以下、添付の図面を参照しながら実施形態について説明する。以下の説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称および機能も同様のものとする。よって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
<第1実施形態>
<構成>
図1は、本実施形態に関する画像表示装置の構成を示す分解斜視図である。また、図2は、本実施形態に関する画像表示装置の構成を示す側面図である。
画像表示装置は、例えば、personal computer(PC)のモニタ、personal digital assistant(PDA)等のモバイル端末、ゲーム機、テレビジョン受像機、カーナビゲーション装置、車載モニタ、または、タブレット端末等である。
図2に示されるように、画像表示装置は、表示パネル10と、偏光部材20、粘着部材30と、透明保護板50と、枠部材60を備えている。なお、図面を簡略化するために図示しないが、画像表示装置は、バックライトユニット、フレキシブル配線、表示パネル10を枠部材60に固定するための粘着テープ、および、ネジ等により構成される。
表示パネル10は、画像を表示する表示パネルであり、表示面10aを有する。表示面10aは、画像を表示する面である。
表示パネル10は、ベゼルとしての枠部材60によってその外周が覆われている。表示パネル10の例としては、液晶表示装置がある。
表示パネル10の一方の面(表示面10aを有する面)および他方の面には、偏光部材20が貼り付けられる。偏光部材20の例としては、偏光フィルムがある。なお、偏光部材20は、偏光板であってもよい。偏光部材20の表面には、適宜、ハードコート層、または、アンチグレア層が設けられることもある。
粘着部材30は、透光性を有する接着剤である。粘着部材30の例としては、透明な粘着樹脂がある。粘着部材30は、画像の表示品位が低下することを抑制するためのものである。表示品位の低下が発生する場合とは、例えば、表示パネル10と透明保護板50との間の隙間に空気層(気泡)が存在する場合である。この場合、表示パネル10の表示面10aに向かう外光が、透明保護板50の面50aおよび面50bと、表示パネル10の表示面10aとで反射するため、画像表示におけるコントラストが低下する。これにより、表示品位が低下する。
粘着部材30は、透明保護板50の面50b上に形成されている。図2に示される粘着部材30は、粘着部材31および粘着部材32の2層からなる積層構造である。ただし、粘着部材30が形成される層の数は2層に限られず、複数の層であればよい。粘着部材30の屈折率は、透明保護板50の屈折率とほぼ同等である。粘着部材30は、例えば、高い透明性を有したアクリル系、シリコーン系またはウレタン系等の材料で構成される。粘着部材30を構成する複数の層は、スリットコート法により、所定の厚みで概ね均一に面状に形成される。粘着部材30の形成方法、および、粘着部材30の厚みについては特に限定されず、その他の構成部材に合わせて適宜調整できる。粘着部材30は、例えば、UV硬化性の粘着樹脂であってもよい。その場合、1種類のUV硬化性樹脂で構成されていなくてもよく、複数の種類のUV硬化性樹脂で構成されていてもよい。
積層構造である粘着部材30のうち、透明保護板50に接触する側に配置される粘着部材31には、熱硬化型の粘着樹脂を用いてもよい。また、粘着部材31としては、液状樹脂を塗布した後に形状を維持する程度に硬化あるいはチクソ性を付与する等、材料特性を調整することによって保持させ、透明接着剤として粘着シートと同様の機能を持たせて使用することもある。粘着部材31は、粘着シートであってもよい。また、粘着部材31としては、透明保護板50に貼り付けた後に、UV照射あるいは加熱によって硬化する機能を有する粘着シート、いわゆる半硬化性の粘着シートを用いることもある。熱硬化とUV硬化とを併用する粘着部材であってもよいが、材料の保管方法、および、製造時の取り扱いに制限があるため、一般的にはUV硬化型が多く使用される。なお、粘着部材30の詳細は後述する。
透明保護板50は、可視光をほとんど吸収しない透明な板である。透明保護板50は、イオン交換法または風冷強化法等を用いて強度を向上させたガラス板、合わせガラスまたは樹脂板等であってもよい。樹脂板は、例えば、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂またはシクロオレフィン系樹脂等で構成される板、あるいは、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂またはシクロオレフィン系樹脂等の積層体から構成される板である。
