JP6631295B2 - 紫外線用フィルタ層、紫外線用フィルタ層の形成方法、紫外線用フィルタ、グリッド偏光素子及び偏光光照射装置 - Google Patents
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Description
周知のように、オゾンは人体に有害である他、強い酸化作用を有する。オゾンが分解して生成される活性酸素(原子状酸素)も強い酸化作用を有する。洗浄や殺菌等の用途ではこのオゾンの酸化作用を積極的に利用する場合もあるが、オゾンの酸化作用によって対象物の酸化による劣化等の問題が生じることも多い。
一つは、より短波長の光を利用したい最近の傾向との関連である。この点を、図14を使用して説明する。図14は、公表されているオゾンレスランプの封体(オゾンレス封体)によるオゾン発生波長の光の遮断特性を示した図であり、オゾンレス封体と通常の封体との分光透過特性を比較して示した図である。
ある波長を境に光の透過・遮断を行うフィルタは、いわゆるシャープカットフィルタとして知られている。この種のフィルタは、誘電体多層膜より成るフィルタ層を有しており、多層膜中での光の反射、干渉を利用して選択波長の透過、遮断を行うものである。
層の厚さは100μm以下であり、
層全体に対する酸化ジルコニウムの体積混合比をx、層の厚さをy(単位はnm)としたとき、
24.319x-1.996≦y≦3040.1x-1.953
の関係となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、紫外線透過材料中に酸化タンタルが分散されている紫外線用フィルタ層であって、
層の厚さは100μm以下であり、
層全体に対する酸化タンタルの体積混合比をx、層の厚さをy(単位はnm)としたとき、
6.2213x-1.926≦y≦24.187x-2.068
の関係となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記紫外線透過材料は、酸化シリコン又はアルミナであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1乃至3いずれかの構成において、前記体積混合比は0.9以下であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1記載の紫外線用フィルタ層の形成方法であって、
前記紫外線透過材料で形成されたターゲットを備えた第一のカソードと、前記酸化ジルコニウムで形成されたターゲットを備えた第二のカソードを使用した多元スパッタリングにより薄膜を作成し、当該作成した薄膜を紫外線用フィルタ層とするという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項2記載の紫外線用フィルタ層の形成方法であって、
前記紫外線透過材料で形成されたターゲットを備えた第一のカソードと、前記酸化タンタルで形成されたターゲットを備えた第二のカソードを使用した多元スパッタリングにより薄膜を作成し、当該作成した薄膜を紫外線用フィルタ層とするという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、紫外線に対して透明な透明基板と、透明基板上に形成された請求項1乃至4いずれかに記載のフィルタ層とから成る紫外線用フィルタであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、前記請求項7の構成において、前記体積混合比は、前記透明基板から遠ざかるに従って徐々に又は段階的に高くなっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、紫外線に対して透明な透明基板と、透明基板上に形成された縞状のグリッドと、グリッドに対して光の入射側となる位
置に形成された請求項1乃至4いずれかに記載のフィルタ層とから成るグリッド偏光素子という構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項9の構成において、前記フィルタ層は、紫外線に対して透明な層を介在させた状態で前記グリッドの入射側に配置されており、
