定義
本明細書及び特許請求の範囲で使用されるとき、動詞「含む」及びその活用形態は、その非限定的な意味で使用されており、その単語の後に記載される事項が包含されるが、具体的に述べられていない事項が排除されないことを意味する。更に、不定冠詞によるある要素への言及は、文脈から1つ及び1つのみの要素が存在することが明白に求められない限り、1つより多くの要素が存在する可能性を排除しない。したがって、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は通常「少なくとも1つ」を意味する。
非置換アルキル基は一般式CnH2n+1を有し、直鎖状でも分岐状でもよい。非置換アルキル基はまた環状の部分を含有してもよく、したがって、付随する一般式CnH2n−1を有し得る。任意選択で、アルキル基は本明細書中で更に特定されている1又は複数の置換基により置換される。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、t−ブチル、1−ヘキシル、1−ドデシル、等がある。
アリール基は6〜12個の炭素原子を含み、単環状及び二環状の構造を含み得る。任意選択で、アリール基は本明細書で更に特定されている1又は複数の置換基によって置換されていてもよい。アリール基の例はフェニル及びナフチルである。
アリールアルキル基及びアルキルアリール基は少なくとも7個の炭素原子を含み、単環状及び二環状の構造を含み得る。任意選択で、アリールアルキル基及びアルキルアリールは本明細書で更に特定されている1又は複数の置換基により置換されていてもよい。アリールアルキル基は例えばベンジルである。アルキルアリール基は例えば4−t−ブチルフェニルである。
ヘテロアリール基は少なくとも2個の炭素原子(即ち少なくともC2)及び1個又は複数のヘテロ原子N、O、P又はSを含む。ヘテロアリール基は単環状の又は二環状の構造を有し得る。任意選択で、ヘテロアリール基は本明細書に更に特定されている1又は複数の置換基により置換されていてもよい。適切なヘテロアリール基の例としては、ピリジニル、キノリニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピロリル、フラニル、トリアゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、プリニル、ベンゾキサゾリル、チエニル、ホスホリル及びオキサゾリルがある。
ヘテロアリールアルキル基及びアルキルヘテロアリール基は少なくとも3個の炭素原子(即ち少なくともC3)を含み、単環状及び二環状の構造を含み得る。任意選択で、ヘテロアリール基は本明細書に更に特定されている1又は複数の置換基により置換されていてもよい。
アリール基が(ヘテロ)アリール基と表示されている場合、この表記はアリール基及びヘテロアリール基を包含することを意味する。同様に、アルキル(ヘテロ)アリール基はアルキルアリール基及びアルキルヘテロアリール基を包含して意味し、(ヘテロ)アリールアルキルはアリールアルキル基及びヘテロアリールアルキル基を包含することを意味する。したがって、C2〜C24(ヘテロ)アリール基はC2〜C24ヘテロアリール基及びC6〜C24アリール基を包含するものと解釈される。同様に、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基はC7〜C24アルキルアリール基及びC3〜C24アルキルヘテロアリール基を包含して意味し、C3〜C24(ヘテロ)アリールアルキルはC7〜C24アリールアルキル基及びC3〜C24ヘテロアリールアルキル基を包含することを意味する。
別段の指定がない限り、アルキル基、アルケニル基、アルケン、アルキン、(ヘテロ)アリール基、(ヘテロ)アリールアルキル基、アルキル(ヘテロ)アリール基、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、(ヘテロ)アリーレン基、アルキル(ヘテロ)アリーレン基、(ヘテロ)アリールアルキレン基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、(ヘテロ)アリールオキシ基、アルキニルオキシ基及びシクロアルキルオキシ基は、C1〜C12アルキル基、C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキニル基、C3〜C12シクロアルキル基、C5〜C12シクロアルケニル基、C8〜C12シクロアルキニル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C12アルケニルオキシ基、C2〜C12アルキニルオキシ基、C3〜C12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン、アミノ基、オキソ及びシリル基からなる群から独立して選択される1又は複数の置換基で置換されていてもよく、ここでシリル基は式(R2)3Si−で表すことができ、式中R2はC1〜C12アルキル基、C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキニル基、C3〜C12シクロアルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C12アルケニルオキシ基、C2〜C12アルキニルオキシ基及びC3〜C12シクロアルキルオキシ基からなる群から独立して選択され、ここでアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基及びシクロアルキルオキシ基は任意選択で置換されていてもよく、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基及びシクロアルコキシ基は、任意選択でO、N及びSからなる群から選択される1又は複数のヘテロ原子により中断されてもよい。
アルキニル基は炭素−炭素三重結合を含む。1つの三重結合を含む非置換アルキニル基は一般式CnH2n−3を有する。末端アルキニルは、三重結合が炭素鎖の末端位置に位置するアルキニル基である。任意選択で、アルキニル基は、本明細書に更に特定されている1又は複数の置換基により置換されているか、及び/又は酸素、窒素及びイオウの群から選択されるヘテロ原子により中断されている。アルキニル基の例には、エチニル、プロピニル、ブチニル、オクチニル、等がある。
シクロアルキニル基は環状のアルキニル基である。1つの三重結合を含む非置換のシクロアルキニル基は一般式CnH2n−5を有する。任意選択で、シクロアルキニル基は本明細書に更に特定されている1又は複数の置換基により置換されている。シクロアルキニル基の一例はシクロオクチニルである。
ヘテロシクロアルキニル基は酸素、窒素及びイオウの群から選択されるヘテロ原子により中断されているシクロアルキニル基である。任意選択で、ヘテロシクロアルキニル基は本明細書に更に特定されている1又は複数の置換基により置換されている。ヘテロシクロアルキニル基の一例はアザシクロオクチニルである。
(ヘテロ)アリール基はアリール基及びヘテロアリール基を含む。アルキル(ヘテロ)アリール基はアルキルアリール基及びアルキルヘテロアリール基を含む。(ヘテロ)アリールアルキル基はアリールアルキル基及びヘテロアリールアルキル基を含む。(ヘテロ)アルキニル基はアルキニル基及びヘテロアルキニル基を含む。(ヘテロ)シクロアルキニル基はシクロアルキニル基及びヘテロシクロアルキニル基を含む。
(ヘテロ)シクロアルキン化合物は、本明細書中で、(ヘテロ)シクロアルキニル基を含む化合物と定義される。
本明細書及び特許請求の範囲に開示されている化合物の幾つかは、縮合(ヘテロ)シクロアルキン化合物、即ち第2の環構造が(ヘテロ)シクロアルキニル基に縮合、即ち環付加している(ヘテロ)シクロアルキン化合物と記述され得る。例えば、縮合(ヘテロ)シクロオクチン化合物において、シクロアルキル(例えばシクロプロピル)又はアレーン(例えばベンゼン)は(ヘテロ)シクロオクチニル基に環付加し得る。縮合(ヘテロ)シクロオクチン化合物の(ヘテロ)シクロオクチニル基の三重結合は3つの可能な位置のいずれか1つ、即ちシクロオクチン部分の2、3又は4位に位置し得る(番号付けは「IUPAC Nomenclature of Organic Chemistry」、Rule A31.2による)。本明細書及び特許請求の範囲における縮合(ヘテロ)シクロオクチン化合物の記載は、シクロオクチン部分の3つの個々の位置異性体の全てを包含することを意味する。
総括的用語「糖」は、本明細書中で、単糖、例えばグルコース(Glc)、ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)及びフコース(Fuc)を指すために使用される。用語「糖誘導体」は、本明細書中で、単糖の糖の誘導体、即ち置換基及び/又は官能基を含む単糖の糖を指すために使用される。糖誘導体の例としては、アミノ糖及び糖酸、例えばグルコサミン(GlcNH2)、ガラクトサミン(GalNH2)N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)、N−アセチルノイラミン酸(NeuNAc)とも称されるシアル酸(Sia)、及びN−アセチルムラミン酸(MurNAc)、グルクロン酸(GlcA)及びイズロン酸(IdoA)がある。
用語「ヌクレオチド」は本明細書中でその通常の科学的な意味で使用される。用語「ヌクレオチド」は、ヌクレオ塩基、五炭糖(リボース又は2−デオキシリボース)、及び1、2又は3つのリン酸基から構成される分子を指す。リン酸基がないと、ヌクレオ塩基及び糖はヌクレオシドを構成する。したがって、ヌクレオチドはヌクレオシド一リン酸、ヌクレオシド二リン酸又はヌクレオシド三リン酸と呼ばれる場合もある。ヌクレオ塩基はアデニン、グアニン、シトシン、ウラシル又はチミンであり得る。ヌクレオチドの例として、ウリジン二リン酸(UDP)、グアノシン二リン酸(GDP)、チミジン二リン酸(TDP)、シチジン二リン酸(CDP)及びシチジン一リン酸(CMP)がある。
用語「タンパク質」は本明細書中でその通常の科学的な意味で使用される。ここで、約10又は複数のアミノ酸を含むポリペプチドはタンパク質と考えられる。タンパク質は天然のアミノ酸を含むが、非天然のアミノ酸を含んでいてもよい。
用語「糖タンパク質」は、本明細書中でその通常の科学的な意味で使用されており、タンパク質に共有結合された1又は複数の単糖又はオリゴ糖鎖(「グリカン」)を含むタンパク質を指す。グリカンは、タンパク質のヒドロキシル基(O−結合した−グリカン)、例えばセリン、スレオニン、チロシン、ヒドロキシリシン若しくはヒドロキシプロリンのヒドロキシル基、又はタンパク質の窒素機能(N−糖タンパク質)、例えばアスパラギン若しくはアルギニン、又はタンパク質の炭素(C−糖タンパク質)、例えばトリプトファンに結合し得る。糖タンパク質は、1より多くのグリカンを含んでもよいし、1又は複数の単糖及び1又は複数のオリゴ糖グリカンの組合せを含んでもよく、N−結合、O−結合した及びC−結合したグリカンの組合せを含んでもよい。全てのタンパク質の50%より多くが何らかの形態のグリコシル化を有し、したがって、糖タンパク質の資格があると見積もられる。糖タンパク質の例には、PSMA(前立腺−特異的膜抗原)、CAL(カンジダ・アンタルティカ(candida antartica)リパーゼ)、gp41、gp120、EPO(エリスロポエチン)、凍結防止タンパク質及び抗体がある。
用語「グリカン」は、本明細書中でその通常の科学的な意味で使用されており、タンパク質に結合した単糖又はオリゴ糖鎖を指す。したがって、用語グリカンは、糖タンパク質の糖質部分を指す。グリカンは1つの糖のC−1炭素を介してタンパク質に結合し、その糖は更なる置換がなくてもよいし(単糖)、又はそのヒドロキシル基の1又は複数で更に置換されていてもよい(オリゴ糖)。天然のグリカンは典型的には1〜約10の単糖部分を含む。しかしながら、より長い単糖鎖がタンパク質に結合しているとき、上記単糖鎖も本明細書中ではグリカンと考えられる。
糖タンパク質のグリカンは単糖であり得る。典型的には、糖タンパク質の単糖グリカンはタンパク質に共有結合した単一のN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、グルコース(Glc)、マンノース(Man)又はフコース(Fuc)からなる。
また、グリカンはオリゴ糖であってもよい。糖タンパク質のオリゴ糖鎖は直鎖状でも分岐状でもよい。オリゴ糖の場合、タンパク質に直接結合している糖はコア糖と呼ばれる。オリゴ糖において、タンパク質に直接結合していないが、少なくとも2つの他の糖に結合している糖は内部糖と呼ばれる。オリゴ糖において、タンパク質に直接結合していないが、単一の他の糖に結合している、即ちその他のヒドロキシル基のうちの1つ又は複数に更なる糖置換基を担持しない糖は末端糖と呼ばれる。誤解を避けるために、糖タンパク質のオリゴ糖内には複数の末端糖が存在してもよいが、コア糖は1つのみである。
グリカンはO−結合したグリカン、N−結合したグリカン又はC−結合したグリカンであり得る。O−結合したグリカンの場合、単糖又はオリゴ糖グリカンは、典型的にはセリン(Ser)又はスレオニン(Thr)のヒドロキシル基を介してタンパク質のアミノ酸のO−原子に結合している。N−結合したグリカンの場合、単糖又はオリゴ糖グリカンはタンパク質のアミノ酸のN−原子を介して、典型的にはアスパラギン(Asn)又はアルギニン(Arg)の側鎖のアミド窒素を介してタンパク質に結合している。C−結合したグリカンの場合、単糖又はオリゴ糖グリカンは、タンパク質のアミノ酸のC−原子に、典型的にはトリプトファン(Trp)のC−原子に結合している。
オリゴ糖の、タンパク質に直接結合している末端はグリカンの還元末端と呼ばれる。オリゴ糖の他の末端はグリカンの非還元末端と呼ばれる。
O−結合したグリカンには、極めて多様な鎖が存在する。天然のO−結合したグリカンは典型的にはセリン又はスレオニン−結合したα−O−GalNAc部分を特徴とし、これが別のGalNAc、ガラクトース、GlcNAc、シアル酸及び/又はフコースにより更に置換されている。グリカン置換を有するヒドロキシル化されたアミノ酸はタンパク質のアミノ酸配列の一部であってもよい。
N−結合したグリカンには、極めて多様な鎖が存在する。天然のN−結合したグリカンは典型的にはアスパラギン−結合したβ−N−GlcNAc部分を特徴とし、次いでその4−OHでβ−GlcNAcにより更に置換され、次いでその4−OHでβ−Manにより更に置換され、次いで更にその3−OH及び6−OHでα−Manにより更に置換されて、グリカン五糖類Man3GlcNAc2となる。コアのGlcNAc部分はその6−OHでα−Fucにより更に置換されていてもよい。五糖類Man3GlcNAc2は殆ど全てのN−結合した糖タンパク質に共通のオリゴ糖足場であり、限定されることはないがMan、GlcNAc、Gal及びシアル酸を始めとする広範な他の置換基を担持し得る。その側鎖でグリカンにより置換されたアスパラギンは典型的には配列Asn−X−Ser/Thrの一部であり、ここでXはプロリン以外の任意のアミノ酸であり、Ser/Thrはセリン又はスレオニンのいずれかである。
用語「抗体」は本明細書中でその通常の科学的な意味で使用される。抗体は、免疫システムにより産生され、特定の抗原を認識し結合することができるタンパク質である。抗体は糖タンパク質の一例である。用語抗体は本明細書中でその最も広い意味で使用されており、具体的にはモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二量体、多量体、多特異的抗体(例えば二重特異的抗体)、抗体断片、並びに二本鎖及び一本鎖抗体を包含する。また、用語「抗体」は本明細書中でヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体及び癌抗原に特異的に結合する抗体を包含することも意味する。用語「抗体」は全抗体を包含するが、抗体の断片、例えば抗体Fab断片、F(ab’)2、開裂抗体に由来するFv断片若しくはFc断片、scFv−Fc断片、ミニボディー(minibody)、二特異性抗体(diabody)又はscFvを包含することも意味する。また、この用語は遺伝子操作された抗体及び抗体の誘導体を包含する。抗体、抗体の断片及び遺伝子操作された抗体は当技術分野で公知の方法によって得ることができる。適切な市販抗体としては、特に、アブシキシマブ、リツキシマブ、バシリキシマブ、パリビズマブ、インフリキシマブ、トラスツズマブ、アレムツズマブ、アダリムマブ、トシツモマブ−I131、セツキシマブ、イブリツキシマブチウキセタン、オマリズマブ、ベバシズマブ、ナタリズマブ、ラニビズマブ、パニツムマブ、エクリズマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、カナキヌマブ、カツマキソマブ、ウステキヌマブ、トシリズマブ、オファツムマブ、デノスマブ、ベリムマブ(belimumab)、イピリムマブ及びブレンツキシマブがある。
同一性/類似性
本発明の文脈において、タンパク質又はタンパク質断片はアミノ酸配列によって表される。
本明細書中で所与の配列番号(SEQ ID NO)によって同定される各々のタンパク質若しくはタンパク質断片又はペプチド若しくは誘導されたペプチド若しくはポリペプチドは開示されているこの特定の配列に限定されないと理解されたい。「配列同一性」は、本明細書において、配列を比較することによって決定される、2以上のアミノ酸(ポリペプチド又はタンパク質)配列の間の関係と定義される。当技術分野で、「同一性」とは、場合によってアミノ酸配列の鎖間の一致により決定されるかかる配列間の配列類似性の程度も意味する。本明細書中他に示さない限り、所与の配列番号の同一性又は類似性は上記配列の全長に基づく(即ち、その全長にわたる、又は全体としての)同一性又は類似性を意味する。
その配列番号によって定義された具体的に示された配列に対して100%未満の配列同一性を有する本発明に包含される任意の酵素は、配列番号によって定義された上記配列に対して100%の同一性を有する酵素の酵素活性の好ましくは少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%又は好ましくは少なくとも80%若しくは90%又は少なくとも100%の酵素活性を有する。
2つのアミノ酸配列間の「類似性」は、1つのポリペプチドのアミノ酸配列及びその保存アミノ酸置換を第2のポリペプチドの配列と比較することによって決定される。「同一性」及び「類似性」は、限定されることはないが(Computational Molecular Biology、Lesk,A.M.編、Oxford University Press、New York、1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects、Smith,D.W.編、Academic Press、New York、1993;Computer Analysis of Sequence Data、Part I、Griffin,A.M.及びGriffin,H.G.編、Humana Press、New Jersey、1994;Sequence Analysis in Molecular Biology、von Heine,G.、Academic Press、1987;及びSequence Analysis Primer、Gribskov,M及びDevereux,J.編、M Stockton Press、New York、1991;及びCarillo,H.及びLipman,D.、SIAM J.Applied Math.、48:1073(1988)に記載されているものを含めて公知の方法により容易に計算することができる。
同一性を決定するために好ましい方法は試験される2以上の配列間の最大の一致を与えるように設計されている。同一性及び類似性を決定する方法は公的に入手可能なコンピュータープログラムに体系化されている。2つの配列間の同一性及び類似性を決定するのに好ましいコンピュータープログラム方法には、例えば、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.ら、Nucleic Acids Research12(1):387(1984))、BestFit、BLASTP、BLASTN、及びFASTA(Altschul,S.F.ら、J.Mol.Biol.215:403〜410(1990)がある。BLAST XプログラムはNCBI及び他の供給元から公的に入手可能である(BLAST Manual、Altschul,S.ら、NCBI NLM NIH Bethesda、MD 20894;Altschul,S.ら、J.Mol.Biol.215:403−410(1990)。周知のSmith Watermanアルゴリズムも同一性を決定するのに使用できる。
ポリペプチド配列比較のための好ましいパラメーターには次のものが含まれる:アルゴリズム:Needleman及びWunsch、J.Mol.Biol.48:443−453(1970);比較マトリックス:Hentikoff及びHentikoffによるBLOSSUM62、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:10915−10919(1992);Gapペナルティー:12;及びGap長ペナルティー:4。これらのパラメーターと共に有用なプログラムはMadison、WIに位置するGenetics Computer Groupから「Ogap」プログラムとして公的に入手可能である。前述のパラメーターはアミノ酸比較のためのデフォルトパラメーターである(末端ギャップのペナルティーなし)。任意選択で、アミノ酸類似性の程度を決定する際に、当業者には明らかなように、当業者はいわゆる「保存的な」アミノ酸置換も考慮し得る。保存的なアミノ酸置換とは、類似の側鎖を有する残基の互換性を指す。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸のグループはグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンであり、脂肪族−ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸のグループはセリン及びスレオニンであり、アミドを含有する側鎖を有するアミノ酸のグループはアスパラギン及びグルタミンであり、芳香族側鎖を有するアミノ酸のグループはフェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンであり、塩基性側鎖を有するアミノ酸のグループはリジン、アルギニン、及びヒスチジンであり、イオウを含有する側鎖を有するアミノ酸のグループはシステイン及びメチオニンである。好ましい保存的なアミノ酸置換のグループは:バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、及びアスパラギン−グルタミンである。本明細書に開示されているアミノ酸配列の置換変異体は、開示されている配列内の少なくとも1つの残基が除去され、異なる残基がその代わりに挿入されているものである。アミノ酸の変更は保存的であることが好ましい。各天然のアミノ酸に対する好ましい保存的な置換は:AlaからSer;ArgからLys;AsnからGln又はHis;AspからGlu;CysからSer又はAla;GlnからAsn;GluからAsp;GlyからPro;HisからAsn又はGln;IleからLeu又はVal;LeuからIle又はVal;LysからArg;Gln又はGlu;MetからLeu又はIle;PheからMet、Leu又はTyr;SerからThr;ThrからSer;TrpからTyr又はHis;TyrからTrp又はPhe;及び、ValからIle又はLeuである。
糖タンパク質の改変方法
本発明は、グリコシルトランスフェラーゼの作用の下での糖タンパク質の改変方法に関し、ここで改変された糖タンパク質を得るために、グリコシルトランスフェラーゼはβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼであるか又はそれに由来する。この方法はインビトロの方法であることが好ましい。
特に、本発明は糖タンパク質の改変方法に関し、この方法は、末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質を、グリコシルトランスフェラーゼの存在下で、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucと接触させるステップを含み、
ここで:
(i)グリコシルトランスフェラーゼはβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼであるか又はそれに由来し;
(ii)末端GlcNAc部分を含むグリカンは式(1)又は(2):
(式中:
bは0又は1であり;
dは0又は1であり;
eは0又は1であり;
Gは単糖、又は2〜20の糖部分を含む直鎖若しくは分岐オリゴ糖である)
で表され、
(iii)糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは式(3):
(式中:
aは0又は1であり;
fは0又は1であり;
gは0又は1であり;
Nucはヌクレオチドであり;
Uは[C(R
1)
2]
n又は[C(R
1)
2]
p−O−[C(R
1)
2C(R
1)
2O]
o−[C(R
1)
2]
qであり、ここでnは1〜24の範囲の整数であり;oは0〜12の範囲の整数であり;p及びqは独立して0、1又は2であり;R
1はH、F、Cl、Br、I、OH及び任意選択で置換されていてもよいC
1〜C
24アルキル基からなる群から独立して選択され;
TはC
3〜C
12(ヘテロ)アリーレン基であり、ここで(ヘテロ)アリーレン基は任意選択で置換されていてもよく;
Aは、
(a)−N
3
(b)−C(O)R
3
(ここでR
3は任意選択で置換されていてもよいC
1〜C
24アルキル基である);
(c)(ヘテロ)シクロアルキニル基又は−(CH
2)
iC≡C−R
4部分
(ここでiは0〜10であり、R
4は水素又は任意選択で置換されていてもよいC
1〜C
24アルキル基である);
(d)−SH
(e)−SC(O)R
8
(ここでR
8は任意選択で置換されていてもよいC
1〜C
24アルキル基又はフェニル基である);
(f)−SC(V)OR
8
(ここでVはO又はSであり、R
8は任意選択で置換されていてもよいC
1〜C
24アルキル基又はフェニル基である);
(g)−X
(ここでXはF、Cl、Br及びIからなる群から選択される);
(h)−OS(O)
2R
5
(ここでR
5はC
1〜C
24アルキル基、C
6〜C
24アリール基、C
7〜C
24アルキルアリール基及びC
7〜C
24アリールアルキル基からなる群から選択され、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基及びアリールアルキル基は任意選択で置換されていてもよい);
(i)R
12
(ここでR
12は任意選択で置換されていてもよい末端C
2〜C
24アルケニル基、C
3〜C
5シクロアルケニル基及びC
4〜C
8アルカジエニル基からなる群から選択される);及び
(j)R
13
(ここでR
13は任意選択で置換されていてもよい末端C
3〜C
24アレニル基である);及び
(k)N(R
17)
2
(ここでR
17はH及びC
1〜C
12アルキル基からなる群から独立して選択される);
からなる群から選択され;
ZはCH
2、CF
2若しくはC(O)であるか;gが0であり、fが1であり、かつaが0若しくは1であるという条件で、ZはCHOHであり;
Yは、O、S、N(R
15)、N(R
15)C(O)、N(R
15)C(O)N(R
15)、N(R
15)C(O)O、OC(O)N(R
15)S(O)
2N(R
15)及びN(R
15)C(O)N(R
15)S(O)
2Oからなる群から選択され
(ここでR
15は、H、C
1〜C
12アルキル基及び(U)
f−(T)
a−Aからなる群から独立して選択され、ここでf、a、U、T及びAは上記定義の通りである);
R
14は、
(式中:
a、f、T、A及びUは、上記定義の通りであり;
hは、0又は1であり;
Wは、O、S、NR
15、NHS(O)
2O及びNHS(O)
2NR
15からなる群から選択され、ここでR
15は上記定義の通りである)
からなる群から選択される)
で表される。
一実施形態において、Su(A)−Nuc中のAは、式(3)で表され、上記定義の選択肢(a)〜(j)からなる群から選択される。別の実施形態において、Su(A)−Nuc中のAは、式(3)で表され、上記定義の選択肢(a)〜(d)及び(g)〜(k)からなる群から、より好ましくは選択肢(a)〜(d)及び(g)〜(j)からなる群から選択される。
上に記載したように、糖タンパク質の改変のための本発明の方法により、改変された糖タンパク質が得られる。改変された糖タンパク質は、本明細書で、式(4)又は(5)で表されるグリカンを含む糖タンパク質として定義され:
(式中:
b、d、e及びGは上記定義の通りであり;
Su(A)は式(6)で表される糖誘導体である):
(式中:
R
14、Z、Y、U、T、A、g、f及びaは上記定義の通りである)。
式(4)及び(5)で表される改変された糖タンパク質グリカンにおいて、糖誘導体Su(A)は、β−1,4−O−グリコシド結合を介してGlcNAc部分のC4に連結している。
糖タンパク質の改変のための方法は、末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質を用意するステップを更に含み得る。したがって、本発明はまた、糖タンパク質の改変のための方法であって、
(1)末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質を用意するステップであり、ここで末端GlcNAc部分を含むグリカンは上記定義の式(1)又は(2)で表される、ステップ;及び
(2)上記糖タンパク質を、グリコシルトランスフェラーゼの存在下で、より特定的にはその作用の下で、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucと接触させるステップであり、ここでグリコシルトランスフェラーゼは、β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼであるか又はそれに由来し、Su(A)−Nucは上記定義の式(3)で表される、ステップ
を含む、方法にも関する。
末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc及び改変された糖タンパク質、並びにこれらの好ましい実施形態について、以下により詳細に記載する。
β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼであるか又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼについて、以下により詳細に記載する。
本発明の方法の好ましい実施形態において、β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、46、47、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、71、72及び73からなる群から選択される配列であるか又はそれに由来する。この実施形態は、R14が−NHC(O)CH3、−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−A又は−N3であるとき、特に好ましい。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、48、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70及び74からなる群から選択される配列であるか又はそれに由来する。この実施形態は、R14が−OHであるとき、特に好ましい。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、46、47、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、71、72及び73からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の同一性を有する。この実施形態において、β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、46、47、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、71、72及び73からなる群から選択される配列に対して少なくとも55%の配列同一性、好ましくは少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが更に好ましい。これらの実施態様は、R14が−NHC(O)CH3、−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−A又は−N3であるとき、特に好ましい。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、48、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70及び74からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の同一性を有する。この実施形態において、β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、48、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70及び74からなる群から選択される配列に対して少なくとも55%の配列同一性、好ましくは少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが更に好ましい。これらの実施形態は、R14が−OHであるとき、特に好ましい。
糖タンパク質
本発明の方法において改変される糖タンパク質はグリカンを含み、上記グリカンは末端GlcNAc部分、即ちグリカンの非還元末端に存在するGlcNAc部分を含む。上記グリカンは1又は複数の単糖部分を含み、直鎖状でも分岐状でもよい。末端GlcNAc部分を含むグリカンは式(1)又は(2):
(式中:
bは0又は1であり;
dは0又は1であり;
eは0又は1であり;
Gは単糖、又は2〜20の糖部分を含む直鎖若しくは分岐オリゴ糖である)
で表される。
改変される糖タンパク質は末端GlcNAc部分を含む1より多くのグリカンを含んでいてもよい。この場合、2つ以上のグリカンは互いに異なっていてもよい。糖タンパク質は、末端GlcNAc部分を含まない1又は複数の追加のグリカンを含んでもよい。
コア−GlcNAc部分、即ちタンパク質に結合しているGlcNAc部分は任意選択でフコシル化される(bは0又は1である)。コア−GlcNAc部分がフコシル化されているとき、フコースは上記GlcNAc部分のC6にα−1,6結合していることが最も一般的である。
