以下、実施形態の治療システム、医用画像処理装置、および治療プログラムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の治療システムの一例を示すブロック図である。治療システム1は、治療装置10と、医用画像処理装置100とを備える。治療装置10は、例えば、寝台11と、放射線源12−1および12−2と、放射線検出器13−1および13−2と、照射部14と、制御部15と、入力部16と、表示部17とを備える。以下、符号におけるハイフンおよびこれに続く数字は、いずれの放射線源および放射線検出器の組による透視用の放射線、或いは透視画像であるかを示すものとする。
寝台11には、治療を受ける被検体(以下、患者と称す)Pが固定される。放射線源12−1は、患者Pに対して透視用の放射線r−1を照射する。放射線源12−2は、放射線源12−1とは異なる角度から、患者Pに対して透視用の放射線r−2を照射する。透視用の放射線r−1およびr−2は、例えばX線である。
透視用の放射線r−1は放射線検出器13−1によって検出され、透視用の放射線r−2は放射線検出器13−2によって検出される。放射線検出器13−1および13−2は、例えばフラット・パネル・ディテクタ(FPD;Flat Panel Detector)やイメージインテンシファイアやカラーイメージインテンシファイアである。放射線検出器13−1は、放射線r−1のエネルギーを検出してデジタル変換し、透視画像TI−1として医用画像処理装置100に出力する。放射線検出器13−2は、放射線r−2のエネルギーを検出してデジタル変換し、透視画像TI−2として医用画像処理装置100に出力する。図1においては、2組の放射線源および放射線検出器を示したが、治療装置10は、3組以上の放射線源および放射線検出器を備えてもよい。
照射部14は、治療段階において、患者Pに対して治療ビームBを照射する。治療ビームBには、例えば、X線、γ線、電子線、陽子線、中性子線、重粒子線などが含まれる。図1においては、1つの照射部14のみを示したが、治療装置10は複数の照射部を備えてもよい。図1においては、患者Pの垂直方向に照射部がある場合を示したが、治療装置10は患者Pの水平方向に照射部を備えてもよい。
制御部15は、例えば、治療装置10が設置される治療室内に置かれるコンピュータ装置により実現される。制御部15は、治療計画に応じて、透視用の放射線r−1およびr−2の照射を行うように放射線源12−1および12−2を制御する。また、制御部15は、治療段階において、医用画像処理装置100から出力される信号S−1および信号S−2に基づき、治療ビームBの照射を行うように照射部14を制御する。入力部16は、例えば専用キーやダイヤル、タッチパネル、汎用キーボード、マウスなどの入力デバイスである。表示部17は、医用画像処理装置100から送られる画像等を表示する。
図2は、第1の実施形態の画像処理装置の一例を示すブロック図である。医用画像処理装置100は、例えば、入力部101と、記憶部102と、表示部103と、取得部104−1および104−2と、患部検出部108−1および108−2と、参照部位検出部110−1および110−2と、照射制御部112−1および112−2と、登録部120とを備える。
これらの機能部のうちの少なくとも一部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサが、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうちの少なくとも一部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やLSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェア機能部であってもよい。
記憶部102は、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどの記憶装置により実現される。CPUやGPUなどのプロセッサが実行するプログラムは、予め医用画像処理装置100の記憶部102に格納されていてもよいし、他のコンピュータ装置からネットワークを介してダウンロードされてもよい。また、可搬型記憶装置に格納されたプログラムが医用画像処理装置100にインストールされてもよい。
記憶部102は、患部テンプレート画像AT1およびAT2と、参照部位テンプレート画像RT1およびRT2とを記憶する。患部テンプレート画像AT1および参照部位テンプレート画像RT1は、透視画像TI−1用のテンプレート画像である。患部テンプレート画像AT2および参照部位テンプレート画像RT2は、透視画像TI−2用のテンプレート画像である。これらのテンプレート画像の詳細については後述する。
入力部101は、例えば、汎用キーボードやマウス等の入力デバイスである。表示部103は、記憶部102に格納された画像等を表示する。取得部104−1は、放射線検出器13−1から患者Pの透視画像TI−1を取得する。取得部104−2は、放射線検出器13−2から患者Pの透視画像TI−2を取得する。以下、いずれの透視画像であるのかを特定しない場合は、単に透視画像TIと記載する。
図3は、放射線検出器によって検出された患部周辺の透視画像の一例を示す図である。本実施形態においては、肝臓に存在する患部(腫瘍)の治療の一例について説明する。図13において、透視画像TIの横軸をx軸、縦軸をy軸とする。図3に示されるように、透視画像TIには、患部Aの画像と横隔膜Dの画像が含まれる。患部Aは肝臓に存在する腫瘍であることから、患部Aは横隔膜Dより下に位置する。
取得部104−1は、透視画像TI−1を取得すると、取得した透視画像TI−1を、患部検出部108−1および参照部位検出部110−1に出力する。患部検出部108−1は、取得部104−1により取得された透視画像TI−1に基づき、患者Pの患部を検出する。例えば、患部検出部108−1は、取得部104−1により取得された透視画像TI−1と、記憶部102に記憶された複数の患部テンプレート画像AT1とに基づき、患者Pの患部の位置を検出する。
参照部位検出部110−1は、取得部104−1により取得された透視画像TI−1に基づき、患者Pの参照部位を検出する。「参照部位」とは、コントラストが高いため検出し易く、かつ患部との位置関係が明らかな部位である。本実施形態において、参照部位検出部110−1は、横隔膜Dを参照部位として検出する。例えば、参照部位検出部110−1は、取得部104−1により取得された透視画像TI−1と、記憶部102に記憶された複数の参照部位テンプレート画像RT1とに基づき、患者Pの参照部位の位置を検出する。
照射制御部112−1は、患部検出部108−1によって検出された患部と、参照部位検出部110−1によって検出された参照部位とに基づき、照射部14に対して治療ビームBを照射させるための照射制御信号S−1を制御部15に送信する。照射制御部112−1の詳細については後述する。
