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JP6600875B2 - R−t−b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R−t−b系焼結磁石の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、R−T−B系焼結磁石の製造方法に関する。
214B型化合物を主相とするR−T−B系焼結磁石は、永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)や、ハイブリッド車搭載用モータ等の各種モータや家電製品等に使用されている。
R−T−B系焼結磁石は、高温で固有保磁力HcJ(以下、単に「HcJ」と表記する)が低下するため、不可逆熱減磁が起こる。不可逆熱減磁を回避するため、モータ用等に使用する場合、高温下でも高いHcJを維持することが要求されている。
R−T−B系焼結磁石は、R214B型化合物相中のRの一部を重希土類元素RH(Dy、Tb)で置換すると、HcJが向上することが知られている。高温で高いHcJを得るためには、R−T−B系焼結磁石中に重希土類元素RHを多く添加することが有効である。しかし、R−T−B系焼結磁石において、Rとして軽希土類元素RL(Nd、Pr)を重希土類元素RHで置換すると、HcJが向上する一方、残留磁束密度Br(以下、単に「Br」と表記する)が低下してしまうという問題がある。また、重希土類元素RHは希少資源であるため、その使用量を削減することが求められている。
そこで、近年、Brを低下させないように、より少ない重希土類元素RHによってR−T−B系焼結磁石のHcJを向上させることが検討されている。例えば、重希土類元素RHのフッ化物または酸化物や、各種の金属MまたはM合金をそれぞれ単独、または混合して焼結磁石の表面に存在させ、その状態で熱処理することにより、保磁力上昇に寄与する重希土類元素RHを磁石内に拡散させることが提案されている。
特許文献1は、R酸化物、Rフッ化物、R酸フッ化物の粉末を用いることを開示している。
特許文献2は、RM(MはAl,Cu,Zn,Ga などから選ばれる1種以上)合金の粉末を用いていることを開示している。
特許文献3、4は、RM合金(MはAl,Cu,Zn,Gaなどから選ばれる1種以上)、M1M2合金(M1M2はAl,Cu,Zn,Gaなどから選ばれる1種以上)、およびRH酸化物の混合粉末を用いることにより、熱処理時にRM合金などによってRH酸化物を部分的に還元し、重希土類元素RHを磁石内に導入することが可能であることを開示している。
国際公開第2006/043348号 特開2008−263179号公報 特開2012−248827号公報 特開2012−248828号公報
上記の特許文献に開示されている方法では、粉末を焼結磁石表面に存在させるため、典型的には、粉末を水または有機溶剤に分散させたスラリーを作製し、このスラリー中に焼結磁石を浸漬した後に乾燥を行う。また、このようなスラリーをスプレーによって塗布する方法も用いられ得る。
本発明者は、これらの粉末をバインダと混合したペーストを焼結磁石の表面に塗布する方法について検討したところ、熱処理の過程で塗布膜が焼結磁石表面から剥がれ、剥がれた部分に含まれる粉末中元素は焼結磁石内部に十分には拡散されないという問題が生じ得ることがわかった。
本開示の実施形態は、熱処理の過程で塗布膜が焼結磁石表面から剥がれることを防止することによって、塗布膜に含まれる粉末粒子から所望の元素を再現性良く塗布対象物内に拡散させることを可能にする。
本開示によるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、R−T−B系焼結磁石を用意する工程と、金属粉末および金属化合物粉末が混合された混合粉末と高分子組成物とを含むペーストの塗布膜を前記R−T−B系焼結磁石の表面に形成する工程と、前記塗布膜が前記表面に形成された前記R−T−B系焼結磁石に対する熱処理を行うことによって前記塗布膜中の金属成分を前記R−T−B系焼結磁石の内部に拡散させる工程とを含み、前記高分子組成物は、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを含む基油と、バインダと、カップリング剤とを含む。
