JP6811199B2 - 耐金型摩耗性およびプレス打ち抜き性に優れたCu−Ni−Si系銅合金条 - Google Patents
耐金型摩耗性およびプレス打ち抜き性に優れたCu−Ni−Si系銅合金条 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6811199B2 JP6811199B2 JP2018058111A JP2018058111A JP6811199B2 JP 6811199 B2 JP6811199 B2 JP 6811199B2 JP 2018058111 A JP2018058111 A JP 2018058111A JP 2018058111 A JP2018058111 A JP 2018058111A JP 6811199 B2 JP6811199 B2 JP 6811199B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rolling
- less
- annealing
- mpa
- copper alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Conductive Materials (AREA)
Description
この要求に応じ、従来のりん青銅や黄銅といった固溶強化型銅合金に替わり、高い強度および導電率を有するコルソン合金等の析出強化型銅合金の需要が増加している。コルソン合金は、Cuマトリックス中にNi−Si、Co−Si、Ni−Co−Si等の金属間化合物を析出させた合金であり、高強度、高い導電率、良好な曲げ加工性を兼ね備えている。
例えば、特許文献1、2にはCu−Ni−Si系銅合金の板表面における結晶方位の集積度を制御する技術が記載されており、特許文献3、4にはCu−Ni−Co−Si系銅合金の析出物の粒径および個数密度を制御する技術が開示されている。
そこで、特許文献5にはCu−Ni−Si系銅合金の成分組成を制御する技術が開示されている。又、特許文献6にはCu−Ni−Si系銅合金の第二相粒子の大きさおよび個数密度を制御する技術が報告されている。
特許文献3、4記載の技術の場合、プレス打ち抜き性を改善するものの、Cu−Ni−Si系銅合金にCoを添加するため、粗大な第二相粒子が多く存在して耐金型摩耗性が低下する。
特許文献5、6記載の技術の場合、耐金型摩耗性は改善されるものの、強度が十分とはいえない。
又、伸びが高くなると、耐金型摩耗性が低下することを見出した。
そして、強度と伸びの制御の手法として、歪取焼鈍における低温焼鈍硬化に着目した。低温焼鈍硬化とは時効後の冷間圧延によって組織中に圧延ひずみを導入すると、その後の歪取焼鈍で固溶元素がひずみに固着し、転位を妨げることで強化される現象である。
本発明のCu−Ni−Si系銅合金条は、さらにMg、Mn、Sn、ZnおよびCrの群から選ばれる少なくとも1種以上を総量で0.005〜1.0質量%含有することが好ましい。
本発明のCu−Ni−Si系銅合金条は、さらにP、B、Ti、Zr、Al、FeおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種以上を総量で0.005〜1.0質量%含有することが好ましい。
[NiおよびSi]
銅合金中にNi:3.0〜5.0%、Si:0.5〜1.5%を含有する。NiおよびSiは、適当な熱処理を施すことにより金属間化合物を形成し,導電率を劣化させずに強度を向上させる。
NiおよびSiの含有量が上記範囲未満であると、強度の向上効果が得られず、上記範囲を超えると導電性が低下すると共に熱間加工性が低下する。
また、上述の低温焼鈍硬化を発現するためには多量の固溶元素が必要であるため、本発明ではNiおよびSiの含有量を多くしている。
合金中に、さらにMg、Mn、Sn、ZnおよびCrの群から選ばれる少なくとも1種以上を総量で0.005〜1.0質量%含有してもよい。
Mgは強度と耐応力緩和特性を向上させる。Mnは強度と熱間加工性を向上させる。Snは強度を向上させる。Znは半田接合部の耐熱性を向上させる。Crは、Niと同様にSiと化合物を形成するため、析出硬化により導電率を劣化させずに強度を向上させる。
また、合金中に、さらにP、B、Ti、Zr、Al、FeおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種以上を総量で0.005〜1.0質量%含有してもよい。これら元素を含有すると、導電率、強度、応力緩和特性、めっき性等の製品特性が改善される。
なお、上記した各元素の総量が上記範囲未満であると上記した効果が得られず、上記範囲を超えると導電率の低下を招く場合がある。
Cu−Ni−Si系銅合金の圧延平行方向の0.2%耐力が950〜1300MPaである。圧延平行方向の0.2%耐力に着目した理由は、耐力(強度)は一般に圧延平行方向の値で代表されるからである。
