JP6866613B2 - コアシェル型変性顔料及び水性顔料分散体 - Google Patents
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Description
例えば、色材と樹脂を混合し、水に分散させてなる着色微粒子分散体であって、微粒子が少なくとも2層以上のコアシェル構造を有し、内核を形成するコアとその外側に形成された少なくとも1層のシェルのうち、少なくとも2つ以上がそれぞれ架橋構造を有する分散安定性の向上したコアシェル構造を有する架橋された着色微粒子分散体や(例えば特許文献1参照)、インクジェット記録用水性インクの色材として、顔料表面に、非水溶媒に可溶な重合性不飽和基を含有するポリマーと、カルボン酸基、スルホン酸基及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1つの構造を分子中に有する少なくとも1種の重合性不飽和単量体とを共重合することにより得られるポリマーを有する変性顔料を使用することが知られている(例えば特許文献2参照)。
しかしながらいずれの文献も、シェルとなる樹脂の被覆量が印刷特性に与える影響については検討されてはいない。
本発明で使用する顔料は、公知慣用の有機顔料あるいは無機顔料の中から選ばれる少なくとも一種の顔料である。また、本発明は未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。具体的には、水や水溶性有機溶剤に分散可能であり、公知の無機顔料や有機顔料が使用できる。無機顔料としては例えば、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等がある。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
粒子径の測定は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して測定した値を採用することができる。
本発明で使用するアニオン性基を有するアクリル系共重合体は、具体的には、(メタ)アクリル酸等のアニオン性基を有する単量体とそれと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体との共重合体が挙げられる。尚、本発明において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸との総称を意味するものとする。(メタ)アクリル酸の各種エステルの場合も前記と同様に解釈される。
前記スチレン−アクリル酸系共重合体においてスチレン系モノマーとアクリル酸モノマーとメタクリル酸モノマーの共重合時の総和は、全モノマー成分に対して80質量%以上であることが好ましい。
酸価が低すぎる場合には顔料分散や保存安定性が低下し、また後記するインクジェット記録用水性インクを調製した場合に、印字安定性が悪くなるので好ましくない。酸価が高すぎる場合には、着色記録画像の耐水性が低下するのでやはり好ましくない。共重合体を該酸価の範囲内とするには、(メタ)アクリル酸を、前記酸価の範囲内となる様に含めて共重合すれば良い。
本発明において塩基性化合物は、前記アニオン性基を中和する目的で使用する。塩基性化合物としては公知のものを使用でき、例えばカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属などの炭酸塩;水酸化アンモニウム等の無機系塩基性化合物や、トリエタノールアミン、N,N−ジメタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−N−ブチルジエタノールアミンなどのアミノアルコール類、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどのモルホリン類、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ピペラジンヘキサハイドレートなどのピペラジン等の有機系塩基性化合物が挙げられる。
コア部分である顔料にアニオン性基を有するアクリル系共重合体のシェルの第一層を形成させる方法としては、特に限定されず公知の分散方法で行うことができる。例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、サンドミル、ボールミル等のメディアを使用するメディアミル分散法や、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、アルティマイザー等を使用したメディアレス分散法、ロールミル、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、インテンシブミキサー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等、強い剪断力を与える混練分散法等が挙げられる。このうち混練分散法は、顔料を含有する高固形分濃度の混合物に混練機で強い剪断力を与えることによって顔料粒子を微細化させる方法であり好ましい。
