JP6861793B2 - 反射層の製造方法 - Google Patents
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Description
より具体的には、通常、コレステリック液晶相を固定してなる層の表面の法線方向から光が入射した際には、右円偏光および左円偏光のいずれか一方が選択的に反射される。その際、反射が法線方向のみならず、斜め方向へもなされると、斜め方向からの視認性の向上に繋がる。つまり、反射層は、入射光が様々な方向に反射する特性(いわゆる、拡散反射性)に優れることが求められる。
本発明者らは、特許文献1に記載のラビング処理を施していない配向膜を用いて反射層を作製し、その拡散反射性について検討を行ったところ、拡散反射性が昨今の要求レベルを満たしておらず、更なる改良が必要であった。
すなわち、下記構成により、上記課題が解決できることを見出した。
重合性基を有する液晶化合物およびキラル剤を含む組成物層を形成し、形成された組成物層の断面において走査型電子顕微鏡にて観察されるコレステリック液晶相由来の明部および暗部を波状に変化させる処理を実施する工程1と、
工程1で得られた組成物層に対して固定化処理を施す工程2と、を有し、
工程2の固定化処理の際に、組成物層を構成する組成物の粘度が2000mPa・s以上である、反射層の製造方法。
(2) 粘度が10000mPa・s以上である、(1)に記載の反射層の製造方法。
(3) 粘度が15000mPa・s以上である、(1)または(2)に記載の反射層の製造方法。
(4) 固定化処理が、光照射処理である、(1)〜(3)のいずれかに記載の反射層の製造方法。
(5) 工程1中の処理が、組成物層に含まれるキラル剤の螺旋誘起力を変化させる処理である、(1)〜(4)のいずれかに記載の反射層の製造方法。
(6) 工程1中の処理が、組成物層の冷却または加熱を行い、組成物層に含まれるキラル剤の螺旋誘起力を変化させる処理である、(1)〜(5)のいずれかに記載の反射層の製造方法。
(7) 工程1中の処理が、組成物層を加熱して液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とし、その後、組成物層に含まれるキラル剤の螺旋誘起力が5%以上上昇するように組成物層を冷却する処理である、(5)または(6)に記載の反射層の製造方法。
(8) 組成物層を冷却する際に、組成物層の温度が30℃以上下がるように、組成物層を冷却する、(7)に記載の反射層の製造方法。
(9) 工程1中の処理が、組成物層に電圧を印加する処理である、(1)〜(4)のいずれかに記載の反射層の製造方法。
(10) 液晶化合物が、複数の重合性基を有する、(1)〜(9)のいずれかに記載の反射層の製造方法。
(11) 組成物層中における液晶化合物の含有量が、60質量%以上である、(1)〜(10)のいずれかに記載の反射層の製造方法。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を表す表記であり、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の両方を表す表記であり、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルの両方を表す表記である。
図1中の2つの明部14と3つの暗部16とで、螺旋1ピッチ分に相当する。
一般的に、図1に示すように、明部14および暗部16の縞模様(層状構造)は基板10の表面と平行となるように形成される。言い換えれば、明部14をなす線(連続線)および暗部16をなす線(連続線)は、組成物の層12aの表面と平行になる。このような態様の場合、コレステリック液晶相状態の組成物の層12aの法線方向から光が入射される場合、法線方向に光は反射されるが、斜め方向には光は反射されにくく、拡散反射性に劣る(図1中の矢印参照)。
上記のような反射層を製造する本発明の製造方法においては、所定の処理によって組成物層中のコレステリック液晶相由来の明部および暗部を波状になるように変化させ、その状態の組成物層に固定化処理を施し、所定の反射層を製造する。特に、上記固定化処理の際に、組成物層を構成する組成物の粘度が所定値以上である場合、工程1において得られたコレステリック液晶相由来の明部および暗部を波状構造が維持されたまま固定化されやすく、拡散反射性に優れる反射層が得られやすい。
工程1:重合性基を有する液晶化合物およびキラル剤を含む組成物層を形成し、形成された組成物層の断面において走査型電子顕微鏡にて観察されるコレステリック液晶相由来の明部および暗部を波状に変化させる処理を実施する工程
工程2:工程1で得られた組成物層に対して固定化処理を施す工程
以下、各工程で使用される材料、および、各工程の手順について詳述する。
工程1は、重合性基を有する液晶化合物およびキラル剤を含む組成物層を形成し、形成された組成物層の断面において走査型電子顕微鏡にて観察されるコレステリック液晶相由来の明部および暗部を波状に変化させる処理を実施する工程である。
以下では、まず、本工程で使用される材料および部材について詳述し、その後、工程の手順について詳述する。
液晶化合物の種類は、特に制限されない。
一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(ディスコティック液晶化合物、円盤状液晶化合物)とに分類できる。さらに、棒状タイプおよび円盤状タイプには、それぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできる。また、2種以上の液晶化合物を併用してもよい。
重合性基の数は特に制限されず、1個以上であればよい。なかでも、反射層の拡散反射性がより優れる点で、重合性基の数は複数個であることが好ましく、2〜6個であることがより好ましく、2〜4個であることがさらに好ましい。