透明保護板50は、面50aおよび面50bを有する。面50bは、表示パネル10と対向する側の面である。透明保護板50の形状は平面視において矩形状である。ただし、透明保護板50の形状は矩形状に限定されず、多角形状または円弧が含まれる形状等であってもよい。また、表示パネル10および粘着部材30の形状も、透明保護板50の形状と同様に、所望の形状を用いることができる。本実施形態では透明保護板50を用いているが、例えば、予めタッチセンサー基板を透明保護板に貼り付けたものであってもよく、タッチセンサー基板単体が用いられる場合もある。
透明保護板50の面50aは、表示パネル10に表示した画像をユーザーが視認する側の面である。面50aには、視認性を向上するためのアンチグレア処理、アンチリフレクション処理、または、キズ防止のためにハードコート処理等が、必要に応じて施される。透明保護板50は、平面視において、粘着部材30を介して、表示パネル10と重なるように設けられる。具体的には、透明保護板50は、図2に示されるように、偏光部材20が貼り付けられた表示パネル10に、粘着部材30を介して貼り付けられている。
透明保護板50の面50bは、面50aの反対側の面である。透明保護板50の面50bには、印刷層40が形成されている場合がある。逆に、印刷層40が形成されていない場合もある。印刷層40の有無には、特に制限は無い。
印刷層40は、装飾(加飾)のために用いられる層である。なお、印刷層40は、装飾(加飾)の用途に限定されず、他の用途の層であってもよい。印刷層40の形状は、図1に示されるように、閉ループ状であり、開口端部41を有している。
印刷層40は、可視領域の波長の光をほとんど遮蔽する材質で構成される。印刷層40は、色材の顔料が含まれた塗料を用いて構成される。具体的には、印刷層40は、例えば、カーボンブラックを配合したアクリル樹脂等で構成される。印刷層40の色は、例えば、黒である。なお、印刷層40の色は、遮光性を有する、黒以外の色であってもよい。
印刷層40は、透明保護板50の、表示パネル10の表示面10aと接着される側の表面において形成される。表示パネル10の表示領域に合わせて、表示面10aの周辺部に対応するように形成される。印刷層40は、表示パネル10の表示領域(表示面10a)に合わせて形成される。なお、意匠性の観点から、印刷層40のサイズは、表示パネル10の画像を表示する素子の端部と印刷層40の開口端部42との位置の差が極力小さくなるサイズが好ましい。印刷層40は、意匠性または遮光性等の点で所望の性能を満足していればよく、その形成方法は特に限定されない。印刷層40は、例えば、スクリーン印刷法を用いて樹脂を塗工して形成される。
印刷層40の厚みは、遮光すべき光源の強度等により変化する。印刷層40の厚みは、一般的には、3から70[μm]程度である。印刷層40の色が黒以外の場合、遮光性を十分に得るために、印刷層40の塗布膜の厚みは、10から70[μm]程度とされる。印刷層40の色が黒色系の場合、印刷層40の塗布膜の厚みは、一般的に、3から40[μm]程度とされる。
また、印刷層40は、意匠性または遮光性等の点から、膜が積層されることにより、所望の厚みを有する。なお、膜が積層されることで、異物が存在した場合のピンホール発生等の意匠性に関わる問題を抑制し、高い歩留で安定して印刷層40を作製することができる。
枠部材60は、表示パネル10の周辺部、すなわち、表示パネル10の側面および表示面10aの周辺部であって透明保護板50側の表面を覆っている。枠部材60は、例えば、ステンレス、または、亜鉛合金等の板を用いて、型抜き加工、または、プレス加工等によって製作される。枠部材60は樹脂製の枠であってもよい。なお、枠部材60の材料および作製方法等は、特に限定されない。
枠部材60は、表示パネルの画像を視認する側に開口部61を有している。開口部61は、表示パネル10に貼り付けられた偏光部材20より小さく、かつ、開口端部62で囲まれた領域である。
枠部材60は、表示パネル10と近接して設置される。すなわち、偏光部材20と枠部材60の開口端部62とは近接して設置される。
枠部材60は、0.1から1.0[mm]程度の厚みであり、加工精度のバラツキおよび加工後の変形等により、開口端部62が偏光部材20に接触して表示パネル10を変形させることがある。このため、表示ムラ等の表示品位を低下させる問題を引き起こすことがある。一般的には、開口端部62を含む枠部材60が偏光部材20に接触しないように設計され、開口端部62と偏光部材20との間は隙間が設けられている。
枠部材60には、突起63が形成されている。粘着部材30は、透明保護板50と表示パネル10とを貼り合わせる際の圧力によって変形してしまう場合がある。また、粘着部材30は、高温時に低弾性化するため、透明保護板50と枠部材60との間で毛細管現象が発生し、粘着部材30が流動することがある。