bが1である場合の式(1)で表されるグリカンのGlcNAc部分、即ちフコシル化されたGlcNAcからなるグリカンのGlcNAc部分は本明細書中で末端GlcNAc部分とも考えられることに留意すべきである。
1つの実施形態において、末端GlcNAc部分を含むグリカンは1つのGlcNAc部分からなり、グリカンはbが0の場合の式(1)で表されるグリカンである。別の実施形態において、上記グリカンはフコシル化されたGlcNAc部分からなり、グリカンはbが1の場合の式(1)で表されるグリカンである。
別の実施形態において、上記グリカンは式(2)で表されるグリカンであり、ここでコア−GlcNAcは、存在するならば、任意選択でフコシル化されている(bは0又は1である)。式(2)で表されるグリカンで、Gは単糖、又は1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、更により好ましくは1、2、3、4、5、6、7若しくは8、最も好ましくは1、2、3、4、5若しくは6個の糖部分を含む直鎖若しくは分岐オリゴ糖である。Gが分岐オリゴ糖であるとき、Gは1又は複数の末端GlcNAc部分を含んでいてもよい。したがって、式(2)で表されるグリカンは1より多くの末端GlcNAc部分を含み得る。グリカン(2)で、dが0のときはeが1であり、eが0のときはdが1であることが好ましい。グリカン(2)で、dが1であることがより好ましく、dが1で、eが1であることが更により好ましい。
グリカンに存在し得る糖部分は当業者に公知であり、例えばグルコース(Glc)、ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)、フコース(Fuc)、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)、N−アセチルノイラミン酸(NeuNAc)又はシアル酸及びキシロース(Xyl)がある。
本発明の方法の好ましい実施形態において、末端GlcNAc部分を含むグリカンは上記定義の式(1)で表される。別の好ましい実施形態において、末端GlcNAc部分を含むグリカンは式(2)で表される。グリカンがN−結合したグリカンであることが更に好ましい。グリカンが式(2)で表されるN−結合したグリカンであるとき、dは1であることが好ましい。
末端GlcNAc部分を含むグリカンが式(2)で表されるとき、式(2)で表されるグリカンは、式(9)、(10)、(11)、(12)、(13)又は(14):
(式中:
bは0又は1である)
で表されるグリカンであることが更に好ましい。
本発明の方法の好ましい実施形態において、末端GlcNAc部分を含むグリカンは式(1)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)又は(14)で表されるグリカンであり、より好ましくは式(1)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)又は(14)で表されるN−結合したグリカンである。更に好ましい実施形態において、末端GlcNAc部分を含むグリカンは式(1)、(9)、(10)又は(11)で表されるグリカンであり、より好ましくは式(1)、(9)、(10)又は(11)で表されるN−結合したグリカンである。末端GlcNAc部分を含むグリカンは式(1)又は(10)で表されるグリカンであることが最も好ましく、式(1)で表されるN−結合したグリカンであることがより好ましい。
末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質は好ましくは式(7)、(8)又は(8b):
(式中:
b、d、e及びG、並びにそれらの好ましい実施形態は上記定義の通りであり;
yは独立して1〜24の範囲の整数であり;
Prはタンパク質である)
で表される。
本発明の方法において改変される糖タンパク質は末端GlcNAc部分を含む1又は複数のグリカンを含む(yは1〜24である)。yは1〜12の範囲の整数であることが好ましく、1〜10の範囲の整数であることがより好ましい。yは1、2、3、4、5、6、7又は8であることがより好ましく、yは1、2、3、4、5又は6であることが更により好ましい。yは1、2、3又は4であることが更により好ましい。改変される糖タンパク質が1より多くのグリカン(yは2以上である)を含むとき、グリカンは互いに異なっていてもよい。上記したように、糖タンパク質は末端GlcNAc部分を持たない1又は複数のグリカンを更に含んでいてもよい。
本発明の方法において改変される糖タンパク質が式(7)、(8)又は(8b)で表されるとき、末端GlcNAc部分を含むグリカンは、上記の式(1)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)又は(14)で表されるグリカン、好ましくはN−結合したグリカン、より好ましくは式(1)、(9)、(10)又は(11)で表される、尚より好ましくは式(1)又は(10)で表されるグリカン、好ましくはN−結合したグリカンであることも好ましい。末端GlcNAc部分を含むグリカンは式(1)で表されるN−結合したグリカンであることが最も好ましい。
本発明の方法の好ましい実施形態において、末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質は抗体、より好ましくは式(7)、(8)又は(8b)で表される抗体であり、ここでタンパク質(Pr)は抗体(Ab)である。改変される糖タンパク質が抗体であって、抗体が1より多いグリカン(yは2以上である)を含むときも、グリカンは互いに異なっていてもよい。抗体は、末端GlcNAc部分を有さない1又は複数のグリカンを更に含んでもよい。また、改変される糖タンパク質が抗体であるとき、末端GlcNAc部分を含むグリカンは上記定義の式(1)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)又は(14)で表される、より好ましくは式(1)、(9)、(10)又は(11)で表される、更により好ましくは式(1)又は(10)で表されるグリカンであることが好ましい。この実施形態において、末端GlcNAc部分を含むグリカンは式(1)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)又は(14)で表されるN−結合したグリカン、より好ましくは式(1)、(9)、(10)又は(11)で表されるN−結合したグリカン、最も好ましくは式(1)又は(10)で表されるN−結合したグリカンであることが更に好ましい。
改変される糖タンパク質が抗体であるとき、yは1、2、3、4、5、6、7又は8であることが好ましく、より好ましくはyが1、2、4、6又は8であり、更により好ましくはyが1、2又は4であり、最も好ましくはyが1又は2である。
上記で定義した通り、上記抗体は全抗体でもよいが、抗体断片であってもよい。抗体が全抗体であるとき、上記抗体は好ましくは各々の重鎖に1又は複数の、より好ましくは1つの末端非還元GlcNAc−グリカンを含む。したがって、上記全抗体は好ましくは2以上の、好ましくは2、4、6又は8の上記グリカン、より好ましくは2又は4、最も好ましくは2のグリカンを含む。言い換えると、上記抗体が全抗体であるとき、yは好ましくは2、4、6又は8であり、より好ましくはyは2又は4であり、最も好ましくはyは2である。抗体が抗体断片であるとき、yは1、2、3又は4であり、より好ましくはyが1又は2であることが好ましい。
好ましい実施形態において、上記抗体はモノクローナル抗体(mAb)である。上記抗体はIgA、IgD、IgE、IgG及びIgM抗体からなる群から選択されることが好ましい。上記抗体はIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4抗体であることがより好ましく、上記抗体はIgG1抗体であることが最も好ましい。
本発明の方法において、フコシル化された並びにフコシル化されてないグリカンを含む糖タンパク質混合物を出発糖タンパク質として使用してもよい。上記混合物は例えば1又は複数のフコシル化された(bが1)グリカン(1)及び/又は(2)及び/又は1又は複数のフコシル化されてない(bが0)グリカン(1)及び/又は(2)を含む糖タンパク質を含み得る。したがって、本発明の方法の前にフコシル化されたグリカンからフコースを除去することは必要ではないが、任意選択である。
末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質は本明細書中で「末端非還元GlcNAcタンパク質」とも称され、末端GlcNAc部分を含むグリカンは本明細書中で「末端非還元GlcNAcグリカン」とも称される。用語「末端非還元GlcNAcタンパク質」はbが1である式(7)のタンパク質を含み、用語「末端非還元GlcNAcグリカン」はbが1である式(1)のグリカンを含むことに注意すべきである。
末端非還元GlcNAcタンパク質は1又は複数の直鎖及び/又は1又は複数の分岐末端非還元GlcNAcグリカンを含み得る。グリカンはグリカンコア−糖部分のC1を介してタンパク質に結合し、上記コア−糖部分はコア−GlcNAc部分であることが好ましい。その結果として、タンパク質に結合した末端非還元GlcNAcグリカンが式(2)で表されるグリカンであるとき、dは1であることが好ましい。グリカンが式(2)で表されるとき、dは1であり、eは1であることがより好ましい。
好ましい実施形態において、末端非還元GlcNAcグリカンのコア−糖部分のC1は、N−グリコシド結合を介して、上記タンパク質のアミノ酸残基の窒素原子、より好ましくはアスパラギン(Asn)又はアルギニン(Arg)アミノ酸の側鎖の窒素原子に結合する。しかしながら、非還元GlcNAc−グリカンのコア−糖部分のC1はまた、O−グリコシド結合を介して、上記タンパク質のアミノ酸残基の酸素原子、より好ましくはセリン(Ser)又はスレオニン(Thr)アミノ酸の側鎖の酸素原子に結合してもよい。この実施形態において、上記グリカンのコア−糖部分はGlcNAc部分又はGalNAc部分、好ましくはGlcNAc部分であることが好ましい。非還元GlcNAcグリカンのコア−糖部分のC1はまた、C−グリコシド結合を介して、タンパク質の炭素原子、例えばトリプトファン(Trp)に結合してもよい。上に記載したように、糖タンパク質は1より多くのグリカンを含み得、N−結合した、O−結合した及び/又はC−結合したグリカンの組合せを含み得る。
末端非還元GlcNAcグリカンはタンパク質の生来のグリコシル化部位に存在し得るが、タンパク質の異なる部位に導入してもよい。
糖タンパク質が抗体であるとき、末端GlcNAc部分を含むグリカンはFc−断片の領域290〜305のアスパラギン、典型的にはN297で保存N−グリコシル化部位に結合することが好ましい。
本発明の方法において改変され得る末端非還元GlcNAcタンパク質の幾つかの例を図1に示す。図1(A)は、単一の任意選択でフコシル化されたGlcNAc部分を含む糖タンパク質を示す。このGlcNAcグリカンは例えばN−グリコシド又はO−グリコシド結合を介してタンパク質に結合され得る。図1(A)の糖タンパク質は例えば正常な発現の後エンドグリコシダーゼ又はエンドグリコシダーゼの組合せを用いてトリミングすることによって得られる。図1(B)は、枝の1つが末端GlcNAc部分を含む分岐オリゴ糖グリカンを含む糖タンパク質を示す(このグリカンはGnM5とも表される)。コア−GlcNAc部分は任意選択でフコシル化されてもよい。図1(B)の糖タンパク質は、例えば、スワインソニンの存在下哺乳類システムでの糖タンパク質の発現により、又は工学処理した宿主生物、例えばLec1 CHO又はピチア属(Pichia)での発現により得られる。図1(C)は、単一の、任意選択でフコシル化されていてもよいGlcNAc部分を含む抗体を示す。このGlcNAcグリカンは、N−グリコシド結合を介して抗体に結合されることが好ましい。図1(C)の糖タンパク質は、例えば、正常な発現後にエンドグリコシダーゼ又はエンドグリコシダーゼの組合せを用いてトリミングすることによって得られ得る。図1(D)は、コア−GlcNAc部分が任意選択でフコシル化され、全ての枝が末端GlcNAc部分を含む分岐オリゴ糖グリカンを含む抗体を示す。図1(D)の糖タンパク質は、例えば、シアリダーゼ及びガラクトシダーゼの複合作用の際抗体糖型(G0、G1、G2、G0F、G1F及びG2F)の正常の混合物のトリミングにより得られる。
図2に、糖タンパク質が抗体である場合の糖タンパク質の改変方法の1つの実施形態を示す。この実施形態においては、β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼであるか又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼの作用の下で、糖誘導体Su(A)が、Su(A)−Nucから抗体グリカンの末端GlcNAc部分へ転移されて改変抗体を形成する。
上に記載したように、糖タンパク質の改変のための本発明の方法は、末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質を用意するステップを更に含み得、したがって、本発明はまた、
(1)末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質を用意するステップであり、ここで末端GlcNAc部分を含むグリカンは上記で定義された式(1)又は(2)で表される、ステップ;及び
(2)上記糖タンパク質を、グリコシルトランスフェラーゼの存在下で、より特定的にはその作用の下で、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucと接触させるステップであり、ここでグリコシルトランスフェラーゼはβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼであるか又はそれに由来し、Su(A)−Nucは上記定義の式(3)で表される、ステップ
を含む、糖タンパク質の改変方法にも関する。
例えば、本発明の方法において改変される糖タンパク質が式(1)で表されるグリカンを含むとき、方法のステップ(1)において、改変される糖タンパク質は、適切な酵素、好ましくはエンドグリコシダーゼの作用により、オリゴ糖グリカンを含む糖タンパク質をトリミングするステップを含む方法によって用意され得る。
非常に多くのグリカンにおいて、第2のGlcNAc−残基は、図1(B)及び(C)にも見られるように、糖タンパク質に直接結合しているGlcNac−残基に結合している。糖タンパク質に直接結合しているGlcNAc−残基に第2のGlcNAc−残基が結合しているグリカンは、式(1)で表されるグリカンを含む糖タンパク質を得るためにトリミングすることができる。トリミングは上記2つのGlcNAc−残基の間で起こる。
「適切な酵素」は、トリミングされるグリカンがその基質である酵素と定義される。本発明の方法のこの特定の実施形態のステップ(1)で使用される好ましい種類の酵素は、トリミングされる特定の1又は複数のグリカンに依存する。本発明の方法のこの特定の実施形態の好ましい実施形態において、本方法のこの特定の実施形態のステップ(1)の酵素はエンドグリコシダーゼの群から選択される。
エンドグリコシダーゼはグリカン構造の内部のグリコシド結合を開裂することができ、改造及び合成の試みに利することができる。例えば、エンドグリコシダーゼは、保存されたグリカン領域内の予測可能な部位で開裂するとき、不均一なグリカン集団の容易な均質化のために使用することができる。この点において最も重要な種類のエンドグリコシダーゼの1つはエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ(EC 3.2.1.96、一般にエンド及びENGaseとして知られている)を含み、これはN,N’−ジアセチルキトビオースコア内のβ−1,4−グリコシド結合を加水分解する(概説として参照により本明細書に組み込まれるWongら Chem.Rev.2011、111、4259)ことによって糖タンパク質からN−グリカンを除去して単一コアN−結合GlcNAc残基を残す加水分解酵素の1種である。エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼは自然界に広く分布しており、一般的な化学酵素的変異体として、微量のマンノースに特異的なエンドD;高マンノースに特異的なエンドA及びエンドH;高マンノース型から二分岐複合型までの範囲のエンドFサブタイプ;並びにフコシル化されたグリカンを除く殆どのN−グリカン構造(高マンノース型/複合型/混合型)を開裂することができるエンドMがあり、高マンノース型オリゴ糖に対する加水分解活性は複合型及び混合型オリゴ糖に対するよりも有意に高い。これらのENGaseは末端のN−グリカン構造に対して特異性を示すが、その構造を表示するタンパク質には特異性を示さないので、殆どのN−結合したグリカンを生来の条件下で糖タンパク質から開裂するのに有用である。
エンドグリコシダーゼF1、F2、及びF3は生来のタンパク質の脱グリコシル化に最も適している。エンドF1、F2、及びF3の結合特異性は、タンパク質を変性させることなくあらゆる種類のN−結合したオリゴ糖を除去し得るタンパク質の脱グリコシル化の一般的な方策を示唆している。二分岐及び三分岐の構造はそれぞれエンドグリコシダーゼF2及びF3により直ちに除去することができる。オリゴ−マンノース及び混合構造はエンドF1により除去することができる。
エンドF3は、その開裂がオリゴ糖のペプチド結合の状態、並びにコアフコシル化の状態に感受性であるという点で独特である。またフコシル化されてない二分岐及び三分岐構造を遅い速度で、しかしペプチド結合されている場合にのみ開裂する。コアフコシル化された二分岐構造はエンドF3に対する効率的な基質であり、その活性は400倍も高い。オリゴマンノース及び混合分子に対しては活性がない。例えば、参照により本明細書に組み込まれるTarentinoら、Glycobiology 1995、5、599を参照。
Collinら(参照により本明細書に組み込まれるEMBO J.2001、20、3046)により開示されているように、エンドSは化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)から分泌されるエンドグリコシダーゼであり、またグリコシドヒドロラーゼファミリー18に属する。上述のENGaseと対照的に、エンドSはより明確な特異性を有し、ヒトIgGのFcドメインの保存N−グリカンのみを特異的に開裂し(他の基質は今まで同定されていない)、酵素とIgGとのタンパク質−タンパク質相互作用がこの特異性をもたらすことを示唆している。
エンドS2としても知られているエンドS49は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2013/037824号(Genovis AB)に記載されている。エンドS49は化膿レンサ球菌(Streptococcus poyogenes)NZ131から単離され、エンドSの同族体である。エンドS49は生来のIgGに対して特異的なエンドグリコシダーゼ活性を有しており、エンドSより大きい様々なFcグリカンを開裂する。
好ましい実施形態において、この実施形態のステップ(1)の酵素はエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼである。更に好ましい実施形態において、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼは、エンドS、エンドS49、エンドF1、エンドF2、エンドF3、エンドH、エンドM及びエンドA、又はこれらの組合せからなる群から選択される。
トリミングされるグリカンが複合型の二分岐構造であるとき、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼはエンドS、エンドS49、エンドF1、エンドF2及びエンドF3、又はこれらの組合せからなる群から選択されることが好ましい。
糖タンパク質が抗体であり、トリミングされるオリゴ糖が複合型の二分岐構造(即ち図1(C)で表される)であり、N297のIgG保存されたN−グリコシル化部位に存在するとき、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼは好ましくはエンドS、エンドS49、エンドF1、エンドF2及びエンドF3、又はこれらの組合せからなる群、より好ましくはエンドS及びエンドS49、又はこれらの組合せからなる群から選択される。
糖タンパク質が抗体であり、トリミングされるグリカンが複合型の二分岐構造であり、N297のIgG保存されたN−グリコシル化部位に存在しないとき、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼは好ましくはエンドF1、エンドF2及びエンドF3、又はこれらの組合せからなる群から選択される。
トリミングされるグリカンが高マンノースであるとき、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼは好ましくはエンドH、エンドM、エンドA及びエンドF1からなる群から選択される。
したがって、本発明の方法において改変される糖タンパク質が式(1)で表されるグリカンを含むとき、本方法のステップ(1)において、改変される糖タンパク質は、好ましくは、オリゴ糖グリカンを含む糖タンパク質のグリカンをエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼの作用によりトリミングして、式(1)で表されるグリカンを含む糖タンパク質を提供するステップを含む方法によって用意される。
更に好ましい実施形態において、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼは、エンドS、エンドS 49、エンドF1、エンドF2、エンドF3、エンドH、エンドM及びエンドA、並びにこれらの任意の組合せからなる群から選択される。エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼは、エンドS、エンドS49、エンドH、エンドF1、エンドF2及びエンドF3、並びにこれらの任意の組合せからなる群から選択されることがより好ましい。エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼは、エンドS又はエンドS49であることが尚より好ましい。エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼはエンドH及びエンドSの組合せであることが最も好ましい。
糖型G0、G1、G2、G0F、G1F及びG2Fの混合物のエンドグリコシダーゼによる処理によって式(1)で表されるグリカンを含む糖タンパク質を用意する方法を図4に示す。図4は、糖型G0、G1、G2、G0F、G1F及びG2F(上記糖型は図3に示されている)の混合物を含む糖タンパク質、この場合は抗体のエンドグリコシダーゼによる処理と、続く例えばβ−(1,4)−GalNAcT酵素を用いたUDP−GalNAzからのN−アジドアセチルガラクトサミン(GalNAz)の転移により、式(32)で表される改変抗体が得られることを示す。
例えば本発明の方法において改変される糖タンパク質が式(9)で表されるグリカンを含むとき、「GnM5」とも称される上記グリカンを含む糖タンパク質は様々な手段で提供され得る。この実施形態において、糖タンパク質は、例えば参照により組み込まれるKandaら、Glycobiology 2006、17、104に記載されているように、スワインソニンの存在下での混合N−糖タンパク質の発現、及び必要であれば続くシアリダーゼ/ガラクトシダーゼ処理によって提供されることが好ましい。代わりの手法には、宿主生物の遺伝子操作がある。例えば、Lec1 CHOはMns−IIの発現のための遺伝子を欠如するノックアウトCHO細胞株である。結果として、N−グリカンの生合成はグリカンのGnM5−段階で停止せざるを得ず、これは上清から純粋な形で単離することができる。より広範な手法により、正常にプログラムされてない酵母又は昆虫細胞のような宿主生物の遺伝子操作を伴い、混合又は複合N−グリカンを生成する。しかしながら、これらの非哺乳類宿主細胞(例えばグリコスイッチ(Glycoswitch)(商標))も、GnM5−型及びM5−型のグリカンを含む特定のN−糖タンパク質の単一の糖型の選択的な発現のために使用することができることは十分に立証されている。
したがって、本発明の方法において改変される糖タンパク質が式(9)で表されるグリカンを含むとき、本方法のステップ(1)において、式(9)の任意選択でフコシル化されたグリカンを含む糖タンパク質は、スワインソニンの存在下での宿主生物内における糖タンパク質の発現を含む方法によって提供されることが好ましい。上記宿主生物は、哺乳類の細胞株、例えばHEK293又はNS0又はCHO−細胞株であることが好ましい。得られる糖タンパク質は、式(9)のグリカン(GnM5とも称される)、GalGnM5と称されるグリカン、SiaGalGnM5と称されるシアル化されたグリカン及び/又はこれらの混合物を含むタンパク質の混合物として得ることができる。非還元シアル酸及び/又はガラクトース部分は、存在する場合、糖タンパク質のシアリダーゼによる処理(シアル酸部分の除去)及び/又はβ−ガラクトシダーゼによる処理(ガラクトース部分の除去)によって除去することができ、それにより式(9)のグリカンを含む糖タンパク質が得られる。シアリダーゼ及びβ−ガラクトシダーゼによる処理は(1b)の単一のステップで行うことが好ましい。この実施形態において、本方法のステップ(1)において、改変される糖タンパク質は、
(1a)スワインソニンの存在下における宿主生物での糖タンパク質の発現;及び
(1b)式(9)のグリカンを含む糖タンパク質を得るための、得られた糖タンパク質のシアリダーゼ及び/又はβ−ガラクトシダーゼによる処理
のステップを含む方法によって提供されることが更に好ましい。
本発明の方法において改変される糖タンパク質が式(10)で表されるグリカンを含むとき、本方法のステップ(1)において、改変される糖タンパク質は、例えば、糖タンパク質の糖型G0、G1、G2、G0F、G1F及びG2Fの混合物のシアリダーゼ及びガラクトシダーゼによる処理を含む方法によって提供され得る。図3に、二分岐のグリカンを含む抗体の糖型G0、G1、G2、G0F、G1F及びG2Fを示す。
図4は、糖型G0、G1、G2、G0F、G1F及びG2Fの混合物のシアリダーゼ及びガラクトシダーゼによる処理、続くβ−(1,4)−GalNAcTであるか又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼの作用の下での糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−UDP(ここでAはアジド基である)、例えば、6−アジド−GalNAc−UDPからの糖部分の転移により式(33)で表される改変抗体を提供することにより、式(10)で表されるグリカンを含む糖タンパク質、この場合は抗体を提供する方法を示す。
糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc
本発明の糖タンパク質の改変のための方法において、式(1)又は(2)で表されるグリカンを含む糖タンパク質を、β−(1,4)−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼであるか、又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼの作用の下で、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucと接触させる。糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、式(3):
(式中:
Nuc、R
14、a、f、g、U、T、A、Z及びYは上記定義の通りである)
で表される。
Nucは本明細書中でヌクレオチドと定義される。Nucは好ましくはヌクレオシド一リン酸及びヌクレオシド二リン酸からなる群から、より好ましくはウリジン二リン酸(UDP)、グアノシン二リン酸(GDP)、チミジン二リン酸(TDP)、シチジン二リン酸(CDP)及びシチジン一リン酸(CMP)からなる群から、より好ましくはウリジン二リン酸(UDP)、グアノシン二リン酸(GDP)及びシチジン二リン酸(CDP)からなる群から選択される。Nucはウリジン二リン酸(UDP)であることが最も好ましい。したがって、本発明の方法の好ましい実施形態において、Su(A)−Nuc(3)はSu(A)−UDP(34):
(式中、R
14、a、f、g、U、T、A、Z、及びYは上記定義の通りである)
である。
1つの実施形態において、Aはアジド基−N3である。
別の実施形態において、Aはケト基−C(O)R3であり、ここでR3は任意選択で置換されていてもよいC1〜C24アルキル基、好ましくは任意選択で置換されていてもよいC1〜C12アルキル基、より好ましくは任意選択で置換されていてもよいC1〜C6アルキル基である。R3はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル又はt−ブチルであることが更により好ましく、R3はメチルであることが最も好ましい。
別の実施形態において、Aはアルキニル基である。言い換えると、AはC≡C結合を含む官能部分、好ましくは(ヘテロ)シクロアルキニル基又は−(CH2)iC≡C−R4部分である。1つの実施形態において、アルキニル基は(ヘテロ)シクロアルキニル基、好ましくは(ヘテロ)シクロオクチニル基である。好ましい実施形態において、アルキニル基は−(CH2)iC≡C−R4であり、ここでiは0〜10であり、R4は水素又は任意選択で置換されていてもよいC1〜C24アルキル基、好ましくは水素又は任意選択で置換されていてもよいC1〜C12アルキル基、より好ましくは水素又は任意選択で置換されていてもよいC1〜C6アルキル基である。R4は水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル又はt−ブチルであることが尚より好ましく、R4は水素又はメチルであることがより好ましい。iは0、1、2、3、4、5又は6であることが好ましく、iは0、1、2、3又は4であることがより好ましく、iは0、1又は2であることが尚より好ましく、iは0又は1であることが更に尚より好ましく、iは1であることが最も好ましい。R4は水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル又はt−ブチルであり、iは0、1又は2であることがより好ましい。R4は水素又はメチルであり、iは0、1又は2であることが尚より好ましい。この実施形態において、アルキニル基は末端アルキニル基であることが更に好ましく、即ちR4は最も好ましくは水素である。特に好ましい実施形態において、アルキニル基は−CH2−C≡CH又は−C≡CHであり、最も好ましくは−CH2−C≡CHである。
別の実施形態において、Aはチオール基−SHである。
別の実施形態において、Aはチオール基の前駆体−SC(O)R8であり、ここでR8は任意選択で置換されていてもよいC1〜C24アルキル基又はフェニル基である。R8は任意選択で置換されていてもよいC1〜C12アルキル基又はフェニル基であることが好ましく、R8は任意選択で置換されていてもよいC1〜C6アルキル基又はフェニル基であることがより好ましく、R8はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル又はフェニルであることが尚より好ましい。R8はメチル又はフェニルであることが尚より好ましく、R8はメチルであることが最も好ましい。糖タンパク質の改変のための本発明の方法において、Aがチオール基の前駆体である糖誘導体ヌクレオチドを使用し得る。この方法中に、チオール−前駆体はチオール基に変換される。
別の実施形態において、Aは−SC(V)OR8であり、ここでVはO又はSであり、R8は任意選択で置換されていてもよいC1〜C24アルキル基又はフェニル基である。好ましい実施形態において、Aは−SC(O)OR8である。別の好ましい実施形態において、Aは−SC(S)OR8である。Aが−SC(O)OR8であるときとAが−SC(S)OR8であるときの両方で、R8は任意選択で置換されていてもよいC1〜C12アルキル基又はフェニル基であることが好ましく、R8は任意選択で置換されていてもよいC1〜C6アルキル基又はフェニル基であることがより好ましく、R8はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル又はフェニルであることが尚より好ましい。R8はメチル又はフェニルであることが尚より好ましく、R8はメチルであることが最も好ましい。
別の実施形態において、AはハロゲンXである。XはF、Cl、Br及びIからなる群から、好ましくはCl、Br及びIからなる群から、より好ましくはCl及びBrからなる群から選択される。XはClであることが最も好ましい。
別の実施形態において、Aはスルホニルオキシ基−OS(O)2R5であり、ここでR5はC1〜C24アルキル基、C6〜C24アリール基、C7〜C24アルキルアリール基及びC7〜C24アリールアルキル基からなる群から選択され、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基及びアリールアルキル基は任意選択で置換されていてもよい。R5はC1〜C12アルキル基、C6〜C12アリール基、C7〜C12アルキルアリール基又はC7〜C12アリールアルキル基であることが好ましい。R5は−CH3、−C2H5、C3直鎖又は分岐アルキル基、C4直鎖又は分岐アルキル基、C6〜C10アリール基及びC7アルキルアリール基からなる群から選択されることがより好ましい。R5はメチル基、エチル基、フェニル基又はp−トリル基であると更により好ましい。スルホニルオキシ基がメシレート基−OS(O)2CH3、ベンゼンスルホネート基(−OS(O)2(C6H5))又はトシレート基(−OS(O)2C6H4CH3)であることが最も好ましい。
別の実施形態において、AはR12であり、ここでR12は任意選択で置換されていてもよい末端C2〜C24アルケニル基、C3〜C5シクロアルケニル基及びC4〜C8アルカジエニル基からなる群から選択される。
本明細書中で、用語「末端アルケニル基」は、炭素−炭素二重結合がアルケニル基の末端に位置するアルケニル基を指す。R12が任意選択で置換されていてもよい末端C2〜C12アルケニル基であるとき、末端C2〜C24アルケニル基は、末端が好ましくはC=CH2部分、より好ましくはC(H)=CH2部分で終了する。R12は任意選択で置換されていてもよい末端C2〜C12アルケニル基であることが好ましく、任意選択で置換されていてもよい末端C2〜C6アルケニル基であることがより好ましい。末端アルケニル基は直鎖アルケニル基、好ましくは非置換の直鎖アルケニル基であることがより好ましい。R12は−C(H)=CH2、−CH2−C(H)=CH2、−CH2−CH2−C(H)=CH2、−CH2−CH2−CH2−C(H)=CH2及び−CH2−CH2−CH2−CH2−C(H)=CH2からなる群から選択されることが更により好ましい。R12は−C(H)=CH2、−CH2−C(H)=CH2及び−CH2−CH2−C(H)=CH2からなる群から選択されることが尚更により好ましい。R12は−C(H)=CH2又は−CH2−C(H)=CH2であることが更に尚より好ましく、R12は−C(H)=CH2であることが最も好ましい。