また、棒状タイプの液晶化合物を用いる場合、粘度を制御する観点で、液晶化合物中のメソゲン基のコア部に含まれる環数が4環以上の化合物が好ましく、5環以上の化合物がさらに好ましい。
Aは、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基を示し、
Lは、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH2)2OC(=O)−、−C(=O)O(CH2)2−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、−OC(=O)−CH=CH−、−CH=N−N=CH−、−C=N−、−N=C−、−C≡C−、および、−NH−からなる群から選択される連結基を示し、
mは3〜12の整数を示し、
Sp1およびSp2は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示し、
Q1およびQ2は、それぞれ独立に、水素原子、または、以下の式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示し、ただしQ1およびQ2のいずれか一方は重合性基を示す;
m個のAは、互いに同一でも異なっていてもよい。
なお、Aとして置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基が含まれる場合、反射層の拡散反射性がより優れる点で、Aで表される置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基の数をmで割った数をmcとしたとき、mc>0.1を満たす液晶化合物が好ましく、0.4≦mc≦0.8を満たす液晶化合物であることがより好ましい。
なお、上記mcは、以下の計算式で表される数である。
mc=(Aで表される置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基の数)÷m
Q3およびQ4はそれぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示す。
m個のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
L11は単結合、−C(=O)O−、または、−OC(=O)−を示し、
L12は−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NR2−、または、−NR2C(=O)−を示し、
R2は、水素原子、または、炭素数1から3のアルキル基を示し、
Z11およびZ12は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、または、−C(=O)NR12−、−NR12C(=O)−を示し、
R12は水素原子または−Sp12−Q12を示し、
Sp11およびSp12は、それぞれ独立に、単結合、Q11で置換されていてもよい炭素数1から12の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、または、Q11で置換されていてもよい炭素数1から12の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において、いずれか1つ以上の−CH2−を−O−、−S−、−NH−、−N(Q11)−、または、−C(=O)−に置き換えて得られる連結基を示し、
Q11は水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示し、
Q12は水素原子または式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示し、
l11は0〜2の整数を示し、
m11は1または2の整数を示し、
n11は1〜3の整数を示し、
複数のR11、複数のL11、複数のL12、複数のl11、複数のZ11、複数のSp11、および、複数のQ11はそれぞれ互いに同じでも異なっていてもよい。
また、式(I−11)で表される液晶化合物は、R11として、Q12が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である−Z12−Sp12−Q12を少なくとも1つ含む。
また、式(I−11)で表される液晶化合物は、Z11が−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NR12−または−NR12C(=O)−、および、Q11が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である−Z11−Sp11−Q11であるのが好ましい。また、式(I−11)で表される液晶化合物は、R11として、Z12が−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NR12−または−NR12C(=O)−、および、Q12が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である−Z12−Sp12−Q12であるのが好ましい。
式(I−11)で表される液晶化合物の好適態様としては、L11が単結合、l11が1(ジシクロヘキシル基)、かつ、Q11が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である化合物が挙げられる。
式(I−11)で表される液晶化合物の他の好適態様としては、m11が2、l11が0、かつ、2つのR11がいずれも−Z12−Sp12−Q12を表し、Q12が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である化合物が挙げられる。
上記置換基はいずれもそれぞれ独立に、−CO−X21−Sp23−Q23、アルキル基、およびアルコキシ基からなる群から選択される1から4個の置換基であり、