以後、コア部分である顔料にシェルとなる樹脂の第一層のみを形成させた変性顔料を、コアシェル一層型変性顔料と称する場合があり、樹脂としてアニオン性基を有するアクリル系共重合体を使用したコアシェル一層型変性顔料をコアシェル一層型変性顔料Aと称する場合がある。
水希釈する場合は、例えば撹拌槽と撹拌羽根を有し撹拌槽を密閉可能な混練装置を使用しておれば、混練分散法後そのまま水を添加することが可能である。ここで使用する水は、水単独のほか水溶性有機溶剤を併用していてもよい。
本発明で使用する水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより得られた水性顔料分散体やそれを使用したインク等を長期保存する場合にカビまたはバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
本発明においては、水の他、必要に応じて水溶性有機溶剤を併用してもよい。水溶性有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、等のアミド類が挙げられ、とりわけ炭素数が3〜6のケトン及び炭素数が1〜5のアルコールからなる群から選ばれる化合物を用いるのが好ましい。
水の混合に関しては、顔料混練物に対して必要量を一括混合してもよいが、連続的あるいは断続的に必要量を添加して混合を進めた方が、水による希釈が効率的に行われ、より短時間で水性顔料分散体を作製することができる。溶解時間・過熱温度には特に制限は無いが、混練物の十分な溶解性・得られる分散体の均一性を確保するために、アニオン性基を有するアクリル系共重合体の分解を生じたり、分散体の安定性を損ねたりすることの無い範囲で、長時間・高温であることが好ましい。
次に、前記コアシェル一層型変性顔料Aにアニオン性基を有するウレタン樹脂の第二層を形成する。
以後、「コア部分である顔料に、シェルである顔料に接する樹脂の第一層と、該第一の層に接し最外層となる樹脂の第二層を有するもの」をコアシェル二層型変性顔料と称し、本発明の「コア部分である顔料に、顔料に接するアニオン性基を有するアクリル系共重合体の第一層と、該第一の層に接し最外層となるアニオン性基を有するウレタン樹脂の第二層とを含むコアシェル型変性顔料」を「コアシェル二層型変性顔料A」と称する場合がある。
本発明で使用するアニオン性基を有するウレタン樹脂は、具体的には、カルボキシ基やスルホン酸基等のアニオン性基を有するポリオールとポリイソシアネート、さらに必要に応じて汎用のアニオン性基を有さないポリオールや鎖伸長剤を反応させて得たウレタン樹脂があげられる。
また、スルホン酸基を有するポリオールとしては、例えば5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等のジカルボン酸、及びそれらの塩と、前記低分子量ポリオールとを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
中でも、印字画像の耐光変色が起こり難い点では、脂肪族ジイソシアネート化合物または脂環族ジイソシアネートが好ましい。
また前記ポリオールのほか、印字物における皮膜硬度の調整等を目的として、低分子量のジオールを適宜併用しても良い。例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
酸価が低すぎる場合には顔料分散や保存安定性が低下するおそれがあり、酸価が高すぎる場合には形成画像の耐水性が低下するおそれがある。共重合体を該酸価の範囲内とするには、カルボキシ基を有するポリオールを、前記酸価の範囲内となる様に含めて共重合すれば良い。
コアシェル一層型変性顔料Aにアニオン性基を有するウレタン樹脂の第二層を形成する方法としては、前述のコア部分である顔料にアニオン性基を有するアクリル系共重合体のシェルの第一層を形成させる方法と同様公知の分散方法で行うことができるが、あまり強い剪断力が加わる分散法は、逆に顔料を内包したアニオン性基を有するアクリル系共重合体のシェルの第一層をはがすことになりかねないため、ややマイルドな分散方法が好ましい。好ましい分散方法としては、攪拌翼を用いた攪拌や、ペイントシェーカー、ビーズミル、サンドミル、ボールミル等のメディアを使用するメディアミル分散法や、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、アルティマイザー等を使用したメディアレス分散法等が挙げられる。
