JP6812685B2 - 動態解析装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、下記の(1)、(2)が記載されている。
(1)動態画像の時間的に隣接する2つのフレーム画像間で差分をとることにより複数の差分画像を生成し、生成された複数の差分画像から各対応する画素群毎に画素値の最大値、最小値、平均値、中間値の何れかを画素群毎の画素値として画像を生成する。
(2)動態画像から各対応する画素群毎に、画素群の画素値の最大値、最小値、平均値、中間値の何れかを参照画素値として参照画像を生成し、参照画像と複数の動態画像との間で差分を取ることにより複数の差分画像を生成し、生成された複数の差分画像から各対応する画素群毎に、該画素群毎の画素値の最大値、最小値、平均値、中間値の何れかを画素群に対応する画素値として画像を生成する。
生体における呼吸状態下の肺野の動態を放射線撮影することにより得られた動態画像から、少なくとも肺野領域の各画素の画素信号値の時間方向の信号変化を抽出して時間方向のローパスフィルター処理を施すことにより、前記各画素の換気信号成分の時間方向の信号変化を抽出する信号変化抽出手段と、
前記肺野領域の各画素の換気信号成分の時間方向の信号変化の代表値を前記各画素の換気信号成分の時間方向の信号変化の基準値として設定する基準値設定手段と、
前記動態画像の各フレーム画像における前記各画素の換気信号成分の値と前記各画素に設定された基準値との差異を表す解析値を算出することにより、複数のフレーム画像からなる解析結果画像を生成する生成手段と、
前記解析結果画像の複数のフレーム画像を動画表示又は並べて表示する表示手段と、
を備える。
前記信号変化抽出手段は、前記動態画像の各フレーム画像に対し、少なくとも前記肺野領域の各画素に対応する複数の注目領域を設定し、前記設定した注目領域内の画素信号値の代表値を前記注目領域に対応する画素の画素信号値として算出して、前記各画素の画素信号値の時間方向の信号変化を抽出する。
前記注目領域内の画素信号値の代表値は、前記注目領域内の画素信号値の平均値、中央値、最大値、又は最小値である。
前記生成手段は、前記動態画像の各フレーム画像における前記各画素の換気信号成分の値と前記各画素に設定された基準値との差異を表す解析値として、前記各画素の換気信号成分の値と前記各画素に設定された基準値との差分又は比を算出する。
前記表示手段は、前記各画素に前記解析値に対応する色を付した解析結果画像を表示する。
前記解析値に対応する色は、前記解析値の最大値と最小値に対応する色の色差が最も大きくなるように割り当てられている。
前記表示手段は、前記動態画像と前記解析結果画像を並べて動画表示する。
前記表示手段は、前記動態画像と前記解析結果画像の対応するフレーム画像を並べて表示する。
前記表示手段は、前記動態画像の各フレーム画像に対して前記解析結果画像の対応するフレーム画像をオーバーレイして表示する。
前記表示手段は、前記解析結果画像とともに、前記解析結果画像上に設定された所定の点における前記解析値の時間方向の変化を示すグラフを表示する。
前記表示手段は、前記解析結果画像とともに、前記解析結果画像上に設定された所定の領域における前記解析値の代表値を表示する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における動態解析システム100の全体構成を示す。
図1に示すように、動態解析システム100は、撮影装置1と、撮影用コンソール2とが通信ケーブル等により接続され、撮影用コンソール2と、診断用コンソール3とがLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTを介して接続されて構成されている。動態解析システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。
撮影装置1は、例えば、呼吸運動に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、心臓の拍動等の、生体の動態を撮影する撮影手段である。動態撮影とは、被写体に対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、もしくは、低線量率にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、複数の画像を取得することをいう。動態撮影により得られた一連の画像を動態画像と呼ぶ。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。なお、以下の実施形態では、パルス照射により動態撮影を行う場合を例にとり説明する。また、以下の実施形態では、診断の対象となる対象部位を肺野とした場合を例にとり説明するが、これに限定されるものではない。