m21は1または2の整数を示し、n21は0または1の整数を示し、
m21が2を示すときn21は0を示し、
m21が2を示すとき2つのZ21は同一であっても異なっていてもよく、
Z21およびZ22の少なくともいずれか一つは置換基を有していてもよいフェニレン基であり、
L21、L22、L23およびL24はそれぞれ独立に、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH2)2OC(=O)−、−C(=O)O(CH2)2−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
X21は−O−、−S−、もしくは−N(Sp25−Q25)−を示すか、または、Q23およびSp23と共に環構造を形成する窒素原子を示し、
r21は1から4の整数を示し、
Sp21、Sp22、Sp23、およびSp25はそれぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示し、
Q21およびQ22はそれぞれ独立に、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、
Q23は水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基、または、X21がQ23およびSp23と共に環構造を形成する窒素原子である場合において単結合を示し、
Q25は、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、Sp25が単結合のとき、Q25は水素原子ではない。
n31およびn32はそれぞれ独立に、0〜4の整数を示し、
X31は単結合、−O−、−S−、もしくは−N(Sp34−Q34)−を示すか、または、Q33およびSp33と共に環構造を形成している窒素原子を示し、
Z31は、置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、
Z32は、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、または、置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、
上記置換基はいずれもそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、および、−C(=O)−X31−Sp33−Q33からなる群から選択される1から4個の置換基であり、
m31は1または2の整数を示し、m32は0〜2の整数を示し、
m31およびm32が2を示すとき2つのZ31、Z32は同一であっても異なっていてもよく、
L31およびL32はそれぞれ独立に、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH2)2OC(=O)−、−C(=O)O(CH2)2−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
Sp31、Sp32、Sp33およびSp34は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示し、
Q31およびQ32はそれぞれ独立に、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、
Q33およびQ34はそれぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、Q33はX31およびSp33と共に環構造を形成している場合において、単結合を示してもよく、Sp34が単結合のとき、Q34は水素原子ではない。
式(I−31)で表される液晶化合物として、特に好ましい化合物としては、Z32がフェニレン基である化合物およびm32が0である化合物が挙げられる。
Q3およびQ4はそれぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示す。
L1、L2およびL3はそれぞれ独立に、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH2)2OC(=O)−、−C(=O)O(CH2)2−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
n1およびn2はそれぞれ独立に、0から9の整数を示し、かつn1+n2は9以下である。
Q1、Q2、Sp1、および、Sp2の定義は、上記式(I)中の各基の定義と同義である。X3、Sp3、Q3、R1、および、R2の定義は、上記式(II)中の各基の定義と同義である。
なかでも、上記式(I)で表される液晶化合物であって、0.4≦mc≦0.8を満たす液晶化合物と共に、式(I)で表される液晶化合物であって、0.1<mc<0.3を満たす液晶化合物を用いるのが好ましい。
Z1は、−C(=O)−、−O−C(=O)−、または単結合を表し;
Z2は、−C(=O)−、または、−C(=O)−CH=CH−を表し;
R1は、水素原子またはメチル基を表し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、ビニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、アセトキシ基、N−アセチルアミド基、アクリロイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、マレイミド基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、アリルオキシカルバモイル基、アルキル基の炭素数が1〜4であるN−アルキルオキシカルバモイル基、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基、N−(2−アクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基、または、下記式(IV−2)で表される基を表し;
