JP6788645B2 - 地盤改良用固化材の製造方法 - Google Patents
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Description
また、セメント系固化材を用いて得られた地盤改良体は、強度に優れていることに加え、六価クロムなどの環境汚染物質の溶出が少ないことが要求される。
一方、セメント系固化材を製造するにあたり、添加成分を液状、例えば水溶液として用いることがしばしば行われるが、水溶液の状態で直ちに使用されないことも多いため、製造過程で用いる水溶液の安定性に優れることも望まれる。
要件1:前記水溶液のpHが4.0以上8.0以下である。
要件2:前記水溶液における化合物(b)と化合物(c)の質量比が、化合物(c)/化合物(b)=0/100以上70/30以下である。
要件3:前記固化材中、セメント100質量部に対して、化合物(a)が0.01質量部以上1.0質量部以下である。
要件4:前記固化材中、セメント100質量部に対して、化合物(b)と化合物(c)の合計が1.0質量部以上7.0質量部以下である。
要件5:前記固化材中、セメント100質量部に対して、水が0.3質量部以上2.0質量部以下である。
前記水溶液の20℃におけるpHが4.0以上8.0以下であり、
前記水溶液が、化合物(a)と化合物(b)と化合物(c)とを合計で72質量%以上85質量%以下含有し、
前記水溶液における化合物(b)と化合物(c)の質量比が、化合物(c)/化合物(b)=0/100以上70/30以下である、
地盤改良用添加剤に関する。
本発明では、セメントに対して所定量の化合物(a)、化合物(b)及び化合物(c)を含有する水溶液を添加、混合する。化合物(a)を用いることで、地盤改良体からの六価クロムなどの環境汚染物質の溶出を顕著に抑制することができる。また、セメントに所定量の化合物(b)を含有する水溶液を添加、混合することにより、セメントの表面に化合物(b)が均等に濡れ広がることで、湿潤したセメント同士が粗大粒子群を形成し、散布時の前記粉体の飛散を防止すると推定される。
メタノールのエチレンオキサイド付加物は、エチレンオキサイドの平均付加モル数が、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは8以上、そして、好ましくは40以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは15以下、より更に好ましくは11以下である。
ポリエチレングリコールは、重量平均分子量が好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは350以上であり、そして、好ましくは2000以下、より好ましくは1200以下、更に好ましくは800以下、より更に好ましくは600以下である。この分子量は、例えばNMRで測定し、求めることができる。
グリセリンとしては、市販品の精製グリセリン、例えば、ヤシ由来の油脂のエステル交換で得られたグリセリンを用いることができる。水溶液の凝固点を降下させる観点から、精製グリセリンが好ましい。
化合物(c)は、グリセリンが好ましい。
要件1:前記水溶液のpHが4.0以上8.0以下である。
本発明で用いる水溶液のpHは、地盤改良用固化材を貯蔵した後の、六価クロムなどの環境汚染物質の溶出抑制効果の観点から、4.0以上、好ましくは5.0以上、より好ましくは5.5以上、そして、8.0以下、好ましくは7.5以下、より好ましくは7.0以下である。このpHは、水溶液を混合する際の温度におけるpHであるが、20℃におけるpHであってもよい。
要件2:前記水溶液における化合物(b)と化合物(c)の質量比が、化合物(c)/化合物(b)=0/100以上70/30以下である。
本発明に用いられる水溶液では、水和反応抑制の観点から、化合物(c)/化合物(b)の質量比が0/100以上であり、凝固や粘度増加の観点から、70/30以下である。すなわち、要件2について、水和反応抑制及び凝固や粘度増加の観点から、化合物(b)と化合物(c)の質量比が、化合物(c)/化合物(b)で、0/100以上、好ましくは20/80以上、より好ましくは30/70以上、そして、70/30以下、好ましくは65/35以下、より好ましくは60/40以下である。
本発明では、要件2を満たすように化合物(b)と化合物(c)とを用いる。
要件3:前記固化材中、セメント100質量部に対して、化合物(a)が0.01質量部以上1.0質量部以下である。
本発明では、六価クロム溶出抑制効果の観点から、固化材中、セメント100質量部に対して、化合物(a)が0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、そして、粉塵防止剤としての溶液安定性(塩析)の観点から、1.0質量部以下、好ましくは0.8質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下である。