材料のプレス打ち抜き性を向上させるためには、プレス後のプレス破面におけるせん断面比率を小さくすることが有効であるが、強度が高いほどせん断面比率は小さくなる。よって、0.2%耐力が950MPa以上であると、プレス打ち抜き性が向上する。
ただし、0.2%耐力を高くしすぎると、高硬度の析出物が生じ、この析出物に起因して硬度の高いせん断面が金型と接触して金型摩耗を促進することから、1300MPaを上限とする。
なお、0.2%耐力は、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製し、JIS−Z2241に従い引張試験して常温で求める。
Cu−Ni−Si系銅合金の圧延直角方向の伸びが3%以下である。端子やコネクタ等の電子材料は、自身の長手方向が銅合金条の圧延直角方向に平行になるように打ち抜かれて製造されることが多く、圧延直角方向の伸びがプレス打ち抜き性を評価するのに有効である。
伸びが小さくなると、プレス後のプレス破面におけるせん断面比率が小さくなる傾向にあり、圧延直角方向の伸びを3%以下に低減すると、プレス打ち抜き性が向上する。また、銅合金材料を金型で打ち抜く際、抵抗が少なく打ち抜けるので、金型と銅合金材料の接触部のダレが抑制され、耐金型摩耗性も向上する。
また、伸びは破断伸びであり、引張試験機により、JIS−Z2241に従い、上述の0.2%耐力を測定するのと同時に測定した。そして、試験片が破断したときの標点間の長さL(ゲージ長さ)と、試験前の標点距離L0との差を%で求めた。
前述のように、プレス打ち抜き性を向上させるためには、プレス後のプレス破面におけるせん断面比率を小さくすることが有効であり、圧延平行方向の強度が高く、圧延直角方向の伸びが小さいほどせん断面比率は小さくなる。しかし、強度を高くしすぎると耐金型摩耗性が低下する。
よって、圧延平行方向の0.2%耐力YSと、圧延直角方向の伸びELの比(YS/EL)を規定することで、プレス打ち抜き性および耐金型摩耗性のより良い指標となると考えられる。そして、比(YS/EL)が317〜1300(MPa/%)を満たすとプレス打ち抜き性および耐金型摩耗性が向上する。
Cu−Ni−Si系銅合金の圧延直角方向のばね限界値が850MPa以上である。上述のように、端子やコネクタ等の電子材料は、自身の長手方向が銅合金条の圧延直角方向に平行になるように打ち抜かれて製造されることが多く、圧延直角方向のばね限界値がプレス打ち抜き性を評価するのに有効である。
ばね限界値が850MPa未満であると、材料を金型で打ち抜く際に抵抗が大きくなり、プレス打ち抜き性が低下する。
ばね限界値の上限は特に制限されないが、例えば1250MPa以下である。
圧延直角方向のばね限界値は、JIS−H3130に規定されているモーメント式試験により、圧延直角方向が長い短冊状の試験片を片持ち式に保持し、材料板厚により規定した、たわみ量を生じさせる曲げモーメントから表面最大応力を測定して求めた。
結晶粒径を微細化することにより、高い強度が得られるため、プレス後のプレス破面におけるせん断面が小さくなり、プレス打ち抜き性が向上する。最終製品の結晶粒径は溶体化処理後のそれと同一であるため、溶体化処理後の圧延平行断面の平均結晶粒径を20μm以下とすると好ましい。平均結晶粒径が20μmを超える場合、強度が低下することからプレス打ち抜き性が低下する場合がある。
一方、平均結晶粒径が10μmよりも小さくなると、金属組織の一部が未再結晶となり、未再結晶部が残るとプレス打ち抜き性が低下するため、平均結晶粒径を10〜20μmとするのが好ましい。
平均結晶粒径は、JIS−H0501(切断法)に基いて測定する。
本発明のCu−Ni−Si系銅合金は、通常、インゴットを熱間圧延、冷間圧延、溶体化処理、時効処理、低温熱処理、低温熱処理後冷間圧延、歪取焼鈍の順で行って製造することができる。溶体化処理前の冷間圧延や再結晶焼鈍は必須ではなく、必要に応じて実施してもよい。
溶体化処理は、温度を800〜950℃として行うとよい。これにより、NiおよびSiの固溶が進む。この温度が800℃未満である場合は、母相の再結晶および上記の固溶が十分に進まず、プレス打ち抜き性が低下する場合がある。一方、この温度が950℃を超える場合は粒径が粗大化し、結晶粒界強化による強度向上が小さくなることから、強度が低下し、プレス打ち抜き性が低下する場合がある。加熱時間は15〜300秒として行うことができる。
銅合金の平均結晶粒径については、溶体化処理の温度が高いほど大きくなり、温度が低いほど小さくなる。また、平均結晶粒径は加熱時間が長いほど大きくなり、短いほど小さくなる。従って、溶体化処理の温度と加熱時間を調整することで、溶体化処理後の平均結晶粒径(最終製品の平均結晶粒径と同じ)を10〜20μmに制御できる。
冷却速度が毎秒10℃未満であると、固溶元素(NiおよびSi)の量が減少し、0.2%耐力強度が低下する場合がある。
