過去25年間にわたる癌治療における大幅な進歩にもかかわらず、いくつかの癌における生存率はがっかりするほど低いままである。例えば、胃、脳及び食道の癌に対する5年の生存率は15〜20%程度であり、肺及び膵臓の癌に対しては10%未満である(癌調査イギリスデータ、2010年、http://www.cancerresearchuk.org/health-professional/cancer-statistics/survival)。例えば、腸及び膀胱の癌といったより一般的な癌の間でさえ、生存率はたった50%程度である。
近年、種々多様な種類の癌が血小板増加症、即ち、血液血小板の上昇と関連していることがわかってきた。このいわゆる腫瘍随伴性血小板増加症は、1872年もの昔にReissらによって初めて言及されたが、血小板増加症が、急速な癌の進行、転移性疾患及びより弱い生存性の独立危険因子であることが確認されたのは、ごく最近のことである。腫瘍随伴性血小板増加症は、癌細胞種(Sierko & Wojtukiewicz 2004)及び疾患ステージにより異なる数で10〜57%もの癌患者に見られる。例えば、血小板増加症を患った癌患者の割合は、卵巣癌では33%(Hale, 2012)、乳癌では18%(Stravodimou & Voutsadakis, 2013)、食道癌では21%(Voutsadakis, 2014)、胃癌では21%(Wang et al, 2012)、肺癌では27%(Maraz et al, 2013)、結腸直腸癌では14%(Guo et al, 2014)、腎臓癌では12.5%(O’Keefe et al, 2002)、そして肝臓癌では3%(Hwang et al, 2004)と報告されている。これらの癌及び固形癌では、腫瘍随伴性血小板増加症の患者はケア抗癌療法の標準に対してより弱い反応を示し、正常な血小板数を有する患者と比べて著しくより悪い生存性を示した。特にこの患者の下位グループは、最も予後不良であることと関連している骨転移に頻繁になり易い(Zhang et al 2015)。このことは、これらの患者は現在可能な治療では医療サービスが十分に受けられていないということを示唆している。
癌の結果に対する血小板数の影響は、例えば、血小板数がより低い(<300000/μL)患者では5年の生存率が63%であると示されたのと比べて、血小板数がより高い(>300000/μL)患者では5年の生存率がたった16%であると示された、胃癌の患者において明々白々である(Lv et al, 2010)。肺癌の患者においても、3年累積全生存(OS)確率は、正常な血小板数を有する患者(75.3%)と比べて、血小板数が上昇した患者においてより低かった(59.2%)(Yu et al, 2013)。神経膠芽腫の患者でも、より高い血小板数はまた、より悪い臨床結果と相関していた(Williams, 2012)。同様に、マウス及び人間の卵巣癌の両方に対する広範な調査において、Stoneら(2012)は、腫瘍随伴性血小板増加症が急速な腫瘍の成長及びより弱い生存性を助長すると結論付けた。ごく近年の研究により、腫瘍の成長ばかりでなく多発性骨髄腫細胞の増殖を刺激することに対する血小板の主要な役割が示された(Takagi et al, 2015)。血小板を奪ったマウスでは、改善した生存性と共に腫瘍成長の低減が明白であった。
癌において血小板が異常であるという証拠はほとんどないが、癌細胞が血小板の過剰生産及び不適切な活性化を刺激し、腫瘍の成長及び転移にとって好ましい微小環境を作り出すという受け入れざるを得ない証拠がある。トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、血小板第4因子(PF4)及び血小板由来成長因子(PDGF)を含む30超の成長調整たんぱく質は血小板の細胞質顆粒内に蓄えられ、一方でシグナル伝達受容体は、止血、血管形成及び組織治癒などの中心的機能において、通常、成長因子の放出を誘導する細胞膜を包み込む。癌細胞は、複数の方法で直接的及び間接的に血小板と相互作用し、この血管形成因子、リンパ管形成因子及び一般的な分裂促進因子の装備を乗っ取り、腫瘍の拡大及び転移の広がりを高める(Davis et al, 2014; Bambace & Holmes, 2011; Buergy et al, 2012; Labelle & Hynes, 2012; Riedl et al, 2014)。
いくつかの近年の科学の論評及び学会では、血小板及び癌細胞の間に生じる多重相互作用を強調している(Bambace and Holmes (2011), Stravodimou & Voutsadakis (2013), Labelle et al (2011), Riedl et al (2014), 55th ASH meeting Dec 2013)。癌細胞自体は、癌細胞に作用し返して癌の発達及び広がりを手助けする増加した数の活性化血小板でもって、血小板増加症を刺激するとみられる。
この血小板−癌細胞の相互作用は、両者の間における共生関係を伴う「悪循環」又は病原性ループをもたらす。癌細胞は巨核球/血小板の産生を刺激し、今度は、様々な成長因子の放出を経ながら、癌細胞の成長及び増殖、そして最終的には転移を高める。それから、増加した数の癌細胞は、病原性フィードバックループにおいてより多くの血小板の形成等を推進する(Lin RJ et al 2014)。
巨核球形成の初期の刺激は、肝臓を刺激して、血小板産生プロセスの推進役である血小板産生因子(トロンボポエチン)を産生する、癌細胞のサイトカイン放出によって影響を受けると一般的に考えられている。結果としての血小板数の増加(血小板増加症)、並びに、それに伴う血小板由来の栄養成長因子TGFβ、PF4、VEGF及びPDGFのより大きなアベイラビリティは、続いて癌細胞の成長及び増殖を刺激する。更には、VEGFは、血管形成及びアンカリング血管の形成、そして初期腫瘍の形成を促進する。
癌細胞の数が増えるに従い、続いてこのことが、癌細胞によって活性化される、より大きな巨核球形成及びより多くの血小板の形成を刺激する。一旦活性化されると、これらの血小板は、初期腫瘍から引き離された循環癌細胞に付着して、免疫システムのナチュラルキラー細胞から遮蔽することができる。この保護により、循環癌細胞が、二次腫瘍又は転移が発現し得る骨などの他のターゲット器官に到達してしまう。
現在では、この提案された一連の事象に対する実質的な証拠がある。例えば、血小板が、トランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)依存のメカニズムを経て卵巣癌における癌細胞の成長を高めるという証拠がChoら(2012)によって報告されている。血小板は循環内でのTGF−βの主要源であり、そうであるから癌細胞の急増を非常に刺激し易い。
既に述べた通り、また1971年にFolkmanによって最初に仮説がたてられたが、一連の腫瘍の発現及び成長は新たな血管の形成(血管形成)に依存し、そして血小板はこのプロセスを制御する種々の因子のキャリアである。これらの因子は血小板のα顆粒中に蓄えられ、癌細胞によって血小板の活性化が引き起こされた後に放出される。これらの因子のうち血管形成にとって最も顕著且つ重要なものがVEGFである。癌細胞は、α顆粒からVEGFの放出を特異的に誘導するとみられ、そして血管形成を促進し(Kisucka et al, 2006)、これにより腫瘍の形成及び成長を促進する。
腫瘍の拡散(転移)に対する血小板の促進効果を裏付ける証拠は、今や説得力がある(Gay & Felding Habermann (2011); Borsig (2008))。全ての癌関連死の90%超が転移によって生じているため(Lou et al, 2015)、このプロセスにおける血小板の役割を理解することがカギを握る。転移時では、癌細胞は、今では血小板によって媒介されることが知られている血管内異物侵入と呼ばれるプロセス(Battinelli et al, 2014)において、初期腫瘍から血流に入り込むことにより体の他の部分に広まる。一旦癌細胞が血液に入り込むと、血小板を活性化して、血小板(the latter)が凝集すること、及び、免疫システムのナチュラルキラー(NK)細胞から保護することができる循環腫瘍細胞の周辺で遮蔽物を形成することを可能にする(Nieswandt et al, 1999)。この癌細胞及び血小板の間の相互作用が影響を受けるメカニズムは完全には解明されていないが、血小板表面インテグリン及びそれに対応する腫瘍細胞リガンドを含み、且つ、血小板P−セレクチンと腫瘍細胞上で発現したセレクチンリガンドとの結合による数多くのメカニズムが関わっていると考えられている(Amo L et al, 2014)。NK細胞による破壊を逃れているこれらの循環癌細胞は、最終的には、血管を覆い組織や器官の血管壁を横切っている血管内皮細胞に付着することにより、転移部にて血管系を血管外遊出する。この血管外遊出プロセスはアデノシン三リン酸の血小板放出によって容易に行われ、血管内皮バリアを開き、腫瘍細胞が血管系を逃れられるようにする(Schumacher et al, 2013)。この血管外遊出プロセス及び癌細胞の隣接組織への浸透を容易に行わせる更なるものは、これについてもまた血小板/癌細胞の相互作用に依存することが最近示された(Labelle et al, 2011)、いわゆる“上皮間葉転換”(EMT)と呼ばれるより悪性形質へのそれらの転換である。この相互作用における血小板由来のTGFβは、癌細胞中のTGFβ/Smad及びNF−κB経路を相乗的に活性化し、EMT転換をもたらす。癌細胞におけるNF−κBシグナル伝達の阻害又は血小板のみにおけるTGFβ1発現のアブレーションは、生体内肺転移に対して保護することが示された(Labelle et al, 2011)。従って、癌細胞は、効率的な転移のために、初期腫瘍の外の血小板由来シグナルに依存するものと見受けられ得る。確かに、血小板増加症は転移性癌に罹っている患者に最も頻繁に見られる。
骨転移は非常に深刻な痛みを生じると共に、多くの癌(特に、乳房、前立腺、肺、甲状腺及び腎臓)で頻繁にある合併症であり、通常は死に至る(Weilbaecher et al 2011)。19世紀後半から、局所宿主組織の微小環境が、ある癌の傾向に積極的に関与して“前転移ニッチ”の発現を含む特定の器官に転移し、骨が特別に肥沃な「土壌」を提供すると考えられてきた(Paget 1889)。骨髄における腫瘍細胞の移行及び滞留は、腫瘍細胞上、及び、骨転移の亢進に重要な役割を果たす骨中の支持宿主間質細胞(破骨細胞/骨芽細胞、新たな血管、炎症細胞、巨核球/血小板、及び骨髄間質細胞)上の双方上の表面インテグリンとの相互作用を含む複数の結合相互作用に影響される。
