[go: up one dir, main page]

JP6690119B2 - 細胞培養容器及び細胞積層体の作製方法 - Google Patents

細胞培養容器及び細胞積層体の作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6690119B2
JP6690119B2 JP2014254361A JP2014254361A JP6690119B2 JP 6690119 B2 JP6690119 B2 JP 6690119B2 JP 2014254361 A JP2014254361 A JP 2014254361A JP 2014254361 A JP2014254361 A JP 2014254361A JP 6690119 B2 JP6690119 B2 JP 6690119B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
cells
cell stack
film
cell culture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014254361A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016111975A (ja
Inventor
裕一 田中
裕一 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2014254361A priority Critical patent/JP6690119B2/ja
Publication of JP2016111975A publication Critical patent/JP2016111975A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6690119B2 publication Critical patent/JP6690119B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
    • C12M23/24Gas permeable parts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
    • C12M23/02Form or structure of the vessel
    • C12M23/10Petri dish

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Clinical Laboratory Science (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

本発明は、細胞培養容器、及びそれを用いる細胞積層体の作製方法に関する。
細胞を培養支持体上に播種し、細胞シートを形成することは一般に広く行われている。細胞シートの剥離を容易にする目的で、細胞接着面に温度応答性高分子化合物の層を設け、細胞の剥離を促進させる技術も開発されており、異物をほとんど含まない細胞シートの回収が可能である。しかしながら、この方法により形成される細胞シートは単層又は3層以下の細胞層から構成されることが通常である。このため、多層化を行うには、細胞シートを複数重ね合わせることが必要である。細胞シートは極めて薄く、取り扱いが困難であるため、複数重ね合わせることは容易でなく手間がかかる。
多層化された細胞シート(細胞積層体)を容易に製造するための方法として、(特許文献1)には、細胞非接着性であるか、細胞非接着性に変化することが可能である内底面を有する培養容器に、細胞を含有する培養液を加える細胞添加工程と、培養容器に加えられた細胞に内底面方向への遠心力を作用させながら、細胞間接着が形成される条件下で細胞培養を行い、細胞間を接着させて組織を形成する細胞培養工程と、細胞培養工程において得られた組織を前記内底面から剥離し回収する剥離工程とを含む、組織の作製方法が開示されている。
この方法では、組織の細胞積層数の制御を容易に行いつつ、より短時間で生体組織を製造することができるが、培養液中で増殖させた細胞を剥離する際に酵素を用いているため、作製された組織における細胞間結合が弱く、組織の強度が弱いためハンドリング性に改善の余地があった。したがって、遠心力を用いて作製された細胞積層体の組織を破壊することなく簡便に移送することができる容器、そして、その容器を用いた細胞積層体の作製方法の開発が望まれていた。
特許第5407343号公報
上記従来の状況に鑑み、本発明は、遠心力を用いて作製した細胞積層体を、形を崩すことなく容易に移送できる細胞培養容器、及びそれを用いた細胞積層体の作製方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意研究を行った結果、細胞培養容器の上部を、所定の酸素透過度を有し且つ分離可能に構成し、その上部に細胞積層体を載置して移送することによって細胞積層体のハンドリング性が向上することを見出し、発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)細胞非接着性であるか、細胞非接着性に変化することが可能である内面を有する底部と、前記底部に対向する上部とを有し、前記上部が、200cc/m・day・atm以下の酸素透過度を有し且つ分離可能に構成されている細胞培養容器。
(2)酸素透過度が、15cc/m・day・atm以下である上記(1)に記載の細胞培養容器。
(3)上部が、ポリエチレンテレフタラートのフィルム、又は前記ポリエチレンテレフタラートのフィルムを含む積層フィルムである上記(2)に記載の細胞培養容器。
(4)細胞非接着性であるか、細胞非接着性に変化することが可能である内面を有する底部と、前記底部に対向する上部とを有し、前記上部が、200cc/m・day・atm以下の酸素透過度を有し且つ分離可能に構成されている細胞培養容器に、細胞を含有する培養液を入れる細胞添加工程と、