突起63は、これらのように粘着部材30が流れ出ることを抑制するものである。突起63は、側面視において、透明保護板50の面50bと向かい合う位置に配置される。突起63は、開口端部62と周縁部64との間において、表示面10aの周囲に沿って延びて配置される。詳細には、粘着部材31の周縁部と、枠部材60の周縁部64との間において、表示面10aの周方向に延びて配置される。
突起63は、透明保護板50の面50bに形成される印刷層40に向かい合った位置の、枠部材60に形成される。すなわち、突起63は、透明保護板50を通して表示パネル10に表示した画像を視認する側からは、印刷層40に隠れて視認できない。
突起63は、透明保護板50の面50bに形成される印刷層40には接触しない高さで形成される。印刷層40に接触してしまうことで、印刷層40を傷付けることを防止するためである。
突起63は、図3および図4に示されるように、側面視において、三角形または四角形(図4に示される突起63b)等の多角形状、または、円形(図3に示される突起63a)と多角形とを複合した形状等で構成されるが、突起63の形状に特別な制限はない。突起63のサイズについても、枠部材60の厚さと突起63の高さとの合計長さが、粘着部材30の厚さ方向の長さよりも短ければよく、枠部材60の開口端部62と周縁部64との間の距離等に応じて、適宜、設計されるものであってよい。
突起63は、枠部材60の加工時に同時に形成される。枠部材60の加工時に形成することで、新たな製造工程を追加せずに、所望の形状で枠部材60を得ることができる。突起63は、開口端部62と周縁部64との間に設けられているが、枠部材60の周囲全てに設けられる必要は無く、例えば、枠部材60の周囲の辺の一部に突起63が形成されない部分があってもよい。
<製造方法>
次に、本実施形態に関する画像表示装置の製造方法について、図5、図6および図7を用いて説明する。
粘着部材31と粘着部材32とで構成される粘着部材30の製造方法について説明する。
透明保護板50の面50bには、印刷層40が形成されている。透明保護板50の面50bに、液状のアクリル系UV硬化型粘着樹脂である粘着部材31を塗布する。粘着部材31は、スリットコート法により、面状に200[μm]の厚みで概ね均一に形成する。
その後、粘着部材31の表面312側から3000[mJ/cm2]の積算光量になるようにUV光を照射することにより、粘着部材31を90%以上の硬化率で硬化させる。すなわち、粘着部材31は最終硬化されており、例えば、粘着部材31の周縁部311の位置が変化するような流動性は有していない。
ここで、硬化率について説明する。硬化率を推定する方法としては、例えば、フーリエ変換型赤外分光法(fourier transform infrared spectroscopy、FT−IR)、および、高速液体クロマトグラフィ(high performance liquid chromatography、HPLC)がある。両方法ともに、十分に長い時間紫外線(ultraviolet、UV)が照射された状態を100%と定義し、化学結合の状態が未完である状態(半硬化の状態)とを比較し、硬化率を推定する方法である。当該比較には、例えば、ある特定の物質の変化量(増減量)を参酌する。
別の方法として、示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry、DSC)がある。当該方法は、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射した場合の発熱量を測定するものである。紫外線を完全には硬化しないように照射した場合に残存する未硬化物の発熱量と、当該未硬化物に対して紫外線を十分に照射して硬化させた場合の発熱量との比から、硬化率を推定する。
本実施形態では、フーリエ変換型赤外分光法を用いた場合の測定結果が示されるが、他の測定方法を用いた場合であっても、同等の測定結果が得られる。
粘着部材31は、透明保護板50の面50bに形成されている印刷層40の開口端部41を覆うように形成されている。すなわち、粘着部材31の周縁部311は、閉ループ状に形成されている印刷層40に接触している。さらに、後述するように、表示パネル10の周縁部を覆う枠部材60に形成されている突起63を乗り越えない(覆わない)ように形成されている。表示パネル10は液晶表示装置である。
次に、粘着部材32を、最終硬化した粘着部材31上の部分的領域に形成する。具体的には、粘着部材31の透明保護板に接している面とは反対側の面の上に、粘着部材32を塗布する。粘着部材32は、液状のアクリル系UV硬化型粘着樹脂であり、粘着部材31と同じ材料が用いられている。粘着部材32は、スリットコート法により、面状に600[μm]の厚みで概ね均一に形成される。粘着部材32は、粘着部材31より小さいサイズで形成されるが、印刷層40の開口端部41を覆うように形成されている。
