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JP6807815B2 - 点火プラグ - Google Patents

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JP6807815B2
JP6807815B2 JP2017155217A JP2017155217A JP6807815B2 JP 6807815 B2 JP6807815 B2 JP 6807815B2 JP 2017155217 A JP2017155217 A JP 2017155217A JP 2017155217 A JP2017155217 A JP 2017155217A JP 6807815 B2 JP6807815 B2 JP 6807815B2
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Description

本明細書は、点火プラグに関する。
従来から、内燃機関に、点火プラグが用いられている。点火プラグとしては、例えば、軸線の方向に延びる貫通孔を有する絶縁体と、前記絶縁体の先端側の部分によって保持される中心電極と、前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と、を備える点火プラグが利用されている。
特開平09−219273号公報
ところで、点火プラグの先端部において、主体金具の内周面と絶縁体の外周面との間には、ガスが入り得る隙間が形成されている。内燃機関の運転中には、絶縁体の温度が高くなる。隙間内のガスの温度は、絶縁体から受ける熱によって、高くなる。また、隙間の径方向の幅が小さい場合、隙間内のガスの入れ替わりが抑制されるので、ガスが隙間内に留まりやすい。隙間内にガスが留まる場合、隙間内のガスの温度が、絶縁体からの熱により、意図せず高くなり得る。このようなガスの昇温に起因して、点火プラグの耐熱性が低下する場合があった。例えば、隙間内の高温のガスによって、プレイグニションなどの誤着火が発生する場合があった。
本明細書は、点火プラグの耐熱性を向上できる技術を開示する。
本明細書は、例えば、以下の態様または適用例を開示する。
[態様]
軸線の方向に延びる貫通孔を有する絶縁体を含む筒部材と、前記絶縁体の前記貫通孔の先端側に配置される中心電極と、前記筒部材の外周側に配置される筒状の主体金具と、を備え、前記筒部材は、先端側に向かって外径が小さくなる段部を有し、前記主体金具は、先端側に向かって内径が小さくなる部分であるとともに前記段部を直接的又は間接的に支持する支持部を有する、点火プラグであって、
前記筒部材は、前記主体金具の内周面よりも内周側、かつ、前記絶縁体の内周面よりも外周側に、配置され、前記絶縁体よりも熱伝導率の高い部分である伝熱部を含み、
前記伝熱部の後端の前記軸線の方向の位置は、前記主体金具の後端の前記軸線の方向の位置よりも後端側に位置し、
前記伝熱部の先端の前記軸線の方向の位置は、前記段部のうち前記主体金具の前記支持部に直接的または間接的に支持される部分の後端である支持後端の前記軸線の方向の位置と同じ、または、前記支持後端の前記軸線の方向の位置よりも先端側に位置し、
前記伝熱部の先端の前記軸線の方向の位置は、前記支持後端の前記軸線の方向の位置よりも先端側に位置し、
前記絶縁体のうちの前記支持後端よりも先端側の部分の前記軸線の方向の長さに対する、前記伝熱部のうちの前記支持後端よりも先端側の部分の前記軸線の方向の長さの割合は、ゼロより大きく、0.75以下である、
点火プラグ。
[適用例1]
軸線の方向に延びる貫通孔を有する絶縁体を含む筒部材と、前記絶縁体の前記貫通孔の先端側に配置される中心電極と、前記筒部材の外周側に配置される筒状の主体金具と、を備え、前記筒部材は、先端側に向かって外径が小さくなる段部を有し、前記主体金具は、先端側に向かって内径が小さくなる部分であるとともに前記段部を直接的又は間接的に支持する支持部を有する、点火プラグであって、
前記筒部材は、前記主体金具の内周面よりも内周側、かつ、前記絶縁体の内周面よりも外周側に、配置され、前記絶縁体よりも熱伝導率の高い部分である伝熱部を含み、
前記伝熱部の後端の前記軸線の方向の位置は、前記主体金具の後端の前記軸線の方向の位置よりも後端側に位置し、
前記伝熱部の先端の前記軸線の方向の位置は、前記段部のうち前記主体金具の前記支持部に直接的または間接的に支持される部分の後端である支持後端の前記軸線の方向の位置と同じ、または、前記支持後端の前記軸線の方向の位置よりも先端側に位置する、
点火プラグ。
この構成によれば、伝熱部は、支持後端の近傍から、主体金具の後端よりも後端側へ、熱を伝達できるので、点火プラグの耐熱性を向上できる(例えば、プレイグニションなどの誤着火を抑制できる)。
[適用例2]
適用例1に記載の点火プラグであって、
前記伝熱部の先端の前記軸線の方向の位置は、前記支持後端の前記軸線の方向の位置よりも先端側に位置する、
点火プラグ。
この構成によれば、伝熱部は、効果的に、支持後端よりも先端側から、主体金具の後端よりも後端側へ、熱を伝達できるので、点火プラグの耐熱性を効果的に向上できる。
[適用例3]
適用例2に記載の点火プラグであって、
前記絶縁体のうちの前記支持後端よりも先端側の部分の前記軸線の方向の長さに対する、前記伝熱部のうちの前記支持後端よりも先端側の部分の前記軸線の方向の長さの割合は、ゼロより大きく、0.75以下である、
点火プラグ。
この構成によれば、伝熱部に起因する不具合を抑制できる。
[適用例4]
適用例1から3のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記点火プラグは前記筒部材の前記段部と前記主体金具の前記支持部との間に配置されるパッキンを備える、または、前記主体金具の前記支持部は前記パッキンを介さずに前記筒部材の前記段部を支持し、
前記伝熱部は、前記主体金具の前記支持部または前記パッキンに、接触する、
点火プラグ。
この構成によれば、伝熱部は、支持後端の近傍から、主体金具へ、熱を伝達できるので、点火プラグの耐熱性を向上できる。
[適用例5]
適用例1から4のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記絶縁体の前記貫通孔の後端側の部分に一部が挿入された端子金具を備え、
前記伝熱部のうちの前記主体金具の前記後端よりも後端側の部分は、前記絶縁体の外周側に露出する露出面を形成し、
前記端子金具のうちの前記貫通孔の後端側に露出する部分の先端と、前記伝熱部の前記露出面の後端と、の間の前記軸線の方向の距離は、15mm以上である、
点火プラグ。
この構成によれば、伝熱部と端子金具との間の意図しない放電を、抑制できる。
[適用例6]
適用例1から5のいずれかに記載の点火プラグであって、
一方の端部である基端部が前記主体金具の先端面に接合され、他方の端部が前記中心電極に対向して放電ギャップを形成する棒状の接地電極を備え、
前記伝熱部のうちの前記支持後端よりも先端側の部分である先部分は、前記軸線を中心とする周方向の位置が、前記軸線から前記接地電極の前記基端部の中心へ向かう方向を基準として±45度の範囲である特定範囲内である部分を含む、
点火プラグ。
この構成によれば、点火プラグの耐熱性を、適切に、向上できる。
[適用例7]
適用例6に記載の点火プラグであって、
前記伝熱部の前記先部分の前記特定範囲内における前記軸線の方向の最大長は、前記伝熱部の前記先部分の前記特定範囲外における前記軸線の方向の最大長よりも、長い、
点火プラグ。
この構成によれば、点火プラグの耐熱性を、適切に、向上できる。
[適用例8]
適用例6または7に記載の点火プラグであって、
前記伝熱部の前記先部分は、前記特定範囲内のみに、設けられている、
点火プラグ。
この構成によれば、点火プラグの耐熱性を、適切に、向上できる。
[適用例9]
適用例8に記載の点火プラグであって、
前記絶縁体のうちの前記支持後端よりも先端側の部分の前記軸線の方向の長さに対する、前記伝熱部の前記先部分の前記軸線の方向の長さの割合は、ゼロより大きく、0.65以下である、
点火プラグ。
この構成によれば、点火プラグ耐汚損性の低下を抑制できる。
[適用例10]
適用例1から9のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記伝熱部は、非導電体である、点火プラグ。
この構成によれば、伝熱部を通る意図しない放電を、抑制できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関や、その点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。 軸線CLに垂直な方向を向いて見た点火プラグ100の説明図である。 サンプルの構成と評価試験の結果とを示す表とグラフである。 点火プラグの第2実施形態を示す説明図である。 点火プラグの第3実施形態を示す説明図である。 サンプルの種類と向上率R1との対応関係を示す表とグラフである。 点火プラグの第4実施形態を示す説明図である。 サンプルの構成と評価試験の結果との対応関係を示す表とグラフである。 サンプルの構成と評価試験の結果との対応関係を示す表とグラフである。 点火プラグの別の実施形態を示す説明図である。 点火プラグの別の実施形態を示す説明図である。
図1は、一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。図中には、点火プラグ100の中心軸CL(「軸線CL」とも呼ぶ)と、点火プラグ100の中心軸CLを含む平らな断面と、が示されている。以下、中心軸CLに平行な方向を「軸線CLの方向」、または、単に「軸線方向」または「前後方向」とも呼ぶ。軸線CLを中心とする円の径方向を「径方向」とも呼ぶ。径方向は、軸線CLに垂直な方向である。軸線CLを中心とする円の円周方向を、「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図1における下方向を先端方向Df、または、前方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfr、または、後方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から中心電極20に向かう方向である。また、図1における先端方向Df側を点火プラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dfr側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、軸線CLに沿って延びる貫通孔12(軸孔12とも呼ぶ)を有する筒状の絶縁体10と絶縁体10に固定された伝熱層80とを含む筒部材90と、貫通孔12の先端側で保持される中心電極20と、貫通孔12の後端側で保持される端子金具40と、貫通孔12内で中心電極20と端子金具40との間に配置された抵抗体73と、中心電極20と抵抗体73とに接触してこれらの部材20、73を電気的に接続する導電性の第1シール部72と、抵抗体73と端子金具40とに接触してこれらの部材73、40を電気的に接続する導電性の第2シール部74と、筒部材90の外周側に固定された筒状の主体金具50と、一端が主体金具50の環状の先端面55に接合されるとともに他端が中心電極20とギャップgを介して対向するように配置された接地電極30と、を有している。
絶縁体10の軸線方向の略中央には、外径が最も大きな大径部14が形成されている。大径部14より後端側には、後端側胴部13が形成されている。大径部14よりも先端側には、後端側胴部13よりも外径の小さな先端側胴部15が形成されている。先端側胴部15よりもさらに先端側には、縮外径部16と、脚部19とが、先端側に向かってこの順に形成されている。縮外径部16の外径は、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている。縮外径部16の近傍(図1の例では、先端側胴部15)には、前方向Dfに向かって内径が徐々に小さくなる縮内径部11が形成されている。絶縁体10は、機械的強度と、熱的強度と、電気的強度とを考慮して形成されることが好ましく、例えば、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。
絶縁体10の外周面上には、伝熱層80が設けられている。本実施形態では、伝熱層80は、絶縁体10のうち脚部19の途中の部分から後端側胴部13の途中の部分までの外周面を、全体に亘って、覆っている。伝熱層80は、絶縁体10よりも熱伝導率の大きい部材である。伝熱層80は、炭化珪素、窒化アルミなどの非導電性のセラミックで形成されてよい。このように、伝熱層80は、非導電体であってよい。また、伝熱層80は、白金やニッケルなどの金属で形成されてよく、また、金属などの導電体を含む導電性フィラーと樹脂(例えば、エポキシ樹脂)との混合物で形成されてよい。このように、伝熱層80は、導電体であってよい。筒部材90は、絶縁体10と伝熱層80とを含む筒状の部材である。
絶縁体10と伝熱層80とを含む筒部材90は、種々の方法で製造され得る。例えば、絶縁体10の材料を成形して得られる未焼成の成形体の外周面上に、伝熱層80の材料のシートを配置し、そして、ラバープレスによって、未焼成の絶縁体10の外周側に未焼成の伝熱層80を成形する。そして、未焼成の成形体を焼成することによって、筒部材90を成形してもよい。また、焼成済の絶縁体10の外周面上に、伝熱層80の材料粉末を付着させ、そして、焼成することによって、絶縁体10の外周面上に伝熱層80を成形してもよい。
