以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示したブロック図である。この医用画像処理装置100は、被検体の胸部撮影により例えばX線CT装置等の医用画像診断装置110から送信された呼吸の少なくとも1周期における複数時相の3次元画像データを受信する通信インターフェース10を備えている。また、通信インターフェース10で受信した各時相の3次元画像データを取得する画像データ取得回路20を備えている。
また、医用画像処理装置100は、画像データ取得回路20で取得した各時相の3次元画像データから被検体の体軸方向における指定位置の断面を示す2次元画像データを生成する画像データ生成回路30を備えている。また、画像データ生成回路30で生成された各時相の2次元画像データを処理する画像データ処理回路40を備えている。また、画像データ処理回路40で処理された画像データの画素値の計測や面積の計測等を行う計測回路50を備えている。なお、画像データ処理回路40及び計測回路50を統合して画像データ処理部とも言う。
なお、医用画像処理装置100の内部又は外部に記憶部を設け、画像データ取得回路20が取得した3次元画像データを内部又は外部の記憶部に保存し、記憶部に保存した3次元画像データを画像データ生成回路30に読み出させて2次元画像データを生成するようにしてもよい。すなわち、記憶部は、医用画像診断装置110から得られた被検体に関する複数時相の画像データを記憶する。
また、医用画像処理装置100は、計測回路50で計測された計測値に基づいて呼吸周期における複数時相の中から吸気や呼気における所定の時相を選び出す選出回路60を備えている。なお、選出回路60のことを関連付け部とも言う。また、画像データ取得回路20で取得した3次元画像データ、画像データ生成回路30で生成された2次元画像データ、画像データ処理回路40で処理された画像データ等を表示するディスプレイ70を備えている。
また、医用画像処理装置100は、画像データ生成回路30での2次元画像データの生成、画像データ処理回路40での2次元画像データの処理、計測回路50での計測を実行させる入力等を行う入力インターフェース80を備えている。また、通信インターフェース10、画像データ取得回路20、画像データ生成回路30、画像データ処理回路40、計測回路50、選出回路60、ディスプレイ70及び、入力インターフェース80を統括して制御する制御回路90を備えている。
以下、図1乃至図4を参照して、医用画像処理装置100の動作の一例について説明する。
図2は、医用画像処理装置100の動作を示したフローチャートである。
通信インターフェース10が被検体の肺及び気管支を含む胸部撮影により医用画像診断装置110から送信された呼吸周期における複数時相の3次元画像データを受信すると、医用画像処理装置100は動作を開始する(ステップS1)。
画像データ取得回路20は通信インターフェース10の受信により、医用画像診断装置110から得られた呼吸周期における複数時相として、図3に示すように、呼吸の1周期をM分割(Mは正の整数)した第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの例えばボリュームデータである3次元画像データを取得する(ステップS2)。
画像データ処理回路40は、被検体の気管支の観察を行うための入力インターフェース80からのいずれかの時相を指定する入力に応じて、その時相の3次元画像データを読み出して予め設定された範囲内の画素値に基づいて気管支領域の画素を抽出する。次いで、例えばボリュームレンダリング法により被検体の気管支を示す3次元画像データを生成してディスプレイ70に表示する。
ディスプレイ70に表示された3次元画像データに対して入力インターフェース80から気管支の気道方向における所望の位置を指定する入力が行われると、画像データ生成回路30は、図3に示すように、画像データ取得回路20で取得した各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの3次元画像データの、矢印で示す体軸方向の指定入力に対応する例えば中央位置の断面を示す2次元画像データを生成する(ステップS3)。
なお、医用画像診断装置110から呼吸周期における各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの複数の2次元画像データが得られる場合、画像データ生成回路30は各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの複数の2次元画像データの再構成により、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの3次元画像データを生成する。また、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの複数の2次元画像データの中から、体軸方向の指定入力に対応する位置の2次元画像データを選び出す。
画像データ処理回路40は、画像データ生成回路30で生成された各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データの中から予め設定された基準時相である例えば第1時相Ph1の2次元画像データに基づいて、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データを処理する。そして、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データと第1時相Ph1の2次元画像データとの差分処理により、図3に示すように、第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの差分画像データを生成する(ステップS4)。
なお、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データに肺野領域及び気管支領域以外が含まれている場合、その以外の領域も含む全体を差分処理する。
ここでは、第1時相Ph1の2次元画像データから第1時相Ph1の2次元画像データを差分して第1時相Ph1の差分画像データを生成する。また、第2時相Ph2の2次元画像データから第1時相Ph1の2次元画像データを差分して第2時相Ph2の差分画像データを生成し、第3時相Ph3の2次元画像データから第1時相Ph1の2次元画像データを差分して第3時相Ph3の差分画像データを生成する。また、第(M−1)時相Ph(M−1)の2次元画像データから第1時相Ph1の2次元画像データを差分して第(M−1)時相Ph(M−1)の差分画像データを生成し、第M時相PhMの2次元画像データから第1時相Ph1の2次元画像データを差分処理して第M時相PhMの差分画像データを生成する。