細胞に対し底部の内面方向への遠心力を作用させながら、細胞間接着が形成される条件下で細胞培養を行い、細胞間を接着させて細胞積層体を形成する細胞培養工程と、
前記底部及び前記上部の位置を反転させ、得られた細胞積層体を前記内面から剥離するとともに前記上部に載置する載置工程と、
前記上部を、載置された細胞積層体とともに分離する分離工程と、
を有する細胞積層体の作製方法。
本発明によれば、遠心力を利用して作製した細胞積層体を、破壊、変形等を起こすことなく、簡便に回収し、移送することができる。
本発明に係る細胞培養容器の一実施形態を示す側断面図(a)及び平面図(b)である。 本発明に係る細胞積層体の作製方法における細胞培養工程を説明するための図である。 本発明に係る細胞積層体の作製方法における載置工程を説明するための図である。 本発明に係る細胞積層体の作製方法における分離工程を説明するための図である。
以下、実施の形態に基づき本発明を詳細に説明する。
本発明の細胞積層体の作製方法は、細胞非接着性であるか、細胞非接着性に変化することが可能である内面を有する底部と、その底部に対向する上部とを有し、上部が、所定の酸素透過度を有し且つ分離可能に構成されている細胞培養容器に、細胞を含有する培養液を入れる細胞添加工程と、細胞に対し底部の内面方向への遠心力を作用させながら、細胞間接着が形成される条件下で細胞培養を行い、細胞間を接着させて細胞積層体を形成する細胞培養工程と、底部及び上部の位置を反転させ、得られた細胞積層体を底部の内面から剥離するとともに上部に載置する載置工程と、上部を、載置された細胞積層体とともに分離する分離工程と、を有することを特徴とする。
1.細胞添加工程
まず、細胞添加工程において、細胞を含有する培養液を入れるための細胞培養容器の構成について説明する。図1に、細胞培養容器の一実施形態を示す。図1の細胞培養容器1は、内面101を有する底部10と、その底部10に対向する上部20とを有している。この実施形態において、底部10は、側壁を有するシャーレ状の容器部材11の一部分として構成されている。また、上部20は、容器部材11と組み合わされる蓋部材21の上面に積層されている。蓋部材21には、中心部に貫通孔210が形成され、その貫通孔210が上部20により覆われて、上部20が細胞培養容器の内部空間に露出した状態となっている。なお、図1の実施形態に限定されず、例えば、上部20が蓋部材21を兼ねて、シャーレ状の容器部材11の上面にフィルム状又は板状の上部20を直接積層させ、容器部材11の開口部を覆う構成としても良い。
容器部材11、蓋部材21及び上部20の平面視面積に関しては、特に制限はないが、作製する細胞積層体より大きいことが好ましい。また、容器部材11、蓋部材21及び上部20の平面形状についても、特に制限はなく、必ずしも円形ではなく多角形であっても良いが、製造の容易性や取り扱い易さ等の観点から円形であることが好ましい。さらに、細胞培養容器1を構成する容器部材11、蓋部材21及び上部20は、細胞を扱うため予め滅菌処理を施すことが好ましい。滅菌処理の方法に特に制限はなく、エタノール滅菌、UV照射、EB照射、エチレンオキサイドガス滅菌、γ線照射等の各種方法を利用することができる。
上部20は、フィルム状又は板状であることができるが、その上に作製した細胞積層体を載置した状態で移送し、移植作業等に用いる際の取り扱い性を考慮すると、可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましく、また、細胞を視認するため透明であることが好ましい。上部20の厚さは、所定の酸素透過度を有する厚さであれば良く、特に限定されるものではないが、薄過ぎると細胞積層体とともに移送する際のハンドリング性が低下し、また遠心力が加わる際に変形し易くなり、逆に厚過ぎると、蓋部材21から分離する際に手間がかかるため、これらのバランスを考慮して適宜設定される。具体的には、上部20を樹脂フィルムにより構成する場合、樹脂の種類によっても異なるが、好ましくは30μm〜100μm、特に好ましくは40μm〜80μmの範囲である。
上部20は、酸素透過度が200cc/m・day・atm以下であることを要する。好ましくは15cc/m・day・atm以下である。酸素透過度が高いと、培養液中の酸素濃度が通常の培養ディッシュを使用する場合に比較して高くなり、細胞毒性を引き起こすため生存率が低下する恐れがある(Forsyth et al., Aging Cell, 第2巻, 235〜243頁, 2003年)。また、特に遠心力を利用して細胞積層体を形成する場合には、CO濃度の制御による培養液のpH維持が細胞生存率を向上させるために重要である。上部20の酸素透過度が高い場合、COが常に供給されている遠心機であれば問題はないが、そうでない場合には培養液のCO濃度が外気とほぼ同じになり、培養液のCO濃度の低下及び培養液のアルカリ性へのシフトによる細胞死が起こる恐れがある。そこで、上部20の酸素透過度を200cc/m・day・atm以下に制御することにより、遠心中における細胞培養容器内のガス濃度維持が可能になり、COを外部より供給する特殊なタイプの遠心機を使用しなくても細胞生存率が低下することなく、良好な細胞積層体を作製することができる。
上部20の材質は、上記の酸素透過度の条件を満たせば良く、特に限定されるものではない。上部20として樹脂フィルムを用いる場合、具体例として、ポリエチレンテレフタラート(PET)、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、セロファン等のフィルムが好ましく用いられる。また、ポリプロピレン(PP)やポリスチレン(PS)のフィルムも、酸素透過度は比較的高いが上記の範囲内であるため適用可能である。
また、上部20として樹脂フィルムを用いる場合、樹脂フィルムは単層でも良いが、複数の樹脂フィルムをラミネートさせた積層フィルムを用いても良い。ポリエチレン(PE)フィルムは、単層で用いる場合には酸素透過度が200cc/m・day・atmを超える場合があるが、積層フィルムとして用い、厚さを大きくしてバリア性を高めることによって、上部20として用いることができる。上部20として、特に、ポリエチレンテレフタラートのフィルム、又はポリエチレンテレフタラートのフィルムを含む積層フィルムが好ましく用いられる。
