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JP6961469B2 - 電極構造体、当該電極構造体を備えるセンサー、及び当該電極構造体を備える分析装置 - Google Patents

電極構造体、当該電極構造体を備えるセンサー、及び当該電極構造体を備える分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、センサー又は評価分析装置に用いる電極構造体に関し、特に、液体や気体を対象とするセンサー又は評価分析装置における測定精度の安定・向上のための電極構造体に関する。
センサーや評価分析装置は従来、研究施設のラボや手術室、恒温恒湿のクリーンルームなど屋内の整備された温和な特定環境で使用されてきており、またそのような環境下での使用を前提に設計されていた。
近年、センサーや評価分析装置がマイクロデバイス化され、ITO(インターネット・オン・ツール)の構成機構の一部を占めるようになると、自動車における自動無人運転用の検知装置や、屋外農園における作物の生育状況監視、や水耕栽培工場における水の監視、救急救命医療などにおける事故、災害現場などでの簡易迅速測定や診断など、過酷で変化する環境の屋外に持ち出されることになり、検知装置に降り注ぐ紫外線や腐食性の雨、暴露される腐食性の汚染大気や排出ガス、海水の塩分を含む雰囲気などへの耐性の確保、また、マイナス40℃から80℃近くまでと広範な範囲で刻々と短時間で繰り返される外界でのヒートサイクルによる構成部材の剥離や変形などの構造疲労等、これまでドライ環境での使用を前提に設計されてきたセンサー電極においてまで、ヒートサイクルにより発生する腐食性の結露やガスへの対策などウエットで使用される電極並みの耐性設計付与が必要になるなど、検知装置を取り巻く環境に対する耐候性がその性能の維持、向上に重要な、或いは主要な機能となってきている。
また、センサーや評価分析装置は携帯用としてより小型、軽量化が求められる一方、例えば医療分野において、疾病患者からの検体採取等においては患者の苦痛を緩和し、生体機能を保全するため、より少量で採取される検体への高い検知能力が、一層低コストで求められている。
通常、センサー、評価分析装置等の検知電極の材料としては主に金、白金などの貴金属よりなるものが使用されている。貴金属は、耐食性、導電性に優れ、センシング用の電極として用いる場合、検体や使用環境からの腐食による電気電導性の変化などを起こさないため、安定した精度のよい測定を可能とするものである。
一方、Al、Ti、Ni、Cr等に代表される「弁金属」は、卑金属ではあるがその表層に酸化膜などの薄い基材に由来する不動態層を自然形成することで貴金属のような耐食性を有する金属であり、その不動態層のもたらす電気容量の安定性や、低コスト面から、電子部品の電極等においては、前記貴金属に変えて使用することが極めて有効な場合がある。
しかしながら、センサーや評価分析装置等においては、検体試料を検知・測定系に投入した際に発生する、または発生している「変化」、例えば電流や電圧、電気抵抗値、電気容量などの変化「量」を正確に、高感度に検出する機能が極めて重要であり、特に微小な変化(量)を正しく検出することが必要であることから、検知電極の材料として、表層に電気抵抗の大きい不動態皮膜を伴う「弁金属」を選定しないことが定石であって、前述のように、通常は、耐食性に優れ、電気抵抗も低い貴金属よりなる電極が使用されている。
さらに、センサーや評価分析装置等においては、その検出感度を向上させる目的で、電極の検体試料との接触面積を増大させるための電極の単位表面積の拡張、つまり電極の微細化が行なわれる。例えば、櫛形電極においては、櫛の歯の部分(通常導電性の電極部分)の幅と、櫛歯間の間隔(通常、絶縁性の電極の基板表層が露出する電気絶縁部分)を極力狭くし(微小、高精細化し)、一定面積内に導電部と絶縁部を多数配置して、アノード電極とカソード電極間等、電極間を狭隣接化し、電極に物理的に接触する検体試量物との接触面積を増やし、検知、分析感度を向上させる等の、造形、構造的な工夫による改善、改良が進んでいる。
特開2016−171168号公報 国際公開第2014/163038号 国際公開第2016/056466号
前述のとおり、検知用のセンサーや評価分析装置においては、検体試料を、検知・測定系に投入した際に発生する「変化」、例えば電流や電圧、電気抵抗値、電気容量などの変化「量」を正確に、高感度に検出する機能が極めて重要であり、前記の微小な変化(量)を正しく検出するには検出系を構成する部材、例えば検知電極や検知のために試料をハンドリング、保持する冶具等の不測の変化(ノイズ)を極力排除し、平行して検知自体の限界を向上させる必要がある。
一方、前述のとおり、検知用のセンサーや評価分析装置においては、低コスト化が求められており、貴金属に代えて、前記の卑金属である弁金属を使用することは、低コスト化のための1手法として期待される。
しかしながら、検知用のセンサーや評価分析装置における電極に弁金属を用いることについては、以下のように種々の解決すべき問題がある。
(弁金属表層不動態層へのガスバリア性を含む耐食性の強化)
弁金属(バルブメタル)の一例として、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表層には、アルミニウム酸化物及び/又はアルミニウム水酸化物よりなる不動態層が、チタンやチタン合金の表層には、チタン酸化物よりなる不動態層が、ニッケルやニッケル合金の表層にはニッケル酸化物よりなる不動態層が、クロムやクロム合金の表層、さらには表層でクロム量が多いステンレス鋼合金の表層には、クロム水和オキシ酸化物よりなる不動態層が、それぞれ形成されている。これらの不動態層は、酸素供給源(空気中のO、水中のOやO等)により金属上に自然形成されて保護層となるものであるが、形成される不動態層が1〜数十nmと非常に薄い場合があり、該不動態層のみでは、電極が存在する外部環境からの進入ガスや、検出反応時に発生する各種ガス、例えばバッファー液を構成する水や、環境の温度サイクルから不用意に発生し電極表層に付着する結露水等が電気分解して発生する水素による電極の対水素脆性や、水蒸気や酸素などのガス、腐食性の検体自体、検体が含まれる溶液(溶媒)や腐食性雰囲気等に対する耐食性など耐久性、感度の維持向上は十分でない。
例えば、前記櫛形電極に対して検体の入ったバッファー液等を滴下してセンシングを行う電気化学センサーは、水溶液からなるバッファー液や液中の試料が化学反応し、イオン化するなどして電極に流れる電気(電流)や印加される電圧、電気容量の変化などを測定、検知するもので、前記反応時、試料の水などの溶媒(水など)が電気分解し発生する水素により電極が脆弱化を起こす(水素脆性)場合も有り、水等の溶液によって腐食する場合も有得る。さらには、直径が非常に小さく、金属中に拡散しやすい水素ガスが電極内部に拡散しイオン化すると、測定電流のノイズとなる場合も発生し得る。
(弁金属表層不動態層への保護膜の密着性確保)
また、アルミニウムなどの弁金属で構成される櫛形電極などは、ゴム、樹脂、ガラスエポキシ、ガラス、セラミクス、Si等の半導体表層に形成される絶縁膜など、の絶縁基板(膜、物)の上層に部分的にパターンニング形成される場合が多い。例えば、前記弁金属の耐食性を確保するため、その表層に撥水性材料、撥水撥油材料よりなる皮膜を塗布し、撥水撥油性の樹脂薄膜を形成する方法があるが、弁金属の不動態層表層は反応性や結合性に乏しく、また絶縁基板である樹脂基板等には、結合性の高いカップリング剤よりなる(を含む)撥水撥油性の樹脂薄膜を含めて、定着良く形成することができず、電極の耐侯性の向上もままならないまま、撥水撥油性の樹脂薄膜カップリング剤層が、基板や電極から剥離しコンタミ源(汚染源)となる場合もある。
(不動態層を伴う弁金属の導電性や検知感度の確保)
このように、前記弁金属に自然形成される不動態層は、電極の耐食性には貢献する一方、電気抵抗は大きく、前記不動態層に追加形成される保護層がさらに絶縁性の場合、微弱な電流を感知するセンサー電極等にとっては逆に存在しないほうが良いものとなってくる。
さらに当然、検知電極、検知機器に供する冶具については、前記不可避の感度の向上のため複雑な造形構造で検体試料をハンドリングし電極に接触させるなど複雑な構造に由来するコスト高や加工限界などの問題が生じる。
耐食性を向上させるために、アルミニウム(Al)等に形成される陽極酸化膜(不動態層)を厚くすることが考えられる。また、Al金属への耐食性付与方法として、基材上に陽極酸化皮膜を形成した後、当該陽極酸化皮膜の上にさらに非晶質炭素膜が形成された積層体も開発されている。
しかしながら、陽極酸化膜は絶縁性が高く、一定程度以上に導電性が必要な電極用途には適さない。また、陽極酸化膜の膜厚の制御は極めて困難となる。さらには非晶質炭素膜と密着が悪いなどの改善すべき点もある。
また、特許文献1には、正極缶と電極が導通している電気化学セルにおいて、正極缶の電解液と接する面に導電性の保護膜を形成することにより、電解液に対する耐食性を確保できるとしており、保護膜の一例として、導電性DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜が記載されている。
しかしながら、導電性のDLCを形成するには、B(ホウ素)やAs(砒素)などの毒性や爆発性の高い、危険でさらに高価な原料ガスの使用が必要になるか、或いは、別の方法では、一度絶縁性のDLC膜を形成した後、または形成しながら真空装置内においてDLC皮膜に逆バイアスの正電圧を印加し高エネルギーの乖離電子などをDLC皮膜に向け照射する必要があるなど、装置を含めコストが高くなるなどの課題がある。
さらに、これらの従来技術では、電気化学的な検知を行うため、水などの溶液中で電気を流して使用する電極、さらには使用環境の温度サイクル等から不用意に発生する電極への結露水等において、前記水や、水に含まれる環境からのコンタミ物質などが電気分解して発生(生成)する水素ガスからの電極の保護、ノイズ源化の防止などが検討されていないのが実情である。