前記体積混合比は、当該透明な層から遠ざかるに従って徐々に又は段階的に高くなっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項11記載の発明は、紫外線光源と、紫外線である偏光光が照射される対象物が位置する照射位置と紫外線光源との間に配置された請求項9又は10記載のグリッド偏光素子とを備えている偏光光照射装置であるという構成を有する。
また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、体積混合比が0.9以下であるので、熱的安定性が悪かったり、内部での干渉による影響が透過・遮断特性に現れたりする問題が生じない。
また、請求項5又は6の発明によれば、上記効果に加え、多元スパッタリングにより紫外線用フィルタ層が形成されるので、用途や目的に応じて遮断・透過特性を微妙に調整し得るという効果が得られる。
また、請求項7記載の発明によれば、上記効果に加え、光源から対象物までの光照射の経路の任意の位置に配置してオゾン発生波長の遮断を行うことができる。このため、適宜冷却しながら使用することも可能であり、昇温による特性変化を防止することも容易である。
また、請求項8記載の発明によれば、上記効果に加え、透明基板から離れるに従って体積混合比が高くなるので、熱的に安定したり内部での干渉が抑制されたりする効果がより高くなる。
また、請求項9記載の発明によれば、上記効果を得つつ、対象物に偏光光を照射することができる。また、グリッド偏光素子を冷却することでフィルタ層の特性変化を防止することも容易に行える。
また、請求項10記載の発明によれば、上記効果に加え、透明な層から離れるに従って体積混合比が高くなるので、熱的に安定したり内部での干渉が抑制されたりする効果がより高くなる。
また、請求項11記載の発明によれば、上記効果を得ながら、対象物に偏光光を照射することができる。
図1は、本願発明の紫外線用フィルタ層及び本願発明の紫外線用フィルタの各実施形態を示した断面概略図である。
実施形態の紫外線用フィルタは、紫外線を透過する透明基板1と、透明基板1上に設けられた実施形態の紫外線用フィルタ層2とから成っている。そして、紫外線用フィルタ層(以下、単にフィルタ層という)2は、紫外線透過材料21中に吸収材料21としての酸化ジルコニウム又は酸化タンタルを分散させた層となっている。
紫外線透過材料21は、この実施形態では酸化シリコンである。吸収材料21としての酸化ジルコニウム又は酸化タンタルは、酸化シリコン中に均一に分散している。酸化シリコン及び酸化ジルコニウムはともにアモルファスの状態であるが、部分的に結合してネットワークを形成していたり、微結晶が形成されていたりする場合もある。
そして、層の厚さをy、体積混合比をxとすると、酸化ジルコニウムの場合には24.319x−1.996≦y≦3040.1x−1.953とされる。酸化タンタルの場合には6.2213x−1.926≦y≦24.187x−2.068とされる。
発明者は、紫外線光源を使用した場合のオゾン発生の問題を解決するのに、角度特性を持つ等の問題を有する多層膜干渉フィルタ以外の光学的手段を開発することを意図した。この際、水銀の輝線スペクトルである254nmの光を有効に利用できるようにするため、250nmより長波長の光については十分に透過させるものであることを前提とした。
これら吸収材料を分散させた吸収型のフィルタは、可視光用のものであるか波長選択性がない(全波長吸収の)ものであって、紫外線用のものは知られていない。本願の発明者は、吸収型の紫外線用フィルタ層であって且つオゾン対策に有効なフィルタ層を得ることはできないか、鋭意研究した。
しかしながら、発明者の研究によると、ある透明な基板上に酸化ジルコニウム100%層又は酸化タンタル100%の層を設けた構造では、うまくいかない。というのは、酸化ジルコニウムや酸化タンタルは、250nmやそれより少し長波長の光(254nmを含む)の光についてもある程度の吸収があり、100%の層では、これらの波長を透過率が低くなってしまうからである。したがって、これらの波長について透明な材料中に酸化ジルコニウムや酸化タンタルを分散させて濃度を薄くした構造であることが必要である。
