本発明は、CD73に特異的に結合する単離結合分子又はその抗原結合断片を提供する。一部の態様において、かかる分子は、CD73に特異的に結合する抗体及びその抗原結合断片である。関連するポリヌクレオチド、ベクター、抗CD73抗体又はその抗原結合断片を含む医薬組成物も提供される。また、本明細書に開示される抗CD73抗体及び抗原結合断片の作製方法並びに使用方法、例えば、診断方法及び対象における癌の治療方法(直接療法、アジュバント療法としての、又は併用療法での)も提供される。本発明はまた、本明細書に開示されるCD73結合分子から得られる抗体−薬物コンジュゲートも提供する。
本開示を更に容易に理解し得るように、初めに特定の用語を定義する。追加的な定義は詳細な説明全体を通じて示される。
I.定義
本発明を詳細に説明する前に、この発明が特定の組成物又は方法ステップに限定されず、それらは異なってもよいことが理解されるべきである。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈上特に明確に指示されない限り複数の指示対象を含む。用語「1つの(a)」(又は「1つの(an)」)、並びに用語「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は、本明細書では同義的に使用することができる。
更に、「及び/又は」は、本明細書で使用される場合、2つの指定される特徴又は構成要素の各々の、他方を伴う又は伴わない具体的な開示と解釈されるべきである。従って、用語及び/又は」は、本明細書で「A及び/又はB」などの語句で用いられるとき、「A及びB」、「A又はB」、「A」(単独)、及び「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、用語「及び/又は」は、「A、B、及び/又はC」などの語句で用いられるとき、以下の態様の各々を包含することが意図される:A、B、及びC;A、B、又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);及びC(単独)。
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本開示が関係する技術分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei−Show,2nd ed.,2002,CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press;及びOxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressが、本開示で使用される用語の多くの一般的な辞書を当業者に提供する。
単位、接頭辞、及び記号は、それらの国際単位系(SI)で認められている形式で示される。数値範囲は、その範囲を定義する数を含む。特に指示されない限り、アミノ酸配列は左から右にアミノからカルボキシ方向に記載する。本明細書に提供される見出しは、本明細書を全体として参照することによって有され得る種々の態様の限定ではない。従って、この直後に定義する用語は、本明細書を全体として参照することによって更に十全に定義される。
本明細書において態様が用語「〜を含む(comprising)」を用いて記載される場合は常に、「〜からなる(consisting of)」及び/又は「〜から本質的になる(consisting essentially of)」の用語で記載される他の点では類似の態様も提供されることが理解される。
アミノ酸は、本明細書において、その一般に知られている三文字記号によるか、又はIUPAC−IUB生化学命名委員会(Biochemical Nomenclature Commission)が推奨する一文字記号により参照される。ヌクレオチドも同様に、その一般に認められている一文字コードによって参照される。
用語「CD73ポリペプチド」は、本明細書で使用されるとき、文献中では5’−ヌクレオチダーゼ(5’−NT)又はエクト−5’−ヌクレオチダーゼとも称される、NT5E遺伝子によってコードされるCD73(分化クラスター73)タンパク質を指す。例えば、Misumi et al.Eur.J.Biochem.191(3):563−9(1990)を参照のこと。ヒト型及びマウス型CD73のそれぞれの配列は、Uniprotデータベースで、それぞれ受託番号P21589及びQ61503に基づき入手可能である。
例示的CD73ポリペプチドを以下に提供する。
>sp|P21589|5NTD_ヒト5’−ヌクレオチダーゼ OS=ヒト(Homo sapiens) GN=NT5E PE=1 SV=1
可溶性形態及び膜結合形態のCD73が同定されている。Klemens et al,Biochem.Biophys.Res.Commun.172(3):1371−7(1990)を参照のこと。加えて、幾つかの異なるアイソザイムが同定されている。Rosi et al.Life Sci.62(25):2257−66(1998)を参照のこと。完全長CD73タンパク質は574アミノ酸を含む。成熟CD73タンパク質はシグナル配列(1〜26位)及びプロペプチドのC末端領域(550〜574位)の除去後に産生される。加えて、CD73のアイソフォーム2では選択的スプライシング後にアミノ酸404〜453が除去される。例えば、変異体C358Y、変異体T376A、及び変異体M379Tなど、天然変異体も知られている。Misumi et al.,Eur.J.Biochem.191:563−569(1990);Otsuki et al.DNA Res.12:117−126(2005);Mungall et al.Nature 425:805−811(2003);Hansen et al.Gene 167:307−312(1995);Klemens et al.Biochem.Biophys.Res.Commun.172:1371−1377(1990);Knapp et al.Structure 20:2161−2173(2012);又はSt.Hilaire et al.N.Engl.J.Med.364:432−442(2011)(これらは全て、全体として参照により本明細書に援用される)を参照のこと。
従って、本明細書に開示されるCD73結合分子は、例えば、癌(例えば、乳癌(ホルモン媒介性乳癌を含む、例えば、Innes et al.(2006)Br.J.Cancer 94:1057−1065を参照)、トリプルネガティブ乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、肺癌、メラノーマ、非小細胞癌、リンパ腫、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、及び肉腫)の治療又は診断に使用することができる。加えて、本明細書に開示されるCD73結合分子を使用した患者由来試料(例えば組織液)中のCD73レベルの計測を用いることにより、上述の疾患の発生をモニタし、療法の有効性を評価し、特定の療法による治療に患者を選定し、又は医学的判断を下し、例えば、特定の治療を開始し、終了し、中断し、若しくは修正することができる。
用語「アデノシンA2A受容体(ADORA2A)ポリペプチド」は、本明細書で使用されるとき、NP_000666と少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性を有するタンパク質又はその断片であって、且つアデノシン結合及びGタンパク質シグナル伝達活性を有するタンパク質又はその断片を指す。ヒト型及びマウス型のアデノシンA2A受容体のそれぞれの配列は、Uniprotデータベースにおいて、それぞれ受託番号P29274及びQ60613で利用可能である。
例示的アデノシンA2A受容体ポリペプチドを以下に提供する。
>sp|P29274|AA2AR_ヒトアデノシン受容体A2a OS=ヒト(Homo sapiens) GN=ADORA2A PE=1 SV=2
「SCH58261」とは、以下の構造式:
、CAS 160098−96−4を有し、且つアデノシンA2A受容体結合及び阻害活性を有する小化合物を意味する。
「アデノシンA2A受容体阻害薬(A2ARi)」とは、アデノシンA2A受容体のGタンパク質シグナル伝達活性を阻害する薬剤を意味する。一実施形態において、A2A受容体活性の阻害は、混合リンパ球刺激アッセイでTNFα分泌を計測することによって計測され、ここではTNFαの増加がアデノシンA2A受容体活性の阻害を示す。
「アデノシン5’−(α,β−メチレン)二リン酸(APCP)」とは、以下の構造式:
、CAS 3768−14−7を有し、且つCD73酵素阻害活性を有する小化合物を意味する。
用語「阻害する」、「遮断する」、「抑制する」、及びその文法上の変化形は、本明細書では同義的に使用され、活性の完全な遮断を含め、生物学的活性の任意の統計学的に有意な減少を指す。例えば、「阻害」は、生物学的活性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%の減少を指し得る。従って、例えばCD73の酵素活性に対する効果を記載するために用語「阻害」又は「抑制」が用いられるとき、この用語は、抗CD73抗体又はその抗原結合断片がCD73の5’−ヌクレオチダーゼ活性(アデノシン一リン酸、AMPからアデノシンへの加水分解を異化(catabolizing)する)を、未処理(対照)細胞のCD73媒介性5’−ヌクレオチダーゼ活性と比べて統計学的に有意に減少させる能力を指す。CD73を発現する細胞は天然に存在する細胞若しくは細胞株(例えば癌細胞)であってもよく、又はCD73をコードする核酸を宿主細胞に導入することによって組換え産生されてもよい。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、生体液中の可溶性形態のCD73の5’−ヌクレオチダーゼ活性を統計学的に有意に減少させることができる。一態様において、抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片は、CD73媒介性5’−ヌクレオチダーゼ活性を、例えば以下の実施例に記載する方法及び/又は当該技術分野において公知の方法によって決定するとき少なくとも10%、少なくとも15%、又は少なくとも20%、少なくとも25%、又は少なくとも30%、少なくとも35%、又は少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%、少なくとも55%、又は少なくとも60%、少なくとも65%、又は少なくとも70%、少なくとも75%、又は少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%、少なくとも95%、又は約100%阻害する。
用語「CD73活性を抑制する」は、本明細書で使用されるとき、抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片が、CD73を発現する細胞又はCD73を含有する試料におけるCD73依存性5’−ヌクレオチダーゼ活性を統計学的に有意に減少させる能力を指す。一部の態様において、CD73活性の抑制は、細胞又は試料を本開示の抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片に接触させたとき、抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片の非存在下(対照条件)で計測したCD73活性と比べて少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は少なくとも30%、又は少なくとも35%、又は少なくとも40%、又は少なくとも45%、又は少なくとも50%、又は少なくとも55%、又は少なくとも60%、又は少なくとも65%、又は少なくとも70%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は約100%の減少であり得る。
本明細書で同義的に使用されるとおりの用語「抗体」又は「免疫グロブリン」は、全抗体及びその任意の抗原結合断片若しくは単鎖を含む。
典型的な抗体は、ジスルフィド結合によって相互に接続した少なくとも2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖を含む。各重鎖は重鎖可変領域(本明細書ではVH又はVHと省略する)と重鎖定常領域とを含む。重鎖定常領域は3つのドメイン、CH1、CH2、及びCH3を含む。各軽鎖は軽鎖可変領域(本明細書ではVL又はVLと省略する)と軽鎖定常領域とを含む。軽鎖定常領域は1つのドメイン、CLを含む。VH及びVL領域は、フレームワーク領域(FW)と呼ばれるより保存された領域が間に入った、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域に更に細分することができる。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に以下の順番:FW1、CDR1、FW2、CDR2、FW3、CDR3、FW4で並んだ3つのCDRと4つのFWとを含む。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、種々の免疫系細胞(例えばエフェクター細胞)及び古典的補体系の第1成分(C1q)を含めた宿主組織又は因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介することができる。本開示の例示的抗体としては、抗CD73抗体(オリジナル及び生殖細胞系列化されたもの)、親和性最適化クローン、ADCC欠損最適化抗体、コンジュゲート抗体(例えばADC)、及び他の最適化抗体(例えば、血清半減期最適化抗体、例えばYTE突然変異、Dall’Acqua et al.,J.Biol.Chem.281:23514−24(2006)及び米国特許第7,083,784号明細書(本明細書によって全体として参照により援用される)を参照)が挙げられる。
用語「生殖細胞系列化」は、抗体の特定の位置にあるアミノ酸が生殖細胞系列のものに復帰突然変異することを意味する。
用語「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位を介してタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、又は前述の組み合わせなどの標的を認識し、それに特異的に結合する免疫グロブリン分子を意味する。本明細書で使用されるとき、用語「抗体」は、その抗体が所望の生物学的活性を呈する限りにおいて、インタクトなポリクローナル抗体、インタクトなモノクローナル抗体、抗体断片(Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片など)、単鎖Fv(scFv)突然変異体、少なくとも2つのインタクトな抗体から作成された二重特異性抗体などの多重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原決定部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む任意の他の修飾免疫グロブリン分子を包含する。
抗体は、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと称されるその重鎖定常ドメインのアイデンティティに基づき、5つの主要な免疫グロブリンクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM、又はそのサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)のいずれかのものであり得る。異なる免疫グロブリンクラスは異なる周知のサブユニット構造及び三次元配置を有する。抗体は、ネイキッドであってもよく、又は毒素、放射性同位体等の他の分子にコンジュゲートしてADCを形成してもよい。
「遮断」抗体又は「アンタゴニスト」抗体は、CD73など、それが結合する抗原の生物学的活性を阻害し、又は低下させるものである。特定の態様において、遮断抗体又はアンタゴニスト抗体は抗原の生物学的活性を実質的に又は完全に阻害する。望ましくは、生物学的活性は、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%,少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は更には100%低下する。
用語「CD73抗体」、「CD73に結合する抗体」又は「抗CD73」は、CD73と選択的に結合する能力を有する抗体又はその抗原結合断片を指す。一実施形態において、抗CD73抗体は、その分子がCD73の標的化において治療剤又は診断試薬として有用となるように十分な親和性でCD73と結合する。無関係の非CD73タンパク質に対する抗CD73抗体の結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、BIACORE(商標)(分析物として組換えCD73及びリガンドとして抗体を使用するか、又はその逆)、又は当該技術分野において公知の他の結合アッセイによって計測するときのCD73に対するこの抗体の結合の約10%未満である。特定の態様において、CD73に結合する抗体は、解離定数(KD)が≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦10pM、≦1pM、又は≦0.1pMである。用語「抗CD73」はまた、例えば、足場に組み込まれた、本明細書に開示される抗体のCDRを含む分子も広く包含する。従って、語句「CD73に特異的に結合する単離結合分子又はその抗原結合断片」は、抗体及びその抗原結合断片を指すのみならず、例えば、本明細書に開示される抗体のCDRを組み込む1つ以上の足場(フィブロネクチン又はテネイシン−3由来のフィブロネクチンIII型ドメインなど)を含む分子も指し得る。
一実施形態において、抗CD73抗体は、IgG1 Fcドメインが突然変異L234、L235E及びP331を含み、可溶性CD73及び細胞表面提示型CD73と結合し、且つCD73酵素活性を阻害するようなIgG1−TMフォーマットの抗体を指す。図1A〜図1DはMEDI9447 VH及びVLドメインのヌクレオチド及びアミノ酸配列を提供する。
用語「抗原結合断片」は、インタクトな抗体の一部分を含む分子を指し、詳細には、インタクトな抗体の抗原決定可変領域を含む分子を指す。当該技術分野において、抗体の抗原結合機能が完全長抗体の断片によって果たされ得ることは公知である。抗体断片の例としては、限定はされないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片、線状抗体、一本鎖抗体、及び抗体断片で形成される多重特異性抗体が挙げられる。
「モノクローナル抗体」は、単一の抗原決定基又はエピトープの高度に特異的な認識及び結合に関与する均質な抗体集団を指す。これは、典型的には異なる抗原決定基に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体と対照的である。
用語「モノクローナル抗体」は、インタクトなモノクローナル抗体及び完全長モノクローナル抗体の両方、並びに抗体断片(Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvなど)、単鎖可変断片(scFv)、抗体部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む任意の他の修飾免疫グロブリン分子を包含する。更に、「モノクローナル抗体」は、限定はされないが、ハイブリドーマ、ファージ選択、組換え発現、及びトランスジェニック動物(例えば、トランスジェニックマウスにおけるヒト抗体の発現)によることを含めた、任意の方法で作製されたかかる抗体を指す。
用語「ヒト化抗体」は、最小限の非ヒト(例えばマウス)配列を含むように改変された非ヒト(例えばマウス)免疫グロブリンに由来する抗体を指す。典型的には、ヒト化抗体は、所望の特異性、親和性、及び能力を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラット、ウサギ、又はハムスター)のCDRの残基によってCDRの残基が置き換えられているヒト免疫グロブリンである(Jones et al.,1986,Nature,321:522−525;Riechmann et al.,1988,Nature,332:323−327;Verhoeyen et al.,1988,Science,239:1534−1536)。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク(FW)アミノ酸残基が、所望の特異性、及び/又は親和性、及び/又は能力を有する非ヒト種由来の抗体の対応する残基で置き換えられる。
ヒト化抗体は、抗体の特異性、親和性、及び/又は能力を洗練して最適化するため、Fvフレームワーク領域にあるか、及び/又は置き換えられた非ヒト残基内にある更なる残基の置換によって更に修飾することができる。一般に、ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリンに対応するCDR領域の全て又は実質的に全てを含有する少なくとも1つ、典型的には2つ又は3つの可変ドメインの実質的に全てを含むことになり、一方、FR領域の全て又は実質的に全てはヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域又はドメイン(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれの少なくとも一部分も含み得る。ヒト化抗体の作成に用いられる方法の例が、米国特許第5,225,539号明細書又は同第5,639,641号明細書に記載される。
抗体の「可変領域」は、単独又組み合わせでの抗体軽鎖の可変領域又は抗体重鎖の可変領域を指す。重鎖及び軽鎖の可変領域は、各々、3つのCDR領域によってつながった4つのFW領域からなる。各鎖のCDRはFW領域によって近接して一体に保持されており、他方の鎖のCDRと共に抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。CDRの決定には少なくとも2つの技法がある:(1)異種間配列多様性に基づく手法(即ち、Kabat et al.Sequences of Proteins of Immunological Interest,(5th ed.,1991,National Institutes of Health,Bethesda Md.));及び(2)抗原抗体複合体の結晶学的研究に基づく手法(Al−lazikani et al.(1997)J.Molec.Biol.273:927−948))。加えて、当該技術分野では、CDRの決定にこれらの2つの手法の組み合わせが用いられることもある。
Kabat付番方式は、概して、可変ドメインの残基(およそ軽鎖の残基1〜107及び重鎖の残基1〜113)を参照するときに用いられる(例えば、Kabat et al.,Sequences of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))。
語句「Kabatにあるとおりのアミノ酸位置付番」、「Kabat位置」、及びその文法上の変化形は、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)における抗体の編成の重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインに用いられる付番方式を指す。この付番方式を用いると、実際の線状アミノ酸配列は、可変ドメインのFW又はCDRの短縮、又はそれへの挿入に対応するより少ない又は追加的なアミノ酸を含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に単一のアミノ酸挿入(Kabatによる残基52a)を含み、及び重鎖FW残基82の後に挿入された残基(例えば、Kabatによる残基82a、82b、及び82c等)を含み得る。
残基のKabat付番は、所与の抗体について、相同性領域において抗体の配列を「標準」Kabat付番配列とアラインメントすることにより決定し得る。Chothiaは、その代わりに構造ループの位置を参照する(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901−917(1987))。Kabat付番規則を用いて付番したときのChothia CDR−H1ループの末端は、ループの長さに応じてH32〜H34の間で異なる(これは、Kabat付番スキームがH35A及びH35Bに挿入を置くためである;35Aも35Bも存在しない場合、ループは32で終わり;35Aのみが存在する場合、ループは33で終わり;35A及び35Bの両方が存在する場合、ループは34で終わる)。AbM超可変領域は、Kabat CDRとChothia 構造ループとの妥協案に相当し、Oxford Molecular’s AbM抗体モデリングソフトウェアによって用いられている。
IMGT(ImMunoGeneTics)も、CDRを含めた免疫グロブリン可変領域の付番方式を提供する。例えば、Lefranc,M.P.et al.,Dev.Comp.Immunol.27:55−77(2003)(これは本明細書において参照により援用される)を参照のこと。IMGT付番方式は、5,000を超える配列のアラインメント、構造データ、及び超可変ループの特徴付けに基づいたもので、あらゆる種の可変領域及びCDR領域の容易な比較を可能にする。IMGT付番スキーマによれば、VH−CDR1は26〜35位にあり、VH−CDR2は51〜57位にあり、VH−CDR3は93〜102位にあり、VL−CDR1は27〜32位にあり、VL−CDR2は50〜52位にあり、及びVL−CDR3は89〜97位にある。
EUインデックス又はEU付番方式は、配列決定された最初のヒトIgG(EU抗体)の連続付番に基づく。この規則の最も一般的な参考文献はKabat配列マニュアル(Kabat et al.,1991)であるため、EUインデックスは時にKabatインデックスと同義として誤って使用される。EUインデックスは挿入及び欠失を提供せず、従って場合によってはIgGサブクラス及び種間でのIgG位置の比較が、特にヒンジ領域で不確かとなり得る。それにも関わらず、この規則は、多数のFc構造機能研究においてFc領域間の直接的な比較を可能にするのに十分となっている。従って、本明細書でFc領域における置換及び挿入に用いる付番スキームは、KabatにあるとおりのEUインデックスである。対照的に、本明細書で可変領域(VH及びVL)に用いる付番スキームは、標準的なKabat付番である。
本明細書全体を通じて用いられるとおり、記載されるVH CDR配列は古典的Kabat付番位置に対応し、即ち、Kabat VH−CDR1は31〜35位にあり、VH−CDR2は50〜65位にあり、及びVH−CDR3は95〜102位にある。VL−CDR1、VL−CDR2及びVL−CDR3も古典的Kabat付番位置、即ち、24〜34位、50〜56位及び89〜97位に対応する。
本明細書で使用されるとき、Fc領域は、最初の定常領域免疫グロブリンドメインを除く抗体の定常領域を含むポリペプチドを含む。従って、Fcとは、IgA、IgD、及びIgGの最後2つの定常領域免疫グロブリンドメイン、及びIgE及びIgMの最後3つの定常領域免疫グロブリンドメイン、並びにこれらのドメインのN末端の可動性ヒンジを指す。IgA及びIgMについては、FcはJ鎖を含み得る。IgGについては、Fcは免疫グロブリンドメインCガンマ2及びCガンマ3(Cγ2及びCγ3)並びにCガンマ1(Cγ1)とCガンマ2(Cγ2)との間のヒンジを含む。
Fc領域の境界は様々であり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、そのカルボキシル末端に残基C226又はP230を含むように定義される(ここで付番は、Kabat(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))に規定されるとおりのEUインデックスに従う)。Fcとは、独立してこの領域を指し得るか、又は抗体、抗体断片、若しくはFc融合タンパク質に関連してこの領域を指し得る。幾つもの異なるFc位置に、限定はされないが、EUインデックスによって付番するときの270、272、312、315、356、及び358位を含め、多型が観察されており、従って提示される配列と先行技術の配列との間には少しの差異が存在し得る。
用語「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体、又は当該技術分野において公知の任意の技法(例えば、培養下の細胞における組換え発現、又はトランスジェニック動物における発現)を用いて作製されるヒトによって産生される抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体を意味する。従って、用語のヒト抗体はまた、本来はヒトによって産生される抗体(又はその改変された変異体若しくは誘導体)であるが、非ヒト系で発現する(例えば、化学合成によって作製されるか;微生物、哺乳動物、又は昆虫細胞で組換え発現するか;又は動物対象で発現する)抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体も包含する。従って、ヒト対象又はヒト細胞(例えば、組換え抗体又はその断片を発現するハイブリドーマ又は細胞株)から得られ、続いて動物、例えばマウスで発現する抗体は、ヒト抗体と見なされる。ヒト抗体のこの定義には、インタクトな又は完全長の抗体、その断片、及び/又は少なくとも1つのヒト重鎖及び/又は軽鎖ポリペプチドを含む抗体、例えば、マウス軽鎖及びヒト重鎖ポリペプチドを含む抗体などが含まれる。
用語「キメラ抗体」は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が2つ以上の動物種に由来する抗体を指す。典型的には、軽鎖及び重鎖の両方の可変領域が、所望の特異性、及び/又は親和性、及び/又は能力を有する哺乳動物の1つの種(例えば、マウス、ラット、ウサギ等)に由来する抗体の可変領域に対応し、一方、定常領域が、別の種(通常はヒト)に由来する抗体の配列と同種であり、その種における免疫応答の誘発が回避される。
用語「エピトープ」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に開示されるCD73抗体又はCD73結合分子との結合能を有する抗原タンパク質決定基を指す。エピトープは、通常、アミノ酸又は糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面基からなり、通常、特定の三次元構造特性、並びに特定の電荷特性を有する。抗体又は結合分子のうちのエピトープを認識する部分は、パラトープと呼ばれる。タンパク質抗原のエピトープは、その構造及びパラトープとの相互作用に基づき立体エピトープと線状エピトープとの2つに分類される。立体エピトープは、抗原のアミノ酸配列の不連続なセクションで構成される。これらのエピトープは、抗原の三次元表面特徴及び形状又は三次構造に基づきパラトープと相互作用する。対照的に、線状エピトープは、その一次構造に基づきパラトープと相互作用する。線状エピトープは抗原の連続したアミノ酸配列によって形成される。
用語「抗体結合部位」は、相補的な抗体が特異的に結合する連続又は不連続な部位(即ち、エピトープ)を含む抗原(例えば、CD73)内の領域を指す。従って、抗体結合部位は、抗原内に、エピトープを越えた、結合親和性及び/又は安定性などの特性を決定し得るか又は抗原酵素活性又は二量化などの特性に影響を与え得る追加的な範囲を含み得る。従って、2つの抗体が抗原内の同じエピトープに結合する場合であっても、抗体分子がエピトープ外のアミノ酸との個別的な分子間接触を確立する場合、かかる抗体は個別的な抗体結合部位に結合すると見なされる。