本発明は、以上のような現状を鑑みてなされたものであり、電極材料として弁金属を用いたセンサーや評価分析装置において、従来技術における前記の課題を解決して、検出系を構成する部材、例えば検知電極や検知のための試料をハンドリング保持する冶具等の不測の変化(ノイズ)を極力排除し、平行して検知感度自体の限界を維持、向上させることを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく検討した結果、基材と該基材上の少なくとも一部に形成された弁金属よりなる電極を備えた電極構造体において、前記電極上に膜厚が10nmを越え200nm未満の、非晶質炭素膜よりなる保護膜、或いは、珪素又は金属の、酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物又は炭酸窒化物層のいずれか1つ以上を含むドライ薄膜よりなる保護膜を形成することによって、或いは更に、前記非晶質炭素膜よりなる保護膜上又は前記ドライ薄膜よりなる保護膜上に、撥水性及び/または撥水撥油性の薄膜層を設けることにより、従来技術における課題が解決しうることを見いだした。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであって、以下の発明を提供するものである。
[1]基材と、該基材上の少なくとも一部に形成された弁金属よりなる電極と、該電極上に形成された膜厚が10nmを超え200nm未満の保護層を備え、
該保護層が、非晶質炭素膜よりなることを特徴とするセンサー用又は評価分析装置用の電極構造体。
[2]基材と、該基材上の少なくとも一部に形成された弁金属よりなる電極と、該電極上にドライプロセスにより形成された膜厚が10nmを超え200nm未満の保護層を備え、
該保護層が、珪素又は金属の、酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物又は炭酸窒化物層のいずれか1つ以上を含む薄膜よりなることを特徴とするセンサー用又は評価分析装置用の電極構造体。
[3]前記保護層上に、撥水性及び/または撥水撥油性の薄膜層を備えることを特徴とする[1]又は[2]に記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
[4]前記薄膜層が、膜厚50nm未満のフッ素含有カップリング剤よりなる樹脂層であることを特徴とする[3]に記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
[5]前記弁金属は、その表層に不動態層を備えることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
[6]負荷電圧0.39v下における電気抵抗が0.45Ω未満である[1]〜[5]のいずれかに記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
[7]前記電極が形成されていない基材の最表面及び/又は前記電極が形成された部分の最表面に、水及び/または油との表面濡れ性が異なる表面を備えることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
[8]前記保護膜が、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)に適合していることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
[9]前記保護膜は前記基材よりも大きな水素ガス透過防止性を有することを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載のセンサー用又は評価分析用の電極構造体。
[10]前記保護膜の誘電率が50未満であることを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載のセンサー用又は評価分析用の電極構造体。
本発明によれば、弁金属よりなる電極を用いた検知電極、特に、樹脂やガラスなどの密着をとり難い絶縁性の基材上に、厚さ数百nm以下と薄膜で、基板への接着面積も少なく、一方で、表層面積(電極の外周パターン及び外周延長)は反対に大きく形成されることが多い微細な検知電極において、該電極への特に腐食性液中での密着性の確保や、必要な導電性確保等の必要最小限の機能を維持しつつ、耐侯性、耐食性を向上させること、特に検出時に発生する、さらには検出環境に存在する水素、水蒸気又は酸素に対する劣化を防止することができる。
表面の濡れ性制御による液体のパターンニング性を確認するために、純水を噴霧した表面を撮影した写真 比較例についての摩擦摩耗試験の結果を示す図 実施例についての摩擦摩耗試験の結果を示す図
本発明においては、弁金属よりなる電極を用いた検知電極において、特に弁金属電極表層の不動態層との密着性の確保や、弁金属電極表層の不動態層により既に低下している導電性において、検知電極として必要な導電性確保等の必要最小限の機能を維持しつつ、耐侯性、耐食性を向上させること、加えて特に検出時に発生する、さらには検出環境に存在する水素、水蒸気又は酸素に対する劣化防止のために、以下の実施形態が好ましく採用される。
本発明の第一の実施形態は、ドライプロセスにより形成される非晶質炭素よりなる保護膜を、弁金属の不動態層との密着を確保可能であり、かつ、電極の導電性を一定程度以上損なわない厚みである200nm未満にて保護膜として形成するものである。
また、本発明の第二の実施形態は、保護膜を、ドライプロセスにより形成される薄膜で、弁金属の不動態層との付きまわりも良く、かつ、皮膜密度が非常に高く、酸素ガス、水蒸気バリア性等を有する、珪素、チタン、アルミニウム、ジルコニウムなどの金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物、炭酸窒化物のいずれか1つ以上の素材よりなる膜厚200nm未満の膜とするものである。
さらに、本発明の第三の実施形態は、ガスバリア等の耐侯性目的でドライプロセスにより形成される保護膜のピンフォールに水等の電極を腐食させる極性物質を吸着乃至誘導して腐食を起こすことがないように、保護膜の上に、さらに撥水性又は撥水撥油性の皮膜を付与することである、
以下、順に詳しく説明する。
前記の耐侯性、耐食性の確保(向上)のためには、ドライプロセスによる保護膜の形成が有効である。
これは、ウエットプロセスで保護膜を形成する場合は、複雑微細な構造を有する電極に対して、液状保護膜の塗布時に重力や表面張力、塗布対象基材の表層濡れ性の影響を受け易く、検知電極等の微細で複雑な凹凸を伴う部分において重力方向に液状保護膜が流動し、例えば凹部で膜が厚く、凸部頂点で膜が薄いなど、膜厚ムラを発生させ、精度良い薄膜を形成することが困難な場合があるためである。また、カップリング剤などの数十ナノメートルの膜厚のものを除き、液状保護膜を、電気抵抗をばらつかせないように薄く、均一に塗布することが困難な場合があるためである。
さらには、液状保護膜は、一般に形成される皮膜の膜密度が低く、ガスバリア性は殆ど期待できない場合が多い。例えば、ガスバリア性を向上させるウエット皮膜には金属アルコキシドなどを出発原料としたゾル・ゲル法皮膜があるが、高い膜密度やガスバリア性を得るには500℃を超え、1000℃近い塗布後の加熱が必要で、保護対象の電極が酸化、変形破壊される懸念があり、樹脂などを基材にした電極や冶具を使用することが不可能となる。
一方、ドライプロセスによる保護膜、特に硬質保護膜はその高い膜密度に由来するガスバリア性の確保や、重力に影響されにくい薄膜での基材着き回り、均一な膜厚での形成が可能となり有効ではあるが、逆にその高い膜密度がもたらす内部(残留)応力由来の基材密着性低下の問題があり、特に本願の通常基材よりも密着のさらに悪い弁金属電極表層への密着性を確保する対応が必要になる。
従来のドライプロセスによる保護膜は耐磨耗、高摺動、耐焼付け、耐食用途等のものが多く、その膜密度は高く、残留内部応力は強力で、その膜厚は500nm以上、場合によっては3μm程度までの厚膜となる場合が多い。さらに電気伝導性などはほぼ検討されない、或いは重要視されていない。
また、弁金属に前記のような保護膜を形成する場合、その表層の不動態層は密着が悪いため、Arなどの不活性ガスプラズマによるスパッタリング前処理(例えばスパッタリング前処理を5分間以上行うなど)で弁金属の不動態層を十分除去し密着を確保することが当業者の常識となっている。
さらに、弁金属に前記ドライプロセスで形成する内部残留応力の大きな保護膜を形成した場合、その残留応力を受けた(受け止めた)弁金属よりなる電極自体が、弁金属電極が形成されている絶縁基材から応力剥離することも容易である。
例えば、SiやAl、Tiよりなるドライ皮膜の延伸性は1%程度しかなく、延性の大きな金属電極が延伸した場合、その追随性に乏しく、クラックが容易に入り基材からの剥離や、ガス漏れ(外界からのガスの進入)を起こす。
またSiやAl、Tiよりなるドライ皮膜の熱線膨張係数は1桁×10cm・℃程度しかないが、弁金属であるAlは、23×10cm・℃程度、Niで13×10cm・℃程度と1桁大きく、マイナス40℃から80℃近くまでと広範な範囲で刻々と短時間で繰り返される外界でのヒートサイクル、検知する検体試料の滴下に伴う温度変化等により、剥離を起こしやすい状態となる場合が有り得る。
例えば、PC/ABSなどの樹脂基材に公知の無電解Ni−Pめっき(膜厚概ね200nm)、電解銅めっき(膜厚概ね10μm)、電解Niめっき(膜厚概ね3μm)、電解クロムめっき(膜厚概ね100nm)と順番に層状にめっきを行い、ビッカース硬さHv1700程度の非晶質炭素幕膜を、厚さ概ね700nm程度で形成した試料と、めっき膜までは同様に作成し、非晶質炭素膜を厚さ概ね200nmで形成したものを準備し、−30℃で3時間、60℃で3時間の冷熱サイクルを20回行う冷熱衝撃試験(使用冷熱試験機器:TSA−200S−W/タバイエスペック)を行った結果では、厚さ700nmの非晶質炭素膜を形成したものは、前記無電解Ni−Pめっき層の基材からの膨れ(剥離)が確認でき、最上層に厚膜で形成した非晶質炭素膜の内部応力が無電解Ni−Pめっき層自体の基材密着を阻害する様子か観察できる。
非晶質炭素膜は1桁×10cm・℃程度の線膨張係数でありながら延伸性は3%程度と大きく各種硬質膜中では柔軟で、本発明の電極構造体の保護膜としての適正が大きいが、しかし、厚膜で形成すると上記のような剥離の問題が発生し得る。
以上の点を勘案して、本発明の第一の実施形態は、ドライプロセスにより形成される非晶質炭素よりなる保護膜を電極(特に弁金属の不動態層)との密着を確保可能であり、電極の導電性を一定程度以上損なわない厚み200nm未満にて保護膜として形成するものとする。