取得部104−2は、透視画像TI−2を取得すると、取得した透視画像TI−2を、患部検出部108−2および参照部位検出部110−2に出力する。患部検出部108−2は、取得部104−2により取得された透視画像TI−2に基づき、患者Pの患部を検出する。例えば、患部検出部108−2は、取得部104−2により取得された透視画像TI−2と、記憶部102に記憶された複数の患部テンプレート画像AT2とに基づき、患者Pの患部の位置を検出する。
参照部位検出部110−2は、取得部104−2により取得された透視画像TI−2に基づき、患者Pの参照部位を検出する。参照部位検出部110−1と同様に、参照部位検出部110−2は、横隔膜Dを参照部位として検出する。例えば、参照部位検出部110−2は、取得部104−2により取得された透視画像TI−2と、記憶部102に記憶された複数の参照部位テンプレート画像RT2とに基づき、患者Pの参照部位の位置を検出する。
照射制御部112−2は、患部検出部108−2によって検出された患部と、参照部位検出部110−2によって検出された参照部位とに基づき、照射部14に対して治療ビームBを照射させるための照射制御信号S−2を制御部15に送信する。照射制御部112−2の詳細については後述する。
図4は、患部テンプレート画像の一例を示す図である。以下、いずれの患部テンプレート画像であるのかを特定しない場合は、単に患部テンプレート画像ATと記載する。患部テンプレート画像ATは、治療の前に予め放射線検出器13によって検出された、患部の周辺の透視画像TIに基づいて作成されてよいが、これに限らない。例えば、予め撮影された患者のCT(Computed Tomography)画像に基づいてDRR(Digitally Reconstructed Radiograph)が作成され、作成されたDRRに基づいて患部テンプレート画像ATが作成されてもよい。
図4には、患者Pの1周期の呼吸波形Wが示されている。患者Pが息を吸うと、横隔膜Dが収縮することにより、図3に示される横隔膜Dおよび患部Aは下に移動する。一方、患者Pが息を吐くと、横隔膜Dが弛むことにより、図3に示される横隔膜Dおよび患部Aは上に移動する。このように、呼吸により患部Aが移動するため、患部Aの位置を検出した上で患部Aに治療ビームBを照射する必要がある。
図4に示されるように、記憶部102には、患部の画像が含まれ、患者Pの呼吸位相に応じた複数の患部テンプレート画像AT−1からAT−nが記憶される。患部テンプレート画像AT−1からAT−nは、患者Pの呼吸周期における一定間隔ごとの患部の周辺の画像である。複数の患部テンプレート画像AT−1からAT−nには、それぞれ患部の画像A−1からA−nが含まれる。
患部テンプレート画像AT−1からAT−nの各々には、患部の位置データPD1が対応付けられている。患部の位置データPD1は、利用者(医師や放射線技師等)によって入力される。例えば、表示部103が患部テンプレート画像ATを表示し、利用者が入力部101を用いて、患部テンプレート画像ATにおける患部の位置データPD1を入力してもよい。患部の位置データPD1は、患部テンプレート画像ATに対応付けられて記憶部102に記憶される。
治療時において、患部検出部108は、放射線検出器13によって検出された透視画像TIから、患部の周辺の透視画像を抽出する。患部の周辺の透視画像の範囲は、医師または放射線技師によって、入力部101を用いて予め設定される。患部検出部108は、抽出した患部の周辺の透視画像と、患部テンプレート画像AT−1からAT−nとを比較することで、患部の位置を検出する。
例えば、患部検出部108は、抽出した透視画像と最も類似する患部テンプレート画像ATを選択し、選択した患部テンプレート画像ATに対応付けられた患部の位置データPD1を取得する。患部検出部108は、透視画像TIの輝度値と患部テンプレート画像ATの輝度値との差分を算出し、算出した差分が最も小さい値となる患部テンプレート画像ATを選択してよいが、これに限らない。例えば、患部検出部108は、輝度値の正規化相互相関によって、最も相関の高い患部テンプレート画像ATを選択してもよいし、相互情報量に基づいて選択してもよい。
図5は、放射線検出器によって検出された患部周辺の透視画像および患部検出部によって検出された患部の一例を示す図である。図5に示されるように、透視画像TIには、患部Aの画像と横隔膜Dの画像が含まれる。患部Aは肝臓に存在することから、患部Aは横隔膜Dより下に位置する。
しかしながら、図5に示されるように、患部検出部108によって検出された患部A0の一部は、横隔膜Dよりも上に存在する。解剖学的知見によれば、横隔膜Dよりも上に肝臓が存在することはあり得ない。したがって、この状態で照射部14が治療ビームBを照射すると、患部A以外の部分に治療ビームBが照射され、正常な組織が破壊される可能性がある。
本実施形態においては、正常な組織が破壊されるのを防止するため、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部の位置と、参照部位検出部110によって検出された参照部位の位置とに基づいて、照射部14を制御する。この点について、以下詳細に説明する。
図6は、参照部位テンプレート画像の一例を示す図である。以下、いずれの参照部位テンプレート画像であるのかを特定しない場合は、単に参照部位テンプレート画像RTと記載する。参照部位テンプレート画像RTは、治療の前に予め放射線検出器13によって検出された、参照部位(横隔膜D)の周辺の透視画像TIに基づいて作成されてよいが、これに限らない。例えば、予め撮影された患者のCT画像に基づいてDRRが作成され、作成されたDRRに基づいて参照部位テンプレート画像RTが作成されてもよい。
図6には、患者Pの1周期の呼吸波形Wが示されている。記憶部102には、参照部位の画像が含まれ、患者Pの呼吸位相に応じた複数の参照部位テンプレート画像RT−1からRT−nが記憶される。参照部位テンプレート画像RT−1からRT−nは、患者Pの呼吸周期における一定間隔ごとの参照部位の周辺の画像である。複数の参照部位テンプレート画像RT−1からRT−nには、それぞれ参照部位の画像R−1からR−nが含まれる。
参照部位テンプレート画像RT−1からRT−nの各々には、参照部位の位置データPD2が対応付けられている。参照部位の位置データPD2は、利用者(医師や放射線技師等)によって入力される。例えば、表示部103が参照部位テンプレート画像RTを表示し、利用者が入力部101を用いて、参照部位テンプレート画像RTにおける参照部位の位置データPD2を入力してもよい。参照部位の位置データPD2は、参照部位テンプレート画像RTに対応付けられて記憶部102に記憶される。