前記アニオン性基を有するウレタン樹脂は、コアシェル二層型変性顔料に対し飽和吸着量の40%以上を有する。
本発明において、飽和吸着量はコロイド滴定法で算出される。コロイド滴定法とは、溶液中の各種ポリマーの電荷量やコロイド粒子の表面電荷量を測定する方法であり、滴定液としてカチオン性高分子:poly−DADMAC(ポリジメチルアリルアンモニウムクロライド)、MGCh(メチルグリコールキトサン)、アニオン性高分子:Pes−Na(ポリエチレンスルホン酸ナトリウム)、PVSK(ポリビニル硫酸カリウム)等の高分子電解質が一般に使用される。本発明においては、滴定する対象がアニオン性樹脂であるためカチオン性高分子であるpoly−DADMAC(ポリジメチルアリルアンモニウムクロライド)を滴定液として使用した。また滴定装置は粒子電荷計PCD−04(スペクトリス社製)を用いた。
アニオン性基を有する樹脂のみを含む水溶液に前記滴定液である高分子電解質を滴下すると、カチオンとアニオンとが反応しイオン会合体を形成する。このようにアニオンの電荷が中和されることで電位が低下する。電位がゼロに達したときの滴定液の滴下量が該水溶液中のアニオン電荷が全て中和された量と一致すると判断できる。
電位がゼロに達したときの滴下量Vと、滴定液の濃度Nとから、アニオン性基を有する樹脂を含む水溶液1g当たりの電荷量Q[C/g]は以下の式(1)で求められる。
Q:アニオン性基を有する樹脂を含む水溶液1g当たりの電荷量[C]
V:消費した滴定液の量[L]
c:滴定液の濃度[N]
F:ファラデー係数[96485C/eq])
m:アニオン性基を有する樹脂を含む水溶液[g]
コアシェル型変性顔料において、コアシェル一層型変性顔料の、前記コロイド滴定によるアニオン性基を有する樹脂1g当たりの電荷量Qが一定であることから、有機高分子の層の重量に対しては比例関係を示す。
理論上は、前記樹脂の層の重量に対しては比例関係を示すことから、前記アニオン性基を有するアクリル系共重合体とアニオン性基を有するウレタン樹脂との総量に対する電荷量Qが、符号3で表されるグラフA+Bとして求められるはずである。しかしながら、前記アニオン性基を有するアクリル系共重合体のシェルに接し最外層となるアニオン性基を有するウレタン樹脂の第二層が、前記アニオン性基を有するアクリル系共重合体を覆うように形成されると推定され、このためウレタン樹脂に被覆されたアクリル系共重合体のアニオン電荷は中和されず、添加したウレタン樹脂量に応じた試料電荷量の増加が観測されないために、比例関係とはならず前記式(1)とは異なる挙動を示すグラフCとなると推定している。また変曲点Pを越えた後は、式(1)と同様のグラフBの傾きと同様のグラフとなるが、これは変曲点Pが最外層となるアニオン性基を有するウレタン樹脂の第二層の吸着量の飽和であり、これ以後は吸着されずに水溶液にアニオン性基を有するウレタン樹脂が遊離して存在する状態になったと推定される。
即ち、変曲点Pを示す電荷量Qを前記式(1)に当てはめたときの、算出されたアニオン性基を有するウレタン樹脂量が、コアシェル二層型変性顔料Aに対する飽和吸着量と推定される。
本発明のコアシェル二層型変性顔料Aは、水分散体として得られる。これを乾燥することにより、コアシェル二層型顔料と遊離した樹脂の組成物として使用してもよいし、水分散体をそのまま所望の顔料濃度に希釈して、自動車や建材用の塗料分野や、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ等の印刷インキ分野、あるいはインキジェット記録用インク分野等様々な用途に使用することができる。
乾燥する場合は、熱風乾燥機、減圧式乾燥機等で乾燥させることが好ましい。また完全に乾燥せずに顔料ペーストとした状態で流通させることも可能である。
インクの調製時あるいは調製後に、遠心分離あるいは濾過処理工程を加えてもよい。
前記乾燥抑止剤は、インクの乾燥防止を目的として添加する。乾燥抑止剤のインク中の含有量は3〜50質量%であることが好ましい。本発明で使用する乾燥抑止剤としては特に限定はないが、水との混和性がありインクジェットプリンターのヘッドの目詰まり防止効果が得られるものが好ましい。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール モノ−n−ブチルエーテル、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、等が挙げられる。中でも、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールを含むことが安全性を有し、かつインク乾燥性、吐出性能に優れた効果が見られる。