計測回路50は、複数時相の画像データのうちの基準時相の画像データの画素値と、複数時相の画像データそれぞれの画素値とを比較した指標値を求める。例えば、計測回路50は、画像データ処理回路40での処理により生成された各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの差分画像データ全体の画素値の平均値を求める(ステップS5)。
図4は、各時相の差分画像データの画素値の平均値と肺野の体積との関係を示したグラフである。このグラフ120,121は、被検体の胸部撮影により医用画像診断装置110から得られる呼吸の1周期を11分割した場合の第1乃至第11時相の3次元画像データの所定の位置における断面を示す2次元画像データに基づいて作成したものである。
グラフ120は、第1乃至第11時相における肺野の体積を示している。そして、肺野の体積は、第2時相で最大となり、第7時相で最小となる。また、グラフ121は、第1乃至第11時相の2次元画像データの画素値を「HU」(Hounsfield Unit)単位で表わされるCT値に変換し、第11時相を基準時相としたときの、各第1乃至第11時相の差分画像データのCT値の平均値を示している。そして、CT値の平均値は、第2時相で最大となり、第7時相で最小となる。
このように、発明者らは、肺野の体積が最大となる最大吸気の時相のとき、差分画像データのCT値、即ち画素値の平均値が最大になることを見いだした。また、肺野の体積が最小となる最大呼気の時相のとき、差分画像データの画素値の平均値が最小となることを見いだした。
選出回路60は、図3に示した各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの差分画像データ全体の画素値に基づいて、呼吸周期における第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの中から、吸気及び呼気の少なくとも一方における所定の時相を選び出す。ここでは、画素値の平均値が最大となる差分画像データの時相を被検体の最大吸気の時相として選び出し、画素値の平均値が最小となる差分画像データの時相を被検体の最大呼気の時相として選び出す(ステップS6)。
このように、3次元画像データから肺野領域を抽出することなく、最大吸気の時相や最大呼気の時相を容易に決定することができるため、画像データの処理に要する時間を短縮することが可能となり、スループットの向上を図ることができる。
また、画像データ処理回路40は、選出回路60により選び出された最大吸気及び最大呼気の時相の2次元画像データに含まれる気管支の領域の画素を抽出する。計測回路50は、画像データ処理回路40で抽出された気管支領域の断面積等を求めてディスプレイ70に表示する。
ディスプレイ70には、被検体の気管支を示す3次元画像データ、気管支の気道方向における指定位置を示すマーカ、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データ、第1乃至第M時相Ph1乃至PhMのうちの最大吸気及び最大呼気の時相を識別する識別情報、最大吸気及び最大呼気における気管支の断面積等が表示される。
(第1の実施形態の変形例)
上記第1の実施形態に限定されるものではなく、以下に説明する形態で実施するようにしてもよい。先ず、図5に示すように、第1乃至第M時相Ph1乃至PhMにおいて、基準時相を互いに隣り合う2つの時相の一方の時相とし、他方の時相である各第1乃至第(M−1)時相Ph1乃至Ph(M−1)の2次元画像データと、一方の時相の2次元画像データとを差分処理する。ここでは、第1時相Ph1の2次元画像データから第2時相Ph2の2次元画像データを差分して第1時相Ph1の差分画像データを生成する。また、第2時相Ph2の2次元画像データから第3時相Ph3の2次元画像データを差分して第2時相Ph2の差分画像データを生成する。また、第(M−1)時相Ph(M−1)の2次元画像データから第M時相PhMの2次元画像データを差分して第(M−1)時相の差分画像データを生成する。そして、第1乃至第(M−1)時相Ph1乃至Ph(M−1)の差分画像データを生成する。
図6は、互いに隣り合う2つの時相の2次元画像データの差分処理により生成された各時相の差分画像データの画素値の平均値と各時相の肺野の体積との関係を示したグラフである。このグラフ122,123は、被検体の胸部撮影により医用画像診断装置110から得られる呼吸の1周期を10分割した第1乃至第10時相の3次元画像データの所定の位置における断面を示す2次元画像データに基づいて作成したものである。
グラフ122は、呼吸周期における第1乃至第10時相の肺野の体積を示している。そして、肺野の体積は、第4時相で最大となり、第8時相で最小となる。また、グラフ123は、第1乃至第10時相において、基準時相を互いに隣り合う2つの時相の遅い方の時相とし、早い方の時相である各第1乃至第10時相の2次元画像データから遅い方の時相の2次元画像データを差分して得られる第1乃至第9時相の差分画像データのCT値の平均値を示している。そして、CT値の平均値は、第4時相で最大となり、第8時相で最小となる。
このように、発明者らは、肺野の体積が最大となる最大吸気の時相のとき、差分画像データの画素値の平均値が減少して0又は0付近の値となることを見いだした。また、肺野の体積が最小となる最大呼気の時相のとき、差分画像データの画素値の平均値が増加して0又は0付近の値となることを見いだした。
このことから、互いに隣り合う2つの時相の早い方の時相の2次元画像データと遅い方の時相の2次元画像データとの差分処理により生成される差分画像データの画素値の平均値が減少して0又は0付近の値となる時相を最大吸気の時相として選び出し、平均値が増加して0又は0付近の値となる時相を最大呼気の時相として選び出すように実施してもよい。
このように、3次元画像データから肺野領域を抽出することなく、最大吸気の時相や最大呼気の時相を容易に決定することができるため、画像データの処理に要する時間を短縮することが可能となり、スループットの向上を図ることができる。