治療時において、参照部位検出部110は、放射線検出器13によって検出された透視画像TIから、参照部位の周辺の透視画像を抽出する。参照部位の周辺の透視画像の範囲は、医師または放射線技師によって、入力部101を用いて予め設定される。参照部位検出部110は、抽出した参照部位の周辺の透視画像と、参照部位テンプレート画像RT−1からRT−nとを比較することで、参照部位の位置を検出する。
例えば、参照部位検出部110は、抽出した透視画像と最も類似する参照部位テンプレート画像RTを選択し、選択した参照部位テンプレート画像RTに対応付けられた参照部位の位置データPD2を取得する。参照部位検出部110は、透視画像TIの輝度値と参照部位テンプレート画像RTの輝度値との差分を算出し、算出した差分が最も小さい値となる参照部位テンプレート画像RTを選択してよいが、これに限らない。例えば、参照部位検出部110は、輝度値の正規化相互相関によって、最も相関の高い参照部位テンプレート画像RTを選択してもよいし、相互情報量に基づいて選択してもよい。
照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部の位置と、参照部位検出部110によって検出された参照部位の位置とに基づき、照射制御信号Sを生成する。照射制御部112は、生成した照射制御信号Sを、治療装置10の制御部15に送信する。
例えば、患部の位置(位置データPD1)を2次元ベクトルx、参照部位の位置(位置データPD2)を2次元ベクトルyで表すと、位置関係fは以下の式(1)で表される。
y=f(x) ・・・式(1)
例えば、f(x)は、以下の式(2)に示される1次元の式として表される。式(2)における係数aおよびbは、複数のxの値およびyの値を用いて回帰式を求めることにより、算出することができる。
f(x)=ax+b ・・・式(2)
照射制御部112は、以下の式(3)が成立するかどうかを判断する。定数Rは、医師または放射線技師によって適宜決定された値である。
|y−f(x)|<R ・・・式(3)
照射制御部112は、式(3)が成立すると判断した場合、照射部14に対して治療ビームBを照射させるための照射制御信号Sを生成し、生成した照射制御信号Sを治療装置10の制御部15に送信する。一方、照射制御部112は、式(3)が成立しないと判断した場合、照射制御信号Sを治療装置10の制御部15に送信しない。
このように、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部の位置と、参照部位検出部110によって検出された参照部位の位置との関係が所定の条件(式(3))を満たす場合、照射部14に対して治療ビームBを照射させる。また、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部の位置と、参照部位検出部110によって検出された参照部位の位置との関係が所定の条件(式(3))を満たさない場合、照射部14による治療ビームBの照射を停止させる。これによって、より正確に治療ビームBを照射することができ、患部以外の正常な組織に治療ビームBが照射されることを防止することができる。
図7は、第1の実施形態における治療ビームの照射制御の一例を示すフローチャートである。まず、放射線検出器13は、透視画像TIの動画(例えばX線動画)の撮影を開始する(S100)。取得部104は、放射線検出器13から透視画像TIを取得すると、取得した透視画像TIを患部検出部108および参照部位検出部110に出力する。
患部検出部108は、記憶部102から複数の患部テンプレート画像AT−1からAT−nを読み出す(S101)。参照部位検出部110は、記憶部102から複数の参照部位テンプレート画像RT−1からRT−nを読み出す(S102)。
患部検出部108は、取得部104により取得された透視画像TIと、記憶部102から読み出した複数の患部テンプレート画像AT−1からAT−nとに基づき、患者Pの患部の位置を検出する(S103)。例えば、患部検出部108は、透視画像TIから患部の周辺の透視画像を抽出し、抽出した透視画像の輝度値と患部テンプレート画像ATの輝度値との差分を算出し、算出した差分が最も小さい値となる患部テンプレート画像ATを選択する。患部検出部108は、選択した患部テンプレート画像ATに対応付けられた患部の位置データPD1を取得する。患部検出部108は、取得した患部の位置データPD1を照射制御部112に出力する。
次に、参照部位検出部110は、取得部104により取得された透視画像TIと、記憶部102から読み出した複数の参照部位テンプレート画像RT−1からRT−nとに基づき、参照部位の位置を検出する(S104)。例えば、参照部位検出部110は、透視画像TIから参照部位の周辺の透視画像を抽出し、抽出した透視画像の輝度値と参照部位テンプレート画像RTの輝度値との差分を算出し、算出した差分が最も小さい値となる参照部位テンプレート画像RTを選択する。参照部位検出部110は、選択した参照部位テンプレート画像RTに対応付けられた参照部位の位置データPD2を取得する。参照部位検出部110は、取得した参照部位の位置データPD2を照射制御部112に出力する。
照射制御部112は、患部検出部108から出力された患部の位置データPD1および参照部位検出部110から出力された参照部位の位置データPD2に基づき、患部および参照部位の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判断する(S105)。例えば、照射制御部112は、前述の式(3)が成立する場合、患部および参照部位の位置関係が所定の条件を満たすと判断する。照射制御部112は、患部および参照部位の位置関係が所定の条件を満たさないと判断した場合、後述するステップS107に進む。
一方、照射制御部112は、患部および参照部位の位置関係が所定の条件を満たすと判断した場合、照射部14に対して治療ビームBを照射させるための照射制御信号Sを生成し、生成した照射制御信号Sを制御部15に出力する。制御部15は、照射制御部112から出力された照射制御信号Sに基づき、照射部14に駆動信号DSを送信する。照射部14は、制御部15から駆動信号DSを受信すると、患者Pに向けて治療ビームBを照射する(S106)。
なお、図2に示される例においては、医用画像処理装置100内に2つの照射制御部112−1および112−2が存在する。この場合、制御部15は、照射制御信号S−1およびS−2の両方を受信したことに応じて、照射部14に駆動信号DSを送信する。すなわち、制御部15は、照射制御信号S−1およびS−2の一方しか受信していない場合は、照射部14に駆動信号DSを送信しない。