なお、該乾燥防止剤は、水性顔料分散体で使用する前述の湿潤剤と同じ化合物を使用することができる。従って水性顔料分散体に既に湿潤剤を使用している場合、乾燥防止剤としての役割を兼ねることできる。
前記浸透剤は、被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として添加する。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。インク中の浸透剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。
前記界面活性剤は、表面張力等のインク特性を調整するために添加する。このために添加することのできる界面活性剤は特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
インクジェット記録用水性インクの記録媒体としては特に限定はなく、複写機で一般的に使用されているコピー用紙(PPC紙)等の吸収性の記録媒体、インクの吸収層を有する記録媒体、インクの吸収性を有しない非吸水性の記録媒体、インクの吸水性の低い難吸収性の記録媒体などがありうる。
前記プラスチックフィルムの膜厚は用途に応じて適宜変更されるが、例えば軟包装用途である場合は、柔軟性と耐久性、耐カール性を有しているものとして、膜厚が10μm〜100μmであることが好ましい。より好ましくは10μm〜30μmである。この具体例としては、東洋紡株式会社のパイレン(登録商標)などが挙げられる。
アニオン性基を有するアクリル系共重合体としては、スチレン−アクリル酸系共重合体(SA1)を使用した。具体的には、溶液重合で作製された粉体状(直径1mm以下)の樹脂であり、モノマー組成比において、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸/ブチルアクリレート=83/7.35/9.55/0.1(質量比)、重量平均分子量11,000、酸価120mgKOH/gのスチレンアクリル酸系共重合体(SA1)を使用した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SLC−6B
オートインジェクター:S1L−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:THF
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
アニオン性基を有するウレタン樹脂としては、次の方法で合成したウレタン樹脂(U1)を使用した。即ち、温度計、窒素ガス導入管、攪拌器を備えた窒素置換された容器中で、2,2―ジメチロールプロピオン酸103.07質量部、及びイソホロンジイソシアネート233.91質量部を、有機溶剤としてのメチルエチルケトン336.98質量部の存在下で反応させ、分子両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した後、メチルエチルケトン178.91質量部と「PTMG2000」(三菱化学株式会社製のポリオキシテトラメチレングリコール、数平均分子量2,000、平均付加モル数(一般式(I)中のn);27.5)621.19質量部を追加し、更に反応を継続した。
反応物の重量平均分子量が35,000〜39,000の範囲に達した時点で、メタノール6.91質量部投入することで反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトン199.99質量部を追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に50質量%水酸化カリウム水溶液を83.66質量部加えることで前記ポリウレタンが有するカルボキシル基の一部または全部を中和し、さらに水4241.35質量部を加え十分に攪拌することにより、重量平均分子量37,000、酸価55であるウレタン樹脂の水分散体を得た。
最後に、前記ウレタン樹脂の水分散体をエージング、脱溶剤し、水を加えることで不揮発分を調整することにより、不揮発分20質量%のウレタン樹脂(U1)の水溶液を得た。
(実施例1)
(アニオン性基を有するアクリル系共重合体の第一層の形成方法)
スチレン−アクリル酸系共重合体(SA1)を10質量部、キナクリドン系顔料として「FASTOGEN Super Magenta RY(DIC社製)略称:RY」50質量部を、プラネタリーミキサー(商品名:ケミカルミキサーACM04LVTJ−B 株式会社愛工舎製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が80℃に達した後、自転回転数:80回転/分、公転回転数:25回転/分で混練を行った。5分後、トリエチレングリコールを35質量部、34質量%水酸化カリウム水溶液を3.5質量部加えた。なおこの時の水の量は、固形分に対して3.8質量%である。プラネタリーミキサーの電流値が最大電流値を示してから120分を経過した時点まで混練を継続し混合物を得た。
