JP6747291B2 - ニッケルマンガン複合水酸化物粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明のニッケルマンガン複合水酸化物粒子の製造方法は、中和剤として水酸化ナトリウムを用いた晶析反応により、一般式(A):NixMnyCozMt(OH)2+a(x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.55、0≦z≦0.4、0≦t≦0.1、0≦a≦0.5、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表されるニッケルマンガン複合水酸化物粒子を含むスラリーを得る晶析工程と、前記ニッケルマンガン複合水酸化物粒子中の金属元素の平均価数を2.4以下に制御した状態で、該ニッケルマンガン複合水酸化物粒子を洗浄する洗浄工程と、を備えることを特徴とする。
晶析工程は、晶析反応により、複合水酸化物粒子を得る工程である。より具体的には、主要金属元素であるニッケル(Ni)およびマンガン(Mn)、もしくは、ニッケル、マンガン、およびコバルト(Co)と、添加元素Mとを含む混合水溶液に、中和剤としての水酸化ナトリウム水溶液と、アンモニア水などの錯化剤とを供給することにより反応水溶液を形成し、複合水酸化物粒子を晶析させ、この複合水酸化物粒子を含むスラリーを得る工程である。
本発明において、晶析工程における条件は特に制限されることなく、目的とする複合水酸化物粒子の組成、粒子構造または粉体特性などに応じて適宜選択される。
晶析工程における晶析反応によって得られた複合水酸化物粒子は、洗浄工程に付される。しかしながら、一般的には、複合水酸化物粒子を安定化させるため、スラリー中で保持される。さらに、工業規模の生産においては、晶析工程からの洗浄工程への移行が円滑になされることはなく、通常は、その移行に数時間から24時間を超える時間が必要とされる。
晶析工程終了時点において、晶析反応により得られた複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は、概ね2.00〜2.15の範囲にある。しかしながら、上述の通り、工業規模の量産においては、複合水酸化物粒子は、スラリーの状態で、通常は大気雰囲気中において保持される。また、このスラリーは、複合水酸化物粒子の凝集を防止する観点から、その間は撹拌されながら保持される。大気雰囲気などの酸素が存在する雰囲気中では、複合水酸化物粒子は容易に酸化するため、スラリーの撹拌の程度や大気雰囲気との接触状態にも影響されるが、時間の経過とともに金属元素の平均価数が上昇する。この平均価数が2.4を超えると、複合水酸化物粒子を構成するマンガンの酸化の程度が大きくなり、これに伴って、結晶中に取り込まれるアルカリ金属も多くなる。このような結晶中に取り込まれたアルカリ金属は、晶析後の水洗によっても除去することが困難であり、複合水酸化物粒子中に残存するアルカリ金属の含有量を低減させることができない。
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間の雰囲気(以下、「保持雰囲気」という)は、非酸化性雰囲気とすることが好ましく、窒素雰囲気とすることがより好ましい。すなわち、保持雰囲気中の酸素分圧を10Pa以下、好ましくは、5Pa以下に制御することが好ましい。保持雰囲気をこのような範囲に制御することにより、晶析反応終了から洗浄工程を開始するまでの時間が長時間、たとえば、12時間以上となった場合であっても、主要金属元素Mの平均価数を2.4以下に維持し続けることができる。一方、保持雰囲気中の酸素分圧が10Paを超えると、晶析反応終了から洗浄工程を開始するまでの時間が長時間、たとえば、12時間以上となった場合に、複合水酸化物粒子中の金属元素の平均価数が、2.4を超えてしまう場合がある。
晶析工程で得られた複合水酸化物粒子は、これを含むスラリーのpH値が高いほど酸化が進行しやすくなる。このため、スラリーの液温25℃基準でのpH値を13.0以下とすることが好ましく、12.5以下とすることがより好ましく、12.0以下とすることがさらに好ましい。スラリーのpH値をこのような範囲に制御することにより、複合水酸化物粒子の酸化が抑制され、マンガンの酸化によるアルカリ金属の結晶中への取り込みを低減させることができる。ただし、スラリーのpH値は、液温25℃基準で10.5以上とすることが好ましく、11.0以上とすることがより好ましい。スラリーのpH値の下限値をこのような範囲に制御することにより、スラリー中の複合水酸化物粒子の損傷を抑制することができる。
上述したように、晶析工程で得られた複合水酸化物粒子は、pH値が高いため、酸素が存在する雰囲気中では、直ちに酸化が進行する。特に、酸素を高濃度で含有する雰囲気中や高温雰囲気中では、酸化速度が速く、複合水酸化物粒子の酸化の程度が急激に増加する。このため、洗浄工程を開始する時点において、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数を2.4以下、好ましくは2.2以下、より好ましくは2.15以下に制御することが重要である。これにより、洗浄工程に供される複合水酸化物粒子におけるマンガンの酸化が抑制され、マンガンの酸化に伴って結晶中に取り込まれるアルカリ金属の量が低減され、アルカリ金属は一次粒子の表面上に存在するにとどまる。このような複合水酸化物粒子の一次粒子の表面に付着して残存するアルカリ金属は、洗浄によって、十分かつ容易に除去することが可能である。