更に血小板増加性癌患者では、より高いレベルの巨核球−そして血小板へのそれらの一連の発達−が、骨髄中での産生サイトにおいて明らかであり、これらの患者は骨転移のより大きなリスクに陥り易くなるようである。Zhangら(2015)による最近の論文では、肺腺癌患者における血小板増加症と骨転移の発現との間の強い相関が判明した。血管外遊出している腫瘍に出くわした最初の細胞が骨髄に到達するにつれ、巨核球が癌細胞に対してアポトーシス/ファゴサイトーシス効果を有し、防御力をもって作用すると報告されている(Park et al 2011. Li et al 2011 & Jackson et al 2015)。しかしながら、これと相容れないのは、巨核球の産生が、癌細胞の成長を刺激すると知られているTGFβ,VEGF及びPDGF等を含む成長因子を分泌したことである。更には、自明なことに、骨転移の発現そのものが巨核球によって果たされ得るいかなる防御的役割の限界を示している。乳癌骨格転移の促進における巨核球/血小板の重大な役割についての中枢的証拠が、遡ること2004年にBoucharabaらによって、また、同年にGupta及びMassagueによって報告された。巨核球は最初は防御的役割を示すかも知れないが、骨髄に向かう癌細胞の帰巣及び巨核球との出会いが、複雑な多段階プロセスを介して(Mishra et al 2011)、骨芽細胞/破骨細胞の骨ホメオスタシスの障害をもたらす(Weilbaecher et al 2011)。これは、通常、一部巨核球によって制御されるプロセスである(Kacena et al 2006)。この走化性の結果として骨髄に入り込んだ圧倒的多数の癌細胞は、続いて骨転移の発症をもたらすかも知れない。結局、従って、血小板増加症患者において明らかである過剰な数の巨核球が骨転移の発症を支えているように見えるだろう。
骨髄以外では、巨核球のその他の主要な貯蔵庫は肺である。ここでも、肺転移と関連する肺巨核球の数は、限局性癌患者の肺及び健康な個体の肺においてよりも多いと報告されており、転移の発症における巨核球に対する重大な役割を改めて指摘している(Soares 1992)。
従って、癌と関連する血小板増加症は、腫瘍細胞の成長、腫瘍の形成、及び、重要なことに特に骨及び肺におけるその後の転移という観点から、疾患結果において重大な役割を果たすように見えるだろう。従って、血小板の機能及び/又は形成を低減するための療法介入は、癌関連の罹患率及び死亡率に取り組む価値ある新たなアプローチを提供するかも知れない。
この過剰な数の血小板の血小板増加症患者によって引き起こされる課題に対処するための一つのアプローチは、いわゆる「抗血小板」剤の使用である。このような薬は実際には血小板数を減少させずに単に血小板の活性化および凝集を低減するため、この用語は幾分か紛らわしい。これには、血小板によって提供される免疫遮蔽及びこれに続く癌細胞の血管付着を低減させる潜在性がある。シロスタゾール、クロピドグレル、プラスグレル、チクロピジン、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、アナグレリド、アスピリン及びジピリダモールを含む種々の抗凝集剤に不定期に曝された後の回顧的観察研究では、Rachidiら(2014)は、頭および首の癌における改善された治療結果と一般的なこのような治療との明らかな関連を記している。しかしながら、これらの著者は薬の使用を「血小板を低減させる薬理的介入」と混同して説明しているものの、改善された生存性は、(アナグレリドの唯一の例外と共に)これらの抗凝集剤ではもたらされなかったであろう、より低い血小板数を示す患者と最も顕著に関連していた。より昔の論文では、Ambrusら(1986)は、動物において抗凝集性を有するが血小板の低減効果は有さない(それは、人間に特有の血小板−低減作用である)薬であるアナグレリドを用いたマウスの抗凝集剤療法が、転移の発現の可能性が低くなったことの指標である癌細胞の循環時間の増加と関連していることを報告している。このような抗血小板療法は癌予防において有用な役割を果たすことが近年示されてきたが(Bosetti et al, 2012, Leader et al 2015)、例えば腸の癌にアスピリンを用いて、癌の進行を阻止する際の選択的血小板低減剤の潜在的価値については未だ体系的に調査されてこなかった。人間の血小板低減/抗凝集剤であるアナグレリドは、イマチニブ及びアナグレリドを用いて治療を受けた51歳の男性の血小板を低減させることを試みた、Voglovaら(2006)によって報告された臨床ケーススタディにおいて使用された。しかしながら、ここでの主な目的は、癌の進行というよりはむしろ、彼の慢性骨髄性白血病に関連する深刻な血栓−出血性合併症を小さく抑えることであった。57歳の男性患者におけるその他の臨床ケーススタディ(Chen YG et al 2012)では、原発性肺腫瘍性血小板増加症における血小板増加性リスクを軽減するために、アナグレリドの血小板低減作用を利用した。血栓症起因の脚の腫脹が低減され、癌の進行が無かったことにより、成功と評価された。
単に血小板の凝集を改質することの1つに代わるものとして、血小板の低減は癌の進行を遅らせるという魅力的な戦略をもたらす。たとえ血小板数が100,000/μLに減少しても止血は本質的に影響を受けないので、適度な血小板の低減と関連し得るいかなる出血リスクの可能性に対する懸念は間違っているようだ。実際、外科医は、血小板数が75,000/μL超においては血小板を輸血することなく頻繁に手術を行うだろう。外科手術前の予防的な血小板輸血は、血小板数を可能であれば50,000及び100,000/μLの間に上げるために、深刻な血小板減少症患者においてのみ推奨される。外科手術及び他の侵襲的手技は、低い血小板数において大きな出血を伴うことなく行われてきた、以下を参照:
http://www.transfusionguidelines.org/?Publication=HTM&Section=9&pageid=1120
従って、出血リスクを生じることなく血小板数を低減させるかなりの範囲がある。
動物では、腫瘍保有マウスにおける血小板枯渇は、腫瘍内出血及びその結果としての腫瘍壊死を引き起こすことが示されている(Ho-Tin-Noe et al, 2009)。更には、血小板枯渇は、癌に対するDNAワクチンの治療的抗腫瘍効果を高めることが示されている(Lee et al, 2013)。癌治療における血小板枯渇の潜在的価値を追加的に裏付けるものは、血小板数を実験的に減少させることが大きな抗転移効果を有すると示された更なる動物研究から来る(Gay & Felding-Habermann, 2011)。また、Stoneら(2012)は、卵巣癌を有するマウスにおいて血小板増加症を解消することが腫瘍の成長を阻害して腫瘍壊死を増加させることを示した。癌の進行における血小板数の重要性について強調しているいくつかの他の公開された研究があるが(Demers et al (2011), Li et al (2014)及びCho et al (2012))、例えば、抗巨核球剤であるアナグレリドを用いて、これがどのように達成され得るかについて特定している研究は一つもないし、アナグレリド起因の大きな心臓刺激がどのように回避され得るかについて特定している研究は一つもない。
血小板を低減させる一つのアプローチは、癌細胞が血小板増加症を誘発するメカニズムを理解することに由来する。Buergyらは癌細胞による巨核球の直接的刺激の可能性を推測しているが、他の証拠は間接的なメカニズムを示唆している。これは、肝臓内でのトロンボポエチン産生を誘発し、続いて骨髄内で血小板生成を刺激する、インターロイキンIL−1、IL−6、IL−8及び/又は顆粒球コロニー刺激因子などのサイトカインの循環レベルの上昇によって影響を受けると考えられる(Sierko及びWojtukiewicz 2004, Johnson et al 2015)。卵巣癌を有するマウスモデルにおける近年の研究では、IL−6抗体であるシルツキシマブの投与が血小板数及び腫瘍の成長を著しく減少させた(Stone et al, 2012)。しかしながら、このような製剤調製物の使用は、他の望ましくない副作用は勿論のこと、コスト、静脈内投与の必要性、及び特に顕著な免疫抑制剤によって制限されるかも知れない。シルツキシマブ、それにまたもう一つのIL−6抗体製剤調製物であるトシリズマブに関連した最も顕著な副作用は、上部気道感染症である(シルツキシマブを服用した患者の20%超)。免疫システムが損なわれた癌患者にとってこれらは特に望ましくない副作用である。確かに、このような免疫抑制剤を受けた患者において、深刻で時には死に至る感染症が報告されている。以下を参照:
http://www.medicines.org.uk/emc/ingredient/2423/tocilizumab/
血小板低減への別のアプローチは、血液血小板の過剰な数及びその結果としての血栓リスクによって特徴づけられる珍しい骨髄増殖性状態である本態性血小板血症(ET)の治療に通常用いられる一つ又は複数の薬を使用することかも知れない。ここで血小板数は、正常範囲である150,000〜350,000血小板/μLと比べて、106血小板/μL血液を大きく超えている可能性がある。この状態に対する治療では歴史的に一つ又は複数の以下の製剤を使用してきた:−
ヒドロキシカルバミド(ヒドロキシ尿素)
これは、顆粒球、白血球及び赤血球の系譜を含むいくつかの造血細胞株に影響を及ぼす、非特異的細胞毒性剤である。ヒドロキシカルバミドの投与によって起こり得る結果である白血球減少症は、既に免疫システムが損なわれているかも知れない癌患者において望ましくないだろう。以下を参照:
http://www.medicines.org.uk/emc/medicine/18928/SPC
ブスルファン
これはアルキル化化学療法剤である。毒性には、重度の嘔吐、消耗症候群、発作及び肝毒性(静脈閉塞性疾患、VOD)が含まれる。発作及びVODはブスルファン治療の深刻な懸念であり、後者は用量制限毒性をもたらす。従ってこのような深刻な副作用を考慮するとブルスファンは癌患者において血液血小板を低減するための選択薬ではないかも知れない。以下を参照:
http://www.medicines.org.uk/EMC/medicine/24686/SPC/Busulfan+2+mg+tablets/
インターフェロン−アルファ
この薬は血液血小板数を減少させるであろうが高価であり、注射製剤調製品としてのみ利用可能であり、そして、これら全ても癌患者において非常に望ましくない、白血球減少症、筋痛、関節痛及び食欲不振を含むかなりの副作用がある。以下を参照:
http://www.medicines.org.uk/emcsearchresults.aspx?term=Interferon%20alfa2b%20(Intron-A)s.