「結合親和性」は、概して、分子(例えば抗体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば抗原)との間の非共有結合性相互作用の総和の強度を指す。特に指示がない限り、本明細書で使用されるとき、「結合親和性」は、結合対(例えば抗体と抗原)のメンバー間の1:1相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は、概して解離定数(KD)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載されるものを含め、当該技術分野において公知の一般的な方法によって計測することができる。低親和性抗体は、概して抗原に緩徐に結合し、容易に解離する傾向があり、一方、高親和性抗体は、概して抗原に速やかに結合し、結合したまま長く留まる傾向がある。結合親和性を計測する種々の方法が当該技術分野において公知であり、本開示の目的上、そのいずれを用いることもできる。
「効力」は、通常、特に指定されない限りnM単位のIC50値として表現される。IC50は、抗原結合分子の阻害濃度中央値である。機能アッセイでは、IC50は、生物学的反応をその最大値の50%低下させる濃度である。リガンド結合試験では、IC50は、受容体結合を最大特異的結合レベルの50%低下させる濃度である。IC50は、当該技術分野において公知の任意の手段によって計算することができる。効力の改善は、例えば親抗体(例えば、生殖細胞系列化する前の親抗体又は親和性最適化する前の親抗体)と比べた計測によって決定し得る。
親抗体と比較したときの本開示の抗体又はポリペプチドの効力の改善倍数は、少なくとも約2倍、少なくとも約4倍、少なくとも約6倍、少なくとも約8倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約60倍、少なくとも約70倍、少なくとも約80倍、少なくとも約90倍、少なくとも約100倍、少なくとも約110倍、少なくとも約120倍、少なくとも約130倍、少なくとも約140倍、少なくとも約150倍、少なくとも約160倍、少なくとも約170倍、又は少なくとも約180倍又はそれを超えることができる。
「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」又は「ADCC」は、ある種の細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)に存在するFc受容体(FcR)に結合した分泌免疫グロブリンによってそれらの細胞傷害性エフェクター細胞が抗原担持標的細胞に特異的に結合し、続いてその標的細胞を細胞毒で死滅させることが可能になる細胞傷害の一形態を指す。標的細胞の表面に向かう特異的高親和性IgG抗体は細胞傷害性細胞を「武装」し、かかる死滅に不可欠である。標的細胞の溶解は細胞外であって、直接的な細胞間接触が必要であり、補体は関与しない。抗体に加えて、抗原担持標的細胞に特異的に結合する能力を有するFc領域を含む他のタンパク質、具体的にはFc融合タンパク質は、細胞媒介性細胞傷害を達成可能であると考えられる。簡単にするため、Fc融合タンパク質の活性によって生じる細胞媒介性細胞傷害も本明細書ではADCC活性と称する。
「単離されている」ポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、又は組成物は、天然には見られない形態のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、又は組成物である。単離されたポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞又は組成物には、もはやそれらが天然に見られる形態ではなくなる程度まで精製されているものが含まれる。一部の態様において、単離されている抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、又は組成物は、実質的に純粋である。
用語「対象」は、限定はされないが、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類などを含めた、特定の治療のレシピエントとなる任意の動物(例えば哺乳動物)を指す。典型的には、用語「対象」及び「患者」は、本明細書ではヒト対象を指して同義的に使用される。
用語「医薬組成物」は、活性成分(例えば、本明細書に開示される抗CD73結合分子)の生物学的活性が有効となるのを可能にするような形態の調製物であって、その組成物を投与しようとする対象にとって許容できない毒性がある追加的な構成成分を含有しない調製物を指す。かかる組成物は無菌であり得る。
本明細書に開示されるとおりの抗CD73結合分子の「有効量」は、具体的に記載される目的の実行に十分な量である。「有効量」は、記載される目的に関して実験的に常法で決定することができる。
用語「治療有効量」は、対象又は哺乳動物の疾患又は障害を「治療」するのに有効な、本明細書に開示される抗CD73結合分子又は他の薬物の量を指す。
語句「標識」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に開示される抗CD73結合分子に直接又は間接的に融合した(例えば遺伝子融合した)又はコンジュゲートした(例えば化学的にコンジュゲートした)、それにより「標識」抗CD73結合分子を生じさせる検出可能な化合物又は組成物を指す。標識は、それ自体が検出可能であってもよく(例えば、放射性同位体標識又は蛍光標識)、又は酵素標識の場合、検出可能な基質化合物又は組成物の化学的改変を触媒することができる。
「誘導体化可能基」及び「誘導体化可能官能基」などの用語は同義的に使用され、反応することによって本明細書に開示される抗CD73結合分子(例えばCD73抗体)と別の物質との間での共有結合の形成を可能にする能力を有する官能基を指す。一部の態様において、かかる物質は、治療剤(例えば細胞毒)、検出可能標識、ポリマー(例えばPEG)等である。例示的誘導体化可能基としては、チオール、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、及びアミド、並びにこれらの修飾形態、例えば活性化形態又は保護形態などが挙げられる。
「治療する」又は「治療」又は「治療すること」又は「軽減する」又は「軽減すること」などの用語は、(1)診断された病的状態又は障害を治癒し、減速させ、その症状を和らげ、及び/又はその進行を止める治療手段と、(2)標的とする病的状態又は障害の発症を防ぎ及び/又は遅らせる予防又は防御手段との両方を指す。従って、治療を必要としている者には、既に障害を有する者;障害を起こし易い者;及び障害を予防すべき者が含まれる。特定の態様において、対象は、その患者が例えばある種の癌の完全寛解、部分寛解、又は一時的寛解を示す場合、本開示の方法による癌の「治療」に成功している。
用語「癌」、「腫瘍」、「癌性」、及び「悪性」は、典型的には調節されない細胞成長によって特徴付けられる哺乳動物の生理的状態を指し、又はそれを記述する。癌の例としては、限定はされないが、リンパ腫、非小細胞肺癌、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫、乳癌(ホルモン媒介性乳癌を含む、例えば、Innes et al.(2006)Br.J.Cancer 94:1057−1065を参照)、結腸癌が挙げられる。一部の態様において、用語の癌は、本明細書で使用されるとき、CD73を発現する癌(例えば、結腸癌、乳癌、リンパ腫、非小細胞癌)を具体的に指す。
本明細書で同義的に使用されるとおりの「ポリヌクレオチド」、又は「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド又は塩基、及び/又はそれらの類似体、又はDNA若しくはRNAポリメラーゼによってポリマーに組み込まれ得る任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチド及びそれらの類似体を含み得る。前出の説明は、RNA及びDNAを含め、本明細書で言及されるあらゆるポリヌクレオチドに適用される。
用語「ベクター」は、宿主細胞に1つ以上の目的の遺伝子又は配列を送達し、一部の態様では発現させる能力を有する構築物を意味する。ベクターの例としては、限定はされないが、ウイルスベクター、ネイキッドDNA又はRNA発現ベクター、プラスミド、コスミド又はファージベクター、カチオン性縮合剤に関連するDNA又はRNA発現ベクター、リポソームに封入されたDNA又はRNA発現ベクター、及び特定の真核細胞、例えばプロデューサー細胞が挙げられる。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」は、本明細書では、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指して同義的に使用される。ポリマーは線状又は分枝状であってもよく、それは修飾アミノ酸を含んでもよく、且つそれは非アミノ酸によって分断されていてもよい。これらの用語はまた、天然で又は介入によって修飾されている(例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、又は任意の他の操作又は修飾、例えば標識成分とのコンジュゲーションなど)アミノ酸ポリマーも包含する。また、この定義内には、例えば、アミノ酸の1つ以上の類似体(例えば、非天然アミノ酸等を含む)、並びに当該技術分野において公知の他の修飾を含有するポリペプチドも含まれる。本開示のポリペプチドは抗体に基づくため、特定の態様において、ポリペプチドは単鎖又は会合鎖として存在し得ることが理解される。
「組換え」ポリペプチド又はタンパク質は、組換えDNA技術によって産生されるポリペプチド又はタンパク質を指す。改変された宿主細胞で発現する組換え産生ポリペプチド及びタンパク質は、任意の好適な技術によって分離され、分画され、又は部分的若しくは実質的に精製されている天然又は組換えポリペプチドと同様に、単離されていると見なされる。本明細書に開示されるポリペプチドは、当該技術分野において公知の方法を用いて組換え産生されてもよい。或いは、本明細書に開示されるタンパク質及びペプチドは化学的に合成されてもよい。
用語「アミノ酸置換」は、親配列に存在するアミノ酸残基を別のアミノ酸残基に置き換えることを指す。アミノ酸は、親配列において、例えば化学的ペプチド合成を用いるか、又は当該技術分野において公知の組換え方法で置換することができる。従って、「X位での置換」又は「X位での置換」と言うときは、X位に存在するアミノ酸を代替的なアミノ酸残基で置換することを指す。一部の態様において、置換パターンは、スキーマAXYに従い記述することができ、ここでAは、天然でX位に存在するアミノ酸に対応する一文字コードであり、Yは置換するアミノ酸残基である。他の態様において、置換パターンはスキーマXYに従い記述することができ、ここでYは、天然でX位に存在するアミノ酸を置換するアミノ酸残基に対応する一文字コードである。
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられるものである。同様の側鎖を有するアミノ酸残基ファミリーは当該技術分野において定義されており、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。従って、ポリペプチドのアミノ酸が同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸に置き換えられる場合、この置換は保存的であると見なされる。別の態様では、一続きのアミノ酸を、側鎖ファミリーメンバーの順番及び/又は組成が異なる構造的には同様の一続きによって保存的に置き換えることができる。
非保存的置換は、(i)電気陽性側鎖を有する残基(例えば、Arg、His又はLys)が電気陰性残基(例えば、Glu又はAsp)に代えて、又はそれによって置換されているか、(ii)親水性残基(例えば、Ser又はThr)が疎水性残基(例えば、Ala、Leu、Ile、Phe又はVal)に代えて、又はそれによって置換されているか、(iii)システイン又はプロリンが任意の他の残基に代えて、又はそれによって置換されているか、又は(iv)かさ高い疎水性又は芳香族側鎖を有する残基(例えば、Val、His、Ile又はTrp)がより小さい側鎖を有するもの(例えば、Ala、Ser)又は側鎖を有しないもの(例えば、Gly)に代えて、又はそれによって置換されているものを含む。
当業者は他の置換を容易に特定することができる。例えば、アミノ酸アラニンについて、置換は、D−アラニン、グリシン、β−アラニン、L−システイン及びD−システインのいずれか1つから選ぶことができる。リジンについて、置換は、D−リジン、アルギニン、D−アルギニン、ホモアルギニン、メチオニン、D−メチオニン、オルニチン、又はD−オルニチンのいずれか1つであってもよい。概して、単離ポリペプチドの特性の変化を引き起こすと予想し得る機能的に重要な領域の置換は、(i)極性残基、例えば、セリン又はスレオニンが疎水性残基、例えば、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、又はアラニンに代えて(又はそれによって)置換されるか;(ii)システイン残基が任意の他の残基に代えて(又はそれによって)置換されるか;(iii)電気陽性側鎖を有する残基、例えば、リジン、アルギニン又はヒスチジンが電気陰性側鎖を有する残基、例えば、グルタミン酸又はアスパラギン酸に代えて(又はそれによって)置換されるか;又は(iv)かさ高い側鎖を有する残基、例えば、フェニルアラニンが、かかる側鎖を有しないもの、例えばグリシンに代えて(又はそれによって)置換されるものである。前述の非保存的置換のうちの1つがタンパク質の機能特性を変化させ得る可能性はまた、タンパク質の機能的に重要な領域に対する置換の位置にも相関する。従って一部の非保存的置換は、生物学的特性に対する効果をほとんど又は全く有しない。
用語「アミノ酸挿入」は、親配列に存在する2つのアミノ酸残基の間に新規アミノ酸残基を導入することを指す。アミノ酸は、例えば、化学的ペプチド合成を用いるか、又は当該技術分野において公知の組換え方法で親配列に挿入することができる。従って本明細書で使用されるとき、語句「X位とY位との間への挿入」又は「Kabat X位とY位との間への挿入」(ここでX及びYはアミノ酸位置に対応する)は(例えば、239位と240位との間へのシステインアミノ酸挿入)、X位とY位との間へのアミノ酸の挿入を指し、また、核酸配列における、X位及びY位のアミノ酸をコードするコドン間への、あるアミノ酸をコードするコドンの挿入も指す。挿入パターンは、スキーマAXinsに従い記述することができ、ここでAは、挿入されるアミノ酸に対応する一文字コードであり、及びXは挿入の前の位置である。
2つのポリペプチド又はポリヌクレオチド配列間の「パーセント配列同一性」という用語は、2つの配列の最適アラインメントのため導入しなければならない付加又は欠失(即ちギャップ)を考慮した、比較ウィンドウにわたって配列が共有される同一のマッチ位置の数を指す。マッチ位置は、標的配列と参照配列との両方で同一のヌクレオチド又はアミノ酸が提供される任意の位置である。ギャップはヌクレオチド又はアミノ酸ではないため、標的配列に提供されるギャップはカウントしない。同様に、カウントするのは標的配列のヌクレオチド又はアミノ酸であり、参照配列のヌクレオチド又はアミノ酸ではないため、参照配列に提供されるギャップもカウントしない。
配列同一性のパーセンテージは、両方の配列に同一のアミノ酸残基又は核酸塩基が存在する位置の数を決定してマッチ位置の数を求め、そのマッチ位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で除し、その結果に100を乗じて配列同一性パーセンテージを求めることにより計算される。2つの配列間の配列の比較及びパーセント配列同一性の決定は、オンライン使用及びダウンロードの両方について容易に利用可能なソフトウェアを用いて達成することができる。好適なソフトウェアプログラムは、様々な供給元から、タンパク質配列及びヌクレオチド配列の両方のアラインメントについて利用可能である。パーセント配列同一性を決定するための1つの好適なプログラムは、米国政府の国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)のBLASTウェブサイト(blast.ncbi.nlm.nih.gov)から入手可能なBLASTプログラムスイートの一部であるbl2seqである。bl2seqは、BLASTN又はBLASTPのいずれかのアルゴリズムを使用して2つの配列間の比較を行う。BLASTNは核酸配列の比較に用いられ、一方、BLASTPはアミノ酸配列の比較に用いられる。他の好適なプログラムは、例えば、EMBOSSバイオインフォマティクスプログラムスイートの一部であって、且つ欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute:EBI)、www.ebi.ac.uk/Tools/psaからも入手可能なニードル(Needle)、ストレッチャー(Stretcher)、ウォーター(Water)、又はマッチャー(Matcher)である。
ポリヌクレオチド又はポリペプチド参照配列と整列する単一ポリヌクレオチド又はポリペプチド標的配列内の種々の領域は、各々が独自のパーセント配列同一性を有し得る。パーセント配列同一性の値は小数第2位で四捨五入されることが注記される。例えば、80.11、80.12、80.13、及び80.14は80.1に切り捨てられ、一方、80.15、80.16、80.17、80.18、及び80.19は80.2に切り上げられる。また、長さの値は常に整数であることも注記される。
特定の態様において、第1のアミノ酸配列の第2の配列アミノ酸に対するパーセンテージ同一性「X」は、100×(Y/Z)(式中、Yは、第1及び第2の配列のアラインメント(目視検査によるか、又は特定の配列アラインメントプログラムによってアラインメントしたとき)において同一のマッチとしてスコア化されるアミノ酸残基の数であり、Zは、第2の配列の残基の総数である)として計算される。第1の配列の長さが第2の配列より長い場合、第1の配列の第2の配列に対するパーセント同一性は第2の配列の第1の配列に対するパーセント同一性より高くなる。
当業者は、パーセント配列同一性を計算するための配列アラインメントの生成が一次配列データによってのみ駆動される二値の配列間比較に限定されないことを理解するであろう。配列アラインメントは多重配列アラインメントから得ることができる。多重配列アラインメントの生成に好適な1つのプログラムは、www.clustal.orgから入手可能なClustalW2である。別の好適なプログラムは、www.drive5.com/muscle/から入手可能なMUSCLEである。或いは、ClustalW2及びMUSCLEは、例えばEBIから入手可能である。
また、配列データを構造データ(例えば、結晶学的タンパク質構造)、機能データ(例えば、突然変異の位置)、又は系統学的データなどの異種ソースのデータと統合することによって配列アラインメントを生成し得ることも理解されるであろう。異種データを統合して多重配列アラインメントを生成する好適なプログラムは、www.tcoffee.orgで入手可能であるか、又は例えばEBIから入手可能なT−Coffeeである。また、パーセント配列同一性の計算に用いる最終的なアラインメントは自動的に又は手動でキュレーションし得ることも理解されるであろう。
用語「コンセンサス配列」は、軽鎖(VL)及び重鎖(VH)可変領域に関して本明細書で使用されるとき、VL又はVH鎖内のいずれのアミノ酸残基が抗原結合に害を及ぼすことなく修飾するのに適しているかに関する情報に基づき定義される複合の又は一般化されたVL若しくはVH配列を指す。従って、VL鎖又はVH鎖の「コンセンサス配列」では、特定のアミノ酸位置が、その位置における複数の可能なアミノ酸残基のうちの1つによって占有される。例えば、特定の位置にアルギニン(R)又はセリン(S)が存在する場合、コンセンサス配列内のその特定の位置はアルギニン又はセリン(R又はS)のいずれかであり得る。VH鎖及びVL鎖のコンセンサス配列は、例えば、インビトロ親和性成熟(例えば、縮重コーディングプライマーを使用して特定のCDR内のあらゆるアミノ酸位置をランダム化すること)か、抗体CDR内のアミノ酸残基のスキャニング突然変異誘発(例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発)か、又は当該技術分野において公知の任意の他の方法と、続いて抗原に対する突然変異体の結合を評価することによる、突然変異したアミノ酸位置が抗原結合に影響を及ぼすかどうかの決定により定義することができる。一部の態様において、突然変異はCDR領域に導入される。他の態様において、突然変異はフレームワーク領域に導入される。他の一部の態様において、突然変異はCDR領域及びフレームワーク領域に導入される。
II.CD73結合分子
本開示は、CD73結合分子、例えば、CD73、例えばヒトCD73に特異的に結合する抗体及びその抗原結合断片を提供する。CD73の完全長アミノ酸(aa)及びヌクレオチド(nt)配列は当該技術分野において公知である(例えば、ヒトCD73についてUniProt受託番号P21589、又はマウスCD73についてUniProt受託番号Q61503を参照)。一部の態様において、抗CD73結合分子はヒト抗体(例えば、クローン10.3抗体、クローン2C5抗体、MEDI9447)である。特定の態様において、CD73結合分子は抗体又はその抗原結合断片である。
一部の態様において、CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片は、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、単鎖Fv又はscFv、ジスルフィド連結Fv、V−NARドメイン、IgNar、イントラボディ、IgG CH2、ミニボディ、F(ab’)3、テトラボディ、トリアボディ、ダイアボディ、シングルドメイン抗体、DVD−Ig、Fcab、mAb2、(scFv)2、又はscFv−Fcを含む。一部の態様において、抗体はIgG型抗体、例えばIgG1型抗体である。
一部の態様において、抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、重鎖定常領域又はその断片を含む。一部の具体的な態様において、重鎖定常領域はIgG定常領域である。IgG定常領域は、κ定常領域及びλ定常領域からなる群から選択される軽鎖定常領域を含むことができる。
特定の態様において、本明細書に開示される抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、親抗体、例えば、CD730010抗体又はCD730002抗体と比較して修飾されている。一部の態様において、親抗体はCD730010である。他の態様において、親抗体はCD730002である。他の態様において、親抗体は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069である。修飾には、親抗体、例えばCD730010又はCD730002と比較したときのCDR領域及び/又はFW領域の突然変異が含まれ得る。
語句「CD730002抗体」は、配列番号1のアミノ酸配列を含む2つのVLドメインと配列番号2のアミノ酸配列を含む2つのVHドメインとを含むIgG1を指す。
語句「CD730004抗体」は、配列番号104のアミノ酸配列を含む2つのVLドメインと配列番号103のアミノ酸配列を含む2つのVHドメインとを含むIgG1を指す。
語句「CD730008抗体」は、配列番号106のアミノ酸配列を含む2つのVLドメインと配列番号107のアミノ酸配列を含む2つのVHドメインとを含むIgG1を指す。
語句「CD730010抗体」は、配列番号3のアミノ酸配列を含む2つのVLドメインと配列番号4のアミノ酸配列を含む2つのVHドメインとを含むIgG1を指す。
語句「CD730011抗体」は、配列番号5のアミノ酸配列を含む2つのVLドメインと配列番号6のアミノ酸配列を含む2つのVHドメインとを含むIgG1を指す。
語句「CD730021抗体」は、配列番号7のアミノ酸配列を含む2つのVLドメインと配列番号8のアミノ酸配列を含む2つのVHドメインとを含むIgG1を指す。
語句「CD730042抗体」は、配列番号9のアミノ酸配列を含む2つのVLドメインと配列番号10のアミノ酸配列を含む2つのVHドメインとを含むIgG1を指す。
語句「CD730046抗体」は、配列番号11のアミノ酸配列を含む2つのVLドメインと配列番号12のアミノ酸配列を含む2つのVHドメインとを含むIgG1を指す。
語句「CD730047抗体」は、配列番号13のアミノ酸配列を含む2つのVLドメインと配列番号14のアミノ酸配列を含む2つのVHドメインとを含むIgG1を指す。
語句「CD730068抗体」は、配列番号108のアミノ酸配列を含む2つのVLドメインと配列番号107のアミノ酸配列を含む2つのVHドメインとを含むIgG1を指す。
語句「CD730069抗体」は、配列番号110のアミノ酸配列を含む2つのVLドメインと配列番号109のアミノ酸配列を含む2つのVHドメインとを含むIgG1を指す。
(i)CD730010由来抗CD73抗体
特定の態様において、本開示の抗CD73抗体は、限定はされないが:
1)コンセンサス配列SGSLSNIGRNX1VN(式中、X1はアミノ酸残基プロリン(P)、グルタミン酸(E)又はアスパラギン酸(D)を表す)を含む軽鎖CDR1、及び/又は
2)コンセンサス配列LX2NX3RX4X5(式中、X2はアミノ酸残基アスパラギン(N)又はアスパラギン酸(D)を表し、X3はアミノ酸残基グルタミン(Q)又はロイシン(L)を表し、X4はアミノ酸残基ロイシン(L)又はプロリン(P)を表し、及びX5はアミノ酸残基グリシン(G)又はセリン(S)を表す)を含む軽鎖CDR2、及び/又は
3)コンセンサス配列ATWDDSX6X7GWX8(式中、X6はアミノ酸残基ロイシン(L)又はヒスチジン(H)を表し、X7はアミノ酸残基リジン(K)、プロリン(P)、イソロイシン(I)又はアスパラギン(N)を表し、及びX8はアミノ酸残基ロイシン(L)又はスレオニン(T)を表す)を含む軽鎖CDR3
を含めた、CD730010抗体の軽鎖のCDR1及び/又はCDR2及び/又はCDR3に対する修飾を含む。
特定の態様において、本開示の抗CD73抗体は、限定はされないが:
1)コンセンサス配列SYAX9S(式中、X9はアミノ酸残基メチオニン(M)又はチロシン(Y)を表す)を含む重鎖CDR1、及び/又は
2)コンセンサス配列X10IX11GSX12GX13TYYADSVKG(式中、X10はアミノ酸残基ロイシン(L)又はアラニン(A)を表し、X11はアミノ酸残基トリプトファン(W)又はセリン(S)を表し、X12はアミノ酸残基トリプトファン(W)又はグリシン(G)を表し、及びX13はアミノ酸残基セリン(S)又はアルギニン(R)を表す)を含む重鎖CDR2、及び/又は
3)コンセンサス配列LGYX14X15X16DX17(式中、X14はアミノ酸残基グリシン(G)又はセリン(S)を表し、X15はアミノ酸残基アルギニン(R)又はスレオニン(T)を表し、X16はアミノ酸残基バリン(V)又はイソロイシン(I)を表し、及びX17はアミノ酸残基チロシン(Y)、リジン(K)、メチオニン(M)、ロイシン(L)又はグルタミン酸(E)を表す)を含む重鎖CDR3
を含めた、CD730010抗体の重鎖のCDR1及び/又はCDR2及び/又はCDR3に対する修飾を含む。
一態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、コンセンサスアミノ酸配列:
[FW1]SGSLSNIGRNX1VN[FW2]LX2NX3RX4X5[FW3]ATWDDSX6X7GWX8[FW4]
(式中、[FW1]、[FW2]、[FW3]及び[FW4]は、それぞれVLフレームワーク領域1(配列番号25又は26)、VLフレームワーク領域2(配列番号27又は28)、VLフレームワーク領域3(配列番号29)及びVLフレームワーク領域4(配列番号30)のアミノ酸残基を表し、ここで、
X1はアミノ酸残基プロリン(P)、グルタミン酸(E)又はアスパラギン酸(D)を表し、
X2はアミノ酸残基アスパラギン(N)又はアスパラギン酸(D)を表し、
X3はアミノ酸残基グルタミン(Q)又はロイシン(L)を表し、
X4はアミノ酸残基ロイシン(L)又はプロリン(P)を表し、
X5はアミノ酸残基グリシン(G)又はセリン(S)を表し、
X6はアミノ酸残基ロイシン(L)又はヒスチジン(H)を表し、
X7はアミノ酸残基リジン(K)、プロリン(P)、イソロイシン(I)又はアスパラギン(N)を表し、及び
X8はアミノ酸残基ロイシン(L)又はスレオニン(T)を表す)を含むVL領域を含む。
一態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、コンセンサスアミノ酸配列:
[FW5]SYAX9S[FW6]X10IX11GSX12GX13TYYADSVKG[FW7]LGYX14X15X16DX17[FW8]
(式中、[FW5]、[FW6]、[FW7]及び[FW8]は、それぞれVHフレームワーク領域1(配列番号31)、VHフレームワーク領域2(配列番号32)、VHフレームワーク領域3(配列番号33)及びVHフレームワーク領域4(配列番号34)のアミノ酸残基を表し、ここで、
X9はアミノ酸残基メチオニン(M)又はチロシン(Y)を表し、
X10はアミノ酸残基ロイシン(L)又はアラニン(A)を表し、
X11はアミノ酸残基トリプトファン(W)又はセリン(S)を表し、
X12はアミノ酸残基トリプトファン(W)又はグリシン(G)を表し、
X13はアミノ酸残基セリン(S)又はアルギニン(R)を表し、
X14はアミノ酸残基グリシン(G)又はセリン(S)を表し、
X15はアミノ酸残基アルギニン(R)又はスレオニン(T)を表し、
X16はアミノ酸残基バリン(V)又はイソロイシン(I)を表し
X17はアミノ酸残基チロシン(Y)、リジン(K)、メチオニン(M)、ロイシン(L)又はグルタミン酸(E)を表す)を含むVH領域を含む。
一態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、コンセンサスアミノ酸配列:
[FW1]SGSLSNIGRNX1VN[FW2]LX2NX3RX4X5[FW3]ATWDDSX6X7GWX8[FW4]
(式中、[FW1]、[FW2]、[FW3]及び[FW4]は、それぞれVLフレームワーク領域1(配列番号25又は26)、VLフレームワーク領域2(配列番号27又は28)、VLフレームワーク領域3(配列番号29)及びVLフレームワーク領域4(配列番号30)のアミノ酸残基を表し、ここで、
X1はアミノ酸残基プロリン(P)、グルタミン酸(E)又はアスパラギン酸(D)を表し、
X2はアミノ酸残基アスパラギン(N)又はアスパラギン酸(D)を表し、
X3はアミノ酸残基グルタミン(Q)又はロイシン(L)を表し、
X4はアミノ酸残基ロイシン(L)又はプロリン(P)を表し、
X5はアミノ酸残基グリシン(G)又はセリン(S)を表し、
X6はアミノ酸残基ロイシン(L)又はヒスチジン(H)を表し、
X7はアミノ酸残基リジン(K)、プロリン(P)、イソロイシン(I)又はアスパラギン(N)を表し、及び
X8はアミノ酸残基ロイシン(L)又はスレオニン(T)を表す)を含むVL領域を含み、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、コンセンサスアミノ酸配列:
[FW5]SYAX9S[FW6]X10IX11GSX12GX13TYYADSVKG[FW7]LGYX14X15X16DX17[FW8]
(式中、[FW5]、[FW6]、[FW7]及び[FW8]は、それぞれVHフレームワーク領域1(配列番号31)、VHフレームワーク領域2(配列番号32)、VHフレームワーク領域3(配列番号33)及びVHフレームワーク領域4(配列番号34)のアミノ酸残基を表し、ここで、
X9はアミノ酸残基メチオニン(M)又はチロシン(Y)を表し、
X10はアミノ酸残基ロイシン(L)又はアラニン(A)を表し、
X11はアミノ酸残基トリプトファン(W)又はセリン(S)を表し、
X12はアミノ酸残基トリプトファン(W)又はグリシン(G)を表し、
X13はアミノ酸残基セリン(S)又はアルギニン(R)を表し、
X14はアミノ酸残基グリシン(G)又はセリン(S)を表し、
X15はアミノ酸残基アルギニン(R)又はスレオニン(T)を表し、
X16はアミノ酸残基バリン(V)又はイソロイシン(I)を表し
