JP6844921B2 - 遮熱材、遮熱組成物、遮熱膜および遮熱建材 - Google Patents
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石油コークスは炭素系材料に分類されるため、これまで遮熱性が求められる分野で利用することはできないと考えられていた。これに対して本発明者等が検討した結果、全く意外なことに、特定量の揮発分を含有する石油コークス粉砕物が配合された組成物は黒色を呈するにも拘わらず優れた遮熱性を発揮することができ、安価な遮熱材として有効に利用しうることを見出して、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
(1)揮発分が4〜20質量%である石油コークス粉砕物からなることを特徴とする遮熱材、
(2)前記石油コークス粉砕物の硫黄分が0.1〜12質量%である上記(1)に記載の遮熱材、
(3)前記石油コークス粉砕物の真密度が1.2〜2.0g/cm3である上記(1)または(2)に記載の遮熱材、
(4)前記石油コークス粉砕物が、明度が25以下、波長2000nmにおける反射率が10%以上のものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の遮熱材、
(5)前記石油コークス粉砕物が、熱分解原料油の熱分解処理残渣の50〜500℃乾燥処理物からなる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の遮熱材、
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の遮熱材と、溶剤および樹脂から選ばれる少なくとも一種とを含むことを特徴とする遮熱組成物、
(7)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の遮熱材を含むことを特徴とする遮熱膜、および
(8)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の遮熱材を含むことを特徴とする遮熱建材、
を提供するものである。
本発明に係る遮熱材は、揮発分が4〜20質量%である石油コークス粉砕物からなることを特徴とするものである。
なお、本発明に係る遮熱材において、石油コークスとは、石油精製プロセスにおいて生成する熱分解原料油を熱分解装置で熱分解処理することにより生成し、上記熱分解処理により軽質分を採取した後に残留する残渣物を意味し、石油コークス粉砕物とは、上記石油コークスの粉砕物を意味する。
揮発分が上記範囲内にあることにより、近赤外線等を含む照射光を容易に反射して所望の遮熱効果を容易に発揮することができる。
しかしながら、本発明者等の検討によれば、上記石油コークス粉砕物の揮発分が特定範囲内にある場合には、石油コークス粉砕物表面にナフチル基やフェニル基等の高い光屈折率を発揮する官能基が一定量存在し、これ等の官能基が近赤外線等を含む照射光に対して反射効果を発揮して遮熱材として有用であることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
石油コークス粉砕物中の硫黄分、すなわち硫黄原子およびチオール基等も光屈折率が高いことから、石油コークス粉砕物の硫黄分が上記範囲内にあることにより、近赤外線等を含む照射光に対し高い屈折率を示し好適に光反射効果を発揮して所望の遮熱効果を容易に発揮することができる。
なお、本出願書類において、石油コークス粉砕物の硫黄分は、JIS M 8819に準拠して測定した値を意味する。
なお、本出願書類において、水素含有量は、JIS M 8813に準拠して測定した値を意味する。
また、本発明に係る遮熱材において、石油コークス粉砕物の窒素含有量は、0.1〜3.0質量%であることが好ましく、0.2〜2.9質量%であることがより好ましく、0.3〜2.8質量%であることがさらに好ましい。
また、本発明に係る遮熱材において、石油コークス粉砕物の固定炭素含有量は、70〜95質量%であることが好ましく、72〜93質量%であることがより好ましく、75〜90質量%であることがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、炭素含有量および窒素含有量は、JIS M 8813に準拠して測定した値を意味し、固定炭素含有量は、JIS M 8812に準拠して測定した値を意味する。
H/Cモル比が上記範囲内にあることにより、石油コークス粉砕物が表面に
光屈折率の大きなナフチル基等の官能基を含み易くなるため、所望の光反射率を容易に発揮することができる。