発明者は、この研究において、有効媒質近似法(EMA)を使用して検討を行った。EMAは、複合材料を実効的な比誘電率をもった均質な媒体であると見なして解析する近似理論である。研究では、マクスウェル−ガーネット近似式が使用され、光学フィッティングにより最適な体積混合比及び層の厚さが求められた。尚、光学フィッティングは、複合材料について測定された屈折率から材料の組成(体積混合比)を求める手法であるが、発明者は、逆に、種々の体積混合比において得られる比誘電率から屈折率(複素屈折率)を求め、その虚部(消衰係数)に基づいて必要な層の厚さを見極めるという手法を採用した。以下、具体的に説明する。
また、酸化タンタルの場合、吸収が始まる波長が少し長波長側の280〜300nmとなっているものの、ほぼ同様の傾向を示している。
図6の各グラフにおいて、横軸は、酸化ジルコニウム又は酸化タンタルの全体に対する体積混合比である。縦軸は、50%の透過率となる際の層の厚さ(nm)を対数目盛で示している。透過率50%となる層の厚さは波長により異なるので、図6の(1)(2)には、200nm、210nm、220nm、230nm、235nm、240nm、245nm、250nm、254nmについて、50%透過厚み対体積混合比の関係が示されている。
酸化ジルコニウムについてより詳しい説明をすると、酸化ジルコニウムの場合、図6(1)に示すように、250nmにおいて、50%透過率となる層の厚さをyとし、体積混合比をxとすると、y=3040.1x−1.953となる。このグラフよりも上側の領域、y>3040.1x−1.953の範囲では、250nmの透過率は50%未満ということになる。つまり、この領域での層厚さと体積混合比のいかなる組み合わせも、250nmの透過率が50%未満となってしまうため、不適ということである。例えば0.3という低い体積混合比(薄い酸化ジルコニウムの濃度)の場合でも層が100μm程度の厚いものであると、250nmで50%の透過率は達成できない。また、体積混合比が例えば0.8になると、5μm程度まで薄くしないと、透過率50%が達成できない。したがって、まず、254nmの光を使用するために250nmで最低50%の透過率が確保されるようにするには、酸化ジルコニウムの場合、層の厚さyは、体積混合比xに対してy≦3040.1x−1.953との関係を有する必要がある。
図13に示すように、酸素分子は240nm付近から吸収が始まるものの、200nm付近で急激に吸収係数が増加する。従って、一つの考え方として、200nm以下の光については少なくとも50%を遮断するようフィルタ層の特性を定めることがあり得る。これを、図6(1)の結果に当てはめてみると、波長200nmにおける50%透過厚みyは、体積混合比xに対して、y=24.319x−1.996との関係を有する。したがって、このグラフよりも上側の領域(層厚みと体積混合比の組み合わせ)であれば、波長200nmにおける透過率は50未満となり、条件を満足する。即ち、層厚みyは、体積混合比xに対してy≧24.319x−1.996の関係を有していれば、200nmにおいて50%以上の光を遮断することができる。
これらの結果をまとめると、酸化シリコン中に酸化ジルコニウムを分散させたフィルタ層の場合、酸化ジルコニウムの体積混合比xに対する層の厚さyの関係を、24.319x−1.996≦y≦3040.1x−1.953としておけば、250nmにおいて50%以上の透過率を確保しつつ200nmにおいて50%以上の光を遮断するフィルタ層が得られることになる。
また、例えば250nm以上で50%以上透過させつつ240nm以下で50%以上の遮断とするには、15.671x−2.069≦y≦24.187x−2.068としておけば良い。
酸化タンタルの場合は、200〜250nmの範囲でいずれを遮断波長とした場合も、体積混合比0.1とした場合の50%透過厚みは100μm以下であり、体積混合比0.1以上としておけば問題はない。