ある実施形態において、前記高分子組成物は、さらに分散剤を含む。
ある実施形態において、前記ペースト全体に対する前記混合粉末の割合は70質量%以上90質量%以下である。
ある実施形態において、前記混合粉末は、RLM合金(RLはNdおよび/またはPr、MはCu、Fe、Ga、Co、Niから選ばれる1種以上)の粉末と、RHフッ化物(RHはDyおよび/またはTb)、RH酸フッ化物、およびRH酸化物の少なくとも1つの粉末とを含有する。
ある実施形態において、前記RLM合金の粉末は、前記混合粉末の全体の5質量%以上96質量%以下である。
ある実施形態において、前記基油の熱重量測定による減量開始温度は100℃〜300℃である。
ある実施形態において、前記塗布膜を前記R−T−B系焼結磁石の表面に形成した後、前記塗布膜中の金属成分を前記R−T−B系焼結磁石の内部に拡散させる前において、前記塗布膜中に含まれる前記基油の含有量を低減する乾燥工程と、前記塗布膜中に含まれる前記バインダの含有量を低減する脱バインダ工程とを含む。
本開示の実施形態によると、粉末と高分子組成物とを混合したペーストの塗布膜が、熱処理の過程で剥がれることが防止されるため、塗布膜中の粉末から所望の元素を対象物に拡散することが歩留まり良く実現し得る。ある実施形態の態様では、粉末と高分子組成物とを混合したペーストの塗布膜が焼結磁石表面から剥がれることが抑制または防止されるため、粉末中の所望の金属元素が歩留まり良く焼結磁石内に拡散し、保磁力を向上させる効果を得ることができる。
ペーストの塗布膜200をR−T−B系焼結磁石100の表面に形成し、乾燥工程を行った後の状態を模試的に示す断面図である。 脱バインダ工程を行った後の塗布膜200を示す断面図である。 熱処理により、金属粉末粒子22の融点以上の温度で保持された後の塗布膜200の状態を示す断面図である。 熱処理温度が上昇し、塗布膜200内の金属がR−T−B系焼結磁石100の表面から磁石内部に拡散している様子を模試的に示す断面図である。 熱処理の途中に塗布膜200の剥がれが生じた部分を模試的に示す断面図である。 塗布膜200の剥がれが生じた部分で熱処理の温度が上昇した状態を模試的に示す断面図である。 磁石特性を測定するため、R−T−B系焼結磁石100から切り出した磁石片の位置を破線で示す斜視図である。
本発明者は、前述のように熱処理の過程で金属元素拡散のための塗布膜が剥がれてしまい、塗布膜中の拡散成分が磁石中に十分拡散されないという問題を解決するために鋭意検討した。その結果、高分子組成物を、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを含む基油とバインダとカップリング剤とを含むものとすることによって塗布膜の剥がれを抑制または防止できることを見出し、本発明を想到するに至った。
まず、混合粉末と高分子組成物とを含むペーストの塗布膜をR−T−B系焼結磁石の表面に形成した後、この塗布膜が乾燥および熱処理を経てどのように変化していくかを説明する。
図1Aは、ペーストの塗布膜200をR−T−B系焼結磁石100の表面に形成し、乾燥工程を行った後の状態を模試的に示す断面図である。塗布膜(乾燥膜)200では、R−T−B系焼結磁石100の表面に沿って膜状に広がる高分子組成物20中に多数の金属粉末粒子22および金属化合物粉末粒子24が存在している。塗布直後の塗布膜200は、塗布しやすい適切な粘度を持ち、十分な流動性をまだ保持しているが、乾燥工程を行うことより、高分子組成物20中の基油は気化し、流動性はなくなる。なお、基油は高分子組成物20の構成要素であるが、便宜上、基油が除去された後の残存物についても「高分子組成物」の用語をそのまま用いて塗布膜200を説明する場合がある。
図1Bは、温度T1で脱バインダ工程を行った後の塗布膜200の断面を示している。脱バインダ工程により、塗布膜200の高分子組成物20の大部分は熱分解や蒸発などによって失われるが、残存部分によって塗布膜(乾燥膜)200中の金属粉末粒子22および金属化合物粉末粒子24が保持される。塗布膜(乾燥膜)200は、R−T−B系焼結磁石100の表面に粘着または固着している。