このように、筒部材90のうち、伝熱層80が設けられる部分の外周面は、伝熱層80によって形成され、伝熱層80が設けられていない部分の外周面は、絶縁体10によって形成される。なお、筒部材90の外形は、絶縁体10の外形と、おおよそ同じである。例えば、筒部材90のうちの絶縁体10の縮外径部16を含む部分96の外径は、縮外径部16の外径と同様に、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている(以下、縮外径部96と呼ぶ)。また、絶縁体10の脚部19は、主体金具50の貫通孔59の内周面から内周側に離れた位置に配置され、軸線CLに沿って延びている。筒部材90のうち、絶縁体10の脚部19を含む部分99も、同様に、主体金具50の貫通孔59の内周面から内周側に離れた位置に配置され、軸線CLに沿って延びている(以下、脚部99と呼ぶ)。このように、伝熱層80は、筒部材90の外形を絶縁体10の外形から大きく変化させない程度に、十分に薄い。
中心電極20は、金属製の部材であり、絶縁体10の貫通孔12内の前方向Df側の端部に配置されている。中心電極20は、略円柱状の棒部28と、棒部28の先端に接合(例えば、レーザ溶接)された第1チップ29と、を有している。棒部28は、後方向Dfr側の部分である頭部24と、頭部24の前方向Df側に接続された軸部27と、を有している。軸部27は、軸線CLに平行に前方向Dfに向かって延びている。頭部24のうちの前方向Df側の部分は、軸部27の外径よりも大きな外径を有する鍔部23を形成している。鍔部23の前方向Df側の面は、絶縁体10の縮内径部11によって、支持されている。軸部27は、鍔部23の前方向Df側に接続されている。第1チップ29は、軸部27の先端に接合されている。棒部28は、第1チップ29が接合される基部の例である。
棒部28は、外層21と、外層21の内周側に配置された芯部22と、を有している。外層21は、芯部22よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを主成分として含む合金)で形成されている。ここで、主成分は、含有率(重量パーセント(wt%))が最も高い成分を意味している。芯部22は、外層21よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅を主成分として含む合金、等)で形成されている。第1チップ29は、軸部27よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属)を用いて形成されている。中心電極20のうち第1チップ29を含む前方向Df側の一部分は、絶縁体10の軸孔12から前方向Df側に露出している。中心電極20のうち後方向Dfr側の部分20tは、軸孔12内に配置されている。このように、中心電極20は、絶縁体10の先端部10tに配置される部分(部分20tのうちの少なくとも一部)を含むように、絶縁体10の軸孔12内に配置されている。絶縁体10の先端部10tは、絶縁体10のうちの先端を含む部分である。なお、第1チップ29は、省略されてよい。また、芯部22は、省略されてもよい。
端子金具40は、軸線CLに平行に延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性材料を用いて形成されている(例えば、鉄を主成分として含む金属)。端子金具40は、前方向Dfに向かって順番で並ぶ、キャップ装着部49と、鍔部48と、軸部41と、を有している。軸部41は、絶縁体10の軸孔12の後方向Dfr側の部分に挿入されている。キャップ装着部49は、絶縁体10の後端側で、軸孔12の外に露出している。
絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40と中心電極20との間には、電気的なノイズを抑制するための抵抗体73が配置されている。抵抗体73は、導電性材料(例えば、ガラスと炭素粒子とセラミック粒子との混合物)を用いて形成されている。抵抗体73と中心電極20との間には、第1シール部72が配置され、抵抗体73と端子金具40との間には、第2シール部74が配置されている。これらのシール部72、74は、導電性材料(例えば、金属粒子と抵抗体73の材料に含まれるものと同じガラスとの混合物)を用いて形成されている。中心電極20は、第1シール部72、抵抗体73、第2シール部74によって、端子金具40に電気的に接続されている。
主体金具50は、軸線CLに沿って延びる貫通孔59を有する筒状の部材である。本実施形態では、主体金具50の中心軸は、軸線CLと同じである。主体金具50の貫通孔59には、筒部材90が挿入され、主体金具50は、筒部材90の外周に固定されている。主体金具50は、導電材料(例えば、主成分である鉄を含む炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。筒部材90(ひいては、絶縁体10)の前方向Df側の一部は、貫通孔59の外に露出している。また、筒部材90(ひいては、絶縁体10)の後方向Dfr側の一部は、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、工具係合部51と、先端側胴部52と、を有している。工具係合部51は、点火プラグ用のレンチ(図示せず)が嵌合する部分である。先端側胴部52は、主体金具50の先端面55を含む部分である。先端側胴部52の外周面には、図示しない内燃機関の取付孔に螺合するためのネジ部57が形成されている。ネジ部57は、軸線CLの方向に延びる雄ねじが形成された部分である。
主体金具50の工具係合部51と先端側胴部52との間の外周面には、径方向外側に張り出したフランジ状の中胴部54が形成されている。中胴部54の外径は、ネジ部57の最大外径(すなわち、ネジ山の頂の外径)よりも、大きい。中胴部54の前方向Df側の面54fは、座面であり、内燃機関のうちの取付孔を形成する部分である取り付け部(例えば、エンジンヘッド)とのシールを形成する(座面54fと呼ぶ)。
先端側胴部52のネジ部57と中胴部54の座面54fとの間には、環状のガスケット9が配置されている。ガスケット9は、点火プラグ100が内燃機関に取り付けられた際に押し潰されて変形し、主体金具50の座面54fと、図示しない内燃機関の取り付け部(例えば、エンジンヘッド)と、の隙間を封止する。なお、ガスケット9が省略されてもよい。この場合、主体金具50の座面54fは、直接に内燃機関の取り付け部に接触することによって、座面54fと、内燃機関の取り付け部と、の隙間を封止する。
主体金具50の先端側胴部52には、径方向の内側に向かって張り出した張り出し部56が形成されている。張り出し部56は、少なくとも張り出し部56の後方向Dfr側の部分の内径と比べて内径が小さい部分である。本実施形態では、張り出し部56の後方向Dfr側の面56r(後面56rとも呼ぶ)では、内径が、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなる。張り出し部56の後面56rと、筒部材90の縮外径部96と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。本実施形態では、先端側パッキン8は、例えば、鉄製の板状リングである(他の材料(例えば、銅等の金属材料)も採用可能である)。張り出し部56(具体的には、張り出し部56のうちの後面56rを形成する部分)は、パッキン8を介して間接的に、筒部材90の縮外径部96を前方向Df側から支持している。なお、パッキン8は、省略されてもよい。この場合、張り出し部56(具体的には、張り出し部56の後面56r)は、筒部材90の縮外径部96に接触してよい。すなわち、張り出し部56は、直接的に、筒部材90を支持してよい。このように、張り出し部56は、直接的、または、間接的に、筒部材90の縮外径部96を支持する支持部に対応する。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、主体金具50の後端を形成するとともに工具係合部51と比べて薄肉の部分である後端部53が形成されている。また、中胴部54と工具係合部51との間には、中胴部54と工具係合部51とを接続する接続部58が形成されている。接続部58は、中胴部54と工具係合部51と比べて薄肉の部分である。主体金具50の工具係合部51から後端部53にかけての内周面と、絶縁体10の後端側胴部13の外周面との間には、円環状のリング部材61、62が挿入されている。さらに、これらのリング部材61、62の間には、タルク70の粉末が充填されている。点火プラグ100の製造工程において、後端部53が内側に折り曲げられて加締められると、接続部58が圧縮力の付加に伴って外向きに変形し、この結果、主体金具50と絶縁体10とが固定される。タルク70は、この加締め工程の際に圧縮され、主体金具50と絶縁体10との間の気密性が高められる。また、パッキン8は、筒部材90の縮外径部96と主体金具50の張り出し部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。
接地電極30は、金属製の部材であり、棒状の本体部37を有している。本体部37の端部33(基端部33とも呼ぶ)は、主体金具50の先端面55に接合されている(例えば、抵抗溶接)。本体部37は、主体金具50に接合された基端部33から先端方向Dfに向かって延び、中心軸CLに向かって曲がり、軸線CLに交差する方向に延びて、先端部34に至る。接地電極30の先端部34と、中心電極20の第1チップ29とは、ギャップgを形成している。すなわち、接地電極30の先端部34は、中心電極20の第1チップ29の前方向Df側に配置されており、第1チップ29とギャップgを介して対向している。なお、本体部37の先端部34には、第1チップ29と同様の第2チップが接合されてもよい。そして、第1チップ29と第2チップとが、放電ギャップgを形成してもよい。
本体部37は、外層31と、外層31の内周側に配置された内層32と、を有している。外層31は、内層32よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを主成分として含む合金)で形成されている。内層32は、外層31よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅を主成分として含む合金、等)で形成されている。なお、内層32は、省略されてもよい。
図2は、軸線CLに垂直な方向を向いて見た点火プラグ100の説明図である。図中には、点火プラグ100のうち、筒部材90と端子金具40と中心電極20とのそれぞれの外観と、主体金具50の断面(具体的には、軸線CLを含む平らな断面)と、が示されている(接地電極30の図示は、省略されている)。図中では、伝熱層80に、ハッチングが付されている。図中の右部には、筒部材90の縮外径部96と主体金具50の張り出し部56とを含む一部分の拡大図が示されている。
部分拡大図では、筒部材90の縮外径部96のうちの支持部分97が、太線で示されている。支持部分97は、筒部材90の縮外径部96のうち、パッキン8を介して間接的に主体金具50の張り出し部56によって支持される部分である。本実施形態では、支持部分97は、縮外径部96のうち、パッキン8に接触する部分である。支持部分97の後端97rは、支持部分97の後方向Dfr側の端である(支持後端97rとも呼ぶ)。
図2の左部の説明図に示すように、伝熱層80は、後方向Dfr側の端である後端809から、前方向Df側の端である先端801まで、延びている。伝熱層80の後端809は、主体金具50の後方向Dfr側の端である後端50rよりも、後方向Dfr側に、位置している。なお、主体金具50の後端50rは、主体金具50の後端部53のうちの最も後方向Dfr側の端である。また、端子金具40の部分45は、端子金具40のうちの絶縁体10の貫通孔12(図1)の後方向Dfr側に露出する部分である(露出部分45と呼ぶ)。露出部分45の先端45fは、露出部分45の前方向Df側の端である。絶縁体10の先端10fは、絶縁体10の前方向Df側の端である。
上述したように、筒部材90の脚部99は、主体金具50の内周面から内周側に離れた位置に配置されている。主体金具50の内周面と脚部99の外周面との間には、環状の空間V1が、形成される。主体金具50の先端面55と脚部99との間の隙間OPは、空間V1と燃焼室とを連通する開口である(開口OPとも呼ぶ)。空間V1には、開口OPを通じて、燃焼室内のガスが、入り得る。このような空間V1は、筒部材90の外周面と主体金具50の内周面とに挟まれた空間のうち、支持部分97よりも前方向Df側の部分である。
また、空間V1の開口は、空間V1の前方向Df側に設けられた1つの開口OPのみである。従って、空間V1内のガスは、空間V1内に滞留し易い。ここで、内燃機関の駆動中には、燃焼室内での燃料の燃焼によって、絶縁体10(特に、燃焼室に近い部分である脚部19)の温度が上昇する。空間V1内のガスの温度は、高温の絶縁体10の脚部19からの熱によって、上昇する。空間V1内のガスが空間V1内に滞留する場合、空間V1内に滞留するガスの温度は、燃焼室内で繰り返される燃焼によって、更に高くなる。このように空間V1内のガスの温度が高くなる場合、この高温のガスに起因して、誤着火が生じ得る(例えば、プレイグニションが生じ得る)。