したがって、酸化ジルコニウムないしは酸化タンタルの体積混合比は、あまり高くしない方が好ましく、0.9程度までとすべきである。
酸化ジルコニウムの場合で、200nm以下を50%以上遮断の場合は、図7(1)に太線で示す範囲とされる。また、240nm以下を50%以上遮断の場合は、7(2)に太線で示す範囲とされる。尚、図7(1)では体積混合比の下限の範囲は示されていないが、200nmの50%以上遮断のための層の厚さが100μmを越えてしまう際の体積混合比が下限となる。図示は省略されているが、220nm、230nm、235nmの場合も同様で、50%以上遮断のための層の厚さが100μmを越えてしまう際の体積混合比が下限となる。
上述した実施形態の紫外線用フィルタは、光源の特定の部位ではないので、光源と対象物との間の任意の位置に配置することができる。このため、後述するように冷却しながら使用することも可能であり、昇温による特性変化を防止することも容易である。
図9は、第二の実施形態のフィルタ層の概略図である。この実施形態のフィルタ層2も、透明基板1上に形成された層であり、紫外線透過材料21中に吸収材料22としての酸化ジルコニウム又は酸化タンタルが混合されて分散した層となっている。
この実施形態では、酸化ジルコニウム又は酸化タンタルの体積混合比が層の厚さ方向で一様ではなく、勾配を有する。この点が特徴点となっている。より具体的に説明すると、図9に概略的に説明するように、酸化ジルコニウム又は酸化タンタルの濃度(体積混合比)は、透明基板1側において低く、透明基板1から遠ざかるに従って徐々に又は段階的に高くなっている。
尚、第二の実施形態の場合、層の厚さと体積混合比の組み合わせの選定については、層の厚さ方向で平均した体積混合比において上記条件を満たすように選定が行われる。
実施形態のフィルタ層は、成膜法又は焼成法により形成することができる。
まず、成膜法について説明すると、実施形態のフィルタ層は多元スパッタ法により好適に形成することができる。図10は、実施形態のフィルタ層の製造方法の一例を示した図であり、多元スパッタ法によるフィルタ層の形成について示した概略図である。
吸収材料が例えば酸化ジルコニウムである実施形態のフィルタ層2を形成する場合、第一のカソード72におけるターゲット材料は酸化シリコンとされ、第二のカソード73にターゲット材料は酸化ジルコニウムとされる。各カソード72,73には高周波電力が印加され、スパッタ放電により誘導結合型又は容量結合型のプラズマが形成されて各ターゲットがスパッタされる。この結果、透明基板1上には、酸化シリコンと酸化ジルコニウムが混合した膜が作成され、この膜がフィルタ層2となる。透明基板1は回転ステージ74の上に載置され、成膜中に回転ステージ74が回転することで、酸化シリコンと酸化ジルコニウムが均一に混合し、フィルタ層2が形成される。透明基板1が静止し、各カソード72,73が回転する場合もある。また、回転以外の例えば直線移動によって均一に混合させる場合もあり得る。
また、第二の実施形態のフィルタ層2を形成する場合、第一のカソード(酸化シリコン製ターゲット)72に対する第二のカソード(酸化ジルコニウム製ターゲット)73への投入電力を最初は小さくし、その後、徐々に又は段階的に第二のカソード73への投入電力比を高くする。これにより、堆積する膜は、透明基板1から遠ざかるに従って酸化ジルコニウムの体積混合比が高くなり、第二の実施形態のフィルタ層2が得られる。
尚、スパッタ放電用のガスとしてはアルゴンが通常用いられるが、酸素ガスを添加したガスを用いて反応性スパッタリングが行われることもある。この場合、シリコン製のターゲットを使用してシリコンを酸化させながら成膜するとともに、ジルコニウム製又はタンタル製のターゲットを使用してジルコニウム又はタンタルを酸化させながら成膜することがあり得る。
尚、スパッタリングの方式としては、イオンビームスパッタリングのような他の方式のものが採用されることもあり得る。