R
12が任意選択で置換されていてもよいC
3〜C
5シクロアルケニル基であるとき、R
12はシクロプロペニル基を含むことが好ましい。(任意選択で置換されていてもよい)C
3〜C
5シクロアルケニル基は:
からなる群から選択されることがより好ましい。
R12が任意選択で置換されていてもよいC4〜C8アルカジエニル基であるとき、C4〜C8アルカジエニル基は、末端がC=CH2部分で、より好ましくはC=C(H)−C(H)=CH2部分で終了することが好ましい。C4〜C8アルカジエニル基は、好ましくはC(H)=C(H)−C(H)=CH2、CH2−C=C(H)−C(H)=CH2及びCH2−CH2−C=C(H)−C(H)=CH2からなる群から、より好ましくはC(H)=C(H)−C(H)=CH2及びCH2−C=C(H)−C(H)=CH2からなる群から選択される。R12が任意選択で置換されていてもよいC4〜C8アルカジエニル基であるとき、R12はC(H)=C(H)−C(H)=CH2であることが最も好ましい。
別の実施形態において、AはR13であり、ここでR13は任意選択で置換されていてもよい末端C3〜C24アレニル基である。本明細書中で、用語「末端アレニル基」は、C=C=C部分がアレニル基の末端に位置するアレニル基を指す。末端C3〜C24アルケニル基は末端が−C(H)=C=CH2部分で終了することが好ましい。R13は任意選択で置換されていてもよい末端C3〜C12アルケニル基、より好ましくは任意選択で置換されていてもよい末端C3〜C6アルケニル基であることが好ましい。末端アレニル基は直鎖アレニル基、好ましくは非置換の直鎖アレニル基であることがより好ましい。R13は−C(H)=C=CH2、−CH2−C(H)=C=CH2、−CH2−CH2−C(H)=C=CH2及び−CH2−CH2−CH2−C(H)=C=CH2からなる群から選択されることが更により好ましい。R13は−C(H)=C=CH2及び−CH2−C(H)=C=CH2からなる群から選択されることが尚更により好ましい。R13は−C(H)=C=CH2であることが最も好ましい。AがR13であるとき、Su(A)−Nuc(3)で、UとTが両方とも存在しないことが特に好ましい。即ち、aが0であり、fは0であることが特に好ましい。
別の実施形態において、AはN(R17)2であり、ここでR17はH、C1〜C12アルキル基からなる群から独立して選択される。R17との関係において好ましいアルキル基は、C1〜C6アルキル基、最も好ましくはC1〜C4アルキル基である。R17の少なくとも1つがHであり、AがNHR17であることが好ましく、両方のR17がHであり、AがNH2であることが最も好ましい。AがN(R17)2であるとき、Su(A)−Nuc(3)で、Yが存在しない、即ち、gが0であることが好ましく、U及びTも両方とも存在しないことがより好ましく、即ち、gが0であり、aが0であり、fが0であることが特に好ましい
本発明の方法の好ましい実施形態、及び以下により詳細に記載するような(3)の好ましい実施形態において、Su(A)−Nuc(3)中のAは−N3、−C(O)R3、−SH、−(CH2)iC≡CR4及びR12からなる群から選択され、ここでi、R3、R4、R12及びその好ましい実施形態は上記定義の通りである。Aは−N3、−C(O)CH3、−SH、−CH=CH2及び−CH2C≡CHからなる群から選択されることがより好ましい。Aは、N3であることが最も好ましい。
糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc(3)及び例えば、(34)のようなその好ましい実施形態において、R
14は:
(式中:
W、h、a、f、T、A及びUは、上記定義の通りである)
からなる群から選択される。
糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc(3)の好ましい実施形態において、R
14は:
(式中:
W、h、a、f、T、A及びUは、上記定義の通りである)
からなる群から選択される。
R14は、−NHAcであることが最も好ましい。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aであるとき、W、h、a、f、T、A及びUは、上記定義の通りである。W、h、a、f、T、A及びUの好ましい実施形態は、以下により詳細に記載されている。Aの好ましい実施形態は、上でより詳細に記載されている。
本発明の方法の好ましい実施形態において、Su(A)−Nuc(3)中のR
14は−NHC(O)CH
3である。この実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、式(3a):
(式中:
Nuc、Z、Y、U、T、A、g、f及びaは、上記定義の通りである)
で表される。
糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucが式(3a)で表されるか又はその好ましい実施形態であるときも、NucはUDPであることが好ましい。
また、Su(A)−Nuc(3a)中でも、Aは−N3、−C(O)R3、−SH、−(CH2)iC≡CR4及びR12からなる群から選択され、ここでi、R3、R4、R12及びその好ましい実施形態は、上記定義の通りである。Aは−N3、−C(O)CH3、−SH、−CH=CH2及び−CH2C≡CHからなる群から選択されることがより好ましい。AはN3であることが最も好ましい。
特に好ましい実施形態において、Su(A)−Nuc(3a)でNucはUDPであり、Aは−N3、−C(O)R3、−SH、−(CH2)iC≡CR4及びR12からなる群から選択され、ここでi、R3、R4、R12及びその好ましい実施形態は、上記定義の通りである。NucはUDPであり、Aは−N3、−C(O)CH3、−SH、−CH=CH2及び−CH2C≡CHからなる群から選択されることが尚より好ましい。NucはUDPであり、AはN3であることが最も好ましい。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、R
14は、−NHC(O)−(W)
h−(U)
f−(T)
a−Aである。この実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、式(3b):
(式中:
Nuc、Z、Y、U、T、A、W、h、g、f及びaは、上記定義の通りである)
で表される。
糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc(3b)において、A、T、U、a及びfは独立して選択される。言い換えると、(3b)のC2における置換基中のA、T、U、a及びfは、(3b)のC6における置換基中のA、T、U、a及びfと異なっていてもよい。
Su(A)−Nucが式(3b)で表されるか又はその好ましい実施形態であるときも、NucはUDPであることが好ましい。
また、Su(A)−Nuc(3b)においても、Aは−N3、−C(O)R3、−SH、−(CH2)iC≡CR4及びR12からなる群から選択されることが好ましく、ここでi、R3、R4、R12及びその好ましい実施形態は、上記定義の通りである。Aは、−N3、−C(O)CH3、−SH、−CH=CH2及び−CH2C≡CHからなる群から選択されることがより好ましい。AはN3であることが最も好ましい。
特に好ましい実施形態において、Su(A)−Nuc(3b)中で、NucはUDPであり、Aは−N3、−C(O)R3、−SH、−(CH2)iC≡CR4及びR12からなる群から選択され、ここでi、R3、R4、R12及びその好ましい実施形態は、上記定義の通りである。NucはUDPであり、Aは−N3、−C(O)CH3、−SH、−CH=CH2及び−CH2C≡CHからなる群から選択されることが尚より好ましい。NucはUDPであり、AはN3であることが最も好ましい。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、R
14は、−OHである。したがって、この実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、式(3c):
(式中:
Nuc、Z、Y、U、T、A、g、f及びaは上記定義の通りである)
で表される。
糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucが式(3c)で表されるか又はその好ましい実施形態であるときも、NucはUDPであることが好ましい。
また、Su(A)−Nuc(3c)中でも、Aは−N3、−C(O)R3、−SH、−(CH2)iC≡CR4及びR12からなる群から選択されることが好ましく、ここで、i、R3、R4、R12及びその好ましい実施形態は、上記定義の通りである。Aは−N3、−C(O)CH3、−SH、−CH=CH2及び−CH2C≡CHからなる群から選択されることがより好ましい。AはN3であることが最も好ましい。
特に好ましい実施形態において、Su(A)−Nuc(3c)中で、NucはUDPであり、Aは−N3、−C(O)R3、−SH、−(CH2)iC≡CR4及びR12からなる群から選択され、ここでi、R3、R4、R12及びその好ましい実施形態は、上記定義の通りである。NucはUDPであり、Aは−N3、−C(O)CH3、−SH、−CH=CH2及び−CH2C≡CHからなる群から選択されることが尚より好ましい。NucはUDPであり、AはN3であることが最も好ましい。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、R
14は−N
3である。したがって、この実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、式(3d):
(式中:
Nuc、Z、Y、U、T、A、g、f及びaは上記定義の通りである)
で表される。
糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucが式(3d)で表されるか又はその好ましい実施形態であるときも、NucはUDPであることが好ましい。
また、Su(A)−Nuc(3d)中でも、Aは−N3、−C(O)R3、−SH、−(CH2)iC≡CR4及びR12からなる群から選択されることが好ましく、ここでi、R3、R4、R12及びその好ましい実施形態は、上記定義の通りである。Aは−N3、−C(O)CH3、−SH、−CH=CH2及び−CH2C≡CHからなる群から選択されることがより好ましい。AはN3であることが最も好ましい。
特に好ましい実施形態において、Su(A)−Nuc(3d)中で、NucはUDPであり、Aは−N3、−C(O)R3、−SH、−(CH2)iC≡CR4及びR12からなる群から選択され、ここでi、R3、R4、R12及びその好ましい実施形態は、上記定義の通りである。NucはUDPであり、Aは−N3、−C(O)CH3、−SH、−CH=CH2及び−CH2C≡CHからなる群から選択されることが尚より好ましい。NucはUDPであり、AはN3であることが最も好ましい。
Su(A)−Nuc(3)及び例えば、(34)、(3a)、(3b)、(3c)又は(3d)のようなその好ましい実施形態において、TはC3〜C12(ヘテロ)アリーレン基であり、ここで(ヘテロ)アリーレン基は任意選択で置換されていてもよい。好ましい実施形態において、Tは存在しない(aが0である)。別の好ましい実施形態において、Tが存在する(aは1である)。aが1であるとき、(3)の(ヘテロ)アリーレン基TはAで置換されており、ここでAは上記定義の通りである。
(ヘテロ)アリーレン基Tは任意選択で1又は複数の置換基R2により更に置換されており、ここでR2はハロゲン(−F、−Cl、−Br、−I、好ましくは−F、−Cl、−Br)、−CN、−NO2、−C(O)R9、−C(O)OR9、−C(O)N(R10)2、C1〜C12アルキル基、C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキニル基、C3〜C12シクロアルキル基、C5〜C12シクロアルケニル基、C8〜C12シクロアルキニル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C12アルケニルオキシ基、C2〜C12アルキニルオキシ基、C3〜C12シクロアルキルオキシ基、アミノ基(好ましくは−N(R10)2)、オキソ基及び−Si(R7)3基からなる群から独立して選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基及びシクロアルキルオキシ基はO、N及びSからなる群から選択される1又は複数のヘテロ原子により任意選択で中断され、R7はC1〜C12アルキル基、C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキニル基、C3〜C12シクロアルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C12アルケニルオキシ基、C2〜C12アルキニルオキシ基及びC3〜C12シクロアルキルオキシ基からなる群から独立して選択され、ここでアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基及びシクロアルキルオキシ基は任意選択で置換されていてもよく、R9はC1〜C12アルキル基であり、R10は独立して水素及びC1〜C12アルキル基から選択される。R9はC1〜C6アルキル基、更により好ましくはC1〜C4アルキル基、最も好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル又はt−ブチル基であることが好ましい。R10は水素又はC1〜C6アルキル基、より好ましくは水素又はC1〜C4アルキル基であることが好ましく、R10が水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル又はt−ブチル基であることが最も好ましい。
R2が−Si(R7)3基であるとき、R7は独立してC1〜C12アルキル基、より好ましくは独立してC1〜C6アルキル基、更により好ましくは独立してC1〜C4アルキル基であることが好ましく、最も好ましくはR7は、独立して、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル又はt−ブチル基である。
R2は存在するとき、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO2、−C(O)R9、−C(O)OR9、−C(O)N(R10)2、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、アミノ基(−N(R10)2)、オキソ基及び−Si(R7)3基からなる群から独立して選択されることが好ましく、R7、R9、R10並びにR7、R9、R10の好ましい実施形態は上記定義の通りである。
R2は、存在するとき、−F、−Cl、−Br、−CN、−NO2、−C(O)R9、−C(O)OR9、−C(O)N(R10)2、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、アミノ基、オキソ基及び−Si(R7)3基からなる群から独立して選択されることがより好ましく、ここでR7、R9、R10及びR7、R9、R10の好ましい実施形態は上記定義の通りである。
R2は、存在するとき、−F、−Cl、−Br、−CN、−NO2、−C(O)R9、−C(O)OR9、−C(O)N(R10)2、C1〜C4アルキル基及びC1〜C4アルコキシ基からなる群から独立して選択されることが更により好ましく、ここでR9及びR10、並びにR9及びR1の好ましい実施形態は上記定義の通りである。
R2は、存在するとき、−F、−Cl、−Br、−CN、−NO2、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、n−プロピル、n−プロポキシ、i−プロピル、i−プロポキシ、n−ブチル、n−ブトキシ、s−ブチル、s−ブトキシ、t−ブチル及びt−ブトキシからなる群から独立して選択されることが尚更により好ましい。R2は、存在するとき、−F、−Cl、−Br、−CN、−NO2、メチル及びメトキシからなる群から独立して選択されることが最も好ましい。
好ましい実施形態において、(3)中の(ヘテロ)アリーレン基は置換されていない。別の好ましい実施形態において、(3)中の(ヘテロ)アリーレン基は1又は複数の置換基R2を含み、ここでR2及びR2の好ましい実施形態は上に定義されている。
用語「(ヘテロ)アリーレン基」は本明細書中で、アリーレン基及びヘテロアリーレン基を指す。用語「(ヘテロ)アリーレン基」は本明細書中で、単環状の(ヘテロ)アリーレン基及び二環状の(ヘテロ)アリーレン基を指す。Su(A)−Nuc(3)中の(ヘテロ)アリーレン基はあらゆるアリーレン基又はあらゆるヘテロアリーレン基であり得る。
本発明の方法の好ましい実施形態において、(3)中の(ヘテロ)アリーレン基Tは、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ピロリレン基、ピロリウミレン基、フラニレン基、チオフェニレン基(即ちチオフラニレン基)、ピラゾリレン基、イミダゾリレン基、ピリミジニウミレン基、イミダゾリウミレン基、イソオキサゾリレン基、オキサゾリレン基、オキサゾリウミレン基、イソチアゾリレン基、チアゾリレン基、1,2,3−トリアゾリレン基、1,3,4−トリアゾリレン基、ジアゾリレン基、1−オキサ−2,3−ジアゾリレン基、1−オキサ−2,4−ジアゾリレン基、1−オキサ−2,5−ジアゾリレン基、1−オキサ−3,4−ジアゾリレン基、1−チア−2,3−ジアゾリレン基、1−チア−2,4−ジアゾリレン基、1−チア−2,5−ジアゾリレン基、1−チア−3,4−ジアゾリレン基、テトラゾリレン基、ピリジニレン基、ピリダジニレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、ピラジジニレン基、ピリジニウミレン基、ピリミジニウミレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ベンズイミダゾリレン基、インダゾリレン基、ベンゾトリアゾリレン基、ピロロ[2,3−b]ピリジニレン基、ピロロ[2,3−c]ピリジニレン基、ピロロ[3,2−c]ピリジニレン基、ピロロ[3,2−b]ピリジニレン基、イミダゾ[4,5−b]ピリジニレン基、イミダゾ[4,5−c]ピリジニレン基、ピラゾロ[4,3−d]ピリジニレン基、ピラゾロ[4,3−c]ピリジニレン基、ピラゾロ[3,4−c]ピリジニレン基、ピラゾロ[3,4−b]ピリジニレン基、イソインドリレン基、インダゾリレン基、プリニレン基、インドリニレン基、イミダゾ[1,2−a]ピリジニレン基、イミダゾ[1,5−a]ピリジニレン基、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニレン基、ピロロ[1,2−b]ピリダジニレン基、イミダゾ[1,2−c]ピリミジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、シノリニレン基、キナゾリニレン基、キノキサリニレン基、フタラジニレン基、1,6−ナフチリジニレン基、1,7−ナフチリジニレン基、1,8−ナフチリジニレン基、1,5−ナフチリジニレン基、2,6−ナフチリジニレン基、2,7−ナフチリジニレン基、ピリド[3,2−d]ピリミジニレン基、ピリド[4,3−d]ピリミジニレン基、ピリド[3,4−d]ピリミジニレン基、ピリド[2,3−d]ピリミジニレン基、ピリド[2,3−b]ピラジニレン基、ピリド[3,4−b]ピラジニレン基、ピリミド[5,4−d]ピリミジニレン基、ピラジノ[2,3−b]ピラジニレン基及びピリミド[4,5−d]ピリミジニレン基からなる群から選択され、全ての基は1又は複数の置換基R2により任意選択で置換されていてもよく、ここでR2及びR2の好ましい実施形態は上記定義の通りである。
更に好ましい実施形態において、(ヘテロ)アリーレン基Tはフェニレン基、ピリジニレン基、ピリジニウミレン基、ピリミジニレン基、ピリミジニウミレン基、ピラジニレン基、ピラジジニレン基、ピロリレン基、ピロリウミレン基、フラニレン基、チオフェニレン基(即ちチオフラニレン基)、ジアゾリレン基、キノリニレン基、イミダゾリレン基、ピリミジニウミレン基、イミダゾリウミレン基、オキサゾリレン基及びオキサゾリウミレン基からなる群から選択され、全ての基は1又は複数の置換基R2により任意選択で置換されていてもよく、ここでR2及びR2の好ましい実施形態は上記定義の通りである。
(ヘテロ)アリーレン基Tは、フェニレン基、ピリジニレン基、ピリジニウミレン基、ピリミジニレン基、ピリミジニウミレン基、イミダゾリレン基、ピリミジニウミレン基、イミダゾリウミレン基、ピロリレン基、フラニレン基及びチオフェニレン基からなる群から選択されることが更により好ましく、全ての基は1又は複数の置換基R2により任意選択で置換されていてもよく、ここでR2及びR2の好ましい実施形態は上記定義の通りである。
(ヘテロ)アリール基Tは、フェニレン基、イミダゾリレン基、イミダゾリウミレン基、ピリミジニウミレン基、ピリジニレン基及びピリジニウミレン基からなる群から選択されることが最も好ましく、全ての基は1又は複数の置換基R2により任意選択で置換されていてもよく、ここでR2及びR2の好ましい実施形態は上記定義の通りである。
Su(A)−Nuc(3)及び例えば、(34)、(3a)、(3b)、(3c)又は(3d)のようなその好ましい実施形態において、Uは存在しても(fが1である)存在しなくてもよい(fが0である)。存在するとき、Uは[C(R1)2]n、ここでnは1〜24の範囲の整数であり;又はUは[C(R1)2]p−O−[C(R1)2C(R1)2O]o−[C(R1)2]qであり、ここでoは0〜12の範囲の整数であり、p及びqは独立して0、1又は2であり、R1はH、F、Cl、Br、I、OH及び任意選択で置換されていてもよいC1〜C24アルキル基からなる群から独立して選択される。Uが[C(R1)2]p−O−[C(R1)2C(R1)2O]o−[C(R1)2]qであるとき、p、o及びqの少なくとも1つが0でないことが好ましい。
好ましい実施形態において、Uは存在しない、即ち、fが0である。
別の好ましい実施形態において、Uは存在する、即ち、fが1である。
Uが[C(R1)2]nであるとき、nは1〜24の範囲の整数、好ましくは1〜12の範囲の整数である。nは1、2、3、4、5、6、7又は8であることがより好ましく、nは1、2、3、4、5又は6であることが尚より好ましく、nは1、2、3、又は4であることが更に尚より好ましく、nは1、2又は3であることが更に尚より好ましく、nは1又は2であることが最も好ましい。
R1はH、F、Cl、Br、I及び任意選択で置換されていてもよいC1〜C24アルキル基からなる群、好ましくはH、F、Cl、Br、I及び任意選択で置換されていてもよいC1〜C12アルキル基からなる群、より好ましくはH、F、Cl、Br、I及び任意選択で置換されていてもよいC1〜C6アルキル基からなる群から独立して選択される。R1はH、F、Cl、Br、I、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基又はt−ブチル基からなる群から独立して選択されることが更により好ましい。R1はH、F、Cl及びメチルからなる群から独立して選択されることが更により好ましく、R1がH及びFからなる群から独立して選択されることが最も好ましい。
Uが[C(R1)2]nであり、nが1又は2であるとき、Su(A)−Nucの−[C(R1)2]n−部分の好ましい例には−(CH2)−、−(CF2)−、−(CCl2)−、−(CBr2)−、−(CMe2)−、−(CH2CH2)−、−(CH2CF2)−、−(CH2CCl2)−、−(CH2CBr2)−、−(CH2CI2)−、−(CH2CMe2)−、−(CF2CF2)−、−(CCl2CCl2)−、−(CBr2CBr2)−及び−(CMe2CMe2)−、より好ましくは−(CH2)−、−(CF2)−、−(CH2CH2)−、−(CH2CF2)−及び−(CF2CF2)−がある。
Uが[C(R1)2]nであり、nが3以上であるとき、Su(A)−Nucの−[C(R1)2]n−部分の好ましい例には、−(CnH2n)−、−(CnF2n)−、−(CnCl2n)−、−(CnBr2n)−、−(C(n−1)H2(n−1)CF2)−、−(C(n−1)H2(n−1)CCl2)−、−(C(n−1)H2(n−1)CBr2)−及び−(C(n−1)H2(n−1)CMe2)−、例えば−(C3H6)−、−(C3F6)−、−(C3Cl6)−、−(C3Br6)−、−(CH2CH2CF2)−、−(CH2CH2CCl2)−、−(CH2CH2CBr2)−及び−(C4H8)−がある。より好ましい例には、−(CnH2n)−、−(CnF2n)−、例えば−(C3H6)−、−(C4H8)−、−(C3F6)−及び−(C4F8)−がある。
Uが[C(R1)2]p−O−[C(R1)2C(R1)2O]o−[C(R1)2]qであるとき、oは0〜12の範囲の整数であり、p及びqは独立して0、1又は2である。oは1〜10の範囲の整数であることが好ましく、より好ましくはoは1、2、3、4、5、6、7又は8であり、更により好ましくはoは1、2、3、4、5又は6であり、尚更により好ましくはoは1、2、3又は4であり、尚更により好ましくはoは1、2又は3であり、尚更により好ましくは、oは1又は2であり、最も好ましくはoは1である。別の好ましい実施形態において、oは0である。oは0、1又は2であることが特に好ましい。oが0である場合、pが0であるとき、qは1又は2であり、qが0であるとき、pは1又は2であることが更に好ましい。
Uが[C(R1)2]p−O−[C(R1)2C(R1)2O]o−[C(R1)2]qであり、o及び/又はp及び/又はqが1以上であるとき、R1はH、F、Cl、Br、I及び任意選択で置換されていてもよいC1〜C24アルキル基からなる群、好ましくはH、F、Cl、Br、I及び任意選択で置換されていてもよいC1〜C12アルキル基からなる群、より好ましくはH、F、Cl、Br、I及び任意選択で置換されていてもよいC1〜C6アルキル基からなる群から独立して選択される。R1はH、F、Cl、Br、I、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基又はt−ブチル基からなる群から独立して選択されることが更により好ましい。R1はH、F、Cl及びメチルからなる群から独立して選択されることが更により好ましい。R1がHであることが最も好ましい。
Uが[C(R1)2]p−O−[C(R1)2C(R1)2O]o−[C(R1)2]qであるとき、Su(A)−Nucの−[C(R1)2]p−O−[C(R1)2C(R1)2O]o−[C(R1)2]q−部分の好ましい例には−CH2−O−、−(CH2)2−O−、−O−CH2−、−O−(CH2)2−、−CH2−O−(CH2CH2O)o−、−(CH2)2−O−(CH2CH2O)o−、−O−(CH2CH2O)o−、−O−(CH2CH2O)o−CH2−、−O−(CH2CH2O)o−(CH2)2−、−CH2−O−(CH2CH2O)o−CH2−、−CH2−O−(CH2CH2O)o−(CH2)2−、−(CH2)2−O−(CH2CH2O)o−CH2−及び−(CH2)2−O−(CH2CH2O)o−(CH2)2−があり、ここでoは1、2、3、4、5又は6であり、好ましくはoは1、2、3又は4であり、より好ましくはoは1又は2であり、最も好ましくはoは1である。
糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc(3)及び例えば、(34)、(3a)、(3b)、(3c)又は(3d)のようなその好ましい実施形態において、a及びfは両方とも0でないことが好ましい。別の好ましい実施形態において、aは0であり、fは1であるか、又はaは1であり、fは0である。これらの実施形態において、gは0又は1であってもよい。
本発明の方法の好ましい実施形態において、aは0であり、fは1でありUは[C(R1)2]nである。この実施形態において、aが0であり、fは1でありnが1〜12の範囲であることが更に好ましく、より好ましくはaは0であり、fは1でありnは1、2、3、4、5、6、7又は8であり、更により好ましくはaが0であり、fは1でありnは1、2、3、4、5又は6であり、尚更により好ましくはaが0であり、fは1でありnは1、2、3又は4であり、尚更により好ましくはaが0であり、fは1でありnは1又は2であり、最も好ましくはaは0であり、fは1でありnは1である。[C(R1)2]nの好ましい例は上により詳細に記載した通りである。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、aは0であり、fは1でありUは[C(R1)2]p−O−[C(R1)2C(R1)2O]o−[C(R1)2]qである。より好ましくはp、o及びqは全てが0ではなく、即ちoは1〜12の範囲の整数であり、及び/又はpは1若しくは2であり、及び/又はqは1若しくは2である。この実施形態において、aは0であり、fは1でありoは1〜12の範囲であることが更に好ましく、より好ましくはaは0であり、fは1でありoは1〜10の範囲であり、更により好ましくはaは0であり、fは1でありoは1、2、3、4、5、6、7又は8であり、尚更により好ましくはaは0であり、fは1でありoは1、2、3、4、5又は6であり、尚更により好ましくはaは0であり、fは1でありoは1、2、3又は4であり、尚更により好ましくはaは0であり、fは1でありoは1又は2であり、最も好ましくはaは0であり、fは1でありoは1である。また、この実施形態において、p及びqは独立して0、1又は2である。[C(R1)2]p−O−[C(R1)2C(R1)2O]o−[C(R1)2]qの好ましい例は上により詳細に記載した通りである。
更にもう1つ別の好ましい実施形態において、aは1であり、fは1でありUは[C(R1)2]nである。この実施形態において、nが1〜12の範囲であることが更に好ましく、より好ましくはnが1、2、3、4、5、6、7又は8であり、更により好ましくはnが1、2、3、4、5又は6であり、尚更により好ましくはnが1、2、3又は4であり、尚更により好ましくはnが1又は2であり、最も好ましくはnが1である。[C(R1)2]nの好ましい例は上により詳細に記載した通りである。
更にもう1つ別の好ましい実施形態において、aは1であり、fは1でありUは[C(R1)2]p−O−[C(R1)2C(R1)2O]o−[C(R1)2]qであり、oは1〜12の範囲の整数であり、p及びqは独立して0、1又は2である。この実施形態において、oは1〜10の範囲であることが更に好ましく、より好ましくはoは1、2、3、4、5、6、7又は8であり、更により好ましくはoは1、2、3、4、5又は6であり、尚更により好ましくはoは1、2、3又は4であり、尚更により好ましくはoは1又は2であり、最も好ましくはoは1である。また、この実施形態において、p及びqは独立して0、1又は2である。[C(R1)2]p−O−[C(R1)2C(R1)2O]o−[C(R1)2]qの好ましい例は上により詳細に記載した通りである。
上記定義の通り、Su(A)−Nuc(3)中のZ及び例えば、(34)、(3a)、(3b)、(3c)又は(3d)のようなその好ましい実施形態において、ZはCH2、CF2若しくはC(O)であるか;又はgが0であり、fが1であり、かつaが0若しくは1であるという条件で、ZはCHOHである。好ましい実施形態において、ZはCH2、CF2及びC(O)からなる群から選択される。別の好ましい実施形態において、gが0であり、fが1であり、かつaが0又は1であるという条件で、ZはCHOHである。
Su(A)−Nuc(3)及び例えば、(34)、(3a)、(3b)、(3c)又は(3d)のようなその好ましい実施形態において、Yは存在しなくても(gは0である)存在してもよい(gは1である)。Yが存在するとき、YはO、S、N(R15)、N(R15)C(O)、N(R15)C(O)N(R15)、N(R15)C(O)O、OC(O)N(R15)S(O)2N(R15)及びN(R15)C(O)N(R15)S(O)2Oからなる群から選択され、ここでR15はH、C1〜C12アルキル基及び(U)f−(T)a−Aからなる群から独立して選択され、ここでf、a、U、T及びAは上記定義の通りである。YはO、S、N(R15)、NHC(O)、NHC(O)N(R15)、NHC(O)O、OC(O)NHS(O)2NH及びNHC(O)NHS(O)2Oからなる群から選択されることが好ましく、ここでR15はH、C1〜C12アルキル基及び(U)f−(T)a−Aからなる群から独立して選択され、ここでf、a、U、T及びAは上記定義の通りである。これらの実施形態において、R15はH、C1〜C6アルキル基及び(U)f−(T)a−Aからなる群から独立して選択されることが更に好ましく、ここでf、a、U、T及びAは上記定義の通りである。R15はH、メチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル及び(U)f−(T)a−Aからなる群から独立して選択されることがより好ましく、ここでf、a、U、T及びAは上記定義の通りである。R15はH及びメチルからなる群から選択されることが最も好ましい。
好ましい実施形態において、ZはCH2であり、gは1である。この実施形態において、YはO、S、N(R15)、N(R15)C(O)、N(R15)C(O)N(R15)及びN(R15)C(O)Oからなる群から選択されることが更に好ましく、O、S、N(R15)、NHC(O)、NHC(O)N(R15)及びNHC(O)Oからなる群から選択されることがより好ましく、ここでR15及びR15の好ましい実施形態は上記定義の通りである。
別の好ましい実施形態において、ZはC(O)であり、gは1である。この実施形態において、YはN(R15)であることが更に好ましく、ここでR15及びR15の好ましい実施形態は上記定義の通りである。
したがって、本発明の方法の好ましい実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、式(15)、(16)、(17)又は(18):
(式中:
Nuc、a、f、R
14、R
15、A、U及びTは、上記定義の通りである)
で表される。
(15)、(16)、(17)及び(18)の好ましい実施形態において、R14は−OHである。別の好ましい実施形態において、R14は−N3である。別の好ましい実施形態において、R14は−NHC(O)CH3である。別の好ましい実施形態において、R14は−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aであり、ここでW、U、T、A、h、f及びaは、上記定義の通りである。これらの実施形態において、NucはUDPであることが更に好ましい。
