JP6760753B2 - ピロロキノリンキノンの分析方法 - Google Patents
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Description
にPQQということがある)は、ピロール環とキノリン環が縮合したものがo−キノン構造をとる物質である。PQQは電子伝達体としての機能が知られており、必須アミノ酸リジンの代謝に関与するアミノアジピン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(aminoadipate semialdehyde dehydrogenase;AASDH)中に取り込まれることで、AASDHが酸化還元反応できるようになる。すなわち、AASDHの補酵素と考えられており、このことから、ニコチンアミド(ピリジンヌクレオチド)とフラビンに次ぐ3番目の酸化還元補酵素とされ、新規のビタミンとなる可能性を有する。
またPQQは、細胞の増殖促進作用、抗白内障作用、肝臓疾患予防・治療作用、創傷治癒促進作用、抗アレルギー作用、逆転写酵素阻害作用、グリオキシラーゼI阻害作用および制癌作用などの多くの重要な生理活性を有するとされ、PQQ利用の産業上の重要性が高まっている。
一方で、PQQは生体内の物質、特にアミノ酸などと反応して様々なアミノ酸付加類縁体を生じることが知られている。(以下、このアミノ酸付加類縁体をIPQ/Rと記載し、PQQとIPQ/Rとを合わせてPQQ類とすることがある)。例えば、IPQはPQQとグリシンとが反応して生成したIPQ−グリシンを意味し、IPQ/Rの一種である。このIPQ/RもPQQと同様に様々な生理活性を有するとされているが、その詳細は明らかになっていない。これらを明らかにするためにも、生体内や食物等の試料中において、どのようなIPQ/Rがどの程度存在するのか、IPQ/Rがどのような役割を果たしているのかなど詳細な実態を正確に把握する必要がある。そのためには、試料中に含まれるPQQとIPQ/Rのそれぞれを同時に定量できる測定方法が必要である。
更に、上記のいずれの方法であっても、血漿等の生体由来の試料中のPQQ及びそのアミノ酸付加体であるIPQ/Rを同時に測定するという要望が達成された方法は存在しない。
検出するだけでなく、同時に正確に測定でき、PQQ類の実態を把握するという要望を達成できる測定系を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、PQQ及びそのアミノ酸付加類縁体(IPQ/R)を生体試料から高い精製度で抽出して、アルカリ条件下で分離して、ESIで脱プロトンを促進することで達成可能なことを見出したことにより、PQQを液体クロマトグラフィー/タンデム型質量分析法(LC−MS/MS)により、PQQ及びそのアミノ酸付加類縁体(IPQ/R)を極めて高感度に検出し、定量できる方法を完成させた。
[1] 試料中のピロロキノリンキノン(PQQ)とそのアミノ酸付加類縁体(IPQ/R)を液体クロマトグラフィー/タンデム型質量分析計によって同時に測定する方法であって、前記試料を前処理してタンデム型質量分析装置に持ち込まれる前記PQQとIPQ/Rのロスを少なくして測定を行うことを特徴とする、方法。
[2] 前記前処理が固相カラムを用いた前処理である、[1]に記載の方法。
[3] 固相カラムが、逆相系の固相カラム、陽イオン交換カラムのいずれかから選択される、[2]に記載の方法。
[4] 前記前処理が、試料中に含まれる夾雑物を除去してPQQおよびIPQ/Rを精製する処理である、[1]乃至[3]の何れかに記載の方法。
[5] 前記前処理が、試料にリン酸を添加することによって、生体試料からのPQQおよ
びIPQ/Rの回収率を向上させる処理であることを特徴とする、[1]乃至[4]の何れかに記載の方法。
[6] 前記前処理が、有機溶媒を含む酸性溶媒で試料を洗浄する工程を含む、[1]乃至[
5]の何れかに記載の方法。
[7] 前記前処理が、アルカリ性溶媒と有機溶媒でPQQおよびIPQ/Rを溶出する工程を含む、[1]乃至[6]の何れかに記載の方法。
[8] 移動相にアルカリ性溶媒を使用して液体クロマトグラフィーを実施する、[1]乃至[7]の何れかに記載の方法。
[9] 13Cが導入された、PQQ及び/又はIPQ/Rを内部標準物質として使用してPQQおよびIPQ/Rの測定を行うことを特徴とする、[1]乃至[8]の何れかに記載の方法。
(1)と式(2)で示される化学構造を有する酸化型PQQ及び還元型PQQの総量を定量する態様も含む。
(IPQ/R)
