて生成し、下半分を2回目のBスキャンによる断層データを用いて生成してもよい。なお、正面画像の生成は、上述のように、モーションコントラストデータを算出して行うモーションコントラスト画像の生成に比べて処理に係る時間を大幅に短くできる。そのため、複数組の3次元の断層データのうちの異なる組乃至全てを用いて正面画像を生成する場合であっても、複数組の3次元の断層データ全てを用いてモーションコントラスト画像を生成するよりも、計算量が少なく処理にかかる時間を大幅に短くできる。したがって、このような場合であっても、撮影後早期に撮影の成否判断を行うための断層データに基づく正面画像を表示させることができる。
また、本実施例では、正面画像の表示後の画像処理継続判断に基づいて、モーションコントラスト画像(OCTA画像)の生成処理が開始されるが、モーションコントラスト画像の生成処理を始めるタイミングはこれに限られない。例えば、正面画像の生成と並行してモーションコントラスト画像の生成が行われてもよい。この場合においても、正面画像の生成処理がモーションコントラスト画像の生成処理よりも早く終了するため、モーションコントラスト画像の表示より先に正面画像を表示することができる。そのため、検者は撮影後早期に撮影の成否判断を行うことができる。なお、この場合、正面画像に基づいて検者によって撮影停止ボタンが押されると、モーションコントラスト画像の生成処理が中止され、モーションコントラスト画像の撮影を終了するように制御装置300を構成することができる。
(実施例2)
実施例1では、m枚のOCTA画像に基づく平均OCTA画像の生成後にOCTA画像を表示する構成とした。これに対し、実施例2によるOCT装置では、各OCTA画像の生成毎に、既に生成されているOCTA画像の平均画像を生成し表示することで、OCTA画像の表示までの時間を短縮する。
以下、図8乃至9(c)を参照して、本実施例によるOCT装置について説明する。本実施例によるOCT装置の構成は実施例1によるOCT装置100と同様であるため、各構成要素について同じ参照符号を用い、説明を省略する。以下、実施例1によるOCT装置100との相違点を中心に、本実施例によるOCT装置について説明する。なお、本実施例においても、m=6とする。
まず、図8を参照して、本実施例に係るOCTA画像の撮影処理について説明する。図8は、本実施例に係るOCTA画像の撮影処理のフローチャートである。
ステップS801からステップS807までの処理は、実施例1のステップS501からステップS507までの処理と同様であるため説明を省略する。ステップS807において表示部400が正面画像を表示すると、処理はステップS808に移行する。ステップS808においては、OCTA画像生成部304が、実施例1のステップS510と同様に、OCTA画像生成処理に用いる3次元の断層データのインデックスiを1に設定する。
次に、ステップS809及びステップS810において、実施例1のステップS508及びS509と同様に、制御部306が不図示の停止ボタンへの入力の受け付けを行い、画像処理継続の判断を行う。制御部306は、ステップS810において、画像処理を継続しないと判断すると、撮影処理を終了する。
これに対し、ステップS810において、制御部306が画像処理を継続すると判断した場合には、処理はステップS811に移行する。ステップS811では、OCTA画像生成部304が、実施例1のステップS511と同様に、i組目の3次元の断層データとi+1組目の3次元の断層データから、モーションコントラスト画像であるOCTA画像を生成する。
次に、ステップS812において、OCTA画像生成部304は、既に生成したOCTA画像の加算平均処理を行い、既に生成したOCTA画像に基づく平均OCTA画像を生成する。例えば、i=3の場合には、OCTA画像生成部304は、既に生成した3枚のOCTA画像の加算平均処理を行って、3枚のOCTA画像に基づく平均OCTA画像を生成する。なお、ステップS812において、i=1の場合には、生成した1枚目のOCTA画像がそのまま平均OCTA画像となる。
その後、ステップS813において、制御部306は、表示部400に表示させるOCTA画像をステップS812で生成された平均OCTA画像に更新し、新たに生成された平均OCTA画像を表示部400に表示させる。すなわち、制御部306は、表示部400における平均OCTA画像が表示される表示領域において、表示される平均OCTA画像を、順次生成された平均OCTA画像に切り替えて表示部400に表示させることができる。
ステップS814では、OCTA画像生成部304は、インデックスiがm−1に達したか否かを判断する。ステップS814において、OCTA画像生成部304が、インデックスiがm−1に達していないと判断した場合には、処理はステップS815に移行する。ステップS815では、OCTA画像生成部304がインデックスiを1増やし、処理をステップS809に戻す。
ステップS814において、OCTA画像生成部304が、インデックスiがm−1に達したと判断した場合には、撮影完了を検者に通知し、撮影処理を終了する。以上の処理により、本実施例によるOCT装置は、モーションコントラスト画像の生成毎に表示部400に表示される平均OCTA画像を更新し、検者にOCTA画像に基づく撮影の成否判断をより早期に行わせることができる。