X17はアミノ酸残基チロシン(Y)、リジン(K)、メチオニン(M)、ロイシン(L)又はグルタミン酸(E)を表す)を含むVH領域を更に含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号46、47、及び48からなる群から選択される配列からなるVL−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号46、47、及び48からなる群から選択される配列を含むVL−CDR1を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号49、50、51、及び52からなる群から選択される配列からなるVL−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号49、50、51及び52からなる群から選択される配列を含むVL−CDR2を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号53、54、55、及び56からなる群から選択される配列からなるVL−CDR3を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号53、54、55、及び56からなる群から選択される配列を含むVL−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号35及び36からなる群から選択される配列からなるVH−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号35及び36からなる群から選択される配列を含むVH−CDR1を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号37、38、39、及び40からなる群から選択される配列からなるVH−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号37、38、39、及び40からなる群から選択される配列を含むVH−CDR2を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号41、42、43、44、及び45からなる群から選択される配列からなるVH−CDR3を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号41、42、43、44、及び45からなる群から選択される配列を含むVH−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号46、47、及び48からなる群から選択される配列からなるVL−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又は抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号46、47、及び48からなる群から選択される配列を含むVL−CDR1を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号49、50、51、及び52からなる群から選択される配列からなるVL−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号49、50、51、及び52からなる群から選択される配列を含むVL−CDR2を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号53、54、55、及び56からなる群から選択される配列からなるVL−CDR3を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号53、54、55、及び56からなる群から選択される配列を含むVL−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号35及び36からなる群から選択される配列からなるVH−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号35及び36からなる群から選択される配列を含むVH−CDR1を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号37、38、39、及び40からなる群から選択される配列からなるVH−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号37、38、39、及び40からなる群から選択される配列を含むVH−CDR2を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号41、42、43、44、及び45からなる群から選択される配列からなるVH−CDR3を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号41、42、43、44、及び45からなる群から選択される配列を含むVH−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号46、47及び48からなる群から選択される配列からなるVL−CDR1と;配列番号49、50、51、及び52からなる群から選択される配列からなるVL−CDR2と;配列番号53、54、55、及び56からなる群から選択される配列からなるVL−CDR3とを含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号46、47及び48からなる群から選択される配列を含むVL−CDR1と;配列番号49、50、51、及び52からなる群から選択される配列を含むVL−CDR2と;配列番号53、54、55、及び56からなる群から選択される配列を含むVL−CDR3とを含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号35及び36からなる群から選択される配列からなるVH−CDR1と;配列番号37、38、39、及び40からなる群から選択される配列からなるVH−CDR2と;配列番号41、42、43、44、及び45からなる群から選択される配列からなるVH−CDR3とを含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号35及び36からなる群から選択される配列を含むVH−CDR1;配列番号37、38、39、及び40からなる群から選択される配列を含むVH−CDR2;配列番号41、42、43、44、及び45からなる群から選択される配列を含むVH−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号46、47及び48からなる群から選択される配列からなるVL−CDR1と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号49、50、51、及び52からなる群から選択される配列からなるVL−CDR2と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号53、54、55、及び56からなる群から選択される配列からなるVL−CDR3とを含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号46、47及び48からなる群から選択される配列を含むVL−CDR1と;1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号49、50、51、及び52からなる群から選択される配列を含むVL−CDR2と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号53、54、55、及び56からなる群から選択される配列を含むVL−CDR3とを含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号35及び36からなる群から選択される配列からなるVH−CDR1と;1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号37、38、39、及び40からなる群から選択される配列からなるVH−CDR2と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号41、42、43、44、及び45からなる群から選択される配列からなるVH−CDR3とを含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号35及び36からなる群から選択される配列を含むVH−CDR1;1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号37、38、39、及び40からなる群から選択される配列を含むVH−CDR2;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号41、42、43、44、及び45からなる群から選択される配列を含むVH−CDR3を含む。
特定の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、重鎖及び/又は軽鎖のCDR1、及び/又はCDR2、及び/又はCDR3に対する修飾を含み、且つ重鎖及び/又は軽鎖のFW1、及び/又はFW2、及び/又はFW3、及び/又はFW4に対する修飾を更に含む。
一部の態様において、FW1は配列番号25又は26を含み、FW2は配列番号27又は28を含み、FW3は配列番号29を含み、FW4は配列番号30を含み、FW5は配列番号31を含み、FW6は配列番号32を含み、FW7は配列番号33を含み、及びFW8は配列番号34を含む。
一部の態様において、FW1は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号25又は26を含み;FW2は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号27又は28を含み;FW3は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号29を含み;FW4は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号30を含み;FW5は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号31を含み;FW6は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号32を含み;FW7は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号33を含み;及びFW8は配列番号34を含む。
特定の態様において、抗CD733抗体又はその抗原結合断片は、同一であるか、又は1つ以上のCDRにおける1、2、3若しくは4個のアミノ酸置換を除いて同一であるVL−CDR1、VL−CRD2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、及びVH−CDR3アミノ酸配列を含むVL及びVHを含み、ここでかかるVL−CDR1、VL−CRD2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、及びVH−CDR3は、それぞれ、
配列番号46、49、53、35、37、及び41、又は
配列番号47、49、53、35、37及び41、又は
配列番号47、49、54、36、37及び42、又は
配列番号46、50、54、36、38及び43、又は
配列番号46、51、55、36、39及び44、又は
配列番号48、52、54、36、40及び44、又は
配列番号46、49、56、35、37及び41、又は
配列番号46、49、53、35、37及び45、又は
配列番号47、49、56、36、37及び45、又は
配列番号46、50、56、36、38及び45、又は
配列番号46、51、56、36、39及び45、又は
配列番号48、52、56、36、40及び45、又は
配列番号46、49、56、35、37及び45である。
特定の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は抗体VL及び抗体VHを含み、VLは、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、及び配列番号70からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一のアミノ酸配列を含む。
他の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は抗体VL及び抗体VHを含み、VHは、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83及び配列番号84からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一のアミノ酸配列を含む。
他の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、及び配列番号70からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一の配列を含むVLを含み、且つ配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83及び配列番号84からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一の配列を含むVHを更に含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号68の配列を含むVLと配列番号82の配列を含むVHとを含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号68の配列からなるVLと配列番号82の配列からなるVHとを含む。
「クローン10.3抗体」(「73combo3」又は「MEDI9447」とも称される)は、配列番号68のCD730010由来軽鎖(VL)(それぞれ配列番号46、51及び56の配列を有する3つのCDR、CDR1、CDR2、及びCDR3を含む)を2つ、及び配列番号82のCD730010由来重鎖(VH)(それぞれ配列番号36、39、及び45の配列を有する3つのCDR、CDR1、CDR2、及びCDR3を含む)を2つ含むIgG1である。
特定の態様において、本明細書に開示される抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号82の10.3重鎖VHと配列番号68の10.3軽鎖VLとを含む10.3抗体と実質的に同じか又はそれより良好な親和性でCD73と結合する。
(ii)CD730002由来抗CD73抗体
特定の態様において、本開示の抗CD73抗体は、限定はされないが:
1)配列SGDKVGDKYASを含む軽鎖CDR1、及び/又は
2)コンセンサス配列EDX18KX19X20S(式中、X18はアミノ酸残基セリン(S)又はスレオニン(T)を表し、X19はアミノ酸残基アルギニン(R)又はチロシン(Y)を表し、及びX20はアミノ酸残基ヒスチジン(H)、プロリン(P)又はロイシン(L)を表す)を含む軽鎖CDR2、及び/又は
3)配列QAWDTSFWVを含む軽鎖CDR3
を含めた、CD730002抗体の軽鎖のCDR1及び/又はCDR2及び/又はCDR3に対する修飾を含む。
特定の態様において、本開示の抗CD73抗体は、限定はされないが:
1)配列SX21A X22S(式中、X21はアミノ酸残基チロシン(Y)又はバリン(V)を表し、及びX22はアミノ酸残基メチオニン(M)又はアルギニン(R)を表す)を含む重鎖CDR1、及び/又は
2)配列AISGSGGSX23YY X24DSVKX25(式中、X23はアミノ酸残基スレオニン(T)又はプロリン(P)を表し;X24はアミノ酸残基アラニン(A)又はG(グリシン)を表し;及びX25はアミノ酸残基グリシン(G)又はアルギニン(R)を表す)を含む重鎖CDR2、及び/又は
3)配列DKGYYWYMを含む重鎖CDR3
を含めた、CD730002の重鎖のCDR1及び/又はCDR2及び/又はCDR3に対する修飾を含む。
一態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、コンセンサスアミノ酸配列:
[FW9]SGDKVGDKYAS[FW10]EDX18KX19X20S[FW11]QAWDTSFWV[FW12]
(式中、[FW9]、[FW10]、[FW11]及び[FW12]は、それぞれVLフレームワーク領域1(配列番号90又は91)、VLフレームワーク領域2(配列番号92)、VLフレームワーク領域3(配列番号93、94又は122)及びVLフレームワーク領域4(配列番号30)のアミノ酸残基を表し;ここで、X18はアミノ酸残基プロリン(P)又はロイシン(L)を表し;X19はアミノ酸残基アルギニン(R)又はチロシン(Y)を表し;及びX20はアミノ酸残基ヒスチジン(H)、プロリン(P)又はロイシン(L)を表す)を含むVL領域を含む。
一態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、コンセンサスアミノ酸配列:
[FW13]SX21A X22S[FW14]AISGSGGSX23YY X24DSVKX25[FW15]DKGYYWYM[FW16]
(式中、[FW13]、[FW14]、[FW15]及び[FW16]は、それぞれVHフレームワーク領域1(配列番号31)、VHフレームワーク領域2(配列番号32)、VHフレームワーク領域3(配列番号33)及びVHフレームワーク領域4(配列番号89)のアミノ酸残基を表し;ここで、X21はアミノ酸残基チロシン(Y)又はバリン(V)を表し;X22はアミノ酸残基メチオニン(M)又はアルギニン(R)を表し;X23はアミノ酸残基スレオニン(T)又はプロリン(P)を表し;X24はアミノ酸残基アラニン(A)又はG(グリシン)を表し;及びX25はアミノ酸残基グリシン(G)又はアルギニン(R)を表す)を含むVH領域を含む。
一態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、コンセンサスアミノ酸配列:
[FW9]SGDKVGDKYAS[FW10]EDX18KX19X20S[FW11]QAWDTSFWV[FW12]
(式中、[FW9]、[FW10]、[FW11]及び[FW12]は、それぞれVLフレームワーク領域1(配列番号90又は91)、VLフレームワーク領域2(配列番号92)、VLフレームワーク領域3(配列番号93、94又は122)及びVLフレームワーク領域4(配列番号30)のアミノ酸残基を表し;ここで、X18はアミノ酸残基プロリン(P)又はロイシン(L)を表し;X19はアミノ酸残基アルギニン(R)又はチロシン(Y)を表し;及びX20はアミノ酸残基ヒスチジン(H)、プロリン(P)又はロイシン(L)を表す)を含むVL領域を含み、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、コンセンサスアミノ酸配列:
[FW13]SX21A X22S[FW14]AISGSGGSX23YY X24DSVKX25[FW15]DKGYYWYM[FW16]
(式中、[FW13]、[FW14]、[FW15]及び[FW16]は、それぞれVHフレームワーク領域1(配列番号31)、VHフレームワーク領域2(配列番号32)、VHフレームワーク領域3(配列番号33)及びVHフレームワーク領域4(配列番号89)のアミノ酸残基を表し;ここで、X21はアミノ酸残基チロシン(Y)又はバリン(V)を表し;X22はアミノ酸残基メチオニン(M)又はアルギニン(R)を表し;X23はアミノ酸残基スレオニン(T)又はプロリン(P)を表し;X24はアミノ酸残基アラニン(A)又はG(グリシン)を表し;及びX25はアミノ酸残基グリシン(G)又はアルギニン(R)を表す)を含むVH領域を更に含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号97からなる配列からなるVL−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号97からなる配列を含むVL−CDR1を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号98、99、127、128、及び129からなる群から選択される配列からなるVL−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号98、99、127、128及び129からなる群から選択される配列を含むVL−CDR2を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号100からなる配列からなるVL−CDR3を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号100からなる配列を含むVL−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号35、123及び124からなる群から選択される配列の配列からなるVH−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号35、123及び124からなる群から選択される配列を含むVH−CDR1を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号37、95、125及び126からなる群から選択される配列からなるVH−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号37、95、125、及び126からなる群から選択される配列を含むVH−CDR2を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号96からなる配列からなるVH−CDR3を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号96からなる配列を含むVH−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号97からなる配列からなるVL−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号97からなる配列を含むVL−CDR1を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号98、99、127、128、及び129からなる群から選択される配列からなるVL−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号98、99、127、128、及び129からなる群から選択される配列を含むVL−CDR2を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号100からなる配列からなるVL−CDR3を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号100からなる配列を含むVL−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号35、123及び124からなる群から選択される配列からなるVH−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号35、123及び124からなる群から選択される配列を含むVH−CDR1を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号37、95、125及び126からなる群から選択される配列からなるVH−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号37、95、125及び126からなる群から選択される配列を含むVH−CDR2を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号96からなる配列からなるVH−CDR3を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号96からなる配列を含むVH−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号97からなる配列からなるVL−CDR1と;配列番号98、99、127、128、及び129からなる群から選択される配列からなるVL−CDR2と;配列番号100からなる配列からなるVL−CDR3とを含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号97からなる配列を含むVL−CDR1と;配列番号98、99、127、128、及び129からなる群から選択される配列を含むVL−CDR2と;配列番号100からなる配列を含むVL−CDR3とを含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号35、123、及び124からなる群から選択される配列からなるVH−CDR1と;配列番号37、95、125、及び126からなる群から選択される配列からなるVH−CDR2と;配列番号96からなる配列からなるVH−CDR3とを含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号35、123、及び124からなる群から選択される配列を含むVH−CDR1;配列番号37、95、125、及び126からなる群から選択される配列を含むVH−CDR2;配列番号96からなる配列を含むVH−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号97からなる配列からなるVL−CDR1と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号98、99、127、128、及び129からなる群から選択される配列からなるVL−CDR2と;1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号100からなる配列からなるVL−CDR3とを含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号97からなる配列を含むVL−CDR1と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号98、99、127、128、及び129からなる群から選択される配列を含むVL−CDR2と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号100からなる配列を含むVL−CDR3とを含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号35、123、及び124からなる群から選択される配列からなるVH−CDR1と;1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号37、95、125、及び126からなる群から選択される配列からなるVH−CDR2と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号96からなる配列からなるVH−CDR3とを含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号35、123、及び124からなる群から選択される配列を含むVH−CDR1;1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号37、95、125、及び126からなる群から選択される配列を含むVH−CDR2;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号96からなる配列を含むVH−CDR3を含む。
特定の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、重鎖及び/又は軽鎖のCDR1、及び/又はCDR2、及び/又はCDR3に対する修飾を含み、且つ重鎖及び/又は軽鎖のFW1、及び/又はFW2、及び/又はFW3、及び/又はFW4に対する修飾を更に含む。
一部の態様において、FW9は配列番号90又は91を含み、FW10は配列番号92を含み、FW11は配列番号93、94、又は122を含み、FW12は配列番号30を含み、FW13は配列番号31を含み、FW14は配列番号32を含み、FW15は配列番号33を含み、及びFW16は配列番号89を含む。
一部の態様において、FW9は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号90又は91を含み、FW10は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号92を含み、FW11は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号93、94、又は122を含み、FW12は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号30を含み、FW13は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号31を含み、FW14は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号32を含み、FW15は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて配列番号33を含み、及びFW16は配列番号89を含む。
特定の態様において、抗CD733抗体又はその抗原結合断片は、同一であるか、又は1つ以上のCDRにおける1、2、3、若しくは4個のアミノ酸置換を除いて同一であるVL−CDR1、VL−CRD2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、及びVH−CDR3アミノ酸配列を含むVL及びVHを含み、ここでかかるVL−CDR1、VL−CRD2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、及びVH−CDR3は、それぞれ、
配列番号97、98、100、35、37、及び96、又は
配列番号97、99、100、35、95及び96、又は
配列番号97、98、100、35、37、及び96、又は
配列番号97、99、100、123、37、及び96、又は
配列番号97、99、100、124、37、及び96、又は
配列番号97、99、100、35、125、及び96、又は
配列番号97、99、100、35、126、及び96、又は
配列番号97、99、100、35、95、及び96、又は
配列番号97、127、100、35、95、及び96、又は
配列番号97、128、100、35、95、及び96、又は
配列番号97、129、100、35、95、及び96、又は
配列番号97、99、100、35、95、及び96である。
特定の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は抗体VL及び抗体VHを含み、VLは、配列番号86、88、112、118、119、120、及び121からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一のアミノ酸配列を含む。
他の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は抗体VL及び抗体VHを含み、VHは、配列番号85、87、111、113、114、115、116、及び117からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一のアミノ酸配列を含む。