さらに、粘着部材32は、枠部材60の開口端部62と概ね同じ形状およびサイズで形成されている。すなわち、枠部材60の厚み500[μm]と開口端部62とで規定される枠部材60の開口部61の容積を超えるように、サイズおよび厚みが調整されている。粘着部材32は、およそ100[μm]と開口端部62とで規定される容積分だけ、枠部材60の開口部61の容積よりも大きく形成されている。なお、実際には、粘着部材31および粘着部材32には硬化収縮が発生するため僅かに薄くなるが、膜厚バラツキの範囲内であるため大きな問題とはならない。
粘着部材32を、枠部材60の厚みより厚く形成する理由は、後で貼り合わせる枠部材60に形成されている突起63が、透明保護板50の面50bに形成されている印刷層40に接触することを防ぐためである。また、表示パネル10と透明保護板50とを貼り合わせる際に、枠部材60に力が加わり変形することを防ぐためである。枠部材60が変形すると、枠部材60と表示パネル10との隙間を埋めている粘着部材30に隙間が発生し易くなり、気泡として視認される場合があるためである。
その後、およそ1000[mJ/cm2]の積算光量になるように、UV光を粘着部材32の表面322側から照射する。そして、粘着部材32を20%以上80%以下の硬化率まで硬化させる。すなわち、粘着部材32は半硬化状態になっているが、粘着部材32の周縁部321の位置が変化するような流動性は有していない。
透明保護板50の面50b上に形成された粘着部材31および粘着部材32は、硬化率の違いにより、例えば、温度25℃、周波数1[Hz]の条件下で測定される貯蔵弾性率が異なる。
粘着部材31の貯蔵弾性率は、0.1から1[MPa]程度である。粘着部材32の貯蔵弾性率は0.001から0.1[MPa]程度である。表示パネル10の偏光部材20と接触する粘着部材32には、表示パネル10と貼り合わせる際に高い柔軟性が必要である。粘着部材32の柔軟性が低いと、偏光部材20と接触する界面で粘着し難くなり、気泡が生じる可能性が高まる。また、粘着部材32が開口端部62と接触する部分においても同様に、気泡が生じる可能性が高まる。
次に、透明保護板50の面50b上に粘着部材30が形成された状態で、透明保護板50と表示パネル10とを貼り合わせる。なお、表示パネル10は、偏光部材20がその表裏面に貼り付けられ、かつ、枠部材60によってその外周(表示パネル10の側面および表示面10aの周辺部)が覆われているものとする。表示パネル10に貼り付けられた偏光部材20の表面の保護フィルムを剥がし(図示なし)、およそ100[Pa]の真空中で表示パネル10の表示面10aと透明保護板50との位置合わせを行う。そして、およそ1[MPa]の圧力で表示パネル10と透明保護板50とを貼り合わせることによって、画像表示装置が得られる。
真空度、および、貼り合わせる際の圧力については、特に制限はない。これらは、使用する装置の性能、処理時間の制限、貼り合わせる透明保護板50および表示パネル10のサイズ等に合わせて、適宜決定される。また、貼り合わせ方法についても特に制限は無く、真空中で行わない場合であってもよい。大気中で透明保護板50を僅かに曲げた状態で貼り合わせを行ってもよい。なお、表示パネル10と枠部材60との隙間を埋めるように、枠部材60の開口端部62と偏光部材20との隙間に樹脂またはテープ等を埋め込んでもよい。ただし、本実施形態では、粘着部材32が半硬化状態で、粘着部材32の周縁部321の位置が変化するような流動性は有していないため、製造コストを低減するために省略している。
以上の方法により作製した画像表示装置には、気泡は視認されなかった。しかし、貼り合わせ作業の精度バラツキ、または、表示パネル10、粘着部材30、透明保護板50または枠部材60の公差等によっては、気泡が視認されることもある。一般的に、気泡が発生した場合は、当該気泡を消失させるため、加熱加圧脱泡処理が行われる。例えば、処理環境を5[MPa]に加圧しながら50℃まで加熱した条件で加熱加圧脱泡処理を行うことで、気泡は消滅する。
その後、透明保護板50の面50a側から、3000[mJ/cm2]の積算光量になるようにUV光を照射する。そして、粘着部材32を90%以上の硬化率で硬化させる。すなわち、透明保護板50の面50bの側から見て、透明保護板50の印刷層40の開口端部41に形成されている粘着部材30は最終硬化され、画像表示装置が得られる。
作製した画像表示装置を動作させ、中間調色を表示したところ、表示ムラは見られなかった。また、加熱による画像表示装置の収縮および膨張変形等に伴う表示状態を確認することを目的に、70℃中で中間調色を表示したところ、表示ムラは見られなかった。気泡の後発生も見られなかった。
