JP6949364B2 - 神経細胞伸長促進剤 - Google Patents
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Description
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、神経細胞の伸長を促進させることができる神経細胞伸長促進剤を提供することを課題とする。
不飽和脂肪酸およびポリフェノールの群から選ばれる1種以上と、
を有する。
本実施形態において、イソチオシアネート類は、−NCS基を有する化合物をいう。イソチオシアネート類は、例えば、側鎖として脂肪族又は芳香族の基を有するとよい。脂肪族の基を有するイソチオシアネート類としては、例えば、イソプロピルイソチオシアネート、イソブチルイソチオシアネート、2−ブチルイソチオシアネート、イソアミルイソチオシアネート、アミルイソチオシアネート、アリルイソチオシアネート、3−ブテニルイソチオシアネート、4−ペンテニルイソチオシアネート、5−ヘキセニルイソチオシアネート、6−ヘプテニルイソチオシアネート、3−メチルチオプロピルイソチオシアネート、4−メチルチオブチルイソチオシアネート、5−メチルチオペンチルイソチオシアネート、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート、7−メチルチオヘプチルイソチオシアネート、4−メチルスルフィニルブチルイソチオシアネート、5−メチルスルフィニルペンチルイソチオシアネート、6−メチルスルフィニルへキシルイソチオシアネート、6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート類(6−MSITC類)、及び7−メチルスルフィニルヘプチルイソチオシアネートの群から選ばれた1種以上が挙げられ、中でも、4−メチルスルフィニルブチルイソチオシアネート、5−メチルスルフィニルペンチルイソチオシアネート、6−MSITC類、7−メチルスルフィニルヘプチルイソチオシアネートがよい。芳香族の基を有するイソチオシアネート類としては、例えば、フェネチルイソチオシアネートが挙げられる。
本実施形態において、イソチオシアネート類の中で好ましいのは、6−MSITC類又はその配糖体である。
6−MSITC類の配糖体は、例えば、グルコヘスペリンがある。グルコヘスペリンは、以下の化学式で表される化合物である。
不飽和脂肪酸は、1又は2以上の二重結合を有する脂肪酸をいう。2以上の二重結合を有する不飽和脂肪酸がよい。不飽和脂肪酸の炭素数は特に限定しないが、12〜24がよく、更に15〜24が好ましく、18〜22が望ましい。
ω3脂肪酸は、脂肪酸の少なくともω3位に二重結合を有する不飽和脂肪酸をいう。ω3脂肪酸としては、例えば、ドコサヘキサエン酸(DHA、22:6(△4,7,10,13,16,19))、ドコサペンタエン酸(DPA、22:5(△7,10,13,16,19))、エイコサペンタエン酸(EPA、20:5(△5,8,11,14,17))、α−リノレン酸(ALA、18:3(△9,12,15))が挙げられる。
本実施形態において、ポリフェノールは、分子内に複数のフェノール性のヒドロキシ基を持つ化合物の総称をいう。ポリフェノールは、クルクミノイド及びフラボノイドの群から選ばれる1種以上からなることがよい。
クルクミノイドは、クルクミンジメトキシクルクミン、ビスジメトキシクルクミンが挙げられ、この中、クルクミンが好ましい。クルクミンの中には、以下の式(I−I)から(I−IV)に示すものが例示される。
クルクミノイドはウコンから抽出されるとよい。クルクミンを含むクルクミノイドは、例えば、ウコン等を原料として有機溶媒、アルコール溶媒などを用いた抽出分離法、合成方法により得ることができる。
フラボノールとしては、以下の式(II−I)〜(II−XI)に示すものが挙げられる。この中、式(II−III)で示されるイソラムネチンが好ましい。
フラボノイドはイチョウ葉から抽出されるとよい。フラボノイドは、フラボノイドを含む植物から既知の方法により抽出する方法、又は既知の合成方法により得ることができる。イソラムネチンは、イチョウの葉から既知の方法で抽出することができる。
本実施形態の神経細胞伸長促進剤は、以下の成分の組み合わせを有していてもよい。
・6−MSITC類及びDHA、
・6−MSITC類及びクルクミン、
・6−MSITC類及びイソラムネチン。