その後、照射制御部112は、患部に照射された治療ビームBの累計の量が所定の線量に至ったかどうかを判断する(S107)。照射制御部112は、患部に照射された治療ビームBの累計の量が所定の線量に至っていないと判断した場合、前述のステップS103に戻る。一方、照射制御部112は、患部に照射された治療ビームBの累計の量が所定の線量に至ったと判断した場合、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、第1の実施形態において、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部と、参照部位検出部110によって検出された参照部位との関係が所定の条件(式(3))を満たす場合、治療ビームBを被検体Pに照射するよう照射部14を制御する。また、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部と、参照部位検出部110によって検出された参照部位との関係が所定の条件(式(3))を満たさない場合、照射部14による治療ビームBの照射を停止させる。これによって、より正確に治療ビームBを照射することができ、患部以外の正常な組織に治療ビームBが照射されることを防止することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、参照部位の位置データPD2は、利用者(医師や放射線技師等)によって入力されることとした。これに対し、第2の実施形態においては、医用画像処理装置100の登録部120が、参照部位テンプレート画像RTから特徴部位を自動的に抽出し、抽出した特徴部位の位置を参照部位の位置データPD2として記憶部102に登録する。以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図8は、第2の実施形態における、参照部位テンプレート画像上の着目箇所の一例を示す図である。表示部103は、記憶部102から参照部位テンプレート画像RTを読み出し、読み出した参照部位テンプレート画像RTを表示する。入力部101は、利用者による着目箇所ROIの指定を受け付ける。着目箇所ROIは、入力画像から特徴部位を検出する際の計算領域として利用される幾何学的情報であり、線分、領域、その他の情報として指定される。
利用者は、着目箇所ROIの形状を線分にするか、矩形にするかを、例えば、ラジオボタンで選択し、その入力を入力部101が受け付ける。そして、利用者は、例えば、参照部位テンプレート画像RTを眺めながらマウスを操作し、ドラッグすることで着目箇所ROIを指定する。図8に示される例において、着目箇所ROIは線分として指定されている。登録部120は、指定された着目箇所ROIに基づいて、他の複数の参照部位テンプレート画像RTに対しても同様に着目箇所ROIを指定する。
図9および図10は、第2の実施形態における、参照部位テンプレート画像上の着目箇所における分割位置の一例を示す図である。例えば、登録部120は、所定の刻み幅で分割位置を変えて、着目箇所ROIを2つに分割する。図9に示されるように、参照部位テンプレート画像RT上には、分割位置Sと、分割された着目箇所ROI(1)およびROI(2)とが示されている。
そして、登録部120は、分割された着目箇所ROI(1)、ROI(2)の輝度値から分離度を計算する。分離度とは、例えば、着目箇所ROI(1)の輝度値の平均値と、着目箇所ROI(2)の輝度値の平均値との差である。
図10に示されるように、登録部120は、分離度が最大となる分割位置Sを、特徴部位として抽出する。特徴部位の位置は、例えば、参照部位テンプレート画像の座標系で表現される。特徴部位の位置は、(x,y)座標で表現されてもよいし、x座標だけ或いはy座標だけで表現されてもよい。また、特徴部位の位置は、線分、或いは領域等で表現されてもよい。
登録部120は、抽出した特徴部位の位置を、参照部位の位置データPD2として検出する。登録部120は、検出した参照部位の位置データPD2を、参照部位テンプレート画像RTに対応付けて記憶部102に登録する。登録部120は、他の参照部位テンプレート画像RTに対しても同様の処理を行う。これによって、複数の参照部位テンプレート画像RT−1からRT−nに対して、それぞれ参照部位の位置データPD2−1〜PD2−nが対応付けられる。
以上説明したように、第2の実施形態において、登録部120は、複数の参照部位テンプレート画像RT−1からRT−nのそれぞれに対して特徴部位を抽出し、抽出した特徴部位の位置を参照部位の位置として記憶部102に登録する。これによって、利用者が参照部位の位置を入力する必要は無いため、利用者の利便性を向上することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態においては、参照部位検出部110は、参照部位テンプレート画像RTに基づいて参照部位の位置を検出することとした。これに対し、第3の実施形態においては、人体に埋め込まれたマーカーを参照部位として検出する。以下、第3の実施形態について、第1の実施形態および第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
図11は、第3の実施形態の画像処理装置の一例を示すブロック図である。図11において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付し、説明を省略する。医用画像処理装置100は、例えば、入力部101と、記憶部102と、表示部103と、取得部104−1および104−2と、患部検出部108−1および108−2と、参照部位検出部110−1および110−2と、照射制御部112−1および112−2とを備える。
記憶部102は、患部テンプレート画像AT1およびAT2を記憶する。参照部位検出部110−1はマーカー検出部114−1を備え、参照部位検出部110−2はマーカー検出部114−2を備える。
取得部104−1は、透視画像TI−1を取得すると、取得した透視画像TI−1を、患部検出部108−1および参照部位検出部110−1に出力する。患部検出部108−1は、取得部104−1により取得された透視画像TI−1に基づき、患者Pの患部を検出する。例えば、患部検出部108−1は、取得部104−1により取得された透視画像TI−1と、記憶部102に記憶された複数の患部テンプレート画像AT1とに基づき、患者Pの患部の位置を検出する。
参照部位検出部110−1は、取得部104−1により取得された透視画像TI−1に基づき、患者Pの参照部位を検出する。本実施形態において、参照部位検出部110−1内のマーカー検出部114−1は、患者Pの体内に埋め込まれた金属製のマーカーを参照部位として検出する。
照射制御部112−1は、患部検出部108−1によって検出された患部と、参照部位検出部110−1によって検出された参照部位とに基づき、照射部14に対して治療ビームBを照射させるための照射制御信号S−1を制御部15に送信する。