他の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86、88、112、118、119、120、及び121からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一の配列を含むVLを含み;且つ配列番号85、87、111、113、114、115、116、及び117からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一の配列を含むVHを更に含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88の配列を含むVLと;配列番号87の配列を含むVHとを含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号87の配列からなるVLと、配列番号87の配列からなるVHとを含む。
「クローン2C5抗体」は、配列番号88のCD730002由来軽鎖(VL)(それぞれ配列番号97、99、及び100の配列を有する3つのCDR、CDR1、CDR2、及びCDR3を含む)を2つ、及び配列番号87のCD7300002由来重鎖(VH)(それぞれ配列番号35、95、及び96の配列を有する3つのCDR、CDR1、CDR2、及びCDR3を含む)を含むIgG1である。
特定の態様において、本明細書に開示される抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、配列番号87の2C5重鎖VHと配列番号88の2C5軽鎖VLとを含む2C5抗体と実質的に同じか又はそれより良好な親和性でCD73と結合する。
(iii)CD730002又はCD730010以外の親抗体を有する抗CD73抗体
他の態様において、本明細書に開示される抗CD73抗体又は抗原結合断片の親抗体は、CD730004(即ち、配列番号104のVLと配列番号103のVHとを含む抗CD73抗体)、CD730008(即ち、配列番号106のVLと配列番号107のVHとを含む抗CD73抗体)、CD7300011(即ち、配列番号5のVLと配列番号6のVHとを含む抗CD73抗体)、CD730021(即ち、配列番号7のVLと配列番号8のVHとを含む抗CD73抗体)、CD730042(即ち、配列番号9のVLと配列番号10のVHとを含む抗CD73抗体)、CD730046(即ち、配列番号11のVLと配列番号12のVHとを含む抗CD73抗体)、CD730047(即ち、配列番号13のVLと配列番号14のVHとを含む抗CD73抗体)、CD730068(即ち、配列番号108のVLと配列番号107のVHとを含む抗CD73抗体)、又はCD730069(即ち、配列番号110のVLと配列番号109のVHとを含む抗CD73抗体)である。親抗体に対する修飾には、親抗体、例えばCD730004と比較したときのCDR領域及び/又はFW領域の突然変異が含まれ得る。
特定の態様において、抗CD73抗体は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069の軽鎖のCDR1及び/又はCDR2及び/又はCDR3に対する修飾を含む。
特定の態様において、抗CD73抗体は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069の重鎖のCDR1及び/又はCDR2及び/又はCDR3に対する修飾を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR1を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3、又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR2を含む。一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR3を含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR1と;CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR2と;CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR3とを含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR1と;CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR2と;CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR3とを含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR1と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR2と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL−CDR3とを含む。
一部の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR1と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR2と;1、2、3又は4個のアミノ酸置換を除いて、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH−CDR3とを含む。
特定の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来の重鎖及び/又は軽鎖のCDR1、及び/又はCDR2、及び/又はCDR3に対する修飾を含み、且つCD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来の重鎖及び/又は軽鎖のFW1、及び/又はFW2、及び/又はFW3、及び/又はFW4に対する修飾を更に含む。
特定の態様において、抗CD733抗体又はその抗原結合断片は、同一であるか、又は1つ以上のCDRにおける1、2、3、若しくは4個のアミノ酸置換を除いて同一であるVL−CDR1、VL−CRD2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、及びVH−CDR3アミノ酸配列を含むVL及びVHを含み、ここでかかるVL−CDR1、VL−CRD2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、及びVH−CDR3は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来である。
特定の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は抗体VL及び抗体VHを含み、VLは、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL配列から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一のアミノ酸配列を含む。
他の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は抗体VL及び抗体VHを含み、VHは、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH配列から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一のアミノ酸配列を含む。
他の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVL配列から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一の配列を含むVLを含み、且つCD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069由来のVH配列から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一の配列を含むVHを更に含む。
特定の態様において、本明細書に開示される抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、CD730004、CD730008、CD7300011、CD730021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069抗体と実質的に同じか又はそれより良好な親和性でCD73と結合する。
(iv)混合適合(mixed and matched)抗CD73抗体
本明細書に開示される抗CD73結合分子(例えば、CD730002、CD730004、CD730008、CD730010、CD730011、CD73021、CD730042、CD730046、CD730047、CD730068、又はCD730069)のVH及びVL配列又はかかる配列の変異体(例えば、クローン10 GL9、クローン10 P32E、クローン10 C1、クローン10 C2、クローン10 D3、クローン10 G10、クローン10 HPT、クローン10 GRVE、クローン10 combo1、クローン10 combo2、クローン10 combo3、クローン10 combo5、又はクローンcombo6)のVH及びVLは、他の抗CD73結合分子を作成するため「混合適合」することができる。
特定の態様において、10.3抗体及び2C5抗体のVH配列が混合適合される。別の態様において、10.03抗体及び2C5抗体のVL配列を混合適合することができる。それに加えて又は代えて、本明細書に開示されるクローン10(CD730010)変異体のVL及び/又はVH配列を混合適合することができる。それに加えて又は代えて、本明細書に開示されるクローン2(CD730002)変異体のVL及び/又はVH配列を混合適合することができる。それに加えて又は代えて、本明細書に開示されるクローン10(CD730010)及びクローン2(CD730002)変異体のVL及び/又はVH配列を混合適合することができる。
一部の態様において、VL及び/又はVHの混合適合は、同じエピトープビンに分類される抗体に由来する配列間で行うことができる(実施例2を参照)。本明細書で使用されるとき、用語「エピトープビン」は、同じエピトープ又は重複エピトープに結合するか、又は同じエピトープ又は重複エピトープとの結合に関して互いに競合する抗体又はその抗原結合断片のグループ化を指す。例えば、CD730003、CD730010、CD730021、CD730042、CD730046、及びCD730047(これらの抗体は全てが「エピトープビンB」に属する)由来の配列を混合適合することができる。他の態様において、VL及び/又はVHの混合適合は、異なるエピトープビンに分類される抗CD73抗体に由来する配列間で行うことができる。従って、「エピトープビンB」に属する抗体の配列を、「エピトープビンA」(CD730002、CD730004、CD730008、及びCD730011)又は「エピトープビンC」(CD730068及びCD730069)の抗CD73抗体の配列と混合適合することができる。
(v)突然変異抗CD73抗体
特定の態様において、本明細書に開示される抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、ヒトFcRnとの結合を改善し、且つ抗CD73抗体又はその抗原結合断片の半減期を改善する突然変異を含む。一部の態様において、かかる突然変異は、IgG1の定常ドメインに導入された、252位のメチオニン(M)からチロシン(Y)への突然変異、254位のセリン(S)からスレオニン(T)への突然変異、及び256位のスレオニン(T)からグルタミン酸(E)への突然変異(Kabat(Kabat,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Public Health Service,National Institutes of Health,Washington,D.C.)にあるとおりのEUインデックスに従い付番する)である。米国特許第7,658,921号明細書(これは参照により本明細書に援用される)を参照のこと。「YTE突然変異体」と称されるこの種の突然変異体IgGは、野生型バージョンの同じ抗体と比較したとき約4倍の半減期の増加を呈することが示されている(Dall’Acqua et al.,J.Biol.Chem.281:23514−24(2006))。一部の態様において、IgG定常ドメインを含む抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、251〜257、285〜290、308〜314、385〜389、及び428〜436位(KabatにあるとおりのEUインデックスに従い付番する)のアミノ酸残基の1個以上のアミノ酸置換を含み、ここでかかる突然変異は抗CD73抗体又はその抗原結合断片の血清半減期を増加させる。
一部の態様において、YTE突然変異体は、IgG定常ドメインの434位(KabatにあるとおりのEUインデックスに従い付番する)に、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、チロシン(Y)、及びセリン(S)からなる群から選択されるアミノ酸による置換を更に含む。他の態様において、YTE突然変異体は、IgG定常ドメインの434位(KabatにあるとおりのEUインデックスに従い付番する)に、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、チロシン(Y)、及びセリン(S)からなる群から選択されるアミノ酸による置換と、IgG定常ドメインの428位(KabatにあるとおりのEUインデックスに従い付番する)に、スレオニン(T)、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)、及びセリン(S)からなる群から選択されるアミノ酸による置換とを更に含む。
更に他の態様において、YTE突然変異体は、IgG定常ドメインの434位(KabatにあるとおりのEUインデックスに従い付番する)に、チロシン(Y)による置換と、IgG定常ドメインの257位(KabatにあるとおりのEUインデックスに従い付番する)に、ロイシン(L)による置換とを更に含む。一部の態様において、YTE突然変異体は、IgG定常ドメインの434位(KabatにあるとおりのEUインデックスに従い付番する)に、セリン(S)による置換と、IgG定常ドメインの428位(KabatにあるとおりのEUインデックスに従い付番する)に、ロイシン(L)による置換とを更に含む。
ある具体的な態様において、本明細書に開示される抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、IgG1定常ドメインの252位のメチオニン(M)からチロシン(Y)への突然変異、254位のセリン(S)からスレオニン(T)への突然変異、及び256位のスレオニン(T)からグルタミン酸(E)への突然変異(KabatにあるとおりのEUインデックスに従い付番する)を含むIgG1定常ドメインを含む。
特定の態様において、本明細書に開示される抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、
(a)252位のアミノ酸の、チロシン(Y)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、又はスレオニン(T)による置換、
(b)254位のアミノ酸の、スレオニン(T)による置換、
(c)256位のアミノ酸の、セリン(S)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、又はスレオニン(T)による置換、
(d)257位のアミノ酸の、ロイシン(L)による置換、
(e)309位のアミノ酸の、プロリン(P)による置換、
(f)311位のアミノ酸の、セリン(S)による置換、
(g)428位のアミノ酸の、スレオニン(T)、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)、又はセリン(S)による置換、
(h)433位のアミノ酸の、アルギニン(R)、セリン(S)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、又はグルタミン(Q)による置換、
(i)434位のアミノ酸の、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、セリン(S)、ヒスチジン(H)、フェニルアラニン(F)、又はチロシンによる置換、及び
(j)前記置換の2つ以上の組み合わせ
(位置はKabatにあるとおりのEUインデックスに従い付番する)からなる群から選択される少なくとも1つのIgG定常ドメインアミノ酸置換を含み、ここで修飾IgGは、野生型IgG定常ドメインを有するIgGの血清半減期と比較して血清半減期が増加している。
一部の態様において、本明細書に開示される抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片のVH及び/又はVLアミノ酸配列は、上記のVH及びVL配列と85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の類似性であり、且つ1、2、3、4、5個又はそれを超える保存的置換を含む。それぞれ配列番号71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、87、111、113、114、115、116、又は117のVH領域、及び/又は配列番号57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、86、88、112、118、119、120、又は121のVL領域と高い(即ち、80%以上の)配列類似性又は配列同一性を有するVH及びVL領域を有するCD73抗体は、配列番号57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、又は121をコードする核酸分子を突然変異誘発し(例えば、部位特異的又はPCR媒介性突然変異誘発)、続いて本明細書に記載される機能アッセイを用いて、コードされた改変抗体を保持機能に関して試験することによって得ることができる。
一部の態様において、本明細書に開示される抗CD73抗体のFcドメイン又は本明細書に開示される抗体のCD73結合断片を含む融合タンパク質のFcドメインは、例えばADCCによる細胞傷害を低減するため、Fc受容体に対する結合性が低減されている。一部の態様において、抗体又はFc融合タンパク質のFcドメインは、例えばADCCによる細胞傷害を増加させるため、Fc受容体に対する結合性が増加されている。一部の態様において、抗体又はFc融合タンパク質のFcドメインは、Kabatに規定されるとおりのEUインデックスによって付番するとき234、235、236、237、238、239、240、241、243、244、245、247、251、252、254、255、256、262、263、264、265、266、267、269、279、280、284、292、296、297、298、299、305、313、316、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、339、341、343、370、373、378、392、416、419、421、440、及び443からなる群から選択される1つ以上の位置に天然に存在しないADCC低減アミノ酸残基を含む。抗体のADCC活性を低減することが可能な多数の特異的突然変異が当該技術分野において公知であり、例えば、234F、235E、235F、235Q(又は235Y)、239A、332Q、331S及びこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、国際公開第8807089号パンフレット、同第9958572号パンフレット、同第9951642号パンフレット、同第2012175751号パンフレット、同第2011149999号パンフレット、同第2011066501号パンフレット、同第2000042072号パンフレット、同第2011120134号パンフレット(これらは全体として参照により本明細書に援用される)に記載される突然変異を参照のこと。ADCCエフェクター機能が低下した抗体にはまた、Fc領域残基238、265、269、270、297、327、及び329のうちの1つ以上の置換を有するものも含まれる(例えば、米国特許第6,737,056号明細書を参照)。かかるFc突然変異体にはまた、残基265及び297のアラニンへの置換を有するFc突然変異体を含め、アミノ酸位置265、269、270、297及び327の2つ以上に置換を有するFc突然変異体も含まれる(例えば、米国特許第7,332,581号明細書を参照)。任意選択で、ADCC及びCDCの両方を低減する突然変異が組み込まれてもよい。一部の態様では、ADCC及び/又はCDCを低減し又は消失させる突然変異を含む本明細書に開示される抗CD73抗体又はその抗原結合断片を使用して、抗体薬物コンジュゲート(ADC)を作成することができる。
一態様において、本開示は抗CD73抗体を提供し、この抗体は、IgG1、IgG2又はIgG3であり、Kabatに規定されるとおりのEUインデックスによって付番するとき234、235、及び331からなる群から選択される1つ以上の位置に少なくとも1つの修飾を含む。更に別の具体的な態様において、Fc領域は、IgG1、IgG2又はIgG3 Fc領域であり、天然に存在しないアミノ酸は、Kabatに規定されるとおりのEUインデックスによって付番するとき234F、235E、235F、235Q(又は235Y)、239A、332Q、331S、332Qからなる群から選択される。
別の態様において、本開示は抗CD73抗体を提供し、この抗体はIgG4であり、Kabatに規定されるとおりのEUインデックスによって付番するとき228及び235からなる群から選択される1つ以上の位置に少なくとも1つの修飾を含む。更に別の具体的な態様において、Fc領域はIgG4 Fc領域であり、天然に存在しないアミノ酸は、Kabatに規定されるとおりのEUインデックスによって付番するとき228P、235E及び235Yからなる群から選択される。具体的な態様において、本開示は抗CD73抗体を提供し、この抗体は、IgG1、IgG2、又はIgG3であり、位置(i)234F、235E、及び331S;(ii)234F、235F、及び331S;(iii)234F、235Q、及び322Qに修飾を含む。別の具体的な態様において、本開示は抗CD73抗体を提供し、この抗体はIgG4であり、修飾228P及び235Eを含む。
III.エピトープ競合CD73結合分子
別の態様において、本開示は、本明細書に記載される様々な抗CD73抗体が結合するのと同じエピトープに結合するCD73結合分子、例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体と同じエピトープ、又はクローン2C5抗体と同じエピトープに結合する分子を提供する。
かかる抗体は、標準的なCD73結合アッセイ(例えば、フローサイトメトリーアッセイ、表面プラズモン共鳴、又は溶液アッセイ)において、本明細書に開示される抗CD73抗体、例えば、CD730010抗体、CD730002抗体、CD730004抗体、及びその抗原結合断片と交差競合する(例えば、統計学的に有意な方法でその結合を競合的に阻害する)その能力に基づき同定することができる。
従って、一態様において、本開示は、CD73との結合に関して別の抗CD73抗体又はその抗原結合断片、例えば、CD730010抗体、CD730002抗体、CD730004抗体、その変異体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)、又はその抗原結合断片と競合する抗CD73抗体及びその抗原結合断片、例えばヒトモノクローナル抗体を提供する。被験抗体が例えばCD730010抗体(又はクローン10.3抗体又はその抗原結合断片)、又はCD730002抗体(又はクローン2C5抗体又はその抗原結合断片)の結合を阻害する能力は、その被験抗体がCD73との結合に関してその抗体と競合し得ることを実証する;かかる抗体は、非限定的な理論によれば、それが競合する抗CD73抗体又はその抗原結合断片とCD73上の同じ又は関連する(例えば、構造的に類似しているか、又は空間的に近接した)エピトープに結合することができる。一態様において、例えば、CD730010抗体(又はクローン10.3抗体又はその抗原結合断片)、又はCD730002抗体(又はクローン2C5抗体又はその抗原結合断片)とCD73上の同じエピトープに結合する抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、ヒトモノクローナル抗体である。
IV.抗CD73抗体の機能的特性
抗原に対する抗体の親和性又はアビディティは、当該技術分野において周知の任意の好適な方法、例えば、フローサイトメトリー、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、又はラジオイムノアッセイ(RIA)、又は反応速度(例えば、BIACORE(商標)分析)を用いて実験的に決定することができる。直接結合アッセイ並びに競合的結合アッセイフォーマットは、容易に用いることができる。(例えば、Berzofsky et al.,“Antibody−Antigen Interactions,” In Fundamental Immunology,Paul,W.E.,Ed.,Raven Press:New York,N.Y.(1984);Kuby,Immunology,W.H.Freeman and Company:New York,N.Y.(1992);及び本明細書に記載される方法を参照のこと。特定の抗体抗原相互作用の親和性計測値は、異なる条件下(例えば、塩濃度、pH、温度)で計測した場合に異なり得る。従って、親和性及び他の抗原結合パラメータ(例えば、KD又はKd、Kon、Koff)の計測は、抗体及び抗原の標準化した溶液、及び当該技術分野において公知のとおりの及び本明細書に記載される緩衝液など、標準化した緩衝液で行われる。
また、当該技術分野において、表面プラズモン共鳴分析(例えば、BIACORE(商標))を用いて計測した親和性が、反応物のうちのいずれの1つがチップに結合するかに応じて異なり得ることも公知である。この点で、親和性は、標的抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)をチップ上に固定化したフォーマット(「IgGダウン」フォーマットと称される)を用いるか、又は標的タンパク質(例えばCD73)をチップ上に固定化したフォーマット(例えば「CD73ダウン」フォーマットと称される)を用いて計測することができる。
本開示の一態様において、抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、10−6M未満、又は10−7M未満、又は10−8M未満、又は10−9M未満、又は10−10M未満、又は10−11M未満、又は10−12M未満、又は10−13M未満の解離定数又はkd(koff/kon)でCD73及び/又はその抗原断片に特異的に結合する。
別の態様において、抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、1×10−3s−1未満、又は2×10−3s−1未満のKoffでCD73及び/又はその抗原断片に結合する。他の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、10−3s−1未満、5×10−3s−1未満、10−4s−1未満、5×10−4s−1未満、10−5s−1未満、5×10−5s−1未満、10−6s−1未満、5×10−6s−1未満、5×10−7s−1未満、10−8s−1未満、5×10−8s−1未満、10−9s−1未満、5×10−9s−1未満、又は10−10s−1未満のKoffでCD73及びその抗原断片に結合する。
別の態様において、抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、少なくとも105M−1s−1、少なくとも5×105M−1s−1、少なくとも106M−1s−1、少なくとも5×106M−1s−1、少なくとも107M−1s−1、少なくとも5×107M−1s−1、又は少なくとも108M−1s−1、又は少なくとも109M−1s−1の会合速度定数又はkon速度でCD73及び/又はその抗原断片に結合する。
一部の態様において、抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、フローサイトメトリーによって計測したとき少なくとも約60pM、少なくとも約70pM、少なくとも約80pM、少なくとも約90pM、少なくとも約100pM、少なくとも約110pM、少なくとも約120pM、少なくとも約130pM、少なくとも約140pM、少なくとも約150pM、少なくとも約160pM、又は少なくとも約170pmのKDでMB−MDA−231細胞の表面上のCD73に結合する。具体的な一態様において、抗CD73抗体はクローン10.3抗体であり、フローサイトメトリーによって計測したとき約150pMのKDでMB−MDA−231細胞の表面上のCD73に結合する。別の具体的な態様において、抗CD73抗体はクローン2C5抗体であり、フローサイトメトリーによって計測したとき約80pMのKDでMB−MDA−231細胞の表面上のCD73に結合する。
一部の態様において、抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、フローサイトメトリーによって計測したとき少なくとも約40pM、少なくとも約50pM、少なくとも約60pM、少なくとも約70pM、少なくとも約80pM、少なくとも約90pM、少なくとも約100pM、少なくとも約120pM、又は少なくとも約130pMのKDでマウス3T1細胞の表面上のCD73に結合する。具体的な一態様において、抗CD73抗体はクローン10.3抗体であり、フローサイトメトリーによって計測したとき約110pMのKDでマウス3T1細胞の表面上のCD73に結合する。別の具体的な態様において、抗CD73抗体はクローン2C5抗体であり、フローサイトメトリーによって計測したとき約55pMのKDでマウス3T1細胞の表面上のCD73に結合する。
一部の態様において、抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、フローサイトメトリーによって計測したとき少なくとも約40pM、少なくとも約50pM、少なくとも約60pM、少なくとも約70pM、少なくとも約80pM、少なくとも約90pM、又は少なくとも約100pMのKDでカニクイザルMK−1細胞の表面上のCD73に結合する。具体的な一態様において、抗CD73抗体はクローン10.3抗体であり、フローサイトメトリーによって計測したとき約80pMのKDでカニクイザルMK−1細胞の表面上のCD73に結合する。別の具体的な態様において、抗CD73抗体はクローン2C5抗体であり、フローサイトメトリーによって計測したとき約60pMのKDでカニクイザルMK−1細胞の表面上のCD73に結合する。
一部の態様において、抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、表面プラズモン共鳴(PROTEON(登録商標))によって計測したとき少なくとも約3pM、少なくとも約4pM、少なくとも約5pM、少なくとも約6pM、少なくとも約7pM、少なくとも約8pM、少なくとも約9pM、又は少なくとも約10pMのKDでヒトCD73に結合する。具体的な一態様において、抗CD73抗体はクローン10.3抗体であり、表面プラズモン共鳴(PROTEON(登録商標))によって計測したとき約4pMのKDでヒトCD73に結合する。別の具体的な態様において、抗CD73抗体はクローン2C5抗体であり、表面プラズモン共鳴(PROTEON(登録商標))によって計測したとき約9pMのKDでヒトCD73に結合する。