本発明者はドライプロセスにより形成される非晶質炭素膜は、前記の各種被膜同様、ピンフォールを形成し易いが、油と同様な構成成分で表層が疎水性に近い濡れ性を有し、さらに極性の官能基が極めて少ない極めて不活性な表層を有するため、ピンフォールに水等の電極を腐食させる極性物質を吸着、誘導し難く、腐食を起こし難いことを確認した(実施例参照)。加えて非晶質炭素膜は、水蒸気透過防止性及び酸素透過防止性に加え、水素ガス透過防止性にも優れていることも検証した(実施例参照)。
加えて、センサー等の電極は、その経済性や生産性のため、絶縁性の樹脂基板等、樹脂基材上に形成される場合が多い。例えば酸化ケイ素膜やSiを含むドライ薄膜(例えばSiを含む非晶質炭素膜)は、電極の金属素材(不動態層)等への密着性に優れるが、樹脂基板部分への密着はSiを含まない炭素膜(非晶質炭素膜)の方が、密着性が良い。
よって電極と基材に対して同時に非晶質炭素膜を形成する場合、樹脂基板からの非晶質炭素膜の剥離等のコンタミ源の発生を抑制することが可能となる(実施例参照)。
上述したように、非晶質炭素膜などドライプロセスにて形成される薄膜は一般に膜密度が高いためガスバリア性を持つ代償として、内部残留応力が大きく、弁金属が有する不活性で密着の取り難い不動態層との密着が悪い場合があり、応力剥離の可能性が大きくなる。
このような場合、前記非晶質炭素膜に前記のSi、Ti、Al、Zrなどの各種金属元素を添加し、非晶質炭素膜の皮膜の応力を緩和、基材への密着性を向上させる(特に基材が含む元素と同様な元素を添加する方法)方法や、比較的内部応力の小さい絶縁膜であるSi、Al、Ti、Zr等のシリコンや金属の酸化膜、窒化膜、酸窒化膜、または前記に皮膜に炭素を混ぜたドライ薄膜で代用することが可能となる。
このように、第二の実施形態として、本発明の一実施形態にかかる前記保護膜は、ドライプロセスにより形成される薄膜で、弁金属からなる電極への付きまわりも良く、皮膜密度が高く、酸素ガス、水蒸気バリア性等を有する珪素、チタン、アルミニウム、ジルコニウムなどの金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物、炭酸窒化物のいずれか1つ以上の素材よりなる膜厚200nm未満の保護膜とすることが有効である。
例えば、ドライプロセスにより形成されシリコンの酸化物膜(シリカ膜)、または基材密着向上用の炭素を含むシリコンの酸化物膜などは、太陽電池バックシートや食品包装基材、電子部品の透明硬質ガスバリア保護膜として公知になっている。
しかしながら、ドライプロセスにより形成される、珪素や金属の、酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物、炭酸窒化物、特にガスバリア膜で多用される酸化ケイ素膜や炭素を含む酸化ケイ素膜、酸化チタン膜、Si、Ti、Al、Znとさらに酸素や窒素などの極性の元素を含む非晶質炭素膜などは、その皮膜表層にプラズマにより異常放電で形成されるピンフォールと、極性の官能基、例えばシラノール基、カルボニル基、カルボキシル基などの、極性の官能基を生成し易く、これらを表層に伴うことで、表面の濡れ性が親水性、親水親油方向に移行する。
櫛形電極の配線の幅と間隔は昨今10μm幅よりも狭いものも現れ、電極部分が「上に凸」等の微細な凹凸構造を採る場合、櫛形電極部分が全体として電極が作る凹凸構造に由来する構造撥水性、構造撥油性を不用意に発現する場合があり、電極部分(絶縁部分)に液体試料が十分濡れ広がらない場合がある。つまり、検知電極として機能が不可能な状況になってしまう場合がある。この場合、この第二の実施形態の構造撥水性、構造撥油性を発現する皮膜を形成することで電極、または絶縁部分、または双方を親水性、或いは親水親油性とすることにより、液体試料を十分測定に必要な位置に濡れ広がらせることもできる。このような親水性、親水親油性の櫛形電極は、液滴試料を電極部分に滴下後、該電極、並びに滴下した試料の上にガラスカバーなどを敷設する手間を省くことも可能となる。
一方、この第二の実施形態の構造撥水性、構造撥油性の皮膜は、その表層に極性の官能基を伴うことで、前記ピンフォールに(を通じて)水等の電極を腐食させる極性物質を吸着し、電極表面に至るまでピンフォール中を誘導し易く、電極の腐食を引き起こし易い懸念があるので、長時間の測定等には不向きな面もある。
さらに前記第二の実施形態の珪素や金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物、炭酸窒化物など、極性の官能基をその表層に自然発生(形成)させやすい(ドライプロセスにより形成される皮膜含めて)皮膜を屋外の日光などのUV光や、ヒートサイクルから発生する結露水(特に腐食性や極性成分を含むもの)や検体試料の水中などの酸化雰囲気中に暴露すると、極性の官能基の形成が一層促進され表層が親水性側の表面に移行し易くなる。
例えば、ステンレス鋼板(SUS304 2B基材)上に公知のプラズマCVDプロセスにて各々概ね40nm程度の厚さで、水素と炭素からなる非晶質炭素膜を形成した試料1と、珪素を含む非晶質炭素膜に酸素をプラズマ照射し、極性のシラノール基(Si-OH基)を表層に大量に生成した試料2と、前記試料2の表層に前記シラノール基と脱水縮合反応で皮膜を形成する公知のフッ素含有カップリング剤(フロロテクノロジー社のフロロサーフFG−5010Z130−0.2)よりなる撥水撥油層をスプレー法で概ね20nmの厚さで最表層に追加形成した2日後、IPA(イソプロピルアルコール)を満たした超音波洗浄槽で5分間洗浄した試料3をつくり、試料1、2、3を高温高湿試験用恒温恒湿槽(試験機器:PR−2GP/タバイエスペック)にて温度40℃、湿度93%にて96時間保持した前後で、摩擦磨耗試験(装置:トライボギアHHS−2000新東科学(株)、一定荷重往復測定荷重:50g、圧子:SUJ2 φ2.0mm、50往復摩擦)を行うと、高温高湿槽への投入前後で試料1と試料3は摩擦係数の劣化に大きな差が出ないが、極性のシラノール基(Si−OH基)を表層に大量に生成し親水化した試料2の最大の摩擦係数が、高温高湿槽への投入前の同試料の最大値0.5μ(ミュー)から3倍の1.5μに増大しており、皮膜自体の劣化や基材密着の劣化が確認できる。なお、ステンレス鋼はAlなどに比べ腐食し難い基材であり摩擦係数の劣化から基材の腐食に起因する試料の劣化ではなく、試料自体の高温高湿環境に対する劣化が想定でき、各試料形態での耐久性能の違いが確認できる。
このことから、弁金属の中でも比較的腐食の起こり難い不動態層を伴う基材、特にTi、Ni、Cr、陽極酸化し不動態層を強化したAlなどの弁金属全般に対する試料1、3の形態の保護膜の高温高湿環境に対する有効性が確認できている。
但し、試料3の形態は、本発明に係る保護層に比べ極端に大きな絶縁性を有するフッ素樹脂膜が追加形成されるため導電性の劣化の点では試料2や試料1の形態に比べ劣ることにはなる。
また、前記試料2のような親水性側の濡れ性の皮膜中、例えば皮膜のピンフォール中に水が含まれた後、環境中で当該水が氷結した場合の水の体積膨張による皮膜の劣化は容易に想定が可能である。
そこで、本発明の第三の実施形態は、ガスバリア等の耐侯性目的でドライプロセスにより形成される、珪素や金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物、炭酸窒化物のピンフォールに、水等の電極を腐食させる極性物質を吸着乃至誘導して腐食を起こさないように、保護膜の上に、さらに撥水性又は撥水撥油性の皮膜を付与する形態とするものである。
本発明の一実施形態である、ドライプロセスにより形成された皮膜の表面には、シラノール基、カルボニル基、カルボキシル基などの、極性の官能基が多く生成されるため、脱水縮合反応にて基材に結合するカップリング剤等よりなる撥水性又は撥水撥油性の皮膜が強力に密着しやすい。
なお、通常撥水撥油性皮膜は薄膜のものでもフッ素含有カップリング剤等よりなるフッ素樹脂(層)などに代表され、体積電気抵抗率が、×1015〜20Ω・cmに迫る高い絶縁性であり、絶縁用途に使用されるものが多く、導電性の電極への塗布の適正が無い懸念もあったが、本発明者は、フッ素含有カップリング剤等よりなるフッ素樹脂(層)より成り、少なくとも50nm未満の膜厚の本絶縁皮膜が電気電極用途に使用可能であることを併せて検証した。
前記の、ドライプロセスによる膜厚200nm未満の絶縁性薄膜よりなる耐食性に優れる保護膜と、フッ素含有カップリング剤等よりなるフッ素樹脂(層)より、少なくとも50nm未満の膜厚の複合層を電極の導電性を一定程度以上損なわない厚みで保護膜として形成するものとする。
なお、本発明にかかる検知電極は検体試料である溶液中や、溶液や不用意な結露水等の液体に接して使用されることが予定されるため、皮膜成分が前記液体中に溶出し検知に影響を与えないようにすることが重要である。
よって、前記の本発明の第三の実施形態における保護膜の上の撥水性又は撥水撥油性皮膜形成も抵抗加熱法や真空プラズマ法などのドライプロセスで行うことが好適である。
例えばフッ素含有カップリング剤溶液中にワークをディップして撥水性又は撥水撥油性皮膜形成する場合、フッ素含有カップリング剤溶液の高濃度の未反応残渣が基材やプライマー層である本発明の一実施形態にかかるドライ薄膜の凹凸部分、または、ドライ薄膜のピンフォール中等に進入、厚く偏在し、また、電極の凹凸構造の凹部に重力によって溜まるなどし、検知電極を使用する際に検体試料である溶液中にフッ素含有カップリング剤(成分含む)が溶出や拡散することのないようにすることが、絶縁性でもあるフッ素含有カップリング剤膜の導電性管理と並んで極めて重要である。
本発明にかかる検知電極の検体試料が生体試料や食品、飲料、医薬品などの場合もあり、よって前述のような電極からの溶出物、溶出成分に問題が無いことを確認することも重要である。
例えば、ステンレス鋼板(SUS304 2B基材)上に公知のプラズマCVDプロセスにて各々概ね40nm程度の厚さで、珪素を含む非晶質炭素膜に酸素をプラズマ照射し、極性のシラノール基(Si−OH基)を表層に大量に生成させ、前記シラノール基と脱水縮合反応で皮膜を形成する公知のフッ素含有カップリング剤(フロロテクノロジー社のフロロサーフFG−5010Z130−0.2)よりなる撥水撥油層をスプレー法で概ね20nmの厚さで最表層に追加形成した2日後、IPA(イソプロピルアルコール)を満たした超音波洗浄槽で35分間洗浄した本発明の一実施形態にかかる試料をつくり、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の第3のDの2 100℃以下))器具及び容器包装規格試験(合成樹脂)一般規格溶出試験(一般財団法人日本食品分析センターにて実施)を行い、本発明前記試料が該規格に適合していること(限度内)が確認できている。
