本発明の各実施形態の説明に先立って、本発明における技術的な検討事項等についてより詳細に説明する。
上記したように、配水計画を作成する際、配水網における消費電力を低減するように各管路の流量を決定することを求められる場合がある。この場合、配水運用システムにおいては、例えば、以下のような方法で、配水計画が作成される。即ち、配水運用システムは、配水網における消費電力(例えば、浄水場及び給水所におけるポンプの消費電力)を目的関数として採用した数理最適化問題を設定する。そして、係る配水運用システムは、設定した数理最適化問題を解くことで消費電力を低減可能な配水計画を作成する。
上記のように数理最適化問題を設定する場合、各ポンプにおける水の排出量(ポンプから出力される吐出量)とポンプの消費電力とは非線形な関係により表される。これより、ポンプにおける消費電力と流量との間の関係を表す関数(以下、「消費電力関数」と称する場合がある)をどのように設定するか(定式化するか)が、技術的な検討事項になる。ポンプの消費電力関数は、特定の流量範囲毎に異なる凸関数の形状を示すことから、係る消費電力関数を用いて目的関数をモデリングすることは必ずしも容易ではない。
更に、上記したように、実際の配水計画を運用する際、ポンプの稼働パターン(例えば、ポンプの稼働及び停止のパターン)を切り替える回数を低減することを求められる場合がある。これより、消費電力に加え、ポンプの稼働パターンの切り替えに要するコスト(以下「スイッチングコスト」と称する場合がある)を含む形式で、最適化問題を設定することが、技術的な検討事項となる。この場合、係るスイッチングコストをどのように設定するか(定式化するか)が技術的な検討事項となる。スイッチングコストが離散的な値により表される場合、一般的には数理最適化が困難である。以下の各実施形態における配水運用システムは、上記のような離散値を含む最適化問題に対して適切な近似を行うことで、数理最適化を可能とする。
以下の各実施形態を用いて説明する配水運用システムは、配水網に関する情報(配水網のネットワークトポロジの情報)を取り込んだ数理最適化問題を設定する。そして、係る最適化問題を解くことにより、ポンプの消費電力とポンプの稼働パターンの切り替え回数とを同時に低減する解を求める。これにより、係る配水運用システムは、配水網を構成する各管路に対する配水計画と、ポンプの運転計画とを導出可能である。また、係る配水運用システムが設定する最適化問題は、一回あたりの最適化処理を高速に実行可能な逐次最適化に帰着される。これより、係る配水運用システムは、大規模配水網に対して短時間毎に適切な配水計画を導出することが可能である。
以下、係る配水運用システムを実現可能な本発明の実施形態について具体的に説明する。以下の各実施形態に記載されている構成は例示であり、本発明の技術範囲はそれらには限定されない。以下において説明する配水運用システムは、単体の装置(物理的あるいは仮想的な装置)を用いて構成されてもよい。また、係る配水運用システムは、複数の離間した装置(物理的あるいは仮想的な装置)を用いて実現されてもよい。この場合、係る配水運用システムは、複数の装置により構成されるシステムとして実現される。配水運用システムを構成する複数の装置の間は、有線、無線、又はそれらを適切に組み合わせた通信ネットワーク(通信回線)により通信可能に接続されてもよい。係る通信ネットワークは、物理的な通信ネットワークであってもよく、仮想的な通信ネットワークであってもよい。
なお、配水運用システムは、複数の物理的あるいは仮想的な情報処理装置及び通信ネットワークを用いて構成されたクラウド(cloud)システムを用いて実現されてもよい。この場合、係る配水運用システムは、クラウドシステムにおいてSaaS(Software as a Service)形式で提供されうる。
<第1の実施形態>
以下、本発明を実施可能な形態について図面を参照して詳細に説明する。
<構成>
図1は本発明の配水運用システムの機能的な構成を例示するブロック図である。配水運用システム100は、配水網情報入力装置101と、パラメータ情報入力装置102と、配水計画作成装置103とを備える。また、配水運用システム100は、出力装置104を備えてもよい。配水運用システム100を構成するこれらの構成要素の間は、適切な通信方法を用いて通信可能に接続されている。
まず、配水運用システム100の概要について説明する。配水運用システム100は、配水網に含まれる各需要点における、ある時間単位(時間区間)毎の需要量(予測値であってもよい)と、各浄水場における浄水の造水量と、配水網の構成情報(後述)とを入力として取得する。配水運用システム100は、上記入力に基づいてポンプの稼働パターンの切り替え(変更)に要する変更コスト(スイッチングコスト)と、ポンプの消費電力量とを少なくとも含む最適化問題の解を求める。これにより、配水運用システムは、ポンプのスイッチングコストと、消費電力とを低減することが可能なポンプ運転計画を作成する。また、配水運用システム100は、ポンプの稼働パターンの変更コストと、ポンプの消費電力量とを低減することが可能な各管路の配水計画(配管の水流量を表す流量計画)を作成する。配水運用システム100は、例えば、配水網を構成する施設に設置されたポンプに対する、ある時間区間(例えば15分)毎の稼働パターン、あるいは、ポンプ出力(出力される水流量)の計画を作成してもよい。また、配水運用システム100は、例えば、配水網を構成する各配管に対する、ある時間区間(例えば15分)毎の配水計画(流量計画)を作成してもよい。
次に、配水運用システム100を構成する各構成要素について説明する。配水網情報入力装置101は、配水網における配水計画の作成に用いられる情報(計画作成情報)を配水計画作成装置103に入力する装置である。配水計画の作成に用いられる情報は、例えば、当該配水網の構成を表す情報(配水網構成情報)を含む。配水網の構成を表す情報は、例えば、配水管、給水所、浄水場、分岐点、需要点等の配水網を構成する施設及び当該施設に設置された設備(ポンプ、バルブ等)の特性を表す情報を含んでもよい。また、配水網の構成を表す情報は、配水網を構成する施設の間の接続関係を表す情報を含んでもよい。また、配水計画の作成に用いられる情報は、例えば、需要点における需要予測、又は、浄水場における浄水量などの情報を含んでもよい。なお、配水計画の作成に用いられる情報は、例えば、配水運用システム100のユーザ(不図示)等によって、配水網情報入力装置に入力(設定)されてもよい。また、配水網情報入力装置101が、通信ネットワークを介して接続された外部の情報処理装置(サーバ等)に保存された、計画作成情報を取得してもよい。
具体的には、配水網情報入力装置101は、図1に例示するように、ネットワークトポロジ入力部101aと、需要予測部101bと、浄水量決定部101cとを含む。
ネットワークトポロジ入力部101aは、配管網のネットワークトポロジに関する情報を、配水計画作成装置103に提供する。ネットワークトポロジ入力部101aは、例えば、上記した配水網構成情報を配水計画作成装置103に提供してもよい。また、ネットワークトポロジ入力部101aは、例えば、各管路の流量の上下限値、各施設から出力される流量の変化量の上下限値、貯水量の上下限値、各施設に設置されたポンプの特性等、配水網に関する各種条件を配水計画作成装置103に入力する。