一部の態様において、本明細書に開示される抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、表面プラズモン共鳴(PROTEON(登録商標))によって計測したとき少なくとも約1pM、少なくとも約2pM、少なくとも約3pM、少なくとも約4pM、少なくとも約5pM、少なくとも約6pM、少なくとも約7pM、少なくとも約8pM、少なくとも約9pM、少なくとも約10pM、少なくとも約11pM、少なくとも約12pM、少なくとも約13pM、少なくとも約14pM、少なくとも約15pM、少なくとも約16pM、少なくとも約17pM、少なくとも約18pM、少なくとも約19pM、少なくとも約20pM、少なくとも約21pM、少なくとも約22pM、少なくとも約23pM、少なくとも約24pM、又は少なくとも約25pMのKDでマウスCD73に結合する。具体的な一態様において、抗CD73抗体はクローン10.3抗体であり、表面プラズモン共鳴(PROTEON(登録商標))によって計測したとき約1pMのKDでマウスCD73に結合する。別の具体的な態様において、抗CD73抗体はクローン2C5抗体であり、表面プラズモン共鳴(PROTEON(登録商標))によって計測したとき約22pMのKDでマウスCD73に結合する。
一部の態様において、抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、表面プラズモン共鳴(PROTEON(登録商標))によって計測したとき少なくとも約3pM、少なくとも約4pM、少なくとも約5pM、少なくとも約6pM、少なくとも約7pM、少なくとも約8pM、少なくとも約9pM、又は少なくとも約10pMのKDでカニクイザルCD73に結合する。具体的な一態様において、抗CD73抗体はクローン10.3抗体であり、SPR(Proteon)によって計測したとき約7pMのKDでカニクイザルCD73に結合する。別の具体的な態様において、抗CD73抗体はクローン2C5抗体であり、表面プラズモン共鳴(PROTEON(登録商標))によって計測したとき約9pMのKDでカニクイザルCD73に結合する。
一部の態様において、抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、溶液結合によって計測したとき少なくとも約40pM、少なくとも約50pM、少なくとも約60pM、少なくとも約70pM、少なくとも約80pM、少なくとも約90pM、少なくとも約100pM、又は少なくとも約110pMのKDでヒトCD73に結合する。具体的な一態様において、抗CD73抗体はクローン10.3抗体であり、溶液結合によって計測したとき約80pMのKDでヒトCD73に結合する。別の具体的な態様において、抗CD73抗体はクローン2C5抗体であり、溶液結合によって計測したとき約80pMのKDでヒトCD73に結合する。
一部の態様において、抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、溶液結合によって計測したとき少なくとも約100pM、少なくとも約200pM、少なくとも約300pM、少なくとも約400pM、少なくとも約500pM、少なくとも約600pM、少なくとも約700pM、少なくとも約800pM、少なくとも約900pM、少なくとも約1000pM、少なくとも約1100pM、少なくとも約1200pM、少なくとも約1300pM、少なくとも約1400pM、少なくとも約1500pM、少なくとも約1600pM、少なくとも約、又は少なくとも約1700pMのKDでマウスCD73に結合する。具体的な一態様において、抗CD73抗体はクローン10.3抗体であり、溶液結合によって計測したとき約130pMのKDでマウスCD73に結合する。別の具体的な態様において、抗CD73抗体はクローン2C5抗体であり、溶液結合によって計測したとき約1500pMのKDでマウスCD73に結合する。
一部の態様において、抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、溶液結合によって計測したとき少なくとも約60pM、少なくとも約70pM、少なくとも約80pM、少なくとも約90pM、少なくとも約100pM、少なくとも約110pM、又は少なくとも約120pMのKDでカニクイザルCD73に結合する。具体的な一態様において、抗CD73抗体はクローン10.3抗体であり、溶液結合によって計測したとき約90pMのKDでカニクイザルCD73に結合する。別の具体的な態様において、抗CD73抗体はクローン2C5抗体であり、溶液結合によって計測したとき約100pMのKDでカニクイザルCD73に結合する。詳細な態様において、MEDI9447は、約1×10−12、5×10−12、10×10−12、100×10−12、又は150×10−12のKDでCD73に結合する。
一部の態様において、本明細書に開示されるCD73結合分子、例えば、抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、T細胞分裂のAMP媒介抑制を軽減することができる。他の態様において、本明細書に開示されるCD73結合分子、例えば、抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、TregによるATP誘導性Teff抑制をレスキューすることができる。
一部の態様において、本明細書に開示されるCD73結合分子、例えば、抗CD73抗体又はその抗原結合断片(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)は、同系腫瘍成長を有意に阻害することができる。一態様において、腫瘍はCT26マウス同系CRC腫瘍である。一部の態様において、CD73結合分子、例えば、本明細書に開示される抗CD73抗体又はその抗原結合断片(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)は、腫瘍成長を有意に阻害することができ、ここで腫瘍は抗PD1療法に不応性である。
一部の態様において、本明細書に開示されるCD73結合分子、例えば、抗CD73抗体又はその抗原結合断片(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)は、細胞との結合後にインターナライズされることができる。一部の態様において、CD73結合分子は抗体薬物コンジュゲート(ADC)である。
V.抗CD73抗体及び抗原結合断片の調製
モノクローナル抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)及びその抗原結合断片は、Kohler and Milstein(1975)Nature 256:495によって記載されるものなどのハイブリドーマ法を用いて調製することができる。ハイブリドーマ法の使用では、マウス、ハムスター、又は他の適切な宿主動物を上記に記載したとおり免疫し、免疫抗原に特異的に結合し得る抗体のリンパ球による産生を誘発する。リンパ球はまた、インビトロで免疫することもできる。免疫後、リンパ球を単離し、例えばポリエチレングリコールを使用して好適な骨髄腫細胞株と融合することによりハイブリドーマ細胞を形成し、次にそこから未融合のリンパ球及び骨髄腫細胞を選択によって除くことができる。次に、免疫沈降、免疫ブロット法によるか、又はインビトロ結合アッセイ(例えばラジオイムノアッセイ(RIA);酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA))によって決定するとき選択の抗原を特異的に対象とするモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを、標準方法を用いたインビトロ培養か(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press,1986)、又は動物の腹水腫瘍としてインビボで増殖させることができる。次に、上記にポリクローナル抗体について説明されるとおり、モノクローナル抗体を培養培地又は腹水から精製することができる。
或いは、抗CD73モノクローナル抗体(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)及びその抗原結合断片はまた、例えば米国特許第4,816,567号明細書に記載されるとおり組換えDNA方法を用いて作製することもできる。成熟B細胞又はハイブリドーマ細胞から、その抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子を特異的に増幅するオリゴヌクレオチドプライマーを使用したRT−PCRによるなどして、モノクローナル抗体をコードするポリヌクレオチドを単離し、従来の手順を用いてその配列を決定する。次に、重鎖及び軽鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを好適な発現ベクターにクローニングし、本来免疫グロブリンタンパク質を産生しない大腸菌(E.coli)細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又は骨髄腫細胞などの宿主細胞にその発現ベクターをトランスフェクトすると、宿主細胞によってモノクローナル抗体が生成される。また、記載されるとおり、所望の種のCDRを発現するファージディスプレイライブラリから、所望の種の組換え抗CD73モノクローナル抗体又はその抗原結合断片を単離することもできる(McCafferty et al.,1990,Nature,348:552−554;Clarkson et al.,1991,Nature,352:624−628;及びMarks et al.,1991,J.Mol.Biol.,222:581−597)。
抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドは、組換えDNA技術を用いた何らかの種々の方法で更に修飾することができ、それにより代替的な抗体を作成し得る。一部の態様では、例えばマウスモノクローナル抗体の軽鎖及び重鎖の定常ドメインが、(1)例えばヒト抗体のそれらの領域に置換されてキメラ抗体が作成されるか、又は(2)非免疫グロブリンポリペプチドに置換されて融合抗体が作成され得る。一部の態様では、定常領域がトランケートされるか、又は除去されて、モノクローナル抗体の所望の抗体断片が作成される。可変領域の部位特異的又は高密度突然変異誘発を用いてモノクローナル抗体の特異性、親和性等を最適化することができる。
特定の態様において、抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片はヒト抗体又はその抗原結合断片である。ヒト抗体は、当該技術分野において公知の様々な技法を用いて直接調製することができる。インビトロで免疫されるか、又は標的抗原に対する抗体を産生する免疫された個体から単離された固定化ヒトBリンパ球を作成することができる(例えば、Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boemer et al.,1991,J.Immunol.,147(1):86−95;及び米国特許第5,750,373号明細書を参照)。
また、例えば、Vaughan et al.,1996,Nat.Biotech.,14:309−314、Sheets et al.,1998,Proc.Nat’l.Acad.Sci.,95:6157−6162、Hoogenboom and Winter,1991,J.Mol.Biol.,227:381、及びMarks et al.,1991,J.Mol.Biol.,222:581に記載されるとおり、抗CD73ヒト抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片はファージライブラリから選択することもでき、ここで、そのファージライブラリはヒト抗体を発現する)。抗体ファージライブラリを作成及び使用する技術は、米国特許第5,969,108号明細書、同第6,172,197号明細書、同第5,885,793号明細書、同第6,521,404号明細書;同第6,544,731号明細書;同第6,555,313号明細書;同第6,582,915号明細書;同第6,593,081号明細書;同第6,300,064号明細書;同第6,653,068号明細書;同第6,706,484号明細書;及び同第7,264,963号明細書;及びRothe et al.,2007,J.Mol.Bio.,doi:10.1016/j.jmb.2007.12.018(これらの各々は、全体として参照により援用される)にも記載されている。
親和性成熟戦略及びチェインシャッフリング戦略(Marks et al.,1992,Bio/Technology 10:779−783、全体として参照により援用される)が当該技術分野において公知であり、高親和性ヒト抗体又はその抗原結合断片の作成に用いることができる。
一部の態様において、抗CD73モノクローナル抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)はヒト化抗体であってもよい。非ヒト又はヒト抗体の改変、ヒト化又はリサーフェシング方法も用いることができ、当該技術分野において周知である。ヒト化抗体、リサーフェシング抗体、又は同様の改変抗体は、非ヒト、例えば、限定はされないが、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類又は他の哺乳動物である供給源由来の1つ以上のアミノ酸残基を有し得る。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば「インポート」残基と称される残基によって置き換えられ、インポート残基は、典型的には既知のヒト配列の「インポート」可変、定常又は他のドメインから取られる。かかるインポートされた配列を用いて、免疫原性を低減し、又は結合性、親和性、on速度、off速度、アビディティ、特異性、半減期、若しくは当該技術分野において公知のとおりの任意の他の好適な特性を低減し、増強し、若しくは変更することができる。一般に、CD73結合への影響としては、CDR残基が直接的且つ最も実質的に関与する。従って、非ヒト又はヒトCDR配列の一部又は全てを維持する一方で、可変領域及び定常領域の非ヒト配列はヒト又は他のアミノ酸に置き換えることができる。
抗体はまた、任意選択で、CD73抗原に対する高親和性及び他の有利な生物学的特性を保持しつつ改変されたヒト化抗体、リサーフェシング抗体、改変抗体又はヒト抗体であってもよい。この目標を達成するため、任意選択で、ヒト化(又はヒト)又は改変抗CD73抗体及びリサーフェシング抗体を、親配列、改変配列、及びヒト化配列の三次元モデルを使用した親配列及び様々な概念的ヒト化産物及び改変産物の分析プロセスによって調製することができる。三次元免疫グロブリンモデルは一般に利用可能であり、当業者は熟知している。選択した候補免疫グロブリン配列の推定上の三次元立体構造を図解及び表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示を調べることにより、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の見込まれる役割の分析、即ち、候補免疫グロブリンがCD73などのその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の分析が可能になる。このようにして、コンセンサス配列及びインポート配列からフレームワーク(FW)残基を選択して組み合わせることにより、標的抗原に対する親和性の増加など、所望の抗体特性を実現することができる。
抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片のヒト化、リサーフェシング又は改変は、限定はされないが、Jones et al.,Nature 321:522(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323(1988);Verhoeyen et al.,Science 239:1534(1988))、Sims et al.,J.Immunol.151:2296(1993);Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901(1987)、Carter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992);Presta et al.,J.Immunol.151:2623(1993)、米国特許第5,639,641号明細書、同第5,723,323号明細書;同第5,976,862号明細書;同第5,824,514号明細書;同第5,817,483号明細書;同第5,814,476号明細書;同第5,763,192号明細書;同第5,723,323号明細書;同第5,766,886号明細書;同第5,714,352号明細書;同第6,204,023号明細書;同第6,180,370号明細書;同第5,693,762号明細書;同第5,530,101号明細書;同第5,585,089号明細書;同第5,225,539号明細書;同第4,816,567号明細書;同第7,557,189号明細書;同第7,538,195号明細書;及び同第7,342,110号明細書;PCT/米国特許出願第98/16280号明細書;PCT/米国特許出願96/18978号明細書;PCT/米国特許出願91/09630号明細書;PCT/米国特許出願91/05939号明細書;PCT/米国特許出願94/01234号明細書;PCT/英国特許出願89/01334号明細書;PCT/英国特許出願91/01134号明細書;PCT/英国特許出願92/01755号明細書;国際公開第90/14443号パンフレット;国際公開第90/14424号パンフレット;国際公開第90/14430号パンフレット;及び欧州特許第229246号明細書(これらの各々は、そこに引用される文献を含め、全体として参照により本明細書に援用される)に記載されるものなど、任意の公知の方法を用いて実施することができる。
抗CD73ヒト化抗体及びその抗原結合断片はまた、免疫時に内因性免疫グロブリンを産生することなくヒト抗体の完全レパートリーを産生する能力を有するヒト免疫グロブリン遺伝子座を含有するトランスジェニックマウスにおいても作製することができる。この手法は、米国特許第5,545,807号明細書;同第5,545,806号明細書;同第5,569,825号明細書;同第5,625,126号明細書;同第5,633,425号明細書;及び同第5,661,016号明細書に記載されている。
特定の態様において、抗CD73抗体断片(例えば、クローン10.3抗体由来又はクローン2C5抗体由来の断片)が提供される。抗体断片の作製については、様々な技法が公知である。従来、これらの断片は、インタクトな抗体のタンパク質分解による消化によって得られている(例えば、Morimoto et al.,1993,Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107−117;Brennan et al.,1985,Science,229:81)。特定の態様において、抗CD73抗体断片は組換えで作製される。Fab、Fv、及びscFv抗体断片は、いずれも大腸菌(E.coli)又は他の宿主細胞で発現させて、そこから分泌させることができ、このようにしてこれらの断片を大量に作製することが可能である。かかる抗CD73抗体断片はまた、上記で考察した抗体ファージライブラリから単離することもできる。抗CD73抗体断片はまた、米国特許第5,641,870号明細書に記載されるとおりの線状抗体であってもよい。抗体断片の他の作製技法、例えば化学合成が、当業者には明らかであろう。
本開示によれば、CD73に特異的な一本鎖抗体の作製技法を適合させることができる(例えば、米国特許第4,946,778号明細書を参照)。加えて、CD73に対して所望の特異性を有するモノクローナルFab断片、又はその誘導体、断片、類似体若しくは相同体の迅速且つ有効な同定を可能にするFab発現ライブラリの構築方法を適合させることができる(例えば、Huse et al.,Science 246:1275−1281(1989)を参照)。抗体断片は、限定はされないが:(a)抗体分子のペプシン消化によって作製されるF(ab’)2断片;(b)F(ab’)2断片のジスルフィド架橋の還元によって生成されるFab断片、(c)抗体分子をパパイン及び還元剤で処理することによって生成されるFab断片、及び(d)Fv断片を含め、当該技術分野における技法によって作製することができる。
本明細書に開示される抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、その血清半減期が増加するように修飾することができる。これは、例えば、抗体又は抗体断片の適切な領域の突然変異によって抗体又は抗体断片にサルベージ受容体結合エピトープを組み込むことによるか、又は後に抗体又は抗体断片にいずれかの末端若しくは中央で(例えば、DNA又はペプチド合成によって)融合するペプチドタグにそのエピトープを組み込むことによるか、又はYTE突然変異によって達成し得る。抗体又はその抗原結合断片の血清半減期を増加させる他の方法、例えば、PEGなどの異種分子とのコンジュゲーションが、当該技術分野において公知である。
ヘテロコンジュゲート抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)及びその抗原結合断片も本開示の範囲内にある。ヘテロコンジュゲート抗体は、2つの共有結合的につながった抗体で構成される。かかる抗体は、例えば、免疫細胞を望ましくない細胞に標的化させることが提案されている(例えば、米国特許第4,676,980号明細書を参照)。ヘテロコンジュゲート抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)及びその抗原結合断片は、架橋剤が関わる方法を含めた、合成タンパク質化学における公知の方法を用いてインビトロで調製し得ることが企図される。例えば、ジスルフィド交換反応を用いるか、又はチオエーテル結合を形成することにより、免疫毒素を構築することができる。この目的に好適な試薬の例としては、イミノチオレート及びメチル−4−メルカプトブチルイミデートが挙げられる。
本開示の目的上、修飾抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、抗体又はポリペプチドとCD73との会合を提供する任意のタイプの可変領域を含み得ることが理解されなければならない。この点で、可変領域は、所望の腫瘍関連抗原に対して体液性応答を開始して免疫グロブリンを生成するように誘導することのできる任意のタイプの哺乳動物を含み得るか、又はそれに由来し得る。従って、修飾抗CD73抗体又はその抗原結合断片の可変領域は、例えば、ヒト、マウス、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、マカク等)又はルピナス起源のものであり得る。一部の態様では、修飾抗CD73抗体又はその抗原結合断片の可変領域及び定常領域の両方がヒトである。他の態様では、適合抗体(通常非ヒト供給源に由来する)の可変領域が、分子の結合特性が向上し又は免疫原性が低下するように改変され又は特異的に調整される。この点で、可変領域はヒト化されるか、又は他に移入アミノ酸配列を含めることによって変更されてもよい。
特定の態様では、抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片の重鎖及び軽鎖の両方の可変ドメインが、1つ以上のCDRの少なくとも部分的な置換、及び必要であれば、部分的フレームワーク領域置換及び配列変化によって変更される。CDRは、フレームワーク領域が由来する抗体と同じクラス又は更にはサブクラスの抗体に由来し得るが、CDRが異なるクラスの抗体、特定の態様では異なる種の抗体に由来することが想定される。ある可変ドメインの抗原結合能を別の可変ドメインに移すために、全てのCDRをドナー可変領域の完全なCDRに置き換える必要はない。むしろ、抗原結合部位の活性の維持に必要な残基を移しさえすれば十分である。米国特許第5,585,089号明細書、同第5,693,761号明細書及び同第5,693,762号明細書に記載される説明を所与とすれば、免疫原性が低下した機能性抗体を得ることは、ルーチンの実験を実施することによるか、又は手探り試験によって、十分に当業者の能力の範囲内にある。
可変領域の変更にも関わらず、当業者は、修飾抗CD73抗体(例えば、修飾クローン10.3抗体又は修飾クローン2C5抗体)又はその抗原結合断片に、定常領域ドメインの1つ以上の少なくとも一部が欠失しているか、又は他に変更されている抗体(例えば、完全長抗体又はその免疫応答性断片)が含まれてもよく、天然の又は変更されていない定常領域を含むほぼ同じ免疫原性の抗体と比較したときに腫瘍局在の増加又は血清半減期の低下などの所望の生化学的特性がもたらされるようにし得ることを理解するであろう。一部の態様において、修飾抗体の定常領域はヒト定常領域を含み得る。本明細書に開示されるこの抗CD73分子と適合性がある定常領域の修飾は、1つ以上のドメインにおける1つ以上のアミノ酸の付加、欠失又は置換を含む。即ち、本明細書に開示される修飾抗体は、3つの重鎖定常ドメイン(CH1、CH2又はCH3)のうちの1つ以上及び/又は軽鎖定常ドメイン(CL)に対する変更又は修飾を含み得る。一部の態様では、1つ以上のドメインが部分的又は完全に欠失している修飾定常領域が企図される。一部の態様において、修飾抗体は、CH2ドメイン全体が取り除かれたドメイン欠失コンストラクト又は変異体(ΔCH2コンストラクト)を含み得る。一部の態様において、削除された定常領域ドメインは、典型的には欠けている定常領域によって付与される分子可動性の一部を提供する短いアミノ酸スペーサー(例えば、10残基)に置き換えられ得る。
その構成に加えて、当該技術分野では、定常領域が幾つかのエフェクター機能を媒介することが知られている。例えば、補体のC1成分が抗体に結合すると、補体系が活性化される。補体の活性化は細胞病原体のオプソニン化及び溶解に重要である。補体の活性化はまた炎症反応も刺激し、また、自己免疫性の過敏にも関与し得る。更に、抗体はFc領域を介して細胞に結合し、ここでは抗体Fc領域上のFc受容体部位が細胞上のFc受容体(FcR)に結合する。IgG(γ受容体)、IgE(η受容体)、IgA(α受容体)及びIgM(μ受容体)を含め、異なる抗体クラスに特異的なFc受容体が幾つもある。抗体が細胞表面上のFc受容体に結合すると、抗体被覆粒子の貪食及び破壊、免疫複合体のクリアランス、キラー細胞による抗体被覆標的細胞の溶解(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害、又はADCCと呼ばれる)、炎症性メディエーターの放出、胎盤通過及び免疫グロブリン産生の制御を含めた幾つもの重要且つ多様な生物学的反応が惹起される。
特定の態様において、抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、変更されたエフェクター機能を提供し、従って投与される抗体又はその抗原結合断片の生物学的プロファイルが影響を受ける。例えば、定常領域ドメインを(点突然変異又は他の手段によって)欠失又は不活性化させると、循環中の修飾抗体のFc受容体結合が低下し、それにより腫瘍局在が増加し得る。他の場合、定常領域を修飾すると、本開示と一致して、補体結合が調節され、従ってコンジュゲートした細胞毒の血清半減期及び非特異的な会合が低下し得る。定常領域の更に他の修飾を用いると、抗原特異性又は抗体可動性の増加による局在化の増進を可能にするジスルフィド結合又はオリゴ糖部分を除去することができる。同様に、本開示における定常領域に対する修飾は、十分に当業者の範囲内にある周知の生化学的又は分子工学的技法を用いて容易に作製することができる。
特定の態様において、抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片である本明細書に開示されるCD73結合分子は、1つ以上のエフェクター機能を有しない。例えば、一部の態様において、抗体又はその抗原結合断片は抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)活性を有しない。特定の態様において、抗CD73抗体又はその抗原結合断片はFc受容体及び/又は補体因子に結合しない。特定の態様において、抗体又はその抗原結合断片はエフェクター機能を有しない。
特定の態様において、抗CD73修飾抗体又はその抗原結合断片は、それぞれの修飾抗体又はその断片のCH3ドメインがヒンジ領域に直接融合するように改変し得ることが注記されるであろう。他のコンストラクトでは、ヒンジ領域と修飾CH2及び/又はCH3ドメインとの間にペプチドスペーサーを提供することが望ましい場合もある。例えば、適合性コンストラクトを発現させることができ、ここではCH2ドメインが欠失しており、且つ残りのCH3ドメイン(修飾又は非修飾)が5〜20アミノ酸のスペーサーでヒンジ領域に結合している。かかるスペーサーを加えると、例えば、定常ドメインの調節エレメントが空いて利用可能なままであること、又はヒンジ領域が可動なままであることが確実になり得る。しかしながら、ある場合には、アミノ酸スペーサーが免疫原性で、且つコンストラクトに対する望ましくない免疫応答を誘導することが判明し得ることに留意しなければならない。従って、特定の態様では、修飾抗体の所望の生化学的品質を維持するため、コンストラクトに加えられる任意のスペーサーは比較的免疫原性が低いか、又は更には完全に省かれてもよい。
定常領域ドメイン全体の欠失に加えて、本開示の抗CD73抗体及びその抗原結合断片は、数個の、又は更には単一のアミノ酸の部分的欠失又は置換によって提供され得ることが理解されるであろう。例えば、CH2ドメインの選択範囲における単一アミノ酸の突然変異が、Fc結合を実質的に低下させて、それにより腫瘍局在を増加させるには十分であり得る。同様に、調節しようとするエフェクター機能(例えば、補体C1Q結合)を制御する1つ以上の定常領域ドメインの一部を単純に欠失させることが望ましい場合もある。定常領域のかかる部分欠失により、その定常領域ドメインに関連する他の望ましい機能はインタクトなまま残しておきながら、抗体又はその抗原結合断片の選択された特性(例えば、血清半減期)を向上させることができる。更に、上記で示唆したとおり、開示される抗CD73抗体及びその抗原結合断片の定常領域は、得られるコンストラクトのプロファイルを強化する1つ以上のアミノ酸の突然変異又は置換によって修飾することができる。この点で、修飾抗体又はその抗原結合断片の構成及び免疫原性プロファイルを実質的に維持しながら、保存された結合部位によって提供される活性(例えば、Fc結合)を破壊することが可能である。特定の態様は、エフェクター機能の低下若しくは増加などの望ましい特性を増強し、又はより多くの細胞毒又は炭水化物結合を提供するため、定常領域に対する1つ以上のアミノ酸の付加を含み得る。かかる態様では、選択された定常領域ドメインに由来する特定の配列を挿入又は複製することが望ましい場合もある。
本開示はまた、本明細書に示されるキメラ、ヒト化及びヒト抗CD73抗体、又はその抗原結合断片と実質的に相同な変異体及び均等物も提供する。これらは、例えば、保存的置換突然変異、即ち1つ以上のアミノ酸の、同様のアミノ酸による置換を含み得る。例えば、保存的置換は、アミノ酸を同じ一般クラス内の別のアミノ酸で置換すること、例えば、ある酸性アミノ酸を別の酸性アミノ酸で置換すること、ある塩基性アミノ酸を別の塩基性アミノ酸で置換すること、又はある中性アミノ酸を別の中性アミノ酸によって置換することを指す。保存的アミノ酸置換によって意味されるものは、当該技術分野において周知である。
抗CD73抗体又はその抗原結合断片は、通常はそのタンパク質の一部でない追加的な化学的部分を含むように更に修飾することができる。それらの誘導体化部分は、タンパク質の溶解度、生物学的半減期又は吸収を向上させることができる。これらの部分はまた、タンパク質の任意の望ましい副作用などを低減し又は消失させることもできる。それらの部分についての概要は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA(2000)を参照することができる。
VI.CD73結合分子をコードするポリヌクレオチド