本実施形態では、以下に説明するように、伝熱層80によって、絶縁体10のうちの空間V1の近傍の部分(例えば、脚部19)の昇温が抑制される。具体的には、以下の通りである。伝熱層80の先端801の軸線CLに平行な方向の位置は、支持後端97rの軸線CLに平行な方向の位置と同じ、または、支持後端97rの軸線CLに平行な方向の位置よりも、前方向Df側に位置している。図中の伝熱層80の部分84は、伝熱層80のうちの支持後端97rから先端801までの部分、すなわち、伝熱層80のうちの支持後端97rよりも前方向Df側の部分である(先部分84と呼ぶ)。先部分84は、空間V1の近傍に位置している。距離L1は、伝熱層80の先端801と支持後端97rとの間の軸線CLに平行な方向の距離である。すなわち、距離L1は、伝熱層80の先部分84の軸線CLに平行な方向の長さである。本実施形態では、距離L1は、ゼロ以上である。
また、図2に示すように、伝熱層80の後端809は、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側に位置している。すなわち、伝熱層80の後端809の軸線CLに平行な方向の位置は、主体金具50の後端50rの軸線CLに平行な方向の位置よりも、後方向Dfr側に位置している。このように、伝熱層80のうちの後端809を含む一部分89は、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側に位置しており、主体金具50の貫通孔59の外(具体的には、貫通孔59よりも後方向Dfr側)に配置されている(後部分89とも呼ぶ)。距離L2は、伝熱層80の後端809と主体金具50の後端50rとの間の軸線CLに平行な方向の距離である。すなわち、距離L2は、伝熱層80の後部分89の軸線CLに平行な方向の長さである。本実施形態では、距離L2は、ゼロよりも大きい。なお、伝熱層80の外面(すなわち、外周側の面)は、絶縁体10の外周側に露出している。図中の露出面89sは、伝熱層80の外面のうち、後部分89によって形成される部分である。伝熱層80の後端809は、露出面89sの後方向Dfr側の端と、同じである。
このように、伝熱層80は、支持後端97rの近傍(すなわち、空間V1の近傍)から、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側まで、延びている。伝熱層80は、絶縁体10のうちの支持後端97rの近傍の部分(例えば、脚部19)から、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側へ(すなわち、燃焼室の外へ)、熱を伝達できる。これにより、絶縁体10のうちの空間V1の近傍の部分の昇温が抑制される。従って、空間V1内のガスの昇温が、抑制される。この結果、空間V1内の高温ガスに起因する誤着火が、抑制される。このように、点火プラグ100の耐熱性が、向上する。
また、本実施形態では、点火プラグ100は、筒部材90の縮外径部96と主体金具50の張り出し部56との間に配置されるパッキン8を備えている。伝熱層80は、筒部材90のうちの支持部分97を形成している。そして、伝熱層80は、パッキン8に接触している。伝熱層80は、絶縁体10のうちの支持後端97rの近傍の部分(例えば、脚部19)から、パッキン8を介して、主体金具50へ熱を伝達できる。これにより、絶縁体10のうちの空間V1の近傍の部分の昇温が、更に、抑制される。従って、空間V1内のガスの昇温が、更に、抑制される。この結果、空間V1内の高温ガスに起因する誤着火が、更に、抑制される。このように、点火プラグ100の耐熱性が、更に、向上する。
図中の長さL3は、絶縁体10のうちの支持後端97rよりも前方向Df側の部分18の軸線CLに平行な方向の長さである(以下、先部分18とも呼ぶ)。長さL3が大きいことは、絶縁体10のうちの空間V1内のガスに熱を伝達し得る部分が大きいことを示している。空間V1内のガスの昇温を抑制するためには、長さL3に対する伝熱層80の先部分84の長さL1の割合(L1/L3)が、大きいことが好ましい。
図中の距離L4は、端子金具40の露出部分45の先端45fと、伝熱層80の後部分89の露出面89sの後端809と、の間の軸線CLに平行な方向の距離である。本実施形態では、伝熱層80の後端809は、露出部分45の先端45fよりも前方向Df側に位置しており、距離L4は、ゼロよりも大きい。距離L4が小さい場合、伝熱層80と露出部分45との間で、意図しない放電が生じ得る。このような意図しない放電を抑制するためには、距離L4が大きいことが好ましい。
B.評価試験:
点火プラグ100のサンプルを用いて、評価試験が行われた。図3(A)は、サンプルの構成と評価試験の結果との対応関係を示す表である。この表は、距離L2(単位は、mm)と、向上率R1と、異常放電の評価結果Daと、の対応関係を示している。図示するように、距離L2が互いに異なる6種類のサンプルが、評価された。各サンプルの間では、距離L2(すなわち、伝熱層80の後端809の軸線CLに平行な方向の位置)以外の部分の構成は、共通である。例えば、6種類のサンプルの間で、以下の構成は、共通であった。
距離L1 : 0mm
長さL3 : 9mm
伝熱層80の材料:Pt(白金)ペースト
向上率R1は、耐熱性の向上率であり、以下の試験運転によって、特定された。点火プラグ100のサンプルを、排気量1.6L、直噴ターボエンジンに、取り付ける。そして、回転速度が2000rpm、点火時期が上死点(TDC)、空燃比(A/F)が13.5である運転条件下で、エンジンを動作させる。そして、この運転条件の下で、プレイグニションが発生したか否かを特定しつつ、空気量と燃料量とを徐々に増大させる(空燃比(A/F)は、13.5に維持される)。空気量と燃料量との増大によって、圧縮率が高くなるので、燃焼室内の温度が高くなる。この結果、プレイグニションが発生し易くなる。ここで、プレイグニションが発生する直前の図示平均有効圧(IMEP:Indicated Mean Effective Pressure)を、特定する。プレイグニションが発生する直前のIMEPは、プレイグニションを発生させずに実現可能な平均圧力の最大値を示している。このIMEPが大きい場合には、内燃機関は、プレイグニションを発生させずに、大きなトルクを出力できる。すなわち、IMEPが大きいほど、プレイグニションが発生しにくく、点火プラグの耐熱性が良好である。なお、プレイグニションが発生したか否かと、IMEPとは、燃焼室内の圧力を測定する圧力センサによる測定値を用いて、特定される。
向上率R1は、IMEPの基準値に対する向上率である。IMEPの基準値は、参考プラグのIMEPである。参考プラグとしては、点火プラグ100から伝熱層80を省略して得られる点火プラグが用いられた。そして、参考プラグのIMEPを基準として、各サンプルのIMEPの向上率R1が算出された。例えば、参考プラグのIMEPをP1とし、サンプルのIMEPをP2とする場合、向上率R1=(P2−P1)/P1である。向上率R1がゼロ%である場合、サンプルのIMEPは、参考プラグのIMEPと同じである。そして向上率R1がゼロ%よりも大きい場合、サンプルのIMEPは、参考プラグのIMEPと比べて、向上率R1の分だけ大きい。このように、向上率R1が大きいほど、点火プラグの耐熱性が良好である。
異常放電の評価結果Daは、伝熱層80と端子金具40との間の意図しない放電が生じたか否かを示している。この意図しない放電は、伝熱層80の後端809から、絶縁体10(具体的には、後端側胴部13)の外周面上を通って、端子金具40(具体的には、露出部分45)へ至る経路を通る放電である。A評価は、上記のIMEPを特定するための試験運転において、意図しない放電が生じなかったことを示している。B評価は、IMEPを特定するための試験運転において、意図しない放電が生じたことを示している。
図3(B)は、図3(A)に示す距離L2と向上率R1との対応関係を示すグラフである。横軸は、距離L2を示し、縦軸は、向上率R1を示している。図示するように、試験されたサンプルの距離L2は、0、2、4、5、6、7(mm)であった。そして、向上率R1は、距離L2のこの順番に、63、67、70、92、103、102(%)であった。このように、距離L2が大きい場合に、向上率R1は良好であった。この理由は、以下の通りである。距離L2(すなわち、後部分89の長さL2)が大きい場合には、伝熱層80の後部分89の面積が大きいので、後部分89からの放熱(例えば、後部分89から外気への熱の伝達)の効率が向上する。これにより、伝熱層80の昇温、ひいては、絶縁体10のうちの空間V1の近傍の部分の昇温が、抑制される。従って、空間V1内のガスの昇温が、抑制される。この結果、空間V1内の高温ガスに起因する誤着火が抑制され、IMEP、ひいては、向上率R1が、大きくなる。
63%以上の向上率R1を実現した距離L2は、0、2、4、5、6、7(mm)であった。距離L2の好ましい範囲を、上記の6個の値を用いて定めてもよい。具体的には、6個の値のうちの任意の値を、距離L2の好ましい範囲の下限として採用してよい。例えば、距離L2は、0mm以上であってよい。また、これらの値のうち下限以上の任意の値を、距離L2の上限として採用してもよい。例えば、距離L2は、7mm以下であってよい。なお、伝熱層80の後部分89の長さL2が長いほど、後部分89からの放熱の効率が向上するので、空間V1内の高温ガスに起因する誤着火が抑制され、点火プラグ100の耐熱性が向上する。従って、距離L2は、7mmを、超えてもよい。一般的には、距離L2は、絶縁体10のうちの主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側に位置する部分の軸線CLに平行な方向の長さ以下に、制限される。なお、点火プラグ100の耐熱性の向上のためには、距離L2がゼロよりも大きいことが好ましい。
なお、距離L2がゼロよりも大きい場合、伝熱層80の後部分89は、点火プラグ100の距離L2以外の構成に拘わらずに、絶縁体10から受けた熱を放熱できる。従って、点火プラグ100の距離L2以外の部分の構成に拘わらずに、距離L2がゼロよりも大きいことが、好ましい。
また、図3(A)に示すように、距離L2が6、7(mm)のいずれかである場合、異常放電の評価結果Daは、B評価であり、距離L2が0、2、4、5(mm)のいずれかである場合、異常放電の評価結果Daは、A評価であった。このように、異常放電の評価結果Daは、距離L2が小さい場合に、良好であった。この理由は、距離L2が小さい場合には、伝熱層80の後端809と端子金具40の露出部分45との間の距離L4が長くなるので、異常放電が抑制されるからである。なお、異常放電を抑制するための好ましい構成は、後部分89の長さL2ではなく、距離L4を用いて、特定されてよい(詳細は、後述)。
なお、距離L2が6mm以上である場合、向上率R1は、ほとんど同じであった。具体的には、6mmの距離L2の向上率R1は、103%であり、7mmの距離L2の向上率R1は、102%であった。また、距離L2が過度に大きい場合には、異常放電の可能性が高くなる。従って、距離L2は、6mm以下であってよく、また、5mm以下であってよい。
図3(C)は、別の評価試験の結果を示す表である。この表は、割合L1/L3と、向上率R1と、異常放電の評価結果Dbと、の対応関係を示している。図示するように、割合L1/L3が互いに異なる6種類のサンプルが、評価された。各サンプルの間では、以下の構成は、共通であった。
距離L2 : 4mm
長さL3 : 9mm
伝熱層80の材料:Ptペースト
このように、長さL3は一定値に維持され、伝熱層80の先部分84の長さL1が調整されることによって、割合L1/L3が調整された。
向上率R1の定義は、図3(A)で説明した向上率R1の定義と同じである。異常放電の評価結果Dbは、伝熱層80と中心電極20との間の意図しない放電が生じたか否かを示している。この意図しない放電は、伝熱層80の先端801から、絶縁体10(具体的には、脚部19)の外周面上を通って、中心電極20へ至る経路を通る放電である。A評価は、IMEPを特定するための試験運転において、意図しない放電が生じなかったことを示している。B評価は、IMEPを特定するための試験運転において、意図しない放電が生じたことを示している。
図3(D)は、図3(B)に示す割合L1/L3と向上率R1との対応関係を示すグラフである。横軸は、割合L1/L3を示し、縦軸は、向上率R1を示している。図示するように、試験されたサンプルの割合L1/L3は、0、0.3、0.5、0.65、0.75、0.9であった。そして、向上率R1は、割合L1/L3のこの順番に、70、88、101、105、104、92(%)であった。このように、割合L1/L3がゼロから増大することによって、向上率R1は増大した。この理由は、以下の通りである。割合L1/L3が大きい場合には、絶縁体10の先部分18の長さL3に対する伝熱層80の先部分84の長さL1の割合が大きい。従って、絶縁体10の先部分18から伝熱層80の先部分84へ、熱は、適切に伝導できる。これにより、絶縁体10のうちの空間V1の近傍の部分の昇温が、抑制される。従って、空間V1内のガスの昇温が、抑制される。この結果、空間V1内の高温ガスに起因する誤着火が抑制され、IMEP、ひいては、向上率R1が、大きくなる。