ただし、冷却速度を高くし過ぎると、0.2%耐力が却って向上し難くなるため、約30℃/秒以下、好ましくは約25℃/秒以下であるとよい。
ここで、「冷却速度」とは溶体化処理温度(800℃〜950℃)から400℃までの冷却時間を計測し、(溶体化処理温度−400)(℃)/冷却時間(秒)によって算出した値(℃/秒)をいう。
時効処理は温度を400〜550℃として行うとよい。この温度が400℃より低いと導電率が低くなり、550℃より高いと強度が低下する場合がある。加熱時間は1〜15hの範囲で行うことができる。
Cu−Ni−Si系銅合金の圧延平行方向の0.2%耐力を高くし、圧延直角方向の伸びを低くする手法として、歪取焼鈍における低温焼鈍硬化を利用する。低温焼鈍硬化とは時効後の冷間圧延によって組織中に圧延ひずみを導入すると、その後の歪取焼鈍で固溶元素がひずみに固着し、転位を妨げることで強化される現象である。
そして、そのためには歪取焼鈍の直前の低温熱処理後冷間圧延の加工率をなるべく高くし、歪取焼鈍直前の固溶元素(NiおよびSi)の量を増やす必要がある。
なお、歪取焼鈍直前の固溶元素量をさらに増やすため、低温熱処理後冷間圧延の前に、詳しくは後述する「低温熱処理」を行う。
加工率REが70%未満であると、低温焼鈍硬化が不十分となって0.2%耐力が950MPa未満となる場合がある。加工率REが90%以上であると、冷間圧延中に試料に割れが発生し、最終製品を製造できない場合がある。
なお、加工率REは、低温熱処理後冷間圧延の前後での合金の板厚の変化の割合(%)である。
なお、歪取焼鈍後の最終製品の導電率EC(%IACS)は、25〜40%程度である。
なお、低温熱処理は550〜800℃の範囲で行い、後述するΔECが2.0%となるように加熱時間を1〜250秒の範囲で調整した。そして、歪取焼鈍前の導電率EC、および低温熱処理後冷間圧延の加工率REを表1に示すように変化させてそれぞれ事前実験1〜8を行った。
一方、実験6,7は0.2%耐力が950MPa未満となり、式(1)よりもREが低い領域に存在していた。また実験5,8は式(1)上、または式(1)よりもREが高い領域にあるが、実験5は加工率REが70%未満で、0.2%耐力が950MPa未満となり、実験8は加工率REが90%以上で、冷間圧延中に試料に割れが発生し、最終製品を製造できなかった。
以上の結果から、0.2%耐力および耐金型摩耗性の目標を達成するために、低温熱処理後冷間圧延の加工率REを70%以上90%未満かつ式(1)を満たす条件にする必要がある。
また、歪取焼鈍直前の固溶元素量を増やすため、上記した低温熱処理を行う。低温熱処理は、溶体化温度未満で、かつ時効温度以上の温度で実施する。低温熱処理は、時効処理で析出した固溶元素を、再びマトリクス中に固溶させるので、歪取焼鈍直前の固溶元素量が増加する。
そして、歪取焼鈍直前の固溶元素の量を表す指標として、時効処理後(つまり、低温熱処理前)と、低温熱処理後の導電率の変化量ΔECを用いる。ΔEC=(時効処理後の導電率)−(低温熱処理後の導電率)で表される。ΔEC=2〜4%(IACS)となるように低温熱処理を550〜800℃で1〜250秒で行うとよい。
歪取焼鈍直前の低温熱処理により、時効処理後に比べて固溶元素の量が増えれば、導電率が低下する。
ΔECが4%IACSを超える場合は、低温熱処理後(歪取焼鈍前)に材料の固溶元素の量が多すぎることを示す。このため、歪取焼鈍時の低温焼鈍硬化での硬化の度合いが増加しすぎると共に、強度に寄与しない固溶元素が増えることで歪取焼鈍後の材料の0.2%耐力が低下する場合がある。また、0.2%耐力の低下に伴い、圧延直角方向の伸びが3%を超えて大きくなる。その結果、材料を金型で打ち抜く際の抵抗が大きくなり、ダレが発生して耐金型摩耗性が低下する場合がある。
歪取焼鈍を200〜500℃で5〜100秒間行うとよい。歪取焼鈍の温度が上記範囲未満であると、歪取焼鈍が不十分となることで、上述の低温焼鈍硬化による強度の向上が小さくなり、圧延平行方向の0.2%耐力を950MPa以上にすることが困難である場合がある。歪取焼鈍の温度が上記範囲を超えると、歪取焼鈍による上述の低温焼鈍硬化が過度となって合金が軟化し、0.2%耐力の向上が図れない場合がある。
歪取焼鈍の時間が上記未満であると、低温焼鈍硬化は発現するが、ばね限界値が850MPa以下となり、プレス打ち抜き性が低下する場合がある。歪取焼鈍の時間が上記範囲を超えると、低温焼鈍硬化が発現して0.2%耐力は向上するが、伸びが3%を超えて大きくなり、プレス打ち抜き性が低下する場合がある。
なお、熱間圧延は1000℃で3時間行い、溶体化処理を800〜950℃で行った。時効処理は400℃〜550℃で1〜15時間の範囲、低温熱処理は550〜800℃の範囲で行い、歪取焼鈍は200〜500℃で5〜100秒間の範囲で行った。時効処理および歪取焼鈍はそれぞれの処理後の0.2%耐力が最大となる温度および時間で行った。
得られた試料について以下の項目を評価した。
[導電率]