キシル基(−COOH)の両方の官能基を持つ有機化合物に由来する残基であれば特に限定されるものではないが、特に生体を構成する物質である、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンなどの残基が好ましい。例えば、類縁体を多く形成することが知られているグリシン、スレオニン、アルギニン等の残基が挙げられるが、これに限定されるものではない。上記類縁体を、本発明の測定対象とすることが可能である。
(IPQ)
本発明において分析可能なPQQ類は、生物中に含まれる物質を対象とすることができ、微生物、植物、動物由来の試料を使用することができる。
微生物を対象とした場合にはその培養に用いた培地、微生物体、抽出試料等を使用することができる。
血、血漿、血清、母乳などが好ましい。
本発明は、液体クロマトグラフィー/タンデム型質量分析法を用いて、試料中に含まれるPQQ及びPQQアミノ酸付加類縁体(IPQ/R)を迅速かつ簡便に同時に測定できる方法を提供することである。本発明において測定とは、PQQ類を検出することに加え、定量することを含む。
上記生体試料を高速液体クロマトグラフィー/タンデム型質量分析計で測定する前に、適宜前処理に供することが望ましい。血漿や血清などの生体試料には、多くの夾雑物質が含まれるため、選択性の向上やイオンサプレッションの軽減のためにも、前処理を行うことが好ましい。
抽出、洗浄及び溶出用の溶媒の組成や固相カラムの種類は、分析対象のPQQ及びPQQアミノ酸付加類縁体(IPQ/R)の種類、生体試料の種類等の諸条件に応じて適宜選択することができる。例えば、疎水性官能基が結合したポリマーや、オクタデシルシリル(ODS)等を充填したカラムや、陽イオン交換体が充填された陽イオン交換カラムを使用することができる。また、測定に供する生体試料の量を増やす場合、リン酸の添加量や固相カラムの充填剤量を適宜選択することができる。添加するリン酸の量としては、当業者であれば適宜設定することができるが、実施例にて後述するように、血清や血漿などの測定したい生体由来試料50μLに対して水/リン酸が9:1の比率(v/v)で、3000μL添加することが好ましい。また、生体由来の試料を100μL、200μLに増やして測定を実施する場合は6000μL、12000μLの水/リン酸溶液を添加すること
が好ましい。本発明において試料に添加するリン酸は、酸性、中性、アルカリ性のいずれも使用可能であり、固相カラムの充填量に応じてpHを調整することができるが、酸性のリン酸溶液が特に好適に用いられる。また、リン酸イオンを含む溶液であればよく、リン酸塩のように塩を含む溶液、また複数のリン酸塩溶液を混合した溶液でであっても使用することができる。リン酸の添加量や固相カラムの充填剤量を増やすと、測定に供する生体試料量を増やした場合でも高回収率を維持できるので、好ましい。このような固相抽出による前処理は、試料中のPQQ及びアミノ酸付加類縁体(IPQ/R)の同時定量において好ましく用いることができる。
前処理における回収率が低いと定量感度が低下し、精度も落ちることとなる。また、夾雑物の除去が不十分な場合には、イオン化抑制の影響が生じやすくなる。そのため、回収率の向上と夾雑物の除去とを両立できる前処理法が好ましい。今回、リン酸を使用することによって、逆相系の固相カラムへの保持力が向上するだけでなく、試料中の夾雑物との結合による破過を防ぐことが可能となるため、高い回収率で前処理を実施することができた。
前記前処理を施されたPQQ、13C化PQQ類を含む試料の測定は、液体クロマトグラフィー(LC)と質量分析計(MS)を利用して実施することができる。液体クロマトグラフ装置と質量分析計は、互いに直列に接続されていてもよいし、それぞれ独立した装置であってもよい。本発明の方法に用いられる装置としては、例えば、液体クロマトグラフィー装置と質量分析計を直列につないで構成された、LC−MSシステムを用いることができる。LC−MSシステムを用いることにより、液体クロマトグラフィーにより分離された成分を、続けて質量分析することができる。液体クロマトグラフィーに質量分析装置を接続したLC−MSは、タンデム型のLC−MS/MS、LC−MS/MS/MSなどを使用することができる。
液体クロマトグラフィー装置は、生体試料に含まれる蛋白質を液体クロマトグラフィーにより分離できる装置であれば特に制限されないが、通常は、HPLC装置であるのが好ましい。HPLC装置は、分離カラム、および分離溶液を分離カラムに送り込むポンプを備える。HPLC装置は、それ以外の要素、例えば、オートサンプラー、ヒーター、分離された成分を検出する検出器等、を備えていてもよい。検出器としては、例えば、UV検出器や蛍光検出器が挙げられる。例えば、検出器は、カラムとイオン源(イオン化部)の間に接続することができる。
討を行うこともできる。