L1、L2、L3およびL4は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜4のアシル基、ハロゲン原子または水素原子を表し、L1、L2、L3およびL4のうち少なくとも1つは水素原子以外の基を表す。
−Z5−T−Sp−P 式(IV−2)
式(IV−2)中、Pはアクリル基、メタクリル基または水素原子を表し、Z5は単結合、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NR1−(R1は水素原子またはメチル基を表す)、−NR1C(=O)−、−C(=O)S−、または、−SC(=O)−を表し、Tは1,4−フェニレンを表し、Spは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族基を表し、該脂肪族基中の1つのCH2または隣接していない2以上のCH2は、−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−または−OC(=O)O−で置換されていてもよい。
R11は水素原子またはメチル基を表し;
Z12は、−C(=O)−、または、−C(=O)−CH=CH−を表し;
R12は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、または下記式(IV−3)で表される基を表す。
−Z51−T−Sp−P 式(IV−3)
式(IV−3)中、Pはアクリル基またはメタクリル基を表し;
Z51は−C(=O)O−、または、−OC(=O)−を表し;
Tは1,4−フェニレンを表し;
Spは置換基を有していてもよい炭素数2〜6の2価の脂肪族基を表し、該脂肪族基中の1つのCH2または隣接していない2以上のCH2は、−O−、−OC(=O)−、−C(=O)O−または−O(=O)OO−で置換されていてもよい。
上記n1は3〜6の整数を表し、3または4であることが好ましい。
上記Z12は、−C(=O)−、または、−C(=O)−CH=CH−を表し、−C(=O)−を表すことが好ましい。
上記R12は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、または上記式(IV−3)で表される基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、または上記式(IV−3)で表される基を表すことがより好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、または上記式(IV−3)で表される基を表すことがさらに好ましい。
式(IV)で表される化合物の具体例としては、以下で例示される化合物が挙げられる。
Z4は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し;
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、置換基を有していてもよい芳香環基、シクロヘキシル基、ビニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、アセトキシ基、アクリロイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、マレイミド基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、アリルオキシカルバモイル基、アルキル基の炭素数が1〜4であるN−アルキルオキシカルバモイル基、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基、N−(2−アクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基または下記式(VI−2)で表される基を表し;
L5、L6、L7およびL8は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜4のアシル基、ハロゲン原子または水素原子を表し、L5、L6、L7およびL8のうち少なくとも1つは水素原子以外の基を表す。
−Z5−T−Sp−P 式(VI−2)
式(VI−2)中、Pはアクリル基、メタクリル基または水素原子を表し、Z5は−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NR1−(R1は水素原子またはメチル基を表す)、−NR1C(=O)−、−C(=O)S−、または−SC(=O)−を表し、Tは1,4−フェニレンを表し、Spは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族基を表し、該脂肪族基中の1つのCH2または隣接していない2以上のCH2は、−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−または−OC(=O)O−で置換されていてもよい。
Z14は、−C(=O)−または−CH=CH−C(=O)−を表し;
R13およびR14は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、または上記式(IV−3)で表される基を表す。
上記Z13は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し、−C(=O)−を表すことが好ましい。