本発明のさらに好適な実施形態は、弁金属の表層の不動態層を損なわない製法でドライ薄膜を形成するものである。
弁金属表層の不動態層は、電極表層に電気二重層を形成しにくく、さらに不動態層自体が有する電気容量の安定性が高いので、検知電極による検出の安定性や再現性確保には極めて有利、有意義な存在となる場合が有り得る。
また、前記弁金属表層の不動態層へのドライ薄膜よりなる保護膜も電気二重層を形成しにくいため、電極も安定化に貢献する。
電気二重層は、電極近傍でのイオンの挙動に大きな影響を与えるため、電気化学などの分野では重要な意味を持つ。また、電気二重層容量は電極の腐食、溶解で電極の面粗度が上昇し電極の表面積が大きくなることによって上昇変化するため、電極の耐食性は測定系にとって非常に重要な性能となる。
一方、弁金属表層の不動態層は厚さ1ナノ〜数十ナノと非常に薄い場合もあり、例えば、通常、各種真空プラズマ成膜装置にてドライ薄膜を形成する前にはArなどの不活性ガスやフッ素ガスなどをプラズマ化して成膜対象基材の表層をスパッタリングし、成膜する基材表層の不動態層の除去や、異物のクリーニングを行うが、弁金属表層の不動態層保全のためこのクリーニング行わないものとする、または従来に比べ短時間、低エネルギーな処理とすることができる。
以下、本発明の実施形態にかかる電極構造体を構成する材料等について、順に説明する。
(基材)
基材は、特に限定されず、様々な金属、樹脂、又はガラス、半導体、セラミクス、セルロースまたは各種素材の混合物や複合体、積層体などからなる。なお絶縁物であることが好ましい場合もある。
さらに、基材の表層の粗さは、必要な機能、例えば表面の濡れ性改質等の要求に合わせ適宜研磨や、ブラスト、ラッピング、ピーニングなどの物理処理や電解研磨や薬液エッチィングなどの化学(電気化学)処理、或いはプラズマ処理やUV処理等にて適宜調整されても良い。
(電極)
本発明の電極材料として用いられる弁金属としては、アルミニウム、クロム、チタン、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン、ニッケルなどが例示できる。さらには前記弁金属のいずれか1つ以上を含む各種合金、または複合体とすることもできる。さらに金属結晶の形を採らないアモルファス金属であってもかまわない。
また、電極の加工、形成方法は特に限定されず、公知のフォトリソグラフィー法、めっき法、めっき電鋳法、プレス加工、切削加工、レーザ加工等、様々な方法で行うことができ、特に限定されない。
さらに、電極表層の粗さは、必要な機能、例えば表面の濡れ性改質等の要求に合わせ適宜研磨や、ブラスト、ラッピング、ピーニングなどの物理処理や電解研磨や薬液エッチィングなどの化学(電気化学)処理、或いはプラズマ処理やUV処理等にて適宜調整されても良い。
本発明の電極材料として用いられる弁金属を含む電極は、弁金属が雰囲気中でその表層に自然形成する不動態層を備えるものでも良く、前記弁金属の表層に積極的に不動態層を追加形成したものでも良い。例えば、弁金属を酸素ガスやイオン、ラジカル等が存在する酸素雰囲気中に配置し、前記弁金属の不動態層を強化したり、補修したりしたものでもかまわない。また、水など酸化雰囲気中に配置することもできるし、電解研磨などを行うなど適宜弁金属の表層に不動態層を形成することも可能である。また、弁金属基材に対して窒化処理を行う、アニール処理を行い含有する水素等を排出するなど、弁金属に他の特性を付与する処理を行うことも本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行うことができる。
本発明の電極材料として用いられる弁金属は、例えば前記基板に真空装置などの無酸素雰囲気であるドライプロセス中で形成される前記弁金属材料も含む。例えば真空中(無酸素雰囲気中)でAlターゲットからのスパッタリングで形成されるAl電極など弁金属電極がある。前記のスパッタリングAl電極を前記真空(無酸素)雰囲気中で形成した後、真空をブレイクすることなく(酸素雰囲気に暴露することなく)その表層に本発明にかかるドライプロセスにより保護膜を連続形成することも可能である。但し、本発明にかかるドライプロセスによる保護膜を前記のように真空中(無酸素雰囲気中)で連続形成しても、本願の前記保護膜には微細な基材に至るピンフォールが必ず発生し、該ピンフォールの存在する部分において後に外気にさらされた段階で不動態層が形成されるため本願の弁金属の特徴、特性を有し、本願の対象とすることができる。
本発明にかかる弁金属、並びに弁金属の不動態層は、他の基材の表層に形成されたもの
でも良く、複数の弁金属からなるものでも本発明の趣旨を逸脱しない範囲のものであればかまわない。
(前処理)
本発明にかかるドライプロセスによる薄膜からなる保護層を形成する前に行う、弁金属
基材に対するクリーニングなどの前処理について説明する。
一般的にドライプロセスによる薄膜を基材上に形成する場合のAr等の不活性ガス、その他エッチィングガスによる処理基材表層のスパッタリング(クリーニング)は、ドライプロセスにより基材上に形成する薄膜を、基材の異物を除去し、酸化物や酸化膜に起因するプラズマのチャージアップを未然に防止し、基材温度を(反応温度)を上昇させ基材を活性化し、ドライ薄膜を密着良く基材に形成するため最も重要な工程として常識的に当業者により実施される重要工程である。
しかしながら、本発明にかかる弁金属の表層に形成されている不動態層は非常に薄いため、前記ドライプロセスによるAr等の不活性ガス、その他エッチィングガスによりスパッタリング(クリーニング)を通常どおり行うと前記弁金属の不動態層が除去、消滅、または部分破壊されてしまう場合がある。
例えば、真空プラズマプロセスでは、DC高圧パルス等で十分バイアスのかかったArイオンなどの基材表層から基材内部への注入深さは30nmを超える場合もあり、例えばArプラズマクリーングをArガス圧2Pa以下程度の状態で、3000ボルトを超える印加電圧でArイオンを基材に加速注入しその処理を10分間程度行えば、数nm程度の薄い前記不動態層はきれいに除去されてしまう場合がある。
よってArプラズマクリーングは長くても概ね5分間未満、好適には3分間未満、または、基材に異物等のないきれいな状態の場合は実施しないことが最良の場合もある
(保護層)
本発明にかかるドライ薄膜よりなる保護膜の形成について説明する。
一実施形態として、膜厚200nm未満の非晶質炭素膜よりなる保護層である。保護層の膜厚は厚い場合には保護膜や電極自体に応力剥離や反りなどの変形の恐れがあり、さらには、非晶質炭素膜は本来的に絶縁性の被膜であり電気抵抗が大きくなるなどの理由から、最大の膜厚を200nm未満とすることが好ましく、さらに好適には150nm未満、最適には50nm未満であり、使用条件により適宜選定される。
また、非晶質炭素膜はSi(珪素)、F(フッ素)、B(ホウ素)、S(イオウ)さらには、TiやAlなどの多様な金属など、他の元素が含有されたものでも良い。
または他の実施形態として、膜厚200nm未満の珪素または金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物、炭酸窒化物層のいずれか1つ以上を含むドライ薄膜よりなる保護層となる。
前記ドライ薄膜もプラズマプロセス等で撥水撥油性の元素、例えばフッ素などを添加したものであってもかまわない。
この場合も、保護層の膜厚は厚い場合には保護膜や電極自体に応力剥離や反りなどの変形の恐れがあり、さらには電気抵抗が大きくなるなどの理由から、最大の膜厚を200nm未満とすることが好ましく、さらに好適には150nm未満、最適には50nm未満であり、使用条件により適宜選定される。
但し、本発明のいずれの実施形態においても、本発明にかかるドライ薄膜よりなる保護膜の膜厚は、その厚みが薄い場合、複雑な凹凸構造を伴う本発明にかかる電極や冶具において、凹凸部分や貫通孔の壁面(断面)を構成する面への十分な前記プラズマドライプロセスにより形成される保護膜の着き回り(カバレッジ)が確保できなくなり、着き回りに左右される耐食効果が得難いため最低でも10nmを超える膜厚とすることが望ましい。
さらに、保護層の硬度は特に限定されないが、保護膜の内部応力による剥離や変形を抑制するため、保護層の硬度はビッカース硬さでHv4000未満のものが望ましく、さらに好適にはHv3000未満、さらに好適にはHv2000未満のものが良い。但し、硬度の低い保護層はガスバリア性が欠如し易いため、少なくともHv500以上、好適にはHv1000以上であることが望ましい。
本発明にかかるドライ薄膜よりなる保護膜の誘電率(1MHz)ならびに体積電気抵抗率は主なもので下記のようになる。
非晶質炭素膜の誘電率は8〜12程度、体積電気抵抗率は概ね×104〜14Ω・cmである。
誘電率は電極の電気二重層の形成に影響を与えるため、水溶液の誘電率が概ね50〜80、水の誘電率は80となるため、ドライ薄膜よりなる保護膜の誘電率は50未満であることが望ましく、さらに望ましくは12以下となる。
SiO :誘電率:3.7〜3.9 体積電気抵抗率 ×1018Ω・cm
Al:誘電率:9.5〜10 体積電気抵抗率 ×1014Ω・cm
TiO(ルチル):誘電率:113 体積電気抵抗率 ×1010Ω・cm
Si:誘電率:7.3〜10 体積電気抵抗率 ×1014Ω・cm
AlN:誘電率:8.5〜9 体積電気抵抗率 ×1014Ω・cm
TiC:体積電気抵抗率 ×1012Ω・cm
TiN:体積電気抵抗率 ×1012Ω・cm
SiC:体積電気抵抗率 ×1013Ω・cm
本発明にかかるドライ薄膜よりなる保護膜は、前記各種薄膜の複数の積層膜でも良く、混合膜であっても本発明の趣旨を逸脱しない範囲のものであれば使用することができる。
本発明の一実施形態において、上記の非晶質炭素膜等の保護層は、プラズマCVD法、プラズマPVD法、大気圧プラズマ法、スパッタリング法、真空蒸着法等の様々なドライプロセスにより形成されるが特に限定されない。
なお、非晶質炭素膜は非晶質炭素膜を形成した後、その表面に酸素によるドライエッチィングを行うことでその面粗さを粗く、尖った形状に適宜調整することができ、抗菌性を付与することで液体試料中の菌体等の増殖を検知中に抑制することも可能となり得る
(上記特許文献3参照)。
本発明にかかるドライ薄膜よりなる保護膜を矩形の平板状のワークに電界を形成し、電界を利用した真空プラズマプロセスで形成すると前記矩形平板ワークの周辺部分の辺(端)から概ね10〜20mm程度幅の内部までの「額縁状の面」にプラズマのアーキング等によるピンフォールが集中して形成されることを下記のように検証している。