本発明の複合水酸化物粒子は、上述した本発明の製造方法により得られ、一般式(A):NixMnyCozMt(OH)2+a(x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.55、0≦z≦0.4、0≦t≦0.1、0≦a≦0.5、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表され、複数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子からなり、かつ、アルカリ金属の含有量が500質量ppm以下であることを特徴とする。なお、本発明の複合水酸化物粒子は、洗浄工程終了時点では、金属元素の平均価数が2.4以下の範囲にあるが、その後は、経時的に酸化が進行するため、必ずしも平均価数がこの範囲にあるわけではない。
[主要金属元素]
本発明の複合水酸化物粒子は、主要金属元素として、少なくとも、ニッケル(Ni)とマンガン(Mn)とを含み、好ましくは、ニッケル、マンガン、およびコバルト(Co)を含む。本発明は、マンガンの組成を示す、一般式(A)中のyが0.1以上0.55以下となる、マンガンを含む複合水酸化物粒子に対して好適に適用することが可能である。
本発明の複合水酸化物粒子は、主要金属元素のほかに、添加元素Mを含有することができる。添加元素Mを含有することで、この複合水酸化物粒子を前駆体とする正極活物質を用いた二次電池の充放電容量や出力特性などを向上させることができる。このような添加元素Mとしては、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、およびタングステン(W)の群から選択される少なくとも1種を使用することができる。
本発明の複合水酸化物粒子に含まれる水酸基(OH)の含有量を示す、一般式(A)中のaの値は、晶析工程終了時の複合水酸化物中の金属元素の平均価数によって制御される。すなわち、aは、1×金属元素の平均価数−2と表され、晶析工程終了時の金属元素の平均価数が2.1の場合には、aは0.1である。
本発明のニッケルマンガン複合水酸化物粒子は、一般式(B):NixMnyCozMt(OH)2+a(x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.6、0.2≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、0≦t≦0.02、0≦a≦0.5、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表されるものであることが好ましい。
本発明の複合水酸化物粒子に含まれるアルカリ金属の含有量は、500質量ppm以下であり、好ましくは400質量ppm以下であり、さらに好ましくは270質量ppm以下である。
本発明の複合水酸化物粒子は、複数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子から構成される限り、その粒子構造が制限されることはない。しかしながら、この複合水酸化物粒子を前駆体とする正極活物質を用いた二次電池の出力特性をより向上させるためには、複合水酸化物粒子が、微細一次粒子によって構成される中心部と、中心部の外側に、この微細一次粒子よりも大きな板状一次粒子によって構成される外殻部とからなる粒子構造を備えることが好ましい。すなわち、このような粒子構造を備えた複合水酸化物粒子を前駆体とする正極活物質は中空構造を備えたものとなり、二次電池を構成した場合に電解液との接触面積を十分に確保することができるため、その出力特性を大幅に向上させることが可能となる。
複合水酸化物粒子の粉体特性は、上述した晶析工程における条件によって調整することができる。また、粉体特性は、この複合水酸化物粒子を前駆体とする正極活物質に継承されることとなる。すなわち、複合水酸化物粒子の粉体特性は、目的とする正極活物質に要求される粉体特性に応じて、晶析工程における条件を調整することにより制御することが可能である。たとえば、平均粒径が3μm〜20μmの正極活物質を得ようとする場合、その前駆体である複合水酸化物粒子では、平均粒径を3μm〜20μmに制御することが好ましく、3μm〜15μmに制御することがより好ましい。これにより、平均粒径が上述した範囲にある正極活物質を容易に得ることができる。なお、本発明において平均粒径とは、体積基準による平均粒径を意味し、たとえば、レーザ回折散乱法により求めることができる。
(1)非水系電解質二次電池用正極活物質
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質(以下、「正極活物質」という)は、本発明の製造方法によって得られた、本発明のニッケルマンガン複合水酸化物粒子を前駆体とするリチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子からなることを特徴とする。
熱処理工程は、複合水酸化物粒子を、酸化性雰囲気中、105℃〜750℃で加熱することで複合水酸化物粒子に含まれる水分を除去し、熱処理粒子とする工程である。ここで、熱処理粒子には、熱処理工程において余剰水分を除去された複合水酸化物粒子のみならず、熱処理工程によって転換された遷移金属複合酸化物粒子(以下、「複合酸化物粒子」という)、または、これらの混合物も含まれる。このような熱処理工程を行うことにより、粒子中に、焼成工程まで残留する水分を一定量まで減少させることができるため、得られる正極活物質中の金属の原子数やリチウムの原子数の割合にばらつきが生じることを防止することができる。
混合工程は、複合水酸化物粒子または熱処理粒子に、リチウム化合物を混合し、リチウム混合物を得る工程である。リチウム化合物は、特に制限されることはないが、入手のしやすさを考慮すると、水酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウムまたはこれらの混合物を使用することができる。これらの中でも、取り扱いの容易さや品質の安定性を考慮すると、水酸化リチウム、炭酸リチウムまたはこれらの混合物を使用することが好ましい。