また、図示するように、割合L1/L3が0.9である場合、割合L1/L3が0.75である場合と比べて、向上率R1が低下する。この理由は、以下の通りである。割合L1/L3が過度に大きい場合、伝熱層80の先部分84は、燃焼室に近いので、先部分84は、燃焼室内の高温のガスから熱を受け、そして、受けた熱を、絶縁体10のうちの空間V1に近い部分(例えば、先部分18)へ伝達し得る。この結果、絶縁体10の先部分18の温度が高くなるので、プレイグニションが発生し易くなる。
70%以上の向上率R1を実現した割合L1/L3は、0、0.3、0.5、0.65、0.75、0.9であった。割合L1/L3の好ましい範囲を、上記の6個の値を用いて定めてもよい。具体的には、6個の値のうちの任意の値を、割合L1/L3の好ましい範囲の上限として採用してよい。例えば、割合L1/L3は、0.9以下であってよい。また、これらの値のうち上限以上の任意の値を、割合L1/L3の下限として採用してもよい。例えば、割合L1/L3は、0以上であってよい。なお、絶縁体10の先部分18から伝熱層80への熱伝導を促進するためには、伝熱層80の少なくとも一部が、絶縁体10の先部分18に接していることが好ましい。すなわち、割合L1/L3がゼロよりも大きいことが好ましい。この構成によれば、伝熱層80は、効果的に、支持後端97rよりも前方向Df側から、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側へ、熱を伝達できる。また、伝熱層80の先部分84が、燃焼室内の高温ガスから絶縁体10の先部分18へ熱を伝達することを抑制するためには、割合L1/L3が小さいことが好ましい。例えば、割合L1/L3は、0.75以下であることが、好ましい。
なお、割合L1/L3がゼロよりも大きい場合、距離L1は、ゼロよりも大きい。すなわち、伝熱層80の先端801の軸線CLに平行な方向の位置は、支持後端97rの軸線CLに平行な方向の位置よりも、前方向Df側に位置している。
また、図3(C)に示すように、異常放電の評価結果Dbは、割合L1/L3が小さい場合に、良好であった。具体的には、割合L1/L3が0.75以下である場合に、評価結果Dbは、A評価であった。割合L1/L3が小さい場合に評価結果Dbが良好である理由は、割合L1/L3が小さい場合には、伝熱層80の先端801から絶縁体10の外面を通って中心電極20へ至る経路の距離が、長くなるからである。この観点からも、割合L1/L3は、0.75以下であることが、好ましい。
なお、絶縁体10の先部分18から伝熱層80への熱伝導は、割合L1/L3から大きな影響を受けると推定される。従って、図3(C)の試験結果から特定される割合L1/L3の好ましい範囲は、種々の構成(例えば、種々の距離L2、L3)を有する点火プラグに適用可能と推定される。なお、割合L1/L3は、上記の好ましい範囲外であってもよい。例えば、割合L1/L3は、ゼロであってよく、また、0.75を超えてもよい。
図3(E)は、別の評価試験の結果を示す表である。この表は、距離L4と、異常放電の評価結果Daと、の対応関係を示している。図示するように、距離L4が互いに異なる5種類のサンプルが、評価された。各サンプルの間では、距離L4以外の部分の構成は、共通である。異常放電の評価結果Daの定義は、図3(A)で説明した異常放電の評価結果Daの定義と同じである。
図示するように、試験されたサンプルの距離L4は、13、14、15、16、18(mm)であった。そして、15mm以上の距離L4は、A評価の評価結果Daを実現した。このように、距離L4が大きい場合に、異常放電が抑制された。この理由は、距離L4が大きい場合には、伝熱層80の後端809と端子金具40の露出部分45との間の距離が大きいので、伝熱層80の後端809と端子金具40の露出部分45との間の放電が抑制されるからである。
A評価の評価結果Daを実現した距離L4は、15、16、18(mm)であった。距離L4の好ましい範囲を、上記の3個の値を用いて定めてもよい。具体的には、3個の値のうちの任意の値を、距離L4の好ましい範囲の下限として採用してよい。例えば、距離L4は、15mm以上であってよい。また、これらの値のうち下限以上の任意の値を、距離L4の上限として採用してもよい。例えば、距離L4は、18mm以下であってよい。なお、伝熱層80の後部分89の露出面89sの後端809と端子金具40の露出部分45の先端45fとの間の距離L4が長いほど、これらの部材80、40の間の放電が抑制される。従って、距離L4は、18mmを、超えてもよい。一般的には、距離L4は、絶縁体10のうちの主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側に位置する部分の軸線CLに平行な方向の長さよりも小さい種々の値であってよい。
なお、伝熱層80の後部分89の露出面89sの後端809と端子金具40の露出部分45の先端45fとの間の意図しない放電の生じやすさは、これらの部分の間の距離L4から大きな影響を受け、点火プラグの他の部分の構成からの影響は、小さい。従って、距離L4の上記の好ましい範囲は、種々の構成を有する点火プラグに適用可能と推定される。
C.第2実施形態:
図4は、点火プラグの第2実施形態を示す説明図である。図中には、点火プラグ100aの軸線CLを含む平らな断面が示されている。図2の点火プラグ100との差異は、伝熱部80aが、絶縁体10aの内部に埋め込まれている点である。点火プラグ100aの他の部分の構成は、図2の点火プラグ100の対応する部分の構成と、同じである(対応する部分と同じ部分には、同じ符号を付して、説明を省略する)。なお、図4では、接地電極30の図示が、省略されている。
点火プラグ100aの筒部材90aは、絶縁体10aと、絶縁体10aに固定された伝熱部80aとを含んでいる。筒部材90aの外形は、図2の筒部材90の外形と、同じである。図中の左部には、筒部材90aの縮外径部96aと、主体金具50の張り出し部56とを含む一部分の拡大図が示されている。筒部材90aの縮外径部96aは、図2の筒部材90の縮外径部96に対応する部分である。
部分拡大図では、筒部材90aの縮外径部96aのうちの支持部分97aが、太線で示されている。支持部分97aは、図2の支持部分97に対応する部分である。支持後端97arは、支持部分97aの後方向Dfr側の端である。
右部の断面図に示されるように、伝熱部80aは、絶縁体10aの内周面と外周面との間に、埋め込まれている。伝熱部80aは、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側の後端80a9から、支持後端97arよりも前方向Df側の先端80a1まで、延びている。
伝熱部80aのうちの主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側の部分である後部分89aは、絶縁体10aの内部から絶縁体10aの外周面まで延び、そして、絶縁体10aの外周側に露出する露出面89asを形成している。露出面89asは、後部分89aの外面のうち、絶縁体10aの内部に埋もれずに、絶縁体10aの外に露出する部分である。伝熱部80aの後端80a9は、露出面89asの後方向Dfr側の端と同じである。距離L2は、主体金具50の後端50rと、伝熱部80aの後端80a9と、の間の軸線CLに平行な方向の距離である。距離L4は、端子金具40の露出部分45の先端45fと、伝熱部80aの後部分89aの露出面89asの後端80a9と、の間の軸線CLに平行な方向の距離である。
左部の部分断面図に示されるように、伝熱部80aは、絶縁体10aの内部で前方向Df側に延びている。そして、伝熱部80aは、絶縁体10aの内部に配置された先端部81aを含んでいる。先端部81aは、先端80a1を形成する端部である。
また、伝熱部80aは、先端80a1よりも後方向Dfr側に配置され、先端部81aから絶縁体10aの外周面まで延びる部分82aを含んでいる。この部分82aは、絶縁体10aの外周側に露出する露出面82asを形成している。露出面82asは、筒部材90aの縮外径部96aの外周面の一部を形成している。伝熱部80aの露出面82asは、先端側パッキン8に接触している。右部の断面図に示される距離L1は、伝熱部80aの先端80a1と支持後端97arとの間の軸線CLに平行な方向の距離である。長さL3は、絶縁体10aのうちの支持後端97arよりも前方向Df側の部分18aの軸線CLに平行な方向の長さである(以下、先部分18aとも呼ぶ)。
なお、伝熱部80aは、周方向の全範囲(すなわち、360度)ではなく、周方向の一部の範囲のみに設けられている。すなわち、図示を省略するが、伝熱部80aは、後端80a9から先端80a1まで延びる棒状の部材である。伝熱部80aの露出面82asは、周方向の全範囲のうちの一部の範囲で、パッキン8に接触している。
このように、伝熱部80aは、絶縁体10aの外周面上ではなく、絶縁体10aの内部に埋め込まれてもよい。この場合も、伝熱部80aは、支持後端97arの近傍(すなわち、空間V1の近傍)から、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側まで、延びている。このような伝熱部80aは、絶縁体10aのうちの支持後端97arの近傍の部分(例えば、脚部19a)から、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側へ(すなわち、燃焼室の外へ)、熱を伝達できる。これにより、絶縁体10aのうちの空間V1の近傍の部分の昇温が抑制される。従って、空間V1内のガスの昇温が、抑制される。この結果、空間V1内の高温ガスに起因する誤着火が、抑制される。このように、点火プラグ100aの耐熱性が、向上する。
また、本実施形態では、伝熱部80aの後部分89aは、絶縁体10aの外周側に露出する露出面89asを形成する。従って、伝熱部80aの後部分89aは、露出面89asを通じて、筒部材90aの外に容易に放熱できる。この結果、絶縁体10aのうちの空間V1の近傍の部分の昇温が、更に抑制される。
また、伝熱部80aの先端80a1の軸線CLに平行な方向の位置は、支持後端97arの軸線CLに平行な方向の位置よりも、前方向Df側に位置している。すなわち、距離L1は、ゼロよりも大きい。この場合、伝熱部80aのうちの支持後端97arよりも前方向Df側の部分である先部分84aは、空間V1に近い。従って、伝熱部80aは、先部分84aを通じて、絶縁体10aのうちの空間V1の近傍の部分(例えば、支持後端97arよりも前方向Df側の部分である先部分18a)から、適切に、熱を、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側へ、伝達できる。この結果、点火プラグの耐熱性を効果的に向上できる。なお、距離L1がゼロよりも大きい場合、割合L1/L3も、ゼロよりも大きい。また、伝熱部80aの先部分84aが、燃焼室内の高温ガスから絶縁体10aの先部分18aへ熱を伝達することを抑制するためには、割合L1/L3が小さいことが好ましい。例えば、図3(C)で説明したように、割合L1/L3は、0.75以下であることが、好ましい。
また、伝熱部80aの露出面82asは、筒部材90aの縮外径部96aの外周面の一部を形成しており、パッキン8に接触している。伝熱部80aは、絶縁体10aのうちの支持後端97arの近傍の部分(例えば、脚部19a)から、パッキン8を介して、主体金具50へ熱を伝達できる。これにより、絶縁体10aのうちの空間V1の近傍の部分の昇温が、更に、抑制される。従って、空間V1内のガスの昇温が、更に、抑制される。この結果、空間V1内の高温ガスに起因する誤着火が、更に、抑制される。このように、点火プラグ100aの耐熱性が、更に、向上する。
また、伝熱部80aの後部分89aの露出面89asと端子金具40との間の意図しない放電を抑制するためには、距離L4が大きいことが好ましい。例えば、図3(E)で説明したように、距離L4は、15mm以上であることが、好ましい。
なお、絶縁体10aと伝熱部80aとを含む筒部材90aは、種々の方法で製造され得る。例えば、絶縁体10aの未焼成の成形体は、複数の部分で構成されてよい。また、伝熱部80aの未焼成の成形体は、1以上の部分で構成されてよい。そして、絶縁体10aの未焼成の複数の部分と、伝熱部80aの未焼成の1以上の部分とを、組み付けることによって、筒部材90aの未焼成の成形体が形成されてよい。そして、筒部材90aの未焼成の成形体を焼成することによって、筒部材90aが製造されてよい。なお、絶縁体10aの未焼成の各部分と、伝熱部80aの未焼成の各部分とは、それぞれ、対応する成形型を用いて、成形されてよい。後述する他の実施形態の筒部材も、同様の方法で製造されてよい。
D.第3実施形態:
図5は、点火プラグの第3実施形態を示す説明図である。図中には、点火プラグ100bの軸線CLを含む平らな断面が示されている。図4の点火プラグ100aとの差異は、本実施形態の伝熱部80bからは、縮外径部96aの露出面82asを形成する部分82aが省略されている点だけである。点火プラグ100bの他の部分の構成は、図4の点火プラグ100aの対応する部分の構成と、同じである(対応する部分と同じ部分には、同じ符号を付して、説明を省略する)。なお、図5では、接地電極30の図示が、省略されている。
点火プラグ100bの筒部材90bは、絶縁体10bと、絶縁体10bに固定された伝熱部80bと、を含んでいる。筒部材90bの外形は、図2の筒部材90の外形と、同じである。図中の左部には、筒部材90bの縮外径部96bと、主体金具50の張り出し部56とを含む一部分の拡大図が示されている。筒部材90bの縮外径部96bは、図2の筒部材90の縮外径部96に対応する部分である。