例えば平面視矩形のアルミニウム合金基材(A5052)(100mm×100mm、厚さ1mm)を準備し洗浄後、アルミニウム合金基材を該基材に電圧を印加し、該基材の周囲に電界を形成することで該基材にドライ薄膜を形成可能な、高圧DCμパルスプラズマCVD装置にセットし、当該CVD装置を1×10−3Paまで真空排気を行った。その後、CVD装置に流量30SCCM、ガス圧1.5PaのAr(アルゴン)ガスを導入し、−3kVpの印加電圧によって基材表面を10分間プラズマクリーニングした。続いて、CVD装置からArガスを排気した後、流量30SCCM、ガス圧1.5PaのアセチレンガスをCVD装置に導入し、−4.5kVpの電圧を印加して、基材表面に厚さ概ね1μmの非晶質炭素膜を形成した。この表面に非晶質炭素膜が形成されたアルミニウム合金基材を作成した。
続いて該非晶質炭素膜が形成されたアルミニウム合金基材に塩水噴霧による腐食劣化加速試験を行った。株式会社東洋精機製作所製の塩水噴霧試験機S−800を用い、JISZ2371に準拠して塩水噴霧は24時間行った後、該基材各試料を試験機から取り出して純水で洗浄し、乾燥させた。この乾燥後の該基材をCCDカメラで撮影した結果、前記塩水噴霧試験後の非晶質炭素膜が形成されたアルミニウム合金基材の周辺部分の辺(端)から概ね10〜20mm程度幅の内部の面に腐食部分が集中しており、前記腐食はプラズマのアーキングによる、前記基材の周辺部分の辺(端)から概ね10〜20mm程度の内部の面に発生したピンフォールに起因する腐食と推定できる。
以上のことから、本発明にかかるドライ薄膜よりなる保護膜を電極基材に形成する際、該電極基材を一旦該基材より全周囲が20〜50mm以上大きい導電性の他の基板上(仮基板等)に前記電極基材を配置し、前記仮基板に電界を形成し、電界を利用した真空プラズマプロセスで保護膜を形成すると、前記仮基板の周辺部分の辺(端)から概ね10〜20mm程度の内部の面にプラズマのアーキングによるピンフォールが集中して形成され、前記範囲よりさらに内側に配置した電極についてはピンフォール発生の少ない、または電極の表層にピンフォールの少ない、または電極の表層にピンフォールの偏在の少ない本発明にかかる絶縁性のドライ薄膜よりなる保護膜を形成した電極を形成することが可能となり得る。
(撥水膜、撥水撥油膜)
本発明の一実施形態において、フッ素含有カップリング剤膜は、フッ素含有カップリング剤からなる薄膜である。本発明の一実施形態におけるフッ素含有カップリング剤膜は、フッ素を含有するカップリング剤を前記ドライプロセスよりなる保護層に塗布することにより形成されるが塗布方法は特に限定されないが、抵抗加熱法や真空プラズマ法などのドライプロセスで行うことが好適である。
撥水撥油層はフッ素を含む絶縁性の被膜であり電気抵抗が大きくなるなどの理由から最大の膜厚を50nm未満することが好ましく、さらに好適には30nm満、最適には20nm未満であり、使用条件により適宜選定される。
なお、フッ素樹脂の誘電率は4.0〜8.0、体積電気抵抗率は×1018〜22Ω・cmと非常に大きな電気抵抗値を有する。
フッ素含有カップリング剤は、その分子構造内にフッ素の置換基を有するカップリング剤であり、撥水・撥油機能を奏する。フッ素含有カップリング剤膜として使用可能なフッ素含有カップリング剤には、以下のものが含まれる。
(i) CF(CFCHCHSi(OCH
(ii) CF(CFCHCHSiCHCl
(iii) CF(CFCHCHSiCH(OCH
(iv) (CHSiOSOCF
(v) CFCON(CH)SiCH
(vi) CFCHCHSi(OCH
(vii) CFCHSiCl
(Viii) CF(CFCHCHSiCl
(ix) CF(CFCHCHSi(OCH
(x) CF(CFCHCHSiCl
これらのフッ素カップリング剤はあくまで一例であり、本発明に適用可能なフッ素含有カップリング剤はこれらの例に限定されるものではない。フッ素を含有するカップリング剤として、例えば、フロロテクノロジー社のフロロサーフFG−5010Z130−0.2の溶液(フッ素樹脂0.02〜0.2%、フッ素系溶剤99.8%〜99.98%)を用いることができる。
本発明の他の実施形態においては、フッ素を含有しないカップリング剤を基材に塗布した後に、当該塗布されたカップリング剤の薄膜にフッ素が導入される。フッ素含有カップリング剤は、基材上に直接形成してもよく、基材上に形成されたフッ素を含有しないカップリング剤のさらに上層に形成してもよい。
本発明に適用し得るカップリング剤には、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、及びジルコネート系カップリング剤が含まれる。これらのカップリング剤は、他の種類のカップリング剤と混合して用いることもできる。
シランカップリング剤は、例示するまでもなく広く普及している。本発明の実施形態においては、市販されている様々なシランカップリング剤を用いることができる。本発明に適用可能なシランカップリング剤の一例は、デシルトリメトキシシラン(商品名「KBM−3103」信越化学工業(株))等である。
撥水撥油層を構成する本発明に適用可能なチタネート系カップリング剤には、テトラメトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラ(2、2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、及びイソプロピルトリクミルフェニルチタネートが含まれる。商品名「プレンアクト38S」(味の素ファインテクノ株式会社)が市販されている。
撥水撥油層を構成する本発明に適用可能なアルミネート系カップリング剤には、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムジイソプロピレートモノセカンダリーブチレート、アルミニウムセカンダリーブチレート、アルミニウムエチレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、及びアルミニウムモノイソプロポキシモノオレキシエチルアセトアセテートが含まれる。商品名「プレンアクトAL−M」(アルキルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、味の素ファインテクノ(株)製)が市販されている。
撥水撥油層を構成する本発明に適用可能なジルコニア系カップリング剤には、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリメタクリルジルコネイト、テトラ(2、2ジアリロキシメチル)ブチル、ジ(ジトリデシル)ホスフェイトジルコネイト、及びシクロ[ジネオペンチル(ジアリル)]ピロホスフェイトジネオペンチル(ジアリル)ジルコネイトが含まれる。商品名「ケンリアクトNZ01」(ケンリッチ社)が市販されている。
次に、前記の耐侯性、耐食性を向上させるために犠牲になる電極の検知感度、その他を補う方法などについて説明する。
(表面改質)
本発明の一実施形態に用いる非晶質炭素膜は、本来的に絶縁性であるため、非晶質炭素膜を電極の表層に形成すると導電性が低下し、電気的な感度が低下する場合があるが、非晶質炭素膜に非晶質炭素膜が蒸散しない程度のレーザ光、電子ビーム等の電磁波を照射すると照射部分において残存部分を電気導電体に改質できることが公知になっている(上記特許文献2参照)。
よって、本発明の一実施形態の電極上に形成された非晶質炭素膜において、導電性が必要な部分に、レーザ光を全面照射、またはパターニング照射して、レーザ照射部分のみを導電性とすることによって、1面の非晶質炭素膜を、全面、または部分的に電気導電性部分に改質するができる。また、非晶質炭素膜の本来の絶縁部分とレーザ照射して形成した導電部分とでパターンニングされた炭素材料からなる電極も形成可能となる。
当該レーザ光を照射した部分は、レーザ光照射の酸素アシストガスや熱による酸化などから極性の官能基が生成し、親水性を示す。また、面粗度が荒くなることから濡れ性が向上し、当該部分に液状の試料を集め、濡れ広がらせることができるため、本実施形態も、導電性に劣る弁金属上に非晶質炭素からなる保護膜を有する電極の電気導電性や感度や腐食への安定性を向上させるために有効である。
さらに前記非晶質炭素膜にレーザ光等の電磁波を照射して改質形成した導電体(導電性の炭素)は、イオンマイグレーション、ガルバニ腐食などを起こしにくいため、電極機能の劣化、変質を抑制し得る。
前記本発明の一実施形態の電極上に形成された非晶質炭素膜において、レーザ光等を照射して導電性とする構造体は、3D立体部品(電極)等の非平面表面にもレーザ光等を照射して任意のレーザスキャニング部分を導電体に改質可能なため、検査分析に必要な3D形状の電極が簡単に作成できることになる。
また、レーザ光は公知の金属加工用のYAGレーザなどが使用でき、特に限定されないが、例えば波長340nm付近のUV光、パルス周波数10kHzで照射を使ったUV−YAGパルスレーザなども使用可能である。
(電極や検査冶具の表面濡れ性制御、特にパターニング部分濡れ性制御の活用)
また、本発明の第二の実施形態の、珪素又は金属の、酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物又は炭酸窒化物層のいずれか1つ以上を含むドライ薄膜に、酸素や窒素のプラズマを照射することで、大量に極性の官能基を表層に形成し、強く安定的な親水性(親水親油性)の表層も簡単に同一のプラズマ装置(プロセスで)形成することが可能となる。
なお、前記の表面の親水性や濡れ性を向上させる効果は、前記本発明の第三の実施形態の珪素又は金属の、酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物、炭酸窒化物のいずれか1つ以上を含むドライ薄膜にさらに撥水性又は撥水撥油性の皮膜を付与する場合にも得ることができる。
さらに電極に限らず、検知機器に供する冶具の表面に、撥水性、撥水撥油性、親水性、親水親油の皮膜等を適宜形成することで、検知機器に供する冶具の表面の濡れ性制御(表面自由エネルギーの制御)を行うことができる。
(パターニング電極や検知機器に供する冶具)
この場合の一実施形態においては、絶縁部分(例えば絶縁性の電極基板上に)に、電極を構成する導電部分がパターニングされたもの(櫛形電極など)の場合、前記、絶縁基板部分を除く、電極部分の表層部分のみ、絶縁部分に比べ強い撥水性、撥水撥油性とすること、または、前記絶縁部分を電極部分よりも強い親水性、親水親油性とすることもできる。