放射線照射制御装置12は、撮影用コンソール2に接続されており、撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。撮影用コンソール2から入力される放射線照射条件は、例えば、パルスレート、パルス幅、パルス間隔、1撮影あたりの撮影フレーム数、X線管電流の値、X線管電圧の値、付加フィルター種等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。
放射線検出部13は、被写体Mを挟んで放射線源11と対向するように設けられている。
撮影用コンソール2は、放射線照射条件や画像読取条件を撮影装置1に出力して撮影装置1による放射線撮影及び放射線画像の読み取り動作を制御するとともに、撮影装置1により取得された動態画像を撮影技師等の撮影実施者によるポジショニングの確認や診断に適した画像であるか否かの確認用に表示する。
撮影用コンソール2は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、通信部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
)等により構成される。制御部21のCPUは、操作部23の操作に応じて、記憶部22に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って後述する撮影制御処理を始めとする各種処理を実行し、撮影用コンソール2各部の動作や、撮影装置1の放射線照射動作及び読み取り動作を集中制御する。
診断用コンソール3は、撮影用コンソール2から動態画像を取得し、取得した動態画像を解析して解析結果画像を生成し、生成した解析結果画像を表示して医師の診断を支援するための動態解析装置である。
診断用コンソール3は、図1に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
次に、上記動態解析システム100における動作について説明する。
まず、撮影装置1、撮影用コンソール2による撮影動作について説明する。
図2に、撮影用コンソール2の制御部21において実行される撮影制御処理を示す。撮影制御処理は、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
次に、診断用コンソール3における動作について説明する。
診断用コンソール3においては、通信部35を介して撮影用コンソール2から動態画像の一連のフレーム画像が受信されると、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により図3に示す画像解析処理が実行される。
まず、動態画像の各画素に対応する注目領域が設定される(ステップS11)。
本実施形態では、動態画像の各画素に対して1つの注目領域が対応し、かつ動態画像全体にいきわたるように注目領域が設定される。例えば、図4(a)に示すように、画像全体の空間を分割するように(注目領域が重ならないように)注目領域を設定することとしてもよいし、図4(b)に示すように、各画素を中心とした注目領域が重なるように設定することとしてもよい。図4(a)に示す場合、注目領域内の各画素がその注目領域に対応する。図4(b)に示す場合、注目領域内の中心画素がその注目領域に対応する。各フレーム画像には、同じ座標位置に、互いに対応する注目領域が設定される。
肺野領域の抽出は、公知の何れの方法を用いてもよい。例えば、フレーム画像の各画素の画素値のヒストグラムから判別分析によって閾値を求め、この閾値より高信号の領域を肺野領域候補として1次抽出する。次いで、1次抽出された肺野領域候補の境界付近でエッジ検出を行い、境界付近の小領域でエッジが最大となる点を境界に沿って抽出すれば肺野領域の境界を抽出することができる。
なお、注目領域の設定前に、動態画像にワーピング処理を施して、フレーム画像間の肺野領域の位置合わせを行うこととしてもよい。