図1Cは、金属粉末粒子22の融点(T2)を超える温度(T3)で熱処理を行った後の塗布膜200の状態を示している。この状態では、金属粉末粒子22は溶融し、少なくとも一部が膜状に広がって金属化合物粉末粒子24と接触していると推定される。塗布膜200は、高分子組成物20の残存物、金属粉末粒子22の溶融物、および金属化合物粉末粒子24が混在した膜の状態でR−T−B系焼結磁石100の表面に固着している。
塗布膜200が剥がれる場合は、温度T2の付近で塗布膜200が反り、剥がれが生じ始める。塗布膜200がR−T−B系焼結磁石の例えば上面に形成されている場合、温度T2付近で反り始めた塗布膜200は、熱処理温度が更に上昇して温度T3に達する過程で、軟化して再びR−T−B系焼結磁石の上面に自然に付着することが起こり得る。しかし、塗布膜200がR−T−B系焼結磁石の側面に形成されている場合、温度T2付近で反り始めた塗布膜200が再びR−T−B系焼結磁石の側面に付着することはない。また、塗布膜200がR−T−B系焼結磁石の下面に形成されている場合、フラットな面でR−T−B系焼結磁石が支持されている場合は、R−T−B系焼結磁石の自重によって反りや剥がれは生じにくいものの、棒状や網目状の支持部材で支持される場合など、R−T−B系焼結磁石の下方に空間が存在する場合には、その部分の膜が剥がれてしまい、再び付着することは無い。
図1Dは、温度(T3)で熱処理が進行し、塗布膜200内の金属がR−T−B系焼結磁石100の表面から磁石内部に拡散している様子を模試的に示している。このとき、R−T−B系焼結磁石100の内部から表面に希土類元素が拡散し、相互拡散が生じている。このように、塗布膜が表面に形成されたR−T−B系焼結磁石に対する熱処理を行うことによって塗布膜中の金属成分をR−T−B系焼結磁石の内部に拡散させることが可能になる。
図2は、熱処理の途中に塗布膜200の剥がれが生じた部分を模試的に示す断面図である。図3は、塗布膜200の剥がれが生じた部分における熱処理温度T3の状態を模試的に示している。図2および図3に示されるように、塗布膜200に剥がれが生じると、塗布膜200とR−T−B系焼結磁石100との間に隙間が発生するため、塗布膜200に含まれる金属成分をR−T−B系焼結磁石100内に均一に拡散させることができなくなる。
本開示の限定的ではない例示的な実施形態におけるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、R−T−B系焼結磁石を用意する工程と、混合粉末と高分子組成物とを含むペーストの塗布膜を前記R−T−B系焼結磁石の表面に形成する工程とを含む。この混合粉末は、金属粉末と金属化合物粉末とが混合された状態にある粉末である。なお、金属粉末の「金属」は、1種類の金属元素から構成されている必要は無く、「合金(metal alloy)」であってもよい。
更に、本実施形態におけるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、上述の塗布膜が表面に形成されたR−T−B系焼結磁石に対する熱処理を行うことによって塗布膜中の金属成分をR−T−B系焼結磁石の内部に拡散させる工程を含む。
以下、本実施形態におけるR−T−B系焼結磁石の製造方法の各工程を説明する。
(1)ペースト作製
[高分子組成物]
まず、本発明の実施形態で用いる高分子組成物について説明する。本実施形態における高分子組成物は、基油、バインダ、およびカップリング剤を含む。
基油は、高分子組成物に含まれる各種成分を金属製品表面および粉末に均一に供給するためのキャリアであり、焼結磁石の表面を高分子組成物の均一な層にコーティングする機能を発揮する。本開示における基油は、モノイソブチレート系溶剤である2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを含む。2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを含むことにより、ペーストを構成する高分子組成物と混合粉末との濡れ性を高めることができる。また、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートは、常温における速乾性が低いために塗布しやすく、バインダおよびカップリング剤を焼結磁石表面および混合粉末に均一に吸着させることにも好適に寄与する。その結果、高分子組成物および混合粉末を含むペーストを焼結磁石表面に強固に密着させることができる。