部分拡大図では、筒部材90bの縮外径部96bのうちの支持部分97bが、太線で示されている。支持部分97bは、図2の支持部分97に対応する部分である。支持後端97brは、支持部分97bの後方向Dfr側の端である。伝熱部80bのうちの支持後端97brよりも前方向Df側の部分である先部分84bは、絶縁体10bの内部に埋め込まれた先端部81aによって、形成される。筒部材90bの縮外径部96bの外周面は、絶縁体10bによって形成されている。伝熱部80bは、パッキン8に接触せずに、パッキン8から離れている。距離L1は、伝熱部80bの先端80a1と支持後端97brとの間の軸線CLに平行な方向の距離である。長さL3は、絶縁体10bのうちの支持後端97brよりも前方向Df側の部分18bの軸線CLに平行な方向の長さである(以下、先部分18bとも呼ぶ)。
このように、伝熱部80bは、パッキン8に接触していない。この場合も、図4の実施形態と同様に、伝熱部80bは、支持後端97brの近傍(すなわち、空間V1の近傍)から、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側まで、延びている。このような伝熱部80bは、絶縁体10bのうちの支持後端97brの近傍の部分(例えば、脚部19b)から、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側へ(すなわち、燃焼室の外へ)、熱を伝達できる。これにより、絶縁体10bのうちの空間V1の近傍の部分の昇温が抑制される。従って、空間V1内のガスの昇温が、抑制される。この結果、空間V1内の高温ガスに起因する誤着火が、抑制される。このように、点火プラグ100bの耐熱性が、向上する。
また、部分82a(図4)が省略された点を除いて、点火プラグ100bの構成は、点火プラグ100aの対応する部分の構成と、同じである。従って、点火プラグ100bは、点火プラグ100aと同様に、種々の利点を実現できる。
E.評価試験:
点火プラグ100、100a、100bのサンプルを用いて、評価試験が行われた。図6(A)は、サンプルの種類と向上率R1との対応関係を示す表であり、図6(B)は、サンプルの種類と向上率R1との対応関係を示すグラフである(横軸は、サンプルの種類を示し、縦軸は、向上率R1を示している)。向上率R1の定義は、図3(A)で説明した向上率R1の定義と同じである。各サンプルの間では、以下の構成は、共通であった。
距離L2 : 4mm
長さL3 : 9mm
割合L1/L3 :0.5
伝熱層80の材料:Ptペースト
図示するように、図4の点火プラグ100aの向上率R1(77%)は、図5の点火プラグ100bの向上率R1(20%)と比べて、良好であった。この理由は、点火プラグ100aの伝熱部80aは、点火プラグ100bの伝熱部80bとは異なり、先端側パッキン8に接触しているからである。
また、図2の点火プラグ100の向上率R1(101%)は、図4の点火プラグ100aの向上率R1(77%)と比べて、更に良好であった。この理由は、点火プラグ100の伝熱層80は、点火プラグ100aの伝熱部80aとは異なり、周方向の全範囲(すなわち、360度)に亘って、先端側パッキン8に接触しているからである。すなわち、伝熱層80とパッキン8との接触部分の面積が、伝熱部80aとパッキン8との接触部分の面積よりも、大きいからである。
このように、伝熱部(伝熱層80、伝熱部80aなど)と先端側パッキン8との接触部分の面積が大きい場合には、伝熱部は、パッキン8を介して、適切に、主体金具50へ熱を伝達できる。これにより、点火プラグの耐熱性が、向上する。
F.第4実施形態:
図7は、点火プラグの第4実施形態を示す説明図である。図7(A)には、図2と同様の、軸線CLに垂直な方向を向いて見た点火プラグ100cの説明図が、示されている。図2の点火プラグ100との差異は、本実施形態の伝熱層80cが、周方向の一部の範囲のみに設けられている点だけである。点火プラグ100cの他の部分の構成は、図2の点火プラグ100の対応する部分の構成と、同じである(対応する部分と同じ部分には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
図中には、点火プラグ100cのうち、筒部材90cと端子金具40と中心電極20とのそれぞれの外観と、主体金具50の断面(具体的には、軸線CLを含む平らな断面)と、が示されている(接地電極30の図示は、省略されている)。筒部材90cは、絶縁体10と、絶縁体10の外周面上に設けられた伝熱層80cと、を含んでいる。図中では、伝熱層80cに、ハッチングが付されている。伝熱層80cは、後方向Dfr側の端である後端80c9から、前方向Df側の端である先端80c1まで延びる棒状の層である。この伝熱層80cの構成は、図2の伝熱層80のうちの周方向の一部の範囲内の部分を残して他の部分を省略することによって得られる構成と、同じである。筒部材90cの縮外径部96c、支持部分97c、支持後端97crは、図2の筒部材90の縮外径部96、支持部分97、支持後端97rに、それぞれ対応している。また、伝熱層80cの先部分84cは、伝熱層80cのうち支持後端97crよりも前方向Df側の部分である。距離L1は、伝熱層80cの先端80c1と支持後端97crとの間の軸線CLに平行な方向の距離である。伝熱層80cの後部分89cは、伝熱層80cのうちの、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側の部分である。露出面89csは、伝熱層80cの外面のうち、後部分89cによって形成される部分である。伝熱層80cの後端80c9は、この露出面89csの後方向Dfr側の端と、同じである。距離L2は、伝熱層80cの後端80c9と主体金具50の後端50rとの間の軸線CLに平行な方向の距離である。長さL3は、絶縁体10の先部分18の軸線CLに平行な方向の長さである。距離L4は、端子金具40の露出部分45の先端45fと、伝熱層80cの後部分89cの露出面89csの後端80c9と、の間の軸線CLに平行な方向の距離である。
本実施形態の点火プラグ100cの構成は、伝熱層80cが周方向の一部の範囲のみに設けられている点を除いて、図2の点火プラグ100の対応する部分の構成と、同じである。従って、点火プラグ100cは、点火プラグ100と同様に、種々の利点を実現できる。
次に、伝熱層80cと接地電極30との周方向の位置について、説明する。図7(B)は、軸線CLに垂直な投影面上に点火プラグ100cを軸線CLに平行に投影して得られる投影図である。図中では、接地電極30が、点線で示されている。そして、接地電極30の本体部37の基端部33のうちの主体金具50の先端面55に接合された端33sに、ハッチングが付されている(基端33sとも呼ぶ)。図示された端33sは、接地電極30のうち、主体金具50の先端面55に接合された端面を示している。図中の中心位置33cは、基端部33の中心位置である。基端部33の中心位置33cは、図7(B)に示すような軸線CLに垂直な投影面上における基端33sの中心位置である。基端33sの中心位置33cは、この投影面上における基端33s(ここでは、端面)を表す領域に質量が均等に分布していると仮定した場合の重心である。
上述したように、接地電極30は、主体金具50の先端面55に、溶接(例えば、抵抗溶接)によって、接合されている。接地電極30と主体金具50との間には、接地電極30と主体金具50とを接合する接合部が形成され得る(図示省略)。接合部は、溶接時に接地電極30と主体金具50との溶融した部分が冷えて固まった部分である(溶融部とも呼ぶ)。このような接合部は、接地電極30と主体金具50とが一体化した部分である。また、接合部は、接地電極30と主体金具50とのそれぞれの成分を含んでいる。接合部の形状は、複数の点火プラグ100の間で、個々に異なり得る。接地電極30の基端33sは、接地電極30から接合部を除いた残りの部分のうち、主体金具50に直接的または接合部を介して間接的に接合された面を示している。基端部33は、基端33sを含む端部である。
また、図7(B)の投影図には、伝熱層80cの先部分84cが、示されている。先部分84cを表す領域に、ハッチングが付されている。中心位置84ccは、先部分84cの中心の位置である。先部分84cの中心位置84ccは、図7(B)に示すような軸線CLに垂直な投影面上において、先部分84cを表す領域に質量が均等に分布していると仮定した場合の重心である。
図中の電極方向D30は、図7(B)の投影図上において、軸線CLから接地電極30の中心位置33cへ向かう方向である。伝熱方向D80は、軸線CLから伝熱層80cの先部分84cの中心位置84ccへ向かう方向である。角度AGは、電極方向D30を基準とする周方向の位置を示す角度である。図中の角度AGは、伝熱方向D80の角度AGを示している。範囲R90は、伝熱方向D80を中心とする±45度の周方向の範囲である。以下、図7(B)のように後方向Dfrを向いて見る場合に、時計回りの方向を、プラスの方向とし、反時計回りの方向を、マイナスの方向として、説明を行う。伝熱層80cの周方向の位置は、伝熱方向D80の角度AGによって、特定される。また、本実施形態では、伝熱層80cの全体は、伝熱方向D80を中心とする範囲R90内に形成されている。
図7(C)は、図7(B)と同様の投影図を示している。図7(C)の投影図には、範囲R900が示されている。この範囲R900は、電極方向D30を中心とする±45度の周方向の位置の範囲である(特定範囲R900と呼ぶ)。図7(C)の投影図において、軸線CLの電極方向D30側には、伝熱層80cの先部分84cが示されている。この伝熱層80cは、伝熱方向D80が電極方向D30を向いている場合(すなわち、伝熱方向D80の角度AGがゼロである場合)の伝熱層80cを示している。この場合、先部分84cは、特定範囲R900内に、配置されている。
G.評価試験:
点火プラグ100cのサンプルを用いて、評価試験が行われた。図8(A)は、サンプルの構成と評価試験の結果との対応関係を示す表である。この表は、サンプルの番号と、伝熱方向D80の角度AG(単位は度)と、向上率R1(単位は%)と、塗布量Qと、の対応関係を示している。図8(B)は、サンプルの番号と向上率R1との対応関係を示すグラフである(横軸は、サンプルの番号を示し、縦軸は、向上率R1を示している)。0番のサンプルは、図2に示す点火プラグ100のサンプルであり、1番から10番のサンプルは、図7(A)に示す点火プラグ100cのサンプルである。図示するように、点火プラグ100cのサンプルとしては、角度AGが互いに異なる10種類のサンプルが、評価された。0番から10番のサンプルの間では、角度AG以外の部分の構成は、共通である。例えば、以下の構成は、共通であった。
距離L2 : 4mm
長さL3 : 9mm
割合L1/L3 : 0.5
伝熱層80の材料:Ptペースト
向上率R1の定義は、図3(A)で説明した向上率R1の定義と同じである。塗布量Qは、0番のサンプルの伝熱層80(図2)の形成に利用される材料の量を1とする場合の、伝熱層80cの形成に利用される材料の量を示している。図示するように、1番から10番のそれぞれの塗布量Qは、0.1であった。塗布量Qが0.1であることは、周方向の全範囲のうちの0.1の部分(すなわち、36度の幅の範囲)に、伝熱層80cが設けられたことを示している。1番から10番のサンプルの間で、伝熱層80cの周方向の幅は、同じであった。
図示するように、0番の点火プラグ100の向上率R1(101%)は、1番から10番の点火プラグ100cの向上率R1と比べて、良好であった。この理由は、以下の通りである。0番の伝熱層80は、1番から10番の伝熱層80cとは異なり、周方向の全周に亘って設けられている。従って、0番の伝熱層80は、1番から10番の伝熱層80cと比べて、絶縁体10のうちの空間V1の近傍の部分の昇温を、抑制できる。この結果、向上率R1、ひいては、耐熱性が、向上する。
また、1番から10番のサンプルが示すように、角度AGが小さい場合に、すなわち、伝熱層80cが接地電極30の基端部33に近い場合に、向上率R1が良好であった。この理由は、以下のように、推定される。上述したように、主体金具50(図1、図2、図7(A)、図7(B)、図7(C))の内周面と、筒部材90、90cの脚部99、99cの外周面との間の空間V1には、ガスが滞留しやすい。空間V1のうち、接地電極30の基端部33の近傍では、ガスの流れが接地電極30によって妨げられるので、他の部分と比べて、ガスが滞留し易い。従って、空間V1のうちの接地電極30の基端部33の近傍では、他の部分と比べて、ガスの温度が高くなりやすい。
角度AGが小さい場合、伝熱層80cの先部分84cは、接地電極30の基端部33に近い。従って、伝熱層80cは、絶縁体10の先部分18のうち、高温のガスに接触する部分、すなわち、接地電極30の基端部33に近い部分から、熱を、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側へ、伝達できる。この結果、空間V1内のガスの昇温が抑制される。これにより、角度AGが小さい場合に、向上率R1、ひいては、耐熱性が、向上する。
耐熱性を向上するためには、伝熱層80c(図7(B)、図7(C))の先部分84cは、接地電極30の基端部33に近い部分を含むことが好ましい。例えば、1番のサンプルのように、伝熱層80cの先部分84cは、ゼロ度の角度AGを基準とする特定範囲R900内の部分を含むことが好ましい。