(15)、(16)、(17)及び(18)中のU、T、a及びfの好ましい実施形態は上記の通りである。上記定義のAの好ましい実施形態は、(15)、(16)、(17)及び(18)についても維持される。
(15)、(16)、(17)及び(18)の特に好ましい実施形態において、aは0であり、fは1であり、Uは−CH2−CF2−である。この実施形態において、AはN3であることが更に好ましい。
(15)、(16)、(17)及び(18)の別の好ましい実施形態において、aは1であり、Tは任意選択で置換されていてもよいフェニル基であることが好ましい。上記の通り、フェニル基は任意選択でR2により置換されていてもよく、R2は好ましくはH、F、Cl及びBrからなる群から、より好ましくはH、F及びClからなる群から、最も好ましくはH及びFからなる群から選択される。この実施形態において、fは0又は1であり、fが1であるとき、Uは−CH2−であることが好ましい。これらの実施形態において、AはN3であることが更に好ましい。Aは任意選択で置換されていてもよいフェニル基のパラ位に存在することが好ましい。
本発明の方法の好ましい実施において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、式(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、(65)又は(66)で表され、好ましくは式(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)又は(26);
(式中:
R
14及びR
15は上記定義の通りであり;
R
16はH及びFからなる群から独立して選択される)
で表される。
本発明の方法の好ましい実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、式(67)、(68)又は(69):
(式中:
R
14は上記定義の通りである)
で表される。
更に好ましい実施形態において、R15はH及びC1〜C12アルキル基からなる群から、好ましくはH及びC1〜C6アルキル基からなる群から、より好ましくはH、メチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、s−ブチル及びt−ブチルからなる群から、最も好ましくはH及びメチルからなる群から選択される。別の更に好ましい実施形態において、R15は(U)f−(T)a−Aであり、ここでf、a、U、T及びA並びにその好ましい実施形態は上記定義の通りである。R15が(U)f−(T)a−Aであるとき、R15の(U)f−(T)a−A基は、Su(A)−Nuc(3)中のZ−(Y)g−(U)f−(T)a−A部分に由来する(U)f−(T)a−A基に相当することが好ましい。例えば、(24)中のR15が(U)f−(T)a−Aであるとき、R15はフェニルのパラ位にN3を有する−(C6H4(N3))であることが好ましい。これらの実施形態において、NucはUDPであることが更に好ましい。
(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、(65)、(66)、(67)、(68)及び(69)の好ましい実施形態並びに上記のその好ましい実施形態において、R14は−OHである。別の好ましい実施形態において、R14は−N3である。別の好ましい実施形態において、R14は−NHC(O)CH3である。別の好ましい実施形態において、R14は−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aであり、ここでW、U、T、A、h、f及びaは上記定義の通りである。これらの実施形態においても、NucはUDPであることが更に好ましい。
好ましい実施形態において、R
14は−N
3である。本発明の方法の別の好ましい実施形態において、R
14は;
(式中:
a、f、h、T、A、U及びW、並びにその好ましい実施形態は、上記定義の通りである)
からなる群から選択される。
本発明の方法の更に好ましい実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、式(27)、(28)、(29)、(30)又は(31)、或いは式(36):
(式中:
Nucは上記定義の通りである)
で表される。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、R
14はOHである。この実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、式(35):
(式中:
Nucは上記定義の通りである)
で表されることが更に好ましい。
Su(A)−Nucが式(27)、(28)、(29)、(30)、(31)、(35)又は(36)で表されるときも、NucはUDPであることが好ましい。
酵素
本発明の方法は、改変された糖タンパク質を提供するために、グリコシルトランスフェラーゼその存在下で、より特定的にはその作用の下で、末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質を、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucと接触させるステップを含み、ここでグリコシルトランスフェラーゼは、β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼであるか又はそれに由来する。β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、本明細書中で、β−(1,4)−GalNAcT酵素、又はβ−(1,4)−GalNAcT、又はGalNAcTとも称される。
β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ(β−(1,4)−GalNAcT)は当技術分野で公知である。典型的には、β−(1,4)−GalNAcTは、ウリジン二リン酸−GalNAc(UDP−GalNAc、またGalNAc−UDPとも称される)から、糖タンパク質グリカンの末端GlcNAc部分への、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)の転移を触媒する酵素であり、ここでGalNAc部分のC1がβ−1,4−O−グリコシド結合を介してGlcNAc部分のC4に結合する。上でより詳細に記載した通り、bが1である式(1)で表されるグリカン中のGlcNAc部分、即ち、フコシル化されたGlcNAcからなるグリカン中のGlcNAc部分は、本明細書中で、末端GlcNAc部分とも考えられる。
本発明の方法において、β−(1,4)−GalNAcTであるか又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucから糖タンパク質グリカンの末端GalNAc部分への糖誘導体Su(A)の転移を触媒して、改変された糖タンパク質を提供し、ここで上で記載したように、Su(A)は式(6)で表され、Su(A)−Nucは式(3)で表され、末端GlcNAc部分を含むグリカンは式(1)又は(2)で表され、改変された糖タンパク質は式(4)又は(5)で表される。この方法において、Su(A)部分のC1はβ−1,4−O−グリコシド結合を介してGlcNAc部分のC4に結合する。
本発明の方法で使用するβ−(1,4)−GalNAcT酵素は無脊椎動物のβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来し、即ち無脊椎動物種に由来するβ−(1,4)−GalNAcTであるか又はそれに由来することが好ましい。β−(1,4)−GalNAcT酵素は当業者に公知の無脊椎動物β−(1,4)−GalNAcT酵素であることができるか、又はそれに由来することができる。β−(1,4)−GalNAcT酵素は、線形動物門(Nematoda)、好ましくはクロマドラ綱(Chromadorea)若しくは双腺綱(Secernentea)、又は節足動物門(Arthropoda)、好ましくは昆虫綱(Insecta)に由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来することが好ましい。β−(1,4)−GalNAcT酵素は、カエノラブディティス・エレガンス、カエノラブディティス・レマネイ(Caenorhabditis remanei)、カエノラブディティス・ブリグサエ(Caenorhabditis briggsae)、豚回虫(Ascaris suum)、イラクサギンウワバ、キイロショウジョウバエ、バンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)、ロア糸状虫(Loa loa)、クビレハリアリ(Cerapachys biroi)、ネバダオオシロアリ(Zootermopsis nevadensis)、フロリダオオアリ(Camponotus floridanus)、マガキ(Crassostrea gigas)又はオオカバマダラ(Danaus plexippus)、好ましくはカエノラブディティス・エレガンス、豚回虫、イラクサギンウワバ又はキイロショウジョウバエに由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか、又はそれに由来することが好ましい。β−(1,4)−GalNAcT酵素は、カエノラブディティス・エレガンス、豚回虫又はイラクサギンウワバに由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか、又はそれに由来することがより好ましい。更に好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素は、豚回虫に由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか、又はそれに由来する。別の更に好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素は、イラクサギンウワバに由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか、又はそれに由来する。別の更に好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素はカエノラブディティス・エレガンスに由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか、又はそれに由来する。
本明細書中で、カエノラブディティス・エレガンスはCeと、豚回虫はAsと、イラクサギンウワバはTnと、キイロショウジョウバエはDmとも称される。
本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、配列番号2〜5及び15〜23からなる群から選択される配列、より好ましくは配列番号2〜5からなる群から選択される配列に対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが好ましい。言い換えると、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、配列番号2、配列番号3、配列番号4及び配列番号5、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22及び配列番号23からなる群から選択される配列、好ましくは配列番号2、配列番号3、配列番号4及び配列番号5からなる群から選択される配列、更により好ましくは配列番号2、配列番号3及び配列番号4からなる群から選択される配列、更により好ましくは配列番号3及び配列番号4からなる群から選択される配列、最も好ましくは配列番号4に対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが好ましい。
β−(1,4)−GalNAcT酵素は、本明細書中でCeGalNAcTと命名されたカエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号2)、本明細書中でAsGalNAcTと命名された豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(配列番号3)、本明細書中でTnGalNAcTと命名されたイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号4)、本明細書中でDmGalNAcTと命名されたキイロショウジョウバエβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号5)、カエノラブディティス・レマネイβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号15)、カエノラブディティス・ブリグサエβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号16)、バンクロフト糸状虫β−(1,4)−GalNAcT(配列番号17)、ロア糸状虫β−(1,4)−GalNAcT(配列番号18)、クビレハリアリβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号19)、ネバダオオシロアリβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号20)、フロリダオオアリβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号21)、マガキβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号22)及びオオカバマダラβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号23)からなる群から選択される天然又は野生型のβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか、又はそれに由来することが好ましい。
好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、本明細書中でCeGalNAcTと命名されたカエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号2)、本明細書中でAsGalNAcTと命名された豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(配列番号3)、本明細書中でTnGalNAcTと命名されたイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号4)及び本明細書中でDmGalNAcTと命名されたキイロショウジョウバエβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号5)からなる群から選択される天然若しくは野生型のβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、本明細書中でCeGalNAcTと命名されたカエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号2)、本明細書中でAsGalNAcTと命名された豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(配列番号3)及び本明細書中でTnGalNAcTと命名されたイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号4)からなる群から選択される天然若しくは野生型のβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、本明細書中でAsGalNAcTと命名された豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(配列番号3)及び本明細書中でTnGalNAcTと命名されたイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号4)からなる群から選択される天然若しくは野生型のβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来する。
特に好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、本明細書中でTnGalNAcTと命名されたイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(配列番号4)であるか又はそれに由来する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、線形動物門、好ましくはクロマドラ綱、好ましくはカンセンチュウ目(Rhabditida)、好ましくはラブジチス科(Rhabditidae)、好ましくはカエノラブディティス属(Caenorhabditis)の無脊椎動物種に由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素である。本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、配列番号2、15及び16からなる群の配列に対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが好ましい。上記無脊椎動物種はカエノラブディティス・エレガンスのものであることがより好ましい。本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は配列番号2に対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが好ましい。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、線虫門、好ましくは双腺綱(Secementea)、好ましくは回虫目(Ascaridida)、好ましくは回虫科(Ascarididae)、好ましくは回虫属(Ascaris)の無脊椎動物種に由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素である。上記無脊椎動物種は豚回虫(Ascaris Sum)のものであることがより好ましい。本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は配列番号3からなる群の配列に対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが好ましい。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、節足動物門(Anthropoda)、好ましくは昆虫綱、好ましくはチョウ目(Lepidoptera)、好ましくはヤガ科(Noctuidae)、好ましくはトリコプルシア属(Trichoplusia)の無脊椎動物種に由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素である。上記無脊椎動物種はイラクサギンウワバのものであることがより好ましい。イラクサギンウワバはときにフィトメトラ・ブラシカエ(Phytometra brassicae)、プルシア・インナタ(Plusia innata)又はキャベツシャクトリムシと称されることもある。本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は配列番号4からなる群の配列に対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが好ましい。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、節足動物門、好ましくは昆虫綱、好ましくはハエ目(Diptera)、好ましくはショウジョウバエ科(Drosophilidae)、好ましくはショウジョウバエ属(Drosophila)の無脊椎動物種に由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素である。上記無脊椎動物種はキイロショウジョウバエのものであることがより好ましい。本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は配列番号5からなる群の配列に対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが好ましい。
β−(1,4)−GalNAcT酵素に「由来する」とは、本明細書中で、1又は複数の、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20又はそれより多くのアミノ酸の置換、挿入、欠失、又は付加により、それぞれ、天然のβ−(1,4)−GalNAcT酵素から変更されたアミノ酸配列を有するβ−(1,4)−GalNAcT酵素と理解されたい。β−(1,4)−GalNAcT酵素に由来するβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、本明細書中で、誘導されたβ−(1,4)−GalNAcT酵素又は改変されたβ−(1,4)−GalNAcT酵素又はβ−(1,4)−GalNAcT突然変異体酵素又はβ−(1,4)−GalNAcT突然変異体とも称される。
誘導された酵素は本分野で公知であり、膜貫通ドメインの除去、本明細書中で言及される溶解度及び/又は精製タグのようなタグの封入のような、アミノ酸配列の従来の及び標準的な改変を受けた酵素を含む。改変されたアミノ酸配列を有する酵素に至るそのような手順は、本分野で周知であり、本発明の方法により網羅される(coveed by)。
一実施形態において、誘導された酵素、即ち、本明細書中で言及される天然のβ−(1,4)−GalNAcT酵素に対して100%未満の配列同一性を有する酵素は、天然のβ−(1,4)−GalNAcT酵素の酵素活性の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%又は好ましくは少なくとも80%若しくは90%又は少なくとも100%の酵素活性を有することが好ましい。本明細書中で、活性は、糖タンパク質の末端GlcNAc残基へ(改変された)GalNAc残基を組み込むことにおける効果として好都合に測定される。
酵素は、ガラクトシルトランスフェラーゼではない。一実施形態において、酵素はE.C.2.4.1.38として又はE.C.2.4.1.133として分類されず、好ましくはE.C.2.4.1.22として、E.C.2.4.1.38として、E.C.2.4.1.90として又はE.C.2.4.1.133として分類されない。
一実施形態において、酵素は、E.C.2.4.1.41として、E.C.2.4.1.92として、E.C.2.4.1.174として又はE.C.2.4.1.244として、好ましくはE.C.2.4.1.92として又はE.C.2.4.1.244として分類される。
上記誘導されたβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、安定性、溶解性、活性及び/又は精製の容易さを増大するように、追加のN−若しくはC−末端アミノ酸又は化学的部分を付加するか又はN−若しくはC−末端アミノ酸を欠失することにより改変されることが好ましい。
β−(1,4)−GalNAcT酵素はN−末端細胞質ドメイン及び膜貫通ドメインを欠失することによって改変されることが好ましく、これは本明細書中でトランケート型酵素と命名される。これらのドメインの欠失は水溶液への増大した溶解性を示す酵素となることは当技術分野で公知である。
例えば、CeGalNAcT(30−383)は本明細書中で、配列番号2の位置30〜383のアミノ酸により表されるアミノ酸配列からなるトランケート型カエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT酵素と理解されたい。同様に、AsGalNAcT(30−383)は本明細書中で、配列番号3の位置30〜383のアミノ酸により表されるアミノ酸配列からなるトランケート型豚回虫β−(1,4)−GalNAcT酵素と理解され、TnGalNAcT(33−421)は本明細書中で、配列番号4の位置33〜421のアミノ酸により表されるアミノ酸配列からなるトランケート型イラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT酵素と理解され、DmGalNAcT(47−403)は本明細書中で、配列番号5の位置47〜403のアミノ酸により表されるアミノ酸配列からなるトランケート型キイロショウジョウバエβ−(1,4)−GalNAcT酵素と理解されたい。
本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、配列番号6、配列番号7、配列番号8又は配列番号9の配列のいずれか、より好ましくは配列番号6、配列番号7又は配列番号8の配列のいずれか、尚より好ましくは配列番号7又は配列番号8の配列のいずれか、尚より好ましくは配列番号8の配列に対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは少なくとも100%の配列同一性を有することが好ましい。
1又は複数のアミノ酸が置換、付加又は欠失されているβ−(1,4)−GalNAcT酵素は、本明細書中で誘導されたβ−(1,4)−GalNAcT酵素とも称される。β−(1,4)−GalNAcT酵素は、N−末端細胞質ドメイン及び膜貫通ドメインを欠失させることによって、及び1又は複数のアミノ酸を置換することによって改変されることが好ましい。1又は複数のアミノ酸の置換は本明細書中で突然変異とも称される。1又は複数の置換されたアミノ酸を含む酵素はまた突然変異体酵素とも称される。
本発明の方法において、グリコシルトランスフェラーゼがカエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT酵素又はトランケート型β−(1,4)−GalNAcT酵素に由来するとき、酵素は1又は複数の突然変異を更に含むことが好ましい。好ましい突然変異は、位置257のイソロイシン(Ile、Iとも称される)の、ロイシン(Leu、Lとも称される)、メチオニン(Met、Mとも称される)又はアラニン(Ala、またAとも称される)による置換を含む。好ましい突然変異はまた、位置312のメチオニン(Met、Mとも称される)のヒスチジン(His、Hとも称される)による置換も含む。その結果として、グリコシルトランスフェラーゼがCeGalNAcT又はCeGalNAcT(30−383)に由来するとき、酵素はI257L、I257M又はI257Aの突然変異、及び/又はM312Hの突然変異を含むことが好ましい。
アミノ酸位置の番号付けは本明細書中で野生型β−(1,4)−GalNAcT酵素のアミノ酸位置の番号付けに基づくことに留意すべきである。β−(1,4)−GalNAcT酵素が例えばトランケート型酵素であるとき、本明細書中で例えばアミノ酸置換の位置を示すために使用される番号は対応する野生型β−(1,4)−GalNAcT酵素のアミノ酸位置の番号付けに対応する。
一例を挙げると、野生型CeGalNAcT(配列番号2)ではイソロイシン(Ile、I)がアミノ酸位置257に存在する。CeGalNAcT(I257L)では、位置257のイソロイシンアミノ酸がロイシンアミノ酸(Leu、L)で置換されている。上に記載したように、CeGalNAcT(30−383)は本明細書中で配列番号2の位置30〜383のアミノ酸により表されるアミノ酸配列からなるトランケート型CeGalNAcT酵素と理解され、一方CeGalNAcT(30−383)自体は配列番号6により表される。CeGalNAcT(30−383;I257L)で、I257Lの番号「257」は、対応する野生型CeGalNAcTの位置257(即ち配列番号2の番号257のIアミノ酸がLアミノ酸で置換されていることを示す。配列番号2の位置257のイソロイシンアミノ酸は配列番号6の位置228のイソロイシンアミノ酸により表される。
好ましいトランケート型カエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT突然変異体酵素には、CeGalNAcT(30−383;I257L)(配列番号10)、CeGalNAcT(30−383;I257M)(配列番号11)、CeGalNAcT(30−383;I257A)(配列番号12)及びCeGalNAcT(30−383;M312H)(配列番号13)がある。
本発明の方法において、グリコシルトランスフェラーゼがイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT酵素又はトランケート型イラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT酵素に由来するとき、酵素は1又は複数の突然変異を更に含むことが好ましい。好ましい突然変異は、位置336のトリプトファン(Trp、Wとも称される)のフェニルアラニン(Phe、Fとも称される)、ヒスチジン(His、Hとも称される)又はバリン(Val、Vとも称される)による置換を含む。その結果として、グリコシルトランスフェラーゼがTnGalNAcT又はTnGalNAcT(33−421)に由来するとき、酵素はW336F、W336H又はW336Vの突然変異を含むことが好ましい。TnGalNAcT又はTnGalNAcT(33−421)の好ましい突然変異はまた、位置339のグルタミン酸(Glu、Eとも称される)のアラニン(Ala、Aとも称される)、グリシン(Gly、Gとも称される)、アスパラギン酸(Asp、Dとも称される)又はセリン(Ser、Sとも称される)による置換も含む。その結果として、グリコシルトランスフェラーゼがTnGalNAcT又はTnGalNAcT(33−421)に由来するとき、酵素はE339A、E339G、E339D又はE339Sの突然変異を含むことが好ましい。グリコシルトランスフェラーゼがTnGalNAcT又はTnGalNAcT(33−421)に由来するとき、位置336及び339の両方が上記の通りに突然変異することがより好ましい。その結果として、グリコシルトランスフェラーゼがTnGalNAcT又はTnGalNAcT(33−421)に由来するとき、酵素はW336F、W336H又はW336Vの突然変異及びE339A、E339G、E339D又はE339Sの突然変異を含むことが好ましい。
TnGalNAcT又はTnGalNAcT(33−421)の好ましい突然変異は位置311のイソロイシン(Ile、Iとも称される)のチロシン(Tyr、Yとも称される)による置換も含む。その結果として、グリコシルトランスフェラーゼがTnGalNAcT又はTnGalNAcT(33−421)に由来するとき、酵素はI311Yの突然変異を含むことが好ましい。
グリコシルトランスフェラーゼがTnGalNAcT又はTnGalNAcT(33−421)に由来し、I311Yの突然変異を含むとき、酵素は上に記載したような位置336の突然変異及び/又は上に記載したような位置339の突然変異を更に含み得る。その結果として、グリコシルトランスフェラーゼがTnGalNAcT又はTnGalNAcT(33−421)に由来し、I311Yの突然変異を含むとき、酵素はW336F、W336H又はW336Vの突然変異及び/又はE339A、E339G、E339D又はE339Sの突然変異を更に含み得る。
本発明の方法の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素であるか、又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、TnGalNAcT(33−421;W336F)(配列番号25)、TnGalNAcT(33−421;W336H)(配列番号26)、TnGalNAcT(33−421;W336V)(配列番号27)、TnGalNAcT(33−421;E339A)(配列番号28)、TnGalNAcT(33−421;E339G)(配列番号29);TnGalNAcT(33−421;E339D)(配列番号30)及びTnGalNAcT(33−421;E339S)(配列番号31)からなる群から選択されるイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT酵素である。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素であるか、又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、TnGalNAcT(33−421;W336H、E339A)(配列番号32)、TnGalNAcT(33−421;W336H、E339D)(配列番号33)及びTnGalNAcT(33−421;W336H、E339S)(配列番号34)からなる群から選択されるイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT酵素である。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素であるか、又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、イラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT酵素TnGalNAcT(33−421;I311Y)(配列番号35)である。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素であるか、又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、TnGalNAcT(33−421;I311Y、W336F)(配列番号36);TnGalNAcT(33−421;I311Y、W336H)(配列番号37);TnGalNAcT(33−421;I311Y、W336V)(配列番号38);TnGalNAcT(33−421;I311Y、E339A)(配列番号39);TnGalNAcT(33−421;I311Y、E339G)(配列番号40);TnGalNAcT(33−421;I311Y、E339D)(配列番号41)及びTnGalNAcT(33−421;I311Y、E339S)(配列番号42)からなる群から選択されるイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT酵素である。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素であるか、又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、TnGalNAcT(33−421;I311Y、W336H、E339A)(配列番号43);TnGalNAcT(33−421;I311Y、W336H、E339D)(配列番号44)及びTnGalNAcT(33−421;I311Y、W336H、E339S)(配列番号45)からなる群から選択されるイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT酵素である。