後述するように、ペーストの塗布膜を焼結磁石表面に形成した後、乾燥、脱バインダ、および拡散熱処理の各工程を実行する。ペースト中の高分子組成物に含まれる基油は、常温で行う塗布工程時に乾きにくいだけではなく、乾燥工程により、バインダ、カップリング、および混合粉末を焼結磁石表面に均一な層状に残して気化することが求められる。この点において、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを含む基油が好適であることが本発明者の実験により確認された。
上記の要求から、基油の熱重量測定による減量開始温度は100℃〜300℃が望ましく、150〜280℃であることがより望ましい。熱重量測定による減量開始温度が100℃未満であると、乾燥工程および脱バインダ工程において突沸現象が発生して塗布膜の密着強度を低下させ、塗布膜の剥がれの原因となるおそれがある。また、引火点が低く、取り扱いが難しい。熱重量測定による減量開始温度が300℃を超えると、乾燥工程、脱バインダ工程において基油が塗布膜に残存し易く、拡散熱処理工程の昇温中に突沸現象が発生して塗布膜の密着強度を低下させ、塗布膜の剥がれの原因となるおそれがある。
なお、熱重量測定による減量開始温度は、熱天秤によって基油の質量変化を測定し、得られたTG曲線の変化(減量)が始まる点の温度を測定することによって求めることができる。沸点が測定可能なものは沸点が熱重量測定による減量開始温度に相当する。高分子組成物中の基油の配合割合は50質量%〜99質量%であることが好ましい。
バインダは、混合粉末を磁石表面に保持する働き、および、塗布前のペーストの分離などによる不均一化を抑制する働きをする。バインダの種類は特に制限されない。例えば、エチルセルロース等のセルロース系、アルキッド樹脂、ロジン、石油レジンなどの1種以上を用いることができる。中でもエチルセルロースが、乾燥工程後の磁石表面と塗布膜の密着性を保ちやすく熱処理時の塗布膜の剥がれをより防ぐことができるという点で好ましい。高分子組成物中のバインダの配合割合は1質量%〜30質量%であることが好ましい。
カップリング剤は、混合粉末とバインダ成分との密着力を向上させる働きをする。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤の1種以上を含むことができ、シランカップリング剤が乾燥後の高分子組成物と混合粉末および磁石表面への密着力を向上させる点で好ましい。中でもエポキシ系シランカップリング剤が好ましい。高分子組成物中のカップリング剤の配合割合は0.1質量%〜10質量%であることが好ましい。
本発明の実施形態で用いる高分子組成物は、更に分散剤を含むことが好ましい。分散剤は混合粉末に吸着し、凝集を解き、均一なペーストを作る働きをする。また、液分離を防ぎ、ペーストを長時間維持することができる。分散剤としては、無灰型分散剤を用いることができ、コハク酸イミド系の分散剤が、混合粉末との吸着が良いという点で好ましい。高分子組成物中の分散剤の配合割合は0.1質量%〜10質量%であることが好ましい。
混合粉末と高分子組成物の配合比は、混合粉末が全体の70〜90質量%を占めるように調整され得る。ペーストに含まれる混合粉末は、金属粉末と金属化合物粉末とが混合された状態にある粉末である。この混合粉末の内容は、どのような金属元素をR−T−B系焼結磁石の内部に導入するかによって異なる。重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石内に拡散する場合を例にとり、混合粉末の具体例を以下に説明する。
[金属粉末]
拡散助剤として機能するRLM合金の粉末を用いることができる。RLとしてはRH化合物を還元する効果の高い軽希土類元素が適している。また、RLもMも磁石中に拡散してHcJを向上させる効果を持つ場合があるが、主相結晶粒内部にまで拡散しやすくBrを低下させやすい元素は避けるべきである。このRH化合物を還元する効果が高く、主相結晶粒内部に拡散しにくいという観点から、RLはNdおよび/またはPr、MはCu、Fe、Ga、Co、Ni、Alから選ばれる1種以上とする。中でもNd−Cu合金やNd−Fe合金を用いると、NdによるRH化合物の還元能力が効果的に発揮されるので好ましい。また、RLM合金はRLを50原子%以上含み、かつ、その融点が熱処理温度以下の合金を用いる。このようなRLM合金は、熱処理時にRH化合物を効率よく還元し、より高い割合で還元されたRHがR−T−B系焼結磁石中に拡散して少量でも効率よくR−T−B系焼結磁石のHcJを向上させることができる。RLM合金の粉末の粒度は500μm以下が好ましい。
[金属化合物粉末]
拡散剤として機能するRH化合物(RHはDyおよび/又はTb、RH化合物はRHフッ化物、RH酸化物、RH酸フッ化物から選ばれる1種または2種以上)の粉末を用いることができる。中でもRHフッ化物がRLM合金によって還元されやすくHcJ向上効果が大きいので好ましい。RH化合物の粉末の粒度は100μm以下が好ましい。なお、本発明におけるRH酸フッ化物は、RHフッ化物の製造工程における中間物質としてRHフッ化物に含まれるものであってもよい。
粉末状態にあるRLM合金およびRH化合物のR−T−B系焼結磁石の表面における存在比率(熱処理前)は、質量比率でRLM合金:RH化合物=96:4〜5:5とすることができる。存在比率はRLM合金:RH化合物=95:5〜6:4であり得る。本開示の実施形態において、RLM合金およびRH化合物の粉末以外の粉末(第三の粉末)がR−T−B系焼結磁石の表面に存在することを必ずしも排除しないが、第三の粉末がRH化合物中のRHをR−T−B系焼結磁石の内部に拡散することを阻害しないように留意する必要がある。R−T−B系焼結磁石の表面に存在する粉末の全体に占める「RLM合金およびRH化合物」の粉末の質量比率は、70%以上であることが望ましい。
(2)R−T−B系焼結磁石母材の準備
重希土類元素RHの拡散の対象とするR−T−B系焼結磁石母材を準備する。本明細書では、わかりやすさのため、重希土類元素RHの拡散の対象とするR−T−B系焼結磁石をR−T−B系焼結磁石母材と厳密に称することがあるが、「R−T−B系焼結磁石」の用語はそのような「R−T−B系焼結磁石母材」を含むものとする。このR−T−B系焼結磁石母材は公知のものが使用でき、例えば以下の組成を有する。
希土類元素R:12〜17原子%
B(B(ボロン)の一部はC(カーボン)で置換されていてもよい):5〜8原子%
添加元素M´(Al、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Pb、およびBiからなる群から選択された少なくとも1種):0〜2原子%
T(Feを主とする遷移金属元素であって、Coを含んでもよい)および不可避不純物:残部
ここで、希土類元素Rは、主として軽希土類元素RL(Nd、Prから選択される少なくとも1種の元素)であるが、重希土類元素を含有していてもよい。なお、重希土類元素を含有する場合は、DyおよびTbの少なくとも一方を含むことが好ましい。
上記組成のR−T−B系焼結磁石母材は、任意の製造方法によって製造される。
(3)塗布膜形成
R−T−B系焼結磁石母材の表面に塗布膜を形成する方法の例は、塗布法(印刷法)、浸漬法、スプレー法などであり得る。塗布膜の厚さは、例えば0.05〜0.5mmの範囲に設定され得る。R−T−B系焼結磁石の表面に存在させる粉末中のRH元素の量は、磁石表面1mm2あたり0.03〜0.35mgであることが好ましく、0.05〜0.25mgであることが更に好ましい。このような値を実現するように塗布膜の厚さが調整され得る。
(4)乾燥
R−T−B系焼結磁石母材の表面に塗布膜を形成した後、塗布膜は例えば80〜100℃の温度で30分から3時間の間、保持され、乾燥される。この乾燥工程により、塗布膜中に含まれる基油が気化して基油の含有量は低減する。塗布膜中に含まれる基油の含有量は実質的に無くなる。
(5)脱バインダ
乾燥の後、塗布膜は例えば350〜450℃の温度(T1)で1〜4時間の間、熱処理される。この熱処理により、塗布膜中のバインダの大部分が熱分解や蒸発などによって消失する。
(6)拡散熱処理
次に、塗布膜に含まれる金属粉末粒子の融点(T2)を超える温度(T3)、例えば500〜1000℃で、10分〜72時間の熱処理を行うことにより、塗布膜中の金属成分をR−T−B系焼結磁石母材の表面から内部に拡散させる。
本開示の実施形態では、例えばRLM合金の粉末とRH化合物の粉末とをR−T−B系焼結磁石母材の表面に存在させた状態で熱処理を行うことができる。熱処理の開始後、RLM合金の粉末は溶融するため、RLM合金が熱処理中に常に「粉末」の状態を維持する必要は無い。熱処理の雰囲気は真空または不活性ガス雰囲気が好ましい。
(7)表面研削
次に、塗布膜の表面から例えば50〜500μm程度の深さまで研削し、塗布膜およびR−T−B系焼結磁石の表層を除去する。
表1の成分および割合で、基油、バインダ、カップリング剤、および分散剤を配合し、高分子組成物を作製した。表1に示す基油のそれぞれの成分の詳細は以下の通りである。
基油A:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート 沸点253℃
基油B:ノルマルパラフィン 沸点210℃
基油C:トルエン80質量% エタノール 20質量%混合液 沸点78℃
基油D:ペンタエリスリトールテトラオレート
なお、基油Dの熱重量測定による減量開始温度は300℃以上であった。すなわち、熱天秤によって常温から300℃までの質量変化を測定したが減量を示す変化が起こらなかった。
表1に示すバインダ、カップリング剤、および分散剤の成分の詳細は以下の通りである。
バインダ A:エチルセルロース(5%トルエン80/エタノール20液、25℃粘度:12〜16cps)
バインダ B:エチルセルロース(5%トルエン80/エタノール20液、25℃粘度:40〜52cps)
バインダ C:ロジン
カップリング剤 A:エポキシ系シランカップリング剤
カップリング剤 B:アミノ系チタンカップリング剤
分散剤 A:コハク酸イミド
Figure 0006600875
また、遠心アトマイズ法で作製した粒径150μm以下のNd70Cu30合金粒子と粒径100μm以下のTbF3粒子を質量比6:4で混合して混合粉末を作製した。この混合粉末と表1に記載の高分子組成物を質量比8:2で配合してペーストを作製した。
なお、サンプル10では、高分子組成物の粘度が非常に高く、上記配合割合では塗布可能なペーストを作製することができなかった。また、サンプル6のペーストは問題なく塗布でき、熱処理以後の試験を進めることができたが、残ったペーストが数時間後に分離してしまった。サンプル6、10以外のペーストに、そのような数時間後の分離は見られなかった。
次に、ペーストを塗布する対象であるR−T−B系焼結磁石について説明する。
まず、公知の方法で、組成比Nd=13.4、B=5.8、Al=0.5、Cu=0.1、Co=1.1、残部=Fe(原子%)のR−T−B系焼結磁石を作製した。これを機械加工することにより、5.7mm×15.6mm×70.2mmのR−T−B系焼結磁石母材を得た。得られたR−T−B系焼結磁石母材の磁気特性をB−Hトレーサーによって測定したところ、HcJは1052kA/m、Brは1.45Tであった。なお、R−T−B系焼結磁石母材の不純物量をガス分析装置によって測定したところ、酸素が740ppm、窒素が490ppm、炭素が880ppmであった。
サンプル10を除く表1のペーストを、R−T−B系焼結磁石母材の15.6mm×70.2mmの大きさの表面にスクリーン印刷法によって塗布した。塗布量は1mm2あたりのTb量が0.07mgとなるように調整した。塗布後、90℃で1時間乾燥した。同様にR−T−B系焼結磁石母材の反対側の面にもペーストを塗布し、乾燥した。サンプル7と11は乾燥工程で膜が剥がれてしまったため、この時点で試験を中止した。
ペーストの塗布膜(乾燥膜)が両面に形成されたR−T−B系焼結磁石を図4のように塗布面が垂直面となるように立てて、熱処理を行った。具体的には、常温から10℃/minで400℃まで昇温した後、400℃で2時間の熱処理を行い、更に、10℃/minで900℃まで昇温した後、900℃で8時間の熱処理を施した。