図9(A)は、点火プラグ100cのサンプルを用いる別の評価試験の結果を示す表である。この表は、サンプルの番号と、伝熱方向D80の角度AG(単位は度)と、割合L1/L3と、サイクル数Ncと、塗布量Qと、の対応関係を示している。図9(B)は、サンプルの番号と、後述するサイクル数Ncとの対応関係を示すグラフである(横軸は、サンプルの番号を示し、縦軸は、サイクル数Ncを示している)。0番のサンプルは、図2に示す点火プラグ100のサンプルであり、11番から17番のサンプルは、図7(A)に示す点火プラグ100cのサンプルである。図示するように、点火プラグ100cのサンプルとしては、角度AGと割合L1/L3との組み合わせが互いに異なる7種類のサンプルが、評価された。0番と11番から17番とのサンプルの間では、角度AGと割合L1/L3との組み合わせ以外の部分の構成は、共通である。例えば、以下の構成は、共通であった。
距離L2 : 4mm
長さL3 : 9mm
伝熱層80の材料:Ptペースト
角度AGの定義と塗布量Qの定義とは、図8(A)の角度AGの定義と塗布量Qの定義と、それぞれ同じである。なお、11番から17番のそれぞれの塗布量Qは、同じ0.1である。また、本評価試験では、割合L1/L3を調整するために、塗布量Qを変えずに、伝熱層80cの先部分84cの長さL1が調整された。割合L1/L3が大きい場合、すなわち、先部分84cの長さL1が長い場合、伝熱層80cの周方向の幅は、若干、細くなる。
サイクル数Ncは、JIS D1606に基づく耐汚損性評価試験の結果を示している。この評価試験の概要は以下の通りである。摂氏−10度の低温試験室内のシャシダイナモメータ上に、排気量が0.66L、直列3気筒、自然吸気のエンジンを有する試験用自動車を置いた。この試験用自動車のエンジンに、同じ構成(すなわち、同じサンプル番号)の点火プラグの3個のサンプルを、各気筒に組み付けた。そして、第1運転と、第1運転に続く第2運転と、で構成される運転を、1サイクルの試験運転として行った。第1運転は、「3回の空吹かし」と、「3速、35km/hでの40秒間の走行」と、「90秒間のアイドリング」と、「3速、35km/hでの40秒間の走行」と、「エンジンの停止」と、「冷却水の温度が摂氏−10度になるまでの自動車の冷却」とを、この順番に行う運転である。第2運転は、「3回の空ふかし」と、「30秒間のエンジン停止を挟みつつ、1速、15km/hでの20秒間の走行を3回行うこと」と、「エンジンの停止」と、「冷却水の温度が摂氏−10度になるまでの自動車の冷却」とを、この順番に行う運転である。
このような第1運転と第2運転とで構成される試験運転を、繰り返した。そして、1サイクルの試験運転が終了するたびに、点火プラグのサンプルの中心電極20と主体金具50との間の絶縁抵抗を測定した。なお、端子金具40と中心電極20との間の電気抵抗は、絶縁抵抗と比べて十分に小さいので、端子金具40と主体金具50との間の絶縁抵抗の測定結果を、中心電極20と主体金具50との間の絶縁抵抗として採用した。そして、エンジンに装着された3個のサンプルの3個の絶縁抵抗の平均値が10MΩ以下となった段階でのサイクル数Ncを、0番と11番から17番の各サンプルについて、特定した。内燃機関の駆動によって、絶縁体10(特に、先部分18)の外面にカーボンが付着し得る(汚損とも呼ばれる)。このような汚損が進行し易い場合には、絶縁抵抗は低下し易く、サイクル数Ncは少ない。サイクル数Ncが多いことは、点火プラグの汚損が抑制されていることを示している。
図示するように、11番から17番の点火プラグ100cのサイクル数Nc(11以上)は、0番の点火プラグ100のサイクル数Nc(7)と比べて、良好であった。この理由は、以下の通りである。11番から17番の点火プラグ100cの伝熱層80cは、0番の点火プラグ100の伝熱層80とは異なり、周方向の一部の範囲のみに、設けられている。従って、11番から17番の伝熱層80cは、0番の伝熱層80と比べて、絶縁体10のうちの空間V1の近傍の部分が過度に冷却されることを、抑制できる。この結果、サイクル数Nc、ひいては、耐汚損性能が、向上する。
また、11番から13番のサンプルでは、角度AGは、ゼロ度である。また、サンプルの番号の順番に、割合L1/L3は、0.5、0.65、0.75であり、サイクル数Ncは、16、15、13であった。割合L1/L3が0.65以下から0.75へ増大すると、サイクル数Ncは、減少した。サイクル数Ncの減少量は、2以上であった。このように、割合L1/L3が0.65以下から0.75へ増大すると、耐汚損性能が低下した。この理由は、以下の通りである。割合L1/L3が大きい場合には、絶縁体10の先部分18の伝熱層80cによる冷却が促進されるので、先部分18の温度が低くなる。この結果、絶縁体10の先部分18の外面上にカーボンが蓄積し易くなる。
14番、15番のサンプルでは、角度AGは、90度である。サンプルの番号の順番に、割合L1/L3は、0.5、0.65であり、サイクル数Ncは、13、12であった。16番、17番のサンプルでは、角度AGは、180度である。サンプルの番号の順番に、割合L1/L3は、0.5、0.65であり、サイクル数Ncは、13、11であった。角度AGが90、180(度)のいずれかである場合、角度AGが0度である場合と比べて、サイクル数Ncは少なかった(すなわち、耐汚損性能が低かった)。このように、伝熱層80cの先部分84cは、ゼロ度の角度AGを基準とする特定範囲R900(図7(C))内に設けられることが、好ましい。
また、11番から13番のサンプルのように、伝熱層80c(図7(C))の先部分84cは、ゼロ度の角度AGを基準とする特定範囲R900内のみに設けられてよい。この場合、15以上の良好なサイクル数Ncを実現した割合L1/L3は、0.5、0.65であった。割合L1/L3の好ましい範囲を、これら2個の値を用いて定めてもよい。具体的には、2個の値のうちの任意の値を、割合L1/L3の好ましい範囲の上限として採用してよい。例えば、割合L1/L3は、0.65以下であってよく、また、0.5以下であってよい。なお、図3(C)で説明したように、割合L1/L3は、0.5よりも更に小さくてよい。また、誤着火を抑制するためには、割合L1/L3は、大きいことが好ましい。割合L1/L3は、例えば、ゼロ以上であってよく、また、ゼロよりも大きい値であってよい。
H.別の実施形態:
図10、図11は、点火プラグの別の実施形態を示す説明図である。以下、主に、各実施形態の点火プラグと上記の実施形態の点火プラグとの間の差異について、説明する(対応する部分と同じ部分には、同じ符号を付して、説明を省略する)。図10(A)〜図10(F)、図11(A)には、図2と同様に、筒部材と端子金具と中心電極とのそれぞれの外観と、主体金具50の断面(具体的には、軸線CLを含む平らな断面)と、が示されている(接地電極30の図示は、省略されている)。
図10(A)の点火プラグ100dの構成は、図2の点火プラグ100において、伝熱層80のうち、先部分84を、先部分84dに置換して得られる構成と同じである。筒部材90dは、絶縁体10と伝熱層80dとを含んでいる。筒部材90dの縮外径部96の構成は、図2の縮外径部96の構成と、同じである。伝熱層80dのうち支持後端97rよりも前方向Df側の部分である先部分84dは、筒部材90dの支持部分97を形成する環状の部分である環状部分83dと、環状部分83dから前方向Df側に向かって延びる棒状の部分である棒部分81dと、で構成されている。伝熱層80dの先端80d1(ここでは、棒部分81dの前方向Df側の端80d1)は、支持後端97rよりも前方向Df側に位置している。図中の第1長Laは、先部分84dのうちの棒部分81dを含む部分の軸線CLに平行な方向の長さである。第2長Lbは、先部分84dのうちの棒部分81dを含まない部分(すなわち、環状部分83d)の軸線CLに平行な方向の長さである(La>Lb)。
図中には、角度AGを示す3本の線L0、Lp、Lm(図7(C))が示されている。これらの線L0、Lp、Lmは、脚部19の外周面上の位置の角度AGを示している。線L0は、AG=0度の位置、すなわち、軸線CLから接地電極30の基端部33の中心位置33cに向かう電極方向D30の位置を示している。線Lpは、AG=+45度の位置を示し、線Lmは、AG=−45度の位置を示している。線Lp、Lmの間の範囲は、0度の角度AGを基準とする±45度の特定範囲R900である。図示するように、棒部分81dは、特定範囲R900内に、配置されている。
このように、伝熱層80dの先部分84dは、特定範囲R900の内の部分と、この特定範囲R900の外の部分と、を含んでいる。具体的には、環状部分83dの一部分と棒部分81dとが、特定範囲R900の内であり、環状部分83dの残りの部分が、特定範囲R900の外である。そして、特定範囲R900内における先部分84dの軸線CLに平行な方向の最大長Laは、特定範囲R900外における先部分84dの軸線CLに平行な方向の最大長Lbよりも、長い。従って、本実施形態の伝熱層80dは、伝熱方向D80の角度AGがゼロ度である場合の伝熱層80c(図7(C))と同様に、点火プラグ100dの耐熱性を向上でき、また、耐汚損性能を向上できる。
図10(B)の点火プラグ100eの構成は、図2の点火プラグ100において、伝熱層80のうち、後部分89よりも前方向Df側の部分を、後部分89から前方向Df側に向かって延びる棒状の部分である棒部分81eに置換して得られる構成と同じである。筒部材90eは、絶縁体10と伝熱層80eとを含んでいる。筒部材90eの縮外径部96eは、絶縁体10の縮外径部16に対応する部分である。縮外径部96eの外周面のうち、周方向の一部の範囲内の部分は、絶縁体10の縮外径部16上に設けられた伝熱層80eの棒部分81eによって形成される。筒部材90eのうちのパッキン8に支持される支持部分97eは、絶縁体10の外周面によって形成される部分と、伝熱層80eの棒部分81eによって形成される部分と、を含む。伝熱層80eの先部分84eは、伝熱層80eのうち、支持部分97eの後端である支持後端97erよりも前方向Df側の部分である。本実施形態では、先部分84eは、棒部分81eのうちの前方向Df側の一部分であり、棒状の部分である。伝熱層80eの先端80e1(ここでは、棒部分81eの前方向Df側の端80e1)は、支持後端97erよりも前方向Df側に位置している。伝熱層80eの棒部分81e(すなわち、先部分84e)は、特定範囲R900内のみに、設けられている。従って、伝熱層80eは、伝熱方向D80の角度AGがゼロ度である場合の伝熱層80c(図7(C))と同様に、点火プラグ100dの耐熱性を向上でき、また、耐汚損性能を向上できる。
また、図中の第1長Laは、先部分84eの軸線CLに平行な方向の長さ、すなわち、特定範囲R900内における先部分84eの軸線CLに平行な方向の最大長である。第2長Lbは、特定範囲R900外における先部分84eの軸線CLに平行な方向の最大長である。本実施形態では、先部分84eは、特定範囲R900外には設けられていない。この場合、第2長Lbはゼロである、といえる。このように、先部分84eが特定範囲R900内のみに設けられている場合、特定範囲R900内の先部分84eの最大長Laは、特定範囲R900外の先部分84eの最大長Lb(=ゼロ)よりも、長い、と言える。
図10(C)の点火プラグ100fの構成は、図10(B)の点火プラグ100eにおいて、伝熱層80eに、パッキン8に接触する環状の部分である環状部分83dを追加して得られる構成と同じである。この環状部分83dは、図10(A)に示す環状部分83dと同じである。筒部材90fは、絶縁体10と伝熱層80fとを含んでいる。筒部材90fの縮外径部96fの外周面は、図10(A)の縮外径部96と同様に、絶縁体10の縮外径部16上に設けられた伝熱層80dの環状部分83dによって形成される。筒部材90fのうちのパッキン8に支持される支持部分97fは、伝熱層80fの環状部分83dによって形成される。伝熱層80fは、周方向の全範囲(すなわち、360度)に亘って、先端側パッキン8に接触している。従って、伝熱層80fは、パッキン8を介して、適切に、主体金具50へ熱を伝達できる。これにより、点火プラグの耐熱性が、向上する。
伝熱層80fの先部分84fは、伝熱層80fのうち、支持部分97fの後端である支持後端97frよりも前方向Df側の部分である。先部分84fは、図10(B)で説明した棒状の先部分84eと同じ棒状の部分82eと、環状部分83dと、を含んでいる。図中の第1長Laは、先部分84fのうちの棒状の部分82eを含む部分の軸線CLに平行な方向の長さである。第2長Lbは、先部分84fのうちの棒状の部分82eを含まない部分(すなわち、環状部分83d)の軸線CLに平行な方向の長さである(La>Lb)。
図示するように、伝熱層80fの先部分84fの棒状の部分82eは、特定範囲R900内に、配置されている。このように、先部分84fは、図10(A)の実施形態と同様に、特定範囲R900の内の部分(棒状の部分82e)と、この特定範囲R900の外の部分(環状部分83d)と、を含んでいる。そして、特定範囲R900内における先部分84fの軸線CLに平行な方向の最大長Laは、特定範囲R900外における先部分84fの軸線CLに平行な方向の最大長Lbよりも、長い。従って、本実施形態の伝熱層80fは、伝熱方向D80の角度AGがゼロ度である場合の伝熱層80c(図7(C))と同様に、点火プラグ100fの耐熱性を向上でき、また、耐汚損性能を向上できる。