なお、本出願書類において、H/Cモル比は、JIS M 8813に準拠して測定される炭素含有量の原子換算したモル数に対する水素含有量の原子換算したモル数から算出することができる。
なお、本出願書類において、灰分は、JIS M 8812に準拠して測定した値を意味する。
なお、本出願書類において、水分は、JIS M 8812に準拠して測定した値を意味する。
石油コークス粉砕物の真密度が上記範囲内にあることにより、後述する遮熱組成物や遮熱建材等の調製時に基材との密度差が小さくなり、沈降等を生じることなく良好な分散性を発揮することができ、均質な遮熱膜や遮熱建材等を容易に形成することができる。
なお、本出願書類において、石油コークス粉砕物の真密度は、ATSM D2840に準拠して測定することができる。
上記D50の下限値は特に制限されないが、通常、0.1μm以上である。
本発明に係る遮熱材において、石油コークス粉砕物の10%粒子径(D10)は、0.01μm以上であることが好ましく、0.02μm以上であることがより好ましく、0.03μm以上であることがさらに好ましい。
上記D10の上限値は特に制限されないが、通常、5μm以下である。
本発明に係る遮熱材において、石油コークス粉砕物の90%粒子径(D90)は、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、60μm以下であることがさらに好ましく、50μm以下であることが一層好ましい。
上記D90の下限値は特に制限されないが、通常、1μm以上である。
スパン=(D90−D10)/D50 (1)
で表されるスパンは、0.3〜7.0であることが好ましく、0.3〜6.5であることがより好ましく、0.3〜6.0であることがさらに好ましい。
式(1)により算出されるスパンが上記範囲内にあることにより、後述する遮熱組成物や遮熱建材等の調製時に遮熱材の配合条件を容易に設計することができ、遮熱材の分散性に優れ、均質な遮熱膜や遮熱建材等を容易に提供することができる。
上記明度(L*)の下限は特に制限されないが、通常5以上である。
本発明に係る遮熱材においては、石油コークス粉砕物表面にナフチル基やフェニル基等の高い光屈折率を発揮する官能基が一定量存在し、これ等の官能基が近赤外線等に対する反射効果を発揮して遮熱材として有用であるとともに、優れた黒色度を容易に発揮し得ると考えられ、石油コークス粉砕物の明度(L*)が上記規定を満たすものであることにより、発色性(黒色度)に優れた遮熱膜や遮熱建材等を用意に形成することができる。
なお、本出願書類において明度(L*)は、JIS Z 8722に準拠したカラーメーター(日本電色工業(株)製 ZE6000)を用いて測定し、JIS 8781−4に従い算出した値を意味する。
石油コークス粉砕物の波長2000nmにおける光反射率の上限は、特に制限されないが、通常、70%以下である。
石油コークス粉砕物の波長1500nmにおける光反射率の上限は、特に制限されないが、通常、60%以下である。
石油コークス粉砕物の波長1000nmにおける光反射率の上限は、特に制限されないが、通常、50%以下である。
熱分解原料油は、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油であってもよい。 熱分解原料油が、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油である場合、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合割合は、特に制限されず、適宜調節すればよい。
熱分解原料油が、常圧蒸留残渣油および減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)の混合油である場合、他の炭化水素油(1)は、本発明の効果を示す範囲の炭化水素油であればよく、例えば、流動接触分解処理のスラリーオイル、エチレンクラッカー残渣油等が挙げられる。
熱分解原料油の熱分解処理雰囲気は、通常スチームであり、また、熱分解原料油の熱分解処理中に過度の発泡が認められる場合は、消泡剤を投入してもよい。消泡剤としては、一般的にシリコン系の消泡剤などを用いることができる。
石油コークスの硫黄分が上記範囲内にあることにより、当該石油コークスに対してさらに粉砕処理および乾燥処理を施して得られる石油コークス粉砕物が近赤外線を含む照射光を容易に反射して所望の遮熱効果を容易に発揮することができる。