本実施形態の神経細胞伸長促進剤の投与量は、患者の年齢、性別、体重、用法、用量などを考慮することにより決定される。用法としては、経口投与、血管注射、外用・塗布などが挙げられる。経口投与の場合、神経細胞伸長促進剤における6−MSITC類の1日あたりの投与量は10μg〜100mg/日がよく、不飽和脂肪酸の投与量は100mg/日〜10g/日がよく、ポリフェノールの投与量は0.1mg/日〜10g/日がよい。
本実施形態の神経細胞伸長促進剤は、食品、医薬部外品、医薬品に含有されてもよい。
本実施形態の神経細胞伸長促進剤を含有する化粧品及び医薬部外品の剤形は限定されるものではないが、例えば、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤、液剤、等が挙げられる。
各種成分を用いたPC12細胞の突起伸長試験を、以下のように実施した。
(1)各種成分調製
(a)6−MSITC(成分1)
6−MSITC(金印株式会社製)を入手した。本実施例で用いる6−MSITCは、化学的な合成法により得た。6−MSITCの化学合成法は具体的に説明すると以下のとおりである。
100mgの6−MSITCをDMSO(ジメチルスルホキシド)溶媒に溶解して、100mMの6−MSITCを有する6−MSITC溶液を調製した。
(b)DHA(成分2)
DHA(ナカライテスク社製、製品番号14122-64)を入手した。このDHAは、青魚から抽出したものである。100mgのDHAをDMSO溶媒に溶解して、100mMのDHAを有するDHA溶液を調製した。
(c)クルクミン(成分3)
クルクミン(CAS番号458−37−7、東京化成工業社製、製品番号C2302)を入手した。クルクミンは、以下の化学式で表される。
(d)イソラムネチン(成分4)
イソラムネチン(EXTRASYNTHESE社製、製品番号1120S)を入手した。イソラムネチンは、銀杏の葉から抽出したものである。10mgのイソラムネチンについてピペットを用いてDMSO溶媒に溶解して、10mMのイソラムネチンを有するイソラムネチン溶液を調製した。
以下の成分を含む増殖培地Aと分化培地Bとを準備した。
(a)増殖培地Aの成分
DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium,ナカライテスク社製、製品番号08458−45)
10wt%の馬血清(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、製品番号16050−122)
5wt%牛血清(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、製品番号10437−028)
1wt%ペニシリンストレプトマイシン(ナカライテスク社製、製品番号26253−84)
(b)分化培地Bの成分
DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium,ナカライテスク社製、製品番号08458−45)
2wt%馬血清(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、製品番号16050−122)
1wt%ペニシリンストレプトマイシン(ナカライテスク社製、製品番号26253−84)
(3)PC12細胞増殖
細胞培養用フラスコ(TPP社製)に、上記の増殖培地Aを入れ、更に、PC12細胞(理化学研究所製、製品番号RCB0009)を入れて増殖させた。PC12細胞は、ラットの副腎髄質由来の褐色細胞腫で、神経細胞分化のモデルである。PC12細胞は、コンフルエントが80−90%となったときに、増殖培地Aを入れた新しいフラスコに、増殖培地Aを入れた新しいフラスコに、増殖したPC12細胞を入れて、継代した。細胞が増殖した培養液と、新しい増殖培地Aとの割合は、1:5(体積比)とした。このような継代を3回以上繰り返した。このような継代を3回以上繰り返した。
96ウェルプレートの各ウェルに、(3)で得た継代後のPC12細胞を5×104/ml濃度で含む増殖培地Aを100μlずつ播種した。一晩室温に放置して、PC12細胞を安定化させた。プレートを遠心回転させて、プレートの各ウェルにPC12細胞を沈降させた。上澄み液を除去した。PC12細胞が沈降している各ウェルに、分化培地Bを100μlずつ入れて攪拌して、PC12細胞を分化培地Bに懸濁させた。
更に、各ウェル内の培地に、(1)で調製した各種成分1〜4を1種類で又は2種類の組合せで各種濃度となるように加え、それぞれ試料1〜39とした。表1には、各ウェル内の培地における、各試料を構成する成分の濃度を示した。
(5)細胞伸長の評価