取得部104−2は、透視画像TI−2を取得すると、取得した透視画像TI−2を、患部検出部108−2および参照部位検出部110−2に出力する。患部検出部108−2は、取得部104−2により取得された透視画像TI−2に基づき、患者Pの患部を検出する。例えば、患部検出部108−2は、取得部104−2により取得された透視画像TI−2と、記憶部102に記憶された複数の患部テンプレート画像AT2とに基づき、患者Pの患部の位置を検出する。
参照部位検出部110−2は、取得部104−2により取得された透視画像TI−2に基づき、患者Pの参照部位を検出する。マーカー検出部114−1と同様に、マーカー検出部114−2は、患者Pの体内に埋め込まれた金属マーカーを参照部位として検出する。
照射制御部112−2は、患部検出部108−2によって検出された患部と、参照部位検出部110−2によって検出された参照部位とに基づき、照射部14に対して治療ビームBを照射させるための照射制御信号S−2を制御部15に送信する。
図12は、マーカーの一例を示す図である。参照部位検出部110は、取得部104によって取得された透視画像TIから検出領域ARを抽出する。図12に示されるように、取得部104によって取得された透視画像TIの検出領域ARには、人体領域Hおよびマーカー領域Mが含まれる。金属製のマーカーは放射線を遮蔽するため、マーカー領域Mの輝度値は人体領域Hの輝度値よりも小さい。人体領域Hの輝度値とマーカー領域Mの輝度値との差は大きいため、マーカー検出部114は高精度にマーカー(参照部位)を検出することができる。
本実施形態において、マーカーは直径2[mm]の円形であるが、マーカーの形状および大きさはこれに限らない。例えば、マーカーは四角形や三角形等の多角形であってもよい。参照部位検出部110のマーカー検出部114は、縦3[mm]×横3[mm]の検出領域ARを透視画像TIから抽出し、抽出した検出領域ARにマーカーが含まれるか否かを判断する。
図13は、マーカーを含む領域における輝度値の分布の一例を示す図である。図13において、横軸は各画素の輝度値を示し、縦軸は画素数を示す。マーカー検出部114は、検出領域ARにおける各画素の輝度値に基づき、マーカー領域Mの輝度値に対応する第1のピーク値P1と、人体領域Hの輝度値に対応する第2のピーク値P2とを算出する。マーカー検出部114は、第2のピーク値P2と第1のピーク値P1との差分(P2−P1)を算出する。
マーカー検出部114は、算出した差分(P2−P1)が所定の閾値THより大きい場合、検出領域ARにマーカーが含まれると判断する。この場合、マーカー検出部114は、検出領域ARの中心位置を、参照部位(マーカー)の位置データPD2として導出する。マーカー検出部114は、導出した参照部位(マーカー)の位置データPD2を照射制御部112に出力する。
図14から図17は、マーカーおよび検出領域についての他の実施形態を示す図である。図14に示されるように、検出領域ARは、マーカー領域Mの中心から所定距離以内の領域であってもよい。
図15に示されるように、2つのマーカーが用いられる場合、検出領域ARは、第1のマーカー領域M1の中心から所定距離以内、かつ、第2のマーカー領域M2の中心から所定距離以内の領域であってもよい。
図16に示されるように、3つのマーカーが用いられる場合、検出領域ARは、第1のマーカー領域M1の中心と、第2のマーカー領域M2の中心と、第3のマーカー領域M3の中心とを結ぶことによって形成される三角形の領域であってもよい。
図17に示されるように、検出領域ARは、マーカー領域Mを中心とした同心円によって囲まれる領域であってもよい。
図18は、第3の実施形態における治療ビームの照射制御の一例を示すフローチャートである。まず、放射線検出器13は、透視画像TIの動画(例えばX線動画)の撮影を開始する(S200)。取得部104は、放射線検出器13から透視画像TIを取得すると、取得した透視画像TIを患部検出部108および参照部位検出部110に出力する。
患部検出部108は、記憶部102から複数の患部テンプレート画像AT−1からAT−nを読み出す(S201)。患部検出部108は、取得部104により取得された透視画像TIと、記憶部102から読み出した複数の患部テンプレート画像AT−1からAT−nとに基づき、患者Pの患部の位置を検出する(S202)。例えば、患部検出部108は、透視画像TIから患部の周辺の透視画像を抽出し、抽出した透視画像の輝度値と患部テンプレート画像ATの輝度値との差分を算出し、算出した差分が最も小さい値となる患部テンプレート画像ATを選択する。患部検出部108は、選択した患部テンプレート画像ATに対応付けられた患部の位置データPD1を取得する。患部検出部108は、取得した患部の位置データPD1を照射制御部112に出力する。
次に、参照部位検出部110は、取得部104により取得された透視画像TIに基づき、参照部位(マーカー)の位置を検出する(S203)。例えば、参照部位検出部110のマーカー検出部114は、図13に示される第2のピーク値P2と第1のピーク値P1との差分(P2−P1)を算出する。マーカー検出部114は、算出した差分(P2−P1)が所定の閾値THより大きい場合、検出領域ARにマーカーが含まれると判断する。この場合、マーカー検出部114は、検出領域ARの中心位置を、参照部位(マーカー)の位置データPD2として導出する。マーカー検出部114は、導出した参照部位(マーカー)の位置データPD2を照射制御部112に出力する。
照射制御部112は、患部検出部108から出力された患部の位置データPD1および参照部位検出部110から出力された参照部位の位置データPD2に基づき、患部および参照部位の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判断する(S204)。例えば、照射制御部112は、前述の式(3)が成立する場合、患部および参照部位の位置関係が所定の条件を満たすと判断する。照射制御部112は、患部および参照部位の位置関係が所定の条件を満たさないと判断した場合、後述するステップS206に進む。
一方、照射制御部112は、患部および参照部位の位置関係が所定の条件を満たすと判断した場合、照射部14に対して治療ビームBを照射させるための照射制御信号Sを生成し、生成した照射制御信号Sを制御部15に出力する。制御部15は、照射制御部112から出力された照射制御信号Sに基づき、照射部14に駆動信号DSを送信する。照射部14は、制御部15から駆動信号DSを受信すると、患者Pに向けて治療ビームBを照射する(S205)。
なお、図11に示される例においては、医用画像処理装置100内に2つの照射制御部112−1および112−2が存在する。この場合、制御部15は、照射制御信号S−1およびS−2の両方を受信したことに応じて、照射部14に駆動信号DSを送信する。すなわち、制御部15は、照射制御信号S−1およびS−2の一方しか受信していない場合は、照射部14に駆動信号DSを送信しない。