このように、電極部分と絶縁部分の表面濡れ性を全部、または必要な部分において変えることで、液体試料の配置を適宜濡れ性の強い部分に誘導し、液体試料が電極の表層を占めること(接触すること)による腐食の加速を防止すると伴に、検体の液体試料が電極と電極の間(絶縁基板)上に収集配置され、少ない量の液体試料の付与で隈なく電極や冶具の必要部分(通電部分等)に試料を誘導し、また、必要に応じて濡れ性改質を行った所望の形状で液体試料を配置することが容易となり、貴金属電極等他の全ての電極でも共通で有効ではあるが、特に本発明にかかる弁金属などの不動態を伴い電気への感度の劣る電極の感度補完、感度向上、耐食性付与に好適である。
またこの場合、電極を、本発明にかかる金属層(弁金属層)とドライ薄膜からなる積層構造体とすることで、電極と絶縁性のドライ薄膜を交互に「地層」のように幾重にも積層形成し、検体試料と電極接触面を前記地層のような積層体の厚み方向の露出断面とすることにより、前記露出断面部分に於いて絶縁性のドライ薄膜(厚み)部分を挟んで幾重にも層状に露出する電極(の厚み)を1本の電極線幅とし、前記電極が1本、または複数、多数の極細線で露出した電極を容易に、また安価に形成できる。
この積層電極構造を採ることで電極の平面視の面積を広げないで電極の試料への絶対接触面積を確保することも可能となることから、貴金属電極等他の全ての電極においても有効ではあるが、特に本発明にかかる弁金属などの不動態を伴い電気への感度の劣る電極の感度補完、感度向上に好適である。また本発明の一実施形態において、前記のように形成した積層構造断面部分の濡れ性を他の部分に対して良く設計し、または他の部分の濡れ性を悪く設計することで、当該断面からなる積層電極部分に液体試料を誘導し、効率良く充填することが容易になる。
櫛形電極の配線の幅と間隔は昨今10μm幅よりも狭いものも現れ、電極部分が「上に凸」の構造を採る場合、櫛形電極部分が全体として電極が作る凹凸構造に由来する構造撥水性、構造撥油性を発現する場合があり、電極部分(絶縁部分)に液体試料が十分濡れ広がらない場合がある。この場合、電極またはドライ膜部分、または双方を親水性、或いは親水親油性とすることにより、液体試料を十分測定に必要な位置に濡れ広がらせることもできる。
(一面電極や検知機器に供する冶具)
本発明の一実施形態にかかるドライプロセスにより形成される、珪素や金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物、炭酸窒化物にさらに撥水性、撥水撥油性の皮膜(以下撥水膜、または撥水層という場合もある)を単一の面からなる電極に付与する場合、撥水部分、または撥水撥油性部分で取り囲んだ該電極面上の例えば中央部分に前記撥水部分、または撥水撥油性部分に比べ、親水性表面、或いは親水親油性表面等を含むさらに濡れ性の良い部分を形成、付与する形態とすることができる。
この場合、液体試料を同一電極上の濡れ性の高い部分に所望の形状や配置で集め、また液体試料が水滴状にならないよう電極の表層にもれなく濡れ広げることが可能となり、貴金属電極等他の全ての電極でも有効ではあるが、特に本発明にかかる弁金属などの不動態を伴い電気への感度の劣る電極の感度補完、感度向上に好適である。
通常、液体試料など流動性を伴う試料に対して検知、計測、分析、解析等を行う場合、凹形状や、すり鉢状とした基材の中に液体試料を保持して行うことが多い。この場合、例えば、凹部を構成する部分の壁面に毛管圧力等にて液体試料が濡れ上がると凹部底部において、試料が偏在したり、不足したり、凹部に保持収納した液体試料が凹部壁面部分で壁面に濡れ上がり、凹部保持収納部分内において液面が「下に凸」(凹形の)の局面を形成してしまう場合がある。
このような事態を回避するため、例えば、液体試料を保持する凹部分の壁面部分を撥水性や撥水撥油性の壁面とすること、または凹部壁面に比べ、底部の液体試料濡れ性を高くすること(例えば親水性や親水親油性の表面とする)などの対応方法がある。
さらには、仕切りのない平面基材上に、液体試料が良く濡れる部分を所望の形状にて形成し、さらには該部分の回りを液体試料の濡れ難い部分(弾く部分)とすること、つまり、液体試料に接する電極や冶具面に大して、液体試料に対する濡れ性の異なる部分を部分形成することにより、液体試料の流失防止や保持を目的とした仕切りを無くし、液体試料の凹部壁面への濡れ上がりなどの不具合を解決することができる。
この部分的に濡れ性の異なる部分の作成においては、撥水性や撥水撥油性の部分と親水性や親水親油性部分とでなることが理想ではあるが、部分的に濡れ性の異なる部分間の接触角の差が油の場合で概ね20°以上、水の場合では概ね40°以上とすることで、液体が異なる濡れ性の面に進出する際に現れる「濡れのピン止め効果」「濡れのヒステリシス効果」を利用し液体試料の流動、流出を制御することができる。
前記のように同一面上に部分的に濡れ性の異なる部分の作成においては、撥水性や撥水撥油性の部分と親水性や親水親油性部分と、未処理の基材自体(基材本来)の濡れ性の部分とを細かく区切ってあることで表層に接する液体の流動性(洗浄性や保持性)を制御することが可能となり得る。
該構造を検知電極や検知用の冶具の表面に採用することで、検体である液体試料を測定後、速やかにまた完全に廃棄し、電極への残留を抑制し、次なる試料の同一電極や冶具での再測定が可能、容易となり得る。
(保護膜表層のゼータ電位の活用)
様々な検体のうち、タンパク質などの生体分子を主成分とするもの、例えば細菌や毛髪は、pH7付近の中性条件下で、その表面のカルボキシル基やリン酸基などが解離し負に帯電しているので、弱酸性領域に等電点を有することが通常であるため、例えばステンレス鋼始めとする金属など、アルカリ性領域に等電点を有し中性条件下で正に帯電する基材(検知用の電極や検知用の冶具等)に吸着されやすい。また、微生物細胞も、pH7近傍の中性条件で通常正に帯電している金属電極や冶具表面に吸着(付着)しやすい状態になっている。
このように、基材である電極や冶具が中性条件下に存在する場合には、基材(例えば検知用の電極や検知用の冶具等)が金属である場合は殆ど正に帯電する一方、タンパク質などの生体分子を主成分とする物質は負に帯電するので、この物質が電極や冶具などの基材に電気的に吸着されてしまうことになる。
本発明の実施形態においては、検知用の電極や検知用の冶具等の表層に形成する非晶質炭素膜等の保護膜の等電点を調整すること、或いは、生体分子を含む液体試料のpHを調整することで、検知用の電極や検知用の冶具等とタンパク質等生体分子を主成分とする検体の極性の違いを利用し、生体分子よりなる検体を検知用の電極や検知用の冶具等の表層に吸着させたり、逆に反発させ引き離したりすることが可能となる。
ここで、タンパク質とは、任意のサイズ、構造及び機能を有するタンパク質、ポリペプチド及びオリゴペプチドを含み、例えば、各種タンパク質、酵素、抗原、抗体、レクチン又は細胞膜レセプター等を挙げることができる。
本発明の一実施形態においては、非晶質炭素膜に酸素プラズマや窒素プラズマを照射することにより、非晶質炭素膜の表層に、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)等の官能基を形成することができる。これらの官能基のHイオンがアルカリ液中に存在する水酸化物イオン(OH)に奪われると,非晶質炭素膜の表層に負にイオン化した−COO基や−O基が生成されるので、非晶質炭素膜の表層を負に帯電させることができる。
このように、非晶質炭素膜の表層にカルボキシル基(−COOH)や水酸基(−OH)を形成することにより、非晶質炭素膜をさらに負に帯電させて、負に帯電したタンパク質などの生体分子を主成分とする検体の付着を抑制することができる。
また、一実施形態におけるSiを含む非晶質炭素膜にさらに酸素プラズマを照射した構造体、またSiO(石英,等電点はpH2.5前後程度)は,Siを含まない水素と炭素からなる非晶質炭素膜の等電点や、PET(等電点がpH4程度,pH8〜9付近で最低ゼータ電位が−70mV程度)等の樹脂の等電点よりもさらに酸性領域側に等電点を有する(例えば、pH4未満の等電点を有する)から,より酸性側に広い領域で付着防止対象物質の付着を防止することが可能となる。
水素と炭素から構成される非晶質炭素膜を形成したものの等電点はpH3.8付近に確認することができる。よって検体がマイナスに帯電しているものの場合、pHを3.8未満の酸性にすれば電極に形成したマイナスのゼータ電位を持つ水素と炭素から構成される非晶質炭素膜から(マイナスに帯電している検体は)反発し、pHを3.8を超える領域にすれば、プラスのゼータ電位を持つ水素と炭素から構成される非晶質炭素膜に(マイナスに帯電している検体は)吸着し易くなる。
このように電極に検体を付着させたり、反発させ引き離したりすることが可能となり得る。
一方、水素と炭素から構成される非晶質炭素膜にSiとOを付加したものの等電点 はpH2.5よりも更に酸性側にあることが確認できる。
水素と炭素から構成される非晶質炭素膜のゼータ電位は概ね、pH4:−5mV,pH5:−50mV、pH6:−80mV、pH7:−95mV、pH8:−105mVである。
また水素と炭素から構成される非晶質炭素膜にSiとOを付加したものゼータ電位は概ね、pH4:−50mV、pH5:−85mV、pH6:−98mV、pH7:−100mV、pH8:−105mVである。このように,非晶質炭素膜を例えばSiと酸素を含有させた非晶質炭素膜等に改質することで,その等電点が酸性側にシフトすることが確認できた。さらには同一pHの環境にて、より大きなマイナスのゼータ電位が得られることができる。
以上のように、電極の表層に形成する保護膜のゼータ電位を正しく理解、調整することにより、検知用のセンサーや評価、分析、解析装置において、検出系を構成する部材、例えば検知電極や検知のために試料をハンドリング、保持する冶具等の不測の変化(検体である生体分子等の検知電極への不測の吸着や反発等のノイズ)を把握、または極力排除し、平行して検知自体の限界を向上させ得る。
以下、本発明の様々な実施形態に係る実施例を説明するが、以下の実施例は、例示であり、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。
《腐食雰囲気における導電性についての検証》
アルミニウム箔(サイズ100mm×100mm)の基材(以下、単に「アルミ箔基材」ということもある)を必要枚数準備し、以下の、比較例1及び実施例1〜3により4種のサンプルを作成した。
(比較例1)