ネットワークトポロジ入力部101aは、また、浄水場、給水所等の施設における各ポンプの稼働パターン毎の消費電力を表す情報を配水計画作成装置103に提供する。ネットワークトポロジ入力部101aは、例えば、各ポンプの稼働パターン毎に、ポンプにおける水流量と、消費電力との関係をモデル化し、係るモデル(消費電力モデル)に関する情報を配水計画作成装置103に提供してもよい。
上記ポンプの稼働パターンは、例えば、あるタイミング(あるいは時間区間)において稼働するポンプの組み合わせを表す。例えば、ある施設に2台のポンプ(仮にP1、P2と称する)が配置されている場合を想定する。この場合のポンプの稼働パターンを”l”とすると、”l”は”{P1}”(P1のみ稼働)、”{P2}”(P2のみ稼働)、”{P1、P2}”(P1、P2が稼働)の3つのパターンを含み、それぞれのパターンは、”l=1,2,3”と表現される。係るポンプの稼働パターンは、ある管路が接続されている(当該管路に水を流す)ポンプが、P1、P2、あるいは、P1及びP2のいずれであるかを表す。また、例えば、流量範囲に”0”が含むポンプをP1とすると、稼働パターンが”l=1”かつ、ポンプP1からの排出量が”0”である状態を、稼働するポンプが無い状態とする。なお、稼働パターンが”l=1”でポンプP1からの流量が”0”になったとしても、管路に接続されているポンプはP1のままであることから、スイッチングコストは発生しないものとして扱う。
上記消費電力モデルは、例えば、各ポンプの稼働パターン毎に、ポンプにおける水流量と、消費電力との関係を表す消費電力曲線をシミュレータ等を用いてモデリングし、当該小電力曲線を区分線形近似することにより作成されてもよい。この場合、ネットワークトポロジ入力部101aは、係る区分線形近似直線の係数値を、配水計画作成装置103に提供してもよい。
以下、係る消費電力モデルの作成について概要を説明する。なお、以下においては、説明の便宜上、ネットワークトポロジ入力部101aが消費電力モデルを作成する態様について説明するが、本実施形態はこれには限定されない。例えば、図2に例示するように、配水網情報入力装置101と通信可能に接続されたモデル作成装置105が消費電力モデルを作成し、ネットワークトポロジ入力部101aが、係る消費電力モデルを参照してもよい。また、例えば、後述する配水計画作成装置103が、配水網情報入力装置101から提供されるポンプの特性情報等に基づいて、消費電力モデルを作成してもよい。
ネットワークトポロジ入力部101aは、まず、需要点に対して所望の水圧をかけるために必要なポンプの圧力を決定する。次に、ネットワークトポロジ入力部101aは、決定された圧力で、ある水流量を配水するのに必要な消費電力を、ポンプの組み合わせを変えながらシミュレーションにより算出する。このとき、シミュレーションに使われる各ポンプのモデル方程式の例として、例えば以下の式(1)が用いられてもよい。
式(1)における”A”、”ηQ”は、ポンプの規格値等から得られる。上記の各ポンプのモデル方程式を使って、シミュレーションにより水流量に対して電力効率のよいポンプの組み合わせを得ることができる。係るシミュレーションの結果は、例えば、図3の消費電力曲線として得られる。図3は、ポンプの稼働パターン(パターン1、パターン2、及び、パターン3)毎の、水流量(各稼働パターンによるポンプからの出力水量)と消費電力との関係を表す図である。係る消費電力曲線を、区分線形近似することにより、消費電力モデルが得られる(図3の区分線形近似)。
需要予測部101bは、各需要点のあるタイミング(例えば時刻や時間区間)における需要量の予測値を、配水計画作成装置103に提供する。需要量の予測値は、例えば、配水運用システム100のユーザ等により与えられてもよく、過去の需要実績等に基づいて需要予測部101bにより適宜作成されてもよい。
浄水量決定部101cは、浄水場が作成する浄水量(例えば、1日当たりの造水量)を配水計画作成装置103に提供する。係る浄水量は、例えば、各浄水場の能力や運転状況等に基づいて求められてもよく、配水運用システム100のユーザ等により与えられてもよい。
パラメータ情報入力装置102は、配水計画作成装置103(特には最適化問題設定部103a)における最適化問題の設定(後述)に用いられる各種パラメータを、配水計画作成装置103に提供する。パラメータ情報入力装置102は、重みパラメータ設定部102aと、近似パラメータ設定部102bと、収束判定パラメータ設定部102cとを含む。
重みパラメータ設定部102aは、最適化問題に含まれる目的関数における消費電力とスイッチングコストの重要度を決定するパラメータ(重みパラメータ)を配水計画作成装置103に提供する。近似パラメータ設定部102bは、設定された最適化問題を近似する際の近似精度を制御するパラメータ(近似パラメータ)を配水計画作成装置103に提供する。収束判定パラメータ設定部102cは、最適化問題の最適化処理における終了条件に関するパラメータ(収束判定パラメータ)を配水計画作成装置103に提供する。上記各パラメータの具体例については、後述する。
配水計画作成装置103は、ポンプの稼働パターンの切り替えと、ポンプの消費電力とを少なくとも含む配水網の運用コストを低減可能な最適化問題を設定し、当該最適化問題の解を求める。配水計画作成装置103は、求めた解を用いて配水計画を作成する。配水計画作成装置103は、最適化問題設定部103aと、最適化処理部103bとを含む。最適化問題設定部103aは、ポンプの稼働パターンの切り替えと、ポンプの消費電力とをともに低減可能な最適化問題を設定する。具体的には、最適化問題設定部103aは係る最適化問題の目的関数と、制約条件とを設定する。最適化処理部103bは、最適化問題設定部103aが設定した最適化問題の解を求める。最適化処理部103bは、係る最適化問題を適切な方法を用いて近似し、数理最適化処理を実行することでその解を求める。
まず、最適化問題設定部103aが設定する最適化問題について説明する。
以下の説明においては、図4に例示するように、1以上の浄水場と、1以上の給水所、1以上の分岐点、及び、1以上の需要点を含む配水網を想定する。浄水場は、例えば、取水施設から取水した水から浄水を造水する施設である。浄水場には貯水施設(タンクや貯水池等)と、ポンプとが設置されている。給水所は、例えば、浄水場等から送られた水を、特定の区域に配水する施設である。給水所には貯水施設(タンクや貯水池等)と、ポンプとが設置されている。需要点は、配水された水を使用する需要家(例えば、オフィス、家庭、工場、店舗)の施設である。分岐点は、配管を分岐する施設である。上記配水網の各構成要素(施設)は、管路(配管)により接続されている。なお、図4は説明のための一つの具体例を示す図であり、本実施形態は図4に例示する構成には限定されない。
本実施形態においては、配水網は有向グラフを用いて表現される。配水網における各施設は、有向グラフにおけるノードに相当し、配管は有向グラフにおけるエッジ(リンク)に相当する。なお、ある施設Xから他の施設Yとの間の配管が、どちらの方向にも水を流せる場合、係る配管はそれぞれの方向毎に別々の片方向リンクとして表される。
配水網を構成する施設(”n”箇所と想定する)のノードの集合をV(V={1、2、・・・、n})とする。浄水場のノードの集合を”F”、給水所のノードの集合を”S”、分岐点のノードの集合を”B”、需要点のノードの集合を”D”と表すと、下式(2)が成立する。
また、浄水場と、給水所とがあわせて”K”箇所存在すると想定すると、これらのノードの集合は以下のように表される。
各管路には、管路を識別可能な識別情報が付与される。具体的には、各管路には、例えば、”1”から”m”まで、管路を識別可能な番号が付与されてもよい。時間区間”t”(”t=1、・・・、T”)において、番号”i”の管路に流れる水流量”q
i(t)”は、下式(4)のように表される。
需要点のノードの集合Dに含まれる需要点”d
i(i∈D)”における、時間区間”t”での需要量”d
i(t)”は、下式(5)のように表される。
次に、ポンプの稼働パターンの定式化について説明する。上記したように、ポンプの稼働パターンは、例えば、あるタイミング(あるいは時間区間)において稼働するポンプを表す。ある施設(浄水場Fあるいは給水所S)におけるポンプの稼働パターン”l”として”L
k”個のパターンがある場合、時間区間”t”におけるポンプの稼働パターンの稼働状態は、下式(6)として定式化される。
本実施形態における最適化問題設定部103aは、ポンプの各稼働パターンの稼働状態を表す変数として上記式(6)により表される”P
k,l(t)”を導入する。より具体的には、最適化問題設定部103aは、上記式(6)により表される離散変数(例えば、”0”又は”1”を表すバイナリ変数)を用いて、ポンプの各稼働パターンの稼働状態を表す。例えば、”P
k,l(t)=1”の場合、施設”k”(”k∈K∪S)”におけるポンプの稼働パターンが”l”(即ち、ポンプの稼働状態が稼働パターン”l”である)ことを表す。この場合、稼働パターン”l”に従ってポンプが稼働することから、他の稼働パターンについては、”P
k,l’(t)=0、(l≠l’)”となる。以下の式(7)を制約条件(後述)に設定することで、ある時間区間”t”において、施設”k”(”k∈K∪S”)におけるポンプの稼働パターンは1通りに定まる。
図5に例示する具体例を用いて説明する。図5は、ある施設におけるポンプの稼働パターン”l”(”l=1”、”l=2”、”l=3”の3パターン)の、時間区間毎(”t”、”t+1”、”t+2”)の変更(切り替え)を示す具体例である。図5に示す具体例では、時間区間”t”におけるポンプの稼働パターン”l(=2)”は、”Pk,1(t)=0”、”Pk,3(t)=0”、”Pk,2(t)=1”である。同様に、時間区間”t+1”におけるポンプの稼働パターン”l(=2)”は、”Pk,1(t+1)=0”、”Pk,3(t+1)=0”、”Pk,2(t+1)=1”となる。そして、時間区間”t+2”におけるポンプの稼働パターン”l(=3)”は、”Pk,1(t+2)=0”、”Pk,2(t+2)=0”、”Pk,3(t+2)=1”である。
本実施形態における配水計画作成装置103(特には、最適化問題設定部103a)は、上記のように定式化したポンプの稼働パターンを、最適化問題における目的関数に組み込む。係る最適化問題の解を求めることにより、配水計画作成装置103は、ポンプの稼働パターンの変更を低減するポンプの運転計画を作成可能である。
最適化問題設定部103aは、時間区間”t”におけるポンプの稼働パターンが”l”である、浄水場あるいは給水所(施設”k”(”k∈K∪S)”)からの出力水量を、下式(8)により表す。
上記したように、ある時間区間”t”において、施設”k”(”k∈K∪S”)におけるポンプの稼働パターンは1通りに定り、ポンプの出水可能領域の制約(後述)を考慮すると、ある稼働パターン”l’(l’≠l)”について、下式(9)が成立する。即ち、施設”k”において稼働パターン”l’”によりポンプが稼働している場合には、他のパターン”l”による出力は発生しない。
最適化問題設定部103aは、上記各式を用いて、配水網におけるコストをモデル化する。即ち、最適化問題設定部103aは、ポンプのスイッチングコストを表すモデルと、ポンプの消費電力コストを表すモデルと、配水網費用コストを表すモデルと、を用いて、配水網におけるコストをモデル化する。より具体的には、最適化問題設定部103aは、上記3つモデルについて、それぞれコストを表す関数を定式化する。
最適化問題設定部103aは、例えば、各施設におけるポンプの稼働パターンの稼働状態を表すモデルを用いて、ポンプのスイッチングコストを表す。より具体的には、最適化問題設定部103aは、ポンプのスイッチングコストを、ポンプの稼働パターンの稼働状態を表す変数(この場合はバイナリ変数)を用いて、下式(10)のように定式化する。なお、以下において、下式(10)を、第1のコストモデルあるいは第1のコスト関数と記載する場合がある。
上式(10)において、”||x||0”は、”x”の”L0”(エルゼロ)ノルムを表す。具体的には、”||x||0”は、”xi≠0”を満たす”xi”の個数を表す。”L0”ノルムは、ある時間区間(タイミング)と他の時間区間(タイミング)との間で、ポンプの稼働パターンが変更されたか否かを表す。式(10)は、時間区間が”t”から”t+1”になった際に、変更が生じたポンプの稼働パターンの数を、全時間区間及び全稼働パターンについて集計することを表す。例えば、施設”k”において、時間区間が”t”から”t+1”になった際、ポンプの稼働パターンに変更がなければ、式(10)における、”L0”ノルムは”0”となる。例えば、施設”k”において、時間区間が”t”から”t+1”になった際、ポンプの稼働パターンに変更があれば、式(10)における、”L0”ノルムは非”0”となる。換言すると、最適化問題設定部103aは、時間区間毎の稼働パターンの差分(変更)を、”L0”ノルムを用いて計測し、その値をポンプのスイッチングコストとして採用する。上記のように表されたポンプのスイッチングコストを低減可能であれば、ポンプの稼働パターンの変更回数が低減される。
また、最適化問題設定部103aは、例えば、ポンプの消費電力コストを、上記説明した消費電力モデル(消費電力曲線を区分線形近似したモデル)を用いて表す。より具体的には、最適化問題設定部103aは、ポンプの消費電力コストを以下のように定式化する。なお、以下において、下式(11)を第2のコストモデルあるいは第2のコスト関数と記載する場合がある。
上式(11)における”αk2,l”、”βk2,l”は、それぞれ、ポンプの稼働パターン毎の水流量と消費電力との関係を表した区分線形モデルの係数である。これらの係数は、上記したように、配水網情報入力装置101から提供されてもよい。
また、最適化問題設定部103aは、例えば、配水網費用コストを以下のように定式化する。なお、以下において、下式(12)を第3のコストモデルあるいは第3のコスト関数と記載する場合がある。
上式(12)は、ある施設k3から出ている全管路について、当該管路に流れる水流量を全時間区間について集計することを表す。配水網費用コストは、需要点に至るまでの水の配水経路が遠回りになることを防ぐために導入される。配水網費用コストを低減することにより、需要点に至るまでの水の配水経路が比較的短くなる。
最適化問題設定部103aは、上記定式化した各コスト関数を用いて、最適化問題における目的関数を下式のように定式化する。下記式(13)は、上記定式化した各コストを含む、総コストを表すと考えることができる。
上記目的関数におけるパラメータ”A”、”B”は、パラメータ情報入力装置102(特には、重みパラメータ設定部102a)により与えられるパラメータである。
次に、最適化問題設定部103aは、最適化問題における制約条件を設定する。以下、係る制約条件について説明する。
まず、最適化問題設定部103aは、需要点におけるフロー保存則を制約条件に設定する。需要点におけるフロー保存則は、下式により表される。
上記需要点のフロー保存則は、ある需要点において、入水する水流量の総和と、出水あるいは使用される水流量の総和とが一致することを表す。より具体的には、当該需要点から出水した水流量と需要点における需要量(使用量)との和が、ある需要点に入水した水流量に相当することを表す。
また、最適化問題設定部103aは、分岐点におけるフロー保存則を制約条件に設定する。分岐点におけるフロー保存則は、下式により表される。
上記分岐点のフロー保存則は、ある分岐点において、入水する水流量の総和と、出水する水流量の総和とが一致することを表す。
また、最適化問題設定部103aは、ポンプの出水可能領域を制約条件に設定する。ポンプの出水可能領域は、下式により表される。
上式(16)において、”Qk,l L”は、施設”k”におけるポンプの稼働パターンが”l”の場合の、ポンプ取水量の下限を表す。また、”Qk,l U”は、施設”k”におけるポンプの稼働パターンが”l”の場合の、ポンプ取水量の上限を表す。”Qk,l L”及び、”Qk,l U”は、配水網情報入力装置101(ネットワークトポロジ入力部101a)から提供されてもよい。あるいは、最適化問題設定部103aが、配水網情報入力装置101から提供されたポンプの特性と、各施設におけるポンプの稼働パターンとから、”Qk,l L”及び、”Qk,l U”を算出してもよい。
また、最適化問題設定部103aは、ポンプに関する以下の制約を、制約条件に設定する。
式(17)、式(18)は、ある時間区間”t”において、ある施設”k”におけるポンプの稼働パターンが一通りに定まることを表す制約条件である。即ち、時間区間”t”と、施設”k”とを固定した場合、ポンプの稼働パターンが1通り(例えば、”P
k、1(t)=1”)に定まることから、この制約は、式(9)の成立を担保する制約とも考えられる。
式(19)は、ある施設”k”におけるポンプからの出力水量が、当該施設から出水する管路の水流量と一致することを表す制約である。
また、最適化問題設定部103aは、各管路の流量制約を、制約条件に設定する。各管路の流量制約は、下式により表される。
式(17)により表される各管路の流量制約は、各管路に流せる水流量の上限値と下限値とを表す。各管路に流れる水流には時間帯に応じて方向制限がある場合があることから、上式で表される流量制限の上下限値(”Li(t)”、”Ui(t)”は時間”t”に依存した形式で表される。
また、最適化問題設定部103aは、各施設から出力される総水流量の変化制約(即ち、ある施設に設置されたポンプから出力される水流量の変化制約)を、制約条件に設定する。係る流量変化制約は、下式により表される。
また、最適化問題設定部103aは、浄水場からの出水制約を、制約条件に設定する。浄水場からの出水制約は、下式により表される。
式(22)の”Gk”は、浄水場”k”において、ある期間(例えば1日)に造水する浄水量を表す。係る”Gk”は、例えば、浄水場における1日単位の最適な浄水量等に基づいて、配水網情報入力装置101により設定される。式(22)により表される浄水場からの出水制約は、浄水場における浄水量と、浄水場に流入する水流量との和が、浄水場から流出する水流量に一致することを表す。
また、最適化問題設定部103aは、浄水場と給水所におけるタンクの貯水制約を、制約条件に設定する。タンクの貯水制約は、下式により表される。
ある時間区間”t”におけるタンクの貯水量”Vok(t)”は、タンクの初期貯水量(”Vok(0)”)と、各時間区間tまでに、タンクに流入した水流量と、タンクから流出した水流量との差分の合計とにより表される。例えば1日を15分間隔で96分割した場合、ある時間区間”t”におけるにおける貯水量”Vok(t)”は、概念的には図6のようにあらわされる。式(23)により表されるタンクの貯水制約は、各時間区間”t”において、施設”k”のタンクの貯水量が、特定の下限値(”Vok L”)と上限値(”Vok U”)との間に収まることを表す。
以下、説明の便宜上、最適化問題設定部103aが上記のように設定した目的関数及び各制約条件(式(14)乃至式(23))を含む最適化問題を、「原問題」と記載する場合がある。また、各制約条件(式(14)乃至式(23))を「原制約」あるいは「原制約条件」と記載する場合がある。最適化問題設定部103aが上記のように設定した原問題は、混合整数計画問題である。
最適化処理部103bは、上記のように設定された原問題を連続緩和し、目的関数(式(13))にペナルティ関数を追加する。ペナルティ関数が追加された目的関数は以下のように表される。下式(24)におけるペナルティ関数の係数”M”は、近似パラメータ設定部102bにより設定される。
また、制約条件は、上記原制約条件を以下のように緩和した制約条件となる。以下、緩和された全制約条件を、「緩和制約条件」と記載する場合がある。
更に、最適化処理部103bは、離散的な値を取るポンプのスイッチングコスト(式(10)、式(13)の1項目)の”L
0”ノルム(離散変数)を、下式のような連続関数により近似する。下式(26)における係数”α”は、近似パラメータ設定部102bにより設定される。
上記近似を式(10)に適用すると、下式が得られる。
以上をまとめて、最適化処理部103bは、下式により表される、原問題を連続緩和して近似した最適化問題(以下「近似された最適化問題」と記載する場合がある)について数理最適化処理を実行する。
上式(28)により表される目的関数の前半部分(下式(29))は、凸関数である。
上式(28)により表される目的関数の後半部分(下式(30))もまた、凸関数である。
以上より、上式(25)により表される近似された最適化問題は、2つの凸関数の差分を最小化する問題である、DC計画(Difference of Convex Functions Programming)問題の形式で表現される。
最適化処理部103bは、上記近似された最適化問題を、例えば、下記参考文献1に記されているDCA(Difference of Convex functions Algorithm)を用いて解いてもよい。この場合、上記近似された最適化問題の解法は、最終的に線形計画問題を繰り返し解くことに帰着される。即ち、上記近似された最適化問題は、一回あたりの最適化が高速に行える逐次最適化に帰着される。これより、最適化処理部103bは、配水網の規模が大きい場合であっても、短い時間間隔毎の最適解を導出することが可能である。
最適化処理部103bは、上記線形計画問題を解く処理において、あるイテレーションにおいて得られた解と、次のイテレーションにおいて得られた解の差分が閾値よりも低い場合に、繰り返し処理を終了してもよい。なお、係る解の差分は、例えば、2つの解の間のユークリッド距離を用いて表されてもよい。上記繰り返し処理の終了条件(例えば、2つの解の差分の閾値)は、収束判定パラメータ設定部102cにより設定される。最適化処理部103bは、DC計画問題の解法として、下記参考文献以外の解法を採用してもよい。DC計画問題の具体的な解法は周知技術を採用可能であることから、詳細な説明を省略する。
[参考文献1]
Pham Dinh, T. and Le Thi, H. A. ”Recent advances in DC programming and DCA.”,Transactions on Computational Collective Intelligence, 2014, 8342, p.p.1−37.