リチウム化合物として、水酸化リチウムや炭酸リチウムを使用する場合には、混合工程後焼成工程前に、リチウム混合物を、焼成温度より低く、かつ、350℃〜800℃、好ましくは450℃〜780℃、すなわち、水酸化リチウムや炭酸リチウムと複合酸化物粒子との反応温度(仮焼温度)で仮焼してもよい。これにより、複合水酸化物粒子内へのリチウムの拡散が促進され、より均一なリチウム複合酸化物粒子を得ることができる。
焼成工程は、混合工程で得られたリチウム混合物を、所定温度で焼成し、リチウム遷移金属複合酸化物粒子(以下、「リチウム複合酸化物粒子」という)からなる正極活物質を合成する工程である。
焼成工程後の正極活物質における凝集または軽度の焼結を除去するために、これら凝集体または焼結体を解砕して、正極活物質の粉体特性を好適な範囲に調整することができる。なお、解砕とは、焼成時に二次粒子間の焼結ネッキングなどにより生じた複数の二次粒子からなる凝集体に、機械的エネルギを投入して、二次粒子自体をほとんど破壊することなく二次粒子を分離させて、凝集体をほぐす操作のことをいう。
本発明の正極活物質が正極材料として適用される、非水系電解質二次電池は、正極、負極、セパレータ、非水系電解液などの、一般の非水系電解質二次電池と同様の構成要素により構成される。
はじめに、反応槽(60L)に、その容積の1/3の量の水を供給した後、槽内温度を50℃まで加温した。この状態で、反応槽内に窒素を流通し、酸素分圧を5Paに調整した。同時に、イオン交換水に、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、および硫酸マンガンを、モル比でNi:Co:Mn=1:1:1となるように溶解し、2.0mоl/Lの混合水溶液を作製した。
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、複合水酸化物粒子を含むスラリーを、大気雰囲気(酸素分圧:21273Pa)中で2時間、マグネチックスターラ(アズワン株式会社製、多連式マグネチックスターラHSD−6)を用いて、大気雰囲気を巻き込ませないように、500rpmの回転速度で撹拌しながら保持したこと以外は、参考例1と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。上記保持後の酸化還元滴定の結果、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は2.11で、水洗後の複合水酸化物粒子中のナトリウム含有量は240質量ppmであり、カリウム含有量は20質量ppm未満であった
(実施例3)
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、複合水酸化物粒子を含むスラリーを4時間、撹拌しながら保持したこと以外は、実施例2と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。上記保持後の酸化還元滴定の結果、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は2.15で、水洗後の複合水酸化物粒子中のナトリウム含有量は260質量ppmであり、カリウム含有量は20質量ppm未満であった。
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、複合水酸化物粒子を含むスラリーを8時間、撹拌しながら保持したこと以外は、実施例2と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。上記保持後の酸化還元滴定の結果、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は2.22で、水洗後の複合水酸化物粒子中のナトリウム含有量は280質量ppmであり、カリウム含有量は20質量ppm未満であった。
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、複合水酸化物粒子を含むスラリーを16時間、撹拌しながら保持したこと以外は、実施例2と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。上記保持後の酸化還元滴定の結果、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は2.41で、水洗後の複合水酸化物粒子中のナトリウム含有量は510質量ppmであり、カリウム含有量は20質量ppm未満であった。
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、複合水酸化物粒子を含むスラリーを24時間、撹拌しながら保持したこと以外は、実施例2と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。上記保持後の酸化還元滴定の結果、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は2.44で、水洗後の複合水酸化物粒子中のナトリウム含有量は520質量ppmであり、カリウム含有量は20質量ppm未満であった。