まず無処理のアルミ箔基材を比較例1のサンプルとした。
(実施例1)
準備したアルミ箔基材の表面に、公知の方法でSiを含有する非晶質炭素膜を20nmの厚さで、以下のようにして形成した。
まず、準備したアルミ箔基材を高圧パルスプラズマCVD装置に投入し、CVD装置の反応容器を1×10−3Paまで真空減圧した。通常は最初にアルゴンガスを導入し、アルゴンガスプラズマにより基材をクリーニングするが、不動態層を保全するためクリーニング工程を省略した。次に当該CVD装置に、流量30SCCM、ガス圧2Paでトリメチルシランガスを導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件でプラズマを形成し、アルミ箔基材上にSiを含有する非晶質炭素膜を概ね20nmの厚みで形成した。得られたものを実施例1のサンプルとした。
(実施例2)
実施例1の方法で作成したSiを含む非晶質炭素膜が形成されたアルミ箔基材の表面(非晶質炭素膜が形成された面)に、フッ素含有シランカップリング剤(フロロテクノロジー社のフロロサーフFG−5010Z130−0.2)を旭化成株式会社製のベンコット(製品名)を用いて塗布した。2日後、IPA(イソプロピルアルコール)を満たした超音波洗浄槽で1分間洗浄した後、得られたものを実施例2のサンプルとした。
(実施例3)
準備したアルミ箔基材の表面に、以下のようにして、非晶質炭素膜を20nmの厚さで形成した。
まず、準備したアルミ箔基材を高圧パルスプラズマCVD装置に投入し、CVD装置の反応容器を1×10−3Paまで真空減圧した。通常は最初にアルゴンガスを導入し、アルゴンガスプラズマにより基材をクリーニングするが、不動態層を保全するためクリーニング工程を省略した。次に当該CVD装置に、流量30SCCM、ガス圧2Paでアセチレンガスを導入し、印加電圧−4kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件でプラズマを形成し、アルミ箔基材上に非晶質炭素膜を概ね20nmの厚みで形成した。得られたものを実施例3のサンプルとした。
(各サンプルの腐食)
JISZ2371に準拠したキャス試験の条件で各サンプルを腐食させた。
キャス試験は、サンプルの腐食(さび)具合を調べるための環境試験であり、試験に使用する液は、酢酸を用いて酸性(pH3.1〜3.3)にし、さらに塩化銅を加えた塩化ナトリウム水溶液であり、同様の試験である中性の食塩水を用いた試験に比べ、腐食促進試験として効果的で、短い試験時間で評価することができる。
具体的には、
○キャス試験機
CAP−90 スガ試験機株式会社
○JISZ2371(キャス試験)準拠
・試験液:塩化ナトリウム 50±5g/L、塩化銅(II) 0.205±0.015g/L、pH=3.1〜3.3(酢酸酸性)
・噴霧室内温度:50±2℃
・噴霧量:1.5±0.5mL/h(80cm
○噴霧:噴霧塔方式(噴霧室中央に噴霧塔があります)
○試験槽の大きさ:奥行60cm×幅86cm×高さ22cm
○試験時間:6時間
(電気抵抗の測定)
6時間キャス試験の状態で各サンプルの腐食を保持加速させた後、公知の4端子測定法にて負荷電圧は概ね0.39v付近で電気抵抗を測定した。抵抗測定器はAgilent社製34420Aを使用した。
結果を、表1に示す。
Figure 0006961469
各サンプルの基材であるアルミニウム箔の電気抵抗は0.0000982Ωである。また、キャス試験投入前の各実施例の電気抵抗は実施例1が0.01344Ω、実施例2が0.03554Ω、実施例3が0.012262Ωであった。
まずこのことから、保護膜をアルミ箔基材に形成してある各実施例のサンプルの電気抵抗(Ω)は×10−2(−2剰代)であり、電極として使用可能なレベルであることが確認できる。
キャス試験投入後はいずれの実施例も、比較例に比べキャス試験投入前後の抵抗の上昇が低く抑制されており、アルミ箔が腐食から守られていることでアルミニウムの腐食膜による電気抵抗の上昇が極端に低く抑えられていることがわかる。また、各実施例における抵抗の増加率の有意差も確認でき、本キャス試験における腐食の防止効果の差として理解できる。
検証の結果、比較例のサンプル(無処理のアルミ箔)の電気抵抗は3桁上昇し、保護膜を形成した各実施例のサンプルの電気抵抗値よりも逆に大きくなった。
また各実施例のサンプルは、皮膜剥離も発生せず、さらに電極として使用可能な×10−2(−2剰代)の低い導電性の電気抵抗を維持しており、中でも保護膜の表層に、さらに薄膜フッ素樹脂層を形成した実施例2は電気抵抗の上昇率が最も低く、安定性(耐食保護性能)を発揮したことが確認できた。
前記腐食試験前の、実施例1のサンプル及び実施例3のサンプルの皮膜について、その表面電気抵抗率の測定を、2重リング法(定電圧電流測定法)による面抵抗の測定で行った。
測定装置は、Agilent Technologies社製ハイレジスタンスメータ 4339B、Agilent Technologies社製レジスティビティ・セル16008B
主電極サイズ26mmφ、対電極内径38mmφ、カード電極110mm×110mm
荷重1kgfの条件である。
また、測定環境は、温度:23±1℃、湿度:50%±5%、電磁気計測室(シールドルーム)内にて測定を行っている。
試験電圧10Vでの表面抵抗率の測定結果は、実施例3のサンプルが2.9×10Ω/□、実施例1のサンプルが1.6×1012Ω/□となり、実施例3のSiを含まない非晶質炭素膜に比べ、実施例1のSiを含む非晶質炭素膜の方が、表面抵抗率が極端に大きいことが確認された。
《櫛形電極における応力剥離の状況の確認》
弁金属よりなる微細幅、間隔で配置される櫛形電極は、表面積に比べ、面積当りの周囲の辺部延長が長く、細かな浮き島状態のため基材密着が取りにくい電極である。
このような電極に対してドライプロセスにて形成する薄膜を形成した場合の応力剥離の状況を、以下のようにして確認した。
100mm×100mm矩形で、厚さ1mmのソーダライムガラス基板を準備した。
超音波洗浄を行った後、公知のフォトリソグラフィー法にて幅30μm、隣接する対抗電極なでのスペースが30μmの微細な櫛形電極をレジストで描画形成し「型」とした。
続いて、SRDS−7000T型汎用小型成膜装置(サンユー電子製)を用いてアルミニウム薄膜をスパッタリング形成した。このスパッタリングは、スパッタリングガスとして流量100sccm、圧力3PaのArガスを用い、初期真空度が10−3Pa、DCが400W、TS距離が100mm、OFSが55mm、試料台回転速度が10rpmの条件において5分間行った。ガラス基板上には概ね厚さ100nmのアルミニウム薄膜を形成し、その後エッチィングでレジストを除去し、アルミニウムよりなる櫛形電極を形成した。
Alターゲットは、株式会社高純度化学研究所製、Al 4N 4“φ×5t 純度99.99%を使用した。
次に、実施例1と同様にして、以下のとおり、ドライ保護膜を形成した。
まず予め、スパッタリング法にて、Al(アルミニウム)電極を形成したガラス基板全体に、公知のプラズマCVD法でSiを含有する非晶質炭素膜を200nmの厚さで形成した。
Siを含む非晶質炭素膜の形成は以下のようにして行った。まず、準備したガラス基材を高圧パルスプラズマCVD装置に投入し、CVD装置の反応容器を1x10−3Paまで真空減圧した。通常は最初にアルゴンガスを導入し、通常はここでアルゴンガスプラズマにより基材をクリーニングするが、不動態層を保全するためクリーニング工程を省略した。次に当該CVD装置に、流量30SCCM、ガス圧2Paでトリメチルシランガスを導入し、印加電圧−5kV、パルス周波数10kHz、パルス幅10μsの条件でプラズマし、Al(アルミニウム)電極上にSiを含有する非晶質炭素膜を概ね200nmの厚みで形成した。
上記処理後1週間経過した後、Siを含有する非晶質炭素膜を概ね200nmの厚みで形成されたAl電極の状況を観察したが、Al電極と基材間、Al電極とSiを含有する非晶質炭素膜間で応力剥離等が発生していないことが確認できた。
さらに、作成したSiを含む非晶質炭素膜が形成されたAl電極の表面(非晶質炭素膜が形成された面)に、フッ素含有シランカップリング剤(フロロテクノロジー社のフロロサーフFG−5010Z130−0.2)をスプレー塗布し、処理後1週間経過した後、Al電極の状況を観察したが、Al電極と基材間、Al電極とSiを含有する非晶質炭素膜間で応力剥離等が発生していないことが確認できた。
フッ素含有シランカップリング剤は表面張力が低く、剥離の隙間に這いいりこみ皮膜の浮きを助長し易いが問題が発生しないレベルの密着が取れていることが確認できた。
《バリア性の確認》
次に、実施例3と同様の方法で、東レ株式会社のPETフィルム(ルミラーT60(t=25μm)上に非晶質炭素膜を概ね35nmの厚みで形成し、水素、水蒸気、酸素バリア性を確認した。
なお測定は、GTRテック製GTR−10XFKS、JIS−K7176−2ガスクログラム法(25℃DRY)にて実施した。
その結果、無処理のPETフィルム ルミラーT60(t=25μm)自体のガス透過率は、
・水素透過率:2599ml/(m・24h/atm)
・水蒸気透過率:64.0g/(m・2day)
・酸素透過率:79.0cc/(m・day/atm)
であったが、非晶質炭素膜形成後は、
・水素透過率:73.5ml/(m・24h/atm) 概ね93%のガス透過防止性
・水蒸気透過率:2.0g/(m・2day)
・酸素透過率:9.0cc/(m・day/atm)
と非常に高いガスバリア性が確認された。
例えば、AlやSiの皮膜についてもその膜密度などに由来する実施例3と同等以上の高い水蒸気、酸素バリア性を有しており、実施例3と同様に水素バリア性が
あることが推定できる。
《表面の濡れ性制御による液体のパターンニング性》
表面の濡れ性制御による液体のパターンニング性について確認した。
まずPETフィルム ルミラーT60(t=100μm)幅600mm長さ600mmの矩形のシートに、全面親水性の表面処理を行った。
このPETフィルムをCVD装置にセットし、当該CVD装置を1×10−3Paまで
真空排気を行った。その後、CVD装置に流量30SCCM、ガス圧2Paのアルゴンガスを導入し、−3kVpの印加電圧によって基材表面を2分間プラズマクリーニングした。続いて、CVD装置からアルゴンガスを排気した後、流量30SCCM、ガス圧1PaのトリメチルシランガスをCVD装置に導入し、−3kVpの電圧を印加して、基材表面に厚さ30nmのSiを含有する非晶質炭素膜を形成した。