上記した処理により、最適化処理部103bは、近似された最適問題の解として、以下の内容を含む解を得ることができる。即ち、最適化問題の解には、時間区間毎(例えば15分毎)の、各施設におけるポンプの稼働パターンと、その稼働パターンにおけるポンプ出力(出力水量)とが含まれる。また、最適化問題の解には各時間区間の各管路における水流量が含まれる。
出力装置104は、配水計画作成装置103において得られた最適解から、以下の内容を出力する。即ち、出力装置104は、各管路における各時間区間の配水計画(各時間区間の流量計画)を出力する。また、出力装置104は、各施設におけるポンプの運転計画(時間区間毎のポンプの稼働パターン及び出力水量)を出力する。出力装置104は、これらを、ディスプレイ装置(不図示)等の表示画面に表示してもよく、適切な形式の電子データとして、配水網の運転施設に送信してもよい。
出力装置104から出力された配水計画、及び、ポンプの運転計画に基づいて、各施設のオペレータは、例えば、バルブの開閉量の調整、ポンプの運転制御等、各施設に設置された設備を適宜操作してもよい。また、各施設が遠隔操作可能な場合には、上記各計画に基づいて、各施設に設置された設備が遠隔操作されてもよい。これにより、配水計画作成装置103により求められた配水計画と、ポンプ運用計画とに基づいて、配水網が適切に運用される。
なお、本実施形態において、上記説明した配水運用システム100を構成する構成要素は、それぞれ独立した1以上の物理的あるいは仮想的な装置を用いて実現されてもよい。また、配水運用システム100を構成するこれらの構成要素のうち、1以上の構成要素が一つの共通する物理的あるいは仮想的な装置を用いて実現されてもよい。例えば、配水網情報入力装置101と、パラメータ情報入力装置102とは、まとめて一つの物理的あるいは仮想的な情報入力装置として実現されてもよい。
<動作>
次に、上記のように構成された本実施形態における配水運用システム100の動作について、図7に例示するフローチャートを参照して説明する。
まず、配水網情報入力装置101が、配水網に関する情報を、配水計画作成装置103に提供する(ステップS701)。配水網に関する情報は、上記したように、例えば、当該配水網の構成を表す情報を含む。配水網の構成を表す情報は、例えば、配水管、給水所、浄水場、分岐点、需要点等の施設及び当該施設に設置された設備(ポンプ、バルブ等)の特性を表す情報を含む。また、配水網の構成を表す情報は、配水網を構成する施設の間の接続関係を表す情報を含む。また、配水計画の作成に用いられる情報は、例えば、需要点における需要予測、又は、浄水場における浄水量などの情報を含む。
次に、パラメータ情報入力装置102が、最適化問題の設定に用いられる各種パラメータを、配水計画作成装置103に提供する(ステップS702)。
配水計画作成装置103(特には、最適化問題設定部103a)は、配水網情報入力装置101、及び、パラメータ情報入力装置102からの入力に基づいて、消費電力とスイッチングコストと低減する最適化問題を設定する(ステップS703)。
次に、最適化問題設定部103aは、ステップS703において設定した最適化問題を連続緩和して近似した最適化問題を設定する(S704)。具体的には、最適化問題設定部103aは、例えば、ステップS703において設定した最適化問題を、Difference of Convex functions Programming(DC計画問題)の形式で近似する。
配水計画作成装置103(特には最適化処理部103b)は、ステップS704において近似された最適化問題を最適化する(S705)。具体的には、最適化処理部103bは、上記参考文献1に開示されたDCAを用いて、係る最適問題の解を求めてもよい。最適化処理部103bは、ステップS702において提供された終了条件を満たすまで、線形計画問題を繰り返し解くことで、最適解を求めることができる。
出力装置104は、ステップS705において得られた最適解を出力する(S706)。
上記のように構成された、本実施形態における配水運用システム100は、ポンプの消費電力と、ポンプの稼働パターンの切り替え回数とを、ともに低減可能なポンプの運転計画を導出可能である。また、本実施形態における配水運用システム100は、併せて、ポンプの消費電力と、ポンプの稼働パターンの切り替え回数と低減可能な管路の配水計画(流量計画)を導出可能である。なぜならば、配水運用システム100は、ポンプの消費電力コストと、ポンプの稼働パターンの切り替えに関するスイッチングコストとを最小化対象として含む最適化問題(数理最適化問題)を設定し、係る最適化問題の解を、数理最適化手法を用いて求めるからである。即ち、配水運用システム100は、ポンプの消費電力コストと、ポンプの稼働パターンの変更コストとを含む数理最適化問題を設定することにより、数理最適化手法を用いて、それらを最適化(最小化)する解を求められるからである。
具体的には、配水運用システム100は、ポンプの各稼働パターンの稼働状態を表すモデル(変数)を導入することにより、係る稼働パターンの切り替えに関するスイッチングコストを定式化する。配水運用システム100は、係るスイッチングコストと、ポンプの消費電力とを目的関数として含む混合整数計画問題として配水最適化問題を定式化する。そして、配水運用システム100は、特定の近似処理を行うことで当該最適化問題に関する最適化処理を実行する。
最適化処理の結果得られる解は、ポンプのスイッチングコストを最小化するように最適化されている。即ち、最小化される目的関数にスイッチングコストが含まれていことから、最適化処理の結果得られた最適解においては、ポンプの稼働パターンの切り替え回数が小さくなっている。これより、配水運用システム100は、ポンプの稼働パターンの切り替え回数を低減可能な、ポンプの運転計画を作成可能である。係るポンプの運用計画に基づいてポンプを運転した場合、ポンプ稼働パターンを短い時間で頻繁に切り替えずともよいことから、オペレーションコスト(人的コスト)が低減される。また、ポンプの稼働及び停止に伴いポンプに対して生じる負荷を軽減することが可能である。
また、上記したように、配水運用システム100(特には配水計画作成装置103)が設定する最適化問題は、一回あたりの最適化処理を高速に実行可能な線形計画問題の繰り返し最適化に帰着される。これより、配水網の規模が大きくても、高速に最適解を導出可能であることから、大規模配水網に対して短時間毎の配水計画及びポンプ運転計画を導出することが可能である。
以上より、本実施形態における配水運用システム100によれば、ポンプの消費電力と、ポンプの稼働パターンの変更とをともに低減可能なポンプ運転計画を作成することができる。
<具体例>
以下、本実施形態における配水運用システム100を、図8に例示する具体的な配水網に適用した場合の具体例について説明する。なお、図8に例示する具体例は、説明のための一つの例であり、本実施形態はこれに限定されない。
まず、図8に例示する各施設について、例えば、以下のように識別番号を付与する。即ち、”{浄水場F1、浄水場F2、給水所S1、分岐点B1、需要点D1、需要点D2}={1,2,3,4,5,6}”とする。この場合、各施設の集合は”V={1,2,3,4,5,6}”と表される。また、各施設を接続する配管には図8に例示するように、各配管を識別可能な番号が付与される。この場合、配管の集合は”E={1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12}”と表される。配水網情報入力装置101(ネットワークトポロジ入力部101a)が、例えば、上記各施設及び配管の接続状況を表すデータを、配水計画作成装置103に提供する。