メタロキサン系無機高分子材料は、金属酸化物を合成する際のゾルゲル材料として知られている。この中には、ポリシロキサンを使用したゾルゲルによる酸化シリコンの合成の他、ポリジルコノキサンを使用したゾルゲルによる酸化ジルコニウムの合成、ポリタンタロキサンを使用したゾルゲルによる酸化タンタルの合成も含まれる(例えば、www.artkagaku.co.jp/pdf/ART-2.pdf)。したがって、例えば酸化ジルコニウムを吸収材料とする場合、TEOSのようなポリシロキサンとポリジルコノキサンとを混合してゲル溶液とし、触媒の使用やphの調整などを適宜行いながら加水分解縮合させてゲル化させる。この際のポリシロキサンとポリジルコノキサンの体積混合比は、前述したフィルタ層における体積混合比に応じたものとされる。そしてこのゲル中に透明基板を浸漬し、ディップコーティングよりゲル被膜を付着させる。その後、大気又は酸素雰囲気で所定時間高温に晒して焼成することで、実施形態のフィルタ層が形成される。焼成は、例えば600℃、10分間の加熱により行われる。必要なフィルタ層の厚さにより、ディップコーティングと焼成とを複数回繰り返す場合もある。酸化タンタルを吸収材料とする場合、ポリジルコノキサンの代わりにポリタンタロキサンが使用されるが、基本的に同様の方法によりフィルタ層の形成が行える。
図11に示すグリッド偏光素子3は、構造的にはワイヤーグリッド偏光素子と同様のものであり、透明基板31上に縞状(ラインアンドスペース状)のグリッド30を設けた構造のものである。ワイヤーグリッド偏光素子ではグリッドの各線状部は金属製であるが、実施形態のグリッド偏光素子3は、紫外線を偏光するものであるため、グリッド30の各線状部32は誘電体製又は半導体製となっている。具体的には、各線状部32は酸化チタン又はシリコン等で形成されている。
図11に示すように、実施形態のグリッド偏光素子は、グリッド30の透明基板31とは反対側に保護膜33が設けられており、その上に実施形態のフィルタ層2が形成された構造となっている。保護膜33は、グリッド30の各線状部32を倒壊などから保護する構造物であり、紫外線を透過する材料、例えば酸化シリコンで形成される。
尚、フィルタ層2は、グリッド30に対して光の入射側に配置される。したがって、グリッド30を挟んでフィルタ層2が透明基板31とは反対側に設けられている構造では、グリッド偏光素子は、フィルタ層2の側を光源側にした姿勢で配置される。場合によっては、透明基板31の側を光源側にした姿勢でグリッド偏光素子が配置される場合もあるが、この場合には、フィルタ層2は、透明基板31の裏面(グリッド30を形成した側の面とは反対側の面)に形成される。
また、ゾルゲル法による場合、透明基板31上にグリッド30を形成してその上に保護膜33を形成したものを、ポリシロキサン−ポリジルコノキサン混合ゾル液(又はポリシロキサン−ポリタンタロキサン混合ゾル液)をゲル化させたものに浸漬し、加熱焼成することでフィルタ層2が形成される。この際、グリッド30の各線状部32の間に溶液が浸入しないようマスキングがされる場合がある。
光源41としては、高圧水銀ランプのような紫外線ランプが使用される。光源41は棒状であり、ミラー42は光源41の長さ方向に長い樋状である。ミラー42の長さ方向に垂直な断面形状は、放物線又は楕円円弧である。
ワーク5は方形の板状であり、搬送機構50はワーク5が載置されるステージ51を移動させることでワーク5を搬送する機構である。照射位置Rは、ある方向に長いもの(例えば長方形)となっており、搬送機構50は、この方向に直交ないし交差する方向にワーク5を搬送する機構となっている。
また、冷却機構によってグリッド3が冷却される。この点は、グリッド3が備えるフィルタ層2も冷却されることを意味する。したがって、フィルタ層2が温度特性を有していて昇温により特性が変化してしまう場合でも、この実施形態では特性変化によるオゾン発生波長遮断性能の低下の問題はない。この点が、オゾンレスランプとの大きな違いである。
また、非偏光の紫外線を照射する紫外線照射装置において、実施形態のフィルタ層を備えた紫外線用光学部材を搭載することがあり得る。フォトリソグラフィ用の露光装置、紫外線硬化型樹脂の硬化用の紫外線照射装置等の用途が考えられる。例えば、ある目的で光を屈折させる紫外線用レンズの表面にフィルタ層を設け、屈折に加えてオゾン発生波長の遮断効果を持たせた構造が考えられる。