図9(a)乃至(c)を参照して、本実施例に係るOCTA画像の撮影処理において、表示部400に表示される画像について説明する。図9(a)は、正面画像生成部305によって生成された正面画像900の一例を示す。図9(b)は、i=2のときに生成され、表示部400に表示される平均OCTA画像901の一例を示す。図9(c)は、i=5のときに生成され、表示部400に表示される、最終画像である平均OCTA画像902を示す。平均OCTA画像901は平均するOCTA画像の数が、最終画像である平均OCTA画像902について平均するOCTA画像の数よりも少ないため、やや不鮮明な画像となっている。
検者は、表示部400が、ステップS807において正面画像900を表示することで、早期に撮影位置に基づく撮影の成否判断を行うことができる。これに加え、本実施例では、表示部400が、ステップS813において、OCTA画像の生成毎に、表示するOCTA画像を平均OCTA画像901,902のように随時更新することで、検者は早期にOCTA画像に基づく撮影の成否判断を行うことができる。
以上のように、本実施例によるOCT装置では、OCTA画像生成部304が、モーションコントラスト画像を生成する毎に、既に生成されたモーションコントラスト画像の平均化画像を順次生成する。そして、制御部306が、平均化画像が表示される表示領域において表示される平均化画像を、OCTA画像生成部304が平均化画像を生成する毎に、生成された平均化画像に切り替えて表示部400に表示させる。このため、本実施例によるOCT装置では、表示部400が順次ノイズを減少させた画像を表示することができる。これにより、検者は、撮影位置だけでなく、例えば、環境の変化等に起因する撮影の成否判断を早期に行うことができる。また、図10(a)乃至(c)に示すような従来の表示に比べ、早期にスキャンエリア全体のOCTA画像を表示することができる。そのため、本実施例によるOCT装置では、スキャンエリア内の位置に関係なく異常が生じている部分を特定することができ、早期にスキャンエリア全体に対する撮影の成否判断を行うことができる。
本実施例では平均OCTA画像の表示の更新毎に画像処理停止の判断を行う構成としたが、画像処理停止の入力を割り込み処理として制御部306へ入力することで、即時に処理を停止することができるように構成してもよい。
また、本実施例では、モーションコントラスト画像の表示前に正面画像を表示させて最初の撮影の成否判断を可能としているが、撮影の成否判断のために早期に表示させる画像は正面画像に限られない。例えば、正面画像を生成・表示せずに、平均OCTA画像の表示より先に一枚目のOCTA画像を表示部400に表示させることでも、従来の表示に比べ、撮影後早期にスキャンエリア全体のOCTA画像を表示することができる。そのため、制御部306が、表示部400に正面画像を表示させずに、モーションコントラスト画像の平均画像の表示より先に、モーションコントラスト画像を表示させる構成としてもよい。この場合であっても、撮影後早期に撮影の成否判断を行うための断層データに基づくモーションコントラスト画像を表示させることができる。これにより、再撮影を行う場合の待ち時間を短縮することができ、被検者及び検者の負担を低減できる。
(実施例3)
実施例1及び2によるOCTA画像生成処理では、各Aスキャンの位置における全ての断層データに基づいてモーションコントラストデータを生成した。これに対し、実施例3によるOCT装置では、OCTA画像生成処理において、OCTA画像の生成と関係の薄い層領域の断層データを除いた断層データに基づいてモーションコントラストデータを生成し、より高速にOCTA画像の生成処理を行う。
本実施例によるOCT装置は、実施例1によるOCT装置100と同様の構成を有するため、各構成要素について同じ参照符号を用いて説明を省略する。以下、実施例1によるOCT装置100との相違点を中心に、本実施例によるOCT装置について説明する。
本実施例に係る制御装置300の制御部306は、実施例1での機能に加えて断層データの解析部としても機能する。制御部306は、画像生成部302によって生成された断層画像の層認識を行い、OCTA画像生成と関係の薄い硝子体部及び強膜部の断層データを省いた断層データを特定し、記憶部303に記憶する。
より具体的には、制御部306は、断層画像に対して、メディアンフィルタとSobelフィルタをそれぞれ適用して画像を生成する(以下、それぞれメディアン画像、Sobel画像ともいう)。次に制御部306は、生成したメディアン画像とSobel画像から、Aスキャンに対応するデータ毎にプロファイルを生成する。生成されるプロファイルは、メディアン画像では輝度値のプロファイル、Sobel画像では勾配のプロファイルとなる。そして、制御部306は、Sobel画像から生成したプロファイル内のピークを検出する。制御部306は、検出したピークの前後やピーク間に対応するメディアン画像のプロファイルを参照することで、網膜層の各領域の境界を抽出する。そして、制御部306は、各領域の境界と眼底の構造のテンプレート等から、各層を認識する。
