JP6953867B2 - 複合ゴム質重合体、グラフト共重合体および熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
これらの中でも、ゴム質重合体に飽和ゴムである(メタ)アクリル酸エステルゴム等の成分を用いたASA樹脂は、良好な耐候性を付与し得るという特徴を有する。
しかしながら、従来のASA樹脂では、十分な耐衝撃性を発現させるためには、ゴム成分の配合割合を増やす必要があり、ゴム成分の配合割合を増やすことで剛性が低下してしまい、近年の厳しいニーズに十分応え得るものではなかった。
(1)体積平均粒子径(X)がX<300nmであり、頻度上限10%体積粒子径(Y)がY≦1.6X、頻度下限10%体積粒子径(Z)がZ≧0.7Xである。
(2)体積平均粒子径(X)がX=300〜800nmであり、頻度上限10%体積粒子径(Y)がY≦1.7X、頻度下限10%体積粒子径(Z)がZ≧0.6Xである。
なお、本明細書において「単位」とは、重合前の単量体化合物(モノマー)に由来する構造部分をさし、例えば、「(メタ)アクリル酸エステル単位」とは「(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造部分」をさす。重合体中の各単量体単位の含有割合は、当該重合体の製造に用いた単量体混合物中の該単量体の含有割合に該当する。
また、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸」と「メタクリル酸」の一方または双方を意味する。「(メタ)アクリレート」についても同様である。
また、「成形品」とは、熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものを意味する。
まず、本発明の複合ゴム質重合体(B)について説明する。
本発明の複合ゴム質重合体(B)は、好ましくは、ポリエステル樹脂(A)、(メタ)アクリル酸エステル(a)、架橋剤(b)、疎水性物質、開始剤、乳化剤、および水を含む原料混合物からプレエマルション(ミニエマルション)を調製する工程と、得られたミニエマルションを重合する工程とを含むミニエマルション重合により製造される。
本発明の複合ゴム質重合体(B)を製造するミニエマルション重合は、これに限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂(A)、(メタ)アクリル酸エステル(a)、架橋剤(b)、疎水性物質、好ましくは更に開始剤を混合する工程、得られた混合物に水、乳化剤を加え、せん断力を付与してプレエマルション(ミニエマルション)を作製する工程、並びにこの混合物を重合開始温度まで加熱して重合させる工程を含むことができる。ミニエマルション化の工程では、重合用モノマーと乳化剤とを混合した後、例えば、超音波照射による剪断工程を実施することにより、前記剪断力によりモノマーが引きちぎられ、乳化剤に覆われたモノマー微小油滴が形成される。その後、開始剤の重合開始温度まで加熱することにより、ポリエステル樹脂(A)の存在下にモノマー微小油滴をそのまま重合し、ポリエステル樹脂(A)を包含した高分子微粒子が得られる。ミニエマルションを形成させるための剪断力を加える方法は公知の任意の方法を用いることができ、ミニエマルションを形成できる高剪断装置としては、これらに限定されるものではないが、例えば、高圧ポンプおよび相互作用チャンバーからなる乳化装置、超音波エネルギーや高周波によりミニエマルションを形成させる装置等がある。高圧ポンプおよび相互作用チャンバーからなる乳化装置としては、例えば、SPX Corporation APV社製「圧力式ホモジナイザー」、(株)パウレック製「マイクロフルイダイザー」等が挙げられ、超音波エネルギーや高周波によりミニエマルションを形成させる装置としては、例えば、Fisher Scient製「ソニックディスメンブレーター」や(株)日本精機製作所製「ULTRASONIC HOMOGENIZER」等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
ポリエステル樹脂(A)とは、多塩基酸類と多価アルコールとを反応させて得られるポリエステル樹脂、脂肪族環状エステルを開環重合して得られるポリエステル樹脂等である。
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、後述の(メタ)アクリル酸エステル(a)に対して溶解性の高い非結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
ここで、「非結晶性」とは、JIS K 7121の「プラスチックスの転移温度測定方法」に基づいた示差走査熱量測定(DSC)により明確な融点ピークが認められないことを意味する。