ここで、表示パネル10の周縁部を覆っている枠部材60には、突起63が形成されている。突起63は、粘着部材30が流れ出ることを抑制するものである。突起63は、側面視において、透明保護板50の面50bと向かい合う位置に配置される。突起63は、開口端部62と周縁部64との間において、表示面10aの周囲に沿って延びて配置される。詳細には、粘着部材31の周縁部311と、枠部材60の周縁部64との間において、表示面10aの周方向に延びて配置される。
突起63は、透明保護板50の面50bに形成される印刷層40に向かい合った位置の、枠部材60に形成される。すなわち、突起63は、透明保護板50を通して表示パネル10に表示した画像を視認する側からは、印刷層40に隠れて視認できない。
突起63は、透明保護板50の面50bに形成される印刷層40に接触しない高さで形成される。突起63の高さは、およそ280[μm]の高さで形成されており、印刷層40に接触しないようにすることで、印刷層40を傷付けることを防止している。
突起63は、側面視において、枠部材60に接触する部分を底辺とすると、底辺がおよそ300[μm]、高さがおよそ280[μm]の二等辺三角形の形状をしている。
突起63は、枠部材60の加工時に同時に形成される。突起63は、枠部材60の周囲全てに設けられている。印刷層40と枠部材60との間には、粘着部材31が配置されている。粘着部材31は最終硬化されているが、透明保護板50と表示パネル10とを貼り合わせる際の圧力、あるいは透明保護板50と枠部材60との間での毛細管現象によって変形し、一部で突起63まで到達していたが、粘着部材31が枠部材60の周縁部64からはみ出して問題になることはなかった。
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、枠部材60の開口端部62の内側近傍における粘着部材30の隙間を抑制し、気泡が生じることを抑制することができる。また、本実施形態によれば、粘着部材30が枠部材60と表示パネル10との隙間、または、枠部材60と透明保護板50との隙間から流れ出ることを、簡便な方法で抑制できる。
よって、良好な歩留と高い信頼性を有し、表示ムラ等の発生を抑制できる表示品位の良好な画像表示装置を提供することができる。
また、本実施形態によれば、画像表示装置の製造方法において、透明保護板50上に、液状の透明接着剤である第1接着剤を塗布する。第1接着剤は、粘着部材31に対応する。そして、粘着部材31を90%以上の硬化率で硬化させ、硬化した粘着部材31上の部分的領域に、液状の透明接着剤である第2接着剤を塗布する。第1接着剤は、粘着部材32に対応する。
さらに、粘着部材32を20%以上80%以下の硬化率で硬化させる。そして、表示面10aを有する表示パネル10の側面、および、表示面10aの周辺部を覆う枠部材60を配置する。
さらに、硬化した粘着部材32上に、表示パネル10の表示面10aを接着させる。そして、表示パネル10の表示面10aと接着された粘着部材32を、90%以上の硬化率で硬化させる。
このような構成によれば、粘着部材31と粘着部材32との硬化率が異なる状態、具体的には、粘着部材32の硬化率が粘着部材31の硬化率よりも低い状態で透明保護板50と表示パネル10とを接着させることにより、枠部材60の開口端部62の内側近傍における粘着部材30の隙間を抑制し、気泡が生じることを抑制することができる。一方で、透明保護板50と表示パネル10とを接着させる際の粘着部材32の硬化率が20%以上80%以下であることにより、粘着部材32は、枠部材60と表示パネル10との隙間、または、枠部材60と透明保護板50との隙間から流れ出るほどには流動性を有していない。よって、粘着部材30が枠部材60と表示パネル10との隙間、または、枠部材60と透明保護板50との隙間から流れ出ることを、簡便な方法で抑制できる。
また、本実施形態によれば、硬化した粘着部材31上において、表示面10aの周辺部を覆う枠部材60の厚さよりも厚い厚さで、粘着部材32を塗布する。
このような構成によれば、表示パネル10と透明保護板50とを貼り合せる際に、枠部材60を変形させる力が加わらない。枠部材60が変形してしまうと、枠部材60と表示パネル10との隙間を埋めている粘着部材32に隙間が発生し易くなってしまう。しかし、上記の構成によれば、枠部材60が変形することが防がれるため、隙間が生じず、気泡が視認されることが防止される。
本実施形態によれば、画像表示装置が、表示面10aを有する表示パネル10と、表示パネル10の側面および表示面10aの周辺部を覆って配置される枠部材60と、表示面10aの枠部材60から露出する部分に対し、接着剤を介して接着される透明保護板50とを備える。接着剤は、粘着部材30に対応する。