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、複合水酸化物粒子を含むスラリーを32時間、撹拌しながら保持したこと以外は、実施例2と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。上記保持後の酸化還元滴定の結果、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は2.51で、水洗後の複合水酸化物粒子中のナトリウムの含有量は520質量ppmであり、カリウム含有量は20質量ppm未満であった。
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、複合水酸化物粒子を含むスラリーを96時間、撹拌しながら保持したこと以外は、実施例2と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。上記保持後の酸化還元滴定の結果、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は2.66で、水洗後の複合水酸化物粒子中のナトリウム含有量は980質量ppmであり、カリウム含有量は20質量ppm未満であった
(実施例5)
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、複合水酸化物粒子を含むスラリーを、窒素雰囲気(酸素分圧:5Pa)を維持した状態で、4時間、撹拌しながら保持したこと以外は、実施例2と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。上記保持後の酸化還元滴定の結果、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は2.08で、水洗後の複合水酸化物粒子中のナトリウム含有量は210質量ppmであり、カリウム含有量は20質量ppm未満であった。
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、複合水酸化物粒子を含むスラリーを24時間、撹拌しながら保持したこと以外は、実施例5と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。上記保持後の酸化還元滴定の結果、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は2.07で、水洗後の複合水酸化物粒子中のナトリウム含有量は220質量ppmであり、カリウム含有量は20質量ppm未満であった。
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、複合水酸化物粒子を含むスラリーを32時間、撹拌しながら保持したこと以外は、実施例5と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。上記保持後の酸化還元滴定の結果、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は2.08で、水洗後の複合水酸化物粒子中のナトリウム含有量は220質量ppmであり、カリウム含有量は20質量ppm未満であった。
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、複合水酸化物粒子を含むスラリーを96時間、撹拌しながら保持したこと以外は、実施例5と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。上記保持後の酸化還元滴定の結果、複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数は2.08で、水洗後の複合水酸化物粒子中のナトリウム含有量は240質量ppmであり、カリウム含有量は20質量ppm未満であった。
反応槽内の雰囲気を大気雰囲気(酸素分圧:21273Pa)として、反応水溶液のpH値を液温25℃基準で13.0に、アンモニア濃度を15g/Lに維持して、2分30秒間の晶析を行い、核生成を行った(核生成工程)のち、反応水溶液のpH値を液温25℃基準で11.6になるまで、25質量%水酸化ナトリウム水溶液の供給を停止し、その後、その供給を再開して、反応水溶液のpH値を液温25℃基準で11.6に、アンモニア濃度を15g/Lに維持して、30分間の晶析を行い、給液を一旦停止し、反応槽内の雰囲気を窒素雰囲気(酸素分圧;200Pa)となるまで窒素ガスを流通させ、その後、給液を開始し、成長開始から合計で2時間の晶析を行い(粒子成長工程)、粒子成長工程後にさらに窒素ガスを流通させて、雰囲気の酸素分圧を5Paとしたこと以外は、参考例1及び実施例2〜4、比較例1〜4、実施例5〜8と同様にして、複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。その測定結果を表2に示す。
晶析工程終了から洗浄工程を開始するまでの間、スラリーのpH値を25℃基準で13.5としたこと(比較例9)以外は実施例12と同様にして、酸素分圧を10Paとしたこと(実施例17)、酸素分圧を50Paおよび200Paとしたこと(比較例10、11)以外は、実施例16と同様にして、それぞれ複合水酸化物粒子を得るとともに、同様の測定を行った。その測定結果を表2に合わせて示す。
表1および表2より、洗浄工程の開始時点における複合水酸化物粒子を構成する金属元素の平均価数が大きくなるほど、最終的に得られる複合水酸化物粒子中のアルカリ金属の含有量、特にナトリウム含有量が大きくなることが理解される。特に、平均価数が2.4を超えると、ナトリウム単独でもその含有量が500ppmを超えてしまうことが理解される。
Claims (9)