本発明の方法において、グリコシルトランスフェラーゼが豚回虫β−(1,4)−GalNAcT酵素又はトランケート型豚回虫β−(1,4)−GalNAcT酵素に由来するとき、酵素は1又は複数の突然変異を更に含むことが好ましい。好ましい突然変異は、位置282のトリプトファン(Trp、Wとも称される)のヒスチジン(His、Hとも称される)による置換、及び/又は位置285のグルタミン酸(Glu、Eとも称される)のアスパラギン酸(Asp、Dとも称される)による置換、及び/又は位置257のイソロイシン(Ile、Iとも称される)のチロシン(Tyr、Yとも称される)による置換を含む。その結果として、グリコシルトランスフェラーゼがAsGalNAcT又はAsGalNAcT(30−383)に由来するとき、酵素はW282Hの突然変異、E285Dの突然変異及び/又はI257Yの突然変異を含むことが好ましい。
本発明の方法の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、AsGalNAcT(30−383;W282H)(配列番号46)及びAsGalNAcT(30−383;E285D)(配列番号47)からなる群から選択される豚回虫β−(1,4)−GalNAcTである。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、豚回虫β−(1,4)−GalNAcT、AsGalNAcT(30−383;I257Y)(配列番号48)である。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、AsGalNAcT(30−383;I257Y、W282H)及びAsGalNAcT(30−383;I257Y、E285D)からなる群から選択される豚回虫β−(1,4)−GalNAcTである。
本発明の方法の好ましい実施形態において、本明細書に規定されるβ−(1,4)−GalNAcT酵素であるか又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは,精製を容易にするためのタグをコードする配列を含む。上記タグは、限定されることはないが、FLAG−タグ、ポリ(His)−タグ、HA−タグ、Myc−タグ、SUMO−タグ、GST−タグ、MBP−タグ又はCBP−タグからなる群から選択されることが好ましく、より好ましくは上記タグが6xHisタグである。酵素に組み込まれる他の好ましいタグは、AFV−タグ、SlyD−タグ、Tsf−タグ、SUMO−タグ、Bla−タグ、MBP−タグ及びGST−タグのような溶解度タグである。更に好ましい実施形態において、上記タグ(単数)又はタグ(複数)は、β−(1,4)−GalNAcT酵素のC−末端で酵素に共有結合する。別の更に好ましい実施形態において、上記タグはβ−(1,4)−GalNAcT酵素のN−末端で酵素に共有結合する。
β−(1,4)−GalNAcT酵素がC.エレガンスβ−(1,4)−GalNAcTに由来するとき、His−タグ付けしたβ−(1,4)−GalNAcT酵素はCeGalNAcT(30−383)−His(配列番号14)であることが好ましい。
本発明の方法の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素がイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcTであるか、又はそれに由来するとき、His−タグ付けしたβ−(1,4)−GalNAcT酵素はHis−TnGalNAcT(33−421)(配列番号49)であるか、又はそれに由来する。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素がイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcTであるか、又はそれに由来するとき、His−タグ付けしたβ−(1,4)−GalNAcT酵素はHis−TnGalNAcT(33−421;W336F)(配列番号50)、His−TnGalNAcT(33−421;W336H)(配列番号51)、His−TnGalNAcT(33−421;W336V)(配列番号52)、His−TnGalNAcT(33−421;339A)(配列番号53)、His−TnGalNAcT(33−421;E339G)(配列番号54)、His−TnGalNAcT(33−421;E339D)(配列番号55)、His−TnGalNAcT(33−421;E339S)(配列番号56)、His−TnGalNAcT(33−421;W336H、E339A)(配列番号57)、His−TnGalNAcT(33−421;W336H、E339D)(配列番号58)若しくはHis−TnGalNAcT(33−421;W336H、E339S)(配列番号59)であるか、又はそれに由来する。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素がイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcTであるか、又はそれに由来するとき、His−タグ付けしたβ−(1,4)−GalNAcT酵素はHis−TnGalNAcT(33−421;I311Y)配列番号60であるか、又はそれに由来する。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素がイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcTであるか、又はそれに由来するとき、His−タグ付けしたβ−(1,4)−GalNAcT酵素はHis−TnGalNAcT(33−421;I311Y、W336F)(配列番号61)、His−TnGalNAcT(33−421;I311Y、W336H)(配列番号62)、His−TnGalNAcT(33−421;I311Y、W336V)(配列番号63)、His−TnGalNAcT(33−421;I311YE339A)(配列番号64)、His−TnGalNAcT(33−421;I311Y,E339G)(配列番号65)、His−TnGalNAcT(33−421;I311Y、E339D)(配列番号66)、His−TnGalNAcT(33−421;I311Y、E339S)(配列番号67)、His−TnGalNAcT(33−421;I311Y、W336H、E339A)(配列番号68)、His−TnGalNAcT(33−421;I311Y、W336H、E339D)(配列番号69)若しくはHis−TnGalNAcT(33−421;I311Y、W336H、E339S)(配列番号70)であるか、又はそれに由来する。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素が豚回虫β−(1,4)−GalNAcTであるか、又はそれに由来するとき、His−タグ付けしたβ−(1,4)−GalNAcT酵素はHis−AsGalNAcT(30−383)(配列番号71)であるか、又はそれに由来する。
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcT酵素が豚回虫β−(1,4)−GalNAcTであるか、又はそれに由来するとき、His−タグ付けしたβ−(1,4)−GalNAcT酵素はHis−AsGalNAcT(30−383;W282H)(配列番号72)、His−AsGalNAcT(30−383;E285D)(配列番号73)若しくはHis−AsGalNAcT(30−383;I257Y)(配列番号74)であるか、又はそれに由来する。
本発明の方法の好ましい実施形態において、本方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号2〜23及び配列番号25〜74からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。
本発明の方法の好ましい実施形態において、本方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号2〜23からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。言い換えると、好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22及び配列番号23からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。
本明細書中で、用語「由来する」は例えばトランケート型酵素、突然変異体酵素及び精製を容易にするためのタグを含む酵素を含み、これらの改変体は上でより詳細に記載されている。用語「由来する」はまた上でより詳細に記載された修飾の組合せを含む酵素を含む。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号2〜23からなる群から、即ち、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22及び配列番号23からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
本発明の方法の好ましい実施形態において、本方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号2〜9からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。言い換えると、好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号25〜45及び配列番号50〜70からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。言い換えると、好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69及び配列番号70からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号25〜45及び配列番号50〜70からなる群から、即ち、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69及び配列番号70からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号46〜49及び配列番号71〜74からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。言い換えると、好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号71、配列番号72、配列番号73及び配列番号74からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号46〜49及び配列番号71〜74からなる群から、即ち、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号71、配列番号72、配列番号73及び配列番号74からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
本発明の方法において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは式(3)又は上でより詳細に記載されたその好ましい実施形態で表される。R
14は:
(式中:
W、h、a、f、T、A及びU、並びにその好ましい実施形態は上記定義の通りである)
からなる群から選択される。
R 14 が−NHC(O)CH 3 であるときの好ましいグリコシルトランスフェラーゼ
本発明の方法の好ましい実施形態において、R14は−NHC(O)CH3である。この実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは上記定義の式(3a)で表される。
Su(A)−Nucが式(3a)又は上で記載された(3a)の好ましい実施形態で表されるとき、本方法の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcTであるか又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、野生型β−(1,4)−GalNAcT、好ましくは無脊椎動物β−(1,4)−GalNAcTであるか又はそれに由来する。本方法の別の好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、無脊椎動物β−(1,4)−GalNAcTであるか又はそれに由来する。更に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、カエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT(CeGalNAcT)、豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(AsGalNAcT)若しくはイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(TnGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。(CeGalNAcT)、(AsGalNAcT)若しくは(TnGalNAcT)であるか、又はそれに由来するβ−(1,4)−GalNAcTは、上でより詳細に記載されている。
糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc中のR14が−NHC(O)CH3であるとき、本方法で使用されるβ−(1,4)−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2〜9からなる群から、即ち、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来することが特に好ましい。R14が−NHC(O)CH3であるとき、本方法で使用されるβ−(1,4)−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、より好ましくは配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、尚より好ましくは配列番号7及び配列番号8からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来することがより好ましい。本方法で使用されるβ−(1,4)−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは配列番号8であるか又はそれに由来することが最も好ましい。
別の特に好ましい実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc中のR14が−NHC(O)CH3であるとき、本方法で使用されるβ−(1,4)−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2〜9からなる群から、即ち、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。R14が−NHC(O)CH3であるとき、本方法で使用されるβ−(1,4)−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、より好ましくは配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、尚より好ましくは配列番号7及び配列番号8からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することがより好ましい。本方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号8に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが最も好ましい。
R14が−NHC(O)CH3である、本発明の方法の別の特に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、カエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT(CeGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法の別の特に好ましい実施形態において、CeGalNAcTは、配列番号2若しくは配列番号6であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法の別の特に好ましい実施形態において、本方法で使用されるCeGalNAcTは、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13若しくは配列番号14であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法の別の特に好ましい実施形態において、本方法で使用されるCeGalNAcTは、配列番号2又は配列番号6に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法の別の特に好ましい実施形態において、本方法で使用されるCeGalNAcTは、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−NHC(O)CH3である、本発明の方法の別の特に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、イラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(TnGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法の更に好ましい実施形態において、TnGalNAcTは、配列番号4若しくは配列番号8であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号4又は配列番号8に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法の別の好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58及び配列番号59からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法の別の好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58及び配列番号59からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−NHC(O)CH3である、本発明の方法の別の特に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(AsGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法のこの実施形態において、AsGalNAcTは、配列番号3若しくは配列番号7であるか、又はそれに由来することが更に好ましい。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるAsGalNAcTは、配列番号3又は配列番号7に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるAsGalNAcTは、配列番号46、配列番号47、配列番号71、配列番号72及び配列番号73であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)CH3である、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるAsGalNAcTは、配列番号46、配列番号47、配列番号71、配列番号72及び配列番号73からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
本明細書に記載された、R14が−NHC(O)CH3である、本発明の方法及び上で記載されたグリコシルトランスフェラーゼの好ましい実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、R14が−NHC(O)CH3である、上記定義の式(15)、(16)、(17)又は(18)で表されるか;又はR14が−NHC(O)CH3である、上記定義の式(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、(65)、(66)、(67)、(68)若しくは(69)で表されるか;又は上記定義の式(27)で表されることが更に好ましい。これらの特に好ましい実施形態において、NucはUDPであることが更に好ましい。
R 14 が−NHC(O)−(W) h −(U) f −(T) a −Aであるときの好ましいグリコシルトランスフェラーゼ
本発明の方法の別の好ましい実施形態において、R14−はNHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである。この実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは上記定義の式(3b)で表される。
Su(A)−Nucが式(3b)又は上で記載された(3b)の好ましい実施形態で表されるとき、本方法の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcTであるか又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、野生型β−(1,4)−GalNAcT、好ましくは無脊椎動物β−(1,4)−GalNAcTであるか又はそれに由来する。本方法の別の好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、無脊椎動物β−(1,4)−GalNAcTであるか又はそれに由来する。更に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、カエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT(CeGalNAcT)、豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(AsGalNAcT)若しくはイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(TnGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。(CeGalNAcT)、(AsGalNAcT)若しくは(TnGalNAcT)であるか、又はそれに由来するβ−(1,4)−GalNAcTは、上でより詳細に記載されている。
糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc中のR14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aであるとき、本方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2〜9からなる群から、即ち、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来することが特に好ましい。R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aであるとき、本方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、より好ましくは配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、尚より好ましくは配列番号7及び配列番号8からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来することがより好ましい。本方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号8であるか、又はそれに由来することが最も好ましい。
別の特に好ましい実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc中のR14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aであるとき、本方法で使用されるβ−(1,4)−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2〜9からなる群から、即ち、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aであるとき、本方法で使用されるβ−(1,4)−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、より好ましくは配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、尚より好ましくは配列番号7及び配列番号8からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することがより好ましい。本方法で使用されるβ−(1,4)−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号8に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが最も好ましい。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本発明の方法の別の特に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、カエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT(CeGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本方法の別の特に好ましい実施形態において、CeGalNAcTは、配列番号2若しくは配列番号6であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本方法の別の特に好ましい実施形態において、本方法で使用されるCeGalNAcTは、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13若しくは配列番号14であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本方法の別の特に好ましい実施形態において、本方法で使用されるCeGalNAcTは、配列番号2又は配列番号6に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、方法の別の特に好ましい実施形態において、本方法で使用されるCeGalNAcTは、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本発明の方法の別の特に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、イラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(TnGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本方法の更に好ましい実施形態において、TnGalNAcTは、配列番号4若しくは配列番号8であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号4又は配列番号8に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本方法の別の好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58及び配列番号59からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本方法の別の好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58及び配列番号59からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本発明の方法の別の特に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(AsGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、方法のこの実施形態において、AsGalNAcTは、配列番号3若しくは配列番号7であるか、又はそれに由来することが更に好ましい。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるAsGalNAcTは、配列番号3又は配列番号7に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるAsGalNAcTは、配列番号46、配列番号47、配列番号71、配列番号72及び配列番号73からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるAsGalNAcTは、配列番号46、配列番号47、配列番号71、配列番号72及び配列番号73からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、本明細書に記載された本発明の方法及び上で記載されたグリコシルトランスフェラーゼの好ましい実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、R14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、上記定義の式(15)、(16)、(17)若しくは(18)で表されるか;又はR14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、上記定義の式(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、(65)、(66)、(67)、(68)若しくは(69)で表されるか;又は上記定義の式(28)、(29)、(30)若しくは(31)で表されることが更に好ましい。これらの特に好ましい実施形態において、NucはUDPであることが更に好ましい。
R 14 が−OHであるときの好ましいグリコシルトランスフェラーゼ
本発明の方法の好ましい実施形態において、R14−は−OHである。この実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは上記定義の式(3c)で表される。
Su(A)−Nucが式(3c)又は上で記載された(3c)の好ましい実施形態で表されるとき、本方法の好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、野生型β−(1,4)−GalNAcT、好ましくは無脊椎動物β−(1,4)−GalNAcTに由来する。本方法の別の好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、無脊椎動物β−(1,4)−GalNAcTに由来する。更に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、カエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT(CeGalNAcT)、豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(AsGalNAcT)又はイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(TnGalNAcT)に由来する。(CeGalNAcT)、(AsGalNAcT)又は(TnGalNAcT)に由来するβ−(1,4)−GalNAcTは、上でより詳細に記載されている。
本発明の方法の別の特に好ましい実施形態、ここでR14は−OHである、において、グリコシルトランスフェラーゼは、カエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT(CeGalNAcT)に由来する。
R14が−OHである、本発明の方法の別の特に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、イラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(TnGalNAcT)に由来する。
R14が−OHである、本方法の更に好ましい実施形態において、TnGalNAcTは、配列番号35若しくは配列番号60であるか、又はそれに由来する。
R14が−OHである、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号35又は配列番号60に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−OHである、本方法の別の好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69及び配列番号70からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。
R14が−OHである、本方法の別の好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69及び配列番号70からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−OHである、本発明の方法の別の特に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(AsGalNAcT)に由来する。
R14が−OHである、本方法のこの実施形態において、AsGalNAcTは、配列番号48若しくは配列番号74であるか、又はそれに由来することが更に好ましい。
R14が−OHである、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるAsGalNAcTは、配列番号48又は配列番号74に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−OHである、本明細書に記載された本発明の方法及び上で記載されたグリコシルトランスフェラーゼの好ましい実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、R14は−OHである、上記定義の式(15)、(16)、(17)若しくは(18)で表されるか;又はR14は−OHである、上記定義の式(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、(65)、(66)、(67)、(68)若しくは(69)で表されるか;又は上記定義の式(35)で表されることが更に好ましい。これらの特に好ましい実施形態において、NucはUDPであることが更に好ましい。