そして、枠部材60の、表示面10aの周辺部を覆う領域であって透明保護板50側の表面において、表示面10aの周囲に沿って延びる突起63および溝65のうちの少なくとも一方が形成される。
このような構成によれば、突起63および溝65のうちの少なくとも一方が表示面10aの周囲に沿って延びて形成されることで、粘着部材30が枠部材60と表示パネル10との隙間、または、枠部材60と透明保護板50との隙間から流れ出てしまうことを抑制できる。
また、本実施形態によれば、粘着部材30の厚さ方向の長さが、枠部材60の厚さと突起63の高さとを合わせた長さよりも長い。
このような構成によれば、枠部材60に形成される突起63が、透明保護板50の面50bに形成されている印刷層40に接触することがないため、印刷層40を傷つけることが防止される。
また、表示パネル10と透明保護板50とを貼り合わせる際に、突起63の接触による力が加わることがないため、枠部材60を変形させる力が加わらない。
枠部材60が変形してしまうと、枠部材60と表示パネル10との隙間を埋めている粘着部材32に隙間が発生し易くなってしまう。しかし、上記の構成によれば、枠部材60が変形することが防がれるため、隙間が生じず、気泡が視認されることが防止される。
<第2実施形態>
<構成>
以下では、上記実施形態で説明した構成と同様の構成については同じ符号を付して図示し、その詳細な説明については適宜省略する。
本実施形態の画像表示装置は、第1実施形態における画像表示装置と比較して、枠部材60に設ける突起63の代わりに溝65を設けていることが異なる。それ以外の構成は、第1実施形態の画像表示装置と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図8は、本実施形態に関する画像表示装置の構成を示す分解斜視図である。また、図9は、本実施形態に関する画像表示装置の構成を示す側面図である。
枠部材60には、溝65が形成されている。粘着部材30は、透明保護板50と表示パネル10とを貼り合わせる際の圧力によって変形してしまう場合がある。また、粘着部材30は、高温時に低弾性化するため、透明保護板50と枠部材60との間で毛細管現象が発生し、粘着部材30が流動することがある。
溝65は、これらのように粘着部材30が流れ出ることを抑制するものである。溝65は、側面視において、透明保護板50の面50bと向かい合う位置に配置される。溝65は、開口端部62と周縁部64との間において、表示面10aの周囲に沿って延びて配置される。詳細には、粘着部材31の周縁部と、枠部材60の周縁部64との間において、表示面10aの周方向に延びて配置される。
溝65は、透明保護板50の面50bに形成される印刷層40に向かい合った位置の、枠部材60に形成される。すなわち、溝65は、透明保護板50を通して表示パネル10に表示した画像を視認する側からは、印刷層40に隠れて視認できない。
溝65は、表示パネル10および表示パネル10に形成される偏光部材20に接触しない深さで形成される。表示パネル10および表示パネル10に形成される偏光部材20に接触することで、表示パネル10に力が加わるために発生する表示ムラおよび表示パネル10の損傷を防止するためである。
溝65は、図10および図11に示されるように、側面視において、三角形または四角形(図11に示される突起65b)等の多角形状、または、円形(図10に示される突起65a)と多角形とを複合した形状等で構成されるが、溝65の形状に特に制限はない。本実施形態に示される溝65は、その形成位置に対応する枠部材60の裏面側に、溝形状に対応する突起形状を有しているが、当該突起形状も必須のものではない。すなわち、単に溝65のみが形成され、その形成位置に対応する枠部材60の裏面側には、突起形状が形成されていない場合であってもよい。溝65のサイズについても、溝65の深さが枠部材60の厚みよりも浅ければよく、表示パネル10と枠部材60との隙間寸法、または、枠部材60の開口端部62と周縁部64との間の距離等に応じて、適宜設計されるものであってよい。
溝65は、枠部材60の加工時に同時に形成される。枠部材60の加工時に形成することで、新たな製造工程を追加せずに、所望の形状で枠部材60を得ることができる。溝65は、開口端部62と周縁部64との間に設けられているが、枠部材60の周囲全てに設けられる必要は無く、例えば、枠部材60の周囲の辺の一部に溝65が形成されない部分があってもよい。
また、第1実施形態に示された突起63と混在していてもよい。その場合、側面視において、突起63と溝65の形状とが異なっていてもよい。例えば、突起63の形状が三角形で、溝65が四角形であってもよい。