時効処理後および低温熱処理後の圧延平行方向の試料、および歪取焼鈍後の最終製品の圧延平行方向の試料について、JISH0505に準拠し、ダブルブリッジ装置を用いた四端子法により求めた体積抵抗率から導電率(%IACS)を算出した。
[強度]
歪取焼鈍後の最終製品につき、引張方向が圧延平行方向および圧延直角方向と平行になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製した。JIS−Z2241に従ってこの試験片の引張試験を行い、0.2%耐力YSを測定した。
引張試験の条件は、試験片幅12.7mm、室温(15〜35℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さL=50mmで、材料の圧延平行方向および圧延直角方向に引張試験した。
歪取焼鈍後の最終製品につき、引張方向が圧延平行方向および圧延直角方向と平行になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製し、上述の0.2%耐力を測定するのと同時に測定した。そして、試験片が破断したときの標点間の長さL(ゲージ長さ)と、試験前の標点距離L0との差を%で求めた。
平均結晶粒径は、圧延方向に平行な断面を鏡面研磨後に化学腐食し、切断法(JIS−H0501)により求めた。
歪取焼鈍後の最終製品につき、JIS−H3130に規定されているモーメント式試験により、圧延直角方向が長い短冊状の試験片(試験片幅10mm)を片持ち式に保持し、材料板厚により規定した永久たわみ量を生じさせる曲げモーメントから表面最大応力を測定し、圧延直角方向のばね限界値とした。
試験条件は材料板厚t(mm)、材料の固定端から負荷点までの距離l(mm)、永久たわみ量δ(mm)について、材料板厚tが0.03〜0.05mmの場合はl2=1300t、δ=0.0325、材料板厚tが0.051〜0.07mmの場合はl2=2000t、δ=0.050、材料板厚tが0.071〜0.09mmの場合はl2=3000t、δ=0.075、材料板厚tが0.09mmよりも大きい場合はl2=4000t、δ=0.1とし、試験を行った。
タレットパンチプレスを使用して最終製品の試料を打ち抜き、20万ショット打ち抜いた後のパンチ刃の摩耗量を、プレス前を基準として測定した。パンチは円筒形のものを使用し、クリアランスは板厚の5%、プレス速度は290shot/minとし、パンチの押し込み深さは板厚の50%に設定した。また、パンチとダイはそれぞれ硬度の異なるものを使用し、パンチの硬度がダイの硬度の60〜80%の値となるよう設定した。
パンチ刃の摩耗量は、レーザー顕微鏡を使用し、図2に示すように、プレス前のパンチ刃の断面プロファイルP1とプレス後のパンチ刃の断面プロファイルP2の間で高低差が生じた面積S1を摩耗した面積とみなし、その面積を算出した。図2の符号Dはプレス方向を示す。以下の基準で金型摩耗性を評価した。評価が○であれば、耐金型摩耗性が優れている。
○:摩耗面積が4000μm2未満
×:摩耗面積が4000μm2以上
一辺10mmの正方形型のポンチと、クリアランスを板厚の5%設けたダイスとの間に歪取焼鈍後の最終製品を配置した状態で、速度0.1mm/minでパンチをダイに向けて変位させプレスを行った。プレス後のプレス破面を光学顕微鏡により観察し、板厚方向におけるせん断面の幅をS(mm)、破断面の幅をH(mm)としたとき、S/Hでプレス打ち抜き性を評価した。せん断面幅S、破断面幅Hは、観察面の写真から画像解析ソフトを使用して算出し、以下の指標で評価した。評価が◎、○であればプレス打ち抜き性が優れている。
◎:S/H≦1.0
○:1.0<S/H≦1.5
×:S/H>1.5
溶体化処理温度が実施例より低すぎて、溶体化処理後の平均結晶粒径が10μm未満となった比較例2の場合、金属組織の一部が未再結晶となり、圧延平行方向の0.2%耐力が950MPa未満、圧延直角方向のばね限界値が850MPa未満となり、プレス打ち抜き性が低下した。
時効温度が実施例より低すぎた比較例6の場合、圧延平行方向の0.2%耐力が950MPa未満、圧延直角方向のばね限界値が850MPa未満、導電率が25%IACS未満となり、プレス打ち抜き性が低下した。又、伸びが3%を超え、耐金型摩耗性及びも低下した。これは、時効処理が不十分なため、低温焼鈍硬化が不十分になったためと考えられる。
ΔECが4%IACSを超えた比較例8の場合、圧延平行方向の0.2%耐力が950MPa未満、圧延直角方向のばね限界値が850MPa未満となり、プレス打ち抜き性が低下した。これは、歪取焼鈍時に強度が十分に向上しなかったためと考えられる。又、伸びが3%を超え、耐金型摩耗性も低下した。
歪取焼鈍前の導電率が25%未満かつ加工率REが式(1)を満たさなかった比較例10の場合、圧延平行方向の0.2%耐力が950MPa未満、圧延直角方向のばね限界値が850MPa未満、導電率が25%IACS未満となり、伸びが3%を超え、耐金型摩耗性及びプレス打ち抜き性が低下した。これは、低温焼鈍硬化が不十分なためと考えられる。