R13およびR14は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基または上記式(IV−3)で表される基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、または上記式(IV−3)で表される基を表すことが好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、または上記式(IV−3)で表される基を表すことがさらに好ましい。
Z5は、−C(=O)−、−OC(=O)−または単結合を表し;
Z6は、−C(=O)−、−C(=O)O−または単結合を表し;
R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し;
L9、L10、L11およびL12は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜4のアシル基、ハロゲン原子または水素原子を表し、L9、L10、L11およびL12のうち少なくとも1つは水素原子以外の基を表す。
R15およびR16は各々独立して、水素原子またはメチル基を表す。
式(IX)中、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、上記R15およびR16が水素原子を表すことが好ましい。
キラル剤の種類は、特に制限されない。キラル剤は液晶性であっても、非液晶性であってもよい。キラル剤は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択できる。キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含む。ただし、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物を、キラル剤として用いることもできる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン、および、これらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。
このような強い捩れ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2002−302487号公報、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002―179668号公報、特開2002―179670号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−180051号公報、特開昭62―81354号公報、WO2002/006195号、特開2011−241215号公報、特開2003−287623号公報、および特開2014−034581号公報に記載のキラル剤、ならびに、BASF社製のLC−756などが挙げられる。
組成物層には、液晶化合物およびキラル剤以外の他の成分が含まれていてもよい。
組成物層は、重合開始剤を含んでいてもよい。
重合開始剤としては、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)などが挙げられる。
組成物層中での重合開始剤の含有量は特に制限されないが、液晶化合物全質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
組成物層は、配向制御剤を含んでいてもよい。組成物層に配向制御剤が含まれることにより、安定的または迅速なコレステリック液晶相の形成が可能となる。
配向制御剤としては、例えば、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、WO2011/162291号に記載の一般式(X1)〜(X3)で表される化合物、特開2012−211306号広報の段落[0007]〜[0029]に記載の化合物、特開2013−47204号公報の段落[0020]〜[0031]に記載の化合物、WO2016/009648号の段落[0165]〜[0170]に記載の化合物、WO2016/092844号の段落[0077]〜[0081]および特許第4592225号広報に記載の一般式(Cy201)〜(Cy211)などが挙げられる。これらの化合物は、層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減または実質的に水平配向させることができる。なお、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20°未満の配向を意味するものとする。
配向制御剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
組成物層中での配向制御剤の含有量は特に制限されないが、液晶化合物全質量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
組成物層は、1種または2種類以上の、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤、安定剤、可塑剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、消泡剤、レべリング剤、増粘剤、難燃剤、界面活性物質、分散剤、ならびに、染料および顔料などの色材、などの他の添加剤を含んでいてもよい。
増粘剤としては、液晶の配向を大きく乱すことなく粘度を増大できるものが好ましく、例えば、メソゲン構造を有するポリマーなどが好ましい。
また、例えば、水素結合性の官能基を有する化合物も好ましい。水素結合性の官能基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、アミド基、ウレタン基、または、ウレア基などが好ましい。
工程1では、まず、上述した組成物層を用意する。
組成物層の製造方法は特に制限されず、例えば、液晶化合物およびキラル剤を含む組成物を基板上に塗布して、組成物層を形成する方法が挙げられる。