以上述べた実施形態によれば、医用画像診断装置110から得られた被検体の呼吸周期における第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの3次元画像データから第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データを生成し、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データと、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データの中から設定される基準時相の2次元画像データとの差分処理により第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの差分画像データを生成することができる。そして、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの差分画像データの画素値の平均値を求め、画素値の平均値が最大となる差分画像データの時相を被検体の最大吸気の時相として選び出し、画素値の平均値が最小となる差分画像データの時相を被検体の最大呼気の時相として選び出すことができる。
これにより、3次元画像データから肺野領域を抽出することなく、吸気及び呼気における所定の時相を容易に決定することができるため、画像データの処理に要する時間を短縮することが可能となり、スループットの向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態及び第1の実施形態の変形例では、医用画像処理装置により画像処理方法が実現される場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、第1の実施形態及び第1の実施形態の変形例で説明した画像処理方法は、医用画像診断装置110によって実現されてもよい。
そこで、第2の実施形態では、医用画像診断装置110によって、画像処理方法が実現される場合について説明する。なお、第2の実施形態では、医用画像診断装置110がX線CT装置である場合について説明する。図7は、第2の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示すブロック図である。
図7は、第2の実施形態に係るX線CT装置200の構成の一例を示す図である。図7に示すように、第2の実施形態に係るX線CT装置200は、架台210と、寝台220と、コンソール230とを有する。
架台210は、被検体P(患者)にX線を照射し、被検体Pを透過したX線を検出して、コンソール230に出力する装置であり、X線照射制御回路211と、X線発生装置212と、検出器213と、データ収集回路(DAS:Data Acquisition System)214と、回転フレーム215と、架台駆動回路216とを有する。また、架台210において、図7に示すように、X軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系を定義する。すなわち、X軸は水平方向を示し、Y軸は鉛直方向を示し、Z軸は被検体Pの体軸方向を示す。
回転フレーム215は、X線発生装置212と検出器213とを被検体Pを挟んで対向するように支持し、後述する架台駆動回路216によって被検体Pを中心とした円軌道にて高速に回転する円環状のフレームである。
X線照射制御回路211は、高電圧発生部として、X線管212aに高電圧を供給する装置であり、X線管212aは、X線照射制御回路211から供給される高電圧を用いてX線を発生する。X線照射制御回路211は、後述するスキャン制御回路233の制御により、X線管212aに供給する管電圧や管電流を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量を調整する。
また、X線照射制御回路211は、ウェッジ212bの切り替えを行う。また、X線照射制御回路211は、コリメータ212cの開口度を調整することにより、X線の照射範囲(ファン角やコーン角)を調整する。なお、本実施形態は、複数種類のウェッジを、操作者が手動で切り替える場合であっても良い。
X線発生装置212は、X線を発生し、発生したX線を被検体Pへ照射する装置であり、X線管212aと、ウェッジ212bと、コリメータ212cとを有する。
X線管212aは、図示しない高電圧発生部により供給される高電圧により被検体PにX線ビームを照射する真空管であり、回転フレーム215の回転にともなって、X線ビームを被検体Pに対して照射する。X線管212aは、ファン角及びコーン角を持って広がるX線ビームを発生する。例えば、X線照射制御回路211の制御により、X線管212aは、フル再構成用に被検体Pの全周囲でX線を連続曝射したり、ハーフ再構成用にハーフ再構成可能な曝射範囲(180度+ファン角)でX線を連続曝射したりすることが可能である。また、X線照射制御回路211の制御により、X線管212aは、予め設定された位置(管球位置)でX線(パルスX線)を間欠曝射したりすることが可能である。また、X線照射制御回路211は、X線管212aから曝射されるX線の強度を変調させることも可能である。例えば、X線照射制御回路211は、特定の管球位置では、X線管212aから曝射されるX線の強度を強くし、特定の管球位置以外の範囲では、X線管212aから曝射されるX線の強度を弱くする。
ウェッジ212bは、X線管212aから曝射されたX線のX線量を調節するためのX線フィルタである。具体的には、ウェッジ212bは、X線管212aから被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管212aから曝射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ212bは、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。なお、ウェッジは、ウェッジフィルタ(wedge filter)や、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)とも呼ばれる。
コリメータ212cは、X線照射制御回路211の制御により、ウェッジ212bによってX線量が調節されたX線の照射範囲を絞り込むためのスリットである。
架台駆動回路216は、回転フレーム215を回転駆動させることによって、被検体Pを中心とした円軌道上でX線発生装置212と検出器213とを旋回させる。
検出器213は、被検体Pを透過したX線を検出する2次元アレイ型検出器(面検出器)であり、複数チャンネル分のX線検出素子を配してなる検出素子列が被検体Pの体軸方向(図7に示すZ軸方向)に沿って複数列配列されている。具体的には、第2の実施形態における検出器213は、被検体Pの体軸方向に沿って320列など多列に配列されたX線検出素子を有し、例えば、被検体Pの肺や心臓を含む範囲など、広範囲に被検体Pを透過したX線を検出することが可能である。
データ収集回路214は、DASであり、検出器213が検出したX線の検出データから、投影データを収集する。例えば、データ収集回路214は、検出器213により検出されたX線強度分布データに対して、増幅処理やA/D変換処理、チャンネル間の感度補正処理等を行なって投影データを生成し、生成した投影データを後述するコンソール230に送信する。例えば、回転フレーム215の回転中に、X線管212aからX線が連続曝射されている場合、データ収集回路214は、全周囲分(360度分)の投影データ群を収集する。また、データ収集回路214は、収集した各投影データに管球位置を対応付けて、後述するコンソール230に送信する。管球位置は、投影データの投影方向を示す情報となる。なお、チャンネル間の感度補正処理は、後述する前処理回路234が行なっても良い。
寝台220は、被検体Pを載せる装置であり、図7に示すように、寝台駆動装置221と、天板222とを有する。寝台駆動装置221は、天板222をZ軸方向へ移動して、被検体Pを回転フレーム215内に移動させる。天板222は、被検体Pが載置される板である。
なお、架台210は、例えば、天板222を移動させながら回転フレーム215を回転させて被検体Pをらせん状にスキャンするヘリカルスキャンを実行する。または、架台210は、天板222を移動させた後に被検体Pの位置を固定したままで回転フレーム215を回転させて被検体Pを円軌道にてスキャンするコンベンショナルスキャンを実行する。または、架台210は、天板222の位置を一定間隔で移動させてコンベンショナルスキャンを複数のスキャンエリアで行うステップアンドシュート方式を実行する。
コンソール230は、操作者によるX線CT装置200の操作を受け付けるとともに、架台210によって収集された投影データを用いてX線CT画像データを再構成する装置である。コンソール230は、図7に示すように、入力回路231と、ディスプレイ232と、スキャン制御回路233と、前処理回路234と、記憶回路235と、画像再構成回路236と、処理回路237とを有する。
入力回路231は、X線CT装置200の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等を有し、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、処理回路237に転送する。例えば、入力回路231は、操作者から、X線CT画像データの撮影条件や、X線CT画像データを再構成する際の再構成条件、X線CT画像データに対する画像処理条件等を受け付ける。また、入力回路231は、被検体Pに対する検査を選択するための操作を受け付ける。また、入力回路231は、画像上の部位を指定するための指定操作を受け付ける。
ディスプレイ232は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路237による制御のもと、X線CT画像データから生成された画像データを操作者に表示したり、入力回路231を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。また、ディスプレイ232は、スキャン計画の計画画面や、スキャン中の画面などを表示する。
スキャン制御回路233は、処理回路237による制御のもと、X線照射制御回路211、架台駆動回路216、データ収集回路214及び寝台駆動装置221の動作を制御することで、架台210における投影データの収集処理を制御する。具体的には、スキャン制御回路233は、位置決め画像(スキャノ画像)を収集する撮影及び診断に用いる画像を収集する本撮影(スキャン)における投影データの収集処理をそれぞれ制御する。例えば、スキャン制御回路233は、被検体Pの肺及び気管支を含む胸部撮影により呼吸の少なくとも1周期における複数時相の3次元画像データを収集する。すなわち、スキャン制御回路233は、被検体Pに関する複数時相の画像データを収集する。なお、スキャン制御回路233のことを収集部とも言う。
前処理回路234は、データ収集回路214によって生成された投影データに対して、対数変換処理と、オフセット補正、感度補正及びビームハードニング補正等の補正処理とを行なって、補正済みの投影データを生成する。具体的には、前処理回路234は、データ収集回路214によって生成された位置決め画像の投影データ及び本撮影によって収集された投影データのそれぞれについて、補正済みの投影データを生成して、記憶回路235に格納する。
記憶回路235は、前処理回路234により生成された投影データを記憶する。具体的には、記憶回路235は、前処理回路234によって生成された、位置決め画像の投影データ及び本撮影によって収集される診断用の投影データを記憶する。また、記憶回路235は、後述する画像再構成回路236によって生成された画像データを記憶する。また、記憶回路235は、後述する処理回路237による処理結果を適宜記憶する。
画像再構成回路236は、記憶回路235が記憶する投影データを用いてX線CT画像データを再構成する。具体的には、画像再構成回路236は、位置決め画像の投影データ及び診断に用いられる画像の投影データから、X線CT画像データをそれぞれ再構成する。ここで、再構成方法としては、種々の方法があり、例えば、逆投影処理が挙げられる。また、逆投影処理としては、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法による逆投影処理が挙げられる。或いは、画像再構成回路236は、逐次近似法を用いて、X線CT画像データを再構成することもできる。
また、画像再構成回路236は、X線CT画像データに対して各種画像処理を行うことで、画像データを生成する。そして、画像再構成回路236は、再構成したX線CT画像データや、各種画像処理により生成した画像データを記憶回路235に格納する。例えば、画像再構成回路236は、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの3次元画像データの、体軸方向の指定入力に対応する例えば中央位置の断面を示す2次元画像データを生成する。
処理回路237は、架台210、寝台220及びコンソール230の動作を制御することによって、X線CT装置200の全体制御を行う。具体的には、処理回路237は、スキャン制御回路233を制御することで、架台210で行なわれるCTスキャンを制御する。また、処理回路237は、画像再構成回路236を制御することで、コンソール230における画像再構成処理や画像生成処理を制御する。また、処理回路237は、記憶回路235が記憶する各種画像データを、ディスプレイ232に表示するように制御する。
また、処理回路237は、図7に示すように、画像データ処理機能237a、選出機能237b及び同期スキャン制御機能237cを実行する。ここで、例えば、図7に示す処理回路237の構成要素である画像データ処理機能237a、選出機能237b及び同期スキャン制御機能237cが実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路235に記録されている。処理回路237は、各プログラムを記憶回路235から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路237は、図7の処理回路237内に示された各機能を有することとなる。なお、画像データ処理機能237aのことを画像データ処理部とも言い、選出機能237bのことを関連付け部とも言い、同期スキャン制御機能237cのことを同期スキャン制御部とも言う。
画像データ処理機能237aは、第1の実施形態に係る画像データ処理回路40及び計測回路50と同様の機能を実行する。すなわち、画像データ処理機能237aは、複数時相の画像データのうちの基準時相の画像データの画素値と、複数時相の画像データそれぞれの画素値とを比較した指標値を求める。
選出機能237bは、第1の実施形態に係る選出回路60と同様の機能を実行する。すなわち、選出機能237bは、複数時相それぞれについて求められた指標値に基づいて、複数時相の画像データの少なくともいずれかを選択し、被検体Pの吸気及び呼気の少なくとも一方における呼吸時相と関連付ける。
例えば、画像データ処理機能237aは、各複数時相の画像データと基準時相の画像データとを差分処理して指標値を求める。そして、選出機能237bは、画像データ処理機能237aにより求められた指標値が最大値となる時相を被検体Pの最大吸気における時相として選び出す。また、選出機能237bは、画像データ処理機能237aにより求められた指標値が最小値となる時相を被検体Pの最大呼気における時相として選び出す。
なお、基準時相は、複数時相のうちの互いに隣り合う2つの時相の一方の時相とすることも可能である。かかる場合、例えば、画像データ処理機能237aは、隣り合う時相の他方の時相の画像データと一方の時相の画像データとを差分処理して指標値を求める。そして、選出機能237bは、画像データ処理機能237aにより求められた指標値が減少して0又は0付近となる時相を被検体Pの最大吸気における時相として選び出す。また、選出機能237bは、画像データ処理機能237aにより求められた指標値が増加して0又は0付近となる時相を被検体Pの最大呼気における時相として選び出す。
また、画像データ処理機能237aは、選出機能237bにより選び出された最大吸気及び最大呼気の時相の2次元画像データに含まれる気管支の領域の画素を抽出する。そして、画像データ処理機能237aは、抽出した気管支領域の断面積等を求めてディスプレイ232に表示する。かかる場合、ディスプレイ232には、被検体Pの気管支を示す3次元画像データ、気管支の気道方向における指定位置を示すマーカ、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データ、第1乃至第M時相Ph1乃至PhMのうちの最大吸気及び最大呼気の時相を識別する識別情報、最大吸気及び最大呼気における気管支の断面積等が表示される。
以上、第2の実施形態に係るX線CT装置200の構成について説明した。かかる構成のもと、第2の実施形態に係るX線CT装置200は、被検体Pの肺及び気管支を含む胸部撮影により呼吸の少なくとも1周期における複数時相の3次元画像データを収集する。また、X線CT装置200は、被検体Pの肺及び気管支を含む胸部撮影を行なう場合に、呼吸同期スキャンに利用される場合がある。
一般的に、呼吸同期スキャンでは、最大吸気や最大呼気の期間にスキャンを行うようにしている。例えば、X線CT装置200は、呼吸同期スキャンにおいて、呼吸検出装置から被検体Pの呼吸波形を取得し、最大吸気や最大呼気の時相にスキャンを行うようにする。しかしながら、呼吸検出装置から取得する呼吸波形は正確でない場合がある。このような場合、X線CT装置200は、呼吸検出装置から取得した呼吸波形に基づいてスキャンを行っても、被検体Pの最大吸気や最大呼気の時相にスキャンを行なえない場合がある。このようなことから、第2の実施形態では、X線CT装置200は、画像データ処理機能237a、選出機能237b及び同期スキャン制御機能237cにより、被検体Pの最大吸気や最大呼気の時相でスキャンを行なうように制御する。図8は、第2の実施形態を説明するための図である。
第2の実施形態に係るX線CT装置200において、呼吸同期スキャンを行う場合、スキャン制御回路233は、予備撮影でのX線照射条件で被検体Pに関する複数時相の画像データを順次収集する。例えば、スキャン制御回路233は、低線量のX線照射条件で、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの3次元画像データを順次収集する。そして、画像再構成回路236は、スキャン制御回路233が収集した3次元画像データを用いて、2次元画像データを生成する。例えば、画像再構成回路236は、図8の上図に示すように、Ph1の3次元画像データからPh1の2次元画像データを生成し、Ph2の3次元画像データからPh2の2次元画像データを生成し、PhMの3次元画像データからPhMの2次元画像データを生成する。
続いて、画像データ処理機能237aは、新たな時相の画像データが収集されるごとに、指標値を求める。例えば、画像データ処理機能237aは、図8の中図に示すように、互いに隣り合う2つの時相の2次元画像データの差分処理により差分画像データを生成し、図8の下図に示すように、生成した差分画像データの平均CT値を算出する。一例をあげると、画像データ処理機能237aは、Ph2の2次元画像データが生成されると、Ph1の2次元画像データとPh2の2次元画像データとの差分画像データを生成し、生成した差分画像データの画素値の平均値を算出する。同様に、画像データ処理機能237aは、PhMの2次元画像データが生成されると、Ph(M−1)の2次元画像データとPhMの2次元画像データとの差分画像データを生成し、生成した差分画像データの画素値の平均値を算出する。
そして、選出機能237bは、指標値が求められるごとに、新たな時相の画像データが被検体Pの最大吸気及び最大呼気の少なくとも一方における呼吸時相に対応する画像データであるか否かを判定する。例えば、選出機能237bは、平均CT値がプラスからマイナスに変化した時相を最大吸気の呼吸時相であると判定し、平均CT値がマイナスからプラスに変化した時相を最大呼気の呼吸時相であると判定する。
そして、同期スキャン制御機能237cは、新たな時相の画像データが最大呼気及び最大吸気の少なくとも一方における呼吸時相である場合に、本撮影でのX線照射条件で被検体Pに対する画像データをスキャン制御回路233に収集させる。図9A及び図9Bは、第2の実施形態に係る呼吸同期スキャンのタイミングを説明するための図である。
図9A及び図9Bは、互いに隣り合う2つの時相の2次元画像データの差分処理により生成された各時相の差分画像データの画素値の平均値を示したグラフである。図9A及び図9Bの横軸は時相を示し、縦軸は「HU」単位で表わされるCT値を示す。図9Aに示す例では、選出機能237bは、第4時相が最大吸気であると判定し、第8時相が最大呼気であると判定する。かかる場合、同期スキャン制御機能237cは、最大吸気である第4時相で本撮影でのX線照射条件で被検体Pに対する画像データをスキャン制御回路233に収集させる。また、同期スキャン制御機能237cは、最大呼気である第8時相で本撮影でのX線照射条件で被検体Pに対する画像データをスキャン制御回路233に収集させる。
選出機能237bは、図9Aに示す例と同様に、図9Bに示す例では、第1時相が最大吸気であると判定し、第7時相が最大呼気であると判定する。かかる場合、同期スキャン制御機能237cは、最大吸気である第1時相で本撮影でのX線照射条件で被検体Pに対する画像データをスキャン制御回路233に収集させる。また、同期スキャン制御機能237cは、最大呼気である第7時相で本撮影でのX線照射条件で被検体Pに対する画像データをスキャン制御回路233に収集させる。
これにより、X線CT装置200は、被検体Pの最大吸気や最大呼気の時相で本撮影でのX線照射条件でスキャンを行なうことが可能になる。また、上述した第2の実施形態では、互いに隣り合う2つの時相の2次元画像データで差分処理を行う場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データの中から予め設定された基準時相である例えば第1時相Ph1の2次元画像データに基づいて、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データを処理するようにしてもよい。かかる場合、同期スキャン制御機能237cは、指標値が最大になる時相を最大吸気の時相として本撮影でのX線照射条件で被検体Pに対する画像データをスキャン制御回路233に収集させる。また、同期スキャン制御機能237cは、指標値が最小になる時相を最大呼気の時相として本撮影でのX線照射条件で被検体Pに対する画像データをスキャン制御回路233に収集させる。
なお、第2の実施形態に係るX線CT装置200において、処理回路237は、同期スキャン制御機能237cを実行しないように構成されてもよい。すなわち、第2の実施形態に係るX線CT装置200において、処理回路237は、画像データ処理機能237a及び選出機能237bを実行するように構成されてもよい。
(第3の実施形態)
上述した実施形態では、複数時相の画像データの少なくともいずれかを選択し、被検体Pの吸気及び呼気の少なくとも一方における呼吸時相と関連付ける場合について説明した。ところで、被検体Pの肺及び気管支を含む胸部撮影により呼吸の少なくとも1周期における複数時相の3次元画像データを収集する場合、収集する3次元画像データの総容量が大きくなる。
この一方で、通常、診断に用いる画像は、最大呼気や最大吸気の時相の画像である。このため、最大吸気の時相の3次元画像や、最大呼気の時相の3次元画像のみが保存されればよい。そこで、第3の実施形態では、医用画像処理装置100が、被検体Pの最大吸気及び最大呼気の少なくとも一方における呼吸時相に対応する3次元画像データを所定の記憶部に記憶させる場合について説明する。
第3の実施形態に係る医用画像処理装置100の構成は、選出回路60に一部の付加的機能が備わる点を除いて、図1に示す第1の実施形態に係る医用画像処理装置100の構成と同様である。このため、以下では、選出回路60に備わる付加的機能について説明する。図10は、第3の実施形態を説明するための図である。
図10の上図に示すように、画像データ取得回路20は、X線CT装置等の医用画像診断装置110から送信された呼吸の少なくとも1周期における複数時相の3次元画像データを取得する。そして、図10の中図に示すように、画像データ生成回路30は、第1の実施形態と同様にして、画像データ取得回路20により取得された各時相の3次元画像データから、例えば、被検体Pの体軸方向における指定位置の断面を示す2次元画像データを生成する。そして、図10の下図に示すように、画像データ処理回路40は、画像データ生成回路30により生成された各時相の2次元画像データを差分処理する。なお、図10では、Ph1を基準時相として、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データを差分処理する場合を示す。また、計測回路50は、画像データ処理回路40での処理により生成された各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの差分画像データ全体の画素値の平均値を求める。
そして、第3の実施形態に係る選出回路60は、複数時相それぞれについて求められた指標値に基づいて、複数時相の画像データの中から、被検体Pの最大吸気及び最大呼気の少なくとも一方における呼吸時相に対応する画像データを選び出す。図10に示す例では、第3の実施形態に係る選出回路60は、平均CT値が最大である時相を最大吸気時相として選び出し、平均CT値が最小である時相を最大呼気時相として選び出す。そして、第3の実施形態に係る選出回路60は、選び出した画像データの時相に対応する3次元画像データを所定の記憶部に記憶させる。