加工率REが90%以上の比較例12の場合、冷間圧延中に試料に割れが発生し、最終製品を製造できなかった。
歪取焼鈍の加熱時間が実施例より長すぎた比較例14の場合、伸びが3%を超え、(YS/EL)の比が317未満となり、耐金型摩耗性及びプレス打ち抜き性が低下した。
ΔECが2%IACS未満であり、加工率REが70%未満の比較例16の場合、圧延平行方向の0.2%耐力が950MPa未満、伸びが3%を超え、圧延直角方向のばね限界値が850MPa未満となり、耐金型摩耗性及びプレス打ち抜き性が低下した。
Niの含有量が5.0%を超え、Siの含有量が1.5%を超えた比較例19の場合、圧延平行方向の0.2%耐力が1300MPaを超えたため、耐金型摩耗性が低下した。これは、高硬度の析出物、および析出物に起因してせん断面が硬くなったためと考えられる。
Niの合計含有量が3.0%未満の比較例21の場合、圧延平行方向の0.2%耐力が950MPa未満、圧延直角方向のばね限界値が850MPa未満となり、プレス打ち抜き性が低下した。
Claims (4)
- 質量%で、Ni:3.0〜5.0%、Si:0.5〜1.5%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなり、
圧延平行方向の0.2%耐力YSが950〜1300MPa、圧延直角方向の伸びELが2.8%以下、導電率が25%IACS以上であり、
かつ(圧延平行方向の0.2%耐力YS)/(圧延直角方向の伸びEL)が339〜1300(MPa/%)であり、
圧延直角方向のばね限界値が850MPa以上である、Cu−Ni−Si系銅合金条。 - 前記ばね限界値が900MPa以上である請求項1に記載のCu−Ni−Si系銅合金条。
- さらにMg、Mn、Sn、ZnおよびCrの群から選ばれる少なくとも1種以上を総量で0.005〜1.0質量%含有する請求項1または2に記載のCu−Ni−Si系銅合金条。
- さらにP、B、Ti、Zr、Al、FeおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種以上を総量で0.005〜1.0質量%含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のCu−Ni−Si系銅合金条。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018058111A JP6811199B2 (ja) | 2018-03-26 | 2018-03-26 | 耐金型摩耗性およびプレス打ち抜き性に優れたCu−Ni−Si系銅合金条 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018058111A JP6811199B2 (ja) | 2018-03-26 | 2018-03-26 | 耐金型摩耗性およびプレス打ち抜き性に優れたCu−Ni−Si系銅合金条 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2019167613A JP2019167613A (ja) | 2019-10-03 |
| JP6811199B2 true JP6811199B2 (ja) | 2021-01-13 |
Family
ID=68106328
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2018058111A Expired - Fee Related JP6811199B2 (ja) | 2018-03-26 | 2018-03-26 | 耐金型摩耗性およびプレス打ち抜き性に優れたCu−Ni−Si系銅合金条 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP6811199B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4594221A (en) * | 1985-04-26 | 1986-06-10 | Olin Corporation | Multipurpose copper alloys with moderate conductivity and high strength |
| JP6696720B2 (ja) * | 2013-07-11 | 2020-05-20 | 古河電気工業株式会社 | 銅合金板材およびその製造方法 |
| JP6113061B2 (ja) * | 2013-11-25 | 2017-04-12 | Jx金属株式会社 | 導電性、耐応力緩和特性および成形加工性に優れる銅合金板 |