図8に示す具体例においては、需要点D1、需要点D2における需要量の時間変化を表すデータとして、図9に例示するデータが与えられることを想定する。図10は、図9をグラフ化した図である。なお、上記需要量の時間変化は、例えば、各種条件(気象条件、季節変動条件、曜日、時間帯)及び過去の実績値等に基づいて導出された予測値であってもよい。上記需要量の時間変化は、配水網情報入力装置101(需要予測部101b)により、配水計画作成装置103に設定される。図9及び図10に示す具体例において、時間間隔は例えば15分である。需要量の時間変化を表すデータは、例えば、1日分(15分間隔で96区間)のデータを含んでもよい。なお、上記時間間隔の値には、例えば、15分以外の適切な値が設定されてもよい。需要量の時間変化を表すデータは、例えば、1日分以外の適切な期間のデータが含まれてもよい。
図8に示す具体例における、浄水場F1、浄水場F2、及び、給水所S1に配置されたポンプの稼働パターンの一例を図11に例示する。図11に例示するように浄水場F1と、浄水場F2とには2台のポンプ(ポンプA、ポンプB)が設置され、給水所には1台のポンプ(ポンプC)が設置されることを想定する。例えば、ポンプAとポンプCが小型のポンプ、ポンプBが(ポンプA、ポンプCよりも)大型のポンプであってもよい。図11に示す具体例においては、浄水場F1における「パターン1」は、ポンプAのみが稼働するパターンを表し、「稼働パターン2」はポンプBのみが稼働するパターンを表す。浄水場F2についても同様である。給水所S1における「パターン1」は、ポンプCのみが稼働するパターンを表す。なお、図11に示す具体例は一つの例にすぎず、各施設に設置されるポンプの台数、及びその稼働パターン(稼働するポンプの組み合わせ)は適宜設定されてよい。
配水網情報入力装置101(ネットワークトポロジ入力部101a)が、例えば、各施設における設備を表す情報の一部として、図11に例示するような各施設のポンプの構成と、その稼働パターンとを含むデータを、配水計画作成装置103に提供する。
また、本具体例においては、各ポンプの稼働パターン毎の水流量と、消費電力との関係を表す消費電力モデルが、図12、及び、図13に例示するような区分線形近似された直線として与えられることを想定する。図12は、浄水場F1及び浄水場F2における、各ポンプの稼働パターン毎の消費電力モデルを表す。図13は、給水所S1における、各ポンプの稼働パターン毎の消費電力モデルを表す。配水網情報入力装置101(ネットワークトポロジ入力部101a)は、消費電力モデルを表すデータ(例えば図14)を、配水計画作成装置103に提供してもよい。なお、ネットワークトポロジ入力部101aは、消費電力モデルを表す係数(例えば、区分線形直線の傾きと切片)を、配水計画作成装置103に提供してもよい。なお、ネットワークトポロジ入力部101aは、例えば、施設毎に、各ポンプの特性(ポンプの諸元等)と、ポンプの稼働パターンとに基づいてシミュレーションを実行することにより、消費電力モデルを作成してもよい。
また、図8に例示する具体例においては、浄水場F1の1日当たりの浄水量が、図15に示すデータとして与えられることを想定する。本具体例においては、配水網情報入力装置101(浄水量決定部101c)が、例えば、図15に例示するような浄水場毎の浄水量を、配水計画作成装置103に提供する。なお、浄水量決定部101cは、例えば、需要予測等に基づいて係る浄水量のデータを作成してもよい。
図8に例示する具体例に関して、配水計画作成装置103は、例えば、ポンプのスイッチングコストを以下のように定式化する。
また、配水計画作成装置103は、例えば、ポンプの消費電力コストを以下のように定式化する。
また、配水計画作成装置103は、例えば、配水網費用コストを以下のように定式化する。
上式において、”qi(t)”は、管路番号”i”番に流れる水の水流量を表す。
なお、本具体例においては、上記原制約条件に関して、それぞれ以下のような値が設定される。まず、ポンプの出水可能領域の制約条件(式(16))に関して以下の値が設定される。
また、各管路の流量制約(式(20))に関して以下の値が設定される。本具体例においては、各管路(1乃至12)に対して共通の値が設定される。
また、流量変化の制約(式(21))に関して、以下の値が設定される。
また、タンクの貯水制約(式(23))に関して、以下の値が設定される。
上記各制約条件は、配水網情報入力装置101から提供されたデータに基づいて設定されてもよく、予め配水計画作成装置103に設定されていてもよい。
配水計画作成装置103は、上式(28)に相当する、近似された最適化問題の目的関数を、下式のように設定する。
上式における、”A”,”B”,”M”、”α”は、それぞれパラメータ情報入力装置102から、配水計画作成装置103に提供される。
配水計画作成装置103(最適化処理部103b)は、例えば、上記参考文献1に記載された方法を用いて、上記設定された最適化問題を解く。係る最適化問題の解から、図16に例示するように、時間区間毎(例えば15分毎)の各施設(浄水場F1、浄水場F2,及び給水所S1)におけるポンプの出力(出力水量)が得られる。なお、上記最適化問題の解には、時間区間毎の各施設のポンプの全ての稼働パターンによる出力が含まれるが、それぞれ施設において、特定の時間区間に稼働するポンプの稼働パターンは1つに定まる。よって、図16は、それぞれの時間区間で稼働しているポンプの稼働パターンによる出力水量を表す。図10と、図16とを対比すると、需要点D1、需要点D2における需要が減少するに従い、浄水場F2と、給水所S1からのポンプの出力水量が減少する。時間区間”1”乃至”4”においては、浄水場F1、F2における稼働パターン(「パターン1」)の流量上限である”8”([m3/(15min)]、以下単位省略)より大きい需要が発生している。この場合、給水所がタンクから水を放出することで、浄水場F1からの出水量は”8”以下(「パターン1」の上限以下)に収まっている。また、時間区間”6”及び”7”において、浄水場F1、F2における稼働パターン(「パターン1」)の流量上限を超える”9”の大きさの需要が発生している。しかしながら、この場合についても、給水所のタンクから水を放出することで、浄水場F1、F2の稼働パターンが「パターン1」のままに保たれる。このように需要量が浄水場F1、F2における稼働パターン(「パターン1」)の流量上限(”8”)より大きい時間区間が多いにも関わらず、結果として全時間区間においてポンプの切り替え回数は1回だけである。これは目的関数に消費電力だけでなく、スイッチングコストを明示的に含め、係る目的関数を最小化しているからである。
また、上記最適化問題の解から、図17乃至図19に例示するように、各施設(浄水場F1、浄水場F2,及び給水所S1)におけるポンプの稼働パターンが得られる。図10及び図16乃至図19から、時間区間”t=1”乃至”t=10”の間、浄水場F1、給水所S1におけるポンプの稼働パターンは「パターン1」のまま変化しない。よって、需要量が変化(本具体例においては減少)した場合でも、これらの施設においてはポンプの稼働パターンを変更する必要がない。浄水場F2についても、需要量が浄水場F1、F2における「パターン1」の流量上限である”8”を下回ったタイミング(時間区間”t=5”)で、一度だけポンプの運転パターンが変動する。しかしながら、時間区間”t=6”、”t=7”において需要点D2の需要が増大しても、ポンプの運転パターンは変動しない。即ち、本実施形態における配水計画作成装置103は、各施設におけるポンプ稼働パターンの変動を低減可能であると考えられる。また、図16より、需要点に直結していない浄水場F1については、ポンプの出力水量が、需要量の変動に連動せず、平滑である。即ち、浄水場F1については、ポンプの出力水量が平滑化されていることから、ポンプの消費電力を低減することが可能である。即ち、本実施形態における配水計画作成装置103は、各施設におけるポンプの消費電力を低減可能であると考えられる。