特定の態様において、本開示は、CD73に特異的に結合するポリペプチド又はその抗原結合断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチドを包含する。例えば、本開示は、抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)をコードするか、又はかかる抗体の抗原結合断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチドを提供する。本開示のポリヌクレオチドはRNAの形態であっても、又はDNAの形態であってもよい。DNAには、cDNA、ゲノムDNA、及び合成DNAが含まれ;且つ二本鎖又は一本鎖であってもよく、及び一本鎖の場合、コード鎖又は非コード鎖(アンチセンス鎖)であってもよい。
特定の態様において、ポリヌクレオチドは単離されている。特定の態様において、ポリヌクレオチドは実質的に純粋である。特定の態様において、ポリヌクレオチドは、例えば宿主細胞からのポリペプチドの発現及び分泌を助けるポリヌクレオチド(例えば、細胞からのポリペプチドの輸送を制御するための分泌配列として機能するリーダー配列)に同じリーディングフレーム内で融合した成熟ポリペプチドのコード配列を含む。リーダー配列を有するポリペプチドはプレタンパク質であり、成熟形態のポリペプチドを形成するため宿主細胞によって切断されるリーダー配列を有することができる。ポリヌクレオチドはまた、成熟タンパク質+追加的な5’アミノ酸残基であるCD73結合プロタンパク質もコードすることができる。
特定の態様において、ポリヌクレオチドは、例えばコードされたポリペプチドの精製を可能にするマーカー配列に同じリーディングフレーム内で融合した成熟CD73結合ポリペプチド、例えば抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片のコード配列を含む。例えば、マーカー配列は、細菌宿主の場合にpQE−9ベクターによって供給されるヘキサヒスチジンタグであってもよく、それによりマーカーに融合した成熟ポリペプチドの精製が提供され、又はマーカー配列は、哺乳類宿主(例えば、COS−7細胞)を使用するときは、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質に由来するヘマグルチニン(HA)タグであってもよい。
本開示はまた、例えば、本明細書に開示されるCD73結合分子(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)のCD73結合断片、類似体、及び誘導体をコードする記載のポリヌクレオチドの変異体も提供する。
ポリヌクレオチド変異体は、コード領域、非コード領域、又は両方に変更を含み得る。一部の態様において、ポリヌクレオチド変異体は、サイレント置換、付加、又は欠失を生じるものの、コードされるポリペプチドの特性又は活性は変えない変更を含む。一部の態様において、ヌクレオチド変異体は、遺伝子コードの縮重に起因するサイレント置換によって作製される。ポリヌクレオチド変異体は、種々の理由で、例えば、特定の宿主用にコドン発現を最適化するため(ヒトmRNAのコドンを大腸菌(E.coli)などの細菌宿主が選好するものに変化させるため)作製され得る。本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含むベクター及び細胞も提供される。
一部の態様において、CD73結合分子、例えば抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片をコードするDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成機を使用した化学合成によって構築することができる。かかるオリゴヌクレオチドは、所望のポリペプチドのアミノ酸配列、及び目的の組換えポリペプチドが産生される宿主細胞において有利なコドンの選択に基づき設計することができる。標準方法を適用して、目的の単離ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド配列を合成することができる。例えば、完全なアミノ酸配列を使用して逆翻訳遺伝子を構築することができる。更に、特定の単離ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含有するDNAオリゴマーを合成することができる。例えば、所望のポリペプチドの一部分をコードする幾つかの小さいオリゴヌクレオチドを合成し、次にライゲートすることができる。個々のオリゴヌクレオチドは、典型的には相補的アセンブリのための5’又は3’オーバーハングを含有する。
アセンブル後(合成、部位特異的突然変異誘発又は別の方法による)、目的とする特定の単離ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は発現ベクターに挿入され、所望の宿主におけるそのタンパク質の発現に適切な発現制御配列に作動可能に連結される。適切なアセンブリは、ヌクレオチドシーケンシング、制限マッピング、及び好適な宿主における生物学的に活性なポリペプチドの発現によって確認することができる。当該技術分野において周知のとおり、宿主におけるトランスフェクトした遺伝子の高い発現レベルを達成するためには、その遺伝子を、選択の発現宿主で機能する転写及び翻訳発現制御配列に作動可能に連結しなければならない。
特定の態様では、組換え発現ベクターを使用して、抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片をコードするDNAを増幅し、発現させる。組換え発現ベクターは、哺乳類、微生物、ウイルス又は昆虫遺伝子に由来する好適な転写又は翻訳調節エレメントに作動可能に連結された、抗CD73抗体及び/又はその抗原結合断片のポリペプチド鎖をコードする合成又はcDNA由来のDNA断片を有する複製可能なDNAコンストラクトである。
転写単位は、概して、以下に更に詳細に記載するとおり、(1)遺伝子発現において調節的役割を有する1つ又は複数の遺伝エレメント、例えば転写プロモーター又はエンハンサーと、(2)mRNAに転写され且つタンパク質に翻訳される構造又はコード配列と、(3)適切な転写及び翻訳開始及び終結配列との集合を含む。かかる調節エレメントは、転写を制御するためオペレーター配列を含み得る。一般に複製起点によって付与される宿主における複製能、及び形質転換体の認識を促進する選択遺伝子が、更に組み込まれ得る。DNA領域は、それらが機能上互いに関係しているとき、作動可能に連結している。例えば、シグナルペプチド(分泌リーダー)のDNAは、それがポリペプチドの分泌に関与する前駆体として発現する場合、そのポリペプチドのDNAに作動可能に連結している;プロモーターは、それが配列の転写を制御する場合、コード配列に作動可能に連結している;又はリボソーム結合部位は、それが翻訳を可能にするような位置にある場合、コード配列に作動可能に連結している。酵母発現系での使用が意図される構造エレメントは、宿主細胞による翻訳タンパク質の細胞外分泌を可能にするリーダー配列を含む。或いは、組換えタンパク質がリーダー配列又は輸送配列なしに発現する場合、それはN末端メチオニン残基を含み得る。この残基は、任意選択で、後に発現した組換えタンパク質から切断されて、最終産物を提供し得る。
発現制御配列及び発現ベクターの選択は、宿主の選択に依存することになる。幅広い種類の発現宿主/ベクターの組み合わせを用いることができる。真核生物宿主に有用な発現ベクターとしては、例えば、SV40、ウシパピローマウイルス、アデノウイルス及びサイトメガロウイルス由来の発現制御配列を含むベクターが挙げられる。細菌宿主に有用な発現ベクターとしては、pCR 1、pBR322、pMB9及びそれらの誘導体を含めた大腸菌(E.coli)由来のプラスミドなどの公知の細菌プラスミド、M13及び繊維状一本鎖DNAファージなどのより広い宿主域のプラスミドが挙げられる。
CD73結合分子、例えば抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片の発現に好適な宿主細胞には、適切なプロモーターの制御下にある原核生物、酵母、昆虫又は高等真核生物細胞が含まれる。原核生物には、グラム陰性又はグラム陽性生物、例えば大腸菌(E.coli)又は桿菌が含まれる。高等真核生物細胞には、以下に記載するとおりの哺乳類起源の樹立細胞株が含まれる。無細胞翻訳系も用いることができる。細菌、真菌、酵母、及び哺乳類細胞宿主での使用に適切なクローニング及び発現ベクターは、Pouwels et al.(Cloning Vectors:A Laboratory Manual,Elsevier,N.Y.,1985)(この関連する開示は本明細書によって参照により援用される)によって記載されている。抗体作製を含めたタンパク質作製方法に関する更なる情報については、例えば、米国特許出願公開第2008/0187954号明細書、米国特許第6,413,746号明細書、及び同第6,660,501号明細書、並びに国際特許公開国際公開第04009823号明細書(これらの各々は本明細書によって全体として参照により本明細書に援用される)を参照することができる。
種々の哺乳類又は昆虫細胞培養系も、組換えCD73結合分子、例えば抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片の発現に有利に用いることができる。哺乳類細胞における組換えタンパク質の発現を実施してもよく、なぜならかかるタンパク質は概して正しく折り畳まれ、適切に修飾され、且つ完全に機能性であるためである。
好適な哺乳類宿主細胞株の例としては、HEK−293及びHEK−293T、Gluzman(Cell 23:175,1981)によって記載されるサル腎細胞のCOS−7株、及び他の細胞株、例えば、L細胞、C127、3T3、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、NSO、HeLa及びBHK細胞株が挙げられる。哺乳類発現ベクターは、非転写エレメント、例えば、複製起点、発現させる遺伝子に連結した好適なプロモーター及びエンハンサー、及び他の5’又は3’フランキング非転写配列、及び5’又は3’非翻訳配列、例えば、必須リボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与・受容部位、及び転写終結配列などを含み得る。昆虫細胞における異種タンパク質産生用のバキュロウイルス系が、Luckow and Summers,BioTechnology 6:47(1988)によってレビューされている。
形質転換宿主によって産生されるCD73結合分子、例えば抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、任意の好適な方法によって精製することができる。かかる標準方法には、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー及びサイズ排除カラムクロマトグラフィー)、遠心、溶解度差、又は任意の他の標準的なタンパク質精製技法によるものが含まれる。ヘキサヒスチジン、マルトース結合ドメイン、インフルエンザコート配列及びグルタチオン−S−トランスフェラーゼなどのアフィニティータグをタンパク質に付加すると、適切なアフィニティーカラムに通過させることによる容易な精製が可能となり得る。単離されたタンパク質はまた、タンパク質分解、核磁気共鳴及びX線結晶学などの技法を用いて物理的に特徴付けることもできる。
例えば、組換えタンパク質を培養培地中に分泌する系からの上清を、初めに市販のタンパク質濃縮フィルタ、例えばAmicon(登録商標)又はMillipore Pellicon(登録商標)限外ろ過ユニットを使用して濃縮し得る。この濃縮ステップの後、濃縮物を好適な精製マトリックスに適用し得る。或いは、陰イオン交換樹脂、例えば、ペンダントジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマトリックス又は基質を用いてもよい。マトリックスは、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロース又はタンパク質精製において一般的に用いられる他のタイプであってもよい。或いは、陽イオン交換ステップが用いられてもよい。好適な陽イオン交換体としては、スルホプロピル基又はカルボキシメチル基を含む種々の不溶性マトリックスが挙げられる。最後に、疎水性RP−HPLC媒体、例えばペンダントメチル基又は他の脂肪族基を有するシリカゲルを用いる1つ以上の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)ステップを用いて、CD73結合分子(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)を更に精製することができる。均一な組換えタンパク質を提供するため、前述の精製ステップの一部又は全てを様々に組み合わせて用いることもできる。
細菌培養で産生された組換えCD73結合タンパク質、例えば抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、例えば、細胞ペレットからの初期抽出と、続く1つ以上の濃縮、塩析、水性イオン交換又はサイズ排除クロマトグラフィーステップによって単離することができる。最終精製ステップには、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いることができる。組換えタンパク質の発現に用いられる微生物細胞は、凍結融解サイクル処理、音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤の使用を含めた、任意の好都合な方法によって破壊することができる。
抗体及び他のタンパク質を精製するための当該技術分野において公知の方法としてはまた、例えば、米国特許出願公開第2008/0312425号明細書、同第2008/0177048号明細書、及び同第2009/0187005号明細書(これらの各々は、本明細書によって全体として参照により本明細書に援用される)に記載されるものも挙げられる。
特定の態様では、CD73結合分子は、抗体でないポリペプチドである。タンパク質標的に高親和性で結合する非抗体ポリペプチドを同定及び作製する種々の方法が当該技術分野において公知である。例えば、Skerra,Curr.Opin.Biotechnol..18:295−304(2007)、Hosse et al.,Protein Science,15:14−27(2006)、Gill et al.,Curr.Opin.Biotechnol.,17:653−658(2006)、Nygren,FEBS J.,275:2668−76(2008)、及びSkerra,FEBS J.,275:2677−83(2008)(これらの各々は、全体として参照により本明細書に援用される)を参照のこと。特定の態様では、ファージディスプレイ技術を用いてCD73結合ポリペプチドを同定/作製することができる。特定の態様では、ポリペプチドは、プロテインA、リポカリン、フィブロネクチンドメイン(例えば、テネイシン−3 Fn IIIドメインなどのフィブロネクチンドメイン)、アンキリンコンセンサスリピートドメイン、及びチオレドキシンからなる群から選択されるタイプのタンパク質スキャフォールドを含む。
VI.治療用抗CD73抗体を用いた治療方法
本開示は、抗CD73結合分子、例えば、抗体、例えばその抗原結合断片、変異体、及び誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)を使用することにより、CD73発現又はCD73発現細胞に関連する疾患、例えば癌を有する患者を治療することに関する方法を提供する。一部の具体的な態様において、かかる癌は、肺癌、乳癌、結腸癌、及びリンパ腫である。
「CD73発現細胞」とは、CD73を発現する細胞を意味する。CD73は、グリコシルホスファチジルイノシトールアンカリングを介する膜結合型であってもよく、また可溶性タンパク質として存在してもよい。細胞及び他の好適な試料中のCD73発現を検出する方法は当該技術分野において周知されており、限定はされないが、免疫組織化学、フローサイトメトリー、ウエスタンブロット、ELISAなどが挙げられる。
以下の考察では、本開示のCD73結合分子(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)による様々な疾患及び障害の診断方法及び治療を参照するが、本明細書に記載される方法はまた、任意の他の抗CD73抗体、及び本明細書に開示される抗CD73抗体の所望の特性を保持している、例えば、CD73に特異的に結合してその5’−ヌクレオチダーゼ活性を中和する能力を有するこれらの抗CD73抗体の抗原結合断片、変異体、及び誘導体(例えば、融合タンパク質又はコンジュゲート)にも適用可能である。一部の態様において、CD73結合分子は、ヒトADCCを媒介しないヒト又はヒト化抗体であるか、又はADCCを媒介しないように改変された抗CD73抗体である。
一部の態様において、CD73結合分子は、CD730010抗体又はその抗原結合断片、クローン10.3抗体又はその抗原結合断片、CD730002抗体又はその抗原結合断片、クローン2C5抗体又はその抗原結合断片、又はCD73004抗体又はその抗原結合断片である。他の態様において、CD73結合分子はクローン10.3突然変異抗体である。一部の態様において、CD73結合分子はクローン10.3モノクローナル抗体である。一部の態様において、CD73結合分子は、血清半減期が延長するように改変されたクローン10.3モノクローナル抗体である。他の態様において、CD73結合分子はクローン10.3 YTE突然変異抗体である。他の態様において、CD73結合分子はクローン2C5突然変異抗体である。一部の態様において、CD73結合分子はクローン2C5モノクローナル抗体である。一部の態様において、CD73結合分子は、血清半減期が延長するように改変されたクローン2C5モノクローナル抗体である。他の態様において、CD73結合分子はクローン2C5 YTE突然変異抗体である。
一態様において、治療は、対象又は患者への本開示の抗CD73結合分子、例えば、抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体の適用又は投与、又は対象又は患者由来の単離組織又は細胞株への抗CD73結合分子の適用又は投与を含み、ここで対象又は患者は、疾患、疾患の症状、又は疾患に対する素因を有する。別の態様において、治療はまた、疾患、疾患の症状、又は疾患に対する素因を有する対象又は患者に対する本開示の抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体を含む医薬組成物の適用又は投与、又は対象又は患者由来の単離組織又は細胞株に対する抗CD73結合分子を含む医薬組成物の適用又は投与を含むことも意図される。
本開示の抗CD73結合分子、例えば、抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体は、様々な癌の治療に有用である。一態様において、本開示は、医薬として使用するための、詳細には、癌(例えば、結腸癌、メラノーマ、乳癌、リンパ腫、又は非小細胞癌)の治療又は予防において使用するための抗CD73結合分子、例えば、抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体を提供する。一部の態様において、癌は前転移性表現型を示す。一部の態様において、癌は転移性癌である。一部の態様において、本明細書に開示される抗CD73結合分子は、適応抗腫瘍活性を惹起し、及び/又は転移を阻害することができる。一部の詳細な態様において、本明細書に開示される抗Cd73結合分子は乳癌における転移を阻害することができる。
本開示の方法では、本明細書の他の部分で定義するとおりの少なくとも1つの抗CD73結合分子、例えば、抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体を使用して、癌に対する好ましい治療応答が促進される。癌治療に対する「好ましい治療応答」という用語は、これらの抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体の活性に関連した疾患の改善、及び/又は疾患に関連する症状の改善を指す。従って、例えば、疾患の改善は、完全寛解として特徴付けることができる。「完全寛解」は、任意の過去の試験結果を標準化して臨床的に検出可能な疾患がないことが意図される。或いは、疾患の改善は、部分寛解として分類することができる。「好ましい治療応答」は、本明細書に開示される抗CD73結合分子の投与によって得られる癌の進行及び/又は持続時間の低減又は阻害、癌の重症度の低減又は改善、及び/又はその1つ以上の症状の改善を包含する。
具体的な態様において、かかる用語は、本明細書に開示される抗CD73結合分子の投与後の1、2又は3つ又はそれを超える結果を指す:(1)癌細胞集団の安定化、減少又は消失;(2)癌成長の安定化又は減少;(3)癌の形成障害;(4)原発性、局所的及び/又は転移性癌の根絶、除去、又は制御;(5)死亡率の低下;(6)無病、無再発、無進行、及び/又は全生存期間又は比率の増加;(7)奏効率、応答の持続性、又は応答性又は寛解期の患者の数の増加;(8)入院率の低下、(9)入院期間の低下、(10)癌のサイズが保たれ、増加しないか、又はその増加が10%未満、好ましくは5%未満、好ましくは4%未満、好ましくは2%未満である、及び(12)寛解期の患者の数の増加。
臨床応答は、磁気共鳴画像(MRI)スキャン、X線イメージング、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、フローサイトメトリー又は蛍光活性化セルソーター(FACS)分析、組織学、肉眼的病理学、及び血液化学、例えば、限定はされないが、ELISA、RIA、クロマトグラフィーなどによって検出可能な変化など、スクリーニング技術を用いて評価することができる。これらの好ましい治療応答に加えて、抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体による療法を受けている対象は、疾患に関連する症状の改善において有益な効果を得ることができる。
本明細書に開示される抗CD73結合分子、例えば、抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体は、任意の既知の癌療法、例えば、癌、例えば、結腸癌、肺癌(例えば、非小細胞癌)、リンパ腫、乳癌の治療に有用であることが分かっているか、又はそれに使用されてきた若しくは現在使用されているところである任意の薬剤又は薬剤の組み合わせと併用することができる。具体的な態様において、本明細書に開示されるCD73結合分子、例えば、抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片は、例えば、PD−1(プログラム死1タンパク質)を標的化する抗体又は抗体断片と併用して投与することができる。一部の態様において、抗PD−1抗体はペンブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標)、旧ランブロリズマブ、別名MK−3475)又はその抗原結合断片である。一部の態様において、抗PD−1抗体は、ニボルマブ(BMS−936558、MDX−1106、ONO−4538、OPDIVA(登録商標))又はその抗原結合断片である。一部の態様において、抗PD−1抗体はMEDI4736又はその抗原結合断片である。
一部の態様において、本明細書に開示されるCD73結合分子(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)は、抗PD−1抗体と併用して投与することができる。一部の態様において、抗PD−1抗体と併用した本明細書に開示されるCD73結合分子(例えば、MEDI9447、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)を含む併用治療の投与は、未治療の対象又は単剤療法(例えば、抗CD73抗体を伴わない抗PD−1抗体)で治療した対象と比較して生存を約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約100%増加させることができる。一部の態様において、抗PD−1抗体と併用した本明細書に開示されるCD73結合分子(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)を含む併用治療の投与は、未治療の対象又は単剤療法(例えば、抗CD73抗体を伴わない抗PD−1抗体)で治療した対象と比較して生存を約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、又は約10倍増加させる。
併用療法が、別の治療剤(例えば、抗PD1)の投与と併用した抗CD73結合分子の投与を含む場合、本明細書に開示される方法は、別個の製剤又は単一の医薬製剤、及びいずれかの順序の連続投与を用いた共投与を包含する。一部の態様において、本明細書に記載される抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)は他の薬物と併用して投与され、ここで抗体又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体と治療剤とは、いずれかの順序で逐次的に投与するか、又は同時に(即ち、同時に又は同じタイムフレーム内で)投与することができる。
併用療法は「相乗作用」を提供することができ、「相乗的」である、即ち、活性成分を併せて使用したときに達成される効果が、それらの化合物を個別に使用して得られる効果の総和より高いことが判明し得る。相乗効果は、活性成分が(1)共製剤化されて投与されるか、又は組み合わせた単位投薬量製剤で同時に送達されるとき;(2)別個の製剤として交互に又は並行して送達されるとき;又は(3)他の何らかのレジメンによるとき、達成され得る。交互投与療法で送達される場合、相乗効果は、化合物が例えば別個のシリンジでの異なる注射によって逐次的に投与又は送達されるときに達成され得る。一般に、交互投与療法に際して、各活性成分の有効な投薬量は逐次的に、即ち連続的に投与され、一方併用療法では、2つ以上の活性成分の有効な投薬量は一緒に投与される。
更なる態様は、臨床試験手順の一部としての組織中タンパク質レベルの診断的モニタリングに対する抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)の使用であり、それにより例えば、所与の治療レジメンの有効性が決定される。例えば、抗体を検出可能物質とカップリングすることにより、検出を促進し得る。
検出可能物質の例としては、様々な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、及び放射性物質が挙げられる。好適な酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、又はアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;好適な補欠分子族複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンが挙げられ;好適な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、イソチオシアン酸フルオレセイン、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシル又はフィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリンが挙げられ;及び好適な放射性物質の例としては、125I、131I、35S、又は3Hが挙げられる。
VII.医薬組成物及び投与方法
抗CD73結合分子、例えば、抗体、又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)を調製し、それを必要としている対象に投与する方法は当業者に周知であり、又は当業者によって容易に決定される。抗CD73結合分子、例えば、抗体、又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体の投与経路は、例えば、経口、非経口、吸入によるか又は局所であり得る。本明細書で使用されるとおりの用語の非経口には、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、直腸、又は腟内投与が含まれる。しかしながら、本明細書の教示と適合する他の方法では、本開示の抗CD73結合分子、例えば、抗体、又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体を有害細胞集団の部位に直接送達して、それにより治療剤に対する罹患組織の曝露を増加させることができる。
本明細書で考察するとおり、本開示の抗CD73結合分子、例えば、抗体、又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)は、ある種の癌など、CD73発現細胞が媒介する疾患のインビボ治療に薬学的に有効な量で投与することができる。
本開示で使用される医薬組成物は、例えば、水、イオン交換体、タンパク質、緩衝物質、及び塩を含め、薬学的に許容可能な担体を含み得る。保存剤及び他の添加剤も存在し得る。担体は溶媒又は分散媒であってもよい。本明細書に開示される治療法における使用に好適な製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.)16th ed.(1980)に記載されている。
いずれの場合にも、所要量の活性化合物を(例えば、抗CD73抗体、又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体、例えばクローン10.3抗体又はクローン2C5抗体を、単独で、又は他の活性薬剤との併用で)適切な溶媒中に配合し、続いて滅菌ろ過することにより、滅菌注射用溶液を調製することができる。更に、このような調製物を包装し、キットの形態で販売することができる。かかる製品は、関連する組成物が、疾患又は障害に罹患しているか又はそれに罹り易い対象の治療に有用であることを示すラベル又は添付文書を有し得る。
非経口製剤は単回ボーラス投与、注入又は負荷ボーラス投与であってもよく、その後に維持投与が続く。これらの組成物は、特定の一定の間隔又は変動的な間隔で、例えば、1日1回、又は「必要に応じて」投与され得る。
本組成物は、単回投与、複数回投与として、又は注入における定められた期間にわたって投与され得る。投薬量レジメンも最適な所望の反応(例えば、治療的又は予防的反応)が得られるように調整され得る。
CD73発現細胞が媒介する疾患、例えば、結腸癌を含めたある種の癌などの治療に対する本開示の組成物の治療有効用量は、投与手段、標的部位、患者の生理学的状態、患者がヒトか、それとも動物か、投与されている他の薬物療法、及び処置が予防的か、それとも治療的かを含め、多くの異なる要因に応じて変わる。通常、患者はヒトであるが、トランスジェニック哺乳動物を含めた非ヒト哺乳動物も治療し得る。治療投薬量は、当業者に公知のルーチンの方法を用いて、安全性及び有効性が最適となるように滴定することができる。
少なくとも1つの抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその結合断片、変異体、又は誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)は、本開示の開示を所与とすれば、当業者によって過度の実験を行うことなく容易に決定される。投与方法、及び少なくとも1つの抗CD73結合分子、例えば、抗体、その抗原結合断片、変異体又は誘導体のそれぞれの量に影響を及ぼす要因としては、限定はされないが、疾患の重症度、病歴、並びに治療を受ける個体の年齢、身長、体重、健康、及び理学的状態が挙げられる。同様に、抗CD73結合分子、例えば、抗体、又はその断片、変異体、若しくは誘導体の投与量は、投与方法、及び対象がこの薬剤の単回投与を受けるか、それとも複数回投与を受けるかに依存することになる。