上部20と蓋部材21との接着方法について特に制限はなく、溶剤を用いた接着法、接着剤による接着法、ヒートシール等の各種方法を適宜採用することができる。なお、接着剤を用いる場合には、接着剤は生体親和性を有する成分から構成されることが望ましい。また、接着力は、細胞積層体を形成した後に上部20を分離可能な範囲であれば良く、特に限定されるものではない。具体的には、JIS Z0238に従い3N〜6N/15mmの範囲内であることが望ましい。
本発明で使用する細胞培養容器1は、少なくとも底部10の内面101が、細胞非接着性であるか、細胞非接着性に変化することが可能であるように構成されていれば良いが、特に細胞を含有する培養液を収容する容器部材11の内表面のうち、細胞と接触する表面の全て(例えば、容器部材11の内底面及び内側面)が細胞非接着性であるか、細胞非接着性に変化することが可能であることが好ましい。
本発明に用いられる細胞としては、接着性細胞であれば特に限定されない。そのような細胞としては、例えば、肝臓の実質細胞である肝細胞、クッパー細胞、血管内皮細胞や角膜内皮細胞等の内皮細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、砕骨細胞、歯根膜由来細胞、表皮角化細胞等の表皮細胞、気管上皮細胞、消化管上皮細胞、子宮頚部上皮細胞、角膜上皮細胞等の上皮細胞、乳腺細胞、ペリサイト、平滑筋細胞や心筋細胞等の筋細胞、腎細胞、膵ランゲルハンス島細胞、末梢神経細胞や視神経細胞等の神経細胞、軟骨細胞、骨細胞等が挙げられる。これらの細胞は、組織や器官から直接採取した初代細胞でも良く、あるいは、それらを何代か継代させたものでも良い。さらにこれら細胞は、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞等の多能性幹細胞、単分化能を有する血管内皮前駆細胞等の単能性幹細胞、分化が終了した細胞のいずれであっても良い。また、細胞は単一種を培養しても良いし二種以上の細胞を共培養しても良い。
これらの細胞は、予め通常の方法で培養させ、培養物をトリプシン処理等で処理し、培養液中に懸濁させた状態で細胞培養容器1に収容される。培養液としては、当技術分野で通常用いられる細胞培養用培地であれば特に制限なく用いることができる。例えば、用いる細胞の種類に応じて、MEM培地、BME培地、DME培地、αMEM培地、IMDM培地、ES培地、DM−160培地、Fisher培地、F12培地、WE培地及びRPMI1640培地等、朝倉書店発行「日本組織培養学会編 組織培養の技術第三版」581頁に記載されているような基礎培地を用いることができる。さらに、基礎培地に血清(ウシ胎児血清等)、各種増殖因子、抗生物質、アミノ酸等を加えても良い。また、Gibco無血清培地(インビトロジェン社)等の市販の無血清培地等を用いることができる。最終的に得られる細胞積層体の臨床応用を考えると動物由来成分を含まない培地を使用することが好ましい。
本発明において、「細胞非接着性である」とは、培養対象とする細胞に対して非接着性であることをいい、細胞非接着性とは、細胞が接着しにくい性質をいう。細胞非接着性は、表面の化学的性質や物理的性質等によって細胞の接着や伸展が起こりにくいか否かで決定される。具体的には、実際に細胞培養した際の細胞接着伸展率を指標として、この細胞接着伸展率が60%未満である場合を、細胞非接着性であると定義する。細胞接着伸展率は40%未満であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、2%以下であることが最も好ましい。ここで、細胞接着伸展率は、播種密度が4000cells/cm以上30000cells/cm未満の範囲内で培養しようとする細胞を測定対象表面に播種し、37℃、CO濃度5%のインキュベータ内に保管し、14.5時間培養した時点で接着伸展している細胞の割合({(接着している細胞数)/(播種した細胞数)}×100(%))と定義する。したがって、細胞の種類によっては、ペトリディッシュのような浮遊培養向けディッシュをそのまま用いることができる。あるいは、細胞非接着性となるような表面処理を適宜施すことができる。接着力が強い細胞(例えば、イヌ腎臓尿細管上皮細胞(MDCK)等の場合には、ペトリディッシュをそのまま用いると底部の内面に細胞積層体が接着してしまい回収が困難になる恐れがあるため、表面処理を施して細胞非接着性の表面を形成することが好ましい。
細胞非接着性の表面としては、親水性の表面、具体的には20℃の静的水接触角が45°以下である表面が挙げられる。ただし、プラズマ処理やコロナ処理等の親水性処理により細胞接着性を高めた表面は好ましくない。表面の性状は、表面のO成分を元素分析等の手段によって測定し、表面の水酸基の量を推定することにより調べることができる。細胞非接着性の親水性表面は、炭素酸素結合を有する有機化合物の皮膜を底部10の内面101上に形成することにより得ることができる。あるいは底部10自体を、親水性を有する材料で構成しても良い。
炭素酸素結合とは、炭素と酸素との間に形成される結合を意味し、単結合に限らず二重結合であっても良い。炭素酸素結合としては、C−O結合、C(=O)−O結合、C=O結合等が挙げられる。
親水性皮膜の主原料としては、水溶性高分子、水溶性オリゴマー、水溶性有機化合物、界面活性物質、両親媒性物質等の親水性有機化合物が挙げられる。これらが相互に物理的又は化学的に架橋し、基材である底部10と物理的又は化学的に結合することにより親水性皮膜となる。