得られた混合物80質量部をジャケットから取出し、1cm角状に切断した後、市販のジューサーミキサーに入れた。そこにイオン交換水81質量部を加え10分間ミキサーにかけて混合、希釈しイオン交換水に分散させた。
さらにイオン交換水とトリエチレングリコールを加え、キナクリドン系顔料濃度15.5質量%の、アニオン性基を有するアクリル系共重合体(SA1)の第一層のみが形成されたコアシェル一層型変性顔料(S1)の水分散体(S1)を得た。
前記コアシェル一層型変性顔料(S1)の水分散体(S1)に、固形分濃度20%のウレタン樹脂(U1)水溶液を添加し、スターラーで攪拌した。前記有機高分子の層が、顔料に接するアニオン性基を有するアクリル系共重合体(SA1)の第一層と、該第一の層に接し最外層となるアニオン性基を有するウレタン樹脂(U1)の第二層が形成されたコアシェル二層型変性顔料の水分散体を得た。
(アニオン性基を有するアクリル系共重合体(SA1)の試験液Aの調整方法)
スチレン−アクリル酸系共重合体(SA1)50gと、イオン交換水178gと、34質量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液22gとを加え、加熱しながら良く撹拌し、樹脂固形分20質量%の水溶液を得た。得られた水溶液に、純水、塩化カリウム(以後KClと称す)水溶液を加え、樹脂濃度0.15質量%且つKCl濃度0.5質量%の樹脂水溶液を調整した。
KCl濃度0.5質量%であり、樹脂濃度が0.3質量%、0.6質量%、0.9質量%である樹脂水溶液も同様に調整した。
前記ウレタン樹脂(U1)の水溶液に、純水、塩化カリウム(以後KClと称す)水溶液を加え、樹脂濃度0.15質量%且つKCl濃度0.5質量%の樹脂水溶液を調整した。
KCl濃度0.5質量%であり、樹脂濃度が0.3質量%、0.6質量%、0.9質量%である樹脂水溶液も同様に調整した。
コロイド滴定装置は、粒子電荷計PCD−04(スペクトリス社製)を用いた。テフロン(テフロンは登録商標である)製の試料セルおよび移動ピストンを用い、試料セルの白金電極で±2500mVの範囲の流動電位を計測した。該試料をセルに入れ、電位がマイナスであることを確認した後、プラス電荷を有する滴定液(0.01N,Poly−DADMAC)で滴定した。電荷量の滴定は、試料セルと移動ピストンの動きにより生じる電位差、すなわち液体の流動電位を基に行った。
流動電位がゼロを超えた(電位が正になった)ところで滴定を終了した。
電位がゼロに達したときの滴下量Vと、滴定液の濃度cとから、試験液1g当たりの電荷量Q[C/g]を、以下の式(1)で求めた。あらかじめ濃度既知の樹脂水溶液10gを滴定し、試験液1g当たりの電荷量との相関から、図1に示す検量線グラフA(符号1に相当)、検量線グラフB(符号2に相当)((n≧4、r2≧0.90)を作成した。
V:消費した滴定液の量[L]
c:滴定液の濃度[N]
F:ファラデー係数[96485C/eq])
m:アニオン性基を有する樹脂を含む水溶液[g]
実施例1で得たコアシェル二層型変性顔料の水分散体に、純水、塩化カリウム水溶液を加え、顔料濃度3質量%、KCl濃度0.5質量%の溶液を調整し、前記と同様にコロイド滴定を行った。
横軸を顔料重量に対するウレタン樹脂量比[R/P]、縦軸を試験液1g当たりの電荷量としてプロットし、最小二乗法による寄与率r2が0.95以上となるように原点から少なくとも4点以上の測定点(原点を含む)を選択し、線形近似式(2)を得た。(図3符合5)
(R/P):顔料重量に対するウレタン樹脂含有量比
A:最小二乗法から算出された線形近似式の傾き
B:最小二乗法から算出された線形近似式の切片
(R/P):顔料重量に対するウレタン含有量比
C:最小二乗法から算出された線形近似式の傾き
D:最小二乗法から算出された線形近似式の切片
前記アニオン性基を有するウレタン樹脂の第二層の形成方法として、スターラーで攪拌するのではなく、ジルコニアビーズ(1.25mm径)を加えてペイントシェーカーで30分間振とうした以外は実施例1と同様にして、コアシェル二層型変性顔料(A2)の水分散体(AD2)を得た。
ウレタン樹脂(U1)の飽和吸着量の41%となるウレタン樹脂(U1)を使用した以外は実施例1と同様にしてコアシェル二層型変性顔料(A3)の水分散体(AD3)を得た。
ウレタン樹脂(U1)の飽和吸着量の166%となるウレタン樹脂(U1)を使用した以外は実施例1と同様にしてコアシェル二層型変性顔料(H1)の水分散体(HD1)を得た。