高速液体クロマトグラフィーに用いられる分離溶液(移動相)の条件としては、質量分析計に適用可能な溶媒であることを満たすものであれば特に制限されずに使用することが可能である。例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトル、などを使用することができる。また、アルカリ、塩を添加することも可能であるが、質量分析計に適用可能である必要がある。本発明においては、pH7〜14のアルカリ条件下であることが好ましく、pH8付近で実施することが特に好ましい。
液体クロマトグラフィーに用いられる分析カラムの条件としては、特に制限されず、分析対象のPQQ類の種類、生体試料の種類等の諸条件に応じて適宜選択することができる
。分離カラムとしては、逆相カラムを用いることができる。逆相カラムとしては、例えば、オクタデシルシリル化シリカゲル充填剤を充填したカラム(ODSカラム、C8カラム、C2カラム)、これらにイオン交換樹脂を配合したカラムが挙げられるが、特にODSカラムが好ましい。特に、HPLCによる分析を行う場合には、粒径が5.0μm以下のオクタデシルシリル化シリカゲル充填剤を充填したカラム(ODSカラム)を使用することが好ましく、1.7〜5.0μmのODSカラムが更に好ましい。
すなわち、分離工程においては、分離溶液中の炭酸水素アンモニウムおよび/またはアセトニトリルなどの分離溶液の濃度を変化させることができる。炭酸水素アンモニウムおよびアセトニトリルは、分離工程の全期間において分離溶液に含有されていてもよく、そうでなくてもよい。
てもよく、増減を繰り返してもよい。例えば、アセトニトリル濃度は、M2に到達した後、再度M1に変化するまでに増減を繰り返してもよい。例えば、M2に到達した後、1%まで減少してもよい。
また、液体クロマトグラフィーにおけるカラム温度は、当業者であれば、分析対象や使用する分析カラムの仕様に合わせて適宜選択することができる。例えば、40〜70℃であってよく、具体的には40℃であってよい。
液体クロマトグラフィー/タンデム型質量分析フラグメントイオン分析法は高速液体ク
ロマトグラフィー部と質量分析装置部からなる装置でさらには質量分析部がプリカーサーイオンを分解検出できる部分を有している。高速液体クロマトグラフィー部はカラムを備え、混合物から目的物質を分離する。
40、13C化PQQは343となる。プロダクトイオンとしては、炭酸(CO2)が1〜
3個脱離された[M−H−nCO2]-を選択することが好ましいが、他にイオン強度が高いプロダクトイオンがある場合はそれを選択してもよい。具体的には、PQQは285、241、197、IPQは296、252、208、13C化PQQは298、253、208となる。定量に用いるプロダクトイオンは、生体試料や質量分析計の種類等諸条件に応じて適宜選択することができる。
Q類縁体を推定することが可能となる。
質量分析の結果に基づき、測定対象のPQQ類を定量することができる。PQQ類の定量は、常法により行うことができる。具体的には、例えば、検出された測定対象のPQQ類のピーク面積値を濃度既知の内部標準物質のピーク面積値で除したピーク面積比に基づいて、測定対象のPQQ類を定量することができる。
定量性を確保するために内部標準を使用することができるが、例えば、13C化PQQや15N化PQQなどを使用することができる。同位体置換された物質は目的の物質と同じ化学的性質でありながら、質量分析では別の質量として検出できるため、抽出等の処理により回収率が変動しても補正することができるため、好ましい。抽出工程前に13C化PQQを測定検体に添加することで内部標準として使用することができる。13C化PQQは有機合成、培養法のいずれの方法で製造したものであってもよい。微生物を使用して培養法によって合成する場合、例えば、Ameyamaら(Analytical Biochemistry,151;263−267,1985)の方法を使用して合成することができる。13C化メタノールを使用して培養することですべての炭素原子に13Cが入ったPQQを製造できるため好ましい。
HPLC装置、質量分析計、それらに備わる各種要素は、上記例示した分析条件を参照して、分析対象のPQQ類の種類や夾雑物の種類等の諸条件に応じて適宜選択できる。
(1)13C化ピロロキノリンキノンの作製
13C化メタノールを炭素源としてバクテリアDSM1869を250mlの培養容器で1週
間培養した。なお、この菌株はDSM(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen (German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)から入手できるものである。培養
液から菌体とタンパク質を遠心分離で除去した後、食塩を加えピロロキノリンキノンを析出させた。質量分析の結果、すべての炭素原子に13Cが導入されていた。