<製造方法>
次に、本実施形態に関する画像表示装置の製造方法について、図12、図13および図14を用いて説明する。
粘着部材31と粘着部材32とで構成される粘着部材30の製造方法について説明する。
透明保護板50の面50bには、印刷層40が形成されている。透明保護板50の面50bに、液状のアクリル系UV硬化型粘着樹脂である粘着部材31を形成する。粘着部材31は、スリットコート法により、面状に100[μm]の厚みで概ね均一に形成する。
その後、粘着部材31の表面312側から3000[mJ/cm2]の積算光量になるようにUV光を照射することにより、粘着部材31を90%以上の硬化率で硬化させる。すなわち、粘着部材31は最終硬化されており、例えば、粘着部材31の周縁部311の位置が変化するような流動性は有していない。
粘着部材31は、透明保護板50の面50bに形成されている印刷層40の開口端部41を覆うように形成されている。すなわち、粘着部材31の周縁部311は、閉ループ状に形成されている印刷層40に接触している。さらに、後述するように、表示パネル10の周縁部を覆う枠部材60に形成されている溝65を乗り越えない(覆わない)ように形成されている。表示パネル10は液晶表示装置である。
次に、粘着部材32を、最終硬化した粘着部材31上の部分的領域に形成する。具体的には、粘着部材31の透明保護板に接している面とは反対側の面の上に、粘着部材32を形成する。粘着部材32は、液状のアクリル系UV硬化型粘着樹脂であり、粘着部材31と同じ材料が用いられている。粘着部材32は、スリットコート法により、面状に800[μm]の厚みで概ね均一に形成される。粘着部材32は、粘着部材31より小さいサイズで形成されるが、印刷層40の開口端部41を覆うように形成されている。
さらに、粘着部材32は、枠部材60の開口端部62と概ね同じ形状およびサイズで形成されている。すなわち、枠部材60の厚み500[μm]に加え、枠部材60と表示パネル10、あるいは表示パネル10に形成した偏光部材20との隙間およそ200[μm]を足した700[μm]と、開口端部62とで規定される枠部材60の開口部61の容積を超えるように、サイズおよび厚みが調整されている。粘着部材32は、およそ100[μm]と開口端部62とで規定される容積分だけ、枠部材60の開口部61の容積よりも大きく形成されている。なお、実際には、粘着部材31および粘着部材32には硬化収縮が発生するため僅かに薄くなるが、膜厚バラツキの範囲内であるため大きな問題とはならない。
粘着部材32を、枠部材60の厚みより厚く形成する理由は、表示パネル10と透明保護板50とを貼り合わせる際に、枠部材60に力が加わり変形することを防ぐためである。枠部材60が変形すると、枠部材60と表示パネル10との隙間を埋めている粘着部材30に隙間が発生し易くなり、気泡として視認される場合があるためである。
その後、およそ1000[mJ/cm2]の積算光量になるように、UV光を粘着部材32の表面322側から照射する。そして、粘着部材32を20%以上80%以下の硬化率まで硬化させる。すなわち、粘着部材32は半硬化状態になっているが、粘着部材32の周縁部321の位置が変化するような流動性は有していない。
透明保護板50の面50b上に形成された粘着部材31および粘着部材32は、硬化率の違いにより、例えば、温度25℃、周波数1[Hz]の条件下で測定される貯蔵弾性率が異なる。
粘着部材31の貯蔵弾性率は、0.1から1[MPa]程度である。粘着部材32の貯蔵弾性率は0.001から0.1[MPa]程度である。表示パネル10の偏光部材20と接触する粘着部材32には、表示パネル10と貼り合わせる際に高い柔軟性が必要である。粘着部材32の柔軟性が低いと、偏光部材20と接触する界面で粘着し難くなり、気泡が生じる可能性が高まる。また、粘着部材32が開口端部62と接触する部分においても同様に、気泡が生じる可能性が高まる。
次に、透明保護板50の面50b上に粘着部材30が形成された状態で、透明保護板50と表示パネル10とを貼り合わせる。なお、表示パネル10は、偏光部材20がその表裏面に貼り付けられ、かつ、枠部材60によってその外周(表示パネル10の側面および表示面10aの周辺部)が覆われているものとする。表示パネル10に貼り付けられた偏光部材20の表面の保護フィルムを剥がし(図示なし)、およそ100[Pa]の真空中で表示パネル10の表示面10aと透明保護板50との位置合わせを行う。そして、およそ1[MPa]の圧力で表示パネル10と透明保護板50とを貼り合わせることによって、画像表示装置が得られる。