その後、照射制御部112は、患部に照射された治療ビームBの累計の量が所定の線量に至ったかどうかを判断する(S206)。照射制御部112は、患部に照射された治療ビームBの累計の量が所定の線量に至っていないと判断した場合、前述のステップS202に戻る。一方、照射制御部112は、患部に照射された治療ビームBの累計の量が所定の線量に至ったと判断した場合、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、第3の実施形態において、参照部位検出部110は、取得部104により取得された透視画像TIに基づき、患者Pに埋め込まれたマーカーを参照部位として検出するマーカー検出部114を備える。これによって、高精度に参照部位を検出することができる。
(第4の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態においては、参照部位検出部110は、参照部位テンプレート画像RTに基づいて参照部位を検出することとした。また、第3の実施形態においては、人体に埋め込まれたマーカーを参照部位として検出することとした。これに対し、第4の実施形態においては、患者Pの臓器の輪郭または臓器の領域を参照部位として検出する。以下、第4の実施形態について、第1の実施形態から第3の実施形態との相違点を中心に説明する。
図19は、第4の実施形態の画像処理装置の一例を示すブロック図である。図19において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付し、説明を省略する。医用画像処理装置100は、例えば、入力部101と、記憶部102と、表示部103と、取得部104−1および104−2と、患部検出部108−1および108−2と、参照部位検出部110−1および110−2と、照射制御部112−1および112−2とを備える。
記憶部102は、患部テンプレート画像AT1およびAT2を記憶する。参照部位検出部110−1は輪郭・領域検出部116−1を備え、参照部位検出部110−2は輪郭・領域検出部116−2を備える。
取得部104−1は、透視画像TI−1を取得すると、取得した透視画像TI−1を、患部検出部108−1および参照部位検出部110−1に出力する。患部検出部108−1は、取得部104−1により取得された透視画像TI−1に基づき、患者Pの患部を検出する。例えば、患部検出部108−1は、取得部104−1により取得された透視画像TI−1と、記憶部102に記憶された複数の患部テンプレート画像AT1とに基づき、患者Pの患部の位置を検出する。
参照部位検出部110−1は、取得部104−1により取得された透視画像TI−1に基づき、患者Pの参照部位を検出する。本実施形態において、参照部位検出部110−1内の輪郭・領域検出部116−1は、患者Pの臓器の輪郭または臓器の領域を参照部位として検出する。
照射制御部112−1は、患部検出部108−1によって検出された患部と、参照部位検出部110−1によって検出された参照部位とに基づき、照射部14に対して治療ビームBを照射させるための照射制御信号S−1を制御部15に送信する。
取得部104−2は、透視画像TI−2を取得すると、取得した透視画像TI−2を、患部検出部108−2および参照部位検出部110−2に出力する。患部検出部108−2は、取得部104−2により取得された透視画像TI−2に基づき、患者Pの患部を検出する。例えば、患部検出部108−2は、取得部104−2により取得された透視画像TI−2と、記憶部102に記憶された複数の患部テンプレート画像AT2とに基づき、患者Pの患部の位置を検出する。
参照部位検出部110−2は、取得部104−2により取得された透視画像TI−2に基づき、患者Pの参照部位を検出する。輪郭・領域検出部116−1と同様に、輪郭・領域検出部116−2は、患者Pの臓器の輪郭または臓器の領域を参照部位として検出する。
照射制御部112−2は、患部検出部108−2によって検出された患部と、参照部位検出部110−2によって検出された参照部位とに基づき、照射部14に対して治療ビームBを照射させるための照射制御信号S−2を制御部15に送信する。
図20は、臓器の輪郭の検出結果の一例を示す図である。図20においては、輪郭・領域検出部116によって検出された横隔膜Dの輪郭が示されている。輪郭・領域検出部116は、透過画像TI内のコントラストの差が大きい領域の境界線を、臓器(横隔膜)の輪郭として検出する。輪郭・領域検出部116は、臓器の輪郭を、x−y座標系における関数として求めてもよいし、(x,y)座標の集合として求めてもよい。輪郭・領域検出部116は、検出した参照部位(横隔膜D)の輪郭データODを照射制御部112に出力する。
患部が肝臓に存在する場合、横隔膜Dよりも上に患部が存在することはあり得ない。このため、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部の位置が、輪郭・領域検出部116によって検出された横隔膜Dの輪郭(参照部位)よりも上に存在する場合、照射制御信号Sを制御部15に送信しない。一方、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部の位置が、輪郭・領域検出部116によって検出された横隔膜Dの輪郭(参照部位)よりも下に存在する場合、照射制御信号Sを制御部15に送信する。これによって、より正確に治療ビームBを照射することができ、患部以外の正常な組織に治療ビームBが照射されることを防止することができる。
図21は、臓器の領域の検出結果の一例を示す図である。図20においては、輪郭・領域検出部116によって検出された肺の領域(肺野LF1およびLF2)が示されている。輪郭・領域検出部116は、透過画像TI内のコントラストの差が大きい領域を、臓器(肺)の領域として検出する。輪郭・領域検出部116は、検出した領域の境界を、x−y座標系における関数として求めてもよいし、(x,y)座標の集合として求めてもよい。輪郭・領域検出部116は、検出した肺野LF1およびLF2(参照部位)の領域データADを照射制御部112に出力する。
患部が肺に存在する場合、肺の領域外に患部が存在することはあり得ない。このため、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部の位置が、輪郭・領域検出部116によって検出された肺野LF1またはLF2(参照部位)の領域外に存在する場合、照射制御信号Sを制御部15に送信しない。一方、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部の位置が、輪郭・領域検出部116によって検出された肺野LF1またはLF2(参照部位)の領域内に存在する場合、照射制御信号Sを制御部15に送信する。これによって、より正確に治療ビームBを照射することができ、患部以外の正常な組織に治療ビームBが照射されることを防止することができる。