基板を構成する材料は特に制限されず、例えば、セルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、アミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、および、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマーなどが挙げられる。
基板には、UV(紫外線)吸収剤、マット剤微粒子、可塑剤、劣化防止剤、および、剥離剤などの各種添加剤が含まれていてもよい。
なお、基板は、可視光領域で低複屈折性であることが好ましい。例えば、基板の波長550nmにおける位相差は50nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。
基板の厚さは特に制限されないが、薄型化、および、取り扱い性の点から、10〜200μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
上記厚さは平均厚さを意図し、基板の任意の5点の厚さを測定し、それらを算術平均したものである。
溶媒としては、水または有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ピリジンなどのヘテロ環化合物;ベンゼン、および、ヘキサンなどの炭化水素;クロロホルム、および、ジクロロメタンなどのアルキルハライド類;酢酸メチル、酢酸ブチル、および、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、および、シクロペンタノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、および、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;1,4−ブタンジオールジアセテート;などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて、塗布後に、基板上に塗布された組成物を乾燥する処理を実施してもよい。乾燥処理を実施することにより、塗布された組成物から溶媒を除去できる。
より具体的には、通常、上記手順によって形成された組成物層の断面においては、コレステリック液晶相由来の明部および暗部が組成物層の表面(言い換えれば、基板の表面)に対して平行となっている(図1参照)。すなわち、明部をなす線(連続線)および暗部をなす線(連続線)が共に、組成物層の表面に対して平行となるように直線状となっている。このような組成物層に対して、所定の処理を施すことにより、コレステリック液晶相由来の明部および暗部が波状となるように変化させる(図2参照)。すなわち、所定の処理を施すことにより、組成物層の断面において走査型電子顕微鏡にて観察されるコレステリック液晶相由来の明部(明部をなす線)および暗部(暗部をなす線)をそれぞれ直線状から波状に変化させる。
式(1) HTP=1/(螺旋ピッチの長さ(単位:μm)×キラル剤の濃度)
螺旋ピッチの長さとは、組成物層中におけるコレステリック液晶相の螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)の長さをいい、液晶便覧(丸善株式会社出版)の196ページに記載の方法で測定できる。また、キラル剤の濃度とは、組成物層中の全固形分に対するキラル剤の濃度(質量%)を意図する。
なお、上記HTPの値は、キラル剤の種類のみならず、組成物層中に含まれる液晶化合物の種類によっても影響を受ける。よって、例えば、所定のキラル剤Xおよび所定の液晶化合物Aを含む組成物と、所定のキラル剤Xおよび所定の液晶化合物Aとは異なる所定の液晶化合物Bを含む組成物とを用意し、同一温度で両者のHTPを測定した場合、その値が異なる場合もある。また、HTPの値は、組成物層中に形成される螺旋ピッチの長さによって異なり、螺旋ピッチの長さは、組成物層の温度によって適宜調節可能である。つまり、組成物層に対して冷却処理または加熱処理を施すことにより、螺旋ピッチの長さを調節できる。
キラル剤の螺旋誘起力が5%以上上昇するとは、組成物層に所定の処理(例えば、冷却処理)を施す前の組成物中のキラル剤の螺旋誘起力をXとし、組成物層に所定の処理(例えば、冷却処理)を施した後の組成物層中のキラル剤の螺旋誘起力をYとした場合、以下の式(2)で表される上昇率Zが5%以上であることを意図する。
式(2):上昇率Z(%)={(Y−X)/X}×100
上昇率Zは5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。反射層の拡散反射性がより優れる点で、12%以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、40%以下の場合が多い。
特に、好ましい態様としては、組成物層を加熱して液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とし、その後、組成物層に含まれるキラル剤の螺旋誘起力が変化するように(好ましくは、10%以上上昇するように)組成物層を冷却する処理が挙げられる。
以下、上記好ましい態様について詳述する。
また、コレステリック液晶相の状態とした組成物層を冷却する際には、キラル剤の螺旋誘起力が10%以上上昇するように、組成物を冷却するのが好ましい。
組成物を冷却する際には、反射層の拡散反射性がより優れる点で、組成物層の温度が30℃以上下がるように、組成物層を冷却することが好ましい。なかでも、上記効果がより優れる点で、40℃以上下がるように組成物層を冷却することが好ましく、50℃以上下がるように組成物層を冷却することがより好ましい。上記冷却処理の低減温度幅の上限値は特に制限されないが、通常、70℃程度である。
なお、上記冷却処理は、言い換えると、冷却前のコレステリック液晶相の状態の組成物層の温度をT℃とする場合、T−30℃以下となるように、組成物層を冷却することを意図する。