具体的な水溶性高分子材料としては、ポリアルキレングリコール及びその誘導体、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリメタクリル酸及びその誘導体、ポリアクリルアミド及びその誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、双性イオン型高分子、多糖類等を挙げることができる。分子形状は、直鎖状、分岐を有するもの、デンドリマー等を挙げることができる。より具体的には、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メタクリロイルオキシエチルフォスフォリルコリン)、メタクリロイルオキシエチルフォスフォリルコリンとアクリルモノマーの共重合体、デキストラン、ヘパリン等が挙げられるがこれらには限定されない。
具体的な水溶性オリゴマー材料や水溶性有機化合物としては、アルキレングリコールオリゴマー及びその誘導体、アクリル酸オリゴマー及びその誘導体、メタクリル酸オリゴマー及びその誘導体、アクリルアミドオリゴマー及びその誘導体、酢酸ビニルオリゴマーのけん化物及びその誘導体、双性イオンモノマーからなるオリゴマー及びその誘導体、アクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体、双性イオン化合物、水溶性シランカップリング剤、水溶性チオール化合物等を挙げることができる。より具体的には、エチレングリコールオリゴマー、(N−イソプロピルアクリルアミド)オリゴマー、メタクリロイルオキシエチルフォスフォリルコリンオリゴマー、低分子量デキストラン、低分子量ヘパリン、オリゴエチレングリコールチオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、2−〔メトキシ(ポリエチレンオキシ)−プロピル〕トリメトキシシラン、トリエチレングリコール−ターミネーティッド−チオール等が挙げられるがこれらには限定されない。
親水性皮膜の平均厚さは、0.8nm〜500μmが好ましく、0.8nm〜100μmがより好ましく、1nm〜10μmがさらに好ましく、1.5nm〜1μmが最も好ましい。平均厚さが0.8nm以上であれば、底部10の内面101の影響を受けにくいため好ましい。また、平均厚さが500μm以下であれば、コーティングが比較的容易である。
底部10の内面101への親水性皮膜の形成方法としては、内面101へ親水性皮膜の主原料(親水性有機化合物等)を直接吸着させる方法、内面101へ親水性有機化合物等を直接コーティングする方法、内面101へ親水性有機化合物等をコーティングした後に架橋処理を施す方法、内面101への密着性を高めるために多段階式に親水性皮膜を形成させる方法、底部10との密着性を高めるために内面101上に下地層を形成し、次いで親水性有機化合物等をコーティングする方法、内面101に重合開始点を形成し、次いで親水性ポリマーブラシを重合する方法等を挙げることができる。
上記成膜方法のうち特に好ましい方法としては、多段階式に親水性皮膜を形成させる方法、並びに、底部10との密着性を高めるために内面101上に下地層を形成し、次いで親水性有機化合物等をコーティングする方法を挙げることができる。これらの方法を用いると、親水性有機化合物等の底部10への密着性を高めることが容易だからである。本明細書では「結合層」という用語を用いる。結合層とは、多段階式に親水性有機化合物等の皮膜を形成する場合には最表面の親水性皮膜層と底部10との間に存在する層を意味し、内面101に下地層を設け当該下地層の上に親水性皮膜層を形成する場合には当該下地層を意味する。結合層は、結合部分(リンカー)を有する材料を含む層であることが好ましい。リンカーとリンカーに結合させる材料の末端の官能基の組み合わせとしては、エポキシ基と水酸基、フタル酸無水物と水酸基、カルボキシル基とN−ハイドロキシスクシイミド、カルボキシル基とカルボジイミド、アミノ基とグルタルアルデヒド等が挙げられる。それぞれの組み合わせにおいて、いずれがリンカーであっても良い。これらの方法においては、親水性材料によるコーティングを行う前に、内面101上にリンカーを有する材料により結合層を形成する。結合層における前記材料の密度は結合力を規定する重要な因子である。前記密度は、結合層の表面における水の接触角を指標として簡便に評価することができる。例えば、エポキシ基を末端に有するシランカップリング剤(エポキシシラン)を例にとると、エポキシシランを付加した内面101の水接触角が典型的には45°以上、望ましくは47°以上であれば、次に酸触媒存在下エチレングリコール系材料等を付加することによって十分な細胞非接着性を有する表面を得ることができる。
本発明で用いられる細胞培養容器1の底部10の内面101は、細胞非接着性であることが細胞積層体の剥離の容易性という観点から好ましいが、別の形態として、細胞培養時には細胞接着性であるが剥離の際に細胞非接着性に変化することが可能である表面であっても良い。このような表面は、温度応答性ポリマー、pH応答性ポリマー及びイオン応答性ポリマーからなる群から選択される少なくとも1種の刺激応答性高分子を、共有結合を介して内面101に固定化することにより形成することができる。刺激応答性高分子としては、特に温度応答性ポリマーが好ましいがこれには限定されない。
本発明に好適に使用できる温度応答性ポリマーは、細胞培養温度下(通常、37℃程度)において疎水性を示し、形成した細胞積層体の回収時の温度下において親水性を示すものである。なお、温度応答性ポリマーが、疎水性から親水性に変化する温度(水に対する臨界溶解温度(T))としては、特に限定されないが、細胞積層体の回収の容易さの観点から、細胞培養温度よりも低い温度であることが好ましい。このような温度応答性ポリマー成分を含むことで、細胞培養時においては、細胞の足場(細胞接着面)が充分に確保されるため細胞培養を効率良く行うことができる。その一方、細胞積層体の回収時においては、疎水性部分を親水性に変化させ、細胞積層体を底部10から分離させることで、細胞積層体の回収をより一層容易にすることができる。特に所定の臨界溶解温度未満の温度で親水性を示し、同温度以上の温度で疎水性を示す温度応答性ポリマーが好ましい。このような温度応答性ポリマーにおける臨界溶解温度を特に下限臨界溶解温度と呼ぶ。