ステップS12においては、各フレーム画像において、設定された各注目領域内の画素信号値の代表値(例えば、平均値、最大値、最小値、又は中央値等)が算出され、各注目領域の画素信号値の代表値の時間方向の信号変化が、その注目領域に対応する画素の時間方向の信号変化として抽出される。各画素の画素信号値は、対応する注目領域の画素信号値の代表値に置き換えられる。図5に、ステップS12で抽出される時間方向の信号変化の例を示す。図5においては、2つの注目領域に対応する画素の時間方向の信号変化のみを図示しているが、実際には画像全体に注目領域が存在している。また、ステップS12で抽出した信号変化はグラフ化する必要はなく、内部的にデータとして保持するだけでよい(以下の説明も同様である)。
このように、各フレーム画像における注目領域の画素信号値の代表値をその注目領域に対応する画素の画素信号値とすることで、空間的なノイズの影響を低減することができる。
なお、各画素に対応する注目領域を設定して各画素の画素信号値を注目領域の代表値へ置き換える処理は、省略しても構わない。
例えば、ステップS12で抽出された各画素の時間方向の信号変化における最大値、最小値、平均値、又は中央値等が基準値として設定される。基準値は統一してもよいし、画素毎にばらばらに設定することとしてもよい。或いは、特定のフレーム画像における各画素の画素信号値を各画素の基準値としてもよい。特定のフレーム画像は、操作部33によりユーザーが指定することとしてもよい。或いは、特定の位相の(例えば、安静呼気位や安静吸気位の)フレーム画像を特定のフレーム画像としてもよく、この場合、自動認識処理によって特定のフレーム画像を決定してもよい。自動認識処理の方法としては、例えば、各フレーム画像から横隔膜の位置(垂直方向位置)を認識し、横隔膜の位置が最も高くなったフレーム画像又は最も低くなったフレーム画像を特定のフレーム画像として認識することができる。横隔膜の位置は、例えば、特許第5521392号公報に記載のように、公知の画像処理により認識することができる。また、例えば、各フレーム画像から肺野領域の画素数をカウントして肺野領域の面積を求め、最大面積又は最小面積のフレーム画像を特定のフレーム画像として認識してもよい。なお、上記自動認識処理は、ワーピング処理が施されていない動態画像を用いて行う。
図7に、図6に示す画素信号値の時間方向の信号変化における平均値を基準値とし、各フレーム画像の画素信号値とその基準値との差分をとった結果を示す。図7に示すように、基準値を0とし、画素信号値の時間変化の特徴を顕著に表した信号波形が得られる。
図8に、解析結果画像の例を示す。図8においては、ステップS14における解析値の最小値〜最大値が黒〜白となるようにグレーで色付けした例を示している。解析結果画像は、ムービーのようにフレーム画像を順次切り替えて動画像を再生するように表示してもよいし、図8に示すように、各フレーム画像を並べて表示することとしてもよい。図8において黒→白に変わっている箇所が画素信号値の変化が大きい箇所であり、グレーで変化しない箇所が画素信号値が変化しない箇所である。このように、解析結果画像のフレーム画像を動画表示又は並べて表示することで、動態画像の各フレーム画像と対応が取れた形で、画素信号値の時間変化の特徴を顕著に可視化することができ、医師等のユーザーが動態画像における画素信号値の時間方向の変化の特徴を捉え易くすることができる。
例えば、図9に示すように、動態画像と解析結果画像とを並べて動画表示することとしてもよい。このとき、動態画像と解析結果画像の対応するフレーム画像が同時に(同期をとって)表示されることが好ましい。
また、例えば、図10に示すように、動態画像と解析結果画像の各フレーム画像を並べて表示することとしてもよい。このとき、図10に示すように、動態画像と解析結果画像の対応するフレーム画像がわかるような態様で表示されることが好ましい。図10では、上下に並んだ画像が対応するフレーム画像であることを表している。
図9、図10に示すように、動態画像と解析結果画像の対応するフレーム画像が分かるような態様で並べて表示することで、医師等のユーザーが、動態画像を観察しながら、その動態画像の各フレーム画像と対応が取れた形で、その動態画像における画素信号値の時間方向の変化の特徴を容易に捉えることが可能となる。