R 14 が−N 3 であるときの好ましいグリコシルトランスフェラーゼ
本発明の方法の好ましい実施形態において、R14は−N3である。この実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは上記定義の式(3d)で表される。
Su(A)−Nucが式(3d)又は上で記載された(3d)の好ましい実施形態で表されるとき、本方法の好ましい実施形態において、β−(1,4)−GalNAcTであるか、又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼは、野生型β−(1,4)−GalNAcT、好ましくは無脊椎動物β−(1,4)−GalNAcTであるか又はそれに由来する。本方法の別の好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、無脊椎動物β−(1,4)−GalNAcTであるか、又はそれに由来する。更に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、カエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT(CeGalNAcT)、豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(AsGalNAcT)若しくはイラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(TnGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。(CeGalNAcT)、(AsGalNAcT)若しくは(TnGalNAcT)であるか、又はそれに由来するβ−(1,4)−GalNAcTは、上でより詳細に記載されている。
糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc中のR14が−N3であるとき、本方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2〜9からなる群から、即ち、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来することが特に好ましい。R14が−N3であるとき、本方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、より好ましくは配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、尚より好ましくは配列番号7及び配列番号8からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来することがより好ましい。本方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号8であるか、又はそれに由来することが最も好ましい。
別の特に好ましい実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nuc中のR14が−N3である場合、本方法で使用されるβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2〜9からなる群から、即ち、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。R14が−N3であるとき、本方法で使用されるβ−(1,4)−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、より好ましくは配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から、尚より好ましくは配列番号7及び配列番号8からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することがより好ましい。本方法で使用されるβ−(1,4)−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、配列番号8に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有することが最も好ましい。
R14が−N3である、本発明の方法の別の特に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼはカエノラブディティス・エレガンスβ−(1,4)−GalNAcT(CeGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。
R14が−N3である、本方法の別の特に好ましい実施形態において、CeGalNAcTは、配列番号2若しくは配列番号6であるか、又はそれに由来する。
R14が−N3である、本方法の別の特に好ましい実施形態において、本方法で使用されるCeGalNAcTは、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13若しくは配列番号14であるか、又はそれに由来する。
R14が−N3である、本方法の別の特に好ましい実施形態において、本方法で使用されるCeGalNAcTは、配列番号2又は配列番号6に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−N3である、本方法の別の特に好ましい実施形態において、本方法で使用されるCeGalNAcTは、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14の配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−N3である、本発明の方法の別の特に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、イラクサギンウワバβ−(1,4)−GalNAcT(TnGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。
R14が−N3である、本方法の更に好ましい実施形態において、TnGalNAcTは、配列番号4若しくは配列番号8であるか、又はそれに由来する。
R14が−N3である、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号4又は配列番号8に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−N3である、本方法の別の好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58及び配列番号59からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。
R14が−N3である、別の好ましい実施形態において、本方法で使用されるTnGalNAcTは、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58及び配列番号59からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−N3である、本発明の方法の別の特に好ましい実施形態において、グリコシルトランスフェラーゼは、豚回虫β−(1,4)−GalNAcT(AsGalNAcT)であるか、又はそれに由来する。
R14が−N3である、本方法のこの実施形態において、AsGalNAcTは、配列番号3若しくは配列番号7であるか、又はそれに由来することが更に好ましい。
R14が−N3である、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるAsGalNAcTは、配列番号3又は配列番号7に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−N3である、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるAsGalNAcTは、配列番号46、配列番号47、配列番号71、配列番号72及び配列番号73からなる群から選択される配列であるか、又はそれに由来する。
R14が−N3である、本方法の別の更に好ましい実施形態において、本方法で使用されるAsGalNAcTは、配列番号46、配列番号47、配列番号71、配列番号72及び配列番号73からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有する。
R14が−N3である、本明細書に記載された本発明の方法及び上で記載されたグリコシルトランスフェラーゼの好ましい実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucは、R14が−N3である、上記定義の式(15)、(16)、(17)若しくは(18)で表されるか;又はR14が−N3である、上記定義の式(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、(65)、(66)、(67)、(68)若しくは(69)で表されるか;又は上記定義の式(36)で表されることが更に好ましい。これらの特に好ましい実施形態において、NucはUDPであることが更に好ましい。
酵素
一態様において、本発明は、本明細書中で規定された酵素、即ち、β−(1,4)−GalNAcTであるか、又はそれに由来するグリコシルトランスフェラーゼ、特に、β−(1,4)−GalNAcTに由来するグリコシルトランスフェラーゼ、即ち、誘導されたβ−(1,4)−GalNAcT酵素に関する。一実施形態において、酵素は、無脊椎動物種に由来する。一実施形態において、この態様の酵素は、単離された形態である。酵素及びその好ましい実施形態は、本発明の方法の関係において上で更に規定され、これは本態様の酵素自体に等しくあてはまる。
一実施形態において、本発明のこの態様の酵素は、β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼに由来し、好ましくは配列番号2〜23及び配列番号25〜74からなる群から、より好ましくは配列番号10〜14及び配列番号25〜74からなる群から、最も好ましくは配列番号10〜13、配列番号25〜48、配列番号50〜70及び配列番号72〜74からなる群から選択される配列を有するβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼに由来する。この実施形態の酵素は、典型的には単離された形態である。
一実施形態において、本発明のこの態様の酵素は、配列番号2〜23及び配列番号25〜74からなる群から選択される配列に対して少なくとも40%の配列同一性、好ましくは少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有するβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼに関する。この実施形態の酵素は、典型的には単離された形態である。本発明は、配列番号10〜14及び配列番号25〜74からなる群から、最も好ましくは配列番号10〜13、配列番号25〜48、配列番号50〜70及び配列番号72〜74からなる群から選択される配列に対して少なくとも40%の配列同一性、好ましくは少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有するβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼに関することが好ましい。
好ましい実施形態において、本発明のこの態様の酵素は、配列番号6〜14からなる群から、即ち、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群から、好ましくは、配列番号10〜13からなる群から、即ち、配列番号10、配列番号11、配列番号12及び配列番号13からなる群から選択される配列に対して少なくとも40%の配列同一性、好ましくは少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有するβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼに関する。
別の好ましい実施形態において、本発明のこの態様の酵素は、配列番号25〜45及び配列番号50〜70からなる群から選択される配列、即ち、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69及び配列番号70からなる群から選択される配列に対して少なくとも40%の配列同一性、好ましくは少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有するβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼに関する。
別の好ましい実施形態において、本発明のこの態様の酵素は、配列番号46〜48及び配列番号72〜74からなる群から、即ち、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号72、配列番号73及び配列番号74からなる群から選択される配列に対して少なくとも40%の配列同一性、好ましくは少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は好ましくは100%の配列同一性を有するβ−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼに関する。
本発明は、本明細書中、上で規定された糖タンパク質の改変方法における、好ましくは本発明の方法における本発明の酵素の使用にも関する。本方法は、末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質を、酵素の存在下で、糖誘導体ヌクレオチドと接触させるステップを含む。好ましい実施形態において、糖タンパク質は本明細書中で規定された通りであり、最も好ましくは本明細書中で更に規定された式(1)又は(2)で表されるグリカンを含む糖タンパク質である。好ましい実施形態において、糖誘導体ヌクレオチドは、本明細書中で更に規定された式(3)で表される糖誘導体ヌクレオチドSu(A)−Nucである。
改変された糖タンパク質
更に本発明は、糖タンパク質の改変のための本発明の方法により得ることのできる改変された糖タンパク質に関する。より詳細には、本発明は、式(4)又は(5):
(式中:
bは0又は1であり;
dは0又は1であり;
eは0又は1であり;
Gは単糖又は2〜20の糖部分を含む直鎖若しくは分岐オリゴ糖であり;
Su(A)は式(6):
(式中:
R
14、Z、Y、U、T、A、g、f及びaは(3)についての上記定義の通りである)
で表される)
で表されるグリカンを含む糖タンパク質に関する。
(6)中のR14、Z、Y、U、T、A、g、f及びaの好ましい実施形態は、(3)並びに例えば、(3a)、(3b)、(3c)及び(3d)のような(3)の好ましい実施形態について上でより詳細に記載された通りである。
本発明の改変された糖タンパク質において、Su(A)部分のC1は、β−1,4−O−グリコシド結合を介してGlcNAc部分のC4に結合されている。
本発明の改変された糖タンパク質は、1より多い式(4)又は(5)で表されるグリカンを含み得る。この場合、2以上のグリカンは互いに異なっていてもよい。糖タンパク質は、追加の1又は複数の、Su(A)部分を含まないグリカンも含み得る。
好ましい実施形態において、改変された糖タンパク質は、式(4)で表されるグリカンを含み、ここで、bは0である。別の好ましい実施形態において、改変された糖タンパク質は式(4)で表されるグリカンを含み、ここで、bは1である。
別の好ましい実施形態において、改変された糖タンパク質は、式(5)で表されるグリカンを含み、ここで、bは0である。別の好ましい実施形態において、改変された糖タンパク質は、式(5)で表されるグリカンを含み、ここで、bは1である。式(5)で表されるグリカンにおいて、Gは単糖又は1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、尚より好ましくは1、2、3、4、5、6、7又は8、最も好ましくは1、2、3、4、5又は6の糖部分を含む直鎖又は分岐オリゴ糖である。グリカン(5)において、dが0であるとき、eは1であり、eが0であるとき、dは1であることが好ましい。グリカン(5)において、dは1であり、尚より好ましくはdは1であり、eは1であることがより好ましい。グリカン中に存在し得る糖部分は、当業者に公知であり、例えば、グルコース(Glc)、ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)、フコース(Fuc)、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、N−アセチルガラクトサミン、(GalNAc)、N−アセチルノイラミン酸(NeuNAc)又はシアル酸及びキシロース(Xyl)を含む。グリカンが式(5)で表されるとき、グリカンは式(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42):
(式中:
bは0又は1であり;
Su(A)は上記定義の式(6)で表される)
で表されることが更に好ましい。
好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質は式(4)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるグリカン、より好ましくは式(4)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるN−結合したグリカンを含む。更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質は、式(4)、(37)、(38)又は(39)で表されるグリカン、より好ましくは式(4)、(37)、(38)又は(39)で表されるN−結合したグリカンを含む。本発明の改変された糖タンパク質は、式(4)又は(38)で表されるグリカン、より好ましくは式(4)又は(38)で表されるN−結合したグリカンを含むことが最も好ましい。
本発明の改変された糖タンパク質は、式(43)、(44)又は(45):
(式中:
b、d、e及びG、並びにその好ましい実施形態は上記定義の通りであり;
Su(A)は上記定義の式(6)で表され;
yは独立して1〜24の範囲の整数であり;
Prはタンパク質である)
で表されることが好ましい。
改変された糖タンパク質は、1又は複数のグリカン(4)又は(5)を含んでもよい(yは1〜24である)。yは、1〜12の範囲の整数、より好ましくは1〜10の範囲の整数であることが好ましい。yは1、2、3、4、5、6、7又は8であり、更により好ましくはyは1、2、3、4、5又は6であることがより好ましい。yは1、2、3又は4であることが尚より好ましい。yが2以上であるとき、グリカンは互いに異なっていてもよい。改変された糖タンパク質は、また1又は複数のグリカン(4)及び1又は複数のグリカン(5)の組合せを含んでもよい。上で記載された通り、糖タンパク質はSu(A)部分を有さない1又は複数のグリカンを更に含んでもよい。
本発明の改変された糖タンパク質が式(43)、(44)又は(45)で表されるとき、糖タンパク質は、上記の式(4)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるグリカン、より好ましくはグリカン、好ましくは式(4)、(37)、(38)又は(39)、尚より好ましくは式(4)又は(38)で表されるN−結合したグリカンを含むことも好ましい。末端GlcNAc部分を含むグリカンは、式(4)又は(38)で表されるN−結合したグリカンであることが最も好ましい。
本発明の方法の好ましい実施形態において、末端GlcNAc部分を含むグリカンを含む糖タンパク質は抗体、より好ましくは式(43)、(44)又は(45)で表される抗体であり、ここで、タンパク質(Pr)は抗体(Ab)、又はより具体的にはPrは抗体のポリペプチド部分である。改変される糖タンパク質が抗体であり、抗体が1より多いグリカン(yは2以上である)を含むときも、グリカンは互いに異なっていてもよい。抗体は、Su(A)部分を有さない1又は複数のグリカンを更に含んでもよい。改変された糖タンパク質が抗体であるときも、改変された抗体が、上記定義の式(4)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表される、より好ましくは式(4)、(37)、(38)又は(39)で表される、尚より好ましくは式(4)又は(38)で表されるグリカンを含むことが好ましい。この実施形態において、抗体は、式(4)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるN−結合したグリカン、より好ましくは式(4)、(37)、(38)又は(39)で表されるN−結合したグリカン、最も好ましくは式(4)又は(38)で表されるN−結合したグリカンを含むことが更に好ましい。
改変された糖タンパク質が抗体であるとき、yは1、2、3、4、5、6、7又は8であり、より好ましくはyは1、2、4、6又は8であり、尚より好ましくはyは1、2又は4であり、最も好ましくはyは1又は2であることが好ましい。
上記定義の通り、上記抗体は全抗体であってもよいが、抗体断片であってもよい。抗体が全抗体であるとき、上記抗体は、好ましくは1又は複数、より好ましくは1のグリカンを各重鎖に有する。よって、上記全抗体は、好ましくは2以上、好ましくは2、4、6又は8の上記グリカン、より好ましくは2又は4、最も好ましくは2のグリカンを含む。言い換えると、上記抗体が全抗体であるとき、yは2、4、6又は8であることが好ましく、yは2又は4であることがより好ましく、yは2であることが最も好ましい。抗体が抗体断片であるとき、yは1、2、3又は4であることが好ましく、yは1又は2であることがより好ましい。
好ましい実施形態において、上記抗体はモノクローナル抗体(mAb)である。好ましくは、上記抗体は、IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM抗体からなる群から選択される。上記抗体はIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4抗体であることがより好ましく、上記抗体はIgG1抗体であることが最も好ましい。
本発明の改変された糖タンパク質において、式(6)で表されるSu(A)中のR
14は:
(式中:
W、h、a、f、T、A及びUは上記定義の通りである)
からなる群から選択される。
本発明の改変された糖タンパク質の好ましい実施形態において、式(6)で表されるSu(A)中のR
14は:
(式中:
W、h、a、f、T、A及びUは上記定義の通りである)
からなる群から選択される。
式(6)で表されるSu(A)中のR14は−NHAcであることが最も好ましい。
更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、より好ましくはSu(A)(6)中のR14が−OHである、式(4)又は(5)で表されるN−結合したグリカンを含む。この実施形態において、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、より好ましくはSu(A)(6)中のR14が−N3である、式(4)又は(5)で表されるN−結合したグリカンを含む。この実施形態において、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、より好ましくはSu(A)(6)中のR14が−NHC(O)CH3である、式(4)又は(5)で表されるN−結合したグリカンを含む。この実施形態において、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、より好ましくは式(4)又は(5)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)中のR14は−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aであり、ここで、W、h、U、f、T、a及びA、並びにその好ましい実施形態は上でより詳細に記載された通りである。この実施形態において、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、より好ましくはSu(A)(6)中のR14が−OHである、式(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるN−結合したグリカンを含む。この実施形態において、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、より好ましくはSu(A)(6)中のR14が−N3である、式(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるN−結合したグリカンを含む。この実施形態において、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、より好ましくはSu(A)(6)中のR14が−NHC(O)CH3である、式(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるN−結合したグリカンを含む。この実施形態において、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、より好ましくはSu(A)(6)中のR14が−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aである、式(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるN−結合したグリカンを含む。この実施形態において、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(4)又は(5)で表されるN−結合したグリカン、より好ましくはグリカン、尚より好ましくは式(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(46)、(47)、(48)又は(49):
(式中:
a、f、R
14、R
15、A、U及びT、並びにその好ましい実施形態は、(15)、(16)、(17)及び(18)についての上記定義の通りである)
で表される。
Su(A)(6)が式(46)、(47)、(48)又は(49)で表される、これらの実施形態において、更に好ましい実施形態において、R14は−OHである。別の更に好ましい実施形態において、R14は−N3である。別の更に好ましい実施形態において、R14は−NHC(O)CH3である。別の更に好ましい実施形態において、R14は−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aであり、ここで、W、h、U、f、T、a及びA、並びにその好ましい実施形態は上でより詳細に記載された通りである。これらの実施形態においても、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(4)又は(5)で表されるN−結合したグリカン、より好ましくはグリカン、尚より好ましくは式(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)、(70)又は(71)、好ましくは式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)又は(57):
(式中:
R
14、R
15及びR
16、並びにその好ましい実施形態は、(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、(65)、(66)、(67)、(68)及び(69)についての上記定義の通りである)
で表される。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(4)又は(5)で表されるN−結合したグリカン、より好ましくはグリカン、尚より好ましくは式(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるN−結合したグリカン、ここで、Su(A)(6)は式(72)、(73)又は(74):
(式中:
R
14及びその好ましい実施形態は、(72)、(73)及び(74)についての上記定義の通りである)
で表される。
更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(37)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)、(70)、(71)、(72)、(73)又は(74)で表され、好ましくは式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)又は(57)で表される。別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカンを含み、好ましくは式(38)で表されるN−結合したグリカン、ここで、Su(A)(6)は式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)、(70)、(71)、(72)、(73)又は(74)で表され、好ましくは式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)又は(57)で表される。別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(39)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)、(70)、(71)、(72)、(73)又は(74)で表され、好ましくは式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)又は(57)で表される。別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(40)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)、(70)、(71)、(72)、(73)又は(74)で表され、好ましくは式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)又は(57)で表される。別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(41)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)、(70)、(71)、(72)、(73)又は(74)で表され、好ましくは式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)又は(57)で表される。別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(42)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)、(70)、(71)、(72)、(73)又は(74)で表され、好ましくは式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)又は(57)で表される。
Su(A)(6)が式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)、(70)、(71)、(72)、(73)又は(74)で表される、好ましくは式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)又は(57)で表される、これらの実施形態において、更に好ましい実施形態において、R14は−OHである。別の更に好ましい実施形態において、R14は−N3である。別の更に好ましい実施形態において、R14は−NHC(O)CH3である。別の更に好ましい実施形態において、R14は−NHC(O)−(W)h−(U)f−(T)a−Aであり、ここで、W、h、U、f、T、a及びA、並びにその好ましい実施形態は上でより詳細に記載された通りである。これらの実施形態においても、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(4)又は(5)で表されるN−結合したグリカン、より好ましくはグリカン、尚より好ましくは式(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(58)、(59)、(60)、(61)又は(62):
で表される。
更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(38)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(58)、(59)、(60)、(61)又は(62)で表される。別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(39)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(58)、(59)、(60)、(61)又は(62)で表される。別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(40)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(58)、(59)、(60)、(61)又は(62)で表される。別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(41)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(58)、(59)、(60)、(61)又は(62)で表される。別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(42)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(58)、(59)、(60)、(61)又は(62)で表される。
Su(A)(6)が式(58)、(59)、(60)、(61)又は(62)で表されるこれらの実施形態において、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、より好ましくは式(4)又は(5)で表されるN−結合したグリカン、より好ましくはグリカン、尚より好ましくは式(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(63)又は(64):