また、紫外線用フィルタとしては、透明基板1を使用した透過型のフィルタの他、紫外線を反射する基板(例えばアルミ製)を使用した反射型の紫外線用フィルタもあり得る。この場合、光は、フィルタ層に入射してフィルタ層を透過した後、基板に反射して再度フィルタ層を透過して出射することになる。但し、反射型のフィルタの場合、基板とフィルタ層との屈折率や熱膨張係数が大きく異なることが多く、内部干渉の問題や熱膨張の差による剥がれ等の問題に関しては、透過型の方が優れている。
尚、前述したEMA解析ではマクスウェル−ガーネット近似式が使用されたが、この他、Bruggeman近似式やLorentz-Lorenz近似式が知られている。これらの近似式を使用した場合も、同様の解析結果が得られることが発明者により確認されている。
2 フィルタ層
21 紫外線透過材料
22 吸収材料
3 グリッド偏光素子
30 グリッド
31 透明基板
32 線状部
33 保護層
41 光源
42 ミラー
5 ワーク
50 搬送機構
71 成膜チャンバー
72 第一のカソード
73 第二のカソード
Claims (11)
- 紫外線透過材料中に酸化ジルコニウムが分散されている紫外線用フィルタ層であって、
層の厚さは100μm以下であり、
層全体に対する酸化ジルコニウムの体積混合比をx、層の厚さをy(単位はnm)としたとき、
24.319x-1.996≦y≦3040.1x-1.953
の関係となっていることを特徴とする紫外線用フィルタ層。 - 紫外線透過材料中に酸化タンタルが分散されている紫外線用フィルタ層であって、
層の厚さは100μm以下であり、
層全体に対する酸化タンタルの体積混合比をx、層の厚さをy(単位はnm)としたとき、
6.2213x-1.926≦y≦24.187x-2.068
の関係となっていることを特徴とする紫外線用フィルタ層。 - 前記紫外線透過材料は、酸化シリコン又はアルミナであることを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線用フィルタ層
- 前記体積混合比は0.9以下であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の紫外線用フィルタ層。
- 請求項1記載の紫外線用フィルタ層の形成方法であって、
前記紫外線透過材料で形成されたターゲットを備えた第一のカソードと、前記酸化ジルコニウムで形成されたターゲットを備えた第二のカソードを使用した多元スパッタリングにより薄膜を作成し、当該作成した薄膜を紫外線用フィルタ層とすることを特徴とする紫外線用フィルタ層の形成方法。 - 請求項2記載の紫外線用フィルタ層の形成方法であって、
前記紫外線透過材料で形成されたターゲットを備えた第一のカソードと、前記酸化タンタルで形成されたターゲットを備えた第二のカソードを使用した多元スパッタリングにより薄膜を作成し、当該作成した薄膜で紫外線用フィルタ層とすることを特徴とする紫外線用フィルタ層の形成方法。 - 紫外線に対して透明な透明基板と、透明基板上に形成された請求項1乃至4いずれかに記載のフィルタ層とから成ることを特徴とする紫外線用フィルタ。
- 前記体積混合比は、前記透明基板から遠ざかるに従って徐々に又は段階的に高くなっていることを特徴とする請求項7記載の紫外線用フィルタ。
- 紫外線に対して透明な透明基板と、透明基板上に形成された縞状のグリッドと、グリッドに対して光の入射側となる位置に形成された請求項1乃至4いずれかに記載のフィルタ層とから成ることを特徴とするグリッド偏光素子。
- 前記フィルタ層は、紫外線に対して透明な層を介在させた状態で前記グリッドの入射側に配置されており、
前記体積混合比は、当該透明な層から遠ざかるに従って徐々に又は段階的に高くなっていることを特徴とする請求項9記載のグリッド偏光素子。 - 紫外線光源と、紫外線である偏光光が照射される対象物が位置する照射位置と紫外線光源との間に配置された請求項9又は10記載のグリッド偏光素子とを備えていることを特徴とする偏光光照射装置。
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