アナグレリド
この薬は、現在入手可能な唯一の細胞選択的血小板低減剤、即ち、血小板を除く他の血液細胞株の形成を阻害しない薬である(Hong et al 2006)。この比類ない選択性は、貧血及び白血球減少症の両方に罹っている可能性があり既に血液学的に損なわれているかも知れない癌患者の治療に特に価値があるだろう。アナグレリドは、本態性血小板血症の治療のための様々なジェネリック製剤に加え、現在、Agrylin(登録商標)、Xagrid(登録商標)及びThromboreductin(登録商標)として市場で売られている。この薬の主な薬理作用、即ち血小板の低減は、血小板の前駆体である巨核球の成熟に対するその作用によってもたらされる。前述の通り、その細胞選択的作用は、アナグレリドを他に類を見ないほど価値あるものにする。しかしながら、当該薬は、二次的だが別の薬理作用である、ホスホジエステラーゼ(PDE)IIIの阻害の結果として抗凝集(抗血小板)作用も示す。残念ながら、この特性、即ちPDE IIIの阻害は、その非常に望ましくない心臓血管副作用ももたらす。
今日では、アナグレリドの望ましくない心臓血管作用は、主に、当該薬の極めて強力なPDE III阻害性代謝物、即ち(以前はBCH 24426として知られていた)3−ヒドロキシアナグレリドによるものであるようだ。陽性変力薬として、この化合物は心臓に対して顕著な刺激効果を有する(Wang et al, 2005)。アナグレリド自体は多少のPDE III阻害作用を有するが、その作用はこの代謝物と比べると比較的低く、後者はほぼ40倍強力であるが、アナグレリド自体よりも幾分か低い血小板低減作用を有する(Wang et al, 2005)。この代謝物の形成は、経口投与後の広範な初回通過代謝の結果である。臨床診療において、この代謝物の血漿濃度は、典型的には親薬物の血漿濃度の2〜3倍高い(Martinez-Selles et al, 2013)。
頻脈、動悸及び重度の頭痛としてはっきりと表れるこれらの心臓血管への悪影響は、用量制限となり得、患者が療法を中止する主な原因である。控え目に推定して、アナグレリドを処方した患者の約25%が、このような心臓血管副作用の結果として薬物治療を中止する(Birgegard et al, 2004)。アナグレリドに承認されたラベルは、特に既に心疾患に罹っている患者に投与された場合に、動悸及び頻脈といった心臓血管への影響が当該薬物の療法投与後に生じ得ることを明らかにしている。従って、当該ラベリングは、このような患者への当該薬の投与に対して警告し、療法を開始する前の心臓血管検査を推奨する。以下を参照:−
http://www.medicines.org.uk/emc/medicine/15737/SPC/Xagrid+0.5mg+hard+capsule
これらの心臓血管副作用は、現在では、本態性血小板血症の治療におけるアナグレリドの使用を第二選択療法に退ける(Birgegard et al, 2004を参照)。
いくつかの文献報告は、アナグレリドの慢性的な使用と関連し得る心臓合併症を更に強調している(Mlot & Rzepecki 2012)。一つのケーススタディでは、アナグレリドの心毒性が、真性赤血球増加症に罹っている48歳の女性におけるうっ血性心不全としてはっきりと表れた(James CW 2000)。日常的な治療時でのこのような心臓血管副作用の頻度は以下のように報告されている:−
一般によくある:動悸及び頻脈、
あまり一般的ではない:うっ血性心不全、高血圧、不整脈、心房細動
時々:扁桃炎、心筋梗塞、心肥大、心筋症、心膜滲出液及び起立性低血圧
Jurgensら(2004)によって報告された研究では、アナグレリドは多数の患者において心筋症を引き起こすことが判明した。本態性血小板血症及び真性赤血球増加症に罹っている約434名の患者から集めたデータでは、11名において特発性心筋症が明らかであった。アナグレリドに起因する心筋症についての別のケースがWongら(2008)によって後に報告された。更には、創薬者であるShire Pharmaceuticalsが全ての医療従事者に送信した最近の情報(Shire, 2013)は、深刻な心臓血管有害事象が、心臓疾患の疑いがなく、正常な以前の心臓血管機能を有する患者にさえも起こり得るという事実を強調していた。
心臓血管副作用は、潜在的に化学療法誘発性心臓血管毒性のリスクに直面している癌患者、特に既存の心臓血管疾患に罹っている高齢の患者において問題となるだろう(Yeh et al 2004)。腫瘍学の心毒性についての詳細なレビューにおいて、Fuiza M(2012)は、このことが、全てではないが大抵の化学療法剤の一般的な問題であると強調した。確かに、化学療法は、不整脈から心膜炎、心筋虚血、心筋症までに亘る心毒性についての多くの異なる観点と関連すると、今や広く認知されている(Saidi及びAlthrethi, (2011), Mlot及びRzpecki 2012)。シスプラチン、ドキサルビシン及びトラスツズマブといった一般に使用される化学療法剤の多くが、左心室機能に対して著しい悪影響を有することが示された(Saidi及びAlthrethi, 2011)。
このように、血小板減少性癌患者における血小板を選択的に減少させるというアナグレリドのかなりの潜在的有用性にもかかわらず、恐らく化学療法によって誘発される全ての心毒性の悪化への懸念が原因で、その使用は見過ごされているようだ。
これらの懸念にもかかわらず、非常に高用量な投与でのその想定されるアポトーシス効果、又は、むしろ驚くべきことにそのPDE III阻害のいずれかを通じて、アナグレリドが潜在的に癌患者における抗腫瘍剤として使用され得ると示唆する、3名の患者が最近現れた。国際公開第2014/183673 A1号パンフレットでは、Quiang Yuらは、様々な癌細胞株(50%阻害濃度値(IC50値)100nM)においてインビトロで明らかに見られるアポトーシス、及び、10〜30mg/kgを投与後のラットにおけるこのような作用を示すインビボ実験に基づいて「アナグレリド及び誘導体の抗腫瘍使用」を特許請求している。これらの濃度/投与は、人間において安全に成し遂げられるよりも10倍超、及び1000倍超高く、深刻な心臓血管障害をもたらすであろう。加えて、他の公開された研究では、濃度1μMまで上昇してもアナグレリドのアポトーシス効果が見られなかった(Hong et al 2006)。他の2つの特許、国際公開第2015/055898号及び国際公開第2014/164794号では、アナグレリドのPDE III阻害作用に関する開発が癌の治療に有用であるとして特許請求されている。癌患者において既に明らかな心臓血管の問題に対する臨床上の懸念に照らして、このような提案は特に不適切であると思われる。
要するに、現在利用可能な癌治療の限られた有効性は、この疾病に取り組む新たなアプローチの必要性を強調する。癌細胞の増殖、腫瘍の形成、及び、特に骨内での転移が促進される際の血小板の役割に話題を呼んでいる最近の臨床データは、治療介入のための潜在的に新しいアプローチを提供する。最も単純な場合、これは単に血小板数の減少を意味するかも知れない。しかしながら、癌細胞に起因する血小板産生の刺激を妨げること、そしてそれにより癌細胞及び血小板の間の病原性ループを破壊することは、癌治療に対する興味深い別のアプローチを提供するだろう。更には、癌細胞の骨髄への移行を阻害することは、ほとんど必然的に致命的な骨転移のリスクを小さく抑える潜在的なターゲットを提供するだろう。
現在入手可能な唯一の細胞選択的血小板低減剤は、現在の形態では、心臓罹患のある癌患者を更なる危険にさらす可能性のある非常に望ましくない心臓血管副作用のために不適切な候補薬であろうアナグレリドである。
本明細書において使用される定義:−
抗巨核球性とは、巨核球の発達及び血液血小板への成熟を妨げることによる、人間における血小板の低減作用を指す。このような薬剤は、癌の発症予防および治療において特に価値があるかも知れない。
「血小板増加症」は、450,000/μL血液超の血小板数(Harrison et al, 2010)であると世界保健機関によって定義されている。しかしながら、本明細書に記載される療法的環境においては、より少ない数でも関係があるかも知れない。このような被験者では、350,000/μLの血小板数、又は300,000/μLの血小板数でさえ血小板増加症であると考えられるかも知れない。他の被験者では、250,000/μLの血小板数も、本発明の目的上は血小板増加症であると考えられるかも知れない。
「心臓疾患のある」とは、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、動脈瘤、不整脈、心不全、心筋虚血/梗塞、高血圧及び血栓塞栓症などのあらゆる心臓の問題に対する一般用語である。より具体的には、この用語は、化学療法剤を用いた治療を受けている癌患者に頻繁に見られる左心室機能の低下を指すことができる。
用語「副作用調整された」又は「心臓保護」は、初回通過生成及びそれに続く強力な心臓活性剤である3−ヒドロキシアナグレリド又は他の類似物への全身曝露を小さく抑えるために特に設計された、アナグレリド又は当該薬の活性代謝物の製剤(及びその投与経路)を指す。
血小板減少症は、通常、75,000/μL未満の血小板数として定義される。
用語「キャリア」は、アナグレリド(又はその適切な活性代謝物)が共に投与される希釈剤、賦形剤、及び/又はビークルを指す。本発明の医薬組成物は、複数のキャリアの組み合わせを含むことがある。このような医薬キャリアとしては、水;生理食塩水;水性ブドウ糖溶液;水性グリセロール溶液;並びに、ピーナッツ油、大豆油、鉱物油、ゴマ油などといった、石油、動物、植物又は合成起源の油を含むオイル;などの殺菌液体が挙げられる。水、又は水溶液、生理食塩水、水性ブドウ糖溶液及び水性グリセロール溶液は、特に注射可能な溶液におけるキャリアとして好適に使用される。好適な医薬キャリアについては、Loyd V Allenによって編集された「Remington’s Pharmaceutical Sciences」22nd Edition, 2012に記載されている。
表現「医薬的に許容される」とは、一般に安全とみなされている分子実体及び組成物を指す。特に、本発明の実施において使用される医薬的に許容されるキャリアは、生理学的に許容可能であり、典型的には、患者に投与された際にアレルギー反応又は類似の不都合な反応(例えば、胃の不調、めまいなど)を引き起こさない。好ましくは、本明細書において使用されるときは、用語「医薬的に許容される」とは、適切な政府機関の規制当局によって承認を受けていること、或いは、人間に対しての使用にあたり米国薬局方又は他の一般的に認められている薬局方にリストされていることを意味する。
「医薬的に許容される賦形剤」とは、通常安全であり、非毒性であり、且つ生物学的にもその他の点でも望ましくないものではない医薬組成物の調製に有用な賦形剤を意味し、人間の医薬用途に許容される賦形剤を含む。本出願において使用される「医薬的に許容される賦形剤」は、一つ及び複数の両方のこのような賦形剤を含む。
用語「治療する」とは:(1)ある状態、障害又は調子に罹患している可能性があるか又は罹患し易くなっている可能性があるものの、当該状態、障害又は調子の臨床的又は準臨床的な症状をまだ経験していない又は表していない人に発生する、当該状態、障害又は調子の臨床的症状の出現を予防すること又は遅らせること;(2)当該状態、障害又は調子を阻害すること(例えば、疾病の発症又は維持治療の場合においてはその再発を、それについての少なくとも一つの臨床的又は準臨床的な症状を阻止、低減又は遅延させること);並びに/或いは(3)調子を緩和すること(即ち、当該状態、障害又は調子、或いはその少なくとも一つの臨床的又は準臨床的な症状の後退を引き起こすこと)を含む。治療を受けている患者にとっての利点は、統計上著しいものであるか、又は少なくとも患者又は内科医に知覚可能である。一実施形態では、用語「治療する」は、以下のこと:癌細胞の増殖、腫瘍の形成及び発達、及び転移の形成のいずれか又は全てについての潜在性を低減することを含む。
用語「被験者」とは、人間を指す。
「有効量」とは、望ましい療法応答をもたらすのに十分な、アナグレリド(又はその適切な活性代謝物)又は本発明の組成物の量を意味する。療法応答は、使用者(例えば、臨床医)がその療法に対する有効な応答として認識するであろう、どのような応答であってもよい。療法応答は、通常、活性薬物を用いて治療可能な一つ又は複数の調子の改善であろう。例えば、患者において腫瘍の発達及び転移を遅くすることである。更に、療法応答の評価に基づいて適切な治療期間、適切な用量、及びいかなる潜在的な組み合わせの治療を決定することは、当業者の技術の範囲内である。