図10(D)の点火プラグ100gの構成は、図10(A)の点火プラグ100dにおいて、環状部分83dを、前方向Df側に延長して得られる構成と同じである。筒部材90gは、絶縁体10と伝熱層80gとを含んでいる。伝熱層80gのうち支持後端97rよりも前方向Df側の部分である先部分84gは、筒部材90gの支持部分97を形成する環状の部分である環状部分83gと、環状部分83gから前方向Df側に向かって延びる棒状の部分である棒部分81gと、で構成されている。伝熱層80gの先端80g1(ここでは、棒部分81gの前方向Df側の端80g1)は、支持後端97rよりも前方向Df側に位置している。図中の第1長Laは、先部分84gのうちの棒部分81gを含む部分の軸線CLに平行な方向の長さである。第2長Lbは、先部分84gのうちの棒部分81gを含まない部分(すなわち、環状部分83g)の軸線CLに平行な方向の長さである(La>Lb)。環状部分83gの第2長Lbは、図10(A)の環状部分83dの第2長Lbよりも、大きい。このように、本実施形態では、伝熱層80gの環状部分83gは、支持部分97から、更に、空間V1に近い部分まで、延びている。従って、伝熱層80gは、適切に、絶縁体10の先部分18を冷却できる。この結果、点火プラグ100gの耐熱性を、向上できる。
図10(E)の点火プラグ100hの構成は、図10(A)の点火プラグ100dにおいて、棒部分81dを、2本の棒部分85h、86hに置換して得られる構成と、同じである。2本の棒部分85h、86hは、それぞれ、環状部分83dから前方向Df側に向かって延びる棒状の部分であり、周方向の互いに異なる位置に配置されている。筒部材90hは、絶縁体10と伝熱層80hとを含んでいる。伝熱層80hのうち支持後端97rよりも前方向Df側の部分である先部分84hは、環状部分83dと2本の棒部分85h、86hで構成されている。2本の棒部分85h、86hの前方向Df側の端である2つの先端80h1、80h2の間で、軸線CLに平行な方向の位置は、同じである。従って、これらの2つの端80h1、80h2が、伝熱層80hの前方向Df側の端である先端を形成する。伝熱層80hの先端80h1、80h2は、支持後端97rよりも前方向Df側に位置している。第1長Laは、先部分84hのうち棒部分85h、86hを含む部分の軸線CLに平行な方向の長さである。第1長Laは、先部分84hのうちの棒部分85h、86hを含まない部分(すなわち、環状部分83d)の軸線CLに平行な方向の長さLbよりも、大きい。
図示するように、伝熱層80hの先部分84hの棒部分85h、86hは、特定範囲R900内に、配置されている。このように、先部分84hは、図10(A)の実施形態と同様に、特定範囲R900の内の部分(棒状の部分85h、86h)と、この特定範囲R900の外の部分(環状部分83d)と、を含んでいる。そして、特定範囲R900内における先部分84hの軸線CLに平行な方向の最大長Laは、特定範囲R900外における先部分84hの軸線CLに平行な方向の最大長Lbよりも、長い。従って、本実施形態の伝熱層80hは、伝熱方向D80の角度AGがゼロ度である場合の伝熱層80c(図7(C))と同様に、点火プラグ100fの耐熱性を向上でき、また、耐汚損性能を向上できる。
図10(F)の点火プラグ100iの構成は、図10(B)の点火プラグ100eにおいて、後部分89を、周方向の一部の範囲のみに設けられた後部分89iに置換して得られる構成と同じである。筒部材90iは、絶縁体10と伝熱層80iとを含んでいる。伝熱層80iは、図10(B)の棒部分81eと同じ棒部分81eと、棒部分81eの後方向Dfr側に接続された後部分89iと、を含んでいる。このように、伝熱層80iの後部分89iは、周方向の全範囲(すなわち、360度)ではなく、周方向の一部の範囲のみに設けられてもよい。この場合も、後部分89iからの放熱により、絶縁体10の先部分18の昇温が抑制されるので、点火プラグ100iの耐熱性を向上できる。なお、伝熱層80iの後端80i9は、主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側に、位置している。露出面89isは、伝熱層80iの外面のうち、後部分89iによって形成される部分である。伝熱層80iの後端80i9は、露出面89isの後方向Dfr側の端と、同じである。
図11(A)の点火プラグ100jの構成は、図10(A)の棒部分81dを、前方向Df側に向かって徐々に細くなるテーパ状の棒部分81jに置換して得られる構成と同じである。筒部材90jは、絶縁体10と伝熱層80jとを含んでいる。伝熱層80jのうち支持後端97rよりも前方向Df側の部分である先部分84jは、環状部分83dと棒部分81jとで構成されている。伝熱層80jの先端80j1(ここでは、棒部分81jの前方向Df側の端80j1)は、支持後端97rよりも前方向Df側に位置している。本実施形態のように、伝熱層80jの先部分84jの棒部分81jの周方向の幅は、軸線CLに平行な方向の位置に応じて、変化してもよい。この場合も、伝熱層80jは、先部分84jを通じて、絶縁体10の先部分18を冷却できる。この結果、点火プラグ100jの耐熱性が向上する。
なお、先部分84jのうち棒部分81jを含む部分の軸線CLに平行な方向の長さLaは、先部分84hのうちの棒部分81jを含まない部分(すなわち、環状部分83d)の軸線CLに平行な方向の長さLbよりも、大きい。そして、棒部分81jは、特定範囲R900内に、配置されている。このように、先部分84jは、図10(A)の実施形態と同様に、特定範囲R900の内の部分(棒状の部分81j)と、この特定範囲R900の外の部分(環状部分83d)と、を含んでいる。そして、特定範囲R900内における先部分84jの軸線CLに平行な方向の最大長Laは、特定範囲R900外における先部分84jの軸線CLに平行な方向の最大長Lbよりも、長い。従って、本実施形態の伝熱層80jは、図10(A)の伝熱層80dと同様に、点火プラグ100jの耐熱性を向上でき、また、耐汚損性能を向上できる。
図11(B)には、図4と同様に、点火プラグの軸線CLを含む平らな断面が示されている(接地電極30の図示は、省略されている)。図11(B)の点火プラグ100kの構成は、図4の点火プラグ100aにおいて、伝熱部80aの先端部81aを、絶縁体10kの外周側に露出する先端部81kに置換し、そして、後部分89aを、広い露出面89asを形成する後部分89kに置換して得られる構成と、同じである。筒部材90kは、絶縁体10kと伝熱部80kとを含んでいる。筒部材90kの外形は、図4の筒部材90aの外形と、同じである。
図11(C)には、図11(B)の断面のうち、筒部材90kの縮外径部96kと、主体金具50の張り出し部56とを含む一部分の拡大図が示されている。筒部材90kの縮外径部96kは、図4の筒部材90aの縮外径部96aに対応する部分である。この拡大図では、筒部材90kの縮外径部96kのうちの支持部分97kが、太線で示されている。支持部分97kは、図2の支持部分97に対応する部分である。支持後端97krは、支持部分97kの後方向Dfr側の端である。絶縁体10kの先部分18kは、絶縁体10kのうち、支持後端97krよりも前方向Df側の部分である。
伝熱部80kの先端部81kは、絶縁体10kの脚部19kの外周側に露出するように、形成されている。伝熱部80kの先端80k1(ここでは、先端部81kの前方向Df側の端80k1)は、支持後端97krよりも前方向Df側に位置している。先端部81kの後方向Dfr側には、絶縁体10kの内部から外周面まで延びる部分82kが設けられている。この部分82kは、絶縁体10kの外周側に露出する露出面82ksを形成している。露出面82ksは、筒部材90kの縮外径部96kの外周面の一部を形成している。この露出面82ksは、先端側パッキン8に接触している。伝熱部80kのうちの部分82kよりも後方向Dfr側の部分の構成は、図4の伝熱部80aの部分82aよりも後方向Dfr側の部分の構成と、同じである。本実施形態においても、伝熱部80kは、周方向の一部の範囲のみに設けられている。
このように、伝熱部80kの先端部81kは、絶縁体10kの脚部19kに接続されている。従って、伝熱部80kは、絶縁体10kのうちの空間V1に近い部分(例えば、脚部19k)の昇温を、抑制できる。さらに、伝熱部80kの先端部81kは、脚部19kの外周側に露出している。すなわち、伝熱部80kの先端部81kは、空間V1内のガスに、直接接触し得る。従って、伝熱部80kは、空間V1内のガスの昇温を、適切に、抑制できる。これらにより、点火プラグ100kの耐熱性が、向上する。
また、後部分89kは、図4の後部分89aと同様に、絶縁体10kの内部から絶縁体10kの外周面に向かって延び、そして、絶縁体10kの外周側に露出する露出面89ksを形成している。後部分89kのうちの露出面89ksを形成する部分は、図4の露出面89asを形成する部分と比べて、後方向Dfr側に向かって延長されている。伝熱部80kの後端80k9は、露出面89ksの後方向Dfr側の端である。このように、露出面89ksが拡大されているので、伝熱部80kの後部分89kは、適切に、放熱できる。これにより、誤着火が、更に、抑制される。
I.変形例:
(1)伝熱部の構成は、上記の伝熱層80、80c〜80jと伝熱部80a、80b、80kとの構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、図4、図5、図11(B)の実施形態において、伝熱部80a、80b、80kは、図7(C)で説明した特定範囲R900内のみに設けられてもよい。また、伝熱部80a、80b、80kは、周方向の全範囲に亘って設けられた筒状の部材であってよい。また、伝熱部のうちの支持後端から前方向Df側の部分は、省略されてもよい。すなわち、伝熱部の前方向Df側の端である先端の軸線CLに平行な方向の位置は、支持後端の軸線CLに平行な方向の位置と同じであってよい。
(2)図3(C)で説明した割合L1/L3の好ましい範囲(例えば、ゼロより大きく、0.75以下の範囲)は、図2の点火プラグ100に限らず、他の種々の構成の点火プラグに適用されてよい。例えば、上記の点火プラグ100a〜100kにおいて、割合L1/L3が、上記の好ましい範囲内であってよい。ここで、図10(B)の伝熱層80eの先部分84eのように、伝熱部の軸線CLに平行な方向の長さは、周方向の位置に応じて、変化してよい。この場合、伝熱部の先端と支持後端との間の軸線CLに平行な方向の距離L1、すなわち、伝熱部の先部分の軸線CLに平行な方向の長さL1としては、先部分の軸線CLに平行な方向の最大長が採用される。
いずれの場合も、割合L1/L3が大きいほど、伝熱部は、絶縁体のうちの空間V1に近い部分を、容易に冷却できる。この結果、誤着火が抑制される。また、割合L1/L3が過度に大きい場合には、伝熱部は、燃焼室内の高温のガスから、絶縁体のうちの空間V1に近い部分へ、熱を伝達し得る。割合L1/L3が上記の好ましい範囲内である場合(例えば、割合L1/L3が、0.75以下である場合)、そのような不具合を抑制できる。ただし、割合L1/L3は、ゼロであってよく、また、0.75を超えていてもよい。
(3)図7、図10(B)、図10(F)の実施形態のように、伝熱部のうちの支持後端よりも前方向Df側の部分である先部分(例えば、先部分84c、84e)は、特定範囲R900(図7(C))内のみに設けられてよい。ここで、伝熱部の先部分は、絶縁体の外周側に露出せずに、絶縁体の内部に埋め込まれていてもよい。例えば、図4、図5、図11(B)の伝熱部80a、80b、80kの先部分84a、84b、84kが、特定範囲R900内に設けられてもよい(すなわち、先部分84a、84b、84kの周方向の位置が、特定範囲R900内)。いずれの場合も、伝熱部の先部分が特定範囲R900内のみに設けられる場合、割合L1/L3は、図9で説明した好ましい範囲(例えば、ゼロより大きく、0.65以下の範囲)内であってよい。この構成によれば、伝熱部は、絶縁体のうちの空間V1に近い部分を、容易に冷却できる。この結果、誤着火が抑制される。また、絶縁体のうちの空間V1に近い部分の過度の冷却が抑制されるので、汚損が抑制される。ただし、割合L1/L3は、ゼロであってよく、また、0.65を超えていてもよい。
また、伝熱部の先部分は、特定範囲R900内の部分に加えて、特定範囲R900外の部分を含んでよい。また、伝熱部の先部分は、特定範囲R900内には設けられずに、特定範囲R900外のみに設けられてもよい。また、特定範囲R900外における先部分の軸線CLに平行な方向の最大長が、特定範囲R900内における先部分の軸線CLに平行な方向の最大長よりも、大きくてもよい。
(4)図2、図3(E)で説明した距離L4の好ましい範囲(例えば、15mm以上の範囲)は、図2の点火プラグ100に限らず、他の種々の構成の点火プラグに適用されてよい。例えば、上記の点火プラグ100a〜100kにおいて、距離L4が、上記の好ましい範囲内であってよい。一般的に、端子金具40の露出部分45と、伝熱部の後部分の露出面と、の間の意図しない放電が生じる可能性は、端子金具40の露出部分45の先端45fと伝熱部の後部分の露出面の後端との間の軸線CLに平行な方向の距離L4が大きいほど、小さい。そして、その可能性が、点火プラグの他の部分の構成から受ける影響は、小さいと推定される。従って、距離L4の上記の好ましい範囲は、種々の構成の点火プラグに適用されてよい。なお、距離L4は、絶縁体のうちの主体金具50の後端50rよりも後方向Dfr側に位置する部分の軸線CLに平行な方向の長さよりも小さい種々の値であってよい。