なお、ここで、数平均分子量(Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されたポリスチレン換算の値であり、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に従って示差走査熱量計で測定された値であるが、市販品についてはカタログ値を採用することができる。
ポリエステル樹脂(A)の使用量が上記下限より少ないと、本発明の複合ゴム質重合体(B)を用いた本発明のグラフト共重合体(C)を用いて得られる成形品の剛性、光沢、成形外観が劣るものとなる傾向があり、上記上限より多いと、(メタ)アクリル酸エステル(a)との溶解性が不十分となり製造安定性に劣り、本発明の複合ゴム質重合体(B)を用いたグラフト共重合体(C)を配合した熱可塑性樹脂組成物の成形時のガス発生量が多く、得られる成形品の耐衝撃性に劣るものとなる傾向がある。
複合ゴム質重合体(B)を構成する(メタ)アクリル酸エステル(a)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ドデシル等のアルキル基の炭素数1〜18のメタクリル酸エステルが挙げられる。熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性および光沢が向上することから、これらの(メタ)アクリル酸エステル(a)の中でも、(メタ)アクリル酸n−ブチル、特にアクリル酸n−ブチルが好ましい。これらの(メタ)アクリル酸エステル(a)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル(a)は、(メタ)アクリル酸エステル(a)と後述の架橋剤(b)と必要に応じて用いられる後述のその他のビニル化合物の合計100質量部に対して、(メタ)アクリル酸エステル(a)の割合が10〜99.99質量部、特に50〜99.9質量部、とりわけ80〜99.5質量部となるように用いることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル(a)の使用量が上記範囲内であれば、得られる複合ゴム質重合体(B)を用いたグラフト共重合体(C)を配合してなる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性、耐候性に優れたものとなる。
本発明の複合ゴム質重合体(B)の製造に際しては、前述の(メタ)アクリル酸エステル(a)から得られる(メタ)アクリル酸エステル(a)成分に架橋構造を導入するために、(メタ)アクリル酸エステル(a)と共に架橋剤(b)を用いる。架橋剤(b)を用いて得られる架橋複合ゴム質重合体(B)であれば、その架橋部分が本発明のグラフト共重合体(C)の製造の際に用いる後述の(メタ)アクリル酸エステル(a)、芳香族ビニル(c)、およびシアン化ビニル(d)から選ばれる少なくとも1種のビニル単量体とグラフト結合するためのグラフト交叉点としても機能する。
架橋剤(b)の割合が上記下限よりも少ないと、(メタ)アクリル酸エステル(a)に架橋剤(b)を併用することによる十分な架橋構造が得られなくなり、耐衝撃性の向上効果を十分に得ることができず、上記上限よりも多いと過度な架橋によりゴムとしての効果が得られず、耐衝撃性に劣るものとなる。
必要に応じて用いられるその他のビニル化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル(a)、架橋剤(b)と共重合可能であれば特に限定されない。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−またはp−メチルスチレン、ビニルキシレン、p−t−ブチルスチレン、エチルスチレン等の芳香族ビニル(c);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル(d);N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド類や、無水マレイン酸などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の複合ゴム質重合体(B)の製造では、疎水性物質を所定の割合で用いることが好ましい。プレエマルションを形成させる際に、疎水性物質を添加するとミニエマルション重合の製造安定性がより向上する傾向にあり、本発明に好適な複合ゴム質重合体(B)を製造することができる。
本発明の複合ゴム質重合体(B)を製造する際に用いる乳化剤としては、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ロジン酸のアルカリ金属塩、アルケニルコハク酸のアルカリ金属塩等で例示されるカルボン酸系の乳化剤、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムなどの中から選ばれるアニオン系乳化剤等、公知の乳化剤を単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
開始剤とは、前述の(メタ)アクリル酸エステル(a)と架橋剤(b)と、必要に応じて用いられるその他のビニル化合物がラジカル重合するためのラジカル重合開始剤であり、例えば、アゾ重合開始剤、光重合開始剤、無機過酸化物、有機過酸化物、有機過酸化物と遷移金属と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤等が挙げられる。これらのうち、加熱により重合を開始できるアゾ重合開始剤、無機過酸化物、有機過酸化物、レドックス系開始剤が好ましい。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の複合ゴム質重合体(B)の製造に際して、プレエマルションを作製する工程に他のゴム成分が存在する複合ゴムからなる複合ゴム質重合体(B)を所望の性能を損なわない程度で製造してもよい。この場合、他のゴム成分としては、ポリブタジエン等のジエン系ゴム、ポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。これらのゴム成分の存在下で(メタ)アクリル酸エステル(a)と架橋剤(b)を重合することでアクリル酸ブチルゴム等の(メタ)アクリル酸エステル系ゴムとを複合してなるジエン/(メタ)アクリル酸エステル系複合ゴムや、ポリオルガノシロキシサン/(メタ)アクリル酸エステル系複合ゴムをゴム成分とする複合ゴム質重合体(B)が得られる。尚、本発明に係る複合ゴムはこれらに限定されるものではなく、また、複合させるゴム成分は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のプレエマルションを調製する工程は通常常温(10〜50℃程度)で行われ、ミニエマルション重合の工程は40〜100℃で30〜600分程度行われる。
本発明の複合ゴム質重合体(B)の粒子径は、体積平均粒子径で好ましくは150〜800nmであり、より好ましくは200〜500nm、さらに好ましくは250〜400nmである。体積平均粒子径が上記範囲内であれば、重合時の凝塊物が少なく、この複合ゴム質重合体(B)を用いたグラフト共重合体(C)を配合した熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性がより良好となる。
(1)体積平均粒子径(X)がX≦300nmであり、頻度上限10%体積粒子径(Y)がY≦1.6X、頻度下限10%体積粒子径(Z)がZ≧0.7Xである。
(2)体積平均粒子径(X)がX=300〜1000nmであり、頻度上限10%体積粒子径(Y)がY≦1.7X、頻度下限10%体積粒子径(Z)がZ≧0.6Xである。
本発明の複合ゴム質重合体(B)のゲル含有率は、80%以上、特に85%以上、とりわけ90〜100%であることが好ましい。ここで、ゲル含有率とは、次のようにして求められる値である。
ゲル含有率(%)=Wd/W0×100
ここで、Wdは乾燥したポリマーの重量であり、W0はアセトンに浸漬する前のポリマーの重量である。
本発明の複合ゴム質重合体(B)は、好ましくは500〜1200%、より好ましくは600〜1000%、さらに好ましくは700〜900%の範囲のアセトンによる膨潤度を有する。ここで、アセトンによる膨潤度とは、次のようにして求められる値である。
膨潤度(%)=(WS−Wd)/Wd×100
ここで、WSは膨潤したポリマーの重量であり、Wdは乾燥したポリマーの重量である。
本発明のグラフト共重合体(C)は、上記のようにして製造された本発明の複合ゴム質重合体(B)に、(メタ)アクリル酸エステル(a)、芳香族ビニル(c)、およびシアン化ビニル(d)から選ばれる少なくとも1種のビニル単量体をグラフト重合してなるものである。即ち、本発明の複合ゴム質重合体(B)に、これらのビニル単量体の重合反応物からなるグラフト層が形成されたものである。
本発明のグラフト共重合体(C)を構成するグラフト層とは、複合ゴム質重合体(B)に、上記のビニル単量体の一部または全部が化学的および/または物理的に結合したものを指す。
グラフト共重合体(C)のグラフト層のグラフト率は以下の方法により算出できる。
グラフト共重合体(C)2.5gにアセトン80mLを加え65℃の湯浴で3時間還流し、アセトン可溶分の抽出を行う。残留したアセトン不溶物を遠心分離により分離し、乾燥した後質量を測定し、グラフト共重合体(C)中のアセトン不溶物の質量割合を算出する。得られたグラフト共重合体(C)中のアセトン不溶物の質量割合より次の式を用いて、グラフト率を算出する。
グラフト共重合体(C)のラテックスを、凝固剤を溶解させた熱水中に投入し、グラフト共重合体(C)を固化させる。次いで、固化したグラフト共重合体(C)を、水または温水中に再分散させてスラリーとし、グラフト共重合体(C)中に残存する乳化剤残渣を水中に溶出させ、洗浄する。次いで、スラリーを脱水機等で脱水し、得られた固体を気流乾燥機等で乾燥することによって、グラフト共重合体(C)を粉体または粒子として回収する。
凝固剤としては、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等)、金属塩(塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等)等が挙げられる。凝固剤は、乳化剤の種類に応じて適宜選定される。例えば、乳化剤としてカルボン酸塩(脂肪酸塩、ロジン酸石鹸等)のみを用いた場合、どのような凝固剤を用いてもよい。乳化剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような酸性領域でも安定な乳化力を示す乳化剤を用いた場合、無機酸では不十分であり、金属塩を用いる必要がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上述した本発明のグラフト共重合体(C)を含有し、通常、本発明のグラフト共重合体(C)と他の熱可塑性樹脂とを混合してなる。本発明の熱可塑性樹脂組成物100質量部中のグラフト共重合体(C)の含有量は、20〜60質量部が好ましい。熱可塑性樹脂組成物中のグラフト共重合体(C)の含有量が20質量部未満であると、ゴム量が少なくなり、得られる成形品の耐衝撃性が低下する傾向にある。一方、熱可塑性樹脂組成物中のグラフト共重合体(C)の含有量が60質量部超であると、流動性(成形性)、剛性に劣るものとなる傾向にある。
流動性と成形品の耐衝撃性、剛性、その他の物性バランスを考慮すると、本発明の熱可塑性樹脂組成物100質量部中のグラフト共重合体(C)の含有量は、25〜40質量部がより好ましい。
各成分の混合順序には特に制限はなく、全ての成分が均一に混合されればよい。
本発明の成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものであり、耐衝撃性、低温耐衝撃性、機械的強度、剛性、外観、耐候性に優れる。
なお、以下において、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
実施例および比較例で製造した複合ゴム質重合体(B−1)〜(B−10)と、グラフト共重合体(C−1)〜(C−10)の体積平均粒子径(X)は、日機装社製のNanotrac UPA−EX150を用いて動的光散乱法より求めた。
また、上記と同様の方法で粒子径分布を求め、頻度上限10%の粒子径を頻度上限10%体積粒子径(Y)とし、頻度下限10%の粒子径を頻度下限10%体積粒子径(Z)とし、それぞれ体積平均粒子径(X)に対する比を算出した。
実施例および比較例で製造した複合ゴム質重合体(B−1)〜(B−10)と、グラフト共重合体(C−1)〜(C−10)のラテックスを100メッシュの金網で濾過し、100メッシュの金網に残った凝塊物を乾燥させて秤量し、各々、複合ゴム質重合体(B−1)〜(B−10)、グラフト共重合体(C−1)〜(C−10)に対する割合(質量%)を求めた。凝塊物量が少ないほど、複合ゴム質重合体(B−1)〜(B−10)、グラフト共重合体(C−1)〜(C−10)ラテックスの製造安定性が良好である。
以下において、複合ゴム質重合体の製造には、市販のポリエステル樹脂(A)として、
ポリエステル樹脂(A−1):東洋紡株式会社製「バイロン(登録商標)GK680」(Mn:6000、Tg:10℃)
を使用した。
以下の配合でゴム質重合体(B−1)を製造した。
ポリエステル樹脂(A−1) 0.5部
アクリル酸n−ブチル(BA) 99.0部
メタクリル酸アリル(AMA) 1.0部
流動パラフィン(LP) 0.6部
アルケニルコハク酸ジカリウム(ASK) 0.2部
ジラウロイルペルオキシド 0.6部
蒸留水 406部
プレエマルションを60℃に加熱し、ラジカル重合を開始した。アクリル酸エステル成分の重合により、液温は78℃まで上昇した。30分間75℃で維持し、アクリル酸エステル成分の重合を完結させた。製造に要した時間は90分であり、固形分19.3%、凝塊物量0.1%、体積平均粒子径(X)350nmの複合ゴム質重合体(B−1)のラテックスを得た。