また、図12に示すように、表示部34に解析値のグラフを表示し、表示されたグラフ上において操作部33によりユーザーが指定した点に対応する解析結果画像のフレーム画像を表示部34に表示することとしてもよい。これにより、例えば、解析値のグラフに気になる点が存在した場合、そのタイミングでの解析結果画像を直ちに表示させて観察することが可能となる。
所定領域は、例えば、操作部33の操作によりユーザーが指定した領域であってもよい。また、所定領域は1点(1画素)であってもよい。また、所定領域は、対象部位の解剖学的構造に合わせた領域(例えば、対象部位が肺野である場合、右肺野の上葉に相当する領域等)としてもよい。また、所定領域は複数設定してもよい。複数設定することで、複数の領域の定量値を比較することができ、異常箇所をみつけやすくすることができる。
従って、動態画像の各フレーム画像と対応が取れた形で、画素信号値の時間変化の特徴を顕著に可視化することができ、医師等のユーザーが動態画像における画素信号値の時間方向の変化の特徴を捉え易くすることができる。
搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
1 撮影装置
11 放射線源
12 放射線照射制御装置
13 放射線検出部
14 読取制御装置
2 撮影用コンソール
21 制御部
22 記憶部
23 操作部
24 表示部
25 通信部
26 バス
3 診断用コンソール
31 制御部
32 記憶部
33 操作部
34 表示部
35 通信部
36 バス
Claims (11)
- 生体における呼吸状態下の肺野の動態を放射線撮影することにより得られた動態画像から、少なくとも肺野領域の各画素の画素信号値の時間方向の信号変化を抽出して時間方向のローパスフィルター処理を施すことにより、前記各画素の換気信号成分の時間方向の信号変化を抽出する信号変化抽出手段と、
前記肺野領域の各画素の換気信号成分の時間方向の信号変化の代表値を前記各画素の換気信号成分の時間方向の信号変化の基準値として設定する基準値設定手段と、
前記動態画像の各フレーム画像における前記各画素の換気信号成分の値と前記各画素に設定された基準値との差異を表す解析値を算出することにより、複数のフレーム画像からなる解析結果画像を生成する生成手段と、
前記解析結果画像の複数のフレーム画像を動画表示又は並べて表示する表示手段と、
を備える動態解析装置。 - 前記信号変化抽出手段は、前記動態画像の各フレーム画像に対し、少なくとも前記肺野領域の各画素に対応する複数の注目領域を設定し、前記設定した注目領域内の画素信号値の代表値を前記注目領域に対応する画素の画素信号値として算出して、前記各画素の画素信号値の時間方向の信号変化を抽出する請求項1に記載の動態解析装置。
- 前記注目領域内の画素信号値の代表値は、前記注目領域内の画素信号値の平均値、中央値、最大値、又は最小値である請求項2に記載の動態解析装置。
- 前記生成手段は、前記動態画像の各フレーム画像における前記各画素の換気信号成分の値と前記各画素に設定された基準値との差異を表す解析値として、前記各画素の換気信号成分の値と前記各画素に設定された基準値との差分又は比を算出する請求項1〜3の何れか一項に記載の動態解析装置。
- 前記表示手段は、前記各画素に前記解析値に対応する色を付した解析結果画像を表示する請求項1〜4の何れか一項に記載の動態解析装置。
- 前記解析値に対応する色は、前記解析値の最大値と最小値に対応する色の色差が最も大きくなるように割り当てられている請求項5に記載の動態解析装置。
- 前記表示手段は、前記動態画像と前記解析結果画像を並べて動画表示する請求項1〜6の何れか一項に記載の動態解析装置。
- 前記表示手段は、前記動態画像と前記解析結果画像の対応するフレーム画像を並べて表示する請求項1〜6の何れか一項に記載の動態解析装置。
- 前記表示手段は、前記動態画像の各フレーム画像に対して前記解析結果画像の対応するフレーム画像をオーバーレイして表示する請求項1〜6の何れか一項に記載の動態解析装置。
- 前記表示手段は、前記解析結果画像とともに、前記解析結果画像上に設定された所定の点における前記解析値の時間方向の変化を示すグラフを表示する請求項1〜9の何れか一項に記載の動態解析装置。
- 前記表示手段は、前記解析結果画像とともに、前記解析結果画像上に設定された所定の領域における前記解析値の代表値を表示する請求項1〜9の何れか一項に記載の動態解析装置。
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