- 中和剤として水酸化ナトリウムを用いた晶析反応により、一般式(A):NixMnyCozMt(OH)2+a(x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.55、0≦z≦0.4、0≦t≦0.1、0≦a≦0.4、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表されるニッケルマンガン複合水酸化物粒子を含むスラリーを得る晶析工程と、
前記ニッケルマンガン複合水酸化物粒子を洗浄する洗浄工程と、
を備え、
前記晶析工程終了から前記洗浄工程を開始するまでの間、前記スラリーに含まれるニッケルマンガン複合水酸化物粒子中の金属原子の平均価数を2.4以下に制御した状態で、該スラリーを撹拌しながら保持する、
ことを特徴とするニッケルマンガン複合水酸化物粒子の製造方法。 - 前記晶析工程終了から前記洗浄工程を開始するまでの間、前記スラリーを、酸素分圧を10Pa以下に制御した非酸化性雰囲気中に保持する、請求項1に記載のニッケルマンガン複合水酸化物粒子の製造方法。
- 前記晶析工程終了から前記洗浄工程を開始するまでの間、前記スラリーを、液温25℃基準でのpH値を10.5〜13.0の範囲に制御した状態で保持する、請求項1または2に記載のニッケルマンガン複合水酸化物粒子の製造方法。
- 前記晶析工程終了から前記洗浄工程を開始するまでの間、前記スラリーを、大気雰囲気中で、液温25℃基準でのpH値を10.5〜13.0の範囲に制御するとともに、該大気雰囲気を巻き込まないように撹拌しながら保持し、かつ、該保持時間を10時間以下とする、請求項1に記載のニッケルマンガン複合水酸化物粒子の製造方法。
- 前記晶析工程を、核生成用水溶液を、液温25℃基準でのpH値が12.0〜14.0となるように制御して、酸素濃度が1容量%を超える酸化性雰囲気中で核生成を行う核生成工程と、該核生成工程において形成された核を含有する粒子成長用水溶液を、液温25℃でのpH値が10.5〜12.0となるように制御するとともに、粒子成長工程の開始時から粒子成長工程の全体に対して0%〜40%の範囲で酸化性雰囲気から酸素濃度1容量%以下の酸素と不活性ガスの混合雰囲気に切り替えて、前記核を成長させる粒子成長工程とにより構成し、前記ニッケルマンガン複合水酸化物粒子を、微細一次粒子からなる中心部を有し、かつ、該中心部の外側に、前記微細一次粒子よりも大きな板状一次粒子からなる外殻部を有する二次粒子として得る、請求項1〜4のいずれかに記載のニッケルマンガン複合水酸化物粒子の製造方法。
- 一般式(A):NixMnyCozMt(OH)2+a(x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.55、0≦z≦0.4、0≦t≦0.1、0≦a≦0.5、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表され、微細一次粒子が凝集した中心部を有し、かつ、該中心部の外側に、前記微細一次粒子よりも大きな板状一次粒子が凝集した外殻部を有する二次粒子からなり、および、アルカリ金属の含有量が500質量ppm以下であることを特徴とする、ニッケルマンガン複合水酸化物粒子。
- 一般式(B):NixMnyCozMt(OH)2+a(x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.6、0.2≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、0≦t≦0.02、0≦a≦0.5、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表される、請求項6に記載のニッケルマンガン複合水酸化物粒子。
- 一般式(C):Li u Ni x Mn y Co z M t O 2 (0.95≦u≦1.50、x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.55、0≦z≦0.4、0≦t≦0.1、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表され、複数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子からなるリチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子により構成され、かつ、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子中のナトリウム含有量が500質量ppm以下である、非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 一般式(D):Li u Ni x Mn y Co z M t O 2 (0.95≦u≦1.50、x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.6、0.2≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、0≦t≦0.02、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表され、複数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子からなるリチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子により構成され、かつ、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子中のナトリウム含有量が500質量ppm以下である、非水系電解質二次電池用正極活物質。
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