その後CVD装置からトリメチルシランガスを排気した後、流量30SCCM、ガス圧1Paの酸素ガスをCVD装置に導入し、−3kVpの電圧を印加して、1分間基材表面に酸素プラズマを照射して親水親油性表面を形成した。
続いて、プラズマプロセスにおけるマスキング(パターンニング)に使用可能で、かつ形成後に水で簡単に除去可能なスクリーン印刷用インク(互応化学製インクTMS−397)をパターンニングレジストとして使用し、概ねφ500μmの六角形部分にインクが残り、六角形の周囲6辺が100μmの幅でインクが印刷されないパターンにて、前記親水親油性表面上に前記インクを転写させた。
続いてPETフィルム全面にフッ素含有シランカップリング剤(フロロテクノロジー社のフロロサーフFG−5010Z130−0.2)をスプレー塗布し1日間乾燥定着させ作成したパターンの「インクが印刷されないパターン」100μm幅の六角形を囲む線部に、フッ素含有シランカップリング剤よりなる撥水撥油層を形成した。
続いて、超音波洗浄機に前記PETフィルムを投入しインク部分を剥離し、インクでマスキングされていた下層の親水親油性のSiと酸素を含む非晶質炭素膜を露出させ概ね500μmφの直径の六角形の親水親油性部分を100μm幅の撥水撥油性表面が囲む表面を形成した。
当該親水親油性表面部分と撥水撥油性表面部分よりなる表面に純水を噴霧した。
図1は、純水を噴霧した両表面を撮影した写真である。なお、中央に白く見える部分はCCDカメラのライトの映りこみ部分である。
写真から純水が親水親油性の六角形部分にのみ濡れ広がっていることは確認できる。
このように、表面の濡れ性(の差)を形成することで、液体試料を適宜必要な場所に
所望の形で配置することが可能となることが確認できた。
《Siを含む非晶質炭素膜と含まない非晶質炭素膜の樹脂密着性比較試験》
NBCメッシュ製のポリエステルメッシュで大きさ縦横100mmの方形を2枚準備した。
(有機高分子基材へ水素フリーで炭素が60%未満のSiを含む非晶質炭素膜密着層を形成した後、Siを含まない非晶質炭素膜層を形成した試料の作成)
前記ポリエステルメッシュ試料をステンレス鋼板上に平置きし、前記ステンレス鋼板にマイナス電圧が印加可能なように直流パルス方式の公知のプラズマCVD装置の成膜室の反応容器内に設置し、ポリエステルメッシュ試料のステンレス鋼と接する面の反対面に非晶炭素膜を成膜した。具体的には、成膜室反応容器を1×10−3Paの真空度まで排気した。次にArガスをガス流量30SCCM、ガス圧2Paで導入し、印加電圧−3kVpの条件でArガスプラズマを発生させ、試料台上の基材を1分間クリーニングした。Arガスを排気し15分間冷却した後、反応容器にトリメチルシランガスを流量30SCCM、1.5Paのガス圧で導入し、印加電圧−3kVp、パルス幅10μs、パルス周波数10kHzの条件で1分間Siを含む非晶質炭素膜を成膜した。当該Siを含む非晶質炭素膜の基材密着層の水素フリー基準での炭素含有量は概ね53.2at%、Siの含有量は概ね37.6at%であった。
トリメチルシランガスを排気し、15分間冷却した後、アセチレンガスを反応容器に流量30SCCM、1.5Paのガス圧で導入し、印加電圧−3.5kVp、パルス幅10μs、パルス周波数10kHzの条件で3分間Siを含まない、水素と炭素のみからなる晶質炭素膜を成膜し、一旦成膜を中断、15分間冷却した後、再度同じ条件でSiを含まない水素と炭素のみからなる非晶質炭素膜を同様の成膜時間と冷却時間で繰り返し成膜し、膜厚が概ね100nmの非晶質炭素膜を形成した。その後真空容器を常圧に戻し、ポリエステルメッシュ試料を取り出して比較例とした。
(有機高分子基材へ水素と炭素のみを含む非晶質炭素膜密着層を形成した後、Siを含まない非晶質炭素膜層を形成した試料の作成)
続いて、他方のポリエステルメッシュ試料をステンレス鋼板上に平置きし、前記ステンレス鋼板にマイナス電圧が印加可能なように直流パルス方式の公知のプラズマCVD装置の成膜室の反応容器内に設置し、非晶炭素膜を成膜した。成膜室反応容器を1×10−3Paの真空度まで排気した。次にArガスをガス流量30SCCM、ガス圧2Paで導入し、印加電圧−3kVpの条件でArガスプラズマを発生させ、試料台上の基材を1分間クリーニングした。Arガスを排気し15分間冷却した後、アセチレンガスを反応容器に流量30SCCM、1.5Paのガス圧で導入し、印加電圧−3.0kVp、パルス幅10μs、パルス周波数10kHzの条件で1分間Siを含まない、水素と炭素のみからなる非晶質炭素膜(Siを含まない密着層に相当する部分)を成膜し、一旦成膜を中断、15分間冷却した後、アセチレンガスを反応容器に流量30SCCM、1.5Paのガス圧で導入し、印加電圧−3.5kVp、パルス幅10μs、パルス周波数10kHzの条件で3分間Siを含まない、水素と炭素のみからなる晶質炭素膜を成膜し、一旦成膜を中断、15分間冷却した後、再度同じ条件でSiを含まない水素と炭素のみからなる非晶質炭素膜を同様の成膜時間と冷却時間で繰り返し成膜し、膜厚が概ね100nmの非晶質炭素膜を形成した。その後真空容器を常圧に戻し、ポリエステルメッシュ試料を取り出して実施例とした
比較例、実施例について、摩擦摩耗試験を行った。
摩擦摩耗試験は、新東科学株式会社製のトライボギアHHS−2000を用い、常温、無潤滑にて以下の測定条件により、各試料の非晶質炭素膜が形成された面上で、直径2.0mmのSUJ2の圧子を繰り返し往復させながら各試料表面の摩擦係数を測定した。この摩擦係数の測定は、一定加圧往復測定により実施した。
測定条件
・測定距離: 20mm
・測定速度: 5mm/sec
・圧子の荷重: 100g一定
比較例及び実施例の結果を、それぞれ図2及び図3に示す。
図2、3のグラフは、縦軸が摩擦係数(μ)、横軸が摩擦往復回数を示している。
比較例は、概ね5往復目付近で摩擦係数(縦軸)が0.3(μ)を超え、非晶質炭素膜が通常示す0.2μ未満を大きく超えており、非晶質炭素膜が部分剥離していることが推定できる。
これに対して、実施例の摩擦係数(縦軸)は0.2μ未満で50往復まで安定していることが確認でき、非晶質炭素膜の基材密着性に優れていることが推定できる。
以上の結果から、樹脂やゴムなど有機高分子よりなる基材に非晶質炭素膜を密着良く形成する場合は、樹脂など有機高分子の組成であるC(炭素)、H(水素)と同様の組成からなる水素と炭素からなる非晶質炭素膜を直接形成したものの方が、金属基材に非晶質炭素膜を密着良く形成する場合に多用されるSiを含む非晶質炭素膜からなる中間層を密着層として形成した後に水素と炭素からなる非晶質炭素膜を形成したものよりも、密着性に優れることが推定できた。
このことは、例えば非晶質炭素膜よりなる水蒸気と酸素の双方のガスバリア膜を効率良く形成したい場合、水素と炭素からなる非晶質炭素膜は水蒸気の透過防止性に優れており、Si(さらにはSiと酸素)を含む非晶質炭素膜は酸素ガスの透過防止性能に優れていることが知られている。よって、樹脂などの有機高分子材料よりなる基材への水蒸気、並びに酸素の双方の透過防止を行う場合は、水素と炭素からなる非晶質炭素膜を基材にまず形成した後、その後Siを含む非晶質炭素膜を形成する方法が、有機高分子材料よりなる基材へ直接Siを含む非晶質炭素膜を形成し、後に水素と炭素からなる非晶質炭素膜を形成する方法より優れていることが推定できた。無論、Siを含む非晶質炭素膜、水素と炭素からなる非晶質炭素膜をその後続けて複数層積層等することも可能である。

Claims (12)

  1. 基材と、該基材上の少なくとも一部に形成された弁金属よりなる電極と、該電極上に形成された膜厚が10nmを超え200nm未満の保護層を備え、
    該保護層が、非晶質炭素膜よりなることを特徴とするセンサー用又は評価分析装置用の電極構造体。
  2. 基材と、該基材上の少なくとも一部に形成された弁金属よりなる電極と、該電極上にドライプロセスにより形成された膜厚が10nmを超え200nm未満の保護層を備え、
    該保護層が、珪素又は金属の、酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、炭窒化物又は炭酸窒化物層のいずれか1つ以上を含む薄膜よりなることを特徴とするセンサー用又は評価分析装置用の電極構造体。
  3. 前記保護層上に、撥水性及び/または撥水撥油性の薄膜層を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
  4. 前記薄膜層が、膜厚50nm未満のフッ素含有カップリング剤よりなる樹脂層であることを特徴とする請求項3記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
  5. 前記弁金属は、その表層に不動態層を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
  6. 負荷電圧0.39v下における電気抵抗が0.45Ω未満である請求項1〜5のいずれか1項に記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
  7. 前記電極が形成されていない基材の最表面及び/又は前記電極が形成された部分の最表面に、水及び/または油との表面濡れ性が異なる表面を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
  8. 前記保護が、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)に適合していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサー用又は評価分析用装置用の電極構造体。
  9. 前記保護は前記基材よりも大きな水素ガス透過防止性を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のセンサー用又は評価分析用の電極構造体。
  10. 前記保護の誘電率が50未満であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のセンサー用又は評価分析用の電極構造体。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の前記電極構造体を備えるセンサー。
  12. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の前記電極構造体を備える分析装置。
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