ポリエステル樹脂(A)、アクリル酸エステル(a)、架橋剤(b)、疎水性物質、乳化剤の量を表1に示す通り変更したこと以外は、実施例I−1と同様にして、それぞれ複合ゴム質重合体(B−2)〜(B−10)のラテックスを得た。
<実施例II−1:グラフト共重合体(C−1)の製造>
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器に、以下の配合で原料を仕込み、反応器内を十分に窒素置換した後、攪拌しながら内温を70℃まで昇温した。
水(ゴム質重合体ラテックス中の水を含む) 230部
複合ゴム質重合体(B−1)ラテックス 50部(固形分として)
アルケニルコハク酸ジカリウム 0.5部
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.3部
硫酸第一鉄 0.001部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.003部
アクリロニトリル(AN) 12.5部
スチレン(ST) 37.5部
t−ブチルハイドロパーオキシド 0.2部
次いで、1.5%硫酸水溶液100部を80℃に加熱し、該水溶液を撹拌しながら、該水溶液にグラフト共重合体(C−1)ラテックス100部を徐々に滴下し、グラフト共重合体(C−1)を固化させ、さらに95℃に昇温して10分間保持した。
次いで、固化物を脱水、洗浄、乾燥し、粉末状のグラフト共重合体(C−1)を得た。
複合ゴム質重合体(B−1)のラテックスの代りに、複合ゴム質重合体(B−2)〜(B−10)のラテックスをそれぞれ用いたこと以外は、実施例II−1と同様にして、それぞれグラフト共重合体(C−2)〜(C−10)を得た。各グラフト共重合体(C−2)〜(C−10)の体積平均粒子径、凝集物量、グラフト率は、表2に示す通りであった。
<実施例III−1〜III−9、比較例III−1〜III−2:熱可塑性樹脂組成物の製造>
各グラフト共重合体(C−1)〜(C−10)と、懸濁重合法によって製造したアクリロニトリル−スチレン共重合体(ユーエムジー・エービーエス(株)製「UMG AXS レジン S102N」)とを表3の配合割合でヘンシェルミキサーを用いて混合し、この混合物を240℃に加熱した押出機に供給し、混練してペレット1を得た。
またペレット1の100部とカーボンブラック0.8部とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、この混合物を240℃に加熱した押出機に供給し、混練して黒色ペレット2を得た。
上記熱可塑性樹脂組成物のペレット1を用い、各々、4オンス射出成形機(日本製鋼所(株)製)にて、シリンダー温度240℃、金型温度60℃、射出率20g/秒の条件で成形して、長さ80mm、幅10mm、厚み4mmの棒状の成形体1を得た。
また、同様にして、熱可塑性樹脂組成物の黒色ペレット2をシリンダー温度240℃、金型温度60℃、射出率20g/秒の条件で、長さ100mm、幅100mm、厚み3mmの板状の成形体2を得た。
<シャルピー衝撃強度の測定>
ISO 179に準拠して、23℃および−30℃雰囲気下、成形体1にてシャルピー衝撃強度を測定した。
ISO 1133規格に従い、220℃−98Nの条件でペレット1のMVRを測定した。なお、MVRは熱可塑性樹脂組成物の成形性の目安となる。
ISO 178規格に従い、成形体1の曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。曲げ強度は成形品の機械的強度の目安であり、曲げ弾性率は成形品の剛性の目安である。
成形体2について、分光測色計(コニカミノルタオプティプス社製「CM−3500d」)を用いて、SCE方式にて明度L*を測定した。測定されたL*を「L*(ma)」とする。L*が低いほど黒色となり、発色性が良好と判定した。
「明度L*」とは、JIS Z 8729において採用されているL*a*b*表色系における色彩値のうちの明度の値(L*)を意味する。
「SCE方式」とは、JIS Z 8722に準拠した分光測色計を用い、光トラップによって正反射光を除去して色を測る方法を意味する。
スガ試験機株式会社製の「デジタル変角光沢計UGV−5D」を用い、JIS K 7105に準拠して、入射角60°、反射角60°における成形体2の表面の反射率(%)を測定した。反射率が高いほど表面外観に優れることを意味する。
成形体2を5枚、光学顕微鏡(倍率200倍)で観察し、100μm以上の凝塊物の個数の合計を測定し、下記基準で評価した。「○」または「◎」を成形外観は良好であるとした。
◎ 100μm以上の凝塊物の個数が0〜5個