制御部306は、このように認識した各層から、OCTA画像生成と関係の薄い硝子体部及び強膜部の断層データを省いた断層データを特定し、記憶部303に記憶する。なお、層認識の手法は、上述の手法に限られず、既知の任意の手法であってもよい。
OCTA画像生成部304は、制御部306によって特定された断層データからOCTA画像を生成することにより、より少ない計算量でOCTA画像を生成し、より高速にOCTA画像生成処理を行うことができる。これにより、本実施例によるOCT装置では、平均OCTA画像の表示までの時間を短くすることができる。
上記のように、本実施例によるOCT装置では、制御部306が3次元の断層データを解析する解析部として機能する。OCTA画像生成部304は、制御装置300によって3次元の断層データを解析することで認識された層情報を用いて、3次元の断層データの差分の演算に使用する断層データを特定し、OCTA画像を生成する。これにより、本実施例によるOCT装置では、より少ない計算量でOCTA画像を生成し、より高速にOCTA画像の生成処理を行うことができ、最終画像の表示までの時間を短くすることができる。
本実施例では、制御部306によってOCTA画像生成と関係の薄い硝子体部及び強膜部の断層データを省いた断層データを特定し、特定した断層データをOCTA画像の生成に用いる構成とした。しかしながら、OCTA画像の生成に用いる断層データの特定はこれに限られない。制御部306は、層認識によって観察位置を認識し、OCTA画像生成に用いる断層データから予め検者によって設定された観察部位周辺以外のデータを除くようにしてもよい。例えば、制御部306は、視神経乳頭周辺の断層データや眼底黄斑部周辺の断層データをOCTA画像の生成に用いる断層データとして特定し、これら以外の領域の断層データを省いてもよい。
なお、本実施例では、制御部306は、画像生成部302によって生成された断層画像に基づいて層認識を行ったが、層認識に用いる情報はこれに限られない。制御部306は、取得部301で取得した3次元の断層データに基づいて層認識を行えればよい。そのため、制御部306は、干渉信号のフーリエ変換後のデータやこれに対して何らかの信号処理を施した信号を用いて層認識を行ってもよい。なお、画像生成部302によって生成された断層画像も、干渉信号のフーリエ変換後のデータに基づくものであるため、3次元の断層データに含まれるものである。
また、実施例1乃至3では、取得部301は、撮像光学系200で取得された干渉信号や画像生成部302で生成された断層信号を取得した。しかしながら、取得部301がこれらの信号を取得する構成はこれに限られない。例えば、取得部301は、制御装置300とLAN、WAN、又はインターネット等を介して接続されるサーバや撮像装置からこれらの信号を取得してもよい。
上記実施例では、干渉系としてマイケルソン干渉系を用いたが、マッハツェンダー干渉系を用いてもよい。例えば、測定光と参照光との光量差に応じて、光量差が大きい場合にはマッハツェンダー干渉系を、光量差が比較的小さい場合にはマイケルソン干渉系を用いてもよい。また、分割手段として光カプラーを使用したファイバー光学系を用いているが、コリメータとビームスプリッタを使用した空間光学系を用いてもよい。また、撮像光学系200の構成は、上記の構成に限られず、撮像光学系200に含まれる構成の一部を撮像光学系200と別体の構成としてもよい。
さらに、上記実施例では、OCT装置として、SLDを光源として用いたスペクトラルドメインOCT(SD−OCT)装置について述べたが、本発明によるOCT装置の構成はこれに限られない。例えば、出射光の波長を掃引することができる波長掃引光源を用いた波長掃引型OCT(SS−OCT)装置や偏光OCT装置等の他の任意の種類のOCT装置にも本発明を適用することができる。また、偏光OCT装置を用いる場合には、OCTA画像生成部304は、モーションコントラストデータを複素OCT信号の位相差やベクトル差分から算出してもよく、本明細書においては、複素OCT信号等も断層データに含まれる。
なお、上記実施例では、モーションコントラスト画像を生成するモーションコントラスト画像生成部として、OCTA画像を生成するOCTA画像生成部304について説明した。しかしながら、モーションコントラスト画像生成部が生成する画像は、OCTA画像に限られず、例えば3次元のモーションコントラスト画像やその平均化画像であってもよい。この場合、表示部400は、OCTA画像に代えて、3次元のモーションコントラスト画像や3次元のモーションコントラスト画像の平均化画像を表示することができる。
また、上記実施例においては、被検体として被検眼Eの眼底Erを例に説明したが、被検体はこれに限られない。例えば、被検体は被検眼Eの前眼部等であってもよいし、被検者の皮膚や臓器等でもよい。この場合には、眼科装置以外に、内視鏡等の医療機器に本発明を適用することができる。また、実施例3に係る層認識は、被検体の構造に応じて行われることができる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、実施例を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、上述の各実施例及び変形例は、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。