本開示はまた、例えば、結腸癌を含めたある種の癌の治療用医薬の製造における、抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)の使用も提供する。
本開示はまた、ある種の癌を治療するための対象の治療用医薬の製造における、抗CD73結合分子、例えば、抗体、又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)の使用も提供する。特定の態様において、この医薬は、少なくとも1つの他の療法で前治療されている対象において使用される。
「前治療された」又は「前治療」とは、対象が抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)を含む医薬を投与される前に、1つ以上の他の療法を受けている(例えば、少なくとも1つの他の抗癌療法で治療されている)ことが意図される。対象が先行する1つ又は複数の療法による前治療に対するレスポンダーであった必要はない。従って、抗CD73結合分子、例えば、抗体又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体を含む医薬を投与される対象は、先行の療法、又は前治療が複数の療法を含んだ場合に先行の療法のうちの1つ以上による前治療に応答した可能性もあり、又は応答しなかった可能性もある。
本開示はまた、抗CD73結合分子、例えば、抗体、又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)と少なくとも1つの他の療法との共投与も提供する。抗CD73抗体と少なくとも1つの他の療法とは、単一の組成物で一緒に共投与することができ、又は別個の組成物で同時に若しくは重なり合う時間に一緒に共投与することができる。一部の態様において、抗CD73抗体は、例えば、PD−1(プログラム死1タンパク質)を標的化する抗体と共投与することができる。本開示はまた、癌を治療するための対象の治療用医薬の製造における、抗CD73結合分子、例えば、抗体、又はその抗原結合断片、変異体、若しくは誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)の使用も提供し、ここで抗CD73結合分子は、対象が少なくとも1つの他の療法で治療される前に投与される。
VIII.診断
本開示は、特定の種類の癌など、CD73発現細胞が媒介する疾患の診断において有用な診断方法を更に提供し、これは、個体からの組織若しくは他の細胞又は体液中のCD73タンパク質の発現レベルを計測すること、及び計測した発現レベルを正常組織又は体液中の標準CD73発現レベルと比較することを含み、ここで標準と比較した発現レベルの増加が、障害の指標となる。
本明細書に開示される抗CD73抗体並びにその抗原結合断片、変異体、及び誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)は、当業者に公知の古典的な免疫組織学的方法を用いた生物学的試料中のCD73タンパク質レベルのアッセイに使用することができる(例えば、Jalkanen,et al.,J.Cell.Biol.101:976−985(1985);Jalkanen et al.,J.Cell Biol.105:3087−3096(1987)を参照)。CD73タンパク質発現の検出に有用な他の抗体ベースの方法としては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降、又はウエスタンブロッティングなどのイムノアッセイが挙げられる。好適なアッセイは、本明細書の他の部分に更に詳細に記載される。
「CD73ポリペプチドの発現レベルをアッセイする」とは、第1の生物学的試料中のCD73ポリペプチドのレベルを直接(例えば、絶対タンパク質レベルを決定又は推定することによる)、又は相対的に(例えば、第2の生物学的試料中の疾患関連ポリペプチドレベルと比較することによる)、定性的又は定量的に計測又は推定することが意図される。第1の生物学的試料中のCD73ポリペプチド発現レベルを計測又は推定して標準CD73ポリペプチドレベルと比較することができ、この標準は、障害を有しない個体から得た第2の生物学的試料から取られるか、又は障害を有しない個体集団のレベルを平均することにより決定される。当該技術分野では理解されるであろうとおり、一度「標準」CD73ポリペプチドレベルが分かれば、それを比較の標準として繰り返し使用することができる。
「生物学的試料」とは、潜在的にCD73を発現する個体、細胞株、組織培養物、又は他の細胞供給源から得られる任意の生物学的試料が意図される。哺乳動物から組織生検及び体液を得る方法は、当該技術分野において周知である。
IX.CD73結合分子を含むキット
本開示はまた、本明細書に記載される方法の実施に使用し得る、本明細書に記載されるCD73結合分子、例えば、抗CD73抗体又はその抗原結合断片、本明細書に開示される分子の変異体、又は誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)のうちの少なくとも1つを含むキットも提供する。特定の態様において、キットは、1つ以上の容器に少なくとも1つの精製抗CD73抗体又はその抗原結合断片を含む。一部の態様において、キットは、全ての対照、アッセイの実施についての指図、並びに結果の分析及び発表に必要な任意のソフトウェアを含め、検出アッセイの実施に必要及び/又は十分な全ての構成要素を含む。当業者は、開示されるCD73結合分子、例えば、本開示の抗CD73抗体又はその抗原結合断片(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)を、当該技術分野において周知の確立されたキットフォーマットの1つに容易に組み込み得ることを容易に認識するであろう。
X.イムノアッセイ
本明細書に開示される抗CD73結合分子、例えば、抗CD73抗体又はその抗原結合断片、本明細書に開示される分子の変異体、又は誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)は、当該技術分野において公知の任意の方法によって免疫特異的結合に関してアッセイすることができる。使用することのできるイムノアッセイとしては、限定はされないが、いくつか例を挙げれば、ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル内拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイなどの技法を用いる競合及び非競合アッセイシステムが挙げられる。かかるアッセイは常法であり、当該技術分野において周知である(例えば、Ausubel et al.,eds,(1994)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley&Sons,Inc.,NY) Vol.1(参照により全体として本明細書に援用される)を参照)。
CD73結合分子、例えば、抗CD73抗体又はその抗原結合断片、及びそれらの変異体又は誘導体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)は、免疫蛍光法、免疫電子顕微鏡法又は非免疫学的アッセイのように、CD73又はその保存された変異体若しくはペプチド断片のインサイチュー検出に組織学的に用いることができる。インサイチュー検出は、患者から組織標本を採取し、且つ好ましくは標識CD73結合分子(例えば、及び抗体又は断片)を生物学的試料の上に重ねることによって適用して、標識CD73結合分子、例えば、抗CD73抗体又はその抗原結合断片、その変異体、又は誘導体をその標本に適用することによって達成し得る。かかる手順を用いることにより、CD73、又は保存された変異体若しくはペプチド断片の存在のみならず、被験組織におけるその分布も決定することが可能である。本開示を用いることにより、当業者は、かかるインサイチュー検出を実現するため、多種多様な組織学的方法の任意のもの(染色手順など)を変更し得ることを容易に理解するであろう。
CD73結合分子、例えば、抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片、その変異体、又は誘導体の所与のロットの結合活性は、周知の方法により決定することができる。当業者は、ルーチンの実験を用いて各決定に有効且つ最適なアッセイ条件を決定することができるであろう。
単離CD73結合分子、例えば、抗CD73抗体(例えば、クローン10.3抗体又はクローン2C5抗体)又はその抗原結合断片、その変異体、又は改変/突然変異誘導体の結合特性の決定に好適な方法及び試薬は、当該技術分野において公知であり、及び/又は市販されている。かかる反応速度論的分析用に設計された機器及びソフトウェアは市販されている(例えば、BIAcore、BIAevaluationソフトウェア、GE Healthcare;KinExaソフトウェア、Sapidyne Instruments)。
本開示の実施には、特に指示されない限り、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNA、及び免疫学の従来技術が用いられ、それらは当該技術分野の技術の範囲内にある。かかる技法は、文献に十全に説明されている。例えば、Sambrook et al.,ed.(1989)Molecular Cloning A Laboratory Manual(2nd ed.;Cold Spring Harbor Laboratory Press);Sambrook et al.,ed.(1992)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,(Cold Springs Harbor Laboratory,NY);D.N.Glover ed.,(1985)DNA Cloning,Volumes I and II;Gait,ed.(1984)Oligonucleotide Synthesis;Mullis et al.米国特許第4,683,195号明細書;Hames and Higgins,eds.(1984)Nucleic Acid Hybridization;Hames and Higgins,eds.(1984)Transcription And Translation;Freshney(1987)Culture Of Animal Cells(Alan R.Liss,Inc.);Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press)(1986);Perbal(1984)A Practical Guide To Molecular Cloning;the treatise,Methods In Enzymology(Academic Press,Inc.,N.Y.);Miller and Calos eds.(1987)Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells,(Cold Spring Harbor Laboratory);Wu et al.,eds.,Methods In Enzymology,Vols.154 and 155;Mayer and Walker,eds.(1987)Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology(Academic Press,London);Weir and Blackwell,eds.,(1986)Handbook Of Experimental Immunology,Volumes I−IV;Manipulating the Mouse Embryo,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,(1986);及びAusubel et al.(1989)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons,Baltimore,Md.)を参照のこと。
抗体工学の一般原理は、Borrebaeck,ed.(1995)Antibody Engineering(2nd ed.;Oxford Univ.Press)に記載される。タンパク質工学の一般原理は、Rickwood et al.,eds.(1995)Protein Engineering,A Practical Approach(IRL Press at Oxford Univ.Press,Oxford,Eng.)に記載される。抗体及び抗体−ハプテン結合の一般原理は、Nisonoff(1984)Molecular Immunology(2nd ed.;Sinauer Associates,Sunderland,Mass.);及びSteward(1984)Antibodies,Their Structure and Function(Chapman and Hall,New York,N.Y.)に記載される。加えて、当該技術分野において公知の、具体的には記載されない免疫学の標準方法が、Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,New York;Stites et al.,eds.(1994)Basic and Clinical Immunology(8th ed;Appleton&Lange,Norwalk,Conn.)及びMishell and Shiigi(eds)(1980)Selected Methods in Cellular Immunology(W.H.Freeman and Co.,NY)にあるとおり、一般に用いられる。
免疫学の一般原理について記載する標準的な参考文献としては、Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,New York;Klein(1982)J.,Immunology:The Science of Self−Nonself Discrimination(John Wiley&Sons,NY);Kennett et al.,eds.(1980)Monoclonal Antibodies,Hybridoma:A New Dimension in Biological Analyses(Plenum Press,NY);Campbell(1984)“Monoclonal Antibody Technology” in Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology,ed.Burden et al.,(Elsevere,Amsterdam);Goldsby et al.,eds.(2000)Kuby Immunnology(4th ed.;H.Freemand&Co.);Roitt et al.(2001)Immunology(6th ed.;London:Mosby);Abbas et al.(2005)Cellular and Molecular Immunology(5th ed.;Elsevier Health Sciences Division);Kontermann and Dubel(2001)Antibody Engineering(Springer Verlan);Sambrook and Russell(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press);Lewin(2003)Genes VIII(Prentice Hall2003);Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press);Dieffenbach and Dveksler(2003)PCR Primer(Cold Spring Harbor Press)が挙げられる。
上記に引用する参考文献の全て、並びに本明細書に引用する全ての参考文献は、全体として参照により本明細書に援用される。
本発明は、例えば以下の実施形態を包含する:
[実施形態1]対象における腫瘍成長を阻害するための、抗CD73抗体又はその抗原結合断片とA2A受容体阻害薬との使用。
[実施形態2]抗CD73抗体又はその抗原結合断片とA2A受容体阻害薬との使用であって、それを必要としている対象における抗腫瘍免疫応答を増加させるための使用。
[実施形態3]対象の腫瘍を治療するための、抗CD73抗体又はその抗原結合断片とA2A受容体阻害薬との使用。
[実施形態4]前記抗CD73抗体がMEDI9447又はその抗原結合断片である、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態5]前記抗CD73抗体がPhen0203 hIgG1又はその抗原結合断片である、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態6]前記A2A受容体阻害薬がSCH58261である、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態7]前記抗CD73抗体がMEDI9447又はその抗原結合断片であり、且つ前記A2A受容体阻害薬がSCH58261である、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態8]前記抗CD73抗体がPhen0203 hIgG1又はその抗原結合断片であり、且つ前記A2A受容体阻害薬がSCH58261である、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態9]前記抗CD73抗体又はその抗原結合断片と前記アデノシン受容体阻害薬(A2ARi)とが同時に使用される、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態10]前記抗CD73抗体又はその抗原結合断片が前記アデノシン受容体阻害薬(A2ARi)より前に使用される、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態11]前記アデノシン受容体阻害薬(A2ARi)が前記抗CD73抗体又はその抗原結合断片より前に使用される、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態12]前記腫瘍が、乳癌、ホルモン媒介性乳癌、トリプルネガティブ乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、肺癌、メラノーマ、非小細胞癌、リンパ腫、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、及び肉腫である、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態13]前記抗CD73抗体又は前記A2A受容体阻害薬のいずれか一方の単独での投与と比較したときに全生存の増加をもたらす、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態14]腫瘍特異的免疫応答を誘導するか又は増加させる、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態15]AMP/CD73/アデノシン経路の免疫抑制効果を低減する、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態16]前記抗CD73抗体又は前記アデノシン受容体阻害薬(A2ARi)のいずれかの単独での使用と比べて転移を低減するか、又は前記腫瘍が転移する傾向を低減する、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態17]前記対象における転移数を低減する、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態18]前記対象がヒト患者である、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態19]前記腫瘍がCD73過剰発現腫瘍である、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態20]前記癌が前転移性表現型を有する、実施形態1〜3のいずれかに記載の使用。
[実施形態21]抗腫瘍活性を増加させるためのキットであって、抗CD73抗体又はその抗原結合断片とA2A受容体阻害薬とを含むキット。
[実施形態22]前記抗CD73抗体がMEDI9447又はその抗原結合断片である、実施形態21に記載のキット。
[実施形態23]前記抗CD73抗体がPhen0203 hIgG1又はその抗原結合断片である、実施形態21に記載のキット。
[実施形態24]前記A2A受容体阻害薬がSCH58261である、実施形態21に記載のキット。
[実施形態25]前記抗CD73抗体がMEDI9447又はその抗原結合断片であり、且つ前記A2A受容体阻害薬がSCH58261である、実施形態21に記載のキット。
[実施形態26]前記抗CD73抗体がPhen0203 hIgG1又はその抗原結合断片であり、且つ前記A2A受容体阻害薬がSCH58261である、実施形態21に記載のキット。
[実施形態27]有効量の抗CD73抗体又はその抗原結合断片とA2A受容体阻害薬とを含む医薬製剤。
[実施形態28]前記抗CD73抗体がMEDI9447又はその抗原結合断片である、実施形態27に記載の医薬製剤。
[実施形態29]前記抗CD73抗体がPhen0203 hIgG1又はその抗原結合断片である、実施形態27に記載の医薬製剤。
[実施形態30]前記A2A受容体阻害薬がSCH58261である、実施形態27に記載の医薬製剤。
[実施形態31]前記抗CD73抗体がMEDI9447又はその抗原結合断片であり、且つ前記A2A受容体阻害薬がSCH58261である、実施形態27に記載の医薬製剤。
[実施形態32]前記抗CD73抗体がPhen0203 hIgG1又はその抗原結合断片であり、且つ前記A2A受容体阻害薬がSCH58261である、実施形態27に記載の医薬製剤。
以下の例は、限定としてではなく、例示として提供される。
本開示の態様は、以下の非限定的な例を参照することによって更に定義され得る。これらの例は、本開示の特定の抗体の調製及び本開示の抗体の使用方法を詳細に記載するものである。当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく材料及び方法の両方に対して多くの変更を行い得ることが明らかであろう。
エクト−5’−ヌクレオチダーゼ(NT5E)としても知られるCD73(分化クラスター73)は、腫瘍細胞並びに正常な間質細胞、例えば内皮細胞及びある種の白血球に見られる膜貫通受容体である。CD73はアデノシン一リン酸からアデノシン及び有機リン酸に触媒する。アデノシン受容体の細胞外部分の結合により、サイクリックAMPを通じてシグナルが送られ、T細胞受容体活性化が阻害される(Linden and Cekic,2012によってレビューされている)。CD73は、調節性B及びTリンパ球の阻害機能の媒介(Saze et al,2013)、並びに内皮完全性の維持(Jalkanen and Salmi,2008によってレビューされている)において役割を果たすと考えられている。
正常な生物学におけるその役割に加えて、CD73及びアデノシンは腫瘍生物学に影響を与える。腫瘍微小環境中の細胞外アデノシンの存在は、免疫抑制性の「ハロー」として記載されている(Antonioli et al,2013)。アデノシンのこの役割と一致して、アデノシン受容体が欠損したノックアウトマウスは、正常マウスと比べてより容易に腫瘍を拒絶することが示されている(Ohta et al,2006)。腫瘍中の細胞外アデノシンの主な供給源はCD73であると考えられている(Augusto et al,2013)。この仮説並びにA2A欠損マウスを用いた研究と一致して、CD73が欠損したノックアウトマウスでは抗腫瘍免疫が増加しており(Stagg et al,2011)、正常マウスと比較したとき発癌の低下を示す(Stagg et al,2012)。具体的には、細胞外アデノシンは、特に調節性T細胞及び骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)の両方の免疫抑制効果を媒介すると考えられている(Antonioli et al,2013によってレビューされている)。小分子又は抗体によるCD73の分子阻害が腫瘍形成、成長、及び転移を阻害し得ることを示す他の研究(Young et al,2014によってレビューされている)を併せて考えると、腫瘍がCD73を使用してアデノシンを生成し、それにより抗腫瘍免疫を抑制することが仮定される。従って、CD73に選択的に結合してそのエクトヌクレオチダーゼ活性を阻害する抗CD73抗体は、抗腫瘍免疫応答の増強に有用である可能性が高い。
実施例1:抗CD73抗体の単離及び同定
ヒトscFvファージディスプレイライブラリをビオチン化CD73細胞外ドメイン(ECD)でパニングして、ヒト、カニクイザル、及びマウスCD73に結合する抗体を単離した。本質的にLloyd et al.,PEDS 22:159−68(2009)に以前記載されたとおり哺乳類細胞からインハウスで作製したビオチン化ヒト及びマウスCD73細胞外ドメイン(ECD)に対する一連の反復的な交互選択サイクルで、ヒトscFvファージディスプレイライブラリからCD73特異的scFv抗体を単離した。選択アウトプットのラウンド2及び3からのScFv遺伝子を、バッチで細菌性scFv−Fc又はFab発現ベクターに変換した。可溶性scFv−Fc又はFabを有する細菌培養上清を、ヒト、マウス、及びカニクイザルCD73 ECDとのそれらの結合性に関してELISA又は均一時間分解蛍光(HTRF)によってスクリーニングした。交差反応性を示す上位のヒットを選択し、DNAシーケンシングに供し、全免疫グロブリンG1三重突然変異体抗体フォーマット(「IgG−TM」、突然変異L234F、L235E及びP331Sを組み込むIgG1 Fc配列)に変換した。IgG1 TM抗体を哺乳類細胞で発現させて、アフィニティークロマトグラフィーによって精製し、結合及び機能アッセイでのそれらの特性に基づきランク付けした。
リード抗体、CD730010は、ヒト、マウス、及びカニクイザルCD73発現細胞に特異的に結合すること(フローサイトメトリーによる)と、組換え可溶性CD73 ECD及び細胞上に提示された天然CD73の活性を阻害することとが示された。ヒトCD73に対するCD730010の結合親和性を増強するため、CD730010の親和性成熟を開始した。
親和性最適化の前に、親和性を損なうことなくCD730010のできるだけ多くのフレームワーク残基を最も近縁のヒト生殖系列配列(IMGTレパートリーに基づく)に復帰させることを試みた(実施例8を参照)。これは、ヒトにおける最終的な抗体薬の潜在的な免疫原性を最小限に抑えるために行った。VLドメインの全てのフレームワーク残基及びVHドメインの1つを除いた全てのフレームワーク残基を、ヒト生殖細胞系列IGLV1−44、IGLJ3、IGHV3−23、及びIGHJ2のアミノ配列に一致するように復帰させることができた。CD730010のVHドメインの94位(Kabat付番;Kabat,1991)にあるリジンは、親和性の損失なしに復帰させることができなかった。
生殖細胞系列化したCD730010抗体の親和性及び効力を、CDR変異体のライブラリを作成し且つそれらの変異体をCD73との結合性の向上に関して試験することによって増強した(実施例9を参照)。親和性の向上が最良であった幾つかの突然変異を組み合わせて、候補薬物MEDI9447を作成した。MEDI9447のヌクレオチド及び推定アミノ酸配列を図1A〜図1Dに示す。
実施例2:抗CD73抗体のエピトープビニング
抗CD73抗体がヒトCD73 ECDとの結合に関して互いに競合する能力を、本質的に記載されるとおり(Abdiche YN et al.,Anal Biochem 386:172−80(2009)、Octet機器で評価した。CD73 ECDタンパク質及び第1の抗CD73抗体をプレインキュベートし、ストレプトアビジンセンサに捕捉されたビオチン化第2抗CD73抗体に添加した。第1の抗CD73抗体がCD73 ECDと第2の抗CD73抗体との結合を遮断した場合、両方の抗体を同じ又は重複するエピトープビンに入れた。両方の抗体がCD73 ECDに同時に結合し得た場合、それらを重複しないエピトープビンに入れた。抗CD73抗体のペアワイズ試験から、それらが3つの重複しないエピトープビンに属することが実証された(表2)。
実施例3:CD73に対する抗CD73抗体の結合
抗CD73抗体の結合親和性及び特異性を表面プラズモン共鳴(SPR)及びフローサイトメトリーによって決定した。
ProteOn XPR36機器を使用して、ヒト、マウス、及びカニクイザルCD73 ECDに対するMEDI9447の結合を特徴付けた。抗ヒトFc抗体を使用してMEDI9447の親和性捕捉を行った。CD73 ECDは移動相にあった。MEDI9447に対するCD73の会合及び解離はラングミュアの1:1モデルで正確に記述することができた。表3に示す結果は、これらの3つの種のCD73 ECDに対するMEDI9447の親和性が同程度であり、低ピコモル範囲にあることを実証している。
ヒト、マウス、及びカニクイザル細胞株上に発現した天然CD73に対するMEDI9447の結合をフローサイトメトリーによって特徴付けた。細胞を様々な濃度のMEDI9447とインキュベートし、フルオロフォア標識抗ヒトFc抗体で抗体結合をモニタした。MEDI9447濃度の関数としての蛍光強度中央値のプロットをワンサイト結合等温線モデルを使用して非線形フィッティングして、平衡解離定数を計算した。フローサイトメトリーによる分析から、ヒト、マウス、及びカニクイザルCD73に対するMEDI9447の同程度の親和性での結合が確認され(表4)、但しKD値はSPRによって決定されるKD値よりも13〜126倍高く、これは恐らくは、組換えCD73と天然CD73との間のコンホメーションの違いによるものと思われる。
ヒトCD73に対するMEDI9447の特異性をフローサイトメトリーによって決定するため、細胞株を作成した。胸水に由来するヒト乳癌細胞であるMDA−MB−231細胞にヒトCD73低分子ヘアピンRNA(shRNA)をトランスフェクトしてCD73の細胞表面発現をノックダウンした。バーキットリンパ腫細胞に由来するT細胞株であるジャーカット細胞に、ヒトCD73 mRNAを発現するプラスミドをトランスフェクトして、CD73の細胞表面発現をノックインした。ジャーカット細胞は内因性CD73をほとんど発現しない。
高CD73発現細胞株(MDA−MB−231)と低発現細胞株(MDA−MB−231、CD73−shRNA)とに結合するMEDI9447の比により、ヒトCD73に対するMEDI9447の特異性を決定した。ヒトCD73に対するMEDI9447の特異性はまた、高CD73発現細胞株(ジャーカット−CD73ノックイン)と低発現細胞株ジャーカットとの比によっても決定した。
マウスCD73(mCD73)に対するMEDI9447の特異性をフローサイトメトリーにより、マウス細胞株4T1(高mCD73発現)をノックダウン細胞株(4T1 mCD73−shRNA)と比較して決定した。加えて、マウスCD73ノックインを有するジャーカット細胞に対するMEDI9447の特異性を野生型ジャーカット細胞(マウスCD73なし)と比較した。
実施例4:抗CD73抗体MEDI9447によるCD73のインターナリゼーション
CD73の抗体媒介性インターナリゼーション又はシェディングをフローサイトメトリーによって評価した。MDA−MB−231細胞を成長培地中100nM MEDI9447又は陰性対照抗体R347の存在下で37℃で0〜4時間インキュベートした。細胞を洗浄し、氷冷PBSに再懸濁した。10nM DyLight488標識検出抗体を添加することにより、細胞表面上のCD73の存在を検出した。細胞を15分間インキュベートし、洗浄し、フローサイトメトリーによって分析した。検出抗体は、MEDI9447エピトープと異なるCD73のエピトープに結合し、両方の抗体とも、妨げなしにCD73に同時に結合する。CD73の細胞表面発現は、MEDI9447と共に4時間インキュベートした後その元の値の73%に降下したことから、CD73の27%はMEDI9447結合時にインターナライズされるか、又はシェディングされるかのいずれかであったことが示唆される(エラー!参照元が見つかりません。)。