なお、本出願書類において、石油コークスの硫黄分は、石油コークスを200℃±10℃で4時間乾燥(JIS M 8811に準拠)させて得られた乾燥状態の石油コークスの質量を測定し、その乾燥状態の石油コークスの質量を基準にして、JIS M 8819に準拠して算出された値を意味する。つまり、 本出願書類において石油コークスの硫黄分とは、乾燥状態の石油コークス中に存在する硫黄分の質量割合を意味する。
上記石油コークスの窒素含有量は、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.3〜2.5質量%であることがより好ましく、0.5〜2質量%であることがさらに好ましい。
また、上記石油コークスの固定炭素含有量は、70〜95質量%であることが好ましく、72〜93質量%であることがより好ましく、75〜90質量%であることがさらに好ましい。
0.4質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましい。
上記乾燥温度が50℃未満であると、水分の含有割合が高くなり易く、また、500℃を超えると、乾燥コストが大幅に上昇するとともに、石油コークス表面に存在するナフチル基やフェニル基等の高い光屈折率を発揮する官能基が揮発分として消失し易くなって、所望の光反射効果による遮熱性等を発揮し難くなる。
乾燥時間は、適宜選択されるが、0.5〜10時間が好ましく、1〜8時間がより好ましい。
乾燥雰囲気は、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気で酸素源を遮断して行ってもよいし、空気雰囲気、微量の酸素源の存在下で行ってもよい。
粉砕手段としては、ジョークラッシャ、ジョイレトリクラッシャ、コーンクラッシャ、ハンマクラッシャ、自生粉砕機、ボールミル、ローラミル、高速回転ミル、ジェットミル等から選ばれる一種以上の粉砕装置が挙げられる。
また、粉砕処理条件は、目的とする微粉砕物の平均粒子径、その他の粒度特性、粉砕手段、粉砕回数等により、適宜選択される。粉砕処理された粉砕処理物は、必要に応じて分級される。
本発明に係る遮熱材は、石油コークス粉砕物を、80〜100質量%含むものが好ましく、90〜100質量%含むものがより好ましく、石油コークス粉砕物のみからなるものであることがさらに好ましい。
このために、安価であるとともに遮熱性や発色性等に優れた遮熱材を提供することができる。
本発明に係る遮熱組成物は、本発明に係る遮熱材と、溶剤および樹脂から選ばれる少なくとも一種とを含むことを特徴とするものである。
本発明に係る遮熱材の配合量が上記範囲内にあることにより、安価であるとともに遮熱性や発色性等に優れた遮熱組成物を容易に提供することができる。
水性有機溶剤、揮発性有機溶剤および不揮発性有機溶剤から選ばれる一種以上を挙げることができ、使用目的に応じて適宜選択すればよい。
また、揮発性有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の含窒素有機溶剤等から選ばれる一種以上が挙げられる。
上記硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン、変性脂肪族ポリアミン、ポリアミドアミン、ポリアミド、脂環式ポリアミン、変性脂環式ポリアミン、変性芳香族ポリアミン、3級アミンなどのアミン化合物などが挙げられる。これらの硬化剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
また、主剤と硬化剤の反応を促進させる反応促進剤を用いることもできる。
反応促進剤としては、例えば、フェノール、p−t−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、クレゾール、トリフェニルフォスファイト、サリチル酸、トリエタノールアミンなどが挙げられる。これらの反応促進剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
上記明度(L*)の下限は特に制限されないが、通常5以上である。
遮熱組成物の明度(L*)が上記規定を満たすものであることにより、遮熱組成物として好適な発色性(黒色度)を発揮することができる。
本出願書類において、水性塗料とは、本発明に係る遮熱材と、樹脂と、主な液体成分として水と、を含む塗料を意味する。
本出願書類において、水系塗料とは、本発明に係る遮熱材と、樹脂と、主な液体成分として微量の有機溶剤を含有する水と、を含む水ベースの塗料を意味する。
本出願書類において、ハイソリッド塗料とは、本発明に係る遮熱材を含み、塗装時の不揮発分(固形分)が従来の塗料に比べて高い(例えば、15〜25%程度高い)塗料を意味する。