このように、第3の実施形態に係る医用画像処理装置100は、例えば、3次元画像データの中心のスライスだけを再構成し、指標値に基づいて、複数時相の画像データの中から、被検体Pの最大吸気及び最大呼気の少なくとも一方における呼吸時相に対応する画像データを選び出す。そして、第3の実施形態に係る医用画像処理装置100は、選び出した画像データの時相に対応する3次元画像データを所定の記憶部に記憶させる。この結果、第3の実施形態に係る医用画像処理装置100は、保存する3次元画像データの総容量を低減することが可能になる。
なお、上述した第3の実施形態では、医用画像処理装置100において、選出回路60は、被検体Pの最大吸気及び最大呼気の少なくとも一方における呼吸時相に対応する3次元画像データを所定の記憶部に記憶させるものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、X線CT装置200の選出機能237bが第3の実施形態に係る選出回路60と同様の機能を実行するようにしてもよい。
(その他の実施形態)
実施形態は、上述した実施形態に限られるものではない。なお、以下では、医用画像処理装置100を例にして説明するが、以下に説明するその他の実施形態は、X線CT装置200でも同様に適用可能である。
上述した実施形態では、例えば、最大吸気の時相や最大呼気の時相を決定する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用画像処理装置100の選出回路60は、最大吸気の時相の画像や最大呼気の時相の画像を表示する際に、各時相と各時相における指標値とを対応付けた情報を更に生成し、所定の表示部に情報を出力させるようにしてもよい。図11及び図12は、その他の実施形態を説明するための図である。
図11では、Ph1を基準時相として、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データを差分処理する場合を示す。図11の横軸は時相を示し、縦軸は「HU」単位で表わされるCT値を示す。選出回路60は、図11に示すように、各時相の差分画像データの画素値の平均値を示したグラフを更に表示させる。ここで、図11に示す例では、CT値が最大である第8時相が最大吸気であり、CT値が最小である第4時相が最大呼気である。かかる場合、選出回路60は、最大吸気であることを示す情報及び最大呼気であることを示す情報を表示してもよい。より具体的には、選出回路60は、第8時相が最大吸気であることを示す破線と文字情報とを表示し、第4時相が最大呼気であることを示す破線と文字情報とを表示する。
図12では、互いに隣り合う2つの時相の2次元画像データの差分処理する場合を示す。図12の横軸は時相を示し、縦軸は「HU」単位で表わされるCT値を示す。選出回路60は、図12に示すように、各時相の差分画像データの画素値の平均値を示したグラフを更に表示させる。ここで、図12に示す例では、平均CT値がプラスからマイナスに変化した第3時相が最大吸気であり、平均CT値がマイナスからプラスに変化した第9時相が最大呼気である。かかる場合も同様に、選出回路60は、最大吸気であることを示す情報及び最大呼気であることを示す情報を表示してもよい。より具体的には、選出回路60は、第3時相が最大吸気であることを示す破線と文字情報とを表示し、第9時相が最大呼気であることを示す破線と文字情報とを表示する。なお、選出回路60は、最大吸気であることを示す破線及び文字情報の一方だけを表示してもよく、最大呼気であることを示す破線及び文字情報の一方だけを表示してもよい。また、選出回路60は、最大吸気であることを示す情報及び最大呼気であることを示す情報の一方だけを表示してもよい。
なお、上述した実施形態では、最大吸気の時相や最大呼気の時相を特定可能である場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、肺に疾患を有する被検体Pでは、正常な被検体Pに比べて、最大吸気の時相や最大呼気の時相がずれる場合が起こり得る。図13及び図14は、その他の実施形態を説明するための図である。
図13では、Ph1を基準時相として、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データを差分処理する場合を示す。図13の横軸は時相を示し、縦軸は「HU」単位で表わされるCT値を示す。選出回路60は、図13に示すように、各時相の差分画像データの画素値の平均値を示したグラフを更に表示させる。ここで、図13に示す例では、第6時相と第8時相とでCT値が最大となり、第4時相と第7時相とでCT値が最小となる。このように、最大吸気における時相及び最大呼気における時相の少なくともいずれか一方の候補が複数検出された場合には、選出回路60は、最大吸気における時相及び最大呼気における時相を選び出せない旨の情報を所定の出力部に出力させる。
また、図14では、互いに隣り合う2つの時相の2次元画像データの差分処理する場合を示す。図14の横軸は時相を示し、縦軸は「HU」単位で表わされるCT値を示す。選出回路60は、図14に示すように、各時相の差分画像データの画素値の平均値を示したグラフを更に表示させる。ここで、図14に示す例では、第3時相と第6時相とで平均CT値がプラスからマイナスに変化し、第5時相と第9時相とで平均CT値がマイナスからプラスに変化する。このように、最大吸気における時相及び最大呼気における時相の少なくともいずれか一方の候補が複数検出された場合には、選出回路60は、最大吸気における時相及び最大呼気における時相を選び出せない旨の情報を所定の出力部に出力させる。
また、画像データ生成回路30は、3次元画像データの体軸方向の断面(アキシャル断面)を示す2次元画像データを生成するものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、画像データ生成回路30は、アキシャル断面を示す2次元画像データではなく、3次元画像データの矢状方向の断面(サジタル断面)を示す2次元画像データや3次元画像データの冠状方向の断面(コロナル断面)を示す2次元画像データを生成してもよい。かかる場合、画像データ処理回路40は、アキシャル断面を示す2次元画像データから差分画像データを生成する処理と同様にして、サジタル断面を示す2次元画像データやコロナル断面を示す2次元画像データから差分画像データを生成する。そして、計測回路50は、アキシャル断面から生成された差分画像データを用いた指標値を求める処理と同様にして、各時相において、サジタル断面やコロナル断面から生成された差分画像データを用いて指標値を求める。なお、画像データ生成回路30は、サジタル断面を示す2次元画像データやコロナル断面を示す2次元画像データを生成する場合、アキシャル断面を示す2次元画像データを生成する場合と同様に、肺野が撮像されていると推定される位置のサジタル断面やコロナル断面を生成することが望ましい。例えば、画像データ生成回路30は、3次元画像データの中央位置のサジタル断面やコロナル断面を生成する。