(4)の培養後に、プレートを遠心回転させてウェルに細胞を沈降させて、上澄み液を除去した。各ウェルに沈降しているPC12細胞について3枚の顕微鏡画像(明視野、×10画像、1ウェル3枚)を撮影した。画像に映ったPC12細胞の全細胞の形状を観察した。図1に示すように、PC12細胞は、分化が進むと、細胞体1から突起2が伸長する。PC12細胞の全細胞数と、細胞体1の長径L1よりも長い長さL2の突起2を持つ細胞の数とをカウントした。長径L1よりも長い長さL2の突起を持つ細胞の数を全細胞数で除すことで、PC12細胞が伸長した伸長割合を得た。各画像には、それぞれ、少なくとも80以上のPC12細胞が現れていた。全画像に映るPC12細胞の合計は720以上であった。伸長割合は、全画像に映るすべてのPC12細胞の平均値で示した。各PC12細胞についての伸長割合は、図2に示した。図2において、「M」、「C」、「D」、「I」は、順に、「6−MSITC」、「クルクミン」、「DHA」、「イソラムネチン」を意味する。図3〜図6においても同様である。図2においてτは統計的に有意であることを意味している。*は成分を2つ組み合わせたことで相乗効果が認められたものを意味する。ここで、相乗効果とは、各成分を単独で用いたときの伸長割合の和よりも、両者を組み合わせて使用する方が伸長割合が大きいことをいう。
PC12細胞に対する各成分の毒性について、MTT(3−(4,5−di−methylthiazol−2−yl)−2,5−diphenyltetrazolium bromide, yellow tetrazole)試薬を用いて調査した。
PC12細胞に対する各成分の毒性を調査するために、培地に添加する成分以外の点で、上記(実験例1)の(1)〜(4)と同様に、PC12細胞を培養した。(4)において各ウェル内の分化培地Bに添加される成分は、6−MSITC(成分1)、クルクミン(成分3)、DHA(成分2)、又はイソラムネチン(成分4)のいずれかである。分化培地B中での各成分の濃度は、6−MSITC(成分1)については、0(コントロール)、2.5μM、5μM、10μM、20μM、40μM、80μM、160μMとし、クルクミン(成分3)については、0(コントロール)、2.5μM、5μM、10μM、20μM、40μMとし、DHA(成分2)については、0(コントロール)、2.5μM、5μM、10μM、20μM、40μM、80μM、160μMとし、イソラムネチン(成分4)については、0(コントロール)、2.5μM、5μM、10μM、20μMとした。
Claims (3)
- 6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートと、
ドコサヘキサエン酸と、
を有効成分として有し、
i)前記6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートの濃度が2.5μmol/Lであり、前記ドコサヘキサエン酸の濃度が0.5−40μmol/Lであるか、
ii)前記6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートの濃度が0.5μmol/Lであり、前記ドコサヘキサエン酸の濃度が2.5μmol/Lであるか、または
iii)前記6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートの濃度が0.1μmol/Lであり、前記ドコサヘキサエン酸の濃度が40μmol/Lである、
神経細胞伸長促進剤。 - 6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートと、
イソラムネチンと、
を有効成分として有し、
前記6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートの濃度が2.5μmol/Lであり、前記イソラムネチンの濃度が0.02−0.5μmol/Lである、
神経細胞伸長促進剤。 - 6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートと、
クルクミンと、
を有効成分として有し、
前記6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートの濃度が2.5μmol/Lであり、前記クルクミンの濃度が0.5−2.5μmol/Lである、
神経細胞伸長促進剤。
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