このように、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部と、参照部位検出部110によって検出された参照部位との幾何学的関係が所定の条件を満たす場合、照射部14に対して治療ビームBを照射させる。一方、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部と、参照部位検出部110によって検出された参照部位との幾何学的関係が所定の条件を満たさない場合、照射部14による治療ビームBの照射を停止させる。「幾何学的関係」とは、形状や位置に基づく関係を意味する。例えば、幾何学的関係は、患部の位置と横隔膜の輪郭との関係や、患部の位置と肺の領域との関係を意味する。
図22は、第4の実施形態における治療ビームの照射制御の一例を示すフローチャートである。まず、放射線検出器13は、透視画像TIの動画(例えばX線動画)の撮影を開始する(S300)。取得部104は、放射線検出器13から透視画像TIを取得すると、取得した透視画像TIを患部検出部108および参照部位検出部110に出力する。
患部検出部108は、記憶部102から複数の患部テンプレート画像AT−1からAT−nを読み出す(S301)。患部検出部108は、取得部104により取得された透視画像TIと、記憶部102から読み出した複数の患部テンプレート画像AT−1からAT−nとに基づき、患者Pの患部の位置を検出する(S302)。例えば、患部検出部108は、透視画像TIから患部の周辺の透視画像を抽出し、抽出した透視画像の輝度値と患部テンプレート画像ATの輝度値との差分を算出し、算出した差分が最も小さい値となる患部テンプレート画像ATを選択する。患部検出部108は、選択した患部テンプレート画像ATに対応付けられた患部の位置データPD1を取得する。患部検出部108は、取得した患部の位置データPD1を照射制御部112に出力する。
次に、参照部位検出部110は、取得部104により取得された透視画像TIに基づき、参照部位(臓器)の輪郭または領域を検出する(S303)。例えば、参照部位検出部110の輪郭・領域検出部116は、透過画像TI内のコントラストの差が大きい領域の境界線を、参照部位(臓器)の輪郭データODとして検出する。また、例えば、輪郭・領域検出部116は、透過画像TI内のコントラストの差が大きい領域を、参照部位(臓器)の領域データADとして検出する。輪郭・領域検出部116は、検出した輪郭データODまたは領域データADを照射制御部112に出力する。
照射制御部112は、患部検出部108から出力された患部の位置データPD1および参照部位検出部110から出力された参照部位の輪郭データODまたは領域データADに基づき、患部および参照部位の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判断する(S304)。例えば、照射制御部112は、肝臓に存在する患部が横隔膜(参照部位)の輪郭よりも下にある場合、所定の条件を満たすと判断する。また、例えば、照射制御部112は、肺に存在する患部が肺(参照部位)の領域内にある場合、所定の条件を満たすと判断する。照射制御部112は、患部および参照部位の位置関係が所定の条件を満たさないと判断した場合、後述するステップS306に進む。
一方、照射制御部112は、患部および参照部位の位置関係が所定の条件を満たすと判断した場合、照射部14に対して治療ビームBを照射させるための照射制御信号Sを生成し、生成した照射制御信号Sを制御部15に出力する。制御部15は、照射制御部112から出力された照射制御信号Sに基づき、照射部14に駆動信号DSを送信する。照射部14は、制御部15から駆動信号DSを受信すると、患者Pに向けて治療ビームBを照射する(S305)。
なお、図19に示される例においては、医用画像処理装置100内に2つの照射制御部112−1および112−2が存在する。この場合、制御部15は、照射制御信号S−1およびS−2の両方を受信したことに応じて、照射部14に駆動信号DSを送信する。すなわち、制御部15は、照射制御信号S−1およびS−2の一方しか受信していない場合は、照射部14に駆動信号DSを送信しない。
その後、照射制御部112は、患部に照射された治療ビームBの累計の量が所定の線量に至ったかどうかを判断する(S306)。照射制御部112は、患部に照射された治療ビームBの累計の量が所定の線量に至っていないと判断した場合、前述のステップS302に戻る。一方、照射制御部112は、患部に照射された治療ビームBの累計の量が所定の線量に至ったと判断した場合、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、第4の実施形態において、参照部位検出部110は、取得部104により取得された透視画像TIに基づき、患部の周辺に存在する臓器の輪郭を導出し、導出した輪郭を参照部位として検出する。照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部と、参照部位検出部110によって検出された参照部位(臓器の輪郭)との関係が所定の条件を満たす場合、照射部14に対して治療ビームBを照射させる。また、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部と、参照部位検出部110によって検出された参照部位(臓器の輪郭)との関係が所定の条件を満たさない場合、照射部14による治療ビームBの照射を停止させる。これによって、より正確に治療ビームBを照射することができ、患部以外の正常な組織に治療ビームBが照射されることを防止することができる。
また、第4の実施形態において、参照部位検出部110は、取得部104により取得された透視画像TIに基づき、患部が存在する臓器の領域を導出し、導出した領域を参照部位として検出する。照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部と、参照部位検出部110によって検出された参照部位(臓器の領域)との関係が所定の条件を満たす場合、照射部14に対して治療ビームBを照射させる。また、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部と、参照部位検出部110によって検出された参照部位(臓器の領域)との関係が所定の条件を満たさない場合、照射部14による治療ビームBの照射を停止させる。これによって、より正確に治療ビームBを照射することができ、患部以外の正常な組織に治療ビームBが照射されることを防止することができる。