上記冷却の方法は特に制限されず、組成物層が配置された基板を所定の温度の雰囲気中に静置する方法が挙げられる。
例えば、組成物層に対して電圧を印加する処理も挙げられる。電圧を印加する方法は特に制限されず、ITO(Indium Tin Oxide)付きの水平配向セル内に液晶組成物を充填して、組成物層を形成して、電圧を印加する方法が挙げられる。
また、電圧を印加する方法以外にも、磁場を印加する方法、および、圧力を加える方法なども挙げられる。
工程2は、工程1で得られた組成物層に対して固定化処理を施す工程である。本工程を実施することにより、明部および暗部が波状となったコレステリック液晶相が固定化され、所望の反射層が挙げられる。
つまり、得られる反射層は、コレステリック液晶相を固定してなる層に該当する。
なお、ここで、コレステリック液晶相を「固定化した」状態は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ、好ましい態様である。それだけには制限されず、具体的には、通常0〜50℃、より過酷な条件下では−30〜70℃の温度範囲において、層に流動性がなく、また、外場もしくは外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を意味するものとする。本発明では、後述するように、紫外線照射によって進行する硬化反応により、コレステリック液晶相の配向状態を固定することが好ましい。
なお、コレステリック液晶相を固定してなる層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に層中の組成物がもはや液晶性を示す必要はない。
紫外線照射には、紫外線ランプなどの光源が利用される。
紫外線の照射エネルギー量は特に制限されないが、一般的には、0.1〜0.8J/cm2程度が好ましい。また、紫外線を照射する時間は特に制限されないが、得られる反射層の充分な強度および生産性の双方の観点から適宜決定すればよい。
なかでも、反射層の拡散反射性がより優れる点で、上記粘度は10000mPa・s以上が好ましく、15000mPa・s以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、50000mPa・s以下の場合が多く、40000mPa・s以下の場合がより多い。
特に、上記粘度を達成するためには、組成物層中における液晶化合物の含有量が、上述した好適範囲となっていることが好ましい。また、液晶化合物としては、複数の重合性基を有する液晶化合物であることが好ましい。
なお、上記測定に際しては、組成物層の一部を削り取って測定用のサンプルとして、そのサンプルを用いて固定化処理時の温度における粘度を測定してもよい。また、組成物層を構成する所定の各成分を所定量混合して、測定用のサンプルを作製して、そのサンプルを用いて固定化処理時の温度における粘度を測定してもよい。
なお、上記粘度は固定化処理の際の粘度であり、例えば、30℃の条件下にて固定化処理(例えば、光照射処理)を実施する場合は、30℃での粘度が固定化処理の際の粘度に該当する。
上記製造方法により、図2に示すような、断面SEM観察図において明部と暗部とが波状構造をとる反射層が形成される。
反射層は、コレステリック液晶構造を有し、螺旋軸と反射層の表面とのなす角が周期的に変化する構造を有する層である。つまり、反射層は、コレステリック液晶構造を有し、コレステリック液晶構造は走査型電子顕微鏡にて観測される反射層の断面図において明部と暗部との縞模様を与え、明部および暗部がなす線の法線と反射層の表面となす角が周期的に変化する、反射層である。
例えば、上述した方法によって基板上に所定の選択反射波長を有する反射層Xを形成した後、同様の手順によって、反射層Xとは異なる選択反射波長を有する反射層Yを形成してもよい。
反射層(コレステリック液晶層)は、所定の波状構造を有するコレステリック液晶相(コレステリック液晶構造)を有する層であり、このコレステリック液晶相を固定してなる層であることが好ましい。
反射層は、所定の波長域の光に対して選択反射特性を示す層である。反射層は選択反射波長域において、右円偏光および左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させ、他方のセンスの円偏光を透過させる円偏光選択反射層として機能する。反射層を1層または2層以上含むフィルムは、様々な用途に用いることができる。反射層を2層以上含むフィルムにおいて、各反射層が反射する円偏光のセンスは用途に応じて同じでも逆であってもよい。また、各反射層の後述の選択反射の中心波長も用途に応じて同じでも異なっていてもよい。
また、上記反射層は、光学素子の構成要素である、偏光素子、反射膜、反射防止膜、視野角補償膜、ホログラフィー、および、配向膜など、種々の用途に利用することができる。
以下特に好ましい用途である投映像表示用部材としての用途について説明する。
下記の表1に示す成分を混合して、液晶組成物1〜6を調製した。なお、各成分の量は、全て、質量部である。
ラビング処理を施したPET(poly-ethylene terephthalate)基板(東洋紡製)のラビング処理面に、液晶組成物1を乾燥後の組成物層(塗布層)の厚みが4.5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。組成物層を室温にて50秒間乾燥させた後、90℃の雰囲気で1分間加熱して液晶化合物を配向させた。その後、組成物層に対して30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm2)にて出力80%で8秒間UV(紫外線)照射し、PET基板上に反射層1(コレステリック液晶相を固定化してなる層に該当)を形成した。