ピロロキノリンキノンジナトリウム(三菱ガス化学製、BioPQQ)100gとグリシン200gを水0.5Lと混合した。pH4.8であった。30分後、泡が出て混合物は固まった。この混合物を70℃に加熱して、3日間反応させた。反応液に10 w/v
%NaClを1000g加え濾過した。濾過で得た固体に25w/v%NaOH120gと水30gを混合した。pH10.8で70℃に加温して一晩放置後、濾過し、2−プロパノールで洗浄し、さらに固形分をエタノール400mLで洗浄した。水500mLに固形分を加え、NaOH41.5gを混合し(pH10.3)、70℃に加温して一晩放置した。氷で冷やし、濾過、2−プロパノールで洗浄した。固体を70℃で減圧乾燥して65.8g得た。得られた固体はIPQトリナトリウムであることがLC、Naイオン分析
より分かった。
実施例1に記載の方法により合成した、ピロロキノリンキノンジナトリウム、IPQトリナトリウム、13C化ピロロキノリンキノンを使用し、標準試料溶液の調製は、以下の要領で実施した。また、調製した溶液は、全て冷蔵(4℃)、遮光条件下で保存した。
ピロロキノリンキノンジナトリウムを正確に3.74 mg量り、水/アンモニア水(
1000:1, v/v)に溶かして、正確に100 mLとし、PQQ標準試料原液(100μmol/L)を調製した。IPQトリナトリウムを正確に4.07 mg量り、水
/アンモニア水(1000:1, v/v)に溶かして、正確に100 mLとし、IPQ標準試料原液(100μmol/L)を調製した。
13C化ピロロキノリンキノンを約0.10 mg量り、水/アンモニア水(1000:
1, v/v)に溶かして、10 mLとし、内標準試料原液(分子量344として29.1μmol/L)とした。
PQQ標準試料原液(100μmol/L)、IPQ標準試料原液(100μmol/L)を正確に量り合せた後、水で順次希釈して、1、2、10、20、100、200、1000、1600、2000及び16000 nmol/Lの標準試料溶液を調製した
。
内標準試料原液(29.1μmol/L)を水で順次希釈して、内標準試料溶液(200 nmol/L)を調製した。
(1)検量線用標準試料溶液の調製
ブランク血漿50μLに標準試料溶液を25μL加えて、検量線用標準試料溶液を調製した。また、ブランク血漿50μLに水を25μL加えて、ブランクサンプル及びゼロサンプルを調製した(表1)。
ブランク血漿950μLに標準試料溶液を50μL加えて、QCサンプルを調製した(表2)。
検量線用標準試料溶液及びゼロサンプルそれぞれ75μLに内標準試料溶液25μL及び水/リン酸(9:1, v/v)3 mLを加えて混合した。ブランクサンプル75μLに水25μL及び水/リン酸(9:1, v/v)3 mLを加えて混合した。血漿試料及びQCサンプルそれぞれ50μLに水25μL、内標準試料溶液25μL及び水/リン酸(9:1, v/v)3 mLを加えて混合した。これらの混合液をメタノール3 mL及
び水/リン酸(9:1, v/v)3 mLで平衡化したOasis HLB Extraction Cartridge(60 mg/3 cc、Waters社製)にロードした
。水/メタノール/1 mol/L塩酸(6:4:1, v/v/v)3 mLで洗浄し、
水/アセトニトリル/アンモニア水(10:10:1, v/v/v)1 mLで溶出した。溶出液を窒素気流下、50℃で乾固した。残渣に25 mmol/L炭酸水素アンモニ
ウム200μLを加えて再溶解し、これをLC/MS/MSによる測定に使用した。
加量と固相カラムの充填剤量も合わせて増やすことで、高回収率を維持することができ、測定感度を上げることが可能である。
液体クロマトグラフィー条件は、装置としてProminence UFLCシステム
(島津製作所社製)、分析カラムとしてXTerra MS C18(Waters社製)、移動相として炭酸水素アンモニウム水溶液とアセトニリルを用いた系を構築した。表3に液体クロマトグラフィー条件を記す。
質量分析条件は、装置としてTriple Quad5500(SCIEX社製)、イ
オン化法としてエレクトロスプレーイオン化法(ESI)、スキャンタイプとしてネガティブMRMを用いた系で実施した。表4に質量分析条件を記す。
43となった。いずれのプロダクトイオン(Q3)も、CO2が1〜3個脱離したフラグ
メントイオンである[M−H−nCO2]-が感度良く検出され、PQQは285、241、197、IPQは296、252、208、13C化PQQは298、253、208となった(図1〜2)。本測定系においては、PQQは329/241、IPQは340/296、13C化PQQは343/253を選択したが、対象試料や装置等の違いによる感度やバックグラウンドノイズを基に適切なイオンを選択し、他の質量のイオンを使用することも可能である。代表的なクロマトグラムを図3に示した。