真空度、および、貼り合わせる際の圧力については、特に制限はない。これらは、使用する装置の性能、処理時間の制限、貼り合わせる透明保護板50および表示パネル10のサイズ等に合わせて、適宜決定される。また、貼り合わせ方法についても特に制限は無く、真空中で行わない場合であってもよい。大気中で透明保護板50を僅かに曲げた状態で貼り合わせを行ってもよい。なお、表示パネル10と枠部材60との隙間を埋めるように、枠部材60の開口端部62と偏光部材20との隙間に樹脂またはテープ等を埋め込んでもよい。ただし、本実施形態では、粘着部材32が半硬化状態で、粘着部材32の周縁部321の位置が変化するような流動性は有していないため、製造コストを低減するために省略している。
以上の方法により作製した画像表示装置には、気泡は視認されなかった。しかし、貼り合わせ方法の精度バラツキ、または、表示パネル10、粘着部材30、透明保護板50または枠部材60の公差等によっては、気泡が視認されることもある。一般的に、気泡が発生した場合は、当該気泡を消失させるため、加熱加圧脱泡処理が行われる。例えば、処理環境を5[MPa]に加圧しながら50℃で加熱した条件で加熱加圧脱泡処理を行うことで、気泡は消滅する。
その後、透明保護板50の面50a側から、3000[mJ/cm2]の積算光量になるようにUV光を照射する。そして、粘着部材32を90%以上の硬化率で硬化させる。すなわち、透明保護板50の面50bの側から見て、透明保護板50の印刷層40の開口端部41に形成されている粘着部材30は最終硬化され、画像表示装置が得られる。
作製した画像表示装置を動作させ、中間調色を表示したところ、表示ムラは見られなかった。また、加熱による画像表示装置の収縮および膨張変形等に伴う表示状態を確認することを目的に、70℃中で中間調色を表示したところ、表示ムラは見られなかった。気泡の後発生も見られなかった。
ここで、表示パネル10の周縁部を覆っている枠部材60には、溝65が形成されている。溝65は、粘着部材30が流れ出ることを抑制するものである。溝65は、側面視において、透明保護板50の面50bと向かい合う位置に配置される。溝65は、開口端部62と周縁部64との間において、表示面10aの周囲に沿って延びて配置されている。詳細には、粘着部材31の周縁部311と、枠部材60の周縁部64との間において、表示面10aの周方向に延びて配置されている。
溝65は、透明保護板50の面50bに形成される印刷層40に向かい合った位置の、枠部材60に形成される。すなわち、溝65は、透明保護板50を通して表示パネル10に表示した画像を視認する側からは、印刷層40に隠れて視認できない。
溝65の深さは、およそ150[μm]の深さで形成されている。また、枠部材60の裏面側において対応する突起形状が形成される場合には、当該突起形状が表示パネル10および表示パネル10に形成される偏光部材20に接触しない深さで、溝65が形成されている。表示パネル10および表示パネル10に形成される偏光部材20に接触することで、表示パネル10に力が加わり発生する表示ムラおよび表示パネル10の損傷を防止するためである。
溝65は、側面視において、枠部材60の透明保護板50と互いに向かい合う辺を底辺とすると、底辺がおよそ300[μm]、高さ(深さ)がおよそ150[μm]の二等辺三角形の形状をしている。
溝65は、枠部材60の加工時に同時に形成される。溝65は、枠部材60の周囲全てに設けられている。印刷層40と枠部材60との間には、粘着部材31が配置されている。粘着部材31は最終硬化されているが、透明保護板50と表示パネル10とを貼り合わせる際の圧力、あるいは透明保護板50と枠部材60との間での毛細管現象によって変形し、一部で溝65まで到達していたが、粘着部材31が枠部材60の周縁部64からはみ出して問題になることはなかった。
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、枠部材60の開口端部62の内側近傍における粘着部材30の隙間を抑制し、気泡が生じることを抑制することができる。また、本実施形態によれば、粘着部材30が枠部材60と表示パネル10との隙間、または、枠部材60と透明保護板50との隙間から流れ出ることを、簡便な方法で抑制できる。
よって、良好な歩留と高い信頼性を有し、表示ムラ等の発生を抑制できる表示品位の良好な画像表示装置を提供することができる。
上記実施形態では、各構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件等についても記載している場合があるが、これらはすべての局面において例示であって、本発明が記載したものに限られるものではない。よって、例示されていない無数の変形例(任意の構成要素の変形または省略、さらには、異なる実施形態間の自由な組み合わせを含む)が、本発明の範囲内において想定され得る。
また、各図における各構成要素の寸法は、実際の寸法と異なる場合がある。