用語「有効成分」とは、特に示されない限り、アナグレリド又はそのいかなる適切な活性代謝物を指すものと理解される。用語「活性代謝物」とは、5、8又は9位のいずれかにおいて単独で又は組み合わせてヒドロキシル化されたアナグレリドを指す。これとは別に、N−オキシドを形成する、第三級窒素の位置での酸化も、5、8又は9位でのヒドロキシル化の有無にかかわらず考えられる。
用語「塩」は、酸付加塩又は遊離塩基の付加塩を含み得る。適切な医薬的に許容される塩としては、限定されることなく、ナトリウム塩、カリウム塩及びセシウム塩などの金属塩;カルシウム塩及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;トリエチルアミン塩、グアニジン塩、N置換型グアニジン塩、アセトアミジン塩、N置換型アセトアミジン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、及びN,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩;が挙げられる。(塩基性窒素中心の)医薬的に許容される塩としては、限定されることなく、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩などの有機酸塩;メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩及びナフタレンスルホン酸塩のようなスルホン酸塩;並びに、アルギン酸塩、グルコン酸塩、ガラクツロン酸塩、アラニン酸塩、アスパルギン酸塩及びグルタミン酸塩などのアミノ酸塩(例えば、Bergeら(1977)を参照)が挙げられる。
用語「初回通過代謝又は効果」とは、経口投与後に薬が最初に肝臓を通過する際に肝臓によって除かれた(そして一つ以上の代謝物に変換された)薬の量を指す。
本発明の化合物の効果
本明細書で提供されるインビトロ試験により、巨核球形成を刺激する際における癌細胞の直接的な効果、そして、更には、アナグレリドが、この刺激効果にもかかわらず、依然として巨核球形成を際立って阻害できることが実証された。これにより、癌細胞−血小板間の相互作用の「悪循環」は断たれ、これは癌治療に対する全く新たなアプローチを提供するものである。
当該発明の効果は、臨床的に関係する血漿濃度にて、アナグレリドが循環癌細胞の巨核球への確認された移動誘引を阻害するということが初めて示されたことである。巨核球は通常は主に骨髄及び肺の中に位置しているので、これらのサイトへ向かう癌細胞のいかなる走化性応答をも低減することでこのような局在化を制限し、それによりそこでの転移の潜在性を制限されて然るべきである。このことも癌治療に対する根本的に新たなアプローチを提供する。
本発明は、腫瘍の成長及び転移の発現における血小板を介した同様のメカニズムがほとんどの癌の種類に行き渡っているとみられるため、幅広く異なる起源の癌の範囲の治療に広く適用可能であるという利点を有する(以下のリストを参照)。確かに、腫瘍随伴性血小板増加症は多くの癌において明らかであり、それによって誘発されるということが今や認識されている。更には、血小板数の程度が生存を左右するという証拠は、今や多くの異なる癌にわたって受け入れざるを得ない。これまでのところ、生存率は、以下の癌における血小板数に関連することが示されている:−
脳、−Brockmann MS et al (2007) Williams M et al (2012)
口腔(頭および首、鼻咽頭、食道を含む)−Rachidi S et al (2014), Furlan C et al (2015) Chen Y-P et al (2015). Verma GR et al (2015)
甲状腺癌−Sun et al (2013)
乳癌 Breast cancer Lal I et al (2013), Stravodimou A & Voutsadakis IA (2013), Rajkumar A & Szallasi A (2013)
肺癌−Yu D, et al (2013), Zhang X, & Ran Y (2015)
胃癌−Lv X et al (2010), Li F-X et al (2014), Voutsadakis IA (2014)
肝臓癌−Lee C-H et al (2015), Pang Q et al (2015)
胆嚢癌−Wang RT et al (2015),
膵臓癌−Shimada H et al (2004), Suzuki K et al (2004), Chadha AS et al (2015), Wang H et al (2014)
卵巣癌、子宮頸癌、及び子宮内膜癌−Lee et al (2011), Yuan L & Liu X (2015) Bottsford -Miller KJ et al (2015), Kawano M et al (2015)
腎臓癌−Gu L et al (2015)
前立腺癌−Li F et al (2015)
結直腸癌−Josa V et al (2015)
多発性骨髄腫−Takagi S et al (2015)
本発明の別の重要な効果は、本明細書で記載されている様々な心臓保護製剤の一つを利用することにより、血小板増加症患者における癌を治療するために、細胞選択的で抗巨核球剤であるアナグレリドのより安全な使用を可能とすることである。これらの製剤は、心臓刺激性が高い代謝物である3−ヒドロキシアナグレリドの通常の初回通過生成を小さく抑える。3−ヒドロキシアナグレリドは、この観点において親薬物よりも40倍強力であるが、血小板低減実体としてはより活性の低い化合物である。
アナグレリドが本来有する効能及びその結果としてのたった1〜2mgという低い経口一日量は、この種の製剤、つまり、口腔/舌下錠剤、口腔粘膜スプレー、鼻スプレー、肺送達、直腸又は静脈注射/筋肉注射/皮下注射、の低負荷製剤の開発を容易にする。
これらの心臓保護製剤の更なる効果は、それらの投与経路、つまり、口腔/舌下、口腔粘膜スプレー、鼻スプレー、肺送達、直腸又は静脈注射/筋肉注射/皮下注射、のおかげで、癌患者における化学療法に起因した嘔吐の結果として生じ得る胃からの薬物損失のリスクを小さく抑えることである。
本発明の更なる効果は、アナグレリド、アナグレリドの医薬的に許容される塩、アナグレリドの溶媒和物又はアナグリレドの活性代謝物が他の化学療法剤と組み合わされたときに、他の投与された化学療法剤と相乗的に作用してこのような癌治療の有効性を高める可能性があることである。このような向上は、前記化学療法のより低用量に対する必要性、及び、全血の様々な細胞成分の不必要な減少に加えて、吐き気、嘔吐、下痢などの、このような薬剤に見られる有害な副作用の低減に対する必要性をもたらし得る。これにより、患者の順応性が改善され得る。
この発明はまた、使用されるアナグレリドの用量に対する潜在的に有益な変化を可能にする。当該薬の全身バイオアベイラビリティを高め、且つ、心臓刺激性の高い代謝物への曝露及び心臓血管のリスクを小さく抑えることによって、現在使用されているよりも低い用量を使用し得る。アナグレリドの経口バイオアベイラビリティは、心臓刺激性の3−ヒドロキシアナグレリドのみでなく、2−アミノ−5,6−ジクロロ−3,4−ジヒドロキナゾリン(RL603)などの他の非薬理学的に活性な代謝物をも産生する広範な初回通過代謝に起因して、通常低い。アナグレリドの経口バイオアベイラビリティ評価によれば、これは50%未満であると示された。以下を参照:−
http://www.fda.gov/OHRMS/DOCKETS/dailys/04/aug04/081604/04p-0365-cp00001-09-Tab-H-vol1.pdf.
従って、これらの心臓保護製剤の一日量は、現在使用されている一日量よりも著しく低くなり得ることが考えられる。
更には、頻繁に見られるアナグレリドの用量制限性心臓血管副作用の期待される低減は、難治性の場合に必要な際に、より高用量の使用を可能にし得る。副作用の低減はまた、治療を中止する可能性のある患者の数を減らして患者の順応性の改善という恩恵ももたらすに違いない。
従って要約すると、本発明は、腫瘍随伴性血小板増加症に起因して予後が著しく悪い患者における、広範囲に変化する病因の癌における転移性疾患の発症予防及び/又は治療の際の、様々な心臓保護製剤のいずれか一つにおいて、アナグレリド、アナグレリドの医薬的に許容される塩、アナグレリドの溶媒和物又はアナグリレドの活性代謝物を使用しようとするものである。これは、骨髄及び肺に位置する巨核球への癌細胞の移行を阻害することを通じてこれらのサイトでの致命的な転移となり得る可能性を低減することは勿論のこと、血小板−癌細胞の相互作用の悪循環を断つ血小板数の減少によって影響を受け得るだろう。
選択された経腸及び非経腸の製剤調製物が、心臓活性の高い代謝物である3−ヒドロキシアナグレリドの経口初回通過形成を回避するために使用され、幅広く異なる起源の癌の治療に対する安全で根本的に新たなアプローチを提供する。
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通じて、単語「comprise」及び「contain」及び、例えば、「comprising」及び「comprises」などの当該単語のバリエーションは、「〜に限定されることなく含む」という意味であり、他の一部分、添加物、成分、完全体又は工程を排除する意図ではない(し、排除もしない)。
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通じて、文脈が他に必要としない限り、単数は複数を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、文脈が他に必要としない限り、本明細書は単数形のみならず複数形も考慮するものとして理解されるべきである。
本発明の特定の態様、実施形態又は実施例と合わせて記載された特徴、完全体、特性、化合物、化学的部分又は群は、それと矛盾しない限り、本明細書に記載された他のいかなる態様、実施形態又は実施例にも適用可能であると理解されるべきである。
本発明の医薬組成物
わずか26nM=7ng/mLの当該薬インビトロ抗巨核球IC50及び現在使用されている製剤の低用量(単位用量0.5mg)によって反映される−アナグレリドが本来有する血小板低減剤としての高い有効性は、理想的には、それ自体を、心臓活性の高い代謝物である3−ヒドロキシアナグレリド(IC50 0.7nM)の肝臓初回通過生成を最小限に抑えることができる「低負荷可能な」投与経路に適したものとする。このことを促進するために、確立した薬物送達方法及び製剤が利用可能である。
経腸製剤
口腔/舌下送達−内側の頬、舌下領域(舌の下)、歯肉領域(歯茎)そして最終的には口蓋領域(口の上顎)を含む口腔粘膜は、全てではないにしても幾分かの薬品を全身循環中に直接送達することにより、アナグレリドの心臓活性代謝物の初回通過肝臓生成を小さく抑える潜在性を提供する。
口腔−舌下錠剤。アナグレリドの舌下錠剤は、様々な異なるデザインであり得る。このような製剤の一つは、Prefibin(登録商標)/Subutex(登録商標)(ブプレノルフィン)舌下錠剤と共に使用されているものに類似しているかも知れない。このような錠剤での典型的な賦形剤としては、クエン酸、無水ラクトース一水和物、マンニトール、クエン酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、アルファ化デンプン(トウモロコシ)が挙げられる。当該錠剤は、溶解されるまで舌の下に置かれる。
口腔スプレー。口腔スプレー製剤は、様々なデザインのいずれか一つとして製剤調製され得る。このようなデザインの一つは、フェンタニル口腔スプレーであるSubsys(登録商標)に類似しているかも知れない。当該薬は、脱水アルコール63.6%、精製水、プロピレングリコール、キシリトール、及びL−メントール中で溶解される。一度の作動で、適切な用量の当該薬を含有する100μLのスプレーが送達される。別の口腔粘膜スプレーは、テトラヒドロカンナビノール/カンナビジオール製品であるSativex(登録商標)で使用されているものである。ここで、スプレー装置は、40mgのエタノール/100μLのスプレーを含有する液体二酸化炭素であるガス状噴射剤を使用する。