(第5の実施形態)
第1の実施形態においては、放射線検出器13によって検出された患部の周辺の透視画像TIに基づいて、テンプレート画像が生成されることとした。これに対し、第5の実施形態においては、患者のCT画像を用いてテンプレート画像が生成される。以下、第5の実施形態について、第1の実施形態から第4の実施形態との相違点を中心に説明する。
図23は、第5の実施形態における、参照部位テンプレート画像の作成方法を説明するための図である。CT画像20は、治療計画段階において取得された、患者Pの患部を含む3次元ボリュームデータである。以降、CT画像20は、患者Pの頭部の3次元ボリュームデータであるとして説明する。
CT画像20内に位置する重要臓器IMPは、照射部14によって治療ビームBが照射されることを禁止された臓器である。利用者(医師または放射線技師)は、入力部101を用いて重要臓器IMPの位置を入力する。例えば、表示部103は、CT画像20に基づいて患者Pの複数の輪切り画像を表示する。利用者は、表示部103に表示された複数の輪切り画像のそれぞれに対して、入力部101を用いて重要臓器IMPの位置を入力する。
例えば、重要臓器IMPとして眼球の位置が入力されると、照射制御部112は、眼球の位置に治療ビームBを照射させないよう照射部14を制御する。これによって、治療ビームBが眼球に照射されて眼球の組織が破壊されることを防止できる。
透視画像30および40は、実際に患者Pを撮影することにより生成された画像ではなく、CT画像20を用いて生成されたDRRである。透視画像30は、放射線源12−1からCT画像20に放射線が仮想的に照射されることによって、放射線検出器13−1によって仮想的に検出される画像である。透視画像40は、放射線源12−2からCT画像20に放射線が仮想的に照射されることによって、放射線検出器13−2によって仮想的に検出される画像である。
本実施形態においては、透視画像30および40が、それぞれ参照部位テンプレート画像RT1およびRT2として利用される。治療計画段階においては、呼吸位相に応じた複数のCT画像20が生成される。図2に示される登録部120は、これら複数のCT画像20に対して透視画像30を検出することで、複数の参照部位テンプレート画像RT1−1からRT1−nを生成する。また、登録部120は、これら複数のCT画像20に対して透視画像40を検出することで、参照部位テンプレート画像RT2−1からRT2−nを生成する。
また、本実施形態においては、透視画像30における重要臓器IMPの位置を示す位置データが、参照部位の位置データPD2として利用される。したがって、登録部120は、参照部位の位置データPD2を参照部位テンプレート画像RT1に対応付けて記憶部102に登録する。また、透視画像40における重要臓器IMPの位置を示す位置データが、参照部位の位置データPD2として利用される。したがって、登録部120は、参照部位の位置データPD2を参照部位テンプレート画像RT2に対応付けて記憶部102に登録する。
本実施形態においては、患者のCT画像に基づいて参照部位テンプレート画像RT1およびRT2が生成されることとしたが、患者のCT画像に基づいて患部テンプレート画像AT1およびAT2が生成されてもよい。登録部120は、患部の位置データPD1を、生成された患部テンプレート画像AT1およびAT2に対応付けて記憶部102に登録してもよい。
また、本実施形態においては、重要臓器IMPを参照部位として利用することとしたが、マーカー、臓器の輪郭、および臓器の領域等を参照部位として利用してもよい。
以上説明したように、第5の実施形態において、入力部101は、患部のデータが含まれるCT画像20(3次元ボリュームデータ)における、参照部位の位置データPD2の入力を受け付ける。登録部120は、CT画像20に基づいて参照部位テンプレート画像RTを生成し、生成した参照部位テンプレート画像RTと入力部101により受け付けられた位置データPD2とを対応付けて記憶部102に登録する。これによって、放射線検出器13によって参照部位テンプレート画像用の透視画像を予め検出する手間を省くことができる。
また、第5の実施形態において、入力部101は、患部のデータが含まれるCT画像20(3次元ボリュームデータ)における、患部の位置データPD1の入力を受け付ける。登録部120は、CT画像20に基づいて患部テンプレート画像を生成し、生成した患部テンプレート画像ATと入力部101により受け付けられた位置データPD1とを対応付けて記憶部102に登録する。これによって、放射線検出器13によって患部テンプレート画像用の透視画像を予め検出する手間を省くことができる。
なお、第1の実施形態から第5の実施形態において、表示部103は、患部および参照部位の組合せの選択画面を表示してもよく、入力部101は、患部および参照部位の組合せの選択を受け付けてもよい。これによって、利用者は、患部および参照部位の組合せを容易に設定することができる。
また、入力部101は、患部と参照部位との関係が満たすべき所定の条件の入力を受け付けてもよい。また、照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部と、参照部位検出部110によって検出された参照部位との関係が、入力部101によって受け付けられた所定の条件を満たす場合、治療ビームBを被検体Pに照射するよう照射部14を制御してもよい。所定の条件とは、例えば、式(3)を満たすこと、肝臓に存在する患部が横隔膜よりも下に位置すること、または肺に存在する患部が肺の領域に含まれることであるが、これに限られない。これによって、利用者が任意に所定の条件を設定することができる。
また、上記実施形態における治療装置10および医用画像処理装置100は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した治療装置10および医用画像処理装置100の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、照射部14と、取得部104と、患部検出部108と、参照部位検出部110と、照射制御部112とを持つ。照射部14は、被検体Pに対して治療ビームBを照射する。取得部104は、被検体Pの透視画像TIを取得する。患部検出部108は、取得部104により取得された透視画像TIに基づき、被検体Pの患部を検出する。参照部位検出部110は、取得部104により取得された透視画像TIに基づき、被検体Pの参照部位を検出する。照射制御部112は、患部検出部108によって検出された患部と、参照部位検出部110によって検出された参照部位との関係が所定の条件を満たす場合、治療ビームBを被検体Pに照射するよう照射部14を制御する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。