本発明に好適に使用できる温度応答性ポリマーは、具体的には下限臨界溶解温度Tが0℃〜80℃、好ましくは0℃〜50℃であるポリマーが好ましい。Tが80℃を超えると細胞が死滅する可能性があるので好ましくない。また、Tが0℃より低いと、一般に細胞増殖速度が極度に低下するか、細胞が死滅してしまうため好ましくない。そのような好適なポリマーとしては、アクリル系ポリマー又はメタクリル系ポリマーが挙げられる。具体的には、例えば、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(T=32℃)、ポリ−N−n−プロピルアクリルアミド(T=21℃)、ポリ−N−n−プロピルメタクリルアミド(T=32℃)、ポリ−N−エトキシエチルアクリルアミド(T=約35℃)、ポリ−N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド(T=約28℃)、ポリ−N−テトラヒドロフルフリルメタクリルアミド(T=約35℃)、及びポリ−N,N−ジエチルアクリルアミド(T=32℃)等が挙げられる。その他のポリマーとしては、例えば、ポリ−N−エチルアクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルメタクリルアミド、ポリ−N−シクロプロピルアクリルアミド、ポリ−N−シクロプロピルメタクリルアミド、ポリ−N−アクリロイルピロリジン、ポリ−N−アクリロイルピペリジン、ポリメチルビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のアルキル置換セルロース誘導体や、ポリポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドとのブロック共重合体等に代表されるポリアルキレンオキサイドブロック共重合体や、ポリアルキレンオキサイドブロック共重合体が挙げられる。
これらのポリマーを形成するためのモノマーとしては、例えば、モノマーの単独重合体がT=0℃〜80℃を有するようなモノマーであって、放射線照射によって重合し得るモノマーが挙げられる。モノマーとしては例えば、(メタ)アクリルアミド化合物、N−(もしくはN,N−ジ)アルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体、環状基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体、及びビニルエーテル誘導体等が挙げられ、これらの1種以上を使用することができる。一種類のモノマーが単独で使用された場合、底部10上に形成されるポリマーはホモポリマーとなり、複数種のモノマーが一緒に使用された場合、底部10上に形成されるポリマーはコポリマーとなるが、どちらの形態も本発明に包含される。また、増殖細胞の種類によってTを調節する必要がある場合等には、上記以外の他のモノマー類をさらに加えて共重合しても良い。さらに、上記ポリマーとその他のポリマーとのグラフト又はブロック共重合体、あるいは温度応答性ポリマー等と他のポリマーとの混合物を用いても良い。また、ポリマー本来の性質が損なわれない範囲で架橋することも可能である。
pH応答性ポリマー及びイオン応答性ポリマーは、作製しようとする細胞積層体に適したものを適宜選択することができる。
2.細胞培養工程
細胞培養工程は、細胞培養容器1に収容された培養液中の細胞に、底部10の内面101方向への遠心力を作用させながら、細胞間接着が形成される条件下で細胞培養を行い、細胞間を接着させて細胞積層体を形成する工程である。この工程により、図2に示すように、底部10の内面101上に細胞積層体Aが形成される。
遠心力の大きさは、細胞の機能に悪影響を与えることなく細胞積層体の形成が可能な範囲で適宜選択することができる。例えば2G〜1440Gの範囲が好ましく、2G〜720Gの範囲がより好ましい。細胞含有培養液を収容した細胞培養容器1を遠心器に設置し、遠心操作を行うことで遠心力を付与することができる。
「細胞間接着が形成される条件」とは、細胞が活動して細胞同士が接着できる条件を指す。培養する細胞の種類に応じて変動するが、例えば温度条件は20℃〜40℃が好ましく、雰囲気ガス条件としては二酸化炭素濃度が3%〜5%であることが好ましく、培養時間としては0.5時間〜24時間が好ましい。遠心力を付与することにより、培養時間を短くすることができ、細胞へのダメージを小さくすることができる。培養時間は、細胞外マトリクスを別途調製し添加することにより短縮することが可能であり、培養時間を0.5時間〜3時間とすることができる。細胞外マトリクスを添加しない場合には、培養時間を1時間〜24時間とすることができる。
細胞培養工程では細胞間接着が形成されれば十分であり、細胞数を増殖により増やすことは必須ではない。培養液中における細胞数を適宜調節することにより、作製される細胞積層体の厚さ(すなわち組織の厚さ方向の細胞積層数)を制御することが可能である。細胞培養工程において細胞の増殖を行う必要がないため、比較的短時間で細胞積層体を得ることができる。また、細胞積層体の組織の厚さ、形状を自在に調節することができる。
また、遠心力を利用することにより、細胞が高密度化された細胞積層体を得ることが可能となる。細胞が高密度化された細胞積層体は移植用途に好適に用いることができる。
3.載置工程
載置工程は、遠心操作終了後に、図3に示すように、底部10及び上部20の位置を反転させ、得られた細胞積層体Aを底部10の内面101から剥離するとともに上部20に載置する工程である。内面101が細胞非接着性の表面であれば、剥離操作は容易であり、必要に応じてピンセット等の器具を補助的に用いたり、重力の作用によって上部20側へと細胞積層体Aを移動させたりすることができる。また、内面101が、刺激応答性高分子等の、細胞非接着性に変化することが可能な表面である場合には、細胞非接着性となるような環境(例えば、下限臨界温度以下の温度)に変化させた状態で剥離操作を行う。
4.分離工程
分離工程は、図4に示すように、上部20を、蓋部材21から分離する工程である。これに先立ち、上部20に載置された細胞積層体Aの周辺に残っている培養液を適宜ピペット等によって吸収、除去しても良い。分離工程により、上部20に細胞積層体Aが載置された状態となり、この状態のまま、例えば細胞移植等が行われる現場まで細胞積層体Aを容易に移送することができる。その際、上部20を介して細胞積層体Aを取り扱うため、細胞積層体Aの破壊、変形等を防止することができる。