粘膜付着性口腔錠剤。アナグレリドの口腔錠剤は、様々な方法で作製することができる。この種の製剤の一例は、プロクロルペラジン口腔錠剤(Buccastem(登録商標))で見られる。ここで、当該錠剤は、歯茎の上且つ口のいずれかの側の上唇の下に置かれる。口腔粘膜は、当該錠剤がその場に留まり、続く1〜2時間の間に亘って溶解することを確実にする。典型的な賦形剤としては、圧縮性の糖、ポビドンK30、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びリボフラビンナトリウムリン酸塩が挙げられる。
粘膜付着性口腔フィルム。頬の内側に付着するアナグレリドの自己溶解性フィルムは、様々な異なるデザインに従って作製することができる。このようなデザインの一つは、Breakyl(登録商標)(フェンタニル)に使用されているものと似ているかも知れない。Breakyl(登録商標)は、溶解性の、長方形で、扁平で、柔軟性のある口腔フィルムであり、一方は頬の内側に付着し、他方は唾液への薬物放出及び飲み込みによる薬物損失を小さく抑えるように設計されている。異なる強さの薬のパッチが考えられ、0.8cm2から2.4cm2までのサイズ範囲に及ぶであろう。
口腔トローチ/ロリポップ。これらもまた様々なデザインであり得るが、本質的には硬質糖の塊の製剤調製物であり、当該薬を、この場合においては、当該薬がpH7においてよりも著しくより水溶性となる理想的なpH約3で含有する(250μg/mL vs 約1.0μg/mL)。このようなトローチは、フェンタニルのロリポップ製剤であるActiq(登録商標)のものと類似した、短いプラスチックの棒上に固定され得る。典型的な賦形剤としては、水和デキストレート、クエン酸、リン酸ナトリウム二塩基性、人工ベリー香料、ステアリン酸マグネシウム、及び食用糊(変性食品デンプン及び菓子用の砂糖)が挙げられる。
直腸整剤。直腸投与は、当該薬が、全身血液供給内に直接流入する下痔核静脈及び中痔核静脈によって吸収されることを可能とすることによって、初回通過代謝の程度を低減する。
肛門坐薬。坐薬製剤は、例えば、Witepsol H14又は45或いはココアバター及び白蝋などの溶融可能なワックスを頻繁に利用する。別の坐薬製剤のデザインは、坐薬形状の柔らかいゼラチンカプセルの中に当該薬の溶液をカプセル封入することを含む。一度直腸に挿入されると、当該ゼラチンの殻が溶解し、当該薬の溶液が吸収のために放出される。アナグレリドの典型的な坐薬製剤は、12.5mg又は25mgの塩酸プロメタジンをパルミチン酸アスコルビル、二酸化ケイ素、白蝋、及びココアバターと共に含有するプロメタジン坐薬に対するものに基づき得る。
アナグレリドの直腸ゲルは、様々な異なるデザインに作製され得る。アナグレリドの直腸ゲルは、例えば、直接的な直腸点滴用アプリケータに単位用量分が予め充填された状態で提供される非殺菌ジアゼパムのゲルである、Diastat Acudial(登録商標)としてのジアゼパム用に使用されるものに似ているかも知れない。ジアゼパム直腸ゲルは、プロピレングリコール、エチルアルコール(10%)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール(1.5%)、安息香酸及び水と共に薬を含有する。
非経腸(非経口)製剤。これらの投与経路もまた、アナグレリドの非常に強力な心臓活性代謝物の肝臓での生成を小さく抑えるか又は全て回避さえする。様々なこのような製剤に関する一般的説明は、Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 22ndEdition, 2012において容易に見つけることができる。
鼻スプレー。アナグレリドの鼻スプレーは、デスモプレシン(Stimate(登録商標)鼻スプレー)用に使用されるものに匹敵する方法で製剤調合され得る。当該薬の水溶液/懸濁液が、指作動ポンプの下に位置する10mLのプラスチック貯槽の中に含有される。一作動毎に100μLのスプレーが各鼻孔に送達され、必要な用量の当該薬を提供する。別では、アナグレリドは、ミダゾラム用のものに類似した方法で鼻への送達のために製剤調製され得る。典型的には、これは、シリンジに吸入された、濃縮された水/プロピレングリコールの薬液pH4.0を使用し、次いで、例えば、LMA(登録商標)MAD NASAL(商標)といった鼻腔内粘膜霧吹き装置に装填される。一スプレー毎に約100μLの溶液を送達し、この場合においては、各鼻孔当たり2回の作動で必要な用量の当該薬を与える。この投与手法を用いることで、この服用におけるミダゾラムのバイオアベイラビリティが、約30%から経口の場合には87%にまで増加する(Bjorkman et al 1997)。
肺送達。気管支喘息等の状態の治療における局所療法と従来から関連しているものの、肺内薬物投与は潜在的に価値ある全身送達経路を提供する。確かに、たばこの煙を吸入すること、又はより最近では、様々ないわゆる「タバコ吸引性(蒸気を吸う)」ニコチン製品を使用することが、全身送達の新規な方式を示している。蒸気吸引デバイスを使用することで、このような送達に対する薬を製剤調合するための容易な方法が提供される。詳細は、国際公開第2015131058号パンフレットの「Electronic vaping device and components thereof」を参照のこと。別としては、従来からある噴射剤駆動又は乾燥粉末吸入器が、全身血中循環への直接的な送達の手段を提供し、初回通過代謝を回避する。従来の定量用量吸入器のデザインの詳細は、米国特許第6131566号明細書の「Metered dose inhaler for albuterol」にて見つけることができる。
局所的送達。本発明の範囲内において更に考えられるものは、皮膚を通じて吸収され、これもまた初回通過代謝を回避できるであろう、アナグレリドの局所製剤であろう。このような製剤には、貯漕又はマトリックスタイプの自己粘着型経皮性パッチが含まれ得る。アナグレリドの経皮性パッチ製剤は、ブプレノルフィン(BUTRANS(登録商標))用又はロチゴチン(Neupro(登録商標))用のものと類似する方法で作製され得る。
注射−別の心臓保護製剤は、当該薬が即時及び持続放出性の製剤調製物として与えられ得る、静脈内、筋肉内又は皮下の投与経路を利用したものだろう。後者の場合では、これらは、一度投与されてから所定の期間に亘って当該薬を放出する服用形態を包含するであろう。これらは、デポー製剤の皮膚内インプラント又は筋肉内注射の使用を含み得る。筋肉内デポー製剤では、これらは、溶解制御、吸収制御、カプセル封入制御、適切な粘性又は油性のビークル内での溶解など、このような送達に対する様々なアプローチのうちいずれか一つを含むことができる。インプラントは、他のポリマー材料を使用するものはもちろんのこと、Silastic(登録商標)(シリコーンエラストマー)ロッドの類の使用に基づく任意の数の装置の種類を含むだろう。
改善された水溶性を促進する。pH4〜8の間のアナグレリドの水溶性は、たった約1.0μg/mLである。従ってアナグレリドは、FDAの生物医薬品分類システムの下では低溶解性/高透過性薬物として分類される。
溶解性及びそれによる吸収は、これもまた当該技術分野において周知である様々な浸透促進剤の使用により促進され得る。これらは、非イオン性はもちろんのことアニオン性及びカチオン性の両方の界面活性剤、オレイン酸及びカプリル酸、胆汁酸塩、プロピレングリコールなどのポリオールを含む脂肪酸及び誘導体を含むであろう(Dodla & Velmurugan, 2013を参照)。
前述した製剤は全て、表面積を増加させて、それにより溶解速度を高めて、吸収を促進するために、微粉化薬物(<100(ミクロン)μm、又はより理想的には<10μm)又はナノ粒子物質(一般に<0.1μm)のいずれかを使用することから恩恵を受けるかもしれない。このような粒子サイズに小さくした物質を調製することは、当該技術分野に精通した者にとって周知であるが、Joshi JT (2011)による「A review of micronization techniques」にも、Pathak & Thassu (2009)による「Drug delivery nanoparticles; formulation and characterization」にも広く記載されている。
アナグレリド(及び関連する化合物)の水溶性を高める更なる手段は、βシクロデキストリンによる可逆的複合体の使用を通じてであろう(Rasheed et al, 2008を参照)。
pH調整が可能なアナグレリドのこれらの製剤では、僅かに酸性のpH<4を使用することが、これにより当該薬の水溶性を著しく高めることができるため、好ましい。例えばpH1では、アナグレリドの水溶性は236μg/mLにまで高められる。(http://www.shirecanada.com/en/documents/AGRYLIN_PM_EN.pdfを参照)
本発明は、少なくとも一つの有効医薬成分、又は、その医薬的に許容される誘導体(例えば、塩又は溶媒和物)と、医薬的に許容されるキャリアを含む医薬組成物を提供する。特に、本発明は、療法上効果のある量のアナグレリド(又は適切な活性代謝物)及び医薬的に許容されるキャリアを含む医薬組成物を提供する。
本発明で用いられる当該薬は、他の療法剤及び/又は活性剤と共に組み合わせて使用されてもよい。従って、本発明は、本発明を実施するのに有用な少なくとも一つの化合物、又はその医薬的に許容される塩若しくは溶媒和物、第二の活性剤、及び任意に医薬的に許容されるキャリアを含む医薬組成物を提供する。
同じ製剤中で組み合わされる場合は、2つの化合物は、好ましくは、互いの化合物及び当該製剤の他の成分の存在下で安定であり、互いに相容れることが理解されるだろう。別々に製剤調合される場合は、当該技術分野におけるこのような化合物に対して知られた方法で、任意の好都合な製剤で提供されてもよい。
製剤は、一つ又は複数の適切なキャリアの助けを借りた使用のために提供されてもよい。療法用途として許容可能なキャリアは、製薬分野ではよく知られており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 22nd edition 2012に記載されている。医薬キャリアの選択は、意図する投与経路及び標準的な製薬実務に関して選択することができる。医薬組成物は、キャリアに加えて、任意の好適な結合剤、潤滑剤、懸濁剤、コーティング剤及び/又は可溶化剤をキャリアとして含んでもよい。
防腐剤、安定剤、染料及び香料剤でさえも、当該医薬組成物中に提供され得る。防腐剤の例としては、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸及びp−ヒドロキシ安息香酸のエステルが挙げられる。抗酸化剤及び懸濁剤もまた使用することができる。
本発明で使用される化合物は、錠剤及び他の製剤の種類として適切な粒子径を得るために、湿式粉砕などの知られたミリング手順を用いて粉砕してもよい。微細に分割された当該化合物の製剤調製物は、当該技術分野で知られた他の手順、例えば、国際特許出願第02/00196号(SmithKline Beecham)を参照、によって製剤調製されてもよく、ナノ粒子物質の使用はもちろんのこと微粉化を含むであろう。
本発明の化合物及び医薬組成物は、経腸的(しかし、消化管の近位端(頬粘膜)及び遠位端[直腸]の使用のみ)又は非経口的のいずれかで投与されることが意図されている。経腸的使用では、当該製剤調製物は、舌下錠剤、粘膜付着性口腔錠剤、口腔粘膜スプレー、硬質トローチ剤、スティック上のロリポップトローチ、坐薬、又は、直腸ゲル若しくは懸濁液を含んでもよい。非経腸的送達では、鼻スプレー、肺送達デバイス、蒸気吸引デバイス、或いは、注射では、プレミックス製剤調製物、腔坐剤、溶液、懸濁液、分散液、ゲル、又はインプラント/デポー製剤を含んでもよい。固体及び液体の組成物が、当該技術分野において周知の方法に従って製剤調製され得る。このような組成物はまた、固体形状又は液体形状であり得る、一つ又は複数の医薬的に許容されるキャリア及び賦形剤を含んでもよい。
分散液は、液体キャリア、又は、グリセリン、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン油及びこれらの混合物といった中間体中で調製することができる。液体キャリア又は中間体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールなど)、植物油、非毒性グリセリンエステル及びそれらの適切な混合物を含む、溶媒又は液体分散媒体であり得る。適切な流動性は、分散液の場合には適切な粒子サイズでの投与によって、又は界面活性剤の添加によって維持することができる。