本発明では、要件3を満たすように化合物(a)を用いる。
要件4:前記固化材中、セメント100質量部に対して、化合物(b)と化合物(c)の合計が1.0質量部以上7.0質量部以下である。
本発明では、セメント粒子の液架橋の観点から、固化材中、セメント100質量部に対して、化合物(b)と化合物(c)の合計が1.0質量部以上、好ましくは2.0質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上、そして、強度発現性の観点から、7.0質量部以下、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下である。
本発明では、要件4を満たすように化合物(b)と化合物(c)とを用いる。
要件5:前記固化材中、セメント100質量部に対して、水が0.3質量部以上2.0質量部以下である。
本発明では、セメント粒子の液架橋(保水分として)の観点から、固化材中、セメント100質量部に対して、水が0.3質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.6質量部以上、そして、保存時の水和物生成による強度低下の観点から、2.0質量部以下、好ましくは1.6質量部以下、より好ましくは1.2質量部以下である。
本発明では、要件5を満たすように水溶液を用いる。
要件6:前記水溶液における化合物(a)と、化合物(b)及び化合物(c)の合計との質量比が、化合物(a)/[化合物(b)+化合物(c)]=2/98以上20/80以下である。
本発明では、六価クロム溶出抑制効果の観点から、本発明に用いる水溶液における化合物(a)と、化合物(b)及び化合物(c)の合計との質量比が、化合物(a)/[化合物(b)+化合物(c)]で、好ましくは2/98以上、より好ましくは3/97以上、更に好ましくは4/96以上、そして、溶液安定性(塩析)の観点から、好ましくは20/80以下、より好ましくは15/85以下、更に好ましくは10/90以下である。
本発明では、要件6を満たすように化合物(a)、化合物(b)、化合物(c)を用いることが好ましい。
また、本発明に係る固化材中、化合物(a)、化合物(b)及び化合物(c)の合計含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、そして、好ましくは7.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下である。
本発明は、化合物(a)と、化合物(b)と、化合物(c)とを含有する水溶液からなる地盤改良用添加剤であって、
前記水溶液の20℃におけるpHが4.0以上8.0以下であり、
前記水溶液が、化合物(a)と化合物(b)と化合物(c)とを合計で72質量%以上85質量%以下含有し、
前記水溶液における化合物(b)と化合物(c)の質量比が、化合物(c)/化合物(b)=0/100以上70/30以下である、
地盤改良用添加剤を提供する。
本発明の地盤改良用添加剤は、本発明の地盤改良用固化材の製造方法で用いる水溶液として用いることができる。すなわち、本発明の地盤改良用固化材の製造方法では、セメントと混合する水溶液として、本発明の地盤改良用添加剤を用いることができる。
本発明の地盤改良用添加剤における水溶液のpHは、本発明の製造方法における要件1を参照できる。
本発明の地盤改良用添加剤における化合物(b)と化合物(c)の質量比(c)/(b)は、本発明の製造方法における要件2を参照できる。
本発明の地盤改良用添加剤における、水溶液中の化合物(a)と化合物(b)と化合物(c)の合計含有量は、本発明の製造方法で用いる水溶液を参照できる。
本発明は、本発明の製造方法で製造された地盤改良用固化材(以下、本発明の地盤改良用固化材という場合もある)を土壌と混合する地盤の改良工法であって、前記固化材を、粉体で、土壌1m3あたり50kg以上400kg以下混合する、地盤の改良工法に関する。
また、本発明の地盤改良工法は、海水を含んだ土壌や海成粘性土の地盤改良にも使用できる。
<粉塵防止剤>
表1に示す組成の粉塵防止剤を調製した。表1の粉塵防止剤は、地盤改良用固化材用の粉塵防止剤である。
表1の粉塵防止剤と、ポルトランドセメントとを、表2の割合で混合して、地盤改良用固化材を製造した。得られた固化材は粉末であった。
得られた地盤改良用固化材を用いて以下の評価を行った。結果を表2に示す。
表2に示す温度で地盤改良用固化材を保存した後、水和物の生成を目視で判定した。水和物の生成が無いものを「○」、水和物の生成があったものを「×」で示した。
また、表2に示す温度で地盤改良用固化材を保存した後、土壌と混合した場合の粉塵の発生を目視で判定した。粉塵の発生が全く無いものを「◎」、粉塵の発生がごくわずかであったものを「○」、粉塵の発生が顕著であったものを「×」で示した。