次に、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
3.5cmサイズのペトリディッシュ(BD社製)を用い、このペトリディッシュの蓋に、超音波カッターにより適当な大きさ(直径約25〜30mm)に円形の貫通孔を形成した上で、蓋の端部にトルエンを染み込ませてフィルムが接着できるようにした。次に、二軸延伸ポリスチレンフィルム(OPSフィルム;旭化成ケミカルズ社製)を35mmサイズの円形に切り出し、上記蓋に接着させて貫通孔を覆い、実施例1の細胞培養容器を作製した。この細胞培養容器は、クリーンベンチ内においてUV照射を行うことで滅菌処理を施した。
次に、マウス筋芽細胞のC2C12細胞を10%のウシ胎児血清(FBS)を含むDMEM培地中で増殖させコンフルエントに達した後に0.01%トリプシンで10分間37℃にて反応することで細胞を基材から緩やかに剥離した。増殖させた細胞を、上記の細胞培養容器中に1.5×10個播種し、遠心力50Gにて12時間遠心することでペトリディッシュの底面上に細胞積層体を形成した。続いて、細胞培養容器を反転させたところ、細胞積層体がOPSフィルム上に移動し、このOPSフィルムを蓋から分離することで細胞積層体の移送を行うことができた。
(実施例2)
蓋の端部にトルエンを染み込ませてOPSフィルムを接着させる代わりに、生体親和性を有する脱酢酸タイプの接着剤RTV118(モメンティブパフォーマンスマテリアル社製)を用いてOPSフィルムを接着させた以外は、実施例1と同様にして細胞培養容器を作製した。なお、接着は室温環境で2日間以上放置することにより行った。
この細胞培養容器を用いて細胞積層体を作製し、OPSフィルム上に載置した状態で細胞積層体を移送することができた。
(比較例1及び2)
比較例1として、ペトリディッシュの蓋に貫通孔を形成する代わりに、ペトリディッシュの底面を超音波カッターにより円形にくり抜き、その部分に実施例1と同様のOPSフィルムをトルエンによる溶剤溶着法により接着させ、細胞培養容器を作製した。また、比較例2として、OPSフィルムを実施例2と同様の接着剤を用いて接着させた以外は、比較例1と同様にして細胞培養容器を作製した。
比較例1及び2の細胞培養容器を用いて、遠心により細胞積層体の作製を試みたところ、遠心後、ペトリディッシュの底面とOPSフィルムの隙間から培養液が漏れてしまい、OPSフィルム上に十分な細胞積層体は形成されなかった。
(比較例3)
ペトリディッシュの底面に、その底面の形状に沿って円形に切り出したフィルムを敷き、比較例3の細胞培養容器とした。この細胞培養容器を用いて遠心により細胞積層体の作製を試みた。
その結果、下に敷くフィルムがペトリディッシュの底面よりもサイズが小さい場合には、フィルムとディッシュ底面との間に細胞が滞留してしまい細胞積層体を作製することができなかった。また、フィルムのサイズを底面と同じにした場合には、細胞積層体を形成した後にフィルムをディッシュ底面から剥離する作業が困難になるため不適であった。
(比較例4)
比較例4として、特に加工していない通常のペトリディッシュを用い、このディッシュ底面上に遠心により細胞積層体を形成した上で、その細胞積層体をフィルムを用いてすくうことにより細胞積層体の移送ができるかどうかを検討した。
その結果、細胞積層体は形成されたものの、フィルムですくう際に浮遊している細胞積層体を捕えるのが難しく時間を要した。また、細胞積層体をすくう際によれてしまう現象又は細胞積層体が破壊される現象が見られた。
(細胞積層体の重量測定)
本発明が、細胞積層体の適切な組織を形成する上において有用であることを確認するため、以下の実験を行った。
まず、予め重量を測定したOPSフィルムを用いて上記実施例1及び比較例1の手順により細胞培養容器を作製し、実施例1と同じ条件により遠心力を作用させて細胞積層体を形成した。続いて、実施例1に係る細胞培養容器においては、遠心後に細胞培養容器を反転させ、培養液をピペットによって吸い出した後に、OPSフィルムをペトリディッシュの蓋から分離して、細胞積層体をOPSフィルム上に載置した状態で回収した。比較例1に係る細胞培養容器においては、遠心後に残った培養液をピペットによって吸い出し、OPSフィルムをペトリディッシュの底面から分離して、細胞積層体をOPSフィルム上に載置した状態で回収した。それぞれの細胞積層体とOPSフィルムの合計重量を測定し、予め測定したOPSフィルムの重量との差分を計算して細胞積層体のみの重量を求めた。
その結果、実施例1の細胞培養容器を用いた場合には、十分な量の細胞積層体が回収され、重量の差分は0.5gであった。これに対し、比較例1の細胞培養容器を用いた場合には、遠心によって、ペトリディッシュの底面とOPSフィルムの隙間から培養液が漏れてしまい、OPSフィルム上には細胞組織がほとんど見当たらず、重量の差分は0.002gであった。以上の結果から、本発明の細胞培養容器は、細胞積層体として十分な量の細胞組織を形成する上で有用であることが明らかとなった。
(フィルム種による細胞生存率の変化)
ペトリディッシュの蓋に接着させる樹脂フィルムの種類によって培養する細胞の生存率に違いが見られるかどうかを検討するため、以下の実験を行った。
ペトリディッシュの蓋に形成した貫通孔を覆う樹脂フィルムとして、それぞれ、PETフィルム(旭化成ケミカルズ社製;酸素透過度14.1cc/m・day・atm)、OPSフィルム(旭化成ケミカルズ社製;酸素透過度50.3cc/m・day・atm)、ポリプロピレンフィルム(パイレンフィルム−OT;東洋紡社製;酸素透過度15cc/m・day・atm)、ポリエチレンフィルム(IMXフィルム;J−Film社製;酸素透過度高)を用い、実施例1と同様にして細胞培養容器を作製した。なお、樹脂フィルムとペトリディッシュの蓋は接着剤により貼り合わせた。この細胞培養容器を用いて、遠心により細胞積層体を形成した。また、比較対象として、通常のペトリディッシュを用い、遠心により細胞積層体を形成した。通常のペトリディッシュでは、蓋の酸素透過度は0cc/m・day・atmとみなすことができる。なお、樹脂フィルムの酸素透過度は、モコン社製酸素透過率測定器(OX−TRAN 2/20)を用い、温度23℃、相対湿度85%の雰囲気下において測定した。