口腔粘膜製剤は、微晶質セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム二塩基性及びグリシン;デンプン(好ましくは、トウモロコシ、ジャガイモ又はタピオカのデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及びある種の複合ケイ酸塩などの崩壊剤;並びに、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチン及びアカシアなどの造粒バインダー、といった賦形剤を含んでもよい。
更には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル及びタルクなどの潤滑剤が含まれてもよい。
本発明において有用な口腔粘膜組成物に対する医薬的に許容される崩壊剤の例としては、制限されることなく、デンプン、アルファ化デンプン、グリコール酸ナトリウムデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、微晶質セルロース、アルギン酸塩、樹脂、界面活性剤、発泡性組成物、水性の珪酸アルミニウム及び架橋ポリビニルピロリドンが挙げられる。
本明細書において有用な口腔粘膜組成物に対する医薬的に許容されるバインダーの例としては、制限されることなく、アカシア;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;ゼラチン;グルコース;デキストロース;キシリトール;ポリメタクリレート;ポリビニルピロリドン;ソルビトール;デンプン;アルファ化デンプン;トラガカント;キサンタン樹脂;アルギン酸塩;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;ポリエチレングリコール又はベントナイトが挙げられる。
本明細書において有用な口腔粘膜組成物に対する医薬的に許容される充填剤の例としては、制限されることなく、ラクトース、無水ラクトース、ラクトース一水和物、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース(特に、微結晶セルロース)、リン酸二水素カルシウム若しくは無水リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び硫酸カルシウムが挙げられる。
本発明の組成物において有用な医薬的に許容される潤滑剤の例としては、制限されることなく、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドのポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、及びコロイド状二酸化ケイ素が挙げられる。
口腔粘膜組成物に対する適切な医薬的に許容される着臭剤の例としては、制限されることなく、オイル、花、果実(例えば、バナナ、リンゴ、サクランボ、桃)及びそれらの組み合わせの抽出物などの合成香料及び天然香油、並びに、類似の香料が挙げられる。それらの使用は多くの要因に依存し、最も重要なことは、当該医薬組成物を摂取する人々にとっての感覚受容性である。
口腔粘膜組成物に対する適切な医薬的に許容される染料の例としては、制限されることなく、二酸化チタン、β−カロテン及びグレープフルーツの皮の抽出物などの合成及び天然の染料が挙げられる。
放出特性を変更する、外観を改善する、及び/又は当該組成物の味を隠すための、口腔粘膜組成物に対する有用な医薬的に許容されるコーティング剤の例としては、制限されることなく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びアクリレート−メタクリレート共重合体が挙げられる。
口腔粘膜組成物に対する医薬的に許容される甘味料の好適な例としては、制限されることなく、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクトース及びスクロースが挙げられる。
本明細書において有用な医薬的に許容されるバッファーの好適な例としては、制限されることなく、クエン酸、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム二塩基性、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び水酸化マグネシウムが挙げられる。
本明細書において有用な医薬的に許容される界面活性剤の好適な例としては、制限されることなく、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベートが挙げられる。
医薬的に許容される防腐剤の好適な例としては、制限されることなく、例えば、エタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、第4級アンモニウム塩、及びパラベン(例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンなど)などの溶剤といった、様々な抗菌剤及び抗真菌剤が挙げられる。
医薬的に許容される安定剤及び抗酸化剤の好適な例としては、制限されることなく、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、チオ尿素、トコフェロール及びブチルヒドロキシアニソールが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、本発明に包含される0.01から99%重量/体積の当該薬を含んでもよい。
適用量
本明細書を通じて言及されている用量(投与量)は、特記しない限り、アナグレリド遊離塩基当量又は適切な活性代謝物の量を指す。
本発明に従って治療を受ける適切な患者としては、治療を必要とする任意の人間が挙げられるが、特に血小板増加症を示している癌患者が挙げられる。人間が経験するこのような状態の重症度を含む、様々な癌の診断方法及び臨床評価方法は、当該技術分野において周知である。従って、患者が治療を必要とするか否かを決定することは、当該技術分野における通常の実務者(例えば、医師/腫瘍学者)の技術範囲内である。
典型的には、内科医が、血小板数の減少に関する個々の被験者に対して最も適切であろう実際の用量を決定するだろう。任意の特定の個体に対する所定の用量レベル及び服用頻度は変化し得るし、投与経路、年齢、体重、療法を受ける個体の一般的健康、薬の組み合わせ、特定の状態の重症度(及び、決定的には、その個体における開始血小板数及び血小板数の変化の割合)のような様々な因子に依存するであろう。
最終血小板数のターゲットは、150〜400×103/μL血液の範囲内とすべきである。
理想的には、血小板数は、150×103/μLの下限超ではあるが、350×103/μLの上限にまで減少するであろう。
より理想的には、血小板数は、150×103/μLの下限超ではあるが、300×103/μLの上限にまで減少するであろう。
最も理想的には、血小板数は、150×103/μLの下限超ではあるが、250×103/μLの上限にまで減少するであろう。
本明細書で提案されている心臓保護用服用製剤は、現在市販されているアナグレリドの製剤とは異なり、心臓活性代謝物の初回通過生成、及びその結果としての有害な心臓血管作用を低減するよう設計されている。当該薬の全身アベイラビリティの潜在的な改善に起因して用量はより低くなる可能性があるが、これまでは用量制限を行っていたかも知れない心臓血管副作用の低減により、必要な場合にはより高い用量の使用が可能になり得る。
しかしながら典型的には、臨床環境においては、アナグレリドの現在の典型的な経口一日量である2〜3mgの半分未満の用量が、血小板数の減少に有効であり、またその結果として、血小板増加性癌患者における癌の進行のリスクを小さく抑えるのに効果的であろうと通常期待されている。用量は、確認された血小板数によって定められる血小板増加症の程度次第で、日単位で、週単位で、又は月単位で調整してもよい。
典型的には、アナグレリドは、一日に2回投与される可能性が高い。しかしながら、当該薬は、確認された血小板数及び使用された製剤の種類次第では、より少ない頻度で又は不連続的に与えられる必要があるかも知れない。服用頻度、及び、不連続的な服用に対してあり得る必要性は、確認された血小板増加症の重症度いかんによって考慮される必要があるだろう。典型的には、内科医が個々の被験者に対する最も適切な実際の用量を決定するだろう。
本発明において想定されるアナグレリド製剤は、他の療法剤と合わせて、及び/又は、他の活性剤と組み合わせて投与されてもよい。例えば、本発明に包含される薬品は、体調を管理する際に使用される他の活性剤と組み合わせて患者に投与されてもよい。このことは、成長因子若しくはサイトカインの阻害剤、化学療法剤、及び/又は痛みに対する緩和療法剤などの疾患修飾薬を含み得る。本発明によって包含される薬と組み合わせて投与される活性剤としては、他を排除することなく、アルキル化剤、抗代謝物、抗腫瘍抗生物質、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、トポイソメラーゼ阻害剤、有糸分裂阻害剤、抗血管形成剤、チロシンキナーゼ阻害剤、「チェックポイント」阻害剤を含む免疫療法剤、コルチコステロイド及びその他種々の化学療法剤を含む群から選択される薬が挙げられ得る。更には、患者は、アスピリン、クロピドグレル、プラスグレル、ジピリダモール等といった抗凝集薬(抗血小板剤)を与えられてもよい。痛みを和らげるためには、患者は、痛みを制御するために、オピオイド及び非オピオイド両方の鎮痛薬を与えられてもよい。このような組み合わせ療法では、本発明によって包含される薬は、他の療法剤及び/又は活性剤の前に、同時に、又は後に続いて投与されてもよい。これらの共薬物治療での適切な用量は、当該疾病の勢力及び重症度によって決定されるだろう。
本発明に包含される薬品が他の活性剤と共に投与される場合、このような組み合わせの個々の成分は、任意の好都合な経路で、連続的に又は同時に、別々に又は組み合わせた医薬製剤で投与されてもよい。投与が連続的である場合、本発明に包含される薬品又は二次的な活性剤のどちらが最初に投与されてもよい。例えば、他の活性剤と共に組み合わせた治療の場合では、本発明に包含される薬品は、薬の組み合わせの有益な効果をもたらすであろう処方計画で、連続的な手法で投与されてもよい。投与が同時である場合は、組み合わせたものは、同じ又は異なる医薬組成物のどちらで投与されてもよい。例えば、本発明に包含される薬及び他の活性剤は、実質的に同時の手法で、これらの薬剤の固定された比率で、又は各薬剤についての複数の別々の服用形態で投与されてもよい。
本発明の薬が種々の癌の治療方法において作用する他の薬剤と組み合わせて使用される場合、各化合物の用量は、当該化合物が単独で使用される場合の用量とは異なっていてもよい。適切な用量は、当業者によって容易に理解されるだろう。
実施例
実施例1:癌細胞を介した巨核球拡大に対するアナグレリドの阻害効果の実証
実験手順
薬−Tocris Bioscience社(ブリストル、イギリス)からアナグレリド塩酸塩を購入した。DMSO中でストック溶液を作製し、−20℃で一定分量ずつ保存し、必要な場合は実験の直前に培地内で希釈した。
細胞及び薬物治療−本質的には以前に記載されたように(Ahluwalia M et al 2010)、巨核球(MK)を生体外で生成した。簡潔にいえば、終末巨核球分化を促進するために、他に指示がない限り、1%ヒト臍帯血血漿及び40ng/mlトロンボポエチン(TPO)が補充されたStemspan(商標)SFEM II培地(Stem Cell Technologies社)内で、予め展開されたヒト臍帯血由来CD34+造血細胞を7日間培養した(MK培地)。必要であれば、分化期の初期にアナグレリド(1μM)又は同等量のビークルを添加した。
ヒト卵巣癌細胞株COV362を、2mMグルタミン及び10%ウシ胎児血清(FBS)が補充されたイスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)内で増殖させた。5%二酸化炭素/95%空気下の加湿インキュベーター内で、細胞培養物を37℃で維持した。
共培養実験−COV362細胞(COV)及び発達中のMKの共培養を、24ウェルコンパニオンプレートのウェル内部に静置しているカップ型細胞培養インサートからなり、当該インサートの底部が0.4μmの孔径を有する透過性の微孔性ポリエチレンテレフタレート(PET)膜でできている、改変Boydenチャンバー(BD Falcon、BD Biosciences社、オクスフォード、イギリス)内で行った。