| JP2016053220A (ja) * | 2015-12-01 | 2016-04-14 | Jx金属株式会社 | 導電性、耐応力緩和特性および成形加工性に優れる銅合金板 |
| JP6355672B2 (ja) * | 2016-03-31 | 2018-07-11 | Jx金属株式会社 | Cu−Ni−Si系銅合金及びその製造方法 |
-
2018
- 2018-03-26 JP JP2018058111A patent/JP6811199B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2019167613A (ja) | 2019-10-03 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP6385382B2 (ja) | 銅合金板材および銅合金板材の製造方法 | |
| JP4857395B1 (ja) | Cu−Ni−Si系合金及びその製造方法 | |
| JP5117604B1 (ja) | Cu−Ni−Si系合金及びその製造方法 | |
| JP4177104B2 (ja) | 曲げ加工性に優れた高強度銅合金及びその製造方法及びそれを用いた端子・コネクタ | |
| JP2002180165A (ja) | プレス打ち抜き性に優れた銅基合金およびその製造方法 | |
| US20170130309A1 (en) | Copper alloy for electronic equipment, method for producing copper alloy for electronic equipment, rolled copper alloy material for electronic equipment, and part for electronic equipment | |
| JP5619389B2 (ja) | 銅合金材料 | |
| JP6306632B2 (ja) | 電子材料用銅合金 | |
| KR101917416B1 (ko) | 전자 재료용 Cu-Co-Si 계 합금 | |
| JP6355672B2 (ja) | Cu−Ni−Si系銅合金及びその製造方法 | |
| JP2016050326A (ja) | 電子・電気機器用銅合金、電子・電気機器用銅合金薄板、電子・電気機器用部品及び端子 | |
| JP6928597B2 (ja) | 銅合金板材およびその製造方法ならびに絞り加工品、電気・電子部品用部材、電磁波シールド材および放熱部品 | |
| JP5017719B2 (ja) | プレス加工性に優れた銅基合金板およびその製造方法 | |
| KR102121180B1 (ko) | 금형 마모성이 우수한 Cu-Ni-Si 계 구리 합금 | |
| JP6619389B2 (ja) | Cu−Ni−Si系銅合金 | |
| JP6542817B2 (ja) | 電子材料用銅合金 | |
| JP6246454B2 (ja) | Cu−Ni−Si系合金及びその製造方法 | |
| JP4175920B2 (ja) | 高力銅合金 | |
| JP6811199B2 (ja) | 耐金型摩耗性およびプレス打ち抜き性に優れたCu−Ni−Si系銅合金条 | |
| JP6845885B2 (ja) | 金型摩耗性に優れたCu−Ni−Si系銅合金条 | |
| JP6845884B2 (ja) | 金型摩耗性に優れたCu−Ni−Si系銅合金条 | |
| JP6154996B2 (ja) | 高強度銅合金材およびその製造方法 | |
| JP2016211078A (ja) | Cu−Ni−Si系合金及びその製造方法 | |
| KR20200115224A (ko) | 강도와 압연 평행 방향 및 압연 직각 방향의 굽힘 가공성이 우수한 Cu-Ni-Si계 합금 스트립 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191101 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200709 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200831 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201026 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201208 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201214 |
|
| R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6811199 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |