JP6781627B2 - 超音波流量計、超音波緩衝装置、超音波流量計測方法、超音波緩衝方法、および超音波緩衝体取付方法 - Google Patents
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この際、超音波送信器で得られる受信結果には、配管内を流れる流体を伝搬した流体伝搬波からなる信号成分のほか、配管の外周面、内周面、あるいは壁部内を伝搬した配管伝搬波からなるノイズ成分が含まれる。このため、このノイズ成分により、流量の計測精度が低下することになる。
この超音波吸収体は、例えば、未架橋のブルチゴムなど、ゴムや高分子材料を主材料とする、弾性を有するマット状の弾性体からなる。
一方、ステンレス配管やSGP配管の音響インピーダンス(特性インピーダンス)は、約45e+06[Pa・s/m]であり、超音波吸収体の音響インピーダンス差は、約43e+06[Pa・s/m]となる。
したがって、流体を伝搬する流体伝搬波に相当する信号成分に対するノイズ成分の割合を示すS/N比を向上させることができ、結果として、材料が異なる配管であっても、良好な計測精度を得ることが可能となる。
[超音波流量計]
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施の形態にかかる超音波流量計1について説明する。図1は、超音波流量計の外観図である。図2は、配管径方向に関する超音波流量計の断面図である。図3は、配管の長手方向に関する超音波流量計の断面図である。
流体Xが蒸気などのように高い温度である場合には、耐熱性のシリコーン樹脂を用いればよく、それ以外にも例えばポリイミド樹脂からなるスポンジを用いれば、より高い温度の流体Xにも対応できる。
締付バンド22Bは、例えばステンレスなどの金属板からなり、押さえ板22Aの外側面を周回するように設けられて、押さえ板22Aを締め付けることにより、押さえ板22Aを介して超音波緩衝体21さらには超音波吸収体14の全体を、配管30の外側面に対して均等に押圧する機能を有している。
次に、図1〜図3を参照して、超音波流量計1に対する超音波緩衝体21の取付方法について説明する。
ここでは、前述した特許文献1のように、すでに超音波吸収体14が配管30に設けられている超音波流量計1に対して、超音波緩衝装置20を後から取り付ける場合を例として説明する。
また、本実施の形態では、締付バンド22Bを用いる場合を例として説明したが、音響整合調整部23により押さえ板22Aを直接締め付けるようにしてもよい。
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる超音波流量計1の動作として、配管30を伝搬する配管伝搬波の吸収作用について説明する。図4は、音響整合の原理を示す説明図である。
このような音響インピーダンス差が大きい媒質間を伝搬させる場合、2つの媒質間に音響整合層という第3の媒質を挿入することにより、音響インピーダンスを整合させる方法がある。
L=λ3/4 …(1)
Z3=√Z1Z2 …(2)
なお、λ3は媒質M3の固有波長であり、媒質M3内での音速をC3とし媒質M3の密度をρ3とした場合、λ3=C3/ρ3で求められる。
一方、配管30がステンレス配管(SUS)からなる場合、その配管音響インピーダンスZ1は約45〜46e+06[Pa・s/m]となり、SGP配管(SGP)からなる場合、その配管音響インピーダンスZ1は約46e+06[Pa・s/m]となる。したがって、これら配管30と良好な音響整合状況が得られる超音波緩衝体音響インピーダンスZ2は、音響整合特性Qから、約0.08e+06[Pa・s/m]であることが分かる。
一方、空気(Air)の超音波緩衝体音響インピーダンスZ2は約0.03e+06[Pa・s/m]であるから、シリコーンゴムスポンジを超音波緩衝体21とすることにより、良好な音響整合状況が得られることになる。
これにより、締付操作により締付部22の締付力を変更するという極めて簡単な作業で、配管30、超音波吸収体14、および超音波緩衝体21の音響整合状況を向上させることができ、配管30を伝搬する配管伝搬波、すなわちノイズ成分を効率よく吸収することが可能となる。
これら図6(a)と図6(b)とを比較すると、超音波緩衝体21を設けて音響インピーダンスを調整したことにより、配管伝搬波すなわちノイズ成分の振幅が大幅に減衰しており、超音波吸収体14に対して効果的に吸収されていることが分かる。
このように、本実施の形態は、超音波吸収体14の外側面に設けられたマット状の弾性多孔体からなり、配管30および超音波吸収体14の音響インピーダンスの差に起因する、配管30と超音波吸収体14との界面における配管伝搬波の反射を緩衝する超音波緩衝体21を設け、音響整合調整部23が、超音波緩衝体21の外側面に設けられた締付部22の締付力を締付操作に応じて変更して、押圧による超音波緩衝体21の変形度合を変化させることにより、配管30、超音波吸収体14、および超音波緩衝体21の音響整合状況を左右する、超音波緩衝体21の音響インピーダンスを調整するようにしたものである。
したがって、流体Xを伝搬する流体伝搬波に相当する信号成分に対するノイズ成分の割合を示すS/N比を向上させることができ、結果として、材料が異なる配管30であっても、良好な計測精度を得ることが可能となる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
Claims (7)
- 配管の外周面に設けたトランスデューサにより前記配管内を流れる流体を通過するよう送受信した超音波に基づいて、前記流体の流量を計測する超音波流量計であって、
前記配管の外周面に設けられたマット状の弾性体からなり、前記超音波のうち前記配管を伝搬する配管伝搬波を吸収する超音波吸収体と、
前記超音波吸収体の外側面に設けられたマット状の弾性多孔体からなり、前記配管と前記超音波吸収体との界面における前記配管伝搬波の反射を緩衝する超音波緩衝体と、
前記超音波緩衝体の外側面に設けられて、前記超音波緩衝体を前記配管の方向に押圧して締め付ける締付部と、
操作に応じて前記締付部の締付力を変更して、前記押圧による前記超音波緩衝体の変形度合を変化させて前記超音波緩衝体の音響インピーダンスを変化させることにより、前記界面で反射される前記配管伝搬波の強度を左右する、前記配管、前記超音波吸収体、および前記超音波緩衝体の音響インピーダンスに関する音響整合状況を調整する音響整合調整部と
を備えることを特徴とする超音波流量計。 - 請求項1に記載の超音波流量計において、
前記超音波緩衝体は、連続気泡型の耐熱ゴムスポンジからなることを特徴とする超音波流量計。 - 配管の外周面に設けたトランスデューサにより前記配管内を流れる流体を通過するよう送受信した超音波に基づいて前記流体の流量を計測するとともに、前記配管の外周面に設けられたマット状の弾性体からなる超音波吸収体により、前記超音波のうち前記配管を伝搬する配管伝搬波を吸収する超音波流量計で用いられて、前記配管と前記超音波吸収体との界面における前記配管伝搬波の反射を緩衝する超音波緩衝装置であって、
前記超音波吸収体の外側面に設けられたマット状の弾性多孔体からなる超音波緩衝体と、
前記超音波緩衝体の外側面に設けられて、前記超音波緩衝体を前記配管の方向に押圧して締め付ける締付部と、
操作に応じて前記締付部の締付力を変更して、前記押圧による前記超音波緩衝体の変形度合を変化させて前記超音波緩衝体の音響インピーダンスを変化させることにより、前記界面で反射される前記配管伝搬波の強度を左右する、前記配管、前記超音波吸収体、および前記超音波緩衝体の音響インピーダンスに関する音響整合状況を調整する音響整合調整部と
を備えることを特徴とする超音波緩衝装置。 - 請求項3に記載の超音波緩衝装置において、
前記超音波緩衝体は、連続気泡型の耐熱ゴムスポンジからなることを特徴とする超音波緩衝装置。 - 配管の外周面に設けたトランスデューサにより前記配管内を流れる流体を通過するよう送受信した超音波に基づいて、前記流体の流量を計測する超音波流量計で用いられる超音波流量計測方法であって、
前記配管の外周面に設けられたマット状の弾性体からなる超音波吸収体が、前記超音波のうち前記配管を伝搬する配管伝搬波を吸収する超音波吸収ステップと、
前記超音波吸収体の外側面に設けられたマット状の弾性多孔体からなる超音波緩衝体が、前記配管と前記超音波吸収体との界面における前記配管伝搬波の反射を緩衝する緩衝ステップと、
前記超音波緩衝体の外側面に設けられた締付部が、前記超音波緩衝体を前記配管の方向に押圧して締め付ける締付ステップと、
音響整合調整部が、操作に応じて前記締付部の締付力を変更して、前記押圧による前記超音波緩衝体の変形度合を変化させて前記超音波緩衝体の音響インピーダンスを変化させることにより、前記界面で反射される前記配管伝搬波の強度を左右する、前記配管、前記超音波吸収体、および前記超音波緩衝体の音響インピーダンスに関する音響整合状況を調整する音響整合調整ステップと
を備えることを特徴とする超音波流量計測方法。 - 配管の外周面に設けたトランスデューサにより前記配管内を流れる流体を通過するよう送受信した超音波に基づいて前記流体の流量を計測するとともに、前記配管の外周面に設けられたマット状の弾性体からなる超音波吸収体により、前記超音波のうち前記配管を伝搬する配管伝搬波を吸収する超音波流量計で用いられて、前記配管と前記超音波吸収体との界面における前記配管伝搬波の反射を緩衝する超音波緩衝方法であって、
前記超音波吸収体の外側面に設けられたマット状の弾性多孔体からなる超音波緩衝体が、前記配管と前記超音波吸収体との界面における前記配管伝搬波の反射を緩衝する緩衝ステップと、
前記超音波緩衝体の外側面に設けられた締付部が、前記超音波緩衝体を前記配管の方向に押圧して締め付ける締付ステップと、
音響整合調整部が、操作に応じて前記締付部の締付力を変更して、前記押圧による前記超音波緩衝体の変形度合を変化させて前記超音波緩衝体の音響インピーダンスを変化させることにより、前記界面で反射される前記配管伝搬波の強度を左右する、前記配管、前記超音波吸収体、および前記超音波緩衝体の音響インピーダンスに関する音響整合状況を調整する音響整合調整ステップと
を備えることを特徴とする超音波緩衝方法。 - 配管の外周面に設けたトランスデューサにより前記配管内を流れる流体を通過するよう送受信した超音波に基づいて前記流体の流量を計測するとともに、前記配管の外周面に設けられたマット状の弾性体からなる超音波吸収体により、前記超音波のうち前記配管を伝搬する配管伝搬波を吸収する超音波流量計で用いられて、前記配管と前記超音波吸収体との界面における前記配管伝搬波の反射を緩衝する超音波緩衝体を取り付けるための超音波緩衝体取付方法であって、
マット状の弾性多孔体からなり、前記配管と前記超音波吸収体との界面における前記配管伝搬波の反射を緩衝する超音波緩衝体を、前記超音波吸収体の外側面に取り付けるステップと、
前記超音波緩衝体の外側面に設けられた締付部により、前記超音波緩衝体を前記配管の方向に押圧して締め付けるステップと、
操作に応じて前記締付部の締付力を変更する音響整合調整部により、前記押圧による前記超音波緩衝体の変形度合を変化させて前記超音波緩衝体の音響インピーダンスを変化させることにより、前記界面で反射される前記配管伝搬波の強度を左右する、前記配管、前記超音波吸収体、および前記超音波緩衝体の音響インピーダンスに関する音響整合状況を調整するステップと
を備えることを特徴とする超音波緩衝体取付方法。
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