ウレタン樹脂(U1)を使用しない以外は実施例1と同様にしてコアシェル一層型変性顔料(H2)の水分散体(HD2)を得た。
実施例及び比較例で得たコアシェル二層型変性顔料が二層を有しているかどうかは、ゼータ電位により判断した。
実施例1で得たコアシェル二層型変性顔料(A1)の水分散体(AD1)を、10mM KCl水溶液で1000倍希釈し、ゼータサイザーナノZSP(マルバーン社製)を用いてpH=7±0.3の範囲でゼータ電位を測定した。ゼータ電位は3点測定した平均値を採用した。
同様に、実施例2〜3、比較例1〜2で得たコアシェル二層型変性顔料の水分散体のデータ電位を測定した。
アニオン性基を有するアクリル系共重合体(SA1)が最表層となっている場合のゼータ電位は−40mVであり、アニオン性基を有するウレタン樹脂(U1)が最表層となっている場合のゼータ電位は−50mVである。この値を元に、ゼータ電位が−40mVに近いものはアニオン性基を有するウレタン樹脂の第二層が形成されておらずアクリル系共重合体の第一層が最表層となっており、ゼータ電位が−50mVに近いものはアニオン性基を有するウレタン樹脂の第二層が形成され最表層となっていると判断した。
結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得たコアシェル二層型変性顔料の水分散体を使用して、顔料濃度6質量%のインクジェット記録用水性インク(A1)〜(A3)、(H1)〜(H2)を作製した。組成は以下の通りである。
コアシェル型変性顔料の水分散体:50質量部
2−ピロリジノン:8質量部
トリエチレングリコール:4質量部
トリエチレングリコール モノ−n−ブチルエーテル:8質量部
精製グリセリン:3質量部
サーフィノール440 (エアープロダクツ社製):0.5質量部
イオン交換水:26.5質量部
各インクジェット記録用水性インクを、市販のインクジェットプリンターのカートリッジに充填し、インクジェット専用紙に特定のパターンをドラフトモードで印刷した。得られた印刷物の同一画像の中で最も色濃度の高い箇所および最も低い箇所を、X−Rite社製Spectoroscanで測色した。得られた測色結果からc*(彩度)をL*(明度)で除した値(c*/L*)を算出し、上記2点の測定箇所における(c*/L*)の比を下記判定基準で評価した。結果を表2に示す。
◎: (c*/L*)比が、5%未満
○: (c*/L*)比が、10%未満
×: (c*/L*)比が、10%以上
インクジェットプリンターで印刷した評価用パターンの印刷部1cmを含む計2cmの直線をアルカリ性水性蛍光ペンで連続して3回重ね描きし、白紙部に描画した部分を測色系(BYK社製micro−haze plus)でマゼンタ色のODを測定した(1)。印刷部を含まない白紙部分にも同様に蛍光ペンで3回重ね描きし、マゼンタ色のODを測定した(2)。上記2点における値の差分([(1)−(2)])を評価値とした。結果を表2に示す。
○: OD差が、0.1未満
×: OD差が、0.1以上
一方比較例1は、ウレタン樹脂が飽和吸着量を上回って配合された例であるが、印刷濃度均一性試験において色むらが生じた。これは配合したウレタン樹脂の一部がインク中に遊離して存在し、色むらとなったものと推定される。一方比較例2はウレタン樹脂が配合されていない例であるが、これは耐マーカー性試験に劣る結果となった。
2:実施例で使用したウレタン系樹脂のグラフB
3:前記グラフAと前記グラフBとを足したグラフA+B
4:コアシェル二層型変性顔料の水分散体のグラフC
5:線形近似式(2)のグラフ
6:線形近似式(3)のグラフ
7:変曲点P
Claims (4)
- コア部分である顔料にシェル部分となる樹脂の層が存在するコアシェル型変性顔料であって、
前記樹脂の層が、顔料に接するアニオン性基を有するアクリル系共重合体の第一層と、該第一の層に接し最外層となるアニオン性基を有するウレタン樹脂の第二層とを含み、前記アニオン性基を有するウレタン樹脂が、飽和吸着量の40〜150%の範囲であることを特徴とするコアシェル型変性顔料。 - 前記アニオン性基を有するアクリル系共重合体が酸価10〜400の範囲のスチレン−アクリル酸系共重合体であり、前記顔料に対し1〜100重量%含む請求項1に記載のコアシェル型変性顔料。
- 前記アニオン性基を有するウレタン樹脂が酸価0〜150の範囲であり、前記顔料に対し1〜100重量%含む請求項1に記載のコアシェル型変性顔料。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のコアシェル型変性顔料、及び水性媒体を含有することを特徴とする水性顔料分散体。
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