MKの発現に対するCOVの効果を検証する実験では、様々な細胞密度でCOVをコンパニオンプレートに播種し、インサートを設置するに先立って4日間成長させた。それから、コンパニオンプレート中の培地を取り除き、新しいMK培地に取り替えた。その直後に、予め展開された造血細胞をインサート内に播種した。共培養を7日間行った後に、インサート内で増殖している細胞をMK発達の分析のために採取した。
巨核球発達の分析−カットオフ下限を約7.5μmに設定したCasy TT細胞カウンター(Innovatis社、ドイツ)を用いて細胞密度を決定した。既に記載されている通り(Wang G et al 2005)、フルオレセインイソチオシアネートが結合した抗CD61抗体(クローンY2/51、Dako、イーリー、イギリス)を用いたフローサイトメトリーで、MK特異的抗原発現を観察した。培地中の細胞の総数にCD61陽性細胞の分率を乗じることにより、MK数を計算した。
結果(図1を参照)−COVの非存在下では、トロンボポエチンによって誘発されるMKの展開が明らかに実証され、アナグレリド(1μM)の存在下では、以前に報告されたデータから予測される通り、当該MKの展開は約50%阻害された。COVの存在下(1000細胞/mLで播種)ではMK数が148%と著しく増加し、より多数のCOV(3000細胞/mLで播種)ではほぼ160%増加した。アナグレリド(1μM)の添加により、COVの存在下で見られたMK展開の高まりが実質的に低減された。1000細胞/mLの場合ではCOVの刺激効果は完全に消失し、3000細胞/mLの場合では、予測された高まりは半分以上であった。
検討−これらの結果は、巨核球の展開、及びそれによる血小板の産生を刺激することに際する癌細胞の直接的効果を決定的に実証している。本研究では、OVC及びMKを分離する膜の孔径は、前者の物理的移動を妨げ、従って、証拠となった効果は、ある種のCOVケモカイン放出に起因するものであったに違いない。それらの成長因子を介した血小板は、癌の発達及び進行に主要な役割を果たすことが知られている。以前は、巨核球の展開の際の癌細胞の役割は、癌細胞からのサイトカイン(インターロイキン、特にIL−6,Davis et al 2014を参照)の放出、及びそれに続く、悪循環又は病原性ループと説明されてきたものにおいて巨核球/血小板産生を促進し且つ更に癌細胞の増殖を煽るトロンボポエチンを産生する肝臓の刺激を介した間接的なプロセスであると一般的に考えられてきた。現在の研究は、癌細胞分泌物が巨核球の展開を直接的に刺激することができることを示した。重要なことに、この研究は、癌細胞のこのような刺激効果の存在下でさえも、アナグレリドは依然としてこの効果を大いに阻害できることを実証した。この新たに発見されたアナグレリドの特性は、癌細胞及びそれによる疾病の進行及び発達への応答に際し、MKの展開を低減させる機会を与える。
実施例2:癌細胞の巨核球移動に対するアナグレリドの阻害効果の実証
移行評価−前述の改変Boydenチャンバーを使用するものの、より大きな8μm孔のPET膜を有するインサートを用いている、十分に確立された癌細胞移動モデル(Hart et al (2005)及びKramer et al (2013))で、ヒト卵巣癌細胞であるCOV362細胞(COV)の移行を検証した。この孔径により、癌細胞が、下に位置する巨核球によって示される任意の誘引特性に応答して当該チャンバーの下部へと動きまわることができた。この場合では、インサートの配置に先立ち、予め展開された造血細胞を、コンパニオンプレートのウェル内のMK培地中で7日間増殖させた。インサートはその後、これらのMK含有ウェルの内部、又は、等量のMK培地のみで充填されたパラレルウェル内に配置された。血漿を含まないMK培地中で2.86×105細胞/mlの密度で作製された0.35mLのCOV細胞の懸濁液を、その後インサート上に載せて、組織培養インキュベーター内で、37℃、24時間まで、PET膜中を移行できるようにした。様々な時間ポイントで、インサートをコンパニオンプレートのウェルから取り除き、その中身を吸い出すことにより、移行評価を終了した。インサートをリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄した後、PET膜の上側に付着して移動しなかった細胞を、PBSに浸漬させた麺棒で削り取った。PET膜の下側にある移動した細胞を25%メタノール中の0.5%クリスタルバイオレットで染色した。明視野デジタル顕微鏡写真を、5つのランダム領域において100×の倍率で撮影し、領域当たりの細胞の平均数を手動でカウントして決定した。
結果(図2、3及び4を参照)−改変Boydenチャンバーの下部内に入ったMK培地へと向かうCOVの広範な移動が、このモデルにおけるMKのCOVに対する化学誘引物質特性を実証する現在の研究で示された。MKの非存在下では、COVの移動ははるかに遅く、コントロールインキュベート内の当該チャンバーの下部に加えられた、血漿−含有培地の非常に穏やかな誘因特性を反映していた。COVに関するMKのこの誘引挙動は時間依存性であることが明らかに実証された(図2)。驚くことに、アナグレリド(1μM)の存在下において増殖されたMK培養物の添加は、COVに対して何ら誘因特性を有さないことが判明した(図3)。誘因特性の消失はまた、当該薬の臨床的に関連する濃度にてMKが増殖された場合にも明白であった(図4)。
検討−骨及び肺内での巨核球の貯蔵所へと移動する癌細胞のこの挙動−そしてそれによるこれらの箇所での転移の形成の可能性−に対するモデルとして、この研究で生じたデータは、このプロセスを阻害する際のアナグレリドの見込みのある有益な効果についての非常に貴重な洞察を提供する。癌細胞の骨髄への侵入の際に出会った最初の細胞は巨核球であり、現在の研究からのデータは、決定的に−そして驚くべきことに−、卵巣癌細胞に対するMKのポジティブな誘因挙動を示した。この結合相互作用の性質は、複雑である可能性が高く、腫瘍細胞−血小板相互作用について報告されたものと類似し得る複数のプロセスを含む可能性がある(Erpenbeck & Schon 2010)。更には、転移性疾患の形成において重要な役割を果たす可能性があるのは、癌細胞に対する巨核球のこの誘引特性である。この場合、アナグレリドは転移性疾患の経過を大きく変化させる大いなる潜在性を提供する。
実施例3:血小板由来の癌細胞成長因子、血小板第4因子び血管内皮増殖因子を低減するアナグレリドの能力の実証(Cacciola et al 2004に続く)
本態性血小板血症−ET(疾患平均期間は4年間)に罹っている13人の患者(平均年齢が53歳である8人の男性及び5人の女性)がこの研究に採用された。4人の患者は1.25g/日のヒドロキシ尿素(HU)を服用し、3人の患者は1.5×106単位/日のインターフェロン−アルファ(IFN−α)を服用し、そして6人の患者は1.5mg/日のアナグレリド(A)を服用した。10人の健康な被験者はコントロール役となった。
酵素結合免疫吸着アッセイ(Boehringer-Mannheim社、ドイツ)を用いてPF4及びVEGFを測定した。血小板はSysmex XE−213000(Dasit社、イタリア)により計測された。
治療の前は、患者全てが1045±207×103/μLと高い血小板数、並びに、より高いPF4及びVEGF(コントロールの2.1±1.5IU/mL及び0.2±0.08pg/mLに対して、137±63IU/mL及び1.5±0.7pg/mLのレベル)を有していた。
治療後では、患者は400±62×103/μLの平均血小板数を有していた。HU及びIFαのいずれもPF4及びVEGFを低下させず、興味深いことに、アナグレリド治療のみがPF4及びVEGFレベルを正常値にまで低減させた。このことは、アナグレリドのみが血小板機能の正常化を誘因することを示唆する。
この研究は、ET患者におけるこれらの薬の効果を調査することに関して行われたが、癌細胞の増殖及び腫瘍の血管形成におけるこれらの成長因子の両方について現在評価されている役割は、これらのデータの重要性を新たな状況に置く。(ETにおいて)血小板を低減するために最も一般に使用されている治療のうち、アナグレリドのみがこれらの重要な2つの成長因子の循環血漿レベルを低め、それにより癌細胞及び腫瘍の発達に対するポジティブな療法効果を有するようである。
実施例4:血小板を低減するが心臓血管リスクを小さく抑える効果に必要なアナグレリドの用量の算定
本明細書において提案されている心臓−保護製剤の用量は、全身アベイラビリティの改善及び心臓血管への悪影響の低減の結果として、現在市販の製剤の用量とは異なるかも知れない。当該薬の全身アベイラビリティの潜在的改善に起因して用量はより低くなりそうだが、これまでは用量制限を受けていたかも知れない心臓血管副作用の低減により、難治性の場合ではより高い用量の使用が可能になるかもしれない。以下の決定は有用な洞察を提供する。
アナグレリドの非常に望ましくない心臓血管作用は、3−ヒドロキシアナグレリドの初回通過形成、及び、PDE III(これによってこれらの作用がもたらされるメカニズム)の阻害に関して薬に対するものと比較した際のこの代謝物のそれぞれのIC50値の大きな差異に起因する。代謝物では、これはたった0.7nM(0.2ng/mL)であるが、当該薬では32nM(8.2ng/mL)である。
典型的な1mgの臨床的用量の服用後、当該代謝物のピーク血漿レベルは29nM(約8ng/mL)であり、そのインビトロPDE III阻害性IC50よりも約40倍高い。あらゆる生体内での非特異的組織結合を見込んだとしても、これは依然としてIC50を大きく超えそうだ。対照的に、アナグレリドのピーク血漿レベルはたった16nM(約4ng/mL)であり、そのインビトロPDE III阻害性IC50の50%に過ぎない。生体内でのあり得る非特異的組織結合を考慮しても、これは生体内でいかなる大きな効果も有さない可能性がある。従って、自明であるように、この代謝物は当該薬の心臓血管作用に対する圧倒的な寄与因子であるようである。
提案された心臓保護製剤の何れか一つを用いることは、アナグレリドの全身アベイラビリティを実質的に高め、そして通常初回通過によって生成される心毒性代謝物を劇的に低減する可能性がある。最良の場合のシナリオでは、静脈内服用後のアナグレリドのバイオアベイラビリティは、定義上、この代謝物の初回通過生成が無い100%である。本明細書で提案されている他の製剤戦略では、歴史的な前例から、アナグレリドのバイオアベイラビリティが>75%にまで高まり、それにより初回通過生成代謝物が劇的に低減される可能性が予測される。この代謝物と親薬物との間の心臓血管効力の差の程度を考慮に入れた場合、初回代謝物生成のこのような低減ははるかに意味深くなり、心臓血管(CV)作用の負担ははるかに少なくなる。
この計算は、望まれない心臓血管作用を小さく抑えるための、当該代謝物への曝露を低減する潜在的価値を示す。
実施例5:アナグレリド口腔錠剤の製剤調製
アナグレリド口腔錠剤は、様々な異なる方法で製剤調製することができる。一つのアプローチは、同様の水溶性を有し、且つ同様の用量レベルで与えられる(Sarfarez et al 2011)、もう一つの生物薬剤学分類システム(BCS)クラスII化合物であるグリベンクラミドの経粘膜送達用に使用されるものに類似した手法であろう。アナグレリドの粘膜付着性口腔錠剤は、Carbopol 934P、HPMC K4M及びNaCMCなどの生体付着性ポリマーを用いた直接圧縮方法によって作製されてもよい。好適なアナグレリド口腔錠剤のデザインは以下の組成を有する:−、0.25〜2.5mg入りの微粉化(<10μm)アナグレリド、46mgのCarbopol−934P、46mgのHPMC、94mgのマンニトール、2mgのステアリン酸マグネシウム、2mgのタルク。この製剤調製物では、約3.5g程度の生体付着強度を有することが期待されるだろう。このような生体付着強度値は頬粘膜に対する良好な接着性を示す一方で、全体的に見込まれる表面pH約7は、粘膜損傷のリスクを最小限にする。
実施例6:アナグレリド口腔薄型フィルム徐放性製剤の製剤調製
アナグレリド口腔薄型フィルム製剤は、様々な異なる方法で製剤調製することができる。一つの製剤化戦略は、同様の用量レベルで与えられる(Bahri-Najafi R et al 2014)、もう一つのBCSクラスII化合物であるグリベンクラミドの経粘膜送達用に使用されるものに類似するかも知れない。自己溶解性薄型フィルム口腔製剤は、投与の容易性に起因した、より良好な患者の順応性という利点を有する。微粉化アナグレリドの粘膜付着性口腔フィルムは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)K4M、K15M又はEudragit RL100ポリマーと、可塑剤及び共溶媒としてのプロピレングリコールとを用いて製剤調製してもよい。フィルムは、溶液流延法を用いて調製される。Eudragit RL100を用いるものは、透明で、均一で、柔軟で、且つ気泡の混入を避ける傾向にあるため、最も好ましい。このような製剤の最適な組成は、0.25〜2.5mgの薬と、約100mgのEudragitポリマーとを含み、約250μmの典型的な膜厚を有するであろう。表面pHは6.2〜6.6の範囲内であり、生体付着力は約5N程度であると思われる。当該薬の放出プロファイルは、6時間超に亘って放出され、>90%を示すと思われる。