(5)伝熱部の構成は、上記の構成に代えて、他の種々の構成であってよい。上記各実施形態では、伝熱部と絶縁体とは、一体に成形されている。そして、絶縁体と伝熱部とによって構成される筒部材に、主体金具50が固定されている。これに代えて、伝熱部は、絶縁体10の外周面上で軸線CLの周りを0.5周以上周回するバンドなどの固定具を用いて、絶縁体10に固定されてよい。また、伝熱部は、接着剤を用いて、絶縁体10に固定されてよい。いずれの場合も、伝熱部が絶縁体に固定されている場合、絶縁体に対する伝熱部の位置のずれが抑制される。また、伝熱部は、絶縁体には固定されずに、絶縁体の外周面と、主体金具の内周面と、の間に挟まれてもよい。いずれの場合も、伝熱部の少なくとも一部は、絶縁体に接触していることが好ましい。そして、貫通孔を有する絶縁体と、絶縁体に接触する伝熱部と、の全体が、筒状の主体金具の内周側に配置される筒部材として、利用されてよい。
筒部材と主体金具との固定のための構成としては、以下の構成が採用されてよい。筒部材は、先端側に向かって外径が小さくなる段部(例えば、図2の縮外径部96)を有する。主体金具は、先端側に向かって内径が小さくなる部分であるとともに段部を直接的又は間接的に支持する支持部を有する(例えば、図2の張り出し部56)。ここで、段部の外周面は、図2の縮外径部96の外周面のように、伝熱部のみによって形成されてよい。また、段部の外周面は、図10(B)の縮外径部96eの外周面のように、絶縁体によって形成される部分と、伝熱部によって形成される部分と、を含んでもよい。また、伝熱部は、筒部材の段部のうちの主体金具の支持部によって直接的または間接的に支持される支持部分(すなわち、筒部材の段部のうちの主体金具またはパッキンに接触する部分)のうちの少なくとも一部を形成してよい。これにより、伝熱部のうちの支持部分を形成する部分は、主体金具またはパッキンに接触するので、伝熱部は、主体金具へ、適切に、熱を伝達できる。ただし、段部の外周面は、絶縁体のみによって形成されてもよい。
伝熱部の後端の軸線CLに平行な方向の位置は、主体金具の後端(例えば、図2の後端50r)の軸線CLに平行な方向の位置よりも後方向Dfr側に位置していることが好ましい。そして、伝熱部の先端の軸線CLに平行な方向の位置は、筒部材の段部のうち主体金具の支持部に直接的または間接的に支持される部分の後端である支持後端(例えば、図2の支持後端97r)の軸線の方向の位置と同じ、または、支持後端の軸線の方向の位置よりも先端側に位置することが好ましい。この構成によれば、伝熱部は、支持後端の近傍から、主体金具の後端よりも後端側へ、熱を伝達できるので、点火プラグの耐熱性を向上できる。ここで、絶縁体の先部分(例えば、図2の先部分18)の昇温を抑制するためには、伝熱部のうち、軸線CLに平行な方向の位置が支持後端と同じ部分の少なくとも一部と、支持後端よりも前方向Df側の部分の少なくとも一部と、のうちの少なくとも一方が、絶縁体に接触していることが好ましい。そして、伝熱部は、伝熱部の先端から伝熱部の後端まで連続する部材であることが好ましい。
いずれの場合も、伝熱部は、主体金具の内周面よりも内周側、かつ、絶縁体の内周面よりも外周側の、任意の位置に、配置されてよい。例えば、伝熱部のうちの支持後端よりも前方向Df側の部分である先部分は、絶縁体の外周側に露出する露出面を形成してよく、また、先部分の全体が絶縁体の内部に埋め込まれていてもよい。
また、伝熱部のうちの主体金具の後端よりも後方向Dfr側の部分である後部分(例えば、図2の後部分89)は、絶縁体の外周側に露出する露出面を形成してよく、また、後部分の全体が絶縁体の内部に埋め込まれていてもよい。伝熱部の後部分が露出面を形成する場合に、後部分のうちの前方向Df側の一部分のみが、露出面を形成してもよい。例えば、図4の実施形態において、伝熱部80aの後部分89aのうちの露出面89asよりも内周側の部分(すなわち、絶縁体10aの内部に埋め込まれた部分)は、露出面89asの後端80a9よりも後方向Dfr側まで延びていてもよい。このように、後部分のうちの絶縁体の内部に埋め込まれた部分の後方向Dfr側の端が、後部分の露出面の後方向Dfr側の端よりも、後方向Dfr側に配置されてもよい。このように、後部分の露出面の後端は、伝熱部の後端よりも前方向Df側に配置されてもよい。いずれの場合も、距離L4は、後部分の露出面の後端を用いて特定される。そして、距離L2は、後部分の後端、すなわち、伝熱部の後端を用いて、特定される。
(6)伝熱部の材料(すなわち、伝熱部を形成する物質)は、絶縁体よりも熱伝導率が高い任意の材料であってよい。伝熱部の材料は、例えば、白金、ニッケルなどの金属であってよく、金属やカーボンなどの導電体を含む導電フィラーと樹脂(例えば、エポキシ樹脂)との混合物であってよい。このように、伝熱部は、導電体であってよい。また、伝熱部の材料は、炭化珪素、窒化アルミなどのセラミックであってよい。このように、伝熱部は、非導電体であってよい。ここで、電気抵抗率(electrical resistivity(単位は「Ωm」))が、10−6Ωm以下の伝熱部は、導電体であるといえる。また、電気抵抗率が10Ωm以上の伝熱部は、非導電体であるといえる。伝熱部が導電体である場合、中心電極と伝熱部とは、主体金具に接続されたキャパシタを形成する。このようなキャパシタは、端子金具40と主体金具50との間に放電用の電圧が印加される場合に、ギャップgでの放電を遅延させ得る。また、伝熱部が導電体である場合、伝熱部の後部分と端子金具40の露出部分45との間の意図しない放電が、生じ易い。伝熱部が非導電体である場合には、そのような不具合が抑制される。
(7)点火プラグの構成は、図1で説明した構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、先端側パッキン8は、省略されてよい。この場合、筒部材の段部(例えば、図2の筒部材90の縮外径部96は、直接的に、主体金具50の張り出し部56の後面56rに支持される。この場合、筒部材の段部のうち、主体金具50の張り出し部56によって支持される支持部分は、筒部材の段部のうち張り出し部56に接触する部分である。そして、この支持部分の後方向Dfr側の端が、支持後端として利用される。ここで、筒部材の段部の支持部分の外周面の少なくとも一部が、伝熱部によって形成され、伝熱部が、直接的に、主体金具50の張り出し部56に接触してよい。この構成によれば、伝熱部は、直接的に、主体金具50に熱を伝達できる。これにより、絶縁体のうちの空間V1の近傍の部分(例えば、図2の絶縁体10の先部分18)の昇温が抑制される。この結果、誤着火が抑制される。ただし、伝熱部は、主体金具50の張り出し部56と、パッキン8と、のいずれからも離れた位置に配置されてよい。
また、中心電極の先端面(例えば、図1の第1チップ29の前方向Df側の面)に代えて、中心電極の側面(軸線CLに垂直な方向側の面)と、接地電極とが、放電用のギャップを形成してもよい。放電用のギャップの総数が2以上であってもよい。抵抗体73が省略されてもよい。絶縁体の貫通孔内の中心電極と端子金具との間に、磁性体が配置されてもよい。また、接地電極30が省略されてもよい。この場合、点火プラグの中心電極20と、燃焼室内の他の部材と、の間で、放電が生じてよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
8…先端側パッキン、9…ガスケット、10、10a、10b、10f、10k、10t…先端部、11…縮内径部、12…貫通孔(軸孔)、13…後端側胴部、14…大径部、15…先端側胴部、16…縮外径部、18、18a、18b、18k…先部分、19、19a、19b、19k…脚部、20…中心電極、20t…部分、21…外層、22…芯部、23…鍔部、24…頭部、27…軸部、28…棒部、29…第1チップ、30…接地電極、31…外層、32…内層、33…基端部、33c…中心位置、33s…基端、34…先端部、37…本体部、40…端子金具、41…軸部、45…露出部分、45f…先端、48…鍔部、49…キャップ装着部、50…主体金具、50r…後端、51…工具係合部、52…先端側胴部、53…後端部、54…中胴部、54f…座面、55…先端面、56…張り出し部、56r…後面、57…ネジ部、58…接続部、59…貫通孔、61…リング部材、70…タルク、72…第1シール部、73…抵抗体、74…第2シール部、80、80c〜80j…伝熱層、80a、80b、80k…伝熱部、801、80a1、80c1、80d1、80e1、80g1、80h1、80h2、80j1、80k1…先端、809、80a9、80c9、80i9、80k9…後端、81a、81k…先端部、81d、81e、81g、81j…棒部分、82a、82e、82k…部分、82as、82ks…露出面、89s、89as、89cs、89is、89ks…露出面、83d、83g…環状部分、84、84a〜84j…先部分、84cc…中心位置、85h…棒部分、89、89a、89c、89i、89k…後部分、90…、90a〜90k…筒部材、96、96a〜96c、96e、96f、96k…縮外径部、97、97a〜97c、97e、97f、97k…支持部分、97r、97ar、97br、97cr、97er、97fr、97kr…支持後端、99…脚部、100、100a〜100k…点火プラグ、g…放電ギャップ、R900…特定範囲、R90…範囲、V1…空間、CL…中心軸(軸線)、L1…距離、L2…距離、L4…距離、AG…角度、OP…開口(隙間)、La…第1長、Lb…第2長、Df…先端方向(前方向)、Dfr…後端方向(後方向)、D30…電極方向、D80…伝熱方向

Claims (8)

  1. 軸線の方向に延びる貫通孔を有する絶縁体を含む筒部材と、前記絶縁体の前記貫通孔の先端側に配置される中心電極と、前記筒部材の外周側に配置される筒状の主体金具と、を備え、前記筒部材は、先端側に向かって外径が小さくなる段部を有し、前記主体金具は、先端側に向かって内径が小さくなる部分であるとともに前記段部を直接的又は間接的に支持する支持部を有する、点火プラグであって、
    前記筒部材は、前記主体金具の内周面よりも内周側、かつ、前記絶縁体の内周面よりも外周側に、配置され、前記絶縁体よりも熱伝導率の高い部分である伝熱部を含み、
    前記伝熱部の後端の前記軸線の方向の位置は、前記主体金具の後端の前記軸線の方向の位置よりも後端側に位置し、
    前記伝熱部の先端の前記軸線の方向の位置は、前記段部のうち前記主体金具の前記支持部に直接的または間接的に支持される部分の後端である支持後端の前記軸線の方向の位置と同じ、または、前記支持後端の前記軸線の方向の位置よりも先端側に位置
    前記伝熱部の先端の前記軸線の方向の位置は、前記支持後端の前記軸線の方向の位置よりも先端側に位置し、
    前記絶縁体のうちの前記支持後端よりも先端側の部分の前記軸線の方向の長さに対する、前記伝熱部のうちの前記支持後端よりも先端側の部分の前記軸線の方向の長さの割合は、ゼロより大きく、0.75以下である、
    点火プラグ。
  2. 請求項に記載の点火プラグであって、
    前記点火プラグは前記筒部材の前記段部と前記主体金具の前記支持部との間に配置されるパッキンを備える、または、前記主体金具の前記支持部は前記パッキンを介さずに前記筒部材の前記段部を支持し、
    前記伝熱部は、前記主体金具の前記支持部または前記パッキンに、接触する、
    点火プラグ。
  3. 請求項1または2に記載の点火プラグであって、
    前記絶縁体の前記貫通孔の後端側の部分に一部が挿入された端子金具を備え、
    前記伝熱部は、導電体であり、
    前記伝熱部のうちの前記主体金具の前記後端よりも後端側の部分は、前記絶縁体の外周側に露出する露出面を形成し、
    前記端子金具のうちの前記貫通孔の後端側に露出する部分の先端と、前記伝熱部の前記露出面の後端と、の間の前記軸線の方向の距離は、15mm以上である、
    点火プラグ。
  4. 請求項1または2に記載の点火プラグであって、
    前記伝熱部は、非導電体である、点火プラグ。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の点火プラグであって、
    一方の端部である基端部が前記主体金具の先端面に接合され、他方の端部が前記中心電極に対向して放電ギャップを形成する棒状の接地電極を備え、
    前記伝熱部のうちの前記支持後端よりも先端側の部分である先部分は、前記軸線を中心とする周方向の位置が、前記軸線から前記接地電極の前記基端部の中心へ向かう方向を基準として±45度の範囲である特定範囲内である部分を含む、
    点火プラグ。
  6. 請求項に記載の点火プラグであって、
    前記伝熱部の前記先部分の前記特定範囲内における前記軸線の方向の最大長は、前記伝熱部の前記先部分の前記特定範囲外における前記軸線の方向の最大長よりも、長い、
    点火プラグ。
  7. 請求項またはに記載の点火プラグであって、
    前記伝熱部の前記先部分は、前記特定範囲内のみに、設けられている、
    点火プラグ。
  8. 請求項に記載の点火プラグであって、
    前記絶縁体のうちの前記支持後端よりも先端側の部分の前記軸線の方向の長さに対する、前記伝熱部の前記先部分の前記軸線の方向の長さの割合は、ゼロより大きく、0.65以下である、
    点火プラグ。
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