表3に示す模擬粘土と追加水をハンドミキサーで予め混合した後、表2の固化材を粉末で添加し、さらにハンドミキサーで均一混合したソイルセメントを、型枠(直径50mm×高さ100mm)に充填した。充填は、テーブルバイブレータで15秒の2層詰めとした。供試体は2本作製した。なお、ソイルセメントは、模擬粘土1m3あたりの固化材添加量が200kgとなるように調製した。前記で得た供試体の硬化体(地盤改良体)の20℃気中7日強度を、一軸圧縮試験機により測定した。なお固化材は、20℃で8日保存後の固化材を使用した。2本の供試体の強度の平均値を表に示した。
前記(2)で調製したソイルセメントを充填した型枠を、20±2℃で静置し、7日後に脱型し、硬化体を得た。硬化体を粉砕し、2mmふるいにかけ、ふるい通過物を24時間風乾させた。50ml遠沈管に風乾物4.0gを採取し、pH6.0に調整した蒸留水40.0gを添加し、アズワン(株)製チューブローテーター(50rpm)で6時間振とうした。振とう後、3000rpmで3分間遠心分離した。上澄み液中の六価クロム濃度をハンナインスツルメンツ・ジャパン株式会社製デジタル吸光光度計「HI723」にて分析した。
実施例1−2及び比較例1−2の粉塵防止剤を20℃で14日保存した後、実施例1と同様に、地盤改良用固化材を調製し、地盤改良用固化材の貯蔵安定性、地盤改良体の強度、及び六価クロム溶出量の評価を行った。結果を表4に示す。
Claims (8)
- ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩、及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]と、メタノールのエチレンオキサイド付加物、及びポリエチレングリコールから選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(b)という]と、グリセリン、及びジエチレングリコールから選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(c)という]とを合計で72質量%以上85質量%以下の濃度で含有する水溶液と、セメントとを混合する工程を有するセメント系固化材の製造方法であって、下記要件1〜5を全て満足する地盤改良用固化材の製造方法。
要件1:前記水溶液のpHが4.0以上8.0以下である。
要件2:前記水溶液における化合物(b)と化合物(c)の質量比が、化合物(c)/化合物(b)=0/100以上70/30以下である。
要件3:前記固化材中、セメント100質量部に対して、化合物(a)が0.01質量部以上1.0質量部以下である。
要件4:前記固化材中、セメント100質量部に対して、化合物(b)と化合物(c)の合計が1.0質量部以上7.0質量部以下である。
要件5:前記固化材中、セメント100質量部に対して、水が0.3質量部以上2.0質量部以下である。 - 更に、下記要件6を満足する、請求項1記載の地盤改良用固化材の製造方法。
要件6:前記水溶液における化合物(a)と、化合物(b)及び化合物(c)の合計との質量比が、化合物(a)/[化合物(b)+化合物(c)]=2/98以上20/80以下である。 - ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩、及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]と、メタノールのエチレンオキサイド付加物、及びポリエチレングリコールから選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(b)という]と、グリセリン、及びジエチレングリコールから選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(c)という]とを含有する水溶液からなる、地盤改良用添加剤であって、
前記水溶液の20℃におけるpHが4.0以上8.0以下であり、
前記水溶液が、化合物(a)と化合物(b)と化合物(c)とを合計で72質量%以上85質量%以下含有し、
前記水溶液における化合物(b)と化合物(c)の質量比が、化合物(c)/化合物(b)=0/100以上70/30以下である、
地盤改良用添加剤。 - 前記水溶液における化合物(a)と、化合物(b)及び化合物(c)の合計との質量比が、化合物(a)/[化合物(b)+化合物(c)]=2/98以上20/80以下である、請求項3記載の地盤改良用添加剤。
- 地盤改良用固化材用の粉塵防止剤である、請求項3又は4記載の地盤改良用添加剤。
- 地盤改良がセメントを用いる地盤改良である、請求項3〜5の何れか1項記載の地盤改良用添加剤。
- 請求項1又は2記載の製造方法で製造された地盤改良用固化材を土壌と混合する地盤の改良工法であって、前記固化材を、粉体で、土壌1m3あたり50kg以上400kg以下混合する、地盤の改良工法。
- 土壌が粘性土を含む土壌である、請求項7記載の地盤の改良工法。
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