油性塗料、水系塗料、ハイソリッド塗料は、本発明に係る遮熱材を含むものであり、一般的な手法によって製造し、使用することができる。
粉体塗料は、本発明に係る遮熱材と樹脂とを均一に加熱混練した分散体を冷却した後、所定の粒度に微粉砕し、分級することによって得られた塗料を意味する。粉体塗料は、例えば、静電塗装機を用いることによって被塗装物に塗装することができる。
なお、塗膜形成用樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合は、硬化剤、硬化促進剤を含有することが好ましい。硬化剤および硬化促進剤は、使用する樹脂に適したものを適宜選択すればよい。
上記明度(L*)の下限は特に制限されないが、通常5以上である。
遮熱塗料の明度(L*)が上記規定を満たすものであることにより、遮熱塗料として好適な発色性(黒色度)を発揮することができる。
本発明に係る遮熱材の配合量が上記範囲内にあることにより、安価であるとともに遮熱性や発色性等に優れた遮熱インクを容易に提供することができる。
不揮発性有機溶剤としては、上述したものから適宜選択することができる。
揮発性有機溶剤としては、上述したものから適宜選択することができる。
水溶性有機溶剤としては、上述したものから適宜選択することができる。
上記明度(L*)の下限は特に制限されないが、通常5以上である。
遮熱インクの明度(L*)が上記規定を満たすものであることにより、遮熱インクとして好適な発色性(黒色度)を発揮することができる。
本発明に係る遮熱膜は、本発明に係る遮熱材を含むことを特徴とするものである。
本発明に係る遮熱材の配合量が上記範囲内にあることにより、安価であるとともに遮熱性や発色性等に優れた遮熱膜を容易に提供することができる。
本発明に係る遮熱膜の平均厚みは、遮熱膜の断面をマイクロメーターで6カ所の厚みを測定したときの算術平均値を意味する。
上記塗布、乾燥処理を繰り返し実施してもよく、塗布、乾燥処理を繰り返し実施することにより所望厚みを有する遮熱膜を容易に形成することができる。
被処理物としては、各種電子部品や外壁材等を挙げることができる。
上記方法により、目的とする遮熱膜を形成することができる。
上記明度(L*)の下限は特に制限されないが、通常5以上である。
遮熱膜の明度(L*)が上記規定を満たすものであることにより、遮熱膜として好適な発色性(黒色度)を発揮することができる。
本発明に係る遮熱建材は、本発明に係る遮熱材を含むことを特徴とするものである。
本発明に係る遮熱材の配合量が上記範囲内にあることにより、安価であるとともに遮熱性や発色性等に優れた遮熱建材を容易に提供することができる。
これ等の遮熱建材は、本発明に係る遮熱材を含むものであることから、太陽光等の照射を受けても表面の温度低下を容易に図ることができ、風雨等により表面が摩耗した場合であっても一定の厚みを有することにより、長期間に亘って遮熱効果を持続することができる。
上記明度(L*)の下限は特に制限されないが、通常5以上である。
遮熱建材の明度(L*)が上記規定を満たすものであることにより、遮熱建材として好適な発色性(黒色度)を発揮することができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
熱分解原料油として減圧蒸留残渣油とスラリーオイルを用い、500℃、0.1MPaGの条件にて熱分解処理し、熱分解処理後、ウォータージェットにて粉砕することにより、石油コークスA、石油コークスB、石油コークスCおよび石油コークスDを得た。石油コークスA、石油コークスB、石油コークスCおよび石油コークスDの性状を表1に示す。
JIS M 8812に準拠して測定した。
(CHN分、H/C)
JIS M 8813に準拠して測定した。
(硫黄分)
JIS M 8819に準拠して測定した。
(灰分)
JIS M 8812に準拠して測定した。
(揮発分)
JIS M 8812に準拠して測定した。
(固定炭素分) JIS M 8812に準拠して測定した。
上記石油コークスAを、乾燥機((株)ナガノ科学機械製作所製 HOT AIR DRYING OVEN NEW)中において、窒素ガス雰囲気下、100℃で4時間乾燥処理して石油コークスAの乾燥物を得た。
上記石油コークスAの乾燥物を、カッターミル((株)オリエント粉砕機製オリエント竪型粉砕機、VM−16K(2mmスクリーン使用))に対し10kg供給して、粗粉砕処理することにより、9.5kgの石油コークスAの粗粉砕物を得た(収率95質量%)。