更に、上記最適化問題の解から、図20に例示するように、時間区間毎の各管路における水流量(流量計画)が得られる。図20に示された各グラフは、各施設から出水する管路の水流量の時間変化を表す。より具体的には、図20に例示された各グラフは、各管路の始点となる施設ごとに、その施設から出水する管路の水流量の時間変化を表す。即ち、図20の(A)のグラフは、浄水場F1から出水する管路の水流量の時間変化を表す。また、図20の(B)のグラフは、浄水場F2から出水する管路の水流量の時間変化を表す。また、図20の(C)のグラフは、給水所S1から出水する管路の水流量の時間変化を表す。また、図20の(D)のグラフは、分岐点B1から出水する管路の水流量の時間変化を表す。また、図20の(E)のグラフは、需要点D1から出水する管路の水流量の時間変化を表す。また、図20の(F)のグラフは、需要点D2から出水する管路の水流量の時間変化を表す。図20に示された各グラフの横軸は時間区間(1区間=15[min」)を表し、縦軸は各施設から出力される水流量(単位:[m3/(15min)])を表す。式(19)の制約条件から、各施設から流出する総水流量と、ポンプの出力水量とは、一致する。
本具体例においては、配水計画作成装置103は、例えば、上記図16乃至図19に例示するポンプ出力及び稼働パターンとなるようなポンプの運転計画を作成することができる。また、配水計画作成装置103は、例えば、図20に例示する各管路の最適な水流量に基づいて、各管路の流量計画を作成することができる。
各施設のオペレータは、係る配水計画、及び、ポンプの運転計画に基づいて、例えば、バルブの開閉量の調整、ポンプの運転制御等、各施設に設置された設備を適宜操作してもよい。これにより、配水計画作成装置103により求められた配水計画(流量計画)と、ポンプ運用計画とに基づいて、配水網が適切に運用される。
<第2の実施形態>
次に、本発明の基本的な実施形態である第2の実施形態について説明する。図21は、本実施形態における配水運用システム200の機能的な構成を例示するブロック図である。図21に例示するように、本実施形態における配水運用システム200は、情報入力部(情報入力手段)201と、配水計画作成部(配水計画作成手段)202とを備える。配水運用システム100を構成するこれらの構成要素の間は、適切な通信方法を用いて通信可能に接続されている。
本実施形態において、配水運用システム200を構成する構成要素は、それぞれ独立した1以上の物理的あるいは仮想的な装置を用いて実現されてもよい。また、配水運用システム200を構成するこれらの構成要素のうち、1以上の構成要素が一つの共通する物理的あるいは仮想的な装置を用いて実現されてもよい。
情報入力部201は、1以上の施設と、当該施設の間を接続する管路とを含む配水網における配水計画の作成に用いられる計画作成情報を提供する。
計画作成情報は、例えば、上記第1の実施形態にいて配水網情報入力装置101が、配水計画作成装置103に提供する計画作成情報と同様であってもよい。
また、計画作成情報は、例えば、後述する最適化問題の定式化、あるいはその解法において用いられる各種パラメータを含んでもよい。係るパラメータは、例えば、上記第1の実施形態においてパラメータ情報入力装置102が、配水計画作成装置103に提供するパラメータ(重みパラメータ、近似パラメータ、収束判定パラメータ)と同様であってもよい。
なお、情報入力部201は、例えば、上記第1の実施形態における配水網情報入力装置101及びパラメータ情報入力装置102と同様の構成を備えてもよい。また、情報入力部201は、例えば、上記第1の実施形態における配水網情報入力装置101及びパラメータ情報入力装置102と同様の機能を備えてもよい。
配水計画作成部202は、情報入力部201から提供された上記計画情報に基づいて、少なくとも、1以上の上記施設に設置されたポンプの消費電力コストと、当該施設における当該ポンプの稼働パターンの切り替え(変更)コストとを含む最適化問題の解を求める。そして、配水計画作成部202は、当該求めた解を用いて、上記ポンプの稼働パターンと、当該ポンプからの出力水量とを含むポンプ運転計画を作成する。
上記最適化問題は、例えば、上記第1の実施形態において説明した最適化問題と同様の数理最適化問題であってもよい。また、配水計画作成部202は、上記第1の実施形態と同様の解法を用いて、上記最適化問題を解いてもよい。
なお、配水計画作成部202は、例えば、上記第1の実施形態における配水計画作成装置103と同様の構成を備えてもよい。また、情報入力部201は、例えば、上記第1の実施形態における配水計画作成装置103と同様の機能を備えてもよい。
上記のように構成された本実施形態における配水運用システム200(配水計画作成部202)は、ポンプの消費電力コストと、ポンプの稼働パターンの変更コストとをともに低減する最適化問題を設定する。係る最適化問題を解くことにより、配水運用システム200は、消費電力コストだけではなく、ポンプの稼働パターンの変更コストが最適化(最小化)された、ポンプの運転計画を導出可能である。即ち、配水運用システム200は、ポンプの消費電力コストと、ポンプの稼働パターンの変更コストとを含む数理最適化問題を設定することにより、数理最適化手法を用いて、それらを最適化(最小化)する解を求めることができる。
以上より、本実施形態における配水運用システム200によれば、ポンプの消費電力と、ポンプの稼働パターンの変動とを低減可能なポンプ運転計画を作成することができる。
<ハードウェア及びソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム)の構成>
以下、上記説明した各実施形態を実現可能なハードウェア構成について説明する。
以下の説明においては、上記各実施形態において説明した配水運用システム(100、200)をまとめて、単に「配水運用システム」と称する。また、配水運用システムに含まれる各構成要素を、単に「配水運用システムの構成要素」と称する。
上記各実施形態において説明した配水運用システムは、一つ又は複数の専用のハードウェア装置により構成されてもよい。その場合、上記各図(図1、図2、図21)に示した各構成要素は、その一部又は全部を統合したハードウェア(処理ロジックを実装した集積回路あるいは記憶デバイス等)を用いて実現されてもよい。
配水運用システムが専用のハードウェアにより実現される場合、係る配水運用システムの構成要素は、例えば、それぞれの機能を提供可能な電気回路(circuitry)により実現されてもよい。係る電気回路は、単一のデバイスにより構成されてもよく、複数のデバイスにより構成されてもよい。また係る電気回路は、SoC(System on a Chip)等の集積回路を用いて実装されてもよい。また、係る電気回路は、1以上の集積回路を用いて実装されたチップセットであってもよい。この場合、配水運用システムの構成要素が保持するデータは、例えば、集積回路として統合されたRAM(Random Access Memory)領域やフラッシュメモリ領域、あるいは、当該集積回路に接続された記憶デバイス(半導体記憶装置等)に記憶されてもよい。係るデータには、例えば、配水網情報入力装置101が提供する配水網に関する情報、パラメータ情報入力装置102が提供するパラメータに関する情報、情報入力部201が提供する計画情報等が含まれる。