細胞株MDA−MB−231(ヒト乳癌)及び4T1(マウス乳癌)へのMEDI9447のインターナリゼーションを、FabZAPアッセイ(Advanced Targeting Systems、San Diego CA)として商業的に販売されているヒト抗体インターナリゼーションキットを使用して評価した。MEDI9447又は陰性対照抗体R347の段階希釈物を40nM FabZAP試薬(細胞毒性タンパク質サポリンにコンジュゲートしたポリクローナル抗ヒトIgG抗体のFab断片)とプレインキュベートし、次に細胞株に添加した。培養下で3日後、CellTiter−Gloアッセイ(Promega、Madison WI)として商業的に販売されている発光細胞生存度アッセイを用いて細胞増殖を計測した。このアッセイを用いてEC50値及び最大毒性を計算した。FabZAP試薬は、そのままでは細胞にインターナライズすることができない。これは被験抗体(例えば、MEDI9447)に結合し、被験抗体のインターナリゼーション時に限り細胞毒性となる。MEDI9447はFabZAPのインターナリゼーションを生じさせ、細胞増殖を用量依存的に阻害した。
被験抗体及びFabZAP試薬の段階希釈物で処理したMDA−MB−231細胞及び4T1細胞の細胞増殖をCellTiter−Gloアッセイによって計測した(図2)。CellTiter−Gloアッセイにおける陰性対照抗体R347からのシグナルをMEDI9447のシグナルからサブトラクトし、非線形回帰分析を使用して用量反応曲線をフィッティングすることによりEC50値及び最大毒性を計算した。
実施例5:抗CD73抗体MEDI9447による5’エクトヌクレオチダーゼ活性の阻害
この試験では、ヒト非小細胞癌細胞株NCI−H322を使用してCD73の触媒によるAMP加水分解を計測するインビトロアッセイでMEDI9447の機能活性を決定した。MEDI9447の製剤は、そのストック溶液を無血清RPMI培地に1μMの終濃度となるように希釈することによって調製した。R347の製剤は、そのストック溶液をRPMIに1μMの終濃度となるように希釈することによって調製した。
NCI−H322細胞を1500rpmで5分間遠心した。上清を除去し、無血清RPMI培地を補充した。ViCell(Beckman、Coulter)細胞計数器を使用して細胞懸濁液をカウントした。96ウェルプレートに細胞を1ウェルにつき100μL当たり10,000細胞の細胞密度でプレーティングした。50μLの4倍濃縮AMP(200μM)を添加した。次にプレートを37℃、5%CO2で24時間インキュベートした。プレートを遠心し、50μLの培養上清をウェル間で96ウェル不透明丸底プレートに移した。次に2×ATPを添加した。CellTiterGlo(登録商標)(Promega)を製造者の指示に従い添加した。5’エクトヌクレオチダーゼの細胞酵素阻害をマルチラベルリーダー、Perkin−Elmer Envisionワークステーションで計測した。試料はPrismソフトウェアを使用して分析した。
MEDI9447は、ヒトインビトロ系でアデノシン一リン酸(AMP)の脱リン酸化を特異的に阻害した。表面発現CD73の細胞ベースのアッセイでは、アデノシン一リン酸からアデノシンへの変換がMEDI9447によって用量依存的に減少したが、無関係のアイソタイプ対照抗体によっては減少しなかった(図3)。図3に示す結果は、96ウェル非組織培養処理プレート(Falcon 3788)に100μLの添加剤不含RPMI培地中ウェル当たり10,000細胞でプレーティングしたCD73発現NSCLC細胞を使用して得られた。抗体はAMP(200μMの終濃度)と共にデュプリケートで添加し、プレートは37℃、5%CO2で24時間インキュベートした。次にプレートを1500rpmで3分間遠心した。新鮮な96ウェルプレート(Costar #3605)に上清を回収し、ATPを100μMの終濃度となるように添加した。CellTiter−Glo(登録商標)試薬(Promega)を1:1で添加し、Envisionルミネセンスプレートリーダー(Perkin Elmer)を使用してATPレベルを計測することにより細胞CD73酵素AMPホスホリラーゼ活性を決定した。ATP及びAMPのみを含有する緩衝液を陰性対照として使用した。アッセイを繰り返した。図3に示す結果は、他のヒト癌細胞株を使用した2つの同様の実験の代表的なものである。
これらの結果は、MEDI9447が癌細胞によるアデノシンの産生を阻害したことを示している。アデノシンは、腫瘍微小環境内で腫瘍の免疫抑制効果を媒介する。
実施例6:MEDI9447による腫瘍浸潤性骨髄系由来サプレッサー細胞の減少
0.1mLのPBS中に懸濁した5×105細胞を4〜6週齢雌マウスの右側腹部に皮下(SC)注射することにより、マウス結腸癌に由来するCT26細胞を樹立した。マウスをMEDI9447又は対照抗体で治療した。
この試験では、各群10匹のマウスを使用した。動物を群に無作為に割り付けた。群1の動物は治療せず、群2にはアイソタイプ対照を投与した。群3にはMEDI9447を投与した。被験物質は、3日目に開始して週2回、腹腔内投与した。16日目、各群5匹の動物を剖検し、腫瘍を摘出した。
群番号及び用量レベルを表8に提供する。
腫瘍はノギスで1、7、9、12、14、及び16日目に計測し、腫瘍容積は以下のとおり計算した:
(1)(腫瘍容積長さ(mm)×(腫瘍容積幅)2(mm))/2。
MEDI9447の抗癌効果は、以下のとおり計算したパーセント腫瘍成長阻害率として表した:
(2)(MEDI9447の平均腫瘍容積/R347−TMの平均腫瘍容積)×100。
フローサイトメトリー用の腫瘍を摘出した。試験16日目にCT26腫瘍担持マウスから腫瘍を解剖した。腫瘍を細片に切断し、コラゲナーゼで消化させた。30分間インキュベートした後、消化された試料を70ミクロンフィルタに通過させた。解離した細胞を4℃で1000rpmで5分間ペレット化し、蛍光活性化細胞選別(FACS)緩衝液に再懸濁した。Vi−Cellでデフォルト設定を用いて細胞をカウントした。ウェル当たり1×106細胞をプレーティングした。細胞を抗CD45(全ての白血球を検出するため)、抗GR1(MDSCを検出するため)及び抗Ly6g(顆粒球系MDSC)で染色した。LSRIIフローサイトメーターでデータを収集した。存在する場合、MDSC分析から得られた有意なp値を図4に記述統計値(即ち、平均値及び標準偏差)の隣に提供する。
MEDI9447はマウスCT26同系Balb/C腫瘍モデルにおいて腫瘍成長を阻害した(図4)。
MEDI9447はマウスCT26同系Balb/C腫瘍モデルにおける腫瘍浸潤性MDSCの割合を低下させた(図5)。
MEDI9447はCT26マウス同系腫瘍の成長を阻害した。加えて、MEDI9447による治療後、同系CT26結腸癌腫瘍の骨髄系由来サプレッサー細胞が減少した。腫瘍内MDSCは腫瘍微小環境に対して免疫抑制効果を有し、腫瘍成長の増強を可能にする。MEDI9447による治療後に腫瘍内MDSCの減少が観察されたことは、MEDI9447による治療が腫瘍免疫抑制を低減する機構を実証している。
実施例7:MEDI9447 mIgG1と抗PD−1抗体との併用は腫瘍成長を低減し、生存を増加させる
HBSS中に懸濁した0.1mlの5×106個のCT26細胞/mlを8〜10週齢の動物の右側腹部に皮下(SC)注射することにより、同系腫瘍を樹立した。腫瘍をノギスで計測し、以下の式を用いて腫瘍容積(TV)を計算した:
(1)TV=(L×W2)/2
(式中、Lは腫瘍長さ(ミリメートル単位)であり、Wは腫瘍幅(ミリメートル単位)である)。
マウスを体重に基づく群に無作為化した。動物の取り替えはなかった。この試験では60匹の雌Balb/cマウスを使用した。
動物を6群に無作為に割り付けた。動物にはMEDI9447(mIgG1)を投与した。被験物質は3日目に開始して週2回、腹腔内(IP)注射によって投与した。群番号及び用量レベルを表9に提供する。
(a)インビボ腫瘍阻害試験の結果
CT26マウス結腸癌を同系Balb/cマウスに移植し、抗CD73(MEDI9447 mIgG1;10mg/kg)、抗PD1(0.5mg/kg)又は併用(10mg/kgの抗CD73及び0.5mg/kgの抗PD1)で治療した。併用治療は抗CD73単独と比較したとき腫瘍成長を有意に阻害した(p=0.015、ANOVA)。試験40日目までの各動物群の腫瘍容積を個々の動物についてプロットした。対照群には、40日間の試験期間の終わりまで腫瘍がなかったマウスはいなかった(図6を参照)。抗CD73治療単独では、試験終了時に腫瘍がなかった動物は10%であった。抗PD1治療単独も、試験終了時に腫瘍がなかった動物は10%であった。顕著なことに、抗CD73と抗PDとの併用治療では、腫瘍がなかったマウスは60%であった。対照群には、試験の終わりまで腫瘍がなかったマウスは一匹もいなかった。抗CD73(MEDI9447 mIgG1)、抗PD1又は抗CD73と抗PD1との併用で治療したマウスのCT26腫瘍を計測した。マウスは試験40日目まで計測し、腫瘍が2000mm3に達したところで人道的に犠牲死させた。抗CD73と抗PD1との併用治療は、抗CD73又は抗PD1治療単独と比較したとき、一緒になって統計学的に有意な生存の増加をもたらした(それぞれp値=0.005及びp=0.038、ログランク検定)(図7)。生存期間中央値は、この併用についての40日目における「未定」と比較して25日及び33日(それぞれ抗CD73及び抗PD1)から増加した。
要約すれば、抗CD73抗体、MEDI9447 mIgG1は、マウス同系CT26結腸癌モデルにおいて抗PD−1抗体と比較したとき抗腫瘍活性の増強を示した。加えて、抗CD73と抗PDとの併用治療では、腫瘍がなかったマウスは60%であった。抗CD73と抗PD1との併用治療はまた、抗CD73又は抗PD1単独治療と比較したとき、一緒になって統計学的に有意な生存の増加ももたらした。
実施例8:抗CD730010抗体及び抗体変異体
CD730002及びCD730010のVH及びVLアミノ酸配列を、IMGT/V−QUEST(http://www.imgt.org)を使用して既知のヒト生殖系列配列とアラインメントし、配列類似性によって最も近縁の生殖系列配列を同定した。CD730010 VHドメインについては、これらはIGHV3−23及びIGHJ2であった。CD730010 VLドメインについて、これらはIGLV1−44及びIGLJ3であった。CDR領域外の6つの非生殖細胞系列残基を同定した:VHのR94、及びVLのL1、P2、V11、K37、及びV39(Kabat付番)。CD730010 IgG1−TM発現ベクターのヌクレオチドを標準的な分子生物学的技術によって復帰突然変異させて、従って得られた発現ベクターはこれらの位置で生殖細胞系列アミノ酸をコードした(VHのK94、及びVLのQ1、S2、A11、Q37、及びL39)。CD730010 IgG1−TMタンパク質変異体を発現させて、精製し、CD73発現MD−MB−231細胞との結合に関してフローサイトメトリーによって試験した。VLの5つ全ての非生殖細胞系列アミノ酸は、結合を損なうことなくそれらの生殖細胞系列残基に変えることができた。しかしながら、VHのR94は結合に重要であり、それをKに変えると結合が損なわれる。CD730010 GL9のヌクレオチド配列を親和性最適化抗体変異体の作成の鋳型として使用した。
CD730002について、最も近縁の生殖系列遺伝子は、VHドメインについてIGHV3−23及びIGHJ3、並びにVLドメインについてIGLV3−1及びIGLJ3であった。CDR領域外の4つの非生殖細胞系列残基を同定した:VHのR94、及びVLのT20、R57、L81及びF87(Kabat付番)。CD730002 IgG1−TM発現ベクターのヌクレオチドを標準的な分子生物学的技術によって復帰突然変異させて、従って得られた発現ベクターはこれらの位置で生殖細胞系列アミノ酸をコードした(VHのK94、及びVLのS20、G57、M81、及びY87)。このCD730002 IgG1−TMタンパク質変異体を発現させて、精製し、組換えヒト及びマウスCD73との結合に関してフローサイトメトリーによって試験した。VLの4つ全ての非生殖細胞系列アミノ酸は、結合を損なうことなくそれらの生殖細胞系列残基に変えることができた。しかしながら、VHのR94は結合に重要であり、それをKに変えると結合が損なわれる。変異体CD730002 SGMY(生殖細胞系列化されていないV、完全に生殖細胞系列化されたVL)を親和性最適化抗体変異体の作成の鋳型として使用した。
実施例9:抗CD73抗体CD730010GL9の親和性最適化
単一のアミノ酸突然変異を有する変異CDR配列を含むFabライブラリをスクリーニングすることにより、CD730010GL9 IgG1−TMを増強した。6つのCDR内の61個の位置の各々を、個々に19個のアミノ酸(システインを除く全ての天然アミノ酸)にランダム化し、理論上1159個のユニークなクローンの多様性(各位置につき19個のアミノ酸×61個の位置)を有するライブラリを作成した。このライブラリの4224個のクローンから細菌Fab断片を作製し、ヒト及びマウスCD73タンパク質との結合に関して捕捉ELISAによってスクリーニングした(アッセイ2)。親CD730010 GL9 IgG1−TMと比較して結合シグナルが増加した180個のクローンを選択し、VH又はVLドメインの突然変異をDNAシーケンシングによって同定した。細菌上清中のFab濃度を標準化し、ヒト及びマウスCD73タンパク質に対する標準化した上清の結合をダイレクトELISAによって判定した(アッセイ1)。表11には、選択された有益な単一アミノ酸置換及び組換えCD73タンパク質との結合に対するそれらの効果を掲載する。
抗CD73抗体の親和性を更に向上させるため、親CD730010 GL9と比較したとき結合が向上した幾つかの単一アミノ酸変化を組み合わせてコンビナトリアルFabライブラリを作成した(アッセイ4)。大腸菌(E.coli)においてこのコンビナトリアルライブラリの4224個のクローンのFab断片を作製し、ヒト及びマウスCD73タンパク質との結合に関して捕捉ELISAによってスクリーニングした。各スクリーニングアッセイからの上位20個のクローンを更なる特徴付けに選択した。上清中のFab濃度を標準化し、標準化した上清の段階希釈物をヒト及びマウスCD73との結合に関して捕捉ELISA及びダイレクトELISAによって試験した。クローンC1、C2、D3及びG10は、ヒト及びマウスCD73に対する強力な結合を示し、更なる特徴付けに選択した。
CD730010 GL9の抗原結合も親和性ベースのファージ選択を用いて増強した。リードCD730010 GL9配列に由来する大規模scFvライブラリを、記載されるとおりの標準的な分子生物学的技術を用いた可変重鎖(VH)相補性決定領域3(CDR3)又は可変軽鎖(VL)CDR3のオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発によって作成した(Finch et al.,JMB 411,791−807(2011))。これらのライブラリを、ビオチン化ヒト及びマウスCD73細胞外ドメインタンパク質による一連の反復的な交互選択サイクルでパニングした。選択アウトプットのラウンド3からのScFv遺伝子を細菌IgG発現ベクターにバッチ変換した。可溶性IgGを含有する細菌培養上清を、ヒト及びマウスCD73とのそれらの結合に関してスクリーニングした。親CD730010 GL9と比較してCD73との結合が有意に向上したIgG変異体をDNAシーケンシングに供した。2つの変異体、GRVE及びHPTを、更なる特徴付けに選択した。
更なる親和性の向上を生じさせるため、コンビナトリアルFabライブラリ及び親和性ベースのファージ選択から同定された有益な突然変異を組み合わせて、変異体73combo1〜73combo6を作成した。
実施例10:抗CD73抗体CD730002SGMYの親和性最適化
CD730010GL9について記載したとおり、単一アミノ酸突然変異を有する変異CDR配列を含むFabライブラリをスクリーニングすることによってCD730002SGMY IgG1−TMを増強した。組換えCD73に対する結合シグナルの増加をもたらしたVHドメインの5つのアミノ酸突然変異及びVLドメインの4つのアミノ酸突然変異が同定された。表12には、有益な単一アミノ酸置換及び組換えCD73との結合に対するそれらの効果を掲載する。
抗CD73抗体CD730002SGMYの親和性を更に向上させるため、VHドメインに1つの有益なアミノ酸変化を有し、且つVLドメインに1つの有益なアミノ酸変化を有するIgG変異体を調製した。293F細胞の一過性トランスフェクションによって抗体変異体を調製し、MDA−MB−231細胞との結合に関してフローサイトメトリーによってスクリーニングした。クローン2C5は親CD730002SGMYよりも3倍低いEC50値を有した。
実施例11:増強抗CD73抗体の親和性
ヒト、マウス、及びカニクイザルCD73に対する増強抗CD73抗体(IgG1−TMフォーマット)の親和性をフローサイトメトリー及び表面プラズモン共鳴(SPR)によって決定した(表13)。増強抗体は、これらの3つの種由来の細胞性及び組換えCD73に対してpM親和性を有した。
実施例12:抗ヒトCD73抗体、Phen0203 hIgG1は、インビトロでCD4+CD25− T細胞増殖のAMP媒介性抑制を濃度依存的に阻害した。
抗CD73抗体(Phen0203)がインビトロでAMP媒介性T細胞抑制を軽減する能力を決定する試験を行った。このインビトロ試験では、抗ヒトCD73抗体(Phen0203 hIgG1)がCD73によるアデノシン一リン酸からアデノシン及び有機リン酸への触媒作用及び続くT細胞機能への影響を阻害する能力を調べた。Phen0203 hIgG1は、インビトロでCD73の細胞性の及び生化学的な酵素活性を阻害する能力を含め、MEDI9447と同様の機能特性を有する)。
Phen0203 hIgG1抗体は、重鎖定常領域に改変を有しないヒトIgG1 mAbである。MEDI9447と同様に、この抗体も、ヒトCD73に選択的に結合して、ヒトCD73のエクトヌクレオチダーゼ活性による免疫抑制性アデノシンの産生を阻害する。しかしながら、Phen0203はマウスCD73に対する交差反応性を欠いている。
AMP媒介性T細胞抑制に関するアッセイでは、白血球コーン(leukocyte cone)の内容物からCD25+細胞が枯渇した初代ヒトCD4+ T細胞を単離し、エフェクター細胞として使用した;各コーンは別々に処理した。簡潔に言えば、白血球コーンの内容物をPBSに希釈し、次にFicoll−Paque Plus(GE Healthcare、Chalfont St Giles、UK)に層状に重ね、ブレーキをオフにして400×gで40分間遠心した。次に界面から末梢血単核細胞(PBMC)を単離し、200×gで10分間遠心することによりPBSで洗浄した。上清を廃棄し、細胞をPBS中に懸濁した。生細胞を決定し、次に350×gで5分間ペレット化して、5×107/mLの濃度でRobosep緩衝液(Stem Cell、Grenoble、France)に懸濁した。EasySepヒトCD4+ T細胞エンリッチメントキット(Stem Cell、Grenoble、France)及びRoboSep(Stem Cell、Grenoble、France)を使用したネガティブ選択により、PBMCからCD4+ T細胞を単離した。精製したCD4+ T細胞をペレット化し、1.5×107/mLでRobosep緩衝液中に再懸濁した。Dynabeads CD25(Dynabeads Regulatory CD4+CD25+ T細胞キットの一構成要素;Life Technologies、Paisley、UK)を1.5×107細胞当たり200μLで添加し、連続的に混合しながら4℃で25分間インキュベートした。次に細胞をDynaMag−15磁石(Life Technologies、Paisley、UK)内に1分間置き、CD4+CD25−エフェクター細胞を含有する上清を新しいチューブに移した。
CellTrace CFSE細胞増殖キット(Life Technologies、Paisley、UK)を使用して、単離したエフェクター細胞を0.1%BSA含有PBS中1×106細胞/mLの細胞密度で37℃で15分のインキュベーション時間としてCFSEプローブ(3μM)によって標識した。細胞を温X−Vivo 15培地で2回洗浄し、同じ培地中に5×105細胞/mLで懸濁した。1×106細胞当たり25μLの抗CD3及び抗CD28被覆マイクロビーズ(DynabeadsヒトT−アクチベーターCD3/CD28;Life Technologies、Paisley、UK)及び60IU/mLのrhIL−2を添加することにより、標識したエフェクター細胞を37℃で1時間活性化させた。その後、活性化したCD4+CD25−細胞(100μL中約50,000)を滅菌丸底96ウェルプレートのウェルに添加した。X−Vivo 15培地(Lonza、Slough、UK)中に以下の試薬の段階希釈を実施した:被験物質Phen0203 hIgG1;R347対照抗体;陽性対照としてのAPCP;及びSCH58261、アデノシン受容体A2Aに対する選択的アンタゴニスト。Phen0203 hIgG1は既製製剤(MedImmune、Gaithersburg、MD)として受領し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に希釈した。R347は既製製剤(MedImmune、Gaithersburg、MD)として受領し、PBSに希釈した。
プレート内の細胞に50μLの希釈試薬を添加し、続いて400μM又は800μMのAMP(Sigma−Aldrich、Gillingham、UK)を含有する50μLのX−Vivo 15(Lonza、Slough、UK)を添加した。以下の対照ウェルも含まれた:活性化CFSE標識CD4+CD25−細胞、AMP無し(活性化対照);CFSE標識CD4+CD25−細胞、AMP有り、但し被験/対照物質無し(未処理対照);及び活性化していない(静止対照)CFSE標識CD4+CD25−細胞、AMP無し。このアッセイの細胞を100×gで2分間遠心することにより穏やかにペレット化し、37℃、5%CO2の加湿組織培養インキュベーターに72時間入れた。
72時間のインキュベーション後、380gで4分間遠心することにより細胞をペレット化し、100μLのFACS緩衝液(eBioscience、Hatfield、UK)で1回洗浄し、最後に、BD FACSCanto II(BD Biosciences、Oxford、UK)でのフローサイトメトリー分析のため、3.7%のホルムアルデヒドを含有する100μLのPBS中に懸濁した。AMPウェルのない静止CFSE+ CD4+CD25−細胞を使用して、細胞分裂を起こした細胞(分裂細胞)を同定した。
CD73は、一部のCD4+ T細胞上に発現することが分かった。細胞外AMPの存在下では、CD73+ T細胞は、CD73によるAMPからアデノシンへの代謝と、それに続くアデノシン受容体の活性化及び次のT細胞機能の調節に関わるパラクリン/オートクリン経路を可能にする潜在的能力を有する。このCD73/アデノシン経路を、TCRシグナル伝達及びrhIL−2によって活性化した精製CD4+CD25−初代ヒトT細胞を使用してインビトロでモデル化した。100又は200μMの細胞外AMPの存在下でT細胞増殖は抑制された。
抗CD73抗体(Phen0203 hIgG1)がAMP媒介性T細胞抑制を阻害するインビトロでの能力を評価した。AMPの存在下でPhen0203 hIgG1を添加すると、T細胞増殖が濃度依存的に増加した(図9)。対照的に、R347アイソタイプ対照抗体は効果を有しなかった。理論によって拘束されることは意図しないが、これは、CD73に対する抗CD73抗体の結合が、アデノシンの生成及び続くアデノシン受容体シグナル伝達によるT細胞機能に対する阻害効果を遮断し又は低下させることが可能であったことを示唆している。
APCP及びSCH58261は、それぞれCD73(Hausler et al.,Cancer Immunol Immunother.2011 60(10):1405−18)及びアデノシン受容体A2A(Marcoli et al.,Neuropharmacology 2003 45(2):201−10)の既知の小分子阻害薬である。これらの分子の添加によってもAMPの存在下でのT細胞増殖の増加がもたらされた(図9及び図10)。理論によって拘束されることは意図しないが、これは、このインビトロ初代ヒト細胞アッセイ系でのT細胞抑制の媒介におけるCD73、アデノシン及びアデノシン受容体A2Aシグナル伝達の役割を示唆している。
抗ヒトCD73抗体のPhen0203 hIgG1は、インビトロでCD4+CD25− T細胞増殖のAMP媒介性抑制を濃度依存的に阻害する能力を有した。このデータは、AMP/CD73/アデノシン経路の免疫抑制効果を標的化する抗CD73抗体手法の科学的論拠を提供する。
実施例13:抗CD73抗体とアデノシン受容体阻害薬との併用はTNF−α分泌に対して相乗効果を有した
諸研究によれば、抗CD73抗体を用いたCD73及びそのアデノシン産生の分子阻害が腫瘍形成、成長、及び転移を阻害し得ることが示されている。アデノシン受容体A2Aは、免疫細胞の負の調節において役割を果たすことが仮定される。従って、抗CD73抗体、MEDI9447(mIgG1)の抗腫瘍効果は、それをアデノシン受容体阻害薬(A2ARi)と併用して投与することにより増加し得ることを調べた。
抗CD73モノクローナル抗体単独及びアデノシン受容体阻害薬(A2ARi)との併用でのヒト混合白血球培養において免疫活性化サイトカインIFNγ及びTNFαの放出を評価した。上清中のIFNγ及びTNFαのレベルをELISAによって検出した。ヒト末梢血リンパ球を混合白血球反応で72時間セットアップし、抗CD73単独、A2AR阻害薬単独又は両方の薬剤で刺激した。8ドナーのペアワイズの組み合わせからの末梢血単核細胞を、1μM 抗CD73抗体MEDI9447及び1μM A2ARi SCH58261の単独又は併用の存在下で72時間インキュベートした。インキュベーション後、上清中のインターフェロンγ(IFNγ)及び腫瘍壊死因子α(TNFα)レベルをMesoscale ELISAプレートを使用して計測した。各化合物とのインキュベーション後に観察されたIFNγ及びTNFαレベルを、陰性対照としてのアイソタイプ対照抗体とのインキュベーションからのレベルを使用して、デュプリケートの対照に対する倍数値としてプロットした。
抗CD73抗体MEDI9447(mIgG1)及びアデノシン受容体阻害薬(A2ARi)は、上清中に種々のレベルのIFNγ及びTNFαが検出されたとおり(図11及び図12)、ヒト細胞においてこれらのサイトカインを様々な程度に誘導する能力を有した。抗CD73抗体、MEDI9447(mIgG1)は、アデノシン受容体阻害薬(A2ARi)と併用したとき、試験した全てのドナーペアでインビトロヒト混合リンパ球刺激アッセイにおいてTNFαレベルの増強を実証した(図12)。実際、MEDI9447とSCH58261との併用の投与は、全てのドナーペアでヒト混合リンパ球刺激アッセイにおけるTNFα分泌に対して相乗効果を示した。
実施例15:使用した方法及びアッセイ
前出の実施例は、以下のアッセイ及び方法を用いて実施した。
アッセイ1:ダイレクトELISA
384ウェルELISAプレートを約1.5ng/ウェルの組換えCD73タンパク質でコーティングし、1%BSA/0.1%Tween20/PBSでブロックし、抗体試料と室温で90分間インキュベートした。これに続いて、ヤギ抗Igλ−西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートと室温で30分間インキュベートした。テトラメチルベンジジン(TMB)基質でHRP活性を検出し、1M HClで反応を停止させた。プレートを450nmで読み取った。
アッセイ2:捕捉ELISA
384ウェルELISAプレートを約3ng/ウェルのヒツジ抗ヒトFd抗体でコーティングし(Fabフォーマットの抗体をスクリーニングするため)、1%BSA/0.1%Tween20/PBSでブロックし、試料と室温で90分間インキュベートした。次にビオチン化CD73タンパク質を室温で1時間添加した。これに続いて、ストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートと室温で30分間インキュベートした。テトラメチルベンジジン(TMB)基質でHRP活性を検出し、1M HClで反応を停止させた。プレートを450nmで読み取った。
約50ng/ウェルのビオチン化組換えCD73を使用して、単一アミノ酸突然変異を有するクローンをスクリーニングした。コンビナトリアルライブラリからのクローンのスクリーニングには、10ng/ウェルのビオチン化組換えCD73を使用した。
アッセイ3:フローサイトメトリー結合アッセイ
フローサイトメトリー実験は全て4℃で行い、試薬はPBS/1%FBS緩衝液中に調製した。10,000細胞を50uL容積中の被験抗体と4時間インキュベートした。細胞を2回洗浄し、50uLヤギ抗ヒトIgGFc−AlexaFluor647コンジュゲートにおいて15分間インキュベートした。細胞を洗浄し、Dapiを補足した緩衝液中に再懸濁し、フローサイトメーターで分析した。Dapi強染色によって同定される死細胞は分析から除外した。KD値の決定には、被験抗体濃度の関数としての蛍光強度中央値のプロットを、ワンサイト結合等温線モデルを使用して非線形フィッティングした。
アッセイ4:単一のアミノ酸変化を有する抗体ライブラリの作成
QuikChange Lightning多重部位特異的突然変異誘発キット(Agilent)及びプライマーを使用して、CD730010又はCD730002のCDRコドンの部位特異的突然変異誘発を実施した。野生型コドンをコドンNNSに置き換えたプライマーで各コドンを突然変異誘発した。突然変異誘発したVH及びVL遺伝子を細菌発現用のFabベクターにクローニングした。大腸菌(E.coli)株BL21(DE3)を抗体ライブラリで形質転換し、個々のコロニーをピッキングし、Magic Media(Invitrogen)において室温で24時間培養して細菌Fab断片を作製した。細菌上清を調製し、それを使用してELISA結合アッセイで抗体ライブラリをスクリーニングした。
アッセイ5:コンビナトリアルなアミノ酸変化を有する抗体ライブラリの作成
CD730010GL9 VH及びVL遺伝子を細菌Fab発現用のベクターにクローニングした。QuikChange Lightning多重部位特異的突然変異誘発キット(Agilent)又はオーバーラップPCRのいずれか及び縮重プライマーを使用して、CD730010GL9のCDRコドンの部位特異的突然変異誘発を実施した。縮重プライマーは、同じ位置に選択のアミノ酸変化並びに親アミノ酸をコードするように設計した。大腸菌(E.coli)株BL21(DE3)をFabライブラリで形質転換し、個々のコロニーをMagic Media(Invitrogen)において室温で24時間培養して細菌Fab断片を作製した。細菌上清を使用して、ELISA結合アッセイで抗体ライブラリをスクリーニングした。
アッセイ6:FabZAPアッセイ
96ウェルプレートにおいてRPMI/10%FBS中で1,000細胞/ウェルを培養した。5nMで開始した抗CD73抗体の段階希釈物をFabZAP試薬(Advanced Targeting Systems、San Diego CA)と混合し、細胞に加えた。37℃で3日間インキュベートした後、CellTiter−Gloアッセイ(Promega、Madison WI)を用いて細胞増殖を計測した。
具体的な態様の前出の説明は、本発明の一般的性質を十分に完全に明らかにするものであり、従って第三者が、当該技術分野の範囲内の知識を適用することにより、本発明の一般的概念から逸脱することなく、過度の実験を行うことなしにかかる具体的な態様を容易に改良し及び/又はそれを様々な適用に適合させることができる。従って、かかる適合形態及び改良形態は、本明細書に提供される教示及び指針に基づけば、開示される態様の均等物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書における用語法又は表現法は、限定ではなく、説明を目的とするものであり、従って本明細書の用語法又は表現法は当業者によって教示及び指針を踏まえて解釈されるべきであることが理解されなければならない。