次いで、得られたコークスAの粗粉砕物を、ジェットミル((株)セイシン企業製ジェットミルSTJ−200)を用い、供給量10kg、押込ノズル圧0.64MPa、粉砕ノズル圧0.64MPa、供給速度4kg/時間の条件下で処理することにより、5kgの石油コークス粉砕物からなる遮熱材1を得た(収率50質量%)。得られた石油コークス粉砕物(遮熱材1)の性状を表2に示す。
(真密度)
ATSM D2840に準拠して測定した。
(粒度特性)
JIS Z 8825に準拠したレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(MICROTRAC FRA、NIKKISO社製)を用いて、レーザー回折散乱法により、体積頻度粒度分布測定を行った。得られた体積頻度粒度分布測定結果より、積算粒度10%の粒径(D10)、積算粒度50%の粒径(D50)、積算粒度90%の粒径(D90)を算出した。
(反射率)
紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製V−570)および積分球装置(日本分光(株)製INS−470)を用い、測定波長範囲250nm、500nm、1,000nm、1,500nm、2,000nmの分光反射率を測定した。
(色相)
JIS Z 8722に準拠したカラーメーター(日本電色工業(株)製
ZE6000)を用いて測定し、JIS 8781−4に従い、表色指数(L*,a*,b*)を求めた。
上記石油コークスBの乾燥物を、カッターミル((株)オリエント粉砕機製オリエント竪型粉砕機、VM−16K(2mmスクリーン使用))に対し10kg供給して、粗粉砕処理することにより、9.5kgの石油コークスBの粗粉砕物を得た(収率95質量%)。
次いで、得られたコークスBの粗粉砕物を、ジェットミル(日清エンジニアリング(株)製ジェットミルSJ−500)を用い、供給量0.8kg、押込ノズル圧0.75MPa、粉砕ノズル圧0.75MPa、供給速度4kg/時間の条件下で処理することにより、0.7kgの石油コークス粉砕物からなる遮熱材2を得た(収率86質量%)。得られた石油コークス粉砕物(遮熱材2)の性状を実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示す。
比較遮熱材1として、市販のカーボンブラック(デンカ(株)製、デンカブラック)を用い、その性状を実施例1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
なお、比較遮熱材1は、炭素材料を高温で焼成して作製されるものであることから、揮発分は実質的に0質量%である。
上記石油コークスCを、25℃で24時間乾燥し、カッターミル((株)オリエント粉砕機製オリエント竪型粉砕機、VM−16K(2mmスクリーン使用))に対し10kg供給して、粗粉砕処理することにより、9.5kgの石油コークスCの粗粉砕物を得た(収率95質量%)。
上記石油コークスCの粗粉砕物を、窒素ガス雰囲気下、900℃で2時間焼成した後、ジェットミル(日清エンジニアリング(株)製ジェットミルSJ−2500)を用い、供給量9kg、押込ノズル圧0.75MPa、粉砕ノズル圧0.75MPa、供給速度16kg/時間の条件下で処理することにより、7kgの石油コークス粉砕物からなる比較遮熱材2を得た(収率76質量%)。石油コークス粉砕物(比較遮熱材2)の性状を実施例1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
上記石油コークスDを、25℃で24時間乾燥し、カッターミル((株)オリエント粉砕機製オリエント竪型粉砕機、VM−16K(2mmスクリーン使用))に対し50kg供給して、粗粉砕処理することにより、47kgの石油コークスDの粗粉砕物を得た(収率95質量%)。
上記石油コークスDの粗粉砕物を、窒素ガス雰囲気下、1400℃で2時間焼成した後、ジェットミル(日清エンジニアリング(株)製ジェットミルSJ−2500)を用い、供給量20kg、押込ノズル圧0.75MPa、粉砕ノズル圧0.75MPa、供給速度14kg/時間の条件下で処理することにより、15kgの石油コークス粉砕物からなる比較遮熱材3を得た(収率75質量%)。得られた石油コークス粉砕物(比較遮熱材3)の性状を実施例1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