で表される。
更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(38)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(63)又は(64)で表される。別の更に好ましい実施形態において、本発明の改変された糖タンパク質はグリカン、好ましくは式(39)で表されるN−結合したグリカンを含み、ここで、Su(A)(6)は式(63)又は(64)で表される。
Su(A)(6)が式(63)又は(64)で表されるこれらの実施形態において、改変された糖タンパク質は式(43)、(44)又は(45)で表されることが好ましい。
本発明は、バイオコンジュゲート、好ましくは本発明のバイオコンジュゲートを調製する方法における、本明細書中の上記定義の本発明の改変された糖タンパク質の使用にも関する。本方法は、抗体−薬物−コンジュゲート(ADC)を調製するためであることが好ましい。本方法は、改変された糖タンパク質をリンカー−コンジュゲートと接触させるステップを含む。好ましい実施形態において、リンカー−コンジュゲートは、本明細書中で定義された通りである。好ましい実施形態において、バイオコンジュゲートは、本明細書中、以下に更に定義される式(75)、(76)又は(77)で表されるバイオコンジュゲートである。
バイオコンジュゲート
更に本発明は、リンカー−コンジュゲートを本発明の改変された糖タンパク質にコンジュゲートすることによって得られるバイオコンジュゲートに関する。リンカー−コンジュゲートは、本分野においてバイオコンジュゲーション反応における反応物の1つとして知られ、ここで、本発明の改変された糖タンパク質のような糖タンパク質は他の反応物である。本明細書中でリンカー−コンジュゲートは、標的分子がリンカーを介して反応性基Q1に共有結合される化合物として定義される。反応性基Q1は、本発明の改変された糖タンパク質上に存在する官能基Aと反応することができる。リンカー−コンジュゲートは、1より多い反応性基Q1及び/又は1より多い標的分子を含み得る。適切なリンカー−コンジュゲートは、どちらも参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第WO2014/065661号及び国際公開第WO2016/053107号に開示されたものを含む。
バイオコンジュゲーション反応は、抗体−薬物−コンジュゲート(ADC)のような抗体−コンジュゲートの分野で公知であり、ここで、それらは抗体と標的分子、典型的には細胞毒素のコンジュゲートを調製するために使用される。そのようなバイオコンジュゲーション反応において、本発明の改変された糖タンパク質は、改変された糖タンパク質上に存在する官能基Aとリンカー−コンジュゲート上に存在する反応性基Q1の間の反応のおかげでリンカー−コンジュゲートにカップリング又はコンジュゲートされる。本発明のバイオコンジュゲートは、抗体が標的分子にコンジュゲートされる抗体−コンジュゲートであることが好ましく、抗体が薬物、典型的には細胞毒素にコンジュゲートされる抗体−薬物−コンジュゲートであることが最も好ましい。
より詳細には、本発明は、式(75)、(76)又は(77):
(式中:
Prはタンパク質であり;
yは独立して(43)についての上記定義の通りであり;
b、d、e及びGは独立して(5)についての上記定義の通りであり;
CGはSuをSp又はDに連結する連結基であり;
Spはスペーサーであり;
Dは標的分子であり;
jは独立して1、2、3、4又は5であり、好ましくはjは1であり;
kは独立して1〜10の範囲の整数であり、好ましくはkは1、2、3又は4であり、最も好ましくはkは1であり;
mは0又は1であり、好ましくはmは1である)
で表されるバイオコンジュゲートに関する。
Suは式(78):
(式中:
R
14、Z、Y、U、T、g、f及びaは(3)についての上記定義の通りである)
で表され、SuはC1を介してβ−1,4−O−グリコシド結合によりGlcNAc部分のC4に、Z、Y、U又はTを介してCGに連結される。
(75)、(76)又は(77)中のPr及びyの好ましい実施形態は、(43)、(44)及び(45)についてより詳細に上で記載された通りである。好ましい実施形態において、糖タンパク質は抗体である。バイオコンジュゲート、特に抗体は、1より多い官能化されたグリカン(yは2以上である)を含んでもよく、グリカンは互いに異なっていてもよい。抗体はSu−(CG−(Sp)i−(D)k)j部分を有さない1より多いグリカンを更に含んでもよい。官能化されたグリカンがN−結合したグリカンであることが更に好ましい。本発明のバイオコンジュゲートが抗体−コンジュゲートであるとき、yは1、2、3、4、5、6、7又は8であることが好ましく、yは1、2、4、6又は8であることがより好ましく、yは1、2又は4であることがより好ましく、yは1又は2あることが最も好ましい。
上記定義の通り、上記抗体は全抗体であってもよいが、抗体断片であってもよい。抗体が全抗体であるとき、上記抗体は好ましくは1又は複数、より好ましくは1のグリカンを各重鎖上に含む。よって、上記全抗体は好ましくは2以上、好ましくは2、4、6又は8の上記官能化されたグリカン、より好ましくは2又は4、最も好ましくは2の官能化されたグリカンを含む。言い換えると、上記抗体が全抗体であるとき、yは好ましくは2、4、6又は8であり、より好ましくはyは2又は4であり、最も好ましくはyは2である。抗体が抗体断片であるとき、yは好ましくは1、2、3又は4であり、より好ましくはyは1又は2である。
好ましい実施形態において、上記抗体はモノクローナル抗体(mAb)である。上記抗体はIgA、IgD、IgE、IgG及びIgM抗体からなる群から選択されることが好ましい。上記抗体はIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4抗体であることがより好ましく、上記抗体はIgG1抗体であることが最も好ましい。
(75)、(76)又は(77)中のグリカン鎖、特にb、d、e及びGの好ましい実施形態は、(4)及び(5)並びに例えば、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)又は(42)のようなその好ましい実施形態についてより詳細に上で記載された通りである。
(78)中のR14、Z、Y、U、T、g、f及びaの好ましい実施形態は、(3)並びに例えば、(3a)、(3b)、(3c)及び(3d)のようなその好ましい実施形態についてより詳細に上で記載された通りである。AはQ1と反応してCGを生成するが、式(78)で表されるSuについての好ましい実施形態は、(6)についてより詳細に上で記載された(46)〜(64)及び(70)〜(74)のいずれか1つで表されるSu(A)及びその好ましい実施形態に相当する。
本発明のバイオコンジュゲートにおいて、式(78)で表されるSu中のR
14は:
(式中:
W、h、a、f、T、A及びUは上記定義の通りである)
からなる群から選択される。
本発明の改変された糖タンパク質の好ましい実施形態において、式(78)で表されるSu中のR
14は;
(式中:
W、h、a、f、T、A及びUは上記定義の通りである)
からなる群から選択される。
式(78)で表されるSu中のR14は、−NHAcであることが最も好ましい。
Dは標的分子である。本明細書中で標的分子は、コンジュゲーションの際に生体分子に与えられる所望の特性を有する分子構造体と定義される。標的分子Dは、活性物質、レポーター分子、ポリマー、固相表面、ヒドロゲル、ナノ粒子、マイクロ粒子及び生体分子からなる群から選択されることが好ましい。標的分子Dは活性物質であることが最も好ましい。
本明細書中で、用語「活性物質」は、薬理学的及び/又は生物学的物質、即ち、生物学的及び/又は薬学的に活性である物質、例えば、薬物、プロドラッグ、診断薬、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ペプチドタグ、アミノ酸、グリカン、脂質、ビタミン、ステロイド、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ポリヌクレオチド、RNA又はDNAに関する。ペプチドタグとしては、ヒトラクトフェリン又はポリアルギニンのような細胞透過性ペプチドが挙げられる。グリカンとしてはオリゴマンノースが挙げられる。アミノ酸としてはリジンが挙げられる。標的分子が活性物質であるとき、活性物質は、薬物及びプロドラッグからなる群から選択されることが好ましい。活性物質は薬学的に活性な化合物、特に、低分子量〜中分子量化合物(例えば、約200〜約2500Da、好ましくは約300〜約1750Da)からなる群から選択されることがより好ましい。更に好ましい実施形態において、活性物質は細胞毒素、抗ウイルス薬、抗細菌薬、ペプチド及びオリゴヌクレオチドからなる群から選択される。細胞毒素としては、コルヒチン、ビンカアルカロイド、アントラサイクリン、カンプトテシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、タキサン、カリケアミシン、チューブリシン(tubulysin)、イリノテカン、阻害ペプチド、アマニチン、デボウガニン(deBouganin)、デュオカルミシン、メイタンシン、アウリスタチン(auristatin)又はピロロベンゾジアゼピン(pyrrolobenzodiazepine)(PBD)が挙げられる。
本明細書中で、用語「レポーター分子」は、その存在が容易に検出される分子、例えば、診断薬、染料、フルオロフォア、放射活性同位体標識、造影剤、磁気共鳴造影剤又は質量ラベル(mass label)を指す。蛍光プローブとも称される多種多様なフルオロフォアは、当業者に公知である。数種のフルオロフォアが、例えば、参照により組み込まれるG.T.Hermanson、「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013、10章:「Fluorescent probes」、395〜463ページにより詳細に記載されている。フルオロフォアとしては、全ての種類のAlexa Fluor(例えば、Alexa Fluor 555)、シアニン染料(例えば、Cy3又はCy5)及びシアニン染料誘導体、クマリン誘導体、フルオレセイン及びフルオレセイン誘導体、ローダミン及びローダミン誘導体、ボロンジピロメテン誘導体、ピレン誘導体、ナフタルイミド誘導体、フィコビリタンパク質誘導体(例えば、アロフィコシアニン)、クロモマイシン、ランタニドキレート及び量子ドットナノ結晶が挙げられる。放射活性同位体標識としては、99mTc、111In、114mIn、115In、18F、14C、64Cu、131I、125I、123I、212Bi、88Y、90Y、67Cu、186Rh、188Rh、66Ga、67Ga及び10Bが挙げられ、これは、例えば、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸無水物)、DOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N’’’−四酢酸)、NOTA(1,4,7−トリアザシクロノナンN,N’,N”−三酢酸)、TETA(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−N,N’,N”,N’’’−四酢酸)、DTTA(N1−(p−イソチオシアナトベンジル)−ジエチレントリアミン−N1,N2,N3,N3−四酢酸)、デフェロキサミン又はDFA(N’−[5−[[4−[[5−(アセチルヒドロキシ−アミノ)ペンチル]アミノ]−1,4−ジオキソブチル]ヒドロキシアミノ]ペンチル]−N−(5−アミノペンチル)−N−ヒドロキシブタンジアミド)又はHYNIC(ヒドラジノニコチンアミド)のようなキレーティング部分を介して任意選択で連結されてもよい。同位体標識技術は、当業者に公知であり、例えば、参照により組み込まれるG.T.Hermanson、「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013、12章:「Isotopic labelling techniques」、507〜534ページにより詳細に記載されている。
本発明の化合物において標的分子Dとしての使用に適切なポリマーは、当業者に公知であり、数種の例が、例えば、参照により組み込まれるG.T.Hermanson、「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013、18章:「PEGylation and synthetic polymer modification」、787〜838ページにより詳細に記載されている。標的分子Dがポリマーであるとき、標的分子Dはポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、1,x−ジアミノアルカンポリマー(ここでxはアルカン中の炭素原子の数であり、xは2〜200、好ましくは2〜10の範囲の整数であることが好ましい)、(ポリ)エチレングリコールジアミン(例えば、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタン及びより長いエチレングリコール鎖を含む等価物)、多糖(例えば、デキストラン)、ポリ(アミノ酸)(例えば、ポリ(L−リジン))及びポリ(ビニルアルコール)、ポリ(2−オキサゾリン)(PAOx)からなる群から独立して選択されることが好ましい。
標的分子Dとしての使用に適切な固相表面は、当業者に公知である。固相表面は、例えば、機能性表面(例えば、ナノ材料、カーボンナノチューブ、フラーレン又はウイルスカプシドの表面)、金属表面(例えば、チタニウム、金、銀、銅、ニッケル、スズ、ロジウム又は亜鉛表面)、合金表面(ここで、合金は、例えば、アルミニウム、ビスマス、クロム、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀、ニッケル、カリウム、プルトニウム、ロジウム、スカンジウム、銀、ナトリウム、チタニウム、スズ、ウラニウム、亜鉛及び/又はジルコニウムに由来する)、ポリマー表面(ここでポリマーは、例えば、ポリスチレン、塩化ポリビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(ジメチルシロキサン)又はポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドである)、ガラス表面、シリコーン表面、クロマトグラフィー支持体表面(ここで、クロマトグラフィー支持体は、例えば、シリカ支持体、アガロース支持体、セルロース支持体又はアルミニウム支持体である)などである。標的分子Dが固相表面であるとき、Dは機能性表面又はポリマー表面からなる群から独立して選択されることが好ましい。
ヒドロゲルは、当業者に公知である。ヒドロゲルは、ポリマー成分間の架橋によって形成された水膨潤性ネットワークである。例えば、参照により組み込まれるA.S.Hoffman、Adv. Drug Delivery Rev.2012、64、18を参照されたい。標的分子がヒドロゲルであるとき、ヒドロゲルはポリマー主成分としてポリ(エチレン)グリコール(PEG)を含むことが好ましい。
標的分子Dとしての使用に適切なマイクロ及びナノ粒子は当業者に公知である。多様な適切なマイクロ及びナノ粒子が、例えば、参照により組み込まれるG.T.Hermanson、「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013、14章:「Microparticles and nanoparticles」、549〜587ページにより詳細に記載されている。マイクロ又はナノ粒子は、任意の形状、例えば、球、桿体、管、立方体、三角形及び三角錐であってもよい。マイクロ又はナノ粒子は球形であることが好ましい。マイクロ及びナノ粒子の化学組成は変化してもよい。標的分子Dがマイクロ又はナノ粒子であるとき、マイクロ又はナノ粒子は、例えば、ポリマーマイクロ又はナノ粒子、シリカマイクロ又はナノ粒子或いは金マイクロ又はナノ粒子である。粒子がポリマーマイクロ又はナノ粒子であるとき、ポリマーは、ポリスチレン又はスチレンのコポリマー(例えば、スチレンとジビニルベンゼン、ブタジエン、アクリレート及び/又はビニルトルエンのコポリマー)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルトルエン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート(pHEMA)又はポリ(エチレングリコールジメタクリレート/(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)[ポリ(EDGMA/HEMA)]であることが好ましい。マイクロ又はナノ粒子の表面は、例えば、界面活性剤により、二次ポリマーのグラフト重合により或いは別のポリマー又はスペーサー部分などの共有結合により、任意選択で改変されてもよい。
標的分子Dは生体分子であってもよい。標的分子Dが生体分子であるとき、生体分子は(糖タンパク質及び抗体を含む)タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、グリカン、脂質、核酸、オリゴヌクレオチド、多糖、オリゴ糖、酵素、ホルモン、アミノ酸及び単糖からなる群から選択されることが好ましい。
CGは連結基である。本明細書中の用語「連結基」は、化合物の1の部分及び同じ化合物の別の部分を連結する構造要素を指す。典型的に、バイオコンジュゲートは、リンカーコンジュゲート中に存在する反応性基Q1と本発明の改変された糖タンパク質中に存在する官能基Aとの反応を介して調製される。CGは反応性基Q1と官能性部分Aの反応の際に形成される部分である。当業者に理解される通り、CGの性質は、本発明の改変された糖タンパク質とリンカー−コンジュゲートの間の連結を確立するために使用された有機反応のタイプに依存する。言い換えると、CGの性質は、リンカー−コンジュゲート上の反応性基Q1の性質と生体分子中の官能基Aの性質に依存する。改変された糖タンパク質とリンカー−コンジュゲートの間の連結を確立するための多数の異なる化学反応が利用可能であるため、結果としてCGについて多数の可能性がある。F1及びQ1の数個の適切な組合せ及びQ1を含むリンカー−コンジュゲートが相補的な官能基F1を含む生体分子にコンジュゲートされるときに、バイオコンジュゲート中に存在する連結基Z3のいくつかの例が図5に示される。
例えば、Aがチオール基であるとき、相補性基Q1はN−マレイミジル基及びアルケニル基を含み、対応する連結基CGは図5に示される通りである。Aがチオール基であるとき、相補性基Q1はアレナミド(allenamide)基も含む。
例えば、Aがアミノ基であるとき、相補性基Q1はケトン基、活性化されたエステル基及びアジド基を含み、対応する連結基CGは図5に示される通りである。
例えば、Aがケトン基であるとき、相補性基Q1は(O−アルキル)ヒドロキシルアミノ基及びヒドラジン基を含み、対応する連結基CGは図5に示される通りである。
例えば、Aがアルキニル基であるとき、相補性基Q1はアジド基を含み、対応する連結基CGは図5に示される通りである。
例えば、Aがアルケン基であるとき、相補性基Q1はDiels−Alder環化付加反応において反応性であるチオール、ジエン又はヘテロジエン基及びテトラジニル基を含み、対応する連結基CGは、それぞれ、チオエーテル、Diels−Alder付加物(シクロへキセン若しくはその類似体)又はジヒドロピリダジンであってもよい。
例えば、Aがアジド基であるとき、相補性基Q1はアルキニル基を含み、対応する連結基CGは図5に示される通りである。
例えば、Aがシクロプロペニル基、trans−シクロオクテン基又はシクロオクチン基であるとき、相補性基Q1はテトラジニル基を含み、対応する連結基Z3は図5に示される通りである。これらの特別な場合において、Z3は唯一の中間構造であり、N2を排出し、それによって、(アルケンとの反応からの)ジヒドロピリダジン又は(アルキンとの反応からの)ピリダジンを創り出す。
例えば、Aがハロゲン(X)であるとき、相補性基Q1はチオールを含み、対応する連結基CGはチオエーテルであってもよい。
例えば、Aが−OS(O)2R5であるとき、相補性基Q1はヒドロキシル及び(一級及び二級)アミン基を含み、対応する連結基CGはエーテル又は(二級若しくは四級)アミン基であってもよい。
例えば、Aがアレニル基であるとき、相補性基Q1はチオールを含み、対応する連結基CGはチオエーテル、典型的にはメチル−置換チオエーテルであってもよい。
例えば、Aが−SC(O)R8又は−SC(V)OR8であるとき、典型的にAは最初にチオールと反応し、相補性基Q1はN−マレイミジル基、アルケニル基、アレナミド基を含む。対応する連結基CGはAについて図5に示される通りであってもよく、チオールである。
A及びQ1の追加の適切な組合せ、並びに結果として生じる連結基CGの性質は当業者に公知であり、例えば、参照により組み込まれるG.T.Hermanson、「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013(ISBN:978−0−12−382239−0)、特に、3章、229〜258ページに記載されている。バイオコンジュゲーション方法に適切な相補的反応性基のリストは、G.T.Hermanson、「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013(ISBN:978−0−12−382239−0)3章の表3.1、230〜232ページに開示されており、この表の内容は参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
Spはスペーサー又はリンカーである。本明細書中でリンカーは、化合物の2以上の要素を連結する部分として定義される。例えば、バイオコンジュゲートにおいて、生体分子及び標的分子はリンカーを介して共有結合により互いに連結され;リンカー−コンジュゲートにおいて反応性基Q1がリンカーを介して共有結合により標的分子に連結される。バイオコンジュゲート、特に抗体−コンジュゲートにおける使用に適切であることが本分野で公知の任意のリンカーは、Spとして使用可能である。そのようなスペーサー部分は当業者に公知である。適切なスペーサー部分としては、(ポリ)エチレングリコールジアミン(例えば、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタン又はより長いエチレングリコール鎖を含む等価物)、ポリエチレングリコール鎖又はポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレングリコール鎖又はポリプロピレンオキシド鎖及び1、x−ジアミノアルカン、ここで、xはアルカン中の炭素原子の数である、が挙げられる。適切なスペーサー部分の別のクラスは、切断可能なスペーサー部分又は切断可能なリンカーを含む。切断可能なリンカーは本分野で周知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるShabatら、Soft matter、2012、6、1073は、生物学的なトリガー、例えば、酵素的切断又は酸化事象の際に放出される、自壊性部分を含む切断可能なリンカーを開示する。適切な切断可能なリンカーのいくつかの例は、還元の際に切断されるジスルフィドリンカー、プロテアーゼ、例えば、カテプシン、プラスミン又はメタロプロテアーゼによる特異的認識の際に切断されるペプチドリンカー、或いはグリコシダーゼ、例えば、グルクロニダーゼによる特異的認識の際に切断されるグリコシドに基づくリンカー、或いは貧酸素の低酸素領域において還元される芳香族ニトロ化合物である。本明細書中で、適切な切断可能なスペーサー部分は、アミノ酸の特定の切断可能な配列を含むスペーサー部分も含む。例としては、例えば、Val−Ala(バリン−アラニン)又はVal−Cit(バリン−シトルリン)部分を含むスペーサー部分が挙げられる。
好ましい実施形態において、Spは直鎖又は分枝C1〜C200アルキレン基、C2〜C200アルケニレン基、C2〜C200アルキニレン基、C3〜C200シクロアルキレン基、C5〜C200シクロアルケニレン基、C8〜C200シクロアルキニレン基、C7〜C200アルキルアリーレン基、C7〜C200アリールアルキレン基、C8〜C200アリールアルケニレン基及びC9〜C200アリールアルキニレン基からなる群から選択され、上記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基は、O、S及びNR19からなる群から選択される1又は複数のヘテロ原子により任意選択で置換され、任意選択で中断されていてもよく、ここでR19は水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は任意選択で置換されていてもよい。アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基が1又は複数の上記定義のヘテロ原子で中断されているとき、上記基は、1又は複数のO原子により及び/又は1又は複数のS−S基により中断されていることが好ましい。
Spは直鎖又は分岐C1〜C100アルキレン基、C2〜C100アルケニレン基、C2〜C100アルキニレン基、C3〜C100シクロアルキレン基、C5〜C100シクロアルケニレン基、C8〜C100シクロアルキニレン基、C7〜C100アルキルアリーレン基、C7〜C100アリールアルキレン基、C8〜C100アリールアルケニレン基及びC9〜C100アリールアルキニレン基からなる群から選択され、上記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基は、O、S及びNR19からなる群から選択される1又は複数のヘテロ原子により任意選択で置換され、任意選択で中断されていてもよく、ここでR19は水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は任意選択で置換されていてもよいことがより好ましい。
Spは直鎖又は分岐C1〜C50アルキレン基、C2〜C50アルケニレン基、C2〜C50アルキニレン基、C3〜C50シクロアルキレン基、C5〜C50シクロアルケニレン基、C8〜C50シクロアルキニレン基、C7〜C50アルキルアリーレン基、C7〜C50アリールアルキレン基、C8〜C50アリールアルケニレン基及びC9〜C50アリールアルキニレン基からなる群から選択され、上記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基は、O、S及びNR19からなる群から選択される1又は複数のヘテロ原子により任意選択で置換され、任意選択で中断されていてもよく、ここでR19は水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は任意選択で置換されていてもよいことが尚より好ましい。
Spは直鎖又は分岐C1〜C20アルキレン基、C2〜C20アルケニレン基、C2〜C20アルキニレン基、C3〜C20シクロアルキレン基、C5〜C20シクロアルケニレン基、C8〜C20シクロアルキニレン基、C7〜C20アルキルアリーレン基、C7〜C20アリールアルキレン基、C8〜C20アリールアルケニレン基及びC9〜C20アリールアルキニレン基からなる群から選択され、上記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基は、O、S及びNR19からなる群から選択される1又は複数のヘテロ原子により任意選択で置換され、任意選択で中断されていてもよく、ここでR19は水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は任意選択で置換されていてもよいことが更に尚より好ましい。
これらの好ましい実施形態において、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基は、非置換であり、O、S及びNR19からなる群から選択される1又は複数のヘテロ原子、好ましくはOにより任意選択で中断されていてもよく、ここでR19は水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択され、好ましくは水素又はメチルであることが更に好ましい。
Spは直鎖又は分岐C1〜C20アルキレン基からなる群から選択され、上記アルキレン基はO、S及びNR19からなる群から選択される1又は複数のヘテロ原子により任意選択で置換され、任意選択で中断されていてもよく、ここでR19は水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は任意選択で置換されていてもよいことが最も好ましい。この実施形態において、アルキレン基は非置換であり、O、S及びNR19、好ましくはO及び/又はS−Sからなる群から選択される1又は複数のヘテロ原子により任意選択で中断されていてもよいことが更に好ましく、ここでR19は水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択され、好ましくは水素又はメチルである。
特に好ましいSp部分としては、−(CH2)n−、−(CH2CH2)n−、−(CH2CH2O)n−、−(OCH2CH2)n−、−(CH2CH2O)nCH2CH2−、−CH2CH2(OCH2CH2)n−、−(CH2CH2CH2O)n−、−(OCH2CH2CH2)n−、−(CH2CH2CH2O)nCH2CH2CH2−及び−CH2CH2CH2(O−CH2CH2CH2)n−が挙げられ、ここでnは1〜50の範囲、好ましくは1〜40の範囲、より好ましくは1〜30の範囲、尚より好ましくは1〜20の範囲、更に尚より好ましくは1〜15の範囲の整数である。nは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10、より好ましくは1、2、3、4、5、6、7又は8、尚より好ましくは1、2、3、4、5又は6、更に尚より好ましくは1、2、3又は4であることがより好ましい。
実施例1.GalNAc−トランスフェラーゼの選択及び設計
初期の評価のために、4つの特定の配列、特にUniprot受託番号:Q9GUM2(C.エレガンス;本明細書中では配列番号2として識別される)、U1MEV9(豚回虫(A.suum);本明細書中では配列番号3として識別される)、Q6J4T9(イラクサギンウワバ(T.ni);本明細書中では配列番号4として識別される)及びQ7KN92(キイロショウジョウバエ(D.melanogaster);本明細書中では配列番号5として識別される))を選択した。ポリペプチドを予測される細胞質ドメイン及び膜貫通ドメインの欠失に基づいて構築した。これらのポリペプチドは予測されるC.エレガンス(配列番号6で識別されるCeGalNAcT[30−383])、豚回虫(配列番号7で識別されるAsGalNAcT[30−383])、イラクサギンウワバ(配列番号8で識別されるTnGalNAcT[33−421])及びキイロショウジョウバエ(配列番号9で識別されるDmGalNAcT[47−403])を含む。加えて、N−末端His−タグを含有するポリペプチド変異体を、AsGalNAcT[30−383]:(配列番号71で識別されるHis−AsGalNAcT[30−383])及びTnGalNAcT[33−421](配列番号49で識別されるHis−TnGalNAcT[33−421])に対して構築した。
実施例2.イラクサギンウワバGalNAcT突然変異体及び豚回虫GalNAcT突然変異体の設計
TnGalNAcT及びAsGalNAcTの突然変異体を、UDP−N−アセチル−ガラクトサミン(PDBエントリー1OQM)と複合体を形成したウシβ(1,4)−Gal−T1及びQasbaら(J.Biol.Chem.2002、277:20833〜20839、参照により組み込まれる)により報告されたβ(1,4)−Gal−T1(Y289L)突然変異体に対する結晶構造を基にして設計した。TnGalNAcT及びAsGalNAcTの突然変異体をTnGalNAcT及びAsGalNAcTとウシβ(1,4)Gal−T1との配列アラインメントに基づいて設計した。これらのタンパク質間の対応するアミノ酸残基を表1に示す。
実施例3.His−TnGalNAcT(33−421)突然変異体の部位特異的突然変異誘発
NdeI−BamHI部位間のTnGalNAcTの残基33−421(配列番号8で識別される)をコードするコドン最適化配列を含有するpET15b−ベクターをGenscriptから入手し、その結果His−TnGalNAcT(33−421)(配列番号49で識別される)を得た。TnGalNacT突然変異遺伝子を、一組の重複するプライマーを用いて線形増幅PCRにより上述した構築体から増幅した。各々の突然変異体のために用いた重複するプライマーセットを表2に示す。His−TnGalNAcT(33−421;W336F)(配列番号50で識別される)の構築には、本明細書中で配列番号79及び配列番号80として規定される一対のプライマーを用いてDNA断片を増幅した。His−TnGalNAcT(33−421;W336H)(配列番号51で識別される)の構築には、本明細書中で配列番号81及び配列番号82として規定される一対のプライマーを用いてDNA断片を増幅した。His−TnGalNAcT(33−421;W336V)(配列番号52で識別される)の構築には、本明細書中で配列番号83及び配列番号84として規定される一対のプライマーを用いてDNA断片を増幅した。His−TnGalNAcT(33−421;E339A)(配列番号53で識別される)の構築には、本明細書中で配列番号85及び配列番号86として規定される一対のプライマーを用いてDNA断片を増幅した。His−TnGalNAcT(33−421;E339G)(配列番号54で識別される)の構築には、本明細書中で配列番号87及び配列番号88として規定される一対のプライマーを用いてDNA断片を増幅した。His−TnGalNAcT(33−421;E339D)(配列番号55で識別される)の構築には、本明細書中で配列番号89及び配列番号90として規定される一対のプライマーを用いてDNA断片を増幅した。His−TnGalNAcT(33−421;I311Y)(配列番号60で識別される)の構築には、本明細書中で配列番号91及び配列番号92として規定される一対のプライマーを用いてDNA断片を増幅した。PCR増幅の後、反応混合物をDpnIで処理してテンプレートDNAを消化し、続いてNEB 10−ベータコンピテント細胞(New England Biolabsから入手)に形質転換した。DNAを単離し、突然変異体His−TnGalNAcT(33−421;W336F)(配列番号50で識別される)、His−TnGalNAcT(33−421;W336V)(配列番号52で識別される)、His−TnGalNAcT(33−421;E339A)(配列番号53で識別される)、及びHis−TnGalNAcT(33−421;I311Y)(配列番号60で識別される)に対する配列解析によって配列を確認した。