作製した細胞積層体を、PBSによって洗浄した後、生細胞を染色する1μg/mlのCalcein−AM(同仁化学社)、死細胞を染色する1μg/mlのPropidium Iodide(PI;同仁化学社)及び細胞核を染めるHoechst33342(1/1000希釈;Invitrogen社)をPBSに溶解した反応液に浸漬し、37℃で15分間反応させた。その後、スライドガラス上に乗せ、グリセロール及びカバーガラスによって封入した後に、共焦点顕微鏡により細胞生存の様子を観察した。
その結果を表1に示す。表1中、○はコントロール(「ディッシュ」)と比較して細胞数がほぼ同程度、△は若干劣る、×は死細胞が多いことを意味する。この結果より、樹脂フィルムの種類によって遠心後の細胞生存率に差が見られることが判明した。そして、酸素透過度が高いポリエチレンフィルムは、死細胞が多く不適であった。なお、表1中の細胞生存率に関しては、取得した共焦点顕微鏡画像を元にNIH ImageJによりCalcein−AM陽性細胞及びPI陽性細胞のそれぞれの面積比を算出することでおおよその細胞生存率を見定めた。
Figure 0006690119
(細胞種による影響)
得られる細胞積層体の状態が、細胞種に依存して変化するかどうかを検討するため、以下の実験を行った。
マウス線維芽細胞のCCL163細胞及びラット軟骨細胞のMK442(タカラバイオ社)を用い、実施例1の細胞培養容器により細胞積層体の作製及び回収を行った。なお、播種細胞数は共に1.5×10個とし、ペトリディッシュの蓋に接着する樹脂フィルムとしてはPETフィルムを採用し、接着剤により貼り合わせた。
実験の結果、上記2種の細胞について同様に細胞積層体が得られ、またハンドリング性に優れ、細胞積層体を破壊、変形させることなく移送することができた。
次に、接着力の強いMDCK細胞を用いて同様の検討を行った。細胞培養容器としては、ペトリディッシュ(BD社製)、ポリエチレングリコール(PEG)コーティングディッシュ、HydroCell(セルシード社製)の3.5cmディッシュの3つを容器部材とし、これらの蓋に貫通孔を形成し、その貫通孔をPETフィルムで覆ったものを用いた。なお、PEGコーティングディッシュに関しては、特許第5252036号公報に記載の方法に従い、PEG400(三洋化成社製)を表面にコーティングして製造した。また、HydroCellは、アクリルアミド系物質を表面コーティングすることで細胞非接着性にする表面処理を施したディッシュである。
まず、培地中で増殖させた細胞を剥離するために0.25%トリプシン溶液により37℃で10分間、反応させた。細胞培養容器に対する細胞播種量は1.5×10個とし、50Gで12時間遠心することで細胞積層体を形成し、細胞培養容器を反転させることでPETフィルムに載置した状態で細胞積層体の回収が行われるか検討した。その結果を表2に示す。表2中、○は、細胞積層体の回収が適切に行われたことを表し、×は、回収が困難であったことを表している。
Figure 0006690119
表2に示す通り、ペトリディッシュの底面は、MDCK細胞に対し細胞非接着性の程度が不十分であり、細胞積層体がペトリディッシュの底面に接着してPETフィルムへの回収は困難であった。また当然、細胞積層体のハンドリング性も不良であった。これに対し、親水性ポリマーで表面コーティングを行った2つのディッシュでは、遠心後に、形成した細胞積層体が浮遊しており、PETフィルムへの回収が容易であった。
1 細胞培養容器
10 底部
101 内面
11 容器部材
20 上部
21 蓋部材
210 貫通孔
A 細胞積層体

Claims (1)

  1. 細胞非接着性であるか、細胞非接着性に変化することが可能である内面を有する底部と、前記底部に対向する上部フィルムと、前記上部フィルムを分離可能に支持する蓋部材とを有し、前記上部フィルムが、200cc/m・day・atm以下の酸素透過度を有する細胞培養容器に、細胞を含有する培養液を入れる細胞添加工程と、
    細胞に対し底部の内面方向への遠心力を作用させながら、細胞間接着が形成される条件下で細胞培養を行い、細胞間を接着させて細胞積層体を形成する細胞培養工程と、
    前記底部及び前記上部フィルムの位置を反転させ、得られた細胞積層体を前記内面から剥離するとともに前記上部フィルムに載置する載置工程と、
    前記上部フィルムを、載置された細胞積層体とともに前記蓋部材から分離する分離工程と、
    を有する細胞積層体の作製方法。
JP2014254361A 2014-12-16 2014-12-16 細胞培養容器及び細胞積層体の作製方法 Active JP6690119B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014254361A JP6690119B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 細胞培養容器及び細胞積層体の作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014254361A JP6690119B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 細胞培養容器及び細胞積層体の作製方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020006056A Division JP6835266B2 (ja) 2020-01-17 2020-01-17 細胞培養容器及び細胞積層体の作製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016111975A JP2016111975A (ja) 2016-06-23