実施例7:別のアナグレリド口腔薄型フィルム徐放性製剤の製剤調製
アナグレリドの粘膜付着性口腔薄型フィルムに対する別のデザインは、BUNAVAIL(登録商標)に対するものと類似する手法で作製することができる。ブプレノルフィン及びナロキソンのこの口腔フィルムは、頬粘膜への適用を意図した、シトラス風味の経口経粘膜性形態である。各用量単位は、粘膜付着性の側にインクの印がある、黄色の長方形型フィルムである。このフィルムは、湿った頬粘膜との接触によって付着し、局所的に吸収されるために徐々に溶解して当該薬を放出する。各フィルムはまた、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸、シトラスブレンド香料、リン酸ナトリウム二塩基性、青色インク、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルパラベン、リン酸ナトリウム一塩基性、ポリカルボフィル、プロピレングリコール、プロピルパラベン、黄色酸化鉄、安息香酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、サッカリンナトリウム、酢酸ビタミンE、及び精製水を含む。青色インクは、FD&Cブルー#1、エタノール、精製セラック、アセトン、水酸化アンモニウム、及び水を含む。アナグレリドの同等の製剤は、例えば、2.2cm2のフィルム中に0.1mgのアナグレリド、及び、4.4cm2のフィルム中に0.25mgのアナグレリドなど、様々な強度で得られるように製剤調製することができた。この製剤調製方法の密な詳細は、米国特許第8475832 B2号「Sublingual and buccal film compositions」に記載されている。
実施例8:アナグレリド口腔トローチ/ロリポップの製剤調製
アナグレリド口腔トローチ/ロリポップは、多数の異なる方法で製剤調合され得る。一つのアプローチは、短いプラスチックの棒上に固定されたクエン酸フェンタニルの固体糖塊製剤である、フェンタニルトローチ/ロリポップ(Actiq)用に使用されるものに匹敵するであろう。吸われると、これは口の中で15分間に亘ってゆっくりと溶解し、当該薬の効果的な経粘膜吸収をもたらす。本質的には、このようなトローチ製剤は、糖(Cerelose 2043のようなデキストロース)、結着剤であるコーンスターチ(アルファ化食品グレードデンプン)、及び微粉化薬剤(1〜5μMの粒径)を含む。トローチ中の薬の濃度は、0.25〜2.5mgの範囲であり得る。更には、レモン、パイナップル又はラズベリーなどの着色料及び香料を、緩衝塩であるリン酸水素二ナトリウム及びpHを調整するためのクエン酸と共に添加してもよい。アナグレリドの水溶性を最大化するためには、酸性のpHが好ましく、pH3が理想的である。最後に、トローチの成形プロセス中に作られた溝内にプラスチックの棒が固定される。フェンタニルトローチロリポップを製剤調製するためのこのプロセスに関する詳細は、米国特許出願公開第20070104763 A1号「Composition of fentanyl citrate oral solid dosage from excipient and binding material therefore and methods of making」で見つけることができる。
実施例9:アナグレリド口腔粘膜スプレーの製剤調製
口腔粘膜スプレーは、口腔内での当該薬の吸収を利用するために設計されたもう一つの送達方法である。アナグレリドの製剤は、Sativexに対するものと類似した手法で成し遂げられ得る。これは、ポリプロピレン浸漬管とポリエチレンキャップで覆われたエラストマーネックとを有する定量ポンプが備え付けられた、タイプI(Ph.Eur.)コハク色プラスチックで被覆されたガラススプレー容器(10mL)を含む。当該定量ポンプは、5.5ml容量の液溜めから一回のスプレー当たり100マイクロリットルを送達する。微粉化アナグレリドは、必要な濃度で、クエン酸緩衝プロピレングリコールとエタノールとの共溶媒混合物中で溶解/懸濁され得る。ポンプ作用スプレーは、100〜500μg/100μLスプレーの間の薬物量を送達するように設計されてもよい。Sativexの製剤調製に使用される方法に関する詳細は、欧州特許第1542657号「Cannabinoid Liquid Formulations for Mucosal Administration」で見つけることができる。
実施例10:アナグレリド鼻スプレーの製剤調製
アナグレリドの鼻スプレーは、様々な異なる方法で製剤調合され得る。そのようなものの一つは、デスモプレシン(Stimate(登録商標)鼻スプレー)用に使用されるものと同様の方法であろう。アナグレリドでは、当該薬の水溶液/懸濁液は、指作動ポンプに備え付けられた10mLのプラスチック液溜めの中に入れられているだろう。これは、塩酸でpH3.5に調整された、食塩水中の微粉化アナグレリド(1〜5μMの粒径)の溶液/懸濁液を含むであろう。これとは別に、クエン酸及びリン酸二ナトリウム二水和物を緩衝剤として使用してもよい。塩化ブタノール0.5体積/体積%、又は、0.01重量/体積%塩化ベンザルコニウムを防腐剤として使用することができる。鼻孔に挿入されて作動されると、スプレー(100μL)毎に100〜500μgの間の薬を送達するであろう。デスモプレシン鼻スプレーを製剤調製するプロセスの詳細は、米国特許第5498598号「A composition for nasal administration of desmopressin」で見つけることができ、アナグレリド鼻スプレーの製剤の別のアプローチは、国際公開第20111036521 A2号「Formulation comprising triptan compounds」でスマトリプタンについて与えられたものである。
実施例11:アナグレリド肺吸入器の製剤調製
サルブタモールの送達用に使用されているものとデザインが類似しているアナグレリドの乾燥粉末吸入器は、経口吸入した場合、作動毎に100〜500μgの微粉化薬剤を肺内に送達するように用いられているかも知れない。この装置は、計量バルブが取り付けられた小型アルミニウム製加圧キャニスターを備えている。噴射剤は、クロロフルオロカーボン又はより新しい代替物、例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタンであってもよい。プラスチック製のマウスピースを有する標準的なプラスチックアクチュエーター内に挿入されると、バルブを押し下げる毎に、ラクトース中の「懸濁液」として、当該薬100〜500μgの間の用量を提供する。この製剤及びより新しい噴射剤を用いたサルブタモールの製剤調製に関する詳細は、米国特許出願公開第20140286877 A1号「Compositions comprising sulbutamol sulphate」で見つけることができる。
実施例12:アナグレリド肛門坐薬製剤の製剤調製
アナグレリドは、ジアゼパムの送達用に使用されているものと同様の方法によって坐薬として製剤調合されてもよい。これは、プロピレングリコール5mL、シリカゲル2.5g及びMedusca社のpolypeg坐薬基剤を含むベース中に溶解された/懸濁された100〜1000μgのアナグレリドを含有する1.3mLの坐薬を製剤調製することを含む。更なる詳細は以下で見つけることができる:−
http://www.medisca.net/pdf/sample/F%20001%20603v2%20Diazepam%205%20mg%20Rectal%20Suppositories%201.3%20mL.pdf.
実施例13:アナグレリド直腸ゲル製剤の製剤調製
アナグレリドの直腸ゲルは、ジアゼパム直腸ゲルの製剤調製(Dabbagh MA et al 2007)用に使用されているものと類似する手法で作製することができる。本質的には、これは、適切な共溶媒及び防腐剤を含有する薬物物質を含む直腸ヒドロゲル製品である。ベース(HPMC)のゲルの調製は、必要体積の3分の2の体積の水を80℃にまで加熱し、それから、最終製剤の濃度(concn)が約6%となるようにある量のHPMCを添加することによって行うことができる。残った分量の冷水は、その後添加される。続いて、必要量のアナグレリド薬物物質は、クエン酸緩衝液pH3.5(最終混合物の5体積/体積%を構成する)、及び、共溶媒としてのプロピレングリコール(最終混合物の50体積/体積%を構成する)+エタノール(最終混合物の2体積/体積%を構成する)と混合される。これに、防腐剤であるベンジルアルコール(最終混合物の2体積/体積%)及び最終的に、最終混合物の23%を構成するのに必要な量のゲルベースが添加される。製剤調製された製剤は、送達の準備が整った3mLシリンジ内に等分されてもよい。送達される量は、注入一回当たりアナグレリド100〜1000μgの範囲となるであろう。
実施例14:アナグレリドの筋肉内デポー持続放出性高分子ミクロスフェア製剤の製剤調製
アナグレリドのデポー製剤には、非常に似た低水溶性を有するもう一つのBCSクラスII化合物であるリスペリドン(RISPERDAL(登録商標)、CONSTA(登録商標))のものと類似した製剤調製物が用いられてもよい。このような長時間作用性の注射製剤は、持続放出性高分子ミクロスフェア及び関連する希釈剤を含む。RISPERDAL(登録商標)の場合では、当該薬は、7525ポリラクチド−co−グリコリド(PLG)中にマイクロカプセル封入される。非経口用途に対する希釈剤は、透き通った無色の溶液であり、ポリソルベート20、カルボキシメチルセルロースナトリウム、リン酸水素二ナトリウム二水和物、無水クエン酸、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、及び注射用水を含む。ミクロスフェアは、注射に先立って希釈剤中で懸濁される。アナグレリドの製剤は、持続的な筋肉内放出を達成するのに匹敵する手法で作製されてもよい。このような薬のデポー製剤の用量は、1〜10mgの範囲であり得る。
実施例15:別の、アナグレリドの筋肉内持続放出性デポー製剤の製剤調製
また別に、筋肉内注射用アナグレリドの製剤は、これもまたもう一つのBCSクラスII薬剤であるパリペリドン(INVEGA(登録商標)、SUSTENNA(登録商標))の持続的放出性デポー製剤と類似した手法で製剤調製されてもよい。これは、ポリソルベート20、ポリエチレングリコール4000、クエン酸一水和物、無水リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、水酸化ナトリウム、及び注射用水を含むビークル中での殺菌水性持続放出性懸濁液として提供される。ここでもまた、アナグレリドの製剤は、持続的な筋肉内放出を達成するのに匹敵する手法で作製されてもよい。このようなアナグレリドの薬のデポー製剤の用量は、1〜10mgの範囲であり得る。
実施例16:アナグレリドの皮膚インプラントの製剤調製
アナグレリドは、これもまたもう一つのBCSクラスII薬剤であるイベルメクチン用のものと類似した手法でインプラントとして製剤調製されてもよい。この後者の薬の製剤調製は、Maedaら(2003)によって説明されている。このようなインプラントは、シリコーンマトリックス内のデオキシコール酸ナトリウム及びスクロースのような有効成分及び添加物を含有する内部コアを有する円筒状シリコーン構造を含む。水は、シリコーンの外側カバーを貫通することができないので、断面端部を通じて侵入し、有効成分の溶解を引き起こす。溶解した有効成分は、その後、自由に拡散し、当該有効成分の溶解の結果として形成された内部コア内に構成されたチャネルを介して放出される。このような薬物放出は、疑似ゼロオーダープロファイルを提供する。このようなインプラント薬物送達システムの利点は、それらが容易に外科的に挿入され、必要に応じて及び必要な時に容易に取り除かれることである。このようなアナグレリドの薬のデポー製剤の用量は、1〜10mgの範囲であり得る。