実施例4.大腸菌(E.coli)におけるHis−TnGalNAcT(33−421)、His−TnGalNAcT(33−421;W336F)、His−TnGalNAcT(33−421;W336V)、及びHis−TnGalNAcT(33−421;E339A)の発現及びリフォールディング
His−TnGalNAcT(33−421)、His−TnGalNAcT(33−421;W336F)、His−TnGalNAcT(33−421;W336V)、及びHis−TnGalNAcT(33−421;E339A)を、実施例3に記載したようにして得られた対応するpET15b−構築体から発現させた。発現、封入体単離及びリフォールディングは、Qasbaら(Prot.Expr.Pur.2003、30、219〜76229、参照により組み込まれる)により報告された手順に従って行った。リフォールディング後、不溶性のタンパク質を遠心分離(10分、8.000×g)及びそれに続く0.45μM−孔径のフィルターに通すろ過によって除去した。可溶性のタンパク質は、HisTrap HP 5mLカラム(GE Healthcare)を用いて精製し濃縮した。最初にカラムを緩衝液A(20mMトリス緩衝液、20mMイミダゾール、500mM NaCl、pH7.5)で洗浄した。保持されたタンパク質を緩衝液B(20mMトリス、500mM NaCl、250mMイミダゾール、pH7.5、10mL)で溶出した。画分をポリアクリルアミドゲル(12%)上のSDS−PAGEにより分析し、精製された標的タンパク質を含有する画分を合わせ、緩衝液を、一晩4℃で実施した透析によって20mMトリス pH7.5及び150mM NaClに対して交換した。精製されたタンパク質を、Amicon Ultra−0.5、Ultracel−10 Membrane(Millipore)を用いて少なくとも2mg/mLに濃縮し、更に使用するまで−80℃で保存した。
実施例5.CHOにおけるGalNAcT及び変異体の一過性発現
Evitria(チューリッヒ、スイス)により20mLの規模でタンパク質をCHO K1細胞内で一過性に発現させた。以下のGalNAcT変異体を発現させた:(配列番号6により識別される)CeGalNAcT(30−383)、(配列番号7により識別される)AsGalNAcT(30−383)、(配列番号8により識別される)TnGalNAcT(33−421)、(配列番号9により識別される)DmGalNAcT(47−403)及び(配列番号28により識別される)TnGalNAcT(33−421;E339A)。典型的な精製実験において、発現したGalNAcTを含有するCHOで産生した上清を20mMのトリス緩衝液、pH7.5に対して透析した。上清(典型的には25mL)を0.45μMの孔径のフィルターに通してろ過し、続いて使用前に20mMのトリス緩衝液、pH7.5で平衡化したカチオン交換カラム(HiTrap SP HP 5mLカラム、GE Healthcare)で精製した。精製は外部画分収集機を備えたAKTA Primeクロマトグラフィーシステムで実施した。サンプルをシステムポンプAから装填した。結合していないタンパク質を、10カラム体積(CV)の20mMトリス緩衝液、pH7.5でカラムを洗浄することによってカラムから溶出した。保持されたタンパク質は溶離緩衝液(20mMトリス、1NaCl、pH7.5;10mL)で溶出した。収集した画分をポリアクリルアミドゲル(12%)上のSDS−PAGEで分析し、標的タンパク質を含有する画分を合わせ、スピンろ過を用いて0.5mLの体積に濃縮した。TnGalNAcT(33−421;E339A)以外は、次に、タンパク質をAKTA清浄機−10系(UNICORN v6.3)を使用してSuperdex200 10/300GLサイズ排除クロマトグラフィーカラム(GE Healthcare)により精製して、純粋なモノマー画分を得た。画分をSDS−PAGEで分析し、モノマータンパク質を含有する画分を更に使用するまで−80℃で保存した。
IgGの質量スペクトル解析のための一般的なプロトコル
質量スペクトル解析の前に、軽鎖と重鎖の両方の分析を可能とするDTT又はFc/2断片の解析を可能とする(Genovis、Lund、Swedenから市販)ファブリケーター(Fabricator)(商標)のいずれかによってIgGを処理した。軽鎖及び重鎖両方の解析のために、4μLの全体積中、20μgの(改変された)IgGの溶液を、100mMのDTTと共に37℃で5分間インキュベートした。存在する場合、アジド−官能基はこれらの条件下でアミンに還元される。Fc/2断片の解析のために、10μLの全体積中、20μgの(改変された)IgGの溶液を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH6.6中のファブリケーター(商標)(1.25U/μL)と共に37℃で1時間インキュベートした。還元又はファブリケーター消化後、サンプルを、Amicon Ultra−0.5、Ultracel−10 Membrane(Millipore)を用いてmilliQで2回洗浄し、およそ40μLの最終的なサンプル体積が得られた。次に、サンプルをJEOL AccuTOFでエレクトロスプレイイオン化飛行時間(ESI−TOF)により分析した。Magtranソフトウェアを用いて解析されたスペクトルを得た。
実施例6.エンドS処理によるトリミングされたトラスツズマブの調製
トラスツズマブのグリカンのトリミングは、化膿レンサ球菌に由来するエンドS(Genovis、Lund、Swedenから市販)を用いて実施した。よって、トラスツズマブ(10mg/mL)をエンドS(40U/mL)と共に、25mMトリスpH8.0中、37℃でおよそ16時間インキュベートした。脱グリコシル化されたIgGを濃縮し、Amicon Ultra−0.5、Ultracel−10 Membrane(Millipore)を用いて10mM MnCl2及び25mMトリス−HCl pH8.0で洗浄した。ピークの解析後、質量スペクトルは軽鎖の1つのピークと重鎖の2つのピークを示した。重鎖の2つのピークは、コアGlcAc(Fuc)置換トラスツズマブに由来する1つの主要な生成物(49496Da、全重鎖の90%)及びトリミングされたトラスツズマブに由来する少ない生成物(49351Da、全重鎖の±10%)に属していた。
実施例7.ウシβ(1,4)−Gal−T1の作用の下でのトリミングされたトラスツズマブへの6−アジド−Gal−UDPのグリコシル転移
上で記載されたトラスツズマブのエンドS処置により得られた、トリミングされたトラスツズマブ(10mg/mL)を、6−アジド−Gal−UDP(1mM、GlycoHubから市販)及び0.1又は0.5mg/mLいずれかのウシβ(1,4)Gal−T1(Sigma Aldrichから市販)と共に、10mM MnCl2及び25mMトリス−HCl pH8.0中、30℃で一晩インキュベートした。還元されたサンプルの質量スペクトル解析は、ウシβ(1,4)−Gal−T1の両濃度について生成物の形成を示さなかった(コアGlcNAc(Fuc)置換トラスツズマブ由来の49494Daの主要重鎖ピーク、全重鎖の90%)。
実施例8.ウシβ(1,4)−Gal−T1(130−142;Y289L、C342T)の作用の下でのトリミングされたトラスツズマブへの6−アジド−N−アセチルガラクトサミン−UDPのグリコシル転移
Y289L、C342T突然変異を含有し、触媒ドメイン(アミノ酸残基130−402)のみを含有する、(配列番号1により識別される)ウシβ(1,4)−Gal−T1由来の突然変異体を使用した。このウシβ(1,4)−Gal−T1(130−142;Y289L、C342T)突然変異体は、Qasbaら(参照により組み込まれるJ.Biol.Chem.2002、277、20833〜20839)により記載され、Qasbaら(参照により組み込まれるProt.Expr.Pur.、2003,30、219〜76229)により報告された手順に従って、発現され、封入体単離及びリフォールディングされた。上で記載されたトラスツズマブのエンドS処理によって得られたトリミングされたトラスツズマブ(10mg/mL)を、6−アジド−GalNAc−UDP(2.5mM、GlycoHubから市販)及び1mg/mLのβ(1,4)−Gal−T1(130−402;Y289L、C342T)と共に、10mM MnCl2及び25mMトリス−HCl pH7.5中、37℃で一晩インキュベートした。還元されたサンプルの質量スペクトル解析は、生成物の形成を示さなかった(コアGlcNAc(Fuc)置換トラスツズマブ由来の49502Daの主要重鎖ピーク、全重鎖の90%)。
実施例9.GalNAcTの作用の下でのトリミングされたトラスツズマブへの6−アジド−N−アセチルガラクトサミン−UDPのグリコシル転移
実施例5に記載した通りに発現され、精製された(配列番号6により識別される)CeGalNAcT(30−383)、(配列番号7により識別される)AsGalNAcT(30−383)、(配列番号8により識別される)TnGalNAcT(33−421)及び(配列番号9により識別される)DmGalNAcT(47−403)について、6−アジド−GalNAcの取り込みを試験した。上で記載された通りにトラスツズマブのエンドS処理により得られたトリミングされたトラスツズマブ(10mg/mL)を、10mM MnCl2及び25mMトリス−HCl pH7.5中、6−アジド−GalNAc−UDP(1mM、GlycoHubから市販)及び0.2又は0.5mg/mLいずれかの上記GalNAcTの1つと共にインキュベートした。
ファブリケーター(商標)消化したサンプルの質量スペクトル解析は、CeGalNAcT(30−383)及びDmGalNAcT(47−403)の両濃度について生成物の形成がなかったことを示したが(コアGlcNAc(Fuc)置換トラスツズマブ由来の24139Daの主要なFc/2ピーク、全重鎖の90%)、AsGalNAcT(30−383)及びTnGalNAcT(33−421)は両方とも、6−アジド−GalNAcのコアGlcNAc(Fuc)置換トラスツズマブへの転移に起因する、コアGlcNAc(Fuc)置換トラスツズマブ(実測質量24139Da)の生成物(実測質量24366Da)への部分的な変換を示した。得られた変換を表3に示す。
実施例10.6−アジド−6−デオキシ−GalNAc−1−モノホスフェート80の合成
アセチル化糖79は、Wangら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、2009、19、5433中の手順に従って調製され得る。
MeOH(15mL)中のアセチル化糖79(4.9g、11.9mmmol)の懸濁液に、25%NH4OH水溶液(60mL)を加えた。室温で反応物を攪拌し、LCMSにより変換をモニターした。4時間後、減圧下で混合物を濃縮し、−20℃で2日間保存した。次いで、25%のNH4OH水溶液(75mL)に固体を再び溶解し、室温で攪拌し、3時間後、MSは完全な変換を示した。溶媒の濃縮により、粗生成物を黄色の固体として得た。定量NMRを行い、60重量%が生成物80であり、3.2g(83%)の収量を得たことを示した。
1H−NMR(400MHz,D2O):δ5.28(dd,J=7.2,3.2Hz,1H)、4.12(dd,J=6.8,6.4Hz,1H)、4.06(ddd,J=10.8,3.2,2.0Hz,1H)、3.92〜3.81(m,2H)、3.47(dd,J=12.8,7.2Hz,1H)、3.40(dd,J=12.8Hz,6.4Hz,1H)、1.88(s,3H)。LRMS(ESI−)C8H15N4O8P(M−H+)の計算値325.06、実測値325.30。
実施例11.6−アミノ−6−デオキシ−GalNAc−1−モノホスフェート81の合成
H2O(30mL)及びMeOH(30mL)中のアジド80(5.9mmol)の溶液に、Pd/C(400mg)を加え、反応混合物にH2を1時間通気した。反応物の変換をTLC(7:3MeOH:MeCN)によりモニターした。反応混合物をセライトでろ過し、MeOH及びH2Oにより完全に洗浄し、真空中で濃縮して、粗生成物81を1.8gの収量で得た(99%)。
1H−NMR(400MHz,D2O):δ5.28(dd,J=7.2,3.6Hz,1H)、4.25(dd,J=8.8,4.0Hz,1H)、4.09〜4.04(m,1H)、3.90〜3.79(m,2H)、3.19〜3.08(m,2H)、1.85(s,3H)。LRMS(ESI−)C8H17N2O8P(M−H+)の計算値299.06、実測値229.29。
実施例12.6−(2−クロロアセトアミド)−6−デオキシ−GalNAc−1−モノホスフェート82の合成
クロロ酢酸スクシニミジルエステルを、Hosztafiら、Helv.Chim.Acta、1996、79、133中の手順に従って調製した。
乾燥DMF(0.5mL)中、糖81(12mg、0.040mmol)の溶液に、窒素雰囲気下でクロロ酢酸スクシニミジルエステル(9mg、0.044mmol)及びEt3N(6.7μL、0.048mmol)を加えた。反応混合物を室温で攪拌し、真空中で濃縮して、粗生成物82を得た。
1H−NMR(400MHz,D2O):δ5.42〜5.32(m,1H)、4.13〜4.02(m,4H)、3.92〜3.81(m,2H)、3.53〜3.46(m,1H)、3.33〜3.26(m,1H)、1.94(s,3H)。LRMS(ESI−)C10H18ClN2O9P(M−H+)の計算値375.68(100%)、377.03(30%)、実測値3.75.08(100%)、377.19(25%)。
実施例13.6−(4−アジドベンズアミド)−6−デオキシ−GalNAc−1−モノホスフェート83の合成
4−アジド安息香酸スクシニミジルエステルを、Hartmanら、Chem.Comm.、2012、48、4755に従って調製した。
乾燥DMF(1.5mL)中、糖81(38mg、0.127mmol)の溶液に、窒素雰囲気下でEt3N(21μL、0.152mmol)及び4−アジド安息香酸スクシニミジルエステル(36mg、0.139mmol)を加え、反応混合物を室温で攪拌した。追加の4−アジド安息香酸スクシニミジルエステル(36mg、0.139mmol)及びEt3N(42μL、0.304mmol)を加え、反応物を室温で5時間、攪拌した。TLC及びMSにより生成物の形成をモニターした。6時間後に反応混合物を濃縮して、粗生成物83を得た。
LRMS(ESI−)C15H20N5O9P(M−H+)の計算値444.09、実測値444.20。
実施例14.6−(N−2−アジド−2,2−ジフルオロエチルカルバメート)−6−デオキシ−GalNAc−1−モノホスフェート84の合成
2−アジド−2,2−ジフルオロエタノールを、国際公開第WO2015/112016号に記載された手順に従って調製した。
2−アジド−2,2−ジフルオロエタノール(200mg、1.63mmol)を、窒素雰囲気下でDCM(10mL)に溶解し、4−ニトロフェニエルクロロホルメート(295mg、1.46mmol)及びEt3N(226μL、1.63mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間攪拌した。次に、糖81(122mg、0.41mmol)をH2O(2mL)に溶解し、Et3N(113μL、0.81mmol)及びDMF(5mL)を加え、得られた溶液を反応混合物に加えた。反応物を室温で16時間攪拌し、TLC及びLCMSが糖81の完全な消費を確認した。減圧下で溶媒を除去して、粗生成物を得た。イオン交換クロマトグラフィー(Q HITRAP、3×5mL及び1×15mLカラム)によって精製を実施した。緩衝液A(10mM NH4HCO3)を添加することによりカラムへの最初の結合を達成し、カラムを緩衝液Aで洗浄した。次に、40%のB(250mM NH4HCO3)までの勾配を実施して、生成物を溶出し、100%のBでカラムを洗い流して、残留副生成物を除去した。生成物を含有する画分を凍結乾燥して、所望の生成物84(147mg、0.33mmol、80%)を得た。
1H−NMR(400MHz,D2O):δ5.17(dd,J=6.4,3.2Hz,1H)、4.40〜4.24(m,2H)、4.07〜3.93(m,2H)、3.85〜3.70(m,2H)、3.28〜3.13(m,2H)、1.87(s,3H)。LRMS(ESI−)C11H18F2N5O10P(M−H+)の計算値448.07、実測値448.14。
実施例15.6−(N−1−(2−アジドエチル)ウレア)−6−デオキシ−GalNAc−1−モノホスフェート85の合成
2−アジドエチルアミンを、Zhangら、J.Am.Chem.Soc.、2015、137、6000に記載された手順に従って調製した。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ3.40〜3.33(m,2H)、2.91〜2.81(m,2H)。
カルボニルジイミダゾール(377mg、2.32mmol)を乾燥DMF(10mL)に溶解し、窒素雰囲気下で攪拌した。2−アジドエチルアミン(200mg、2.32mmol)を乾燥DMF(5mL)に溶解し、CDIに滴下した。得られた溶液を室温で1時間攪拌し、続いて60℃に加熱した。糖81をH2O(2mL)及びDMF(5mL)に溶解し、反応物に加えた。得られた懸濁液を60℃で16時間攪拌した。所望の生成物の形成をLCMSでモニターした。16時間攪拌後、H2O(5mL)を加え、続いてDCM(15mL)中の新に活性化した2−アジドエチルアミンを加えた。得られた混合物を再度、60℃で16時間攪拌し、減圧下で溶媒を除去した。次いで、粗生成物をMeOH(10mL)及びH2O(15mL)に溶解し、EtOAc(2×30mL)で洗浄した。水性相を濃縮して、粗生成物を得て、これをイオン交換クロマトグラフィー(Q−HITRAP、3×5mL及び1×15mLカラム)で精製した。緩衝液A(10mM NH4HCO3)を添加することによりカラムへの最初の結合を達成し、カラムを緩衝液Aで洗浄した。次に、40%のB(250mM NH4HCO3)までの勾配を実施して、生成物を溶出し、100%のBでカラムを洗い流して、残留副生成物を除去した。生成を含有する画分を凍結乾燥して、所望の生成物85(147mg、0.33mmol、80%)を得た。
1H−NMR(400MHz,D2O):δ5.30(br s,1H)、4.13〜3.93(m,2H)、3.91〜3.76(m,2H)、3.35〜3.10(m,5H)、1.92(s,3H)。LRMS(ESI−)C11H21N6O9P(M−H+)の計算値411.10、実測値411.24。
実施例16.6−(N−(2−S−アセチル)−メルカプトアセトアミド)−6−デオキシ−GalNAc−1−モノホスフェート86の合成
糖81(105mg、0.35mmol)をH2O(1.7mL)に溶解し、室温で1時間攪拌した。別個のバイアル中でS−アセチルチオグリコール酸ペンタフルオロフェニルエステル(210mg、0.70mmol)をDMF(1.7mL)に溶解し、Et3N(147μL、1.05mmol)と共に反応物に加えた。得られた混合物を室温で16時間攪拌し、LCMSが糖81の完全な消費を示した。減圧下で溶媒を除去し、フラッシュクロマトグラフィー(6:2:1−4:2:1 EtOAc:MeOH:H2O)により粗生成物を精製して、生成物86(95mg、0.23mmol、65%)を得た。
1H−NMR(400MHz,D2O):δ5.33(dd,J=6.8,3.6Hz,1H)、4.11〜4.00(m,2H)、3.90〜3.80(m,2H)、3.63〜3.53(m,2H)、3.44(dd,J=14.0,5.2Hz,1H)、3.23(dd,J=14.0,8.0Hz,1H)、2.31(s,3H)、1.94(s,3H)。LRMS(ESI−)C12H21N2O10PS(M−H+)の計算値415.06、実測値415.18。
実施例17.6−(N−3−アジドアセトアミド)−6−デオキシ−GalNAc−1−モノホスフェート87の合成
アジド酢酸(101mg、1.0mmol)をDMF(2mL)に溶解し、EDC(192mg、1.0mmol)、NHS(115mg、1.0mmol)及びDMAP(4mg、0.03mmol)を加えた。次に、糖81(100mg、0.33mmol)をH2O(3mL)に溶解し、反応物に加えて、室温で16時間攪拌した。所望の生成物の形成をLCMSでモニターした。アジド酢酸の他の一部を上記の通りに活性化し、反応物に加えた。4時間後、反応物を真空中で濃縮した。イオン交換クロマトグラフィー(Q−HITRAP、3×5mL及び1×15mLカラム)により精製を実施した。緩衝液A(10mM NH4HCO3)を添加することによりカラムへの最初の結合を達成し、カラムを緩衝液Aで洗浄した。次に、40%の緩衝液B(250mM NH4HCO3)までの勾配を実施して、生成物を溶出し、100%の緩衝液Bでカラムを洗い流して、残留副生成物を除去した。生成物を含有する画分を凍結乾燥して、所望の生成物87(100mg、0.26mmol、79%)を得た。
1H−NMR(400MHz,D2O):δ5.34(br s,1H)、4.13〜4.03(m,2H)、3.93(s,2H)、3.92〜3.81(m,2H)、3.48(dd,J=14.0,4.0Hz,1H)、3.29(dd,J=14.0,8.0Hz,1H)、1.95(s,3H)。LRMS(ESI−)C10H18N5O9P(M−H+)の計算値382.08、実測値382.15。
実施例18.6−(2−クロロアセトアミド)−6−デオキシ−GalNAc−UDP88の合成
Baischら、Bioorg.Med.Chem.、1997、5、383により記載された手順に従って、モノホスフェート82をUMPにカップリングさせた。
簡単に言えば、トリブチルアンモニウムウリジン−5’−モノホスフェート(31mg、0.06mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥DMF(0.5mL)に溶解した。カルボニルジイミダゾール(13mg、0.04mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間攪拌した。次に、乾燥MeOH(2.5μL)を加え、15分間攪拌して過剰のCDIを除去した。残ったMeOHを高真空下で15分間除去した。続いて、モノホスフェート82(15mg、0.04mmol)を乾燥DMF(0.5mL)に溶解して、反応混合物に加え、続いて、N−メチルイミダゾール、HCl塩(25mg、0.16mmol)を加えた。真空中での濃縮前に、反応物を室温で一晩攪拌した。モノホスフェート中間体の消費をMSによりモニターした。イオン交換クロマトグラフィー(Q−HITRAP、1×5mLカラム)で精製を実施した。緩衝液A(10mM NH4HCO3)を添加することによりカラムへの最初の結合を達成し、カラムを緩衝液Aで洗浄した。次に、40%の緩衝液B(250mM NH4HCO3)までの勾配を実施して、生成物を溶離し、100%の緩衝液Bでカラムを洗い流して、残留副生成物を除去した。生成物を含有する画分を凍結乾燥して、所望の生成物88(1mg、1.46μmol、4%)を得た。
LRMS(ESI−)C19H29ClN4O17P2(M−H+)の計算値681.06(100%)、683.06(32%)、実測値681.13(100%)、683.15(40%)。
実施例19.6−(4−アジドベンズアミド)−6−デオキシ−GalNAc−UDP89の合成
Baischら、Bioorg.Med.Chem.、1997、5、383により記載された手順に従って、モノホスフェート83をUMPにカップリングさせた。
簡単に言えば、トリブチルアンモニウムウリジン−5’−モノホスフェート(77mg、0.15mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥DMF(1mL)に溶解した。カルボニルジイミダゾール(41mg、0.25mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間攪拌した。次に、乾燥MeOH(6.2μL)を加え、15分間攪拌して過剰のCDIを除去した。残ったMeOHを高真空下で15分間除去した。続いて、モノホスフェート83(56mg、0.13mmol)を乾燥DMF(1mL)に溶解して、反応混合物に加え、続いて、N−メチルイミダゾール、HCl塩(79mg、0.51mmol)を加えた。真空中での濃縮前に、反応物を室温で一晩攪拌した。モノホスフェート中間体の消費をMSによりモニターした。イオン交換クロマトグラフィー(Q−HITRAP、3×5mLカラム、1×15mLカラム)で精製を実施した。緩衝液A(10mM NH4HCO3)を添加することによりカラムへの最初の結合を達成し、カラムを緩衝液Aで洗浄した。次に、40%の緩衝液B(250mM NH4HCO3)までの勾配を実施して、生成物を溶離し、100%のBでカラムを洗い流して、残留副生成物を除去した。生成物を含有する画分を凍結乾燥して、所望の生成物89(13mg、0.017mmol、14%)を得た。
LRMS(ESI−)C24H31N7O17P2(M−H+)の計算値750.12、実測値750.33。
実施例20.6−(N−2−アジド−2,2−ジフルオロエチルカルバメート)−6−デオキシ−GalNAc−UDP90の合成
Baischら、Bioorg.Med.Chem.、1997、5、383により記載された手順に従って、モノホスフェート84をUMPにカップリングさせた。
簡単に言えば、トリブチルアンモニウムウリジン−5’−モノホスフェート(200mg、0.39mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥DMF(3mL)に溶解した。カルボニルジイミダゾール(106mg、0.65mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間攪拌した。次に、乾燥MeOH(16μL)を加え、15分間攪拌して過剰のCDIを除去した。残ったMeOHを高真空下で15分間除去した。続いて、モノホスフェート84(147mg、0.33mmol)を乾燥DMF(3mL)に懸濁して、反応混合物に加え、続いて、N−メチルイミダゾール、HCl塩(204mg、1.31mmol)を加えた。モノホスフェート中間体の消費をMSによりモニターした。反応物を室温で3日間攪拌した。UMPの他の一部を上で記載された通りに活性化し、1mLのH2Oと共に反応物に加えた。一晩攪拌後、反応が完結し、減圧下で溶媒を除去した。イオン交換クロマトグラフィー(Q HITRAP、3×5mLカラム、1×15mLカラム)で精製を実施した。緩衝液A(10mM NH4HCO3)を添加することによりカラムへの最初の結合を達成し、カラムを緩衝液Aで洗浄した。次に、40%の緩衝液B(250mM NH4HCO3)までの勾配を実施して、生成物を溶離し、100%の緩衝液Bでカラムを洗い流して、残留副生成物を除去した。生成物を含有する画分を凍結乾燥して、所望の生成物90(122mg、0.16mmol、49%)を得た。
LRMS(ESI−)C20H29F2N7O18P2(M−H+)の計算値754.09、実測値754.16。
実施例21.6−(N−1−(2−アジドエチルアミン)ウレア)−6−デオキシ−GalNAc−UDP91の合成
Baischら、Bioorg.Med.Chem.、1997、5、383により記載された手順に従って、モノホスフェート85をUMPにカップリングさせた。
簡単に言えば、トリブチルアンモニウムウリジン−5’−モノホスフェート(126mg、0.25mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥DMF(2mL)に溶解した。カルボニルジイミダゾール(67mg、0.41mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間攪拌した。次に、乾燥MeOH(10μL)を加え、15分間攪拌して過剰のCDIを除去した。残ったMeOHを高真空下で15分間除去した。続いて、モノホスフェート85(85mg、0.21mmol)を乾燥DMF(2mL)に溶解して、反応混合物に加え、続いて、N−メチルイミダゾール、HCl塩(129mg、0.82mmol)を加えた。真空中での濃縮前に、反応物を室温で2日間攪拌した。モノホスフェート中間体の消費をMSによりモニターした。イオン交換クロマトグラフィー(Q HITRAP、3×5mLカラム、1×15mLカラム)で精製を実施した。緩衝液A(10mM NH4HCO3)を添加することによりカラムへの最初の結合を達成し、カラムを緩衝液Aで洗浄した。次に、40%の緩衝液B(250mM NH4HCO3)までの勾配を実施して、生成物を溶離し、100%の緩衝液Bでカラムを洗い流して、残留副生成物を除去した。生成物を含有する画分を凍結乾燥して、所望の生成物91(83mg、012mmol、56%)を得た。
LRMS(ESI−)C20H32N8O17P2(M−H+)の計算値717.13、実測値717.27。
実施例22.6−(N−(2−S−アセチル)−メルカプトアセトアミド)−6−デオキシ−GalNAc−UDP92の合成
Baischら、Bioorg.Med.Chem.、1997、5、383により記載された手順に従って、モノホスフェート86をUMPにカップリングさせた。
簡単に言えば、トリブチルアンモニウムウリジン−5’−モノホスフェート(139mg、0.27mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥DMF(2mL)に溶解した。カルボニルジイミダゾール(74mg、0.46mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間攪拌した。次に、乾燥MeOH(11μL)を加え、15分間攪拌して過剰のCDIを除去した。残ったMeOHを高真空下で15分間除去した。続いて、モノホスフェート86(95mg、0.27mmol)を乾燥DMF(2mL)に溶解して、反応混合物に加え、続いて、N−メチルイミダゾール、HCl塩(142mg、0.91mmol)を加えた。真空中での濃縮前に、反応物を室温で3日間攪拌した。モノホスフェート中間体の消費をMSによりモニターした。フラッシュクロマトグラフィー(7:2:1−4:2:1 EtOAc:MeOH:H2O)で精製を実施して、生成物92(97mg、0.13mmol、49%)を得た。
LRMS(ESI−)C21H32N4O18P2S(M−H+)の計算値721.08、実測値721.39。
実施例23.6−(2−アジドアセトアミド)−6−デオキシ−GalNAc−UDP93の合成
Baischら、Bioorg.Med.Chem.、1997、5、383により記載された手順に従って、モノホスフェート87をUMPにカップリングさせた。
簡単に言えば、トリブチルアンモニウムウリジン−5’−モノホスフェート(191mg、0.38mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥DMF(3mL)に溶解した。カルボニルジイミダゾール(102mg、0.63mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間攪拌した。次に、乾燥MeOH(16μL)を加え、15分間攪拌して過剰のCDIを除去した。残ったMeOHを高真空下で15分間除去した。続いて、モノホスフェート87(120mg、0.31mmol)を乾燥DMF(3mL)に懸濁して、反応混合物に加え、続いて、N−メチルイミダゾール、HCl塩(195mg、1.25mmol)を加えた。モノホスフェート中間体の消費をMSによりモニターした。反応物を室温で16時間攪拌した。反応物中の全ての成分を溶解するために、1mLのH2Oを加えた。3時間攪拌後、減圧下で溶媒を除去した。イオン交換クロマトグラフィー(Q−HITRAP、3×5mLカラム、1×15mLカラム)で精製を実施した。緩衝液A(10mM NH4HCO3)を添加することによりカラムへの最初の結合を達成し、カラムを緩衝液Aで洗浄した。次に、40%の緩衝液B(250mM NH4HCO3)までの勾配を実施して、生成物を溶離し、100%の緩衝液Bでカラムを洗い流して、残留副生成物を除去した。生成物を含有する画分を凍結乾燥して、所望の生成物93(10mg、0.015mmol、5%)を得た。
LRMS(ESI−)C19H29N7O17P2(M−H+)の計算値688.10、実測値688.10。
実施例24.6−アミノ−6−デオキシ−GalNAc−UDP94の合成
H2O(0.5mL)中、6−アジド−GalNAc−UDP(25mg、0.04mmol)の溶液に、DTT(6mg、0.04mmol)を加え、数滴のEt3Nを加えた。反応物を室温で2時間攪拌し、続いてLCMSを行った。反応のスピードを上げるために、追加のDTT(12mg、0.08mmol)を加え、1時間後に反応が完結し、真空中で濃縮した。イオン交換クロマトグラフィー(Q−HITRAP、1×5mLカラム)で精製を実施した。緩衝液A(10mM NH4HCO3)を添加することによりカラムへの最初の結合を達成し、カラムを緩衝液Aで洗浄した。次に、40%の緩衝液B(250mM NH4HCO3)までの勾配を実施して、生成物を溶離し、100%の緩衝液Bでカラムを洗い流して、残留副生成物を除去した。生成物を含有する画分を凍結乾燥して、所望の生成物94(12mg、0.019mmol、51%)を得た。
LRMS(ESI−)C17H28N4O16P2(M−H+)の計算値605.09、実測値605.11。
実施例25.ブレンツキシマブ−(6−アミノ−6−デオキシ−GalNAc)、95の調製
実施例6に記載されたトラスツズマブのトリミングと同様にブレンツキシマブをトリミングした。
トリミングされたブレンツキシマブ(15mg/mL)を、10mMのMnCl2及び25mMトリス−HCl pH8.0中、6−アミノ−6−デオキシ−GalNAc−UDP94(5mM)及びTnGalNAcT(1.5mg/mL)と共に30℃で一晩インキュベートした。反応混合物のサンプル(2μL)を、全体積10μL中、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH6.6中、ファブリケーター(商標)(1.25U/μL)と共に37℃で1時間インキュベートした。このサンプルの質量スペクトル解析は、生成物ブレンツキシマブ−(6−アミノ−GalNAc)(24307Da(70%)及び24435(30%、C末端リジン変異体))への完全な変換を示した。
実施例26.ブレンツキシマブ−(6−(2−アジドアセトアミド)−6−デオキシ−GalNAc)、96の調製
トリミングされたブレンツキシマブ(15mg/mL)を、10mMのMnCl2及び25mMトリス−HCl pH8.0中、6−(2−アジドアセトアミド)−6−デオキシ−GalNAc93(5mM)及びTnGalNAcT(1.5mg/mL)と共に30℃で一晩インキュベートした。反応混合物のサンプル(2μL)を、全体積10μL中、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH6.6中、ファブリケーター(商標)(1.25U/μL)と共に37℃で1時間インキュベートした。このサンプルの質量スペクトル解析は、生成物ブレンツキシマブ−(6−(2−アジドアセトアミド)−6−デオキシ−GalNAc)(24391Da(70%)及び24518(30%、C末端リジン変異体))への70%の変換を示した。