構築したPQQ及びPQQアミノ酸付加類縁体(IPQ/R)の同時測定法を用いて、ヒト血漿試料の測定を行った(表5)。
測定したヒト血漿試料としては、プラセボ及びPQQを12週間反復摂取後の被験者から採取された血漿(プラセボ群:10検体、PQQ群:10検体)を使用した。
実施例1〜2で調製した標準試料溶液を使用して、前処理条件の検討を行った。ブランク血漿50μLに標準試料溶液25μL及び内標準試料溶液25μLを加えた後、水または水/リン酸(9:1, v/v)または水/ぎ酸(95:5, v/v)または1mol
/L塩酸をそれぞれ3000μL加えて混合した以外は、実施例3−(3)と同様にして前処理を行った。
上記前処理によって得られた試料を、実施例3−(4)及び(5)と同様にして測定を行った。同時に、回収率算出用標準溶液として、25 mmol/L炭酸水素アンモニウ
ム150μLに標準試料溶液25μL及び内標準試料溶液25μLを加えて混合した溶液も測定を行った。回収率算出用標準溶液のPQQ類のピーク面積に対する水またはリン酸またはぎ酸または塩酸を加えた試料のPQQ類のピーク面積の割合(回収率)を算出した。
酸を使用しない方法として、水を添加した場合、PQQ類が検出されず、固相カラムへ吸着が全く見られないことが分かった。また、酸としてぎ酸または塩酸を添加した場合、いずれもPQQ類の回収率は30%未満と低い上に再現性も不良であった。酸としてリン酸を添加した場合、PQQ類の回収率は80%以上と高く再現性も良好であった。
(1)リン酸緩衝液中のPQQの定量
実施例2では、本発明のLC/MS/MS法により溶液中のPQQ濃度の定量を行ったが、本比較例では、従来技術であるHPLCを用いたPQQの定量を行った。
DS−TMSカラム(150×4.6mm I.D.)を用い、測定温度を40℃とした
。カラムに、実施例2で調製したリン酸緩衝液中のPQQジナトリウム塩を流し込んだ後に、PQQジナトリウム塩の溶出液として100mM CH3COOH/100mM CH3COONaを用い、溶出速度は1.5mL/分として、PQQジナトリウム塩を溶出させて定量を試みた。
リン酸緩衝液中のPQQジナトリウム塩の代わりに、血清を含む培地中のPQQジナトリウム塩をカラムに流し込む以外は、上記(1)と同様の方法により、PQQジナトリウム塩の定量を試みた。リン酸緩衝液中のPQQジナトリウム塩は10mM以上の濃度で検出が可能であったのに対して、血清を含む培地中のPQQジナトリウム塩は、10mMの濃度では検出不能であった。このように、HPLCによる測定では、操作が煩雑で時間がかかる上に、測定が血清等の培地成分により困難となることが分かった。
Claims (8)
- 試料中のピロロキノリンキノン(PQQ)とそのアミノ酸付加類縁体(IPQ/R)を液体クロマトグラフィー/タンデム型質量分析計によって同時に測定する方法であって、
前記試料にリン酸を添加することによって、生体試料からのPQQおよびIPQ/Rの回収率を向上させる前処理をしてタンデム型質量分析装置に持ち込まれる前記PQQとIPQ/Rのロスを少なくして測定を行うことを特徴とする、方法。 - 前記前処理が固相カラムを用いた前処理である、請求項1に記載の方法。
- 固相カラムが、逆相系の固相カラムおよび陽イオン交換カラムのいずれかから選択される、請求項2に記載の方法。
- 前記前処理が、試料中に含まれる夾雑物を除去してPQQおよびIPQ/Rを精製する処理である、請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法。
- 前記前処理が、有機溶媒を含む酸性溶媒で試料を洗浄する工程を含む、請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法。
- 前記前処理が、アルカリ性溶媒と有機溶媒でPQQおよびIPQ/Rを溶出する工程を含む、請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法。
- 移動相にアルカリ性溶媒を使用して液体クロマトグラフィーを実施する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法。
- 13Cが導入された、PQQ及び/又はIPQ/Rを内部標準物質として使用してPQQおよびIPQ/Rの測定を行うことを特徴とする、請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法。
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