また、配水運用システムが専用のハードウェアにより実現される場合、配水運用システムの各構成要素を接続する通信回線は、周知の通信バスであってもよい。また、各構成要素を接続する通信回線はバス接続に限定されず、それぞれの構成要素がピアツーピアで接続されてもよい。配水運用システムを複数のハードウェア装置により構成する場合、それぞれのハードウェア装置の間は、適切な通信手段(有線、無線、またはそれらの組み合わせ)により通信可能に接続されていてもよい。
上述した配水運用システム又はその構成要素は、図22に例示するような汎用のハードウェアと、係るハードウェアによって実行される各種ソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム)とによって構成されてもよい。この場合、配水運用システムは、一以上の適切な数の、汎用のハードウェア装置及びソフトウェア・プログラムにより構成されてもよい。即ち、配水運用システムを構成する構成要素毎に、個別のハードウェア装置が割り当てられてもよく、複数の構成要素が、一つのハードウェア装置を用いて実現されてもよい。
図22における演算装置1は、汎用のCPU(中央処理装置:Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算処理装置である。演算装置1は、例えば後述する不揮発性記憶装置3に記憶された各種ソフトウェア・プログラムを記憶装置2に読み出し、係るソフトウェア・プログラムに従って処理を実行する。例えば、上記各実施形態における配水運用システムの構成要素は、演算装置1により実行されるソフトウェア・プログラムとして実現されてもよい。
記憶装置2は、演算装置1から参照可能な、RAM等のメモリ装置であり、ソフトウェア・プログラムや各種データ等を記憶する。なお、記憶装置2は、揮発性のメモリ装置であってもよい。
不揮発性記憶装置3は、例えば磁気ディスクドライブや、フラッシュメモリによる半導体記憶装置のような、不揮発性の記憶装置である。不揮発性記憶装置3は、各種ソフトウェア・プログラムやデータ等を記憶可能である。例えば、配水網情報入力装置101が提供する配水網に関する情報、パラメータ情報入力装置102が提供するパラメータに関する情報、情報入力装置101が提供する計画情報等は、不揮発性記憶装置3に記憶されてもよい。
ネットワークインタフェース6は、通信ネットワークに接続するインタフェース装置であり、例えば有線及び無線のLAN(Local Area Network)接続用インタフェース装置や、SAN接続用インタフェース装置等を採用してもよい。
ドライブ装置4は、例えば、後述する記録媒体5に対するデータの読み込みや書き込みを処理する装置である。
記録媒体5は、例えば光ディスク、光磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等、データを記録可能な記録媒体である。
入出力インタフェース7は、外部装置との間の入出力を制御する装置である。
上述した各実施形態を例に説明した本発明における配水運用システム(あるいはその構成要素)は、例えば、図22に例示するハードウェア装置に対して、上記各実施形態において説明した機能を実現可能なソフトウェア・プログラムを供給することにより、実現されてもよい。より具体的には、例えば、係る装置に対して供給したソフトウェア・プログラムを、演算装置1が実行することによって、本発明が実現されてもよい。この場合、係るハードウェア装置で稼働しているオペレーティングシステムや、データベース管理ソフト、ネットワークソフト、仮想環境基盤等のミドルウェアなどが各処理の一部を実行してもよい。
上述した各実施形態において、上記各図に示した各部は、上述したハードウェアにより実行されるソフトウェア・プログラムの機能(処理)単位である、ソフトウェアモジュールとして実現することができる。ただし、これらの図面に示した各ソフトウェアモジュールの区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。
図1、図2、図21に例示した配水運用システムの各構成要素をソフトウェアモジュールとして実現する場合、例えば、これらのソフトウェアモジュールが不揮発性記憶装置3に記憶される。そして、演算装置1がそれぞれの処理を実行する際に、これらのソフトウェアモジュールを記憶装置2に読み出す。
また、これらのソフトウェアモジュールは、共有メモリやプロセス間通信等の適宜の方法により、相互に各種データを伝達できるように構成されてもよい。このような構成により、これらのソフトウェアモジュールは、相互に通信可能に接続可能である。
更に、上記ソフトウェア・プログラムは、記録媒体5に記録されてもよい。この場合、上記ソフトウェア・プログラムは、上記配水運用システム等の出荷段階、あるいは運用段階等において、適宜ドライブ装置4を通じて不揮発性記憶装置3に格納されるよう構成されてもよい。
なお、上記の場合において、上記ハードウェアへの各種ソフトウェア・プログラムの供給方法は、出荷前の製造段階、あるいは出荷後のメンテナンス段階等において、適当な治具を利用して当該装置内にインストールする方法を採用してもよい。また、各種ソフトウェア・プログラムの供給方法は、インターネット等の通信回線を介して外部からダウンロードする方法等のように、現在では一般的な手順を採用してもよい。
そして、このような場合において、本発明は、係るソフトウェア・プログラムを構成するコード、あるいは係るコードが記録されたところの、コンピュータ読み取り可能な記録媒体によって構成されると捉えることができる。この場合、係る記録媒体は、ハードウェア装置と独立した媒体に限らず、LANやインターネットなどにより伝送されたソフトウェア・プログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記録媒体を含む。
また、上述した配水運用システムは、図22に例示するハードウェア装置を仮想化した仮想化環境(例えば、クラウドコンピューティング環境)と、当該仮想化環境において実行される各種ソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム)とによって構成されてもよい。この場合、図22に例示するハードウェア装置の構成要素は、当該仮想化環境における仮想デバイスとして提供される。なお、この場合も、図22に例示するハードウェア装置を物理的な装置として構成した場合と同様の構成にて、本発明を実現可能である。
以上、本発明を、上述した模範的な実施形態に適用した例として説明した。しかしながら、本発明の技術的範囲は、上述した各実施形態に記載した範囲には限定されない。当業者には、係る実施形態に対して多様な変更又は改良を加えることが可能であることは明らかである。そのような場合、係る変更又は改良を加えた新たな実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得る。更に、上述した各実施形態、あるいは、係る変更又は改良を加えた新たな実施形態を組み合わせた実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得る。そしてこのことは、請求の範囲に記載した事項から明らかである。
この出願は、2015年10月26日に出願された日本出願特願2015−209603を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。