JP6690119B2 true JP6690119B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=56139301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014254361A Active JP6690119B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 細胞培養容器及び細胞積層体の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6690119B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6756201B2 (ja) * 2016-09-09 2020-09-16 日立化成株式会社 刺激応答性ポリマー
WO2025126362A1 (ja) * 2023-12-13 2025-06-19 日本電信電話株式会社 組織培養ディッシュとその製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5780294A (en) * 1997-03-19 1998-07-14 Becton Dickinson And Company Culture vessel assembly
JP4549084B2 (ja) * 2004-03-19 2010-09-22 幸英 岩本 生体材料回収プレート
JP2007325536A (ja) * 2006-06-07 2007-12-20 Univ Of Tokushima 微生物または生体分子の収容容器、およびその作成方法
JP5407343B2 (ja) * 2009-01-13 2014-02-05 大日本印刷株式会社 生体組織の作製方法
JP5802751B2 (ja) * 2011-06-27 2015-11-04 株式会社日立製作所 細胞培養装置および細胞培養方法
JP5991368B2 (ja) * 2012-03-16 2016-09-14 株式会社日立製作所 細胞シート、細胞培養方法および細胞培養装置
JP2014168403A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Dainippon Printing Co Ltd 細胞培養容器
JP2016103982A (ja) * 2013-03-12 2016-06-09 東京エレクトロン株式会社 細胞培養容器、細胞培養装置、及び細胞培養方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016111975A (ja) 2016-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5407343B2 (ja) 生体組織の作製方法
JP5407345B2 (ja) 生体組織の作製方法
JP5614471B2 (ja) 寸法が保持された細胞シート、その製造方法、及びそのための細胞培養担体
JP5407344B2 (ja) 生体組織の作製方法
CN103476439A (zh) 细胞因子产生细胞片及其利用方法
WO2006093153A1 (ja) 培養細胞シート、製造方法及びその利用した組織修復方法
JP6835266B2 (ja) 細胞培養容器及び細胞積層体の作製方法
JP6678520B2 (ja) 細胞集合体の製造方法
JP6690119B2 (ja) 細胞培養容器及び細胞積層体の作製方法
JP2009082005A (ja) 収縮が抑制された細胞シートの製造方法
JP6384054B2 (ja) 細胞積層体を製造するための細胞培養容器
JP6837333B2 (ja) シート状細胞培養物を製造するための細胞培養器具およびそれを用いたシート状細胞培養物の製造方法
JP5713086B2 (ja) 生体組織の作製方法
JP2009254271A (ja) 心筋細胞の誘導方法
JP6229503B2 (ja) 温度応答性を有する細胞培養基材およびその製造方法
JP7364825B2 (ja) 培養容器及び培養方法
JP7702737B2 (ja) 細胞シート製造用細胞培養器材、回収用支持体、及び細胞シート製造用キット
JP6558432B2 (ja) 組織の作製方法
Viravaidya-Pasuwat et al. Construction of a chondrocyte cell sheet using temperature-responsive poly (N-isopropylacrylamide)-co-acrylamide
JP6277684B2 (ja) 細胞積層体の製造方法
JP6264765B2 (ja) 組織の作製方法
JP2016013111A (ja) 底面部を剥離可能な培養容器
JP2014168394A (ja) 細胞培養容器
JP6226619B2 (ja) 細胞培養用器具
JP2019000005A (ja) 細胞培養容器、細胞培養容器の製造方法、並びに細胞シートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171030

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190508

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200117

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200310

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200323

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6690119

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150