○ 100μm以上の凝塊物の個数が6〜20個
× 100μm以上の凝塊物の個数が21個以上
サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、成形体2をブラックパネル温度63℃、サイクル条件60分(降雨12分)の条件で1000時間処理した。そして、その処理前後の変色の度合い(ΔE)を色差計で測定して評価した。
ΔEが小さいほど耐候性が良好であり、○以上を耐候性があると判定した。
◎:0以上3未満。変色しておらず、成形品の意匠性を損なわない。
○:3以上5未満。ほとんど変色しておらず、成形品の意匠性を損なわない。
△:5以上10未満。わずかに変色しており、成形品の意匠性を損なう。
×:10以上。大きく変色しており、成形品の意匠性を損なう。
一方、ポリエステル樹脂(A−1)を使用していない複合ゴム質重合体(C−10)を用いた比較例II−1のグラフト共重合体(C−10)は、ポリエステル樹脂(A)を含まないため、このグラフト共重合体(C−10)を用いた比較例III−1の熱可塑性樹脂組成物は、曲げ弾性率、表面光沢、成形外観において不十分となり、比較例II−2のように、グラフト共重合体(C−10)の配合量を減らした場合は、機械的強度(曲げ強度)、剛性(曲げ弾性率)は若干改善されるが、耐衝撃性、成形外観が不十分となった。
Claims (8)
- ポリエステル樹脂(A)と、(メタ)アクリル酸エステル(a)単位および架橋剤(b)単位を含むゴム成分とが複合化されてなる複合ゴム質重合体(B)であって、
該ポリエステル樹脂(A)が非結晶性ポリエステル樹脂であり、
該ポリエステル樹脂(A)の存在下に(メタ)アクリル酸エステル(a)と架橋剤(b)とを重合してなり、
該ポリエステル樹脂(A)と(メタ)アクリル酸エステル(a)と架橋剤(b)との合計100質量部に対するポリエステル樹脂(A)の割合が0.1〜30質量部であり、
該(メタ)アクリル酸エステル(a)と架橋剤(b)と必要に応じて用いられるその他のビニル化合物の合計100質量部に対して、(メタ)アクリル酸エステル(a)の割合が10〜99.9質量部で、架橋剤(b)の割合が0.1〜5.0質量部であり、
該複合ゴム質重合体(B)のラテックスについて動的光散乱法により測定された体積平均粒子径(X)をXで表し、該複合ゴム質重合体(B)のラテックスについて動的光散乱法により測定された粒子径分布曲線における上限からの頻度の累積値が10%になったところの粒子径を頻度上限10%体積粒子径(Y)としてYで表し、該粒子径分布曲線における下限からの頻度の累積値が10%になったところの粒子径を頻度下限10%体積粒子径(Z)としてZで表したとき、体積平均粒子径(X)、頻度上限10%体積粒子径(Y)および頻度下限10%体積粒子径(Z)が、以下の(1)または(2)を満たす複合ゴム質重合体(B)。
(1)体積平均粒子径(X)がX<300nmであり、頻度上限10%体積粒子径(Y)がY≦1.6X、頻度下限10%体積粒子径(Z)がZ≧0.7Xである。
(2)体積平均粒子径(X)がX=300〜800nmであり、頻度上限10%体積粒子径(Y)がY≦1.7X、頻度下限10%体積粒子径(Z)がZ≧0.6Xである。 - 請求項1に記載の複合ゴム質重合体(B)に、(メタ)アクリル酸エステル(a)、芳香族ビニル(c)、およびシアン化ビニル(d)から選ばれる少なくとも1種のビニル単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体(C)。
- 請求項2に記載のグラフト共重合体(C)を含む熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
- ポリエステル樹脂(A)、(メタ)アクリル酸エステル(a)、架橋剤(b)、疎水性物質、乳化剤、および水を含む混合物をミニエマルション化するミニエマルション化工程と、得られたミニエマルションを重合する重合工程とを含む請求項1に記載の複合ゴム質重合体(B)の製造方法。
- 請求項5に記載の製造方法で得られた複合ゴム質重合体(B)に、(メタ)アクリル酸エステル(a)、芳香族ビニル(c)、およびシアン化ビニル(d)から選ばれる少なくとも1種のビニル単量体をグラフト重合してグラフト共重合体(C)を得ることを特徴とするグラフト共重合体(C)の製造方法。
- 請求項6に記載の製造方法で得られたグラフト共重合体(C)を用いた熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項7に記載の製造方法で得られた熱可塑性樹脂組成物を成形する成形品の製造方法。
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