また、上述した実施形態では、画像データ生成回路30が、各時相で1つの2次元画像データを生成する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、画像データ生成回路30は、各時相で複数の断面を示す2次元画像データを生成してもよい。
例えば、画像データ生成回路30は、体軸方向において複数の断面を示す2次元画像データを生成してもよい。より具体的には、画像データ生成回路30は、体軸方向の中央位置の断面を示す2次元画像データに加えて、体軸方向においてこの中央位置の前後それぞれの位置の断面を示す2つの2次元画像データを更に生成する。かかる場合、画像データ処理回路40は、各時相において、複数断面ごとに差分画像データを生成する。すなわち、画像データ処理回路40は、画像データ生成回路30が各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMごとに生成した3つの2次元画像データを用いて、各時相の差分画像データを3つ生成する。より具体的には、画像データ処理回路40は、体軸方向において中央位置の差分画像データと、この中央位置の前の位置の差分画像データと、この中央位置の後ろの位置の差分画像データとを各時相で生成する。そして、計測回路50は、各時相において、複数断面の断面ごとに生成された差分画像データを用いて指標値をそれぞれ求め、断面ごとに求められた各指標値の平均値を求めることで、各時相の指標値を求める。より具体的には、計測回路50は、画像データ処理回路40での処理により生成された各時相の各差分画像データ全体の画素値の平均値を指標値として求め、求めた指標値の平均値を求めることで各時相の指標値を求める。なお、画像データ生成回路30が各時相で生成する2次元画像データの枚数は任意に変更可能である。
更に、画像データ生成回路30は、アキシャル断面を示す2次元画像データに加えて、サジタル断面を示す2次元画像データやコロナル断面を示す2次元画像データを生成してもよい。かかる場合、画像データ処理回路40は、アキシャル断面を示す2次元画像データから差分画像データを生成し、サジタル断面を示す2次元画像データから差分画像データを生成し、コロナル断面を示す2次元画像データから差分画像データを生成する。そして、計測回路50は、各時相において、各方向における断面の差分画像データの指標値を求め、求めた指標値の平均値を求めることで各時相の指標値を求める。なお、画像データ処理回路40が、アキシャル断面、サジタル断面及びコロナル断面を用いて差分画像データを生成する例を示したが、差分画像データの生成に用いる断面の各方向の組み合わせは任意に変更可能である。更に、画像データ処理回路40は、差分画像データの生成に用いる2次元画像データの枚数を、アキシャル断面、サジタル断面及びコロナル断面で任意に変更可能である。
また、上述した実施形態では、2次元画像データの全体の画素を用いる場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、計測回路50は、操作者によって設定された関心領域の範囲内に存在する画素のみを用いてもよい。すなわち、計測回路50は、各複数時相の画像データにおいて設定された領域内の画素を差分処理の対象画素とする。
なお、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの2次元画像データと第1時相Ph1の2次元画像データとを加算、乗算又は除算処理するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、差分画像データを生成して指標値を算出する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、計測回路50は、差分処理として、基準時相の画像データの画素値の総和と、複数時相の画像データそれぞれの画素値の総和との差を求め、求めた差を指標値とするようにしてもよい。すなわち、計測回路50は、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの差分画像データにおける全体の画素値の総和を求める。そして、選出回路60は、画素値の総和が最大となる差分画像データの時相を被検体Pの最大吸気の時相として選び出し、画素値の総和が最小となる差分画像データの時相を被検体Pの最大呼気の時相として選び出すように実施してもよい。
また、かかる場合、計測回路50は、各複数時相の画像データにおいてCT値が所定の閾値以下である画素を差分処理の対象画素とするようにしてもよい。より具体的には、計測回路50は、CT値がマイナス100以下の画素を対象として画素値の総和を求めて、差分処理を実行する。
また、各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの3次元画像データと基準時相としての例えば第1時相Ph1の3次元画像データとの差分処理により、第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの差分画像データを生成し、生成した各第1乃至第M時相Ph1乃至PhMの差分画像データの画素値の平均値を求める。そして、画素値の平均値が最大となる差分画像データの時相を被検体Pの最大吸気の時相として選び出し、画素値の平均値が最小となる差分画像データの時相を被検体Pの最大呼気の時相として選び出すように実施してもよい。
上記の実施形態の説明において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上記の実施形態で説明した画像処理方法は、予め用意された画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この画像処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、画像データの処理に要する時間を短縮することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。