100ccのビーカーに室温で日立化成(株)製ポリウレタン樹脂(TA24−503A)を10g、国産化学(株)製トルエン(国産1級)を20g秤量し、スターラーで5分間、攪拌・混合して均一な溶液を得た。その後、自転・公転ミキサー((株)THINKY製あわとり錬太郎 ARV−310)を使用して、作成した溶液に対し、実施例1で得られた遮熱材1を10g攪拌・混合することにより、遮熱塗料1を得た。
上記ポリウレタン樹脂と、トルエンと、遮熱材1の質量比は、ポリウレタン樹脂:トルエン:遮熱材1=10:20:10である。得られた遮熱塗料1の遮熱性能および色相を表4に示す。
遮熱塗料を縦23cm×横15cm×厚さ1mmのアルミ板に滴下し、直径7mm×長さ27cmのガラス棒を押し付けてアルミ板水平方向に対して水平に塗布することで塗料を均一に塗布した塗板を作製し、ついで一昼夜乾燥させることによって試験塗板を得た。
上記試験塗板を縦52cm×横38cm×奥行き52cmのダンボール製の測定容器の側面に設置した直径5cmの窓に取り付け、測定容器の中に100Wの白熱球を窓から13cmの距離から光照射し、取り付けた試験塗板の裏側アルミ部分の温度(初期温度および60分後の温度)を測定することにより遮熱性能の評価を行った。
(色相)
上記試験塗板について、JIS Z 8722に準拠したカラーメーター(日本電色工業(株)製 ZE6000)を用いて測定し、JIS 8781−4に従い、表色指数(L*,a*,b*)を求めた。
遮熱材1に代えて実施例2で得られた遮熱材2を用いた以外は、実施例4と同様の方法で遮熱塗料2を得た。遮熱塗料2の遮熱性能および色相を実施例4と同様に測定した。結果を表4に示す。
遮熱材1に代えて比較遮熱材1を使用し、ポリウレタン樹脂と、トルエンと、比較遮熱材1の質量比を、ポリウレタン樹脂:トルエン:比較遮熱材1=10:70:5とした以外は、実施例4と同様の方法で比較遮熱塗料1を得た。比較遮熱塗料1の遮熱性能および色相を実施例4と同様に測定した。結果を表4に示す。
遮熱材1に代えて比較遮熱材2を使用した以外は、実施例4と同様の方法で比較遮熱塗料2を得た。比較遮熱塗料2の遮熱性能および色相を実施例4と同様に測定した。結果を表4に示す。
遮熱材1に代えて比較遮熱材3を使用した以外は、実施例4と同様の方法で比較遮熱塗料3を得た。比較遮熱塗料3の遮熱性能および色相を実施例4と同様に測定した。結果を表4に示す。
このことは、表4に示すように、実施例4および実施例5で得られた遮熱塗料1および遮熱塗料2からなる厚さ25μm〜37μmの塗膜(遮熱膜)が、60分経過後の温度上昇幅を46.9℃〜48.5℃に抑制し得ることからも明らかである。
また、表4より、実施例4および実施例5で得られた遮熱塗料1および遮熱塗料2を用いた塗板が、明度(L*)値が25以下であり、十分な発色性(黒色度)を有することも分かる。
このことは、表4に示すように、比較例4で得られた比較遮熱塗料1からなる塗膜が、上記遮熱塗料1および遮熱塗料2からなる塗膜とほぼ同様の平均厚さ(33μm)を有するにも拘わらず、60分経過後の温度上昇幅が53.5℃と高く、比較例6で得られた比較遮熱塗料3からなる塗膜のように、塗膜の平均厚さが50μmと厚くすることで、60分経過後の温度上昇幅を実施例4および実施例5と同等程度(47.8℃)に抑制し得ることからも明らかである。
Claims (8)
- 揮発分が4〜20質量%である石油コークス粉砕物からなることを特徴とする遮熱材。
- 前記石油コークス粉砕物の硫黄分が0.1〜12質量%である請求項1に記載の遮熱材。
- 前記石油コークス粉砕物の真密度が1.2〜2.0g/cm3である請求項1または請求項2に記載の遮熱材。
- 前記石油コークス粉砕物が、明度が25以下、波長2000nmにおける反射率が10%以上のものである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遮熱材。
- 前記石油コークス粉砕物が、熱分解原料油の熱分解処理残渣の50〜500℃乾燥処理物からなる請求項1〜請求項4のいずれかに記載の遮熱材。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遮熱材と、溶剤および樹脂から選ばれる少なくとも一種とを含むことを特徴とする遮熱組成物。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遮熱材を含むことを特徴とする遮熱膜。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遮熱材を含むことを特徴とする遮熱建材。
Priority Applications (1)
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