なお、上記手順においては、90℃で液晶化合物を配向させた後、30℃まで液晶組成物を冷却しており、この処理が組成物層に含まれるキラル剤の螺旋誘起力を変化させる処理に該当する。液晶組成物中のキラル剤の配向温度(90℃)でのHTPと、UV照射時に冷却された液晶組成物中のキラル剤の固定化温度(30℃)でのHTPとの間のHTP変化率は15%以上であった。なお、上記HTP変化率は、以下の式(3)によって求められる。
式(3):HTP変化率={(液晶組成物中のキラル剤の固定化温度(30℃)でのHTP)−(液晶組成物中のキラル剤の配向温度(90℃)でのHTP)/(液晶組成物中のキラル剤の配向温度(90℃)でのHTP)}×100
なお、固定化処理時の温度(表2中の「固形化時の粘度」)である30℃における組成物層を構成する成分の粘度は、上述した手順に従って測定した。
また、組成物層を室温にて50秒間乾燥させることにより、組成物層から溶媒は実質的に除去された。
表2に従って、液晶組成物の種類、および、固定化温度を変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、反射層を形成した。
得られた反射層を用いて、以下の評価を行った。
得られた反射層を偏光顕微鏡にセットして、落射条件(反射層の上方から光を照射して反射光を観察する条件)にて対物レンズ50倍、接眼レンズ10倍の条件で反射層を観察し、以下の基準に従って評価した。
「S」:アンジュレーション構造がはっきり見える
「A」:アンジュレーション構造が見える
「B」:アンジュレーション構造がうっすらと見える
「C」:アンジュレーション構造が見えない
なお、アンジュレーション構造が見える際には、はっきりとした回折格子状の模様が確認できる。
絶対反射率測定システム付きの分光光度計V−670(日本分光製)に、反射層を光源側に向けてセットし、0°入射30°検出条件にて反射率を測定した。つまり、光源から入射光を反射層表面の法線方向から照射し、反射層表面の法線方向に対して極角θが30°に配置した検出器によって、波長380〜800nmにおける各波長の反射率を測定した。得られたデータ(横軸:波長、縦軸:反射率)から、各波長のピークを積算して得られるピーク面積を算出し、30°反射量として求めた。
なお、上記反射量を求める際には、基板のみを用いた30°反射量を別途測定して、ベースラインとして用いた。
特に、固定化時の粘度が10000mPa・s以上(好ましくは、15000mPa・s以上)の場合、アンジュレーション構造がよりはっきり形成され、拡散反射性がより向上することが確認された。
セルギャップが5μmのITO付きの水平配向セル内に、黄色灯環境下、下記液晶組成物7を90℃にて封入した。その後、封入された液晶組成物7に対して、90℃で1分間配向処理を行った後、30℃まで温度を低下させた。この冷却過程においては、液晶組成物7の液晶化合物およびキラル剤が所定の組み合わせであったため、HTP変化はほとんどなかった。
次に、セルに50Vの電圧を印加したところ、配向観察から、液晶組成物7中においてアンジュレーション構造が形成されたことを確認した。その後、液晶組成物7の温度を30℃にして、フュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm2)にて出力80%で8秒間UV(紫外線)照射し、アンジュレーション構造を固定化し、反射層を得た。反射層の配向観察の結果、アンジュレーション構造が確認できた。
さらに、分光光度計V−670における0°入射30°検出条件の反射ピークの面積(30°反射量)は、10.2であった。
なお、液晶組成物7の30℃での粘度は、14100mPa・sであった。
棒状液晶化合物201 90質量部
棒状液晶化合物203 10質量部
重合開始剤 Irg907(BASF社製) 3質量部
重合増感剤 DETX―S(日本化薬社製) 1質量部
キラル剤LC―756(BASF社製) 4.5質量部
12a コレステリック液晶相状態の組成物の層
12b 反射層
14 明部
16 暗部
Claims (6)
- コレステリック液晶相を固定してなり、断面において走査型電子顕微鏡にて観察されるコレステリック液晶相由来の明部および暗部が波状である反射層の製造方法であって、
重合性基を有する液晶化合物およびキラル剤を含む組成物層を形成し、形成された前記組成物層の断面において走査型電子顕微鏡にて観察されるコレステリック液晶相由来の明部および暗部を波状に変化させる処理を実施する工程1と、
前記工程1で得られた組成物層に対して固定化処理を施す工程2と、を有し、
前記工程1中の前記処理が、前記組成物層を加熱して前記液晶化合物を配向させて、コレステリック液晶相由来の明部および暗部が前記組成物層の表面に対して平行になっているコレステリック液晶相の状態とし、その後、前記組成物層に含まれる前記キラル剤の螺旋誘起力が5%以上上昇するように、前記組成物層の温度が30℃以上下がるように前記組成物層を冷却する処理であり、
前記工程2の固定化処理の際に、前記組成物層を構成する組成物の粘度が2000mPa・s以上である、反射層の製造方法。 - 前記粘度が10000mPa・s以上である、請求項1に記載の反射層の製造方法。
- 前記粘度が15000mPa・s以上である、請求項1または2に記載の反射層の製造方法。
- 前記固定化処理が、光照射処理である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射層の製造方法。
- 前記液晶化合物が、複数の重合性基を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射層の製造方法。
- 前記組成物層中における前記液晶化合物の含有量が、60質量%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射層の製造方法。
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