熱処理後の塗膜剥がれの状況を評価した。また、塗布面を両面から均等に機械加工にて除去して厚さを5.3mmとしてから、図4に示すR−T−B系焼結磁石100の破線で囲まれた部分100aから5.3mm×7.0mm×7.0mmの磁石片を切り出し、B−Hトレーサーによって磁気特性を測定した。剥がれの評価結果(剥がれあり=×、剥がれ無=○)と磁気特性の測定値とを表2に示す。なお、剥がれが生じたサンプルでは、全て、図4に示す斜線部分を含んだ部分が剥がれていた(裏側の面も同じ)。
Figure 0006600875
表2から分かるように、実施例の高分子組成物を使用して作製したペーストを塗布して熱処理したサンプル1〜6では、塗布膜の密着が維持され、保磁力も大きく向上していた。しかし、本発明の範囲外である比較例のサンプル7〜12では高分子組成物を使用して作製したペーストを塗布して熱処理したサンプルでは、塗布可能なペーストが作製できなかったり、乾燥工程で塗布膜が剥がれてしまったり、熱処理工程を行えたものも塗布膜の上部が剥がれて脱落し、保磁力の向上度も小さかった。
本発明は、より少ない重希土類元素RHによってR−T−B系焼結磁石のHcJを向上させることができるため、高い保磁力が求められる希土類焼結磁石の製造に使用され得る。また、本発明は、重希土類元素RH以外の他の金属元素を希土類焼結磁石に表面から拡散させることが必要な技術にも広く適用され得る。
22 金属粉末粒子
24 金属化合物粉末粒子
100 R−T−B系焼結磁石
200 塗布膜

Claims (7)

  1. R−T−B系焼結磁石を用意する工程と、
    金属粉末および金属化合物粉末が混合された混合粉末と高分子組成物とを含むペーストの塗布膜を前記R−T−B系焼結磁石の表面に形成する工程と、
    前記塗布膜が前記表面に形成された前記R−T−B系焼結磁石に対する熱処理を行うことによって前記塗布膜中の金属成分を前記R−T−B系焼結磁石の内部に拡散させる工程と、
    を含み、
    前記高分子組成物は、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを含む基油と、バインダと、カップリング剤とを含む、R−T−B系焼結磁石の製造方法。
  2. 前記高分子組成物は、さらに分散剤を含む、請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  3. 前記ペースト全体に対する前記混合粉末の割合は70質量%以上90質量%以下である、請求項1または2に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  4. 前記混合粉末は、
    RLM合金(RLはNdおよび/またはPr、MはCu、Fe、Ga、Co、Niから選ばれる1種以上)の粉末と、
    RHフッ化物(RHはDyおよび/またはTb)、RH酸フッ化物、およびRH酸化物の少なくとも1つの粉末と、
    を含有する、請求項1から3のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  5. 前記RLM合金の粉末は、前記混合粉末の全体の5質量%以上96質量%以下である、請求項4に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  6. 前記基油の熱重量測定による減量開始温度は100℃〜300℃である、請求項1から5のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  7. 前記塗布膜を前記R−T−B系焼結磁石の表面に形成した後、前記塗布膜中の金属成分を前記R−T−B系焼結磁石の内部に拡散させる前において、
    前記塗布膜中に含まれる前記基油の含有量を低減する乾燥工程と、
    前記塗布膜中に含まれる前記バインダの含有量を低減する脱バインダ工程と、
    を含む、請求項1から6のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
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